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JP2010100932A - 粉末冶金法による焼結体の製造方法 - Google Patents

粉末冶金法による焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粉末治金法による焼結体の製造方法であって、NiやCuを添加しない粉末治金用合金鋼粉を用いて、高強度の焼結体を安価に製造する。
【解決手段】Cr:0.3〜0.7質量%、Mn:0.1〜0.5質量%、Mo:0.1〜0.5質量%、O:0.25〜0.5質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる粉末冶金用合金鋼粉を用い、該粉末冶金用合金鋼粉またはこれを含む混合粉を700MPa以上の圧力で成形した後、1150〜1300℃の温度で焼結する。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉末冶金法による自動車用高強度焼結部品等に好適な焼結体の製造方法に関するものである。
鉄粉や合金鋼粉を金型内で加圧して成形した後、焼結して焼結体を得る粉末冶金法は、高い寸怯精度を要求されるギヤ等の自動車用部品の製造に広く使用されている。自動車用部品として使用される焼結体は、原料粉(鉄粉、合金鋼粉)にCu粉、黒鉛粉、潤滑剤等を混合した混合粉を金型に充填して加圧成形し、これを焼結することにより製造され、―般に6.0〜7.2g/cm程度の密度を有する。
自動車部品の中でも高強度を要求される部品(以下、自動車用高強度焼結部品という)を製造する場合は、合金元素(たとえば、Ni、Cu、Mo、Cr、Mn等)を鉄基粉末に添加して原料粉として使用する技術が実用化されている。このような原料粉にCu粉、黒鉛粉、潤滑剤等を混合して加圧成形し、さらに焼結する手順は、上記した通常の自動車用部品と同様である。但し、自動車用高強度焼結部品では、必要に応じて、光輝焼入れ焼戻し処理、浸炭処理等が施される。
なお、合金元素を添加する方法としては、予め鉄基粉末を合金化(いわゆる予合金化)する方法、所望の合金元素を含有する合金用粉末を結合剤とともに鉄基粉末と混合する方法、合金用粉末を鉄基粉末と混合する(結合剤を用いない)方法、合金用粉末を鉄基粉末と混合した後に高温に保持して冶金的に結合させる(いわゆる拡散付着)方法、などがある。これらの方法で得られる合金鋼粉 (あるいは混合粉体)の特性や合金元素の均一度、焼結による合金元素の拡散状態はそれぞれ異なる。このため、合金元素の選択および添加方法の選択は、焼結体の品質に多大な影響を及ぼす重要な因子である。
例えば、特許文献1には、Ni、Cu、Mo等の金属粉末を鉄粉に拡散付着したものを原料粉として使用する技術が開示されている。この技術は、原料粉を加圧成形した後に行なう焼結によって、鉄粉の表面に付着した金属粉末から鉄粉中にNi、Cu、Mo等が拡散し、鉄粉を合金化する。ところが、Ni、Cu、Mo等の拡散には長時間を要するので、鉄粉を十分に合金化するためには長時間の焼結が必要となり、焼結の生産性が低下する。さらに、自動車用高強度焼結部品に要求される強度を得るためには、Ni、Cu、Mo等の金属粉末を多量に使用しなければならないので、原料コストの上昇を招く。
また、特許文献1に開示された技術で製造した焼結体は、NiやCuを含有するが、Niは人体に有害な元素であり、Cuは鋼材をリサイクルした場合に有害な元素としてスクラップに蓄積される問題がある。そこで、NiやCuを含有しない合金鋼粉が検討されている。
例えば、特許文献2には、Mo:0.2〜1.4質量%、Cr:0.1〜0.3質量%、C:0.10質量%以下、O:0.3質量%以下を含有する合金鋼粉が開示されている。Cr、Moは焼入れ性を改善する作用を有するので、この合金鋼粉から製造される焼結体は、比較的高い強度を有する。しかし、特許文献2に開示された合金鋼粉はCr含有量が十分でないため、自動車用高強度焼結部品に要求されるような高い強度は得られない。Cr、Moの含有量を増加すれば、この問題は解決するが、Cr、Moを多量に添加すると、合金鋼粉の圧縮性の低下や原料コストの上昇を招いてしまう。
