JP2010159464A - ナノ粒子体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属又は金属酸化物のナノ粒子に、下記化学式(1)
【化1】
(ただし、R1は炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基、R2は炭素数10〜16のアルキル基であり、n=8〜16の整数、m+k=3であり且つm=1又は2、k=1又は2である。)
で示されるリン酸系の界面活性剤で表面を被覆するもので、前記金属又は金属酸化物のナノ粒子が、銀、酸化チタン又は酸化鉄のナノ粒子であるもので、極性有機溶媒への親和性を有する親水基と非極性有機溶媒への親和性を有する疎水基とを粒子表面に有するナノ粒子体とすること。
【選択図】図16
Description
で示されるリン酸系の界面活性剤で表面を被覆することを特徴とするナノ粒子体の製造方法を提供する。本発明の第1の態様によれば、ナノ粒子の表面がかかる界面活性剤で覆われるため、極性のある有機溶媒にも非極性の有機溶媒にも分散性に優れている。R1は、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、エチニル基、プロパルギル基が挙げられる。R1がアリル基であることは好ましい。上記化学式(1)の界面活性剤が、R2については、炭素数10又は12のアルキル基、あるいは、炭素数14又は16のアルキル基が好ましい。なかでも、少ない量の界面活性剤でも高い分散性を実現できるナノ粒子体を得られる点において、また得られるナノ粒子体を各種有機溶媒に分散させたときの透明性の高さの点において、R2が炭素数10又は12のアルキル基であることが好ましく、n=12であることが特に好ましい。
で示されるリン酸系の界面活性剤で表面に被覆を施した粉末であることを特徴とするナノ粒子体を提供する。本発明の第2の態様によれば、ナノ粒子の表面が疎水基と親水基の両方で覆われているため、極性のある有機溶媒にも非極性の有機溶媒にも分散可能である。R1は、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、エチニル基、プロパルギル基が挙げられる。R1がアリル基であることは好ましい。上記化学式(1)の界面活性剤が、R2については、炭素数10又は12のアルキル基、あるいは、炭素数14又は16のアルキル基が好ましい。各種有機溶媒に分散させたときの透明性の高さの点において、上記化学式(1)の界面活性剤が、R2については、炭素数10又は12のアルキル基、あるいは、炭素数14又は16のアルキル基が好ましい。なかでも、R2が炭素数10又は12のアルキル基であることが好ましく、nについては、n=12であることが特に好ましい。
ナノ粒子は金属又はその酸化物のナノ粒子であって、リン酸と錯体を形成するものであれば特に制限されるものではないが、遷移金属であることが好ましい。金属又はその酸化物としては、例えば、銀、酸化チタンや酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化亜鉛などが挙げられるが、透明性の面からは、酸化チタンや酸化鉄、銀が好ましい。極性有機溶媒に分散させても非極性有機溶媒に分散させても、分散均一性が高く、透明性の高い分散液を得ることができる。なかでも、着色の少なさの面から、酸化チタンがより好ましい。
