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JP2008224921A - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents

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JP2008224921A
JP2008224921A JP2007061335A JP2007061335A JP2008224921A JP 2008224921 A JP2008224921 A JP 2008224921A JP 2007061335 A JP2007061335 A JP 2007061335A JP 2007061335 A JP2007061335 A JP 2007061335A JP 2008224921 A JP2008224921 A JP 2008224921A
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Takahito Harada
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Abstract

【課題】横電界型の液晶装置及びそれを用いた電子機器において、工程数を増やすことなく基板の液晶層側の面に位相差層を容易に設置する。
【解決手段】互いに対向する第1透光性基板15及び第2透光性基板17と、第1透光性基板15と第2透光性基板17との間に設けられた液晶層14と、第1透光性基板15の液晶層側に設けられた共通電極22と、共通電極22を覆って第1透光性基板15上に設けられた絶縁層34と、絶縁層34上に設けられ、間隙を有して平行に配列された複数の電極線状部31aを備え、共通電極22との間で電界Eを生じさせる画素電極31とを有する液晶装置である。この液晶装置において、絶縁層34の平面内の一部又は全部は位相差層である。
【選択図】図4

Description

本発明は、1つの基板上に設けられた2つの電極間で電界を生じさせる液晶装置に関する。また、本発明は、その液晶装置を用いて構成される電子機器に関する。
現在、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末機)、カーナビゲーションシステム等といった電子機器に液晶装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種の情報を画像として表示するための表示部として液晶装置が用いられている。この液晶装置として、いわゆる横電界型の液晶装置が知られている。
横電界型の液晶装置は、液晶層を挟んで互いに対向する一対の基板の一方に共通電極及び画素電極の2つの電極を設け、それらの電極に電圧を印加することによりそれらの基板に対して平行方向又は斜め方向の電界、いわゆる横電界を発生させ、液晶層内の液晶分子の配向をその横電界によって制御することにより、その液晶層を通過する光を変調する。
横電界型の液晶装置は、基板に対して平行方向や斜め方向の電界によって液晶分子が駆動されるため、液晶分子の配向が基板に対して略平行な面内で制御され、そのため、視角が変わっても液晶分子を見る角度に変化が無く、従って、液晶分子の配向制御に従った表示を広い視角範囲内で視認できるという性質を有している。この性質は、視野角が広い、あるいは広視野角であるといわれている。
また、液晶装置として、反射型と透過型の表示方式を兼ね備えた半透過反射型のものが知られている。透過型は、液晶層を1回透過した光によって表示を行う表示形態である。また、反射型は、液晶層を1回透過した後に光反射膜で反射して再度液晶層を透過した光によって表示を行う表示形態である。半透過反射型は、上記の透過型表示及び反射型表示の一方を選択的に行う表示形態である。この半透過反射型の液晶装置は、1つのサブ画素内に反射表示領域と透過表示領域とを備え、周囲の明るさに応じて反射モード又は透過モードのいずれかの表示方式に切替えることができる。
上記の横電界型及び半透過反射型の液晶装置として、従来、対向する一対の基板のうちの一方の基板の液晶層側に、位相差層が設けられた構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この液晶装置において、位相差膜は、サブ画素内のうちの反射表示領域に選択的に設けられている。
特開2005−338256号公報(第6頁、図2)
しかしながら、特許文献1に開示された液晶装置では、基板を構成する複数の要素の上に、別途、専用の膜として位相差層を形成しているので、基板の液晶層側の面に位相差層を備えていない構成の液晶装置に比べて、その製造工程が増えることになる。その結果、液晶装置の製造コストが増えることが考えられる。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、横電界型の液晶装置及びそれを用いた電子機器において、工程数を増やすことなく基板の液晶層側の面に位相差層を容易に設けることを目的とする。