特許文献3には、C:0.1質量%以下、Mn:0.08質量%以下、Cr:0.5〜3質量%、Mo:0.1〜2質量%、S:0.01質量%以下、P:0.2質量%以下、O:0.2質量%以下を含有する合金鋼粉が開示されている。しかし、特許文献3の合金鋼粉は、焼入れ性を向上させる作用を有するMnの含有量が十分ではないため、自動車用高強度焼結部品に要求されるような高い強度は得られない。Mn含有量を増加すれば、この問題は解決するが、Mnは酸化され易い元素であるため、Mnを多量に添加すると、加圧成形後の焼結によって、或いは焼結後の熱処理によって酸化物が生成し、焼結体の強度が低下してしまう。
特許文献4には、Cr:1.3〜1.7質量%、Mo:0.15〜0.3質量%、Mn:0.09〜0.3質量%、C:0.01質量%以下、O:0.25質量%以下を含有する合金鋼粉が開示されている。しかし、特許文献4の合金鋼粉は、Cr含有量が多いため合金鋼粉の圧縮性が低下し、焼結体の密度が低くなる。また、Crは酸化され易い元素であるため、Crを多量に添加すると、加圧成形後の焼結によって、或いは焼結後の熱処理によって酸化物が生成し、焼結体の強度が低下してしまう。
特公昭45−9649号公報 特開昭61−117201号公報 特開平5−287452号公報 特表2005−530037号公報
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、粉末冶金法による焼結体の製造方法であって、NiやCuを添加しない粉末冶金用合金鋼粉を用いて、高強度の焼結体を安価に製造することができる方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決することができる粉末冶金用合金鋼粉の成分条件および焼結体の製造条件について詳細な検討を行った。その結果、粉末冶金用合金鋼粉のCr含有量、Mn含有量、Mo含有量を最適化し、且つ原料粉を特定の条件で高圧成形および高温焼結することにより、NiやCuを添加せず且つMo添加量が比較的少ない合金鋼粉を用い、自動車用高強度焼結部品として使用可能な高強度焼結体を安価に製造できることを見出した。
また、酸素量がある程度高い合金鋼粉を用いても、合金鋼粉に十分な量の黒鉛粉末を添加し、焼結時に黒鉛と酸素を反応させて還元することにより、焼結体の強度低下が抑えられることが判った。すなわち、上記の粉末冶金用合金鋼粉は、易酸化元素であるCrやMnを含有するため、その酸素量を低減するためには、1100℃程度の高温の減圧雰囲気中で還元処理する必要がある。しかし、このような高価な還元処理ではなく、安価な水素ガス雰囲気による還元処理を施した酸素量がある程度高い合金鋼粉を用いても、十分な量の黒鉛粉末を添加し、焼結すれば、焼結時に合金鋼粉の酸素が黒鉛と反応して還元されて除去されるため、焼結体の強度低下が抑えられることが判った。
また、焼結時において合金鋼粉中の酸素の還元に使用される黒鉛量は、主に合金鋼粉のCr量、Mn量およびこれら元素の酸化率によって決まるので、焼結体の強度に重要な影響を与える焼結体中のC量は、合金鋼粉のCr量、Mn量およびこれらの元素の酸化率により決定される量の黒鉛を付加的に添加することで制御できることが判った。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]Cr:0.3〜0.7質量%、Mn:0.1〜0.5質量%、Mo:0.1〜0.5質量%、O:0.25〜0.5質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる粉末冶金用合金鋼粉を用い、該粉末冶金用合金鋼粉またはこれを含む混合粉を700MPa以上の圧力で成形した後、1150〜1300℃の温度で焼結することを特徴とする粉末冶金法による焼結体の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、混合粉が黒鉛粉末を含むことを特徴とする粉末冶金法による焼結体の製造方法。
