JP2007299871A - 複合磁性体の製造方法およびそれを用いて得られた複合磁性体 - Google Patents
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Abstract
【課題】インダクタ、チョークコイル、トランス等電磁気部品の小型化および高周波域で使用可能な優れた磁気特性を有する複合磁性体の製造方法およびそれを用いて得られた複合磁性体を提供することを目的とする。
【解決手段】Fe、SiおよびAlを含む金属磁性粉末を、酸化雰囲気中にて熱処理することにより金属磁性粉末表面に酸化皮膜を形成する工程、前記酸化皮膜形成粉に結着剤を添加し加圧成形して成形体とする工程、前記成形体を酸化雰囲気中にて熱処理を行う工程とから構成する。
【選択図】なし
【解決手段】Fe、SiおよびAlを含む金属磁性粉末を、酸化雰囲気中にて熱処理することにより金属磁性粉末表面に酸化皮膜を形成する工程、前記酸化皮膜形成粉に結着剤を添加し加圧成形して成形体とする工程、前記成形体を酸化雰囲気中にて熱処理を行う工程とから構成する。
【選択図】なし
Description
本発明はコイル、チョークコイル、トランス等のインダクタンス部品に用いられる複合磁性体の製造方法およびそれを用いて得られた複合磁性体に関するものである。
従来、この種の複合磁性材料は、例えば高周波回路で用いられるチョークコイルではフェライト粉末を用いたフェライト磁芯および金属磁性粉末の成形体である圧粉磁芯がある。
近年の電気・電子機器の小型化に伴い、磁性体についても小型かつ高効率のものが要求されている。従来の磁性体としては、例えば高周波回路で用いられるチョークコイルではフェライト粉末を用いたフェライト磁芯および金属磁性粉末の成形体である圧粉磁芯がある。
このうち、フェライト磁芯は飽和磁束密度が小さく、直流重畳特性に劣るという欠点を有している。このため、従来のフェライト磁芯においては直流重畳特性を確保することを目的として、磁路に対して垂直な方向に数100μmのギャップを設けて直流重畳時のインダクタンス(L値)の低下を防止している。しかしながら、このような広いギャップはうなり音の発生源となるほか、特に高周波帯域において、ギャップから発生する漏洩磁束が巻線に銅損失の著しい増加をもたらす。
一方、軟磁性金属磁性粉末を成形して作製される圧粉磁芯はフェライト磁芯に比べて著しく大きい飽和磁束密度を有しており、この性能を有効に活用する大電流を扱うチョークコイルなどには有利といえる。
また、この圧粉磁芯はフェライト磁芯と異なりギャップ無しで使用することが可能であり、うなり音や漏洩磁束による銅損失が小さいという特徴を持っている。
しかしながら、圧粉磁芯は透磁率およびコア損失についてはフェライト磁芯より優れているとはいえない。特にチョークコイルやインダクタに使用する圧粉磁芯ではコア損失が大きいことから、コアの温度上昇が大きくなる。
ここで、圧粉磁芯のコア損失は通常、ヒステリシス損失と渦電流損失とからなり、このうち渦電流損失は周波数の二乗および渦電流が流れるサイズの二乗に比例して増大する。従って、金属磁性粉の表面を絶縁材で被覆することによって、渦電流が流れるサイズを金属磁性粉の粒子間にわたるコア全体から金属磁性粉の粒子内のみに抑えることが可能となり、渦電流損失を低減させることができる。
また、圧粉磁芯はその磁気特性を向上するために成形密度を上げる必要があり、通常5ton/cm2以上の成形圧力を必要とし、複雑な形状の製品を製造することは極めて困難である。そのため、圧粉磁芯はフェライト磁芯に比べてコア形状としての制約が大きく、製品の小型化が困難である。さらにまた、圧粉磁芯は高い圧力で成形されることからコア全体に多数の加工歪を有することにより透磁率が低下し、その結果としてヒステリシス損失が増大する。これを回避するため、成形後、必要に応じて歪みを開放するための熱処理が施され、熱処理温度が高いほど歪み開放には有利である。このとき、圧粉磁芯において優れた磁気特性を達成するには、高温まで金属磁性粉間の絶縁を確保する絶縁処理の実現が非常に重要である。
