JP4583592B2 - ゴム組成物およびその用途 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ゴム組成物およびその用途に関し、さらに詳しくは、従来の押出発泡ゴム製品の物性を維持しつつ、軽量化した押出発泡ゴム製品を提供することができるゴム組成物、および押出し肌が良好で、安定した製品形状を有するグラスランチャネル製品、窓枠製品、自動車用水系ホース製品、トランクシール製品のソリッド部の用途に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
EPDMなどのエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムは、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れており、特に自動車のウェザーストリップ製品に多く用いられている。
一方で、自動車は、二酸化炭素排出規制や環境問題から、これまでのガソリンエンジンに代わり、エンジンと電気モーターとを併用する電気自動車、水素エンジンを搭載した自動車等が出現している。これらの自動車は、走行距離や瞬発力向上のため、なるべく軽量化されたボディーであることが求められ、自動車に使用されている部品すべてに軽量化目標が設定されている。
【0003】
エラストマー製品関係では、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、加硫ゴムに較べ、ゴム弾性は劣るものの、比重がおよそ加硫ゴムの3割程度軽いことから、リサイクル性が良好なことも合わせて、急速に自動車用ウェザーストリップ製品の用途に広く使用されるようになってきている。
加硫ゴムも、軽量化材料として、中空のガラスビーズを配合したり、炭を配合するなどして軽量化の検討が行われてきたが、これらの配合によって加硫ゴムの加工性が悪化したり、物性が低下するなどして殆ど実用的に使用されるものはない。
【0004】
こうした情況の中で、加硫ゴムを、有機発泡剤を用いてスポンジのごとく発泡させる「微発泡化」技術が出現している。しかしながら、その発泡比重を熱可塑性エラストマーと同程度にしようとすると、まず、製品の表面肌が悪化し過ぎるという問題、さらには製品の断面形状が安定化しないため、最終製品の比重を目標とするところまで低下させることができないという問題があった。
【0005】
本発明者らは、グラスランチャネル製品、窓枠製品、自動車用水系ホース製品、トランクシール製品等のソリッド部の用途に使用されるゴム製品を大幅に軽量化するには、ソリッド材を微発泡化させることが最も有効であると考え、単に、これまで用いられていたソリッド材料たとえばゴムに、主な副資材としてカーボンブラックとオイルおよび炭酸カルシウムを配合してなるコンパウンドに発泡剤を配合して、押出成形と発泡成形を同時に行なってシール部品を作製した。
【0006】
しかしながら、このシール部品は、シール部品としての製品断面形状の安定性および機械的強度に低下が見られ、製品化することは不可能であった。
そこで、本発明者らは、まず発泡させる前のソリッド材料がなるべく軽量化されていることが重要であることに着目し、基本的に、発泡させればさせる程、押出成形と発泡成形を同時に行なって得られる発泡ゴム製品は、物性や外観が悪化するので、発泡させる前のソリッド材料が、低比重で、しかも機械的強度の高い材料であれば、製品化できる軽量ソリッド材が得られるのではないかと考えるに至った。
【0007】
発泡前のソリッド材料の比重を低くするためには、比重の低い材料の配合割合を増やすことが必要である。比重の低い材料として代表的なものは、ポリマーたとえばエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムとオイル(軟化剤)である。このエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムとオイルとの関係において、このゴムの配合割合を増加させると、押出し肌が悪化したり、ダイスウエルが大きくなり過ぎるなどの問題を生じる。
したがって、軽量化に貢献するオイルをどれだけ配合することができるかが重要となる。
【0008】
しかしながら、単にゴムに対するオイルの配合割合を増加させると、製品硬度が低下するため、求められるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムの特性は、オイルを増加しても製品硬度が低下しない、あるいは低下し難く、機械的強度、ゴム弾性が悪化しないことが重要である。
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究し、エチレンと、炭素原子数3、5〜20のα- オレフィンから選ばれる1種以上のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重合して得られるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部と、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)5〜50重量部と、軟化剤(オイル)(C)とを含有してなる、比重が1.0〜1.15のゴム組成物は、押出成形性に優れ、製品外観および製品断面形状安定性に優れる微発泡製品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、ゴム物性を低下させることなく、製品外観および製品断面形状安定性に優れる軽量化ソリッドを提供することができる押出成形用のゴム組成物、およびその組成物からなる軽量化ソリッドたとえば押出発泡ゴム製品、特にグラスランチャネル製品、窓枠製品、トランク周りなどのシール部品の用途に好適な押出発泡ゴム製品を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】
本発明に係るゴム組成物は、
エチレンと、炭素原子数3、5〜20のα- オレフィンから選ばれる1種以上のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重合して得られるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部と、
エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)5〜50重量部と、
軟化剤(オイル)(C)と
を含有してなるゴム組成物であり、かつ、該ゴム組成物の比重が1.0〜1.15であることを特徴としている。
【0011】
前記軟化剤(オイル)(C)は、下記の関係式(1)を満たす量で配合されていることが好ましい。
Y−Yblank ≧ 0.4×X ・・・(1)
[式(1)中、Yは、前記ゴム組成物におけるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対する軟化剤(オイル)(C)の配合量であり、
Yblankは、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)を含まないこと、および軟化剤(オイル)(C)の添加量のみが前記ゴム組成物と異なる組成物であって、得られる架橋成形体の硬度が前記ゴム組成物から得られる架橋成形体と同一であるゴム組成物(1blank)における、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対する軟化剤(オイル)(C)の配合量であり、
