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JP2011004538A - インバータ装置 - Google Patents

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JP2011004538A JP2009146269A JP2009146269A JP2011004538A JP 2011004538 A JP2011004538 A JP 2011004538A JP 2009146269 A JP2009146269 A JP 2009146269A JP 2009146269 A JP2009146269 A JP 2009146269A JP 2011004538 A JP2011004538 A JP 2011004538A
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Mamoru Kubo
守 久保
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Abstract

【課題】所謂1シャント方式において、電圧指令値を補正すること無く、的確なセンサレスベクトル制御を実現できるようにする。
【解決手段】相反するON/OFF動作を行う2つのスイッチング素子7u〜8wを直流電源4に直列に接続して成る三つのアームを三相ブリッジ状に結線し、三相PWM方式の三相疑似交流電圧を電動機に印加するインバータ主回路3と、インバータ主回路の母線と直列に直流電源に接続されたシャント抵抗2と、所定の周期でシャント抵抗に流れる電流を検出し、その検出された電流に基づいて、インバータ主回路のそれぞれのスイッチング素子のON/OFF動作を制御する制御装置11を備え、制御装置は、インバータ主回路の相電流のうちの1相のみ検出可能な特定の角度の範囲においては、検出された1相の相電流と極性が逆で、且つ、二分の一の値の電流値を、この特定の角度の範囲の他の2相の電流値として用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁極位置センサを用いない、センサレスベクトル方式により電動機を制御するインバータ装置に関するものである。
従来よりブラシレスモータ(電動機)をセンサレスベクトル制御で運転する場合、インバータ主回路を流れる相電流から電圧指令値、回転速度(角周波数)、及び、位相を算出するものであるが、この相電流を検出する装置として小型で安価なシャント抵抗が用いられる。
図1は係るシャント抵抗方式(1シャント方式、特許文献1参照)のインバータ装置100の回路構成図を示している。3は三相PWM(Pulse Width Modulation)方式のインバータ主回路であり、直流電源部4から供給される電圧を、任意の可変電圧、可変周波数の三相疑似交流電圧に変換して出力し、電動機(モータ例えば、同期電動機)6に供給する。インバータ主回路3は、相反するON/OFF動作を行う二つのスイッチング素子(7u〜7w、8u〜8w)を直流電源部4に直列に接続して成る三つのアームを三相ブリッジ状に結線して構成されている。
即ち、インバータ主回路3は、U相用の上アームのスイッチング素子7u、U相用の下アームのスイッチング素子8u、V相用の上アームのスイッチング素子7v、V相用の下アームのスイッチング素子8v、W相用の上アームのスイッチング素子7w、W相用の下アームのスイッチング素子8wを備え、各スイッチング素子7u、8u、7v、8v、7w、8wには、電動機6の巻線に流れる電流を還流させるダイオードが逆並列接続されている。尚、前記のスイッチング素子には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)が使用されている(以降も同様である。)。
スイッチング素子7u、8u、7v、8v、7w、8wは、ゲートに入力されるパルス信号が「H」レベルのときにONとなり、「L」レベルのときにOFFとなる。そして、シャント抵抗2は直流母線に接続されており、このシャント抵抗2には直流母線電流Idc(1シャント電流)が流れる構成とされている。
