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JP2011095635A - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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JP2011095635A
JP2011095635A JP2009251477A JP2009251477A JP2011095635A JP 2011095635 A JP2011095635 A JP 2011095635A JP 2009251477 A JP2009251477 A JP 2009251477A JP 2009251477 A JP2009251477 A JP 2009251477A JP 2011095635 A JP2011095635 A JP 2011095635A
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Akinori Shibuya
明規 渋谷
Masahiro Yoshitome
正洋 吉留
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Fujifilm Corp
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Fujifilm Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】DOF、保存安定性、解像性、パターン形状が改良され、線幅45nm以下の液浸プロセスにも適合した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】(A)活性光線又は放射線の照射により塩基を発生する化合物、(B)ラクトン構造を有する繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂及び(C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、更にその他のフォトファブリケーション工程に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、250nm以下の遠紫外線や電子線などを照射源とする場合に好適な感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。
化学増幅レジストは、遠紫外線光等の放射線の照射により露光部に酸を発生させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成する。
KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分とするため、高感度、高解像度でかつ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
一方、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、芳香族を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため上記化学増幅系でも十分ではなかった。
このため、脂環炭化水素構造を含有する種々のArFエキシマレーザー用レジストが開発されている。しかしながら、レジストとしての総合性能の観点から、使用される樹脂、光酸発生剤、添加剤、溶剤等の適切な組み合わせを見い出すことが極めて困難であるのが実情である。
特許文献1では、パターンの矩形性の確保、定在波によるパターンの側壁の凹凸の縮小をすべく、光塩基発生剤を含有するポジ型レジスト材料が開示されている。
液浸プロセスが適用された最新の線幅45nm以下のパターンを形成する世代においては、これまでの先行技術では充分ではなく、デプスオブフォーカス(Depth of Focus:DOF)、保存安定性の更なる改善が求められている。
特開平10−83079号公報
本発明は、上記背景技術における問題点に鑑み、解像性、パターン形状が良好であるとともに、DOF、保存安定性に優れ、線幅45nm以下のパターン形成を行う液浸プロセスにも適合した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することを課題とする。
本発明は、以下の通りである。
(1) (A)活性光線又は放射線の照射により塩基を発生する化合物、
(B)ラクトン構造を有する繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂及び
(C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とする
感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(2) 前記(A)活性光線又は放射線の照射により塩基を発生する化合物が、下記一般式(A1)〜(A3)のいずれかで表される部分構造を少なくとも1つ有することを特徴とする上記(1)に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011095635
一般式(A1)〜(A3)に於いて、
〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R〜Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
は、アンモニウムカチオンを表す。
は、対アニオンを表す。
Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
(3) 前記(A)活性光線又は放射線の照射により塩基を発生する化合物が、下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表されることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011095635
一般式(1)に於いて、
は、アンモニウムカチオンを表す。
は、対アニオンを表す。
Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Arは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
一般式(2)〜(6)に於いて、
〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R〜Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
Arは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
nは、0〜5の整数を表す。
(4) 前記一般式(6)が、下記一般式(6−1)で表されることを特徴とする上記(3)に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011095635
一般式(6−1)に於いて、
〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R〜Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、アリール基又はヘテロアリール基を形成する原子団を表す。
は、0〜4の整数を表す。
(5)樹脂(B)が含有するラクトン構造を有する繰り返し単位が、下記一般式(III)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011095635
一般式(III)中、
Aは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキレン基、シクロアルキレン基又はそれらを組み合わせた2価の連結基を表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
Figure 2011095635
又はウレア結合
Figure 2011095635
を表す。ここで、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。
は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、−R−Z−で表される構造の繰り返し数であり、1〜5の整数を表す。
は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
(6) 更に、(D)疎水性樹脂を含有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(7) 更に、(E)塩基性化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
(8) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により、膜を形成し、該膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
(9) 上記(1)〜(7)のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により、膜を形成し、該膜を液浸露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明により、解像性、パターン形状が良好であるとともに、DOF、保存安定性に優れ、線幅45nm以下のパターン形成を行う液浸プロセスにも適合した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法が提供される。
本発明に於ける、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、好ましくはポジ型化学増幅レジスト組成物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表され遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
〔1〕(A)活性光線又は放射線の照射により塩基を発生する化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により塩基を発生する化合物(以下、「化合物(PBG)」ともいう)を含有する。
化合物(PBG)は、活性光線又は放射線の照射により分解して塩基を発生する。
ここでいう塩基とは、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する化合物を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記一
般式に示す部分構造を有する窒素原子である。
Figure 2011095635
塩基の好ましい例として、例えば、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、1〜3級アミン、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラジン、ピペリジン、ピペラジンなどを挙げることが出来る。
化合物(PBG)は、下記一般式(A1)〜(A3)のいずれかで表される部分構造を少なくとも1つ有することが好ましい。
Figure 2011095635
一般式(A1)〜(A3)に於いて、
〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R〜Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
は、アンモニウムカチオンを表す。
は、対アニオンを表す。
Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
なお、一般式(A3)において、Aにおけるアンモニウム原子は、Rが結合している炭素原子に直結するものである。
一般式(A1)〜(A3)に於いて、R〜R、Rにおけるアルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜20の直鎖及び分岐アルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10の直鎖及び分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。
なお、置換基を有するアルキル基として、特に直鎖又は分岐アルキル基にシクロアルキル基が置換した基(例えば、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、カンファー残基など)を挙げることができる。アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を有する基としては、例えば、メトキシエトキシ基、エトキシエチル基、メチルチオメチル基、メチルチオエチル基、ジメチルアミノメチル基が挙げられる。
また、R〜R、Rにおけるシクロアルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、より好ましくは炭素数3〜10の直鎖及び分岐アルキル基であり、環内に酸素原子を有していてもよい。特に好ましくは、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロへプチル基、アダマンチル基、ノルボルナン基であり、シクロヘキシル基、シクロペンチル基がその中でも特に好ましい。シクロアルキル環内に酸素原子を有する基としては、例えば、テトラヒドロフルフリル基、テトラヒドロフルフリルメチル基を挙げることができる。
及びRの好ましい例としては、R及びRが結合して環状アルキル基を形成している場合、R及びRのいずれかが水素原子で、もう一方がアルキル基、シクロアルキル基の場合であり、環状アルキル基を形成している場合には6員環、5員環構造を形成している場合が特に好ましく、R及びRのいずれかが水素原子で、もう一方がアルキル基、シクロアルキル基の場合には、R及びRのいずれかが水素原子で、もう一方がシクロアルキル基の場合が特に好ましい。
及びRの好ましい例としては、水素原子、アルキル基が挙げられるが、特に水素原子が好ましい。
〜R、Rとしての各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、ヒドロキシ基、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基)、アセトキシ基(アセチロキシ基、プロピオニロキシ基等)、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基などが挙げられ、シクロアルキル基などにおける環状構造については、更にアルキル基が挙げられる。置換基の炭素数は15以下が好ましい。
は、アンモニウムカチオンを表し、脂環式テトラアルキルアンモニウムカチオン、鎖状テトラアルキルアンモニウムカチオンが好ましく、特に好ましいアンモニウムカチオンとして以下の構造が挙げられる。
Figure 2011095635
は、対アニオンを表し、好ましくはボレートアニオン、N,N−ジメチルジチオカルバメートアニオン、N,N−ジメチルカルバメートアニオン、シアネートアニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオンであり、特に好ましくはN,N−ジメチルジチオカルバメートアニオン、N,N−ジメチルカルバメートアニオンである。
一般式(A1)〜(A3)のいずれかで表される部分構造から発生する好ましい塩基としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2011095635
化合物(PBG)の特に好ましい例としては、下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
Figure 2011095635
一般式(1)に於いて、
は、アンモニウムカチオンを表す。
は、対アニオンを表す。
Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Arは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
一般式(2)〜(6)に於いて、
〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R〜Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
Arは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
nは、0〜5の整数を表し、1又は2が好ましい。
一般式(5)における(NO−及び一般式(6)における(HO)−は、Arで表されるアリール基又はヘテロアリール基へのn個の置換基(NO−又はHO−)を意味する。
一般式(1)〜(6)に於ける、R〜R及びRの好ましいアルキル基、シクロアルキル基の例は、前述の一般式(A1)〜(A3)、R〜R及びRで説明した基と同様である。また、A及びXの好ましいアンモニウムカチオン、対アニオンの例は、前述の一般式(A1)〜(A3)、A及びXで説明したアンモニウムカチオン、対アニオンと同様である。
Arのアリール基としては、好ましくは炭素数4〜14、より好ましくは炭素数6〜10であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基が挙げられ、Arのヘテロアリール基としては、好ましくは炭素数4〜14、より好ましくは炭素数6〜10であり、例えば、チオフェニル基、フラニル基、ピリジニル基、インドール基、ピロール基、カルバゾール基が挙げられる。
Arとして、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、チオフェニル基、フラニル基、ピリジニル基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
Arとしての基及び一般式(1)〜(6)に於ける環状構造は、置換基を有していてもよく、置換基としては、R〜R、Rとしての各基が有していてもよい置換基を挙げることができる。
これらの一般式(1)〜(6)で表される化合物の内、好ましい化合物として一般式(2)〜(6)で表される化合物が挙げられ、更に好ましくは一般式(5)又は(6)で表される化合物が挙げられ、特に好ましくは一般式(6)の化合物の内の下記一般式(6−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011095635
一般式(6−1)に於いて、
〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R〜Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、アリール基又はヘテロアリール基を形成する原子団を表す。
は、0〜4の整数を表す。
一般式(6−1)に於ける、R〜Rの好ましいアルキル基、シクロアルキル基の例は、前述の一般式(A1)〜(A3)、R〜Rで説明した基と同様である。
Zとして形成されるアリール基、ヘテロアリール基の好ましい例は、前述の一般式(6)、Arに於けるアリール基、ヘテロアリール基と同様である。
は、0〜2が好ましく、0が特に好ましい。
Zとして形成されるアリール基、ヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、R〜R、Rとしての各基が有していてもよい置換基を挙げることができる。
化合物(PBG)は、化合物(PBG)の複数が単結合又は連結基により結合した構造を有する化合物となっていてもよい。
以下、本発明の化合物(PBG)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2011095635
Figure 2011095635
化合物(PBG)の分子量は、一般的に100〜700であり、好ましくは150〜500であり、より好ましくは200〜400である。
化合物(PBG)は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法により合成したものを用いてもよい。例えば、Journal of Medicinal Chemistry, 42, 4016-4020(1999) 、Journal of American Chemical Society, 113, 4303-4313(1991)、Chem. Pharm. Bull., 45, 715-718(1997)に記載の方法に準じて合成することができる。
化合物(PBG)の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の含有率は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.1〜25質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜20質量%、更に好ましくは1.0〜15質量%である。