界面活性剤としては、上記化学式(1)で表わされる界面活性剤が好ましい。本発明において、かかる界面活性剤は、粒子の表面を被覆する、表面被覆剤の役割を果たす。ナノ粒子の表面がかかる界面活性剤で覆われるため、極性のある有機溶媒にも非極性の有機溶媒にも分散可能で、しかも分散性に優れている。前記界面活性剤は、アニオン系の界面活性剤で、疎水基と親水基の両方を有するリン酸系界面活性剤であり、粒子表面に結合するリン酸基から疎水性を示すアルキル基と親水性を示すエチレンオキサイド基との枝分かれまでが近いので、ナノ粒子の表面を疎水基と親水基がバランスよく覆うため、得られるナノ粒子体は、極性のある有機溶媒にも非極性の有機溶媒にも分散性が高い。得られるナノ粒子体を、極性のある有機溶媒に分散させたときも、非極性の有機溶媒に分散させたときも、分散液の透明性が高い。したがって、得られるナノ粒子体は、従来利用できなかったり、十分に機能を発揮できなかったりした分野にもナノ粒子を利用可能となる。
界面活性剤で被覆修飾した粒子は、極性有機溶媒への親和性を有する親水基と非極性有機溶媒への親和性を有する疎水基とを粒子表面に有することが好ましい。極性有機溶媒への分散を可能とする親水基と非極性有機溶媒への分散を可能とする疎水基の両方を有しているので、極性有機溶媒でも非極性有機溶媒でも分散時に凝集体を形成しにくく高い分散性を発揮できる。分散性の点から、前記親水基が長鎖エチレンオキサイド基を含むものであり、前記疎水基が長鎖アルキル基を含むものであることが好ましい。特に、前記親水基がn数が8〜16のポリオキシエチレン基を含むものであり、前記疎水基が炭素数10〜16の長鎖アルキル基を含むものであることがより好ましく、さらに、前記親水基と前記疎水基が1つの分子内で分岐したものであって、分岐点がナノ粒子の表面に結合したリン酸基にエステル結合した炭素原子であることがさらに好ましい。
ナノ粒子体を再分散させる溶媒としては、極性の大小を問わず、多様な有機溶媒が可能で、特に制限されない。たとえば、ペンタン、ヘキサンやオクタデカンなどの脂肪族飽和炭化水素、ドデセン、トリデセンやヘプタデセンなどの脂肪族不飽和炭化水素、トルエン、キシレンやベンゼンなどの芳香族炭化水素、また、これらのハロゲン化物(たとえばジクロロメタン、クロロホルムや四塩化炭素など)、また、エタノール、メタノールやブタノールなどのアルコール、アセトン、メチルエチルケトンやジエチルケトンなどのケトン、メタクリル酸メチル、サリチル酸メチルや酢酸エチルなどのエステル、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどのエーテル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)やN−メチルピロリドン(NMP)などのアミド類が挙げられる。
複合材料を形成する有機ポリマーは、特に制限されず、例えば、ポリオレフィン樹脂やアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記金属又は金属酸化物のナノ粒子が、酸化チタンのナノ粒子であって、前記ナノ粒子を含有する水溶液に、前記界面活性剤を含有する水溶液を混合する混合工程を含むことが好ましい。ナノ粒子と界面活性剤との混合性がよくなるので、ナノ粒子の各粒子表面を均一に被覆しやすい。前記混合工程が、攪拌を行いながら前記希釈水溶液に前記界面活性剤を含有する水溶液をすばやく添加し、さらに攪拌を行うものであることがより好ましい。粒子表面への界面活性剤による被覆がより均一にできる。また、混合後に回収した粒子を乾燥する乾燥工程を含むことが好ましい。乾燥した粉末としてナノ粒子体が得られるので、別の溶媒に再分散させやすい。また、取扱いや持ち運びが容易となる。また、ナノ粒子体の表面が被覆されているため、乾燥してもまとまりよく、粉末が飛散しにくい。したがって安全性にも優れる。
図1は、本発明のナノ粒子体の実施例1A及び本発明のナノ粒子分散体の実施例1Aaの作製フロー図である。ナノ粒子分散体の実施例1Aaは、ナノ粒子体の実施例1Aから作製する。ナノ粒子体の実施例1Aの作製過程においては、ナノ粒子を含有する水溶液に、前記界面活性剤を含有する水溶液を混合する混合工程を含む。ナノ粒子分散体の実施例1Aaの作製過程においては、かかるナノ粒子体を、非極性有機溶媒又は極性有機溶媒中に分散する分散工程を含む。詳細には以下のように作製した。
