JP2009302447A - 複合磁性材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の構成では機械的強度を確保するために、熱処理後の成形体に樹脂含浸を施す工程、含浸樹脂を加熱硬化する為の工程とを必要とし、生産性が悪くなってしまっていた。そこで本発明は、樹脂含浸工程なしでも優れた機械的強度を実現する複合磁性材料を提供することを目的とする。
【解決手段】前記従来の課題を解決するために、本発明は、金属磁性粉末11と、この金属磁性粉末11間に介在する酸化物12とを備え、前記酸化物12は複数の酸化物粉末が焼結してなる構成としたものである。
【選択図】図1
【解決手段】前記従来の課題を解決するために、本発明は、金属磁性粉末11と、この金属磁性粉末11間に介在する酸化物12とを備え、前記酸化物12は複数の酸化物粉末が焼結してなる構成としたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は電子機器のインダクタ、チョークコイル、トランスその他に用いられる複合磁性材料に関するものである。
近年の電気・電子機器の小型化に伴い、磁性体についても小型かつ高効率のものが要求されている。従来の磁性体としては、例えば高周波回路で用いられるチョークコイルではフェライト粉末を用いたフェライト磁芯および金属磁性粉末の成形体である圧粉磁芯がある。
このうち、フェライト磁芯は飽和磁束密度が小さく、直流重畳特性に劣るという欠点を有している。このため、従来のフェライト磁芯においては、直流重畳特性を確保すべく磁路に対して垂直な方向に数100μmのギャップを設け、直流重畳時のインダクタンスL値の低下を防止している。しかし、このような広いギャップはうなり音の発生源となるほか、ギャップから発生する漏洩磁束が特に高周波帯域において巻線に銅損失の著しい増加をもたらす。
これに対して、金属磁性粉末を成形して作製される圧粉磁芯は、フェライト磁芯に比べて著しく大きい飽和磁束密度を有しており小型化には有利といえる。また、フェライト磁芯と異なりギャップ無しで使用できるため、うなり音や漏洩磁束による銅損失が小さいという特徴を持っている。
しかしながら、圧粉磁芯は透磁率およびコア損失についてはフェライト磁芯より優れているとはいえない。特にチョークコイルやインダクターに使用する圧粉磁芯では、コア損失が大きい分コアの温度上昇が大きくなり、小型化が図りにくい。また、圧粉磁芯はその磁気特性を向上するために成形密度を上げる必要があり、その製造時に通常5ton/cm2以上の成形圧力を、製品によっては10ton/cm2以上の成形圧力を必要とする。
ここに、圧粉磁芯のコア損失は、通常、ヒステリシス損失と渦電流損失とからなる。金属材料においては、その固有抵抗値が低いため、磁界の変化に対して、その変化を抑制するように渦電流が流れることから、渦電流損失が問題となる。渦電流損失は周波数の二乗および渦電流が流れるサイズの二乗に比例して増大する。従って、金属磁性粉末の表面を絶縁材で被覆することにより渦電流が流れるサイズを金属磁性粉末粒子間にわたるコア全体から、金属磁性粉末粒子内のみに抑えることが可能となり、渦電流損失を低減させることができる。
一方、ヒステリシス損失について、圧粉磁芯は高い圧力で成形されるため、磁性体に多数の加工歪が導入され、透磁率が低下し、ヒステリシス損失が増大する。これを回避するため、成形後、必要に応じて歪みを開放するための熱処理が施される。一般的に金属材料において回復は融点の1/2以上の温度で起こる現象であり、Feリッチ組成の合金において歪みを十分開放するためには少なくとも600℃以上好ましくは700℃以上で熱処理する必要がある。
すなわち、圧粉磁芯においては、金属磁性粉末間の絶縁性を確保したままの状態で、高温熱処理を実現することが重要となる。
また、フェライト磁芯においては、電気の良導体である金属と比較して著しく高い固有抵抗値を有するため、渦電流損失は著しく小さく、焼結体として用いることが可能であり、機械的強度は優れている。一方、圧粉磁芯は、前記したように、渦電流損失を低減するために焼結体とすることが不可であり、機械的強度としては満足のいくものではない。
前記課題に対し、例えば絶縁材としてシリコーン樹脂を用い、熱処理後の成形体に樹脂含浸を施す方法が提案されている。
なお、この出願に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2000−30925号公報
しかしながら、前記従来の構成では生産性が悪いことが問題となっていた。
即ち、機械的強度を確保するために、熱処理後の成形体に樹脂含浸を施す工程、含浸樹脂を加熱硬化する為の工程とを必要とし、生産性が悪くなってしまっていた。
