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JP5964437B2 - ポリ(トリメチレンアリーレート)繊維、その作製方法、およびそれから作製された布地 - Google Patents

ポリ(トリメチレンアリーレート)繊維、その作製方法、およびそれから作製された布地 Download PDF

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Description

本発明は、ポリ(トリメチレンアリーレート)繊維の紡糸方法、その結果として得られる繊維、およびその使用に関する。
ポリ(トリメチレンアリーレート)、特にポリ(トリメチレンテレフタレート)(3GT、TriextaまたはPTTとも呼ばれる)は、近年、テキスタイルにおいて有用な繊維形成ポリマーとして大きく注目されている。PTT繊維は、優れた物理特性および化学特性を有する。部分配向ポリエステル糸(POY)または紡糸延伸糸(SDY)、多くはポリエチレンテレフタレート(PET)から作製される連続テクスチャ加工ポリエステル糸は、編地および織布ならびに不織布(例えば、スパンボンドPETなど)などの多くのテキスタイル用途において幅広く商業的に使用されている。テキスタイル用語の「糸」は個々の繊維の束を指す。例えば、シャツおよびブラウスは、多くの場合、30〜40本のフィラメントの束で構成された糸で作られる。
PET糸およびPTT糸の両方を含むポリエステル糸はいわゆる溶融紡糸プロセスによって作製され、「溶融紡糸される」と言われる。溶融紡糸は、ポリマーが溶融され、いわゆる紡糸口金の孔から押出されるプロセスである。典型的なテキスタイル用途では、紡糸口金には複数(多くの場合、30〜40)の孔が設けられ、各孔は、直径が約0.25mmである。それにより単一の紡糸口金から多数のフィラメントが押出される。これらのフィラメントは結合されて、糸と呼ばれる束を形成する。
ポリエステル糸は、他のタイプの糸と任意で組み合わせて、あるいは組み合わせずに使用することができる。従って、ポリエステル糸は布地全体を作り上げることもできるし、あるいは織布において経糸、緯糸または横糸(fill)を構成することもできるし、あるいは例えば、綿、羊毛、レーヨン、アセテート、他のポリエステル、スパンデックスおよび/またはこれらの組み合わせとの糸ブレンド中の2本以上の糸のうちの1本として使用することもできる。
Fujimotoらの米国特許第6,284,370号明細書には、1〜2dpfのPTT繊維の作製方法が開示されており、第1のロールは30〜80℃に加熱され、第2のロールは100〜160℃に加熱され、第1のロールと第2のロールの間に課せられる延伸比は1.3〜4の範囲であった。13の実施例および11の反例において、Fujimotoは、1つの反例を除いて、第1のロールを60℃よりも高い温度に決して加熱しなかった。全ての実施例において、第1のロールの温度は50〜60℃の範囲であった。
Dingの米国特許第7,785,507号明細書には、2〜3dpfのPTT繊維の作製方法が開示されており、第1のゴデットは85〜160℃に加熱され、第2のゴデットは125〜195℃に加熱され、第1のロールと第2のロールの間に課せられる延伸比は1.1〜2の範囲であった。Dingは、第1のゴデットの75℃の温度が過度のライン破断を引き起こしたことを教示する。Uster結果は約0.90〜0.95%であった。全ての実施例において、第1のゴデットの温度は90℃以上であった。
Howellらの米国特許第6,287,688号明細書には、PET糸と比べて増大された伸縮性、豪華な嵩および改善された手触りを示すテクスチャ加工PTT糸の作製が記載されている。Howellらは、最大2600m/mの紡糸速度における部分配向PTT糸の作製を記載している。これに対して、PETは、日常的に、その数倍の速度で溶融紡糸される。コストの理由で、2600m/分よりも速い速度でPTT糸を紡糸可能であることが非常に望ましい。
Changらの米国特許第6,923,925号明細書には、最大5000m/分の速度で紡糸延伸糸に溶融紡糸することができる、約2%のポリスチレン(PS)を含有するPTTを含む組成物が開示されている。Changらは、そのように製造された糸のデニール均一性(デニールCV)に関して完全に沈黙しており、紡糸延伸糸の作製のために使用されるゴデットロールの温度に関しても沈黙している。
商業的に実現可能な紡糸速度で紡糸することができ、高品質の布地および衣類の作製において特定の有用性を有するのに十分なデニール均一性を有する、PTTの低デニール紡糸−延伸フィラメント糸が必要とされている。
第1の態様では、本発明は、組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%のポリスチレンを含む組成物を含むフィラメントを提供しており、本フィラメントは、フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.5%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする。
一実施形態では、ポリ(トリメチレンアリーレート)はポリ(トリメチレンテレフタレート)である。
別の態様では、本発明は、フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.5以下であることを特徴とする新規の紡糸延伸フィラメントの形成方法を提供しており、本方法は、連続フィラメント状の押出物が形成される断面形状を有するオリフィスから、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%(ポリマーの全重量に基づく)のポリスチレンを含むポリマー溶融物を押出すステップと、押出物を急冷して連続フィラメントに凝固させるステップと、70〜100℃の範囲の温度に加熱されて第1の回転速度で回転する第1の従動ロールにフィラメントを巻き付けた後、100〜130℃の範囲の温度に加熱されて第2の回転速度で回転する第2の従動ロールにフィラメントを巻き付けるステップと、前記フィラメントを、少なくとも4,000メートル/分(m/分)の線速度で巻取りロールに巻き付けるステップとを含み、第1の回転速度の第2の回転速度に対する比率は1.75〜3の範囲内であり、それにより、フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.5%以下である紡糸延伸フィラメントが形成される。
一実施形態では、ポリ(トリメチレンアリーレート)はポリ(トリメチレンテレフタレート)である。
別の態様では、本発明は、組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%のポリスチレンを含む組成物を含むフィラメントを含む布地を提供しており、本フィラメントは、フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.5%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする。
一実施形態では、ポリ(トリメチレンアリーレート)はポリ(トリメチレンテレフタレート)である。
本発明に従う紡糸口金への溶融物供給の一実施形態の概略図である。 本発明に従う紡糸方法の一実施形態の概略図である。 本発明の織布を製造するのに適した織機を示す。 実施例において使用される紡糸機の概略図である。 実験結果のグラフであり、デニール変動係数に対する第1のゴデットの温度の効果を示すと共に、紡糸機#2を用いて得られる結果と、紡糸機#1を用いて得られる結果とを対比させる。
1つの態様では、本発明は、組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%のポリスチレンを含む組成物を含むフィラメントに関し、本フィラメントは、フィラメント当たりのデニール(dpf)が3以下であり、デニール変動係数(デニールCV)が2.5%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする。
