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JP2011071056A - 燃料電池 - Google Patents

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JP2011071056A JP2009223222A JP2009223222A JP2011071056A JP 2011071056 A JP2011071056 A JP 2011071056A JP 2009223222 A JP2009223222 A JP 2009223222A JP 2009223222 A JP2009223222 A JP 2009223222A JP 2011071056 A JP2011071056 A JP 2011071056A
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Hisashi Chigusa
尚 千草
Shinichi Onodera
小野寺  真一
Hiroaki Wakamatsu
宏晃 若松
Katsumi Ichikawa
勝美 市川
Hitoshi Koda
仁 甲田
Shinichi Kamibayashi
信一 上林
Naoyuki Takazawa
直之 高澤
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

【課題】隣接するアノード間又はカソード間の短絡を防ぐことが可能な燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質膜17と、電解質膜17の一方の面に間隔をおいて配置された複数のアノード触媒層11およびアノード触媒層11のそれぞれに積層された複数のアノードガス拡散層12を有するアノード13と、電解質膜17の他方の面にアノード触媒層11のそれぞれと対向するように間隔をおいて配置された複数のカソード触媒層14およびカソード触媒層14のそれぞれに積層された複数のカソードガス拡散層15を有するカソード16と、を備え、アノード触媒層11は、電解質膜17に接する底面11S1と、アノードガス拡散層12と接するとともに11S1底面の面積より大きい面積を有する上面11S2と、を有する。
【選択図】図3

Description

この発明は、燃料電池を用いた燃料電池の技術に関する。
近年、小型の燃料電池が注目を集めている。特に、メタノールを燃料として用いた直接メタノール型燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell:DMFC)は、小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、有望視されている。
DMFCは、アノードとカソードとの間に電解質膜を挟持させた構造の膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)を備えている。このようなDMFCのアノードでは、導入されたメタノールが酸化分解され、プロトン、電子および二酸化炭素が生成される。一方、カソードでは、空気中の酸素とアノード側から移動してきたプロトンとアノードから外部回路を通じて供給される電子とが反応して水が生成される。また、外部回路を通る電子によって電力が供給される。
このようなDMFCにおいて、膜電極接合体の製造時に電解質膜に加わるダメージによるアノードとカソードとの間での短絡や、クロスリークを抑制するために、電解質膜上にアノード側触媒層、カソード側触媒層が形成されていない領域についての加圧圧力を、電解質膜上にアノード側触媒層、カソード側触媒層が形成されている領域についての加圧圧力よりも小さくする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、固体高分子形燃料電池として、カソード触媒層でのプロトンの供給不足によって固体分子膜に生じるピンホールの形成を抑制するために、カソード電極機材の固体高分子膜と対向する面であってカソード触媒層が配置されていない領域において、酸化剤に対して触媒作用を有さない非触媒層を備え、カソード触媒層が固体分子膜を挟んで対向する位置に必ずアノード触媒層が配置された構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、触媒層において電気伝導性およびガス拡散性の両方の性能を向上させるために、60〜90質量%がカーボンファイバーからなる炭素、イオン交換樹脂、含フッ素樹脂を含む電極材料を備えた高分子型燃料電池の構成が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
カーボン繊維によるようなGDL材料による電極間の突き抜けの問題が生じにくく、ガス拡散性の良い個体分子型燃料電池に使用できるように、カーボン粒子および撥水剤粒子からなる比較的小径の貫通孔を無数に持つ多孔体焼結粗粒子が適度に隙間を持ちつつ多孔体焼結粗粒子同士が連なって比較的大径の貫通孔を無数に持つ燃料電池用ガス拡散層の構成が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
ところで、DMFCによって発電される電圧は、一般的な電池よりも低い。このため、DMFCは、複数の単セルを重ね合わせたり、並べたりし、各単セルを直列につなぎ、電圧を上げるという手法をとっている。特に、省スペース化が要求される燃料電池の場合には、複数の単セルは同一平面上に所定の間隙をおいて並べられ、アノードとカソードとを金属導体の電極でつなげることにより直列に接続する場合が多い。
しかしながら、複数の単セルを同一平面上に並べる場合には、アノード触媒層やカソード触媒層から脱落した触媒により、隣接するアノード間又はカソード間で短絡してしまい、所定の電圧を確保できないおそれがある。
特開2008−269909号公報 特開2005−317518号公報 特開2007−12325号公報 特開2007−242378号公報
