JP2008247807A - ゲルパック材およびゲルパック材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚に対する適度な密着性と、良好な取り扱い性を有するとともに、長時間使用した場合であっても、皮膚への良好な保湿効果を持続できるゲルパック材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材およびその製造方法であって、含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物から構成してあり、かつ、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値とする。
【選択図】なし
【解決手段】支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材およびその製造方法であって、含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物から構成してあり、かつ、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ゲルパック材およびゲルパック材の製造方法に関し、特に、化粧品や衛生材料等の美容やスキンケア分野で用いられるゲルパック材や、その製造方法に関する。
従来、美容等の目的に用いられるゲルパック材として、不織布や織布に液体の化粧水や薬品を含有した水溶液、乳液等を含浸させたものが広く使用されている。
しかしながら、これらは皮膚に与える保湿性の点では優れているものの、本来、粘着性に乏しく、含浸された液体を通じて不織布や織布が皮膚に貼り付いているのみである。したがって、皮膚への密着性、液ダレ等による取扱性の低下、さらに、使用後長時間経過した場合における皮膚の保湿効果の持続性(使用感)等の問題が見られた。
そこで、主成分を寒天としたゲル状組成物を成形して、シート状にしたゲルパック材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリアクリル酸あるいはポリアクリル酸塩と、水と、美肌成分と、アルミニウム塩と、多価アルコールと、からなるゲル状組成物を成形して、シート状にしたゲルパック材が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、本発明の出願人は、水溶性高分子と、水溶性高分子を架橋させるための架橋剤と、水と、からなる水性ゲル組成物を、基材に積層してなる水性ゲル積層体ロールの製造方法を提案している。より具体的には、水性ゲル組成物の水の含有量が、全体量に対して、45〜90質量%になるように、80〜200℃で加熱乾燥するとともに、架橋反応を生じさせる工程を含む水性ゲル積層体ロールの製造方法である(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−8613号(特許請求の範囲)
特開2000−143484号(特許請求の範囲)
特開2000−318096号(特許請求の範囲)
しかしながら、これらは皮膚に与える保湿性の点では優れているものの、本来、粘着性に乏しく、含浸された液体を通じて不織布や織布が皮膚に貼り付いているのみである。したがって、皮膚への密着性、液ダレ等による取扱性の低下、さらに、使用後長時間経過した場合における皮膚の保湿効果の持続性(使用感)等の問題が見られた。
そこで、主成分を寒天としたゲル状組成物を成形して、シート状にしたゲルパック材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリアクリル酸あるいはポリアクリル酸塩と、水と、美肌成分と、アルミニウム塩と、多価アルコールと、からなるゲル状組成物を成形して、シート状にしたゲルパック材が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、本発明の出願人は、水溶性高分子と、水溶性高分子を架橋させるための架橋剤と、水と、からなる水性ゲル組成物を、基材に積層してなる水性ゲル積層体ロールの製造方法を提案している。より具体的には、水性ゲル組成物の水の含有量が、全体量に対して、45〜90質量%になるように、80〜200℃で加熱乾燥するとともに、架橋反応を生じさせる工程を含む水性ゲル積層体ロールの製造方法である(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されたゲルパック材は、皮膚への密着性としては十分であるものの、不織布等の基材を用いず、寒天によって保形性を持たせているために、取扱性に乏しいばかりか、腐りやすいという問題が見られた。
また、特許文献2に開示されたゲルパック材は、多価アルコール及び水により皮膚を湿潤させて、水和させているため、貼付している間の保湿性や皮膚への密着性については優れているものの、適量の油状成分や分散補助剤を用いていないことから、使用後長時間経過した場合における皮膚の保湿効果の持続性(使用感)については乏しいという問題が見られた。
さらに、特許文献3に開示された水性ゲル積層体ロールの製造方法では、所定のロール状水性ゲル積層体が得られるものの、適量の油状成分や分散補助剤を用いていないことから、水性ゲル積層体を長時間使用した場合における皮膚の保湿効果の持続性(使用感)については、未だ乏しいという問題が見られた。また、架橋剤として、高温反応型の架橋剤のみを用いているため、ゲル状組成物を積層する際の粘度調整や水分調整が困難であって、安定的に塗布することが困難であるという問題も見られた。
また、特許文献2に開示されたゲルパック材は、多価アルコール及び水により皮膚を湿潤させて、水和させているため、貼付している間の保湿性や皮膚への密着性については優れているものの、適量の油状成分や分散補助剤を用いていないことから、使用後長時間経過した場合における皮膚の保湿効果の持続性(使用感)については乏しいという問題が見られた。
さらに、特許文献3に開示された水性ゲル積層体ロールの製造方法では、所定のロール状水性ゲル積層体が得られるものの、適量の油状成分や分散補助剤を用いていないことから、水性ゲル積層体を長時間使用した場合における皮膚の保湿効果の持続性(使用感)については、未だ乏しいという問題が見られた。また、架橋剤として、高温反応型の架橋剤のみを用いているため、ゲル状組成物を積層する際の粘度調整や水分調整が困難であって、安定的に塗布することが困難であるという問題も見られた。
そこで、本発明者等は、鋭意検討した結果、ゲルパック材における含水ゲル層の構成成分として、油状成分等を含むとともに、当該油状成分の含有量を所定範囲に制限することにより、適度な密着性を発揮して、脱落することなく皮膚にとどまり、また、皮膚への油状成分の適度な供給により、使用感に優れ、ゲルパック材の使用後においても、保湿性を長時間保つことができることを見出した。
すなわち、本発明の目的は、皮膚に対して適度な密着性を有し、取り扱い性に優れるとともに、使用後においても、ゲルパック材から供給された油状成分が皮膚表面にバリアを形成することで、皮膚に対する良好な保湿効果(使用感)を維持できるゲルパック材を提供することである。
また、本発明の別の目的は、そのようなゲルパック材を効率的かつ安定的に供給することができる製造方法を提供することである。
すなわち、本発明の目的は、皮膚に対して適度な密着性を有し、取り扱い性に優れるとともに、使用後においても、ゲルパック材から供給された油状成分が皮膚表面にバリアを形成することで、皮膚に対する良好な保湿効果(使用感)を維持できるゲルパック材を提供することである。
また、本発明の別の目的は、そのようなゲルパック材を効率的かつ安定的に供給することができる製造方法を提供することである。
本発明によれば、支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材であって、含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物から構成してあり、かつ、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値としたゲルパック材が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、本発明のゲルパック材によれば、油状成分等の疎水性成分と、水や多価アルコール等の親水性成分と、が適度に混合分散し、皮膚に対する適度な密着性を発揮して、取り扱い性に優れるとともに、長時間使用した場合であっても、皮膚に対する良好な保湿効果(使用感)を発揮することができる。なお、単位「質量%」は「重量%」と同様の意味で用いている。
すなわち、本発明のゲルパック材によれば、油状成分等の疎水性成分と、水や多価アルコール等の親水性成分と、が適度に混合分散し、皮膚に対する適度な密着性を発揮して、取り扱い性に優れるとともに、長時間使用した場合であっても、皮膚に対する良好な保湿効果(使用感)を発揮することができる。なお、単位「質量%」は「重量%」と同様の意味で用いている。
また、本発明のゲルパック材を構成するにあたり、油状成分が、炭化水素油および脂肪油、あるいはいずれか一方を含むことが好ましい。
このように構成することにより、初期的には、密着性を調節することが容易になるばかりか、使用時においては、これらの油状成分が一定量安定的に放出され、皮膚とゲルパック材の間に薄膜層を形成して、皮膚に対する良好な保湿効果をさらに長時間にわたって発揮することができる。
なお、油状成分の種類をさらに選択することによって、美肌効果や美白効果等のスキンケア効果を有効に発揮することもできる。
このように構成することにより、初期的には、密着性を調節することが容易になるばかりか、使用時においては、これらの油状成分が一定量安定的に放出され、皮膚とゲルパック材の間に薄膜層を形成して、皮膚に対する良好な保湿効果をさらに長時間にわたって発揮することができる。
なお、油状成分の種類をさらに選択することによって、美肌効果や美白効果等のスキンケア効果を有効に発揮することもできる。
また、本発明のゲルパック材を構成するにあたり、多価アルコールが、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびグリセリンからなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
このように構成することにより、これらの多価アルコールが、アクリル酸化合物の可塑剤として作用するため、ゲルパック材の密着性の調節がさらに容易になる。