[3]上記[1]または[2]の製造方法において、混合粉が、焼結体中に残留させるC量と、焼結時に粉末冶金用合金鋼粉中の酸素と反応するC量の合計に相当する量の黒鉛粉末を含むことを特徴とする粉末冶金法による焼結体の製造方法。
[4]上記[2]の製造方法において、粉末冶金用合金鋼粉に、下記(1)式の条件を満足する量[%Gr](粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)の黒鉛粉末を添加することを特徴とする請求項2に記載の粉末冶金法による焼結体の製造方法。
[%Gr]=t×(α×0.46×[%Cr]+β×0.29×[%Mn])+γ+[%C] …(1)
但し [%Cr]:粉末冶金用合金鋼粉中のCr量(質量%)
[%Mn]:粉末冶金用合金鋼粉中のMn量(質量%)
[%C]:黒鉛粉末のなかで、焼結体中に残留させるC量(粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)
α:粉末冶金用合金鋼粉中のCrの酸化率
β:粉末冶金用合金鋼粉中のMnの酸化率
γ:黒鉛粉末のなかで、粉末冶金用合金鋼粉に吸着されている酸素分および焼結雰囲気中に含まれる酸素分との反応に消費されるC量(粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)。但し、γ≦0.2質量%
t:0.25〜0.75
本発明によれば、粉末治金法による焼結体の製造方法において、NiやCuを添加せず且つMo添加量が比較的少ない合金鋼粉を用い、自動車用高強度焼結部品として使用可能な高強度焼結体を安価に製造することができる。
実施例2の試料番号2,5〜7の成形圧力と引張強さとの関係を、既存高強度材である試料番号8〜11のそれと比較して示したグラフ
まず、本発明で用いる粉末冶金用合金鋼粉(以下、単に「合金鋼粉」という場合がある)の化学成分とその限定理由について説明する。
・Cr:0.3〜0.7質量%
Crは焼入れ性を向上させる元素であり、焼結後の焼入れによってマルテンサイト変態を生じさせることによって、焼結体の強度を高める効果を有する。Cr含有量が0.3質量%未満では、その効果が十分でない。―方、Cr含有量が0.7質量%を超えると、固溶硬化により各粒子の硬度が増加し、且つ合金鋼粉の酸素量が増加することにより、加圧成形の際の圧縮性が低下する。さらに、焼結後の焼入れ時の雰囲気による酸化が増加するため、焼入れ性向上による焼結体の強度の大幅な向上は期待できず、むしろ圧縮性低下による焼結体の強度低下が顕著になる。このためCr含有量は0.3〜0.7質量%とする。
・Mn:0.1〜0.5質量%
Mnは焼入れ性を向上させる元素であり、焼結後の焼入れによってマルテンサイト変態を生じさせることによって、焼結体の強度を高める効果を有する。Mn含有量が0.1質量%未満では、その効果が十分でない。―方、Mn含有量が0.5質量%を超えると、固溶硬化により各粒子の硬度が増加し、且つ合金鋼粉の酸素量が増加することにより、加圧成形の際の圧縮性が低下し、焼結体の強度が低下する。また、焼結を弱酸化性雰囲気(例えば、炭化水素変性ガス雰囲気等)で行う場合には、Mnを過剰に含有すると焼結後の焼入れ時の雰囲気による酸化が増加するため、焼入れ性向上による焼結体の強度の大幅な向上は期待できず、むしろ圧縮性低下による焼結体の強度低下が顕著になる。このためMn含有量は0.1〜0.5質量%、好ましくは0.1〜0.25質量%とする。
・Mo:0.1〜0.5質量%
Moは焼入れ性向上、固溶強化および析出強化によって、焼結体の強度を高める効果を有する。Mo含有量が0.1質量%未満では、その効果が十分でない。―方、Mo含有量が0.5質量%を超えると、加圧成形の際の圧縮性が低下するため、焼結体の強度の大幅な向上は期待できず、むしろMoの添加量増加に伴って原料コストが著しく上昇する。このためMo含有量は0.1〜0.5質量%とする。
・O:0.25〜0.5質量%
