JP2009280849A - 製鉄用原料の造粒処理剤およびそれを用いた造粒処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、焼結鉱やペレット等の製鉄用原料の製造において、焼結原料やペレット原料を造粒する際に、焼結原料やペレット原料に含まれる微粉の量を十分に低減させることができ、かつ、強度の高い造粒物が得られる製鉄用原料の造粒処理方法と、それに使用する製鉄用造粒処理剤を提供する。
【解決手段】本発明の製鉄原料の造粒処理方法は、(メタ)アクリル酸系重合体であって、該(メタ)アクリル酸系重合体を構成するための全単量体中の(メタ)アクリル酸および/またはその塩の合計量の割合が特定範囲内にある高分子化合物と、特定の高吸水性樹脂の存在下で混合処理する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の製鉄原料の造粒処理方法は、(メタ)アクリル酸系重合体であって、該(メタ)アクリル酸系重合体を構成するための全単量体中の(メタ)アクリル酸および/またはその塩の合計量の割合が特定範囲内にある高分子化合物と、特定の高吸水性樹脂の存在下で混合処理する。
【選択図】なし
Description
本発明は、製鉄用原料の造粒処理方法に関する。詳細には、焼結鉱やペレット等の製鉄用原料の製造において、焼結原料やペレット原料等を造粒処理する方法に関する。
本発明は、製鉄用造粒処理剤に関する。詳細には、焼結鉱やペレット等の製鉄用原料の製造において、焼結原料やペレット原料等を造粒する際に用いる造粒処理剤に関する。
本発明は、製鉄用造粒処理剤に関する。詳細には、焼結鉱やペレット等の製鉄用原料の製造において、焼結原料やペレット原料等を造粒する際に用いる造粒処理剤に関する。
製鉄工程は、一般に、鉄鉱石を主成分とする製鉄用原料を高炉に装入することにより行われている。鉄鉱石には、塊鉄鉱石と粉鉄鉱石とがある。世界で産出される鉄鉱石の約60%が、粒径が約5mm以下の粉鉄鉱石である。このような粉鉄鉱石をそのまま製鉄の高炉に装入すると、通気性の不良や不均一化、ガス灰発生量の増加などを生じ、高炉操業に悪影響を及ぼす。そこで、製鉄工程における製鉄用原料として、粉鉄鉱石を塊成化した焼結鉱が好ましく用いられている。
焼結鉱の代表的な製造工程においては、粉鉄鉱石、副原料、燃料等を含む焼結原料を焼結機に充填して焼結ベッドを形成し、表層に点火して焼結を行う。焼結機においては、通常、下方吸引式が採用されている。下方吸引式の焼結機においては、焼結原料の下側から吸引することによって焼結に必要な空気を流通させると共に、焼結原料の上側から下側へ向かって燃料を燃焼させることにより、焼結原料を焼結するようになっている。このため、焼結原料が微粉を多く含んでいると、目詰まり等によって通気性が低下し、燃料であるコークスの燃焼速度が遅くなり、焼結鉱の生産性が低下する。
焼結原料を焼結させる際の焼結機における通気性を改善するために、焼結原料を造粒して擬似粒子化することが行われている。例えば、焼結原料となる粉鉄鉱石、副原料、燃料等を混合し、少量の水を添加して造粒機で攪拌することにより造粒が行われている。擬似粒子とは、一般に、粒径0.5mm以下の微粒子が粒径1〜3mmの核粒子に付着している粒子のことをいう。造粒を行うことによって、例えば、微粉粒子が核粒子の周りに付着する擬似粒子化性が向上したり、得られた擬似粒子が焼結の際に崩壊しにくくなったりする。焼結原料を造粒して擬似粒子化することによって、焼結機上での焼結原料充填層(焼結ベッド)中の通気性が向上し、焼結鉱の生産性が向上する。
焼結原料の造粒において、水だけを用いる造粒では、擬似粒子化性を向上させる効果が乏しく、焼結原料に含まれる微粉の量を十分に低減することができない。そこで、擬似粒子化性を向上させるため、焼結原料中に粘結剤としての作用を有する造粒添加剤を添加する方法が提案されている。造粒添加剤としては、例えば、ベントナイト、リグニン亜硫酸塩(パルプ廃液)、澱粉、砂糖、糖蜜、水ガラス、セメント、ゼラチン、コーンスターチが挙げられる。現在では、造粒添加剤として生石灰が広く用いられている。生石灰は、擬似粒子化を促進できるうえに、焼結の際に擬似粒子が崩壊することを防止でき、焼結ベッド中の通気性が向上する。
しかし、糖蜜等のバインダーは、一般に比較的高価なものである。また、生石灰は吸湿しやすく、吸湿の際に発熱するため、取り扱い難い。さらに、生石灰は使用量を多くしないと十分な効果が得られないため、コストが上昇する。
焼結原料の造粒において、カルボキシル基および/またはその塩を有する単量体を含む単量体成分を共重合して得られる製鉄用造粒処理剤を用いる技術が報告されている(特許文献1〜6)。しかしながら、近年、優良塊鉱の枯渇化と共に粉鉄鉱石の劣質化が激しく、焼結原料の造粒性が以前よりも悪化しているため、上記特許文献1〜6記載の技術によって、焼結原料に含まれる微粒子の量を低減することはできる場合であっても、擬似粒子の輸送時等における崩壊により、十分な焼結鉱の生産性向上効果が得られない場合があった。
また、鉄鉱石とダスト等の造粒において、吸水性ポリマー粒子として、アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドの架橋体をサイクロン分離機から分離されたBOSダストスラリーに添加することにより、続く濾過工程において生成物の取扱性を改善でき、その結果、焼結が改善されることが開示されている。
また、鉄鉱石とダスト等の造粒において、吸水性ポリマー粒子として、アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドの架橋体をサイクロン分離機から分離されたBOSダストスラリーに添加することにより、続く濾過工程において生成物の取扱性を改善でき、その結果、焼結が改善されることが開示されている。
一方、製鉄用原料としてのペレットの製造においては、原料となる鉄鉱石、ダスト、炭材等を含むペレット原料を混合した後、ペレタイザー等の造粒機で水分を調節しながら造粒する。ペレットとは、一般的に、1.0mm以下の粒子が固まって6.0〜50mmの球状になった粒子をいう。この際、造粒に求められる作用は、乾燥する前の生ペレットの状態での強度が高いこと、乾燥工程中や輸送工程中に破壊されて粉化しないこと等である。ペレットの強度を向上させるために、微粉状の原料に造粒添加剤としてベントナイトを1重量%以上加えて混練し、適量の水を散布しながら造粒操作を行い、ペレットを製造する方法がある。なお、本発明にいう製鉄用原料としてのペレットとは、高炉原料、焼結原料、転炉原料等になるものである。
本発明の課題は、焼結鉱やペレット等の製鉄用原料の製造において、焼結原料やペレット原料を造粒する際に、焼結原料やペレット原料に含まれる微粉の量を十分に低減させることができ、かつ、強度の高い造粒物が得られる製鉄用原料の造粒処理方法と、それに使用する製鉄用造粒処理剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、製鉄用原料の造粒処理において、重量平均分子量1000以上100000未満の(メタ)アクリル酸系重合体と、特定の高吸水性樹脂を併用することにより、焼結原料やペレット原料に含まれる微粉の量を十分に低減させることができ、かつ、強度の高い造粒物(擬似粒子)が得られるという知見に想到し、上記課題を解決できることを見出した。本発明はこのようにして完成するに至った。
本発明の製鉄原料の造粒処理方法は、重量平均分子量1000以上100000未満の(メタ)アクリル酸系重合体および吸水性樹脂の存在下で製鉄用原料を混合処理することを特徴とする製鉄原料の造粒処理方法である。
好ましい形態においては、上記吸水性樹脂が、平均粒子径200μm以下粉末である製鉄原料の造粒処理方法である。
好ましい形態においては、上記吸水性樹脂が、平均粒子径200μm以下粉末である製鉄原料の造粒処理方法である。
本発明によれば、製鉄用原料の造粒処理において、焼結原料やペレット原料に含まれる微粉の量を十分に低減させることができ、かつ、強度の高い造粒物(擬似粒子やペレット)を得ることができる。
〔(メタ)アクリル酸系重合体〕
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、(メタ)アクリル酸系重合体の存在下で製鉄用原料(以下、特に言及した場合を除き、焼結原料またはペレット原料をいう)を混合処理することを特徴とする。好ましくは、本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、(メタ)アクリル酸系重合体の存在下で製鉄用原料を造粒処理することを特徴とする。本発明において「(メタ)アクリル酸系重合体」とは、(メタ)アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を重合して得られる重合体をいう。本発明において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸をいう。上記「その塩」とは、(メタ)アクリル酸の中和塩であれば任意の適切な塩を採用し得る。例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、1級〜4級アミン塩等の窒素含有塩;等が挙げられる。
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、(メタ)アクリル酸系重合体の存在下で製鉄用原料(以下、特に言及した場合を除き、焼結原料またはペレット原料をいう)を混合処理することを特徴とする。好ましくは、本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、(メタ)アクリル酸系重合体の存在下で製鉄用原料を造粒処理することを特徴とする。本発明において「(メタ)アクリル酸系重合体」とは、(メタ)アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を重合して得られる重合体をいう。本発明において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸をいう。上記「その塩」とは、(メタ)アクリル酸の中和塩であれば任意の適切な塩を採用し得る。例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、1級〜4級アミン塩等の窒素含有塩;等が挙げられる。