Xは、前記ゴム組成物におけるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対するエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)のブレンド量である。]
前記軟化剤(C)の全部または一部が、前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の製造工程において油展されていてもよい。
【0012】
また、前記軟化剤(C)の全部または一部が、前記ゴム組成物の混練工程において混練されていてもよい。
本発明に係るゴム組成物中に、さらに、発泡剤(E)および/または加硫剤を含有させることができる。
前記発泡剤(E)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常、0.05〜5重量部の割合で含有させる。
【0013】
また、本発明に係るゴム組成物中に、さらに、下記の一般式[1]または[2]で表わされるアルコキシシラン化合物を配合することができる。
【0014】
【化3】
【0015】
[式[1]において、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
R1 は、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、
nは、0、1または2であり、
R2 は、炭素原子数が1〜6である、2価の直鎖状または分枝状の炭化水素基であり、
R3 は、炭素原子数6〜12のアリーレン基であり、
mおよびpは、それぞれ0または1であり、かつ、mとpとが同時に0となることはなく、
qは、1または2であり、
Bは、qが1であるとき−SCNまたは−SHであり、またqが2であるとき−Sx−(式中のxは2〜8の整数である)である。]
【0016】
【化4】
【0017】
[式[2]において、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
R1 は、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、
nは、0、1または2であり、
R4 は、炭素原子数が2〜20である、1価の直鎖状または分枝状の不飽和炭化水素基である。]
本発明に係る押出発泡ゴム製品は、上記のような、本発明に係るゴム組成物を押出発泡成形して得られることを特徴としている。
【0018】
前記押出発泡ゴム製品の比重は、0.8〜1.0であることが望ましい。また、前記押出発泡ゴム製品の平均発泡セル径は、400μm以下であることが望ましい。
本発明に係る押出発泡ゴム製品は、シール部品として好適に用いることができる。
【0019】
【発明の具体的説明】
本発明に係るゴム組成物およびその用途について具体的に説明する。
本発明に係るゴム組成物は、特定のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)と、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)と、軟化剤(オイル)(C)とを含有してなる。本発明に係るゴム組成物は、比重が1.0〜1.15、好ましくは1.0〜1.10である。本発明に係るゴム組成物中に、必要に応じて、発泡剤(E)、さらには発泡剤(E)、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤および架橋助剤以外のゴム配合剤(D)(たとえば疑似ゲル化防止剤等)を配合することができる。
【0020】
エチレン・α - オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、エチレンと炭素原子数3、5〜20のα- オレフィンから選ばれる1種以上のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重合して得られるゴムである。
【0021】
このような炭素原子数3、5〜20のα- オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。これらの中では、プロピレン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましい。すなわち、エチレン・プロピレン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム、エチレン・4-メチル-1- ペンテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム、エチレン・1-ヘキセン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム、エチレン・1-オクテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴムが好ましく用いられる。
【0022】
上記非共役ポリエンとしては、具体的には、
5-エチリデン-2- ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2- ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデン等の環状の非共役ポリエン;
1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン、4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリエン等の鎖状の非共役ポリエンなどが挙げられる。
【0023】
これらの非共役ポリエンは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)におけるエチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)は、49〜80モル%、好ましくは57〜75モル%、さらに好ましくは60〜72モル%であり、炭素原子数3、5〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位含量(α- オレフィン含量)は、19〜50モル%、好ましくは22〜40モル%、さらに好ましくは23〜35モル%であり、非共役ポリエンから誘導される構成単位含量(非共役ポリエン含量)は、1〜20モル%、好ましくは3〜15モル%、さらに好ましくは5〜12モル%である。エチレン含量、α- オレフィン含量および非共役ポリエン含量が上記範囲内にあるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)を用いると、低温柔軟性に優れるとともに、ゴム弾性が良好な押出発泡ゴム製品を調製することができるゴム組成物が得られる。エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の組成は、13C−NMR法で測定することができる。
【0024】
エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)のムーニー粘度[ML(1+4)100℃]は、通常、50〜300、好ましくは70〜200、さらに好ましくは80〜150である。このムーニー粘度が上記範囲内にあるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)を用いると、シール製品として要求される機械的強度特性を有する押出発泡ゴム製品を調製することができる、押出加工性に優れるゴム組成物が得られる。