一実施形態では、ポリ(トリメチレンアリーレート)はポリ(トリメチレンテレフタレート)である。
一実施形態では、本明細書のフィラメントは連続フィラメントである。代替の実施形態では、本明細書のフィラメントはステープルフィラメントである。一実施形態では、本明細書の複数のフィラメントは結合されてマルチフィラメント糸を形成する。このようにして形成されたマルチフィラメント糸は、テクスチャ加工のため、そしてシャツ、ブラウス、ランジェリー、靴下類などのファインデニール糸が望ましいテキスタイル用途における最終使用のために適している。
本明細書のマルチフィラメント糸は、当該技術分野において既知の方法によって編地、織布、および不織布を形成するために有用である。
代替の実施形態では、本明細書のフィラメントは、様々な種類の不織構造において使用するためにも適している。本明細書のフィラメントはランダムまたは半ランダムなウェブに配列されて、フィラメント不織布を形成することができる。さらなる実施形態では、フィラメント不織布は、本明細書の複数の連続フィラメントストランドを含む。代替のさらなる実施形態では、フィラメント不織布は、単一の連続フィラメントストランドを含む。代替の実施形態では、フィラメント不織布は、本明細書のフィラメントから作製された複数のステープルフィラメントを含む。本発明の目的のためのフィラメント不織布は、その基本的な構造要素が、マルチフィラメント糸セグメントではなく、ランダムまたは半ランダムに配設された単一のフィラメントセグメントである不織布である。
別の態様では、本発明は、フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.5%以下であることを特徴とする新規の紡糸延伸フィラメントの形成方法を提供しており、本方法は、連続フィラメント状の押出物が形成される断面形状を有するオリフィスから、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%(ポリマーの全重量に基づく)のポリスチレンを含むポリマー溶融物を押出すステップと、押出物を急冷して連続フィラメントに凝固させるステップと、70〜100℃の範囲の温度に加熱されて第1の回転速度で回転する第1の従動ロールにフィラメントを巻き付けた後、100〜130℃の範囲の温度に加熱されて第2の回転速度で回転する第2の従動ロールにフィラメントを巻き付けるステップと、前記フィラメントを、少なくとも4,000メートル/分(m/分)の線速度で巻取りロールに巻き付けるステップとを含み、第1の回転速度の第2の回転速度に対する比率は1.75〜3の範囲内である。
以下で提示される実施例において実証されるように、4,000m/分以上の速度で紡糸されたときに第1のゴデットが70℃よりも高く設定された場合に3dpf以下である糸のデニールCVは、第1のゴデットが商業上典型的な温度である60℃に設定された場合に同じ速度で紡糸された同等の組成物の糸のデニールCVよりも著しく低い。
「デニール変動係数」(デニールCV)という用語は、Uster Technologiesから入手可能なUster Yarn Evennessテスターによって決定されるデニールの変動の係数を指す。いわゆる「Usterテスター」は、繊維または糸の単一の連続ストランドの長さに沿ってデニールの変動を測定する。デニールCVは標準的な統計パラメータであり、Usterテスターから決定される平均デニールでデニールの標準偏差を除することによって得られる値を表す。
本発明において、他に記載されない限り、濃度は重量百分率の単位で記載される。特に、本明細書のポリ(トリメチレンテレフタレート)または他のポリ(トリメチレンアリーレート)とブレンドされるポリスチレンの濃度が、組成物中のポリマーの全重量に対するポリスチレンの重量パーセントで表されることは理解されるものとする。
本明細書において数値の範囲が提供される場合、他に具体的に記載されない限り、その範囲の端点を包含すると理解されるものとする。数値は、ASTM E29−08に記載されるように、提供された有効数字の数の精度を有すると理解されるべきである。例えば、数3は2.5〜3.4の範囲を包含すると理解されるものとするが、数3.0は、2.95〜3.04の範囲を包含すると理解されるものとする。
本発明の目的のために、他に明確に記載されない限り説明は、ポリ(トリメチレンアリーレート)がポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)である実施形態に対するものとする。他のポリ(トリメチレンアリーレート)への本発明の拡張は、重合度が等しいと仮定して、含有される特定のアリーレートモノマー単位の分子量の差異に対して適切な重量による濃度の調整により行われるものとする。
ポリスチレンおよびPTTの両方のホモポリマーおよびコポリマーはいずれも本発明における使用のために適している。本発明の目的のために、「コポリマー」という用語は、ジポリマーだけでなくターポリマー、テトラポリマーなども包含すると理解されるものとする。「コポリマー」という用語は、一緒に重合された任意の数のモノマーを包含すると理解されるものとする。実際的には、適用の大半はホモポリマー、ジポリマー、およびターポリマーに限定される。
一実施形態では、フィラメントは、97〜99.9wt%のPTTおよび3〜0.1wt%のポリスチレン(PS)を含む組成物を含む。別の実施形態では、フィラメントは、70〜99.5wt%のPTT、3〜0.5wt%のPS、および場合により最大29.5wt%の他のポリエステルを含む組成物を含む。別の実施形態では、フィラメントは、98〜99.5wt%のPTTおよび2〜0.5wt%のPSを含む組成物を含む。
一実施形態では、フィラメントは、97〜99.9wt%のPTTおよび3〜0.1wt%のポリスチレン(PS)から本質的になる組成物から本質的になる。別の実施形態では、フィラメントは、70〜99.5wt%のPTT、3〜0.5wt%のPS、および場合により最大29.5wt%の他のポリエステルから本質的になる組成物から本質的になる。別の実施形態では、フィラメントは、98〜99.5wt%のPTTおよび2〜0.5wt%のPSから本質的になる組成物から本質的になる。
適切なPTTポリマーは、1,3−プロパンジオールと、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルとの縮合重合によって形成される。これらとの共重合のための1つまたは複数の適切なコモノマーは、4〜12個の炭素原子を有する線状、環状、および分枝状の脂肪族ジカルボン酸またはエステル(例えば、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ドデカン二酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、およびこれらの対応するエステル);テレフタル酸またはエステル以外の、8〜12個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸またはエステル(例えば、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸);2〜8個の炭素原子を有する線状、環状、および分枝状の脂肪族ジオール(1,3−プロパンジオール以外)、例えば、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、および1,4−シクロヘキサンジオール;ならびに4〜10個の炭素原子を有する脂肪族および芳香族エーテルグリコール、例えば、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、または460未満の分子量を有するポリ(エチレンエーテル)グリコール(ジエチレンエーテルグリコールを含む)からなる群から選択される。コモノマーは通常、0.5〜15モル%の範囲のレベルでPTTコポリマー中に存在し、最大30モル%の量で存在することができる。
