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JP2011044647A - Iii族窒化物系電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物系電界効果トランジスタおよびその製造方法 Download PDF

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JP2011044647A
JP2011044647A JP2009193195A JP2009193195A JP2011044647A JP 2011044647 A JP2011044647 A JP 2011044647A JP 2009193195 A JP2009193195 A JP 2009193195A JP 2009193195 A JP2009193195 A JP 2009193195A JP 2011044647 A JP2011044647 A JP 2011044647A
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Abstract

【課題】オン抵抗が低いIII族窒化物系電界効果トランジスタおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、下地半導体層と、下地半導体層上に第1窒化物半導体層、第2窒化物半導体層、および第3窒化物半導体層が順次積層された窒化物半導体積層体と、ソース電極およびドレイン電極と、第2窒化物半導体層および第3窒化物半導体層が形成されていない領域であるリセス領域と、リセス領域の内面および窒化物半導体積層体の上面に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成されたゲート電極とを含み、絶縁膜に接する第1窒化物半導体層の上面と、第2窒化物半導体層に接する第1窒化物半導体層の上面とに段差がないことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、III族窒化物系電界効果トランジスタおよびその製造方法に関し、特に窒化物系半導体を用いたIII族窒化物系電界効果トランジスタおよびその製造方法に関する。
窒化物系半導体は、破壊電界強度、熱伝導度、および飽和電子速度の特性が高い値を有することから、窒化物系半導体を用いたIII族窒化物系電界効果トランジスタは、小型であり、かつ低オン抵抗で、しかも耐圧性に優れるという特徴を有する。このような特徴を有するIII族窒化物系電界効果トランジスタは、高効率電力変換デバイスおよび高周波パワーデバイスへの応用が期待されている。
III族窒化物系電界効果トランジスタは、GaN層とAlGaN層とを積層して用いる。このようにGaN層とAlGaN層とを積層させることにより、これらの二層の間に自発分極およびピエゾ分極が生じる。これらの分極に起因して生じる分極電界により、ヘテロ界面に二次元電子ガス(2−DEG:2-Dimensional Electron Gas)が形成され、高い濃度のシートキャリアが発生する。これによりオン抵抗が低く、耐圧性に優れたノーマリオン型のIII族窒化物系電界効果トランジスタを作製することができる。
一方、過電流を抑制するとともに、回路構成をシンプルなものにするという観点から、高いしきい値電圧を有するノーマリオフ型のIII族窒化物系電界効果トランジスタが望まれている。特許文献1は、III族窒化物系電界効果トランジスタにノーマリオフ動作を付与する技術が開示されている。
特許文献1では、電子供給層にリセスを形成した上で、当該リセスに絶縁膜を設けることにより、電子走行層に二次元電子ガスが形成されなくすることを以って、ノーマリオフ動作を得ている。
国際公開第2003/071607号パンフレット
しかし、特許文献1では、ドライエッチング技術によりリセス領域を形成しているため、リセス領域がドライエッチングによるダメージ損傷を受ける。また、リセス領域における表面ラフネスが悪化してしまう。その結果、リセス領域において移動度の低下が起こり、III族窒化物系電界効果トランジスタのオン抵抗が高くなるという問題があった。
他方、ゲート電極にプラス電圧を印加したときに、ゲート電極下に反転層キャリアを形成させることにより、反転層キャリアと二次元電子ガスとを接続させることを以って、III族窒化物系電界効果トランジスタがオンするようになっている。
しかし、リセス領域の垂直方向に形成される反転層キャリアとゲート電極との距離が長いため、ゲート電極に対しリセス領域の垂直方向に形成される反転層キャリアのキャリア数が少なくなり、オン抵抗が増大してしまうという問題があった。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、リセス領域における電子移動度が高く、かつオン抵抗が低いIII族窒化物系電界効果トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、下地半導体層と、下地半導体層上に第1窒化物半導体層、第2窒化物半導体層、および第3窒化物半導体層が順次積層された窒化物半導体積層体と、窒化物半導体積層体の上面に接する、ソース電極およびドレイン電極と、ソース電極およびドレイン電極の間の窒化物半導体積層体における、第2窒化物半導体層および第3窒化物半導体層が形成されていない領域であるリセス領域と、リセス領域の内面および窒化物半導体積層体の上面に形成された絶縁膜と、絶縁膜上に形成されたゲート電極とを含み、第3窒化物半導体層は、第1窒化物半導体層および第2窒化物半導体層に比べて広い禁制帯幅を有し、絶縁膜に接する第1窒化物半導体層の上面と、第2窒化物半導体層に接する第1窒化物半導体層の上面とに段差がないことを特徴とする。
