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JP4723609B2 - 圧粉磁心、圧粉磁心の製造方法、チョークコイル及びその製造方法 - Google Patents

圧粉磁心、圧粉磁心の製造方法、チョークコイル及びその製造方法 Download PDF

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JP4723609B2 JP2008106143A JP2008106143A JP4723609B2 JP 4723609 B2 JP4723609 B2 JP 4723609B2 JP 2008106143 A JP2008106143 A JP 2008106143A JP 2008106143 A JP2008106143 A JP 2008106143A JP 4723609 B2 JP4723609 B2 JP 4723609B2
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Description

本発明は、スイッチング電源等の電子機器に使用される圧粉磁心、圧粉磁心の製造方法、当該圧粉磁心を備えたチョークコイル及びその製造方法に関する。
従来から、高周波電流を阻止するために用いられるチョークコイルには、フェライト磁心や圧粉磁心が一般的に使用される。ここで、フェライト磁心は、飽和磁束密度が低いといった欠点を有しているのに対し、金属合金粉末を成形して作製される圧粉磁心は、軟磁性のフェライト磁心に比べて高い飽和磁束密度を有するので直流重畳特性に優れている。
この圧粉磁心に使用される金属合金粉末には、Fe−Si−Al合金のセンダスト、Fe−Ni合金のパーマロイ、Fe−Si合金が用いられており、近年は、より低損失で、透磁率が高く、さらに安価なセンダストが頻繁に用いられている。
また、圧粉磁心では、エネルギー交換効率の向上や低発熱等の観点から、小さな印加磁場において大きな磁束密度を取得できるといった磁気特性と、磁束密度の変化におけるエネルギー損失の低減といった磁気特性が求められている。しかしながら、圧粉磁心を交流磁場で使用した場合には、ヒステリシス損失、渦電流損失、異常渦電流損失の和で示される鉄損と称するエネルギー損失が生じてしまい、特に、ヒステリシス損失と渦電流損失が問題となる。
なお、このヒステリシス損失は動作周波数に比例し、渦電流損失は動作周波数の2乗に比例するので、当該ヒステリシス損失は低周波側領域で支配的になり、当該渦電流損失は高周波領域で支配的になる。そのため、低周波側領域では、ヒステリシス損失を抑制し、高周波側領域では渦電流損失を抑制することで、この鉄損を低減させる必要がある。
従来では、主に渦電流損失を低減させることを目的として、様々な絶縁性結着剤の検討が行われており、例えば、絶縁性に優れ接着強度が強いエポキシ樹脂等の有機系樹脂が絶縁性結着剤として主に使用されている。つまり、絶縁性結着剤であるエポキシ樹脂で金属合金粉末を被覆し、加圧成形した後に加熱処理(焼鈍)を行うことで圧粉磁心を形成している。
しかしながら、圧粉磁心を作製するにあたり、軟磁性の金属粉末を加圧成形した場合には、圧縮歪みによる軟磁気特性の劣化が生じ、成形圧力が高いほど劣化が進行する。そのため、このような劣化のもととなる圧縮歪みに対しては、成形体を熱処理することにより歪みを開放し、軟磁気特性を回復させている。
ところが、この圧縮歪みが開放される温度範囲においては、多くの有機系絶縁性結着剤は分解されてしまい、当該結着剤を使用することができないでいた。こういった問題を解消するために、従来技術として、無機系の絶縁性結着剤である水ガラスが使用された圧粉磁心が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、水ガラスを結着剤として使用した場合、熱処理後も水を吸収して耐久性が低下するといった問題が生じ、さらに、接着強度が弱いため充分な機械的強度が得られないといった問題も生じてしまう。そこで、Fe−Si−Alを主成分とする合金粉末に、有機バインダーとして、シリコーン樹脂とステアリン酸を混ぜ合わせ、その後、Ar雰囲気中と酸化雰囲気中の各々で500〜900℃の熱処理を行い圧環強度と耐電圧の改善を図った製造手法が提案されている(特許文献2、3参照)。