本発明に係る液晶装置は、互いに対向する第1基板及び第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、前記第1基板の液晶層側に設けられた第1電極と、前記第1電極を覆って前記第1基板上に設けられた絶縁層と、前記絶縁層上に設けられ、間隙を有して平行に配列された複数の電極線状部を備え、前記第1電極との間で電界を生じさせる第2電極とを有し、前記絶縁層の平面内の一部又は全部は位相差層であることを特徴とする。
この構成の液晶装置として、例えば横電界型の液晶装置がある。この横電界型の液晶装置は、基板上に絶縁層を挟んで第1電極と第2電極を積層し、それらの第1電極と第2電極との間の液晶層に、基板面に対して略平行方向に形成される電界を印加することにより液晶を駆動する装置である。このような横電界型の液晶装置の動作モードとしては、例えばIPS(In-Plane Switching)モードやFFS(Fringe Field Switching)モードが知られている。IPSモードは、第1電極と第2電極とが平面視で重ならない位置に配設された構成を有する。一方、FFSモードは、第1電極と第2電極とが平面視で重なる位置に配設された構成を有する。このFFSモードは、基板に平行な横電界に加えて液晶層の層厚方向にも電界を生じさせることができる。また、第1電極と第2電極との間に電気的な保持容量を形成することができる。これらの作用により、IPSモードに比べて、広視角、高コントラスト、低電圧の液晶装置を構成できる。
上記の液晶装置では、第1電極と第2電極の間に設けられた絶縁層を位相差層を用いて形成することにした。すなわち、第1電極と第2電極の間に絶縁層と位相差層を兼ねた層を設けることにした。こうすれば、位相差層を別途形成する必要がないので、位相差層を形成する工程を増やすことなく液晶装置を形成できる。その結果、液晶装置の製造コストを増やすことなく位相差層を設けることができる。
次に、本発明に係る液晶装置において、前記液晶層を挟持した前記第1基板と前記第2基板の平面領域内に配列された複数のサブ画素をさらに有し、該サブ画素内には、光反射膜が設けられた反射表示領域と光反射膜が設けられていない透過表示領域が設けられ、前記位相差層は前記反射表示領域に設けられることが望ましい。
この液晶装置は、いわゆる半透過反射型の液晶装置である。この半透過反射型の液晶装置は、サブ画素内に透過表示領域と反射表示領域とを有する。反射表示領域は、光反射膜が設けられその光反射膜によって反射した光を用いて、いわゆる反射型表示を行う。一方、透過表示領域は、光反射膜が設けられずに一方の基板から他方の基板へと透過する光を用いて、いわゆる透過型表示を行う。本発明の液晶装置では、反射表示領域と透過表示領域のいずれかを用いて透過型表示と反射型表示を選択的に行うことができる。
このような半透過反射型の液晶装置では、透過表示領域を通過する光が液晶層を1回通過するのに対し、反射表示領域を通過する光が液晶層を2回通過することに起因して、反射光と透過光とでリタデーション(Δnd:但しΔnは屈折率位相差、dは液晶層層厚)に差が発生し、反射型表示と透過型表示の表示特性が不均一になることが考えられる。
本発明態様では、位相差層を反射表示領域に対応して設けることにしたので、反射表示領域と透過表示領域とで光学特性を変えることができる。その結果、反射表示領域におけるリタデーション値を最適に設定することができる。例えば、反射表示領域の最適なリタデーション(Δnd)は広帯域の4分の1波長である。
なお、本発明において、反射表示領域内における位相差層のリタデーション(Δnd)は2分の1波長であることが望ましい。こうすれば、液晶層と第1電極と第2電極の間に設けられた位相差層とにより反射表示領域のリタデーションを反射表示に最適な広帯域の4分の1波長とすることができる。
また、位相差層を反射表示領域に対応して設けた液晶装置において、透過表示領域には位相差層が設けられないことが望ましい。こうすれば、透過表示領域において、位相差層によって余分な位相差が発生することがなくなり、透過型表示の視角特性が低下することを防止できる。
次に、反射表示領域と透過表示領域を有する液晶装置において、前記位相差層は前記反射表示領域と前記透過表示領域にわたって連続して設けられることが望ましい。こうすれば、第1電極と第2電極との間の位相差層を一度の工程で形成できるので、位相差層を別途形成する場合に比べて製造工程を削減できる。
次に、本発明に係る液晶装置において、前記反射表示領域内の位相差層と前記透過表示領域内の前記位相差層とは互いに異なる光学特性を有することが望ましい。こうすれば、反射表示領域におけるリタデーションと、透過表示領域におけるリタデーションとを共に最適に設定することができる。