また、これらの多価アルコールであれば、保水剤としても機能するため、皮膚に対する良好な保湿効果をさらに有効に発揮することができる。
このように構成することにより、これらの多価アルコールが、アクリル酸化合物の可塑剤として作用するため、ゲルパック材の密着性の調節がさらに容易になる。
また、これらの多価アルコールであれば、保水剤としても機能するため、皮膚に対する良好な保湿効果をさらに有効に発揮することができる。
また、本発明のゲルパック材を構成するにあたり、分散補助剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エスルテル、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
このように構成することにより、油状成分等の疎水性成分と、水、多価アルコール等の親水性成分との混合分散性(相溶性)を向上させることができる。したがって、親水性成分を多く含む含水ゲル層の形成が容易になるばかりか、長時間にわたって、一定量の油状成分を安定的に放出することができる。
このように構成することにより、油状成分等の疎水性成分と、水、多価アルコール等の親水性成分との混合分散性(相溶性)を向上させることができる。したがって、親水性成分を多く含む含水ゲル層の形成が容易になるばかりか、長時間にわたって、一定量の油状成分を安定的に放出することができる。
また、本発明のゲルパック材を構成するにあたり、ゲル状組成物が、当該ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、40〜70質量%の水と、2〜15質量%のポリアクリル酸化合物と、5〜40質量%の多価アルコールと、0.1〜5質量%の分散補助剤と、を含有することが好ましい。
このように構成することにより、疎水性成分と、親水性成分との混合分散性(相溶性)がさらに良好になって、親水性成分を多く含む含水ゲル層の形成が容易になるばかりか、さらに長時間にわたって、一定量の油状成分を安定的に放出することができる。
このように構成することにより、疎水性成分と、親水性成分との混合分散性(相溶性)がさらに良好になって、親水性成分を多く含む含水ゲル層の形成が容易になるばかりか、さらに長時間にわたって、一定量の油状成分を安定的に放出することができる。
また、本発明のゲルパック材を構成するにあたり、ゲル状組成物が、一種または二種以上の架橋剤を含むとともに、当該一種または二種以上の架橋剤の合計添加量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、0.1〜5質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、ゲル状組成物中への疎水性成分の閉じ込め効果や放出効果がバランス良く発揮されやすくなるばかりか、ゲル状組成物の機械的強度や耐熱性についても向上させることができる。
このように構成することにより、ゲル状組成物中への疎水性成分の閉じ込め効果や放出効果がバランス良く発揮されやすくなるばかりか、ゲル状組成物の機械的強度や耐熱性についても向上させることができる。
また、本発明のゲルパック材を構成するにあたり、支持基材が、不織布、織布および紙からなる群から選択される少なくとも一つ、あるいは、かかる群から選択される少なくとも一つと樹脂フィルムとの積層品であることが好ましい。
このように構成することにより、支持基材に対するゲル状組成物の保持性が向上し、親水性成分を多く含む含水ゲル層の形成が容易になるばかりか、使用時には、長時間に亘って、適度な保形性を維持することができる。
このように構成することにより、支持基材に対するゲル状組成物の保持性が向上し、親水性成分を多く含む含水ゲル層の形成が容易になるばかりか、使用時には、長時間に亘って、適度な保形性を維持することができる。
また、本発明の別の態様は、支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材の製造方法であって、含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物から構成してあり、かつ、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値としたゲルパック材の製造方法であって、下記工程(1)〜(4)を含むことを特徴とするゲルパック材の製造方法である。
(1)ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、を含む溶液Aを調製する工程
(2)水と、油状成分と、分散補助剤と、を含む溶液Bを調整する工程
(3)溶液Aおよび溶液Bを混合することにより、ゲル状組成物を調製する工程
(4)ゲル状組成物を支持基材に積層して、含水ゲル層を形成する工程
このように実施することにより、油状成分等の疎水性成分と、水、多価アルコール等の親水性成分と、の混合分散性を向上させ、含水ゲル層の形成が容易になるばかりか、皮膚への適度な密着性と良好な取り扱い性を有するとともに、皮膚への保湿性を長時間持続することができるゲルパック材を効率的に提供することができる。
(1)ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、を含む溶液Aを調製する工程
(2)水と、油状成分と、分散補助剤と、を含む溶液Bを調整する工程
(3)溶液Aおよび溶液Bを混合することにより、ゲル状組成物を調製する工程
(4)ゲル状組成物を支持基材に積層して、含水ゲル層を形成する工程
このように実施することにより、油状成分等の疎水性成分と、水、多価アルコール等の親水性成分と、の混合分散性を向上させ、含水ゲル層の形成が容易になるばかりか、皮膚への適度な密着性と良好な取り扱い性を有するとともに、皮膚への保湿性を長時間持続することができるゲルパック材を効率的に提供することができる。
また、本発明のゲルパック材の製造方法を実施するに際して、工程(1)〜(3)のいずれかの工程において、一種または二種以上の架橋剤を添加することが好ましい。
このように実施することにより、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性、粘着性および機械的強度の調整をすることができる。
このように実施することにより、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性、粘着性および機械的強度の調整をすることができる。
また、本発明のゲルパック材の製造方法を実施するに際して、工程(4)において、ゲル状組成物を支持基材に積層した後に、80〜180℃の温度で加熱処理をすることが好ましい。
このように実施することにより、架橋剤を効果的に反応させることができ、ゲル状組成物を短時間かつ確実に架橋させることができる。
このように実施することにより、架橋剤を効果的に反応させることができ、ゲル状組成物を短時間かつ確実に架橋させることができる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材であって、含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物で構成してあり、かつ、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値とすることを特徴とするゲルパック材である。
以下、構成要件ごとに、具体的に説明する。
第1の実施形態は、支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材であって、含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物で構成してあり、かつ、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値とすることを特徴とするゲルパック材である。
以下、構成要件ごとに、具体的に説明する。
1.支持基材
(1)種類
支持基材としては、不織布、織布、および紙からなる群から選択される少なくとも一つ、あるいは、かかる群から選択される少なくとも一つと樹脂フィルムとの積層品を用いることが好ましい。
この理由は、これらの支持基材であれば、機械的強度が高く、含水ゲル層の一部が支持基材に含浸するので、含水ゲル層との密着性が良好になるためである。さらに、ゲルパック材における含水ゲル層の保形性が向上するとともに、使用後にゲル状組成物が皮膚上に残るのを防ぐことができるためである。
(1)種類
支持基材としては、不織布、織布、および紙からなる群から選択される少なくとも一つ、あるいは、かかる群から選択される少なくとも一つと樹脂フィルムとの積層品を用いることが好ましい。
この理由は、これらの支持基材であれば、機械的強度が高く、含水ゲル層の一部が支持基材に含浸するので、含水ゲル層との密着性が良好になるためである。さらに、ゲルパック材における含水ゲル層の保形性が向上するとともに、使用後にゲル状組成物が皮膚上に残るのを防ぐことができるためである。
より具体的には、紙としては、洋紙や和紙等を好適に用いることができる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等を好適に用いることができる。
また、布としては、木綿、絹、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、銅アンモニアレーヨン繊維、アセテート繊維等の単紡またはこれらの混紡糸からなる不織布あるいは織布を好適に用いることができる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等を好適に用いることができる。
また、布としては、木綿、絹、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、銅アンモニアレーヨン繊維、アセテート繊維等の単紡またはこれらの混紡糸からなる不織布あるいは織布を好適に用いることができる。
(2)厚さ
また、支持基材の厚さとしては、ゲルパック材の使用目的に応じて、10〜3000μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる支持基材の厚さが10μm未満になると、十分な機械的強度が得られず、ゲルパック材の使用の際に、破断したり、取り扱い性が低下したりする場合があるためである。
一方、支持基材の厚さが3000μmを超えると、ゲルパック材の使用時において、形状対応性が劣り、皮膚への密着性が低下する場合があるためである。