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、隣接するアノード間又はカソード間の短絡を防ぐことが可能な燃料電池を提供することにある。
この発明の態様による燃料電池は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に間隔をおいて配置された複数の第1触媒層および前記第1触媒層のそれぞれに積層された複数の第1ガス拡散層を有する第1電極と、前記電解質膜の他方の面に前記第1触媒層のそれぞれと対向するように間隔をおいて配置された複数の第2触媒層および前記第2触媒層のそれぞれに積層された複数の第2ガス拡散層を有する第2電極と、を備え、前記第1触媒層は、前記電解質膜に接する底面と、前記第1ガス拡散層と接するとともに前記底面の面積より大きい面積を有する上面と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、隣接するアノード間又はカソード間の短絡を防ぐことが可能な燃料電池を提供することができる。
図1は、この発明の一実施の形態に係る燃料電池の構造を概略的に示す断面図である。 図2は、図1に示した燃料電池における膜電極接合体の一部を概略的に示す平面図および斜視図である。 図3は、図2に示した膜電極接合体の一部を拡大した断面図である。 図4は、図2に示した膜電極接合体の平面図である。 図5は、本実施の形態に係る燃料電池の膜電極接合体の他の構造を概略的に示す断面図である。 図6は、アノード触媒層の脱落距離およびカソード触媒層の脱落距離を示した図である。 図7は、アノード触媒層およびカソード触媒層の側面を曲面または平面に形成することによる効果の検証結果を示す
以下、この発明の一実施の形態に係る燃料電池について図面を参照して説明する。図1に示すように、燃料電池1は、起電部を構成する膜電極接合体(MEA)2と、膜電極接合体2に燃料を供給する燃料供給機構3と、から主として構成されている。
すなわち、燃料電池1において、膜電極接合体2は、アノード触媒層11およびアノード触媒層11の上に配置されたアノードガス拡散層12を有するアノード(燃料極)13と、カソード触媒層14およびカソード触媒層14に積層されたカソードガス拡散層15を有するカソード(空気極/酸化剤極)16と、アノード触媒層11とカソード触媒層14とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜17とを備えて構成されている。なお、アノード触媒層11とアノードガス拡散層12との間、カソード触媒層14とカソードガス拡散層15との間にさらに付加的に機能を有する層を設けてもよい。
アノード触媒層11やカソード触媒層14に含有される触媒としては、例えば白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、パラジウム(Pd)等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。アノード触媒層11には、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を用いることが好ましい。カソード触媒層14には、PtやPt−Ni等を用いることが好ましい。ただし、触媒は、これらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。また、触媒は、炭素材料のような導電性担持体を使用した担持触媒、あるいは無担持触媒のいずれであってもよい。
アノード触媒層11およびカソード触媒層14は、例えば、スルホン酸基を有する、例えば、パーフルオロスルホン酸重合体等のフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)、フレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂、タングステン酸やリンタングステン酸、硝酸リチウムなどの無機物等のプロトン導電剤を含んでいても良い。
電解質膜17を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂等の有機系材料、あるいはタングステン酸やリンタングステン酸等の無機系材料が挙げられる。ただし、プロトン伝導性の電解質膜17は、これらに限られるものではない。
アノード触媒層11に積層されるアノードガス拡散層12は、アノード触媒層11に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層11の集電機能を有するものである。カソード触媒層14に積層されるカソードガス拡散層15は、カソード触媒層14に酸化剤(空気あるいは酸素)を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層14の集電機能を有するものである。アノードガス拡散層12およびカソードガス拡散層15は、例えばカーボンペーパーなどの導電性を有する多孔質基材によって構成されている。
上述した膜電極接合体2は、集電体18によって挟持されている。この集電体18は、膜電極接合体2に備えられたアノード13と同数のアノード集電体18A、及び、膜電極接合体2に備えられたカソード16と同数のカソード集電体18Cを有している。アノード集電体18Aは、アノード13のアノードガス拡散層12に積層されている。また、カソード集電体18Cは、カソード16のカソードガス拡散層15に積層されている。
アノード集電体18Aおよびカソード集電体18Cとしては、例えば金(Au)、ニッケル(Ni)などの金属材料からなる多孔質膜(例えばメッシュ)または箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材などをそれぞれ使用することができる。
