JP2010277854A - 色素増感型太陽電池、及び、色素増感型太陽電池用の有機溶媒非含有電解質 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた光電変換特性を奏し得る有機溶媒非含有電解質を採用した新規な色素増感型太陽電池、及び、そのような色素増感型太陽電池用の新規且つ実用的な有機溶媒非含有電解質等を提供する。
【解決手段】色素増感型太陽電池の電解質として、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質を採用する。前記有機溶媒非含有電解質は、擬固体電解質であることが好ましく、また、前記有機溶媒非含有電解質中における前記導電性炭素材料の表面積が、30〜300m2/gであることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】色素増感型太陽電池の電解質として、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質を採用する。前記有機溶媒非含有電解質は、擬固体電解質であることが好ましく、また、前記有機溶媒非含有電解質中における前記導電性炭素材料の表面積が、30〜300m2/gであることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、色素増感型太陽電池、及び、色素増感型太陽電池用の有機溶媒非含有電解質に関する。
近年、色素増感型太陽電池は、有機系太陽電池の中では高い光電変換効率を持ち、また、低価格で製造できるため、注目されている。色素増感型太陽電池の主な構成要素は、多孔質の金属酸化物半導体、増感色素、電解質、対極の4点である。
従来、色素増感型太陽電池の電解質としては、有機溶媒を含むものが一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、有機溶媒を含む電解質を用いる場合は、非水環境下、好ましくは脱水状態で、製造工程を実施しなければならず、それ故に、製造工程が煩雑化し、また、環境整備に要する製造コストが増加するという問題があった。また、有機溶媒が色素増感型太陽電池から液漏れした場合には、有機溶媒の揮発による環境汚染を引き起こし得る問題があり、その上さらに、引火又は爆発するおそれが潜在的にある。そのため、水系の電解質の開発、及び、電解質の擬固体化が切望されている。また、色素増感型太陽電池においては、良好な電池性能を得るために、対極に白金(白金薄膜)を用いることが多い。しかしながら、白金は高価なため、対極に白金を使用しなくても良好な電池性能を有する色素増感型太陽電池の開発も求められている。
一方、特許文献2には、エチレンカーボネート、水、ヨウ素及びヨウ化テトラ−n−プロピルアンモニウムを含む擬固体電解質が提案されている。しかしながら、かかる擬固体電解質は、依然としてエチレンカーボネート等の有機溶媒を含み、また、電解質の擬固体化が十分ではない。また、対極に白金を使用することで良好な電池性能を得ているものと考えられる。
また、特許文献3には、アルミナ水和物、水、酢酸、ポリエチレングリコール及びヨウ化リチウムを含有するペースト状電解質が提案されている。しかしながら、かかるペースト状電解質は、ポリエチレングリコールを含み、増感色素の剥離を誘引するので好ましくない。また、対極に白金を使用することで良好な電池性能を得ているものと考えられる。
他方、特許文献4及び5には、有機溶媒を含まない電解質、具体的には、ヨウ化リチウム、ヨウ素及び水を含む電解液が提案されており、これを用いることで、0.7V程度の起電力が得られることが記載されている。しかしながら、この電解液は、擬固体化されておらず、また、電解質としての性能が不十分なので、色素増感型太陽電池に使用したときに、実用的な光電変換特性が奏されるとは考えられない。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた光電変換特性を奏し得る有機溶媒非含有電解質を採用した新規な色素増感型太陽電池、及び、そのような色素増感型太陽電池用の新規且つ実用的な有機溶媒非含有電解質を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を組み合わせた有機溶媒非含有電解質が、対極に白金を使用しなくても優れた光電変換特性を奏し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下(1)〜(4)を提供する。
(1) 基体と該基体上に設けられた金属酸化物層とを有する金属酸化物電極、前記金属酸化物電極と対向するように配設された対向電極、並びに、前記金属酸化物電極及び前記対向電極の間に設けられた電解質、を備え、前記金属酸化物層は、増感色素を担持しており、前記電解質は、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質である、色素増感型太陽電池。
(2)前記有機溶媒非含有電解質は、擬固体電解質である、上記(1)に記載の色素増感型太陽電池。
(3)前記有機溶媒非含有電解質中における前記導電性炭素材料の表面積が、30〜300m2/gである、上記(1)又は(2)に記載の色素増感型太陽電池。
(4)導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む、色素増感型太陽電池用の有機溶媒非含有電解質。