本発明にかかる(メタ)アクリル酸系重合体は、製鉄原料の造粒性が向上することから水溶性高分子化合物であることが好ましい。
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法における(メタ)アクリル酸系重合体の使用量は、焼結原料(鉄鉱石、副原料、燃料)100部に対して、0.0001質量部以上0.5質量部以下であり、好ましくは0.001質量部以上、0.2質量部以下であり、さらに好ましくは0.003質量部以上、0.1質量部以下である。0.0001質量未満の場合、造粒後の微粉量を十分に低減できないことがある。また、造粒後の造粒物(擬似粒子)の強度を十分に向上できないおそれがある。
また、製鉄原料がペレット原料である場合には、ペレット原料(鉄鉱石、副原料、燃料)100部に対して、0.0001質量部以上2質量部以下であり、好ましくは0.001質量部以上、0.5質量部以下であり、さらに好ましくは0.003質量部以上、0.2質量部以下である。0.0001質量未満の場合、造粒後の造粒物(ペレット)強度を十分に向上できないおそれがある。一方、2%を超えた場合、造粒後の微粉量が十分に低減できないおそれがある。一方、0.5%を超えた場合、造粒過多となり造粒後の造粒物(ペレット)の粒子径が大きくなりすぎるおそれがある。
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法における(メタ)アクリル酸系重合体の使用量は、焼結原料(鉄鉱石、副原料、燃料)100部に対して、0.0001質量部以上0.5質量部以下であり、好ましくは0.001質量部以上、0.2質量部以下であり、さらに好ましくは0.003質量部以上、0.1質量部以下である。0.0001質量未満の場合、造粒後の微粉量を十分に低減できないことがある。また、造粒後の造粒物(擬似粒子)の強度を十分に向上できないおそれがある。
また、製鉄原料がペレット原料である場合には、ペレット原料(鉄鉱石、副原料、燃料)100部に対して、0.0001質量部以上2質量部以下であり、好ましくは0.001質量部以上、0.5質量部以下であり、さらに好ましくは0.003質量部以上、0.2質量部以下である。0.0001質量未満の場合、造粒後の造粒物(ペレット)強度を十分に向上できないおそれがある。一方、2%を超えた場合、造粒後の微粉量が十分に低減できないおそれがある。一方、0.5%を超えた場合、造粒過多となり造粒後の造粒物(ペレット)の粒子径が大きくなりすぎるおそれがある。
上記(メタ)アクリル酸系重合体は、該(メタ)アクリル酸系重合体を構成するための全単量体中の(メタ)アクリル酸および/またはその塩の合計量の割合が、好ましくは80〜100モル%であり、より好ましくは85〜100モル%であり、さらに好ましくは90〜100モル%であり、特に好ましくは95〜100モル%であり、最も好ましくは98〜100モル%である。上記(メタ)アクリル酸系重合体を構成するための全単量体中の(メタ)アクリル酸および/またはその塩の合計量の割合を上記範囲内とすることにより、本発明の他の技術的特徴と組み合わせることによって、焼結原料やペレット原料を造粒する際に、焼結原料やペレット原料に含まれる微粉の量を十分に低減させることができ、焼結機等の通気性を向上することができ、したがって、焼結鉱やペレット等の製鉄用原料の生産性を向上することができる。
上記(メタ)アクリル酸系重合体を構成するための全単量体中の(メタ)アクリル酸またはその塩以外の単量体(以下、「その他の単量体」と称することがある)は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な単量体を採用し得る。
その他の単量体としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、アクリルアミドグリコール酸およびこれらの塩等のカルボキシル基含有単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、イソプレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、およびこれらの塩等のスルホ基含有単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスフェートおよびこれらの塩等の酸性リン酸エステル基含有単量体;ビニルフェノールおよびこれらの塩等の石炭酸系単量体;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、ブトキシポリエチレンモノ(メタ)アクリル酸エステル等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリル酸エステル;3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを付加してなるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル単量体、アリルアルコールにエチレンオキサイドを付加してなるポリエチレングリコールモノエテニルエーテル単量体、無水マレイン酸にポリエチレングリコールを付加させたマレイン酸ポリエチレングリコールハーフエステル等のポリアルキレングリコール鎖含有単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸(N,N−ジメチルアミノエチル)、(メタ)アクリル酸(N,N−ジエチルアミノエチル)、(メタ)アクリル酸アミノエチル等の、炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体;酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリル;N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基含有単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の、架橋性を有する(メタ)アクリルアミド系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン等の、加水分解性を有する基がケイ素原子に直結しているシラン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルエーテル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルアジリジン等のアジリジン基含有単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン基含有単量体;(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステル化物等の、分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリル酸エステル;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の、分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリルアミド;ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート等の、分子内に不飽和基を複数有する多官能アリル化合物;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;等が挙げられる。その他の単量体は、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体;酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリル;N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基含有単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の、架橋性を有する(メタ)アクリルアミド系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン等の、加水分解性を有する基がケイ素原子に直結しているシラン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルエーテル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルアジリジン等のアジリジン基含有単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン基含有単量体;(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステル化物等の、分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリル酸エステル;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の、分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリルアミド;ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート等の、分子内に不飽和基を複数有する多官能アリル化合物;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;等が挙げられる。その他の単量体は、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
