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JP2010280777A - ゴム組成物およびゴム成形体 - Google Patents

ゴム組成物およびゴム成形体 Download PDF

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JP2010280777A JP2009133868A JP2009133868A JP2010280777A JP 2010280777 A JP2010280777 A JP 2010280777A JP 2009133868 A JP2009133868 A JP 2009133868A JP 2009133868 A JP2009133868 A JP 2009133868A JP 2010280777 A JP2010280777 A JP 2010280777A
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Hiroki Ebata
洋樹 江端
Takamasa Arino
恭巨 有野
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】比較的高温(50〜100℃)で高いグリーン強度を有することで優れた成形加工性を示すゴム組成物の提供および該ゴム組成物を加硫することで得られる、機械的特性およびゴム弾性をバランスよく併せ持つゴム成形体を提供する。
【解決手段】エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部中に、融点が125〜170℃のポリオレフィン樹脂(B)2〜15重量部を溶融状態でミクロ分散させた樹脂と充てん剤30〜240重量部を含有するゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物および該ゴム組成物を加硫することにより得られるゴム成形体に関する。より詳しくは、グリーン強度(架橋前の強度)を向上させたゴム組成物に関し、さらに詳しくは、成形加工時のハンドリング性に優れ、良好な押出し加工性を示すゴム組成物、ならびに機械的性質とゴム弾性をバランスよく有するゴム成形体に関する。
ゴム組成物は一般的に、用途や目的に応じて原料ゴム、充てん剤、可塑剤および架橋剤、滑剤、老化防止剤などを所望の割合で処方し、混練することで調製される。その際、原料ゴムに比べて比較的安価な充てん剤(カーボンブラック、各種フィラーなど)や可塑剤を多く配合(高充てん化)することで製造コストの低減が図れることから、多くの高充てん化ゴム組成物がこれまで検討されている。その一方、多量の充てん剤やオイルを配合する場合、ゴム組成物のグリーン強度(架橋前の強度)が大幅に低下し、そのために混合機ロールへのゴム組成物が密着し、ゴムの混練作業性を著しく損ねること、ならびに押出し加工時の成形加工性(成形品の形状安定性など)を悪化するなどの問題があった。例えば、ジエン系ゴム100重量部に対し、カーボンブラック90重量部以上及びオイル50重量部以上を含むカーボン・オイル高充填ゴム組成物では、一般にグリーン強度が大幅に低下するという問題があり、その改良のため、ポリノルボルネンゴムを配合することが特許文献1に記載されている。
一方、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(EPDM)のグリーン強度向上には、エチレン含量を高くし、結晶化しやすくすることが有効であることが非特許文献1、2に記載されている。しかしながら、EPDMにおいてエチレン含量を高くすることは低温特性の悪化を引き起こし、また、ロール加工や押出し成形時には、比較的高温(例えば50〜100℃)でグリーン強度が高いことが求められる場合が多く、その場合には、エチレン結晶成分が融解してしまうため、十分なグリーン強度が得られないことが問題であった。
特開平7−97485号
新版 ゴム技術の基礎、P.123、日本ゴム協会編 BANDO TECHNICAL REPORT NO.9/2005
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、高温時(50〜100℃)のグリーン強度を向上させることで成形加工時に優れたハンドリング性と良好な成形加工性を有するゴム組成物の提供と、該ゴム組成物から得られ、機械的性質とゴム弾性をバランスよく有するゴム成形体を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、エチレン・α‐オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体中に特定のポリオレフィン樹脂をミクロ分散させたブレンド物と充てん剤を含有するゴム組成物をポリオレフィン樹脂の軟化点以上の温度で混練後、引き続きポリオレフィン樹脂の軟化点以上の温度で、せん断を加え始め、せん断を加えながら軟化点以下に冷却することで得られたゴム組成物が、高温時(50〜100℃)に高いグリーン強度を示し、成形加工時に優れたハンドリング性と良好な成形加工性を有すること、ならびに該ゴム組成物から得られるゴム成形体が、機械的性質およびゴム弾性をバランスよく有することを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明には以下の事項が含まれる。
(1)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部中に、融点が125〜170℃のポリオレフィン樹脂(B)2〜15重量部を溶融状態でミクロ分散させた樹脂と充てん剤30〜240重量部を含有することを特徴とするゴム組成物。