(1) 基体と該基体上に設けられた金属酸化物層とを有する金属酸化物電極、前記金属酸化物電極と対向するように配設された対向電極、並びに、前記金属酸化物電極及び前記対向電極の間に設けられた電解質、を備え、前記金属酸化物層は、増感色素を担持しており、前記電解質は、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質である、色素増感型太陽電池。
(2)前記有機溶媒非含有電解質は、擬固体電解質である、上記(1)に記載の色素増感型太陽電池。
(3)前記有機溶媒非含有電解質中における前記導電性炭素材料の表面積が、30〜300m2/gである、上記(1)又は(2)に記載の色素増感型太陽電池。
(4)導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む、色素増感型太陽電池用の有機溶媒非含有電解質。
本発明によれば、優れた光電変換特性を奏し得る有機溶媒非含有電解質を採用した新規な色素増感型太陽電池が実現される。また、対極に白金を使用しなくても優れた光電変換特性を奏し得るので、低コスト化が図られる。しかも、有機溶媒を含まない水系の新規且つ実用的な電解質が実現され、その上さらに、擬固体化をも実現可能である。そのため、液漏れや、これに基づく環境汚染、引火又は爆発の問題から解放され、安全性及び信頼性が高められる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
図1は、本実施形態の色素増感型太陽電池の概略構成を示す断面図である。
色素増感型太陽電池100は、作用電極としての色素担持電極11と、対極21と、これら色素担持電極11及び対極21の間に設けられた有機溶媒非含有電解質31を備える。色素担持電極11と対極21とは、スペーサ41を介して対向配置され、これら色素担持電極11、対極21及びスペーサ41並びに図示しない封止部材によって画成される封止空間内に有機溶媒非含有電解質31が封入されている。
色素増感型太陽電池100は、作用電極としての色素担持電極11と、対極21と、これら色素担持電極11及び対極21の間に設けられた有機溶媒非含有電解質31を備える。色素担持電極11と対極21とは、スペーサ41を介して対向配置され、これら色素担持電極11、対極21及びスペーサ41並びに図示しない封止部材によって画成される封止空間内に有機溶媒非含有電解質31が封入されている。
色素担持電極11は、基体12の導電性表面12a上に金属酸化物を含有する多孔性の金属酸化物層13を有する金属酸化物電極14を備え、その金属酸化物層13に増感色素が担持(吸着)されたものである。換言すれば、本実施形態の色素担持電極11は、増感色素が担持(吸着)された金属酸化物層13、すなわち、増感色素が金属酸化物の表面に担持(吸着)された複合構造体が、基体12の導電性表面12a上に積層された構成となっている。
基体12としては、少なくとも金属酸化物層13を支持可能なものであればその種類や寸法形状は特に制限されず、例えば、板状或いはシート状の物が好適に用いられる。その具体例としては、例えば、ガラス基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のプラスチック基板、金属基板或いは合金基板、セラミックス基板又はこれらの積層体等が挙げられる。また、基体12は、透光性を有することが好ましく、可視光領域における透光性に優れるものがより好ましい。さらに、基体12は、可撓性を有することが好ましい。この場合、その可撓性を生かした種々の形態の構造物を提供できる。
導電性表面12aは、例えば、導電性PETフィルムのように基体12上に透明導電膜を形成する等して、基体12に付与することができる。また、導電性を有する基体12を用いることで、基体12に導電性表面12aを付与する処理を省略することができる。透明導電膜の具体例としては、例えば、インジウム−スズ酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、SnO2、InO3の他、SnO2にフッ素をドープしたFTO等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、各々を単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。透明導電膜の形成方法は、特に限定されず、例えば、蒸着法、CVD法、スプレー法、スピンコート法、或いは浸漬法等、公知の手法を適用できる。また、透明導電膜の膜厚は、適宜設定可能である。なお、基体12の導電性表面12aは、必要に応じて、適宜の表面改質処理が施されていてもよい。その具体的としては、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液等による脱脂処理、機械的研磨処理、水溶液への浸漬処理、電解液による予備電解処理、水洗処理、乾燥処理等公知の表面処理が挙げられるが、これらに特に限定されない。
金属酸化物層13は、TiO2、ZnO、SnO2、WO3、Nb2O5等の金属酸化物を主成分とする多孔性の半導体層である。金属酸化物層13は、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、カドミウム、鉛、アンチモン、ビスマス等の金属、これらの金属酸化物及びこれらの金属カルコゲニドを含んでいてもよい。なお、金属酸化物層13の厚みは、特に限定されないが、0.05〜50μmであることが好ましい。