したがって、支持基材の厚さを20〜1000μmの範囲内の値とすることがより好ましく、50〜500μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、支持基材の厚さとしては、ゲルパック材の使用目的に応じて、10〜3000μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる支持基材の厚さが10μm未満になると、十分な機械的強度が得られず、ゲルパック材の使用の際に、破断したり、取り扱い性が低下したりする場合があるためである。
一方、支持基材の厚さが3000μmを超えると、ゲルパック材の使用時において、形状対応性が劣り、皮膚への密着性が低下する場合があるためである。
したがって、支持基材の厚さを20〜1000μmの範囲内の値とすることがより好ましく、50〜500μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)形態
また、支持基材の形態としては、ゲルパック材の使用目的に応じて、ロール状、パッチ状、シート状等とすることができる。
また、顔面、眼窩、肘、膝といったゲルパック材の使用箇所に応じて、適宜、平面形状やカット状態を調節することも好ましい。
さらに、ゲルパック材の貼り合わせ性や強度を考慮し、支持基材に対して、エンボス処理や撥水処理等の表面処理を施したりすることも好ましい。
また、支持基材の形態としては、ゲルパック材の使用目的に応じて、ロール状、パッチ状、シート状等とすることができる。
また、顔面、眼窩、肘、膝といったゲルパック材の使用箇所に応じて、適宜、平面形状やカット状態を調節することも好ましい。
さらに、ゲルパック材の貼り合わせ性や強度を考慮し、支持基材に対して、エンボス処理や撥水処理等の表面処理を施したりすることも好ましい。
2.含水ゲル層
(1)ポリアクリル酸化合物
本発明のゲルパック材の含水ゲル層は、ポリアクリル酸化合物が含まれることを特徴とする。
この理由は、含水ゲル層を構成するゲル状組成物の主成分となり、水とともに水に溶解または分散した各種成分を保持するためである。
また、ポリアクリル酸化合物としては、具体的に、アクリル酸の重合体およびアクリル酸塩の重合体、あるいはいずれか一方を含むことが好ましい。
この理由は、これらのポリアクリル酸化合物であれば、ゲルパック材における含水ゲル層の粘着性を調節しやすく、適度な皮膚への密着力を付与することができるとともに、高い吸水特性を有する含水ゲル層とすることができるためである。
(1)ポリアクリル酸化合物
本発明のゲルパック材の含水ゲル層は、ポリアクリル酸化合物が含まれることを特徴とする。
この理由は、含水ゲル層を構成するゲル状組成物の主成分となり、水とともに水に溶解または分散した各種成分を保持するためである。
また、ポリアクリル酸化合物としては、具体的に、アクリル酸の重合体およびアクリル酸塩の重合体、あるいはいずれか一方を含むことが好ましい。
この理由は、これらのポリアクリル酸化合物であれば、ゲルパック材における含水ゲル層の粘着性を調節しやすく、適度な皮膚への密着力を付与することができるとともに、高い吸水特性を有する含水ゲル層とすることができるためである。
また、ポリアクリル酸化合物の含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、2〜15質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるポリアクリル酸化合物の含有量が2質量%未満になると、含水ゲル層の機械的強度が不足し、取扱性が低下するとともに、使用後に、含水ゲル層の一部が、皮膚の表面に残存するおそれがあるためである。
一方、ポリアクリル酸化合物の含有量が15質量%を超えると、含水ゲル層の柔軟性が不足したり、保湿性が低下したりするために、ゲルパック材としての使用感および密着性が低下する場合があるためである。
したがって、ポリアクリル酸化合物の含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、4〜10質量%の範囲内の値とすることがより好ましく、4.5〜9質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかるポリアクリル酸化合物の含有量が2質量%未満になると、含水ゲル層の機械的強度が不足し、取扱性が低下するとともに、使用後に、含水ゲル層の一部が、皮膚の表面に残存するおそれがあるためである。
一方、ポリアクリル酸化合物の含有量が15質量%を超えると、含水ゲル層の柔軟性が不足したり、保湿性が低下したりするために、ゲルパック材としての使用感および密着性が低下する場合があるためである。
したがって、ポリアクリル酸化合物の含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、4〜10質量%の範囲内の値とすることがより好ましく、4.5〜9質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)多価アルコール
本発明のゲルパック材の含水ゲル層は、多価アルコールが含まれることを特徴とする。
この理由は、上述したポリアクリル酸化合物の可塑剤として作用するとともに、ゲル状組成物からなる含水ゲル層における保水剤としても作用するためである。
また、多価アルコールとしては、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
この理由は、製造工程において、ポリアクリル酸化合物に対する分散性や溶解性が優れており、かつ、ゲルパック材の保湿性を向上させるためである。
この中でも、ポリアクリル酸化合物に対する分散性や溶解性が最も優れており、かつ、皮膚への刺激性が少ないことから、多価アルコールとして、グリセリンを用いることがより好ましい。
本発明のゲルパック材の含水ゲル層は、多価アルコールが含まれることを特徴とする。
この理由は、上述したポリアクリル酸化合物の可塑剤として作用するとともに、ゲル状組成物からなる含水ゲル層における保水剤としても作用するためである。
また、多価アルコールとしては、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
この理由は、製造工程において、ポリアクリル酸化合物に対する分散性や溶解性が優れており、かつ、ゲルパック材の保湿性を向上させるためである。
この中でも、ポリアクリル酸化合物に対する分散性や溶解性が最も優れており、かつ、皮膚への刺激性が少ないことから、多価アルコールとして、グリセリンを用いることがより好ましい。
また、多価アルコールの含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、5〜40質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる多価アルコールの含有量が5質量%未満になると、含水ゲル層の保水性や粘着性が著しく低下し、ゲルパック材としての保湿性や密着性が低下する場合があるためである。
一方、多価アルコールの含有量が40質量%を超えると、含水ゲル層の保形性が悪化するとともに、密着性が過度に高くなり、使用後に、含水ゲル層の一部が皮膚上に残留する場合があるためである。
したがって、多価アルコールの含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、7〜38質量%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜35質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる多価アルコールの含有量が5質量%未満になると、含水ゲル層の保水性や粘着性が著しく低下し、ゲルパック材としての保湿性や密着性が低下する場合があるためである。
一方、多価アルコールの含有量が40質量%を超えると、含水ゲル層の保形性が悪化するとともに、密着性が過度に高くなり、使用後に、含水ゲル層の一部が皮膚上に残留する場合があるためである。
したがって、多価アルコールの含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、7〜38質量%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜35質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)油状成分
本発明のゲルパック材の含水ゲル層は、油状成分が含まれることを特徴とする。
この理由は、ゲル状組成物の可塑剤として作用して、ゲル状組成物からなる含水ゲル層と皮膚との密着性を調節するとともに、適度な保湿効果を長時間にわたって維持する効果を発揮できるためである。
また、本発明のゲルパック材の含水ゲル層には、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、油状成分の含有量を5〜20質量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、ゲル状組成物から構成された含水ゲル層による適度な皮膚への密着性、優れた取り扱い性、および長時間使用した場合であっても、皮膚に対する良好な保湿効果(使用感)を発揮することができるためである。
すなわち、かかる油状成分の含有量が5質量%未満になると、皮膚への十分な供給が困難となるため、使用感の低下や、皮膚への密着性が過度に高くなるとともに、取り扱い性が悪化する。一方、かかる油状成分の含有量が20質量%を超えると、油状成分の供給が過剰になって、ベタツキによる使用感の低下や、皮膚への密着性の低下が発生する。
したがって、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、6〜18質量%の範囲内の値とすることが好ましく、7〜16質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
本発明のゲルパック材の含水ゲル層は、油状成分が含まれることを特徴とする。
この理由は、ゲル状組成物の可塑剤として作用して、ゲル状組成物からなる含水ゲル層と皮膚との密着性を調節するとともに、適度な保湿効果を長時間にわたって維持する効果を発揮できるためである。