(2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)と融点が125〜170℃であるポリオレフィン樹脂(B)を含む樹脂をポリオレフィン樹脂(B)の融点以上の温度で溶融混練し、共重合体(A)中にポリオレフィン樹脂(B)をミクロ分散させる第一工程、充てん剤と必要に応じて添加剤を加えポリオレフィン樹脂(B)の軟化点以上の温度で混練する第二工程、引き続きポリオレフィン樹脂(B)の軟化点以上の温度でせん断を加え始め、せん断を加えながらポリオレフィン樹脂(B)の軟化点以下まで冷却する第三工程を含むことを特徴とする(1)に記載のゴム組成物の製造方法。
本発明のゴム組成物は、比較的高温(50〜100℃)で高いグリーン強度を有することで優れた成形加工性を有し、該ゴム組成物を加硫することにより、優れた機械特性とゴム弾性を併せ持つゴム成形体を得ることができる。
該ゴム成形体は、比較的高温(50〜100℃)で高いグリーン強度を有するため、成形加工時のハンドリング性改良に伴う生産性の向上、ならびに成形された未加硫ゴムを曲げる処理などの加工時のハンドリング性と製品不良の低減が可能となることから、自動車用ウェザーストリップやグロメットなどの材料、およびホース向けの材料として好適に用いることができる。
以下、本発明に係るゴム組成物およびゴム成形体について具体的に説明する。
〔エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)〕
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、エチレンから導かれる単位、炭素数3以上、好ましくは3〜20のα−オレフィンから導かれる単位および非共役ポリエンから導かれる単位を含む共重合体ゴムである。
α−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチルデセン-1、11-メチルドデセン-1および12-エチルテトラデセン-1などが挙げられる。なかでも、プロピレン、1-ブテン、4-メチルペンテン-1、1-ヘキセンおよび1-オクテンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。
これらα-オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
また、非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエンおよび4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-ビニリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-イソブテニル-2-ノルボルネン、シクロペンタジエンおよびノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン等のトリエンなどが挙げられる。なかでも、5-エチリデン-2-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-ノルボルネンが好ましい。
これらの非共役ポリエンは、単独で、または2種類以上組み合わせて用いられる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、エチレン(a)に由来する構造単位と、α−オレフィン(b)に由来する構造単位とのモル比[(a)/(b)]が、50/50〜90/10、好ましくは85/15であり、非共役ポリエン(c)に由来する構造単位の重量%が1.0wt%〜20.0wt%、好ましくは3.0wt%〜15wt%、より好ましくは3.0wt%〜14wt%の量で含まれる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン共重合体ゴム及びエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、通常、135℃、デカリン中で測定される極限粘度〔η〕が通常、1.0〜5.0dl/g、好ましくは1.0〜4.0dl/gである。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムの具体例としては、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン・5-ビニル-2-ノルボルネンランダム共重合体などを例示することができる。
〔ポリオレフィン樹脂(B)〕
本発明のゴム組成物に含まれるポリオレフィン樹脂(B)は、示差走査熱量測定計(DSC)で測定した融点が125〜170℃の範囲であるポリオレフィン樹脂であれば特に制限なく使用でき、具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、プロピレン単独重合体、プロピレンブロック共重合体、プロピレンランダム共重合体などのポリプロピレン;
1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどの炭素数4〜20、好ましくは4〜8のα−オレフィンの結晶性単独重合体又は共重合体などが挙げられる。
上記融点は、通常は125〜170℃であり、好ましくは130〜165℃である。中でも、HDPEとポリプロピレンが好ましく、特にポリプロピレンが好ましい。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂(B)としては、従来公知の方法で製造したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。
