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JP2009256857A - 分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントおよびそれを用いたポリ乳酸モノフィラメントの製造方法 - Google Patents

分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントおよびそれを用いたポリ乳酸モノフィラメントの製造方法 Download PDF

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JP2009256857A JP2009004295A JP2009004295A JP2009256857A JP 2009256857 A JP2009256857 A JP 2009256857A JP 2009004295 A JP2009004295 A JP 2009004295A JP 2009004295 A JP2009004295 A JP 2009004295A JP 2009256857 A JP2009256857 A JP 2009256857A
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yarn
splitting
multifilament
tension
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Kota Nakamura
浩太 中村
Kazuyo Katayama
和誉 片山
Yoshiharu Okumura
由治 奥村
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】本発明では前述の如き従来の検討では達成し得なかった分繊性に優れた分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを得ること、及び、分繊後にモノフィラメントとした場合にも物性低下が小さく、品質、高次工程通過性に優れた分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを得ることを課題とする。
【解決手段】単糸繊度が10〜50dtexであって、平均粒子径が0.5〜7.5μmの球状無機粒子を0.02〜1重量%含むことを特徴とする分繊用ポリ乳酸マルチフィラメント。
【選択図】なし

Description

本発明は優れたパッケージフォームを有し、且つ、解舒性、分繊性に優れた分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントに関するものである。
ポリ乳酸樹脂は非石油系原料から得られるカーボンニュートラル素材であり、且つ、生分解性を有していることから環境負荷が小さく廃棄物量を増大させない素材として近年注目を集めている。
繊維分野においてもマルチフィラメント、モノフィラメント、スリットヤーン、BCF等の各種繊維の開発が進んでおり、従来ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の合成繊維が使用されていた分野、例えば車両資材、建築資材、林業用資材、生活資材等に適用されつつある。
しかしながらポリ乳酸繊維は従来のポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の合成樹脂とは物理特性や表面特性が異なるため、未だ本格使用に至っていない分野が多いのが実情である。
未だポリ乳酸繊維の使用が困難な分野の一つに分繊糸が挙げられる。マルチフィラメントを分繊して得られるモノフィラメントは、直接紡糸法により得られたモノフィラメントよりも生産性、コスト性に優れるため、オーガンジー等の衣料分野やティーバッグ、水切りネットといった生活資材分野等における有力な素材であり、カーボンニュートラル素材で生分解性を有するポリ乳酸分繊糸の開発が望まれている。
分繊糸にポリ乳酸繊維が適用できない理由はその分繊性にあり、ポリ乳酸繊維の分繊性を向上させるための技術が例えば、特許文献1〜4に記載されている。
特許文献1には単糸同士の擦過による分繊糸切れを抑制するために単糸の糸/糸摩擦を低下させる技術が、特許文献2には単糸繊度バラツキを特定範囲とすることで分繊時に各単糸が受ける張力を一定にして分繊性を向上させる技術が、特許文献3にはエンタングルメント法における触針にかかる負荷張力を特定範囲以下とする事で分繊性を向上させる技術が、特許文献4には交絡数を特定範囲以下とすることで分繊性を向上させる技術が開示されており、ポリ乳酸樹脂よりなる分繊糸を得るための技術開発が種々されているにも関わらず、未だポリ乳酸樹脂を分繊糸として工業的に使用することは出来ていない。
その理由は以下の通りであると考えられる。特許文献1には単糸の糸/糸摩擦を下げる事で分繊性を向上させる技術が記載されている。しかし、単純に糸/糸摩擦を低下させた場合にはマルチフィラメント巻取り時、マルチフィラメントパッケージ運搬時に綾落ちが多発し、分繊工程における解舒時に綾落ちに起因する大きな張力変動が発生するため断糸してしまう問題を有していた。また、分繊ガイドから巻取り機間で単糸の撚り付き(隣り合う単糸2本以上が捩れたまま走行する)現象が発生するため、分繊ガイドから巻取り機間の張力を過剰に高く設定する必要があった。またポリ乳酸繊維は高張力で巻き取った場合には急激な物性低下を起こすため、高張力で10kgのポリ乳酸マルチフィラメントパッケージを全て分繊した場合には、巻取り機で巻かれた子糸パッケージの内層部の物性が大きく低下する問題を有していた。
特許文献2には単糸繊度バラツキを特定範囲とする事で分繊時に各単糸が受ける張力を一定にして分繊性を向上させる技術が記載されている。しかしながら、確かに単糸繊度バラツキ低減による単糸間の張力変動は抑えられていたものの、前述の撚り付き現象が発生する問題を有していた。
特許文献3にはエンタングルメント法における触針にかかる負荷張力を特定範囲以下とする事で分繊性を向上させる技術が記載されている。確かにエンタングルメント法における触針にかかる負荷張力が一定以下の場合には糸離れ性が向上するものの、前述の撚り付き現象が発生する課題を有していた。
特許文献4には交絡数を特定範囲以下とすることで分繊性を向上させる技術が開示されている。確かに交絡数が少なければ少ないほど糸離れ性は向上するが、前述の撚り付き現象が発生する問題を有している。また、マルチフィラメント製造工程では延伸時の糸揺れ、ガイドでの糸捩れ、巻取りトラバース時に糸条の捩れが発生するため、糸の交絡や捩れが100%無い状態でマルチフィラメントを得ることは非常に困難である。