【0025】
本発明においては、上記のようなエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
上記のような特性を有するエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)は、「ポリマー製造プロセス((株)工業調査会発行、P.309 〜330 )」などに記載されているような従来公知の方法により調製することができる。
【0026】
エチレン・ 1- ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)
本発明で用いられるエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)は、エチレンと、1-ブテンと、非共役ポリエンとを共重合して得られるゴムである。
上記非共役ポリエンとしては、具体的には、
5-エチリデン-2- ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2- ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデン等の環状の非共役ポリエン;
1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジエン、4-エチリデン-8- メチル-1,7- ノナジエン、4-エチリデン-1,7- ウンデカジエン等の鎖状の非共役ポリエンなどが挙げられる。
【0027】
これらの非共役ポリエンは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)におけるエチレンから誘導される構成単位含量(エチレン含量)は、49〜98モル%、好ましくは69〜98モル%、さらに好ましくは79〜98モル%であり、1-ブテンから誘導される構成単位含量(1-ブテン含量)は、1〜50モル%、好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは1〜20モル%であり、非共役ポリエンから誘導される構成単位含量(非共役ポリエン含量)は、1〜20モル%、好ましくは1〜15モル%、さらに好ましくは1〜10モル%である。エチレン含量、1-ブテン含量および非共役ポリエン含量が上記範囲内にあるエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)を用いると、低温柔軟性に優れるとともに、ゴム弾性が良好な押出発泡ゴム製品を調製することができるゴム組成物が得られる。エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)の組成は、13C−NMR法で測定することができる。
【0028】
エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)のムーニー粘度[ML(1+4)100℃]は、通常、1〜80、好ましくは10〜70、さらに好ましくは15〜40である。このムーニー粘度が上記範囲内にあるエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)を用いると、シール製品として要求される機械的強度特性を有する押出発泡ゴム製品を調製することができる、押出加工性に優れるゴム組成物が得られる。
【0029】
上記のような特性を有するエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)は、「ポリマー製造プロセス((株)工業調査会発行、P.309 〜330 )」などに記載されているような従来公知の方法により調製することができる。
エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、5〜50重量部、好ましくは15〜40重量部、さらに好ましくは20〜40重量部の割合で用いられる。
【0030】
本発明においては、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)のブレンド量が多ければ多いほど、軟化剤(C)がより多く配合されるため製品の軽量化は可能になるが、このブレンド量が50重量部を超えると、発泡製品たとえばウェザーストリップの低温柔軟性が悪化したり、また、押出成形前に準備されるリボン形状のコンパウンドを成形し難い、あるいは押出機に食い込まない等の問題を生じるため、好ましくない。
【0031】
軟化剤(C)
本発明で用いられる軟化剤(C)は、上記のエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)とエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)とのブレンド物の製造過程および/または製造後に、油展および/または追加されるオイルである。
【0032】
このような軟化剤(C)としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;
トール油;
サブ;
蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;
石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質を挙げることができる。中でも、石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
【0033】
このような軟化剤(C)は、前記ゴム組成物中に、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、軟化剤(オイル)(C)が下記の関係式(1)を満たす量で配合されていることが好ましい。
Y−Yblank ≧ 0.4X ・・・式(1)
好ましくは 0.4X ≦ Y−Yblank ≦ 1.6X
さらに好ましくは 0.6X ≦ Y−Yblank ≦ 1.4X
[式(1)中、Yは、前記ゴム組成物におけるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対する軟化剤(オイル)(C)の配合量であり、
Yblankは、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)を含まないこと、および軟化剤(オイル)(C)の添加量のみが前記ゴム組成物と異なる組成物であって、得られる架橋成形体の硬度が前記ゴム組成物から得られる架橋成形体と同一であるゴム組成物(1blank)における、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対する軟化剤(オイル)(C)の配合量であり、
Xは、前記ゴム組成物におけるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対するエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)のブレンド量である。]
軟化剤(オイル)(C)の添加量は、全体として式(1)を満たしていればよく、その全部を予めゴム(A)の製造工程で油展してもよく、その全部をゴム組成物の混練工程で添加してもよい。あるいは軟化剤(オイル)(C)の一部をゴム(A)の製造工程で油展し、残部をゴム組成物の混練工程で添加してもよい。