本発明の共重合体組成物において、ポリオレフィン樹脂(B)はエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100重量部あたり、通常は2〜15重量部、好ましくは3〜13重量部、より好ましくは3〜11重量部含まれる。この範囲内でポリオレフィン樹脂(B)を用いれば優れた加工性とゴム物性を保つことができる。
〔その他の樹脂〕
ゴム組成物中にはその他の樹脂を含んでいてもよく、例えばエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂が例示される。
エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂は、エチレンから導かれる単位と、炭素数3以上、好ましくは3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを含む共重合体樹脂である。
α-オレフィンとしては前記のオレフィンが例示される。
〔充てん剤〕
本発明のゴム組成物に含まれる成分の一つである充てん剤は、通常、合成ゴムの充てん剤として使用されている充てん剤である限り、特に限定はされない。かかる充てん剤としては、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸、タルク、クレーなどや、これらの無機物の表面をシランカップリング剤等で処理したものを用いることができる。市販されているカーボンブラックとしては、「旭#55G」、「旭#50HG」、「旭#60G」(商品名;旭カーボン株式会社製)、「シーストV」、「シーストSO」(商品名;東海カーボン株式会社製)などを挙げることができる。このような充てん剤の比表面積は、5〜120m2/gであることが好ましい。
〔ゴム組成物〕
本発明のゴム組成物は、前記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部中に、融点が125〜170℃であるポリオレフィン樹脂(B)2〜15重量部、好ましくは3〜13重量部、さらに好ましくは3〜11重量部を溶融状態でミクロ分散させた樹脂と前記充てん剤30〜240重量部、好ましくは40〜220重量部、さらに好ましくは50〜200重量部の範囲で含有している。
ポリオレフィン樹脂(B)の配合量が2重量部未満のゴム組成物は、所望のグリーン強度が得られず、成形加工時のハンドリング性と押出し加工性が改良されない虞がある。一方、ポリオレフィン樹脂(B)の配合量が15重量部を超えるゴム組成物は、ゴム組成物の粘度の上昇に伴い、押出し加工性が顕著に悪化し、又、加硫して得られるゴム成形体のゴム弾性等が低下する虞がある。
充てん剤の配合量が30重量部未満のゴム組成物では、加硫して得られる成形体の剛性、機械的強度が劣るとともに製造コストが格段に高くなる虞がある。一方、充てん剤の配合量が240重量部を超えるゴム組成物は、混練加工性が悪く、また加硫して得られるゴム成形体のゴム弾性、機械強度等が低下する虞がある。
〔架橋剤〕
本発明のゴム組成物には、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)に、ポリオレフィン樹脂(B)を溶融状態でミクロ分散させた樹脂と充てん剤に加え、架橋剤を添加してよい。架橋の際に使用される架橋剤としては、イオウ、イオウ化合物などの加硫剤や、有機過酸化物が挙げられる。
(加硫剤)
架橋剤の一つとして、加硫の際に使用される加硫剤としては、イオウ、イオウ化合物が挙げられる。イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどが挙げられる。
イオウ化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルフォリンジスルフィド、アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなども使用することができる。中でもイオウが好ましく用いられる。これらイオウ、イオウ化合物は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
イオウ、イオウ化合物は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部の割合で用いられるが、要求される物性に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。また、加硫剤としてイオウ、イオウ化合物を使用するときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、具体的には、N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2- ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2- ベンゾチアゾ−ルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物;2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(2',4'-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(4'- モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド- アニリン反応物、ブチルアルデヒド- アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド- アンモニア系化合物;2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;亜鉛華(酸化亜鉛)等の化合物を挙げることができる。
これらの加硫促進剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で用いられるが、要求される物性に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