金属酸化物層13を形成する方法としては、例えば、金属酸化物の分散液を基体の導電性表面上に付与した後に高温焼結する方法や、金属酸化物のペーストを基体の導電性表面上に付与した後に50〜150℃程度の低温処理を行う方法の他、金属塩を含有する電解液から基体の導電性表面上にカソード電析させる方法等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
金属酸化物層13に担持させる増感色素は、特に限定されず、水溶性色素、非水溶性色素、油溶性色素のいずれであっても構わない。光電変換素子として要求される性能に応じて、所望の光吸収帯・吸収スペクトルを有するものを適宜選択できる。増感色素の具体例としては、例えば、エオシンY等のキサンテン系色素、クマリン系色素、トリフェニルメタン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ポルフィリン系色素、ポリピリジン金属錯体色素等の他、ルテニウムビピリジウム系色素、アゾ色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリウム系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、オキソノール系色素、ポリメチン系色素、リボフラビン系色素等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、これらは、各々を単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。また、色素担持量を増大させる観点から、増感色素は、金属酸化物と相互作用する吸着性基を有することが好ましい。吸着性基の具体例としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基或いはリン酸基等が挙げられるが、これらに限定されない。
増感色素を金属酸化物層13に担持させる方法としては、例えば、増感色素を含む溶液に金属酸化物層13を浸漬する方法、増感色素を含む溶液を金属酸化物層13に塗布する方法等が挙げられる。ここで用いる増感色素含有溶液の溶媒は、使用する増感色素の溶解性又は相溶性等に応じて、例えば、水、エタノール系溶媒、ニトリル系溶媒、ケトン系溶媒等の公知の溶媒から適宜選定することができる。
ここで、カソード電析法により金属酸化物層13を形成する場合、金属塩及び増感色素を含む電解液を用いることで、金属酸化物層13の形成と色素担持とを同時に行って、増感色素が担持(吸着)された金属酸化物層13を直ちに形成することもできる。電解条件は、常法にしたがい、使用する材料の特性に応じて適宜設定すればよい。例えば、ZnOと増感色素からなる色素担持金属酸化物層を形成する場合には、還元電解電位は−0.8〜−1.2V(vs.Ag/AgCl)程度、pHは4〜9程度、電解液の浴温は0〜100℃程度が好ましい。また、電解液中の金属イオン濃度は、0.5〜100mM程度、電解液中の色素濃度は50〜500μM程度が好ましい。さらに、光電変換特性をより一層高めるために、増感色素が担持された金属酸化物層13から、一旦、増感色素を脱着し、その後に、他の増感色素を再吸着させてもよい。
なお、色素担持電極11(金属酸化物電極14)は、基体12の導電性表面12aと金属酸化物層13との間に、中間層を有していてもよい。中間層の材料は、特に限定されないが、例えば、上記の透明導電膜12aで説明した金属酸化物等が好ましい。中間層は、例えば、蒸着法、CVD法、スプレー法、スピンコート法、浸漬法或いは電析法等の公知の手法によって、基体12の導電性表面12aに金属酸化物を析出或いは堆積することで形成することができる。なお、中間層は、透光性を有することが好ましく、さらに導電性を有することが好ましい。また、中間層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.1〜5μm程度が好ましい。
対極21は、導電性表面22aを有する基体22からなり、その導電性表面21aが色素担持電極11の金属酸化物層13と対面するように対向配置されている。基体22及び導電性表面22aは、上述した基体12及び導電性表面12aと同様に、公知のものを適宜採用することができ、例えば、導電性を有する基体12の他、基体12上に透明導電膜12aを有するもの、基体12の透明導電膜12a上にさらに白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、モリブデン、チタン等の金属、カーボン、導電性ポリマー等の膜を形成したもの等を用いることができる。なお、上述したように、本実施形態では、対極に白金を使用しなくても優れた光電変換特性を奏し得る有機溶媒非含有電解質を採用しているため、導電性を有する基体12や、基体12上に透明導電膜12aを有するもの等の比較的廉価な対極を用いる場合に、従来技術に対する優位性が顕著となる。