また、本発明のゲルパック材の含水ゲル層には、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、油状成分の含有量を5〜20質量%の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、ゲル状組成物から構成された含水ゲル層による適度な皮膚への密着性、優れた取り扱い性、および長時間使用した場合であっても、皮膚に対する良好な保湿効果(使用感)を発揮することができるためである。
すなわち、かかる油状成分の含有量が5質量%未満になると、皮膚への十分な供給が困難となるため、使用感の低下や、皮膚への密着性が過度に高くなるとともに、取り扱い性が悪化する。一方、かかる油状成分の含有量が20質量%を超えると、油状成分の供給が過剰になって、ベタツキによる使用感の低下や、皮膚への密着性の低下が発生する。
したがって、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、6〜18質量%の範囲内の値とすることが好ましく、7〜16質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、油状成分は、炭化水素油および脂肪油、あるいはいずれか一方を含むものであることが好ましい。
この理由は、ゲルパック材の製造時において、油状成分は、含水ゲル層の軟化剤として作用し、粘着性を調節することが容易になるためである。また、使用時においては、ゲルパック材の含水ゲル層から放出され、皮膚とゲルパック材の間に供されることによって、皮膚に対して適度な密着性を付与することができるためである。さらに、油状成分の種類によっては、美肌効果、美白効果、保湿効果等の種々のスキンケア効果を有効に発揮することができるためである。
この理由は、ゲルパック材の製造時において、油状成分は、含水ゲル層の軟化剤として作用し、粘着性を調節することが容易になるためである。また、使用時においては、ゲルパック材の含水ゲル層から放出され、皮膚とゲルパック材の間に供されることによって、皮膚に対して適度な密着性を付与することができるためである。さらに、油状成分の種類によっては、美肌効果、美白効果、保湿効果等の種々のスキンケア効果を有効に発揮することができるためである。
具体的な油状成分の種類としては、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン等の炭化水素油;ホホバ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ツバキ油、ひまし油、ベニバナ油、コーン油等の脂肪油(特に植物油);カプリン酸メチル、カプロン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、ステアリン酸メチル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、ステアリン酸イソオクチル、セバシン酸ジエチル等の脂肪酸エステル;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、これらの油状成分の中でも、炭化水素油としてのスクワランと、脂肪油としてのホホバ油と、を併用することが好ましい。
この理由は、スクワランであれば、上皮透過性(経皮透過性)と、真皮中の繊維芽細胞等に対する代謝促進作用を特に促進することができるためである。また、ホホバ油であれば、皮膚に保水性の被膜を形成することにより、水分や油状成分等の蒸散を防ぐ効果を顕著に有するためである。さらに、これらの併用によって、保湿性と美肌効果等のスキンケア特性を、相乗的かつ持続的に発揮でき、高い使用感が得られるためである。
なお、スクワランと、ホホバ油とを併用する場合、通常、スクワラン100質量部に対して、ホホバ油の配合量を10〜200質量部の範囲内の値とすることが好ましく、50〜150質量部の範囲内の値とすることがより好ましく、80〜120質量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、これらの油状成分の中でも、炭化水素油としてのスクワランと、脂肪油としてのホホバ油と、を併用することが好ましい。
この理由は、スクワランであれば、上皮透過性(経皮透過性)と、真皮中の繊維芽細胞等に対する代謝促進作用を特に促進することができるためである。また、ホホバ油であれば、皮膚に保水性の被膜を形成することにより、水分や油状成分等の蒸散を防ぐ効果を顕著に有するためである。さらに、これらの併用によって、保湿性と美肌効果等のスキンケア特性を、相乗的かつ持続的に発揮でき、高い使用感が得られるためである。
なお、スクワランと、ホホバ油とを併用する場合、通常、スクワラン100質量部に対して、ホホバ油の配合量を10〜200質量部の範囲内の値とすることが好ましく、50〜150質量部の範囲内の値とすることがより好ましく、80〜120質量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)分散補助剤
本発明のゲルパック材の含水ゲル層は、分散補助剤(溶解補助剤と称する場合もある。)が含まれることを特徴とする。
この理由は、ゲル状組成物からなる含水ゲル層における水や多価アルコール等の親水性成分と、油状成分等の疎水性成分との混合分散性(相溶性)を向上させるためである。
すなわち、分散補助剤により、油状成分等の疎水性成分と、水、多価アルコール等の親水性成分との混合分散性を向上させることにより、親水性成分を多く含む含水ゲル層の形成が容易になるためである。そればかりか、分散補助剤の働きにより、長時間にわたって、一定量の油状成分を安定的に放出することができるためである。よって、ゲルパック材における含水ゲル層中に油状成分を効率的に保持することができるとともに、ゲルパック材の使用時においては、一定量の油状成分を放出し、皮膚に対する適度な密着性を付与することができる。
また、分散補助剤の種類としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エスルテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
なお、上述した分散補助剤の中でも、皮膚に対して低刺激性であることから、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いることがより好ましい。
本発明のゲルパック材の含水ゲル層は、分散補助剤(溶解補助剤と称する場合もある。)が含まれることを特徴とする。
この理由は、ゲル状組成物からなる含水ゲル層における水や多価アルコール等の親水性成分と、油状成分等の疎水性成分との混合分散性(相溶性)を向上させるためである。
すなわち、分散補助剤により、油状成分等の疎水性成分と、水、多価アルコール等の親水性成分との混合分散性を向上させることにより、親水性成分を多く含む含水ゲル層の形成が容易になるためである。そればかりか、分散補助剤の働きにより、長時間にわたって、一定量の油状成分を安定的に放出することができるためである。よって、ゲルパック材における含水ゲル層中に油状成分を効率的に保持することができるとともに、ゲルパック材の使用時においては、一定量の油状成分を放出し、皮膚に対する適度な密着性を付与することができる。
また、分散補助剤の種類としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エスルテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
なお、上述した分散補助剤の中でも、皮膚に対して低刺激性であることから、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いることがより好ましい。
また、皮膚に対する密着性とともに、含水ゲル層中における水と、油状成分との保持性を向上させるために、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、分散補助剤の含有量を0.1〜5質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる分散補助剤の含有量が、0.1質量%未満になると、製造過程において、水等の親水性成分と、油状成分との間の分散混合性が低下し、含水ゲル層中の保水性の低下とともに、油状成分の保持能力が低下する場合があるためである。
一方、かかる分散補助剤の含有量が5質量%を超えると、含水ゲル層中の油状成分の保持する割合が過剰になり、著しく保形性が低下したり、保湿性や密着性が低下したりする場合があるためである。
したがって、分散補助剤の含有量を、含水ゲル層を構成するゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、0.5〜2.5質量%の範囲内の値とすることが好ましく、1.5〜2質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる分散補助剤の含有量が、0.1質量%未満になると、製造過程において、水等の親水性成分と、油状成分との間の分散混合性が低下し、含水ゲル層中の保水性の低下とともに、油状成分の保持能力が低下する場合があるためである。
一方、かかる分散補助剤の含有量が5質量%を超えると、含水ゲル層中の油状成分の保持する割合が過剰になり、著しく保形性が低下したり、保湿性や密着性が低下したりする場合があるためである。
したがって、分散補助剤の含有量を、含水ゲル層を構成するゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、0.5〜2.5質量%の範囲内の値とすることが好ましく、1.5〜2質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(5)水
また、含水ゲル層に含まれる水は、ゲルパック材の使用目的やコスト性等を考慮して、イオン交換水、精製水、蒸留水、滅菌水等が適宜使用することができる。
また、含水ゲル層を構成するゲル状組成物の全質量に対する水の配合割合である含水率を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、40〜70質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる含水率が40質量%未満になると、保湿性の低下とともに、柔軟性が損なわれ、皮膚への密着性が低下する場合があるためである。
一方、かかる含水率が70質量%を超えると、ゲルパック材における含水ゲル層の機械的強度のみならず、保形性や取扱性についても低下し、使用後に、含水ゲル層の一部が皮膚へ残るおそれがあるためである。