(有機過酸化物)
架橋剤の一つである有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化物加硫に使用されるものであればよい。具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルヒドロパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t- ブチルパーオキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- モノ(t-ブチルパーオキシ)- ヘキサン、α,α’- ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。中でも、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンが好ましく用いられる。これらの有機過酸化物は、1種または2種以上組み合わせて用いられる。
有機過酸化物は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100gに対して、通常0.0003〜0.05モル、好ましくは0.001〜0.03モルの割合で使用されるが、要求される物性に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
架橋剤として有機過酸化物を使用するときは、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤としては、具体的には、イオウ;p- キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;その他マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。このような架橋助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して、0.5〜2モル、好ましくは、およそ等モルの量で用いられる。
〔その他の成分〕
本発明に係るゴム組成物には、意図する加硫物の用途、性能に応じて、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)に、ポリオレフィン樹脂(B)を溶融状態でミクロ分散させた樹脂と充てん剤の他に、一般にゴム製品の製造で用いられる各種公知の配合剤、たとえば、軟化剤、加硫助剤、老化防止剤、加工助剤、アルコキシシラン化合物、架橋剤、架橋助剤、活性剤、反応抑制剤、着色剤、分散剤、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、防カビ剤、素練促進剤、粘着付与剤、分散染料や酸性染料を代表例とする各種染料、無機・有機顔料、界面活性剤、および塗料などの配合剤、また必要に応じて、発泡剤、発泡助剤などの発泡のための化合物、脱泡剤を、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選定し、適切な配合量を配合することができる。
(軟化剤)
軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ;蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質などを挙げることができる。中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
これらの軟化剤の配合量は、ゴム成形体の用途により適宜選択できるが、通常、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、150重量部以下、好ましくは最大130重量部以下である。
(老化防止剤)
老化防止剤を使用すれば、さらに材料寿命を長くすることが可能である。このことは、通常のゴムの場合と同様である。
本発明で用いられる老化防止剤としては、具体的には、フェニルナフチルアミン、4,4'- (α,α- ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'- ジ-2- ナフチル-p-フェニレンジアミン等の芳香族第二アミン系安定剤;2,6-ジ-t- ブチル-4- メチルフェノール、テトラキス- [メチレン-3-(3',5'- ジ-t- ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェノール系安定剤;ビス[2-メチル-4- (3-n- アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t- ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系安定剤;2-メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系安定剤;2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系安定剤などが挙げられる。これらの老化防止剤は、単独あるいは2種以上が併用して用いられる。
このような老化防止剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
(加工助剤)
加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩、リシノール酸エステル、ステアリン酸エステル、パルチミン酸エステル、ラウリン酸エステル等の高級脂肪酸エステル類などが挙げられる。