【0034】
一般に、押出材料は、押出性、意匠性(製品外観)および経済性がぎりぎりのバランスで成り立っている。特に、製品硬度HA (JIS K6253に従って、加硫したチューブ状サンプルの平らな部分を重ねて厚みを12mmとし、デュロメーターAで求められた製品硬度)が70を超える場合は、押出加工性を向上させる技術が必要である。これに相反し、本発明に係るゴム組成物は、微発泡化させることを前提としていることから、発泡させる前のコンパウンドの硬度は、さらに高くすることが求められる。
【0035】
こうした状況の中で、製品硬度を一定に保ちながら軟化剤(オイル)を配合できることは、上記のぎりぎりの配合設計においては、押出加工性の改良に極めて大きな効果をもたらし、製品肌や製品断面形状の安定化に寄与する。
発泡剤(E)等以外のゴム配合剤(D)
本発明で必要に応じて用いられる発泡剤(E)等以外のゴム配合物(D)は、発泡剤(E)、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤および架橋助剤を除くゴム副資材配合物であり、このようなゴム配合物(D)としては、従来公知のゴム補強剤、無機充填剤、老化防止剤、加工助剤、疑似ゲル化防止剤(本明細書においては、混練時に発生するゲル化現象を防止するための添加剤をいう)、着色剤、分散剤、難燃剤、脱水剤などの添加剤が挙げられる。
【0036】
これらのゴム配合剤(D)は、軟化剤(C)が配合されている、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)とエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体(B)とのブレンド物に、比重が1.0〜1.15、好ましくは1.0〜1.10のゴムコンパウンド(I)が得られるような量で配合される。
【0037】
上記ゴム補強剤としては、具体的には、FEF級のカーボンブラックが挙げられる。なお、自動車のタイヤ等に用いられるSAFカーボンブラック、ISAFカーボンブラック等の微粒子カーボンブラックを上記ゴムコンパウンド(I)に配合すると、同一の製品硬度下では、そのカーボンブラックを配合する量に較べて、軟化剤(C)を多く(具体的には、カーボンブラックの配合量の2倍)配合できるため、押出発泡ゴム製品の軽量化を図ることができるが、押出発泡ゴム製品の表面が悪化するため、これらのカーボンブラックは使用できない。本発明において、超高ストラクチャータイプであるFEF級のカーボンブラックであれば、押出し肌が良好であるため、このFEF級のカーボンブラックは、ゴム配合剤(D)として好ましく用いられる。
【0038】
上記ゴム補強剤は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、通常5〜50重量部、好ましくは15〜40重量部の割合で用いられる。
上記無機充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。
【0039】
これらの無機充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、通常1〜150重量部、好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは1〜30重量部の割合で用いられる。
【0040】
上記老化防止剤としては、たとえば従来公知のアミン系、ヒンダードフェノール系、またはイオウ系老化防止剤などが挙げられるが、これらの老化防止剤は、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。
上記加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される化合物を使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸のエステル類などが挙げられる。
【0041】
このような加工助剤は、通常、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、通常、10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0042】
上記疑似ゲル化防止剤としては、たとえば下記の一般式[1]または[2]で表わされるアルコキシシラン化合物などが挙げられる。
【0043】
【化5】
【0044】
上記一般式[1]において、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R1 は、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、nは、0、1または2である。
また、R2 は、炭素原子数が1〜6である、2価の直鎖状または分枝状の炭化水素基であり、R3 は、炭素原子数6〜12のアリーレン基であり、mおよびpは、それぞれ0または1であり、かつ、mとpとが同時に0となることはない。
【0045】
qは1または2であり、Bは、qが1であるとき−SCNまたは−SHであり、またqが2であるとき−Sx−(式中のxは2〜8の整数である)である。
【0046】
【化6】
【0047】
上記一般式[2]において、R、R1およびnは、それぞれ上記一般式[1]におけるR、R1およびnと同じである。
またR4は、炭素原子数が2〜20である、1価の直鎖状または分枝状の不飽和炭化水素基である。
上記一般式[1]で表わされるアルコキシシラン化合物のうち、一般式[1]中のBが−S4−である、下記に示すようなトリアルコキシシラン化合物が好ましく用いられる。
(1)ビス-3-(トリメトキシシリル)プロピル- テトラスルファン
(H3CO)3 Si−(CH2)3−S4−(CH2)3−Si−(OCH3)3
(2)ビス-3-(トリエトキシシリル)プロピル- テトラスルファン
(H5C2O)3Si−(CH2)3−S4−(CH2)3−Si−(OC2H5)3
(3)ビス-3-(トリプロポキシシリル)プロピル- テトラスルファン
(H7C3O)3 Si−(CH2)3−S4−(CH2)3−Si−(OC3H7)3
上記化合物のうち、特に上記(2)のビス-3-(トリエトキシシリル)プロピル- テトラスルファンが好ましい。
【0048】
上記一般式[2]で表わされるアルコキシシラン化合物のうち、好ましく用いられるアルコキシシラン化合物としては、下記のような化合物が挙げられる。
(4)3- ブテン- トリエトキシシラン
(C2H5O)3Si−CH2CH2CH=CH2
ゴムとカーボンブラックとを混練機で混練すると、混練後にコンパウンドの伸びが低下したり、ロール巻き付き性が悪化したりすることがある。これは、EPDMの混練でよく見られる現象であり、「疑似ゲル化現象」と言われることがある。この現象が発生すると発泡のばらつきが大きくなるため、疑似ゲル化防止剤を予め配合しておくことが好ましい。
【0049】
また、本発明に係るゴム組成物中に、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムすなわちエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)以外の公知のゴムをブレンドすることができる。
このような他のゴムとしては、具体的には、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等のイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等の共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