さらに、一般的に金属磁性材料において応力による歪みの回復は金属磁性材料の融点の1/2以上の温度で起こる現象であり、Feリッチ組成の合金において応力による歪みを十分開放するためには、少なくとも700℃以上で熱処理する必要がある。しかしながら、従来圧粉磁芯の絶縁剤として使用されるエポキシ樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂等のほとんどの有機系樹脂は応力による歪みを開放するために高温の熱処理を施すと、有機系樹脂が熱分解されてしまうことから、無機系絶縁剤を使用する必要がある。
これに対して、例えばFe−Si−Al系合金粉末に酸化処理を施して絶縁性となり得る酸化皮膜を形成するとともに、比較的耐熱性の高いシリコン樹脂などを添加する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−128327号公報
しかしながら、前記従来の構成では、有機系の樹脂材料を磁性体の絶縁性酸化皮膜の構成に用いていることから耐熱性に問題があり、そのときの熱処理における耐熱性は700℃以下であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高温での熱処理を実現し、絶縁性と優れた磁気特性を有する複合磁性体の製造方法およびそれを用いて得られた複合磁性体を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、Fe、SiおよびAlを含む金属磁性粉末を酸化雰囲気中にて熱処理することにより金属磁性粉末の表面に酸化皮膜を形成する工程と、この酸化皮膜を形成した金属磁性粉末に結着剤を混合添加した後、加圧成形して成形体と形成する工程と、前記成形体を酸化雰囲気中にて熱処理を行う工程を含む工程から構成するものである。
本発明の複合磁性体の製造方法およびそれを用いて得られた複合磁性体は、有機系の樹脂材料を構成成分に含んでいないことから、高温での熱処理で歪みを除去することを可能とし、酸化雰囲気中にて成形体の熱処理を行うことによって金属磁性粉末間の絶縁性の修復を可能とし、これによって金属磁性材料の有する高い飽和磁束密度などの磁気特性を十分に引き出し、優れた磁気特性を実現する複合磁性体の製造方法およびそれを用いて得られた複合磁性体を提供することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における複合磁性体の製造方法について説明する。
以下、本発明の実施の形態1における複合磁性体の製造方法について説明する。
本発明の実施の形態1における複合磁性体は、Fe、SiおよびAlを含む金属磁性粉末を、酸化雰囲気中にて熱処理することにより金属磁性粉末の表面に酸化皮膜を形成する第一の工程と、前記酸化皮膜を形成した金属磁性粉末に結着剤を添加して加圧成形して成形体とする第二の工程と、前記成形体を酸化雰囲気中にて熱処理を行う第三の工程を有していることを特徴とし、これによって金属磁性粉末間の絶縁性を確保しながら、高い熱処理温度によって歪みを除去することができることから、優れた磁気特性を有する複合磁性体を作製することができるものである。
前記第1の工程において、Fe、SiおよびAlを含む金属磁性粉末を酸化雰囲気中にて熱処理することにより金属磁性粉末の表面に酸化皮膜を形成している。そして、この形成された酸化皮膜はAlを主体とする酸化物であり、絶縁性、耐熱性にも優れたものである。従って、前記のような構成を実現できる材料としてはFe、SiおよびAlを含む金属磁性粉末に限定された作用であるものと考えられる。
また、酸化雰囲気中の酸素濃度を制御しながら熱処理を行うことによって、金属磁性粉末の表面に均一に酸化皮膜を形成することが可能である。この酸化皮膜の厚みは数10〜100nmの範囲が好ましい。
さらに、前記第一の工程において、金属磁性粉末の表面の酸化皮膜の形成を500〜1000℃の温度範囲において熱処理を行うことによって、絶縁性に優れた酸化皮膜を安定して形成することを可能とし、これによって、渦電流損失を低減することができる。
さらに、酸化皮膜を形成するときの酸素濃度を0.1体積%以上の雰囲気中にて熱処理を行うことによって、絶縁性に優れた酸化皮膜を効率良く形成することができる。