〔2〕(B)ラクトン構造を有する繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、ラクトン構造を有する繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂(以下、「樹脂(B)」ともいう)を含有する。
樹脂(B)が含有するラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(III)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位が好ましい。
Figure 2011095635
一般式(III)中、
Aは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキレン基、シクロアルキレン基又はそれらを組み合わせた2価の連結基を表す。
Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
Figure 2011095635
又はウレア結合
Figure 2011095635
を表す。ここで、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。
は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
nは、−R−Z−で表される構造の繰り返し数であり、1〜5の整数を表し、1が好ましい。
は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Zは、好ましくは、エーテル結合、エステル結合であり、特に好ましくはエステル結合である。
のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。Rにおけるアルキル基は、置換されていてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子やメルカプト基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、アセチロキシ基、プロピオニロキシ基等のアセトキシ基が挙げられる。Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
における好ましいアルキレン基としては炭素数が1〜10のアルキレンが好ましく、より好ましくは炭素数1〜5であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。好ましいシクロアルキレンとしては、炭素数1〜20のシクロアルキレンであり、例えば、シクロヘキシレン、シクロペンチレン、ノルボルニレン、アダマンチレン等が挙げられる。本発明の効果を発現するためには鎖状アルキレン基がより好ましく、メチレン基が特に好ましい。
のアルキレン基、シクロアルキレン基は、置換基を有してよい。
で表されるラクトン構造を有する1価の有機基は、ラクトン構造を有していれば限定されるものではなく、具体例として後述する一般式(LC1−1)〜(LC1−17)で表されるラクトン構造を有する1価の有機基が挙げられ、これらのうち(LC1−4)で表されるラクトン構造を有する1価の有機基が特に好ましい。また、(LC1−1)〜(LC1−17)におけるnは、0〜4の整数を表すが、2以下がより好ましい。
また、Rは無置換のラクトン構造を有する1価の有機基、或いはメチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を置換基として有するラクトン構造を有する1価の有機基が好ましく、シアノ基を置換基として有するラクトン構造(シアノラクトン)を有する1価の有機基がより好ましい。
以下に一般式(III)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を表す。
Figure 2011095635
一般式(III)で表される繰り返し単位の中でも、下記一般式 (III−1)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 2011095635
一般式(III−1)に於いて、
、A、R、Z、及びnは、上記一般式(III)に於ける、R、A、R、Z、及びnと同義である。
は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、水酸基又はアルコキシ基を表す。Rは、複数個ある場合
に2つのRが結合し、環を形成していてもよい。
Xは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
mは、置換基数であって、0〜5の整数を表す。mは0又は1であることが好ましい。
のアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、がより好ましく、メチル基が特に好ましい。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基を挙げることができる。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。これらの基は置換基を有していてもよく、該置換基としてはヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、シアノ基、フッ素原子などのハロゲン原子を挙げることができる。Rは、メチル基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基であることがより好ましく、シアノ基であることが更に好ましい。
Xのアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基等が挙げられる。Xは、酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることが更に好ましい。
mが1以上である場合、少なくとも1つのRは、ラクトンのカルボニル基のα位又はβ位に置換することが好ましく、特にα位に置換することが好ましい。
一般式(III−1)で表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。下記具体例中、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又はハロゲン原子を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を表す。
Figure 2011095635
Figure 2011095635
一般式(III)で表される繰り返し単位を含むラクトン構造を有する繰り返し単位の含有率は、複数種類含有する場合は合計して樹脂中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜60mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
樹脂(B)は、一般式(III)で表される繰り返し単位以外にも、以下に示すような他のラクトン構造を有する繰り返し単位を有していてもよい。
一般式(III)で表される繰り返し単位とそれ以外のラクトン構造を有する繰り返し単位の割合は、モル比として、80/20〜20/80が好ましく、70/30〜30/70がより好ましい。
ラクトン構造を有する繰り返し単位が有するラクトン構造として、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)、(LC1−17)であり、特定のラクトン構造を用いることでLWR、現像欠陥が良好になる。
Figure 2011095635
ラクトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(III)で表される繰り返し単位以外のラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AII’)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2011095635
一般式(AII’)中、
Rbは、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rbのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rbのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Vは、一般式(LC1−1)〜(LC1−17)の内のいずれかで示される構造を有する基を表す。
一般式(III)で表される繰り返し単位以外のラクトン構造を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明は、これらに限定されない。
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
特に好ましい一般式(III)で表される繰り返し単位以外のラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記の繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2011095635
ラクトン構造を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90%以上のものが好ましく、より好ましくは95%以上である。
一般式(III)で表される繰り返し単位以外のラクトンを有する繰り返し単位の含有率は、複数種類含有する場合は合計して樹脂中の全繰り返し単位に対し、15〜60mol%が好ましく、より好ましくは20〜50mol%、更に好ましくは30〜50mol%である。
本発明の効果を高めるために、一般式(III)で表される繰り返し単位から選ばれる2種以上のラクトン構造を有する繰り返し単位を併用することも可能である。併用する場合には一般式(III)の内、nが1であるラクトン繰り返し単位から2種以上を選択し併用することが好ましい。
化学増幅型レジスト組成物においては、ラクトン構造を有する繰り返し単位を有する樹脂と後述する塩基性化合物を併用して使用する場合がある。その場合、保存条件下において例えば以下に示すラクトン分解反応が起こり、レジスト液中にパーティクルが発生し、保存安定性が劣化することがある。それに対し、本発明の化合物(PBG)は、露光前には塩基性を持たないためラクトンユニットの分解を誘発しないためパーティクルの発生がなく、保存安定性が良好な感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製することが可能である。なお、以下の反応式において、R’は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Figure 2011095635
樹脂(B)は、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する。
樹脂(B)は、好ましくはアルカリ現像液に不溶又は難溶性である。
酸分解性基は、アルカリ可溶性基を酸の作用により分解し脱離する基で保護された構造を有することが好ましい。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
樹脂(B)が含有し得る、酸分解性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2011095635
一般式(AI)に於いて、
Xaは、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH−Rで表される基を表す。Rは、ヒドロキシ基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基又はアシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。Xaは、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基である。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基がより好ましい。
Rx〜Rxは、それぞれ独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。Rx〜Rxの2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Rx〜Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx〜Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基
が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の合計としての含有率は、樹脂中の全繰り返し単位に対し、20〜70mol%が好ましく、より好ましくは30〜50mol%である。
好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rx及びXaは、水素原子、CH、CF又はCHOHを表す。Rxa及びRxbは、それぞれ独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。pは、0又は正の整数を表す。Zとしての極性基を含む置換基及びその好適な置換基は、後述の一般式(II−1)におけるR10としての極性基を含む置換基と同様である。
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
樹脂(B)は、前記一般式(AI)で表される繰り返し単位として、下記一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくともいずれかを有する樹脂であることがより好ましい。
Figure 2011095635
一般式(I)及び(II)中、
及びRは、各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基又は−CH−Rで表される基を表す。Rは1価の有機基を表す。
、R、R及びRは、各々独立して、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。
一般式(I)に於ける、Rは、好ましくは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基である。
におけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。
におけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい

は、好ましくはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
Rは、炭素原子とともに脂環構造を形成するのに必要な原子団を表す。Rが形成する脂環構造としては、好ましくは、単環の脂環構造であり、その炭素数は好ましくは3〜7、より好ましくは5又は6である。
一般式(II)に於ける、Rは、好ましくは水素原子又はメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
、R、Rにおけるアルキル基は、直鎖型でも分岐型でもよく、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
、R、Rにおけるシクロアルキル基は、単環でも多環でもよく、置換基を有していてもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
また、一般式(I)で表される繰り返し単位が、以下の一般式(1−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2011095635
式(1−1)中、
Rv及びRvは、各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
nは1〜6の整数を表す。
nは好ましくは1又は2を表し、より好ましくは1を表す。
Rv、Rvにおける炭素数1〜10のアルキル基としては、直鎖でも分岐でもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下のものが好ましい。
一般式(II)で表される繰り返し単位は、下記一般式(II−1)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2011095635
一般式(II−1)中、R〜Rは、一般式(II)における各々と同義である。
10は、極性基を含む置換基を表す。R10が、複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。極性基を有する置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基若しくはスルホンアミド基など極性基自体、又は、これらの極性基を有する、直鎖若しくは分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。
pは、0〜15の整数を表す。pは、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
樹脂(B)は、一般式(AI)で表される繰り返し単位として、一般式(I)で表される繰り返し単位及び一般式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも一方を有する樹脂であることがより好ましい。また、他の形態において、一般式(AI)で表される繰り返し単位として、一般式(I)で表される繰り返し単位の少なくとも2種を有する樹脂であることがより好ましい。
また、樹脂(B)を複数含有し、それぞれが異なる酸分解性基を含有してもよい。
これらの場合、一般式(I)で表される異なる繰り返し単位を少なくとも2種含む場合、一般式(I)で表される繰り返し単位と一般式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、又は、一般式(1−1)で表される繰り返し単位と一般式(II)で表される繰り返し単位を含む場合が好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位を少なくとも2種含む場合としては、例えば一般式(I)におけるRがエチル基の繰り返し単位と、該Rがメチル基の繰り返し単位との組み合わせ、一般式(I)におけるRがエチル基の繰り返し単位と、該Rがシクロアルキル基である繰り返し単位との組み合わせ、式(I)におけるR2がメチル基又はエチル基でありRが形成する環がアダマンタンである繰り返し単位と式(1−1)においてRv2がメチル基又はエチル基である繰り返し単位との組み合わせが好ましい。
一般式(I)で表される繰り返し単位と一般式(II)で表される繰り返し単位を含む場合としては、例えば一般式(I)におけるRがエチル基の繰り返し単位と、一般式(II)におけるR、Rがメチル基でRがアダマンチル基である繰り返し単位との組み合わせ、一般式(I)におけるRがエチル基の繰り返し単位と、一般式(II)におけるR、Rがメチル基でRがシクロヘキシル基である繰り返し単位との組み合わせ、一般式(1−1)で表される繰り返し単位と一般式(II)で表される繰り返し単位を含む場合としては、例えば一般式(1−1)におけるRvがエチル基である繰り返し単位と、一般式(II)におけるR、Rがメチル基でRがアダマンチル基である繰り返し単位との組み合わせ、一般式(1−1)におけるRvがエチル基でnが2である繰り返し単位と、一般式(2)におけるR、Rがメチル基でRがシクロヘキシル基である繰り返し単位との組み合わせ等を挙げることができる。
樹脂(B)が酸分解性基を有する繰り返し単位を併用する場合の、好ましい組み合わせとしては、以下に挙げるものが好ましい。下式において、Rは、各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2011095635
樹脂(B)は、式(III)又は(AI)で表される繰り返し単位以外の水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有することが好ましい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、酸分解性基を有さな
いことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
Figure 2011095635
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、
c〜Rcは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、Rc〜Rcの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、Rc〜Rcの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、Rc〜Rcの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2011095635
