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JP2011140453A - 発酵薬草乾燥物の製造方法および発酵薬草粉末 - Google Patents

発酵薬草乾燥物の製造方法および発酵薬草粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】薬草の有する薬効成分の蒸散・流出を抑制し、薬効成分を多量に含有する発酵薬草乾燥物を製造する方法を提供する。
【解決手段】非乾燥状態の薬草に対して、麹菌、乳酸菌及び酵母のうちの少なくとも1種の菌体を含む菌体培養液を添加して、前記薬草を発酵する発酵工程と、発酵した前記薬草を温度0℃以上10℃以下の冷却空気と接触させて乾燥する第1の乾燥工程と、発酵した前記薬草を温度20℃以上60℃以下にて保持する第2の乾燥工程と、を含むことを特徴とする発酵薬草乾燥物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、発酵薬草乾燥物の製造方法および発酵薬草粉末に関する。より詳しくは、ヨモギ、タンポポ、イチョウなどの薬草を発酵させ、該発酵した薬草の有する薬効成分を有効に利用することを可能とした発酵薬草乾燥物の製造方法および該製造方法にて製造された発酵薬草乾燥物を粉砕してなる発酵薬草粉末に関するものである。
従来から種々の薬理作用を発揮させることを目的として、薬草の有する薬効成分が注目されている。例えば、ヨモギは、カルシウムや鉄分などのミネラル類と共に、人体に有用な酵素も多量に含まれており、これらの酵素によって、栄養素を消化吸収したり、体内で生成された不要な物質を分解して排泄させることを促進したりすることができる。その結果、血液の浄化と血行を改善し、代謝を高め、体内の余分な脂肪を分解して体外に排泄することを促進するため、無理なく肥満を解消することに役立つ。
しかしながら、これらの薬草類をそのまま、食事によって体内に取り入れるのは、量的にも味的にも非常に困難である。そのため、従来から、これらの薬草から薬効成分を抽出したり、これらの薬草を発酵させた発酵薬草にしたりして、薬草類の薬効成分を体内に取り入れやすくしている。
例えば、特許文献1には、オウゴン、カイカ、カッコンなどの薬草を105℃(19.5kPaG)以上135℃(211.8kPaG)以下の飽和水蒸気雰囲気で加圧湿熱処理し、次いで溶媒抽出することによって、該薬草から薬効成分を抽出する方法が開示されている。また、特許文献2には、グアバ、月桃、ヨモギ、茶葉から選ばれた植物の葉を乾燥させて粉砕し、糖類等を添加し、加水処理して発酵させた発酵食材について開示されている。
特開2009−143833号公報 特開2002−330725号公報
特許文献1で開示されている方法は、薬草からの抽出物を100℃以上高温にさらすため、薬草の有する薬効成分が熱劣化するという問題がある。また、一般に薬効成分の抽出を行う方法は、設備が複雑になり、絞りかすが多量に生じることからコスト高になりがちである。
また、特許文献2の製造方法においては、薬草を乾燥させた後に、発酵させる方法がとられているが、発酵の前に、揮発性の高い薬効成分が蒸散してしまうという欠点がある。 また、乾燥の際に、80℃程度の熱風に長時間曝すため、成分が変質してしまうという問題がある。
このように、従来の方法では、発酵を行う前に、薬草に含まれる薬効成分が、蒸散や流出によって失われたり、変質劣化したりするため、十分な薬効成分を含んだ状態の発酵薬草乾燥物を得ることができなかった。
