以下に本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
(カラー電子写真画像形成装置の全体的な概略構成)
図1の(a)と(b)は本実施例におけるカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置と称する)100の外観斜視図と概略の縦断右側面図である。この画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。即ち、パソコン・イメージリーダ・相手方ファクシミリ装置等のホスト装置(不図示)から制御回路部(不図示)へ入力する電気的画像信号に基づいてシート状の記録媒体Sに対する画像形成を実行する。ここで本実施例に示す画像形成装置100は、複数のカートリッジ(4y・4m・4c・4k)が一方向即ち垂直方向(鉛直方向)に隣接して取り外し可能に装着された状態で、記録媒体Sにカラー画像を形成するカラー電子写真画像形成装置である。
以下の説明において、画像形成装置に関して、前側又は正面側とは装置開閉用のドア10を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、画像形成装置の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。また、装置本体とは、カートリッジを除いた画像形成装置部分である。
装置本体101内のほぼ中央部には、潜像が形成される像担持体としての電子写真感光体ドラム1(以下、ドラムと記す)が配設されている。ドラム1は矢印の反時計回りに回転駆動される。このドラム1の周囲には、ドラム回転方向に従って順に、ドラムに作用するプロセス手段としての、帯電手段2、現像手段4、ドラムクリーニング手段6が配置されている。また、画像露光手段3、及び、中間転写手段5が配置されている。
ドラム1は、例えばアルミシリンダの外周面に有機光導電体層(OPC感光体)を塗布したものであり、ドラム軸線を左右方向にして両端部が装置本体側の左右の支持部材(不図示)に回転自在に支持されている。そして、一方側のドラム端部に駆動モータ(不図示)からの駆動力を受ける為の駆動伝達手段(不図示)が配置されている。この駆動伝達手段に駆動力が伝達される。これにより、ドラム1は矢印の反時計周りに所定の速度で回転する。
帯電手段(プロセス手段)2は本実施例では接触帯電方式であり、接触帯電部材はローラ状に形成された帯電ローラ(導電性ローラ)である。帯電ローラ2はドラム1に対してほぼ並行にかつ当接して配設されており、ドラム1の回転に従動して回転する。そして、この帯電ローラ2に電源部(不図示)から所定の帯電バイアス電圧が印加されることで、ドラム1の表面が所定の極性・電位を一様に帯電される。
画像露光手段3は本実施例ではレーザースキャナユニットであり、ドラム1の下方向に配置されている。ユニット3は、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、Fθレンズ、反射ミラー等を有し、ホスト装置から制御回路部へ入力する各色の画像情報に対応して変調したレーザービームLを出力してドラム1の帯電処理面を走査露光する。これによって、ドラム1面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
現像手段(プロセス手段)4はドラム1に形成された静電潜像を現像剤であるトナーを用いて顕像化する装置である。本実施例においては、複数の現像手段として、収容しているトナーの色が互いに異なる第1乃至第4の4つの現像装置4(4y・4m・4c・4k)がドラム1とドア10との間において上下方向に隣接して配置されている。各現像装置4y・4m・4c・4kはそれぞれ装置本体101のカートリッジ装着部102に対して取り外し可能に装着される現像カートリッジ(以下、カートリッジと記す)である。即ち、現像カートリッジ4は、現像ローラ40と、現像ローラ40によって、前記静電潜像の現像に用いられるトナーを収納しているトナー収納部4tを有する。現像カートリッジ4は、使用者によって、装置本体101に取り外し可能に装着される。
第1のカートリッジ4yは現像剤としてイエロー色(y色)のトナーを収納したものである。このカートリッジ4yを以下イエローカートリッジと記す。第2のカートリッジ4mは現像剤としてマゼンタ色(m色)のトナーを収納したものである。このカートリッジ4mを以下マゼンタカートリッジと記す。第3のカートリッジ4cは現像剤としてシアン色(c色)のトナーを収納したものである。このカートリッジ4cを以下シアンカートリッジと記す。第4のカートリッジ4kは現像剤としてブラック色(k色)のトナーを収納したものである。このカートリッジ4kを以下ブラックカートリッジと記す。
各カートリッジ4は、それぞれ、ドラム1に対してトナーを供給する現像ローラ40を有している。また、各カートリッジ4は、図には省略したが、それぞれ、現像ローラ40に対してトナーを塗布するトナー塗布部材、塗布されたトナーの層厚を規制すると共にトナーに電荷を付与する現像ブレード、トナー攪拌搬送部材なども有している。
上記4つのカートリッジ4y・4m・4c・4kは選択的に現像動作制御されてドラム1に形成された静電潜像を現像する。即ち、選択されたカートリッジについて、現像ローラ40等が駆動されると共に、現像ローラ40に電源部(不図示)から所定の現像バイアスが印加される。これにより、ドラム1に形成された静電潜像の現像がそのカートリッジにより行われる。即ち、現像ローラ40によって、トナーを用いて、前記静電潜像の現像が行われる。
ここで、本実施例においては、ブラックカートリッジ4kは、他のカートリッジ4y・4m・4cに比べて、トナー容量が大きい。これはブラックトナーの使用頻度が多いため、ブラックカートリッジ4kのみトナーの収容量を増やしている為である。
中間転写手段5は本実施例では中間転写ベルトユニットである。このユニット5は、中間転写体としての誘電体製で可撓性を有するエンドレスの中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)51を有する。また、このベルト51を懸回張設している第1ローラ52及び第2ローラ53と、第1ローラ52と第2ローラ53との間に配置されてベルト51を挟んでドラム1に圧接している1次転写ローラ12を有する。ドラム1とベルト51の接触部が1次転写ニップ部である。
第1ローラ52のベルト懸回部には2次転写ローラ32が対向して配設されている。2次転写ローラ32は移動機構(不図示)によりベルト51を挟んで第1ローラ52に圧接した作用位置と、ベルト51から離間した非作用位置とに切り換え移動される。2次転写ローラ32は常時は非作用位置に保持されている。そして、所定の制御タイミングにて作用位置に移動される。2次転写ローラ32が作用位置に移動された状態において、2次転写ローラ32とベルト51の接触部が2次転写ニップ部である。
第2ローラ53のベルト懸回部には、ベルト51の表面をクリーニングするベルトクリーニング手段7が配設されている。このベルトクリーニング手段7は移動機構(不図示)によりクリーニング部材がベルト51の表面に接触した作用位置と、クリーニング部材がベルト51の表面から離間した非作用位置とに切り換え移動される。ベルトクリーニング手段7は常時は非作用位置に保持されている。そして、所定の制御タイミングにて作用位置に移動される。
ドラムクリーニング手段(プロセス手段)6は、ベルト51に対するトナー画像の1次転写後のドラム1面から1次転写残トナーを除去する手段であり、本実施例ではクリーニング部材としてクリーニングブレード61を用いている。ドラム面から除去されたトナーはクリーナ容器62に収容される。
制御回路部は画像形成スタート信号が入力すると、メインモータ(不図示)を駆動させる。これにより、ドラム1が所定の速度で回転駆動される。また、ベルト51もドラム1の回転方向に順方向にかつドラム1の速度に対応した速度で回転駆動される。2次転写ローラ32とベルトクリーニング手段7は、それぞれ、ベルト51から離間した非作用位置に移動されて保持されている。帯電ローラ2に所定の帯電バイアスが印加される。これにより回転しているドラム1の表面が所定の極性・電位に均一に帯電される。レーザースキャナユニット3からフルカラー画像のy色成分画像信号に対応して変調されたレーザービームLが出力されてドラム面が走査露光される。これにより、ドラム面にy色成分画像に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像が現像動作制御されたイエローカートリッジ4yによりy色トナー画像(現像剤像)として現像される。そのy色トナー画像が1次転写ニップ部においてベルト51の面に1次転写される。1次転写ローラ12には所定の制御タイミングで電源部(不図示)からトナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の1次転写バイアスが印加される。1次転写後のドラム1面はドラムクリーニング手段6によりクリーニングされる。
y色トナー画像のベルト51に対する1次転写が終了すると、ドラム1に対してフルカラー画像のm色成分画像に対応したm色トナー画像を形成する帯電・露光・現像の工程が実行される。そのm色トナー画像が1次転写ニップ部において、ベルト51上にすでに転写されているy色トナー画像に所定の位置合わせ状態にて重畳されて1次転写される。
m色トナー画像のベルト51に対する1次転写が終了すると、ドラム1に対してフルカラー画像のc色成分画像に対応したc色トナー画像を形成する帯電・露光・現像の工程が実行される。そのc色トナー画像が1次転写ニップ部において、ベルト51上にすでに転写されているy色+m色のトナー画像に所定の位置合わせ状態にて重畳されて1次転写される。
