JP3773376B2 - スポンジ用ゴム組成物およびその加硫ゴム発泡成形体 - Google Patents
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Description
本発明は、スポンジゴムに関し、より詳細には特定の結晶性あるいは非晶性の樹脂をエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム中に扁平させた状態で分散させ、結晶性樹脂の融点あるいは非晶性樹脂のガラス転移温度以上の温度で加硫および発泡させてなるスポンジゴムに関する。
【0001】
【発明の技術的背景】
従来、エチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、エチレン・α-オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムは、主鎖に不飽和結合を持たないため、ジエン系のゴムと比較して耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、自動車工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材、土木建材用品、ゴム引布等のゴム製品等に広く用いられている。そして昨今、各部品の高性能化、高機能化に伴い、たとえば自動車工業部品の一つであるウェザーストリップスポンジはその形状の複雑化が進んでいる。
【0002】
本製品は、エチレン・α-オレフィン共重合体に補強材、加硫剤、発泡剤を含有したゴム未加硫ゴムコンパウンドを押出機により押し出し、加硫槽で加硫、発泡させている。この際、押し出したあと加硫するまでに、コンパウンドの自重により押し出した形状がへたってしまう。よって押し出した形状と実際にできたスポンジの形状が大きく異なるために口金の調整は非常に難しい。そこでコンパウンドに対しては、形状保持性の良好な材料が求められていた。
【0003】
コンパウンドの形状保持性を改良する処方としては、コンパウンドの粘度を上げることが考えられるが、発泡性が著しく悪化する。
よってかかる要求に対しては特公平2−62582号公報などに示されるように、エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムに重合時に長鎖分岐を生成するような非共役ジエンを共重合することにより、コンパウンドの形状保持性を改良してきた。
【0004】
しかし、実際のスポンジゴムの製造現場では、このような共重合ゴムを使用しても形状保持性の改良が十分ではないため、形状がへたりそうな部分には足ゴムと呼ばれる実際の断面には必要のないへたり防止の部分を押し出し、加硫、発泡後に取り除いている。このため余分な材料が必要になるとともに、できた廃材の処分が問題となっている。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、前記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、特定の結晶性あるいは非晶性の樹脂をエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム中に扁平させた状態で分散させ、結晶性樹脂の融点あるいは非晶性樹脂のガラス転移温度以上の温度で加硫および発泡することにより、優れた形状保持性と発泡性を有するスポンジゴムを提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】
本発明に係わるスポンジ用ゴム組成物は、エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンおよび非共役ポリエンとからなるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)が
(a)エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとのモル比[エチレン/α-オレフィン]が60/40〜90/10、
(b)第三成分として共重合する非共役ポリエン含量がヨウ素価表示にして1〜50、
(c)135℃のデカリン中で測定された極限粘度[η]が0.7〜5dl/g、
であることを特徴とし、
前記のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して、結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)を3〜40重量部含有し、
200℃雰囲気下で10分間熱処理した後、25℃で5分間冷却すると、熱処理前と比較して、熱処理後の100℃のムーニー粘度が5〜40ポイント低下することを特徴としている。
【0007】
また本発明に係わるスポンジ用ゴム組成物は、前記の結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)が、
(d)DSC(示差走査熱量計)で測定された融点(Tm)が100〜190℃、あるいはガラス転移温度(Tg)が70〜170℃であり、
(e)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重、10分)が1以上500以下、
であることを特徴としている。
【0008】
また本発明に係わるスポンジ用ゴム組成物は、前記の結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)が、
(f)エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に扁平した状態で分散しており、
(g)その平均分散短径が0.01〜50μm、
(h)そのアスペクト比(長径/短径)が3以上100以下
であることを特徴としている。
【0009】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係わるスポンジ用ゴム組成物およびその加硫ゴム発泡成形体について具体的に説明する。
【0010】
本発明に係わるスポンジ用ゴム組成物は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)と、結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)とを含有してなる。この組成物は、これらの成分の他に発泡剤(C)、加硫剤(D)、加硫促進剤、加硫助剤、などを必要に応じて含有させることができる。