膜電極接合体2は、電解質膜17のアノード13側およびカソード16側にそれぞれ配置されたゴム製のOリング等のシール部材19によってシールされており、これにより、膜電極接合体2からの燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。
膜電極接合体2のカソード16側には、絶縁材料によって形成された板状体20が配置されている。この板状体20は、主に保湿層として機能する。すなわち、この板状体20は、カソード触媒層14で生成された水の一部が含浸されて水の蒸散を抑制するとともに、カソード触媒層14への空気の取入れ量を調整し且つ空気の均一拡散を促進するものである。この板状体20は、例えば多孔質構造の部材で構成され、具体的な構成材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンの多孔質体などが挙げられる。
上述した膜電極接合体2は、燃料供給機構3とカバープレート21との間に配置されている。カバープレート21は、外観が略矩形状のものであり、例えばステンレス鋼(SUS)によって形成されている。また、カバープレート21は、酸化剤である空気を取入れるための複数の開口部(空気導入孔)21Aを有している。
燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13に対して燃料を供給するように構成されているが、特に、特定の構成に限定されるものではない。以下に、燃料供給機構3の一例について説明する。
燃料供給機構3は、例えば、箱状に形成された容器30を備えている。この燃料供給機構3は、液体燃料を収容する燃料収容部4と流路5に接続された容器30の燃料導入口30Aを介して接続されている。燃料供給機構3は、膜電極接合体2のアノード13の面方向に燃料を分散並びに拡散させつつ供給する燃料供給部31を備えている。ここでは、特に、燃料供給部31が燃料分配板31Aを備えた構成について説明するが、燃料供給部31は他の構成であっても良い。
すなわち、燃料分配板31Aは、1つの燃料注入口32と、複数の燃料排出口33とを有しており、細管34のような燃料通路を介して燃料注入口32と燃料排出口33とを接続した構成である。
膜電極接合体2は、そのアノード13が上述したような燃料分配板31Aの燃料排出口33に対向するように配置されている。カバープレート21は、燃料供給機構3との間に膜電極接合体2を保持した状態で容器30に対してカシメあるいはネジ止めなどの手法により固定されている。これにより、燃料電池(DMFC)1の発電ユニットが構成されている。
燃料供給部31は、燃料分配板31Aと膜電極接合体2との間に燃料拡散室31Bとして機能する空間を形成するような構成であることが望ましい。この燃料拡散室31Bは、燃料排出口33から液体燃料が排出されたとしても気化を促進するとともに、面方向への拡散を促進する機能を有している。
膜電極接合体2と燃料供給部31との間には、膜電極接合体2をアノード13側から支持する支持部材を配置しても良い。
また、膜電極接合体2と燃料供給部31との間には、少なくとも1つの多孔体を配置しても良い。
燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容されている。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。なお、液体燃料は、必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えば、エタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部4には、膜電極接合体2に応じた液体燃料が収容される。
さらに、流路5には、ポンプ6が介在していても良い。ポンプ6は、燃料を循環させる循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。燃料供給部31から膜電極接合体2に供給された燃料は、発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部4に戻されることはない。
この実施の形態の燃料電池1は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ6を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。図1に示す燃料電池1は、例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
この実施の形態の燃料電池1においては、ポンプ6を用いて燃料収容部4から燃料供給部31に液体燃料が間欠的に送液される。ポンプ6で送液された液体燃料は、燃料供給部31を経て膜電極接合体2のアノード13の全面に対して均一に供給される。
すなわち、複数の単セルCの各アノード13の平面方向に対して均一に燃料が供給され、これにより発電反応が生起される。燃料供給用(送液用)のポンプ6の運転動作は、燃料電池1の出力、温度情報、電力供給先である電子機器の運転情報等に基づいて制御することが好ましい。
また、燃料供給部31から膜電極接合体2への燃料供給が行われる構成であればポンプ6に代えて燃料遮断バルブを配置する構成とすることも可能である。この場合には、燃料遮断バルブは、流路による液体燃料の供給を制御するために設けられるものである。
上述したように、燃料供給部31から放出された燃料は、膜電極接合体2のアノード13に供給される。膜電極接合体2内において、燃料は、アノードガス拡散層12を拡散してアノード触媒層11に供給される。液体燃料としてメタノール燃料を用いた場合、アノード触媒層11で下記の(1)式に示すメタノールの内部改質反応が生じる。なお、メタノール燃料として純メタノールを使用した場合には、カソード触媒層14で生成した水や電解質膜17中の水をメタノールと反応させて(1)式の内部改質反応を生起させる。あるいは、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