c色トナー画像のベルト51に対する1次転写が終了すると、ドラム1に対してフルカラー画像のk色成分画像に対応したk色トナー画像を形成する帯電・露光・現像の工程が実行される。そのk色トナー画像が1次転写ニップ部において、ベルト51上にすでに転写されているy色+m色+c色のトナー画像に所定の位置合わせ状態にて重畳されて1次転写される。
このようにして、ベルト51上にはy色+m色+c色+k色の4色フルカラーの未定着トナー画像が合成形成される。
なお、ドラム1に対して順次に形成する色トナー画像の色順は本実施例のようなy色→m色→c色→k色の色順に限られるものではなく、適宜の色順で行うことができる。
ベルト51上に形成された4色フルカラーの未定着トナー画像の画像先端部がベルト51の移動により2次転写ローラ32の位置に到達する前に、2次転写ローラ32がベルト51に接触した作用位置に移動される。また、ベルトクリーニング手段7も所定の制御タイミングでベルト51に対する作用位置に移動される。
一方、所定の制御タイミングで給送部16の給送ローラ18が駆動されて、シート状の記録媒体Sが積載収容されているカセット17から記録媒体Sが1枚分離されて給送される。カセット17は装置本体101の前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。17aはカセット17の前面に配設されている取手部である。給送された記録媒体Sはレジストローラ対19によって所定の制御タイミングにて2次転写ローラ32とベルト51との接触部である2次転写ニップ部に導入される。2次転写ローラ32には電源部(不図示)からトナーの帯電極性とは逆極性で所定電位の2次転写バイアスが印加される。これにより、記録媒体Sが2次転写ニップ部を挟持搬送されていく過程で、ベルト51上の4色重畳のトナー画像が記録媒体Sの面に順次に一括2次転写される。
記録媒体Sはベルト51の面から分離されて定着部20へ導入される。定着部20は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着(溶融混色定着)させるものである。回転する加熱ローラ21bと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ21aを有する。即ち、ドラム1上のトナー画像を転写された記録媒体Sは、定着部20を通過する際に、定着ローラ対21b・21aで挟持搬送される。そして、定着ローラ対21b・21aによって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー画像が記録媒体Sの表面に定着される。そして、記録媒体Sは定着部20を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対23によって、排出部24から装置本体外に排出される。
モノクロ画像形成モードの場合は、ブラックカートリッジ4kを用いた画像形成だけが行われる。
(カートリッジ交換方式)
各カートリッジ4(4y・4m・4c・4k)は、画像形成に使用されるにつれて、それぞれ、収容されている現像剤(トナー)が消費される。
そこで、例えば、個々のカートリッジの現像剤残量を検知する手段(不図示)を具備させて、制御回路部において、検知残量値を、予め設定したカートリッジ寿命予告や寿命警告のための閾値と比較させる。そして、検知残量値が閾値よりも少ない残量値となったカートリッジについては、表示部(不図示)に、そのカートリッジについての寿命予告あるいは寿命警告を表示させる。これにより使用者に、交換用のカートリッジの準備を促す、あるいはカートリッジの交換を促して、出力画像の品質を維持するようにしている。
本実施例の画像形成装置において、カートリッジの交換は、ユーザビリティ向上のために、フロントアクセスにより交換する方式である。
以下、これについて詳述する。装置本体101の前面側には、カートリッジ装着部102へカートリッジを挿入する、及び、装置本体からカートリッジを取り出すために、カートリッジを通過させる開口部103が設けられている。そして、この開口部103を閉じる閉鎖位置と、開口部103を開放する開放位置と、の間を移動可能な開閉部材としてのドア10が設けられている。本実施例においては、ドア10は、ドア下辺側の横軸(ヒンジ軸)10bを中心に装置本体101に対して開閉回動可能である。すなわち、ドア10は、ヒンジ軸10bを中心に立て起こし方向に回動して、図1のように、装置本体101の開口部103に対して閉じ込んだ状態にすることができる。このドア10の閉じにより開口部103が閉鎖される。また、ヒンジ軸10bを中心に装置本体101の手前側に倒し回動して、図2のように、装置本体101から開いた状態にすることができる。これにより、装置本体前面の開口部103が開放される。10aはドア10に設けた取手部である。ドア10が開かれることで、カートリッジ装着部102が開放されて、カートリッジ装着部102に装着されている各カートリッジ4の前面側(外表面)が図2のように開口部103に露呈する。図3の(a)と(b)は、ドア10が開かれていて、かつカートリッジ装着部102にカートリッジ4が装着されていない状態の装置本体101について、それぞれ、見る方向を違えた斜視図である。
カートリッジ装着部102において、装置本体101の右側フレーム104Rと左側フレーム104Lの内壁面には、ガイド部(本体側ガイド部、カートリッジ着脱ガイド部)25R・25Lが対向して設けられている。ガイド部25R・25Lは、各カートリッジ4が装置本体101に装着される際、及び、装置本体101から取り外される際に、カートリッジ4をガイドするものである。本実施例においては、各カートリッジ4y・4m・4c・4kに対応する4組のガイド部25R・25Lが上下方向に隣接して設けられている。25Ry・25Lyがイエローカートリッジ4yに対応するガイド部、25Rm・25Lmがマゼンタカートリッジ4mに対応するガイド部である。また、25Rc・25Lcがシアンカートリッジ4cに対応するガイド部、25Rk・25Lkがブラックカートリッジ4kに対応するガイド部である。
図4の(a)は各カートリッジ4y・4m・4c・4kを左側から見た斜視図、(b)は各カートリッジ4y・4m・4c・4kを右側から見た斜視図である。各カートリッジ4y・4m・4c・4kの左側面部と右側面部にはそれぞれ被ガイド部4Lと4Rが設けられている。そして、各カートリッジ4y・4m・4c・4kは、それぞれ、左右の被ガイド部(カートリッジ側ガイド部)4L・4Rをカートリッジ装着部102側の対応する左右のガイド部25R・25Lに係合される。その係合状態でカートリッジをスライド移動させることで、カートリッジが装着部102に対して着脱される。
ここで、上下方向に隣接の左右4つずつの上記ガイド部25R、25Lに関して、上側のガイド部3個の各間隔はほぼ同じであるのに対して、最も下側のガイド部25Rk・25Lkは直上のガイド部25Rc・25Lcに対して前記間隔よりも間隔が空いている。これは最下側のガイド部25Rk・25Lkに挿入されるブラックカートリッジ4kの容量が大きい為に、ガイド間の間隔を広げている為である。
各ガイド部25R・25Lは前後方向に略水平方向に延在していて、その先にはドラム1が配設されている。ガイド部25R・25Lの延在方向は、カートリッジ4の着脱方向とほぼ同方向となっている。
図5はカートリッジ4を装置本体101に取り付ける様子を示した図である。使用者は新規に装置本体を使用する際や、或は使用済みのカートリッジを新品のカートリッジ4に交換する際には、カートリッジ4を装置本体101のカートリッジ装着部102に装着する作業を行う。
先ず、ドア10を開ける。そうすると、開口部103からカートリッジ着脱部102が露呈して左右のガイド部25R・25Lが見える。使用者は、カートリッジ4の外側表面から突出した把持部13(13y・13m・13c・13k)を手で掴んで、左右側の被ガイド部4R・4Lをカートリッジ装着部102の左右側のガイド部25R・25Lに合わせて係合させる。そして、被ガイド部4R・4Lをガイド部25R・25Lに沿わせてスライドさせてカートリッジ4をカートリッジ装着部102内に挿入していく。カートリッジ4の装着方向(矢印X2)は、前述したようにガイド部25R・25Lの延在方向とほぼ同方向であり、カートリッジ4は装置本体101の前面からほぼ水平方向に装着される。図2は4つのカートリッジ4y・4m・4c・4kを全て挿入装着した状態を示している。各カートリッジ4は一方向X1(この例では鉛直方向)に隣接する形で配置される。そして、ドア10を閉じ込む。これにより、画像形成装置100は画像形成動作が可能な状態になる。
カートリッジ4が寿命を迎えた際には、使用者はカートリッジ4を装置本体101から取り外す作業を行う。尚、ここで、カートリッジ4の寿命とは、使用者が満足できる程度の品質の画像形成を行うことが出来なくなった状態である。取り外し作業は、前述した装着手順を反対から行う。つまり、閉じ込まれているドア10を開く。これにより、カートリッジ装着102が開放されて、装着102に装着されている各カートリッジ4の、把持部13(13y・13m・13c・13k)が設けられている外側表面が図2に示すように開口部103に露呈する。そこで、交換すべきカートリッジ4の把持部13を手で掴んで、被ガイド部4R・4Lをガイド部25R・25Lに沿わせてスライドさせてカートリッジ4をカートリッジ装着部102の外に取り外す。ここで、カートリッジ4の取り外し方向(矢印X3)は、装着方向(矢印X2)の正反対方向で、装置本体101の前面からほぼ水平方向に取り外しされる。カートリッジ4の着脱方向とは、前記装着方向と前記取外し方向を示している。