有機溶媒非含有電解質31は、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含み有機溶媒を含まないものである。本明細書において、「有機溶媒」とは、液状の有機化合物で、導電性炭素材料及び/又は無機ヨウ素化合物を分散させ得るもの、又は、導電性炭素材料及び/又は無機ヨウ素化合物の全部若しくは一部を溶解させ得るものを意味する。その具体例としては、例えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、アセトン、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、酢酸、ギ酸、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、メチルエチルケトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル、γ‐ブチロラクトン、α‐メチル‐γ‐ブチロラクトン、β‐メチル‐γ‐ブチロラクトン、γ‐バレロラクトン、3‐メチル‐γ‐バレロラクトン等が挙げられる。
なお、「有機溶媒を含まない」とは、有機溶媒非含有電解質31の調製時に有機溶媒を配合しないことを意味し、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物等の他の成分に不可避不純物として含まれる程度に有機溶媒が含まれてもよいことを意味する。よって、有機溶媒の含有量は、0〜1wt%であることが好ましく、より好ましくは0〜0.5wt%、さらに好ましくは0〜0.1wt%である。
導電性炭素材料は、導電性を有する炭素材料であり、その具体例としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト、活性炭、フラーレン等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、各々を単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。導電性及び経済性を考慮すると、カーボンブラック、カーボンファイバー、グラファイト及びカーボンナノチューブが好ましく、カーボンブラックがより好ましい。カーボンブラックの具体例としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック及びオイルファーネスブラック等が挙げられる。導電性炭素材料の含有量は、特に限定されないが、有機溶媒非含有電解質31の総量に対し、5〜80wt%であることが好ましく、より好ましくは10〜70wt%、さらに好ましくは15〜60wt%である。
水は、工業上利用可能なものであれば特に限定されないが、所謂、ミリポア水、純水、超純水等と呼ばれる、純度が極めて高い水が好ましく、より具体的には、全有機炭素(TOC)が0.05〜5mg/L程度、電気伝導率(比抵抗)が5.6〜1000μS/m程度(0.1〜18MΩ・cm程度)のものが好ましい。水の含有量は、特に限定されないが、有機溶媒非含有電解質31の総量に対し、20〜95wt%であることが好ましく、より好ましくは30〜90wt%、さらに好ましくは40〜85wt%である。
無機ヨウ素化合物は、酸化還元剤として機能するものであり、その具体例としては、例えば、KI、NaI、I2、KIO3、NaIO4、LiI、NaIO3、KIO4、MgI2、CaI2、Mg(IO3)2、Ca(IO3)2、NH4I、NH4IO3、NH4IO4等が挙げられるが、これらに特に限定されない。これらは、各々を単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよいが、ヨウ素とヨウ化物(例えば、金属ヨウ化物及び第四級アンモニウムヨウ化物等)を組み合わせて用いることが好ましい。無機ヨウ素化合物の含有量は、特に限定されないが、有機溶媒非含有電解質31の総量に対し、1×10-4〜1×10-2mol/gが好ましく、1×10-3〜1×10-2mol/gがより好ましい。
有機溶媒非含有電解質31は、擬固体電解質であることが好ましい。本明細書において、「擬固体」とは、固体の他、流動性はほとんど認められないが応力の印加により変形可能であるゲル状固形物或いは粘土状固形物を包含する概念を意味し、具体的には、静置して一定時間を放置した後に、自重による形状変化がないか又はその形状変化がわずかなものを意味する。擬固体電解質の性状は、溶解液、混合液、分散液、懸濁液、コロイド液のいずれであっても構わない。
有機溶媒非含有電解質31は、前述した導電性炭素材料の表面積が30〜300m2/gに調整されていることが好ましく、より好ましくは100〜250m2/g、さらに好ましくは150〜200m2/gである。本明細書において、有機溶媒非含有電解質31中における導電性炭素材料の表面積とは、導電性炭素材料の比表面積(m2/g)に導電性炭素材料の使用割合(導電性炭素材料の量(g)/有機溶媒非含有電解質31の総量(g))を乗じた値である。導電性炭素材料の表面積をこれらの範囲内に調整することで、優れた光電変換特性が発揮される傾向にある。
なお、有機溶媒非含有電解質31は、要求性能に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、一般に電池や太陽電池等において使用されているものを適宜用いることができ、その具体例としては、例えば、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン及びそれらの誘導体等のp型導電性ポリマー;イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、トリアゾリウムイオン及びそれらの誘導体とハロゲンイオンとの組み合わせからなる溶融塩;ゲル化剤;オイルゲル化剤;分散剤;界面活性剤;安定化剤等が挙げられるが、これらに特に限定されない。