本発明の製鉄用造粒処理剤に含有される(メタ)アクリル酸系重合体は、その末端にスルホン酸基、水酸基、ホスホナート基、ホスフィネート基(末端基(A)ともいう)が導入されているものが好ましい。上記(メタ)アクリル酸系重合体に上記末端基(A)が導入されていることにより、本発明の他の技術的特徴と組み合わせることによって、焼結原料やペレット原料を造粒する際に、焼結原料やペレット原料に含まれる微粉の量を更に低減させることができ、焼結機等の通気性を向上することができ、したがって、焼結鉱やペレット等の製鉄用原料の生産性を向上することができる。上記(メタ)アクリル酸系重合体の末端に、末端基Aを導入させる為には(メタ)アクリル酸および/またはその塩を重合する際に連鎖移動剤として、亜硫酸水素塩、過酸化水素、亜りん酸、亜りん酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸(塩)を使用する方法が挙げられる。連鎖移動剤の塩としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウムが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500以上100000未満、より好ましくは1000以上50000未満、さらに好ましくは1500以上20000未満、特に好ましくは1800以上10000未満である。上記(メタ)アクリル酸系重合体の数平均分子量(Mn)は、好ましくは500〜50000、より好ましくは500〜30000、さらに好ましくは800〜10000、特に好ましくは1000〜5000である。上記(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量(Mw)あるいは数平均分子量(Mn)が上記範囲内にあれば、本発明の効果をより一層に発揮することができる。
上記(メタ)アクリル酸系重合体は、任意の適切な方法によって製造し得る。好ましくは、連鎖移動剤の存在下で、(メタ)アクリル酸および/またはその塩を含む単量体組成物を重合することによって製造する。
上記(メタ)アクリル酸および/またはその塩を含む単量体組成物としては、前述した(メタ)アクリル酸系重合体を構成するための全単量体が該当する。このような連鎖移動剤としては、任意の適切な連鎖移動剤を採用し得る。
上記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプト基含有化合物;過酸化水素;次亜りん酸、次亜リン酸(塩)、亜りん酸、亜リン酸塩;亜硫酸水素(塩)、四塩化炭素;イソプロピルアルコール;トルエン;等の連鎖移動係数の高い化合物が挙げられる。この中でも上述した理由から、亜硫酸水素塩、過酸化水素、亜りん酸、亜りん酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸(塩)(これらを連鎖移動剤(A)ともいう)が好ましい。
上記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプト基含有化合物;過酸化水素;次亜りん酸、次亜リン酸(塩)、亜りん酸、亜リン酸塩;亜硫酸水素(塩)、四塩化炭素;イソプロピルアルコール;トルエン;等の連鎖移動係数の高い化合物が挙げられる。この中でも上述した理由から、亜硫酸水素塩、過酸化水素、亜りん酸、亜りん酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸(塩)(これらを連鎖移動剤(A)ともいう)が好ましい。
上記連鎖移動剤(A)の使用量としては、任意の適切な量を採用し得る。好ましくは、上記(メタ)アクリル酸および/またはその塩を含む単量体1モルに対して、好ましくは1〜50gであり、より好ましくは1〜20gであり、さらに好ましくは2〜20gであり、特に好ましくは3〜10gである。連鎖移動剤(A)の使用量を上記範囲内とすることにより、(メタ)アクリル酸系重合体の末端に、上記末端基(A)を導入し得る。
上記連鎖移動剤(A)は、好ましくは水に溶解して、水溶液の形態で添加してもよい。連鎖移動剤(A)水溶液として用いる場合の濃度としては、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%、さらに好ましくは30〜40重量%である。ここで、連鎖移動剤(A)水溶液の濃度が10重量%未満の場合には、製品の濃度が低下してしまうおそれがある。連鎖移動剤(A)水溶液の濃度が40重量%を超える場合には、亜硫酸塩が析出するおそれがある。
上記重合方法としては、例えば、水中油型乳化重合法、油中水型乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈澱重合法、溶液重合法、水溶液重合法、塊状重合法が挙げられる。これらの中でも水溶液重合法が好ましい。重合コスト(生産コスト)を低減できるとともに、安全性が高いからである。水溶液重合法で用いる水溶液には、溶媒、重合開始剤、その他の添加剤を含み得る。
上記重合においては、好ましくは重合開始剤を用いる。重合開始剤としては、熱または酸化還元反応によって分解し、ラジカル分子を発生させる化合物であれば、任意の適切な重合開始剤を採用し得る。また、水溶液重合法を採用する場合においては、水溶性を備えた重合開始剤が好ましい。重合開始剤は、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。重合開始剤の使用量は、単量体の組成や重合条件等に応じて適宜設定すればよい。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水素等の熱分解性開始剤;過酸化水素およびアスコルビン酸、t−ブチルハイドロパーオキサイドおよびロンガリット、過硫酸カリウムおよび金属塩、過硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素ナトリウム、等の組み合わせからなるレドックス系重合開始剤;亜硫酸塩と空気または酸素との組み合わせ;等が挙げられる。これらの中でも、本発明における(メタ)アクリル酸系重合体を効率良く製造するために、過硫酸塩が好ましい。
上記重合開始剤は、好ましくは水に溶解して、水溶液の形態で添加されてもよい。重合開始剤水溶液として用いる場合の濃度としては、好ましくは1〜35重量%、より好ましくは5〜35重量%、さらに好ましくは10〜30重量%である。ここで、重合開始剤水溶液の濃度が1重量%未満の場合には、製品の濃度が低下してしまうおそれがある。重合開始剤水溶液の濃度が35重量%を超える場合には、重合開始剤が析出するおそれがある。
上記重合の反応温度は、単量体の組成や重合開始剤の種類等に応じて、任意の適切な温度を設定し得る。好ましくは0〜100℃、より好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは60〜100℃、特に好ましくは65〜100℃、最も好ましくは70〜100℃である。ただし、連鎖移動剤として亜硫酸塩を使用する場合は、100℃未満が好ましく、90℃未満がさらに好ましく、88℃未満が特に好ましい。重合温度は、重合中、常に略一定に保持する必要はない。
上記重合の方法として水溶液重合法を採用する場合においては、用いられる溶媒は、水、アルコール、グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール類などの水性の溶媒であることが好ましく、特に好ましくは水である。これらは1種類のみ用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。用いられる溶媒は、その一部または全量は、重合初期に反応容器内に仕込んでおいても良い。また、上記単量体の溶媒への溶解性を向上させるために、各単量体の重合に悪影響を及ぼさない範囲で、任意の適切な有機溶媒を適宜加えてもよい。
上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどの低級アルコール;ジメチルホルムアルデヒドなどのアミド類;ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類;などが挙げられる。これらは1種類のみを用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
上記重合においては、上記連鎖移動剤(A)と上記過硫酸塩とを併用することが好ましい。この場合、添加比率は、過硫酸塩1重量部に対して、連鎖移動剤(A)が、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部である。過硫酸塩1重量部に対して連鎖移動剤(A)が0.1重量部未満であると、連鎖移動剤(A)による効果が十分に発現できないおそれがある。このため、(メタ)アクリル酸系重合体の末端に十分な末端基(A)を導入することができなくなる恐れがある。過硫酸塩1重量部に対して連鎖移動剤(A)が10重量部を超えると、亜硫酸塩による効果が添加比率に伴うほど発現されない状態で、重合反応系において連鎖移動剤(A)が過剰に供給される(無駄に消費される)。このため、過剰な連鎖移動剤(A)が重合反応系で分解され、副生成物が多量に発生する。
上記重合に際して、反応系内の圧力は、任意の適切な圧力を採用し得る。例えば、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下の何れの圧力下であっても良い。好ましくは常圧下または加圧下であり、より好ましくは常圧下である。常圧下で重合を行うと、加圧装置や減圧装置を併設する必要がなく、また耐圧性の反応容器や配管を用いる必要がない。このため、製造コストの低減が可能となる。
上記重合に際して、反応系内の雰囲気は、空気雰囲気でも良いし、不活性雰囲気でも良い。不活性雰囲気で重合する方法として、具体的には、例えば、重合開始前に系内を窒素などの不活性ガスで置換することが挙げられる。これにより、反応系内の雰囲気ガス(例えば、酸素ガスなど)が液相内に溶解し、重合禁止剤として作用する。その結果、重合開始剤が失活して低減することが防止される。
上記重合は、酸性条件下で行うことが好ましい。酸性条件下で行うことによって、重合反応系の粘度の上昇を抑制し、(メタ)アクリル酸系重合体を良好に製造することができる。さらに、高濃度の条件下で重合反応を進行させることができるため、製造効率を大幅に上昇させることができる。このような酸性条件下で重合反応を行うことにより、高濃度かつ1段で重合を行うことが可能となり、濃縮工程を省略することも可能である。それゆえ、(メタ)アクリル酸系重合体の生産性が大幅に向上し、製造コストの上昇も抑制しうる。上記酸性条件として、重合中の反応溶液の25℃でのpHは、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜4である。
上記pHを調整するために、pH調整剤を用いても良い。pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミンの塩;等が挙げられる。これらは1種類のみで用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらの中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