【0050】
さらに、従来公知のエチレン・α- オレフィン系共重合体ゴムを用いることもでき、たとえばエチレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)、あるいは前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)以外のエチレン・α- オレフィン・ポリエン共重合体(たとえばEPDMなど)を用いることができる。
【0051】
発泡剤(E)
本発明で必要に応じて用いられる発泡剤(E)としては、具体的には、
重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;
N,N'- ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'- ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'- オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;
カルシウムアジド、4,4'- ジフェニルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホルニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。
【0052】
本発明においては、押出発泡製品の発泡セル径の平均粒径が400μm以下、好ましくは300μm以下、さらに好ましくは200μm以下となるような、微粉タイプの発泡剤を用いることが好ましい。微発泡化させた場合の製品断面が安定するかどうかは、この平均粒径が細かい程良い。
本発明においては、発泡剤(E)は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部、さらに好ましくは0.2〜3重量部の割合で用いられる。発泡剤(E)の配合量が上記範囲内であると、比重が1.0以下の軽量化ソリッドを得ることができ、しかも、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)がそれぞれ本来的に有するゴム弾性(耐圧縮永久歪み(Cs)性)を保持することができる。
【0053】
本発明に係るゴム組成物がシール部品の用途に用いられる場合、押出し断面形状寸法は、安定していることが必要である。微発泡化は、配合する発泡剤の量が少ないため、その分散状態によって発泡がばらつくことがあるため、充分に発泡剤を分散させることが必要である。
本発明においては、必要に応じて、発泡剤(E)とともに発泡助剤を併用してもよい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用をする。
【0054】
このような発泡助剤としては、具体的には、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸等の有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
その他の成分
本発明に係るゴム組成物中に、必要に応じて、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤、架橋助剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。これらの成分は、通常、前記ゴムコンパウンド(I)に発泡剤(E)を添加する際に配合される。
【0055】
上記加硫剤としては、イオウ、イオウ化合物が挙げられる。
イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどが挙げられる。
イオウ化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物などが挙げられる。また、加硫温度で活性イオウを放出して加硫するイオウ化合物、たとえばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなども使用することができる。
【0056】
本発明においては、イオウまたはイオウ化合物は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、通常、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部の割合で用いられる。
【0057】
また、加硫剤としてイオウまたはイオウ化合物を使用する場合は、加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、具体的には、N-シクロヘキシル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2- ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4- モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;
アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンおよびアルデヒド−アンモニア系化合物;
2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;
チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系化合物;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n- ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩系化合物;
ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;
酸化亜鉛(亜鉛華)などの化合物を挙げることができる。
【0058】
本発明においては、加硫促進剤は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部の割合で用いることができる。
【0059】
上記架橋剤としては、有機過酸化物などが挙げられる。
有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t- アミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’- ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;
t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t- ブチルパーオキシフタレート等のパーオキシエステル類;
ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
およびこれらの混合物などが挙げられる。中でも半減期1分を与える温度が130〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキサイド、ジ-t- ブチルパーオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t- アミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