特開昭56−155510号公報 特開平7−211531号公報 特開平7−211532号公報
ところで、上記のようなFe−Si−Alを主成分とする合金粉末に、有機バインダーとして、シリコーン樹脂とステアリン酸を混ぜ合わせ、その後、Ar雰囲気中と酸化雰囲気中の各々で熱処理を行う製造手法では、ヒステリシス損失や渦電流損失の低減について特に考慮していない。また、シランカップリン剤等の耐熱性保護被膜を使用していないため、酸化雰囲気中で熱処理を行うと、透磁率の低下が著しい。
本発明は、上記課題を解消するために提案されたものであって、その目的は、圧粉磁心を交流磁場で使用した場合であっても鉄損を低減させることができ、さらに、酸化雰囲気中において熱処理を行った際も透磁率が低下せず、優れた直流重畳特性の圧粉磁心、圧粉磁心の製造方法、チョークコイル及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、鉄、珪素、アルミニウムを主成分とする軟磁性合金粉末をメチルフェニル系シリコーン樹脂で被覆した前記軟磁性合金粉末を、所定の形状に成形加工した後に、酸化雰囲気中で熱処理することで形成される圧粉磁心であって、
前記軟磁性合金粉末の表面が、耐熱性保護皮膜で被覆され、前記メチルフェニル系シリコーン樹脂の添加量が0.5〜1.5wt%であり、前記耐熱性保護皮膜と前記メチルフェニル系シリコーン樹脂の添加量の合計が1.0wt%を超えかつ3.5wt%以下であることを特徴とする。
本発明において、前記耐熱性保護皮膜を形成する材料としてシランカップリング剤を使用することが好ましい。また、前記のような圧粉磁心の製造方法、前記のような構成の圧粉磁心を使用したチョークコイル及びその製造方法も、本発明の一態様である。
以上のような態様によれば、メチルフェニル系シリコーン樹脂を使用することにより、酸化雰囲気中(大気中)で熱処理が行われると、このメチルフェニル系シリコーン樹脂は、350℃程度でSi基に直結しているメチル基が熱分解し、その後、シリカ(SiO)層として軟磁性合金粉末の表面に残り、強固なバインダー、かつ絶縁膜となる。これは、緻密で強固なシリカ膜であるため、大気中における高温での熱処理を行った場合であっても絶縁性は劣化せず、酸化等によるヒステリシス損失の増加の影響を低減させることができる。
なお、低周波数側ではヒステリシス損失が支配的になることから、周波数が200kHz以下においては、大気中で熱処理を行う方が窒素雰囲気中で熱処理を行うものよりも鉄損(主にヒステリシス損失)を低減させることが可能となる。
また、上記のような軟磁性合金粉末において、メチルフェニル系シリコーン樹脂では、スプリングバックによるクラックの影響によりメチル系シリコーン樹脂では得られない高圧成形を行うことが可能である。これにより、成形体の密度が向上するので、ヒステリシス損失は低減し、最大磁束密度も向上する。よって、メチルフェニル系シリコーン樹脂により作製した圧粉磁心の方がメチル系シリコーン樹脂により作製した圧粉磁心よりも鉄損が低減し、優れた磁気特性を取得することができる。
しかも、メチルフェニル系シリコーン樹脂の分量を0.5wt%以上とすることにより、当該メチルフェニル系シリコーン樹脂により形成されるシリカ(SiO)層が、緻密で強固なシリカ膜となるため、高圧環強度を維持し、絶縁性は劣化せずに酸化等によるヒステリシス損失の増加の影響を低減させることが可能となる。なお、0.5wt%より少ないと、このメチルフェニル系シリコーン樹脂により形成された成形体にクラックが発生するため、磁気特性の低下等の不具合が生じてしまう。
また、メチルフェニル系シリコーン樹脂の分量を1.5wt%以下としているのは、このメチルフェニル系シリコーン樹脂量が増加し過ぎると、合金粉末の密度が低下することで最大磁束密度が低下し、また、ヒステリシス損失が増加してしまうことを防止するためである。
シランカップリング剤とメチルフェニル系シリコーン樹脂との添加量の合計が1.0wt%を超えかつ3.5wt%以下としたので、メチルフェニル系シリコーン樹脂から形成された成形体にクラックが生じたり、最大磁束密度が低下し、ヒステリシス損失が増加する等の影響を抑制することが可能となる。