この反応で生成した電子(e-)は、集電体18を経由して外部に導かれ、いわゆる電気として携帯用電子機器等を動作させた後、集電体18を経由してカソード16に導かれる。(1)式の内部改質反応で生成したプロトン(H+)は、電解質膜17を経てカソード16に導かれる。カソード16には、酸化剤として空気が供給される。カソード16に到達した電子(e-)とプロトン(H+)は、カソード触媒層14で空気中の酸素と下記の(2)式にしたがって反応し、この反応に伴って水が生成する。
6e-+6H++(3/2)O2 → 3H2O …(2)
上述した燃料電池1の発電反応において、発電する電力を増大させるためには触媒反応を円滑に行わせるとともに、膜電極接合体2の電極全体に均一に燃料を供給し、電極全体をより有効に発電に寄与させることが重要となる。
ところで、この実施の形態においては、図2に示すように、膜電極接合体2は、単一の電解質膜17の一方の面において間隔をおいて配置された複数のアノード13と、電解質膜17の他方の面においてアノード13のそれぞれと対向するように間隔をおいて配置された複数のカソード16と、を備えている。ここでは、アノード13およびカソード16がそれぞれ4個である場合を示している。
これらのアノード13とカソード16との各組み合わせは、それぞれ電解質膜17を挟持し、単セルC(C1、C2、C3、C4)をなしている。ここでは、単セルC(C1、C2、C3、C4)のそれぞれは、同一平面上において、その長手方向と直交する方向に間隔をおいて並んで配置されている。なお、膜電極接合体2の構造は、この例に限らず他の構造であっても良い。
図2に示したような複数の単セルC(C1、C2、C3、C4)を有する膜電極接合体2においては、各単セルC(C1、C2、C3、C4)は、図示しない集電体によって電気的に直列に接続されている。
本実施の形態においては、アノード13のそれぞれにおいて、アノード触媒層11は、アノードガス拡散層12よりも一回りサイズが小さくなっている。また、カソード16のそれぞれにおいて、カソード触媒層14は、カソードガス拡散層15よりも一回り小さくなっている。以下により具体的に説明する。
図3に示すように、アノード触媒層11は、電解質膜17に接する底面11S1と、アノードガス拡散層12と接する上面11S2と、底面11S1と上面11S2とを接続する側面11S3と、を有している。アノード触媒層11の上面11S2の面積は、底面11S1の面積より大きい。
アノードガス拡散層12は、アノード触媒層11の上面11S2と接する底面12S1と、底面12S1と対向する上面12S2と、底面12S1と上面12S2とを接続する側面12S3と、を有している。アノードガス拡散層12の底面12S1の面積と、上面12S2の面積とは、略同等である。また、アノードガス拡散層12の側面12S3は、底面12S1および上面12S2に対して略垂直である。
アノード触媒層11の上面11S2の面積は、アノードガス拡散層12の底面12S1の面積と同等以下である。アノード触媒層11の側面11S3は、アノードガス拡散層12の端部または側面12S3が形成された位置よりも内側に形成されている。つまり、アノード触媒層11の外観は、その底面11S1と平行な断面積が電解質膜17から離れるに従って拡大するような逆テーパー形状をなしている。
また、カソード触媒層14は、電解質膜17に接する底面14S1と、カソードガス拡散層15と接する上面14S2と、底面14S1と上面14S2とを接続する側面14S3と、を有している。カソード触媒層14の上面14S2の面積は、底面14S1の面積より大きい。
カソードガス拡散層15は、カソード触媒層14の上面14S2に接する底面15S1と、底面15S1と対向する上面15S2と、底面15S1と上面15S2とを接続する側面15S3と、を有している。カソードガス拡散層15の底面15S1の面積と、上面15S2の面積とは、略同等である。また、カソードガス拡散層15の側面15S3は、底面15S1および底面15S1に対して略垂直である。
カソード触媒層14の上面14S2の面積は、カソードガス拡散層15の底面15S1の面積と同等以下である。このカソード触媒層14の側面14S3は、カソードガス拡散層15の端部または側面15S3が形成された位置よりも内側に形成されている。つまり、カソード触媒層14の外観は、その底面14S1と平行な断面積が電解質膜17から離れるに従って拡大するような逆テーパー形状をなしている。
図3に示した例では、隣接するアノード触媒層11の互いに向かい合う側面11S3は、それぞれ互いに離れる方向D1、D2に向かって窪んだ曲面である。アノード13の断面において、隣接するアノード触媒層11の底面11S1の末端を点Aとする。また、隣接するアノード触媒層11の上面11S2の上面の末端を点Bとする。点Bから電解質膜17に垂線を下ろし、電解質膜17と接する点を点Cとする。点Aは点Cよりも内側に位置している。ここでは、点Aと点Bとを結ぶ線は、2次曲線の一部であり、点Bと点Cとを結ぶ直線に対して内側に窪んだ線状となっている。換言すると、アノード触媒層11は、その端部がアーチ状に形成されている。
また、隣接するカソード触媒層14の互いに向かい合う側面14S3は、それぞれ互いに離れる方向D1、D2に向かって窪んだ曲面である。カソード16の断面において、隣接するカソード触媒層14の底面14S1の末端を点Dとする。また、隣接するカソード触媒層14の上面14S2の末端を点Eとする。点Eから電解質膜17に垂線を下ろし、電解質膜17と接する点を点Fとする。点Dは点Fよりも内側に位置している。ここでは、点Dと点Eとを結ぶ線は、2次曲線の一部であり、点Eと点Fとを結ぶ直線に対して内側に窪んだ線状となっている。換言すると、カソード触媒層14は、その端部がアーチ状に形成されている。
隣接する単セルC2および単セルC3に着目すると、単セルC2のアノード触媒層11において、単セルC3のアノード触媒層11と向かい合う側面11S3は、単セルC3のアノード触媒層11から離れる方向D1に向かって窪んだ曲面である。同様に、単セルC3のアノード触媒層11において、単セルC2のアノード触媒層11と向かい合う側面11S3は、単セルC2のアノード触媒層11から離れる方向D2に向かって窪んだ曲面である。各単セルCにおいて、互いに向かい合うアノード触媒層11の側面11S3は、いずれも互いの側面から離れる方向に向かって窪んだ曲面となっている。
