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JP2011091289A - 半導体素子の製造方法および半導体素子 - Google Patents

半導体素子の製造方法および半導体素子 Download PDF

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JP2011091289A JP2009245160A JP2009245160A JP2011091289A JP 2011091289 A JP2011091289 A JP 2011091289A JP 2009245160 A JP2009245160 A JP 2009245160A JP 2009245160 A JP2009245160 A JP 2009245160A JP 2011091289 A JP2011091289 A JP 2011091289A
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暁 大前
Kota Tokuda
耕太 徳田
Sukeyuki Arimochi
祐之 有持
Nobuhiro Suzuki
伸洋 鈴木
Harunori Shiomi
治典 塩見
Tomokimi Hino
智公 日野
Katsunori Yanashima
克典 簗嶋
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Abstract

【課題】表面が平坦でかつ結晶性が良好な、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層をサファイア基板などの基板上に、バッファ層を成長させることなく成長させることができる半導体素子の製造方法およびそのような方法により製造される半導体素子を提供する。
【解決手段】窒化物系III−V族化合物半導体を用いた半導体素子を製造する場合に、R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面を有するサファイア基板11上に、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層12をバッファ層を成長させることなく直接成長させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、半導体素子の製造方法および半導体素子に関し、例えば、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた発光ダイオードなどの半導体素子に適用して好適なものである。
従来、素子構造を形成するGaN系半導体などの窒化物系III−V族化合物半導体をサファイア基板上に結晶成長させる場合には、基板上にまずGaNやAlNなどからなるバッファ層を成長させるのが一般的である(例えば、非特許文献1〜5参照。)。このようにサファイア基板上にバッファ層を成長させてから窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることにより、サファイア基板と窒化物系III−V族化合物半導体との格子不整合が大きくても、窒化物系III−V族化合物半導体層に発生する貫通転位を低減することができる。この結果、表面が平坦でかつ結晶性が良好な窒化物系III−V族化合物半導体層を得ることができる。
H.Amano et al.,Appl.Phys.Lett.48,353(1986) I.Akasaki et al.,J.Cryst.Growth 98,209(1989) K.Hiramatsu et al.,J.Cryst.Growth 115,628(1991) 天野浩、赤碕勇、応用物理 68,768(1999) I.Akasaki,J.Cryst.Growth 221,231(2000)
上述のように、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層の成長前にバッファ層を成長させることは、半導体素子の製造工程の増加を招くため、製造工程の簡略化の観点からは望ましくない。しかしながら、現状では、バッファ層を成長させないで、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させても、表面が平坦でかつ結晶性が良好な窒化物系III−V族化合物半導体層を得ることは困難である。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、表面が平坦でかつ結晶性が良好な、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層をサファイア基板などの基板上に、バッファ層を成長させることなく成長させることができる半導体素子の製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、上記の半導体素子の製造方法により製造することができる半導体素子を提供することである。
上記課題および他の課題は、添付図面を参照した本明細書の記述より明らかとなるであろう。
上記課題を解決するために、この発明は、
R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面を有する、六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板上に素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を、バッファ層を成長させることなく直接成長させる工程を有する半導体素子の製造方法である。
また、この発明は、
R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面を有する、六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板と、
上記基板上にバッファ層を成長させることなく直接成長された、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層とを有する半導体素子である。
また、この発明は、
R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面を有する、六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板と、
上記基板上にバッファ層を成長させることなく直接成長された、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層とを有する半導体素子を有する電子機器である。
また、この発明は、
R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面を有する、六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板からなる窒化物系III−V族化合物半導体成長用基板である。
この発明において、「R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面」における主面のオフ角の正負の定義は図42AおよびBに示すとおりである。図42Aは六方晶系の結晶構造を有する結晶のいくつかの結晶面および結晶方位を示し、図42Bは図42Aに示す結晶をR面((1−102)面)に垂直なA面((11−20)面)に垂直な方向から見た断面図である。図42Bに示すように、A面に平行でかつC軸([0001])を含む面内で、基板の主面の法線の方向が、R面の法線の方向、すなわちR軸方向よりも、C軸方向に近づく方向が負(−)のオフ角、C軸方向から遠ざかる方向が正(+)のオフ角である。
窒化物系III−V族化合物半導体層は、一般的には、Alx y Ga1-x-y-z Inz Asu 1-u-v v (ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦u≦1、0≦v≦1、0≦x+y+z<1、0≦u+v<1)からなる。窒化物系III−V族化合物半導体層は、より具体的には、Alx y Ga1-x-y-z Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦x+y+z<1)からなり、典型的には、Alx Ga1-x-y Inz N(ただし、0≦x≦1、0≦z≦1)からなる。窒化物系III−V族化合物半導体層の具体例を挙げると、GaN、InN、AlN、AlGaN、InGaN、AlGaInNなどからなるものである。窒化物系III−V族化合物半導体層としては、好適には、GaN、Inx Ga1-x N(0<x<0.5)、Alx Ga1-x N(0<x<0.5)、Alx Iny Ga1-x-y N(0<x<0.5、0<y<0.2)などからなるものが用いられる。