このように、これまでになされた分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントの開発は、ポリエステル、ナイロン、オレフィン等の樹脂よりなる従来の分繊糸開発の知見をいかした物であるものの、ポリ乳酸という新しい樹脂では工業的に適用可能な分繊性を有したマルチフィラメントを得ることが出来ていないものであった。
特開2005−206991号公報(特許請求の範囲) 特開2004−277910号公報(特許請求の範囲) 特開2005−133249号公報(特許請求の範囲) 特開2005−163224号公報(特許請求の範囲)
本発明では前述の如き従来の検討では達成し得なかった、分繊性に優れたポリ乳酸マルチフィラメントを得ることを第1の課題とし、更に、品質、高次工程通過性に優れたポリ乳酸モノフィラメントを得ることを第2の課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、ポリ乳酸マルチフィラメントの分繊性、特に撚り付き現象について鋭意研究を進めた。その結果、単糸繊度が10〜50dtex、平均粒子径が0.5〜7.5μmの球状無機粒子を0.02〜1重量%含み、好ましくは繊維表面2000μmあたり凸部を1つ以上有するポリ乳酸マルチフィラメントが前述の課題を解決できることを見出した。より具体的には、前記構成のポリ乳酸マルチフィラメントはパッケージフォームや撚り付き現象等に起因する分繊時糸切れが発生せず、優れた分繊性を有することを見出した。
また、本発明のポリ乳酸繊維は品質向上や製糸性向上の為に、球状無機粒子が屈折率1.3〜1.5の範囲であること、球状無機粒子が球状であること、球状無機粒子がシリカ粒子であることが好ましい形態である。
本発明により分繊工程通過性に優れたポリ乳酸マルチフィラメント、及び、品質に優れたモノフィラメントが得られるため、ポリ乳酸モノフィラメントを用いた衣料資材、生活資材、産業資材等を生産性良く低コストで得ることが可能となる。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントの原料となるポリ乳酸ポリマは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とする乳酸を重合してなるポリ乳酸である。ここでL−乳酸を主成分とするとは、構成成分の60重量%以上がL−乳酸よりなっていることを意味しており、これはD−乳酸を主成分とする場合も同様である。また、ポリ乳酸ポリマの分子量はなんら制限されるものでは無く、例えば、重量平均分子量が100,000〜300,000の範囲のポリマを使用することができる。
本発明のポリ乳酸マルチフィラメントは乳酸と共重合可能な成分との共重合体、またはブレンド可能な他の熱可塑性ポリマとのブレンド物などからなるものであってもよい。共重合物としては、例えばε―カプロラクトン等の環状ラクトン類、α―ヒドロキシイソ酪酸、α―ヒドロキシ吉草酸等のα−オキシ酸類、エチレングリコール、1,4−ブタンジンオール等のグリコール類、コハク酸、セバシン酸等のジカルボン酸類から選ばれるモノマの一種または二種以上とを共重合したもの等を例示することができる。中でもポリマの重合特性から、環状ラクトン類およびグリコール類が好ましい。共重合の割合としては特に限定されないが、乳酸100重量部に対して、共重合させるモノマは100重量部以下が好ましく、1〜50重量部がより好ましい。ブレンド可能な熱可塑性ポリマとしては、溶融粘度を低減させるため、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、およびポリエチレンサクシネートのような脂肪族ポリエステルポリマを例示することができる。
また、ポリ乳酸ポリマが水酸基を持つ化合物によって該ポリマ中のカルボキシル基をエステル化されてなるものであっても良い。水酸基を持つ化合物としては、例えばオクチルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数が6以上の高級アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類が挙げられる。水酸基を持つ化合物でポリ乳酸分子末端のカルボキシル基をエステル化処理することにより、溶融紡糸時の熱安定性および溶融紡糸後の繊維の経時安定性を改善することができる。中でも延伸性の観点から、炭素数6〜18の高級アルコールが好ましい。また、同様の効果を得る目的でカルボキシル基にカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物から選ばれる1種または2種以上の化合物を反応させても良い。また、本発明に用いる分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、滑剤、酸化防止剤、耐熱剤、耐蒸熱剤、耐光剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、および難燃剤などを含むことができる。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントには耐磨耗性を向上させるために脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドを0.1〜5重量%、更に好ましくは0.5〜3重量%含有させても良い。0.1重量%未満では耐磨耗性向上効果が十分に得られず、5重量%を超える場合には必要な強度を得ることが困難となる。脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドの含有量を上記範囲とすることで、フィラメント表面の滑り性が向上し、優れた耐摩耗性を付与することができる。脂肪酸ビスアミドとは、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、芳香族系ビスアミド等の1分子中にアミド結合を2つ有する化合物を指し、例えばメチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスカプリン酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスミリスチン酸アミド、メチレンビスパルミチン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスイソステアリン酸アミド、メチレンビスベヘニン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、メチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ブチレンビスベヘニン酸アミド、ブチレンビスオレイン酸アミド、ブチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスエルカ酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、p−キシリレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド、p−フェニレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド等であり、アルキル置換型の脂肪酸モノアミドとは、飽和脂肪酸モノアミドや不飽和脂肪酸モノアミド等のアミド水素をアルキル基で置き換えた構造の化合物を指し、例えば、N−ラウリルラウリン酸アミド、N−パルミチルパルミチン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ベヘニルベヘニン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等が挙げられる。