また、隣接する単セルC2および単セルC3に着目すると、単セルC2のカソード触媒層14において、単セルC3のカソード触媒層14と向かい合う側面14S3は、単セルC3のカソード触媒層14から離れる方向D1に向かって窪んだ曲面である。同様に、単セルC3のカソード触媒層14において、単セルC2のカソード触媒層14と向かい合う側面14S3は、単セルC2のカソード触媒層14から離れる方向D2に向かって窪んだ曲面である。各単セルCにおいて、互いに向かい合うカソード触媒層14の側面14S3は、いずれも互いの側面から離れる方向に向かって窪んだ曲面となっている。
なお、各単セルCにおいて、互いに向かい合っていないアノード触媒層11の側面11S3が曲面ではなくても良いし、カソード触媒層14の側面14S3が曲面でなくても良い。たとえば、図4において、各単セルC1乃至C4における一対の短辺S1及びS2に沿った側面は、曲面でなくてもよい。また、単セルC1の外側の長辺L1に沿った側面および単セルC4の外側の長辺L2に沿った側面も曲面でなくても良い。これらの側面については、例えば、電解質膜17に略垂直な平面であっても良い。
このように、アノード触媒層11の側面11S3およびカソード触媒層14の側面14S3をアーチ状の曲面とすることにより、アノード触媒層11およびカソード触媒層14にかかる力を分散することが可能となり、アノード触媒層11およびカソード触媒層14からの触媒の脱落を防止することが可能となる。また、互いに隣接するアノード触媒層11の向かい合う側面11S3が曲面であることにより、アノード触媒層11間への触媒の脱落を防止することが可能となる。また、互いに隣接するカソード触媒層14の向かい合う側面14S3が曲面であることにより、カソード触媒層14間への触媒の脱落を防止することが可能となる。したがって、燃料電池1の運転中において、隣接する単セルCのアノード13間およびカソード16間の短絡を防止することが可能となる。
また、このように構成することにより、各々の単セルC間に触媒脱落防止剤を埋める必要がないため、水や水蒸気の出入面積を減らすことなくなく、フラッディングなどの問題による反応が阻害されることなく、アノード13間およびカソード16間の短絡を防止することが可能となる。
また、アノード触媒層11の上面11S2の面積をアノードガス拡散層12の底面12S1の面積より小さくすると、さらに隣接する単セルCのアノード13間の短絡を防止することが可能となる。また、同様に、カソード触媒層14の上面14S2の面積をカソードガス拡散層15の底面15S1の面積より小さくすると、さらに隣接する単セルCのカソード16間の短絡を防止することが可能となる。
なお、アノード触媒層11間への触媒の脱落を防止するためには、少なくとも隣接する単セルのアノード触媒層11の互いに向かい合う側面11S3を曲面に構成すればよいが、アノード触媒層11における全周の側面11S3が同様の曲面であっても良い。また、カソード触媒層14間への触媒の脱落を防止するためには、少なくとも隣接する単セルのカソード触媒層14の互いに向かい合う側面14S3を曲面に構成すればよいが、カソード触媒層14における全周の側面14S3が同様の曲面であっても良い。
また、図3に示した例では、点Aと点Bとを結ぶ線、及び、点Dと点Eとを結ぶ線が2次曲線の一部である場合について説明したが、2次以上の多次曲線の少なくとも一部を含んでいても良い。
図5に示した例は、アノード触媒層11およびカソード触媒層14の側面が平面である点で図3に示した例と異なる。隣接するアノード触媒層11の互いに向かい合う側面11S3は、それぞれ傾斜した平面である。点Aは点Cよりも内側に位置している。ここでは、点Aと点Bとを結ぶ線は、直線であり、点Bと点Cとを結ぶ直線に対して内側に位置している。換言すると、アノード触媒層11は、その端部がテーパー状に形成されている。また、隣接するカソード触媒層14の互いに向かい合う側面14S3は、それぞれ傾斜した平面である。点Dは点Fよりも内側に位置している。ここでは、点Dと点Eとを結ぶ線は、直線であり、点Dと点Fとを結ぶ直線に対して内側に位置している。換言すると、カソード触媒層14は、その端部がテーパー状に形成されている。
このように、アノード触媒層11の側面11S3およびカソード触媒層14の側面14S3をテーパー状の平面とすることにより、アノード触媒層11およびカソード触媒層14にかかる力を分散することが可能となり、アノード触媒層11およびカソード触媒層14からの触媒の脱落を防止することが可能となる。したがって、図3に示した例と同様に、燃料電池1の運転中において、隣接する単セルCのアノード13間およびカソード16間の短絡を防止することが可能となる。
次に、アノード触媒層11の側面11S3が曲面である燃料電池1、アノード触媒層11の側面11S3が平面である燃料電池1、カソード触媒層14の側面14S3が曲面である燃料電池1およびカソード触媒層14の側面14S3が平面である燃料電池1についての効果を検証した。
まず、アノードガス拡散層12用のカーボンペーパー(東レ(株)製TGP−H−120)を用意した。そして、カーボンペーパーを平板プレスにて厚さ方向に厚さが1/2になるまで圧縮した。このときのカーボンペーパーの圧縮前の気孔率は、アルキメデス法を用いて測定したところ75%であった。また、カーボンペーパーの圧縮後の気孔率は、外形寸法と重量測定により計算したところ40.5%であった。
次に、触媒である白金ルテニウム合金微粒子を担持したカーボン粒子10重量部に対し、ナフィオン溶液DE2020(デュポン社製)の固形分が1重量部、さらに溶媒を加えてホモジナイザで混合し、固形分として約15%のスラリーを作製した。上述したアノードガス拡散層12の上にスラリーをダイコータースプレーコート法にて塗布し、乾燥させ、アノード触媒層11を形成した。これにより、アノード13を得た。