O含有量を0.25質量%未満にするには、非常に清浄な還元雰囲気中または減圧雰囲気下での還元処理が必要となり、製造コストが増大する。一方、O含有量が0.5質量%を超えると圧縮性が低下し、且つ焼結が阻害されるので、焼結体の強度が低下する。このためO含有量は0.25〜0.5質量%、好ましくは0.25〜0.35質量%とする。
一般に、Cr、Mn等のような易酸化元素を含有する合金鋼粉では、O含有量を少なくしようとすると、非常に清浄な還元雰囲気中または減圧雰囲気下での還元処理が必要となり、製造コストが増大する。これに対して本発明者らは、安価な通常の還元雰囲気中で還元処理を行うことで合金鋼粉中のO含有量がある程度高くなっても、後の焼結工程において、合金鋼粉中の酸素を還元できることを見出した。このため本発明では、合金鋼粉中のO含有量を0.25〜0.5質量%とし、一般の易酸化元素を含有する合金鋼粉に較べて高めとしてある。
また、本発明で用いる合金鋼粉は、C含有量を0.01質量%以下、望ましくは0.005質量%以下とすることが好ましい。C含有量が0.01質量%を超えると、合金鋼粉の各粒子の硬度が過剰に高まるので、加圧成形の際の圧縮性が低下し、焼結体の強度が低下しやすい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。
以上のような合金鋼粉は、例えば、次のようにして製造される。
所定の化学成分を有する合金鋼を溶製し、水アトマイズ法で合金鋼粉を製造する。この水アトマイズ法では、操業条件や使用する装置の構成に特別な制限はなく、従来公知の技術を適用すればよい。次いで、その合金鋼粉に還元熱処理を施す。この還元熱処理についても、操業条件や使用する装置の構成に特別な制限はなく、従来公知の技術を適用し、水素ガス雰囲気または真空雰囲気で行なえばよい。なお、本発明では、必要に応じて合金鋼粉に添加される黒鉛粉末により、合金鋼粉中の酸素を後の焼結工程で除去できるので、安価な水素ガス雰囲気を用いて還元処理を行うことができる。
次に、本発明の製造条件について説明する。
本発明では、上述した合金鋼粉に必要に応じて他の金属粉末、黒鉛粉末、潤滑剤等の1種以上を添加し混合した後、合金鋼粉またはこれを含む混合粉を金型に充填して加圧成形し、次いで焼結を行なって焼結体を得る。
前記潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、オレイン酸、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド等の公知の潤滑剤の1種以上を使用することができる。潤滑剤の配合量は、合金鋼粉の質量に対して0.2〜1質量%が好ましい。
前記黒鉛粉末については、焼結性をより向上させるために合金鋼粉の酸素を低減させたい場合には、焼結体中に残留させるC量と、焼結時に合金鋼粉中の酸素と反応するC量の合計に相当する量の黒鉛粉末を添加すればよい。すなわち、後述するような焼結温度の範囲では、合金鋼粉中の酸素は合金鋼粉中のCrやMnよりもCと反応し易く、黒鉛粉末の形態で与えられたCと結合し、COガスとして還元除去される。この分、焼結体中に残留するC量が減少することになるので、焼結体中に所望のC量を残留させるためには、そのC量の減少分(すなわち、焼結時に合金鋼粉中の酸素と反応するC量)を予め余分に添加しておけばよい。
焼結体に残留するC量は焼結体の強度に大きな影響を与えるため、焼結体中に残留するC量を制御すること、すなわち合金鋼粉中の酸素と反応するC量を予め決定することは、極めて重要である。この課題に対し、本発明者らは、焼結時において合金鋼粉中の酸素の還元に使用される黒鉛量は、主に合金鋼粉のCr量、Mn量およびこれらの元素の酸化率によって決まること、したがって、焼結体に残留させるC量は、合金鋼粉のCr量、Mn量およびこれらの元素の酸化率により決定される量の黒鉛を付加的に添加することで制御できることを見出した。