有機溶媒非含有電解質31の調製は、常法にしたがって行えばよい。例えば、導電性炭素材料を、水及び無機ヨウ素化合物、必要に応じて配合される各種添加剤と混合或いは混練することで、均一な擬固体電解質を調製することができる。
有機溶媒非含有電解質31を色素担持電極11と対極21との間に配する方法は特に限定されず、各種公知の手法を用いて行うことができる。具体的には、例えば、グラビアコート、ロールコート、ブレードコート、バーコート、スプレーコート、エクストルージョンコート、ディップコート、スピンコート等の塗布法や滴下法、インクジェット法等から適宜選択することができる。また、有機溶媒非含有電解質31を連続的に供給しても断続的(間欠的)に供給してもよく、さらには、2種以上の有機溶媒非含有電解質31を供給してもよい。
有機溶媒非含有電解質31の調製時、有機溶媒非含有電解質31の色素担持電極11及び/又は対極21上への供給時、又は、色素増感型太陽電池100の作製時において、減圧下及び/又は加熱下で行うことが好ましい。このようにすると、第1の電極の金属酸化物層内(多孔質の空隙内)の空気が脱気され、或いは、有機溶媒非含有電解質31の粘度が下げられるので、多孔性の金属酸化物層13の深部(多孔質の空隙内)への有機溶媒非含有電解質31の充填がより一層促進される。なお、減圧条件/温度条件は、金属酸化物層13の比表面積や空隙度、有機溶媒非含有電解質31の粘性などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、真空度は5×104〜1×102Pa程度が好ましく、温度は20〜150℃程度が好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、色素担持電極を、以下の手順により作製した。
フッ素ドープしたSnO2を透明導電膜とする透明ガラス基板(TCO:旭硝子(株)製、サイズ:縦25mm×横25mm×厚さ1.1mm)を準備した。次に、電解液として750mlの0.1Mの塩化カリウム水溶液を準備し、この電解液中で、透明ガラス基板の透明導電膜と対極の白金板とを対向配置し、参照電極として銀/塩化銀電極を用いて、酸素によるバブリングを行ないながら、電位−1.0V(vs.Ag/AgCl)の定電位電解(予備電解)を行った。このときの電解条件は、温度70℃、電荷量−2.35Cとした。この予備電解は、電解液中に含まれる溶存酸素の還元による電解液の改質及び透明ガラス基板表面の改質を企図したものである。
その後、対極を亜鉛板に、電解液を5mMの塩化亜鉛を含む0.1Mの塩化カリウム水溶液750mlに変更し、酸素によるバブリングを行ないながら、電位‐1.2V(vs.Ag/AgCl)の定電位電解を行い、透明ガラス基板の透明導電膜上に酸化亜鉛を析出させて中間層を製膜した。このときの電解条件は、温度70℃、電荷量−0.25Cとした。
次いで、電解液を5mMの塩化亜鉛及び0.18mMのエオシンYを含む0.1Mの塩化カリウム水溶液750mlに変更し、酸素によるバブリングを行ないながら、電位‐1.0V(vs.Ag/AgCl)の定電位電解を行ない、中間層上にエオシンYが担持された金属酸化物層を製膜した。このときの電解条件は、温度70℃、電荷量−2.0Cとした。
そして、得られた電極を水洗した後、pH11.5の水酸化カリウム水溶液に浸漬し、金属酸化物層中のエオシンYを脱離し、その後、再び水洗することで、基体の導電性表面上に金属酸化物を含有する多孔性の金属酸化物層を有する金属酸化物電極を得た。
得られた金属酸化物電極を、120℃で1時間乾燥させ、その後、0.25mMの下記の増感色素と0.5mMのドデシルコール酸をアセトニトリルとt−ブタノールを1:1で混合した溶媒に溶解させた増感色素含有溶液に浸漬して、酸化亜鉛表面に増感色素を担持させて色素担持電極を作製した。
まず、色素担持電極を、以下の手順により作製した。
フッ素ドープしたSnO2を透明導電膜とする透明ガラス基板(TCO:旭硝子(株)製、サイズ:縦25mm×横25mm×厚さ1.1mm)を準備した。次に、電解液として750mlの0.1Mの塩化カリウム水溶液を準備し、この電解液中で、透明ガラス基板の透明導電膜と対極の白金板とを対向配置し、参照電極として銀/塩化銀電極を用いて、酸素によるバブリングを行ないながら、電位−1.0V(vs.Ag/AgCl)の定電位電解(予備電解)を行った。このときの電解条件は、温度70℃、電荷量−2.35Cとした。この予備電解は、電解液中に含まれる溶存酸素の還元による電解液の改質及び透明ガラス基板表面の改質を企図したものである。
その後、対極を亜鉛板に、電解液を5mMの塩化亜鉛を含む0.1Mの塩化カリウム水溶液750mlに変更し、酸素によるバブリングを行ないながら、電位‐1.2V(vs.Ag/AgCl)の定電位電解を行い、透明ガラス基板の透明導電膜上に酸化亜鉛を析出させて中間層を製膜した。このときの電解条件は、温度70℃、電荷量−0.25Cとした。