【0060】
有機過酸化物は、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)の合計100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。
また、有機過酸化物を架橋剤として使用する場合、架橋助剤を併用することが好ましい。
【0061】
このような架橋助剤としては、具体的には、イオウ;p- キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート等のメタクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;マレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。このような架橋助剤は、使用する有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくは約等モルの量で用いられる。
【0062】
ゴム組成物
本発明に係るゴム組成物は、上記したように、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部と、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)5〜50重量部と、軟化剤(C)とを含有してなり、比重(測定法:実施例1参照)が1.0〜1.15、好ましくは1.0〜1.10である。
【0063】
本発明に係るゴム組成物においては、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)および軟化剤(C)の他に、ゴム配合剤(D)、発泡剤(E)、さらには発泡助剤、加硫剤もしくは架橋剤、加硫促進剤もしくは架橋助剤が配合されていることが好ましい。
【0064】
本発明に係るゴム組成物中に、必要に応じて、カーボンブラック等のゴム補強剤、無機充填剤等を、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)に配合する前に、予め疑似ゲル化防止剤がこれらのゴムに配合されることがある。
【0065】
ゴム組成物およびその押出発泡ゴム製品の調製
上記のような、本発明に係るゴム組成物は、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)、および軟化剤(C)(油展用)、さらには擬似ゲル化防止剤を80〜170℃の温度で2〜20分間混練した後、得られたブレンド物に、さらに発泡剤(E)、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤および架橋助剤以外のゴム配合剤(D)(たとえばゴム補強剤、無機充填剤)、必要に応じて、さらに軟化剤(C)を追加混合し、80〜170℃の温度で2〜20分間混練し、次いで、発泡剤(E)、および必要に応じ加硫剤(たとえばイオウ)、架橋剤(たとえば有機過酸化物)をオープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、必要に応じて加硫促進剤、架橋助剤、発泡助剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
【0066】
また、本発明に係るゴム組成物は、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)、および必要に応じて擬似ゲル化防止剤を80〜170℃の温度で2〜20分間混練した後、得られたブレンド物に、さらに発泡剤(E)、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、架橋剤および架橋助剤以外のゴム配合剤(D)(たとえばゴム補強剤、無機充填剤)、および軟化剤(C)を追加混合し、80〜170℃の温度で2〜20分間混練し、次いで、発泡剤(E)、および必要に応じ加硫剤(たとえばイオウ)、架橋剤(たとえば有機過酸化物)をオープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、必要に応じて加硫促進剤、架橋助剤、発泡助剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
【0067】
上記のようにして調製された、本発明に係るゴム組成物は、押出成形機により意図する形状とし、成形と同時にまたは成型物を加硫槽内に導入し、加硫(架橋)することができる。この加硫(架橋)は、140〜270℃の温度で1〜30分間加熱することにより行われる。この加硫の工程は通常連続的に実施される。
加硫槽における加熱方法としては、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームなどの加熱槽を用いることができる。
【0068】
上記のような方法により、本発明に係るゴム組成物から加硫ゴム発泡成形体(押出発泡製品)を製造する際に、熱の伝達が悪いと発泡のばらつきを生じ、断面寸法が部分部分で変化し、製品にならないことがある。したがって、微発泡化させるためには、材料に対して均一に熱を伝えることが必要であり、最も効率よく熱を伝えることを可能とするのは、UHF加硫槽であるため、UHF加硫槽が好ましく用いられる。
【0069】
本発明に係る押出発泡製品は、上記のような加硫ないし架橋と発泡を行なうことにより、調製することができ、比重が0.8〜1.0、好ましくは0.81〜0.98、さらに好ましくは0.85〜0.95である。この製品の平均発泡セル径は、400μm以下であることが望ましい。
【0070】
【発明の効果】
本発明に係るゴム組成物は、上述した構成からなるので、押出加工性に優れ、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)が本来的に有するゴム物性を低下させることなく、製品外観および製品断面形状安定性に優れる軽量化ソリッド、たとえばグラスランチャネル製品、窓枠製品、トランク周りなどのシール部品の用途に好適な押出発泡ゴム製品を提供することができる。
【0071】
本発明に係る押出発泡ゴム製品は、上記の、本発明に係るゴム組成物を押出発泡成形しているので、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)およびエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)が本来的に有するゴム物性を低下させることなく、軽量化されており、しかも、製品外観および製品断面形状安定性に優れている。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例、比較例で用いたエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)および発泡剤(E)は次の通りである。
エチレン・α - オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)
エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT);
エチレン含量=65モル%
プロピレン含量=30モル%
5-エチリデン-2- ノルボルネン(ENB)含量=5.0モル%
ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=120