かかる状況下、本発明の目的は、薬草の有する薬効成分の蒸散・流出を抑制し、薬効成分を多量に含有する発酵薬草乾燥物を製造する方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 非乾燥状態の薬草に対して、麹菌、乳酸菌及び酵母のうちの少なくとも1種の菌体を含む菌体培養液を添加して、前記薬草を発酵する発酵工程と、
発酵した前記薬草を温度0℃以上10℃以下の冷却空気と接触させて乾燥する第1の乾燥工程と、
発酵した前記薬草を温度20℃以上60℃以下にて保持する第2の乾燥工程と、
を含む発酵薬草乾燥物の製造方法。
<2> 前記薬草が、ヨモギ、タンポポ及びイチョウから選ばれる1種の薬草である前記<1>記載の発酵薬草乾燥物の製造方法。
<3> 菌体培養液が、発酵させる薬草と同種の薬草から採取した菌体を、発酵させる薬草と同種の薬草から抽出液で培養してなる前記<1>または<2>記載の発酵薬草乾燥物の製造方法。
<4> 発酵を、5℃以上35℃以下の温度で行う前記<1>から<3>のいずれかに記載の発酵薬草乾燥物の製造方法。
<5> 第2の乾燥工程の後に、発酵薬草を温度65℃以上90℃以下にて焙煎する工程を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の発酵薬草乾燥物の製造方法。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の方法で製造された発酵薬草乾燥物を粉砕してなる発酵薬草粉末。
本発明によれば、発酵した薬草の有する薬効成分をほとんど損失させることなく乾燥させることができるため、薬効成分を多量に含む発酵薬草乾燥物を安定的に製造することができる。
本発明は、非乾燥状態の薬草に対して、麹菌、乳酸菌及び酵母のうちの少なくとも1種の菌体を含む菌体培養液を添加して、前記薬草を発酵する発酵工程と、発酵した前記薬草を温度0℃以上10℃以下の冷却空気と接触させて乾燥する第1の乾燥工程と、発酵した前記薬草を温度20℃以上60℃以下にて保持する第2の乾燥工程と、を含む発酵薬草乾燥物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と称す。)に係るものである。
本発明の製造方法の特徴の一つは、非乾燥状態の薬草の発酵を行ったのちに、温度0℃以上10℃以下での冷却空気を接触させる乾燥工程を含む2段階の乾燥工程にて乾燥を行うことにある。
すなわち、原料の薬草を乾燥させずに非乾燥状態で使用することにより、発酵前の薬草に含まれる薬効成分の蒸散・流出を回避することができる。さらに発酵した薬草に対する初期の乾燥である第1の乾燥として、温度0℃以上10℃以下の冷却空気と接触させる方法を採用することにより、発酵薬草の薬効成分の蒸散を抑制し、また、薬草に含まれる酵素類などの活性を阻害することもない。薬草の薬効成分を有効利用することができる。
本発明の製造方法において、原材料となる薬草としては、人体に有用な酵素も多量に含まれており、これらの酵素によって栄養素を消化吸収したり、体内で生成された不要な物質を分解して排泄させることを促進したりすることができるものが使用される。
具体的には、ヨモギ、タンポポ、メナモニ、ノブドウ、アロエ、アカメガシワ、ニガウリ、ヒヨドリジョウゴ、クズ、クワ、カキ葉、スギナ、ドクダミ、イチョウ、オオバコ、クマザサなどが挙げられ、ヨモギ、タンポポ及びイチョウが好ましい。
この中でもヨモギは、カルシウムや鉄分などのミネラル類を豊富に含み、血液の浄化と血行を改善し、代謝を高め体内の余分な脂肪を分解して体外に排泄することを促進する作用があるため特に好適である。
以下、本発明の好適な実施形態について工程ごとに説明する。
(1)発酵工程
本工程では、非乾燥状態の薬草に対して、麹菌、乳酸菌及び酵母のうちの少なくとも1種の菌体を含む菌体培養液を添加して、前記薬草の発酵を行う。