また、カソードガス拡散層15用のカーボンペーパー(東レ(株)製TGP−H−60)を用意した。このときのカーボンペーパーの気孔率は、75%であった。
次に、触媒である白金微粒子を担持したカーボン粒子とナフィオン溶液DE2020(デュポン社製)と溶媒をホモジナイザで混合して約15%固形分のスラリーを作製した。上述したカソードガス拡散層15の上にスラリーをダイコータースプレーコート法にて塗布し、乾燥させ、カソード触媒層14を形成した。これにより、カソード16を得た。
そして、アノード13およびカソード16をそれぞれ所定のサイズにカットした。6つのサンプル1、サンプル2、サンプル3、サンプル4、サンプル5、サンプル6を用意した。
サンプル1において、アノード触媒層11の底面11S1の面積と上面11S2の面積とが略同等となるように、アノード触媒層11の端部を底面11S1および上面11S2に対して略垂直にカットした。このとき、アノード触媒層11の上面11S2の面積がアノードガス拡散層12の底面12S1より小さくなるようにカットした。カソード触媒層14の底面14S1の面積が上面14S2の面積より小さくなるように、カソード触媒層14の端部をアーチ状にカットした。
なお、このサンプル1では、カソード触媒層14は、第1触媒層に相当する。また、カソードガス拡散層15は、第1ガス拡散層に相当する。また、アノード触媒層11は、第2触媒層に相当する。また、アノードガス拡散層12は、第2ガス拡散層に相当する。
サンプル2において、アノード触媒層11の底面11S1の面積が上面11S2の面積より小さくなるように、アノード触媒層11の端部をアーチ状にカットした。カソード触媒層14の底面14S1の面積が上面14S2の面積と略同等となるように、カソード触媒層14の端部をカソード触媒層14の底面14S1および上面14S2に対して略垂直にカットした。このとき、カソード触媒層14の上面14S2の面積がカソードガス拡散層15の底面15S1より小さくなるようにカットした。
なお、このサンプル2では、アノード触媒層11は、第1触媒層に相当する。また、アノードガス拡散層12は、第1ガス拡散層に相当する。また、カソード触媒層14は、第2触媒層に相当する。また、カソードガス拡散層15は、第2ガス拡散層に相当する。
サンプル3において、アノード触媒層11の底面11S1の面積が上面11S2の面積より小さくなるように、アノード触媒層11の端部をアーチ状にカットした。カソード触媒層14の底面14S1の面積が上面14S2の面積より小さくなるように、カソード触媒層14の端部をアーチ状にカットした。
サンプル4において、アノード触媒層11の底面11S1の面積が上面11S2の面積より小さくなるように、アノード触媒層11の端部をテーパー状にカットした。また、カソード触媒層14の底面14S1の面積が上面14S2の面積より小さくなるように、カソード触媒層14の端部をテーパー状にカットした。つまり、アノード触媒層11の側面11S3及びカソード触媒層14の側面14S3は、ともに傾斜した平面となっている。
サンプル5において、アノード触媒層11の底面11S1の面積が上面11S2の面積と略同等となるように、アノード触媒層11の端部を底面11S1および上面11S2に対して略垂直にカットした。このとき、アノード触媒層11の上面11S2の面積がアノードガス拡散層12の底面12S1より小さくなるようにカットした。カソード触媒層14の底面14S1の面積が上面14S2の面積と略同等となるように、カソード触媒層14の端部を底面14S1および上面14S2に対して略垂直にカットした。このとき、カソード触媒層14の上面14S2の面積がカソードガス拡散層15の底面15S1の面積より小さくなるようにカットした。
サンプル6において、アノード触媒層11の底面11S1の面積が上面11S2の面積と略同等になるように、アノード触媒層11の端部を底面11S1および上面11S2に対して略直角にカットした。このとき、アノード触媒層11の上面11S2の面積がアノードガス拡散層12の底面12S1の面積と略同等になるようにカットした。カソード触媒層14の底面14S1の面積が上面14S2の面積と略同様になるように、カソード触媒層14の端部を底面14S1および上面14S2に対して略垂直にカットした。このとき、カソード触媒層14の上面14S2の面積は、カソードガス拡散層15の底面15S1の面積と略同等となるようにカットした。
そして、電解質膜17として固定電解質膜ナフィオン112(デュポン社製)を用い、この電解質膜17とカソード16とをカソード触媒層14が電解質膜17側を向くよう重ね合わせる。また、電解質膜17のカソード16を重ね合わせた面とは反対の面に、アノード触媒層11が電解質膜17側を向くようにアノード13を重ね合わせる。その後、ホットプレスし、膜電極接合体2を形成した。
なお、電極面積は、アノード13およびカソード16ともに1cm×8cmの8cmとした。そして、アノード13およびカソード16は、それぞれ1.2mm間隔で4列に並べて配置した。
ここで、サンプル1乃至サンプル6のアノード13間およびカソード16間を観察した。アノード触媒層11をアノードガス拡散層12側からマイクロスコープを用いて100倍で観察し、断面分析を行った。また、カソード触媒層14をカソードガス拡散層15側からマイクロスコープを用いて100倍で観察し、断面分析を行った。
続いて、空気および気化したメタノールを取り入れるための複数の開孔を有する集電体18として機能する金箔で膜電極接合体2を挟み、アノード集電体18Aおよびカソード集電体18Cを形成した。
そして、膜電極接合体2、アノード集電体18Aおよびカソード集電体18Cが積層された積層体を樹脂製の2つのフレームで挟み込んだ。なお、膜電極接合体2のカソード16側と一方のフレームとの間、膜電極接合体2のアノード13側と他方のフレームとの間には、それぞれシール部材19として機能するゴム製のOリングを挟持してシールを施した。