重合中の中和度は、単量体組成、開始剤および連鎖移動剤の種類に応じて決定すればよいが、好ましくは0〜40モル%であり、より好ましくは0〜30モル%であり、さらに好ましくは0〜25モル%であり、特に好ましくは0〜10モル%である。重合中の中和度が上記範囲内であれば、最も良好に重合ないし共重合することが可能である。また、重合反応系の粘度が上昇することを抑制することが可能となる。さらに、高濃度の条件下で重合反応を進行させることができるため、製造効率を大幅に上昇させることができる。ただし、連鎖移動剤として亜硫酸塩を使用する場合は、1モル%以上が好ましく、3モル%以上がさらに好ましい。重合中の中和度は、重合中、常に略一定に保持する必要はない。
上記中和度に調整するための中和の方法は、任意の適切な中和剤を用いた中和方法が採用し得る。中和剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸ナトリウムなどのアルカリ性の単量体、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物などが挙げられる。中和剤は、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中和剤の添加形態は、固体であってもよいし、適当な溶媒、好ましくは水に溶解した水溶液であってもよい。水溶液を用いる場合の水溶液の濃度は、10〜60重量%、好ましくは20〜55重量%、より好ましくは30〜50重量%である。
上記重合は、原料となる単量体の水溶液、連鎖移動剤(A)の水溶液、連鎖移動剤の水溶液、重合開始剤の水溶液等を、別個の滴下ノズルから溶剤(好ましくは水)を仕込んだ反応容器中に滴下して行うことが好ましい。バッチ式で重合を行う場合、総滴下時間は、好ましくは180〜600分、より好ましくは210〜480分、さらに好ましくは240〜420分である。総滴下時間が180分未満の場合には、例えば、連鎖移動剤(A)による効果が発現されにくい場合があり、本発明の効果を十分に発揮できる程度に(メタ)アクリル酸系重合体の末端に末端基(A)が導入されないおそれがある。総滴下時間が600分を越える場合には、(メタ)アクリル酸系重合体の生産性が低下するおそれがある。ここでいう総滴下時間とは、最初の滴下成分(1成分とは限らない)の滴下開始時から最後の滴下成分(1成分とは限らない)を滴下完了するまでの時間をいう。
上記重合においては、全ての滴下成分の滴下が終了した後、所定の時間、熟成を行っても良い。熟成時間は、好ましくは1〜120分間、より好ましくは5〜60分間、さらに好ましくは10〜50分間である。熟成時間が1分間未満の場合には、熟成不十分につき単量体成分が残ることがあり、残存モノマーに起因する不純物を形成し性能低下などを招くおそれがある。一方、熟成時間が120分間を超える場合には、重合体溶液の着色の恐れがある。また、熟成中の温度は、一定温度(好ましくは滴下終了時点での温度)で保持してもよいし、熟成中に経時的に温度を変化させてもよい。
上記重合が終了した時点での反応溶液中の固形分濃度(すなわち単量体の重合固形分濃度)は、好ましくは35〜80重量%、より好ましくは40〜70重量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。重合反応終了時の固形分濃度が35重量%以上であれば、高濃度かつ1段で重合を行うことができ、効率よく(メタ)アクリル酸系重合体を得ることができる。例えば、濃縮工程を省略することができ、製造効率を大幅に上昇させることができる結果、(メタ)アクリル酸系重合体の生産性が大幅に向上し、製造コストの上昇も抑制することが可能となる。重合反応終了時の固形分濃度が35重量%未満の場合には、(メタ)アクリル酸系重合体の生産性を大幅に向上することができない場合がある。例えば、濃縮工程を省略することが困難となるおそれがある。
上記重合は、上記酸性条件下で行われる。そのため、得られる(メタ)アクリル酸系重合体の中和度(最終中和度)は、重合が終了した後に、必要に応じて、後処理として適当なアルカリ成分を適宜添加することによって所定の範囲に設定されうる。上記最終中和度は、その使用用途によって異なり、1〜100モル%の極めて広範囲に設定可能である。
上記アルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類;などが挙げられる。上記アルカリ成分は、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
上記重合は、バッチ式で行っても良いし、連続式で行っても良い。
上記重合は、バッチ式で行っても良いし、連続式で行っても良い。
〔吸水性樹脂〕
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、吸水性樹脂の存在下で製鉄用原料(焼結原料またはペレット原料をいう)を混合処理することを特徴とする。本発明において「吸水性樹脂」とは、本発明で吸水性樹脂とは、重合体に架橋構造を導入した水膨潤性水不溶性重合体を言う。本発明で水膨潤性とは生理食塩水に対して無加圧下吸収倍率が2g/g以上、好ましくは5〜200g/g、より好ましくは10〜100g/gをいう。その水不溶性とは樹脂中の水可溶分量が必須に0〜50質量%以下、好ましくは0〜25質量%、より好ましくは0〜15質量%、さらに好ましくは0〜10質量%であることをいう。
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、吸水性樹脂の存在下で製鉄用原料(焼結原料またはペレット原料をいう)を混合処理することを特徴とする。本発明において「吸水性樹脂」とは、本発明で吸水性樹脂とは、重合体に架橋構造を導入した水膨潤性水不溶性重合体を言う。本発明で水膨潤性とは生理食塩水に対して無加圧下吸収倍率が2g/g以上、好ましくは5〜200g/g、より好ましくは10〜100g/gをいう。その水不溶性とは樹脂中の水可溶分量が必須に0〜50質量%以下、好ましくは0〜25質量%、より好ましくは0〜15質量%、さらに好ましくは0〜10質量%であることをいう。
本発明において、無加圧下吸水倍率とは、以下の方法で測定する値を言う。
<無加圧下吸収倍率(GVs)>
吸水性樹脂0.2gを不織布製袋(60×60mm)に均一に入れシールをして、25(±3)℃の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(別称;生理食塩水)100gに浸漬する。60分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、前記不織布製袋の質量W1を測定する。同様の操作について粒子状吸水剤を用いないで行い、そのときの質量W2を求め、下記式により吸収倍率を算出する。
なお、不織布は吸水性樹脂の粒子径にあわせて適宜選択して測定する。
無加圧下吸収倍率(GVs)=(W1−W2)/0.2−1
本発明において、水可溶成分量を測定する場合は、以下の方法で測定できる。
<水可溶成分量>
吸水性樹脂0.500gを1000mlの脱イオン水中に分散させ、16時間攪拌した後、濾紙で濾過する。次に、得られた濾液50gを100mlビーカにとり、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液1ml、N/200−メチルグリコールキトサン水溶液10.00ml、および、0.1%トルイジンブルー水溶液4滴を加える。
次いで、上記ビーカの溶液を、N/400−ポリビニル硫酸カリウム水溶液を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点として滴定量A(ml)を求める。また、濾液50gの代わりに脱イオン水50gを用いて同様の操作を行い、ブランク滴定して滴定量B(ml)を求める。そして、これら滴定量A、Bと、吸水剤に供されたアクリル酸の中和率x(モル%)とから、次式、に従って水可溶成分量(質量%)を算出する。
水可溶成分量(質量%)=(B(ml)−A(ml))×0.01×〔72×(100−x)+94x〕/100
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法における吸水性樹脂の使用量は、製鉄原料が焼結原料である場合、焼結原料(鉄鉱石、副原料、燃料)100部に対して、0.0001質量部以上0.5質量部以下であり、好ましくは0.001質量部以上、0.2質量部以下であり、さらに好ましくは0.003質量部以上、0.1質量部以下である。0.0001質量未満の場合、造粒後の造粒物(擬似粒子)強度を十分に向上できないおそれがある。一方、0.5%を超えた場合、造粒後の微粉量が十分に低減できないおそれがある。また、製鉄原料がペレット原料である場合には、ペレット原料(鉄鉱石、副原料、燃料)100部に対して、0.0001質量部以上2質量部以下であり、好ましくは0.001質量部以上、0.5質量部以下であり、さらに好ましくは0.003質量部以上、0.2質量部以下である。0.0001質量未満の場合、造粒後の造粒物(ペレット)強度を十分に向上できないおそれがある。一方、2%を超えた場合、造粒後の微粉量が十分に低減できないおそれがある。
<無加圧下吸収倍率(GVs)>
吸水性樹脂0.2gを不織布製袋(60×60mm)に均一に入れシールをして、25(±3)℃の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(別称;生理食塩水)100gに浸漬する。60分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、前記不織布製袋の質量W1を測定する。同様の操作について粒子状吸水剤を用いないで行い、そのときの質量W2を求め、下記式により吸収倍率を算出する。
なお、不織布は吸水性樹脂の粒子径にあわせて適宜選択して測定する。
無加圧下吸収倍率(GVs)=(W1−W2)/0.2−1
本発明において、水可溶成分量を測定する場合は、以下の方法で測定できる。
<水可溶成分量>
吸水性樹脂0.500gを1000mlの脱イオン水中に分散させ、16時間攪拌した後、濾紙で濾過する。次に、得られた濾液50gを100mlビーカにとり、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液1ml、N/200−メチルグリコールキトサン水溶液10.00ml、および、0.1%トルイジンブルー水溶液4滴を加える。