該アルキル基は、その構造中にヒドロキシル基等の置換基が導入されていても良く、例えば、メチローラステアリン酸アミド、メチローラベヘニン酸アミド、N−ステアリル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイル−12−ヒドロキシステアリン酸アミド等も本発明のアルキル置換型の脂肪酸モノアミドに含むものとする。なかでも、脂肪酸ビスアミドは、アミドの反応性がさらに低いためポリ乳酸と反応しにくく、また、高分子量であるため耐熱性が良く昇華しにくいことから、より好ましく用いることができる。上記脂肪酸ビスアミドやアルキル置換型の脂肪酸モノアミドは単一で添加しても良いし、また複数の成分を混合して用いても良い。
しかしながら、本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは、生分解性および非石油系原料であるという特徴を活かし、廃棄しても環境負荷の小さい製品として用いるため、石油系ポリマのブレンド、該成分の共重合等は極力避け、また各種添加剤も、重金属化合物や環境ホルモン物質は勿論、現時点でその懸念が予想される化合物の一切を用いないものであることが好ましい。本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは円形断面は勿論のこと、本発明の効果を損なわない範囲であれば、扁平、三角、中空、星型等の異型断面や中空部を有するものであっても、芯鞘複合や海島型等の複合繊維であってもよい。
ポリ乳酸マルチフィラメントの分繊性向上については、前述の通り従来より検討が進められているものの未だ解決していないのが現状である。そこで本発明者らが延伸条件、巻取り条件、油剤種、油剤付着量、延伸ローラ上での絡合度合い、単糸数、添加剤等に関する種々の検討を重ねた結果、ポリ乳酸マルチフィラメントの分繊性向上、特に前述の撚り付き現象抑制に関しては、従来のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントやナイロンマルチフィラメントの分繊性向上の主要因であった糸糸摩擦低減、単糸繊度バラツキ低減、交絡強度低減等は副要因に過ぎず、単糸表面が平滑過ぎる事が主要因であることを突き止めた。
これは溶融ポリ乳酸ポリマを口金より吐出した際に、吐出単糸の固化速度が遅いためポリマ表面張力により表面が平滑になるためと推測される。
表面が平滑過ぎる場合に撚り付き現象が抑制される理由は明確では無いが、単糸表面が平滑過ぎるため、単糸間に付着した大気中の水分や残留油分による表面張力により単糸同士が引き合う力が生じていると考えられる。
この課題を解決する為に種々の検討を重ねた結果、単糸繊度が10〜50dtex、平均粒子径が0.5〜7.5μmの球状無機粒子を0.02〜1重量%含むことを特徴とする分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントが前記課題を解決できることを見出した。以下に解決手段を詳述する。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは平均粒子径が0.5〜7.5μmの球状無機粒子を0.02〜1重量%含むことが必要である。球状無機粒子を添加することで、単糸表面に微小な凸部を形成し、単糸同士の接触面積を低下させ、表面張力により単糸同士が引き合う力を低減させることが可能となる。さらに、使用する球状無機粒子形状が球状である場合、隣り合う単糸を傷つける事無く巻取り・分繊できるだけでなく、紡糸機や分繊機へのダメージ軽減が可能となる。本発明における球状無機粒子は無孔質である事が好ましく、無孔質で球状の微粒子とするためには通常の粉砕法ではなく、合成法で得られた球状無機粒子であることが好ましい。
本発明で言う球状無機粒子とは、個々の粒子形状が極めて球形に近い粒子であり、好ましくは真球に近く、扁平や多角状で無い粒子を言う。更に好ましくは円形度が1〜1.5であり、より好ましくは円形度が1〜1.2である。ここで円形度とは、粒子を顕微鏡で観察した際に得られる粒子の周長を粒子の面積と等しい円の周長で除した値を言う。
一方、球状無機粒子が球状で無い場合、例えば多孔質の場合には粒子への吸湿が大きくなるため分繊用ポリ乳酸マルチフィラメント溶融紡糸時に加水分解が進行したり、実使用時の吸湿に起因する加水分解が進行したりする。また、粒子が針状結晶の様に鋭角部を多く有する多角状の場合には紡糸機や分繊機、更には隣り合う単糸へのダメージが大きくなり、分繊時に綾落ちや撚り付き以外の要因(ガイド付着傷での劣化、隣り合う単糸によるダメージ)で糸切れしてしまう。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは球状無機粒子含有量が0.02〜1重量%であることが必要であり、球状無機粒子含有量は0.05〜0.5重量%が好ましく、0.05〜0.3重量%がより好ましい。球状無機粒子含有量が0.02重量%を下回る場合には単糸表面に凸部が形成される頻度が低く、本発明の効果を発現しない可能性が高くなる。一方、球状無機粒子含有量が1重量%を超える場合には単糸同士の引き合う力が低下しすぎるため、マルチフィラメント巻取り時やフィラメントパッケージ運搬時に綾落ちやフィラメント落ちが多発し、分繊機にて解舒する際に前記綾落ちやフィラメント落ちに起因する張力変動が大きくなって糸切れする問題が発生する。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントに含まれる球状無機粒子の平均粒子径は0.5〜7.5μmであることが必要であり、好ましい範囲として0.5〜5μm、より好ましい範囲として1〜3μmの範囲を例示できる。平均粒子径が0.5μmを下回る場合には単糸表面に形成される凸部が小さくなるため本発明の効果を発現し難い。一方、平均粒子径が7.5μmを超える場合には単糸同士の引き合う力が低下しすぎるため、マルチフィラメント巻取り時やフィラメントパッケージ運搬時に綾落ちやフィラメント落ちが多発し、分繊機にて解舒する際に前記綾落ちやフィラメント落ちに起因する張力変動が大きくなって糸切れ頻度が高くなるばかりか、粒子径が大きすぎるために紡糸延伸時の製糸性悪化要因となる。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは単糸表面2000μmあたりに凸部を1つ以上有することが好ましい。凸部とは球状無機粒子に起因するものであり直径が1〜10μmの凸部であって、球状無機粒子に起因する該凸部を2000μmあたり1つ以上有する場合には単糸同士の接触面積を低下させ、前述の表面張力により単糸同士が引き合う力を低減させることが可能となる。本来凸部の数に上限は無いが、単糸同士の引き合う力を低下させすぎない、即ち、巻取り時の集束性を低下させ過ぎない観点から2000μmあたりの凸部の数は100個以下であることが好ましい。単糸表面2000μmあたりに存在する凸部の数のより好ましい範囲として3〜50個を例示することができる。