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、Rcは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
c〜Rcは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、Rc〜Rcと同義である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)中の全繰り返し単
位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011095635
樹脂(B)は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有してもよい。アルカリ可溶性基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、更にはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、0〜20mol%が好ましく、より好ましくは3〜15mol%、更に好ましくは5〜10mol%である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rxは、H、CH、CHOH又はCFを表す。
Figure 2011095635
本発明の樹脂(B)は、更に、極性基をもたない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。このような繰り返し単位としては、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2011095635
一般式(IV)中、
は、少なくとも一つの環状構造を有し、水酸基及びシアノ基のいずれも有さない炭化水素基を表す。
Raは、水素原子、アルキル基又は−CH−O−Ra基を表す。式中、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
の炭化水素基には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3〜12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3〜12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3〜7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には、環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの炭化水素基は、置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
極性基をもたない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(B)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
極性基をもたない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
Figure 2011095635
樹脂(B)は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、プロファイル、更にレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、樹脂(B)に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステ
ル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
樹脂(B)において、各繰り返し構造単位の含有モル比は、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、プロファイル、更にはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、ArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に用いられる樹脂(B)は、実質的に芳香族基を有さないこと、例えば、樹脂中、芳香族基を有する繰り返し単位の比率が好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下であり、理想的には0モル%、即ち、芳香族基を有さないことが最も好ましく、また、単環又は多環の脂環炭化水素構造を有することが好ましい。
なお、樹脂(B)は、後述する疎水性樹脂との相溶性の観点から、フッ素原子及び珪素原子を含有しないことが好ましい。
本発明の組成物に用いられる樹脂(B)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。
また、酸分解性基を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、ラクトン構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位20〜50モル%、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する(メタ)アクリレート系繰り返し単位5〜30モル%、更にその他の(メタ)アクリレート系繰り返し単位を0〜20モル%含む共重合ポリマーも好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物にKrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)を照射する場合には、樹脂(B)は、更に、ヒドロキシスチレン系繰り返し単位を有することが好ましい。更に好ましくはヒドロキシスチレン系繰り返し単位と、酸分解性基で保護されたヒドロキシスチレン系繰り返し単位、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステル等の酸分解性繰り返し単位を有するが好ましい。
ヒドロキシスチレン系の好ましい酸分解性基を有する繰り返し単位としては、例えば、t−ブトキシカルボニルオキシスチレン、1−アルコキシエトキシスチレン、(メタ)アクリル酸3級アルキルエステルによる繰り返し単位等を挙げることができ、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート及びジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位がより好ましい。
本発明の樹脂(B)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び重合開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と重合開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの
アミド溶剤、更には後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。
本発明の樹脂(B)の重量平均分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜10,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、かつ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1〜3であり、好ましくは1〜2.6、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1.4〜2.0の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、パターン形状が優れ、かつパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明において樹脂(B)の組成物全体中の配合率は、全固形分中30〜99質量%が好ましく、より好ましくは60〜90質量%である。また、本発明の樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の樹脂(B)以外の他の樹脂を併用してもよい。本発明の樹脂(B)以外の他の樹脂としては、前述した樹脂(B)が含有しうる繰り返し単位を含有していてもよい酸分解性樹脂、またその他の公知の酸分解性樹脂を挙げることができる。
〔3〕(C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、「酸発生剤」ともいう)を含有する。
酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポ
リマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号明細書、独国特許第3914407号明細書、特開昭63−26653号公報、特開昭55−164824号公報、特開昭62−69263号公報、特開昭63−146038号公報、特開昭63−163452号公報、特開昭62−153853号公報、特開昭63−146029号公報等に記載の化合物を用いることができる。
更に米国特許第3,779,778号明細書、欧州特許第126,712号明細書等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
酸発生剤の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2011095635
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1
〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表す。
-としての非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸ア
ニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好まし
くは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンおけると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、置換基を有していてもよい。脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
-の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族
スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくは炭素数4〜8のパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)、(ZI−4)における対応する基を挙げることができる。
なお、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも一つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)及び(ZI−4)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2011095635
一般式(ZI−3)中、
Mは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はベンジル基を表し、環構造を有するとき、環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
式中、R1c及びR2cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。R1cとR2cとが結合して環を形成してもよい。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
及びRが結合して環を形成してもよい。また、M、R1c及びR2cの少なくとも二つが結合して環を形成してもよく、該環構造に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
は、非求核性アニオンを表す。
Mとしてのアルキル基は、直鎖、分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
M、R1c、R2c、R、Rとしてのシクロアルキル基は、炭素数3〜8個の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
M、R1c、R2cとしてのアリール基は、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、フェニル基、ナフチル基を挙げることができる。
Mとしての各基は、置換基として、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フェニルチオ基などを有していてもよい。Mとしてのシクロアルキル基及びアリール基は、更に置換基として、アルキル基を有していてもよい。置換基の炭素数は、15以下が好ましい。
1c及びR2cとしてのアルキル基は、例えば、炭素数1〜10のアルキル基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基を挙げることができる。
Mがフェニル基であるとき、置換基として、少なくともひとつ直鎖、分岐、環状アルキル基、又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基を有することが好ましく、更に好ましくは、置換基の炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
M、R1c及びR2cの少なくとも二つが結合して形成する環構造としては、好ましくは3〜10員環、より好ましくは3〜6員環を挙げることができる。環骨格は炭素−炭素二重結合を有していてもよい。
及びRとしてのアルキル基は、R1c及びR2cとしてのアルキル基と同様のものを挙げることができる。
2−オキソアルキル基又は2−オキソシクロアルキル基は、R1c及びR2cとしてのアルキル基又はシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
アリル基としては、特に制限は無いが、無置換若しくは単環又は多環のシクロアルキル基で置換されたアリル基であることが好ましい。
ビニル基としては特に制限は無いが、無置換若しくは単環又は多環のシクロアルキル基で置換されたビニル基であることが好ましい。
及びRが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。即ち、Rx及びRyが互いに結合して形成してもよい環構造としては、2価のRx及びRy(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等)が一般式(1−2)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられる。
、Rは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基である。
Rx又はRyとしての各基、及びRx及びRyが互いに結合して形成してもよい環構造は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、前述のMとしての各基が有していてもよい置換基を挙げることができる。
一般式(ZI−3)で表される化合物のカチオンとしては以下の具体例が挙げられる。
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
また、下記一般式(ZI−4)で表される化合物(ZI−4)であることが好ましい。
Figure 2011095635
一般式(ZI−4)中、
13は水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
14は複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
15は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成してもよい。これらの基は置換基を有してもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-と同様の非求核性アニオンを挙げることができる。
一般式(ZI−4)において、R13、R14及びR15のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が好ましい。
13、R14及びR15のシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ノルボルニル、トリシクロデカニル、テトラシクロデカニル、アダマンチル等があげられ、特にシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルが好ましい。
13及びR14のアルコキシ基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等を挙げることができる。これらのアルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が好ましい。
13及びR14のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数2〜11のものが好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらのアルコキシカルボニル基のうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等が好ましい。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基としては、例えば、単環若しくは多環のシクロアルキルオキシ基、及び、単環若しくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキルオキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有することが好ましい。総炭素数7以上の単環のシクロアル
キルオキシ基とは、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロドデカニルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基に、任意にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する単環のシクロアルキルオキシ基であって、該シクロアルキル基上の任意の置換基と合わせた総炭素数が7以上のものを表す。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキルオキシ基としては、ノルボルニルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロデカニルオキシ基、アダマンタンチルオキシ基等が挙げられる。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基であることが好ましい。総炭素数7以上の、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、iso−アミルオキシ等のアルコキシ基に上述の置換基を有していてもよい単環シクロアルキル基が置換したものであり、置換基も含めた総炭素数が7以上のものを表す。たとえば、シクロヘキシルメトキシ基、シクロペンチルエトキシ基、シクロヘキシルエトキシ基等が挙げられ、シクロヘキシルメトキシ基が好ましい。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基、トリシクロデカニルメトキシ基、トリシクロデカニルエトキシ基、テトラシクロデカニルメトキシ基、テトラシクロデカニルエトキシ基、アダマンタンチルメトキシ基、アダマンタンチルエトキシ基等が挙げられ、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基等が好ましい。
14のアルキルカルボニル基のアルキル基としては、上述したR13〜R15としてのアルキル基と同様の具体例が挙げられる。
14のアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐状、環状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等を挙げることができる。これらのアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基のうちメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等が好ましい。
