JP2009032429A - リチウム反応電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】大きな表面積を得ることができ、かつ、カーボンブラックなどの導電補助剤またはバインダを添加することなく、効率的に高い導電性を得ることのできるリチウム反応電極およびその製造方法を提供する。
【解決手段】金属多孔質体と、該金属多孔質体の表面を形成し、リチウムイオンと電気化学的に反応する酸化膜とからなり、金属多孔質体は、比表面積が見かけ面積に対して10以上であり、Liと合金化しないバルブ金属からなり、特に、タンタルからなり、空隙率が30〜70%であり、平均粒子径が10nm以上、1μm以下であることが、それぞれ望ましく、酸化膜は、膜厚が100nm以下であることが望ましい。金属多孔質体は、気相法で作製し、酸化膜は、陽極酸化法により形成することが望ましい。
【選択図】なし
【解決手段】金属多孔質体と、該金属多孔質体の表面を形成し、リチウムイオンと電気化学的に反応する酸化膜とからなり、金属多孔質体は、比表面積が見かけ面積に対して10以上であり、Liと合金化しないバルブ金属からなり、特に、タンタルからなり、空隙率が30〜70%であり、平均粒子径が10nm以上、1μm以下であることが、それぞれ望ましく、酸化膜は、膜厚が100nm以下であることが望ましい。金属多孔質体は、気相法で作製し、酸化膜は、陽極酸化法により形成することが望ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に用いられるリチウム反応電極およびその製造方法に関する。
二次電池、特にリチウムイオン二次電池においては、正極材としてコバルト酸リチウム、またはニッケル酸リチウムなどの酸化物が用いられ、負極材としては黒鉛(理論容量:372mAh/g、837mAh/cc)が用いられている。また、一部では、負極材としてチタン酸リチウムなどの酸化物も用いられている。これらはいずれも、リチウムイオンを電気化学的に挿入脱離可能な層状化合物である。
これらの材料は、いずれも粉末であり、適当な導電補助剤およびバインダと混合して、圧延でシート成形する方法や、集電体に塗布する方法などにより、電極材料として用いられる。これらの粉末は、通常、数μm〜十数μmの大きさで用いられる。その理由は、リチウムイオンの挿入脱離反応が界面反応であり、数十μmのように大きな粒子では表面律速となり、十分な応答速度を得られないことにある。したがって、反応速度すなわち充放電速度の向上を図るために、より微細な粉末を用いることが考えられる。
例えば、特開2002−8647号公報には、100nm以下の微粒子を用いたナノ多孔質体を負極材として用いることが記載されている。また、特開平11−7955号公報には、共沈法により得られ、一次粒子の平均粒径が0.01〜1μmで、均一組成を有する複合酸化物を負極材に用いることが記載されている。
しかし、負極材として酸化物粉末を用いる場合、この粉末が微細であるほど、導電性を確保するために、導電補助剤やバインダもより多く必要となるため、負極材としての体積当りの容量が低下してしまう。また、混合や混練によって得たペースト・スラリーを塗布する場合、負極材の厚さは数十μm以上となる。このような厚さの電極では、電解質の拡散が律速となり、やはり大きな充放電速度の改善は望めない。
一方、酸化物の薄膜を電極として利用することも提案されている。例えば、特開平8−241707号公報には、V、Nb、W、Moなどと、Li(リチウム)との複合酸化物からなる薄膜を電極として用いることが記載されている。具体的には、RFスパッタリングなどの方法により、これらの複合酸化物からなる薄膜電極を形成している。また、特開2004−349237号公報には、スパッタリングやイオンプレーティングによりSiOxの薄膜からなる負極を形成する方法が記載されている。
これらのような酸化物の薄膜は、物質自身のリチウム吸蔵性も高く、金属箔などの集電体に、直接、形成可能であり、反応速度的にも有利であるが、薄膜であるため十分な活物質量を確保するのが難しいという問題がある。このような問題に対して、活物質量を増やすために膜厚を厚くすると、その反応性が低下してしまうという問題がある。
特開2002−8647号公報
特開平11−7955号公報
特開平8−241707号公報
特開2004−349237号公報