ナノ粒子体の実施例1Aでは、次の様に合成して得た界面活性剤を用いた。
最初にナノ粒子体の実施例1Aを作製した。まず、pH1.4の硝酸酸性の酸化チタンゾル(STS100、結晶子径5nm、平均粒子径6〜8nm、酸化チタン濃度20wt%、石原産業株式会社製)10gをイオン交換水80gで希釈した。出発原料がシングルナノ粒子の分散液であるため、得られるナノ粒子体が再分散する際に、分散が良ければ一次粒子のレベルで分散でき、均一性を高くできる。
作製したナノ粒子体の実施例1Aの粉末を粒子濃度が3wt%となるように2分間の超音波照射を5回行いながら、エタノール(EtOH:C2H5OH)(99.5%特級、関東化学株式会社製)に分散させて溶液状態とし、ナノ粒子分散体の実施例1Aaを得た。図2(4)は、ナノ粒子分散体の実施例1Aaで、ナノ粒子体の実施例1Aが分散されている状態を示す。超音波照射を行うことで、凝集を防止しながら分散されるので、より均一な分散体を得られる。
実施例1Aにおいて界面活性剤P12−10を酸化チタン1gに対し1.0mmolの割合となるようにしたが、変形例として、酸化チタン1gに対する界面活性剤P12−10の割合を、2.0mmolにしたものをナノ粒子体の実施例1A´とした。実施例1A´は、その他の点は上述したナノ粒子体の実施例1Aと同じように作製した。回収率は100%に近かった。酸化チタン1gに対する界面活性剤P12−10の割合を3.0mmolにしたものをナノ粒子体の実施例1A´´とした。実施例1A´´は、その他の点は上述したナノ粒子体の実施例1Aと同じように作製した。回収率は50%程度であった。界面活性剤の量が多くなりすぎると界面活性剤分子が親水基を外側に向けた二分子層を形成しやすくなり、回収率が少し下がったと考えられる。
別の変形例として、界面活性剤P12−10の代わりに、界面活性剤P12−14(α−オレフィンオキサイド(炭素数12、14混合)205g(1モル)をα−オレフィンオキサイド(炭素数16、18混合)271g(1モル)に変更した以外は合成方法は上述した界面活性剤P12−10の合成方法と同じで、上記化学式(1)におけるR2が炭素数14のアルキル基であるものとR2が炭素数16のアルキル基であるものを中心とした混合物である以外は界面活性剤P12−10と同様である混合物)としたものをナノ粒子体の実施例1Bとした。また、酸化チタン1gに対する界面活性剤P12−14の割合を、2.0mmolにしたものをナノ粒子体の実施例1B´、3.0mmolにしたものをナノ粒子体の実施例1B´´とした。上述した点以外はナノ粒子体の実施例1Aと同じように作製した。
また、別の変形例として、界面活性剤P12−10の代わりに、界面活性剤P8−10(ポリ(12モル)オキシエチレンアリルエーテル587g(1モル)をポリ(8モル)オキシエチレンアリルエーテル410g(1モル)に変更した以外は合成方法は上述した界面活性剤P12−10の合成方法と同じで、上記化学式(1)におけるn=8である以外は界面活性剤P12−10と同様である混合物)としたものをナノ粒子体の実施例1Cとした。酸化チタン1gに対する界面活性剤P8−10の割合を、2.0mmolにしたものをナノ粒子体の実施例1C´、3.0mmolにしたものをナノ粒子体の実施例1C´´とした。これらの実施例に用いた界面活性剤P8−10は、エチレンオキサイドの炭素数n以外の点は界面活性剤P12−10と同じである。上述した点以外はナノ粒子体の実施例1Aと同じように作製した。