また、前記第二の工程において、酸化皮膜を形成した金属磁性粉末に適量の結着剤を添加した後、金型成型機を用いて加圧成形を行う際、複合磁性体において優れた磁気特性を達成するためには金属磁性粉末の充填率を高めることが必須である。すなわち、金属磁性粉末が塑性変形する領域まで高圧で加圧する必要がある。このような高圧下では塑性変形性に乏しい金属磁性粉末の表面に形成した酸化皮膜は破壊する可能性が高い、これによって酸化皮膜にクラック等の欠陥が生じ、結果として絶縁性の低下を引き起こす。
これに対して、本実施の形態1では、第三の工程において成形体を酸化雰囲気中にて再度熱処理することにより解決したものであり、成形体の高圧による成形時に酸化皮膜に導入された酸化皮膜の欠陥を再酸化によって修復することにより酸化皮膜の絶縁性を確保することができる。さらに、700℃以上の高温で熱処理をすることによって、成形時の塑性変形による歪みの開放を十分に行うことを可能としている。
このような構成とすることによって、絶縁性の確保と歪みの除去による渦電流損失およびヒステリシス損失の低減を可能とし、優れた磁気特性を実現できる複合磁性体の製造方法を実現することができる。
また、第三の工程において、熱処理の酸素濃度を0.1体積%以上の雰囲気に制御することによって、加圧成形時における金属磁性粉末の表面の酸化皮膜の欠陥を効率よく修復し、渦電流損失の低減を実現することができる。
また、本実施の形態1に用いられる金属磁性粉末は、Fe、SiおよびAlを含むものであり、Siの含有量が8〜12wt%、Alの含有量が4〜6wt%であり残部がFeおよび不可避な不純物からなるもので構成することが好ましい。前記Si、Alの役割は磁気特性を向上させるものであり、上記組成範囲とすることが好ましい。ここで、Si、Alの添加量が上記組成範囲より少ないと軟磁気特性の改善効果に乏しく、上記組成範囲より多いと飽和磁化の低下が大きく直流重畳特性が低下する。
また、Alにおいては酸化皮膜を形成する主要元素であり、緻密で絶縁性に優れた酸化皮膜を形成するには、Alの含有量は4wt%以上、好ましくは4.5wt%以上である。
また、金属磁性粉末の平均粒径としては、1.0〜100μmが好ましい。金属磁性粉末の平均粒径が1.0μmより小さいと成形密度が低くなり、透磁率が低下するため好ましくない。平均粒径が100μmより大きくなると高周波での渦電流損失が大きくなり好ましくない。そして、より好ましくは50μm以下とすることが良い。
また、結着剤としては、成形体強度を確保し得るものなら使用可能であり、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。従って、これらの有機系樹脂材料の混合は少量添加が好ましい。
なお、絶縁性は金属磁性粉末の酸化皮膜により確保されるため結着剤に絶縁性および耐熱性を付与する必要はなく、成形体の強度が確保されれば良い。従って、第三の工程において、熱処理した後には結着剤としての樹脂材料は残留していなくても良い。
そして、第一の工程における熱処理温度は500〜1000℃の範囲が好ましい。前記温度範囲より低いと、酸化反応速度が著しく遅く、絶縁性を確保し得る酸化皮膜の形成が困難であり、前記温度範囲より高いと金属磁性粉末表面における酸化皮膜のみに留まらず内部酸化を生じ磁気特性が低下する。また、熱処理雰囲気は酸素濃度が体積%で0.1%以上であることが好ましい。前記範囲より低いと酸化反応速度が遅く、絶縁性を確保し得る酸化皮膜の形成が困難である。酸素濃度の調整は例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスを用い比率を変化させることにより行うことが可能である。また、当然酸素濃度21%である大気中における熱処理も可能である。
また、成形体を作製する第二の工程における加圧成形方法は特に限定されるものではなく、通常の加圧成形法を用いることができる。そのときの成形圧力としては、5〜20ton/cm2の範囲が好ましい。5ton/cm2より低いと金属磁性粉末の充填率が低く高い磁気特性が得られない。また、20ton/cm2より高いと加圧成形時の金型強度を確保するため金型、プレス機などが大型化することによって生産性を低下させる。