上記各基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i
−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2個の2価のR15が一般式(ZI−4)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられ、アリール基又はシクロアルキル基と縮環していてもよい。この2価のR15は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。一般式(ZI−4)におけるR15としては、メチル基、エチル基、ナフチル基、2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基等が好ましい。
13及びR14が有し得る置換基としては、水酸基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)が好ましい。
lとしては、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
rとしては、0〜2が好ましい。
一般式(ZI−4)で表される化合物のカチオンとしては以下の具体例が挙げられる。
Figure 2011095635
Figure 2011095635
一般式(ZII)及び(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204〜R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
204〜R207におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。R204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2011095635
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール
基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Ar、Ar、R208、R209及びR210のアリール基の具体例としては、上記一般式(ZI−1)におけるR201、R202及びR203としてのアリール基の具体例と同様のものを挙げることができる。
208、R209及びR210のアルキル基及びシクロアルキル基の具体例としては、それぞれ、上記一般式(ZI−2)におけるR201、R202及びR203としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例と同様のものを挙げることができる。
Aのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基など)を、Aのアルケニレン基としては、炭素数2〜12のアルケニレン基(例えば、エチニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)を、Aのアリーレン基としては、炭素数6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)を、それぞれ挙げることができる。
酸発生剤の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物である。
また、酸発生剤として、スルホン酸基又はイミド基を1つ有する酸を発生する化合物が好ましく、更に好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、又は1価のフッ素原子又はフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物、又は1価のフッ素原子又はフッ素原子を含有する基で置換されたイミド酸を発生する化合物であり、更により好ましくは、フッ化置換アルカンスルホン酸、フッ素置換ベンゼンスルホン酸、フッ素置換イミド酸又はフッ素置換メチド酸のスルホニウム塩である。使用可能な酸発生剤は、発生した酸のpKaがpKa=−1以下のフッ化置換アルカンスルホン酸、フッ化置換ベンゼンスルホン酸、フッ化置換イミド酸であることが特に好ましく、感度が向上する。
酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
酸発生剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の含有率は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは10〜25質量%である。
ポジ型感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物として用いる場合、酸発生剤と化合物(PBG)のモル比(酸発生剤/化合物(PBG))は、10〜1.5、好ましくは7〜2、更に好ましくは5〜4であることが好ましい。モル比がよりも大きい場合に画像形成性の点で好ましく、10/1よりも即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。このモル比としてより好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
化合物(PBG)として一般式(5)又は(6)で表される化合物と、酸発生剤として化合物(ZI−3)又は(ZI−4)の組み合わせが好ましく、一般式(6)で表される化合物と化合物(ZI−3)又は(ZI−4)の組み合わせがより好ましく、一般式(6−1)で表される化合物と化合物(ZI−3)又は(ZI−4)の組み合わせが特に好ましい。
〔4〕疎水性樹脂
本発明に係る組成物は、上述したように、疎水性樹脂を更に含んでいてもよい。疎水性樹脂を更に含有させると、この組成物を用いて形成した膜の表層に疎水性樹脂が偏在化し、液浸液として水を使用した液浸露光に於いて液浸液に対する膜の後退接触角を向上させることが可能となる。これにより、膜の液浸液追随性を向上させることができる。
疎水性樹脂は、典型的には、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含んでいる。これらフッ素原子及び/又はケイ素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、この樹脂は、フッ素原子を含んだ部分構造として、フッ素原子を含んだアルキル基、フッ素原子を含んだシクロアルキル基、又はフッ素原子を含んだアリール基を備えていることが好ましい。
フッ素原子を含んだアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐鎖アルキル基である。このアルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数が1〜4であることがより好ましい。このフッ素原子を含んだアルキル基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよい。
フッ素原子を含んだシクロアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環式又は多環式のシクロアルキル基である。このフッ素原子を含んだシクロアルキル基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよい。
フッ素原子を含んだアリール基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基である。このアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。このフッ素原子を含んだアリール基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよい。
フッ素原子を含んだアルキル基、フッ素原子を含んだシクロアルキル基及びフッ素原子を含んだアリール基の好ましい例として、下記一般式(F2)〜(F4)により表される基が挙げられる。
Figure 2011095635
一般式(F2)〜(F4)中、R57〜R68は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R62〜R64のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R65〜R68のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。これらアルキル基は、炭素数が1〜4であることが好ましい。
57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。
62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。なお、R62とR63とは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
一般式(F2)により表される基としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、及び3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基が挙げられる。
一般式(F3)により表される基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、及びパーフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。これらのうち、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基又はパーフルオロイソペンチル基がより好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基又はヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)により表される基としては、例えば、−C(CFOH、−C(COH、−C(CF)(CH)OH、及び−CH(CF)OHが挙げられる。これらのうち、−C(CFOHが特に好ましい。
以下に、フッ素原子を含んだ繰り返し単位の具体例を示す。
具体例中、Xは、水素原子、−CH、−F又は−CFを表す。Xは、−F又は−CFを表す。
Figure 2011095635
疎水性樹脂がケイ素原子を含んでいる場合、この樹脂は、ケイ素原子を含んだ部分構造として、アルキルシリル構造又は環状シロキサン構造を備えていることが好ましい。このアリキルシリル構造は、好ましくは、トリアルキルシリル基を含んだ構造である。
アルキルシリル構造及び環状シロキサン構造の好ましい例として、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)により表される基が挙げられる。
Figure 2011095635
一般式(CS−1)〜(CS−3)中、R12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又はシクロアルキル基を表す。このアルキル基は、炭素数が1〜20であることが好ましい。このシクロアルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましい。
〜Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、フェニレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、又はこれらの組合せが挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
以下に、一般式(CS−1)〜(CS−3)により表される基を備えた繰り返し単位の具体例を挙げる。具体例中、Xは、水素原子、−CH、−F又は−CFを表す。
Figure 2011095635
疎水性樹脂は、下記(x)乃至(z)からなる群より選択される少なくとも1つの基を更に含んでいてもよい。
(x)アルカリ可溶性基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基
(z)酸分解性基
(x)アルカリ可溶性基としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びトリス(アルキルスルホニル)メチレン基が挙げられる。好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基、スルホンイミド基及びビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。好ましいフッ素化アルコール基としては、ヘキサフルオロイソプロパノール基が挙げられる。
アルカリ可溶性基を備えた繰り返し単位は、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸による繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、アルカリ可溶性基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、アルカリ可溶性基を備えた重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
アルカリ可溶性基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位にを基準として、1〜50モル%であることが好ましく、3〜35モル%であることがより好ましく、5〜20モル%であることが更に好ましい。
以下に、アルカリ可溶性基を備えた繰り返し単位の具体例を示す。
Figure 2011095635
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基
としては、例えば、ラクトン構造を備えた基、酸無水物基、及び酸イミド基が挙げられる。これらのうち、ラクトン構造を備えた基が特に好ましい。
この基を含んだ繰り返し単位は、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接この基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、この基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、この基を備えた重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を備えた繰り返し単位としては、例えば、先に樹脂(B)の項で説明したラクトン構造を備えた繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜40モル%であることが好ましく、3〜30モル%であることがより好ましく、5〜15モル%であることが更に好ましい。
(z)酸分解性基としては、例えば、先に樹脂(B)の項で説明したのと同様のものが挙げられる。
酸分解性基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜80モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂は、下記一般式(III)により表される繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
Figure 2011095635
一般式(III)中、Rc31は、水素原子、アルキル基、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基、シアノ基又は−CH−O−Rac基を表す。ここで、Racは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
c31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を含んだ基を表す。これら基は、フッ素原子及び/又はケイ素原子を有する基で置換されていてもよい。
c32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基であることが好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましい。
アルケニル基は、炭素数が3〜20であることが好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数が3〜20であるシクロアルケニル基が好ましい。
アリール基は、炭素数6〜20のフェニル基、ナフチル基が好ましく、これらは置換基を有していてもよい。
c32は、無置換のアルキル基又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基であることが好ましい。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。この2価の連結基としては、例えば、エステル基(−COO−により表される基)、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基及びフェニレン基が挙げられる。
疎水性樹脂は、下記一般式(CII−AB)により表される繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
Figure 2011095635
一般式(CII−AB)中、
c11’及びRc12’は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。Zc’は、Rc11’及びRc12’が結合している2つの炭素原子(C−C)と共に脂環式構造を形成するために必要な原子団を表す。
以下に、一般式(III)又は(CII−AB)により表される繰り返し単位の具体例を挙げる。具体例中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。
Figure 2011095635
以下に、疎水性樹脂の具体例を挙げる。また、下記表に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、及び分散度を纏める。
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
疎水性樹脂は、少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位を含みかつフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含んだ樹脂であることが好ましい。疎水性樹脂としてこのような樹脂を用いると、現像欠陥を更に低減させることが可能となる。なお、上記のフッ素原子は、極性変換基における電子求引性基としてのフッ素原子であってもよく、それ以外のフッ素原子であってもよい。
なお、ここで「極性変換基」とは、アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基であり、例えば、後掲の一般式(KA−1)及び(KB−1)において「−COO−」により表されている部分がこれに該当する。但し、樹脂の主鎖に直接結合しているエステル基(例えば、アクリレートにおけるエステル基)は、アルカリ現像液の作用により溶解度を増大させる能力が低いため、「極性変換基」には含まれないこととする。
極性変換基は、アルカリ現像液の作用により分解し、その極性が変化する。これにより、アルカリ現像後の膜と液浸液としての水との後退接触角を更に小さくすることが可能となる。
アルカリ現像後の膜との水との後退接触角は、温度23±3℃及び湿度45±5%の条件下で50°以下であることが好ましく、40°以下であることがより好ましく、35°以下であることが更に好ましく、30°以下であることが最も好ましい。
なお、後退接触角とは、液滴−基板界面での接触線が後退する際に測定される接触角であり、動的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレートする際に有用であることが一般に知られている。簡易的には、針先端から吐出した液滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び針へと吸い込んだ際に、液滴の界面が後退するときの接触角として定義できる。この後退接触角は、拡張収縮法と呼ばれる方法を用いて測定することができる。
疎水性樹脂が少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位を含みかつフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含んだ樹脂である場合、この樹脂は、1つの側鎖上に、少なくとも2つの極性変換基とフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方との双方を備えた繰り返し単位を含んでいることが好ましい。即ち、この疎水性樹脂は、複数の極性変換基を備えた側鎖上にフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した繰り返し単位を含んでいることが好ましい。