【0011】
エチレン・α - オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、エチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンおよび非共役ポリエンがランダムに共重合したポリマーである。
【0012】
前記α-オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらの中では、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。すなわち、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・1-ヘキセン・非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン・1-オクテン・非共役ポリエン共重合体ゴムが好ましく用いられる。
【0013】
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、エチレンと炭素数3〜20のα-オレフィンとのモル比[エチレン/α-オレフィン]が40/60〜90/10であり、好ましくは60/40〜85/15の範囲にあることが望ましい。
エチレン含量が前記範囲内にあると、低温柔軟性、ゴムの強度などが良好であるため好ましい。
【0014】
また前記の非共役ポリエンとしては、環状あるいは鎖状の非共役ポリエンが用いられる。
環状の非共役ポリエンとしては、具体的には、5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデン、などが挙げられる。
また鎖状の非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-1,6-オクタジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、7-エチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、6,7-ジメチル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル-4-エチリデン-1,6-デカジエン、7-メチル-6-プロピル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-1,7-ノナジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン、4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン、7,8-ジメチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン、7,8-ジメチル-4-エチリデン-1,7-デカジエン、7,8-ジメチル-4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン、8-メチル-7-エチル-4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン、7,8-ジエチル-4-エチリデン-1,7-デカジエン、9-メチル-4-エチリデン-1,8-デカジエン、8,9-ジメチル-4-エチリデン-1,8-デカジエン、10-メチル-4-エチリデン-1,9-ウンデカジエン、9,10-ジメチル-4-エチリデン-1,9-ウンデカジエン、11-メチル-4-エチリデン-1,10-ドデカジエン、10,11-ジメチル-4-エチリデン-1,10-ドデカジエン、などが挙げられる。
【0015】
これらの非共役ポリエンは、単独または2種以上を混合して用いられ、その共重合量は、ヨウ素価表示で1〜50、好ましくは5〜40、さらに好ましくは10〜30であることが望ましい。
非共役ポリエンの共重合量が前記範囲内にあると、高温下での熱安定性、スポンジゴム物性、発泡性などが良好であるため好ましい。
【0016】
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は0.7〜5.0dl/g、好ましくは1.5〜4.0dl/gであることが望ましい。
極限粘度[η]が前記範囲内にあると、加工性、ゴム弾性などが良好で、好ましい。
【0017】
本発明においては、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】
前記のような特性を有するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、「新ポリマー製造プロセス」(株)工業調査会発行(P365〜380)などに記載されているような従来公知の方法により調製することができる。
【0019】
合成樹脂(B)
本発明で用いられる結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)は、DSC(示差走査熱量計)で測定した融点(Tm)が100〜190℃、あるいはガラス転移温度(Tg)が70〜170℃である。
結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)の融点(Tm)もしくはガラス転移温度(Tg)が前記範囲内にあると、発泡性、圧縮永久歪みなどが良好であり、好ましい。
【0020】
このような結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)としては、具体的には、結晶性樹脂では、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリアセタール、などを挙げることができる。また非晶性樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、などを挙げることができる。
【0021】
本発明によれば、結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)は、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重、10分)が1以上500以下であり、より好ましくは5以上500以下である。
メルトフローレートが前記範囲内にあると、圧縮永久歪み、スポンジの発泡性などが良好であるため好ましい。
【0022】