絶縁膜に接する第1窒化物半導体層の上面と、第2窒化物半導体層に接する第1窒化物半導体層の上面とに表面ラフネスの差がないことが好ましい。
第1窒化物半導体層は、p型窒化物半導体またはi型窒化物半導体からなることが好ましい。
第1窒化物半導体層に含まれる正孔濃度は、1×1017cm-3以下であることが好ましい。
第1窒化物半導体層および第2窒化物半導体層は、GaNであることが好ましい。
第1窒化物半導体層は、InxGa1-xN(0<x≦1)であることが好ましい。
第2窒化物半導体層の厚みは、30nm以上であることが好ましい。
第2窒化物半導体層および第3窒化物半導体層は、再成長法を用いて作製されることが好ましい。
本発明は、下地半導体層上に第1窒化物半導体層を形成する工程と、第1窒化物半導体層の一部の上に選択成長マスクを形成する工程と、選択成長マスクが形成されていない第1窒化物半導体層上に第2窒化物半導体層、および第3窒化物半導体層を形成する工程と、選択成長マスクを除去することにより、第1窒化物半導体層の一部を露出させてリセス領域を形成する工程と、リセス領域の内面および第3窒化物半導体層上に絶縁膜を形成する工程とを含む、III族窒化物系電界効果トランジスタの製造方法でもある。
また、上記の選択成長マスクを除去する工程の後に、リセス領域の内面および第3窒化物半導体層を洗浄する工程をさらに含むことが好ましい。
また、絶縁膜に対しアニールを行なう工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、リセス領域における電子移動度が高く、かつオン抵抗が低いIII族窒化物系電界効果トランジスタおよびその製造方法を提供することができる。
本発明のIII族窒化物系電界効果トランジスタの一例を示す模式的な断面図である。 基板上に第1窒化物半導体層を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。 第1窒化物半導体層の一部の上に選択成長マスクを形成した後の状態を示す模式的な断面図である。 基板上に窒化物半導体積層体を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。 リセス領域の内面および第3窒化物半導体層の上面に絶縁膜を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。 絶縁膜にコンタクト領域を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。 ソース電極およびドレイン電極を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。 基板上に窒化物半導体積層体を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。 エッチングによりリセス領域を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。 比較例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタの一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。本願の図面において、同一の参照番号は、同一部分または相当部分を表している。また、本願の図面において、長さ、幅、厚さ等の寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。
(実施の形態1)
<III族窒化物系電界効果トランジスタ>
図1は、本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタの模式的な断面図である。本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、図1に示されるように、基板1上に下地半導体層2が形成されている。そして、当該下地半導体層2上に第1窒化物半導体層11、第2窒化物半導体層12a、12b、および第3窒化物半導体層13a、13bがこの順に積層されている。なお、第1窒化物半導体層11、第2窒化物半導体層12a、12b、および第3窒化物半導体層13a、13bのことを窒化物半導体積層体100と呼ぶものとし、第1窒化物半導体層11、第2窒化物半導体層12a、12b、および第3窒化物半導体層13a、13bのそれぞれの界面のことをヘテロ接合界面15a、15b、16a、16bと呼ぶものとする。
ここで、第3窒化物半導体層13a、13bの禁制帯幅は、第2窒化物半導体層12a、12bの禁制帯幅よりも広いため、第2窒化物半導体層12aと第3窒化物半導体層13aとのヘテロ接合界面16aには、正の分極電荷により第2窒化物半導体層12a側に二次元電子ガス14aが発生する。同様に、第2窒化物半導体層12bと第3窒化物半導体層13bとのヘテロ接合界面16bには、正の分極電荷により第2窒化物半導体層12b側に二次元電子ガス14bが発生する。
また、第3窒化物半導体層13aの上面に接するようにソース電極6を設ける。一方、第3窒化物半導体層13bの上面に接するようにドレイン電極7を設ける。ここで、ソース電極6およびドレイン電極7は、第3窒化物半導体層13a、13bにオーミックコンタクトしている。