或いは、この場合、疎水性樹脂は、少なくとも2つの極性変換基を備えかつフッ素原子及びケイ素原子を含有していない繰り返し単位と、フッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有している繰り返し単位とを含んでいてもよい。
或いは、この場合、疎水性樹脂は、1つの側鎖上に少なくとも2つの極性変換基を備え、かつ、同一繰り返し単位内の他の側鎖上にフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した繰り返し単位を含んでいてもよい。この場合、極性変換基を備えた側鎖とフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した側鎖とは、主鎖の炭素原子を介してα位の位置関係にあることが好ましい。即ち、これら側鎖が、下記式(4)に示す位置関係にあることが好ましい。式中、B1は極性変換基を備えた側鎖を表し、B2はフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した側鎖を表す。
Figure 2011095635
上記の極性変換基を含んだ側鎖は、下記一般式(KA−1)又は(KB−1)により表される部分構造を含んでいることが好ましく、下記一般式(KA−1)により表される部分構造を含んでいることがより好ましい。
Figure 2011095635
一般式(KA−1)中、
ka1は、nka≧2の場合には各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、エーテル基、ヒドロキシ基、アミド基、アリール基、ラクトン環基、又は電子求引性基を表す。nka≧2の場合、複数のZka1が互いに結合して、環を形成していてもよい。この環としては、例えば、シクロアルキル環、並びに、環状エーテル環及びラクトン環等のヘテロ環が挙げられる。
nkaは0〜10の整数を表す。nkaは、好ましくは0〜8であり、より好ましくは0〜5であり、更に好ましくは1〜4であり、特に好ましくは1〜3である。
なお、一般式(KA−1)により表される構造は、この構造中に含まれる少なくとも1つの水素原子を除いてなる1価以上の置換基を表す。
一般式(KB−1)中、
kb1及びXkb2は、各々独立して、電子求引性基を表す。
nkb及びnkb’は、各々独立して、0又は1を表す。なお、nkb=nkb’=0の場合、Xkb1及びXkb2は、エステル基(−COO−)と直結している。
kb1〜Rkb4は、各々独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は電子求引性基を表す。Rkb1、Rkb2及びXkb1の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。また、Rkb3、Rkb4及びXkb2の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
kb3、Rkb4及びXkb2の少なくとも2つが互いに結合して形成し得る環としては、好ましくは、シクロアルキル基及びヘテロ環基が挙げられる。このヘテロ環基としては、ラクトン環基が特に好ましい。このラクトン環としては、例えば、樹脂(B)について述べた式(LC1−1)〜(LC1−17)により表されるものが挙げられる。
なお、Xkb1及びXkb2の双方が1価の置換基である場合、一般式(KB−1)により表される構造は、この構造中に含まれる少なくとも1つの水素原子を除いてなる1価以上の置換基を表す。
一般式(KB−1)により表される部分構造では、電子求引性基がエステル基に近接して存在している。それゆえ、この部分構造は、優れた極性変換能を発揮し得る。
ka1は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、エーテル基、ヒドロキシ基又は電子求引性基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又は電子求引性基である。なお、エーテル基としては、アルキルエーテル基又はシクロアルキルエーテル基が好ましい。
ka1のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアル
キル基は、置換基を更に有していてもよい。
直鎖アルキル基は、炭素数が1〜30であることが好ましく、炭素数が1〜20であることがより好ましい。このような直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デカニル基が挙げられる。
分岐鎖アルキル基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、炭素数が3〜20であることがより好ましい。このような分岐鎖アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、i−ヘキシル基、t−ヘキシル基、i−ヘプチル基、t−ヘプチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、i−ノニル基及びt−デカノイル基が挙げられる。
ka1のアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基及びt−ブチル基等の炭素数が1〜4のものであることが好ましい。
ka1のシクロアルキル基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。後者の場合、シクロアルキル基は、有橋式であってもよい。即ち、この場合、シクロアルキル基は、橋かけ構造を有していてもよい。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
単環型のシクロアルキル基としては、炭素数が3〜8のものが好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロオクチル基が挙げられる。
多環型のシクロアルキル基としては、例えば、炭素数が5以上のビシクロ、トリシクロ又はテトラシクロ構造を備えた基が挙げられる。この多環型のシクロアルキル基は、炭素数が6〜20であることが好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基及びアンドロスタニル基が挙げられる。
これらシクロアルキル基としては、例えば、下式により表されるものが挙げられる。
Figure 2011095635
上記の脂環構造のうち好ましいものとしては、例えば、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基及びシクロドデカニル基が挙げられる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基及びトリシクロデカニル基が挙げられる。
これら脂環構造は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、及びアルコキシカルボニル基が挙げられる。
置換基としてのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びブチル基等の低級アルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基であることが更に好ましい。
置換基としてのアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基等の炭素数が1〜4のものが挙げられる。
これら置換基としてのアルキル基及びアルコキシ基は、更なる置換基を有していてもよい。この更なる置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子及びアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)が挙げられる。
ka1のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
ka1のアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基が更に有し得る置換基としては、例えば、水酸基;ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;上記のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ベンジル基、フェネチル基及びクミル基等のアラルキル基;アラルキルオキシ基;ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ベンゾイル基、シアナミル基及びバレリル基等のアシル基;ブチリルオキシ基等のアシロキシ基;アルケニル基;ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、アリルオキシ基及びブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;上記のアリール基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;並びに、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
ka1、Xkb1、Xkb2及びRkb1〜Rkb4の電子求引性基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、オキシ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、ニトリル基、ニトロ基、スルホニル基、スルフィニル基、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基、ハロアリール基、及びこれらの組み合わせが挙げられる。なお、「ハロ(シクロ)アルキル基」とは、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された(シクロ)アルキル基を意味している。
ka1のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、フッ素原子が特に好ましい。
−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基において、Rf1は、ハロゲン原子、パーハロアルキル基、パーシクロハロアルキル基、又はパーハロアリール基を表す。このRf1は、フッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロシクロアルキル基であることがより好ましく、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが更に好ましい。
−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基において、Rf2及びRf3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は有機基を表す。この有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基が挙げられる。これら基は、ハロゲン原子等の置換基を更に有していてもよい。
Rf1〜Rf3のうち少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。この環としては、例えば、シクロアルキル環、ハロシクロアルキル環、アリール環、及びハロアリール環が挙げられる。
Rf1〜Rf3のアルキル基及びハロアルキル基としては、例えば、先にZka1について説明したアルキル基、及び、これらアルキル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子により置換された基が挙げられる。
上記のハロシクロアルキル基及びハロアリール基としては、例えば、先にZka1について説明したシクロアルキル基及びアリール基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子により置換された基が挙げられる。このハロシクロアルキル基及びハロアリール基としては、より好ましくは、−C(n)F(2n−2)Hにより表されるフルオロアルキル基、及び、−C(n)F(2n−1)により表されるパーフルオロアリール基が挙げられる。ここで、炭素数nの範囲に特に制限はないが、n=5〜13であることが好ましく、n=6であることが特に好ましい。
Rf2は、Rf1と同一の基であるか、又は、Rf3と結合して環を形成していることがより好ましい。
上記の電子求引性基は、ハロゲン原子、ハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基であることが特に好ましい。上記の電子求引性基は、フッ素原子の一部がフッ素原子以外の電子求引性基で置換されていてもよい。
なお、電子求引性基が2価以上の基である場合、残りの結合手は、任意の原子又は置換基との結合に供される。この場合、上記の部分構造は、更なる置換基を介して疎水性樹脂の主鎖に結合していてもよい。
一般式(KA−1)により表される部分構造は、ラクトン構造である。このラクトン構造は、5〜7員環構造であることが好ましく、5〜7員環のラクトン構造にビシクロ構造又はスピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが更に好ましい。
一般式(KA−1)におけるラクトン構造としては、樹脂(B)について述べた(LC1−1)〜(LC1−17)の何れかにより表されるラクトン構造がより好ましい。これらのうち、(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)又は(LC1−17)により表される構造が特に好ましい。
なお、ラクトン構造には、通常は光学異性体が存在するが、何れの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度が90%ee以上のものが好ましく、95%ee以上のものがより好ましく、98%ee以上のものが更に好ましい。
疎水性樹脂は、2つの極性変換基を備えた部分構造として、下記一般式(KY−1)により表される構造を有していることがより好ましい。なお、一般式(KY−1)により表される構造は、この構造に含まれる少なくとも1つの水素原子を除いてなる1価以上の置換基を表す。
Figure 2011095635
一般式(KY−1)中、Rky1及びRky4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン
原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。或いは、Rky1とRky4との双方が同一の原子と結合して、二重結合を形成していてもよい。例えば、Rky1とRky4との双方が同一の酸素原子と結合して、カルボニル基の一部(=O)を形成していてもよい。
ky2及びRky3は、各々独立して、電子求引性基を表す。或いは、Rky1とRky2とが互いに結合してラクトン環を形成しておりかつRky3が電子求引性基であってもよい。
ラクトン環としては、先に挙げた(LC1−1)〜(LC1−17)の構造が好ましい。電子求引性基としては、上記一般式(KB−1)におけるXkb1と同様のものが挙げられる。この電子求引性基は、好ましくは、ハロゲン原子、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基、又はハロアリール基である。
ky1、Rky2及びRky4のうちの少なくとも2つは、互いに結合して、単環又は多環式構造を形成していてもよい。Rkb1〜Rkb4、nkb及びnkb’は、先に式(KB−1)について説明したのと同義である。Rky1及びRky4としては、例えば、上記一般式(KA−1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
一般式(KY−1)により表される部分構造は、下記一般式(KY−2)により表される構造であることがより好ましい。なお、一般式(KY−2)により表される構造は、この構造に含まれる少なくとも1つの水素原子を除いてなる1価以上の置換基を表す。
Figure 2011095635
一般式(KY−2)中、Rky6〜Rky10は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。Rky6〜Rky10のうち少なくとも2つが互いに結合して、環を形成していてもよい。
ky5は、電子求引性基を表す。電子求引性基としては、上記一般式(KB−1)におけるXkb1と同様のものが挙げられる。この電子求引性基は、好ましくは、ハロゲン原子、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基、又はハロアリール基である。
kb1、Rkb2及びnkbの各々は、上記一般式(KB−1)におけるものと同義である。Rky5〜Rky10としては、例えば、上記一般式(KA−1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
一般式(KY−2)により表される構造は、下記一般式(KY−3)により表される構造であることがより好ましい。
Figure 2011095635
一般式(KY−3)中、Zka1及びnkaの各々は、上記一般式(KA−1)におけるものと同義である。Rky5は、上記一般式(KY−2)におけるものと同義である。Rkb1、Rkb2及びnkbの各々は、上記一般式(KB−1)におけるものと同義である。
kyは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。Lkyのアルキレン基としては、例えば、メチレン基及びエチレン基が挙げられる。Lkyは、酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。
Rsは、ns≧2の場合には各々独立に、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。ns≧2の場合、複数のRsは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Lsは、ns≧2の場合には各々独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。ns≧2の場合、複数のLsは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
nsは、−(Rs−Ls)−により表される連結基の繰り返し数であり、0〜5の整数を表す。
疎水性樹脂は、下記一般式(K0)により表される繰り返し単位を含んでいることが好ましい。
Figure 2011095635
一般式(K0)中、Rk1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は極性変換基を有する基を表す。Rk2は、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、又は極性変換基を有する基を表す。但し、Rk1及びRk2に含まれる極性変換基の総数は2以上である。
なお、上述したように、一般式(K0)により表される繰り返し単位の主鎖に直接結合しているエステル基は、極性変換基には含まれないこととする。
疎水性樹脂に含まれる繰り返し単位は、付加重合、縮合重合及び付加縮合等の重合により得られる繰り返し単位であれば限定されるものではないが、炭素−炭素2重結合の付加重合により得られる繰り返し単位であることが好ましい。
このような繰り返し単位としては、例えば、アクリレート系繰り返し単位(α位及び/又はβ位に置換基を有する系統も含む)、スチレン系繰り返し単位(α位及び/又はβ位に置換基を有する系統も含む)、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位、並びにマレイン酸誘導体(マレイン酸無水物、その誘導体及びマレイミド等)の繰り返し単位が挙げられる。これらのうち、アクリレート系繰り返し単位、スチレン系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、又はノルボルネン系繰り返し単位がより好ましく、アクリレート系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、又はノルボルネン系繰り返し単位が更に好ましく、アクリレート系繰り返し単位が特に好ましい。
以下に、少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位の具体例を挙げる。具体例中、Raは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
Figure 2011095635