制御装置(制御手段)101は、自らが出力するパルス信号U、Ubar、V、Vbar、W、Wbarに基づき、所定周期(キャリア信号の周期)でシャント抵抗2に流れる直流母線電流Idcを検出し、検出した直流母線電流Idcを各相に分配することによって電動機6に流れる三相電流、即ち、U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwを推定する。
図3はインバータ装置100の三相PWM方式に用いる搬送波(キャリア信号)の1周期内(1キャリア周波数)の図1の制御装置101による電圧指令値Vu、Vv、Vw(指令電圧)と、各スイッチング素子のON/OFF状態と、直流母線電流Idc(1シャント電流)を示している。例えば、図3の(1)と(2)の期間内で直流母線電流Idcが検出される。
期間(1)では、図1に示す如くU相用の上アームのスイッチング素子7uがONで、V相用の下アームのスイッチング素子8vがON、W相用の下アームのスイッチング素子8wがONであるので、U相の電流Iu(符号は負)は期間(1)で検出された直流母線電流Idcであると推定される。
期間(2)では、図2に示す如くU相用の上アームのスイッチング素子7uがONで、V相用の上アームのスイッチング素子7vがON、W相用の下アームのスイッチング素子8wがONであるので、W相の電流Iw(符号は負)は期間(2)で検出された直流母線電流Idcであると推定される。
また、U相の電流IuとV相の電流IvとW相の電流Iwとの和が零となることからIv=−(Iu+Iw)でV相の電流Ivも推定される。
制御装置101は、推定された三相の電流Iu、Iv、Iwを用い、位相と目標回転速度指令値(角周波数指令値ω)に基づいて回転座標系の電圧指令値、回転速度(推定値)、及び、位相を算出し(例えば、特許文献2に示される処理)、これらから回転座標系の電圧指令値を三相電圧指令値Vu、Vv、Vwに変換し、更にこれをパルス幅変調して、スイッチング素子7u、8u、7v、8v、7w、8wをそれぞれON/OFF制御するパルス信号U、Ubar、V、Vbar、W、Wbarを出力するものである。
特開2007−312511号公報 特開2000−262088号公報 特開2008−99542号公報
このように各アーム相の電流を得てセンサレスベクトル制御が成されるものであるが、上述した1シャント方式において、例えば図4に示す如く例えばV相とW相の2相の電圧指令値Vv、Vwが近くなり、重なる特定の角度の範囲では、図4中の期間(2)で示すW相の検出時間が短くなり、W相の電流Iwが検出できなくなり、結果として期間(1)で検出するU相の電流Iuのみしか検出できなくなる。そして、この1相分の電流のみではベクトル制御で使用するd軸電流、q軸電流を計算できなくなる。
そこで、例えば特許文献3では、2相の電圧指令値が近い角度の範囲で、電流検出のために2相の電圧指令値に差を付ける補正を行っているが、この方法では電動機の起動時や低負荷時に電圧指令値の補正の影響が大きくなり、運転不可能な状況に陥る問題があった。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、所謂1シャント方式において、電圧指令値を補正すること無く、的確なセンサレスベクトル制御を実現できるようにすることを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明のインバータ装置は、相反するON/OFF動作を行う2つのスイッチング素子を直流電源に直列に接続して成る三つのアームを三相ブリッジ状に結線し、三相PWM方式の三相疑似交流電圧を電動機に印加するインバータ主回路と、このインバータ主回路の母線と直列に直流電源に接続されたシャント抵抗と、所定の周期でシャント抵抗に流れる電流を検出し、その検出された電流に基づいて、インバータ主回路のそれぞれのスイッチング素子のON/OFF動作を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、インバータ主回路の相電流のうちの1相のみ検出可能な特定の角度の範囲においては、検出された1相の相電流と極性が逆で、且つ、二分の一の値の電流値を、この特定の角度の範囲の他の2相の電流値として用いることを特徴とする。