窒化物系III−V族化合物半導体層の成長方法としては、各種のエピタキシャル成長法を用いることができ、必要に応じて選択される。例えば、有機金属化学気相成長(MOCVD)、ハイドライド気相エピタキシャル成長あるいはハライド気相エピタキシャル成長(HVPE)、分子線エピタキシー(MBE)などを用いることができる。
六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板としては、例えば、サファイア、SiC(6H、4Hを含む)、α−ZnS、ZnOなどからなる基板を用いることができる。基板としては、窒化物系III−V族化合物半導体(GaN、AlGaInN、AlN、GaInNなど)からなる基板を用いてもよい。あるいは、基板として、六方晶系の結晶構造を有する物質と異なる物質からなる基板上に六方晶系の結晶構造を有する物質を成長させたものを用いてもよい。
半導体素子は、例えば、発光ダイオードや半導体レーザなどの発光素子、電子走行素子などである。電子走行素子は、例えば、高電子移動度トランジスタなどの電界効果トランジスタ(FET)やヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)などのバイポーラトランジスタのようなトランジスタなどであるが、これに限定されるものではない。半導体素子はさらに、フォトダイオードなどの受光素子あるいはセンサ、太陽電池などであってもよい。
電子機器は、半導体素子を用いるものである限り全てのものが含まれ、携帯型のものと据え置き型のものとの双方を含む。発光素子を用いる電子機器の具体例を挙げると、発光ダイオードバックライト(液晶ディスプレイのバックライトなど)、発光ダイオード照明装置、発光ダイオードディスプレイなどが挙げられる。電子機器としては、発光ダイオードを光源とするプロジェクタあるいはリアプロジェクションテレビ、グレーティングライトバルブ(GLV)なども挙げられる。そのほか、電子機器としては、携帯電話、モバイル機器、ロボット、パーソナルコンピュータ、車載機器、各種家庭電気製品なども挙げられる。
例えば、赤色発光の発光素子、緑色発光の発光素子および青色発光の発光素子をそれぞれ複数個、基板などの上に配列するバックライト、照明装置、ディスプレイ、光源セルユニットなどにおいては、赤色発光の発光素子、緑色発光の発光素子および青色発光の発光素子のうちの少なくとも一つの発光素子として上記の半導体素子からなる発光素子を用いることができる。赤色発光の発光素子としては、例えば、AlGaInP系半導体を用いたものを用いることもできる。
一方、極薄い低温バッファ層を成長させるだけで、表面が平坦でかつ結晶性が良好な、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層をサファイア基板などの基板上に成長させることができれば、半導体素子の製造工程の負担を最小限に抑えることができ、バッファ層を成長させない場合に近い効果を得ることができる。この課題は以下の発明により解決することができる。以下の発明においては、その性質に反しない限り、上述の発明に関連して説明したことが成立する。
すなわち、上記課題を解決するために、この発明は、
R面からC軸方向に−0.1°以上0.5°以下オフした主面を有する、六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板上に低温GaNバッファ層を成長させた後、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる工程を有し、
上記基板のオフ角をθ(°)、上記低温GaNバッファ層の厚さをt(nm)としたとき、(t,θ)が、tθ平面上における、不等式
θ≦0.031t−0.063
θ≧0.016t−0.1
θ≦0.5
θ≧−0.1
t>0
で表される領域内に存在する半導体素子の製造方法である。
上記の不等式で表される領域を図42において斜線を施した領域として示す。この領域の導出については後に詳細に説明する。
また、この発明は、
R面からC軸方向に−0.1°以上0.5°以下オフした主面を有する、六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板と、
上記基板上に成長された低温GaNバッファ層と、
上記低温GaNバッファ層上に成長された、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記基板のオフ角をθ(°)、上記低温GaNバッファ層の厚さをt(nm)としたとき、(t,θ)が、tθ平面上における、
θ≦0.031t−0.063
θ≧0.016t−0.1
θ≦0.5
θ≧−0.1
t>0
で表される領域内に存在する半導体素子である。
また、この発明は、
R面からC軸方向に−0.1°以上0.5°以下オフした主面を有する、六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板と、
上記基板上に成長された低温GaNバッファ層と、
上記低温GaNバッファ層上に成長された、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層とを有し、
上記基板のオフ角をθ(°)、上記低温GaNバッファ層の厚さをt(nm)としたとき、(t,θ)が、tθ平面上における、
θ≦0.031t−0.063
θ≧0.016t−0.1
θ≦0.5
θ≧−0.1
t>0
で表される領域内に存在する半導体素子を有する電子機器である。
上述のように構成されたこの発明においては、基板の面方位の選定により、バッファ層を成長させることなく、表面が平坦でかつ結晶性が良好な窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることができる。
また、上述のように構成されたこの発明においては、基板の面方位の選定および低温GaNバッファ層の厚さの選定により、極薄い低温GaNバッファ層を成長させるだけで、表面が平坦でかつ結晶性が良好な窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることができる。
この発明によれば、表面が平坦でかつ結晶性が良好な、半導体素子の素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層をサファイア基板などの基板上にバッファ層を成長させることなく成長させることができ、この窒化物系III−V族化合物半導体層を用いて特性の良好な半導体素子を実現することができる。そして、この特性の良好な半導体素子を用いて高性能のバックライト、照明装置、ディスプレイなどの各種の電子機器を実現することができる。
また、この発明によれば、極薄い低温GaNバッファ層を成長させるだけで、表面が平坦でかつ結晶性が良好な、半導体素子の素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させることができ、この窒化物系III−V族化合物半導体層を用いて特性の良好な半導体素子を実現することができる。そして、この特性の良好な半導体素子を用いて高性能のバックライト、照明装置、ディスプレイなどの各種の電子機器を実現することができる。