そこで本発明は、樹脂含浸工程なしでも優れた機械的強度を実現する複合磁性材料を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、金属磁性粉末と、この金属磁性粉末間に介在する酸化物とを備え、前記酸化物は複数の酸化物粉末が焼結してなる構成としたものである。
本発明の複合磁性材料は、前記複数の酸化物粉末焼結してなる酸化物が金属磁性粉末間に介在することにより、前記金属磁性粉末が前記酸化物焼結体に内包された形態とすることが可能となり、樹脂含浸工程を設けることなく、前記金属磁性粉末間の絶縁性を確保するとともに、優れた機械的強度を有する複合磁性材料を実現することができるものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における複合磁性材料について説明する。
以下、実施の形態1における複合磁性材料について説明する。
本実施の形態における複合磁性材料は、図1に示すごとく、金属磁性粉末11と、この金属磁性粉末11間に介在する酸化物12とを備え、前記酸化物12は複数の酸化物粉末が焼結してなる構成としている。以下、具体的に説明する。
本実施の形態に用いられる金属磁性粉末は、少なくともFeを含むものであり、好ましくはFe、Fe−Si系、Fe−Ni系、Fe−Si−Al系から選ばれる少なくとも一種である。
本実施の形態に用いられるFe−Si系粉末は、Siの含有量が1wt%以上8wt%以下であり残部がFe及び不可避な不純物からなるものである。本実施の形態におけるSiの役割は軟磁気特性を向上させるものであり、磁気異方性、磁歪定数を小さくし、また電気抵抗を高め渦電流損失を低減させる効果がある。Si添加量としては1wt%以上8wt%以下が好ましい。1wt%より少ないと軟磁気特性の改善効果に乏しく、8wt%より多いと飽和磁化の低下が大きく直流重畳特性が低下する。
本実施の形態に用いられるFe−Ni系粉末は、Niの含有量が40wt%以上90wt%以下であり残部がFe及び不可避な不純物からなるものである。本実施の形態におけるNiの役割は軟磁気特性を向上させるものであり、添加量としては40wt%以上90wt%以下が好ましい。40wt%より少ないと軟磁気特性の改善効果に乏しく、90wt%より多いと飽和磁化の低下が大きく直流重畳特性が低下する。さらに、透磁率改善のため1〜6wt%のMoを添加することも可能である。
本実施の形態に用いられるFe−Si−Al系粉末は、Siの含有量が8wt%以上12wt%以下、Alの含有量が4wt%以上6wt%以下であり残部がFe及び不可避な不純物からなるものである。本実施の形態におけるSi、Alの役割は軟磁気特性を向上させるものであり、上記組成範囲とすることが好ましい。Si、Alの添加量が上記組成範囲より少ないと軟磁気特性の改善効果に乏しく、上記組成範囲より多いと飽和磁化の低下が大きく直流重畳特性が低下する。
本実施の形態に用いられる金属磁性粉末の平均粒径としては、1μm以上100μm以下が好ましい。平均粒径を1μm以上とすることにより成形密度を向上させることができ、透磁率の低下を抑制することができるため好ましく、平均粒径を100μm以下とすることにより、高周波での渦電流損失が大きくなるのを抑制することができるため好ましい。さらに好ましくは50μm以下とすることが良い。
本実施の形態に用いられる金属磁性粉末の作成方法は特に限定されるものでなく、各種アトマイズ法や各種粉砕粉を用いることが可能である。
本実施の形態における酸化物粉末は、Feより酸素との親和力が強い構成元素を含み、且つ融点が700℃以下であることが好ましく、V、B、Pより選ばれる少なくとも1種を含む酸化物粉末である。
本実施の形態における酸化物粉末は、Feより酸素との親和力が強いため、高温雰囲気下においても、Feとの間で酸化還元反応が生じにくい。すなわち、主要磁性元素であるFeの酸化による軟磁気特性劣化及び、酸化物還元による絶縁性の低下を抑制し、高温雰囲気下での熱処理可能とし、優れた軟磁気特性を実現しえる。
本実施の形態における酸化物粉末は、融点が700℃以下であり、本実施の形態における熱処理温度範囲にて前記酸化物粉末は溶融し液相焼結させることが可能であり、金属磁性粉末が前記酸化物焼結体に内包された形態とすることが可能となり、前記金属磁性粉末間の絶縁性を確保するとともに、優れた機械的強度を有する複合磁性材料を実現することができる。
本実施の形態における酸化物粉末の粒径としては、特に限定されるものではないが、0.05μm以上500μm以下が好ましい。0.05μm以上とすることにより、その製造工程における歩留まりを改善することができ、また、500μm以下とすることにより、金属磁性粉末に対する分散性を向上させることができるため好ましい。
本実施の形態における酸化物粉末の添加量としては、金属磁性粉末100重量部に対し0.1重量部以上5重量部以下が好ましい。0.1重量部以上とすることにより金属磁性粉末間の絶縁性を十分に確保することができ、機械的強度も満足のいく値を得ることができる。また、5重量部以下とすることにより、飽和磁化の低下による直流重畳特性の低下を抑制することができるため好ましい。