また、本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは、単糸繊度は10〜50dtexであり、20〜40dtexであることが好ましい。また強度は2〜6cN/dtexであることが好ましく、3〜5cN/dtexであることがより好ましい。
強度が2cN/dtexを下回る場合には、分繊工程や製織工程で糸切れする可能性が高くなる。また、強度に本来上限は無いものの、強度6cN/dtexを越える分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを得るためには超多段延伸や特殊な薬剤の添加が必要になるなど高コスト化する問題がある。現在の一般的な生産設備で製糸性良く得るためには6cN/dtex以下が良い。
また、単糸繊度が50dtexを超える場合には、マルチフィラメント巻取り時の綾落ちやフィラメント落ちが発生し易いため、分繊性が悪化する可能性がきわめて高くなる。一方、単糸繊度が10dtexを下回る場合には分繊工程での張力や擦過によって単糸が断糸する可能性が極めて高くなる。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは沸収が5〜20%であることが好ましい。沸収が20%を超える場合には製品とした後の寸法安定性が悪くなる可能性が高い。また、沸収は低いほど好ましいが、前述強度と同様の観点から沸収は5%以上であることが好ましい。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは伸度が20〜50%であることが好ましく、より好ましい範囲として30〜45%を例示できる。本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは球状無機粒子を含有しているため、伸度20%を下回る様な高張力で延伸した場合、球状無機粒子とポリ乳酸ポリマ間に空隙が生じるため、繊維が白化する可能性が高くなる。一方伸度が50%を超える場合には繊維構造形成が未発達となる可能性が高く長手方向の物性バラツキが生じる可能性がある。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントの総繊度は200〜500dtexであることが好ましい。総繊度が200dtexを下回る場合には生産性が悪く、500dtexを超える場合にはマルチフィラメント巻取り時の綾落ちやフィラメント落ちが発生し易いため、分繊性が悪化する可能性が高くなる。
本発明のマルチフィラメントを構成する単糸の糸糸動摩擦係数は0.12〜0.14の範囲であることが好ましく、より好ましい範囲として0.125〜0.14の範囲を例示することができる。糸糸動摩擦係数が前記範囲を満足する場合には、糸糸動摩擦が低すぎることに起因する解舒時の綾落ちやフィラメント落ちが発生し難く、また、糸糸摩擦が高すぎることに起因する撚り付きの発生を抑制することが可能となる。
前記範囲の糸糸動摩擦係数を有する単糸を得るためには、油剤に含まれる平滑剤成分、例えば鉱物油、シリコーン系合成潤滑油、アジピン酸エステル、脂肪族カルボン酸、高級アルコールから得られるエステル等の種類や組み合わせ、添加量を変更する方法、紡糸前の樹脂にエチレンビスステアリルアミド等の平滑剤を添加する方法、粒子添加により単糸表面に凸部を形成して糸―糸間の接触面積を低減する方法を例示できるが、経時での糸糸動摩擦係数の安定性の観点から、粒子添加により単糸表面に凸部を形成させる方法が好ましい。
また、分繊に使うマルチフィラメントでは、製糸工程での単糸同士が絡み合う機会が少ないために単糸数が少なければ少ないほど有利であるが、生産性を考慮にいれると単糸数は5以上であることが好ましい。一方、単糸数が多すぎる場合には製糸工程で単糸同士が絡み合う機会が多くなり、分繊性が悪化するため単糸数は20以下であることが好ましい。更に好ましい単糸数の範囲としては5〜16を例示することができる。
ポリ乳酸ポリマの優れた特徴の一つとして透明性が良好であることが挙げられる。例えば透明であるポリ乳酸マルチフィラメントを分繊して得られる透明なモノフィラメント製基布をティーバッグとして用いた場合、茶葉の広がりが視覚でも楽しめるため、マルチフィラメント、モノフィラメントは透明であることが好ましく、従来技術ではこの透明性を保つ観点から粒子添加等の検討が進められてこなかった。
本発明の範囲内である球状無機粒子は酸化チタン、タルク等、種々の粒子を用いた場合に解舒性、分繊性に優れたポリ乳酸マルチフィラメントを得ることが可能となるが、本発明者らは球状無機粒子と分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントに関する種々の検討を重ねた結果、屈折率が1.3〜1.5、好ましくは1.4〜1.5の球状無機粒子を用いた場合に、分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントの透明性を保ったまま製糸が可能となることを見出した。屈折率が前記範囲を外れる場合には繊維が白化するため透明なモノフィラメントを得ることが困難となる。
屈折率が1.3〜1.5である球状無機粒子としてはシリカを例示することができ、該シリカはシランカップリング剤で処理されていることが好ましい。用いるシランカップリング剤に特に限定は無く、フェニル系シラン、フェニルアミノ系シラン、メタクリル系シラン、ビニル系シラン、エポキシ系シラン等を使用する事ができるものの、ポリ乳酸との相溶性、分散性を考慮して選択する事が好ましい。