以上のように、各カートリッジ4には各々把持部13(13y・13m・13c・13k)が設けられている。使用者はその把持部13を手で掴む。これによって、カートリッジ4を容易に装置本体101のカートリッジ装着部102に対して着脱する作業を行うことができる。使用者は、把持部13を掴んで、現像ローラ40を先端にして装置本体101に各カートリッジ4を取り外し可能に装着する。各カートリッジ4は、現像ローラ40がドラム1の円弧部分に沿うように装着される。そこで、装置本体に101に装着された各カートリッジ4の先端位置は、X2方向にずれている(図1(b))。各カートリッジ4は、カートリッジ装着部102に装着された状態で、前記静電潜像の現像を行う。この際に、本実施例では、現像ローラ40と感光体ドラム1とは、スペーサ(不図示)を介して間隙を有した状態で現像を行う。スペーサ(不図示)は、現像ローラ40の一端と他端とに設けられている。尚、これに限定されずに、現像を行う際に、現像ローラ40と感光体ドラム1とを接触させるプロセスを用いても良い(所謂接触現像方式)。
(カートリッジ把持部の構成例1)
図2・図4・図5に示すように、各カートリッジ4の把持部13y・13m・13c・13kは、互いに隣接するカートリッジの把持部に対してずれて配置されている。つまり、イエローカートリッジ4yに設けられた把持部13yは、隣接するマゼンタカートリッジ4mに設けられた把持部13mに対してずれている。同様に、シアンカートリッジ4cに設けられた把持部13cは隣接するマゼンタカートリッジ4mに設けられた把持部13m及びブラックカートリッジ4kに設けられた把持部13kに対してずれている。ブラックカートリッジ4kに設けられた把持部13kは隣接するシアンカートリッジ4cに設けられた把持部13cに対してずれている。
把持部のずれている方向(矢印X4)は、複数カートリッジ4y・4m・4c・4kの隣接方向である前記一方向(矢印X1)と直交する方向で、かつカートリッジ4の着脱方向(矢印X2、及びX3)と直交する方向となっている。
以上、各把持部13y・13m・13c・13kは隣接するカートリッジの把持部に対して前記X4方向にずれて配置されている。そのため、使用者がどれかのカートリッジ4の把持部13を把持する際に、隣接するカートリッジの把持部が邪魔になる恐れが少なくなり、容易に把持部を把持することができる。
前述した通り、各カートリッジ4の有する把持部13は、装置本体101にカートリッジ4を装着する装着方向X2において、それぞれ、カートリッジの後端側に配置されている。そして、前記後端側から装着方向X2上流側に向かって突出可能である。そして、使用者が、装置本体101に対してカートリッジ4を着脱する際には、使用者が突出した状態の把持部13をつかむことができる。
そして、各カートリッジ4が装置本体101に対して装着されている状態で、各把持部の少なくとも一つは、前記装着方向X2と直交する方向X4において、隣接するカートリッジ4の把持部13に対してずれて配置されている。ここで、前記装着方向X2と直交する方向X4とは、カートリッジ4の長手方向である。即ち、現像ローラ40の長手方向である。したがって、カートリッジ4は、現像ローラ40の長手方向と直交する方向に、装置本体101に対して着脱される。尚、方向X4は、各カートリッジ4の長手方向である。また、方向X4は、現像ローラ40の長手方向である。各カートリッジ4は、カートリッジ4の長手方向と直交する方向に移動して、装置本体101に対して着脱される。
これによって、装置本体101に対してカートリッジ4を着脱する際に、使用者が把持部13を掴み易くなる。したがって、装置本体101に対してカートリッジ4を着脱する
操作性を向上することが出来る。
図6は、図4の各カートリッジ4(4y・4m・4c・4k)を正面から見た図である。各把持部13(13y・13m・13c・13k)がずれて配置されている。その為、各把持部13y・13m・13c・13kの矢印X1方向には空間Kが形成される。使用者はどれかのカートリッジ4の把持部13を掴む際に、空間Kに手を入れることができる。そこで、把持部13を掴み易い。各把持部13y・13m・13c・13kが仮にずれていない場合と比べ、およそ2倍の空間を形成することができる。
また、各把持部13y・13m・13c・13kの長手中央線L1は、隣接する把持部13と重ならないようになっている。従って、使用者が把持部13をほぼ中央で掴むことを考慮すると、ただずれているだけの場合と比較して、より把持部13を把持しやすい。つまり各把持部13y・13m・13c・13kの矢印X1方向の空間Kをより広く取ることができる。
また、各把持部13y・13m・13c・13kは、図6に示したように、カートリッジ4の左右方向である長手中央線L2とオーバーラップするように配置されている。従って、カートリッジ4の重心がほぼ長手の中央付近にあるとすると、各把持部13y・13m・13c・13kは各カートリッジ4y・4m・4c・4kの重心からそれほど離れない位置に設けられている。そのため、把持部13を把持した際に、カートリッジ4の重みでカートリッジ4が傾いたりするおそれが少ない。
(カートリッジ把持部の構成例2)
図7は、カートリッジ把持部の構成例1(図6)に対し、把持部13をさらに矢印X4方向にずらした例である。本例では、X4方向において各把持部13y・13m・13c・13kは、隣接するカートリッジの把持部に対して重ならないようになっている。即ち、把持部13は、直交する方向X4において、隣接するカートリッジの有する把持部とは重ならない位置に設けられている。
従って、使用者はどれかのカートリッジ4の把持部13を、構成例1と比較してさらに容易に掴む事ができる。つまり矢印X1方向の空間Kが、構成例1の空間Kに比べ矢印X4方向に広がる。そのため、構成例1と比較して、把持部13をより把持し易い。
(カートリッジ把持部の構成例3)
図8は、カートリッジ把持部の構成例2(図7)に対し、ブラックカートリッジ4kの把持部13kの位置を変えた例である。ブラックカートリッジ4kの把持部13kは隣接するシアンカートリッジ4cの把持部13cに対してずれていない。これは、先述の通り、ブラックカートリッジ4kの容量が大きい。その為に、シアンカートリッジ4cとブラックカートリッジ4k間の間隔Y1が、他のカートリッジ間の間隔Y2よりも大きく設定されている。従って、ブラックカートリッジ4kについては把持部13kをずらさなくても、隣接するシアンカートリッジ4cの把持部13cに邪魔されることがない。つまり把持部13kの矢印X1方向の空間Kが十分にある場合には、把持部をずらさなくてもよく、ずらす把持部13は、マゼンタカートリッジ4mの把持部13mだけでも良い。
(カートリッジ把持部の構成例4)
図9は、カートリッジ把持部の構成例1〜3(図6〜図8)に対し、把持部を各カートリッジ4(4y・4m・4c・4k)に2個ずつ取り付けた例である。
使用者は、各カートリッジ4y・4m・4c・4kの左右方向の一端部に設けられた第1の把持部14(14y・14m・14c・14k)、及び他端部に設けられた第2の把持部15(15y・15m・15c・15k)を両手で掴む。これにより、カートリッジ4の着脱作業を行う。使用者はカートリッジ4を両手で保持できるので、片手で操作する場合(構成例1〜3)と比べ、安定して保持しやすい。
この場合の第1と第2の把持部14・15に関しても、構成例1〜3と同様に、各把持部14・15は隣接するカートリッジの把持部に対して前記X4方向にずれて配置されている。そのため、使用者がどれかのカートリッジ4の第1と第2の把持部14・15を把持する際に、隣接するカートリッジの把持部が邪魔になる可能性が少なくなり、容易に把持部を保持することができる。
また、各把持部14・15の長手中央線L1は、隣接する把持部と重ならないようになっている。従って、使用者が第1と第2の把持部14・15をほぼ中央で掴むことを考慮すると、ただずれているだけの場合と比較して、より把持部14・15を把持しやすい。つまり各把持部14・15の上下の空間をより広く取ることができる。
また、各把持部14・は、図9に示したようにカートリッジ4の長手中央線L2を挟むように設けられている。従って、カートリッジ4の重心がほぼ長手の中央付近にあるとすると、使用者は重心を挟んだ両側でカートリッジ4を把持できる。そこで、カートリッジ4を安定して保持できる。
(カートリッジ把持部の構成例5)
図10は、カートリッジ把持部の構成例4(図9)に対し、第1の把持部14と第2の把持部15を各々カートリッジ4の左右方向である長手中心線L2を挟んで等距離に配置した例である。イエローカートリッジ4yの中心L2からの第1の把持部14yまでの距離W1と、中心L2から第2の把持部15yまでの距離W2は等しい。同様に、マゼンタカートリッジ4mの把持部14mと15m、シアンカートリッジ4cの把持部14cと15c、ブラックカートリッジ4kの把持部14kと15kは、各々カートリッジ4の中心L2からの距離が等しい。従って、カートリッジ4の重心がほぼ長手の中央付近にあるとすると、使用者は、把持部14と15を重心からほぼ等距離の位置で掴むことができる。そのため、より安定してカートリッジ4を保持できる。
また、各第1の把持部14(14y・14m・14c・14k)は、隣接する把持部とのX4方向中心線L3を挟んで左右交互に設けられている。また第2の把持部15(15y・15m・15c・15k)に関しても、隣接する把持部とのX4方向中心線L4を挟んで左右交互に設けられている。従って、使用者は、カートリッジ4の両端で把持部14、15を掴むことができる。したがって、安定してカートリッジ4を保持できる。