本実施の形態における金属磁性粉末と酸化物粉末の混合、分散方法は特に限定されるものでなく、回転ボールミル、遊星型ボールミル等各種ボールミル、Vブレンダー、プラネタリーミキサー等を用いることが可能である。
また、成形体の保形性を確保するため、混合分散後結着材を添加、混合しても良い。このとき用いられる結着材としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂等があげられる。なお、結着材の混合分散方法は特に限定されるものでなく、例えば、前記金属磁性粉末と酸化物粉末の混合分散に用いられる方法を使用することができる。
本実施の形態における加圧成形方法は特に限定されるものではなく、通常の加圧成形法が用いられる。成形圧力としては5ton/cm2以上20ton/cm2以下の範囲が好ましい。5ton/cm2以上とすることにより金属磁性粉末の充填率を高くすることができ、高い磁気特性を得ることができる。また、20ton/cm2以下とすることにより、加圧成形時の金型強度を確保するため金型及び、成形圧力を確保するためプレス機の小型化を実現することができ、その結果として生産性の向上、コストダウンにつながる。
本実施の形態における熱処理は、加圧成形時に金属磁性粉末に導入される加工歪みによる軟磁気特性の低下を防ぐ、すなわち加工歪みの開放と、酸化物粉末を液相焼結させ、前記金属磁性粉末が前記酸化物焼結体に内包された形態とし、前記金属磁性粉末間の絶縁性を確保し且つ優れた機械的強度を実現させることが目的である。
熱処理温度としては、700℃以上1000℃以下の範囲が好ましい。700℃以上とすることにより、酸化物粉末同士を液相焼結させることができ、優れた機械的強度を実現することができる。また、加工歪を十分に開放することができ、優れた軟磁気特性を実現することができる。また、1000℃以下とすることにより、金属磁性粉末と前記酸化物焼結体間での反応の促進を抑制し、十分な絶縁性を確保することができ、渦電流損失の増大を抑制することができる。
熱処理雰囲気としては、金属磁性粉末の酸化による軟磁気特性低下を抑制するため非酸化性雰囲気が好ましく、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等不活性雰囲気、水素ガス等還元雰囲気、真空雰囲気である。
本実施の形態に用いられる金属磁性粉末の平均粒径としては、1μm以上100μm以下が好ましい。平均粒径を1μm以上とすることにより成形密度を向上させ、透磁率の低下を抑制することができるため好ましい。また、平均粒径を100μm以下とすることにより、高周波での渦電流損失が大きくなるのを抑制することができ好ましい。さらに好ましくは50μm以下とすることが良い。
以下、本実施の形態の複合磁性材料の実施例について説明する。
(実施例1)
平均粒径が26μmで、組成が重量%で8.9Si5.9Albal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末に対し、(表1)記載の酸化物粉末を0.5重量部添加混合し混合粉末を作成した。得られた混合粉末に、結着材としてブチラール樹脂を1.0重量部添加した後エタノールを少量加え混練分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを12ton/cm2にて加圧成形を行い、アルゴンガス雰囲気にて810℃で1.0h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
平均粒径が26μmで、組成が重量%で8.9Si5.9Albal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末に対し、(表1)記載の酸化物粉末を0.5重量部添加混合し混合粉末を作成した。得られた混合粉末に、結着材としてブチラール樹脂を1.0重量部添加した後エタノールを少量加え混練分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを12ton/cm2にて加圧成形を行い、アルゴンガス雰囲気にて810℃で1.0h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。
得られたサンプルについて直流重畳特性、コア損失、機械的強度について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場55Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数120kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。機械的強度の測定については、図2、図3に示すように、作成したトロイダルコア1をギャップ10mmを設けた支持治具2に設置し、先端が半径2mm程度の加圧治具3を用いてトロイダルコア中心線上を1cm2/minの速度で加圧し破壊した時の負荷を機械的強度として評価した。得られた結果を(表1)に示す。