この発明の第1の実施の形態による半導体素子の製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施の形態において種々のオフ角を有するサファイア基板上に成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡像(×5)を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態において種々のオフ角を有するサファイア基板上に成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡像(×100)を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態において種々のオフ角を有するサファイア基板上に成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡微分干渉像を示す図面代用写真である。 この発明の第1の実施の形態において種々のオフ角を有するサファイア基板上に成長されたGaN層の表面の蛍光像を示す図面代用写真である。 この発明の第2の実施の形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第2の実施の形態による発光ダイオードの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第3の実施の形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための断面図である。 この発明の第3の実施の形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 この発明の第3の実施の形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 この発明の第4の実施の形態による発光ダイオードバックライトの製造方法を説明するための斜視図である。 この発明の第5の実施の形態による半導体素子の製造方法を説明するための略線図である。 この発明の第5の実施の形態において種々のオフ角を有するサファイア基板上に厚さ19nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡像(×5)を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態においてサファイア基板上に低温GaNバッファ層を介して成長された厚さ19nmのGaN層の表面の光学顕微鏡像(×100)を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態において種々のオフ角を有するサファイア基板上に厚さ19nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡微分干渉像を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態において種々のオフ角を有するサファイア基板上に厚さ19nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の表面の蛍光像を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に種々の厚さを有する低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡像(×5)を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に種々の厚さを有する低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡像(×100)を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.5°のサファイア基板上に種々の厚さを有する低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡像(×5)を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.5°のサファイア基板上に種々の厚さを有する低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡像(×100)を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に厚さ18nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡微分干渉像を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.5°のサファイア基板上に厚さ18nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の表面の光学顕微鏡微分干渉像を示す図面代用写真である。 この発明の第5の実施の形態においてX線回折により基板軸に対するGaN層の成長軸の傾斜を測定する方法を説明するための略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に厚さ55nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層のロッキングカーブを示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に厚さ18nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層のロッキングカーブを示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に厚さ55nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸方向の逆格子空間マッピングをφ=0°で測定した結果を示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に厚さ55nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸方向の逆格子空間マッピングをφ=90°で測定した結果を示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に厚さ55nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜を説明するための略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に厚さ55nmの低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜を説明するための略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に低温バッファ層を成長させることなく成長されたGaN層の成長軸方向の逆格子空間マッピングをφ=0°で測定した結果を示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に低温バッファ層を成長させることなく成長されたGaN層の成長軸方向の逆格子空間マッピングをφ=90°で測定した結果を示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に種々の厚さを有する低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層のロッキングカーブを示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に種々の厚さを有する低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜を説明するための略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に種々の厚さを有する低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜を説明するための略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜を説明するための略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜を説明するための略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に種々の厚さを有する低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜を説明するための略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜角の、低温GaNバッファ層の厚さに対する変化を示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてオフ角が0.2°のサファイア基板上に低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜角の、低温GaNバッファ層の厚さに対する変化を示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態において種々のオフ角を有するサファイア基板上に低温GaNバッファ層を介して成長されたGaN層の成長軸の基板軸に対する傾斜角の、低温GaNバッファ層の厚さに対する変化を示す略線図である。 この発明の第5の実施の形態においてサファイア基板上に成長させる低温GaNバッファ層の厚さtとサファイア基板のオフ角θとの関係を示す略線図である。 サファイアの結晶のいくつかの結晶面および結晶方位を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(半導体素子の製造方法および半導体素子)