したがって、含水ゲル層に含まれる水の含水率を40〜65質量%の範囲内の値とすることがより好ましく、40〜60質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、含水ゲル層に含まれる水は、ゲルパック材の使用目的やコスト性等を考慮して、イオン交換水、精製水、蒸留水、滅菌水等が適宜使用することができる。
また、含水ゲル層を構成するゲル状組成物の全質量に対する水の配合割合である含水率を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、40〜70質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる含水率が40質量%未満になると、保湿性の低下とともに、柔軟性が損なわれ、皮膚への密着性が低下する場合があるためである。
一方、かかる含水率が70質量%を超えると、ゲルパック材における含水ゲル層の機械的強度のみならず、保形性や取扱性についても低下し、使用後に、含水ゲル層の一部が皮膚へ残るおそれがあるためである。
したがって、含水ゲル層に含まれる水の含水率を40〜65質量%の範囲内の値とすることがより好ましく、40〜60質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)架橋剤
また、ゲル状組成物中には、所定量の架橋剤を含むことが好ましい。
この理由は、ゲル状組成物を構成するアクリル化合物の分子間を架橋させることによって、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性、粘着性および機械的強度の調整をすることができるためである。
また、架橋剤の含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、0.1〜5質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる架橋剤の含有量が0.1質量%未満になると、架橋度が低下し、保形性が悪化するとともに、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性が低下する場合があるためである。
一方、架橋剤の含有量が5質量%を超えると、未反応の架橋剤が残留する場合があるためである。
したがって、架橋剤の含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、0.3〜4.5質量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.4〜4.0質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、ゲル状組成物中には、所定量の架橋剤を含むことが好ましい。
この理由は、ゲル状組成物を構成するアクリル化合物の分子間を架橋させることによって、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性、粘着性および機械的強度の調整をすることができるためである。
また、架橋剤の含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、0.1〜5質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる架橋剤の含有量が0.1質量%未満になると、架橋度が低下し、保形性が悪化するとともに、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性が低下する場合があるためである。
一方、架橋剤の含有量が5質量%を超えると、未反応の架橋剤が残留する場合があるためである。
したがって、架橋剤の含有量を、ゲル状組成物の全構成成分の全質量を100質量%としたときに、0.3〜4.5質量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.4〜4.0質量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ゲル状組成物が、二種以上の架橋剤を含む場合にも、当該二種以上の架橋剤の合計添加量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、0.1〜5質量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、二種以上の架橋剤を併用することにより、ゲル状組成物中への疎水性成分の閉じ込め効果や放出効果がバランス良く発揮されやすくなるばかりか、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性、粘着性および機械的強度についてもバランス良く向上させることができるためである。
この理由は、二種以上の架橋剤を併用することにより、ゲル状組成物中への疎水性成分の閉じ込め効果や放出効果がバランス良く発揮されやすくなるばかりか、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性、粘着性および機械的強度についてもバランス良く向上させることができるためである。
ここで、用いられる架橋剤としては、多価金属化合物の水溶液中で多価金属イオンを放出するものであれば、その種類は制限されるものではない。例えば、アラントインクロロヒフォロキシアルミウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、アルジオキサ、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム、ヒドロサルタイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミナ・マグネシウム、硫酸アルミニウムカリウム、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物等を挙げることができ、これらの一種又は二種以上を用いることができる。
上述した架橋剤の中でも、アラントインクロロヒドロキシアルミウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、アルジオキサ、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム等の高温反応型の架橋剤を一種または二種以上用いることが好ましい。これらの中でも、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウムを用いることがより好ましい。
ここで、高温反応型の架橋剤とは、ポリアクリル酸化合物と混合しただけでは架橋反応を生じないか、または低反応性であるが、加熱により、著しく架橋反応を生じさせる化合物である。具体的には、80℃以上に加熱した場合、より好ましくは、100℃以上に加熱した場合に、架橋反応を生じる架橋剤である。
このような架橋剤を含有するゲル状組成物は、加熱するまでは架橋反応が起こらないためにポットライフが長くなり支持基材へ塗工することが可能になる。また、支持基材へ塗工後加熱することによりゲル状組成物が短時間で架橋し強度が上昇するために、シーズニングを長時間行うことなくロール状に巻き取ることが可能になる。
ここで、高温反応型の架橋剤とは、ポリアクリル酸化合物と混合しただけでは架橋反応を生じないか、または低反応性であるが、加熱により、著しく架橋反応を生じさせる化合物である。具体的には、80℃以上に加熱した場合、より好ましくは、100℃以上に加熱した場合に、架橋反応を生じる架橋剤である。
このような架橋剤を含有するゲル状組成物は、加熱するまでは架橋反応が起こらないためにポットライフが長くなり支持基材へ塗工することが可能になる。また、支持基材へ塗工後加熱することによりゲル状組成物が短時間で架橋し強度が上昇するために、シーズニングを長時間行うことなくロール状に巻き取ることが可能になる。
(7)他の添加剤
また、必要に応じて、上記以外の添加剤をさらに含有していても良い。具体的には、防腐剤、保湿剤、抗酸化剤、殺菌剤、可塑剤、着色剤(顔料または染料)、紫外線吸収剤、美白成分、消炎剤、収斂剤、角質柔軟剤、消泡剤、生理活性成分、浸透圧調節成分等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
なお、防腐剤としては、フェノキシエタノール、尿素、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸およびその塩類、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。保湿剤としては、グルコース、ショ糖、果糖、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース等の糖類、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、ヒスチジン、リシン等のアミノ酸類が挙げられる。抗酸化剤としては、トコフェロール及びこれらのエステル誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ノルジヒトログアヤレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
また、必要に応じて、上記以外の添加剤をさらに含有していても良い。具体的には、防腐剤、保湿剤、抗酸化剤、殺菌剤、可塑剤、着色剤(顔料または染料)、紫外線吸収剤、美白成分、消炎剤、収斂剤、角質柔軟剤、消泡剤、生理活性成分、浸透圧調節成分等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
なお、防腐剤としては、フェノキシエタノール、尿素、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸およびその塩類、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。保湿剤としては、グルコース、ショ糖、果糖、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース等の糖類、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、ヒスチジン、リシン等のアミノ酸類が挙げられる。抗酸化剤としては、トコフェロール及びこれらのエステル誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ノルジヒトログアヤレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