また、第三の工程における成形体の熱処理工程は700〜1000℃の範囲で行うことが好ましい。特に、500℃より低い温度範囲では酸化反応速度が著しく遅くなり、絶縁性を確保できる酸化皮膜の形成が生産性の観点から困難である。さらに、加圧成形時に導入される酸化皮膜の欠陥修復が不十分となり、金属磁性粉末間の絶縁性の確保が難しい。また、700℃より低い温度範囲では絶縁性を確保し得る酸化皮膜の修復形成は可能であるが、加圧成形時に導入される加工歪みの開放が十分に行えず、優れた磁気特性の実現が困難である。そして、1000℃より高い温度での熱処理は、金属磁性粉末の表面における酸化皮膜のみに留まらず内部酸化を生じることとなり、磁気特性が低下する。
また、成形体の熱処理工程における酸素濃度は体積%で0.1%以上の雰囲気中で行うことが好ましい。前記範囲より低いと酸化反応速度が遅く、酸化皮膜の欠陥修復が困難である。この酸素濃度の調整は例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスを用い比率を変化させることにより行うことが可能である。当然、酸素濃度21%である大気中における熱処理も可能である。
次により具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
組成が重量%で9.4Si5.2Albal.Fe、平均粒径が25μmの金属磁性粉末を酸素濃度が体積%で2%の酸素−窒素混合ガス雰囲気中にて850℃で1時間の条件で金属磁性粉末の酸化処理を行った。作製した金属磁性粉末に、結着剤としてブチラール樹脂を1.0重量部添加して混練分散を行い、コンパウンドを作製した。
組成が重量%で9.4Si5.2Albal.Fe、平均粒径が25μmの金属磁性粉末を酸素濃度が体積%で2%の酸素−窒素混合ガス雰囲気中にて850℃で1時間の条件で金属磁性粉末の酸化処理を行った。作製した金属磁性粉末に、結着剤としてブチラール樹脂を1.0重量部添加して混練分散を行い、コンパウンドを作製した。
この得られたコンパウンドを所定の金型の中に投入し、10ton/cm2にて加圧成形を行い、その後酸素濃度が体積%で2%の酸素−窒素混合ガス雰囲気中にて850℃−1時間の条件で熱処理を行った。
また、比較例として、酸化皮膜を形成していない金属磁性粉末を用いた試料(試料No2)、成形体の熱処理を窒素雰囲気中にて行った試料(試料No3)、および酸化皮膜を形成していない金属磁性粉末を用いて成形体を作製し、その後成形体の熱処理を窒素雰囲気中にて行った試料(試料No4)を準備して、評価した。
なお、作製した試料の形状は外径;15mm、内径;10mm、高さ;3mmのトロイダルコアである。
得られたそれぞれの試料について、直流重畳特性、コア損失について評価を行った。直流重畳特性については印加磁場80Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数120kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表1)に示す。
(表1)の結果より、実施例の範囲にて作製された試料において優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
(実施例2)
組成が重量%で8.9Si5.9Albal.Fe、平均粒径が22μmの金属磁性粉末を(表2)に示した条件で酸化処理を行った。
組成が重量%で8.9Si5.9Albal.Fe、平均粒径が22μmの金属磁性粉末を(表2)に示した条件で酸化処理を行った。
なお、酸素濃度の調整は酸素−アルゴン混合ガスを用い混合比率を変えて行った。
その後、酸化処理した金属磁性粉末にアクリル樹脂を1.5重量部添加し、混練分散をした後、コンパウンドを作製した。この得られたコンパウンドを所定の金型の中に投入し、15ton/cm2にて加圧成形を行った。
その後、酸素濃度が体積%で10%の酸素−アルゴン混合ガス雰囲気中にて800℃で0.5時間の熱処理を行った。