PTTは、特性に有意な悪影響を与えないように選択される少量の他のコモノマーを含有することができる。このような他のコモノマーには、例えば0.2〜5モル%の範囲のレベルの5−スルホイソフタル酸ナトリウムが含まれる。非常に少量の三官能性コモノマー、例えばトリメリット酸を粘度調節のために取り込むことができる。PTTは、最大30モルパーセントの他のポリマーとブレンドされ得る。例としては、上記で列挙されるものなどの他のジオールから調製されたポリエステルがある。
一実施形態では、PTTは、少なくとも85モル%のトリメチレンテレフタレート繰返し単位を含有する。さらなる実施形態では、PTTは、少なくとも90モル%のトリメチレンテレフタレート繰返し単位を含有する。またさらなる実施形態では、PTTは、少なくとも98モル%のトリメチレンテレフタレート繰返し単位を含有する。またさらなる実施形態では、PTTは、100モル%のトリメチレンテレフタレート繰返し単位を含有する。
一実施形態では、適切なPTTは、0.70〜2.0dl/gの範囲の固有粘度(IV)を特徴とする。さらなる実施形態では、適切なPTTは、0.80〜1.5dl/gの範囲のIVを特徴とする。またさらなる実施形態では、適切なPTTは、0.90〜1.2dl/gの範囲のIVを特徴とする。
一実施形態では、適切なPTTは、10,000〜40,000Daの範囲の数平均分子量(Mn)を特徴とする。さらなる実施形態では、適切なPTTは、20,000〜25,000Daの範囲のMnを特徴とする。
一実施形態では、適切なポリスチレンは、ポリスチレンホモポリマー、α−メチル−ポリスチレン、およびスチレン−ブタジエンコポリマー、ならびにこれらのブレンドからなる群から選択される。一実施形態では、ポリスチレンはポリスチレンホモポリマーである。さらなる実施形態では、ポリスチレンホモポリマーは、5,000〜300,000Daの範囲のMnを特徴とする。またさらなる実施形態では、ポリスチレンホモポリマーのMnは、50,000〜200,000Daの範囲である。またさらなる実施形態では、ポリスチレンホモポリマーのMnは、75,000〜200,000Daの範囲である。またさらなる実施形態では、ポリスチレンホモポリマーのMnは、120,000〜150,000Daの範囲である。有用なポリスチレンはアイソタクチック、アタクチック、またはシンジオタクチックであり得る。高分子量のアタクチックポリスチレンホモポリマーが好ましい。
本発明において有用なポリスチレンは、Dow Chemical Co.(Midland,Mich.)、BASF(Mount Olive,N.J.)およびSigma−Aldrich(Saint Louis,Mo.)を含む多数の供給業者から市販されている。
PTTおよびPSは溶融ブレンドされてから、ストランドの形態で押出され、続いてペレットに切断される。他の形態の溶融混合と、その後のフレーク、チップ、または粉末などへの粉砕とを実施することもできる。いくつかの状況下では、15%よりも高いPS濃度を有する第1のPTT/PSブレンドを含むペレットを作製した後、ペレットを再溶融し、再溶融物を付加的なPTTで希釈して、3%以下のPS濃度を有する第2の溶融ブレンドを形成し、第2の溶融ブレンドを本明細書のフィラメントに押出すのが便利であることもある。
本明細書のフィラメントは、PTTおよびPSを含む組成物を含む。いくつかの実施形態では、これらはブレンド中のただ2つの材料であり、これらは全部で100重量%であり得る。しかしながら、多くの場合、ブレンドは、商業的な使用のポリエステルポリマー組成物中に一般に含まれるような他の材料を有し得る。このような添加剤には、他のポリマー、可塑剤、UV吸収剤、難燃剤、染料などが含まれるが、これらに限定されない。従って、ポリ(トリメチレンテレフタレート)およびポリスチレンの合計は100重量%にならないであろう。他のポリマーは、例えば、糸ブレンドに酸可染性を付与するポリアミドを含むことができる。付加的な非ポリエステルポリマーが添加される例では、ポリエステルのPSに対する重量パーセント濃度の比率は、他のポリマーを含まない組成物と同じままである。
本発明によると、PSは、500ナノメートル未満の平均サイズを有する粒子の形態である。一実施形態では、ポリスチレンは2%以下の濃度のポリスチレンホモポリマーであり、ポリ(トリメチレンアリーレート)は、少なくとも98モル%のトリメチレンテレフタレートモノマー単位を含むPTTである。
本発明のフィラメントは、dpfが3以下であり、デニールCVが2.5%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする。本明細書のフィラメントの典型的な物理特性は、3グラム/デニールよりも高い靱性と、30〜70%の破断点伸びとを含む。一実施形態では、フィラメントのデニールは2.5以下である。別の実施形態では、複屈折は少なくとも0.060である。
別の態様では、本発明はシングルまたはマルチフィラメント糸の作製方法に関し、(a)PTTおよび0.1〜3重量%(wt%)のポリスチレン(PS)から本質的になる溶融ブレンドを作製するステップと、(b)そのように作製されたポリマー溶融ブレンドを溶融紡糸して、分散されたPSを含有するPTTの1本または複数のフィラメントを形成するステップとを含む。
本発明のフィラメントは都合よく、紡糸延伸フィラメント(すなわち、紡糸プロセスにおいて完全に延伸されたフィラメント)として作製される。完全に延伸とは、急冷後のフィラメントがその破断までの極限伸びの近くまで伸びていることを意味する。好ましくは、紡糸は、紡糸口金の1つまたは複数の孔から少なくとも4,000m/mの紡糸速度で本明細書のポリマーブレンドを押出すことを含む。「紡糸速度」という用語は、機械的な巻上げ装置などにおける紡糸繊維の集積速度を指す。
本発明のフィラメントの特徴である0.055以上の高い複屈折は、紡糸−延伸プロセスにおいてフィラメントに加えられた高度の延伸の直接的な結果である。高い複屈折は、紡糸−延伸フィラメントと、後で延伸−テクスチャ加工される部分配向紡糸された糸とを区別する原則方法である。
図1は、本発明における使用に適した溶融紡糸機の一実施形態の概略図である。図1を参照すると、PTTは連続溶融重合器1で製造され、そこから溶融形態で移送ライン2を通って逆回転ツインスクリュー押出機3へ搬送され、ツインスクリュー押出機には、混合ゾーンが設けられている。同時に、PSを含むペレットは減量(weight−loss)フィーダ4または他のペレットフィーダ手段によってサテライト押出機5に供給され、そこでペレットは溶融され、ツインスクリュー押出機3の混合ゾーンにおいてまたはそれよりも上流で、移送ライン6を通してツインスクリュー押出機3に溶融形態で供給される。ツインスクリュー押出機において、PTT/PS溶融ブレンドが形成される。得られた溶融ブレンドは、移送ライン7を通って紡糸口金を含む紡糸ブロック8に供給され、そこから1本または複数の連続フィラメント9が押出される。