また、同様に、界面活性剤P12−10の代わりに、界面活性剤P16−10(ポリ(12モル)オキシエチレンアリルエーテル587g(1モル)をポリ(16モル)オキシエチレンアリルエーテル763g(1モル)に変更した以外は合成方法は上述した界面活性剤P12−10の合成方法と同じで、上記化学式(1)におけるn=16である以外は界面活性剤P12−10と同様である混合物)としたものをナノ粒子体の実施例1Dとした。酸化チタン1gに対する界面活性剤P16−10の割合を、2.0mmolにしたものをナノ粒子体の実施例1D´、3.0mmolにしたものをナノ粒子体の実施例1D´´とした。これらの実施例に用いた界面活性剤P16−10は、エチレンオキサイドの炭素数n以外の点は界面活性剤P12−10と同じである。上述した点以外はナノ粒子体の実施例1Aと同じように作製した。
また別の変形例として、実施例1Aにおいて粒子の種類を酸化チタンでなく酸化鉄としたものをナノ粒子体の実施例2Aとした。ナノ粒子体の実施例2Aは、界面活性剤量や製造方法も実施例1Aとは異なり、水酸化鉄水溶液を加熱して水溶液中に酸化鉄を生成させた水溶液に前記界面活性剤を混合する混合工程を含むものであって、詳細には以下のように作製した。
またさらに別の変形例として、実施例1Aにおいて粒子の種類を酸化チタンでなく銀としたものをナノ粒子体の実施例3Aとした。ナノ粒子体の実施例3Aは、界面活性剤量や製造方法も実施例1Aとは異なり、硝酸銀水溶液に界面活性剤と還元剤とを含有する水溶液を混合する混合工程を含むものであって、詳細には以下のように作製した。
また、ナノ粒子分散体の実施例1Aaの変形例として、粒子濃度が10wt%となるように分散させた、ナノ粒子分散体の実施例1Aa−10%を作製した。その他の条件はナノ粒子分散体の実施例1Aaと同じように作製した。ナノ粒子体の実施例1Aは、粒子濃度が10wt%という高濃度でも有機溶媒に分散した。
また、ナノ粒子分散体の実施例1Aaの変形例として、ナノ粒子体の実施例1Aをエタノールに分散させる代わりに、テトラヒドロフラン(THF:C4H8O)(安定剤含有脱水型有機合成用、和光純薬工業株式会社製)に分散させたものをナノ粒子分散体の実施例1Abとし、メタクリル酸メチル(MMA:CH2=C(CH3)COOCH3)(モノマー、和光特級、和光純薬工業株式会社製)に分散させたものをナノ粒子分散体の実施例1Acとし、トルエン(Toluene:CH3(C6H5))(99.5%、和光純薬工業株式会社製)に分散させたものをナノ粒子分散体の実施例1Adとした。実施例1Ac、実施例1Ac、実施例1Acとも、その他の点は上述したナノ粒子分散体の実施例1Aaと同じように作製した。実施例1Aは、エタノール、THF、MMA、トルエンのいずれの有機溶媒にも容易に分散した。
別の変形例として、ナノ粒子体の実施例1A´を、エタノールに分散させたものをナノ粒子分散体の実施例1A´aとし、テトラヒドロフランに分散させたものをナノ粒子分散体の実施例1A´bとし、メタクリル酸メチルに分散させたものをナノ粒子分散体の実施例1A´cとし、トルエンに分散させたものをナノ粒子分散体の実施例1A´dとした。これらの実施例は、他の点については上述したナノ粒子分散体の実施例1Aaと同じように作製した。実施例1A´は、エタノール、THF、MMA、トルエンのいずれの有機溶媒にも容易に分散した。
また、ナノ粒子体の実施例1A´´、実施例1B、実施例1B´、実施例1B´´、実施例1C、実施例1C´、実施例1C´´、実施例1D、実施例1D´、実施例1D´´、実施例2A、実施例3Aについても同様に、エタノールに分散させたものをそれぞれナノ粒子分散体の実施例1A´´a、実施例1Ba、実施例1B´a、実施例1B´´a、実施例1Ca、実施例1C´a、実施例1C´´a、実施例1Da、実施例1D´a、実施例1D´´a、実施例2Aa、実施例3Aaとし、テトラヒドロフランに分散させたものをそれぞれナノ粒子分散体の実施例1A´´b、実施例1Bb、実施例1B´b、実施例1B´´b、実施例1Cb、実施例1C´b、実施例1C´´b、実施例1Db、実施例1D´b、実施例1D´´b、実施例2Ab、実施例3Abとし、メタクリル酸メチルに分散させたものをそれぞれナノ粒子分散体の実施例1A´´c、実施例1Bc、実施例1B´c、実施例1B´´c、実施例1Cc、実施例1C´c、実施例1C´´c、実施例1Dc、実施例1D´c、実施例1D´´c、実施例2Ac、実施例3Acとし、トルエンに分散させたものをそれぞれナノ粒子分散体の実施例1A´´d、実施例1Bd、実施例1B´d、実施例1B´´d、実施例1Cd、実施例1C´d、実施例1C´´d、実施例1Dd、実施例1D´d、実施例1D´´d、実施例2Ad、実施例3Adとした。