なお、上記の薬草における使用部位としては、特に制限はなく、その薬草の種類によって適宜選択することができるが、例えば、花、蕾、果実、果皮、種子、種皮、茎、葉、枝、枝葉、幹、樹皮、根、根茎、根皮、これらの混合物などが挙げられる。また、これらの薬草として、野山に自生したものも人工栽培のものも使用することができるが、野山に自生したものの方がより強い生命力を有するため好ましい。
上記薬草は、採取されたのちに、表面の汚れなどの水洗を行い、適当な方法で水切りを行って非乾燥状態で使用される。ここで、「非乾燥状態」とは、天日干しや加熱乾燥などの積極的な乾燥処理を行っていない状態を意味し、採取された生の薬草、あるいはそれを冷暗所で保管したものなどが該当する。
発酵工程において、薬草は、採取したまま使用してもよいが、発酵速度を高めるという観点からは、細断して使用されることが好ましい。なお、薬草をすりつぶして細かくするという方法も適用できるが、薬草の有する薬効成分が薬草の外に洩れだすため好ましくない。細断したときの大きさは、特に制限はないが、細かく細断しすぎると、薬草から薬効成分が洩れ出しやすくなるため、通常、2〜3cm角程度である。
薬草の発酵は、適当な容器に入れられた薬草に対して、麹菌、乳酸菌及び酵母のうちの少なくとも1種の菌体を含む菌体培養液を添加することによって行われる。
ここで、菌体培養液とは、薬草を発酵させることが可能な麹菌、乳酸菌及び酵母のうちの少なくとも1種を含む菌体を、蜂蜜やブドウ糖などの栄養素を含む水溶液のからなる媒体液にて培養してものである。なお、これらの菌体は、発酵させる薬草自体にも生息している。そのため、菌体培養液に使用する菌体として、これらの発酵させる薬草と同種の薬草から採取した菌体を使用することが好ましい。
また、菌体培養液は、麹菌、乳酸菌及び酵母のうちの少なくとも1種を含む菌体を、発酵させる薬草と同種の薬草から抽出した抽出液で培養してなることが好ましい。
発酵させる薬草と同種の薬草から抽出した抽出液は、その薬草の発酵に特に適した菌体の成長に有用な栄養素が多く含まれるため、菌体が増殖しやすい。また、発酵させる薬草と同種の薬草を使用するため、原料を無駄なく使用することができ、廃棄物の量が減少するというメリットもある。
菌培養液の製造方法の具体的方法は以下の通りである。
1)薬草を5cmぐらいに細断し、蜂蜜やブドウ糖などの糖分および水分を含む培地を、温度を25℃に保持した恒温槽に入れ、薬草に付着している菌体を培養する。培地には必要に応じて、無機塩など他の栄養素を添加してもよい。
2)菌体が培養した培地から、麹菌、乳酸菌及び酵母を採取し、菌体を採取した薬草(発酵させる薬草)と同種の薬草から抽出した抽出液に添加し、菌体を増殖させる。なお、雑菌の外部からの侵入を回避するために、ビニール袋などの密閉容器内で菌体の増殖を行うことが好ましい。
該薬草からの抽出液の製造方法は、従来公知の抽出方法により行うことができる。具体的には、公知の搾汁装置を使用して生の薬草から直接絞り出す方法、適当な溶媒に薬草を浸漬する方法などが挙げられるが、直接絞り出す方法が好適である。また、雑菌の繁殖を抑制するために、抽出液は煮沸処理をおこなってもよい。
菌体の増殖に好適な条件は、好気雰囲気、温度10〜35℃程度、湿度50%以上であり、このような温度湿度(通常、大気雰囲気下、室温)にて菌体が増殖した菌培養液が製造される。
上述の細断された薬草を、適当な容器に入れて撹拌し、次いで、該容器に菌体培養液を添加して十分撹拌した後に撹拌を止める。その後、該薬草が発酵するのに十分な時間静置することにより薬草を発酵させる。ここで、発酵温度は、5〜35℃が好ましく、15〜30℃がより好ましい。発酵温度が、5℃未満では発酵速度が小さすぎて発酵が不十分になる場合があり、35℃を超えると薬草に含まれる薬効成分の一部が熱変性してしまう場合がある。発酵時間は、発酵温度などによって適宜決定されるが、通常、3〜5日程度である。