また、請求項2の発明のインバータ装置は、相反するON/OFF動作を行う2つのスイッチング素子を直流電源に直列に接続して成る三つのアームを三相ブリッジ状に結線し、三相PWM方式の三相疑似交流電圧を電動機に印加するインバータ主回路と、このインバータ主回路の母線と直列に直流電源に接続されたシャント抵抗と、所定の周期でシャント抵抗に流れる電流を検出し、その検出された電流に基づいて、インバータ主回路のそれぞれのスイッチング素子のON/OFF動作を制御する制御手段とを備え、この制御手段は、インバータ主回路の相電流のうちの1相のみ検出可能な特定の角度の範囲においては、当該特定の角度の範囲の360°前に対応する角度の範囲の前後において検出された他の相の電流値から、当該他の相の変化の傾きを算出し、この算出された傾きと前記特定の角度の範囲より前に検出された電流値から他の2相の現在の電流値を算出し、この算出された値を前記特定の角度の範囲の電流値として用いることを特徴とする。
例えば、インバータ主回路の相電流のうちのU相の相電流Iuのみ検出可能な特定の角度の範囲においては、他の2相(V相、W相)の電圧指令値Vv、Vwは近いので、V相の相電流IvとW相の相電流Iwは略同一(Iw=Iu)と考えられる。また、各相電流の和(Iu+Iv+Iw)は零となることから、Iu+2Iw=0となるので、Iw=Iv=−1/2Iuと考えられる。
そこで、請求項1の発明のインバータ装置の如く、インバータ主回路の相電流のうちの1相のみ検出可能な特定の角度の範囲においては、制御手段により、検出された1相の相電流と極性が逆で、且つ、二分の一の値の電流値を、この特定の角度の範囲の他の2相の電流値として用いるようにすれば、従来の如き電圧指令値の補正を行うこと無く、センサレスベクトル制御を行うことができるようになり、電動機の起動時や低負荷時においても正常な運転を実現することが可能となるものである。
また、請求項2の発明のインバータ装置の如く、インバータ主回路の相電流のうちの1相(例えばU相の相電流Iu)のみ検出可能な特定の角度の範囲においては、制御手段により、当該特定の角度の範囲の360°前に対応する角度の範囲の前後において検出された他の相(例えば、W相の相電流Iw)の電流値から、当該他の相の変化の傾きを算出し、この算出された傾きと前記特定の角度の範囲より前に検出された電流値から他の2相(Iw、Iv)の現在の電流値を算出し、この算出された値を前記特定の角度の範囲の電流値として用いるようにしても、従来の如き電圧指令値の補正を行うこと無く、センサレスベクトル制御を行うことができるようになる。これにより、同様に電動機の起動時や低負荷時においても正常な運転を実現することが可能となるものである。
本発明を適用した一実施形態のインバータ装置の回路構成図である。 図1のインバータ装置のもう一つの回路構成図である。 図1のインバータ装置の1キャリア周波数内の下アームのスイッチング素子のON/OFF状態と電圧指令値を示す図である。 図1のインバータ装置の1キャリア周波数内の下アームのスイッチング素子のON/OFF状態と電圧指令値を示すもう一つの図である。 本発明を説明するための図1のインバータ装置の電圧指令値を示す図である。 図1の制御装置の機能ブロックと、インバータ主回路及び電動機を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
実施例1の電気回路としては図1と同様である。即ち、この場合のインバータ装置1も所謂1シャント方式のインバータ装置であり、同様に3は三相PWM(Pulse Width Modulation)方式のインバータ主回路である。インバータ主回路3は、直流電源部4から供給される電圧を、任意の可変電圧、可変周波数の三相疑似交流電圧に変換して出力し、電動機(例えば、空気調和機の冷媒回路を構成する圧縮機駆動用モータ。例えば、同期電動機)6に供給する。インバータ主回路3は、相反するON/OFF動作を行う二つのスイッチング素子(7u〜7w、8u〜8w)を直流電源部4に直列に接続して成る三つのアームを三相ブリッジ状に結線して構成されている。
即ち、インバータ主回路3は、U相用の上アームのスイッチング素子7u、U相用の下アームのスイッチング素子8u、V相用の上アームのスイッチング素子7v、V相用の下アームのスイッチング素子8v、W相用の上アームのスイッチング素子7w、W相用の下アームのスイッチング素子8wを備え、各スイッチング素子7u、8u、7v、8v、7w、8wには、電動機6の巻線に流れる電流を還流させるダイオードが逆並列接続されている。尚、前記のスイッチング素子には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)が使用されている(以降も同様である。)。