本発明によれば、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対し、前記の結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)を3〜40重量部、より好ましくは5〜35重量部を含有してなる。
【0023】
本発明のゴム組成物においては、前記の結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)が、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に扁平した状態で分散している。また、その平均分散短径が0.01〜50μmであり、そのアスペクト比(長径/短径)は3以上100以下である。
アスペクト比(長径/短径)が前記範囲内にあると、コンパウンド粘度が適切で加工性がよく、また形状保持性の改良効果が大きく、好ましい。
なお、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に分散している合成樹脂(B)の平均分散径は、エラストマーの切片を重金属で染色処理し、透過型電子顕微鏡などの電子顕微鏡で撮影した写真から求めることができる。
【0024】
本発明におけるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)に分散している結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)のアスペクト比(長径/短径)が3以上100以下のスポンジ用ゴム組成物は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中の結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)が、ミクロ分散し溶融した状態で剪断を加えて冷却することにより得ることができる。
【0025】
具体的な方法としては、例えば、一軸または二軸押出機を用いてエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)と、溶融した結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)を混合し、その後高速で押し出しストランドを冷却水により急冷する方法、あるいはバンバリーミキサーのような密閉式混練機を用いて前記(A)と(B)を溶融混合し、混練機から排出後樹脂が溶融した状態で直ちにオープンロールで冷却する方法、等によって得られる。
【0026】
発泡剤(C)
本発明で用いられる発泡剤(C)は、無機系発泡剤、ニトロソ系発泡剤、アゾ系発泡剤、スルフォニルヒドラジド系発泡剤から選ばれる。
これらの発泡剤(C)は、少なくとも1種以上を混合して用いられる。
【0027】
前記の発泡剤(C)としては、具体的には、
炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機系発泡剤、
N,N'-ジニトロソ・ペンタメチレン・テトラミン(DPT)、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミドなどのニトロソ系発泡剤、
アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビス・イソブチロニトリル(AZDN)、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ系発泡剤、
ベンゼン・スルフォニル・ヒドラジド(BSH)、p,p'-オキシビス(ベンゼン・スルフォニル・ヒドラジド)(OBSH)、トルエン・スルフォニル・ヒドラジド(TSH)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジドなどのスルフォニルヒドラジド系発泡剤、
などを挙げることができる。
【0028】
これらの発泡剤(C)はエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いられる。
【0029】
また、必要に応じて、発泡剤(C)と併用して、発泡助剤を使用してもよい。発泡剤(C)の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
【0030】
これらの発泡助剤は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0031】
加硫剤(D)
本発明で用いられる加硫剤(D)としては、具体的には、硫黄、硫黄系化合物および有機過酸化物を挙げることができる。
【0032】
硫黄としては、具体的には、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などが挙げられる。
硫黄系化合物としては、具体的には、塩化硫黄、二塩化硫黄、高分子多硫化物などが挙げられる。
また、加硫温度で活性硫黄を放出して加硫する硫黄化合物、具体的には、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノ−ルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。
なかでも硫黄が好ましく用いられる。
加硫剤(D)は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の量で用いられる。
【0033】
加硫促進剤
また加硫剤として硫黄化合物を使用するときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、具体的には、
N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N'-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物、
2-メルカプトベンゾチアゾ−ル、2-(2',4'-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾ−ル、2-(4'-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾ−ル、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾ−ル系化合物、
ジフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレ−ト等のグアニジン化合物、