(8)厚さ
また、含水ゲル層の厚さを0.01〜5mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる含水ゲル層の厚さが、0.01mm未満になると、使用時において、取り扱い性が低下したり、保湿効果が低下したりする場合があるためである。
一方、かかる含水ゲル層の厚さが5mmを超えると、機械的強度が低下して、使用後において皮膚にゲル層が残ってしまう恐れがあるためである。
したがって、含水ゲル層の厚さを0.1〜4mmの範囲内とすることがより好ましい。
また、含水ゲル層の厚さを0.01〜5mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる含水ゲル層の厚さが、0.01mm未満になると、使用時において、取り扱い性が低下したり、保湿効果が低下したりする場合があるためである。
一方、かかる含水ゲル層の厚さが5mmを超えると、機械的強度が低下して、使用後において皮膚にゲル層が残ってしまう恐れがあるためである。
したがって、含水ゲル層の厚さを0.1〜4mmの範囲内とすることがより好ましい。
3.パッケージング
また、含水ゲル層および支持基材を含むゲルパック材の周囲を覆って、パッケージングすることが好ましい。その場合、パッケージングの全体形状としては、使用目的に応じて、円形状、ロール状、パッチ状、シート状等とすることができる。
また、含水ゲル層の上層に、水分・揮発性成分の蒸散を防ぐために、蒸散防止フィルムを積層することも好ましい。
かかる蒸散防止フィルムの材質としては、水分や揮発成分に対して、不透過性(ガスバリア性)を有する種々の高分子製フィルムや防水処理等が施された紙等が用いられる。
具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムポリプロピレンフィルム、撥水加工したパーチメント紙(硫酸紙)等が挙げられる。
また、パッケージングに際して、含水ゲル層と、蒸散防止フィルムとの間で、良好な剥離性等を得るために、蒸散防止フィルムの表面に、エンボス加工を施すことが好ましい。
また、含水ゲル層および支持基材を含むゲルパック材の周囲を覆って、パッケージングすることが好ましい。その場合、パッケージングの全体形状としては、使用目的に応じて、円形状、ロール状、パッチ状、シート状等とすることができる。
また、含水ゲル層の上層に、水分・揮発性成分の蒸散を防ぐために、蒸散防止フィルムを積層することも好ましい。
かかる蒸散防止フィルムの材質としては、水分や揮発成分に対して、不透過性(ガスバリア性)を有する種々の高分子製フィルムや防水処理等が施された紙等が用いられる。
具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムポリプロピレンフィルム、撥水加工したパーチメント紙(硫酸紙)等が挙げられる。
また、パッケージングに際して、含水ゲル層と、蒸散防止フィルムとの間で、良好な剥離性等を得るために、蒸散防止フィルムの表面に、エンボス加工を施すことが好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材の製造方法であって、含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物から構成してあり、かつ、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値としたゲルパック材の製造方法であって、下記工程(1)〜(4)を含むことを特徴とするゲルパック材の製造方法である。
(1)ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、を含む溶液Aを調製する工程
(2)水と、油状成分と、分散補助剤と、を含む溶液Bを調整する工程
(3)溶液Aと、溶液Bとを混合することにより、ゲル状組成物を調製する工程
(4)ゲル状組成物を支持基材に積層して、含水ゲル層を形成する工程
以下、構成要件ごとに、具体的に説明する。なお、前述した構成要件と重複部分については適宜省略する。
第2の実施形態は、支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材の製造方法であって、含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物から構成してあり、かつ、油状成分の含有量を、ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値としたゲルパック材の製造方法であって、下記工程(1)〜(4)を含むことを特徴とするゲルパック材の製造方法である。
(1)ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、を含む溶液Aを調製する工程
(2)水と、油状成分と、分散補助剤と、を含む溶液Bを調整する工程
(3)溶液Aと、溶液Bとを混合することにより、ゲル状組成物を調製する工程
(4)ゲル状組成物を支持基材に積層して、含水ゲル層を形成する工程
以下、構成要件ごとに、具体的に説明する。なお、前述した構成要件と重複部分については適宜省略する。
1.溶液Aの調整工程(工程(1))
溶液Aは、所定量のポリアクリル酸化合物と、多価アルコールとを混合して調整される。例えば、多価アルコール100質量部に対して、10〜50質量部のポリアクリル酸化合物を添加して、均一に混合することにより溶液Aとすることができる。
溶液Aは、所定量のポリアクリル酸化合物と、多価アルコールとを混合して調整される。例えば、多価アルコール100質量部に対して、10〜50質量部のポリアクリル酸化合物を添加して、均一に混合することにより溶液Aとすることができる。
2.溶液Bの調整工程(工程(2))
また、溶液Bは、所定量の油状成分と、分散補助剤と、水と、を混合して調製される。
そして、溶液Bは、分散補助剤の界面活性作用によって、O/W型エマルションとすることが好ましい。
この理由は、溶液BをO/W型エマルションとすることにより、ゲル状組成物の主成分であるポリアクリル酸化合物の分子間に水とともに油状成分を、効率的に取り込むことが可能になるためである。
また、溶液Bは、所定量の油状成分と、分散補助剤と、水と、を混合して調製される。
そして、溶液Bは、分散補助剤の界面活性作用によって、O/W型エマルションとすることが好ましい。
この理由は、溶液BをO/W型エマルションとすることにより、ゲル状組成物の主成分であるポリアクリル酸化合物の分子間に水とともに油状成分を、効率的に取り込むことが可能になるためである。
3.ゲル状組成物の調整工程(工程(3))
ゲル状組成物は、所定量の溶液Aと、溶液Bとを混合して調製される。そして、かかるゲル状組成物を調整する際に、溶液AおよびBの粘度を、それぞれ液温25℃において、100〜500,000mP・secの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、溶液AおよびBの粘度(液温25℃)が100mP・sec未満になると、後述する工程(4)において、支持基材に積層することが困難になる場合があるためである。
一方、溶液AおよびBの粘度(測定温度:25℃)が500,000mP・secを超えると、溶液AおよびBを均一に混合することが困難になり、ゲル状組成物の成分が不均一になるとともに、含水ゲル層の密着性や使用感が低下する場合があるためである。
したがって、溶液AおよびBの粘度を、液温25℃において、1000〜100,000mP・secの範囲内の値とすることがより好ましく、5000〜50,000mP・secの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
ゲル状組成物は、所定量の溶液Aと、溶液Bとを混合して調製される。そして、かかるゲル状組成物を調整する際に、溶液AおよびBの粘度を、それぞれ液温25℃において、100〜500,000mP・secの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、溶液AおよびBの粘度(液温25℃)が100mP・sec未満になると、後述する工程(4)において、支持基材に積層することが困難になる場合があるためである。
一方、溶液AおよびBの粘度(測定温度:25℃)が500,000mP・secを超えると、溶液AおよびBを均一に混合することが困難になり、ゲル状組成物の成分が不均一になるとともに、含水ゲル層の密着性や使用感が低下する場合があるためである。
したがって、溶液AおよびBの粘度を、液温25℃において、1000〜100,000mP・secの範囲内の値とすることがより好ましく、5000〜50,000mP・secの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、工程(1)〜(3)のいずれか一以上の工程において、一種または二種以上の架橋剤を添加することが好ましい。
この理由は、このように実施することにより、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性、粘着性および機械的強度の調整をすることができるためである。
また、架橋剤の種類にもよるが、溶液AおよびBに架橋剤を添加している場合、過度な架橋反応を抑制するために、工程(3)において混合する際の周囲温度を10〜50℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる混合する際の周囲温度が10℃未満の場合には、溶液Aと溶液Bの粘度が著しく増加して、これらの溶液の混合が困難になり、ゲル状組成物に含まれる成分が不均一になる場合があるためである。
一方、かかる周囲温度が50℃を越えると、架橋反応が促進され、ゲル状組成物の粘度を制御することが困難になるとともに、工程(4)においてゲル状組成物を、支持基材上へ積層することが困難になる場合があるためである。
したがって、溶液AおよびBを混合する際の周囲温度を20〜45℃の範囲内の値とすることがより好ましく、25〜40℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウムやケイ酸アルミニウムなどのような、水に難溶性の架橋剤を添加する場合には、水に添加しても沈降してしまい均一な分散ができず架橋反応が不均一となる問題が生じる可能性がある。このような場合には、比較的粘度の高い溶液Aに架橋剤を添加して分散させることで沈降を防止することができる。したがって、かかる溶液Aを溶液Bと混合した際には、ポリアクリル酸化合物の溶解によってすぐに水溶液の粘度が上昇するため、架橋剤が沈降することの無い均一なゲル状組成物を得ることができる。