2.第2の実施の形態(発光ダイオードの製造方法および発光ダイオード)
3.第3の実施の形態(発光ダイオードバックライトの製造方法および発光ダイオードバックライト)
4.第4の実施の形態(発光ダイオードバックライトの製造方法および発光ダイオードバックライト)
5.第5の実施の形態(半導体素子の製造方法および半導体素子)
〈1.第1の実施の形態〉
[半導体素子の製造方法および半導体素子]
図1に示すように、第1の実施の形態においては、まず、R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面を有するサファイア基板11の表面を従来公知の方法を用いてサーマルクリーニングなどを行うことにより清浄化する。
次に、こうして表面を清浄化したサファイア基板11上に、バッファ層を成長させることなく直接、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層12を成長させる。窒化物系III−V族化合物半導体層12の成長方法としては、例えばMOCVD法を用いる。
この窒化物系III−V族化合物半導体層12の成長条件は、例えば次の通りである。成長速度は0.5〜8μm/時間、III族元素の原料(例えば、トリメチルガリウム((CH3 3 Ga、TMG)、トリメチルアルミニウム((CH3 3 Al、TMA)、トリメチルインジウム((CH3 3 In、TMI)など)の流量は10〜200sccm、窒素原料(例えば、アンモニア(NH3 ))の流量は5〜30slm、成長温度は950〜1250℃、成長原料のV/III比は1000〜15000、成長圧力は0.01〜1気圧である。
窒化物系III−V族化合物半導体層12を構成する層は、製造する半導体素子に応じて適宜設計される。例えば、半導体素子が発光ダイオードである場合には、窒化物系III−V族化合物半導体層12は、活性層(発光層)とこの活性層を挟むn側クラッド層およびp側クラッド層とを有する。また、半導体素子が半導体レーザである場合には、窒化物系III−V族化合物半導体層12は、活性層とこの活性層を挟むn側クラッド層およびp側クラッド層あるいは活性層とこの活性層を挟む光導波層とこの光導波層を挟むn側クラッド層およびp側クラッド層とを有する。また、半導体素子が電子走行素子、例えば電界効果トランジスタである場合には、窒化物系III−V族化合物半導体層12は電子走行層(チャネル層)などを有する。窒化物系III−V族化合物半導体層12を構成する層は、具体的には、例えば、GaN層、AlGaN層、AlGaInN層、InGaN層などである。
窒化物系III−V族化合物半導体層12を成長させた後には、必要に応じて窒化物系III−V族化合物半導体層12をエッチングなどにより加工した後、必要な電極(図示せず)を形成する。
以上のようにして目的とする半導体素子が製造される。
〈実施例1〉
R面からのオフ角を−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°の7水準に変えたサファイア基板11を用意した。そして、これらのサファイア基板11上に、バッファ層を成長させることなく直接、MOCVD法により厚さ3.5μmのGaN層を成長させた試料を作製した。
図2A〜Gは、オフ角がそれぞれ−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板11上に、バッファ層を成長させることなくGaN層を直接成長させた試料の表面の光学顕微鏡像(明視野像)(×5)を示す。また、図3A〜Gは、オフ角がそれぞれ−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板11上に、バッファ層を成長させることなくGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡像(明視野像)(×100)を示す。図2A〜Gおよび図3A〜Gより、オフ角が−0.5°、−0.2°および0°のサファイア基板11上に成長させたGaN層の表面は平坦でかつ結晶性が良好であることが分かる。これに対し、オフ角が−0.7°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板11上に、バッファ層を成長させることなく直接成長させたGaN層の表面は平坦性が悪く、結晶性も悪い。ここで、GaN層の結晶性は、サファイア基板11との界面からGaN層に発生した転位がGaN層の表面に貫通して貫通転位となる結果発生するピットの密度から判定し、GaN層の表面の平坦性は光学顕微鏡像に模様が現れないことにより判定することができる。
図4A〜Gは、オフ角がそれぞれ−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板11上に、バッファ層を成長させることなくGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡微分干渉顕像(×5)を示す。図4A〜Gより、オフ角が−0.5°、−0.2°および0°のサファイア基板11上に成長させたGaN層の表面は平坦でかつ結晶性が良好であることが分かる。これに対し、オフ角θが−0.7°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板11上に成長させたGaN層の表面の平坦性は悪く、結晶性も悪い。
図5A〜Gは、オフ角がそれぞれ−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板11上に、バッファ層を成長させることなくGaN層を成長させた試料の表面の蛍光像を示す。図5A〜Gより、オフ角θが−0.5°、−0.2°および0°のサファイア基板11上に成長させたGaN層の表面は平坦でかつ結晶性が良好であることが分かる。これに対し、オフ角θが−0.7°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板11上に成長させたGaN層の表面の平坦性は悪く、結晶性も悪い。
図2A〜G、図3A〜G、図4A〜Gおよび図5A〜Gより、サファイア基板11のオフ角が−0.5°以上0°以下である場合に、GaN層の表面の平坦性および結晶性とも良好であることが分かる。
以上のように、この第1の実施の形態によれば、R面から−0.5°以上0°以下オフした主面を有するサファイア基板11を用いている。このため、バッファ層を成長させることなく、サファイア基板11上に表面が平坦でかつ結晶性が良好な、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層12を成長させることができる。そして、この窒化物系III−V族化合物半導体層12を用いて特性の良好な半導体素子を製造することができる。また、この半導体素子の製造方法によれば、バッファ層を成長させる工程がないため、製造工程の簡略化を図ることができ、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
〈2.第2の実施の形態〉
[発光ダイオードおよびその製造方法]
第2の実施の形態においては、図6に示すように、まず、R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面を有するサファイア基板21の表面を従来公知の方法を用いてサーマルクリーニングなどを行うことにより清浄化する。