このような加工助剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
(発泡剤および発泡助剤)
後述する本発明に係るゴム成形体は、必要に応じて、通常ゴムに使用される発泡剤および発泡助剤を本発明に係るゴム組成物に配合し、成形、発泡、加硫を行うことで得ることもできる。
発泡剤としては、具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;N,N'- ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'- ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'- オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4-ジフェニルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホルニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。
これらの発泡剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いられる。必要に応じて、発泡剤と併用される発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする。このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
これらの発泡助剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
(脱泡剤)
配合ゴムを加硫する場合、内包する水分により気泡ができたり、発泡度が異なったりすることがある。これらを防止するために、脱泡剤として酸化カルシウムを添加してもよい。
脱泡剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部に対して、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
〔ゴム組成物の製造方法〕
本発明に係るゴム組成物は、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)中に、融点が125〜170℃であるポリオレフィン樹脂(B)を溶融状態でミクロ分散させた樹脂と充てん剤に加え、たとえば、軟化剤、架橋剤などの一般にゴム製品の製造で用いられる各種公知の配合剤から、一般的なゴム配合物の製造方法によって調製することができる。
ゴム組成物の製造方法としては、まず、本発明の必須成分であるエチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)とポリオレフィン樹脂(B)とを、例えば二軸押出機やバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)中にポリオレフィン樹脂(B)を溶融状態でミクロ分散させた樹脂を調製する。次いで充てん材、必要に応じて、軟化剤(油展用)、加工助剤、加硫促進剤などの添加剤を、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、80〜170℃の温度(ポリオレフィン樹脂の軟化点以上の温度)で2〜20分間混練する。次いで、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、該組成物の温度をポリオレフィン樹脂(B)の軟化点以上の温度でせん断を加え始め、せん断を加えながらポリオレフィン樹脂(B)の軟化点以下まで冷却する。次いで、得られたブレンド物に、軟化剤、加硫剤(たとえば、イオウ)、加硫促進剤、必要に応じて、発泡剤、架橋剤等の添加剤をオープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、必要に応じて加硫促進剤、架橋助剤、発泡助剤、脱法剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
〔ゴム成形体およびその製造方法〕
(ゴム成形体)
本発明のゴム成形体は、本発明のゴム組成物を加硫してなり、ポリオレフィン樹脂がミクロ分散して形成されることから、優れた機械特性とゴム弾性を併せ持つ。そのため、通常のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体の使用用途である自動車部品、家電関連部品、土木・建材関連部品、雑貨ならびに日用品をはじめ種々の用途に適用することができる。このような用途としては、具体的には、自動車用ウェザーストリップ、例えばドアウェザーストリップ、トランクウェザーストリップ、ラゲージウェザーストリップ、ルーフサイドレールウェザーストリップ、スライドドアウェザーストリップ、ベンチレータウェザーストリップ、スライディングループパネルウェザーストリップ、フロントウインドウェザーストリップ、リヤウインドウェザーストリップ、クォーターウインドウェザーストリップ、ロックピラーウェザーストリップ、ドアガラスアウナーウェザーストリップ、ドアガラスインナーウェザーストリップ、ダムウインドシールド、グラスランチャネル、ドアミラー用ブラケット、シールヘッドランプ、シールカウルトップ; 自動車用ホース、例えばブレーキホース、ラジエーターホース、ヒーターホース、エアークリーナーホース; 送水用ホース; ガス用ホース; 建材シール部品、例えばガスケット、エアータイト、目地材、戸当たり部; 家電シール部品; 自動車用カップ・シール材、例えばマスタシリンダーピストンカップ、ホイールシリンダーピストンカップ等が挙げられる。
また、本発明のゴム成形体は、物性上の特性を損なわない範囲であれば、発泡成形体であってもよい。