エチレン・ 1- ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)
エチレン・1-ブテン・5-エチリデン-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム (EBT);
エチレン含量=80モル%
1-ブテン含量=11.5モル%
ENB含量=8.5モル%
ムーニー粘度[ML(1+4)100℃]=20
発泡剤(E)
(1)発泡剤(E−1);
商品名 ネオセルボン N#1000SW、永和化成(株)製
(2)発泡剤(E−2);
商品名 ネオセルボン N#1000M、永和化成(株)製
【0073】
【実施例1】
エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤(Yblank)[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]を51重量部油展したゴム151重量部と、エチレン・1-ブテン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EBT)20重量部と、追加の軟化剤(Y−Yblank)[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]19重量部と、カーボンブラック[商品名 旭#60G、旭カーボン(株)製]130重量部と、亜鉛華1号5重量部と、ステアリン酸1重量部と、脱水剤[商品名 ベスタ#PP、井上石灰工業(株)製の炭酸カルシウム]4重量部と、界面活性剤[商品名 アーカード2HT−F、ライオン(株)製]2重量部とを、容量16リットルのバンバリーミキサー[(株)神戸製鋼所製]で152℃で混練した。
【0074】
混練方法は、まずバンバリーミキサーに、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤51重量部を油展したゴム151重量部およびエチレン・1-ブテン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EBT)50重量部を30秒素練りし、次いで、亜鉛華1号5重量部、ステアリン酸1重量部、脱水剤4重量部、軟化剤19重量部、界面活性剤2重量部を投入し、最後にカーボンブラック130重量部を投入して4分間混練し、排出した。排出後のゴムコンパウンド(I)の温度は165℃であった。この混練は充填率75%で行なった。
【0075】
次に、このゴムコンパウンド(I)に、8インチロ−ル(前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、メルカプトベンゾチアゾール[加硫促進剤;商品名 サンセラーM、三新化学工業(株)製]1.5重量部、ジベンゾチアジルジスルフィド[加硫促進剤;商品名 サンセラーDM、三新化学工業(株)製]0.5重量部、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛[加硫促進剤;商品名 サンセラーBZ、三新化学工業(株)製]2.0重量部、エチレンチオ尿素[加硫促進剤;商品名 サンセラー22C、三新化学工業(株)製]1.0重量部、ジチオジモルホリン[加硫剤;商品名 サンフェルR、三新化学工業(株)製]0.5重量部、不溶性イオウ(加硫剤)0.5重量部、OBSH系発泡剤[商品名 ネオセルボンN#1000M、永和化成(株)製;(E−2)]0.2重量部を加えて、14インチオープンロール[日本ロール(株)製]を用い、ロール温度60℃で7分間混練し、そのロールからリボン状に切り出したゴム組成物を得た。得られたゴム組成物の比重(JIS K6220)は、1.13であった。
【0076】
次いで、上記の発泡剤配合のゴム組成物を、押出機でチューブの形状に押出成形し、マイクロ波加硫槽(UHF)と熱空気加硫槽(HAV)が直列に繋がれた成形ラインに送って、加硫および発泡を行ない、肉厚2mmのチューブ状の加硫ゴム発泡体を得た。得られた発泡体について、JIS K6251に従って、測定温度23℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、引張破断時の強度TBと伸びEBを測定した。その結果を第1表に示す。
【0077】
この際、押出機ヘッド温度80℃として、UHF加硫槽の温度は、200℃とし、UHF出口温度が180℃となるようにマイクロ波出力を調整した。そして、上記ゴム組成物を上記の押出機およびUHF加硫槽を経て熱風加硫したチューブ状微発泡ソリッドゴムを得た。
得られたチューブ状微発泡ソリッドゴムから、20mm×20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れをアルコールで拭き取った。そして、この試験片を、25℃雰囲気下で、自動比重計[(株)東洋精機製作所製、M−1型]を用いて、空気中と純粋中の質量差から比重測定を行ない、スポンジの比重SG(第1表中の製品比重)を算出した。その結果を第1表に示す。
【0078】
上記と同様にして熱風加硫して得られたチューブ状微発泡ソリッドゴムを30mmの長さに切断し、圧縮永久歪み測定用治具に取り付けた。試験片の高さが荷重をかける前の高さの1/2になるように圧縮し、治具ごと70℃のギヤーオーブン中に入れ、200時間熱処理した。そして、この試験片を圧縮装置から取り出し、30分放冷後、試験片の高さを測定し、以下の計算式により圧縮永久歪みを算出した。その結果を第1表に示す。
【0079】
圧縮永久歪[%]=[(t0−t1)/(t0−t2)」×100
t0;試験片の試験前の高さ
t1;試験片を熱処理し、30分後に放冷した後の試験片の高さ
t2;試験片を測定用治具に取り付けた状態の試験片の高さ
また、上記と同様にして熱風加硫して得たチューブ状スポンジゴムを30mmの長さに切断し、上から60Wの電球で照らし、表面の光沢が現れる角度から目視にて製品肌の評価(官能試験)を以下の5点満点評価で行なった。その結果を第1表に示す。
【0080】
<製品肌の評点>
5点:光沢が強く、平面が平滑であるもの。
3点:光沢はあるものの、平面がやや凸凹しているもの。
1点:光沢がなく、平面が凸凹しているもの。
なお、4点は5点と3点の中間の状態にあるものであり、2点は3点と1点の中間の状態にあるものである。
【0081】
【実施例2】
実施例1において、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]を51重量部油展したゴム151重量部の代わりに、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]を41重量部油展したゴム141重量部を用い、EBT、カーボンブラックおよび追加の軟化剤の配合量をそれぞれ40重量部、120重量部、38重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。
結果を第1表に示す。
【0082】
【実施例3】
実施例1において、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]を51重量部油展したゴム151重量部の代わりに、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]を41重量部油展したゴム141重量部を用い、EBTおよび追加の軟化剤の配合量をそれぞれ40重量部、38重量部に変更し、カーボンブラック130重量部の代わりに擬似ゲル化防止剤としてSi−69[商品名;デグサ・ヒュルス(株)製、(H5C2O)3Si-(CH2)3-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)3 ]0.5重量部を簡単に混ぜ合わせたカーボンブラック120重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0083】