具体的には、メチルフェニル系シリコーン樹脂の添加量の上限は、上述した通り、最大磁束密度の低下やヒステリシス損失の増加の観点から1.5wt%であり、また、シランカップリング剤の上限は、圧環強度との関係で2.0wt%であるため、このような状況を考慮して、シランカップリング剤とメチルフェニル系シリコーン樹脂との添加量の上限を3.5wt%となる。
一方、シランカップリング剤を使用しない場合よりも、最大磁束密度の低下やヒステリシス損失の増加を抑制することが可能となり、優れた磁気特性を実現する上で、メチルフェニル系シリコーン樹脂とシランカップリング剤の添加量の下限を1.0wt%としている。
以上のような態様によれば、耐熱性保護皮膜としてシランカップリング剤を使用すると、大気中で熱処理を行った場合においても透磁率を低下することなく、当該シランカップリング剤を使用しない場合よりも鉄損を低減させることが可能となる。そのため、メチルフェニル系シリコーン樹脂の分量が少なくてもシランカップリング剤を使用することで鉄損を低減可能な圧粉磁心を作製できる。
以上のような態様によれば、使用されるメチルフェニル系シリコーン樹脂に被覆された合金粉末は、大気中熱処理されることで、上述した通り、シリカ(SiO)層として軟磁性合金粉末の表面に残り、緻密で強固なシリカ膜となるため、大気中における高温での熱処理を行った場合であっても絶縁性は劣化せず、酸化等によるヒステリシス損失を低減させる圧粉磁心を使用したチョークコイルを作製することが可能である。
また、直流重畳電流が所定値を超える場合には、大気中で熱処理を行い形成した圧粉磁心を使用することでチョークコイルのインダクタンスが高くなり、さらに、当該インダクタンスの低減する幅も小さいため、良好な直流重畳特性を実現できる。
以上のような本発明によれば、メチルフェニル系シリコーン樹脂を使用することにより、酸化雰囲気中(大気中)で熱処理が行われると、このメチルフェニル系シリコーン樹脂は、350℃程度でSi基に直結しているメチル基が熱分解し、その後、シリカ(SiO)層として軟磁性合金粉末の表面に残り、緻密で強固なシリカ膜を形成するため、大気中における高温での熱処理を行った場合であっても絶縁性は劣化せず、酸化等によるヒステリシス損失の増加の影響を低減させることが可能な圧粉磁心、圧粉磁心の製造方法、チョークコイル及びその製造方法を提供することができる。
[本実施形態]
[1.製造工程]
次に、本発明の製造工程を以下に説明する。なお、本発明は、Fe−Si−Al合金を主成分とする軟磁性合金粉末を、結着性絶縁樹脂であるメチルフェニル系シリコーン粘着剤により被覆し、その後、所定の形状に成形し、酸化雰囲気中(大気中)で熱処理することで圧粉磁心を作製する点に特徴を有する。
具体的には、まず、センダスト等のFe−Si−Al合金を主成分とする軟磁性合金粉末を、例えばメチルフェニル系シリコーンワニスにより被覆し、200℃前後の加熱乾燥を行う。その後、メチル基の熱分解速度を速めるために、潤滑剤としてステアリン酸の金属塩を混入させる。なお、後述するが、本実施形態では、この潤滑剤としてエチレンビスステアラマイド又はステアリン酸亜鉛を0.5質量%混合させている。
そして、室温にて加圧成形することで成形体を形成する。ここで、加熱乾燥されたメチルフェニル系シリコーンワニスは、成形時のバインダーとして作用する。その後、この成形体に対して大気中で600〜800℃の熱処理が行われることで圧粉磁心が作製される。なお、600〜800℃の範囲で熱処理を行うのは、ある程度の圧環強度を維持し、一方で、焼鈍温度を上げ過ぎると絶縁性能の劣化から磁気特性が劣化し、特に渦電流損失が大きく増加してしまうことで鉄損が増加するのを抑制するためである。
ここで、本実施形態において合金粉末を被覆するメチルフェニル系シリコーンワニスは、樹脂濃度が高く溶剤が揮発した後は粘着感があり、上述した200℃前後の加熱乾燥においては成形時のバインダーとして最適に作用する。なお、メチル系のシリコーンレジンは何れも3官能基が導入されているのに対し、このメチルフェニル系シリコーンワニスは2官能のシロキサンが導入されているので、柔軟性が維持されている。