また、アノード13側のフレームは、気液分離膜を介して、燃料供給機構3にネジ止めによって固定した。気液分離膜には、厚さ0.1mmのシリコーンシートを使用した。一方、カソード16側のフレーム上には、気孔率が30%の保湿層として機能する板状体20を配置した。この板状体20の上には、カバープレート21として、空気の取り入れのための空気導入孔(口径4mm、口数64個)21Aが形成された厚さ2mmのステンレス板(SUS304)を配置してネジ止めによって固定した。このようにして燃料電池1を組み立てた。
このような燃料電池1の燃料収容室に純メタノールを注入した。そして、温度25℃、相対湿度50%の環境で、燃料電池1を500hr運転させた。500hr運転後の膜電極接合体2を取り出し観察し、さらに、サンプル1乃至6の燃料電池1のアノード触媒層11の剥離、脱落距離L、カソード触媒層14の剥離、脱落距離Lを測定した。
ここで、アノード触媒層11の剥離とは、アノード触媒層11からの一部が電解質膜17あるいはアノードガス拡散層12から剥がれることをいう。また、ここで、カソード触媒層14の剥離とは、カソード触媒層14の一部が電解質膜17あるいはカソードガス拡散層15から剥がれることをいう。アノード触媒層11およびカソード触媒層14の剥離が増えることによってアノード触媒層11およびカソード触媒層14から脱落が増える。
また、図6に示すように、アノード触媒層11の脱落距離Lとは、アノードガス拡散層12の底面12S1の端部と、アノード触媒層11から最も離れた位置に脱落した触媒との間の距離である。カソード触媒層14の脱落距離Lとは、カソードガス拡散層15の底面15S1の端部と、カソード触媒層14から最も離れた位置に脱落した触媒との間の距離である。この測定結果を図7に示す。
膜電極接合体2の形成時(初期)のアノード13側およびカソード16側の状態については以下の通りである。サンプル1において、アノード触媒層11の剥離がややあった。また、サンプル1において、カソード触媒層14の剥離がなく、カソード触媒層14からの触媒の脱落もなかった。サンプル2において、アノード触媒層11の剥離がなく、アノード触媒層11からの触媒の脱落もなかった。また、サンプル2において、カソード触媒層14の剥離がややあった。サンプル3およびサンプル4において、アノード触媒層11の剥離がなく、アノード触媒層11からの触媒の脱落もなかった。また、サンプル3及びサンプル4において、カソード触媒層14の剥離がなく、カソード触媒層14からの触媒の脱落もなかった。サンプル5およびサンプル6において、アノード触媒層11の剥離がややあった。また、サンプル5およびサンプル6において、カソード触媒層14の剥離がややあった。
次に、燃料電池1を500hr運転後のアノード13側およびカソード16側の状態については以下の通りである。サンプル1において、アノード触媒層の剥離が初期よりも増えた。また、サンプル1において、カソード触媒層14の剥離がなく、カソード触媒層14からの触媒の脱落もなかった。サンプル2において、アノード触媒層11の剥離がなく、アノード触媒層11からの触媒の脱落もなかった。また、サンプル2において、カソード触媒層14の剥離が初期よりも増えた。サンプル3において、アノード触媒層11の剥離がなく、アノード触媒層11からの脱落もなかった。また、サンプル3において、カソード触媒層14の剥離がなく、カソード触媒層14からの脱落もなかった。サンプル4において、アノード触媒層11の剥離がややあり、アノード触媒層11からの触媒の脱落もややあった。また、サンプル4において、カソード触媒層14の剥離がややあり、カソード触媒層14からの触媒の脱落もややあった。サンプル5およびサンプル6において、アノード触媒層11の剥離が初期よりも増えた。また、サンプル5およびサンプル6において、カソード触媒層14の剥離が初期よりも増えた。
隣接するアノード13の間隔および隣接するカソード16の間隔は、それぞれ1.2mmであるため、触媒の脱落距離Lが0.2mm未満である場合において、隣接するアノード13間およびカソード16間で短絡していなく、燃料電池1の運転を続けても短絡する可能性は非常に低い。さらに脱落距離Lが0.6mm以上である場合において、隣接するアノード13間およびカソード間で短絡するおそれがある。また、脱落距離Lが0.4mm以上0.6mm未満である場合において隣接するアノード13間およびカソード16間で短絡する可能性は低いがさらに燃料電池1の運転を続けると短絡するおそれがある。
図7では、脱落距離Lが0.1mm未満である場合の評価を「9」とした。脱落距離Lが0.1mm以上0.2mm未満である場合の評価を「7」とした。脱落距離Lが0.2mm以上0.3mm未満である場合の評価を「5」とした。脱落距離Lが0.3mm以上0.4mm未満である場合の評価を「3」とした。脱落距離Lが0.4mm以上である場合の評価を「1点」とした。
図7に示すように、サンプル6において、500hr運転後の触媒のアノード13側の脱落距離Lは、0.5mmであり、評価は「1」である。また、カソード16側の脱落距離Lは、0.6mmであり、評価は「1」である。アノード13側の評価とカソード16側の評価の積は「1」である。また、サンプル5において、アノード13側の脱落距離Lは、0.3mmであり、評価は「3」である。また、カソード16側の脱落距離Lは、0.4mmであり、評価は「1」である。アノード13側の評価とカソード16側の評価の積は「3」である。
これに対して、サンプル1において、アノード13側の脱落距離Lは、0.3mmであり、評価は「3」である。また、カソード16側の脱落距離Lは、0.05mm以下であり、評価は「9」である。アノード13側の評価とカソード16側の評価の積は「27」である。
サンプル2において、アノード13側の脱落距離Lは、0.05mm以下であり、評価は「9」である。また、カソード16側の脱落距離Lは、0.35mmであり、評価は「3」である。アノード13側の評価とカソード16側の評価の積は「27」である。