具体的には、合金鋼粉中のCr量[%Cr]およびMn量[%Mn]と、合金鋼粉中のCrの酸化率αおよびMnの酸化率βを予め求めておき、焼結体中に残留させるC量[%C]に対して、下記(1)式により黒鉛粉末の添加量[%Gr](粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)を求め、合金鋼粉に黒鉛粉末を添加することにより、焼結体中のC量を容易に所望の量に制御できる。したがって、本発明では、粉末冶金用合金鋼粉に、下記(1)式の条件を満足する量[%Gr](粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)の黒鉛粉末を添加することが好ましい。
[%Gr]=t×(α×0.46×[%Cr]+β×0.29×[%Mn])+γ+[%C] …(1)
但し [%Cr]:粉末冶金用合金鋼粉中のCr量(質量%)
[%Mn]:粉末冶金用合金鋼粉中のMn量(質量%)
[%C]:黒鉛粉末のなかで、焼結体中に残留させるC量(粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)
α:粉末冶金用合金鋼粉中のCrの酸化率
β:粉末冶金用合金鋼粉中のMnの酸化率
γ:黒鉛粉末のなかで、粉末冶金用合金鋼粉に吸着されている酸素分および焼結雰囲気中に含まれる酸素分との反応に消費されるC量(粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)。但し、γ≦0.2質量%
t:0.25〜0.75
上記(1)式において、α×0.46×[%Cr]は、合金鋼粉中に含有されるCrと結合する酸素を還元するために必要なC量であり、また、β×0.29×[%Mn]は、合金鋼粉中に含有されるMnと結合する酸素を還元するために必要なC量であり、易酸化元素であるCrやMnを含有する合金鋼粉に固有のものである。すなわち、0.46は2Cr+3O=Crの関係よりCr:52(原子量),O:16(原子量)で計算した係数、0.29はMn+O=MnOの関係よりMn:55(原子量),O:16(原子量)で計算した係数である。
また、上記(1)式において、係数tの上限:0.75は、合金鋼粉中のCrおよびMnと結合する酸素の全量が還元されるとした場合について、OとCがC+O=COで反応するとして考え、CとOの質量比(12:16=0.75:1)から計算した値である。一方、合金鋼粉中のCrおよびMnと結合する酸素は、必ずその全量が還元されるとは限らず、焼結条件等によって、一部の酸素が還元されない場合もあり得るので、還元されずに残存する酸素の量を考慮して係数tの下限を0.25とした。
また、酸化率α=[粉末冶金用合金鋼粉中に酸化物として含まれるCr量]/[粉末冶金用合金鋼粉中のCr量]、酸化率β=[粉末冶金用合金鋼粉中に酸化物として含まれるMn量]/[粉末冶金用合金鋼粉中のMn量]である。酸化物として含まれるCr量、Mn量は、粉末冶金用合金鋼粉を臭素または沃素などをアルコールに溶解したハロゲン−アルコール溶液に溶解して、その抽出残渣中の金属分を原子吸光法で分析することにより測定することができる。なお、使用する合金鋼粉の酸化率α,βに特別な制限はないが、(α×0.46×[%Cr]+β×0.29×[%Mn])の値を0.05質量%未満とするためには、非常に清浄な還元雰囲気または減圧雰囲気が必要になり、コストが増大するので、(α×0.46×[%Cr]+β×0.29×[%Mn])の値が0.05質量%以上となるような酸化率α,βであることが好ましい。
また、γは、添加された黒鉛粉末のなかで、粉末冶金用合金鋼粉の粒子表面に吸着されている酸素分(酸素含有ガス、水分の形態で吸着されている酸素分)および焼結雰囲気に含まれる酸素分(酸素含有ガス、水分として含まれる酸素分)との反応で消費されるC量である。γの値は経験則に基づき決めてもよいし、通常の純鉄粉を類似の成形・焼結条件で処理した場合のC消費量を調べ、このC消費量をγとしてもよい。但し、γは0.2質量%以下とする。γが0.2質量%を超えると、不必要に炭素を消費する条件で焼結体を製造している可能性が高い。一方、γを0.01質量%未満とするには、焼結に到る全工程で厳しい酸化管理が必要となり、製造コストにも影響するので、一般にはγは0.01質量%以上であることが好ましい。
以下、加圧成形および焼結される「合金鋼粉または合金鋼粉を含む混合粉」のことを、説明の便宜上「原料粉末」と呼ぶ。