上記の如き本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは、以下に説明する方法によって製造することができるが、その製造方法はなんら制限されるものでは無い。本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントの製造に用いるポリ乳酸ポリマは重量平均分子量(Mw)が100,000〜300,000であることが好ましく、より好ましい範囲としてMw200,000〜300,000の範囲を例示できる。Mwが100,000未満のポリマを用いた場合は、分繊時の張力に耐える強度を有する分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを安定して得ることができない可能性がある。Mwが300,000を越えるポリマを用いると、溶融粘度が高すぎるために安定した製糸が困難となる可能性がある。また、溶融紡糸に供するポリ乳酸ポリマの水分率としてはポリマの加水分解を抑制するために0〜200ppmであることが好ましい。
分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントに前記球状無機粒子を添加する方法に特に限定は無く、紡糸機内でポリマを溶融する際に粉体として添加する方法、ポリ乳酸ポリマチップに球状無機粒子粉体を塗す方法、スラリーとして添加する方法、予めポリ乳酸ポリマに球状無機粒子を混練する方法等を採用すれば良い。しかしながら、取り扱い性、製糸性、コスト性等の観点から、予めポリ乳酸ポリマに球状無機粒子を混練する方法、中でも高濃度に球状無機粒子を混練したマスターチップと球状無機粒子を含まないポリ乳酸ポリマチップをブレンドして紡糸に使用する事が好ましい。前記ポリ乳酸ポリマはエクストルーダー型紡糸機等で溶融、ギヤポンプ等で計量、金属不織フィルター等による異物除去をしたのち口金孔より吐出される。
紡糸温度は、用いるポリ乳酸ポリマの融点に左右され、これは共重合成分の有無等によって変化させることができるものの、通常は190〜250℃、より好ましくは200〜240℃に設定される。紡糸温度が190℃未満の場合にはポリマの溶融時に十分な流動性が得られない可能性がある。一方、紡糸温度が250℃を越える場合には、紡糸機内での熱分解が進行するため分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを製糸性良く得るのが困難となる可能性がある。
紡糸口金の直下は、紡糸口金面より0〜15cmを上端とし、その上端から5〜100cmの範囲を加熱筒および/または断熱筒で囲み、紡出糸条を200〜280℃の高温雰囲気中を通過させることが本発明の製造方法の好ましい形態である。
紡出した糸条を直ちに冷却せず、上記加熱筒および/または断熱筒で囲まれた高温雰囲気中を通して徐冷することにより、紡出された糸条の配向が緩和され、かつ単繊維間の分子配向均一性を高めることができる。また、紡出糸条を直ちに冷却せず高温雰囲気に通過させることにより、球状無機粒子とポリ乳酸ポリマの界面に隙間を発生させない利点を有する。一方、高温雰囲気中を通過させることなく直ちに冷却すると、未延伸糸の配向が高まり、かつ単繊維間の配向度分布が大きくなる。かかる未延伸糸条を熱延伸すると、結果として分繊張力に耐えうる強度を有する分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントが得られない可能性がある。さらに、急冷した場合には球状無機粒子とポリ乳酸ポリマ界面に空気層が発生し、繊維が白化したり延伸性が悪化したりする可能性がある。
高温雰囲気中を通過した未延伸糸条は、次いで10〜100℃、好ましくは15〜75℃の風を吹きつけて冷却固化することが好ましい。冷却風が10℃未満の場合には通常装置とは別に大型の冷却装置が必要となるため好ましくない。また、冷却風が100℃を超える場合には紡糸時の単糸揺れが大きくなるため、単糸同士の衝突等が発生し製糸性良く繊維を製造することが困難となる。空冷装置は横吹き出しタイプでも良いし、環状型吹きだしタイプを用いても良い。
冷却固化された未延伸糸条は、次いで油剤が付与される。油剤は、水系であっても非水系であっても良いが、平滑剤を主成分とし、界面活性剤、制電剤、極圧剤成分等を含み、ポリ乳酸ポリマに活性な成分を除いた油剤組成とすることが好ましい。
油剤を付与された未延伸糸条は、引取りローラ(1FR)に捲回して引き取る。1FRの表面速度、即ち引取り速度は300m/分以上が好ましく、さらに好ましくは500m/分以上である。300m/分未満の引取り速度でも本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントの物性は得られるが、生産効率が低いため採用し難い。引取り速度に特に上限は無いものの、工業的に安定して生産する場合には引取り速度は5000m/分以下が好ましく、より好ましくは3000m/分以下である。
上記引取り速度で引き取られた未延伸糸条は一旦巻き取った後、若しくは一旦巻き取ることなく連続して延伸する。1FRと同様に、2ケのローラを1ユニットとするネルソン型ローラを、2FR、1DR、2DR、および、弛緩ローラ(RR)と並べて配置し、順次糸条を捲回して延伸熱処理を行う。通常、1FRと2FR間では糸条を集束させるためにストレッチを行う。好ましいストレッチ率は1〜7%、さらに好ましくは1〜5%の範囲である。1FRは50〜80℃、好ましくは50〜70℃に加熱して、引き取り糸条を予熱して次の延伸工程に送る。
延伸は2FRと1DR間、及び1DRと2DR間で行うが、目標物性に応じてさらにローラ数を増やし、3段、4段といった多段延伸を採用しても良いし、ローラ数を減らして1段延伸とすることもできる。この時、ローラ表面と球状無機粒子を含有した分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントとの擦過を低減させるため、ローラは摩擦の低い梨地ローラであることが好ましく、ローラ表面の粗さがRa=0.3〜5μm、好ましくはRa=0.5〜3μmのクロムメッキされたものを好適に使用することができる。
1段目の延伸は2FRと1DR間で行い、2FRの温度は80〜120℃、好ましくは80〜110℃とし、1DRの温度を90〜120℃、好ましくは100〜120℃とし、例えば、総合延伸段数が2段の場合には1段目の延伸倍率を総合延伸倍率の30〜90%、好ましくは50〜90%の範囲に設定する。
2段目の延伸は1DRと2DR間で行うが、2DRは110〜160℃、好ましくは115〜145℃である。2段延伸の場合は総合延伸倍率に対し、1段目の延伸倍率の残りの延伸をこの間で行う。延伸を終えた糸条はRRとの間で0〜7%、好ましくは0〜3%、さらに好ましくは0%の弛緩処理を行い、熱延伸によって生じた歪みを取るだけで無く、延伸によって達成された高配向構造を固定したり、非晶領域の配向を緩和させ熱収縮率を下げたりすることができる。RRは非加熱ローラまたは、160℃以下に加熱したローラを用いる。通常、熱延伸時に加熱された糸条の持ち込む熱によって、RRは加熱の有無にかかわらず90〜150℃の温度となる。