図2は、本発明に従って溶融紡糸するための1つの適切な構成を示す。34本のフィラメント22(34本全てのフィラメントが示されるわけではない)は、ホール紡糸口金21から押出される。フィラメントは冷却ゾーン23を通過し、糸束に形成され、仕上げアプリケータ24を通り過ぎる。冷却ゾーンは、室温および60%相対湿度において40フィート/分の速度で糸束に空気が衝突される空気急冷ゾーンを含む。空気急冷ゾーンは、いわゆるクロスエアー型急冷(糸束を横切って空気が流れる)のために、あるいはいわゆる放射型急冷(空気源が収束フィラメントの中央にあり、360°にわたって放射状に外側に流れる)のために設計することができる。放射型急冷はより均一で効果的な急冷方法である。仕上げアプリケータ24の後、糸は、セパレータロールと連結されて60〜100℃(一実施形態では、70〜100℃)に設定された、供給ロールとしても知られている第1の従動ゴデットロール25に移動される。糸は、第1のゴデットロールおよびセパレータロールの周囲に6〜8回巻き付けられる。糸は、第1のゴデットロールから、第2のセパレータロールと連結されて110〜130℃に設定された、延伸ロールとしても知られている第2の従動ゴデットロールに移動される。糸は第2のゴデットロールおよびセパレータロールの周囲に6〜8回巻き付けられる。延伸ロールの速度は4000〜6000m/分であり、延伸ロール速度の供給ロール速度に対する比率は1.75〜3の範囲である。糸は、延伸ロールから、第3のセパレータロールに連結された、室温でそして第2のゴデットロールのロール速度よりも1〜2%速い速度で動作される第3の従動ゴデットロール27に移動される。糸は第3のロール対の周囲に6〜10回巻き付けられる。糸は、第3のロール対からインターレースノズル28を通過し、次に、第3のロール対の出力と一致する速度で動作される巻上げ装置29に移動される。
図2を参照すると、本明細書のプロセスに従って、押出されたフィラメントが急冷の前に第1のゴデットロールにより延伸力をかけられて引き下ろされるように、急冷されるフィラメントは、第1のゴデットロールの周囲に少なくとも1回(しかし好ましくは複数回)巻き付けられる。第1のゴデットロールの下流で、第1のゴデットロールと第2のゴデットロールの間にあるフィラメントの部分に第2のゴデットが延伸力をかけるように、フィラメントは、第2のゴデットロールの周囲に少なくとも1回(しかし好ましくは複数回)巻き付けられる。図2に示される実施形態では、フィラメントは、第2のゴデットロールから、第2の(延伸)ゴデットロールよりも1〜2%速い速度で動作し、レットダウンロールとしての機能を果たす第3のゴデットロールへ方向付けられる。フィラメントは、第3のゴデットから巻上げ装置へ向けられる。フィラメントが巻上げ装置に巻き付けられる速度が紡糸速度として記載される。典型的な設備では、巻上げ装置は、張力制御された巻上げ装置である。
本発明によると、第1のゴデットロールは70〜100℃の範囲の温度に加熱され、第2のゴデットロールは100〜130℃の範囲の温度に加熱される。第1のゴデットロールは第1の回転速度で駆動され、第2のゴデットロールは第2の回転速度で駆動される。本発明によると、第2の回転速度の第1の回転速度に対する比率(延伸比)は、1.75〜3の範囲内である。
一実施形態では、本発明の複数のフィラメントのそれぞれは、マルチホール紡糸口金から個々に押出される。そのように押出されたフィラメントは結合されて糸を形成する。通常、糸は、押出フィラメント、またはスレッドラインのいくらかの攪拌、撚り、またはその両方を適用して、フィラメントの交絡を引き起こすことによって結び付けられる。そのように形成された糸は複数のフィラメントを含み、各フィラメントは、dpfが3以下であり、デニールCVが2.5%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする。一実施形態では、フィラメントのデニールは2.5以下である。別の実施形態では、複屈折は少なくとも0.060である。典型的な糸は、34、48、68、および72本のフィラメントを含むが、糸を製造するために結合されるフィラメントの数は決して限定されない。
本発明に従って形成される糸は、本発明に従う複数のフィラメントから構成されるものだけに限定されず、他のフィラメントも同様に含有することができる。例えば、本発明に従って形成される糸は、他のポリエステルおよびポリアミド、ポリアクリレートの他のフィラメント、ならびに所望され得るような他のフィラメントを含有することができる。他のフィラメントはステープル繊維であってもよい。
本発明に従って形成される糸(上記で記載される紡糸−延伸プロセスによって形成することができる)は、連続ポリエステル繊維にテキスタイル様の美しさを提供するために、一般に実施されるような仮撚り加工のための供給糸として使用するのに適している。いくつかのタイプのテクスチャ加工装置(全て当該技術分野において周知である)があるが、テクスチャ加工プロセスは、a)上記の紡糸プロセスに従って形成されるような糸パッケージを提供するステップと、(b)パッケージから糸を解くステップと、(c)摩擦撚り要素または仮撚りスピンドルに糸の端部を通すステップと、d)スピンドルを回転させ、それによって、加熱を伴いながら、回転スピンドルの上流で糸に撚りをかけ、回転スピンドルの下流で上流の撚りを解くステップと、(e)パッケージに糸を巻き付けるステップとを含む。
本発明は、ファインデニール(3dpf以下)の紡糸−延伸PTT糸の紡糸における生産性の増大を可能にする。本発明のフィラメントおよびその糸は、純粋(neat)なPTTで達成可能な最大紡糸速度よりも30〜70%高い紡糸速度で作製された。得られた糸は、PSを含有しない(そして必ずしも約3000m/分で紡糸されたわけではない)点だけが本発明の糸と異なるPTTマルチフィラメント糸の伸びおよび靱性の20%以内の伸びおよび靱性を特徴とする。従って、本発明のフィラメントから本質的になる糸は、使用される繊維機械で必要とされる微調整を伴うだけで、様々な種類のテキスタイル用途において有用である。得られた糸は、PSを含有せずに3000m/分で作製されたPTT糸のために使用される条件と同一または類似の条件下で、とりわけ、テクスチャ加工糸、布およびカーペットの作製において有用である。
本発明のフィラメントにおいて、PTTは連続相、すなわち「マトリックス」であり、PSは、PTTマトリックス内に分散された不連続相である。一実施形態では、PTTマトリックス中に分散されるPS粒子の大きさは500nm以下である。さらなる実施形態では、PTTマトリックス中に分散されるPS粒子の大きさは200nm以下である。
本発明の有益な特徴は、ファインデニールの高強度で強靱な紡糸延伸PTT糸を4000m/分以上の紡糸速度で紡糸できることを含む。これらの有益な特徴は、PSの微粒径と、PTT中のPSの分散の体積均質性との両方に依存し、これらは次に、十分に高せん断溶融混合の適用に依存する。紡糸された糸の紡糸性能および/または物理特性が突然低下するしきい値粒径は存在しない。むしろ、PS粒径が大きくなると、性能は徐々に低下する。500nm以上の範囲の粒径では、デニールCVは徐々に大きくなる。同様に、PTTマトリックス中の粒子分布に関して、均質性の特定のしきい値は存在しない。分散の均一性が良好である程、得られる紡糸フィラメントはより均一になる。本発明の1つの特に価値のある利益は、2.5%未満のデニールCVを特徴とする紡糸−延伸糸の製造である。低デニールCVは、テキスタイル用途のためのファインデニール糸の作製において特に重要である。PSがPTT中に分散されるプロセスが、500nm未満の粒径と、分散の十分に高い均一性とを保証するのに十分なせん断力を特徴としない限り、デニールCVが2.5%以下になる可能性は極めて低い。
溶融物に適用されるせん断力の量は、混合要素の回転速度、溶融物の粘度、および混合ゾーン中の溶融物の滞留時間に依存する。せん断力が低すぎる場合、PSは初めから分散しないか、あるいは500nmよりも大きいサイズの液滴に急速に凝集する傾向がある。
溶融混合プロセスは、バッチ式および連続式の両方で実施することができる。ポリマー配合の技術分野において一般的に使用されているような、いわゆる高せん断ミキサーが適切である。適切な市販の高せん断バッチ式ミキサーの例としては、バンバリー(Banbury)ミキサーおよびブラベンダー(Brabender)ミキサーが挙げられるが、これらに限定されない。連続式高せん断ミキサーの例としては、同時回転ツインスクリュー押出機およびファレル(Farrel)連続式ミキサーが挙げられるが、これらに限定されない。逆回転ツインスクリュー押出機も適切である。一般に、適切な高せん断ミキサーは、ポリマー溶融物に対して50/s(100/sが好ましい)の最小せん断速度を与えることができるものである。溶融混合の後、得られたブレンドは、後で紡糸機に供給するためにペレット状にすることもできるし、あるいは溶融ブレンドを直接紡糸機に供給することもできる。別の有用な方法は、ポリマー溶融物を結合させることである。この方法の一例は、連続重合器からPTT溶融物をツインスクリュー押出機の第1の段階に提供し、サテライト押出機からのPS溶融物をツインスクリュー押出機の混合ゾーンに供給し、それにより溶融ブレンドを形成することであろう。別の方法では、未溶融ポリマーは、溶融混合のためにツインスクリュー押出機に供給される前に、タンブリングなどによって乾燥混合され得る。