(2)第1の乾燥工程
この工程は、発酵させた薬草を温度0℃以上10℃以下の冷却空気と接触させて乾燥する工程である。上述のように本発明の製造方法の特徴の一つは、この乾燥工程にある。すなわち、温度0℃以上10℃以下での低温乾燥のため、揮発成分が必要以上に蒸散することなく、最終品の発酵薬草乾燥物中に残存させることができる。
この工程において、発酵した薬草の水分量が、20〜30重量%程度となるまで乾燥を行う。水分量をこの程度まで減少させておくと、後工程の処理によって薬草から水分が揉み出されないことから薬効成分の流出を防止できるとともに品質の低下を抑えることができ、後の乾燥工程が短縮できる。なお、これ以上、低温乾燥である第1の乾燥工程にて水分を除去することは製造効率の観点から適当ではない。
第1の乾燥工程として具体的には、発酵工程にて発酵させた薬草を適当な方法で水切りした後、適当な容器(トレーなど)に入れ、等間隔に並べる。次いで、温度0〜10℃(好適には、3〜8℃)の冷却空気を容器内の薬草に接触するように送風する。この冷却空気は、適当な方法(例えば、冷却トラップやシリカゲル)にて脱水乾燥処理されていることが好ましい。なお、本工程における冷却空気の供給は、フロー式でも、循環式でもよいが、大量に発酵薬草を処理する場合には、通常、準密閉型の乾燥室に、冷却空気送風装置と、空気の脱水乾燥設備とを設け、冷却空気を循環させて行えばよい。
第1の乾燥工程における乾燥は、発酵薬草の水分量が20〜30重量%程度になるまで行われる。乾燥時間は、そのときの設定温度、湿度によって変動するが、通常、12時間〜48時間程度である。
(3)第2の乾燥工程
第1の乾燥工程後の発酵薬草は、水分を20〜30重量%程度含み、べとつくため、粉砕器等を使用して粉末化することが困難である。そのため、さらに第2の乾燥工程において、発酵した前記薬草を温度20℃以上60℃以下にて保持する水分量を5%程度まで減少させる。
本工程における乾燥温度が、20℃未満であると、十分に乾燥することができず、60℃を超えると、薬効成分のうち熱に弱いものは熱劣化するため好ましくない。
なお、本工程の乾燥時間は、薬草の薬効成分の熱劣化が起こらない範囲である限り、特に制限はないが、第1の乾燥工程において水分量が20〜30重量%程度まで減少しているため、通常、5〜20時間程度で十分である。
第2の乾燥工程における乾燥方法は、いかなる方法でもよいが、例えば攪拌機を用い、発酵薬草を撹拌しつつ、適宜加熱した温度20〜60℃の空気を薬草に直接当てる方法、ネット上に散布した発酵薬草の下方から通気する方法などが挙げられる。また、大量に発酵薬草を処理する場合には、第1の乾燥工程と同様の設備(準密閉型の乾燥室)により、加熱した温度20〜60℃の空気を循環させて第2の乾燥処理を行うこともできる。
製造された発酵薬草乾燥物は、そのまま使用してもよいが、使用性の観点から、通常、粉砕して粉末化されて使用される。粉砕方法は、特に限定はなく従来公知の粉砕器を使用すればよい。粉末の粒径は、その用途によって適宜決定され、通常、100〜150メッシュ程度であるが、この大きさには限定されない。
製造した発酵薬草粉末は、そのまま使用してもよいが、錠剤や顆粒に造形されたり、カプセルなどに加工されたりして使用することができる。