少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位を含んだ樹脂は、他の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。この他の繰り返し単位としては、例えば、疎水性樹脂が含み得る繰り返し単位として先に説明したものが挙げられる。
少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、好ましくは10〜100モル%であり、より好ましくは20〜100モル%であり、更に好ましくは30〜100モル%であり、特に好ましくは40〜100モル%である。
疎水性樹脂が、1つの側鎖上に少なくとも2つの極性変換基とフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方との双方を備えた繰り返し単位を含んでいる場合、この繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、好ましくは10〜100モル%であり、より好ましくは20〜100モル%であり、更に好ましくは30〜100モル%であり、特に好ましくは40〜100モル%である。
疎水性樹脂が、少なくとも2つの極性変換基を備えかつフッ素原子及びケイ素原子を含有していない繰り返し単位と、フッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有している繰り返し単位との双方を含んでいる場合、これらの好ましい含有量は、以下の通りである。即ち、前者の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、好ましくは10〜90モル%であり、より好ましくは15〜85モル%であり、更に好ましくは20〜80モル%であり、特に好ましくは25〜75モル%である。また、後者の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、好ましくは10〜90モル%であり、より好ましくは15〜85モル%であり、更に好ましくは20〜80モル%であり、特に好ましくは25〜75モル%である。
疎水性樹脂が、1つの側鎖上に少なくとも2つの極性変換基を備え、かつ、同一繰り返し単位内の他の側鎖上にフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した繰り返し単位を含んでいる場合、この繰り返し単位の含有量は、好ましくは10〜100モル%であり、より好ましくは20〜100モル%であり、更に好ましくは30〜100モル%であり、特に好ましくは40〜100モル%である。
以下に、少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位を含みかつフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含んだ樹脂の具体例を挙げる。また、下記表に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量及び分散度を纏める。
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635

Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂の分子量を基準として、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含んだ繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂がケイ素原子を含んでいる場合、ケイ素原子の含有量は、疎水性樹脂の分子量を基準として、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、ケイ素原子を含んだ繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000であり、より好ましくは1,000〜50,000であり、更に好ましくは2,000〜15,000である。
疎水性樹脂の分散度は、1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1〜2であることが更に好ましい。こうすると、より優れた解像度、パターン形状及びラフネス特性を達成することが可能となる。
疎水性樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
疎水性樹脂の含有量は、組成物中の全固形分を基準として、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜8質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂のアルカリ現像液に対する加水分解速度は、0.001nm/秒以上であることが好ましく、0.01nm/秒以上であることがより好ましく、0.1nm/秒以上であることが更に好ましく、1nm/秒以上であることが特に好ましい。なお、疎水性樹脂のアルカリ現像液に対する加水分解速度は、23℃の2.38質量%TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液に対して、疎水性樹脂のみで樹脂膜を製膜した際の膜厚が減少する速度である。
疎水性樹脂としては、市販品を使用してもよく、常法に従って合成したものを使用してもよい。この樹脂の一般的な合成方法としては、例えば、先に樹脂(B)について説明したのと同様の方法が挙げられる。
疎水性樹脂は、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、単量体及びオリゴマー成分の残存量が0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましく、0〜1質量%であることが更に好ましい。これにより、液中異物の量を減少させ、感度等の経時変化を低減することが可能となる。
〔5〕塩基性化合物
本発明の感活性光線又は放射線性樹脂組成物は、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物は、含窒素有機塩基性化合物であることが好ましい。
使用可能な化合物は特に限定されないが、例えば以下の(1)〜(4)に分類される化合物が好ましく用いられる。
(1)下記一般式(BS−1)で表される化合物
Figure 2011095635
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基(直鎖又は分岐)、シクロアルキル基(単環又は多環)、アリール基、アラルキル基の何れかを表す。但し、三つのRの全てが水素原子とはならない。
Rとしてのアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1〜20、好ましくは1〜12である。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常3〜20、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6〜20、好ましくは6〜10である。具体的にはフェニル基やナフチル基などが挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7〜20、好ましくは7〜11である。具体的にはベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
一般式(BS−1)で表される化合物は、3つのRの1つのみが水素原子、あるいは全てのRが水素原子でないことが好ましい。
一般式(BS−1)の化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリンなどが挙げられる。
また、一般式(BS−1)において、少なくとも1つのRが、水酸基で置換されたアルキル基である化合物が、好ましい態様の1つとして挙げられる。具体的化合物としては、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
また、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン鎖が形成されていてもよい。オキシアルキレン鎖としては−CHCHO−が好ましい。具体的例としては、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物などが挙げられる。
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
複素環構造としては、芳香族性を有していてもいなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよく、更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物(N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど)、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、アンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン、ヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物のアルキル基の窒素原子と反対
側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基、アリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有する化合物である。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CHCHO−が好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。
(4)アンモニウム塩
アンモニウム塩も適宜用いられる。好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
その他、本発明の組成物に使用可能なものとして、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物、特開2007−298569号公報の段落0108に記載の化合物などが挙げられる。
塩基性化合物は、単独であるいは2種以上併用して用いられる。
塩基性化合物の使用量は、組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
化合物(PBG)/塩基性化合物のモル比は、100/1〜5/1が好ましく、80/1〜10/1がより好ましく、特に好ましくは60/1〜20/1である。
酸発生剤/塩基性化合物のモル比は、2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。このモル比としてより好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
〔6〕酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物
本発明の組成物は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(以下、「化合物(D)」ともいう)を含有することができる。酸の作用により脱離する基としては特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物の分子量範囲は100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物が3級エステル構造を有する場合特に下記一般式(1a)で表されるカルボン酸エステル又は不飽和カルボン酸エステルであることが好ましい。
Figure 2011095635
一般式(1a)において、Rは、独立に、1価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)若しくはその誘導体、又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表し、かつRの少なくとも1つが該脂環式炭化水素基若しくはその誘導体であるか、或いは何れか2つのRが相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子とともに2価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)若しくはその誘導体を形成し、残りのRが、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、又は1価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)若しくはその誘導体を示す。
Xは、独立に、水素原子又はヒドロキシ基を示し、少なくとも一つがヒドロキシ基である。
Aは単結合或いは2価の連結基を示し、好ましくは単結合或いは−D−COO−で表される基を示し、Dはアルキレン基(好ましくは炭素数1〜4)を示す。
一般式(1a)において、Aの2価の連結基としては、例えば、メチレン基、メチレンカルボニル基、メチレンカルボニルオキシ基、エチレン基、エチレンカルボニル基、エチレンカルボニルオキシ基、プロピレン基、プロピレンカルボニル基、プロピレンカルボニルオキシ基等が挙げられる。特に好ましくは、メチレンカルボニルオキシ基が挙げられる。
一般式(1a)において、Rの1価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)、及び何れか2つのRが相互に結合して形成した2価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)としては、例えば、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタンや、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類等に由来する脂環族環からなる基;これらの脂環族環からなる基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基及びシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基等を挙げることができる。これらの脂環式炭化水素基のうち、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン、シクロペンタン又はシクロヘキサンに由来する脂環族環からなる基や、これらの脂環族環からなる基を前記アルキル基で置換した基等が好ましい。
また、前記脂環式炭化水素基の誘導体としては、例えば、水酸基;カルボキシル基;オキソ基(即ち、=O基);ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシル基;シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基等の置換基を1種以上或いは1個以上有する基を挙げることができる。これらの置換基のうち、水酸基、カルボキシル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基等が好ましい。
また、Rのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が好ましい。
好ましい具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2011095635
該低分子化合物が不飽和カルボン酸エステルであるとき特に(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。以下に、酸の作用により脱離する基として、3級アルキル基を
有する(メタ)アクリル酸3級エステルの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2011095635
(D)酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物は、市販のものを用いても、公知の方法で合成したものを用いてもよい。
また、化合物(D)として、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
化合物(D)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有しても良い。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
Figure 2011095635
一般式(d−1)において、
R’は、それぞれ独立に水素原子、直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。R’は相互に結合して環を形成していても良い。
R’として好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。より好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基である。
このような基の具体的な構造を以下に示す。
Figure 2011095635
化合物(D)は、前記塩基性化合物と一般式(d−1)で表される構造を任意に組み合わせることで構成することも出来る。
化合物(D)は、下記一般式(A)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
なお、化合物(D)は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物であるかぎり、前記の塩基性化合物に相当するものであってもよい。
Figure 2011095635
一般式(A)において、Raは、独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に結合して、複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)若しくはその誘導体を形成していてもよい。
Rbは、独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。少なくとも2つのRbは結合して脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素
環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数をそれぞれ表し、n+m=3である。
一般式(A)において、Ra及びRbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
前記Ra及びRbのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、これらのアルカンに由来する基を、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、アダマンタン、ノラダマンタン等のシクロアルカンに由来する基、これらのシクロアルカンに由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族化合物に由来する基、これらの芳香族化合物に由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、インドール、インドリン、キノリン、パーヒドロキノリン、インダゾール、ベンズイミダゾール等の複素環化合物に由来する基、これらの複素環化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルキル基或いは芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基、直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基・シクロアルカンに由来する基をフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基等或いは前記の置換基が水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基で置換された基等が挙げられる。
また、前記Raが相互に結合して、形成する2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20)若しくはその誘導体としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペラジン、4−アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、5−アザベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1,4,7−トリアザシクロノナン、テトラゾール、7−アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、(1S,4S)−(+)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デック−5−エン、インドール、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノリン、1,5,9−トリアザシクロドデカン等の複素環式化合物に由来する基、これらの複素環式化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、シクロアルカンに由来する基、芳香族化合物に由来する基、複素環化合物に由来する基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基の1種以上或いは1個以上で置換した基等が挙げられる。