次いで、上記ビーカの溶液を、N/400−ポリビニル硫酸カリウム水溶液を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点として滴定量A(ml)を求める。また、濾液50gの代わりに脱イオン水50gを用いて同様の操作を行い、ブランク滴定して滴定量B(ml)を求める。そして、これら滴定量A、Bと、吸水剤に供されたアクリル酸の中和率x(モル%)とから、次式、に従って水可溶成分量(質量%)を算出する。
水可溶成分量(質量%)=(B(ml)−A(ml))×0.01×〔72×(100−x)+94x〕/100
本発明の製鉄用原料の造粒処理方法における吸水性樹脂の使用量は、製鉄原料が焼結原料である場合、焼結原料(鉄鉱石、副原料、燃料)100部に対して、0.0001質量部以上0.5質量部以下であり、好ましくは0.001質量部以上、0.2質量部以下であり、さらに好ましくは0.003質量部以上、0.1質量部以下である。0.0001質量未満の場合、造粒後の造粒物(擬似粒子)強度を十分に向上できないおそれがある。一方、0.5%を超えた場合、造粒後の微粉量が十分に低減できないおそれがある。また、製鉄原料がペレット原料である場合には、ペレット原料(鉄鉱石、副原料、燃料)100部に対して、0.0001質量部以上2質量部以下であり、好ましくは0.001質量部以上、0.5質量部以下であり、さらに好ましくは0.003質量部以上、0.2質量部以下である。0.0001質量未満の場合、造粒後の造粒物(ペレット)強度を十分に向上できないおそれがある。一方、2%を超えた場合、造粒後の微粉量が十分に低減できないおそれがある。
吸水性樹脂としては、公知の吸水性樹脂を使用することができ、具体的には、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸架橋体、ポリ(メタ)アクリル酸塩架橋体、スルホン酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリオキシアルキレン基を有するポリ(メタ)アクリル酸エステル架橋体、ポリ(メタ)アクリルアミド架橋体、(メタ)アクリル酸塩と(メタ)アクリルアミドとの共重合架橋体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルと(メタ)アクリル酸塩との共重合架橋体、ポリジオキソラン架橋体、架橋ポリエチレンオキシド、架橋ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリスチレン架橋体、架橋ポリビニルピリジン、デンプン−ポリ(メタ)アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−ポリ(メタ)アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体、ポリビニルアルコールと無水マレイン酸(塩)との反応生成物、架橋ポリビニルアルコールスルホン酸塩、ポリビニルアルコール−アクリル酸グラフト共重合体、ポリイソプチレンマレイン酸(塩)架橋重合体などが挙げられる。
これら吸水性樹脂は、必要に応じて、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。さらに、吸水性樹脂が備える各種性質(吸水倍率など)を阻害しない程度に、他の樹脂を吸水性樹脂と併用することもできる。
また、吸水性樹脂として、水溶性を有するエチレン性不飽和単量体と、必要に応じて架橋剤とを含む単量体成分を重合することによって得られる樹脂を用いることができる。エチレン性不飽和単量体を(共)重合してなる吸水性樹脂は、水に対する膨潤性により優れており、かつ、一般的に安価である。上記の架橋剤は、特に限定されるものではない。また、直鎖状の高分子に、架橋剤を添加して架橋することにより、あるいは、電子線を照射して架橋することにより、吸水性樹脂を形成することも好ましい。
上記のエチレン性不飽和単量体としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2 −(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2 −(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、並びに、これら単量体のアルカリ金属塩やアンモニウム塩;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、並びに、その四級化物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2 −ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類、並びに、これら単量体の誘導体;2 −ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2 −ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルスクシンイミド等のN−ビニル単量体;B−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド等のN−ビニルアミド単量体;ビニルメチルエーテル;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらエチレン性不飽和単量体は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体成分としてエチレン性不飽和単量体を2種類以上併用する場合における、より好ましい組み合わせとしては、例えば、アクリル酸ナトリウム等の(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とアクリルアミドとの組み合わせ、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩とメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートとの組み合わせ等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
上記の吸水性樹脂の中でも、製鉄用原料の造粒物の強度の向上効果が優れることから、吸水性樹脂がポリアクリル酸部分中和物架橋体であることが好ましい。
ポリアクリル酸部分中和物架橋体としては、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする架橋剤を含む単量体組成物を重合することにより得られるものが好ましい。好ましいポリアクリル酸部分中和物架橋体は繰り返し単位中(架橋剤を除く)でアクリル酸(塩)を30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%含む水膨潤性・水不溶性架橋重合体である。アクリル酸(塩)以外の単量体として、具体的には、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の親水性モノマー類およびこれらの塩が挙げられる。中和率としては、酸基の50〜95モル%が中和されていることが好ましく、60〜90モル%が中和されていることがより好ましい。塩としてはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などが例示されうる。重合開始には、各種の重合開始剤や紫外線などの活性エネルギー線が用いられる。
ポリアクリル酸部分中和物架橋体としては、アクリル酸および/またはその塩を主成分とする架橋剤を含む単量体組成物を重合することにより得られるものが好ましい。好ましいポリアクリル酸部分中和物架橋体は繰り返し単位中(架橋剤を除く)でアクリル酸(塩)を30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%含む水膨潤性・水不溶性架橋重合体である。アクリル酸(塩)以外の単量体として、具体的には、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロキシアルカンスルホン酸、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルアセトアミド、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の親水性モノマー類およびこれらの塩が挙げられる。中和率としては、酸基の50〜95モル%が中和されていることが好ましく、60〜90モル%が中和されていることがより好ましい。塩としてはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などが例示されうる。重合開始には、各種の重合開始剤や紫外線などの活性エネルギー線が用いられる。
上記のポリアクリル酸部分中和物架橋体は、公知の方法により得られるものが使用可能であるが、1分子中に2個以上の重合性不飽和基や反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させるという手法により得られるものが好ましい。
内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの内部架橋剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
内部架橋剤の使用量は特に制限されないが、単量体成分100モル%(内部架橋剤含む)に対して、好ましくは0.005〜3モル%であり、より好ましくは0.01〜1.5モル%である。内部架橋剤の使用量が上記範囲内であれば、製鉄用原料の造粒物の強度の向上効果が高くなる傾向にある。
上記のポリアクリル酸部分中和物架橋体は、表面架橋したものであっても良く、表面架橋剤としては、多価アルコール化合物、多価エポキシ化合物、多価アミン化合物やその塩、アルキレンカーボネート化合物が好ましく用いられうる。表面架橋剤の具体例としては、例えば、(ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコール、(ジ、ポリ)プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、(ポリ)グリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジまたはトリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ジ、ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ジ、ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オンなどのアルキレンカーボネート化合物;硫酸アルミニウムなどの多価金属化合物等が挙げられる。