スイッチング素子7u、8u、7v、8v、7w、8wは、ゲートに入力されるパルス信号が「H」レベルのときにONとなり、「L」レベルのときにOFFとなる。そして、シャント抵抗2はインバータ主回路3の直流母線と直列に直流電源部4に接続され、このシャント抵抗2に直流母線電流Idc(1シャント電流)が流れる構成とされている。
制御装置(制御手段)11は、自らが出力するパルス信号U、Ubar、V、Vbar、W、Wbarに基づき、所定周期(キャリア信号の周期)でシャント抵抗2に流れる直流母線電流Idcを検出し、検出した直流母線電流Idcを各相に分配することによって電動機6に流れる三相電流、即ち、U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwを推定する。
図6は係る制御装置11の機能ブロックを示している。シャント抵抗2に流れる母線電流Idcは電流検出部21に取り込まれ、この電流検出部21において三相の相電流Iu、Iv、Iwが求められる。この場合、各電圧指令値Vu、Vv、Vwが離れた角度範囲では、前記図3で説明した如く例えば、(1)と(2)の期間内で直流母線電流Idcが検出される。
期間(1)では、前述同様にU相用の上アームのスイッチング素子7uがONで、V相用の下アームのスイッチング素子8vがON、W相用の下アームのスイッチング素子8wがONであるので(図1)、U相の電流Iu(符号は負)は期間(1)で検出された直流母線電流Idcであると推定される。
期間(2)では、同様にU相用の上アームのスイッチング素子7uがONで、V相用の上アームのスイッチング素子7vがON、W相用の下アームのスイッチング素子8wがONであるので(図2)、W相の電流Iw(符号は負)は期間(2)で検出された直流母線電流Idcであると推定される。
また、U相の電流IuとV相の電流IvとW相の電流Iwとの和が零となることからIv=−(Iu+Iw)でV相の電流Ivも推定される。このようにしてIu、Iv、Iwを求める。尚、図4の如く電圧指令値が近接する特定の角度の範囲における制御については後に詳述する。
次に、3相2相座標変換部22において、電流検出部21で求められた各相電流Iu、Iv、Iwを3相2相変換し、q軸電流Iqと、d軸電流Idが算出される。次に、位置・速度推定器23において、3相2層座標変換部22で算出されたq軸電流Iqとd軸電流Id、及び、q軸電流制御部24及びd軸電流制御部26で算出されるq軸電圧及びd軸電圧を用いて電動機6の回転速度、ロータ(回転子)の磁極位置が推定される。
次に、速度制御部27において、位置・速度推定器22で推定された回転速度及び目標回転速度(例えば、空気調和機により空調される被調和室の温度に基づいて算出される)から、PI制御により目標q軸電流(q軸電流はトルクに比例)が算出される。次に、q軸電流制御部24において、この速度制御部27で算出された目標q軸電流と、3相2相座標変換部22で算出された実際のq軸電流Iqから、PI制御によりq軸電圧が算出される。
一方、弱め磁束制御部28(弱め磁束制御とは誘起電圧を減らす制御)において、位置・速度推定器23で推定された回転速度(推定値)と速度制御部27で算出された目標q軸電流から目標d軸電流が求められる。次に、d軸電流制御部26において、この弱め磁束制御部28で算出された目標d軸電流と3相2相座標変換部22で算出された実際のd軸電流Idから、PI制御によりd軸電圧が算出される。
そして、2相3相座標変換部29において、q軸電流制御部24及びd軸電流制御部26で算出されたq軸電圧とd軸電圧を2相3相変換することにより、U相の電圧指令値Vu、V相の電圧指令値Vv、W相の電圧指令値Vwが算出される。この三相の電圧指令値Vu、Vv、Vwは、更にパルス幅変調され、インバータ主回路3の各アームのスイッチング素子7u、8u、7v、8v、7w、8wをそれぞれON/OFF制御するパルス信号U、Ubar、V、Vbar、W、Wbarが生成される。