アセトアルデヒド-アニリン反応物、ブチルアルデヒド-アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド-アンモニア系化合物、
2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物、
チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物、
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物、
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物、
ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテ−ト系化合物、
亜鉛華、
などの化合物を挙げることができる。
これらの加硫促進剤はエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の量で用いられる。
【0034】
有機過酸化物
有機過酸化物としては、通常ゴムの過酸化物加硫に使用されるものであればよい。具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルヒドロパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシン)ヘキシン-3,2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-モノ(t-ブチルパーオキシ)-ヘキサン、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンなどが挙げられる。
なかでも、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンが好ましく用いられる。
【0035】
これらの有機過酸化物は1種または2種以上組み合わせて用いられる。
有機過酸化物は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100gに対して0.0003〜0.05モル、好ましくは0.001〜0.03モルの範囲で使用されるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0036】
加硫助剤
加硫剤として有機過酸化物を使用するときは、加硫助剤を併用することが好ましい。加硫助剤としては、具体的には、
硫黄、
p-キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物、
ポリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト等のメタクリレ−ト系化合物、
ジアリルフタレ−ト、トリアリルシアヌレ−ト等のアリル系化合物、
その他マレイミド系化合物、
ジビニルベンゼン
などが挙げられる。
このような加硫助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
【0037】
その他の配合剤
本発明では、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)、結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)、発泡剤(C)、加硫剤(D)の他に、ゴム補強剤、充填剤、軟化剤の種類およびその配合量、また必要に応じ老化防止剤、加工助剤などの種類およびその配合量、さらに加硫物を製造する工程を適宜選択できる。
【0038】
ゴム補強剤
前記のゴム補強剤は、加硫ゴムの引っ張り強さ、引き裂き強さ、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどのカ−ボンブラック、シランカップリング剤などにより表面処理が施されているこれらカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸などが挙げられる。
【0039】
充填剤
前記の充填剤は、物性にあまり影響を与えることなく、ゴム製品の硬度を高くしたり、コストを引き下げることを目的として使用される。このような充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレ−、などが挙げられる。
これらのゴム補強剤および充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、配合量は、通常、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して300重量部以下、好ましくは200重量部以下である。
【0040】
軟化剤
前記の軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。具体的には、
プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、
コ−ルタ−ル、コ−ルタ−ルピッチなどのコ−ルタ−ル系軟化剤、
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、
ト−ル油、
サブ、
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、
リシノ−ル酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸および脂肪酸塩、
石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などの合成高分子物質
などを挙げることができる。
なかでも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
これらの軟化剤の配合量は、加硫物の用途により適宜選択できるが、その配合量は、通常、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して150重量部以下、好ましくは100重量部以下である。
【0041】
老化防止剤
また、老化防止剤を使用すれば、さらに材料寿命を長くすることが可能である。このことは、通常のゴムの場合と同様である。この場合に使用される老化防止剤としては、具体的には、
フェニルナフチルアミン、4,4'-(α,α'-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンなどの芳香族第二アミン系安定剤、