表面架橋剤の使用量は特に制限されないが、ポリマー100質量%(表面架橋剤の質量除く)に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。表面架橋剤の使用量が上記範囲内であれば、製鉄用原料の造粒物の強度の向上効果が高くなる傾向にある。表面架橋は、乾燥後のポリマーを粉砕した後にポリマーと表面架橋剤とを混合した状態で、この混合物に対して加熱処理を施すことにより実施することが好ましい。これにより、ポリマー粒子の表面に架橋構造が効率的に導入されうる。
上記単量体成分を重合することにより、吸水性樹脂が得られるが、単量体成分の重合方法、つまり、吸水性樹脂の製造方法は、特に限定されるものではない。
本発明に用いる吸水性樹脂として、好ましくは、米国特許4093776号、同4367323号、同4446261号、同4683274号、同5244735号、同特許4625001号、同4873299号、同4286082号、同4973632号、同4985518号、同5124416号、同5250640号、同5264495号、同5145906号、同5380808号などの米国特許や、欧州特許0811636号、同0955086号,同0922717号、同1178059号、同0349240号、同0605150号、同0450923号、同0812873号、同0450924号、同0668080号などの各種欧州特許やなどの欧州特許に記載の単量体、架橋剤、重合開始剤、表面架橋剤、製造方法が適用できる。
吸水性樹脂の形状、平均粒子径などは、特に限定されるものではないが、平均粒子径が2,000μm以下、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは200μm以下、特に好ましくは100μm以下である吸水性樹脂を用いることがより望ましい。さらに特に好ましい平均粒径は70μm以下である。かかる平均粒子径の吸水性樹脂を用いることにより、製鉄用原料の造粒物の強度の向上効果が高くなる傾向にある。
また、製鉄用原料の造粒性の観点からは、吸水性樹脂の平均粒子径が100μm以下が好ましく、70μm以下が更に好ましい。平均粒子径を100μm以下にすると製鉄用原料の造粒性が向上する傾向にある。
また、吸水性樹脂の製造上の観点から、平均粒子径は1μm以上であることが好ましい。平均粒径が1μm以下になると、製造が困難になったり、製造コストが高くなる虞がある。また、平均粒径が1μm以下になると、製鉄原料に均等に混合することが困難になる虞がある。
また、製鉄用原料の造粒性の観点からは、吸水性樹脂の平均粒子径が100μm以下が好ましく、70μm以下が更に好ましい。平均粒子径を100μm以下にすると製鉄用原料の造粒性が向上する傾向にある。
また、吸水性樹脂の製造上の観点から、平均粒子径は1μm以上であることが好ましい。平均粒径が1μm以下になると、製造が困難になったり、製造コストが高くなる虞がある。また、平均粒径が1μm以下になると、製鉄原料に均等に混合することが困難になる虞がある。
本発明における平均粒子径(平均粒径あるいは平均径とも言う)は、非水溶媒中でのレーザー散乱式測定方法で測定した値をいう。詳細には、下記測定方法で測定される平均粒子径を言う。
<吸水性樹脂の平均粒子径>
測定装置は、レーザー粒度測定器LA920(堀場製作所製)を用いる。方式として、湿式で測定(メタノールに分散させて測定)する。測定時の温度は25±5℃に設定する。
吸水性樹脂のメタノール分散の状態は、透過率70〜95%になるように試料量を調整して測定する。
なお、上記平均粒径は、吸水性樹脂の固形分(180℃で3時間乾燥した時の乾燥前後の質量から算出する)が90質量%〜100質量%になるように乾燥して測定する。
<吸水性樹脂の平均粒子径>
測定装置は、レーザー粒度測定器LA920(堀場製作所製)を用いる。方式として、湿式で測定(メタノールに分散させて測定)する。測定時の温度は25±5℃に設定する。
吸水性樹脂のメタノール分散の状態は、透過率70〜95%になるように試料量を調整して測定する。
なお、上記平均粒径は、吸水性樹脂の固形分(180℃で3時間乾燥した時の乾燥前後の質量から算出する)が90質量%〜100質量%になるように乾燥して測定する。
〔製鉄用原料〕
本発明において、製鉄用原料の造粒と言った場合には、焼結原料またはペレット原料の造粒を意味するものとする。一方、本発明において、製鉄用原料の製造と言った場合には、焼結鉱またはペレットの製造をいうものとする。本発明で、焼結原料とは、粉鉄鉱石や返鉱、製鉄所で発生するダスト等の含鉄原料、石灰石、ドロマイト、蛇紋岩等の焼結用副原料、コークスや無煙炭等の燃料をいうものとする。本発明で、ペレット原料とは、ペレットフィードや製鉄所で発生するダスト等の含鉄原料、副原料、燃料をいうものとする。焼結原料、ペレット原料に関しては、本発明において特に言及した場合を除き、日本鉄鋼協会編、「製鉄便覧II 製鉄・製鋼」、第3版、丸善株式会社、昭和55年9月20日、p.91〜94及びp.129〜132の記載の性状・配合などが適用できる。
本発明において、製鉄用原料の造粒と言った場合には、焼結原料またはペレット原料の造粒を意味するものとする。一方、本発明において、製鉄用原料の製造と言った場合には、焼結鉱またはペレットの製造をいうものとする。本発明で、焼結原料とは、粉鉄鉱石や返鉱、製鉄所で発生するダスト等の含鉄原料、石灰石、ドロマイト、蛇紋岩等の焼結用副原料、コークスや無煙炭等の燃料をいうものとする。本発明で、ペレット原料とは、ペレットフィードや製鉄所で発生するダスト等の含鉄原料、副原料、燃料をいうものとする。焼結原料、ペレット原料に関しては、本発明において特に言及した場合を除き、日本鉄鋼協会編、「製鉄便覧II 製鉄・製鋼」、第3版、丸善株式会社、昭和55年9月20日、p.91〜94及びp.129〜132の記載の性状・配合などが適用できる。
〔製鉄用原料の造粒処理方法〕
本発明の製鉄原料の造粒処理方法は、上述の通り、重量平均分子量1000以上100000未満の(メタ)アクリル酸系重合体(以下重合体(α)ともいう)および吸水性樹脂の存在下で製鉄用原料を混合処理することを特徴としている。
上記重合体(α)と樹脂の存在下で混合する限り、混合の方法について制限はない。重合体(α)と吸水性樹脂の全量を製鉄原料に添加した後、混合処理しても良いし、どちらかを先に添加しても良い。また、混合工程を多段階(多工程)で行なう場合には、別々の混合工程で添加しても良い。しかしながら、吸水性樹脂の添加を重合体(α)の添加の前段階で行なった場合、造粒性(微粉低減効果)の向上効果が低下する傾向にあるため、また、造粒物(擬似粒子、ペレット)の強度の向上効果が低下する傾向にあるため、重合体(α)を先に製鉄原料添加して、該製鉄原料を混合処理(造粒処理)を開始した後に吸水性樹脂を添加して混合処理(造粒処理)することが好ましい。
本発明の製鉄原料の造粒処理方法は、上述の通り、重量平均分子量1000以上100000未満の(メタ)アクリル酸系重合体(以下重合体(α)ともいう)および吸水性樹脂の存在下で製鉄用原料を混合処理することを特徴としている。
上記重合体(α)と樹脂の存在下で混合する限り、混合の方法について制限はない。重合体(α)と吸水性樹脂の全量を製鉄原料に添加した後、混合処理しても良いし、どちらかを先に添加しても良い。また、混合工程を多段階(多工程)で行なう場合には、別々の混合工程で添加しても良い。しかしながら、吸水性樹脂の添加を重合体(α)の添加の前段階で行なった場合、造粒性(微粉低減効果)の向上効果が低下する傾向にあるため、また、造粒物(擬似粒子、ペレット)の強度の向上効果が低下する傾向にあるため、重合体(α)を先に製鉄原料添加して、該製鉄原料を混合処理(造粒処理)を開始した後に吸水性樹脂を添加して混合処理(造粒処理)することが好ましい。
好ましくは、製鉄原料を重合体(α)の存在下で混合処理(造粒処理)を開始した後、10秒以上経過後に吸水性樹脂を添加することであり、より好ましくは30秒以上経過後であり、更に好ましくは50秒以上経過後である。造粒が完全に進行してから吸水性樹脂を添加して混合処理(本発明においては、擬似粒化やペレット化が進行しなくても混合する限り造粒処理というものとする)することが、造粒後の微粉を低減する効果が高いことから最も好ましい。製鉄原料を重合体(α)の存在下で混合処理(造粒処理)を開始した後に吸水性樹脂を添加するまでの時間の上限は、特に限定されないが、製造効率上、30分以下であることが好ましい。好ましくは20分以下であり、さらに好ましくは15分以下である。30分以上にしても通常は造粒がそれ以上進行しない為、製造効率上好ましくない。なお、多段階で混合処理を行なう場合、上記の時間は、各混合処理を行なっている時間の総和であり、混合を行っていない時間、例えば1段目の混合機から、2段目の混合機へ移送する際の移送時間等は含まれない。
重合体(α)を複数回に分けて添加する場合には、重合体(α)の一部でも添加をすれば、造粒は急速に進行する為、最初に添加した重合体(α)の存在下で製鉄原料のを混合処理(造粒処理)を開始してから上記の時間経過後に吸水性樹脂を添加して混合処理(造粒処理)することが好ましい。一方、吸水性樹脂を複数回に分けて添加する場合には、造粒物(擬似粒子またはペレット)の強度面に関しては、造粒物に取り込まれない吸水性樹脂が一定量確保できれば一定の造粒物の強度向上効果が得られる為、総添加量の半数を添加する時間を、混合処理(造粒処理)を開始してから上記の時間経過後にするようにすることが好ましい。
また、製鉄原料の一部を予め混合処理(造粒処理)する場合は、それぞれの部分(製鉄原料の一部)について上記の通り混合処理(造粒処理)することが好ましい。すなわち、製鉄原料の一部を重合体(α)の存在下で混合処理(造粒処理)を開始後、吸水性樹脂を添加して混合処理(造粒処理)することにより、製鉄原料の一部の混合処理(造粒処理)を完結することが好ましい。もちろん、製鉄原料の一部のみを重合体(α)および吸水性樹脂の存在下で混合処理することも本発明の製鉄用原料の造粒処理方法の一形態である。この場合であっても、重合体(α)および吸水性樹脂の添加量は、全製鉄用原料に対して上記範囲に設定することが好ましい。該一部の製鉄原料(造粒物)は、他の原料とともに再度造粒処理されることとなるが、その際にも別途重合体(α)および/または吸水性樹脂を添加して混合処理(造粒処理)することがさらに好ましい。