なお、作製した試料の形状は外径;15mm、内径;10mm、高さ;3mmのトロイダルコアである。
得られた試料について直流重畳特性、コア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場90Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定して評価した。また、コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表2)に示す。
(表2)の結果より、金属磁性粉末の酸化処理条件としては酸素濃度は0.1体積%以上の雰囲気にて処理することがより好ましく、熱処理温度としては500〜1000℃の範囲で行うことがより好ましい。前記の範囲において、優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
(実施例3)
組成が重量%で9.9Si4.9Albal.Fe、平均粒径が30μmの金属磁性粉末を雰囲気;大気中(酸素濃度21%)、処理温度−時間;820℃−1時間の熱処理条件にて酸化処理を行った。
組成が重量%で9.9Si4.9Albal.Fe、平均粒径が30μmの金属磁性粉末を雰囲気;大気中(酸素濃度21%)、処理温度−時間;820℃−1時間の熱処理条件にて酸化処理を行った。
この酸化処理した金属磁性粉末にアクリル樹脂を1.2重量部添加して混練分散を行うことによって、コンパウンドを作製した。
この得られたコンパウンドを12ton/cm2にて加圧成形を行い、その後(表3)に示した条件で熱処理を行った。また、酸素濃度の調整は酸素−窒素混合ガスにて比率を変化させて行った。
なお、作製した試料形状は、外径;15mm、内径;10mm、高さ;3mmのトロイダルコアである。
得られた試料について直流重畳特性、コア損失について評価を行った。直流重畳特性については、印加磁場95Oe、周波数120kHzにおける透磁率をLCRメータにて測定し評価した。コア損失は交流B−Hカーブ測定機を用いて測定周波数110kHz、測定磁束密度0.1Tで測定を行った。得られた結果を(表3)に示す。
(表3)の結果より、成形体の熱処理条件としては、酸素濃度は0.1体積%以上の雰囲気にて処理することがより好ましく、熱処理温度としては500〜1000℃の範囲で行うことがより好ましい。前記の範囲において、優れた直流重畳特性、低いコア損失を示すことがわかる。
本発明にかかる複合磁性体の製造方法は、高い透磁率、優れた直流重畳特性、低いコア損失を有し、特にトランスコア、チョークコイル、あるいは磁気ヘッド等に用いられる磁性材料として有用である。
Claims (6)
- Fe、SiおよびAlを含む金属磁性粉末を酸化雰囲気中にて熱処理することにより金属磁性粉末の表面に酸化皮膜を形成する第一の工程と、この酸化皮膜を形成した金属磁性粉末に結着剤を混合添加した後、加圧成形して成形体を形成する第二の工程と、前記成形体を酸化雰囲気中にて熱処理を行う第三の工程を含む複合磁性体の製造方法。
- 第一の工程において、酸化皮膜の形成を500〜1000℃の温度によって熱処理を行う請求項1に記載の複合磁性体の製造方法。
- 第一の工程において、酸化皮膜の形成を酸素濃度が0.1体積%以上の雰囲気中にて熱処理を行う請求項1に記載の複合磁性体の製造方法。
- 第三の工程において、成形体の熱処理を700〜1000℃にて行う請求項1に記載の複合磁性体の製造方法。
- 第三の工程において、成形体の熱処理を酸素濃度が0.1体積%以上の雰囲気中にて行う請求項1に記載の複合磁性体の製造方法。
- Fe、SiおよびAlを含む金属磁性粉末を酸化雰囲気中にて熱処理することにより金属磁性粉末の表面に酸化皮膜を形成する第一の工程と、この酸化皮膜を形成した金属磁性粉末に結着剤を混合添加した後、加圧成形して成形体を形成する第二の工程と、前記成形体を酸化雰囲気中にて熱処理を行う第三の工程を含む製造方法によって得られた複合磁性体。
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