2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系安定剤、
ビス[2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-tブチルフェニル]スルフィドなどのチオエーテル系安定剤、
2-メルカプトベンゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール系安定剤、
ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオカルバミン酸塩系安定剤、
2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物などのキノリン系安定剤、
などが挙げられる。
これらの老化防止剤は少なくとも1種以上が併用して用いられる。
【0042】
このような老化防止剤は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して5重量部以下、好ましくは3重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0043】
加工助剤
加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、前記酸のエステル類など高級脂肪酸、その塩および、そのエステル類などを挙げることができる。
このような加工助剤は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0044】
脱泡剤
配合ゴムを加硫する場合、内包する水分により気泡ができたり、発泡度が異なったりするため、脱泡剤として酸化カルシウムを添加してもよい。
このような脱泡剤は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0045】
スポンジ用ゴム組成物および加硫ゴム発泡成形体の調製
本発明のスポンジ用ゴム組成物および加硫ゴム発泡成形体は、例えば次のような方法で調製できる。
まず本発明の必須成分であるエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)と、溶融した結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)を、例えば、一軸または二軸押出機により、200℃〜250℃で20秒〜4分間混合し、その後高速で押し出しストランドを10℃〜50℃の冷却水により急冷する方法、あるいはバンバリーミキサーのような密閉式混練機により、180℃〜230℃で3分〜10分間混合し、混練機から排出後樹脂が溶融した状態で直ちにロール温度が20℃〜80℃のオープンロールで冷却する方法などにより、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に、結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)が扁平した状態で分散している混合物を得ることができる。
【0046】
次にこの混合物と補強材、充填材、軟化剤などの添加剤をバンバリーミキサーなどの混練機を用いて約80℃〜180℃の温度で約3分〜10分間混練する。
この場合、混練温度が結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)の融点やガラス転移温度を超える場合は、混練機から排出後樹脂が溶融した状態で直ちにロール温度が20℃〜80℃のオープンロールで冷却しなければ、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に、結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)が扁平した状態で分散している混合物を得ることができない。
【0047】
続いて加硫剤、加硫促進剤、発泡剤などの添加剤をオープンロールなどの混練機を用いて40℃〜80℃で約3分〜30分間混練する。最後に得られた配合物を後工程に応じてリボン状またはペレット状にし、本発明のスポンジ用ゴム組成物を調製する。
【0048】
また結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)の融点(Tm)やガラス転移温度(Tg)が低く、バンバリーミキサー等において混練温度が結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)の融点(Tm)やガラス転移温度(Tg)を超える場合は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)と結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)を混練する際に補強材、充填材、軟化剤などを同時に混練してもよい。なおこの場合、混練機から排出後樹脂が溶融した状態で直ちにロール温度が20℃〜80℃のオープンロールで冷却しなければ、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に、結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)が扁平した状態で分散している混合物を得ることができない。
【0049】
このようにして調製した未加硫ゴム配合物を、押出機などにより所望の形状に成形し、成形後その成型品を加硫槽内で結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)の融点(Tm)やガラス転移温度(Tg)以上となる150℃〜270℃で約1分〜30分間加熱する。これにより加硫、発泡し、発泡倍率が1.2〜20倍となるような本発明の加硫発泡成形体を得る。
【0050】
この場合、加硫槽としては、熱空気加硫槽、マイクロ波加硫槽、ガラスビーズ流動床、溶融塩加硫槽、スチーム加硫槽などを使用できる。またこれらは単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0051】
このようにして得られた本発明の発泡成形体はシール性能と強度特性のバランスがとれており、シール材やクッション材など、とりわけ自動車用ウェザーストリップスポンジに好適に使用される。
【0052】