原料粉末の加圧成形では、使用する装置の構成などに特別な制限はないが、700MPa以上の圧力で成形を行う必要がある。成形圧力が700MPa未満では、十分な強度の焼結体が得られない。また、焼結後に浸炭焼入れ処理(通常、浸炭性ガス雰囲気中で加熱して焼結体にCを固溶(浸炭)させた後、油中に焼入れする処理)を行う場合に、成形圧力が700MPa未満では、得られる成形体の密度が十分でなく、浸炭性ガス雰囲気中に含まれる酸素により粒界酸化(浸炭性ガス雰囲気中に含有される酸素と、焼結体中の易酸化元素であるCr,Mnが結合することにより生じる粒界酸化)が生じて焼結体(熱処理体)強度が低下する。これに対して、700MPa以上の成形圧力で成形を行うと、十分な密度の成形体が得られるため、焼結後に浸炭焼入れ処理する場合であっても粒界酸化が生じ難く、十分な強度の熱処理体を得ることができる。
また、加圧成形は、室温(約20℃)〜160℃の温度で行なうことが好ましい。例えば、金型の温度を50〜70℃に維持しつつ、室温の原料粉末を充填して加圧成形すれば、良好な圧縮性が得られる。また、金型と原料粉末を120〜130℃に加熱して加圧成形する技術(いわゆる温間成形)も適用できる。
上記加圧成形後の焼結は、1150〜1300℃の温度で行う必要がある。焼結温度が1150℃未満では、上記の還元反応が不十分となり、粉末粒子の結合が不十分であるため、十分な強度の焼結体が得られない。一方、焼結温度が1300℃を超えると結晶粒の粗大化が生じ、却って強度が低下してしまう。また、製造コストの観点からは、焼結温度は1150〜1200℃が特に好ましい。
また、このような焼結温度による焼結時間は、焼結性および製造コストの観点から20〜120分程度が好ましい。
また、焼結を行う雰囲気には、還元ガス、不活性ガス、炭化水素変性ガス(いわゆるRXガス)等を使用する。また、雰囲気を真空にしてもよい。本発明で使用する合金鋼粉は、酸化され易い元素であるCr、Moの配合量を少なくしたので、RXガス雰囲気で焼結しても粒界酸化が抑制され、自動車用高強度焼結部品等として十分な特性が得られる。
使用する焼結設備などに特別な制限はないが、焼結コスト削減の観点からは、大量生産が可能なメッシュベルト炉やプッシャー炉を使用することが好ましい。
なお、得られる焼結体の酸素含有量に特別な制限はないが、一般には、0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がさらに好ましい。また、焼結体C量にも特別な制限はないが、一般に0.1〜0.9質量%程度である。
以上のようにして得られた焼結体は、焼結したままでも自動車用高強度焼結部品として使用できる。但し、必要に応じて浸炭焼入れ(いわゆるCQT)、光輝焼入れ(いわゆるBQT)、高周波焼入れ、浸炭窒化熱処理等の熱処理を施してもよい。浸炭焼入れ、光輝焼入れ、高周波焼入れを施す場合は、さらに焼戻しを行なうことが好ましい。これらの熱処理を行なうことによって、自動車用高強度焼結部品としての特性がさらに向上する。なお、これらの熱処理では、操業条件や使用する装置の構成に特別な制限はなく、従来公知の技術を適用すればよい。
[実施例1]
表1に示す組成の合金鋼粉に、焼結後のC量(焼結体C量)が0.3質量%となる量の黒鉛粉末を添加し、混合した原料粉末を用いた。この原料粉末を成形圧力700MPaで底面が10mm×60mmの角柱状成形体に成形し、窒素ガス雰囲気中において1200℃で焼結した。この角柱状焼結体に浸炭焼入れ焼戻しを施した後、引張強さと衝撃値を測定するとともに、金属組織を観察した。また、浸炭焼入れ焼戻し前の焼結体について、C分析を行った。それらの結果を表1に併せて示す。
表1において、合金鋼粉のCr量が少ない試料番号1(比較例)は、生成するマルテンサイト量が少ないため焼結体の引張強さは低い。一方、Cr量が多すぎる試料番号4(比較例)は、粒界酸化が生じるため、この場合も焼結体の引張強さは低い。これに対して、本発明例である試料番号2,3は、十分な焼入れ性が確保されるため、焼結体は1000MPa以上の高い引張強さが得られている。