次に、こうして表面を清浄化したサファイア基板21の上に、バッファ層を成長させることなく直接、発光ダイオード構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させる。具体的には、例えば、n型窒化物系III−V族化合物半導体層22、n型窒化物系III−V族化合物半導体層23、窒化物系III−V族化合物半導体を用いた活性層24およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層25を順次成長させる。これらのn型窒化物系III−V族化合物半導体層22、n型窒化物系III−V族化合物半導体層23、活性層24およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層25の成長方法としては、例えばMOCVD法を用いる。
次に、こうして発光ダイオード構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を成長させたサファイア基板21をMOCVD装置から取り出す。
次に、p型窒化物系III−V族化合物半導体層25上にp側電極26を形成する。p側電極26の材料としては、発光波長の光に対して高反射率を有するオーミック金属を用いるのが好ましい。
この後、p型窒化物系III−V族化合物半導体層25のp型不純物を活性化するために熱処理を行う。この熱処理は、例えばN2 とO2 との混合ガス(組成は例えばN2 が99%、O2 が1%)の雰囲気中において550〜750℃(例えば、650℃)あるいは580〜620℃(例えば、600℃)の温度で行う。ここで、例えば、N2 にO2 を混合することで活性化が起きやすくなる。また、例えば、O、Nと同様に電気陰性度の高いF、Clなどの原料としてハロゲン化窒素(NF3 、NCl3 など)をN2 またはN2 とO2 との混合ガス雰囲気に混合するようにしてもよい。この熱処理の時間は例えば5分〜2時間あるいは40分〜2時間、一般的には10〜60分程度である。熱処理の温度を比較的低くするのは、熱処理時の活性層24などの劣化を防止するためである。なお、この熱処理は、p型窒化物系III−V族化合物半導体層25を成長させた後、p側電極26を形成する前に行ってもよい。
次に、図7に示すように、n型窒化物系III−V族化合物半導体層23、活性層24およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層25を、例えば反応性イオンエッチング(RIE)法、粉末ブラスト法、サンドブラスト法などにより所定形状にパターニングし、メサ部を形成する。
次に、このメサ部に隣接する部分のn型窒化物系III−V族化合物半導体層22上にn側電極27を形成する。
次に、必要に応じて、上述のようにして発光ダイオード構造が形成されたサファイア基板21をその裏面側から研削やラッピングすることにより厚さを減少させた後、このサファイア基板21のスクライビングを行い、バーを形成する。この後、このバーのスクライビングを行うことでチップ化する。
以上により、目的とする発光ダイオードが製造される。
この発光ダイオードの具体的な構造例について説明する。すなわち、例えば、n型窒化物系III−V族化合物半導体層22がn型GaN層である。また、n型窒化物系III−V族化合物半導体層23が、下から順に、n型GaN層およびn型GaInN層である。また、p型窒化物系III−V族化合物半導体層25が下から順に、p型AlInN層、p型GaN層およびp型GaInN層である。活性層24は例えばGaInN系の多重量子井戸(MQW)構造(例えば、GaInN量子井戸層とGaN障壁層とを交互に積層したもの)を有する。この活性層24のIn組成は発光ダイオードの発光波長に応じて選ばれ、例えば発光波長405nmでは〜11%、450nmでは〜18%、520nmでは〜24%である。p側電極26の材料としては、例えばAgやPd/Agなどを用い、あるいは必要に応じてこれに加えてTi、W、Cr、WN、CrNなどからなるバリアメタルを用いる。n側電極27としては、例えばTi/Pt/Au構造のものを用いる。
この第2の実施の形態によれば、R面から−0.5°以上0°以下オフした主面を有するサファイア基板21を用いているので、バッファ層を成長させることなく、サファイア基板11上に表面の平坦性が良好でしかも結晶性が良好な、発光ダイオード構造を形成するn型窒化物系III−V族化合物半導体層22、23、活性層24およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層25を成長させることができる。このため、これらのn型窒化物系III−V族化合物半導体層22、23、活性層24およびp型窒化物系III−V族化合物半導体層25を用いて特性の良好な発光ダイオードを製造することができる。また、この発光ダイオードの製造方法によれば、低温バッファ層を成長させる工程がないため、製造工程の簡略化を図ることができ、ひいては製造コストの低減を図ることができる。
〈3.第3の実施の形態〉
[発光ダイオードバックライトおよびその製造方法]
第3の実施の形態においては、第2の実施の形態による製造方法により得られる青色発光の発光ダイオードおよび緑色発光の発光ダイオードに加え、別途用意する赤色発光の発光ダイオードを用いて発光ダイオードバックライトを製造する場合について説明する。赤色発光の発光ダイオードとしては、例えばAlGaInP系発光ダイオードを用いる。
例えば、第2の実施の形態による製造方法によりサファイア基板21上に青色発光の発光ダイオード構造を形成し、さらにp側電極26およびn側電極27上にそれぞれバンプ(図示せず)を形成する。この後、これをチップ化することによりフリップチップの形で青色発光の発光ダイオードを得る。同様にして、緑色発光の発光ダイオードをフリップチップの形で得る。一方、赤色発光の発光ダイオードとしては、n型GaAs基板上にAlGaInP系半導体層を積層して発光ダイオード構造を形成し、その上部にp側電極を形成する工程を経る、AlGaInP系発光ダイオードをチップの形で用いるものとする。
そして、これらの赤色発光の発光ダイオードチップ、緑色発光の発光ダイオードチップおよび青色発光の発光ダイオードチップをそれぞれAlNなどからなるサブマウント上にマウントする。この後、これをサブマウントを下にして例えばAl基板などの基板上に所定の配置でマウントする。この状態を図8Aに示す。図8A中、符号31は基板、32はサブマウント、33は赤色発光の発光ダイオードチップ、34は緑色発光の発光ダイオードチップ、35は青色発光のダイオードチップを示す。これらの赤色発光の発光ダイオードチップ33、緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35のチップサイズは例えば350μm角である。ここで、赤色発光の発光ダイオードチップ33はそのn側電極がサブマウント32上に来るようにマウントする。緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35はそのp側電極およびn側電極が、バンプを介してサブマウント32上に来るようにする。赤色発光の発光ダイオードチップ33がマウントされているサブマウント32上にはn側電極用の引き出し電極(図示せず)が所定のパターン形状に形成されている。そして、この引き出し電極上の所定部分に赤色発光の発光ダイオードチップ33のn側電極側がマウントされている。そして、この赤色発光の発光ダイオードチップ33のp側電極と、基板31上に設けられた所定のパッド電極36とにこれらを接続するようにワイヤ37がボンディングされている。また、上記の引き出し電極の一端と基板31上に設けられた別のパッド電極とにこれらを接続するようにワイヤ(図示せず)がボンディングされている。緑色発光の発光ダイオードチップ34がマウントされているサブマウント32上には、p側電極用の引き出し電極およびn側電極用の引き出し電極(いずれも図示せず)がそれぞれ所定のパターン形状に形成されている。そして、これらのp側電極用の引き出し電極およびn側電極用の引き出し電極上の所定部分に、緑色発光の発光ダイオードチップ34のp側電極およびn側電極側がそれらの上に形成されたバンプを介してそれぞれマウントされている。この緑色発光の発光ダイオードチップ34のp側電極用の引き出し電極の一端と、基板31上に設けられたパッド電極とにこれらを接続するようにワイヤ(図示せず)がボンディングされている。また、そのn側電極用の引き出し電極の一端と、基板31上に設けられたパッド電極とにこれらを接続するようにワイヤ(図示せず)がボンディングされている。青色発光の発光ダイオードチップ35も同様である。