本実施例は、装置本体101に装着されているカートリッジ4が第1の把持部14と第2の把持部15とを有する。そして、装置本体101にカートリッジ4(4y、4c)を装着する装着方向(X2)と直交する方向(X4)において、カートリッジ4の中心L2から第1の把持部14までの距離W1と、中心L2から第2の把持部15までの距離W2が等しい。また、カートリッジ4(4y、4c)と隣り合ったカートリッジ4(4m、4k)の中心L2から第1の把持部14までの距離W1aと、中心L2から第2の把持部15までの距離(W2a)が等しい。そして、カートリッジ4(4y、4c)の前記距離W1、W2と、カートリッジ4(4y、4c)と隣り合ったカートリッジ4(4m、4k)のW1aとW2aは異なっている。
これによって、本実施例によれば、使用者が容易に把持部14、15を掴むことができる。また、使用者は、一方の手で把持部14を掴み、他方の手で把持部15を掴むとができる。
(カートリッジ把持部の構成例6)
図11は、カートリッジ把持部の構成例5(図10)に対し、把持部14・15をさらに矢印X4方向にずらした例である。本例では、X4方向において各把持部14・15は、隣接するカートリッジの把持部に対して重ならないようになっている。従って、使用者は前述の例5に比べさらに把持部14・15を容易に掴む事ができる。
(カートリッジ把持部の構成例7)
図12は、カートリッジ把持部の構成例5(図10)と構成例6(図11)に対し、第1の把持部14と第2の把持部15間の距離を、各カートリッジ4y・4m・4c・4k毎に同じにした例である。イエローカートリッジ4yの第1の把持部14yから第2の把持部15yまでの距離W3と、マゼンタカートリッジ4mの第1の把持部14mから第2の把持部15mまでの距離W4は等しい。同様に、シアンカートリッジ4cの第1の把持部14cと第2の把持部15cまでの距離、及びブラックカートリッジ4kの第1の把持部14kと第2の把持部15kまでの距離は等しい。従って、構成例5や構成例6に比べ、カートリッジ4毎の把持部間距離が一定なので、より保持しやすい。つまり仮にカートリッジ毎に把持部間距離が異なる場合、カートリッジの操作性に差を生じる。しかし、本例に拠れば、把持部間の距離を一定にできる。したがってので、各カートリッジ4の操作性に差を生じさせることがないので、操作しやすい。
(カートリッジ把持部の構成例8)
図13に示す例は、カートリッジ把持部の構成例7(図12)に対し、ブラックカートリッジ4kの把持部14k・15kの位置を変えた例である。これは構成例3(図8)で示したように、ブラックカートリッジ4kの容量が大きく、隣接のシアンカートリッジ4cとの間隔Y1が、他のカートリッジ間の間隔Y2よりも大きく設定されている場合に適用できる。効果は構成例3と同様である。
(カートリッジ把持部の収納構成例1)
図14の(a)と(b)は上述のカートリッジ把持部の構成例1(図6)で示したカートリッジ4の把持部13を拡大した図とカートリッジ4の側面図である。
カートリッジ4の把持部13はその長手両端部(左右方向両端部)に軸部13a・13bを有していて、軸部13a・13bがカートリッジ4の枠体に設けられた取り付け部4a・4bに取り付けられている。
即ち、取り付け部4a・4bは、装置本体101にカートリッジ4を装着する装着方向X2において、それぞれ、各カートリッジ4の後端側に配置されている。取り付け部4a・4bは、軸部13a・13bが回転できるように半円形状を有している。したがって、把持部13は、装着方向X2において、前記後端側から上流側に向かって突出可能である。
取り付け部4a・4bの入り口はスナップフィット形状となっていて、軸部13a・13bを取り付け部4a・4bに取り付けた後に、取り付け部4a・4bから軸部13a・13bが外れるのを防止している。
把持部13は軸部13a・13bを中心に矢印Z1方向に回動(移動)できるようになっている。
図14の(c)は把持部13が回動した様子を示す側面図である。このように、把持部13は、(a)と(b)に示すようにカートリッジ4の枠体の外側表面から突出した突出位置と、(c)に示すような前記突出位置よりも、一部がカートリッジ4の外側表面に近い退避位置(収納位置)との間を移動可能な構成となっている。
尚、把持部13(14、15)が突出位置に位置した状態を例えば、図2、図4乃至図13、図14(a)(b)に示す。また、把持部13(14、15)が退避位置に位置した状態を例えば、図1(b)、図14(c)、図15、図16、図17に示す。
ここで、前記退避位置とは、前記突出位置と比較して、把持部13が装着方向X2において上流側に向かって突出するに要する空間が少なくなる位置である。具体的には、前記退避位置とは、前記退避位置に位置している把持部13の先端が、前記突出位置に位置している把持部13の先端のよりも、カートリッジ4の枠体の外側表面に近い位置に位置する位置である。即ち、前記退避位置とは、把持部13が、前記突出位置よりも前記上流側とは反対側に位置する位置である。
また、把持部13には、ストッパー13dが設けられていて、把持部13が矢印Z1方向と逆方向に回動するのを規制している。つまりカートリッジ4の枠体の一部にストッパー13cが当接してそれ以上移動するのを規制している。これによって、把持部13を掴んでカートリッジ4を持ったとしても、安定してカートリッジ4を保持できる。
通常、使用者が把持部13を把持してカートリッジ4の着脱作業を行う際には、カートリッジ4の重心Gがカートリッジ4のほぼ中心にあるとすると、ストッパー13dがカートリッジ4の枠体に当接する。これにより、把持部13は、図14の(a)と(b)に示すような突出位置を維持する。
そして、カートリッジ4を装置本体101の装着部103に装着し、ドア(開閉部材)10を閉めると、ドア10に設けられた当接部10c(図15)が把持部13の一部に当接して、把持部13を突出位置から退避位置に移動させる。図15は把持部13が退避位置に位置する際の、カートリッジ4周辺の構成を示す側面図である。
尚、ドア10が開いている場合、把持部は自身の重量により、前記突出位置に位置している。従って、ドア10を開けた状態で、使用者は把持部13を認識しやすい。
このように、把持部13を移動可能な構成としたことで、図15の横方向(装着方向X2方向、奥行き方向)におけるサイズを小さくすることができる。
即ち、把持部13を突出位置から退避位置に移動させることができるので、装置本体101のカートリッジ装着方向X2 のサイズを小型化できる。装置本体101の奥行きのサイズを小型化できる。
また、前述した実施例によれば、把持部13は回転中心(軸部13a、13b)を中心にして回動することで、前記突出位置から前記退避位置に移動する。そして、ドア10が閉じる際の移動方向(回動方向)と、各把持部13が前記突出位置から前記退避位置へ移動する際の移動方向(回動方向)とが同じ方向である。これによって、本実施例では、ドア10を閉じさえすれば、把持部13を前記突出位置から前記退避位置に移動することができる。
また、本実施例によれば、ドア10を閉める動作でドア10に設けられた当接部10cが把持部13の一部に当接する。これによって、把持部13は、前記回転中心(軸部13a、13b)を中心にして上方へ回動して前記突出位置から前記退避位置に移動する。そして、ドア10が開放されると自重によって前記退避位置から前記突出位置へ移動することができる。これは、前記退避位置に位置した把持部13は、軸部13a、13bを下方にして、ドア10側に向かって斜め上方に傾斜した状態で、ドア10に支えられているからである。そこで、ドア10が開放されると、把持部13は、ドア10による支えが無くなって、自重によって前記退避位置から前記突出位置へ移動する。
また、把持部13は、前記退避位置に位置している状態で、ドア10とカートリッジ4との間の空間に位置する。これによって、本実施例によれば、前記空間を有効に活用することができる。
また、把持部13は、前記退避位置に位置している状態で、装着方向X2から見て、隣接するカートリッジ4と重なっている。即ち、装着方向X2から見て、把持部13mはカートリッジ4mと隣接するカートリッジ4yと重なっている。また、装着方向X2から見て、把持部13cはカートリッジ4cと隣接するカートリッジ4mと重なっている。また、装着方向X2から見て、把持部13kはカートリッジ4kと隣接するカートリッジ4cと重なっている。これによって、本実施例によれば、使用者が把持部13を掴みやすくするために、把持部13を大きくしたとしても、装置本体101の奥行き(X2方向)のサイズを小型化できる。
本実施例では、ヒンジ軸10b(回転中心10b1)を、装置本体101に装着された各カートリッジ4の有する軸部13a・13bよりも下方になるように設けている。そのうえで、ドア10を下方から上方に向かって閉じる。これによって、突出位置に位置している把持部13を、軸部13a・13bを回転中心として上方に向かって回転させて、退避位置に位置させることができる。したがって、装置本体101の奥行き(X2方向)のサイズを小型化できる。更に、ドア10を開く際には、把持部13の自重によって、退避位置に位置する把持部13を突出位置まで移動させる(回転させる)ことができる。よって、退避位置に位置する把持部13を突出位置まで移動させるために、弾性部材等を用いなくても良い。
尚、後述する図17に示す実施例も同様である。また、把持部14、15においても
同様の構成を適用することができる。
また、把持部13を移動可能な構成としたことで、把持部13の突出量を大きくとることができる。つまり使用者はカートリッジ4をより掴みやすくなる。把持部13の突出量を大きくしても、把持部13が退避位置に移動可能な構成のため、装置本体100のサイズアップには余り影響しない。
本例では、カートリッジ把持部の構成例1で示した把持部に関して、移動可能な構成を示したが、他の把持部の構成例2乃至8に関しても同様な構成を取ることができる。