サンプル3において、アノード13側の脱落距離Lは、0.05mm以下であり、評価は「9」である。また、カソード16側の脱落距離Lは、0.05mm以下であり、評価は「9」である。アノード13側の評価とカソード16側の評価の積は「81」である。
サンプル4において、アノード13側の脱落距離Lは、0.2mmであり、評価は「5」である。また、カソード16側の脱落距離Lは、0.25mmであり、評価は「5」である。アノード13側の評価とカソード16側の評価の積は「25」である。
これらの結果から、アノード触媒層11の側面11S3及びカソード触媒層14の側面14S3が傾斜した平面を有することによって、それぞれの脱落距離Lが小さくなることが確認された。また、アノード触媒層11の側面11S3及びカソード触媒層14の側面14S3が曲面を有することによって、さらに脱落距離Lが小さくなることが確認された。
以上説明したように、本実施形態によれば、隣接するアノード13およびカソード16間の短絡を防止することが可能な燃料電池1を提供することが可能となる。
上述した本実施形態の燃料電池1は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。ただし、燃料を面方向に分散させつつ供給する燃料供給部31は、特に燃料濃度が濃い場合に有効である。このため、各実施形態の燃料電池1は、濃度が80wt%以上のメタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる。したがって、各実施形態は、メタノール濃度が80wt%以上のメタノール水溶液や純メタノールを液体燃料として用いた燃料電池1に好適である。
さらに、上述した各実施形態は、本発明をセミパッシブ型の燃料電池1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、内部気化型の純パッシブ型の燃料電池に対しても適用可能である。
なお、本発明は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではなく、MEAに供給される燃料の全てが液体燃料の蒸気、全てが液体燃料、または一部が液体状態で供給される液体燃料の蒸気等、種々形態に本発明を適用することができる。実施段階では本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜に組み合わせたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除したりする等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は本発明の技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
17…電解質膜 11…アノード触媒層 12…アノードガス拡散層 13…アノード
14…カソード触媒層 15…カソードガス拡散層 16…カソード 11S1…アノード触媒層の底面 11S2…アノード触媒層の上面

Claims (8)

  1. 電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面に間隔をおいて配置された複数の第1触媒層および前記第1触媒層のそれぞれに積層された複数の第1ガス拡散層を有する第1電極と、
    前記電解質膜の他方の面に前記第1触媒層のそれぞれと対向するように間隔をおいて配置された複数の第2触媒層および前記第2触媒層のそれぞれに積層された複数の第2ガス拡散層を有する第2電極と、を備え、
    前記第1触媒層は、前記電解質膜に接する底面と、前記第1ガス拡散層と接するとともに前記底面の面積より大きい面積を有する上面と、を有することを特徴とする燃料電池。
  2. 前記第1触媒層は、前記底面と前記上面とを接続する側面を有し、
    隣接する前記第1触媒層の互いに向かい合う前記側面は、前記第1ガス拡散層の端部よりも内側に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 隣接する前記第1触媒層の互いに向かい合う前記側面は、それぞれ互いに離れる方向に向かって窪んだ曲面、または、傾斜した平面であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記第2触媒層は、前記電解質膜に接する底面と、前記第2ガス拡散層と接するとともに前記底面の面積より大きい面積を有する上面と、を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  5. 前記第2触媒層は、前記底面と前記上面とを接続する側面を有し、
    隣接する前記第2触媒層の互いに向かい合う前記側面は、前記第2ガス拡散層の端部よりも内側に形成されたことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
  6. 隣接する前記第2触媒層の互いに向かい合う前記側面は、それぞれ互いに離れる方向に向かって窪んだ曲面、または、傾斜した平面であることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
  7. さらに、前記第1電極と対向する側に燃料供給機構を備え、
    前記第1電極は、アノードであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  8. さらに、前記第2電極と対向する側に燃料供給機構を備え、
    前記第1電極は、カソードであることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016167433A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 本田技研工業株式会社 膜電極接合体の製造方法

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