そして、ソース電極6およびドレイン電極7の間の窒化物半導体積層体100の一部に、第2窒化物半導体層12a、12bおよび第3窒化物半導体層13a、13bを形成していない領域がある。この領域のことをリセス領域20と呼ぶ。当該リセス領域20の内面および第3窒化物半導体層13a、13bの上面に、絶縁膜9が形成される。ここで、第1窒化物半導体層11と絶縁膜9との界面(すなわち、リセス領域20の底面)のことをリセス界面20cという。そして、リセス領域20の絶縁膜9上にゲート電極8が形成される。
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、絶縁膜9に接する第1窒化物半導体層11の上面と、第2窒化物半導体層12a、12bに接する第1窒化物半導体層11の上面とに段差がないことを特徴とする。
このように絶縁膜9に接する第1窒化物半導体層11の上面と、第2窒化物半導体層12a、12bに接する第1窒化物半導体層11の上面とに段差がないことにより、リセス領域20における移動度低下が抑えられることとなるため、III族窒化物系電界効果トランジスタのオン抵抗を高くなりにくくすることができる。
絶縁膜9に接する第1窒化物半導体層11の上面と、第2窒化物半導体層12a、12bに接する第1窒化物半導体層11の上面とに表面ラフネスの差がないことが好ましい。このように第1窒化物半導体層11の上面に表面ラフネスの差がないことにより、リセス領域20における移動度低下をさらに抑えることができる。ここで、「表面ラフネス」とは、表面の滑らかさを示す指標であり、表面ラフネスが大きいほど表面が荒れていることを表す。
以下においては、本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタの動作を説明する。
<III族窒化物系電界効果トランジスタの動作>
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、ノーマリオフ型の電界効果トランジスタである。すなわち、本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、ソース電極6側の二次元電子ガス14aとドレイン電極7側の二次元電子ガス14bとがリセス領域20により分離されている。このため、ゲート電極8に電圧を印加しない状態、または0Vを印加した状態では、ソース電極6およびドレイン電極7の間に電圧を印加してもチャネルに電流が流れにくくなっている。
一方、ゲート電極8に正の電圧を印加すると、絶縁膜9の底面と接する第1窒化物半導体層11、および絶縁膜9と接する第2窒化物半導体層12a、12bに電子が蓄積される。当該電子によりソース電極6側の二次元電子ガス14aとドレイン電極7側の二次元電子ガス14bとが電気的に接続される。この状態で、ソース電極6およびドレイン電極7に電圧を印加すると、チャネルに電流が流れ、オン動作が生じる。
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、オン時におけるリセス界面20cの抵抗が低減し、損失の小さいオン動作が可能となる。これは、リセス界面20cにおける移動度の増大と反転層電子濃度の増大とに起因する。
<基板>
本実施の形態において、基板1は、電界効果トランジスタに用いられる基板1であれば、従来公知のものを用いることができる。このような基板の材料としては、たとえばSi、GaN、SiC、AlN、GaAs、ZnO等を挙げることができる。
<下地半導体層>
本実施の形態において、基板1と第1窒化物半導体層11との間に下地半導体層2を設けることが好ましい。このように下地半導体層2を設けることにより、基板1の結晶格子と、第1窒化物半導体層11の結晶格子との歪みを緩和することができる。なお、基板1が下地半導体層と同等の役割を示すものであれば、基板1を下地半導体層とみなして下地半導体層を形成しなくてもよい。すなわち、基板1上に直接第1窒化物半導体層11を積層させたものも本発明の範囲に含まれる。
このような下地半導体層2は、単層または複数層のいずれであってもよい。下地半導体層2が単層である場合、その材料としてはたとえばAlN、GaN、AlGaN等を用いることができる。一方、下地半導体層2が複数層である場合、下地半導体層2にはAlN/GaN多重層、AlGaN/GaN多重層等を用いることができる。下地半導体層2は、薄いアンドープAlN層上に厚いアンドープGaN層を積層した多重層であることが好ましい。なお、「GaN/AlN」と表記する場合、上面がGaNであり、下面がAlNであることを示す。
<窒化物半導体層>
本実施の形態において、下地半導体層2と第1窒化物半導体層11との間にさらに第1窒化物半導体層11よりもバンドギャップが大きい窒化物半導体層を形成してもよい。このように下地半導体層2と第1窒化物半導体層11との間に第1窒化物半導体層11よりもバンドギャップが大きい窒化物半導体層を設けることにより、窒化物半導体層と第1窒化物半導体層11とのヘテロ接合界面に負の分極電荷を発生させることができる。このように分極電荷が発生するとともに、そのヘテロ接合界面における導電帯が不連続であることにより、電子に対して障壁を形成することができる。
これによりオフ動作時にソース電極6とドレイン電極7との間に高いバイアス電圧を印加しても、ヘテロ接合界面16a、16bから下方に離れた領域の電子が流れる経路を遮断することができ、以ってソース電極6とドレイン電極7との間に流れるリーク電流を抑制することができる。
このような窒化物半導体層に用いられる材料としては、GaN、AlGaN、InAlGaN、InGaN等を挙げることができる。そして、このような材料に対し、p型またはi型となるように不純物をドーピングしてもよい。ここで、窒化物半導体層に用いられる材料としてAlGaNを用いる場合、Alの原子数とGaの原子数との比は、特に限定されることなくいかなる比率であってもよく、たとえばアンドープAl0.05Ga0.95Nを用いることができる。