また、このメチルフェニル系シリコーンワニスは、350℃程度でSi基に直結しているメチル基が熱分解し、その後、シリカ(SiO)層として軟磁性合金粉末の表面に残り、緻密で強固なバインダー、並びに絶縁膜となる。実際には、圧粉磁心の熱処理が大気中で行われることで、緻密で強固なシリカ膜となるので、高温で熱処理を行っても絶縁性が劣化せず、酸化などによるヒステリシス損失が増加しない。さらに、この大気中における熱処理により、熱分解したメチル基が炭素として残存しないので、機械的強度が改善できる。
なお、上述した通り、潤滑材としてステアリン酸の金属塩を使用することで、金属の種類によってメチル基の熱分解速度を速めることが可能となり(触媒効果)、より低温からでも丈夫なシリカ層が形成される。
また、軟磁性合金粉末に対して、有機金属カップリング剤(例えば、シランカップリング剤)を混合させて、当該軟磁性合金粉末の表面に耐熱性保護皮膜を形成する手法も利用することで、当該カップリング剤を使用しない手法よりもヒステリシス損失を格段に低減させ、鉄損を低下させることができる。
[2.実施例]
次に、本実施形態に係る第1〜5の実施例を、図1、2及び表1〜3を参照して、以下に説明する。
[2.0.測定項目]
なお、測定項目として、透磁率と鉄損(コアロス)を次のような手法により測定する。透磁率は、作製された圧粉磁心に1次巻き線(20T)を施し、インピーダンスアナライザーを使用することで、100kHz、0.5Vにおけるインダクタンスから算出した。
鉄損は、圧粉磁心に1次及び2次巻線を施し、BHアナライザを用いて、最大磁束密度Bm=0.1Tの条件下で測定した。また、この測定された鉄損からヒステリシス損失と渦電流損失を、鉄損の周波数曲線で最小2乗法を用いた下記[数1]の3式により、ヒステリシス損係数、渦電流損係数を算出することで求めた。
[数1]
Pc=Kh×f+Ke×f
Ph=Kh×f
Pe=Ke×f
Pc:鉄損
Kh:ヒステリシス損係数
Ke:渦電流損係数
f:周波数
Ph:ヒステリシス損失
Pe:渦電流損失
[2.1.第1の実施例]
次に、本実施形態に係る第1の実施例を、表1を参照して以下に説明する。
なお、第1の実施例で使用する試料は下記のように作製される。
粉砕法により得られた、平均粒子経(D50)37μmで、分量がFe:Si:Al=84.6:9.7:5.7の合金粉末を用意し、この粉末を1000℃で6時間、水素雰囲気中において熱処理を行う。
次に、この合金粉末に対してシランカップリング剤とメチルフェニル系シリコーンワニスを後述する表1の比率で混ぜ合わせ、150℃で2時間の加熱乾燥を行い、その後潤滑剤としてエチレンビスステアラマイドを0.5質量%混ぜ合わせた。続いて、これを室温状況下において1600MPaで加圧成形し、外径16.5mm、内径11mm、高さ11mmのリング状の成形体を形成し、さらに、この成形体に対して酸化雰囲気(大気)中において700℃で6時間の熱処理を行うことにより圧粉磁心を作製した。
なお、合金粉末に混合させるシランカップリング剤とメチルフェニル系シリコーンワニスの分量は、表1の通り、参考例1では、シランカップリング剤は0wt%、メチルフェニル系シリコーンワニスは1.5wt%、実施例2では、シランカップリング剤は1.0wt%、メチルフェニル系シリコーンワニスは1.0wt%、実施例3では、シランカップリング剤は1.5wt%、メチルフェニル系シリコーンワニスは0.75wt%、実施例4では、シランカップリング剤は2.0wt%、メチルフェニル系シリコーンワニスは0.5wt%とする。
一方、比較例として、シランカップリング剤を使用せずに、メチルフェニル系シリコーンワニスを1.0、1.5wt%混合させ、さらに、大気中ではなく窒素雰囲気(Nガス)で熱処理を行った圧粉磁心も作製した(比較例1、3)。また、シランカップリング剤を使用せずに、メチルフェニル系シリコーンワニスを1.0wt%混合させ、大気中でで熱処理を行った圧粉磁心も作製した(比較例2)。なお、比較例1〜3は、シランカップリング剤とメチルフェニル系シリコーンワニスの分量、及び熱処理を行う雰囲気が参考例1及び実施例2〜4と相違するのみで、それ以外は同様である。