この理由は、このように実施することにより、ゲル状組成物から構成される含水ゲル層の保水性、粘着性および機械的強度の調整をすることができるためである。
また、架橋剤の種類にもよるが、溶液AおよびBに架橋剤を添加している場合、過度な架橋反応を抑制するために、工程(3)において混合する際の周囲温度を10〜50℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる混合する際の周囲温度が10℃未満の場合には、溶液Aと溶液Bの粘度が著しく増加して、これらの溶液の混合が困難になり、ゲル状組成物に含まれる成分が不均一になる場合があるためである。
一方、かかる周囲温度が50℃を越えると、架橋反応が促進され、ゲル状組成物の粘度を制御することが困難になるとともに、工程(4)においてゲル状組成物を、支持基材上へ積層することが困難になる場合があるためである。
したがって、溶液AおよびBを混合する際の周囲温度を20〜45℃の範囲内の値とすることがより好ましく、25〜40℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウムやケイ酸アルミニウムなどのような、水に難溶性の架橋剤を添加する場合には、水に添加しても沈降してしまい均一な分散ができず架橋反応が不均一となる問題が生じる可能性がある。このような場合には、比較的粘度の高い溶液Aに架橋剤を添加して分散させることで沈降を防止することができる。したがって、かかる溶液Aを溶液Bと混合した際には、ポリアクリル酸化合物の溶解によってすぐに水溶液の粘度が上昇するため、架橋剤が沈降することの無い均一なゲル状組成物を得ることができる。
(4)ゲル状組成物の積層工程(工程(4))
ゲル状組成物を支持基材に積層する方法は、流動性を有する材料を塗工できる方法であれば特に制限されるものではないが、例えば、ロールコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、バーコーター、ダイコーター等が挙げられる。
ゲル状組成物を支持基材に積層する方法は、流動性を有する材料を塗工できる方法であれば特に制限されるものではないが、例えば、ロールコーター、ナイフコーター、グラビアコーター、バーコーター、ダイコーター等が挙げられる。
また、ゲル状組成物は、支持基材上に積層した後に、所定の加熱処理を実施することが好ましい。
この理由は、積層したゲル状組成物中の余分な水分を除去し、粘着性を調節することができるためである。また、ゲル状組成物に架橋剤を含有している場合、架橋反応を促進して、ゲル状組成物の粘着性および機械的強度をさらに適切な範囲に調節することができるためである。
そこで、かかる加熱処理を80〜180℃の温度範囲で実施することが好ましい。
この理由は、加熱処理の温度が80℃未満になると、水分の除去や架橋剤の反応性が不十分となって、ゲル状組成物からなる含水ゲル層の粘着性および機械的強度を調節することが困難となる場合があるためである。
一方、加熱処理の温度が180℃を超えると、水分が過剰に除去されてしまい、また、架橋剤の反応性が過度になってしまうため、ゲル状組成物からなる含水ゲル層の粘着性および機械的強度を調節することが困難になるとともに、含水ゲル層が変形してしまう場合があるためである。
したがって、ゲル状組成物を積層した後の加熱処理を100〜160℃の温度で実施することがより好ましく、110〜140℃の温度で実施することがさらに好ましい。
この理由は、積層したゲル状組成物中の余分な水分を除去し、粘着性を調節することができるためである。また、ゲル状組成物に架橋剤を含有している場合、架橋反応を促進して、ゲル状組成物の粘着性および機械的強度をさらに適切な範囲に調節することができるためである。
そこで、かかる加熱処理を80〜180℃の温度範囲で実施することが好ましい。
この理由は、加熱処理の温度が80℃未満になると、水分の除去や架橋剤の反応性が不十分となって、ゲル状組成物からなる含水ゲル層の粘着性および機械的強度を調節することが困難となる場合があるためである。
一方、加熱処理の温度が180℃を超えると、水分が過剰に除去されてしまい、また、架橋剤の反応性が過度になってしまうため、ゲル状組成物からなる含水ゲル層の粘着性および機械的強度を調節することが困難になるとともに、含水ゲル層が変形してしまう場合があるためである。
したがって、ゲル状組成物を積層した後の加熱処理を100〜160℃の温度で実施することがより好ましく、110〜140℃の温度で実施することがさらに好ましい。
また、加熱処理時間は、加熱処理温度や加熱処理手段にもよるが、通常、0.1〜60分の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる加熱処理時間が、0.1分未満になると、水分の除去や架橋剤の反応性が不十分となって、ゲル状組成物からなる含水ゲル層の粘着性を調節することが困難になる場合あるためである。
一方、かかる加熱処理時間が、60分を超えると、水分が過剰に除去されたり、架橋剤の反応性が過度になったりするため、ゲル状組成物からなる含水ゲル層の粘着性を調節することが困難になるとともに、含水ゲル層が変形してしまう場合があるためである。
したがって、ゲル状組成物を積層した後の加熱処理時間を0.5〜30分の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜15分の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる加熱処理時間が、0.1分未満になると、水分の除去や架橋剤の反応性が不十分となって、ゲル状組成物からなる含水ゲル層の粘着性を調節することが困難になる場合あるためである。
一方、かかる加熱処理時間が、60分を超えると、水分が過剰に除去されたり、架橋剤の反応性が過度になったりするため、ゲル状組成物からなる含水ゲル層の粘着性を調節することが困難になるとともに、含水ゲル層が変形してしまう場合があるためである。
したがって、ゲル状組成物を積層した後の加熱処理時間を0.5〜30分の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜15分の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
[実施例1]
1.ゲルパック材の作製
表1に示す構成成分を、原料として用い、次のようにして、ゲルパック材を作製した。
1.ゲルパック材の作製
表1に示す構成成分を、原料として用い、次のようにして、ゲルパック材を作製した。
(1)溶液Aの調製工程
ポリアクリル酸化合物としてのポリアクリル酸部分中和物(日本純薬社製 アロンビスAH−105)と、架橋剤としてのアミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウムとケイ酸アルミニウムと、を多価アルコールとしてのグリセリン中に分散させて、グリセリン分散液(溶液A)とした。
ポリアクリル酸化合物としてのポリアクリル酸部分中和物(日本純薬社製 アロンビスAH−105)と、架橋剤としてのアミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウムとケイ酸アルミニウムと、を多価アルコールとしてのグリセリン中に分散させて、グリセリン分散液(溶液A)とした。
(2)溶液Bの調製工程
炭化水素油としてのスクワランと、脂肪油としてのホホバ油と、その他の成分とを分散補助剤としてのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油に分散させ、架橋剤としての硫酸アルミニウムカリウムをさらに加えた精製水(適量)に、ホモディスパーを用いて分散させて、水溶液(溶液B)を調製した。
炭化水素油としてのスクワランと、脂肪油としてのホホバ油と、その他の成分とを分散補助剤としてのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油に分散させ、架橋剤としての硫酸アルミニウムカリウムをさらに加えた精製水(適量)に、ホモディスパーを用いて分散させて、水溶液(溶液B)を調製した。
(3)ゲル状組成物の調製工程
次いで、ミキサーを用いて、調整した溶液Bに、先に調製したポリアクリル酸化合物を含む溶液Aを練り合わせながら添加し、ゲル状組成物を調製した。
次いで、ミキサーを用いて、調整した溶液Bに、先に調製したポリアクリル酸化合物を含む溶液Aを練り合わせながら添加し、ゲル状組成物を調製した。
(4)含水ゲル層の形成工程
次いで、ダイコーターを用いて、得られたゲル状組成物を、ポリエステル不織布/ポリエチレンフィルム積層品のポリエステル不織布に塗工し、130℃で7分間加熱処理を行い、厚さが1mmの含水ゲル層を形成した。次いで、ポリエステルフィルムを貼り合わせた。その後、室温で、9日間、放置(シーズニング処理)して、表1に示すような配合割合のゲル状組成物から構成される含水ゲル層を有するゲルパック材とした。
次いで、ダイコーターを用いて、得られたゲル状組成物を、ポリエステル不織布/ポリエチレンフィルム積層品のポリエステル不織布に塗工し、130℃で7分間加熱処理を行い、厚さが1mmの含水ゲル層を形成した。次いで、ポリエステルフィルムを貼り合わせた。その後、室温で、9日間、放置(シーズニング処理)して、表1に示すような配合割合のゲル状組成物から構成される含水ゲル層を有するゲルパック材とした。
2.ゲルパック材の評価
(1)密着性評価
作製したゲルパック材をφ24mmの円形状に裁断し、試験片とした。この試験片を、パネラー8名の洗浄後乾燥した下腕部内部に、20分間貼付した後、剥離した。
そして、貼付中の皮膚への密着性について、以下の評価基準に基づいて、点数で1から5点で評価するとともに、8人分の点数の合計を算出した。得られた結果は表2に示す。
5点:非常に良好(貼付中に浮き・はがれなし。)
4点:良好(貼付後15分以上経過後に浮き・はがれが認められた。)
3点:やや良好(貼付後10分以上15分未満に浮き・はがれが認められた。)
2点:やや不良(貼付後5分以上10分未満に浮き・はがれが認められた。)
1点:不良(貼付後すぐに浮き・はがれが認められた。)
(1)密着性評価