インバータ主回路3ではこのパルス信号U、Ubar、V、Vbar、W、Wbarにより各スイッチング素子7u、8u、7v、8v、7w、8wがON/OFF制御され、電動機6が運転制御されるものである。このようにして、制御装置11は電動機6のセンサレスベクトル制御を実行する。
ここで、前述した図4に示す如く例えばV相とW相の2相の電圧指令値Vv、Vwが近くなり、重なる特定の角度の範囲では、図4中の期間(2)で示すW相の検出時間が短くなり、W相の電流Iwが検出できなくなって、結果として図4中の期間(1)で検出するU相の電流Iuのみしか検出できなくなる。
制御装置11の電流検出部21は、このような特定の角度の範囲で、3相のうちの1相のみ相電流しか検出できなくなったものと判断した場合、他の2相の相電流は、検出可能な相電流と極性が逆で、二分の一の値であると推定する。即ち、今検出された電流がU相の電流Iuのみであった場合、V相とW相の電流Iv、Iwは−1/2Iuであるものと推定し、3相2相座標変換部22に出力する。
これは、インバータ主回路3の相電流のうちのU相の相電流Iuのみ検出可能な特定の角度の範囲においては、他の2相(V相、W相)の電圧指令値Vv、Vwは近いので、V相の相電流IvとW相の相電流Iwは略同一(Iw=Iu)と考えられ、また、各相電流の和(Iu+Iv+Iw)は零となることから、Iu+2Iw=0となるので、Iw=Iv=−1/2Iuと考えられるからである。
このように、インバータ主回路3の相電流のうちの1相のみ検出可能な特定の角度の範囲においては、制御装置11の電流検出部21により、シャント抵抗2を用いて検出された1相の相電流と極性が逆で、且つ、二分の一の値の電流値を、この特定の角度の範囲の他の2相の電流値として用いることにより、従来の如き電圧指令値の補正を行うこと無く、3相2相座標変換部22にてq軸電流Iq及びd軸電流Idを算出して、センサレスベクトル制御を行うことができるようになり、電動機6の起動時や低負荷時においても正常な運転を実現することが可能となる。
次に、前述した特定の角度の範囲において、図6の制御装置11の電流検出部21にて行われるもう一つの相電流推定手法について図5を参照して説明する。前述した図4に示す如く、例えばV相とW相の2相の電圧指令値Vv、Vwが近くなり、重なる特定の角度の範囲(図6ではθ1〜θ2の範囲とする)では、W相の検出時間が短くなって、W相の電流Iwが検出できなくなる。
一方、この特定の角度の範囲近傍の360°前の角度の範囲の近傍における各相の電流は、当該特定の角度の範囲における電流値と略同一と推定することができる。そこで、この場合の制御装置11の電流検出部21は、このような特定の角度の範囲θ(θ1<θ<θ2)で、3相のうちの1相のみしか検出できなくなったものと判断した場合、当該特定の角度の範囲θの360°前に対応する角度の範囲θ0の前後において既に検出されているW相の相電流Iw0から、当該W相の相電流Iw0の変化の傾きを算出し、この算出された傾きと、特定の角度の範囲より前に検出された相電流Iwから、当該特定の角度の範囲中における現在のW相の相電流Iwを演算によって算出する。
この場合、制御装置11は前記サンプリング周期で検出された例えば1周期分以上の各相電流の値をメモリに記憶している。そして、例えば、現在の角度θ1まではU相の相電流IuとV相の相電流Ivが測定できたものの、角度θ1を超えてからは相電流Iuのみしか検出できなくなり、角度θ2に至って今度はIwの検出が可能となった場合を想定すると、制御装置11は特定の角度の範囲θ(θ1<θ<θ2)に入った段階でU相の相電流Iuのみ検出できなくなったものと判断し、その特定の角度の範囲θに入る前の角度θ1の360°前の角度で検出されていたU相の前回の相電流Iu0θ1及びV相の前回の相電流Iv0θ1をメモリから読み出し、それらから角度θ1の360°前の角度におけるW相の前回の相電流Iw0θ1=−(Iu0θ1+Iv0θ1)を算出する。
次に、特定の角度の範囲θを出た後の角度θ2の360°前の角度で検出されていたW相の前回の相電流Iw0θ2をメモリから読み出し、これらIw0θ1とIwθ2の差ΔIwを算出する。この差ΔIw=−(Iu0θ1+Iv0θ1)−Iw0θ2は、特定の角度の範囲θの360°前の角度の範囲θ1からθ2の時間Δtの期間におけるW相の相電流Iwの変化であり、ΔIwをΔtで除算した値ΔIw/Δtは、その期間における変化の傾きである。