本発明は、大きな表面積を得ることができ、かつ、カーボンブラックなどの導電補助剤またはバインダを添加することなく、効率的に高い導電性を得ることのできるリチウム反応電極およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るリチウム反応電極は、金属多孔質体と、該金属多孔質体の表面に形成され、リチウムイオンと電気化学的に反応する酸化膜とからなることを特徴とする。
前記金属多孔質体の比表面積は、見かけ面積に対して10以上であることが好ましい。
前記金属多孔質体が、リチウムと合金化しないバルブ金属からなり、かつ、前記酸化膜が該バルブ金属の酸化膜であることが好ましく、特に、該バルブ金属としてタンタルを用いることが好ましい。
前記金属多孔質体の空隙率が30〜70%であることが好ましい。
また、前記金属多孔質体を構成する金属の平均粒子径が10nm以上、1μm以下であることが好ましい。
さらに、前記酸化膜の膜厚が100nm以下であることが好ましい。
本発明に係るリチウム反応電極を製造する際には、気相法により、前記金属多孔質体を作製し、陽極酸化法により、前記酸化膜を形成することが好ましい。
本発明のリチウム反応電極は、多孔質で、高い比表面積を有する構造であり、きわめて高い導電性を有する。また、大きな容量と優れたサイクル特性を有し、リチウムが関与するエネルギーデバイスの電極として好適である。
本発明のリチウム反応電極は、金属多孔質体と、該金属多孔質体の表面を形成し、リチウムイオンと電気化学的に反応する酸化膜とからなる。
本発明のリチウム反応電極における反応においては、酸化膜MxOとLiが、可逆的に酸化還元反応を起こし、可逆的な電気容量を発現すると考えられる。よって、導電補助剤やバインダを用いずに、リチウム反応電極を形成することができる。
さらに、本発明のリチウム反応電極は、金属コアを通じて導電することにより、カーボンブラックなどの導電補助剤に比べ、材質自身の導電性が高く、また、接触抵抗もないので、高い電導度を得ることができる。
以上のように、多孔質体の表面の酸化膜が、リチウムイオンと電気化学的に反応することで、リチウムイオン電池の電極として作用する。
本発明のリチウム反応電極では、金属多孔質体の比表面積が見かけ面積に対して10以上であることが望ましい。金属多孔質体の表面の酸化膜が活物質となっており、金属多孔質体の比表面積が大きいほど、体積当たりおよび質量当たりで、電極の容量密度を大きくすることができる。また、表面積が大きくなることにより、微粉末を用いた場合と同様の高い反応性を得ることができる。
本発明のリチウム反応電極では、金属多孔質体の空隙率が30〜70%であることが望ましい。空隙率が30%未満では、表面積が小さく、体積当たりおよび質量当たりの容量密度が低下するほか、電解液もうまく浸透しないために、反応性が悪くなる。反応性からは、空隙率は高いほうが好ましいが、空隙率が70%を超えると、表面積が逆に小さくなり、体積当りの容量密度が低下する。また、空隙率が70%を超えると、金属多孔質体を形成する粒子同士の接触面積が小さくなり、金属多孔質体の強度も低下する。
本発明のリチウム反応電極では、金属多孔質体が、Liと合金化しないバルブ金属により形成されていることが望ましい。同じ比表面積の場合、金属多孔質体の酸化膜の膜厚が厚いほど、電極容量密度を大きくすることができる。熱酸化などによっても、酸化膜の膜厚を増加させることができるが、酸化膜の均一性や膜厚のコントロールが難しい。
よって、金属多孔質体を、陽極酸化により、表面にその金属の酸化物の皮膜を一様に形成するバルブ金属で形成することが好ましい。かかるバルブ金属からなる金属多孔質体では、陽極酸化により、陽極酸化電圧に応じた均一な厚みの酸化膜を、再現性よく容易に得ることができる。Liと反応しないバルブ金属としては、Ti、Nb、Ta、Hf、Zrなどが挙げられる。特に、酸化膜の安定性や耐食性などから、Ta(タンタル)であることが好ましい。
この金属多孔質体の表面に形成される酸化膜が、リチウムイオンと電気化学的に反応する活物質として作用する。そして、コアとなるタンタルなどのバルブ金属は、耐食性が高く、リチウムとも反応しないため、良好な集電体として作用する。
また、Fe、Ni、Crなどの遷移金属もLiと反応せず、これらの酸化物はLiと可逆的に反応するため、これらの多孔質体を電極として用いることもできる。