<第1窒化物半導体層>
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタにおいて、第1窒化物半導体層11としては、GaN、AlGaN、InGaN、AlInN、AlGaInN等のアンドープまたはドーピングされた窒化物半導体を用いることが好ましく、In1-xGaxN(0<x≦1)であることがより好ましい。
また、第1窒化物半導体層11がp型窒化物半導体またはi型窒化物半導体のいずれかになるように不純物をドーピングすることがより好ましい。このように第1窒化物半導体層11に不純物をドーピングすることにより、所望の閾値電圧に制御することができる。より高い閾値電圧を有する電界効果トランジスタを得るという観点から、第1窒化物半導体層11は、p型窒化物半導体であることが好ましい。
しかも、第1窒化物半導体層11にp型不純物をドーピングすることにより、オフ動作時に、空乏層が窒化物半導体積層体100の上下に延びることとなり、III族窒化物系電界効果トランジスタの耐圧性を向上させることができる。
ここで、第1窒化物半導体層11をドーピングするためのp型不純物は、窒化物半導体をp型化またはi型化することができる不純物であればいかなるドーパントをも用いることができ、たとえばMg、Zn、C、Fe等を用いることができる。
また、第1窒化物半導体層11に含まれる正孔濃度は、1×1017cm-3以下であることが好ましい。このような正孔濃度にすることにより、閾値電圧を所望の値に制御できるとともに、III族窒化物系電界効果トランジスタのオフ動作時の耐圧性を向上させることができる。しかも、第1窒化物半導体層11に上記の濃度で正孔を含むことにより、リセス界面20cを走行するキャリアの散乱を極力抑えることができる。
<第2窒化物半導体層>
本実施の形態において、第2窒化物半導体層12a、12bは、第1窒化物半導体層11と同じ禁制帯幅を有することが好ましく、第1窒化物半導体層11がGaNからなる場合、第2窒化物半導体層12a、12bもGaNからなることが好ましい。このような第2窒化物半導体層12a、12bとしては、単層または多層の窒化物半導体層のいずれであってもよい。第2窒化物半導体層12a、12bが単層の窒化物半導体層からなる場合、アンドープのAlGaNまたはドーピングされたAlGaN、AlInN、AlGaInN等を用いてもよい。
一方、第2窒化物半導体層12a、12bが多層の窒化物半導体層からなる場合、Al組成比およびドーピング濃度の異なる複数のAlGaN層を含む多重AlGaN層、GaN/Al0.25Ga0.75N/AlN、GaN/AlGaN、InGaN/AlGaN、InGaN/AlGaN/AlN等を用いてもよい。なお、多層の窒化物半導体層を構成する各層にはドーピングされた他の窒化物半導体層を用いることもできる。
また、第2窒化物半導体層12a、12bは、その厚みが30nm以上であることが好ましい。これは、第1窒化物半導体層11と第2窒化物半導体層12a、12bとのヘテロ接合界面15a、15bから二次元電子ガス14a、14bまでの距離を30nm以上とすることにより、二次元電子ガス14a、14bのキャリア移動度を向上させることができるからである。
<第3窒化物半導体層>
本実施の形態において、第3窒化物半導体層13a、13bは、第1窒化物半導体層11および第2窒化物半導体層12a、12bの禁制帯幅に比べて広い禁制帯幅を有する障壁層である。このような第3窒化物半導体層13a、13bは、多重窒化物半導体層であることが好ましく、多重窒化物半導体層を構成する各層の材料としてはGaN、AlGaN、InGaN、AlInN、AlGaInN等のアンドープまたはドーピングされた窒化物半導体等を用いることができる。第3窒化物半導体層13a、13bは、たとえば上側から順にアンドープのGaN/Al0.25Ga0.75N/AlNをそれぞれ1nm/22nm/1nmの厚みで含むものを用いることができる。
<ソース電極、ドレイン電極>
本実施の形態において、ソース電極6およびドレイン電極7は、単層または多層の金属層により形成されることが好ましい。ソース電極6およびドレイン電極7に用いられる電極材料としては、Ti/Al、Ni/Au、Ti/Au、Pt/Au、Ni/Au、W、WNx、WSix等を挙げることができる。
<ゲート電極>
本実施の形態において、ゲート電極8は、絶縁膜9と第1窒化物半導体層11とが接するリセス界面20cにおける電子の濃度を制御する電極である。ゲート電極8に印加するバイアス電圧を調整することにより、リセス界面20cにおける電子の濃度を制御することができ、チャネル形成を制御することができる。ゲート電極8に用いられる金属材料としては、Ti/Al、Ni/Au、Ti/Au、Pt/Au、Ni/Au、W、WNx、WSix等を挙げることができる。
<絶縁膜>
本実施の形態において、リセス領域の内面および第3窒化物半導体層13a、13bの上面に形成された絶縁膜9は、単層膜に限られず多層膜とすることも可能である。すなわち絶縁膜9を単層膜で構成する場合、SiO2、SiNx、Al23、HfO2、ZrO2、TiO2、TaOx、MgO、Ga23、MgF2等を用いることができる。絶縁膜9としてSiO2を用いることにより、絶縁膜9が安定しやすくなる。また、絶縁膜9としてSiNxを用いることにより、リセス界面20cにおける電子移動度を高めることができる。