即ち、図9に図示した第1の把持部14(14y・14m・14c・14k)、及び、第2の把持部15(15y・15m・15c・15k)においても、同様の軸部14a・14b・15a・15bが設けられている。また、同様の取り付け部4a・4b・5a・5bが設けられている。また更に、同様のストッパー14d・15dが設けられている
本例では、ドア10を起点にして把持部13を移動させる構成としたが、それ以外にも、把持部自身の重量によって移動しても良い。或いは、把持部に付勢部材を当接させ、付勢部材の付勢力によって移動させる構成でもよい。また、カートリッジを装置本体に装着する動作で、把持部の一部を装置本体に当接させることによって、把持部を突出位置から退避位置に移動させてもよい。
前述した通り、把持部13は、カートリッジ4の後端側の外側表面からカートリッジ装着方向X2の上流側に向かって突出した突出位置と、前記突出位置よりも前記外側表面に近い退避位置と、の間を移動可能である。そして、把持部13は、前記突出位置に位置した状態で使用者に把持される。また、装置本体101はカートリッジ4を着脱するための開口部103と、開口部103を開閉するドア10を有する。そして、ドア10を閉める動作でドア10に設けられた当接部10cが把持部13の一部に当接する。これによって、把持部13は、前記突出位置から前記退避位置に移動する。尚、前記退避位置は、前記突出位置よりも装着方向X2において上流側とは反対側である。
(カートリッジ把持部の収納構成例2)
図16・図17は、把持部の構成例2(図7)で示した把持部構成において、前述した把持部の収納構成例1を利用した例である。構成例2で示した把持部の構成においては、X4方向において各把持部13は、隣接するカートリッジの把持部に対して重ならない構成となっている。従って、把持部13が突出位置から退避位置に移動する際に、各把持部13が隣接する把持部に干渉することなく移動できる。つまり前述の構成例1よりも更に把持部13が回動(移動)できるということである。
図17に示すように、図16の矢印X4方向から見た場合、各把持部13は隣接するカートリッジの把持部と少なくとも一部が重なった状態となる。イエローカートリッジ4yの把持部13yは、マゼンタカートリッジ4mの把持部13mと一部が重なっている。マゼンタカートリッジ4mの把持部13mは、イエローカートリッジ4yの把持部13y及びシアンカートリッジ4cの把持部13cと一部が重なっている。シアンカートリッジ4cの把持部13cは、マゼンタカートリッジ4mの把持部13m及びブラックカートリッジ4kの把持部13kはシアンカートリッジ4cの把持部13cと一部が重なっている。
即ち、把持部13は、カートリッジ4の前記後端側の外側表面から突出した突出位置と、前記突出位置よりも前記外側表面に近い退避位置と、の間を移動可能である。そして、前記一方向(鉛直方向)と直交する方向で、かつ、前記カートリッジの装着方向X2と直交する方向X4から見て、把持部13は、前記退避位置において、隣接するカートリッジの把持部と少なくとも一部が重なっている。
このように、各把持部13y・13m・13c・13kを矢印X4方向で隣接するカートリッジの把持部と重ならない構成とし、かつ把持部を移動可能な構成としたことで、図17の横方向におけるサイズを先述の収納構成1に比べ小さくすることができる。
また、先述の収納構成1と比べても、把持部13の突出量を大きくとることができる。つまり把持部13の突出量を大きくしても、隣接するカートリッジの把持部と一部が重なる構成のため、装置本体100のサイズアップに影響しない。
(カートリッジ把持部の色)
上述した全ての把持部の構成において、各把持部13y・13m・13c・13kは、取り付けられているカートリッジ4内に収容されている現像剤の色と同色又は同系統色で形成されている。つまり、把持部13yはイエロー色、把持部13mはマゼンタ色、把持部13cはシアン色、把持部13kはブラック色、となっている。把持部13の色を収容されている現像剤の色としたことで、使用者は把持しているカートリッジ4がどの色のカートリッジなのかを直感的に認識しやすい。従って、装置本体100内に装着する際に誤装着する可能性が少ないといった効果がある。図9乃至図13の把持部14y・14m・14c・14k及び/又は15y・15m・15c・15kについても同様である。
[実施例2]
図18は本実施例2における画像形成装置200の概略の縦断右側面図である。本実施例2の画像形成装置200も実施例1の画像形成装置100と同様に電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。ただし、本実施例2の画像形成装置200は、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の各色のトナー画像を形成する4つのプロセスカートリッジを横方向に配列した、所謂横タンデム型の画像形成装置である。ここで本実施例に示す画像形成装置200は、複数のカートリッジ(104y・104m・104c・104k)が一方向即ち水平方向に隣接して取り外し可能に装着された状態で、記録媒体Sにカラー画像を形成するカラー電子写真画像形成装置である。
(全体構成)
この画像形成装置200に関して、前側又は正面側とは装置開閉用のドア110を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、画像形成装置の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。また、装置本体とは、カートリッジを除いた画像形成装置部分である。
装置本体201の内部には後側から前側にかけて順に水平に第1乃至第4の4個のプロセスカートリッジP(Py・Pm・Pc・Pk)が並設されている。各プロセスカートリッジ(以下、カートリッジと記す)Pは、それぞれ、潜像が形成される像担持体としての電子写真感光体ドラム101(以下、ドラムと記す)を備えている。ドラム101は矢印の時計回りに回転駆動される。このドラム101の周囲には、ドラム回転方向に従って順に、ドラムに作用するプロセス手段としての、帯電手段102、現像手段104、ドラムクリーニング手段106が配置されている。帯電手段102は帯電ローラを用いている。現像手段104は、ドラム101に対する現像ローラ、現像ローラに対する現像剤塗布ローラ、現像ブレード、現像剤攪拌部材等を有し、現像剤としてのトナーを収容した現像ユニットである。ドラムクリーニング手段106はブレードクリーニング装置を用いている。各カートリッジPは、それぞれ、カートリッジ枠体に対してドラム101・帯電手段102・現像手段104・ドラムクリーニング手段106が組み付けられていて、装置本体201に対して着脱交換可能である。
第1のカートリッジPyは現像手段104yに現像剤としてイエロー色(y色)のトナーを収納したものであり、ドラム101の面にy色トナー画像が形成される。このカートリッジPyを以下イエローカートリッジと記す。第2のカートリッジPmは現像手段104mに現像剤としてマゼンタ色(m色)のトナーを収納したものであり、ドラム101の面にm色トナー画像が形成される。このカートリッジPmを以下マゼンタカートリッジと記す。第3のカートリッジPcは現像手段104cに現像剤としてシアン色(c色)のトナーを収納したものであり、ドラム101の面にc色トナー画像が形成される。このカートリッジPcを以下シアンカートリッジと記す。第4のカートリッジPkは現像手段104kに現像剤としてブラック色(k色)のトナーを収納したものであり、ドラム101の面にk色トナー画像が形成される。このカートリッジPkを以下ブラックカートリッジと記す。
各カートリッジPの上側と下側には、それぞれ、画像露光手段としてのレーザースキャナユニット103と静電転写ベルトユニット105が配設されている。ユニット105は、誘電体製で可撓性を有するエンドレスの静電転写ベルト(以下、ベルトと記す)105aを有する。また、このベルト105aを懸回張設している、後側の第1ローラ105b及び前側の第2ローラ105cを有する。また、第1ローラ105bと第2ローラ105cとの間に配置されていて、ベルト105aを挟んで各カートリッジPのドラム101に圧接している4つの転写ローラ105dを有する。各カートリッジPにおいてドラム101とベルト105aの接触部が転写ニップ部である。ベルト105aは第1ローラ105bが駆動されることで、矢印の反時計方向にドラム101の回転速度に対応した速度で回転駆動される。ベルト105aの下面側にはベルトの汚れを除去するクリーニング手段107が配設されている。
フルカラー画像を形成するための動作は次の通りである。各カートリッジP(Py・Pm・Pc・Pk)が制御タイミングに合わせて順次に駆動される。その駆動により各ドラム101が矢印の時計方向に回転する。ベルトユニット105のベルト105aも回転駆動される。スキャナユニット103も駆動される。この駆動に同期して各カートリッジPにおいて帯電ローラ102がドラム101の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。スキャナユニット103は各ドラム101の表面に対応する画像信号に応じたレーザービーム走査露光を行なう。これによって各ドラム101の表面に対応する画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像手段104によりトナー画像として現像される。
上記のような電子写真プロセス動作により、イエローカートリッジPyのドラム101にはフルカラー画像のイエロー成分像に対応するy色トナー画像が形成される。マゼンタカートリッジPmのドラム101にはフルカラー画像のマゼンタ成分像に対応するm色トナー画像が形成される。シアンカートリッジPcのドラム101にはフルカラー画像のシアン成分像に対応するc色トナー画像が形成される。ブラックカートリッジPkのドラム101にはフルカラー画像のブラック成分像に対応するk色トナー画像が形成される。