発泡成形体として、具体的には、ドアスポンジ用スポンジ、オープニングトリム用スポンジ、フードシール用スポンジ、トランクシール用スポンジ等のウェザーストリップ用スポンジ材;断熱スポンジ、ダムラバー等高発泡スポンジ材などが挙げられる。
(ゴム成形体の製造方法)
本発明に係るゴム組成物からゴム成形体を製造するには、通常一般のゴムを加硫するときと同様に、未加硫の配合ゴムを上述したような方法で一度調製し、次に、この配合ゴムを意図する形状に成形した後に加硫を行えばよい。
上記のようにして調製された未加硫のゴム組成物は、種々の成形法により、成形、加硫することができるが、圧縮成形、押出し成形、射出成形などの型成形により、成形、加硫する場合に最もその特性を発揮することができる。
すなわち、圧縮成形の場合、予め秤量した未加硫の配合ゴム組成物を型に入れ、型を閉じた後120〜270℃の温度で、30秒〜120分加熱することにより、目的とする加硫ゴム成形体が得られる。
押出し成形の場合、リボン状あるいはペレット状の配合ゴム組成物を所望の形状の口金をセットした押出し機に供給する。次いで所望の形状に調製されたゴム組成物を150℃〜350℃の温度に設定された加硫槽中に連続的に供給し、30秒〜20分間加熱することにより、目的とするゴム成形体が得られる。
射出成形の場合、リボン状あるいはペレット状の配合ゴム組成物をスクリューにより予め設定した量だけポットに供給する。引き続き予備加熱された配合ゴムをプランジャーにより金型内に1〜20秒で送り込む。配合ゴムを射出した後120〜270℃の温度で、30秒〜120分加熱することにより、目的とするゴム成形体が得られる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例および比較例においては、下記を使用した。
(i):エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体〔商品名:三井EPT3090E(商標)、三井化学(株)製、エチレン含量58wt%、油展量10重量部〕
(ii):エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体〔商品名:三井EPT3062E(商標)、三井化学(株)製、エチレン含量69wt%、油展量20重量部〕
(iii):高密度ポリエチレン(HDPE)〔商品名:ハイゼックス2200J(商標)株式会社プライムポリマー社製、密度964Kg/m3、融点135℃、ビカット軟化点130℃〕
(iv):プロピレンホモポリマー〔商品名:プライムポリプロJ105G(商標)株式会社プライムポリマー社製、融点162℃、ビカット軟化点149℃、密度900Kg/m3
(v):プロピレンランダム共重合体〔商品名:プライムポリプロJ226FT(商標)株式会社プライムポリマー社製、融点146℃、ビカット軟化点133℃、密度910Kg/m3
(vi):低密度ポリエチレン〔商品名:ミラソン9(商標)三井・デュポンポリケミカル社製、融点110℃、ビカット軟化点95℃、密度921Kg/m3、融点110℃〕
〔融点およびビカット軟化点〕
融点はJIS K−7121に準拠し、ビカット軟化点はJIS K−7206に準拠し、それぞれ測定した。
〔最低粘度(Vm)およびスコーチ時間(t5)〕
ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、125℃において、ムーニー粘度の変化を測定し、測定開始から最低粘度Vmを求め、さらにその最低粘度Vmより5ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(min.)とした。
〔グリーン強度(最大応力値)〕
未加硫ゴム組成物を100℃で5分間プレスして2mm厚さのシートとし、ダンベル状のJIS3号試験片で打ち抜き、23℃、50℃、100℃のそれぞれの雰囲気下で、100mm/min.の引張り速度で引張り試験を行い、最大応力値(降伏点モジュラス)を測定した。
〔引張り試験〕
加硫成形体をJIS K6251に従い、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、破断時強度(TB)および破断伸び(EB)を測定した。
〔硬さ試験〕
加硫成形体の平らな部分を重ねて12mmとし、JIS K6253に従い硬度(JIS−A)を測定した。
〔圧縮永久歪試験〕
JIS K6250の6.5の要領で加硫成形体からサンプルを抜き取り、JIS K6262(1997)に従って、125℃×24時間、および−25℃×24時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
〔参考例1〕
ゴム組成物における加硫する前のゴム組成物は、MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体[商品名:三井EPT3090E、三井化学(株)製、油展量:10重量部]110重量部(EPT含量:100重量部)(A)に対して、加硫促進助剤として酸化亜鉛2種(商品名;酸化亜鉛2種、ハクスイテック株式会社製)を5重量部、加工助剤としてステアリン酸とPEG#4000をそれぞれ1重量部、充てん剤として「旭#60G」(商品名;旭カーボン株式会社製)を125重量部、「ホワイトンSB」(商品名:白石カルシウム株式会社製)を30重量部、軟化剤として「ダイアナプロセスオイル PS−430」(商品名;出光興産株式会社製)を75重量部混練した。混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は157℃であった。