絶縁膜9を複数膜で構成する場合、SiNx/SiO2、SiO2/SiNx、SiNx/SiO2/SiNx等の構成を用いることができる。なお、「SiO2/SiNx」と表記する場合、上面がSiO2であり、下面がSiNxであることを示す。絶縁膜9としてSiO2/SiNxからなる複数膜を用いることにより、リセス界面20cと接するSiNxによりコラプス現象を抑制しやすく、さらに高い電子移動度を得ることができ、その上層のSiO2により安定性を得ることができる。
<リセス領域>
本実施の形態ではリセス領域20の側面は、第1窒化物半導体層11、第2窒化物半導体層12a、12bの表面に対して垂直に形成したものを示しているが、このような形態のみに限られるものではなく、リセス領域20の側面が第1窒化物半導体層11、第2窒化物半導体層12a、12bの表面に対し傾斜していてもよい。
(製造方法)
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、以下のようにして製造することができる。
図2は、基板上に第1窒化物半導体層を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。本実施の形態においては、図2に示されるように、基板1上に有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、下地半導体層2、第1窒化物半導体層11をこの順に積層する。
図3は、第1窒化物半導体層11の一部の上に選択成長マスクを形成した後の基板を示す模式的な断面図である。次に、図3に示されるように、第1窒化物半導体層11の一部の上に選択成長マスク50を形成する。ここで、選択成長マスク50は、CVD法を用いて第1窒化物半導体層11上に保護膜を形成した上で、当該保護膜のうちの不要な部分をエッチングで除去することにより選択成長マスク50が形成される。なお、選択成長マスク50は、スパッタ法等を用いて形成してもよい。
また、選択成長マスク50に用いられる材料としては、SiO2、SiNx等を用いることができる他、SiO2/SiNxを用いてもよい。ここで、保護膜としてSiO2および/またはSiNxを用いた場合、フッ酸またはフッ化アンモニウムで希釈したフッ酸等により選択成長マスク50として不要な部分を容易にエッチングで除去することができる。
図4は、基板上に窒化物半導体積層体を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。次に、図4に示されるように、第1窒化物半導体層11上のうちの選択成長マスク50が形成されていない部分上に、第2窒化物半導体層12a、12bおよび第3窒化物半導体層13a、13bを形成する。
ここで、第2窒化物半導体層12a、12bおよび第3窒化物半導体層13a、13bは、たとえばトリメチルガリウム(TMG:TriMethyl Gallium)、トリメチルアンモニウム(TMA)、アンモニア(NH3)を用いたMOCVD法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、ハライド気相成長(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)法等により形成することができる。そして、第3窒化物半導体層13a、13bを形成した後に、選択成長マスク50を除去することにより、リセス領域20を形成する。
次に、リセス領域20の内面および第3窒化物半導体層13a、13bの上面を硫酸/過酸化水素水で洗浄し、さらに塩酸/過酸化水素水で洗浄する。
図5は、リセス領域20の内面および第3窒化物半導体層13a、13bの上面に絶縁膜を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。本実施の形態では、図5に示されるように、リセス領域20の内面および第3窒化物半導体層13a、13bの上面に対し、絶縁膜9を形成する。
図6は、絶縁膜にコンタクト領域を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。図6に示されるように、第3窒化物半導体層13a、13bの上面のうちのソース電極およびドレイン電極が形成される部分の絶縁膜9をフォトリソグラフィ技術により除去する。そして、窒素雰囲気の下で400℃〜1100℃でアニールを行なうことにより、絶縁膜9と窒化物半導体積層体100とが接する面の界面準位を低減させる。
その後、上記で絶縁膜9を除去した部分の第3窒化物半導体層13a、13b上に、フォトリソグラフィ技術とEB蒸着法とを用いてソース電極6およびドレイン電極7を形成する(図7)。図7は、ソース電極およびドレイン電極を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。
そして、熱処理による合金化によりソース電極6およびドレイン電極7と、チャネルとをオーミックコンタクトさせる。なお、オーミックコンタクトを得る方法としては、熱処理による合金化する方法のみに限られるものではなく、トンネル電流機構によりオーミックコンタクトを形成する方法、コンタクト領域25にSi等のn型不純物をイオン注入等により高濃度にドーピングした上で、当該コンタクト領域25にソース電極6およびドレイン電極7を形成する方法等を用いることができる。
次に、フォトリソグラフィ技術とEB蒸着法とを用いることにより、絶縁膜上にNi/Auからなるゲート電極8を形成する。以上の各工程により、図1に示されるように、本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタを作製することができる。