【実施例4】
実施例1において、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]を51重量部油展したゴム151重量部の代わりに、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]を41重量部油展したゴム141重量部を用い、EBT、カーボンブラックおよび追加の軟化剤の配合量をそれぞれ40重量部、120重量部、38重量部に変更し、発泡剤(E−2)0.2重量部の代わりに発泡剤(E−1)0.2重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0084】
【比較例1】
実施例1において、EBT、カーボンブラック、追加の軟化剤および発泡剤(E−2)の配合量をそれぞれ0重量部、140重量部、0重量部、0.3重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0085】
【比較例2】
実施例1において、EBT、追加の軟化剤および発泡剤(E−2)の配合量をそれぞれ0重量部、0重量部、0.3重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0086】
【比較例3】
実施例1において、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]を51重量部油展したゴム151重量部の代わりに、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネンランダム共重合体ゴム(EPT)100重量部に軟化剤[出光興産(株)製、商品名 ダイアナプロセスオイルTMPW−380]を41重量部油展したゴム141重量部を用い、EBT、カーボンブラックおよび追加の軟化剤の配合量をそれぞれ0重量部、120重量部、0重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0087】
なお、実施例1〜4は、いずれもYblankに相当する量の軟化剤(オイル)(C)をゴム(A)の製造工程で油展し、Y−Yblankに相当する量のオイル(C)をゴム組成物の製造工程で追加配合しているが、このような方法でオイル(C)を添加する必然性はなく、全体として前記式(1)を満たす量のオイル(C)を添加すれば、本発明の効果を実現するのに十分である。
【0088】
【表1】
Claims (10)
- エチレンと、炭素原子数3、5〜20のα- オレフィンから選ばれる1種以上のα- オレフィンと、非共役ポリエンとを共重合して得られるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部と、
エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)5〜50重量部と、
軟化剤(オイル)(C)とを含有してなるゴム組成物であり、該軟化剤(オイル)が、下記の関係式(1)を満たす量で配合されており、
かつ、該ゴム組成物の比重が1.0〜1.15であることを特徴とするゴム組成物;
Y−Y blank ≧0.4×X ・・・(1)
[式(1)中、Yは、該ゴム組成物におけるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対する軟化剤(オイル)(C)の配合量であり、
Y blank は、エチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)を含まないこと、および軟化剤(オイル)(C)の添加量のみが該ゴム組成物と異なる組成物であって、得られる架橋成形体の硬度が該ゴム組成物から得られる架橋成形体と同一であるゴム組成物(1 blank )における、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対する軟化剤(オイル)(C)の配合量であり、
Xは、該ゴム組成物におけるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対するエチレン・1-ブテン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(B)のブレンド量である。]。 - 前記軟化剤(C)の全部または一部が、前記エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)の製造工程において油展されていることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記軟化剤(C)の全部または一部が、前記ゴム組成物の混練工程において混練されていることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- さらに、発泡剤(E)および/または加硫剤を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記発泡剤(E)が、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体ゴム(A)100重量部に対して、0.05〜5重量部の割合で含有していることを特徴とする請求項4に記載のゴム組成物。
- さらに、下記の一般式[1]または[2]で表わされるアルコキシシラン化合物が配合されていること特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物;
nは、0、1または2であり、
R2は、炭素原子数が1〜6である、2価の直鎖状または分枝状の炭化水素基であり、
R3は、炭素原子数6〜12のアリーレン基であり、
mおよびpは、それぞれ0または1であり、かつ、mとpとが同時に0となることはなく、
qは、1または2であり、
Bは、qが1であるとき−SCNまたは−SHであり、またqが2であるとき−Sx−(式中のxは2〜8の整数である)である]、
R1は、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基であり、
nは、0、1または2であり、
R4は、炭素原子数が2〜20である、1価の直鎖状または分枝状の不飽和炭化水素基である]。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物を押出発泡成形して得られることを特徴とする押出発泡ゴム製品。
- 前記押出発泡ゴム製品の比重が0.8〜1.0であることを特徴とする請求項7に記載の押出発泡ゴム製品。
- 前記押出発泡ゴム製品の平均発泡セル径が400μm以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の押出発泡ゴム製品。
- 前記押出発泡ゴム製品がシール部品であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の押出発泡ゴム製品。
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