弛緩熱処理された糸条は巻取り張力0.05〜0.4cN/dtexの張力で巻き取り機に巻き取ることが好ましい。巻取り張力が0.05cN/dtexを下回る場合にはパッケージフォーム崩れが発生し易く、結果として分繊時の解舒性が悪化する可能性がある。本発明者らの知見では、ポリ乳酸ポリマは張力下では物性低下を引き起こすため、巻取り張力が0.4cN/dtex以下であることが好ましい。
本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは紙管等への巻厚み(紙管からパッケージ最外層距離:mm)/巻幅(トラバース幅:mm)が1〜1/2であることが好ましい。巻幅に対する巻厚みが1/2を超える場合には表層での綾落ちやフィラメント落ちが発生し易くなる。一方、巻幅に対する巻厚み長さに本来下限は無く、巻幅に対する巻厚長さは短いほど綾落ちやフィラメント落ちが発生し難いが、該マルチフィラメントを分繊して得られる子糸の生産性の観点から、巻幅に対する巻厚みは1/10以上であることが好ましい。
前述の引用文献に記載された様な従来の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントでは、交絡や糸の捩れが無い事が求められていたため、ローラ上での糸揺れを抑制すべく狭い延伸温度範囲しか採用できなかったり、弛緩処理が不可能であったり、更には巻取機部のトラバースによる糸の捩れが問題となっていた。しかし、前記方法で得られる本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは従来の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントよりも撚り付き現象を抑制することが可能であるため、従来の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを製造する方法よりも幅広い紡糸条件を採用することができ、結果として生産性に優れるものとなる。
但し、本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントにおいても、例えばエアーガイドを用いた積極的な交絡付与を避けた方が分繊性の面から好ましい。本発明で交絡とは、通常当業者間で使用される通り、単糸同士を絡ませて糸条に集束性を付与する事であり、例えばJIS L1013のフックドロップ法で検出される様な糸条の絡合であり、本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントでは該交絡数は0〜2個であることが好ましく、0〜1個未満であることがより好ましい。
一方、本発明のマルチフィラメントでは糸長1m当たりに単糸の捩れが少なくとも1つ以上あることが好ましい。また、本発明の効果を損なわないためには、糸長1mあたりの捩れの数は50個以下であることが好ましい。ここで単糸の捩れとは、例えば糸条をプレパラート等の平面に設置して光学顕微鏡観察した際に認められるものであり、平面上においた糸条のうち少なくとも1本が隣り合う単糸の少なくとも1本を越える現象であり、単糸の捩れが本発明の範囲であれば、巻取り時のフィラメント落ち、分繊時の撚り付き現象の両方を同時に抑制することが可能となる。
本発明の分繊方法は、親糸を分繊して子糸を得るマルチフィラメントの分繊方法であって、親糸として本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを用いることを特徴とする。親糸として本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを用いることで、分繊時に求められる解舒性と分繊性を同時に満足することが可能となる。ここで子糸とは通常マルチフィラメントの単糸一本、即ちモノフィラメントを言うが、本発明の分繊方法は分繊性に非常に優れるため、巻取り時に連糸として2本以上のモノフィラメントを同一パッケージに巻き取っても良い。
本発明の分繊方法は通常知られた分繊装置を用いることができるため、特殊な改造によるコスト増やハンドリング性の悪化が認められない。
本発明の分繊方法では、分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントの分繊張力、即ち、分繊ガイドから巻取り機間でポリ乳酸モノフィラメントにかかる張力が0.5〜3cN/dtexであることが好ましく、0.8〜2.5cN/dtexであることがより好ましい。分繊時張力が0.5cN/dtexを下回る場合には、張力不足によりポリ乳酸モノフィラメントが縺れる問題が発生しやすい。一方、分繊時張力が3cN/dtexを超える場合には、ポリ乳酸モノフィラメントに与える負荷が大き過ぎてポリ乳酸モノフィラメントの物性を低下させてしまう可能性を有している。
また、本発明の分繊方法ではポリ乳酸モノフィラメントを0.5〜3cN/dtexの張力で分繊し、一旦巻き取った後に、0.03〜0.5cN/dtexの張力でリワインドすることが好ましい形態である。その理由は前述の通りであるが、ポリ乳酸は張力下では経時的に劣化が進行するため、その進行を抑制するためにも0.03〜0.5cN/dtexの張力でリワインドすることが好ましい。
分繊直後のポリ乳酸モノフィラメントは直ちにリワインド工程に供することが好ましい。リワインド張力としては0.5cN/dtex以下が好ましく、更に好ましい範囲として0.25cN/dtex以下を例示できる。ポリ乳酸繊維は張力下で物性低下が生じ易いため、分繊工程の様に高張力で巻き取ったポリ乳酸モノフィラメントをリワインドしない際にはモノフィラメント物性の経時劣化が懸念される。
リワインド張力は、通常、ポリ乳酸モノフィラメントを巻き取る直前、例えば分繊ガイド〜巻き取り機のガイド間で測定すれば良く、その方法はなんら限定される物では無い。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントは本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを分繊して得られたモノフィラメントであることが特徴であり、分繊性に優れたモノフィラメントである。更に本発明のポリ乳酸モノフィラメントは前述の通り球状無機粒子を含有しているため他の単糸との相互作用が小さく、例えば製織時の所謂バラビケ現象が発生し難く、また、製織時の緯糸の走糸性にも優れるものとなる。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントはボビンおよび/またはパーンに巻き取ることが好ましい形態である。チーズ状パッケージと比べてボビンおよび/またはパーン状パッケージは巻き取り時に綾落ちがし難く、本発明の如き低張力の範囲で巻き取った際にも後工程での工程通過性に優れたポリ乳酸モノフィラメントを供給することが可能となる。