次いで、電解液を5mMの塩化亜鉛及び0.18mMのエオシンYを含む0.1Mの塩化カリウム水溶液750mlに変更し、酸素によるバブリングを行ないながら、電位‐1.0V(vs.Ag/AgCl)の定電位電解を行ない、中間層上にエオシンYが担持された金属酸化物層を製膜した。このときの電解条件は、温度70℃、電荷量−2.0Cとした。
そして、得られた電極を水洗した後、pH11.5の水酸化カリウム水溶液に浸漬し、金属酸化物層中のエオシンYを脱離し、その後、再び水洗することで、基体の導電性表面上に金属酸化物を含有する多孔性の金属酸化物層を有する金属酸化物電極を得た。
得られた金属酸化物電極を、120℃で1時間乾燥させ、その後、0.25mMの下記の増感色素と0.5mMのドデシルコール酸をアセトニトリルとt−ブタノールを1:1で混合した溶媒に溶解させた増感色素含有溶液に浸漬して、酸化亜鉛表面に増感色素を担持させて色素担持電極を作製した。
次に、有機溶媒非含有電解質を以下の手順で調製した。
無機ヨウ素化合物を水に溶解させて水溶液を調製し、この水溶液に導電性炭素材料(カーボンブラック、商品名:ECP、Lion社製、比表面積:800m2/g)を配合し、得られた混合物を乳鉢で混練することで、実施例1の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を得た。表1に、実施例1の有機溶媒非含有電解質の組成及び各成分の配合割合を示す。
無機ヨウ素化合物を水に溶解させて水溶液を調製し、この水溶液に導電性炭素材料(カーボンブラック、商品名:ECP、Lion社製、比表面積:800m2/g)を配合し、得られた混合物を乳鉢で混練することで、実施例1の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を得た。表1に、実施例1の有機溶媒非含有電解質の組成及び各成分の配合割合を示す。
対極として、フッ素ドープしたSnO2を透明導電膜とする透明ガラス基板(TCO:旭硝子(株)製、サイズ:縦25mm×横25mm×厚さ1.1mm)を用いた。
そして、上記の色素担持電極及び対極、並びに、実施例1の有機溶媒非含有電解質色素担持電極を用い、以下の手順で色素増感型太陽電池を作製した。
色素担持電極を増感色素が担持された金属酸化物層が天面となるように平置きし、金属酸化物層の端辺をマスキングテープで囲い、電解質封入部分を区画形成した後、色素担持電極上に実施例1の有機溶媒非含有電解質をスパチュラで塗布することで電解質層を形成し、この電解質層上に対極を載せてクリップで固定し、色素担持電極と対極との間に電解質層を封止することで、実施例1の色素増感型太陽電池を作製した。
色素担持電極を増感色素が担持された金属酸化物層が天面となるように平置きし、金属酸化物層の端辺をマスキングテープで囲い、電解質封入部分を区画形成した後、色素担持電極上に実施例1の有機溶媒非含有電解質をスパチュラで塗布することで電解質層を形成し、この電解質層上に対極を載せてクリップで固定し、色素担持電極と対極との間に電解質層を封止することで、実施例1の色素増感型太陽電池を作製した。
得られた実施例1の色素増感型太陽電池の電池特性を、AM−1.5(1000W/m2)のソーラーシミュレーターを用いて測定した。電池特性は、短絡光電流(Jsc)、開放電圧(Voc)、形状因子(FF)、光電変換効率(η)の4項目を測定した。測定結果を表2に示す。なお、短絡光電流(Jsc)は、太陽電池セル・モジュールの出力端子を短絡させたときの両端子間に流れる電流(1cm2当たり)を表す。開放電圧(Voc)は、太陽電池セル・モジュールの出力端子を開放したときの両端子間の電圧を表す。また、形状因子(FF)は、最大出力Pmaxを開放電圧(Voc)と光電流密度(Jsc)の積で除した値(FF=Pmax/Voc・Jsc)であり、太陽電池としての電流電圧特性曲線の特性を表すパラメータである。さらに、光電変換効率(η)は、光電変換素子の電圧をソースメータにて掃引して応答電流を測定することで得られる、電圧と電流との積である最大出力を1cm2あたりの光強度で除した値に100を乗じてパーセント表示したものであり、(最大出力/1cm2あたりの光強度)×100で表される。
(実施例2〜5)
無機ヨウ素化合物を表1に記載のものに変更すること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例2〜5の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を調製した。そして、実施例2〜5の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例2〜5の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表2に示す。
無機ヨウ素化合物を表1に記載のものに変更すること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例2〜5の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を調製した。そして、実施例2〜5の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例2〜5の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表2に示す。