本発明のリチウム反応電極では、酸化膜の厚みが100nm以下であることが望ましい。本発明のリチウム反応電極においては、金属多孔質体の表面の酸化膜が、活物質となる。よって、表面積が大きく、酸化膜が厚いほど、体積当たりおよび質量当たりの容量密度は増加する。ただし、酸化膜の膜厚が100nmを超えると、反応性が低下するとともに、充放電のサイクル寿命が低下する。これは、充放電に伴う体積変化による。
また、本発明のリチウム反応電極では、金属多孔質体を形成する粒子の平均粒子径が10nm以上、1μm以下であることが望ましい。かかる平均粒子径は、走査顕微鏡写真による断面組織において、切断法により求める。平均粒子径が10nm未満では、表面に酸化物膜を形成した場合に、金属多孔質体の連続性が十分でなく、導電性集電体としての機能が低下する。
一方、平均粒子径が1μmを超えると、同量の金属多孔質体に比して表面積が低下し、質量当たりおよび体積当たりの容量密度が低下する。この場合、活物質である酸化膜の量を大きくするためには、膜厚を大きくしなければならなくなり、前述のように、反応性およびサイクル寿命が低下する。
本発明のリチウム反応電極を製造するには、まず、金属多孔質体を気相法で作製することが望ましい。かかる気相法としては、蒸着、CVD、スパッタリングなど、従来より、膜形成に用いられている種々の方法が挙げられる。このような気相法を用いることにより、平均粒子径が1μm以下であり、反応性に優れた金属多孔質体からなるリチウム反応電極を形成することができる。
金属多孔質体を形成するには、気相法を実施するに際して、電極材質と反応しない物質を介在させ、成膜後にこれを除去することにより、大きな表面積を持つ金属多孔質体とすることができる。たとえば、電極材質として、Ta、Nbを用いる場合には、Cu、Ag、Mgなどの金属、Ta、Nbの酸化物よりも熱力学的に安定な酸化物、例えばMgOやCaOなどを用いることができる。また、電極材質として、Ti、Hf、Zrを用いる場合には、MgやTi、Hf、Zrの酸化物よりも熱力学的に安定な酸化物、例えばMgOやCaOなどを用いることができる。
また、上述のように、本発明では、酸化膜を、陽極酸化法により形成することが望ましい。同じ表面積の場合、酸化膜を厚くすることにより、容量密度を増加することができる。酸化膜を厚くする処理は、酸化雰囲気中の加熱処理でもよいが、高温では内部へ酸素の拡散が起きる。陽極酸化法は、適用できる金属に制限があるが、均一な膜厚で高品質の酸化膜を再現性よく形成することができる。陽極酸化電圧と酸化物膜厚には、ほぼ比例関係があり、陽極酸化電圧で酸化膜の膜厚および容量を制御することができる。陽極酸化は、リン酸水溶液などを用いた一般的な条件で行うことができる。
前述のような酸化処理を施さなくても、自然酸化膜のみを酸化膜としてもよい。自然酸化膜は、コアとなる金属の種類にもよるが、通常、数〜数十nm程度の非常に薄い膜である。しかしながら、本発明のリチウム反応電極は、その表面積が非常に大きい構造を有するため、酸化膜が薄くても、体積当たりおよび質量当たりの容量密度が大きいリチウム反応電極を得ることができる。
本発明のリチウム反応電極は、金属多孔質体からなる電極においては、金属多孔質体の膜厚を厚くするほど、表面積が大きくなり、容量密度が大きくなるため、目的とする容量に併せて、金属多孔質体の膜厚を任意に選択することができるが、金属多孔質体の膜厚の目安としては、50μm以下であることが好ましい。これは、薄い電極形状を有することで、電解液の拡散が速くなり、従来のスラリー塗布法よりも高い反応性を得ることができるからである。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
(実施例1〜8)
先ず、厚さ50μmのタンタル箔からなる基板に、スパッタリング法により、タンタルからなる金属多孔質体を、以下のように形成した。
先ず、厚さ50μmのタンタル箔からなる基板に、スパッタリング法により、タンタルからなる金属多孔質体を、以下のように形成した。
直流スパッタリング装置(アルバック株式会社製、SH−450)にタンタル箔からなる基板を取り付け、高純度タンタルおよび高純度銅からなるターゲットを用いて、1.3Paのアルゴン雰囲気中で同時スパッタリングを行い、厚さが0.4μm、1μmおよび10μmのタンタル−銅複合層を形成した。この際、タンタルターゲットと、銅ターゲットへの投入電流比を変えることにより、タンタルと銅の組成が、体積分率にして、35%Ta、50%Taまたは65%Taのように、実施例ごとにそれぞれ制御した。