従来のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、第1窒化物半導体層、第2窒化物半導体層、および第3窒化物半導体層を形成した後に、第2窒化物半導体層、および第3窒化物半導体層をドライエッチングにより除去して、リセス領域を形成していた。このためリセス界面における第1窒化物半導体層がドライエッチングによりダメージ損傷を受けることもあり、第1窒化物半導体層の表面ラフネスが大きいこともあった。その結果、リセス領域における移動度低下が起こり、III族窒化物系電界効果トランジスタのオン抵抗が高くなるという問題があった。
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタにおいては、リセス界面20cがドライエッチングに晒されることなくリセス領域20を形成することができる。このことから、リセス界面20cと接する第1窒化物半導体層11において、ドライエッチングによるダメージがなく、かつドライエッチングによる表面ラフネスの悪化がないIII族窒化物系電界効果トランジスタを作製することができる。これにより、III族窒化物系電界効果トランジスタのオン抵抗を高くなりにくくすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、実施の形態1の第1窒化物半導体層11としてp型窒化物半導体を用いる他は、実施の形態1と同様の構成のIII族窒化物系電界効果トランジスタである。
第1窒化物半導体層11としてp型窒化物半導体を用いる場合、チャネルとオーミックコンタクトさせるソース電極6およびドレイン電極7以外に第1窒化物半導体層11とオーミックコンタクトするp型オーミック電極を形成することが好ましい。このようにp型オーミック電極を形成することにより、III族窒化物系電界効果トランジスタがオフ動作した場合にも、ゲート電極の下に位置するホールが空乏層中から追い出されやすくなる。また、p型オーミック電極を形成することにより、III族窒化物系電界効果トランジスタがオン動作した場合に窒化物系半導体積層体がワイドバンドギャップであっても、ゲート電極8の下にホールを素早く集めることができる。このようにホールを素早く出し入れすることができることにより、スイッチング特性の良好なIII族窒化物系電界効果トランジスタを作製することができる。
(製造方法)
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタの製造方法は、p型窒化物半導体を第1窒化物半導体層11として形成することが異なる他は、実施の形態1と同様の製造方法により、III族窒化物系電界効果トランジスタを作製する。
このようにp型窒化物半導体からなる第1窒化物半導体層11を用いることにより、閾値電圧を向上させることができ、p型濃度によって閾値電圧を制御することができる。
また、第3窒化物半導体層13a、13bを形成した後に、第1窒化物半導体層11に含まれるp型ドーパントを活性化させるためのアニールを行なうことが好ましい。このようにアニールにより第1窒化物半導体層11に含まれるp型ドーパントを活性化させることにより、閾値電圧を向上させることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、第1窒化物半導体層11の禁制帯幅が第2窒化物半導体層12a、12bの禁制帯幅よりも小さいことを特徴とする。このように第2窒化物半導体層12a、12bの禁制帯幅よりも小さい第1窒化物半導体層11を用いることにより、p型化の活性化率が上昇し、より少ないp型不純物の濃度でより高いp型キャリア濃度を得ることができる。
なお、上記のような第2窒化物半導体層12a、12bの組成比、厚み、およびキャリア濃度によっては、第1窒化物半導体層11と第2窒化物半導体層12a、12bとの界面にヘテロ接合界面15a、15bにキャリアが形成される可能性があるものの、III族窒化物系電界効果トランジスタの全体のキャリア濃度が増大するのでより好ましい。
(製造方法)
本実施の形態のIII族窒化物系電界効果トランジスタの製造方法は、第2窒化物半導体層12a、12bの禁制帯幅よりも小さい第1窒化物半導体層11を形成することが異なる他は、実施の形態1と同様の製造方法により、III族窒化物系電界効果トランジスタを作製する。
以下のように、実施例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタを作製した。
本実施例においては、まず、Siからなる基板1を準備した。そして、図2に示されるように、当該基板1上に、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法を用いて、AlNおよびGaNからなる下地半導体層2、厚さ1000nmのアンドープAl0.05Ga0.95Nからなる窒化物半導体層(図示せず)、および厚さ100nmのアンドープGaN層からなる第1窒化物半導体層11をこの順に積層した。
次に、CVD法を用いて、第1窒化物半導体層11上にSiO2膜を形成した。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、後の工程でリセス領域となる部分以外のSiO2膜を除去した。図3は、第1窒化物半導体層11の一部の上に選択成長マスクを形成した後の基板を示す模式的な断面図である。図3に示されるように、SiO2膜のうちの除去されなかった部分が選択成長マスク50となる。
次に、第1窒化物半導体層11上のうちの選択成長マスク50が形成されずに第1窒化物半導体層11が露出している部分上に、再成長法により第2窒化物半導体層12a、12bおよび第3窒化物半導体層13a、13bを形成した。第2窒化物半導体層12a、12bは、アンドープGaNからなり、その厚さが50nmであった。また、第3窒化物半導体層13a、13bは、アンドープのGaN/Al0.25Ga0.75N/AlNという3層構造であり、その厚さがそれぞれ1nm/22nm/1nmであった。そして、第3窒化物半導体層13a、13bを形成した後に、選択成長マスク50を除去することにより、リセス領域20を形成した。