500nmよりも大きい平均粒径は、良好な繊維紡糸性能の観点から好ましくない。さらに、単一の縦糸に沿っても、縦糸間においても均一であるフィラメントの紡糸は、PS粒子の体積分布の均質性に明確に依存する。本発明の範囲を少しも限定することはないが、その実際の溶融処理において、PS粒子は溶融して、溶融PTTマトリックス内に分散される溶融液滴を形成することが推測される。
溶融ミキサー内の温度は、PTTおよびPSの両方の融点よりも高く、材料のいずれかの最低分解温度よりも低くなければならない。明確な温度は、使用されるポリマーの特定の属性に依存し得る。典型的な実施では、溶融温度は200℃〜270℃の範囲である。
一実施形態では、PTT/PSブレンドペレット中のPSの濃度は、0.5〜1.5%の範囲である。
図1に示されるように、そしてポリマー繊維の溶融紡糸に対して一般的に当てはまるように、ポリマー溶融物は、移送ラインを通って紡糸口金に供給される。押出機から移送ラインへの溶融物の流入は乱流状態にある。しかしながら、紡糸口金の供給は、紡糸口金の複数の孔を通る均一な流れを達成するために層流でなければならない。移送ライン内で、溶融物の流れは乱流から層流に移行する。
フィラメントの紡糸は、幅広く商業的に使用されている従来の装置および手順を用いて達成することができる。実際問題として、3dpf以下のファインデニールフィラメントの紡糸について、3%よりも高いPS濃度は、そのように製造された繊維の機械特性の低下をもたらすことが見出される。さらに、5%のPSでは、ファインデニールフィラメントは全く溶融紡糸することができないことが見出される。
溶融紡糸の前に、ポリマーブレンドぺレットは、好ましくは、溶融紡糸中の加水分解を回避するために30ppm未満の水分レベルまで乾燥される。当該技術分野において知られている乾燥のための手段はどれも十分である。一実施形態では、閉ループ熱風乾燥機が使用される。通常、PTT/PSブレンドは130℃および−40℃未満の露点で6時間乾燥される。このように乾燥されたPTT/PSポリマーブレンドは250〜265℃で繊維に溶融紡糸される。
その1つの実施形態が以下に詳細に記載される典型的な溶融紡糸プロセスにおいて、乾燥ポリマーブレンドペレットは押出機に供給され、押出機はペレットを溶融させ、得られた溶融物を計量ポンプに提供する。計量ポンプは、容量測定で制御されたポリマーの流れを移送ラインを通して加熱紡糸パックへ送達する。ポンプは、数マイクロメートルよりも大きいあらゆる粒子を除去するためのろ過媒体(例えば、砂床およびフィルタスクリーン)を含有する紡糸パックを通してその流れを推し進めるために、10〜20MPaの圧力を提供しなければならない。紡糸口金を通る質量流量は、計量ポンプによって制御される。パックの底部で、ポリマーは、金属の厚い板(紡糸口金)の複数の小さい孔を通って空気急冷ゾーン内に出る。孔の数およびその寸法は大きく変わり得るが、通常、単一の紡糸口金孔は、0.2〜0.4mmの範囲の直径を有する。紡糸は、235〜295℃、好ましくは250〜290℃の紡糸口金温度において有利に達成される。
そのサイズの孔を通る典型的な流量は、1〜5g/分の範囲である傾向がある。紡糸口金孔のために多数の断面形状が用いられるが、円形断面が最も一般的である。通常、紡糸フィラメントが巻き取られる、高度に制御された回転ロールシステムによって、ライン速度は制御される。フィラメントの直径は流量および巻取り速度によって決定され、紡糸口金孔のサイズによらない。
このようにして製造されたフィラメントの特性は、特に、紡糸口金からの出口とフィラメントの凝固点との間の急冷ゾーンとして知られている領域において、スレッドラインの動力学によって決定される。急冷ゾーンの具体的な設計、出現してくるまだ運動能力のあるフィラメントを横切る空気流量は、急冷されたフィラメントの特性に非常に大きな影響を与える。クロスフロー型急冷および放射型急冷はいずれも一般に使用されている。急冷または凝固の後、フィラメントは巻取り速度で移動し、この速度は通常、紡糸口金孔からの出口速度よりも100〜200倍速い。従って、紡糸口金孔から出現した後に、スレッドラインのかなりの加速(および伸長)が生じる。紡糸フィラメント中に凍結される配向の量は、凝固点におけるフィラメント内の応力レベルに直接関係する。
それにより製造される溶融紡糸フィラメントは、所望の最終用途と一致するように捕集される。例えば、ステープル繊維に変えることを目的としたフィラメントの場合、複数の連続フィラメントを結合してトウにすることができ、トウは、いわゆるピドリング缶(piddling can)に集積される。テクスチャ加工などのように連続的な形態での使用を目的としたフィラメントは通常、張力制御された巻上げ装置に取り付けられた糸パッケージに巻き付けられる。本発明によると、集積速度は少なくとも4,000m/分である。
テクスチャ加工は、一般に仮撚り加工として知られているプロセスにより、撚りをかけ、ヒートセットし、そして撚りを解くことによって捲縮を付与する。これらのマルチフィラメント糸(「束(bundle)」としても知られている)は、これらが製造される紡糸延伸糸と同じ数のフィラメントを含む。従って、これらは、好ましくは、少なくとも10本、そしてさらにより好ましくは少なくとも25本のフィラメントを含み、通常、最大150本またはそれ以上、好ましくは最大100本、より好ましくは最大80本のフィラメントを含有することができる。糸は、通常、少なくとも1、より好ましくは少なくとも20、好ましくは少なくとも50、より好ましくは最大250、そして最大1,500の全デニールを有する。フィラメントは、好ましくは少なくとも0.1dpf、より好ましくは少なくとも0.5dpf、より好ましくは少なくとも0.8dpf、最も好ましくは最大3dpfである。
PTTステープル繊維は、245〜285℃の温度でPTT/PSブレンドをフィラメントに溶融紡糸し、フィラメントを急冷し、急冷されたフィラメントを延伸し、延伸されたフィラメントを捲縮し、フィラメントを、好ましくは0.2〜6インチ(0.5〜15cm)の長さを有するステープル繊維に切断することによって作製することができる。1つの好ましいプロセスは、(a)PTTおよび0.1〜3%のPSを含むポリマーブレンドを提供するステップと、(b)245〜285℃の温度で溶融ブレンドを溶融紡糸してフィラメントにするステップと、(c)フィラメントを急冷するステップと、(d)急冷されたフィラメントを延伸するステップと、(e)機械的な捲縮機を用いて、8〜30捲縮/インチ(3〜12捲縮/cm)の捲縮レベルで、延伸されたフィラメントを捲縮するステップと、(f)捲縮されたフィラメントを50〜120℃の温度で弛緩させるステップと、(g)弛緩されたフィラメントを、好ましくは0.2〜6インチ(0.5〜15cm)の長さを有するステープル繊維に切断するステップとを含む。このプロセスの1つの好ましい実施形態では、延伸フィラメントは捲縮の前に85〜115℃でアニーリングされる。好ましくは、アニーリングは、加熱ローラを用いて張力をかけて実行される。別の好ましい実施形態では、延伸フィラメントは捲縮の前にアニーリングされない。ステープル繊維は、テキスタイル糸およびテキスタイルまたは不織布の作製において有用であり、ファイバーフィル用途およびカーペットの製造のために使用することもできる。