また、合金鋼粉のMn量が少ない試料番号5(比較例)は、生成するマルテンサイト量が少ないため焼結体の引張強さは低い。一方、Mn量が多すぎる試料番号8(比較例)は、粒界酸化が生じるため、この場合も焼結体の引張強さは低い。これに対して、本発明例である試料番号6,7は、十分な焼入れ性が確保されるため、焼結体は1000MPa以上の高い引張強さが得られている。
また、合金鋼粉のMo量が少ない試料番号9(比較例)は、生成するマルテンサイト量が少ないため焼結体の引張強さは低い。一方、Mn量が多すぎる試料番号12(比較例)は、原料粉体の圧縮性が低下するため、この場合も焼結体の引張強さは低い。これに対して、本発明例である試料番号10,11は、十分な焼入れ性が確保されるため、焼結体は1000MPa以上の高い引張強さが得られている。
また、合金鋼粉のO量が多すぎる試料番号16(比較例)は、原料粉体の圧縮性が低下するため焼結体の引張強さは低い。これに対して、本発明例である試料番号13〜15の焼結体は1000MPa以上の高い引張強さが得られている。
Figure 2010100932
[実施例2]
実施例1(表1)の試料番号2で用いた合金鋼粉(Cr:0.3質量%、Mn:0.3質量%、Mo:0.2質量%、C:0.004質量%、O量:0.3質量%、残部がFeおよび不可避不純物)に、焼結後のC量(焼結体C量)が0.3質量%となる量の黒鉛粉末と成形潤滑剤(ステアリン酸亜鉛)を添加し、混合した原料粉末を用いた。この原料粉末を底面が10mm×60mmの角柱状成形体に成形し、窒素ガス雰囲気中において焼結した。この角柱状焼結体に浸炭焼入れ焼戻しを施した後、引張強さと密度を測定した。この結果を、成形圧力および焼結温度とともに表2に示す。また図1に、試料番号2,5〜7の成形圧力と引張強さとの関係を、既存高強度材である試料番号8〜11のそれと比較して示す。
表2において、焼結温度が低すぎる試料番号1(比較例)は、合金鋼粉の粒子の結合が不十分であり、さらに浸炭焼入れ時に粒界酸化が生じるため、焼結体の引張強さは低い。一方、焼結温度が高すぎる試料番号4(比較例)は、結晶粒の粗大化が生じ、この場合も焼結体の引張強さは低い。また、図1に示すように、加圧成形時の圧力が低すぎる試料番号5,6(比較例)は、密度が低いために浸炭焼入れ時に粒界酸化が生じ、既存の高強度材(試料番号8〜11)よりも引張強さが著しく低い。これに対して、本発明例である試料番号2,3,7の焼結体は1000MPa以上の高い引張強さが得られている。
Figure 2010100932
[実施例3]
表3に示す組成の合金鋼粉に黒鉛粉末を添加し、混合した原料粉末を用いた。この原料粉末を成形圧力700MPaで底面が10mm×60mmの角柱状成形体に成形し、窒素ガス雰囲気中において1200℃で焼結した。この角柱状焼結体の引張強さを測定するとともに、C分析を行った。それらの結果を表3に併せて示す。
表3において、試料番号1〜4は黒鉛粉末の添加量を0.60質量%で一定としているため、合金鋼粉中の酸素量の増加とともに脱炭量が増加し、焼結体のC量にバラツキが生じ、引張強度が大きく変動している。一方、試料番号5〜7は、焼結時に酸素と反応する量を考慮して黒鉛粉末を添加しているため、焼結体のC量と引張強度に実質的なバラツキは生じていない。
Figure 2010100932
[実施例4]
表4に示す組成の合金鋼粉に、焼結後のC量(焼結体C量)が0.4質量%となるように、上記(1)式(t=0.75、γ=0.1質量%)により求めた量の黒鉛粉末を添加し、混合した原料粉末を用いた。この原料粉末を成形圧力700MPaで底面が10mm×60mmの角柱状成形体に成形し、窒素ガス雰囲気中において1200℃で焼結した。この角柱状焼結体に浸炭焼入れ焼戻しを施した後、引張強さと衝撃値を測定するとともに、金属組織を観察した。また、浸炭焼入れ焼戻し前の焼結体について、C分析を行った。それらの結果を表4に併せて示す。