ただし、サブマウント32を省略して、赤色発光の発光ダイオードチップ33、緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35を直接、放熱性を有する任意のプリント配線基板にダイレクトマウントすることも可能である。あるいは、赤色発光の発光ダイオードチップ33、緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35を直接、プリント配線基板の機能を有する板、筐体の内外壁(例えば、シャーシの内壁など)にダイレクトマウントすることも可能である。こうすることで発光ダイオードバックライトあるいはパネル全体の低コスト化を図ることができる。
上述のような赤色発光の発光ダイオードチップ33、緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35を一単位(セル)とし、これを基板31上に所定のパターンで必要な数配置する。その一例を図9に示す。次に、図8Bに示すように、この一単位を覆うように透明樹脂38のポッティングを行う。この後、透明樹脂38のキュア処理を行う。このキュア処理により透明樹脂38は固化し、それに伴い少し縮小する(図8C)。こうして、図10に示すように、赤色発光の発光ダイオードチップ33、緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35を一単位としたものが基板31上にアレイ状に配列された発光ダイオードバックライトが得られる。この場合、透明樹脂38は緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35のサファイア基板21の裏面と接触しているため、このサファイア基板21の裏面が空気と直接接触している場合に比べて屈折率差が小さくなる。この結果、このサファイア基板21を透過して外部に出ようとする光がこのサファイア基板21の裏面で反射される割合が減少し、それによって光取り出し効率が向上することで発光効率が向上する。
この発光ダイオードバックライトは、例えば液晶パネルのバックライトに用いて好適なものである。
〈4.第4の実施の形態〉
[発光ダイオードバックライトおよびその製造方法]
この第4の実施の形態においては、第3の実施の形態と同様にして、赤色発光の発光ダイオードチップ33、緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35を基板31上に所定のパターンで必要な数配置する。この後、図11に示すように、赤色発光の発光ダイオードチップ33を覆うようにこの発光ダイオードチップ33に適した透明樹脂39のポッティングを行う。また、緑色発光の発光ダイオードチップ34を覆うようにこの発光ダイオードチップ34に適した透明樹脂40のポッティングを行う。また、青色発光の発光ダイオードチップ35を覆うようにこの発光ダイオードチップ35に適した透明樹脂41のポッティングを行う。この後、透明樹脂39〜41のキュア処理を行う。このキュア処理により透明樹脂39〜41は固化し、それに伴い少し縮小する。こうして、赤色発光の発光ダイオードチップ33、緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35を一単位としたものが基板31上にアレイ状に配列された発光ダイオードバックライトが得られる。この場合、透明樹脂40、41はそれぞれ緑色発光の発光ダイオードチップ34および青色発光の発光ダイオードチップ35のサファイア基板21の裏面と接触しているため、このサファイア基板21の裏面が空気と直接接触している場合に比べて屈折率差が小さくなる。この結果、このサファイア基板21を透過して外部に出ようとする光がこのサファイア基板21の裏面で反射される割合が減少し、それによって光取り出し効率が向上することで発光効率が向上する。
この発光ダイオードバックライトは、例えば液晶パネルのバックライトに用いて好適なものである。
〈5.第5の実施の形態〉
[半導体素子の製造方法および半導体素子]
図12に示すように、第5の実施の形態においては、まず、R面からC軸方向に−0.1°以上0.5°以下オフした主面を有するサファイア基板51の表面を従来公知の方法を用いてサーマルクリーニングなどを行うことにより清浄化する。
次に、こうして表面を清浄化したサファイア基板51上にMOCVD法により低温GaNバッファ層52を成長させる。この低温GaNバッファ層52の厚さt(nm)は、サファイア基板51のオフ角θに対して、(t,θ)が図42に示すtθ平面内における斜線を施した領域内に存在するように選ばれる。
次に、成長温度を高くし、低温GaNバッファ層52上に、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層53を成長させる。窒化物系III−V族化合物半導体層53の成長方法としては、例えばMOCVD法を用いる。
この窒化物系III−V族化合物半導体層53の成長条件は、例えば次の通りである。成長速度は0.5〜8μm/時間、III族元素の原料(例えば、TMG、TMA、TMIなど)の流量は10〜200sccm、窒素原料(例えば、NH3 )の流量は5〜30slm、成長温度は950〜1250℃、成長原料のV/III比は1000〜15000、成長圧力は0.01〜1気圧である。
窒化物系III−V族化合物半導体層53を構成する層は、製造する半導体素子に応じて設計される。例えば、半導体素子が発光ダイオードである場合には、活性層をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造を有する。また、半導体素子が半導体レーザである場合には、活性層の上下をn型クラッド層とp型クラッド層とにより挟んだ構造あるいは活性層の上下を光導波層で挟み、さらにその外側をクラッド層で挟んだ構造を有する。また、半導体素子が電子走行素子、例えば電界効果トランジスタである場合には、窒化物系III−V族化合物半導体層53は電子走行層(チャネル層)などを有する。
窒化物系III−V族化合物半導体層53を成長させた後には、必要に応じて窒化物系III−V族化合物半導体層53をエッチングなどにより加工した後、必要な電極(図示せず)を形成する。
以上のようにして目的とする半導体素子が製造される。
〈実施例2〉
R面からのオフ角を−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°の7水準に変えたサファイア基板51を用意した。そして、これらのサファイア基板51上に成長温度550℃で低温GaNバッファ層を成長させてから、成長温度を1000℃に上昇させてMOCVD法により厚さ3.5μmのGaN層を成長させた試料を作製した。
図13A〜Gは、オフ角がそれぞれ−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板51上に厚さ19nmの低温GaNバッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡像(明視野像)(×5)を示す。また、図14A〜Gは、オフ角がそれぞれ−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板51上に厚さ19nmの低温バッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡像(明視野像)(×100)を示す。図13A〜Gおよび図14A〜Gより、オフ角が−0.2°、0°、+0.2°および+0.5°のサファイア基板51上に成長させたGaN層は表面が平坦でかつ結晶性が良好であることが分かる。これに対し、オフ角が−0.7°、−0.5°、および+0.7°のいずれのサファイア基板51を用いた場合にも、GaN層の表面の平坦性は悪く、結晶性も悪い。
図15A〜Gは、オフ角がそれぞれ−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板51上に厚さ19nmの低温バッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡微分干渉像(×5)を示す。図15A〜Gより、オフ角が−0.2°、0°、+0.2°および+0.5°のサファイア基板51上に成長させたGaN層は表面が平坦でかつ結晶性が良好であることが分かる。これに対し、オフ角が−0.7°、−0.5°、および+0.7°のいずれのサファイア基板51を用いた場合にも、GaN層の表面の平坦性は悪く、結晶性も悪い。