本発明は、主としてマルチフィラメント糸に関連して記載されるが、本明細書において記載される優先度は、モノフィラメントにも適用可能であることは理解されるべきである。
フィラメントは円形であることもできるし、あるいは八葉形、デルタ、サンバースト(太陽としても知られている)、スカラップオーバル、三葉形、テトラ−チャネル(4チャネルとしても知られている)、スカラップリボン、リボン、星形などの他の形状を有することもできる。これらは、中実、中空またはマルチ中空であり得る。
別の態様では、本発明は、組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%のポリスチレンを含む組成物を含むフィラメントを含む布地を提供しており、本フィラメントは、フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.5%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする。一実施形態では、ポリ(トリメチレンアリーレート)はポリ(トリメチレンテレフタレート)である。
一実施形態では、フィラメントは束ねて糸にされ、布地は織布である。代替の実施形態では、フィラメントは束ねて少なくとも1本の糸にされ、布地は編地である。さらに別の実施形態では、布地は不織布であり、さらなる実施形態では、布地はスパンボンド布である。
1つの定義では、不織布は、織ったり編んだりされていない布地である。織物構造および編物構造は、インターレーシング(織物)またはルーピング(編物)のいずれかによって作られた、かみ合った糸の規則的なパターンを特徴とする。いずれの場合も、糸は、布地の一方の面から他方の面へ、そして逆方向に何度も繰り返される規則的なパターンに従う。織布または編地の完全性は、布地自体の構造によって形成される。
不織布では、最も一般的には、フィラメントはランダムパターンでレイダウンされ、機械的な手段ではなく化学的または熱的な手段によって互いに結合される。このような手段によって製造される不織布の1つの市販の例は、DuPont Companyから入手可能なSontara(登録商標)スパンボンドポリエステルである。いくつかの場合には、不織布は、Popperらの米国特許第6,579,815号明細書に記載されるように、インターレーシングまたはルーピングを含まず、繊維が一方の面から他方の面へ互い違いにならない複雑な3次元の位相幾何学的な配列で繊維の層をレイダウンすることによって製造することができる。
織布は、互いに直交してインターレースされる複数の糸で作られる。布地の長さに平行な糸は「経糸」と呼ばれ、その方向に直交する糸は「横糸(filling)」または「緯糸」と呼ばれる。各経糸は「縦糸(end)」とよばれる。あらゆる布地または衣料品店において見られるように、糸がインターレースされる特定の方法、糸のデニール、糸自体の触覚的および視覚的の両方の美しさ、糸の密度、および経糸の横糸に対する比率を変化させることによって、美しさの膨大なバリエーションを達成することができる。概して、織布の構造は布地にある程度の強剛性を付与し、織布は一般に編地ほど伸縮しない。
本発明の織布において、少なくとも経糸の一部は、組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%のポリスチレンを含む組成物を含むフィラメントを含む糸を含んでおり、フィラメントは、フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.5%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする。一実施形態では、ポリ(トリメチレンアリーレート)はポリ(トリメチレンテレフタレート)である。
一実施形態では、経糸および横糸の両方が、本明細書のフィラメントを含む糸を含む。一実施形態では、経糸は、少なくとも40%(本数による)の本明細書のフィラメントを含む糸と、少なくとも40%(本数による)の綿糸とを含む。一実施形態では、経糸は少なくとも80%(本数による)の本明細書のフィラメントを含む糸を含み、横糸は少なくとも80%の綿糸を含む。概して、横糸よりも経糸のほうに、より大きい物理的要求が課せられる。
織布は、何千年にもわたって製造されてきたように織機において製造される。織機は大きな変化を受けてきたが、動作の基本原理は同じままである。図3aは、織機の実施形態の概略図であり、側面図で示される。複数の(多くの場合、何百もの)平行な縦糸32で構成される経糸ビーム31は、織機の供給装置として配置される。経糸ビーム31は、図3bにおいて正面図で示される。図3aには、ハーネスが2つの織機が示されている。各ハーネス34aおよび34bは、複数の(多くの場合、何百もの)いわゆる「綜絖」を保持するフレームである。ハーネス34の正面拡大図を示す図3cを参照すると、各綜絖311は、孔312が中にある鉛直ワイヤである。ハーネスは上下に動くように配設され、一方が上に移動すると、他方は下に移動する。縦糸の一部分33aは上部ハーネス34aの綜絖311内の孔312に通され、縦糸の別の部分33bは下部ハーネス34bの綜絖内の孔に通され、それにより、縦糸33aと33bとの間に間隙が開けられる。図示されるタイプの織機において、シャトルコック36は図示されない手段(通常は、木製パドル)によって推進されて、ハーネスが上下に移動すると左右に移動または往復する。シャトルコックは横糸37のボビンを有しており、シャトルコックが縦糸の間隙を通って移動すると横糸37が巻き出される。いわゆる「リード」または「筬」35は一連の鉛直ワイヤを保持するフレームであり、その間を縦糸が自由に通過する。図3dはリード35の正面図を示しており、鉛直ワイヤ313と、経糸がその間を通過する空間314とが描かれる。鉛直ワイヤ314の厚さは、布地の横断方向において、経糸の間隔と、それにより経糸の密度とを決定する。リードは、新しく挿入される横糸を図の右方向へ押して、形成中の布地38の所定位置に押し込む役割を果たす。布地は布地ビーム310に巻き付けられる。ロール39はガイドロールである。
経糸ビームの巻取りは、通常、所望の縦糸の数と同数の糸パッケージまたはスプールがいわゆるクリールに取り付けられ、各縦糸が、一連の正確なガイドおよびテンショナーを通して経糸ビームに供給され、次に経糸ビーム全体が一度に巻き取られる正確な動作である。
インターレーシングの特定のパターン、経糸対横糸比によって、作製される織布のタイプが決定される。基本的なパターとしては、平織、斜文織、および朱子織が挙げられる。その他のより装飾的な織物パターンも多数知られている。
編成は、1本または複数の糸を互いにルーピングすることによって布地が作製されるプロセスである。編物は、織物よりも伸縮性および弾力性である傾向にある。編物は、織物よりも耐久性が低い傾向にある。織物の場合のように、多数の編物パターンおよび編成スタイルがある。本発明によると、一実施形態では、本明細書の布地は、組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%のポリスチレンを含む組成物を含むフィラメントを含む糸を含む編地であり、フィラメントは、フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.5%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする。一実施形態では、ポリ(トリメチレンアリーレート)はポリ(トリメチレンテレフタレート)である。
さらに本発明において企図されるのは、本発明の布地から縫われた衣類である。本明細書の衣類は、組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%のポリスチレンを含む組成物を含むフィラメントを含む糸を含む布地を含んでおり、フィラメントは、フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.5%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする。一実施形態では、ポリ(トリメチレンアリーレート)はポリ(トリメチレンテレフタレート)である。