作製したゲルパック材をφ24mmの円形状に裁断し、試験片とした。この試験片を、パネラー8名の洗浄後乾燥した下腕部内部に、20分間貼付した後、剥離した。
そして、貼付中の皮膚への密着性について、以下の評価基準に基づいて、点数で1から5点で評価するとともに、8人分の点数の合計を算出した。得られた結果は表2に示す。
5点:非常に良好(貼付中に浮き・はがれなし。)
4点:良好(貼付後15分以上経過後に浮き・はがれが認められた。)
3点:やや良好(貼付後10分以上15分未満に浮き・はがれが認められた。)
2点:やや不良(貼付後5分以上10分未満に浮き・はがれが認められた。)
1点:不良(貼付後すぐに浮き・はがれが認められた。)
(2)使用感評価
密着性評価に使用した同一の試験片を製造して、試験片をパネラー8名に同一条件下で貼付した後、剥離した。
そして、剥離直後(5分後)と剥離180分経過後における肌状態(効果の持続性(保湿感))について、以下の評価基準に基づいて、点数で1から5点で評価するとともに、8人分の点数の合計を算出した。得られた結果は表2に示す。
5点:顕著な保湿感が感じられた
4点:適度な保湿感が感じられた
3点:保湿感がやや感じられた
2点:保湿感が感じられない
1点:乾燥感が感じられた。
密着性評価に使用した同一の試験片を製造して、試験片をパネラー8名に同一条件下で貼付した後、剥離した。
そして、剥離直後(5分後)と剥離180分経過後における肌状態(効果の持続性(保湿感))について、以下の評価基準に基づいて、点数で1から5点で評価するとともに、8人分の点数の合計を算出した。得られた結果は表2に示す。
5点:顕著な保湿感が感じられた
4点:適度な保湿感が感じられた
3点:保湿感がやや感じられた
2点:保湿感が感じられない
1点:乾燥感が感じられた。
(3)総合評価
上述した密着性評価および使用感評価(剥離直後、剥離180分経過後)を合計した点数を、以下の評価基準に基づいて、総合評価した。得られた結果は表2に示す。
○:120〜100点
△:100〜80点
×:80〜0点
上述した密着性評価および使用感評価(剥離直後、剥離180分経過後)を合計した点数を、以下の評価基準に基づいて、総合評価した。得られた結果は表2に示す。
○:120〜100点
△:100〜80点
×:80〜0点
[実施例2]
実施例2においては、表1に示されるように、油状成分(スクワランおよびホホバ油)の含有量を変えたほかは、実施例1と同様に、試験片を作成し、評価した。
実施例2においては、表1に示されるように、油状成分(スクワランおよびホホバ油)の含有量を変えたほかは、実施例1と同様に、試験片を作成し、評価した。
[比較例1]
比較例1においては、表1に示されるように、油状成分(スクワランおよびホホバ油)を添加しなかったほかは、実施例1と同様に、試験片を作成し、評価した。
比較例1においては、表1に示されるように、油状成分(スクワランおよびホホバ油)を添加しなかったほかは、実施例1と同様に、試験片を作成し、評価した。
[比較例2]
比較例2においては、表1に示されるように、油状成分(スクワランおよびホホバ油)の含有量を変えたほかは、実施例1と同様に、試験片を作成し、評価した。
比較例2においては、表1に示されるように、油状成分(スクワランおよびホホバ油)の含有量を変えたほかは、実施例1と同様に、試験片を作成し、評価した。
以上、表2に示されるように、実施例1〜2および比較例1においては、密着感の評価点がそれぞれ31、35、36点であって、良好な結果が得られることが確認された。
一方、比較例2においては、油状成分(スクワランおよびホホバ油)が25質量%と、本願発明に規定される油状成分の含有量の上限値を超えているために、密着感の評価点は16と低い値であった。
また、実施例1〜2および比較例1〜2において、剥離直後の使用感(剥離5分後)については、それぞれ良好であるものの、比較例1および2においては、剥離180分後の使用感の評価点は、それぞれ21、28と低い値であった。
また、密着感と使用感(剥離5分後および剥離180分後)の評価結果を総合した総合評価において、比較例1〜2に比べて、実施例1〜2は、評価点が高いことが確認された。すなわち、総合評価から、実施例1〜2のゲルパック材は、良好な密着感が得られるとともに、良好な使用感(保湿感)をゲルパック材の使用後においても長時間にわたって維持できることが確認された。
一方、比較例2においては、油状成分(スクワランおよびホホバ油)が25質量%と、本願発明に規定される油状成分の含有量の上限値を超えているために、密着感の評価点は16と低い値であった。
また、実施例1〜2および比較例1〜2において、剥離直後の使用感(剥離5分後)については、それぞれ良好であるものの、比較例1および2においては、剥離180分後の使用感の評価点は、それぞれ21、28と低い値であった。
また、密着感と使用感(剥離5分後および剥離180分後)の評価結果を総合した総合評価において、比較例1〜2に比べて、実施例1〜2は、評価点が高いことが確認された。すなわち、総合評価から、実施例1〜2のゲルパック材は、良好な密着感が得られるとともに、良好な使用感(保湿感)をゲルパック材の使用後においても長時間にわたって維持できることが確認された。
以上詳述したように、本発明のゲルパック材によれば、含水ゲル層の構成成分として、油状成分等を含むとともに、当該油状成分の含有量を所定範囲に制限することにより、適度な密着性を発揮して、脱落することなく皮膚にとどまり、また、皮膚への油状成分の適度な供給により、保湿性を長時間保ち、優れた使用感を発揮できるようになった。
また、本発明のゲルパック材の製造方法によれば、そのようなゲルパック材を効率的かつ安定的に供給することができるようになった。
したがって、本発明によれば、適度な密着性と優れた取り扱い性を備え、かつ、ゲルパック材の使用後長時間経過しても良好な保湿効果を維持できるゲルパック材を用いた化粧品や衛生材料等を提供することができ、またそのような化粧品や衛生材料を効率的かつ安定的に供給することができる。
また、本発明のゲルパック材の製造方法によれば、そのようなゲルパック材を効率的かつ安定的に供給することができるようになった。
したがって、本発明によれば、適度な密着性と優れた取り扱い性を備え、かつ、ゲルパック材の使用後長時間経過しても良好な保湿効果を維持できるゲルパック材を用いた化粧品や衛生材料等を提供することができ、またそのような化粧品や衛生材料を効率的かつ安定的に供給することができる。
Claims (10)
- 支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材であって、
前記含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物から構成してあり、かつ、
前記油状成分の含有量を、前記ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値とすることを特徴とするゲルパック材。 - 前記油状成分が、炭化水素油および脂肪油、あるいはいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1に記載のゲルパック材。
- 前記多価アルコールが、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびグリセリンからなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のゲルパック材。
- 前記分散補助剤が、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エスルテル、およびポリエチレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のゲルパック材。
- 前記ゲル状組成物が、当該ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、40〜70質量%の水と、2〜15質量%のポリアクリル酸化合物と、5〜40質量%の多価アルコールと、0.1〜5質量%の分散補助剤と、を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲルパック材。
- 前記ゲル状組成物が、一種または二種以上の架橋剤を含むとともに、当該一種または二種以上の架橋剤の合計添加量を、前記ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、0.1〜5質量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のゲルパック材。
- 前記支持基材が、不織布、織布および紙からなる群から選択される少なくとも一つ、あるいは、かかる群から選択される少なくとも一つと樹脂フィルムとの積層品であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のゲルパック材。
- 支持基材の表面に、含水ゲル層を積層してなるゲルパック材の製造方法であって、
前記含水ゲル層が、少なくとも水と、ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、油状成分と、分散補助剤と、を含むゲル状組成物から構成してあり、かつ、前記油状成分の含有量を、前記ゲル状組成物の全質量を100質量%としたときに、5〜20質量%の範囲内の値としたゲルパック材の製造方法であって、
下記工程(1)〜(4)を含むことを特徴とするゲルパック材の製造方法。
(1)ポリアクリル酸化合物と、多価アルコールと、を含む溶液Aを調製する工程
(2)水と、油状成分と、分散補助剤と、を含む溶液Bを調整する工程
(3)前記溶液Aおよび溶液Bを混合することにより、ゲル状組成物を調製する工程
(4)ゲル状組成物を支持基材に積層して、含水ゲル層を形成する工程 - 前記工程(1)〜(3)のいずれかの工程において、一種または二種以上の架橋剤を添加することを特徴とする請求項8に記載のゲルパック材の製造方法。
- 前記工程(4)において、前記ゲル状組成物を支持基材に積層した後に、80〜180℃の温度で加熱処理をすることを特徴とする請求項8または9に記載のゲルパック材の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007090992A patent/JP2008247807A/ja active Pending
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