本発明の造粒処理方法は、製鉄原料を造粒処理する際に、別途任意の適切な添加剤を添加しても良い。上記添加剤としては、例えば、生石灰等の造粒添加剤、擬似粒子やペレットの崩れ防止剤が挙げられる。該崩れ防止剤としては平均粒径200μm以下、好ましくは平均粒径50μm以下の無機微粒子であるが、好ましい微粒子として炭酸カルシウム、フライアッシュ、ベントナイト、カオリンクレー、ドロマイト、シリカフューム、無水石膏等などが挙げられる。上記溶剤としては、例えば、水が挙げられる。本発明では、上記造粒添加剤や崩れ防止剤は質量などの計算において製鉄原料として取り扱うものとする。
本発明の造粒処理において、重合体(α)の添加方法は、任意の適切な添加方法が採用され得る。好ましくは、重合体(α)を水溶液の状態にして、造粒機の添加水に混合する方法や、撹拌されている製鉄用原料に噴霧する方法が採用され得る。これらの方法を採用することで、簡便かつ均一に重合体(α)を添加することができ、しかも、斑無く擬似粒化やペレット化されるので、微粉をさらに低減することができる。
本発明の造粒処理において、吸水性樹脂の添加方法は、粉末状で添加することが好ましい。粉末状で添加することによって、造粒物(擬似粒子やペレット)の強度を効率よく向上させることができる。本造粒方法において、吸水性樹脂を添加することにより、造粒物強度が向上するメカニズムは十分に明確になっていないが、吸水性樹脂は、水分の存在下で、数倍以上に膨れてゲルを形成する。造粒物中に、これらのゲルが存在することにより、例えばベルトコンベアの乗り継ぎ時などの衝撃を吸収する効果を発揮し、結果として造粒物強度が向上するものと考えられる。
本発明の造粒処理方法において、造粒時の製鉄原料の水分量は、使用する設備により適宜設定され、また原料に含まれる水分量に影響されるものであるが、ペレット原料の造粒時は、例えばペレット原料100部(水分含む)中、8〜25質量%であることが好ましく、焼結原料の造粒時は、例えば焼結原料100部(水分含む)中、5〜13質量%であることが好ましい。
製鉄用原料の各銘柄の粒度分布、造粒性、組成等に応じて、製鉄用原料の一部を混合・混練・造粒した後、これを残りの製鉄用原料に混合して造粒する処理方法においても、本発明の製鉄用造粒処理剤を用いることができる。例えば、製鉄用原料の一部が難造粒性を示す場合には、この難造粒性の製鉄用原料に本発明の造粒処理方法を適用することにより、擬似粒子化やペレット化することができる。したがって、少量の重合体(α)で製鉄用原料を効率的に造粒することができる。
本発明においては、例えば、難造粒性の焼結原料等、製鉄用原料の一部を、予め選択的に混合及び/または造粒処理した後、残りの焼結原料に添加して造粒処理する方法を用いてもよい。このとき本発明の製鉄用造粒処理剤は、予め選択的に混合/造粒処理する前、或いは途中で添加してもよく、残りの焼結原料と共に造粒処理する前、或いは途中で添加してもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。また、実施例における「部」、「%」は重量基準である。
<重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定>
(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、共にGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)により測定された。測定条件、装置などは以下の通りである。
GPCのカラムとしては、東ソー株式会社製G−3000PWXL(商品名)を用いた。
移動相としては、リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5gおよびリン酸二水素ナトリウム2水和物46.2g(いずれも試薬特級)に純水を加えて全量を5000gとし、その後0.45μmのメンブランフィルターでろ過した水溶液を用いた。
検出器としては、ウォーターズ製のモデル481型を用い、検出波長UV:214nmとした。
ポンプとしては、株式会社日立製作所製のL−7110(商品名)を用いた。
移動相の流量は、0.5ml/分とし、温度は35℃とした。検量線は、創和科学製のポリアクリル酸ナトリウム標準サンプルを用いて作成した。
(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、共にGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)により測定された。測定条件、装置などは以下の通りである。
GPCのカラムとしては、東ソー株式会社製G−3000PWXL(商品名)を用いた。
移動相としては、リン酸水素二ナトリウム12水和物34.5gおよびリン酸二水素ナトリウム2水和物46.2g(いずれも試薬特級)に純水を加えて全量を5000gとし、その後0.45μmのメンブランフィルターでろ過した水溶液を用いた。
検出器としては、ウォーターズ製のモデル481型を用い、検出波長UV:214nmとした。
ポンプとしては、株式会社日立製作所製のL−7110(商品名)を用いた。
移動相の流量は、0.5ml/分とし、温度は35℃とした。検量線は、創和科学製のポリアクリル酸ナトリウム標準サンプルを用いて作成した。
<造粒物の平均粒径の測定>
製鉄用原料の平均粒径は以下のように算出した。
目開き9.5mm、4.75mm、2.8mm、1.0mm、0.5mm、0.25mmの篩を用い、篩い分けを行い、9.5〜4.75mmの粒度、4.75〜2.8mmの粒度、2.8〜1.0mmの粒度、1.0〜0.5mmの粒度、0.5〜0.25mmの粒度、0.25mm以下の粒度の重量割合(重量%)を算出した。9.5mmを越える粒径の原料は使用しなかった為、上記計算から除外した。篩い分けは、篩振盪機としてMIC‐113‐0‐02(MARUIN&Co.,LTD製)を用い、30秒振盪することにより行った。
平均粒径は以下の式から算出した。
平均粒径(mm)=(9.5〜4.75mmの粒度の重量割合×7.125)+(4.75〜2.8mmの粒度の重量割合×3.775)+(2.8〜1.0mmの重量割合×1.9)+(1.0〜0.5mmの重量割合×0.75)+(0.5〜0.25mmの重量割合×0.375)+(0.25mm以下の重量割合×0.125)
<造粒物の分級>
目開き9.5mm、4.75mm、2.8mm、1.0mm、0.5mm、0.25mmの篩を用い、篩い分けを行った。篩い分けは、篩振盪機としてMIC‐113‐0‐02(MARUIN&Co.,LTD製)を用い、30秒振盪することにより行った。
製鉄用原料の平均粒径は以下のように算出した。
目開き9.5mm、4.75mm、2.8mm、1.0mm、0.5mm、0.25mmの篩を用い、篩い分けを行い、9.5〜4.75mmの粒度、4.75〜2.8mmの粒度、2.8〜1.0mmの粒度、1.0〜0.5mmの粒度、0.5〜0.25mmの粒度、0.25mm以下の粒度の重量割合(重量%)を算出した。9.5mmを越える粒径の原料は使用しなかった為、上記計算から除外した。篩い分けは、篩振盪機としてMIC‐113‐0‐02(MARUIN&Co.,LTD製)を用い、30秒振盪することにより行った。
平均粒径は以下の式から算出した。
平均粒径(mm)=(9.5〜4.75mmの粒度の重量割合×7.125)+(4.75〜2.8mmの粒度の重量割合×3.775)+(2.8〜1.0mmの重量割合×1.9)+(1.0〜0.5mmの重量割合×0.75)+(0.5〜0.25mmの重量割合×0.375)+(0.25mm以下の重量割合×0.125)
<造粒物の分級>
目開き9.5mm、4.75mm、2.8mm、1.0mm、0.5mm、0.25mmの篩を用い、篩い分けを行った。篩い分けは、篩振盪機としてMIC‐113‐0‐02(MARUIN&Co.,LTD製)を用い、30秒振盪することにより行った。
<(メタ)アクリル酸系重合体水溶液の固形分の測定>
固形分は、170℃の熱風乾燥機で1gの(共)重合体溶液を1時間乾燥させた後の不揮発分とした。詳細には、予め秤量したアルミカップ(Agとする)に1gの(共)重合体溶液を採取してカップごと秤量し(Bgとする)、純水3gを加えて希釈した後、170℃の熱風乾燥機で1時間乾燥した。乾燥後デシケータで5分放置した後の質量を測定した(Cgとする)。
固形分(%)=(C−A)/(B−A)×100
〔実施例1〕
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水140.0gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、90℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、約90℃で一定状態の重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと略す。)405.0g(4.5mol)、37%アクリル酸ナトリウム水溶液(以下、37%SAと略す。)127.0g(0.5mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと略す。)80.0g(対単量体投入量(ここで、単量体投入量とは、単量体の全ての投入量をいう。以下同様とする。)に換算すると4.0g/mol。)、35%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと略す。)114.3g(対単量体投入量に換算すると8.0g/mol。)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、37%SAを240分間、35%SBS、15%NaPSを250分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷し、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、48%NaOHと略す。)133.3g(4.0mol)を、攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、最終中和度が90モル%のポリアクリル酸ナトリウム(本発明の(メタ)アクリル酸系重合体1)を含む水溶液(以下、重合体水溶液(1)とする。)を得た。重合処方を表1にまとめた。