本発明のスポンジ用ゴム組成物が形状保持性と発泡性に優れ、これから得られる発泡成形体がシール性や強度特性のバランスがとれている理由は、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に扁平した状態で分散している結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)は未加硫時には高粘度を示して高い形状保持性を発現するが、発泡時には溶融して可塑剤として機能し、発泡成形体では充填材として機能するためであると推定される。
【0053】
【発明の効果】
本発明のスポンジ用ゴム組成物は、特定の結晶性あるいは非晶性の合成樹脂をエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム中に扁平させた状態で分散させ、結晶性樹脂の融点(Tm)あるいは非晶性樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度で加硫および発泡することにより、優れた形状保持性と発泡性を有するスポンジゴムを提供できる。
また、これまでスポンジゴムの製造現場において形状保持性の改良が十分ではないために取り付けられていた、足ゴムと呼ばれる実際の断面には必要のないへたり防止の部分を削除できる可能性がある。
本発明の発泡成形体は前記のスポンジ用ゴム組成物からなっているので、シール性能、強度特性のバランスがとれている。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0055】
以下の実施例および比較例における測定は次の通り行った。
1.組成:
共重合体の組成(エチレン/プロピレン比)は13C−NMR法で測定した。
2.ヨウ素価:
滴定法により求めた。
3.極限粘度[η]:
135℃のデカリン中で測定した。
【0056】
【実施例1】
まずEPT[エチレン・プロピレン・非共役ポリエン(=5-エチリデン-2-ノルボルネン)共重合体;エチレン/プロピレンのモル比=70/30、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]=2.8dl/g、ヨウ素価23、以下EPT(1)と略す]100重量部に対して、結晶性樹脂としてポリプロピレン[プロピレン・エチレン共重合体;DSC(示差走査熱量計)で測定した融点(Tm)=158℃、メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)=23g/10分、PP(1)と略す]20重量部を、二軸押出機(東芝機械(株)製:50mmφ二軸押出機、L/D=45)により設定温度230℃、スクリュー回転数200rpmで、溶融状態で混合、混練し、3mmφ(穴は5個有する)のダイスから押し出した。次に連続的に30℃の冷却水槽で配合物(以下配合物−Aとする)を冷却し、ペレタイザーでペレットを得た。
【0057】
この配合物−Aを、125℃に設定したムーニー粘度計[(株)島津製作所製:SMV−201、Sローター使用]で1分間予熱後の4分後の値を測定したところ、91であった。
次いで配合物−Aを、200℃に設定したプレス成型機[コータキ(株)製:KMF50−450×450−1E)]で10分間加熱圧縮し、25℃で5分間冷却した。この配合物−Aを上述のムーニー粘度計で粘度を測定すると、76であった。
【0058】
また、配合物−Aの切片をルテニウム酸で染色し、走査型電子顕微鏡[日本電子(株)製:T330A]で、10,000倍の写真を撮り、画像解析装置[(株)ピアス製:LA−500]で写真中の樹脂の大きさを測定した結果、平均長径は7.2μm、平均短径は0.6μmで、アスペクト比(平均長径/平均短径)は12であった。
【0059】
次にペレット状の配合物−A 120重量部、活性亜鉛華[井上石灰工業(株)製:商品名 メタZ102] 5重量部、ステアリン酸[花王(株)製] 2重量部、界面活性剤[ライオンアクゾ(株)製:商品名 アーカード2HT−F]2重量部、SRFカーボンブラック[旭カーボン(株)製:商品名 旭#50HG] 90重量部、およびパラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製:商品名 ダイアナプロセスPS−430] 70重量部を、容量2.95リットルのバンバリーミキサー[BB−4、(株)神戸製鋼所製]を用いて、135℃で5分間混練した。
【0060】
排出後、この配合物−Aを表面温度が50℃の14インチロールに巻き付けた後、まとめ作業を行った。
続いてこの配合物−A 279重量部に対し、2−メルカプトベンゾチアゾール[三新化学(株)製:商品名 サンセラーM) 0.8重量部、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール[大内新興(株)製:商品名 ノクセラーMDB] 1.2重量部、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛[三新化学(株)製:商品名 サンセラーBZ) 2.0重量部、2−メルカプトイミダゾリン[三新化学(株)製:商品名 サンセラー22−C] 1.0重量部、硫黄 1.5重量部、OBSH系発泡剤[永和化成工業(株)製:商品名 ネオセルボンN1000SW] 3.5重量部、脱泡剤[井上石灰工業(株)製:商品名 ベスタ20] 5重量部を加えて、8分間混練した。
続いて厚さ5mm、幅50mmのリボン状に分出しをし、未加硫ゴム配合物を得た。
【0061】
この未加硫ゴム配合物をチューブ状ダイス(内径10mm、肉厚1mm)を装着した60mm押出機[(株)三葉製作所製:L/D=16]を用いて、ダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件で押し出してチューブ状に成形した。
この成形体を250℃の熱風加硫槽中で5分間加硫し、スポンジゴムを得た。
【0062】
また発泡倍率を計算するため、上述の未加硫ゴムコンパウンドを170℃に設定したプレス成型機[コータキ(株)製:KMF100−600×600−1E)]で10分間加圧加硫し、発泡していないソリッドゴムを得た。
【0063】
なお実施例、比較例における加硫ゴム発泡成形体の物性試験およびその試験方法は以下の通りである。
(1)発泡倍率
熱風加硫したチューブ状のスポンジゴムおよびプレス加硫したソリッドゴムから、20mm×20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れをアルコールで拭き取った。この試験片を25℃雰囲気下で自動比重計[東洋精機製作所製:M−1型]を用いて、空気中と純水中の質量の差から比重測定を行い、スポンジゴムの発泡倍率を算出した。