次いで、上記配合物が温度40℃となったことを確認した後、14インチロールを用いて上記配合物に加硫促進剤として「サンセラーTT」(商品名;三新化学工業株式会社製)を0.5重量部、加硫促進剤として「サンセラーBZ」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.8重量部、加硫促進剤として「サンセラー22−C」(商品名;三新化学工業株式会社製)を0.5重量部、加硫促進剤としてとして「サンフェルR」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.5重量部、加硫剤としてイオウを0.5重量部混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=65℃/50℃、ロール回転数を前ロール/後ロール=13rpm/11.5rpm、ロール間隙を5mmとして混練時間8分間で分出しした。この配合物をプレス成形機を用いて100℃で5分間プレスすることで2mm厚さのシートとし、グリーン強度を測定した。次に、この配合物からプレス成形機を用いて170℃で10分間加硫を行って、厚み2mmのゴムシートを調製した。また、圧縮永久歪試験用のゴムブロックは、170℃で15分間加硫して調製した。
得られた加硫物について、未加硫物性、引張り試験、硬さ試験、圧縮永久歪試験を上記方法にて行った。結果を表1に示す。
〔参考例2〕
参考例1において、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体(A)を(i)3090Eから(ii)3062Eに変更し、また後から加える軟化剤「ダイアナプロセスオイル PS−430」商品名;出光興産株式会社製)の添加量を75重量部から65重量部に変更した以外は参考例1と同様に行った。結果を表1に示す。
〔実施例1〕
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体[商品名:三井EPT3090E、三井化学(株)製、油展量:10重量部]110重量部(EPT含量:100重量部)(A)、および高密度ポリエチレン(HDPE)〔商品名:ハイゼックス2200J(商標)株式会社プライムポリマー社製、密度964Kg/m3、融点135℃、ビカット軟化点130℃〕(B)6重量部を、MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)に入れ、約165℃で5分間混練し、三井EPT3090E中にHDPEを均一に分散させた。その後、ミキサーから排出し、自然に冷却した。該樹脂組成物に対して、加硫促進助剤として酸化亜鉛2種(商品名;酸化亜鉛2種、ハクスイテック株式会社製)を5重量部、加工助剤としてステアリン酸とPEG#4000をそれぞれ1重量部、充てん剤として「旭#60G」(商品名;旭カーボン株式会社製)を119重量部、「ホワイトンSB」(商品名:白石カルシウム株式会社製)を30重量部、軟化剤として「ダイアナプロセスオイル PS−430」(商品名;出光興産株式会社製)を75重量部混練した。混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は162℃であった。次いで該配合ゴム組成物が162℃の状態まま14インチロールを用いてせん断を加え始め、せん断を加えながら冷却していった結果、該ゴム組成物の温度は70℃であった。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=65℃/50℃、ロール回転数を前ロール/後ロール=13rpm/11.5rpm、ロール間隙を5mmとして混練時間5分間で分出しした。
次いで、上記配合物が温度40℃となったことを確認した後、14インチロールを用いて上記配合物に加硫促進剤として「サンセラーTT」(商品名;三新化学工業株式会社製)を0.5重量部、加硫促進剤として「サンセラーBZ」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.8重量部、加硫促進剤として「サンセラー22−C」(商品名;三新化学工業株式会社製)を0.5重量部、加硫促進剤としてとして「サンフェルR」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.5重量部、加硫剤としてイオウを0.5重量部混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=65℃/50℃、ロール回転数を前ロール/後ロール=13rpm/11.5rpm、ロール間隙を5mmとして混練時間8分間で分出しした。この配合物を100℃で5分間プレスして2mm厚さのシートとし、グリーン強度を測定した。
次に、この配合物からプレス成形機を用いて170℃で10分間加硫を行って、厚み2mmのゴムシートを調製した。また。圧縮永久歪試験用のゴムブロックは、170℃で15分間加硫して調製した。
得られた加硫物について、未加硫物性、引張り試験、硬さ試験、圧縮永久歪試験を上記方法にて行った。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1において、ポリオレフィン樹脂(B)成分として(iv)プロピレンホモポリマー〔商品名:プライムポリプロJ105G(商標)株式会社プライムポリマー社製、密度900Kg/m3、融点162℃、ビカット軟化点149℃〕を3重量部、および充てん剤中の「旭#60G」を122重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。その際、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体とプロピレンホモポリマーを混練する温度は185℃であった。また、該配合ゴム組成物は165℃で14インチロールを用いてせん断を加え始め、せん断を加えながら冷却していった結果、該ゴム組成物の温度は70℃であった。結果を表1に示す。
〔実施例3〕