本発明で得られるポリ乳酸モノフィラメントは品質に優れ、生産性良く低コストで得られるため、オーガンジー等の衣料資材やティーバッグ、水切りネットといった生活資材、カーシート等の車両資材、カーテン地等のインテリア資材等に好適に使用することができる。
以下、実施例によって本発明の態様を更に詳しく説明するが、明細書本文および実施例に用いた特性の定義および測定法は次の通りである。
[平均粒子径]:粒度分布測定機(SKレーザーマイクロンサイザー LMS−350:セイシン企業製)を用い、水を溶媒とした湿式測定により求めた。
[ポリ乳酸の重量平均分子量]:試料のクロロホルム溶液にテトラヒドロフランを混合し測定溶液とした。これをゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウォーターズ社製GPC−150C)で測定し、ポリスチレン換算で重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mn、さらに分散度Mw/Mnを求めた。
[融点]:パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7型を用い、試料20mgを昇温速度 5℃/分にて測定して得た融解吸熱曲線の極値を与える温度を融点(℃)とした。
[総繊度]:JIS L1013(1999) 8.3.1正量繊度 a)A法に従って、所定荷重としては5mN/tex×表示テックス数、所定糸長90mで測定した。
[単糸繊度]:前記測定方法で得られた総繊度を単糸数で除して得た。
[強度および伸度]:試料をオリエンテック(株)社製“テンシロン”(TENSILON)UCT−100でJIS L1013(1999) 8.5.1標準時試験に示される定速伸長条件で測定した。この時の掴み間隔は25cm、引張り速度は30cm/分、試験回数10回であった。なお、破断伸度はS−S曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。
[沸収]:JIS L1013(1999)の方法に従って測定した。糸条パッケージから検尺機でカセを採取し、0.09cN/dtexの荷重をかけてカセ長L1を測定し、引き続いて荷重を外して沸騰水中で30分間処理した。沸騰水処理後のカセを風乾し、再び0.09cN/dtexの荷重をかけてカセ長L2を測定し、次式により沸収を測定した。
沸収(%)=[(L1−L2)/L1]×100。
[凸部数]:単糸をイオンコーター(Eiko Engineering社製 IB−3)を用いて金蒸着し、SEM(トプコン株式会社製 ABT−55)を用いて観察し、単糸表面10000μm当たりの凸部(直径が1〜10μmの凸部)の数をカウントし、2000μm当たりの個数に換算した。この時の観察倍率はフィラメント繊度によって適時変更すればよい。
[巻取り張力]:検出器としてエイコー測器(株)製TensionPickup(BTB1‐R03)を用い、エイコー測器(株)製TensionMeter(HS−3060)を用いてモニタリングした。巻き取り時間60分での巻き取りを実施し、巻き取り時間10分、20分、30分、40分、50分での張力を測定して、その平均値を巻き取り張力とした。
[製糸性]:弛緩ロ−ル出口に設置した毛羽検知装置で百万mの長さに渡って毛羽の発生頻度を測定し、1万m当たりの毛羽数を下記式に従って求めた。
1万m当たりの毛羽数=百万m当たりの毛羽数/100。
[満管率]:10本のポリ乳酸マルチフィラメントパッケージをカンダ技研製ストレート分繊機で分繊した際に、糸切れすることなく巻量の90%以上が連続して分繊可能であったポリ乳酸マルチフィラメントパッケージ本数を求めると共に、綾外れに起因する断糸回数、撚り付きに起因する断糸回数をカウントした。
[製織性]分繊により得られたポリ乳酸モノフィラメントをスルーザー型織機を用い、タテ・ヨコ共に350本/インチの織密度、織機回転数250rpmで平織物を製織した。
製織は製織糸切れが発生する、又は、製織長が100mに達するまでおこない、3回の製織試験のうち製織長100mの基布が得られた回数を測定した。
[基布品位]前記製織試験で得られた基布1平方メートル中にバラビケ(目ズレ)が存在するか否かを観察し、バラビケが2ヶ所以上ある基布は×、バラビケが1ヶ所以下の基布を○と判定した。
[屈折率]試験管にメタノールを入れ、それに測定したい球状無機粒子を添加し、撹拌および超音波照射によって分散を行い、基本となる評価サンプルを作製した。この際、測定する球状無機粒子の屈折率n20 とメタノールとの間に屈折率のズレが生じている場合は、試験管内の溶液は白濁した状態に見える。次に高い屈折率を有する1−ブロモナフタレンを1滴ずつ滴下して溶媒の屈折率を上げていった。滴下していくと、溶媒とフィラーとの屈折率が一致すると、試験管内の溶液は透明に目視で観察される。その透明状態の溶液を屈折計にて屈折率n20を測定した値を粒子の屈折率とした。
[色調]基布を10cm×20cmに裁断して内部に茶葉3gを入れて縫製し、10cm×10cmのティーバッグを得た。得られたティーバッグを成人女性10人に観察させ、基布が透明性に優れ、内部の茶葉が良く見えると判断した人数をカウントした
[糸糸動摩擦係数]分繊後のモノフィラメントを糸速55m/分で直径35mmのプーリーに通し、摩擦角度180°、プーリー入側張力:T1=10g、測定温度20℃±5℃、湿度60%RH±10%の条件で、プーリー出側張力:T2を30秒間測定し、下式にて糸糸間の動摩擦係数を算出した。張力の測定はT1、T2ともに英光産業株式会社製走行糸摩擦係数測定機を使用した。
糸糸動摩擦係数(μd)=0.4697×Log(T2/T1)。
[製造例1](ポリ乳酸ポリマの製造)
光学純度99.5%のL−乳酸から製造したラクチドを、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10,000:1)、GE社製Ultranox626(ラクチド対Ultranox626重量比=99.8:0.2)を存在させてチッソ雰囲気下180℃で350分間重合を行い得られた重量平均分子量200,000、融点168℃のポリ乳酸ポリマを105℃で真空乾燥し、水分率60ppmのP1を得た。
[製造例2](球状シリカ含有ポリ乳酸マスターチップの製造方法)
最終シリカ濃度が10重量%となるように計量したP1と平均粒子径0.25μm、0.7μm、1.3μm、2.5μm、3.5μm、10μm、1.0μmの球状シリカ粒子を混合し、2軸押出機を用いて温度200℃で溶融混練し、得られたマスターチップを105℃で真空乾燥し、水分率80ppmのP2、P3、P4、P5、P6、P7、P10を得た。
[製造例3](多角状シリカ含有ポリ乳酸マスターチップの製造方法)
最終シリカ濃度が10重量%となるように計量したP1と平均粒子径3.5μmの粉砕法で得られた多角球状シリカ粒子(浸液法による屈折率1.45)を混合し、2軸押出機を用いて温度200℃で溶融混練し、得られたマスターチップを105℃で真空乾燥し、水分率80ppmのP8を得た。