なお、第2の乾燥工程の後に、さらに発酵薬草を温度65℃以上90℃以下にて焙煎してもよい。この焙煎によって、香ばしさが付加されると共に、発酵薬草の水分量が更に減少するため、雑菌の繁殖が抑制される。一方で、焙煎時間が長すぎると、薬効成分が熱劣化するため、数分程度で行われる。なお、焙煎は、通常、発酵薬草乾燥物を粉末化した後に行われるが、焙煎することにより、水分量が減るため、焙煎後にさらに微粉化してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例1)「発酵ヨモギ乾燥物」
(1)菌体培養液1の製造
1)5cm程度に細断した野生のヨモギの成長体を、10重量%ブドウ糖水溶液を含む寒天培地(和光純薬工業株式会社)に接触させて、薬草に付着している菌体を4〜5日間、常温(約25℃)で好気培養した。次いで、培地上に形成されたコロニーを顕微鏡観察して、麹菌、乳酸菌及び酵母を分取した。
2)ヨモギ10kgを荷重式搾汁器にて処理し、約3.5Lのヨモギ抽出液を得た。このヨモギ抽出液を樹脂製容器に入れ、分取した上記麹菌、乳酸菌及び酵母を添加し、ビニール袋で準密閉状態にして、常温(約25℃)にて4〜5日間好気培養をおこなうことで、目的とする菌体培養液1を得た。
(2)発酵工程
2,3cmに細断したヨモギの葉を発酵用容器に入れ、細断したヨモギの葉120kgに対して、2Lの菌体培養液1を添加して十分に撹拌した。次いで、常温(約25℃)、好気性雰囲気下にて100時間の発酵処理を行い、発酵ヨモギを製造した。
(3)第1の乾燥工程
まず、製造した発酵ヨモギを遠心分離機(株式会社大道産業製、OM−10RY)にて処理し、余分な水分を除去した。次いで、水分を除去後の発酵ヨモギ約115kgを60枚の樹脂製トレー(120×60cm)の上に均等になるように並べた。なお、これらのトレーの側部及び下部には多数の通気孔が設けられている。
これらのトレーを、準密閉型の乾燥室内に設けられた所定の棚(15段、1段につき4トレー)に並べ、乾燥室内に設けられた温度設定可能な空気送風装置(三菱電機株式会社製、R−410A(カスタマイズ))にて、5℃±2℃に制御した冷却空気を乾燥室内で循環させ、冷却空気を直接発酵ヨモギに接触させた。なお、上記空気送風装置には、冷却トラップが備えられており、循環させる冷却空気は、該冷却トラップにより脱水乾燥される。
送風開始から24時間後、冷却空気の供給を停止した。この乾燥工程後の発酵ヨモギの一部をサンプリングし、乾燥前後の重量変化から水分量を算出したところ、約22重量%であった。
(4)第2の乾燥工程
次いで、同乾燥室内にて、空気送風装置で、40℃±2℃に制御した空気を循環させ、加熱した空気を直接発酵ヨモギに接触させた。なお、循環させる空気は、空気送風装置内に設けられた冷却トラップにより脱水乾燥される。
送風開始から15時間後、発酵ヨモギを回収した。この乾燥工程後の水分量を、乾燥前後の重量変化から算出したところ、約5%であった。
第2の乾燥の乾燥後の発酵ヨモギ乾燥物を、高速粉砕機(株式会社名濃製、HS−20)にて粉砕され、さらに100−150メッシュにふるい分けて、発酵ヨモギ粉末を作製した。
(5)焙煎工程
(4)第2の乾燥工程を得た発酵ヨモギの粉末を、焙煎器の上に乗せ、約80℃にて5分間焙煎処理を行った。得られた焙煎発酵ヨモギ粉末は、非常に香ばしい芳香がし、保管してもその芳香は持続した。
(製造例2)「発酵タンポポ乾燥物」
(1)菌体培養液2の製造
細断した野生のタンポポの成長体を使用した以外は、菌体培養液1の製造方法と同様にして、タンポポ由来の菌体培養液2を得た。
(2)発酵工程
2,3cmに細断したタンポポの葉を発酵用容器に入れ、細断したタンポポの葉150kgに対して、2Lの菌体培養液2を添加して十分に撹拌した。次いで、常温(約25℃)、好気性雰囲気化にて100時間の発酵処理を行い、発酵タンポポを製造した。
(3)第1の乾燥工程