本発明における特に好ましい例を具体的に示すと、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマン
チルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニルモルホリン、N−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等が挙げられる。
本発明における特に好ましい化合物(D)を具体的に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2011095635
Figure 2011095635

一般式(A)で表される化合物は、市販のアミンから、Protective Groups in Organic Synthesis 第四版等に記載の方法で簡便に合成できる。もっとも一般的な方法としては市販のアミンに対してニ炭酸エステル又はハロギ酸エステルを作用させることによって得る方法がある。式中Xはハロゲン原子を表す。
Figure 2011095635
本発明において、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物は、一種単独でも又は2種以上を混合しても使用することができる。
本発明において、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物の使用量は、前記塩基性化合物と合わせた組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/[酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物+前記塩基性化合物+前記化合物(PBG)](モル比)=1.0〜100であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が1.0以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から100以下が好ましい。酸発生剤/[酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物+前記塩基性化合物+前記化合物(PBG)](モル比)は、より好ましくは2.0〜75、更に好ましくは3.0〜50である。
〔7〕界面活性剤
本発明の組成物は、更に界面活性剤を含有してもよい。含有する場合、界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
これらに該当する界面活性剤としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類などが挙げられる。
その他、公知の界面活性剤が適宜使用可能である。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分量(溶剤を除く全量)に対して、好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0.0001〜2質量%、特に好ましくは0.0005〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を10ppm以下、或いは含有しないことも好ましい。これにより疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成された膜の表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。
〔8〕溶剤
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテルなど)、乳酸アルキルエステル(乳酸エチル、乳酸メチルなど)、環状ラクトン(γ−ブチロラクトンなど、好ましくは炭素数4〜10)、鎖状又は環状のケトン(2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなど、好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、カルボン酸アルキル(酢酸ブチルなどの酢酸アルキルが好ましい)、アルコキシ酢酸アルキル(エトキシプロピオン酸エチル)などが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。
水酸基を有する溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、水酸基を有しない溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましい。
〔9〕酸の作用により分解し、カルボン酸よりも強い酸を生成する物質
本発明の組成物は、酸の作用により分解し、カルボン酸よりも強い酸を生成する物質(以下、「酸増殖剤」ともいう)を含有しても良い。
酸増殖剤から生成する酸は、その酸の強度が大きいものが好ましく、具体的にはその酸の解離定数(pKa)として3以下が好ましく、より好ましくは2以下である。酸増殖剤から発生する酸としてはスルホン酸が好ましい。
酸増殖剤は、国際公開第95/29968号、国際公開第98/24000号、特開平8−305262号、特開平9−34106号、特開平8−248561号、特表平8−503082号、米国特許第5,445,917号、特表平8−503081号、米国特許第5,534,393号、米国特許第5,395,736号、米国特許第5,741,630号、米国特許第5,334,489号、米国特許第5,582,956号、米国特許第5,578,424号、米国特許第5,453,345号、米国特許第5,445,917号、欧州特許第665,960号、欧州特許第757,628号、欧州特許第665,961号、米国特許第5,667,943号、特開平10−1508号、特開平10−282642号、特開平9−512498号、特開2000−62337号、特開2005−17730号等に記載の酸増殖剤を1種、或いは2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的には下記一般式(1)〜(6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011095635
一般式(1)〜(6)に於いて、
Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、酸の作用により脱離する基を表す。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、又はアリーロキシ基を表す。
は、アルキル基又はアラルキル基を表す。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
、Rは、各々独立に、アルキル基を表し、RとRが互いに結合して環を形成しても良い。
は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、Rと結合して環を形成しても良い。
10は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基又はアルケニルオキシ基を表す。
11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基又はアルケニル基を表す。
10とR11は、互いに結合して環を形成してもよい。
12は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルケニル基又は環状イミド基を表す。
一般式(1)〜(6)に於いて、アルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、オクチル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素数4〜10個のシクロアルキル基が挙げられ、具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、アダマンチル基、ボロニル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基等基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜14個のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、トリル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数7〜20個のアラルキル基が挙げられ、具体的にはベンジル基、フェネチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜8個のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素2〜6個のアルケニル基が挙げられ、具体的にはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
アリーロキシ基としては、炭素数6〜14個のアリーロキシ基が挙げられ、具体的にはフェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、炭素数2〜8個のアルケニルオキシ基が挙げられ、具体的にはビニルオキシ基、アリルオキシ基等が挙げられる。
上記各置換基には更に置換基を有してもよく、置換基としてはたとえば次のようなものを例示できる。すなわち、Cl、Br、Fなどのハロゲン原子、−CN基、−OH基、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数3〜8個のシクロアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、アセチルアミノ基などのアシルアミノ基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、フェノキシエチル基などのアリロキシアルキル基、炭素数2〜5個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜5個のアシルオキシ基等を挙げることができる。しかも、置換基の範囲はこれらに限定されるものではない。
とRが互いに結合して形成する環としては、1,3−ジオキソラン環、1,3−ジオキサン環等が挙げられる。
とRが互いに結合して形成する環としては、シクロペンチル環、シクロヘキシル環等が挙げられる。
10とR11が互いに結合して形成する環としては、環内に酸素原子を含んでいてもよい、3−オキソシクロヘキセニル環、3−オキソインデニル環等が挙げられる。
Roの酸の作用により脱離する基としては、例えば、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリル基、3−オキソシクロヘキシル基等を挙げることができる。
上記R、R、R〜R11の各々の好ましいものとして以下のものが挙げられる。
R;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、トルイル基、メシチル基、フルオロフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基、樟脳基。
;t−ブチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−エトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基。
;メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基。
;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基。
;メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基。
、R;メチル基、エチル基、プロピル基、互いに結合してエチレン基、プロピレン基を形成したもの。
;水素原子、メチル基、エチル基。
、R;水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、互いに結合してシクロペンチル環、シクロヘキシル環を形成したもの。
;メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基。
10;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニロキシ基、メチルビニロキシ基、互いに結合して酸素原子をふくんでよい、3−オキソシクロヘキセニル環、3−オキソインデニル環を形成したもの。
11;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニル基、アリル基、互いに結合して酸素原子をふくんでよい、3−オキソシクロヘキセニル環、3−オキソインデニル環を形成したもの。
一般式(6)に於いて、R12がアルキル基を表すとき、アルキル基としては、炭素原子数が1〜20の直鎖状、分岐状のアルキル基を挙げることができる。その具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基等を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1〜12の直鎖状、炭素原子数3〜12の分岐状のアルキル基がより好ましい。
12がシクロアルキル基を表すとき、シクロアルキル基としては、炭素原子数が3〜20のシクロアルキル基を挙げることができる。その具体例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基がより好ましい。
12が置換アルキル基、置換シクロアルキル基を表すとき、その置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスフォノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスフォノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
これらの置換基におけるアルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(R13CO−)におけるR13としては、水素及び上記のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基を挙げることができる。
これら置換基の内、更により好ましいものとしては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基等が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては、前述の炭素数1〜20のアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除き、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1〜12までの直鎖状、炭素原子数3〜12までの分岐状、及び炭素原子数5〜10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。該置換基とアルキレン基を組み合わせる事により得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等を挙げることができる。
12が、アリール基を表すとき、アリール基としては、1個〜3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基等を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。また、アリール基には上記炭素環式アリール基の他、複素環式(ヘテロ)アリール基が含まれる。複素環式アリール基としては、ピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン基、カルバゾール基等の炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含むものが用いられる。
12が、置換アリール基を表すとき、置換アリール基としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、シクロアルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。
この様な、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
12が、アルケニル基、置換アルケニル基[−C(R14)=C(R15)(R16)]、アルキニル基、又は置換アルキニル基[−C≡C(R17)]を表すとき、R14〜R17としては、一価の非金属原子団を使用することができる。好ましいR14〜R17の例としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリール基を挙げることができる。これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。R14〜R17のより好ましい置換基としては、水素原子、ハロゲン原子及び炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を挙げることができる。アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及び置換アルキニル基の具体例としては、ビニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、プロピニル基、フェニルエチル基等を挙げることができる。
12が環状イミド基を表すとき、環状イミドとしては、コハク酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキサンジカルボン酸イミド、ノルボルネンジカルボン酸イミド等の炭素原子4〜20までのものを用いることができる。
一般式(1)〜(6)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2008−209889の[0215]以降に例示された化合物が挙げられる。
酸増殖剤の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の含有率は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、0〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜30質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%である。
〔10〕その他成分
本発明の組成物は、上記に説明した成分以外にも、カルボン酸オニウム塩、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)等に記載の分子量3000以下の溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤などを適宜含有することができる。
〔11〕パターン形成方法
本発明の組成物は、上記の成分を溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、支持体に塗布して用いる。フィルターとしては、ポアサイズ0.1ミクロン以下、より好ましくは0.05ミクロン以下、更に好ましくは0.03ミクロン以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
本発明の組成物中の全固形分の濃度は、一般的に2〜10質量%、好ましくは3〜5質量%である。
組成物は、集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー等の適当な塗布方法により塗布される。その後乾燥し、感光性の膜を形成する。
当該膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。なお、電子ビームの照射では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
活性光線又は放射線としては特に限定されないが、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV光、電子線等であり、ArFエキシマレーザー、EUV光