この傾きΔIw/Δtを用いて今回の特定の角度の範囲θ中におけるW相の相電流Iw(t)を導き出す。即ち、その計算は、今回の角度θ1におけるW相の相電流Iw=−(Iu+Iv)に対して、ΔIw/Δtに時間tを乗算した値を加算することで得られ、これはIw(t)=−(Iu+Iv)+ΔIw(t/Δt)の式で算出される。
そして、この特定の角度の範囲θ中におけるV相の相電流Iv(t)は、Iv(t)=−(Iw(t)+Iu)で算出される。電流検出部21は、特定の角度の範囲θにおいては、これらの式を用いてW相の相電流Iw(t)とV相の相電流Iv(t)を算出し、実際に測定されているU相の相電流Iuと共に3相2相座標変換部22に出力する。
このように、インバータ主回路3の相電流のうちの1相(例えばU相の相電流Iu)のみ検出可能な特定の角度の範囲θにおいては、制御装置11の電流検出部21により、当該特定の角度の範囲θの360°前に対応する角度の範囲の近傍(例えばθ1及びθ2)において検出された他の相(例えば、W相の相電流Iw)の電流値から他の2相(Iw、Iv)の現在の電流値を演算によって算出し、この算出された値を前記特定の角度の範囲θ中における他の2相(Iw、Iv)の電流値として用いるようにすれば、同様に従来の如き電圧指令値の補正を行うこと無く、センサレスベクトル制御を行うことができるようになる。これにより、同様に電動機6の起動時や低負荷時においても正常な運転を実現することが可能となる。
尚、上記実施例2では特定の角度の範囲θ(θ1<θ<θ2)の360°前の前回の角度θ1及びθ2のU相、V相の相電流を用いて算出された前回のW相の相電流と、前回の角度θ2のW相の相電流とから今回の特定の角度の範囲θにおけるW相の相電流の傾きを算出したが、それに限らず、前回のθ1とθ2の近傍でそれより広い範囲の角度(θ1より前の角度とθ2より後の角度)を用いて算出しても良い。
1 インバータ装置
2 シャント抵抗
3 インバータ主回路
4 直流電源部
6 電動機
7u〜7w、8u〜8w スイッチング素子
11 制御装置
21 電流検出部

Claims (2)

  1. 相反するON/OFF動作を行う2つのスイッチング素子を直流電源に直列に接続して成る三つのアームを三相ブリッジ状に結線し、三相PWM方式の三相疑似交流電圧を電動機に印加するインバータ主回路と、
    該インバータ主回路の母線と直列に前記直流電源に接続されたシャント抵抗と、
    所定の周期で前記シャント抵抗に流れる電流を検出し、その検出された電流に基づいて、前記インバータ主回路のそれぞれのスイッチング素子のON/OFF動作を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記インバータ主回路の相電流のうちの1相のみ検出可能な特定の角度の範囲においては、検出された1相の相電流と極性が逆で、且つ、二分の一の値の電流値を、この特定の角度の範囲の他の2相の電流値として用いることを特徴とするインバータ装置。
  2. 相反するON/OFF動作を行う2つのスイッチング素子を直流電源に直列に接続して成る三つのアームを三相ブリッジ状に結線し、三相PWM方式の三相疑似交流電圧を電動機に印加するインバータ主回路と、
    該インバータ主回路の母線と直列に前記直流電源に接続されたシャント抵抗と、
    所定の周期で前記シャント抵抗に流れる電流を検出し、その検出された電流に基づいて、前記インバータ主回路のそれぞれのスイッチング素子のON/OFF動作を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記インバータ主回路の相電流のうちの1相のみ検出可能な特定の角度の範囲においては、当該特定の角度の範囲の360°前に対応する角度の範囲の前後において検出された他の相の電流値から、当該他の相の変化の傾きを算出し、この算出された傾きと前記特定の角度の範囲より前に検出された電流値から前記他の2相の現在の電流値を算出し、この算出された値を前記特定の角度の範囲の電流値として用いることを特徴とするインバータ装置。
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