(表1)より、本実施の形態の複合磁性材料は優れた直流重畳特性、低いコア損失及び、高い機械的強度を示すことがわかる。
(実施例2)
平均粒径が12μmで(表2)記載の組成の金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末に対し平均粒径が400μmのP2O5を1.0重量部添加混合し混合粉末を作成した。得られた混合粉末に、結着材としてアクリル樹脂を0.8重量部添加した後トルエンを少量加え混練分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを10ton/cm2にて加圧成形を行い、窒素ガス雰囲気にて860℃で0.5h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。また、比較として絶縁性結着材としてシリコーン樹脂を1.0重量部添加した試料も作成した。なお、比較試料の作成においては、P2O5及びアクリル樹脂を無添加とする以外は本実施例試料作成と同様に行った。
平均粒径が12μmで(表2)記載の組成の金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末に対し平均粒径が400μmのP2O5を1.0重量部添加混合し混合粉末を作成した。得られた混合粉末に、結着材としてアクリル樹脂を0.8重量部添加した後トルエンを少量加え混練分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを10ton/cm2にて加圧成形を行い、窒素ガス雰囲気にて860℃で0.5h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。また、比較として絶縁性結着材としてシリコーン樹脂を1.0重量部添加した試料も作成した。なお、比較試料の作成においては、P2O5及びアクリル樹脂を無添加とする以外は本実施例試料作成と同様に行った。
得られたサンプルについて直流重畳特性、コア損失、機械的強度について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場45Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。機械的強度の測定については、実施例1と同様にして行った。得られた結果を(表2)に示す。
(表2)より、本実施の形態の複合磁性材料は優れた直流重畳特性、低いコア損失及び、高い機械的強度を示すことがわかる。
(実施例3)
平均粒径が15μmで組成が重量%で49.5Nibal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末に対し平均粒径が100μmのB2O3を(表3)記載の量添加混合し混合粉末を作成した。得られた混合粉末に、結着材としてアクリル樹脂を1.0重量部添加した後トルエンを少量加え混練分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを9ton/cm2にて加圧成形を行い、窒素ガス雰囲気にて790℃で0.5h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。得られたサンプルについて直流重畳特性、コア損失、機械的強度について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場50Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。機械的強度の測定については、実施例1と同様にして行った。得られた結果を(表3)に示す。
平均粒径が15μmで組成が重量%で49.5Nibal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末に対し平均粒径が100μmのB2O3を(表3)記載の量添加混合し混合粉末を作成した。得られた混合粉末に、結着材としてアクリル樹脂を1.0重量部添加した後トルエンを少量加え混練分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを9ton/cm2にて加圧成形を行い、窒素ガス雰囲気にて790℃で0.5h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。得られたサンプルについて直流重畳特性、コア損失、機械的強度について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場50Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。機械的強度の測定については、実施例1と同様にして行った。得られた結果を(表3)に示す。