実施例2において、ポリオレフィン樹脂(B)成分の配合量を6重量部とし、充てん剤中の「旭#60G」を119重量部に変更した以外は、実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
〔実施例4〕
実施例2において、ポリオレフィン樹脂(B)成分の配合量を9重量部とし、充てん剤中の「旭#60G」を116重量部に変更した以外は、実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
〔実施例5〕
実施例1において、ポリオレフィン樹脂(B)成分として((v):プロピレンランダム共重合体〔商品名:プライムポリプロJ226FT商標)株式会社プライムポリマー社製、密度910Kg/m3、融点146℃、ビカット軟化点133℃〕に変更した以外は、実施例1と同様に行った。その際、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体とプロピレンホモポリマーを混練する温度は170℃であった。また、該配合ゴム組成物は161℃で14インチロールを用いてせん断を加え始め、せん断を加えながら冷却していった結果、該ゴム組成物の温度は70℃であった。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例2において、ポリオレフィン樹脂(B)成分の配合量を20重量部とし、充てん剤中の「旭#60G」を105重量部に変更した以外は、実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、ポリオレフィン樹脂(B)成分を(vi):低密度ポリエチレン〔商品名:ミラソン9(商標)三井・デュポンポリケミカル社製、密度921Kg/m3、融点110℃、ビカット軟化点95℃〕に変更した以外は、実施例1と同様に行った。その際、エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体とプロピレンホモポリマーを混練する温度は155℃であった。また、該配合ゴム組成物は155℃で14インチロールを用いてせん断を加え始め、せん断を加えながら冷却していった結果、該ゴム組成物の温度は70℃であった。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
比較例2において、ポリオレフィン樹脂(B)成分の配合量を20重量部とし、充てん剤中の「旭#60G」を105重量部に変更した以外は、比較例2と同様に行った。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
実施例3において、混練により調製された該配合ゴム組成物を自然冷却することで50℃とし、温度が50℃の状態で14インチロールを用いてせん断を加え始め、せん断を加えた後の該ゴム組成物の温度は70℃であったこと以外は、実施例3と同様に行った。結果を表1に示す。
本発明のゴム成型体は、比較的高温(50〜100℃)で高いグリーン強度を示し、優れた成形加工性を有するゴム組成物を加硫することにより得られ、優れた機械特性とゴム弾性を併せ持つ。そのため、成形加工時のハンドリング性改良に伴う生産性の向上、ならびに成形された未加硫ゴムを曲げる処理などの加工時のハンドリング性と製品不良の低減が可能となり、自動車用ウェザーストリップやグロメットなどの材料、およびホース向けの材料として好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)100重量部中に、融点が125〜170℃のポリオレフィン樹脂(B)2〜15重量部を溶融状態でミクロ分散させた樹脂と充てん剤30〜240重量部を含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記ポリオレフィン樹脂(B)が2〜11重量部含有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 可塑剤を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 架橋剤を含有していることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 請求項4に記載のゴム組成物を架橋してなることを特徴とするゴム成形体。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いて得られる自動車用ウェザーストリップ。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いて得られるグロメット。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いて得られるホース。
  9. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いて得られるシール材。
  10. エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体(A)と融点が125〜170℃であるポリオレフィン樹脂(B)を含む樹脂組成物をポリオレフィン樹脂(B)の融点以上の温度で溶融混練し、ポリオレフィン樹脂(B)をミクロ分散させる第一工程、充てん剤と必要に応じて添加剤を加えポリオレフィン樹脂(B)の軟化点以上の温度で混練する第二工程、引き続きポリオレフィン樹脂(B)の軟化点以上の温度でせん断を加え始め、せん断を加えながらポリオレフィン樹脂(B)の軟化点以下まで冷却する第三工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
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