また、上記では、軟磁性合金粉末として、Fe:Si:Al=84.6:9.7:5.7の分量のものを使用しているが、この比率に限定するものではなく、約10%のSi、約6%のAl、及び残部鉄からなる組成であれば、結晶磁気異方性定数及び磁歪定数が共に0に近くなり、低損失で高い透磁率が得られるので構わない。特に、Siが8〜12%、Alが4〜8%及び残部鉄からなる組成が高い透磁率を有する軟磁性合金粉末となる。また、Siが6〜14%、Alが2〜10%、残部鉄からなる組成の軟磁性合金粉末でも構わない。
なお、本実施形態は、上記で使用した平均粒子経(D50)37μmの合金粉末に限定するものではなく、平均粒径が5〜100μmの範囲のもので構わないが、平均粒子経が大き過ぎると渦電流損失が増大し、一方、平均粒子経が小さ過ぎると密度低下によるヒステリシス損失が増加するので、平均粒子経20〜50μmの合金粉末が好ましい。
参考例1及び実施例2〜4と比較例1〜3について、100kHzにおける透磁率、及び100kHz−0.1Tにおける鉄損(ヒステリシス損失、渦電流損失を含む)は、表1の通りである。
Figure 0004723609
表1によれば、大気中で熱処理を行う参考例1及び実施例2〜4の方が、窒素雰囲気中で熱処理を行う比較例1、3よりも鉄損(主に、ヒステリシス損失)が低下している。
すなわち、メチルフェニル系シリコーン樹脂(例えばメチルフェニル系シリコーンワニス)を使用することにより、大気中で熱処理が行われると、このメチルフェニル系シリコーンワニスは、350℃程度でSi基に直結しているメチル基が熱分解し、その後、シリカ(SiO2)層として軟磁性合金粉末の表面に残り、強固なバインダー、かつ絶縁膜となる。これは、緻密で強固なシリカ膜であるため、大気中における高温での熱処理を行った場合であっても絶縁性は劣化せず、酸化等によるヒステリシス損失の増加の影響は低減する。
また、シランカップリング剤を使用した実施例2〜4の方が、シランカップリング剤を使用しない比較例1〜3よりも鉄損が低下している。つまり、メチルフェニル系シリコーンワニスの分量が少なくてもシランカップリング剤を使用すれば鉄損を低減させることが可能な圧粉磁心を作製することができる。さらに、大気中で熱処理を行った場合であっても、表1の通り、参考例1及び実施例2〜4の透磁率は低下を抑制できる。
なお、混合させるメチルフェニル系シリコーンワニスの最適な添加量は、下記の理由から0.5〜1.5wt%とされる。すなわち、メチルフェニル系シリコーンワニスが熱処理されることで形成されるシリカ(SiO)層が強固なバインダーとなり、圧環強度も高く維持するためには、メチルフェニル系シリコーンワニスの添加量を0.5wt%以上にする必要がある。0.5wt%より少ないと圧環強度が低下してしまう他、高圧成形(例えば、1700MPa)した際に側面にクラックが生じるからである。
一方、メチルフェニル系シリコーンワニスを増やし過ぎてしまうと、密度低下することにより最大磁束密度が低下し、さらには、ヒステリシス損失が増加してしまうので、磁気特性の劣化を防ぐ上で、上限を1.5wt%としている。
また、表1では、耐熱保護皮膜として使用するシランカップリング剤を1.0〜2.0wt%としているが、特に下限があるわけではなく、少量でも混合させることで鉄損が低下する。但し、シランカップリン剤を使用し過ぎると圧環強度が低下するので、上限を2.0wt%としている。
なお、以上のことから、メチルフェニル系シリコーンワニスとシランカップリング剤の添加量の合計の上限は、3.5wt%(メチルフェニル系シリコーンワニス1.5wt%+シランカップリング剤2.0wt%)となり、下限は、シランカップリング剤は少量でもいいが、高圧環強度、並びに鉄損が低減する優れた磁気特性を得る上でも、1.0wt%とする。
[2.2.第2の実施例]
次に、本実施形態に係る第2の実施例を、図1を参照して以下に説明する。なお、第2の実施例では、第1の実施例で作製した実施例4と、当該実施例4で行う熱処理を大気中から窒素雰囲気中に変更し作製した比較例4と、における鉄損の周波数特性を測定した。
具体的には、第1の実施例と同様に、粉砕法により得られた、平均粒子経(D50)37μmで、分量がFe:Si:Al=84.6:9.7:5.7の合金粉末を用意し、この粉末を1000℃で6時間、水素雰囲気中において熱処理を行う。次に、この合金粉末に対してシランカップリング剤2wt%と、メチルフェニル系シリコーンワニス0.5wt%を混ぜ合わせ、加熱乾燥後に潤滑剤としてエチレンビスステアラマイドを0.5質量%混ぜ合わせた。