一方、所定の制御タイミングで給送部116の給送ローラ118が駆動されて、シート状の記録媒体Sが積載収容されているカセット117から記録媒体Sが1枚分離されて給送される。カセット117は装置本体201の前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。給送された記録媒体Sはレジストローラ対119によって所定の制御タイミングにて、ベルトユニット105のベルト105a上に前側から供給される。ベルト105a上に供給された記録媒体Sはベルト105aに静電吸着され、ベルトの回転により、ブラックカートリッジPk、シアンカートリッジPc、マゼンタカートリッジPm、イエローカートリッジPy、の各転写ニップ部に順次に送られる。これにより記録媒体S上にk色+c色+m色+y色の4色の未定着フルカラートナー画像が合成形成される。
そして、記録媒体Sはベルト105aの面から分離されて定着部120へ導入される。定着部120は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着(溶融混色定着)させるものである。回転する加熱ローラ120aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ120bを有する。トナー画像が形成された記録媒体Sは、定着部120を通過する際に、定着ローラ対120a・120bで挟持搬送される。そして、定着ローラ対120a・120bによって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー画像が記録媒体Sの表面に定着される。そして、記録媒体Sは定着部120を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対123によって、排出部124から装置本体外に排出される。
モノクロ画像形成モードの場合は、ブラックカートリッジPkを用いた画像形成だけが行われる。
(カートリッジ交換方式)
各カートリッジP(Py・Pm・Pc・Pk)は、使用者の使用によりトナーが消費され寿命となった際には、交換することができるようになっている。本実施例の画像形成装置において、カートリッジの交換は、ユーザビリティ向上のために、カートリッジを引き出し式の枠型部材である移動部材としての引き出し部材50に乗せ、フロントアクセスにより交換する方式である。
装置本体201の前側には、装置本体201の内側へカートリッジを押し込む、又は、装置本体201からカートリッジを引き出す際に、引き出し部材50が通過する開口部203が設けられている。装置本体201の前側には、回動可能なドア110が配設されている。ドア110は、開口部203を閉じる閉鎖位置と開口部203を開放する開放位置とを取り得る開閉部材である。本実施例においては、ドア110は、ドア下辺側のヒンジ部110bを中心に装置本体201に対して開閉回動可能である。すなわち、ドア110は、ヒンジ部110bを中心に立て起こすように回動して装置本体201の開口部203を図18のように閉じ状態にすることができる。また、ヒンジ部110bを中心に装置本体201の前側に倒すように回動して開口部203を図19のように開き状態にすることができる。
引き出し部材(移動部材)50は、装置本体201に対してガイド部材(不図示)にガイドされて実質的に水平方向である矢印D1、D2方向に移動(押し込み/引き出し)可能に設けられている。
そして、引き出し部材50は、図18・図19に示す装置本体201内の装着位置(内側位置)202と、図20・図21に示す前記装着位置から引き出された引き出し位置(外側位置)204と、をとりうる。
尚、装着位置(内側位置)202は、引き出し部材50が装置本体201の内側に位置した位置である。また、引き出し位置(外側位置)204は、引き出し部材50が装置本体201の外側に位置した位置である。
そして、引き出し部材50が引き出し位置204に位置する状態で、図21に示すように、カートリッジP(Py、Pm、Pc、Pk)は、実質的に重力方向である矢印C1方向を装置本体への着脱方向として、引き出し部材50に装着される。
カートリッジP(Py、Pm、Pc、Pk)は、引き出し部材50に保持された状態で、引き出し部材50と共に装置本体201内へ進入する。
したがって、使用者は、引き出し部材50を装置本体201内に進入させ、ドア110を閉じることにより、カートリッジPを装置本体201に確実に装着できる。このため、カートリッジPを個別に使用者が装置本体201内へ装着する構成に対して、操作性が向上する。
図21はカートリッジPを装置本体201に取り付ける様子を示した図である。使用者は新規に装置本体を使用する際や、或は使用済みのカートリッジを新品のカートリッジPに交換する際には、カートリッジPを装置本体200に装着する作業を行う。
先ず、ドア(開閉部材)110を開き、開口部201を通過させて、引き出し部材50を引き出し位置204に引き出す。そして、カートリッジPの外表面から突出した把持部113(113y・113m・113c・113k)を手で掴んで、装置本体201の一部である引き出し部材50に装着していく。尚、ドア110は、開口部201を開閉する。
図20は全てのカートリッジPy、Pm、Pc、Pkを引き出し部材50内に装着完了した状態を示す図である。カートリッジPは一方向(この例では水平方向:矢印X5)に隣接する形で配置される。
カートリッジPが寿命を迎えた際には、使用者はカートリッジを装置本体201から取り外す作業を行う。取り外し作業は、前述した装着手順を反対から行う。つまり、ドア110を開き(図19)、引き出し部材50を引き出し位置204に引き出し(図20)、交換すべきカートリッジPのす把持部113を手で掴んで、装置本体外に取り外していく(図21)。ここでカートリッジPの取り外し方向(矢印C2)は、装着方向(矢印C1)の正反対方向で、引き出し部材50からほぼ鉛直方向(垂直方向)に取り外される。カートリッジPの着脱方向とは、前記装着方向と前記取り外し方向を示している。尚、本実施例では、引き出し部材(移動部材)50は、画像形成装置200が設置されている設置面(不図示)に対して、水平方向に移動して、引き出し位置204を取る。
尚、本実施例においては、装置本体201にカートリッジPを装着する装着方向とは、引き出し部材(移動部材)50に対してカートリッジPを装着する方向である。
ここで、引き出し部材50とは、直線的に移動して、装置本体201に対して、内側に位置する内側位置と、外側に位置する外側位置とをとり得るものである。引き出し部材50が外側位置に位置した状態で、引き出し部材50に対するカートリッジPの着脱を行う。また、引き出し部材50が内側位置に位置した状態で、カートリッジPが画像形成を行うことができる。
本実施例によれば、各カートリッジPは、装置本体201にカートリッジPを装着する装着方向(鉛直方向)において、それぞれ、カートリッジPの後端側に配置されており、前記後端側から装着方向上流側に向かって突出している。
尚、本実施例では、引き出し部材(移動部材)50は、画像形成装置200が設置されている設置面(不図示)に対して水平方向に直線的に移動する。しかしながら、この構成に限定されることはなく、引き出し部材(移動部材)50は、画像形成装置200が設置されている設置面(不図示)に対して斜め上方、或いは、斜め下方に直線的に移動しても良い。
以上のように、カートリッジPには各々把持部113が設けられているので、使用者は把持部113を手で掴む。これによって、カートリッジPを装置本体201の一部である引き出し部材50への着脱作業を行うことができる。
(カートリッジ把持部の構成例1)
図22はカートリッジPy・Pm・Pc・Pkとその把持部113(113y・113m・113c・113k)、及びカートリッジPを装着した引き出し部材50を示す斜視図であり、他の装置本体構成は省略している。
図22に示すように、各カートリッジPy・Pm・Pc・Pkの把持部113(113y・113m・113c・113k)は、互いに隣接するカートリッジの把持部に対してずれている。つまり、イエローカートリッジPyに設けられた把持部113yは、隣接するマゼンタカートリッジPmに設けられた把持部113mに対してずれている。同様に、シアンカートリッジPcの把持部113cは、隣接するマゼンタカートリッジPmの把持部113m及びブラックカートリッジPkの把持部113kに対してずれている。ブラックカートリッジPkの把持部113kは、隣接するシアンカートリッジPcの把持部113cに対してずれている。把持部のずれている方向(矢印X6)であるが、複数カートリッジPの隣接方向である前記一方向(矢印X5)と直交する方向で、かつカートリッジの着脱方向(矢印C1及びC2)と直交する方向となっている。
以上、各把持部113は隣接するカートリッジの把持部に対して前記X6方向にずれて配置されている。そのため、使用者がどれかのカートリッジPの把持部113を把持する際に、隣接するカートリッジの把持部が邪魔になる可能性が少なくなり、容易に把持部を保持することができる。
図23は、図22のカートリッジPy・Pm・Pc・Pkを上面から見た図である。各カートリッジPの把持部113がずれて配置されている。そのため、各把持部113の矢印X5方向には空間Kが形成される。使用者はどれかのカートリッジPの把持部113を保持する際に、この空間Kに手を入れることが可能となるので、把持部113を保持しやすい。
また、各把持部113の長手中央線L1は、隣接する把持部113と重ならないようになっている。従って、使用者が把持部113をほぼ中央で掴むことを考慮すると、ただずれているだけの場合に比べ、より把持部113を把持しやすい。