(実施例6〜7)
実施例1で用いた対極の透明導電膜上にスパッタリングで厚み100nmのPt層を形成した対極を用いること以外は、実施例1及び3と同様に行ない、実施例6及び7の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表2に示す。
実施例1で用いた対極の透明導電膜上にスパッタリングで厚み100nmのPt層を形成した対極を用いること以外は、実施例1及び3と同様に行ない、実施例6及び7の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表2に示す。
(比較例1〜2)
表1に示す組成及び割合に変更すること以外は、実施例1及び3と同様に行ない、比較例1及び2の有機溶媒非含有電解質(電解液)を調製した。そして、比較例1及び2の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例1及び3と同様に行ない、比較例1及び2の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表2に示す。
表1に示す組成及び割合に変更すること以外は、実施例1及び3と同様に行ない、比較例1及び2の有機溶媒非含有電解質(電解液)を調製した。そして、比較例1及び2の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例1及び3と同様に行ない、比較例1及び2の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表2に示す。
(比較例3〜4)
比較例1及び2で用いた対極の透明導電膜上にスパッタリングで厚み100nmのPt層を形成した対極を用いること以外は、比較例1及び2と同様に行ない、比較例3及び4の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表2に示す。
比較例1及び2で用いた対極の透明導電膜上にスパッタリングで厚み100nmのPt層を形成した対極を用いること以外は、比較例1及び2と同様に行ない、比較例3及び4の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表2に示す。
(実施例8〜10)
増感色素を下記のものに記載のものに変更すること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例8〜10の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を調製した。そして、実施例8〜10の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例8〜10の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表3に示す。
増感色素を下記のものに記載のものに変更すること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例8〜10の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を調製した。そして、実施例8〜10の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例8〜10の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表3に示す。
(実施例11〜12)
増感色素を表3に記載のものに変更すること以外は、実施例3と同様に行ない、実施例11〜12の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を調製した。そして、実施例11〜12の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例3と同様に行ない、実施例11〜12の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表3に示す。
増感色素を表3に記載のものに変更すること以外は、実施例3と同様に行ない、実施例11〜12の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を調製した。そして、実施例11〜12の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例3と同様に行ない、実施例11〜12の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表3に示す。
(実施例13〜18)
表4に示す組成及び割合に変更し、導電性炭素材料をDegussa社製のカーボンブラック(商品名:PRINTEX XE 2−B、比表面積:1000m2/g)に変更すること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例13〜18の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を調製した。そして、実施例13〜18の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例13〜18の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表5に示す。