図16A〜Gは、オフ角がそれぞれ−0.7°、−0.5°、−0.2°、0°、+0.2°、+0.5°および+0.7°のサファイア基板51上に厚さ19nmの低温バッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料の表面の蛍光像を示す。図16A〜Gより、オフ角が−0.2°、0°、+0.2°および+0.5°のサファイア基板51上に成長させたGaN層は表面が平坦でかつ結晶性も良好であることが分かる。これに対し、オフ角が−0.7°、−0.5°、および+0.7°のいずれのサファイア基板51を用いた場合にも、GaN層の表面の平坦性は悪く、結晶性も悪い。
図17A〜Dは、オフ角が+0.2°のサファイア基板51上に厚さがそれぞれ18nm、25nm、38nmおよび55nmの低温GaNバッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡像(明視野像)(×5)を示す。また、図18A〜Dは、オフ角が+0.2°のサファイア基板11上に厚さがそれぞれ18nm、25nm、38nmおよび55nmの低温GaNバッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡像(明視野像)(×100)を示す。図17A〜Dおよび図18A〜Dより、低温GaNバッファ層の厚さが小さくなるほど、GaN層の表面の平坦性および結晶性が向上している。低温GaNバッファ層の厚さが25nmの場合は、低温GaNバッファ層の厚さが38nmの場合に比べて結晶性および表面平坦性がかなり向上しており、18nmの場合は表面の平坦性および結晶性とも極めて良好であることが分かる。
図19A〜Dは、オフ角が+0.5°のサファイア基板51上に厚さがそれぞれ18nm、25nm、38nmおよび55nmの低温GaNバッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡像(明視野像)(×5)を示す。また、図20A〜Dは、オフ角が+0.5°のサファイア基板51上に厚さがそれぞれ18nm、25nm、38nmおよび55nmの低温GaNバッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡像(明視野像)(×100)を示す。図19A〜Dおよび図20A〜Dより、低温GaNバッファ層の厚さが小さくなるほど、GaN層の表面の平坦性および結晶性が向上している。低温GaNバッファ層の厚さが38nmの場合は、低温GaNバッファ層の厚さが55nmの場合に比べて表面平坦性および結晶性ともかなり向上しており、25nmおよび18nmの場合は表面の平坦性および結晶性とも極めて良好であることが分かる。
図21および図22は、それぞれオフ角が+0.2°および+0.5°のサファイア基板51上に厚さが18nmの低温GaNバッファ層52を成長させてからGaN層を成長させた試料の表面の光学顕微鏡微分干渉像(×5)を示す。図21および図22より、オフ角が+0.5である場合よりも+0.2°である場合の方が、GaN層の表面は平坦になっていることが分かる。
次に、サファイア基板51上に低温GaNバッファ層52を介して成長されたGaN層の成長軸の、サファイア基板51の主面に垂直な方向の軸(以下、基板軸という)に対する傾斜を解析した結果について説明する。
図23に示すように、オフ角が+0.2°のサファイア基板51上に厚さがそれぞれ55nmおよび18nmの低温GaNバッファ層(図示せず)を成長させてからGaN層(図示せず)を成長させた試料に単色X線を入射させ(入射角ω)、GaN層の(11−20)反射に対するロッキングカーブ(ωスキャン)を測定した。GaN(11−20)反射のブラッグ角は28.72°である。図23に示すように、サファイア基板51を中心軸の周りに回転させ、中心軸の周りの角度φを90°から0°まで10°ずつ変化させてロッキングカーブを測定した。低温GaNバッファ層の厚さがそれぞれ55nmおよび18nmの試料のロッキングカーブを図24および図25に示す。このロッキングカーブから、GaN層の成長軸のサファイア基板51の基板軸に対する傾斜角(チルト角)が分かる。図24および図25より、低温GaNバッファ層の厚さが55nmの場合に比べて、低温GaNバッファ層の厚さがより小さい18nmの場合の方が、サファイア基板51の主面に対するGaN層の主面の傾斜角は極めて小さくなっていることが分かる。このことは、低温GaNバッファ層52の厚さを小さくすることにより、GaN層の表面平坦性に加えて結晶性の向上を図ることができることを意味する。
図26および図27は、オフ角θが+0.2°のサファイア基板51上に厚さが55nmの低温GaNバッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料におけるGaN層の成長軸の方向で測定した逆格子空間マッピングを示し、図26はφ=0°、図27はφ=90°の場合を示す。この逆格子空間マッピングにより、サファイア基板51の基板軸の方向とGaN層の成長軸の方向との関係を評価することができる。図28はサファイア基板51上に低温GaNバッファ層(図示せず)を成長させてからその上にGaN層を成長させた試料をφ=0°の方向から見た様子を模式的に示す。図26に示すφ=0°の逆格子空間マッピングから、図28の面内におけるサファイア基板51の基板軸に対するGaN層の成長軸の傾斜を評価することができる。図29はサファイア基板51上に低温GaNバッファ層(図示せず)を成長させてからその上にGaN層を成長させた試料をφ=90°の方向から見た様子を模式的に示す。図27に示すφ=0°の逆格子空間マッピングから、図29の面内におけるサファイア基板51の基板軸に対するGaN層の成長軸の傾斜を評価することができる。図26および図27より、低温GaNバッファ層の厚さが55nmと厚い試料においては、φ=0°で測定するとサファイア基板51の基板軸とGaN層の成長軸の方向とは互いに一致しているが、φ=90°で測定するとGaN層の成長軸の方向はサファイア基板51の基板軸に対して大きく傾斜していることが分かる。
図30および図31は、オフ角θが+0.2°のサファイア基板11上に低温GaNバッファ層を成長させることなく、GaN層を成長させた試料におけるGaN層の成長軸の方向で測定した逆格子空間マッピングを示し、図30はφ=0°、図31はφ=90°の場合を示す。図30および図31より、低温GaNバッファ層を成長させないでGaN層を成長させた試料においては、φ=90°で測定すると、GaN層の成長軸はサファイア基板51の基板軸に対して、オフ角θが+0.2°のサファイア基板51上に厚さが55nmの低温GaNバッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料とは逆方向に大きく傾斜していることが分かる。
図32A〜Dは、オフ角θが+0.2°のサファイア基板51上に厚さがそれぞれ0nm、18nm、25nmおよび55nmの低温GaNバッファ層を成長させてからGaN層を成長させた試料のGaN層の(11−20)反射のロッキングカーブを測定した結果を示す。図32A〜Dに示すロッキングカーブから分かるサファイア基板51の基板軸とGaN層の成長軸の方向との関係を図33A〜Dおよび図34A〜Dに示す。図33A〜Dおよび図34A〜Dより、低温GaNバッファ層の厚さが55nmと大きい場合には、サファイア基板51の基板軸とGaN層の成長軸の方向とのずれがかなり大きいが、低温GaNバッファ層の厚さが18nm付近ではサファイア基板51の基板軸とGaN層の成長軸の方向とのずれは非常に小さくなっている。
図35Aはサファイア基板51上に、成長軸がサファイア基板51の基板軸の方向と一致するようにGaN層が成長する場合を概念的に示したものである。図35BはGaN層の成長軸がサファイア基板51の基板軸に対して傾斜した場合を示す。図35Bに示す状態をサファイア基板51のA面に投影した投影図を図36Aに示す。また、図36Aに示すサファイア基板51を中心軸の周りに90°回転させた状態を図36Bに示す。
図37A〜Dは、図33A〜Dに示す状態に対応して図35Aに示すものと同様な、サファイア基板51のA面に投影した投影図を示す。