また、各把持部113は、図23に示したようにカートリッジPの長手中央線L2とオーバーラップするように配置されている。従って、カートリッジPの重心がほぼ長手の中央付近にあるとすると、各把持部113は各カートリッジPの重心からそれほど離れない位置に設けられている。そのため、把持部113を把持した際に、カートリッジPの重みでカートリッジPが傾いたりする可能性が少ない。
(カートリッジ把持部の構成例2)
図24は、カートリッジ把持部の構成例1(図23)に対し、把持部113をさらに矢印X6方向にずらした例である。本例では、X6方向において各把持部113y・113m・113c・113kは、隣接するカートリッジの把持部に対して重ならないようになっている。従って、使用者は前述の例1に比べさらに把持部113を容易に掴む事ができる。つまり矢印X5方向の空間Kが、前述の例1の空間Kに比べ矢印X6方向に広がるため、例1よりもカートリッジPを保持しやすい。
(カートリッジ把持部の構成例3)
図25は、把持部の構成例1(図23)と構成例2(図24に対し、把持部を各カートリッジPに2個ずつ取り付けた例である。使用者は、各カートリッジPの左右の一端部に設けられた第1の把持部114(114y・114m・114c・114k)、及び他端部に設けられた第2の把持部115(115y・115m・115c・115k)を両手で掴む。これにより、カートリッジPの着脱作業を行う。使用者はカートリッジPを両手で保持できるので、片手で操作する場合(構成例1や2)と比べ、安定して保持しやすい。
この場合の第1と第2の把持部114・115に関しても、構成例1や構成例2と同様に、各把持部114・115は隣接するカートリッジの把持部に対して前記X6方向にずれて配置されている。そのため、使用者が把持部114・115を把持する際に、隣接するカートリッジの把持部が邪魔になる恐れが少なくなる。これによって、容易に把持部114・115を掴むことができる。
また、各把持部114・115の長手中央線L1は、隣接する把持部114・115と重ならないようになっている。従って、使用者が把持部114・115をほぼ中央で掴むことを考慮すると、ただずれているだけの場合と比較して、より把持部114・115を掴みやすい。
また、各把持部114・115は、図25に示したようにカートリッジPの長手中央線L2を挟むように設けられている。従って、カートリッジPの重心がほぼ長手の中央付近にあるとすると、使用者は重心を挟んだ両側でカートリッジPを把持できるので、カートリッジPを安定して保持できる。
(カートリッジ把持部の構成例4)
図26は、カートリッジ把持部の構成例3(図25)に対し、第1の把持部114と第2の把持部115を各々カートリッジPの中心線L2を挟んで等距離に配置した例である。イエローカートリッジPyの中心L2からの第1の把持部114yまでの距離W1と、中心L2から第2の把持部115yまでの距離W2は等しい。マゼンタカートリッジPmの中心L2からの第1の把持部114mまでの距離と、中心L2から第2の把持部115mまでの距離は等しい。シアンカートリッジPcの中心L2からの第1の把持部114cまでの距離と、中心L2から第2の把持部115cまでの距離は等しい。ブラックカートリッジPkの中心L2からの第1の把持部114kまでの距離と、中心L2から第2の把持部115kまでの距離は等しい。
従って、カートリッジPの重心がほぼ長手の中央付近にあるとすると、使用者は、把持部114と115を重心からほぼ等距離の位置で掴むことができる。したがって、より安定してカートリッジPを保持できる。
また、各第1の把持部114は、隣接する把持部とのX6方向中心線L3を挟んで交互に設けられている。また第2の把持部115に関しても、隣接する把持部とのX6方向中心線L4を挟んで交互に設けられている。従って、よりカートリッジ4の両端で掴むことができるので、安定してカートリッジPを保持できる。
以上、本実施例では横タンデム構成の画像形成装置において、引き出し部材50内にカートリッジPを装着する例に関して説明した。本実施例ではカートリッジPの例として、感光体ドラムと現像ローラ、及び現像剤を一体的に収容したプロセスカートリッジを例に挙げた。しかし、カートリッジPとしてはこれに限られず、現像ローラ、及び現像剤を一体化した現像カートリッジ、或いは現像剤とその収容容器とを一体化したトナーカートリッジ、等にも応用可能である。
また、実施例1で示した把持部の構成例3(図8)、6(図11)、7(図12)、8(図13)等の構成を利用することも可能である。
[実施例3]
図27は本実施例3における画像形成装置300の概略の縦断右側面図である。本実施例3の画像形成装置300も実施例1・2の画像形成装置100・200と同様に電子写真プロセスを用いた、4色フルカラーのレーザープリンタである。ただし、本実施例3の画像形成装置300は、イエロー(y)、マゼンタ(m)、シアン(c)、ブラック(k)の各色のトナー画像を形成する4つのプロセスカートリッジを縦方向に配列した、所謂縦タンデム型の画像形成装置である。
(全体構成)
この画像形成装置300に関して、前側又は正面側とはドア(開閉部材)210を配設した側である。後側とはそれとは反対側である。前後方向とは、画像形成装置の後側から前側に向かう方向(前方向)と、その逆の方向(後方向)である。左右とは画像形成装置を前側から見て左又は右である。左右方向とは、右から左に向かう方向(左方向)と、その逆の方向(右方向)である。また、装置本体とは、カートリッジを除いた画像形成装置部分である。
装置本体301の内部には上側から下側にかけて順に鉛直方向に第1乃至第4の4個のプロセスカートリッジQ(Qy・Qm・Qc・Qk)が並設されている。
各プロセスカートリッジ(以下、カートリッジと記す)Qは、それぞれ、潜像が形成される電子写真感光体ドラム201(以下、ドラムと記す)を備えている。ドラム201は矢印の反時計回りに回転駆動される。このドラム201の周囲には、ドラム回転方向に従って順に、ドラムに作用するプロセス手段としての、帯電手段202、現像手段204、ドラムクリーニング手段206が配置されている。帯電手段202は帯電ローラを用いている。現像手段204は、ドラム201に対する現像ローラ、現像ローラに対する現像剤塗布ローラ、現像ブレード、現像剤攪拌部材等を有し、現像剤としてのトナーを収容した現像ユニットである。ドラムクリーニング手段206はブレードクリーニング装置を用いている。各カートリッジQは、それぞれ、カートリッジ枠体に対してドラム201・帯電手段202・現像手段204・ドラムクリーニング手段206が組み付けられていて、装置本体301に対して着脱交換可能である。
第1のカートリッジQyは現像手段204yに現像剤としてイエロー色(y色)のトナーを収納したものであり、ドラム201の面にy色トナー画像が形成される。このカートリッジQyを以下イエローカートリッジと記す。第2のカートリッジQmは現像手段204mに現像剤としてマゼンタ色(m色)のトナーを収納したものであり、ドラム201の面にm色トナー画像が形成される。このカートリッジQmを以下マゼンタカートリッジと記す。第3のカートリッジQcは現像手段204cに現像剤としてシアン色(c色)のトナーを収納したものであり、ドラム201の面にc色トナー画像が形成される。このカートリッジQcを以下シアンカートリッジと記す。第4のカートリッジQkは現像手段204kに現像剤としてブラック色(k色)のトナーを収納したものであり、ドラム201の面にk色トナー画像が形成される。このカートリッジQkを以下ブラックカートリッジと記す。
各カートリッジQの後側と前側には、それぞれ、画像露光手段としてのレーザースキャナユニット203(203y・203m・203c・203y)と静電転写ベルトユニット205が配設されている。ユニット205は、誘電体製で可撓性を有するエンドレスの静電転写ベルト(以下、ベルトと記す)205aを有する。また、このベルト205aを懸回張設している、上側の第1ローラ205b、下側の第2ローラ205c、及び2個の補助ローラ205d・205eを有する。また、第1ローラ205bと第2ローラ205cとの間に配置されていて、ベルト205aを挟んで各カートリッジQのドラム201に圧接している4つの転写ローラ205fを有する。各カートリッジQにおいてドラム201とベルト205aの接触部が転写ニップ部である。ベルト205aは第1ローラ205bが駆動されることで、矢印の時計方向にドラム201の回転速度に対応した速度で回転駆動される。
フルカラー画像を形成するための動作は次の通りである。各カートリッジQが所定に制御タイミングに合わせて順次に駆動される。その駆動により各ドラム201が矢印の時計方向に回転する。ユニット205のベルト205aも回転駆動される。スキャナユニット203も駆動される。この駆動に同期して各カートリッジQにおいて帯電ローラ202がドラム201の表面を所定の極性・電位に一様に帯電する。スキャナユニット203は各ドラム201の表面に対応する画像信号に応じたレーザービーム走査露光を行なう。これによって各ドラム201の表面に対応する画像信号に応じた静電潜像が形成される。形成された静電潜像は現像手段204によりトナー画像として現像される。
上記のような電子写真プロセス動作により、イエローカートリッジQyのドラム201にはフルカラー画像のイエロー成分像に対応するy色トナー画像が形成される。マゼンタカートリッジQmのドラム201にはフルカラー画像のマゼンタ成分像に対応するm色トナー画像が形成される。シアンカートリッジQcのドラム201にはフルカラー画像のシアン成分像に対応するc色トナー画像が形成される。ブラックカートリッジQkのドラム201にはフルカラー画像のブラック成分像に対応するk色トナー画像が形成される。