なお、表4によれば、いずれの焼結体(但し、No.16の焼結体は除く)もC分析で測定されたC量はほぼ0.40質量%であり、上記(1)式により、目標とする焼結体中のC量に対し、黒鉛粉末の添加量を正確に求めることが可能であることが判った。なお、合金鋼粉中の酸素含有量が多いNo.16は、焼結体C量が目標値(0.40質量%)から大幅に逸脱したが、これはγが(1)式の設定値:0.1質量%よりも相当に逸脱したためであると考えられる。
Figure 2010100932
[実施例5]
表5に示す組成の合金鋼粉に黒鉛粉末を添加し、混合した原料粉末を用いた。この原料粉末を成形圧力700MPaで底面が10mm×60mmの角柱状成形体に成形し、窒素ガス雰囲気中において1200℃で焼結した。この角柱状焼結体の引張強さを測定するとともに、C分析を行った。それらの結果を表5に併せて示す。
表5において、試料番号1〜4は黒鉛粉末の添加量を0.60質量%で一定としたものである。これらは、合金鋼粉中の酸素量の増加とともに脱炭量が増加し、焼結体のC量にバラツキが生じ、引張強度が大きく変動している。一方、試料番号5〜7は、焼結時に酸素と反応するC量を考慮して、上記(1)式(t=0.75、γ=0.1質量%)により求めた量の黒鉛粉末を添加したものである。これらは、焼結体のC量と引張強度に実質的なバラツキは生じていない。
Figure 2010100932
[実施例6]
表6に示す組成の合金鋼粉に黒鉛粉末を添加し、混合した原料粉末を用いた。この原料粉末を成形圧力700MPaで底面が10mm×60mmの角柱状成形体に成形し、窒素ガス雰囲気中において1150℃で焼結した。この角柱状焼結体の引張強さを測定するとともに、C分析を行った。それらの結果を表6に併せて示す。
表6において、試料番号1〜3は、焼結時に酸素と反応するC量を考慮して、焼結体C量が0.5質量%となるように、上記(1)式(t=0.5、γ=0.1質量%)により求めた量の黒鉛粉末を添加したものである。これらは、焼結体のC量と引張強度に実質的なバラツキは生じていない。
Figure 2010100932

Claims (4)

  1. Cr:0.3〜0.7質量%、Mn:0.1〜0.5質量%、Mo:0.1〜0.5質量%、O:0.25〜0.5質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる粉末冶金用合金鋼粉を用い、該粉末冶金用合金鋼粉またはこれを含む混合粉を700MPa以上の圧力で成形した後、1150〜1300℃の温度で焼結することを特徴とする粉末冶金法による焼結体の製造方法。
  2. 混合粉が黒鉛粉末を含むことを特徴とする請求項1に記載の粉末冶金法による焼結体の製造方法。
  3. 混合粉が、焼結体中に残留させるC量と、焼結時に粉末冶金用合金鋼粉中の酸素と反応するC量の合計に相当する量の黒鉛粉末を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の粉末冶金法による焼結体の製造方法。
  4. 粉末冶金用合金鋼粉に、下記(1)式の条件を満足する量[%Gr](粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)の黒鉛粉末を添加することを特徴とする請求項2に記載の粉末冶金法による焼結体の製造方法。
    [%Gr]=t×(α×0.46×[%Cr]+β×0.29×[%Mn])+γ+[%C] …(1)
    但し [%Cr]:粉末冶金用合金鋼粉中のCr量(質量%)
    [%Mn]:粉末冶金用合金鋼粉中のMn量(質量%)
    [%C]:黒鉛粉末のなかで、焼結体中に残留させるC量(粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)
    α:粉末冶金用合金鋼粉中のCrの酸化率
    β:粉末冶金用合金鋼粉中のMnの酸化率
    γ:黒鉛粉末のなかで、粉末冶金用合金鋼粉に吸着されている酸素分および焼結雰囲気中に含まれる酸素分との反応に消費されるC量(粉末冶金用合金鋼粉の質量に対する質量%)。但し、γ≦0.2質量%
    t:0.25〜0.75
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