次に、リセス領域20の内面および第3窒化物半導体層13a、13bの上面を硫酸/過酸化水素水で洗浄し、さらに塩酸/過酸化水素水で洗浄した。そして、リセス領域20の内面および第3窒化物半導体層13a、13bの上面に対し、CVD法を用いて厚さ30nmのSiO2からなる絶縁膜9を形成した。
そして、第3窒化物半導体層13a、13bの上面のうちのソース電極およびドレイン電極が形成される部分の絶縁膜9をフォトリソグラフィ技術により除去し、コンタクト領域25を作製した。そして、窒素雰囲気の下で1000度でアニールを行なうことにより、絶縁膜9と窒化物半導体積層体100との接する面の界面準位を低減させた。
その後、第3窒化物半導体層13a、13bのコンタクト領域25に、フォトリソグラフィ技術とEB蒸着法とを用いてTi/Alからなるソース電極6、およびソース電極6と同一組成のドレイン電極7を形成した。そして、真空雰囲気で800度、1分間熱処理を行なうことにより、ソース電極6およびドレイン電極7を二次元電子ガス14a、14bとオーミックコンタクトさせた。
次に、フォトリソグラフィ技術とEB蒸着法とを用いることにより、絶縁膜9上にNi/Auからなるゲート電極8を形成した。以上の工程により、本実施例のIII族窒化物系電界効果トランジスタを作製した。
上記のようにして作製した実施例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、リセス界面20cと接する第1窒化物半導体層11において、ドライエッチングによるダメージがなく、かつドライエッチングによる表面ラフネスの悪化がない。しかも、絶縁膜に接する第1窒化物半導体層の上面と、第2窒化物半導体層に接する第1窒化物半導体層の上面とに段差がなかった。よって、III族窒化物系電界効果トランジスタのオン抵抗は低かった。
本実施例は、実施例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタの第1窒化物半導体層11として1×1019cm-3の濃度でMgがドーピングされたp型GaN層を用いた他は、実施例1と同一の構成のIII族窒化物系電界効果トランジスタである。ここで、第1窒化物半導体層に含まれる正孔濃度は、1×1017cm-3であった。p型GaNからなる第1窒化物半導体層11には、p型不純物のMgが1×1019cm-3の濃度でドーピングされているが、GaN中ではMgの活性化率が低いのでp型GaNの正孔濃度は1×1017cm-3になる。
(製造方法)
本実施例のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、第1窒化物半導体層として、1×1019cm-3の濃度でMgがドーピングされたp型GaN層を形成したこと、および第3窒化物半導体層13a、13bを形成した後にp型ドーパントを活性化させるためのアニールをしたことを除いては、実施例1と同様の製造方法によりIII族窒化物系電界効果トランジスタを製造した。
実施例3は、実施例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタの第1窒化物半導体層11として1×1018cm-3の濃度でMgがドーピングされたp型In0.1Ga0.9Nを用いた他は、実施例1と同一の構成のIII族窒化物系電界効果トランジスタである。ここで、第1窒化物半導体層に含まれる正孔濃度は、1×1017cm-3であった。これにより第1窒化物半導体層11のp型化の活性化率が上昇し、より少ないp型不純物の濃度で同程度のp型キャリア濃度を得ることができる。
(製造方法)
本実施例のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、第1窒化物半導体層として、1×1018cm-3の濃度でMgがドーピングされたp型In0.1Ga0.9N層を形成したこと、および第3窒化物半導体層13a、13bを形成した後にp型ドーパントを活性化させるためのアニールをしたことを除いては、実施例1と同様の製造方法によりIII族窒化物系電界効果トランジスタを製造した。
(比較例1)
以下のようにして、比較例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタを作製した。
図8は、基板上に窒化物半導体積層体を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。まず、Siからなる基板201上に、MOCVD法を用いて、AlNおよびGaNからなる下地半導体層202、厚さ1000nmのアンドープAl0.05Ga0.95Nからなる窒化物半導体層(図示せず)、厚さ100nmのアンドープGaN層からなる第1窒化物半導体層211、厚さ50nmのアンドープGaNからなる第2窒化物半導体層212および厚さがそれぞれ1nm/22nm/1nmのアンドープのGaN/Al0.25Ga0.75N/AlNからなる第3窒化物半導体層213をこの順に積層することにより、図3に示される、窒化物半導体積層体200を形成した。
次に、CVD法を用いて第3窒化物半導体層213上にSiO2膜を形成した。そして、フォトリソグラフィ技術を用いて、後の工程でリセス領域となる部分のSiO2膜を除去し、第3窒化物半導体層を露出させた。図9は、エッチングによりリセス領域を形成した後の状態を示す模式的な断面図である。その後、図9に示されるように、第3窒化物半導体層213の表面が露出した部分から、第2窒化物半導体層212、および第3窒化物半導体層213をエッチングにより除去することにより、リセス領域220を形成した。