その後、10-3Paの高真空中、650〜1000℃で2hの熱処理を行うことにより、タンタル相の粒子径を0.1〜0.7μmに変化させた。その後、1Nの硝酸に浸漬することにより、銅を除去して、タンタル箔からなる基板の上に、厚さが0.4μm、1μmおよび10μmで、タンタルからなる金属多孔質体を得た。
本実施例では、金属多孔質体としてタンタルを用い、異相成分として銅を用いたが、異相成分としてタンタル中に介在させた銅は、いずれの実施例でも、硝酸エッチングにより多孔質体中のタンタルに対して、1質量%以下まで除去されていることを化学分析で確認した。従って、成膜時の銅の体積分率が、タンタルからなる金属多孔質体の空隙率に相当する。
次に、得られた金属多孔質体を基板と一体のまま用いて、0.6vol%の燐酸水溶液中でタンタル板を対極とし、35℃において、印加電圧を5Vおよび10Vのそれぞれで、陽極酸化処理を行うことにより、タンタルからなる金属多孔質体の表面に酸化膜を形成した。
なお、自然酸化膜のみで、陽極酸化処理を行わない状態と、印加電圧が5Vで陽極酸化処理を行った状態とにおいて、断面のTEM観察から求めた酸化膜の膜厚は、それぞれ、約3nmおよび約9nmであった。従って、前述の陽極酸化条件でのタンタルの化成定数は、1.8nm/Vであり、印可電圧が5V以外では、陽極酸化処理で得られる酸化膜は、膜厚が1.8×(陽極酸化電圧)となることが分かり、実施例ごとに酸化膜の膜厚を算出した。
さらに、真空中で、200℃×6hの乾燥を行って、リチウム反応電極を得た。
得られたリチウム反応電極を、10cm2の大きさに切断し、Cuリードをスポット溶接で取り付け、対極を厚さ0.3mmのリチウム箔(本城金属株式会社製)とし、セパレータ(日本高度紙株式会社製、TF4050)を用いて、アルミラミネートセルを作製した。電解液は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の体積比が1:2である溶媒中に、1mol/Lの濃度でLiPF6が含まれる電解液(キシダ化学株式会社製、LBG−00018)を用いて、ドライボックス中でセルを組み立てて封止した。
作製したアルミラミネートセルの評価は、充放電評価装置(株式会社計測器センター製)により、充電電流を0.3mA/cm2とし、カットオフ電圧を対Li/Li+電位0.01〜3Vの電圧範囲で、充放電測定を行なった。得られた放電容量と、電極面積および金属多孔質体の膜厚とから、面積当たりの初回充電容量および初回放電容量、初期クーロン効率、および、金属多孔質体の体積当たりの初回放電容量を算出した。
さらに、サイクル安定性の評価として、充放電50サイクル後の放電容量を測定し、(面積当たりの充放電50サイクル後の放電容量)/(面積当たりの初回放電容量)×100で表される容量保持率を算出した。結果を表1に示す。
本発明の実施例1〜8は、いずれも、酸化膜によるリチウムイオンの吸放出に伴う充放電挙動を示し、良好な電極特性を示している。体積当たりの容量は、いずれも数百mAh/ccと大きい。特に、実施例2では、910mAh/ccと、電極化した状態で黒鉛の理論容量(837mAh/cc)をしのぐ容量となっている。また、初期クーロン効率は、約70〜85%であり、一部、不可逆容量が認められるが、2サイクル目以降のクーロン効率は98%以上で、良好である。
また、初回放電容量に対して、充放電50サイクル後の放電容量の割合である容量保持率を見ると、すべて90%以上を保持しており、サイクル特性も良好である。
実施例1では、活物質は自然酸化膜のみであるが、表面積が大きい構造のため、金属多孔質体の体積あたりで見ると、510mAh/ccもの可逆的な充放電特性を示している。
実施例2および3では、多孔質体の膜厚、陽極酸化電圧は同じで、粒子径を変化させる熱処理温度のみが異なっているが、表面積が大きい実施例2の方が、容量が大きくなっていることが分かる。
実施例3、7、および8では、粒子径を変化させる熱処理温度は同じで、金属多孔質体の膜厚のみが異なっているが、金属多孔質体の膜厚が厚くなるにつれて、表面積が大きくなり、面積当たりの容量が大きくなっていることが分かる。