(2)引張試験
熱風加硫したチューブ状のスポンジゴムからJISK6251(1993年)に記載してある3号型ダンベルで打ち抜いて試験片を得た。該試験片を用いて同JISK6301第3項に規定されている方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、引張破断点応力TBと引張破断点伸びEBを測定した。
【0064】
(3)圧縮永久歪試験
熱風加硫したチューブ状のスポンジゴムを30mmの長さに切断し、圧縮永久歪測定用金型に取り付けた。試験片の高さが荷重をかけ前の高さの1/2になるよう圧縮し、金型ごと70℃のギヤーオーブン中に入れ、200時間熱処理した。試験片を圧縮装置から取り出し、30分間放冷後、試験片の高さを測定し以下の計算式で圧縮永久歪を算出した。
圧縮永久歪 =(t0−t1)/(t0−t2)×100(%)
t0 : 試験片の試験前の高さ
t1 : 試験片を熱処理し30分放冷した後の高さ
t2 : 試験片の測定金型に取り付けた状態での高さ
(4)形状保持率
熱風加硫したチューブ状のスポンジゴムの内側の高さと幅を測定し、以下の計算式で形状保持率を算出した。
形状保持率 =H/W×100(%)
H : 試験片の内側の高さ
W : 試験片の内側の幅
【0065】
結果を表1に示す。
【0066】
【実施例2】
EPT(1)100重量部に対して、PP(1)20重量部を、前述のバンバリーミキサーで、180℃で5分間溶融状態で混合、混練し、排出後直ちに表面温度を50℃に設定した14インチロールに巻き付け3分間処理し、配合物−Bを得た。
以降は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0067】
【比較例1】
実施例2と同じくEPT(1)100重量部に対して、PP(1)20重量部を、前述のバンバリーミキサーで、180℃で5分間溶融状態で混合、混練した。排出後、外力を加えず室温で16時間放置し、表面温度を50℃に設定した14インチロールに巻き付け3分間処理し、配合物−Cを得た。
以降は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0068】
【比較例2】
EPT(1)100重量部、活性亜鉛華[井上石灰工業(株)製:商品名 メタZ102] 5重量部、ステアリン酸[花王(株)製] 2重量部、界面活性剤[ライオンアクゾ(株)製:商品名 アーカード2HT−F] 2重量部、SRFカーボンブラック[旭カーボン(株)製:商品名 旭#50HG] 110重量部、およびパラフィン系プロセスオイル[出光興産(株)製:商品名 ダイアナプロセスPS−430] 70重量部を、容量2.95リットルのバンバリーミキサー[BB−4、(株)神戸製鋼所製]を用いて、135℃で5分間混練した。
得られた配合物の成形、加工は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
【0069】
【比較例3】
比較例2においてSRFカーボンブラックを110重量部のかわりに130重量部配合した以外は、比較例2と同様に行った。結果を表1に示す。
【0070】
【実施例3】
実施例2でPP(1)の代わりに結晶性樹脂としてポリブテン−1[DSC(示差走査熱量計)で測定した融点(Tm)=123℃、メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)=32g/10分、PB(1)と略す]を用いた以外は実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
【0071】
【実施例4】
実施例2でPP(1)の代わりに非晶性樹脂としてポリスチレン[DSC(示差走査熱量計)で測定したガラス転移温度(Tg)=99℃、メルトフローレート(ASTM D 1238、230℃、2.16kg荷重)=9g/10分、PS(1)と略す]を用いた以外は実施例2と同様に行った。結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
Claims (5)
- (a)エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとのモル比[エチレン/α-オレフィン]が40/60〜90/10、
(b)非共役ポリエン含量がヨウ素価表示で1〜50、
(c)135℃のデカリン中で測定された極限粘度[η]が0.7〜5dl/gであることを特徴とするエチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンおよび非共役ポリエンとからなる共重合体ゴム成分(A)100重量部と、
結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)3〜40重量部とからなり、
200℃雰囲気下で10分間熱処理した後、25℃で5分間冷却すると、熱処理前と比較して、熱処理後の100℃のムーニー粘度が5〜40ポイント低下することを特徴とするスポンジ用ゴム組成物。 - 結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)が、
(d)DSC(示差走査熱量計)で測定された融点(Tm)が100〜190℃、あるいはガラス転移温度(Tg)が70〜170℃であって、
(e)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重、10分)が1以上500以下
であることを特徴とする請求項1に記載のスポンジ用ゴム組成物。 - 結晶性あるいは非晶性の合成樹脂(B)が
(f)エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)中に扁平した状態で分散しており、
(g)その平均分散短径が、0.01〜50μm、
(h)そのアスペクト比(長径/短径)が3以上100以下、
であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のスポンジ用ゴム組成物。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を加硫および発泡させてなることを特徴とする加硫ゴム発泡成形体。
- 請求項4に記載の発泡成形体が、加硫発泡後の発泡成形体の発泡倍率が1.2〜20倍であることを特徴とする加硫ゴム発泡成形体。
【0001】
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