固形分は、170℃の熱風乾燥機で1gの(共)重合体溶液を1時間乾燥させた後の不揮発分とした。詳細には、予め秤量したアルミカップ(Agとする)に1gの(共)重合体溶液を採取してカップごと秤量し(Bgとする)、純水3gを加えて希釈した後、170℃の熱風乾燥機で1時間乾燥した。乾燥後デシケータで5分放置した後の質量を測定した(Cgとする)。
固形分(%)=(C−A)/(B−A)×100
〔実施例1〕
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水140.0gを仕込み(初期仕込み)、攪拌下、90℃まで昇温した。
次いで、攪拌下、約90℃で一定状態の重合反応系中に、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと略す。)405.0g(4.5mol)、37%アクリル酸ナトリウム水溶液(以下、37%SAと略す。)127.0g(0.5mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと略す。)80.0g(対単量体投入量(ここで、単量体投入量とは、単量体の全ての投入量をいう。以下同様とする。)に換算すると4.0g/mol。)、35%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと略す。)114.3g(対単量体投入量に換算すると8.0g/mol。)をそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、37%SAを240分間、35%SBS、15%NaPSを250分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し、重合を完結した。重合の完結後、反応溶液を放冷し、48%水酸化ナトリウム水溶液(以下、48%NaOHと略す。)133.3g(4.0mol)を、攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、最終中和度が90モル%のポリアクリル酸ナトリウム(本発明の(メタ)アクリル酸系重合体1)を含む水溶液(以下、重合体水溶液(1)とする。)を得た。重合処方を表1にまとめた。
平均粒径1.8mmの製鉄用焼結原料(鉄鉱石84%、石灰石13%、コークス3%)1000部を予め5%の水分量に調湿した。該原料を外形550mmの円筒容器に投入し、回転速度24min−1で1分間、予備攪拌した。その後、該原料を同回転速度で攪拌しながら、該原料に重合体水溶液(1)を固形分が1.3%になるように希釈した水溶液23部を、霧吹きを用いて1分間かけて噴霧した。更に同回転速度で3分間攪拌することにより造粒処理を行った。その後、回転を止め、吸水性樹脂としてのポリアクリル酸部分中和物架橋体である、株式会社日本触媒製のアクアリックCA−ML(平均粒径50μm)(吸水性樹脂(1))0.3部を添加し、回転速度24min−1で1分間混合処理(造粒処理)をすることにより造粒物を得た。該造粒物を、2mの高さから、鉄板に落下させた。これを4回繰り返した後、該造粒物を80℃のオーブンで1時間乾燥後、分級して、0.5mm以下の微粉量を調べた(落下強度試験という)。微粉量が少ないほど、造粒が良好かつ高強度と判断できる。落下強度試験後の0.5mm以下の微粉量を表1に示す。
〔実施例2〕
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製の反応容器に、イオン交換水1520部を仕込み、65℃に昇温した。
続いて、上記反応容器中に、重合開始剤としての30%過酸化水素水溶液32部を投入した。その後、上記反応容器中に、カルボキシル基を有する単量体としてのアクリル酸791.7部(11mol)、共重合性単量体としてのアクリル酸メチル258.3部(3mol)、イオン交換水150.0部を予め混合してなる混合物を3時間かけて攪拌しながら滴下した。また、これと並行して、重合開始剤としてのL−アスコルビン酸9.9部、連鎖移動剤としてのメルカプトプロピオン酸7.4部、イオン交換水232.7部を予め混合してなる混合物を3時間30分かけて滴下した。更に上記反応容器中の反応液を65℃で、1時間攪拌して重合反応を完結させた。
その後、この反応溶液を30%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量が64000、不揮発分の濃度が31%であるアクリル酸ナトリウム/アクリル酸メチル共重合体(本発明の(メタ)アクリル酸系重合体2)の水溶液(以下、重合体水溶液(2)とする。)を得た。
重合体水溶液(2)を使用する以外には、実施例1と同様にして、造粒処理、落下強度試験を行ない、落下強度試験後の0.5mm以下の微粉量を評価した。この結果を表1に示す。
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えたガラス製の反応容器に、イオン交換水1520部を仕込み、65℃に昇温した。
続いて、上記反応容器中に、重合開始剤としての30%過酸化水素水溶液32部を投入した。その後、上記反応容器中に、カルボキシル基を有する単量体としてのアクリル酸791.7部(11mol)、共重合性単量体としてのアクリル酸メチル258.3部(3mol)、イオン交換水150.0部を予め混合してなる混合物を3時間かけて攪拌しながら滴下した。また、これと並行して、重合開始剤としてのL−アスコルビン酸9.9部、連鎖移動剤としてのメルカプトプロピオン酸7.4部、イオン交換水232.7部を予め混合してなる混合物を3時間30分かけて滴下した。更に上記反応容器中の反応液を65℃で、1時間攪拌して重合反応を完結させた。
その後、この反応溶液を30%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量が64000、不揮発分の濃度が31%であるアクリル酸ナトリウム/アクリル酸メチル共重合体(本発明の(メタ)アクリル酸系重合体2)の水溶液(以下、重合体水溶液(2)とする。)を得た。
重合体水溶液(2)を使用する以外には、実施例1と同様にして、造粒処理、落下強度試験を行ない、落下強度試験後の0.5mm以下の微粉量を評価した。この結果を表1に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、吸水性樹脂(1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、造粒処理、落下強度試験を行ない、落下強度試験後の0.5mm以下の微粉量を評価した。この結果を表1に示す。
実施例1において、吸水性樹脂(1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、造粒処理、落下強度試験を行ない、落下強度試験後の0.5mm以下の微粉量を評価した。この結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例2において、吸水性樹脂(1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、造粒処理、落下強度試験を行ない、落下強度試験後の0.5mm以下の微粉量を評価した。この結果を表1に示す。
実施例2において、吸水性樹脂(1)を使用しない以外は、実施例1と同様にして、造粒処理、落下強度試験を行ない、落下強度試験後の0.5mm以下の微粉量を評価した。この結果を表1に示す。
表1から明らかな通り、本願の(メタ)アクリル酸系重合体と、吸水性樹脂を併用するすることにより、(メタ)アクリル酸系重合体のみを使用した場合と比較して(すなわち、実施例1と比較例1の比較と、実施例2と比較例2の比較から)、落下強度試験後の残存微粉量が1割程度以上低減可能であることがわかる。
Claims (2)
- 重量平均分子量1000以上100000未満の(メタ)アクリル酸系重合体および吸水性樹脂の存在下で製鉄用原料を混合処理することを特徴とする、製鉄原料の造粒処理方法。
- 上記吸水性樹脂が、平均粒子径200μm以下である、請求項1に記載の製鉄原料の造粒処理方法。
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JP2008132756A Pending JP2009280849A (ja) | 2008-05-21 | 2008-05-21 | 製鉄用原料の造粒処理剤およびそれを用いた造粒処理方法 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102719664A (zh) * | 2011-03-30 | 2012-10-10 | 鞍钢股份有限公司 | 一种球团粘结剂及其加入装置与加入方法 |
CN103290227A (zh) * | 2013-06-20 | 2013-09-11 | 嘉峪关大友企业公司 | 不锈钢除尘灰为原料的镍铬生铁制备方法 |
CN112553460A (zh) * | 2020-12-04 | 2021-03-26 | 鞍钢集团矿业有限公司 | 改善超级铁精矿粉成球性能的复合粘结剂及使用方法 |
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RU2768073C1 (ru) * | 2021-10-20 | 2022-03-23 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Сибирский государственный индустриальный университет" ФГБОУ ВО "СибГИУ" | Способ получения окатышей |
JP7587102B2 (ja) | 2020-03-18 | 2024-11-20 | 日本製鉄株式会社 | 鉄鉱石の処理方法 |
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2008
- 2008-05-21 JP JP2008132756A patent/JP2009280849A/ja active Pending
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