続いて、これを室温状況下において1600MPaで加圧成形し、外形16.5mm、内径11mm、高さ11mmのリング状の成形体を形成し、さらに、この成形体に対して大気中において700℃で6時間の熱処理を行うことにより圧粉磁心を作製した(実施例4)。一方、比較例として、上記実施例4と同じ条件のもとで(熱処理の雰囲気以外)、大気中ではなく窒素雰囲気(Nガス)で熱処理を行った圧粉磁心も作製した(比較例4)。
実施例4と比較例4について、最大磁束密度30mT、100mTにおける鉄損の周波数特性は、図1の通りである。
この図1によれば、周波数が100kHz以下においては、大気中で熱処理を行った実施例4の方が窒素雰囲気中で熱処理を行った比較例4よりも鉄損が小さくなっている。なお、低周波数側では、ヒステリシス損失が支配的になることから、大気中で熱処理を行うことにより主にヒステリシス損失が低減する。
[2.3.第3の実施例]
次に、本実施形態に係る第3の実施例を、図2を参照して以下に説明する。なお、第3の実施例では、第2の実施例で使用した実施例4と比較例4の圧粉磁心に50Tの巻線を施して作製した各々のチョークコイルの直流バイアス電流0〜10Aにおけるインダクタンスを測定した(図2)。
図2によれば、直流バイアス電流が4A以上になると、実施例4の方が比較例4よりもインダクタンスが高く、さらには、当該インダクタンスの低減する幅も小さいため、良好な直流重畳特性が得られる。
[2.4.第4の実施例]
次に、本実施形態に係る第4の実施例を、表2を参照して以下に説明する。なお、第4の実施例では、メチル系シリコーン樹脂とメチルフェニル系シリコーン樹脂とにおいて、加圧成形を行う圧力を変化させた場合の成形体のクラック状態を測定した。
ここで、第4の実施例で使用する試料は、次のように作製される。
粉砕法により得られた、平均粒子径が40μmで、分量がFe:Si:Al=85:9:6の合金粉末を用意し、この合金粉末に対し、メチルフェニル系シリコーンワニスを1.0wt%混ぜ合わせ、150℃で2時間の加熱乾燥を行い、その後、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.5質量%混ぜ合わせた。続いて、これを室温状況下において1000〜1700MPaで加圧成形し、外径16mm、内径8mm、高さ7mmのリング状の成形体を作製した(参考例5)。
一方、比較例として、上記参考例5で使用したメチルフェニル系シリコーンワニスの代わりにメチル系シリコーン樹脂のうち、例えばメチル系シリコーンワニスを使用し、それ以外は当該参考例5と同条件において成形体を作製した(比較例5)。
参考例5と比較例5の成形体のクラック状態は表2の通りである。
Figure 0004723609
○・・・クラックなし△・・・側面に小さなクラック×・・・側面に大きなクラック
表2によれば、メチルフェニル系シリコーンワニスを使用した参考例5の方が、メチル系シリコーンワニスを使用した比較例5より、成形圧力の高い状況下においても、クラック状態が生じない。
すなわち、Fe−Si−Al合金を主成分とする軟磁性合金粉末において、メチルフェニル系シリコーン樹脂では高圧成形が得られるが、メチル系シリコーン樹脂ではクラックの影響により高圧成形が得られないことがわかる。高圧成形を行った場合にメチル系シリコーンワニスの成形体にクラック状態が生じるのは、スプリングバックが要因である。
なお、高圧力で成形した方が成形体の密度が向上することで、ヒステリシス損失は低減し、最大磁束密度も向上する。そのため、メチルフェニル系シリコーン樹脂により作製した圧粉磁心の方が、メチル系シリコーン樹脂により作製した圧粉磁心よりも鉄損が低減し、優れた磁気特性を取得することが可能である。
[2.5.第5の実施例]
次に、本実施形態に係る第5の実施例を、表3を参照して以下に説明する。なお、第5の実施例では、メチル系シリコーン樹脂とメチルフェニル系シリコーン樹脂により作製された圧粉磁心の絶縁性を対比した。
ここで、第5の実施例で使用する試料は、次のように作製される。