実施例3および6では、金属多孔質体の膜厚および粒子径は同じで、酸化膜の膜厚を変化させる陽極酸化電圧だけが異なっているが、陽極酸化電圧を2倍にした実施例6では、実施例3に比べて、面積当たりおよび体積当たりの容量が、約2倍になっており、酸化膜の膜厚に対応して、容量が得られていることが分かる。
このように、表面積が大きく、粒子径が細かく、金属多孔質体の膜厚が厚いほど、また、酸化膜が厚く、陽極酸化電圧が高いほど、面積当たりおよび体積当たりの容量が大きい電極を得られることが分かる。
(比較例1)
タンタルターゲットのみを使用して、10μmスパッタリングして、タンタル平滑膜を作製した以外は、表1に示した条件で、実施例と同様にリチウム反応電極を作製し、評価を行った。
タンタルターゲットのみを使用して、10μmスパッタリングして、タンタル平滑膜を作製した以外は、表1に示した条件で、実施例と同様にリチウム反応電極を作製し、評価を行った。
(比較例2〜5)
表1に示した条件で、実施例と同様にリチウム反応電極を作製し、評価を行った。
表1に示した条件で、実施例と同様にリチウム反応電極を作製し、評価を行った。
比較例1は、異相を含まないタンタル100%であり、多孔質化していないので、比表面積が小さい。そのため、容量が著しく小さくなっている。また、比較例2は、成膜Ta密度が80%と高いために、容量が比較例1とほとんど変わらない。これらは、容量が小さいため、サイクル特性の測定は行なわなかった。また、比較例2は異相を含むが、量が少ないため、酸洗でも多孔質化せず、比較例1と同程度の比表面積しかないと考えられる。
成膜Ta密度の低い比較例3は、実施例2との対比で、成膜Ta密度のみを変えたが、実施例2に比べて初期の容量が小さく、また、サイクル劣化が著しい。これは、成膜Ta密度が低いために、タンタル相の接続点が少なく、安定したコア構造を保持できないためと考えられる。
熱処理温度の低い比較例4は、粒子径が小さく、高比表面積が期待されるにもかかわらず、実際の容量は小さい。これは、粒子が微細すぎて、安定したコア構造を保持できないこと、また、化成処理による酸化膜の形成で、体積が大きくなり、小さな空隙がつぶれてしまったり、金属コアが全部酸化して不連続となることによるものと考えられる。また、サイクル劣化が著しく、50サイクル後にはほとんど放電容量を示さなくなった。
酸化膜を厚くした比較例5は、大きな初期充電容量を示しているが、初回の放電でも放電量は充電量の50%しかない。さらに、サイクルと共に充放電容量は低下し、50サイクル後の容量保持率は25%に過ぎない。これは、酸化膜の膜厚が大きいため、リチウムの吸蔵放出に伴う体積変化も大きくなり、酸化膜の剥離などが生じたのではないかと考えられる。
Claims (9)
- 金属多孔質体と、該金属多孔質体の表面に形成され、リチウムイオンと電気化学的に反応する酸化膜とからなるリチウム反応電極。
- 前記金属多孔質体の比表面積が見かけ面積に対して10以上である請求項1に記載のリチウム反応電極。
- 前記金属多孔質体が、リチウムと合金化しないバルブ金属からなり、かつ、前記酸化膜が該バルブ金属の酸化膜である請求項1または2に記載のリチウム反応電極。
- 前記バルブ金属がタンタルである請求項3に記載のリチウム反応電極。
- 前記金属多孔質体の空隙率が30〜70%である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウム反応電極。
- 前記金属多孔質体を構成する金属の平均粒子径が10nm以上、1μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のリチウム反応電極。
- 前記酸化膜の膜厚が100nm以下である請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム反応電極。
- 前記金属多孔質体を、気相法で作製する請求項1〜7のいずれかに記載のリチウム反応電極を製造する方法。
- 前記酸化膜を、陽極酸化法により形成する請求項1〜8のいずれかに記載のリチウム反応電極を製造する方法。
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2007
- 2007-07-25 JP JP2007192826A patent/JP2009032429A/ja active Pending
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