布地からの衣類の製造は極めて周知の技術である。布地からの衣類の作製は、通常は紙から、あるいは自動プロセスのためにコンピュータ化された形でパターンを作製するステップと、必要とされる布片を測定するステップと、布地を切断して必要な布片を作製するステップと、次にパターンに従って布片を縫い合わせるステップとを含む。衣類は、1つまたは複数のスタイルの本発明の布地だけから作られてもよい。あるいは、衣類は、1つまたは複数のスタイルの本発明の布地と、その他の布地とを組み合わせて作製されてもよい。
本発明は以下の特定の実施形態においてさらに記載されるが、これらに限定されない。
試験方法
固有粘度
PTTの固有粘度(IV)は、Viscotek Forced Flow Viscometer Y900(Viscotek Corporation,Houston,Tex.)を用いて決定した。ASTM D−5225−92の手順に従って、19℃において50/50重量%のトリフルオロ酢酸および塩化メチレンの溶媒混合物中0.4g/dlのPTT溶液を形成し、粘度を決定した。これらのIV測定値を、ASTM D4603−96に従って60/40重量%のフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン中で手動により測定したIV値と相関させた。
数平均分子量
ポリスチレンの数平均分子量は、ASTM D5296−97に従って決定した。較正標準が44,000のMwを有するポリ(エチレンテレフタレート)であり、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒であったことを除いて、ポリ(トリメチレンテレフタレート)についても同じ方法を使用した。
靱性および破断点伸び
フィラメントおよび糸の物理特性は、Instron Corp.の引張試験機モデルNo.1122を用いて測定した。より具体的には、ASTM D−2256に従って、破断点伸びEbおよび靱性を測定した。
紡糸キャンペーンおよび結果に対する紡糸機の影響
繊維の紡糸を4つの別々のキャンペーンで実施した。以下により詳細に記載されるように、キャンペーン#1、3、および4は紡糸機#2で実行し、キャンペーン#2は紡糸機#1で実行した。
紡糸機#1から得られた結果は、表4および図5に示されるように散在しており、決定的であるとは考えられない。特に、デニール変動係数は本発明において明記される限界よりも高く、第1のゴデットの温度と共に系統的に変化するとは思われなかった。
図5は、第1のゴデット温度に対するデニールCVを示すグラフであり、キャンペーン1,3、および4から得られたデータは全てまとめてひし形でプロットされており、キャンペーン#2からのデータは三角形を用いてグラフに示されている。以下の表3〜6に示されるように、紡糸機#2を使用した3つのキャンペーンで得られたデータ点は、全てが同じ紡糸条件セットを用いて得られたわけではなかった。それにもかかわらず、図5において分かるように、ひし形で示される紡糸機#2からのデータは、約75〜85℃の範囲の第1のゴデット温度がデニールCVの最小値に対応するという明白な傾向を示した。同様の傾向は、キャンペーン#2のデータでは観察されなかった。
デニール変動係数は、短距離のデニール変動性の尺度であり、これは次に、溶融紡糸プロセスの安定性の指標となる。溶融紡糸プロセスは、紡糸組成物は不安定性を引き起こすので不安定であり得る。また、機械が不安定であるために不安定であり得る。この場合、キャンペーン#2において生じた高デニールCVが機械の性能および設計のアーチファクトであったことは、図5から明らかである。
紡糸機#1は、溶融紡糸をもたらすための最も基本的な装置だけが備えられた、実験室で造られた紡糸機であった。紡糸機#1は、普段は、実験組成物を繊維に溶融紡糸することができるかどうかについて最も基本的な情報を得るためだけに使用した。本明細書のキャンペーン#2では、スケジューリングの混乱のためにキャンペーン#2が予定された日に紡糸機#2を利用できなかったので使紡糸機#1を使用した。紡糸機#2は、パイロットプラントの紡糸ラインであった。そこでの条件は、フルサイズの商業規模の紡糸ラインに完全に拡張可能であった。これは、本発明の特徴である結果の違いを実証するために選択された紡糸ラインであった。
図4には、紡糸機#2が概略的に描かれている。サイロ乾燥器41により、シングルスクリュー押出機42に乾燥樹脂ブレンドペレットを重量供給した。シングルスクリュー押出機42の出力は、圧力下で、オーバーフローポート44が設けられたギアポンプ43の入力へ直接供給した。ギアポンプの出力は、短い(長いものも含む)移送ライン45を介して、6つの端部(そのうち4つの端部を使用した)のスピンパック46に供給した。4つのスレッドライン47のそれぞれ(1つ示す)を、その36ホール紡糸口金(図示せず)から押出した。紡糸口金の各孔は、0.27mm直径の円形断面および0.50mmの長さを特徴とした。各スレッドライン47は、キャンペーン1では、周囲の空気がスレッドラインを横切って一方の側から他方の側に流れる長さ約1.75mのクロスフロー型急冷空気ゾーン48を通過し、キャンペーン3および4では、周囲の空気がスレッドラインの周りに放射状に流れてさらにより均一なフィラメントを生じる長さ約1.75mの放射型急冷空気ゾーン48を通過した。このように急冷されたスレッドラインのそれぞれを仕上げロール49と接触させてから、第1の加熱ゴデット(供給ロール)410および対応する第1のセパレータロール411の周囲に6〜8回巻き付けて、スレッドラインを離して保持した。次に、スレッドラインを、インターレースノズル(図示せず)を通して第2の加熱ゴデット(延伸ロール)412および第2の対応する第2のセパレータロール413へ、そして巻上げ装置414へ向けた。これも図示されていないが、温度を保持するために、各ゴデットをホットチェストによって部分的に包囲した。押出機には3つの加熱ゾーンと出力部分のヘッドゾーンとが設けられた。
紡糸機#1および紡糸機#2は、図4に記載されるレイアウトに関して実質的に同一であった。1つの違いは、紡糸機#1の急冷空気用煙突が紡糸機#2におけるその同等の物よりもはるかに狭いことであった。
全ての実施例および比較例において、それぞれの条件セットの下で同時に紡糸された4本のスレッドラインの平均の結果が報告される。セットポイント条件の変化の後、試験サンプルの作製の前に約45分間運転することによって紡糸機を定常状態に到達させた。ポリマーの組成物を変更する際には、PSを含有しないPTTにより紡糸機をパージした。紡糸口金を変更する際には、紡糸実験の間で機械をパージした。
ポリマーブレンドの作製
乾燥PTTおよびPSを30mm T/S押出機に同時供給することによって、PTT中のPS(0.8および0.55wt%)のサンプルを作った。Sorona(登録商標)Semi−Dull PTT樹脂ペレット(1.02IV、DuPont Company,Wilmington,DEから入手可能)ポリトリメチレンテレフタレートを、表1に示される量でポリスチレン(168M KG 2、BASFから入手可能)ペレットと混ぜ合わせた。PTTは、使用する前に、窒素パージを備えた120℃の真空オーブン内で14時間乾燥させた。2つのポリマーを個々に、Werner & Pfleiderer ZSK−30逆回転ツインスクリュー押出機の第4のバレルセクションへ減量供給した。使用した供給速度は、ポンド/時(pph)で表1に示される。押出機は、2つの混練ゾーンおよび3つの搬送セクションが交互の配列で設けられた、13のバレルセクションで構築された30mm直径のバレルを有し、押出機は32のL/D比を有した。各バレルセクションは独立して加熱した。セクション1〜4を25℃に設定し、セクション5〜13を210℃に設定し、3/16インチのストランドダイも210℃に設定した。バレルセグメント8に真空を適用した。表1は、供給物の組成、出力速度、および溶融温度も示す。押出物をダイから出た直後に水中で急冷し、次に標準的なペレット化装置を用いて1/8インチのペレットにペレット化した。