粉砕法により得られた、平均粒子径が40μmで分量がFe:Si:Al=85:9:6の合金粉末を用意し、この粉末に対して、例えば、メチルフェニル系シリコーンワニスを1.5wt%混ぜ合わせ、150℃で2時間の加熱乾燥を行い、その後、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を0.5質量%混ぜ合わせた。続いて、これを室温状況下において1500MPaで加圧成形し、外径16mm、内径8mm、高さ7mmのリング状の成形体を形成し、大気中で750℃(保持30分)の条件で熱処理を行うことで試料を作製した(実施例6)。
一方、比較例として、上記実施例6で使用したメチルフェニル系シリコーンワニスの代わりにメチル系シリコーンワニスを使用し、それ以外は当該実施例6と同条件において成形体を作製した(比較例6)。
実施例6と比較例6の圧粉磁心の磁気特性は、表3の通りである。
Figure 0004723609
表3によれば、高温で熱処理を行った場合であっても、メチルフェニル系シリコーン樹脂を使用した実施例6の方が、メチル系シリコーン樹脂を使用した比較例6よりも渦電流損失が低減していることがわかる。すなわち、メチルフェニル系シリコーン樹脂を使用した圧粉磁心の方が絶縁性が高いことがわかる。
ここで、一般的に、メチル系シリコーン樹脂の動摩擦係数が0.264であるのに対し、メチルフェニル系の動摩擦係数は0.165である。そのため、加圧成形を行うことで成形体を形成する際、メチルフェニル系シリコーン樹脂の方がメチル系シリコーン樹脂よりも粉末間の摩擦による絶縁被膜の破損が減少するので、より強固な絶縁膜を形成することが可能となる。
本実施形態における酸化雰囲気中と窒素雰囲気とで熱処理をした場合の圧粉磁心の最大磁束密度30mT、100mTにおける鉄損の周波数特性を示したグラフ図。 本実施形態における酸化雰囲気中と窒素雰囲気とで熱処理をした場合の圧粉磁心の直流重畳特性を示したグラフ図。

Claims (6)

  1. 鉄、珪素、アルミニウムを主成分とする軟磁性合金粉末をメチルフェニル系シリコーン樹脂で被覆した前記軟磁性合金粉末を、所定の形状に成形加工した後に、酸化雰囲気中で熱処理することで形成される圧粉磁心であって、
    前記軟磁性合金粉末の表面が、耐熱性保護皮膜で被覆され、
    前記メチルフェニル系シリコーン樹脂の添加量が0.5〜1.5wt%であり、
    前記耐熱性保護皮膜と前記メチルフェニル系シリコーン樹脂の添加量の合計が1.0wt%を超えかつ3.5wt%以下であることを特徴とする圧粉磁心。
  2. 前記耐熱性保護皮膜は、シランカップリング剤からなることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心。
  3. 鉄、珪素、アルミニウムを主成分とする軟磁性合金粉末、その表面に耐熱性保護皮膜を形成する材料及びメチルフェニル系シリコーン樹脂を混合し、前記耐熱性保護皮膜によって被覆された前記軟磁性合金粉末の表面を前記メチルフェニル系シリコーン樹脂によって被覆し、
    この軟磁性合金粉末を、所定の形状に成形加工した後に熱処理する圧粉磁心の製造方法であって、
    前記熱処理を酸化雰囲気中で行い、
    前記メチルフェニル系シリコーン樹脂の添加量が0.5〜1.5wt%であり、
    前記耐熱性保護皮膜を形成する材料と前記メチルフェニル系シリコーン樹脂の添加量の合計が1.0wt%を超えかつ3.5wt%以下であることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  4. 前記耐熱性保護皮膜を形成する材料は、シランカップリング剤からなることを特徴とする請求項3に記載の圧粉磁心の製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の圧粉磁心にコイルを巻回して形成されることを特徴とするチョークコイル。
  6. 請求項3又は請求項4に記載の方法によって圧粉磁心を製造し、その圧粉磁心にコイルを巻回することを特徴とするチョークコイルの製造方法。
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