[製造例4](炭酸カルシウム含有ポリ乳酸マスターチップの製造方法)
最終炭酸カルシウム濃度が10重量%となるように計量したP1と平均粒子径が2μmである重質炭酸カルシウム粒子(浸液法による屈折率1.66)を混合し、2軸押出機を用いて温度200℃で溶融混練し、得られたマスターチップを105℃で真空乾燥し、水分率92ppmのP9を得た。
(実施例1〜12、比較例1〜7)
ポリ乳酸マルチフィラメント中の無機粒子種、無機粒子濃度が表1または表2となる様にP1〜P10をチップブレンドし、エクストルーダー型紡糸機を用いて220℃で溶融紡糸した。溶融ポリマは、紡糸パック中で20μの金属不織布フィルターで濾過した後、ギヤポンプにて表1又は表2記載の単糸繊度となるように孔径0.6mm、孔長1.25mmで表1記載の単糸数となる様に環状に孔の設置された口金から紡出した。
口金面直下には30cmの加熱筒および15cmの断熱筒を取り付け、加熱筒内雰囲気温度が250℃となるように加熱した。ここで筒内雰囲気温度とは、加熱筒長の中央部で、内壁から1cm離れた部分の空気層温度である。断熱筒直下には環状吹きだし型チムニーを取り付け、糸条に30℃の冷風を30m/分の速度で吹き付け冷却固化した後、糸条に油剤を付与した。油剤は、イソC24アルコール/チオジプロピオン酸エステル(40重量%)、C11〜15アルコールAOA/チオジプロピオン酸エステル(30重量%)、トリメチローラプロパンAOAジステアレート(10重量%)、C8アルコールAOA(10重量%)硬化ヒマシ油(7重量%)、ステアリルアミンEO15(3重量%)を鉱物油で20%に希釈した非水系油剤を用いた。
油剤を付与された未延伸糸条は、2個のローラを一対とするネルソン型ローラ(1FR:表面速度670m/分:表面温度50℃:捲数5回)に捲回して引き取った。引き取り糸条は一旦巻き取ることなく、次のネルソン型ローラ(2FR:表面速度680m/分:表面温度100℃:捲数5回)に捲回して糸条を引き揃えた。引き揃えられた糸条は、引き続いて順次設置された3組のネルソンローラ(1DR、2DR、RR)を用いて、2FR−1DR間で1段目の延伸を、1DR−2DR間で2段目の延伸を、2DR−RR間で弛緩処理を施した。各ローラの表面速度および表面温度および捲数はそれぞれ次の通りである。
1DR:表面速度2700m/分:表面温度110℃:捲数5回
2DR:表面速度3050m/分:表面温度135℃:捲数8回
RR:表面速度3000m/分:非加熱:捲数4回
弛緩処理後の糸条は、表1記載の巻き取り張力で巻き取り機にてチーズ状パッケージ(9kg)に巻き取り、表1又は表2記載の特性を有する分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを得た。得られた分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントチーズ状パッケージをカンダ技研製ストレート分繊機を用いて分繊張力0.7cN/dtexで分繊し、パーン状に巻き取った。この時の分繊結果、及び、得られたモノフィラメントの色調を表1又は表2に示した。
Figure 2009256857
Figure 2009256857
表1、表2より明らかな様に本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは製糸性、分繊性を同時に満足する結果であった。また、巻取り張力以外は実施例1と同様におこなった実施例9では、生産可能レベルではあるものの、満管率が実施例1よりも若干劣る結果となったが十分なものであった。この時の糸切れは綾落ちや撚り付きに起因する物ではなく、繊維強度が部分的に低下していることに起因する断糸であると推測され、巻取り張力が高かったため、張力下でポリ乳酸繊維が若干劣化した事に起因すると考えられる。
(実施例13)
実施例1で得られたポリ乳酸モノフィラメントパーンを分繊から400hr経過後に製織工程に供した。この時の原糸物性、及び製織評価結果を表3に示した。
(実施例14〜16)
実施例1で得られたポリ乳酸モノフィラメントパーンを分繊後直ちに表1記載の張力でリワインドして400hr保管した。400hr保管後原糸は強度を測定した後、直ちに製織工程に供した。この時の原糸物性、及び製織評価結果を表3に示した。
(比較例8)
比較例2で得られたポリ乳酸モノフィラメントパーンを用いたこと以外は実施例14と同様に行った。
Figure 2009256857
表3の結果から明らかな様に本発明の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントは分繊後にも実使用に耐えうる物性を有し、得られたモノフィラメントは製織性、基布品位を同時に満足するものである。特に本発明の好ましい態様である屈折率が1.45の球状無機粒子を用いたモノフィラメントよりなる基布は透明性にも優れるものであった。
本発明のポリ乳酸マルチフィラメントは環境負荷を低減し、且つ、色調および分繊性に優れるため、品位品質に優れたポリ乳酸モノフィラメントを収率良く生産することができる。また、本発明のマルチフィラメントを分繊して得られるモノフィラメントは従来ポリエチレンテレフタレートやポリアミドモノフィラメントが使用されてきた生活資材、衣料資材、産業資材、医療資材等の幅広い用途に適用可能であり、産業上の利用価値が非常に高いものである。

Claims (6)

  1. 単糸繊度が10〜50dtexであって、平均粒子径が0.5〜7.5μmの球状無機粒子を0.02〜1重量%含むことを特徴とする分繊用ポリ乳酸マルチフィラメント。
  2. 繊維表面2000μmあたり凸部を1つ以上有する請求項1に記載の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメント。
  3. 球状無機粒子の屈折率が1.3〜1.5である請求項1または2に記載の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメント。
  4. 球状無機粒子がシリカ粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメント。
  5. 前記マルチフィラメントを構成する単糸の糸糸動摩擦係数が0.12〜0.14である請求項1〜4のいずれかに記載の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメント。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の分繊用ポリ乳酸マルチフィラメントを親糸として用いて分繊するポリ乳酸モノフィラメントの製造方法。
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