図38は、低温GaNバッファ層52の厚さに対するωの変化をφ=0°および90°について示す。図38から分かるように、φ=0°の場合、低温GaNバッファ層52の厚さによらずωは一定であるが、φ=90°の場合には、低温GaNバッファ層52の厚さの増加に伴ってωは単調に減少する。図39は、図38から求められる、サファイア基板51の基板軸に対するGaN層の成長軸の傾斜角を低温GaNバッファ層52の厚さに対してプロットしたものである。図39において、傾斜角0°はGaN層の成長軸の方向が基板軸の方向と一致しているときである。図39から分かるように、サファイア基板51の基板軸に対するGaN層の成長軸の傾斜角は、低温GaNバッファ層52の厚さの増加に伴って単調に減少し、低温GaNバッファ層52の厚さが約15nmのときを境に正負が反転している。
図40は、オフ角が異なるサファイア基板51を用いた場合における低温GaNバッファ層52の厚さに対するωの変化をφ=90°および0°についてまとめて示したものである。図40より、サファイア基板51のオフ角が変化すると、GaN層の成長軸の傾き方が、オフ方向の傾きに引きずられて傾いている様子が見られる。そのオフ角によるGaN層の成長軸の傾斜角はオフ角の差の2倍程度である。
図41は、低温GaNバッファ層52の厚さtとサファイア基板51のオフ角θとの関係を示す。図41において、tθ平面上における、下記の不等式(1)〜(5)で表される領域に斜線を施す。
θ≦0.031t−0.063 (1)
θ≧0.016t−0.1 (2)
θ≦0.5 (3)
θ≧−0.1 (4)
t>0 (5)
ここで、不等式(1)、(2)は、次のようにして求められたものである。図19A〜Dおよび図20A〜Dに示すように、サファイア基板51のオフ角θが0.5°である場合、低温GaNバッファ層52の厚さtが18〜38nmのときに表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層が得られている。逆に言えば、サファイア基板51のオフ角θが0.5°である場合、表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層を確実に得ることができる低温GaNバッファ層52の厚さtの下限は18nm、上限は38nmと考えることができる。次に、図18A〜Dおよび図19A〜Dに示すように、サファイア基板51のオフ角θが0.2°である場合、低温GaNバッファ層52の厚さtが25nm以上のときにはGaN層の表面の平坦性および結晶性は良好ではないが、厚さtが一番小さい18nmのときには表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層が得られている。また、図13E、図14E、図15Eおよび図16Eに示すように、サファイア基板51のオフ角θが0.2°である場合、低温GaNバッファ層52の厚さtが19nmのときにも表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層が得られている。そこで、サファイア基板51のオフ角θが0.2°である場合、表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層を確実に得ることができる低温GaNバッファ層52の厚さtの上限は19nmと考えることができる。次に、サファイア基板51のオフ角θが0°である場合、言い換えるとサファイア基板51がジャスト基板(R面サファイア基板)である場合、表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層を確実に得ることができる低温GaNバッファ層52の厚さtの下限は次のようにして求めることができる。すなわち、図40において、サファイア基板51のオフ角θが0.2°であるときのデータのプロット曲線から分かるように、ωが29.0°を超えなければ基板軸に対する成長軸の傾斜角を小さく抑えることができる。図40においてサファイア基板51のオフ角θが0°であるときのデータのプロット曲線(予測)について、ω=29.0°となるときの低温GaNバッファ層52の厚さtを読み取ると、約2nmとなる。そこで、サファイア基板51のオフ角θが0°である場合、表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層を確実に得ることができる低温GaNバッファ層52の厚さtの下限は約2nmと考えることができる。
以上の考察に基づいて、tθ平面上における点(18,0.5)および点(2,0)を通る直線が、オフ角θに対して低温GaNバッファ層52の厚さtの下限を与えると考える。この厚さtの下限を与える直線は計算により簡単に求めることができ、θ=0.31t−0.063となる。同様に、tθ平面上における点(38,0.5)および点(19,0.2)を通る直線が、オフ角θに対して低温GaNバッファ層52の厚さtの上限を与えると考える。この厚さtの上限を与える直線はθ=0.016t−0.1となる。一方、この厚さtの上限を与える直線θ=0.016t−0.1より、t=0のときのθを求めると−0.1°となる。
以上のことを総合すると、tθ平面上における点(t,θ)が、不等式(1)〜(5)で表される領域内に存在すれば、表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層を確実に得ることができると考えることができる。
なお、不等式(1)〜(5)で表される領域は、点(t,θ)がこの領域内に存在すれば、表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層を確実に得ることができるが、点(t,θ)がこの領域内になければ表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層を得ることができないというものではない。例えば、図19A〜Dに示すように、オフ角θが0.5°である場合、低温GaNバッファ層52の厚さtが上記の領域外の25nmであっても、表面の平坦性および結晶性が良好なGaN層を得ることができる。
以上、この発明の実施の形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の第1〜第5の実施の形態および実施例1、2において挙げた数値、材料、構造、構成、形状、基板、原料、プロセスなどはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、構造、構成、形状、基板、原料、プロセスなどを用いてもよい。
11、21、51…サファイア基板、22、23…n型窒化物系III−V族化合物半導体層、24…活性層、25…p型窒化物系III−V族化合物半導体層、26…p側電極、27…n側電極、52…低温GaNバッファ層

Claims (8)

  1. R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面を有する、六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板上に素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層を、バッファ層を成長させることなく直接成長させる工程を有する半導体素子の製造方法。
  2. 上記基板はR面からC軸方向に−0.5°以上−0.2°以下オフした主面を有する請求項1記載の半導体素子の製造方法。
  3. 上記基板はサファイア、SiC、α−ZnS、ZnOまたは窒化物系III−V族化合物半導体からなる請求項2記載の半導体素子の製造方法。
  4. 上記半導体素子は発光ダイオード、半導体レーザまたは電子走行素子である請求項3記載の半導体素子の製造方法。
  5. R面からC軸方向に−0.5°以上0°以下オフした主面を有する、六方晶系の結晶構造を有する物質からなる基板と、
    上記基板上にバッファ層を成長させることなく直接成長された、素子構造を形成する窒化物系III−V族化合物半導体層とを有する半導体素子。
  6. 上記基板はR面からC軸方向に−0.5°以上−0.2°以下オフした主面を有する請求項5記載の半導体素子。
  7. 上記基板はサファイア、SiC、α−ZnS、ZnOまたは窒化物系III−V族化合物半導体からなる請求項6記載の半導体素子。
  8. 上記半導体素子は発光ダイオード、半導体レーザまたは電子走行素子である請求項7記載の半導体素子。
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