図10は、比較例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタの一例を示す模式的な断面図である。この後は、実施例1と同様の方法により、絶縁膜209、ソース電極206、ドレイン電極207、ゲート電極208を形成し、図10に示される比較例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタを作製した。
比較例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタは、リセス領域220がエッチングにより形成されるため、リセス界面220cと接する第1窒化物半導体層211において、ドライエッチングによるダメージがあり、表面ラフネスが悪化している。しかも、ドライエッチングにより、第1窒化物半導体層の一部が除去され、絶縁膜に接する第1窒化物半導体層の上面と、第2窒化物半導体層に接する第1窒化物半導体層の上面とに段差ができている。このため、III族窒化物系電界効果トランジスタのオン抵抗は高い値であった。
以上の説明からも明らかなように、実施例1〜3の本発明に係るIII族窒化物系電界効果トランジスタは、比較例1のIII族窒化物系電界効果トランジスタに比し、オン抵抗が低下していることが明らかである。このことから、III族窒化物系電界効果トランジスタのリセス領域を形成するに際し、エッチングを用いないようにすることにより、そのオン抵抗を低下させることができることを確認した。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,201 基板、2,202 下地半導体層、6,206 ソース電極、7,207 ドレイン電極、8,208 ゲート電極、9,209 絶縁膜、11,211 第1窒化物半導体層、12a,12b,212 第2窒化物半導体層、13a,13b,213 第3窒化物半導体層、14a,14b 二次元電子ガス、15a,15b,16a,16b ヘテロ接合界面、20,220 リセス領域、20c,220c リセス界面、25 コンタクト領域、50 選択成長マスク、100、200 窒化物半導体積層体。

Claims (11)

  1. 下地半導体層と、
    前記下地半導体層上に第1窒化物半導体層、第2窒化物半導体層、および第3窒化物半導体層が順次積層された窒化物半導体積層体と、
    前記窒化物半導体積層体の上面に接する、ソース電極およびドレイン電極と、
    前記ソース電極および前記ドレイン電極の間の前記窒化物半導体積層体における、第2窒化物半導体層および第3窒化物半導体層が形成されていない領域であるリセス領域と、
    前記リセス領域の内面および前記窒化物半導体積層体の上面に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成されたゲート電極とを含み、
    前記第3窒化物半導体層は、前記第1窒化物半導体層および前記第2窒化物半導体層に比べて広い禁制帯幅を有し、
    前記絶縁膜に接する前記第1窒化物半導体層の上面と、前記第2窒化物半導体層に接する前記第1窒化物半導体層の上面とに段差がない、III族窒化物系電界効果トランジスタ。
  2. 前記絶縁膜に接する前記第1窒化物半導体層の上面と、前記第2窒化物半導体層に接する前記第1窒化物半導体層の上面とに表面ラフネスの差がない、請求項1に記載のIII族窒化物系電界効果トランジスタ。
  3. 前記第1窒化物半導体層は、p型窒化物半導体またはi型窒化物半導体からなる、請求項1または2に記載のIII族窒化物系電界効果トランジスタ。
  4. 前記第1窒化物半導体層に含まれる正孔濃度は、1×1017cm-3以下である、請求項3に記載のIII族窒化物系電界効果トランジスタ。
  5. 前記第1窒化物半導体層および前記第2窒化物半導体層は、GaNである、請求項1〜4のいずれかに記載のIII族窒化物系電界効果トランジスタ。
  6. 前記第1窒化物半導体層は、InxGa1-xN(0<x≦1)である、請求項1〜4のいずれかに記載のIII族窒化物系電界効果トランジスタ。
  7. 前記第2窒化物半導体層の厚みは、30nm以上である、請求項1〜6のいずれかに記載のIII族窒化物系電界効果トランジスタ。
  8. 前記第2窒化物半導体層および前記第3窒化物半導体層は、再成長法を用いて作製される、請求項1〜7のいずれかに記載のIII族窒化物系電界効果トランジスタ。
  9. 下地半導体層上に第1窒化物半導体層を形成する工程と、
    前記第1窒化物半導体層の一部の上に選択成長マスクを形成する工程と、
    前記選択成長マスクが形成されていない前記第1窒化物半導体層上に第2窒化物半導体層、および第3窒化物半導体層を形成する工程と、
    前記選択成長マスクを除去することにより、前記第1窒化物半導体層の一部を露出させてリセス領域を形成する工程と、
    前記リセス領域の内面および前記第3窒化物半導体層上に絶縁膜を形成する工程とを含む、III族窒化物系電界効果トランジスタの製造方法。
  10. 前記選択成長マスクを除去する工程の後に、前記リセス領域の内面および前記第3窒化物半導体層を洗浄する工程をさらに含む、請求項9に記載のIII族窒化物系電界効果トランジスタの製造方法。
  11. 前記絶縁膜に対しアニールを行なう工程を含む、請求項9または10に記載のIII族窒化物系電界効果トランジスタの製造方法。
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