一方、所定の制御タイミングで給送部216の給送ローラ218が駆動されて、シート状の記録媒体Sが積載収容されているカセット217から記録媒体Sが1枚分離されて給送される。カセット217は装置本体301の前側から出し入れ自由である(フロントローデング)。給送された記録媒体Sはレジストローラ対219によって所定の制御タイミングにて、静電転写ベルトユニット205のベルト205a上に下端側から供給される。ベルト205a上に供給された記録媒体Sはベルト205aに静電吸着され、ベルトの回転により、ブラックカートリッジQk、シアンカートリッジQc、マゼンタカートリッジQm、イエローカートリッジQy、の各転写ニップ部に順次に送られる。これにより記録媒体S上にk色+c色+m色+y色の4色の未定着フルカラートナー画像が合成形成される。
そして、記録媒体Sはベルト205aの面から分離されて定着部220へ導入される。定着部220は、記録媒体Sに転写された複数色のトナー画像を定着(溶融混色定着)させるものである。回転する加熱ローラ220aと、これに圧接して記録媒体Sに熱及び圧力を与える加圧ローラ220bを有する。トナー画像が形成された記録媒体Sは、定着部220を通過する際に、定着ローラ対220a・220bで挟持搬送される。そして、定着ローラ対220a・220bによって熱及び圧力を与えられる。これによって複数色のトナー画像が記録媒体Sの表面に定着される。そして、記録媒体Sは定着部220を出て、フルカラー画像形成物として排出ローラ対223によって、排出部224から装置本体外に排出される。
モノクロ画像形成モードの場合は、ブラックカートリッジQkを用いた画像形成だけが行われる。
(カートリッジ交換方式)
各カートリッジQ(Qy・Qm・Qc・Qk)は、使用者の使用によりトナーが消費され寿命となった際には、交換することができるようになっている。
本実施例の画像形成装置において、カートリッジQの交換は、ユーザビリティ向上のために、ドア210を開けてフロントアクセスにより交換する方式である。
ドア210は、ヒンジ部210bを中心に立て起こすように回動して装置本体301の開口部303を図27のように閉じ状態にすることができる。また、ヒンジ部210bを中心に装置本体301の前側にほぼ水平に倒すように回動して開口部303を図28のように開き状態にすることができる。ドア210を開くと、開口部303に静電転写ベルトユニット205が露呈する。このユニット205もヒンジ部210bを中心に装置本体301の前側にほぼ水平に倒し回動することができるようになっている。そこで、このユニット205も図29のように倒し回動する。そうすると、装置本体301内のカートリッジ装着部302、あるいはカートリッジ装着部302に装着されているカートリッジQy・Qm・Qc・Qkの前面側(外表面)が露呈する。なお、静電転写ベルトユニット205をドア210の裏面側にドア210と一体に配設して、ドア210と一緒に装置本体301に対して開閉動する構成にすることもできる。
図29はカートリッジQを装置本体301のカートリッジ装着部302に取り付ける様子を示した図である。使用者は新規に装置本体を使用する際や、或は使用済みのカートリッジを新品のカートリッジQに交換する際には、カートリッジQを装置本体301に装着する作業を行う。
先ず、ドア210を開け(図28)、続いて静電転写ベルトユニット205を同方向に退避させる(図29)。その後、カートリッジQの外表面から突出した把持部214、215を手で掴んで、矢印X7方向に装置本体301に装着する。その後、静電転写ベルトユニット205を閉じ込み、更にドア210を閉じ込むことで、画像形成装置は画像形成動作が可能な状態になる。
図30は複数のカートリッジQを全て装着完了した状態を示す図であって、装置本体の構成を省略した図である。カートリッジQは一方向(この例では鉛直方向:矢印X9)に隣接する形で配置される。
カートリッジQが寿命を迎えた際には、使用者はカートリッジQを装置本体301から取り外す作業を行う。取り外し作業は、前述した装着作業を反対から行う形となる。つまり、ドア210を開け(図28)、続いて静電転写ベルトユニット205を同方向に退避させる(図29)。そして交換すべきカートリッジQの第1の把持部214(214y・214m・214c・214k)、第2の215(215y・215m・215c・215k)を手で掴んで、装置本体外に取り外していく。ここで、カートリッジQの取り外し方向(矢印X8)は、装着方向(矢印X7)の正反対方向で、装置本体300からほぼ水平方向に取り外しされる。カートリッジQの着脱方向とは、前記装着方向と前記取り外し方向を示している。
以上のように、カートリッジQには各々第1と第2の把持部214・215が設けられているので、使用者は把持部214・215を手で掴むことで、容易に装置本体への着脱作業を行うことができる。
(カートリッジ把持部の例)
図31は、各カートリッジQを装着方向から見た正面図である。使用者は、各カートリッジQの左右側に設けられた第1の把持部214及び第2の把持部215を両手で掴んで、カートリッジQの着脱作業を行う。使用者はカートリッジQを両手で保持できるので、片手で操作する場合と比べ、安定して保持しやすい。
図31に示すように、各カートリッジQの第1と第2の把持部214・215は、互いに隣接するカートリッジの把持部に対してずれている。つまり、イエローカートリッジQyに設けられた第1の把持部214yは、隣接するマゼンタカートリッジQmに設けられた第1の把持部214mに対してずれている。同様に、シアンカートリッジQcの第1の把持部214cは、隣接するマゼンタカートリッジQmの第1の把持部214mとブラックカートリッジQkの第1の把持部214kに対してずれている。ブラックカートリッジQkの第1の把持部214kは、隣接するシアンカートリッジQcの第1の把持部214cに対してずれている。
各カートリッジの第2の把持部215に関しても同様に隣接するカートリッジの把持部に対してずれている。
把持部214・215のずれている方向(矢印X10)であるが、複数のカートリッジQの隣接方向である前記一方向(矢印X9)と直交する方向で、かつカートリッジの着脱方向(矢印X7及びX8)と直交する方向となっている。
各把持部214・215は隣接するカートリッジの把持部に対して前記X10方向にずれて配置されている。そのため、使用者が把持部214・215を把持する際に、隣接するカートリッジの把持部が邪魔になる可能性が少なくなり、容易に把持部を保持することができる。
また、各把持部214・215の左右方向である長手中央部L1は、隣接する把持部と重ならないようになっている。従って、使用者が把持部214・215をほぼ中央で掴むことを考慮すると、ただずれているだけの場合に比べ、より把持部214・215を把持しやすい。
また、各把持部214・215は、図31に示したようにカートリッジQの左右方向である長手方向において中央に位置している中央線L2を挟むように設けられている。従って、カートリッジQの重心がほぼ長手の中央付近にあるとすると、使用者は重心を挟んだ両側でカートリッジQを把持できるので、カートリッジQを安定して保持できる。
また、本例では、X10方向において各把持部214、215は、隣接するカートリッジの把持部に対して重ならないようになっている。従って、使用者はさらに把持部214、215を容易に掴む事が可能となる。つまり矢印X9方向の空間が矢印X10方向に広がるため保持しやすい。
以上、本実施例3では縦タンデム構成の画像形成装置にカートリッジQを装着する例に関して説明した。本実施例3ではカートリッジQの例として、感光体ドラムと現像ローラ、及び現像剤を一体的に収容したプロセスカートリッジを例とした。しかし、カートリッジの形態はこれに限られず、現像ローラ、及び現像剤を一体化した現像カートリッジ、或いは現像剤とその収容容器とを一体化したトナーカートリッジ、等にも応用可能である。
また、本実施例では把持部の例として1例のみを示したが、実施例1で示した構成例4(図9)、5(図10)、7(図12)、8(図13)等の構成を利用することも可能である。
以上、実施例1〜3の構成により、画像形成装置の小型化に伴って装置本体に装着されるカートリッジ間の距離が小さくなったとしても、使用者は容易にカートリッジの把持部を容易に保持することができる。言い換えると、本実施例の構成を採用することにより、使用者の操作性を犠牲にすることなく、画像形成装置の小型化を達成可能である。
前述した各実施例によれば、複数のカートリッジを隣接して装置本体に装着するカラー電子写真画像形成装置において、各カートリッジに設けられた把持部を使用者が掴み易くしたことを実現できた。
前述した各実施例によれば、複数のカートリッジを隣接して装置本体に装着するカラー電子写真画像形成装置において、使用者による装置本体に対するカートリッジの着脱操作を向上させることができた。
前述した各実施例によれば、装置本体に装着した状態で、隣り合ったカートリッジの間隔が狭くて、使用者がカートリッジを把持するために手を挿入できない場合であっても、カートリッジの着脱操作を向上させることができた。
100、200、300・・画像形成装置、101、201、301・・装置本体、4(4y・4m・4c・4k)・・複数のカートリッジ、13(13y・13m・13c・13k)、14(14y・14m・14c・14k)、15(15y・15m・15c・15k)、113(113y・113m・113c・113k)、114(114y・114m・114c・114k)、115(115y・115m・115c・115k)、214(214y・214m・214c・214k)、215(215y・215m・215c・215k)・・把持部、S・・記録媒体、X1・・一方向(複数のカートリッジの隣接配置方向)、X2・X3・・カートリッジの着脱方向、X4・一方向X1と直交する方向で、かつカートリッジの着脱方向X2・X3と直交する方向、10・・ドア(開閉部材)