ナノ粒子分散体のこれらの実施例は、他の点については上述したナノ粒子分散体の実施例1Aaと同じように作製した。ナノ粒子体の実施例1A´´、実施例1B、実施例1B´、実施例1B´´、実施例1C、実施例1C´、実施例1C´´、実施例1D、実施例1D´、実施例1D´´、実施例2A、実施例3Aはいずれも、エタノール、THF、MMA、トルエンのいずれの有機溶媒にも容易に分散した。
硝酸酸性の酸化チタンゾル(STS100、結晶子径5nm、平均粒子径6〜8nm、酸化チタン濃度20wt%、石原産業株式会社製)を100℃で熱風乾燥を行い、ナノ粒子体の比較例1Xを得た。また、別の比較例として、硝酸酸性の酸化チタンゾル(STS100、結晶子径5nm、平均粒子径6〜8nm、酸化チタン濃度20wt%、石原産業株式会社製)10gをイオン交換水80gで希釈した分散液に、界面活性剤を添加せず、アセトンを加えて粒子を析出させ、上記実施例1Aと同様な遠心分離を行った後、100℃で熱風乾燥を行い、ナノ粒子体の比較例1Yを得た。比較例1Yは、他の点は上述したナノ粒子体の実施例1Aと同じように作製した。
各実施例及び比較例並びに界面活性剤についてのFT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計;Fourier Transform Infrared Spectroscopy)でのスペクトル測定により、粒子表面の構造について定性分析を行った。サンプルは、各実施例については試料0.03gに臭化カリウム(KBr)0.4g、各比較例については試料0.5gにKBr0.05gの混合比で調整した。また界面活性剤であるP12−10については試料0.0034gにKBr0.3987g、P12−14については試料0.0027gにKBr0.3700g、P8−10については試料0.0051gにKBr0.4078g、P16−10については試料0.0042gにKBr0.3979gの混合比で調整した。
界面活性剤の定量分析は熱重量分析(TGA)でもできるが、例えば親水基がスルホン酸の界面活性剤の場合にはチタンの硫酸塩のような不揮発成分が残り不完全燃焼している可能性があるため正確な定量が困難となるなどの不具合があるので、有機元素分析による定量分析を行った。下記表2は、本発明のナノ粒子体の実施例1A、実施例1A´、比較例2S、比較例2S´、比較例2S´´、比較例3T、比較例3T´、比較例3T´´の有機元素分析による定量分析結果を示す。
各ナノ粒子分散体について、各溶媒中での強度基準の平均凝集粒子径(50%径)を動的光散乱法(DLS)で分散直後に測定した。図9は、本発明のナノ粒子分散体の実施例1Aa〜d、実施例1A´a〜d、実施例1A´´a〜dの動的光散乱法による測定結果を示す図である。図9において、(a)はナノ粒子体の実施例1Aを分散させたナノ粒子分散体であって、溶媒がエタノールであるナノ粒子分散体の実施例1Aa、THFであるナノ粒子分散体の実施例1Ab、MMAであるナノ粒子分散体の実施例1Ac、トルエンであるナノ粒子分散体の実施例1Ad(これらの実施例をまとめて実施例1Aa〜dと表す。以下同様にまとめて表す)、(b)はナノ粒子分散体の実施例1A´a〜d、(c)はナノ粒子分散体の実施例1A´´a〜d、について測定された平均凝集粒子径を示す。実施例1Aaと実施例1A´aとは平均凝集粒子径はほぼ同じ値で、実施例1A´bと実施例1A´´bとは平均凝集粒子径はほぼ同じ値で、図9において、それぞれプロットが重なっている。