Figure 0005964437
溶融紡糸
以下に記載される4つの別々の紡糸キャンペーンにおいて繊維の溶融紡糸を実行した。表2は、各キャンペーンの間、一定に保持した紡糸パラメータを示す。
Figure 0005964437
キャンペーン#1−紡糸機#2
そのように作製されたPTT/PSブレンドの溶融配合ペレットを乾燥サイロにおいて140℃で一晩乾燥させ、水分含量を50ppm未満まで低下させた。乾燥させた溶融ブレンドを、紡糸機#2の上記の図4のシングルスクリュー押出機へ重量供給した。押出機の設定点(℃)は、ゾーン1〜3において、それぞれ230/255/263であった。押出機の出力を、ギアポンプを通してスピンパックに溶融供給した。スピンパックには6つの紡糸位置が設けられ、そのうち4つに紡糸口金を設け、各紡糸口金は36個の孔を有し、各孔は直径0.27mmおよび長さ0.5mmであり、円形断面を有した。そのように製造された各糸は75デニールの36フィラメント糸であった。第1のゴデットロールの設定は表3に示される。第2のゴデットロールを110℃および4500rpmに保持したことに注意されたい。急冷空気は、0.35cm/sの空気速度によるクロスフロー型急冷であった。
追従したプロトコルは以下の通りであった:第2のゴデットロール(延伸ロール)を4500m/分および110℃に設定し、実験の過程で変更しなかった。次に、第1のゴデットロール(供給ロール)を60℃に設定して実験を行い、破断点伸びを55〜65%の範囲であるように調整したときに最高靱性をもたらす延伸比を同定するために、速度を変更した。ポリマーブレンド#2(0.055%のPS)では、2.09の延伸比は、破断点伸びが所望の範囲内にある(すなわち、供給ロールを2150m/分に設定した)ときに最高靱性をもたらすことが見出された。次に、85および110℃のさらなる供給ロール温度で紡糸を継続した。ポリマーブレンド#1(0.8%のPS)について同じ手順を追従し、破断点伸びが所望の範囲内にある(すなわち、供給ロール速度=1900m/分)ときに2.37の延伸比が最高靱性をもたらすことを見出した。
結果は表3に示される。
Figure 0005964437
キャンペーン#2−紡糸機#1
上記のブレンド#1と同一のPTT中0.80重量%の新しい溶融ブレンド。そのように作製されたPTT/PSブレンドの溶融配合ペレットを乾燥サイロにおいて140℃で一晩乾燥させ、水分含量を50ppm未満まで低下させた。乾燥させた溶融ブレンドペレットを、紡糸機#1の上記の図4のシングルスクリュー押出機へ重量供給した。押出機の設定点(℃)は、ゾーン1〜3において、それぞれ230/255/263であった。押出機の出力を、ギアポンプを通してスピンパックに溶融供給した。スピンパックには6つの紡糸位置が設けられ、そのうち4つに紡糸口金を設け、各紡糸口金は36個の孔を有し、各孔は直径0.27mmおよび長さ0.5mmであり、円形断面を有した。そのように製造された各糸は75デニールの36フィラメント糸であった。第1のゴデットロールの設定は表4に示される。第2のゴデットロールを110℃および4500rpmに保持したことに注意されたい。急冷空気は、0.35cm/sの空気速度によるクロスフロー型急冷であった。
追従したプロトコルは以下の通りであった:第2のゴデットロール(延伸ロール)を4500m/分および110℃に設定し、実験の過程で変更しなかった。次に、第1のゴデットロール(供給ロール)を60℃に設定して実験を行い、破断点伸びを55〜65%の範囲であるように調整したときに最高靱性をもたらす延伸比を同定するために、速度を変更した。ポリマーブレンド#1(0.8%のPS)について追従し、破断点伸びが所望の範囲内にある(すなわち、第1のゴデットロール速度=1900m/分)ときに2.37の延伸比が最高靱性をもたらすことを見出した。
実施例5および6は、直径0.27mmの紡糸口金オリフィスを用いて実施した。実施例7および8は、直径0.32mmの紡糸口金オリフィスを用いて実施した。その他の紡糸条件は表2および表4に示される。結果は表4に示される。
Figure 0005964437
キャンペーン#3−紡糸機#2
キャンペーン#2で使用したものと同じバッチの0.80重量%のPSを含有するPS/PTTを使用した。
これらの実施例では、75デニール/36フィラメント糸を紡糸し、急冷が放射型急冷であったことを除いて、上記のキャンペーン#1について記載したものと同じ紡糸機手順および設定を用いて、溶融紡糸を行った。紡糸条件は表3および表5に示される。この場合もやはり、押出機の加熱ゾーンはそれぞれ230/255/263℃に設定した。紡糸口金の直径は0.27mmであった。流量は37.5g/分に制御した。結果は表5に示される。
Figure 0005964437
キャンペーン#4−紡糸機#2
上記のブレンド#2と同一の方法でPTT中0.8%のPSの第3のブレンドを作った。
これらの実施例では、75デニール/72フィラメント糸を紡糸したことを除いて、キャンペーン#3について記載したものと同じ紡糸機手順および設定を用いて、溶融紡糸を行った。紡糸条件は表3および表6に示される。この場合もやはり、押出機の加熱ゾーンはそれぞれ230/255/263℃に設定した。紡糸口金の直径は0.27mmであった。実施例12および実施例13において記される場合を除いて、流量は37.5g/分に制御した。結果は表6に示される。
Figure 0005964437
次に、本発明の態様を示す。
1. 組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%のポリスチレンを含む組成物を含むフィラメントを含む布地であって、前記フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が3%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする布地。
2. 前記ポリ(トリメチレンアリーレート)がポリ(トリメチレンテレフタレート)である、態様1に記載の布地。
3. 前記組成物が、前記組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.5〜2重量%のポリスチレンを含む、態様1に記載の布地。
4. 前記組成物が、前記組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.5〜2重量%のポリスチレンから本質的になる、態様3に記載の布地。
5. 前記組成物が、前記組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンテレフタレート)中に分散された0.5〜2重量%のポリスチレンを含む、態様2に記載の布地。
6. 前記組成物が、前記組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンテレフタレート)中に分散された0.5〜2重量%のポリスチレンから本質的になる、態様2に記載の布地。
7. 前記布地が織物である、態様1に記載の布地。
8. 態様1に記載の布地を含む衣類。

Claims (2)

  1. 組成物中のポリマーの全重量に基づいて、ポリ(トリメチレンアリーレート)中に分散された0.1〜3重量%のポリスチレンを含む組成物を含むフィラメントを含む布地であって、前記フィラメント当たりのデニールが3以下であり、デニール変動係数が2.15%以下であり、複屈折が少なくとも0.055であることを特徴とする布地。
  2. 請求項1に記載の布地を含む衣類。
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