(表3)より、酸化物粉末添加量が0.1〜5重量部の範囲にて優れた直流重畳特性、低いコア損失及び、高い機械的強度を示すことがわかる。
(実施例4)
平均粒径が20μmで組成が重量%で4.9Sibal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末に対し平均粒径が150μmのP2O5を2.0重量部添加混合し混合粉末を作成した。得られた混合粉末に、結着材としてブチラール樹脂を1.2重量部添加した後エタノールを少量加え混練分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを15ton/cm2にて加圧成形を行い、アルゴンガス雰囲気にて(表4)記載の温度で1.0h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。得られたサンプルについて直流重畳特性、コア損失、機械的強度について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場52Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。機械的強度の測定については、実施例1と同様にして行った。得られた結果を(表4)に示す。
平均粒径が20μmで組成が重量%で4.9Sibal.Feの金属磁性粉末を準備した。準備した金属磁性粉末に対し平均粒径が150μmのP2O5を2.0重量部添加混合し混合粉末を作成した。得られた混合粉末に、結着材としてブチラール樹脂を1.2重量部添加した後エタノールを少量加え混練分散を行いコンパウンドを作成した。得られたコンパウンドを15ton/cm2にて加圧成形を行い、アルゴンガス雰囲気にて(表4)記載の温度で1.0h熱処理を行った。なお、作成した試料形状は外径14mm、内径10mm、高さ2mm程度のトロイダルコアである。得られたサンプルについて直流重畳特性、コア損失、機械的強度について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場52Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。機械的強度の測定については、実施例1と同様にして行った。得られた結果を(表4)に示す。
(表4)より、熱処理温度が700〜1000℃の範囲にて優れた直流重畳特性、低いコア損失及び、高い機械的強度を示すことがわかる。
本実施の形態にかかる複合磁性体は、優れた直流重畳特性、低いコア損失且つ高い機械的強度を有し、特にトランスコア、チョークコイル、あるいは磁気ヘッド等に用いられる磁性材料として有用である。
11 金属磁性粉末
12 酸化物
12 酸化物
Claims (6)
- 金属磁性粉末と、
この金属磁性粉末間に介在する酸化物とを備え、
前記酸化物は複数の酸化物粉末が焼結してなる
複合磁性材料。 - 前記金属磁性粉末に前記複数の酸化物粉末を添加、混合した後、加圧成形、熱処理を施してなる
請求項1に記載の複合磁性材料。 - 前記酸化物粉末の構成元素の酸素との親和力が、
Feの酸素との親和力より強い
請求項1記載の複合磁性材料。 - 前記酸化物粉末が、
構成元素としてV、B、Pより選ばれる少なくとも一種を含む
請求項1記載の複合磁性材料。 - 前記酸化物粉末の融点が700℃以下である
請求項1記載の複合磁性材料。 - 前記金属磁性粉末がFe、Fe−Si系、Fe−Ni系、Fe−Si−Al系から選ばれる少なくとも1種を含む
請求項1記載の複合磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9640417B2 (en) | 2013-10-29 | 2017-05-02 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Cassette transfer apparatus and cassette transferring method using the same |
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- 2008-06-17 JP JP2008157738A patent/JP2009302447A/ja active Pending
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