各ナノ粒子分散体について、分散後、24時間静置させた後の透明性を観察した。詳細には、それぞれの分散体を作成直後に透明な容器(直径18mmのサンプル瓶)に入れ、白地に黒の横文字柄があるボードの前に置いて24時間静置させ、容器のまま、背面にある横文字模様が透けるかどうか、また沈降するかを観察し撮影した。
図22は、本発明のナノ粒子分散体の実施例1A´a〜dの粒度分布図である。実施例1A´a〜dにおいて、酸化チタンナノ粒子が一次粒子近くまで分散していることが確認された。
本発明の複合材料の実施例1A´dFは、ナノ粒子体の実施例1A´とエポキシ樹脂との複合材料で、詳細には、以下のように作製した。
Claims (15)
- 金属又は金属酸化物のナノ粒子に、下記化学式(1)
で示されるリン酸系の界面活性剤で表面を被覆することを特徴とするナノ粒子体の製造方法。 - 前記金属又は金属酸化物のナノ粒子が、銀、酸化チタン又は酸化鉄のナノ粒子であることを特徴とする請求項1に記載のナノ粒子体の製造方法。
- 前記金属又は金属酸化物のナノ粒子が、酸化チタンのナノ粒子であって、前記ナノ粒子を含有する水溶液に、前記界面活性剤を含有する水溶液を混合する混合工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のナノ粒子体の製造方法。
- 前記混合工程において、界面活性剤の量を酸化チタン1gに対し1mmol以上3mmol以下とすることを特徴とする請求項3に記載のナノ粒子体の製造方法。
- 前記ナノ粒子が、平均粒子径8nm以下のシングルナノ粒子であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のナノ粒子体の製造方法。
- 前記金属又は金属酸化物のナノ粒子が、酸化鉄のナノ粒子であって、水酸化鉄水溶液を加熱して水溶液中に酸化鉄を生成させた水溶液に前記界面活性剤を混合する混合工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のナノ粒子体の製造方法。
- 前記金属又は金属酸化物のナノ粒子が、銀のナノ粒子であって、硝酸銀水溶液に、前記界面活性剤と還元剤とを含有する水溶液を混合する混合工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のナノ粒子体の製造方法。
- 金属又は金属酸化物のナノ粒子に、下記化学式(1)
で示されるリン酸系の界面活性剤で表面に被覆を施した粉末であることを特徴とするナノ粒子体。 - 前記金属又は金属酸化物のナノ粒子が、酸化チタン、酸化鉄又は銀のナノ粒子であることを特徴とする請求項8記載のナノ粒子体。
- 前記金属又は金属酸化物のナノ粒子が、酸化チタンのナノ粒子であって、平均粒子径8nm以下のシングルナノ粒子であることを特徴とする請求項9に記載のナノ粒子体。
- 極性有機溶媒への親和性を有する親水基と非極性有機溶媒への親和性を有する疎水基とを粒子表面に有することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載のナノ粒子体。
- 非極性有機溶媒、極性有機溶媒のいずれに対しても平均凝集粒子径が200nm以下で分散することを特徴とする請求項8から請求項11のいずれかに記載のナノ粒子体。
- 請求項8から請求項12のいずれかに記載のナノ粒子体を、非極性有機溶媒又は極性有機溶媒中に分散する分散工程を含むことを特徴とするナノ粒子分散体製造方法。
- 請求項8から請求項12のいずれかに記載のナノ粒子体と、非極性有機溶媒又は極性有機溶媒とを含有することを特徴とするナノ粒子分散体。
- 前記ナノ粒子体が、分散体中で平均凝集粒子径200nm以下であることを特徴とする請求項14に記載のナノ粒子分散体。
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