表4に示す組成及び割合に変更し、導電性炭素材料をDegussa社製のカーボンブラック(商品名:PRINTEX XE 2−B、比表面積:1000m2/g)に変更すること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例13〜18の有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を調製した。そして、実施例13〜18の有機溶媒非含有電解質を各々用いること以外は、実施例1と同様に行ない、実施例13〜18の色素増感型太陽電池を作製した。測定結果を表5に示す。
表2,表3及び表5に示す通り、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)を用いた実施例1〜18では、発電が確認され、また、優れた光電変換効率を有することが確認された。一方、比較例1及び2では、まったく発電していないか、又は、光電変換効率が極めて低いことが確認された。また、対極に白金を用いた比較例3及び4においても、光電変換効率が極めて低いことが確認された。
以上のことから、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)が、有機溶媒を含まない水系の電解質として、優れた光電変換特性を奏することが確認された。しかも、かかる有機溶媒非含有電解質は、有機溶媒を含まない水系の電解質でありながら擬固体化が可能であり、液漏れや、これに基づく環境汚染、引火又は爆発の問題から解放されることが確認された。
以上のことから、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)が、有機溶媒を含まない水系の電解質として、優れた光電変換特性を奏することが確認された。しかも、かかる有機溶媒非含有電解質は、有機溶媒を含まない水系の電解質でありながら擬固体化が可能であり、液漏れや、これに基づく環境汚染、引火又は爆発の問題から解放されることが確認された。
また、比較例3及び4では対極に白金を用いることで比較例1及び2に比して光電変換効率が向上することが確認されているところ、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)は、実施例1と実施例6との比較、及び、実施例3と実施例7との比較から明らかなように、対極に白金を用いない構成の方が光電変換効率に優れることが確認された。
以上のことから、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)は、対極に白金を用いない構成において、特に優れた光電変換特性を奏することが確認された。かかる特異な結果が奏される効果が奏される作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、有機溶媒非含有電解質に含まれる導電性炭素材料が従来のPtに代わる触媒作用と導電性を担うためと推定される。但し、作用はこれに限定されない。
以上のことから、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質(擬固体電解質)は、対極に白金を用いない構成において、特に優れた光電変換特性を奏することが確認された。かかる特異な結果が奏される効果が奏される作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、有機溶媒非含有電解質に含まれる導電性炭素材料が従来のPtに代わる触媒作用と導電性を担うためと推定される。但し、作用はこれに限定されない。
なお、上述したとおり、本発明は、上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更を加えることが可能である。
以上説明した通り、本発明は、色素増感型太陽電池に関わる電子・電気材料、電子・電気デバイス、及びそれらを備える各種機器、設備、システム等に広く且つ有効に利用可能である。
11…色素担持電極、12…基体、12a…導電性表面、13…金属酸化物層、14…金属酸化物電極、21…対極、22a…導電性表面、22…基体、31…有機溶媒非含有電解質、41…スペーサ、100…光電変換素子。
Claims (4)
- 基体と該基体上に設けられた金属酸化物層とを有する金属酸化物電極、
前記金属酸化物電極と対向するように配設された対向電極、並びに、
前記金属酸化物電極及び前記対向電極の間に設けられた電解質、を備え、
前記金属酸化物層は、増感色素を担持しており、
前記電解質は、導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む有機溶媒非含有電解質である、
色素増感型太陽電池。 - 前記有機溶媒非含有電解質は、擬固体電解質である、
請求項1に記載の色素増感型太陽電池。 - 前記有機溶媒非含有電解質中における前記導電性炭素材料の表面積が、30〜300m2/gである、
請求項1又は2に記載の色素増感型太陽電池。 - 導電性炭素材料、水及び無機ヨウ素化合物を含む、
色素増感型太陽電池用の有機溶媒非含有電解質。
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