、電子線が好ましい。
現像工程におけるアルカリ現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに代表される4級アンモニウム塩が用いられるが、これ以外にも無機アルカリ、1〜3級アミン、アルコールアミン、環状アミン等のアルカリ水溶液も使用可能である。
更に、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加してもよい。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
リンス液としては、純水が好ましく、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
なお、感光製膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物からなる膜に対しては、活性光線又は放射線の照射時に膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成された膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、更に屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成された膜を溶解させず、かつレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、膜上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(DO)を用いてもよい。
本発明の組成物からなる膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、必要に応じて疎水性樹脂を添加することができる。これにより、膜表層に疎水性樹脂が偏在化し、液浸媒体が水の場合、膜とした際の水に対する膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。疎水性樹脂が添加されることにより、表面の後退接触角が向上する。膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。疎水性樹脂は前述のように界面に偏在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
後退接触角とは、液滴−基板界面での接触線が後退する際に測定される接触角であり、動的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレートする際に有用であることが一般に知られている。簡易的には、針先端から吐出した液滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び針へと吸い込んだときの、液滴の界面が後退するときの接触角として定義でき、一般に拡張収縮法と呼ばれる接触角の測定方法を用いて測定することができる。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウェハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウェハ上を動く必要があるので、動的な状態に於ける感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成された膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能が求められる。
本発明の組成物による膜と液浸液との間には、膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成された膜の上層部への塗布適性、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、膜と混合せず、更に膜の上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HR)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
トップコートは、膜と混合せず、更に液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。更に、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定さ
れるものではない。
〔樹脂(D)の合成例〕
窒素気流下プロピレングリコールメチルエーテルアセテート8g、プロピレングリコールメチルエーテル2gを3つ口フラスコに入れこれを85℃に加熱した。これにモノマーA 5.50g、モノマーB 0.95g、モノマーC 2.19g、モノマーD 1.57g、重合開始剤(ジメチル−2、2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート(V-601):和光純薬製) 0.553gをプロピレングリコールメチルエーテルアセテート16g、プロピレングリコールメチルエーテル4gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、更に85℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘプタン/酢酸エチル混合液(240g/160g)に20分かけて滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると目的の樹脂(実施例1に使用)が8.0g得られた。得られた樹脂の重量平均分子量は標準ポリスチレン換算で8500、分散度(Mw/Mn)は1.55であった。
Figure 2011095635
樹脂A〜C、樹脂E〜Iなど他の樹脂についても、同様の手法を用いて合成した。
化合物(PBG)については、Journal of Medicinal Chemistry, 42, 4016-4020(1999)、Journal of American Chemical Society, 113, 4303-4313(1991)、Chem. Pharm. Bull., 45, 715-718(1997)に記載の方法に準じて合成した。
<疎水性樹脂K−216の合成>
(原料モノマー(下記モノマー4)の合成)
下記化合物(1)を、国際公開第07/037213号パンフレットに記載の方法で合成した。
化合物(1)35.00 gに水150.00 gを加え、更にNaOH27.30 gを加えた。加熱、還流条
件で、9時間攪拌した。塩酸を加え、酸性とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を合
わせ、濃縮することにより化合物(2)36.90 gを得た(収率93%)。
1H-NMR(400 MHz in (CD3)2CO):σ(ppm)=1.56-1.59(1H), 1.68-1.72(1H), 2.13-2.15(1H), 2.13-2.47(2H), 3.49-3.51(1H), 3.68(1H), 4.45-4.46(1H)
化合物(2)20.00 gにCHCl3200 mlを加え、更に、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルアルコール50.90 g、4-ジメチルアミノピリジン30.00 gを加え攪拌した。該溶液中に、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩22.00 gを加え、3時間攪拌した。1N HCl 500 ml中に反応溶液を加え、反応を停止した。有機層を更に1N HCl
で洗浄し、次に水で洗浄し、有機層を濃縮することにより化合物(3)30.00 gを得た(
収率85%)。
1H-NMR(400 MHz in (CD3)2CO):σ(ppm)=1.62(1H), 1.91-1.95(1H), 2.21-2.24(1H),
2.45-2.53(2H), 3.61-3.63(1H), 3.76(1H), 4.32-4.58(1H), 6.46-6.53(1H)
化合物(3)15.00 gにトルエン300.00 gを加え、更にメタクリル酸3.70 g、p-トル
エンスルホン酸・1水和物4.20 gを加え、生成する水を共沸により取り除きながら、15時間還流した。反応液を濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより化合物(4)11.70 gを得た(収率65%)。
1H-NMR(400 MHz in (CD3)2CO):σ(ppm)=1.76-1.79(1H), 1.93(3H), 2.16-2.22(2H),
2.57-2.61(1H), 2.76-2.81(1H), 3.73-3.74(1H), 4.73(1H), 4.84-4.86(1H), 5.69-5.70(1H), 6.12(1H), 6.50-6.56(1H)
Figure 2011095635
(疎水性樹脂K−216の合成)
窒素気流下、MEK7.7gを3つ口フラスコに入れ、これを75℃に加熱した。これに上記モノマー4(20.5g)、t−ブチルスチレン(2.5g)、重合開始剤V-601(和光純薬工業(株)製)0.345g、ドデカンチオール0.304gをMEK30.9gに溶解させた溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、更に75℃で2時間反応させた。反応液を放冷後ヘプタン400g/酢酸エチル100gの混合液に滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂(K−216)(19.5g)得られた。
得られた樹脂の重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算で7500、分散度(Mw/Mn)は、1.6であった。
他の疎水性樹脂についても、同様にして合成した。
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製>
下記表1に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度4質量%の溶液を調製し、これを0.05μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過して感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を調製した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を下記の方法で評価し、結果を表1に示した。
表1における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
なお、表1に於いて、感活性光線性又は感放射性樹脂組成物が疎水性樹脂を含有している場合、その添加形態を「添加」と標記した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物が疎水性樹脂(HR)を含有せず、膜を形成後、その上層に疎水性樹脂を含有するトップコート保護膜を形成させた場合、その使用形態を「トップコート」と標記した。
<評価>
(露光条件1:ArF液浸露光)
実施例14〜40、比較例1及び参考例1
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29SR(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmの膜を形成した。トップコートを用いる場合は、更に疎水性樹脂をデカン/オクタノール(質量比9/1)に溶解させた3質量%の溶液を前述で得られた膜上に塗布し、85℃で、60秒間ベークを行い、膜厚50nmのトップコート層を形成した。これにArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製 XT1700i、NA1.20、C-Quad、アウターシグマ0.981、インナーシグマ0.895、XY偏向)を用い、45nm 1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してパターンを形成した。
(露光条件2:ArFドライ露光)
実施例1〜13及び比較例2
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmの膜を形成した。これにArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS5500/1100、NA0.75、Dipole、σo/σi=0.89/0.65)を用い、75nm 1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。その後130℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してパターンを得た。
(DOF評価)
露光条件1においては、45nm±10%の線幅を再現する焦点深度幅をDOF(μm)として測定した。また、露光条件2の場合は、75nm±10%の線幅を再現する焦点深度幅をDOF(μm)として測定した。この値が大きい方が、焦点ズレの許容度が大きく望ましい。
(パターン形状評価)
前述評価にて作成したパターン(ドライ:75nm、液浸:45nm)について走査型顕微鏡(日立社製S9380)でパターンの断面形状を観察した。パターン形状が矩形なものほど良好な性能であることを示す。
(解像性)
前述評価にて作成したパターン(ドライ:75nm、液浸:45nm)について走査型顕微鏡(日立社製S9380)でパターン解像の有無を観察した。ドライ露光の場合は75nm、液浸露光の場合は45nmのパターン形状が解像している場合が良好な性能であることを示す。
(パーティクル評価)
前述で調製した感活性光線性又は感放射性樹脂組成物について、調製直後の溶液中のパーティクル数(パーティクル初期値)と、4℃で1週間放置した後の溶液中のパーティクル数(経時後のパーティクル数)をリオン社製パーティクルカウンターにてカウントした。
(経時後のパーティクル数)−(パーティクル初期値)で計算されるパーティクル増加数を算出した。なお、ここでは溶液1mL中に含まれる粒径0.25μm以上のパーティクルを数えた。パーティクルの増加は保存安定性の悪化を示すため、増加数が少ない方が良好な性能であることを示す。
Figure 2011095635
表1中の略号は、上記具体例で示したもの、又は下記を表す。
〔化合物(PBG)〕
Figure 2011095635
〔酸発生剤〕
Figure 2011095635
〔樹脂(B)〕
Figure 2011095635
Figure 2011095635
Figure 2011095635
〔塩基性化合物〕
TPSA:トリフェニルスルホニウムアセテート
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
TEA:トリエタノールアミン
DBA:N,N−ジブチルアニリン
PBI:2−フェニルベンズイミダゾール
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
Figure 2011095635
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W‐4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)
S2:2−ヘプタノン
S3:シクロヘキサノン
S4:γ−ブチロラクトン
S5:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;1−メトキシ−2−プロ
パノール)
S6:乳酸エチル
S7:プロピレンカーボネート
表1に示した結果の通り、本発明の組成物は、いずれも比較例に示した組成物に比べて、パターン形状、解像性とともに、DOF性能、保存安定性に優れることが確かめられた。

Claims (9)

  1. (A)活性光線又は放射線の照射により塩基を発生する化合物、
    (B)ラクトン構造を有する繰り返し単位を有し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂及び
    (C)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とする感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  2. 前記(A)活性光線又は放射線の照射により塩基を発生する化合物が、下記一般式(A1)〜(A3)のいずれかで表される部分構造を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011095635
    一般式(A1)〜(A3)に於いて、
    〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R〜Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
    は、アンモニウムカチオンを表す。
    は、対アニオンを表す。
    Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
  3. 前記(A)活性光線又は放射線の照射により塩基を発生する化合物が、下記一般式(1)〜(6)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011095635
    一般式(1)に於いて、
    は、アンモニウムカチオンを表す。
    は、対アニオンを表す。
    Rは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
    Arは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
    一般式(2)〜(6)に於いて、
    〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R〜Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
    Arは、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
    nは、0〜5の整数を表す。
  4. 前記一般式(6)が、下記一般式(6−1)で表されることを特徴とする請求項3に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011095635
    一般式(6−1)に於いて、
    〜Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R〜Rは、互いに結合して環を形成してもよい。
    Zは、アリール基又はヘテロアリール基を形成する原子団を表す。
    は、0〜4の整数を表す。
  5. 樹脂(B)が含有するラクトン構造を有する繰り返し単位が、下記一般式(III)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011095635
    一般式(III)中、
    Aは、エステル結合(−COO−で表される基)又はアミド結合(−CONH−で表される基)を表す。
    は、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、アルキレン基、シクロアルキレン基又はそれらを組み合わせた2価の連結基を表す。
    Zは、複数個ある場合にはそれぞれ独立に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合
    Figure 2011095635
    又はウレア結合
    Figure 2011095635
    を表す。ここで、Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。
    は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
    nは、−R−Z−で表される構造の繰り返し数であり、1〜5の整数を表す。
    は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
  6. 更に、(D)疎水性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  7. 更に、(E)塩基性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により、膜を形成し、該膜を露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により、膜を形成し、該膜を液浸露光、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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