上述の製造例1と同様の設備を使用して、第1の乾燥を行った。乾燥条件は、水分を除去後の発酵タンポポ約140kgを使用した以外は製造例1と同様である。この乾燥工程後の発酵タンポポの一部をサンプリングし、乾燥前後の重量変化から水分量を算出したところ、約20重量%であった。
(4)第2の乾燥工程
上述の製造例1と同様の設備を使用して、発酵タンポポに対して第1の乾燥を行った。乾燥条件は製造例1と同様である。
送風開始から15時間後、発酵タンポポを回収した。この乾燥工程後の水分量を、乾燥前後の重量変化から算出したところ、約6%であった。
第2の乾燥の乾燥後の発酵タンポポ乾燥物を、粉砕器にてすりつぶして、さらに100−150メッシュにふるい分けて、発酵タンポポ粉末を作製した。
(製造例3)「発酵イチョウ乾燥物」
(1)菌体培養液3の製造
細断した野生のイチョウの葉を使用した以外は、菌体培養液1の製造方法と同様にして、イチョウ由来の菌体培養液3を得た。
(2)発酵工程
2,3cmに細断したイチョウの葉を発酵用容器に入れ、細断したイチョウの葉100kgに対して、2Lの菌体培養液2を添加して十分に撹拌した。次いで、常温(約25℃)、好気性雰囲気化にて100時間の発酵処理を行い、発酵イチョウを製造した。
(3)第1の乾燥工程
上述の製造例1と同様の設備を使用して、第1の乾燥を行った。乾燥条件は水分を除去後の発酵イチョウ約95kgを使用した以外は製造例1と同様である。この乾燥工程後の発酵イチョウの一部をサンプリングし、乾燥前後の重量変化から水分量を算出したところ、約21重量%であった。
(4)第2の乾燥工程
上述の製造例1と同様の設備を使用して、発酵イチョウに対して第1の乾燥を行った。乾燥条件は製造例1と同様である。
送風開始から15時間後、発酵イチョウを回収した。この乾燥工程後の水分量を、乾燥前後の重量変化から算出したところ、約6%であった。
第2の乾燥の乾燥後の発酵イチョウ乾燥物を、粉砕器にてすりつぶして、さらに100−150メッシュにふるい分けて、発酵イチョウ粉末を作製した。
本発明によれば、発酵した薬草の有する薬効成分をほとんど損失させることなく乾燥させることができるため、薬効成分を多量に含む発酵薬草乾燥物を安定的に製造することができる。

Claims (6)

  1. 非乾燥状態の薬草に対して、麹菌、乳酸菌及び酵母のうちの少なくとも1種の菌体を含む菌体培養液を添加して、前記薬草を発酵する発酵工程と、
    発酵した前記薬草を温度0℃以上10℃以下の冷却空気と接触させて乾燥する第1の乾燥工程と、
    発酵した前記薬草を温度20℃以上60℃以下にて保持する第2の乾燥工程と、
    を含むことを特徴とする発酵薬草乾燥物の製造方法。
  2. 前記薬草が、ヨモギ、タンポポ及びイチョウから選ばれる1種の薬草であることを特徴とする請求項1記載の発酵薬草乾燥物の製造方法。
  3. 菌体培養液が、麹菌、乳酸菌及び酵母のうちの少なくとも1種を含む菌体を、発酵させる薬草と同種の薬草から抽出した抽出液で培養してなることを特徴とする請求項1または2記載の発酵薬草乾燥物の製造方法。
  4. 発酵を、5℃以上35℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発酵薬草乾燥物の製造方法。
  5. 第2の乾燥工程の後に、発酵薬草を温度65℃以上90℃以下にて焙煎する工程を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の発酵薬草乾燥物の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の方法で製造された発酵薬草乾燥物を粉砕してなる発酵薬草粉末。
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