上記のように透過表示領域と反射表示領域とで光学特性を異ならせるには、前記位相差層を、前記第1電極上に設けられた配向膜と、該配向膜上に設けられた高分子液晶層とを用いて構成し、前記反射表示領域内の前記配向膜には所定の方向に配向処理を行い、前記透過表示領域内の前記配向膜にはランダムな方向に配向処理を行うことが望ましい。こうすれば、反射表示領域内では、高分子液晶を所定の方向に配向させることにより位相差層に光学的異方性を付与することができる。その結果、位相差層によって反射表示領域のリタデーションを最適に設定できる。一方、透過表示領域内では、高分子液晶をランダムな方向に配向させることにより、位相差層に光学的異方性を付与しないことにより、透過型表示において余分な位相差が発生しないので、透過型表示における視角特性が低下することを防止できる。
以上のように位相差層の光学特性を反射表示領域と透過表示領域とで異ならせることにより、透過表示領域の視角特性を損なうことなく、第1電極と第2電極の間の絶縁層の全部を位相差層によって形成できる。その結果、基板の液晶層側に位相差層を有する液晶装置において、製造工程を増やすことなく位相差層を設けることができる。
次に、本発明に係る液晶装置において、前記液晶層は、前記反射表示領域と前記透過表示領域とで異なる層厚に形成され、前記反射表示領域における前記液晶層の層厚は前記位相差層の厚さを変えることにより調整することが望ましい。本発明態様の液晶装置は、いわゆるマルチギャップ構造を有した液晶装置である。マルチギャップ構造は、一般に、液晶層厚を調整するための層厚調整層が第1電極及び第2電極が設けられた基板に対向する基板上に設けられている。この場合、層厚調整層を設ける工程が別途必要であった。
本発明態様では、第1電極と第2電極との間に設けられた位相差層の厚さを変えることにより液晶層の層厚を調整する構成とした。すなわち、位相差層を形成する際に反射表示領域と透過表示領域とで位相差層の層厚を異ならせて形成することにより、マルチギャップ構造を容易に形成できる。また、層厚調整層を別途設ける必要が無いので、製造工程を削減できる。
次に、本発明に係る液晶装置において、前記反射表示領域内の前記液晶層の層厚は前記透過表示領域内の液晶層より薄く、前記反射表示領域内における前記第1基板の表面から前記第1電極の液晶層側の表面までの高さは、前記透過表示領域内における前記第1基板の表面から前記第1電極の液晶層側の表面までの高さよりも低く、前記反射表示領域内における前記第1基板の表面から前記第2電極の液晶層側の表面までの高さは、前記透過表示領域内における前記第1基板の表面から前記第2電極の液晶層側の表面までの高さよりも高いことが望ましい。
半透過反射型の液晶装置において、基板上の反射表示領域と透過表示領域の境界部分には段差が形成されることがある。例えば、反射表示領域内には光反射膜が形成されるのであるが、その光反射膜において光が効率良く反射することを企図して光反射膜に複数の凹部又は凸部から成る凹凸パターンを形成する場合がある。その凹凸パターンは、基板上に設けられた樹脂膜に凹凸パターンをパターニングし、その上に光反射膜を形成することにより形成される。この凹凸パターンのパターニングでは凹凸パターンが設けられた反射表示領域のみがパターニングされるので、透過表示領域と反射表示領域との境界部分に段差が形成される。
本発明態様においても、反射表示領域内において、位相差層の厚みを変えることにより液晶層の層厚を調整することができるので、位相差層を層厚調整膜として用いてマルチギャップ構造を容易に形成できる。また、層厚調整層を別途設ける必要が無いので、製造工程を削減できる。
なお、本発明態様では、反射表示領域内における第1基板の表面から第1電極の液晶層側の表面までの高さを透過表示領域内における第1基板の表面から第1電極の液晶層側の表面までの高さよりも低くしているのであるが、反射表示領域内の位相差層の厚さを調整することにより、反射表示領域内における第1基板の表面から第2電極の液晶層側の表面までの高さを透過表示領域内における第1基板の表面から第2電極の液晶層側の表面までの高さよりも高くできる。すなわち、位相差層を厚く形成することにより、その位相差層によってマルチギャップ構造を確実に形成できる。
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の液晶装置を有することを特徴とする。本発明に係る液晶装置では、第1電極と第2電極の間に設けられた絶縁層を位相差層を用いて形成することにより、液晶装置を形成する工程を削減することができる。従って、この液晶装置を用いて形成される電子機器においても、その製造工程を削減できる。
(液晶装置の第1実施形態)
以下、液晶装置の一例として、半透過反射型でカラー表示が可能なアクティブマトリクス方式の液晶装置に本発明を適用した場合を例に挙げて本発明の実施形態を説明する。また、本実施形態では、チャネルエッチ型でシングルゲート構造のポリシリコンTFT素子をスイッチング素子として用いた液晶装置に本発明を適用する。また、本実施形態における液晶装置では、動作モードとしてFFS(Fringe Field Switching)モードを採用するものとする。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、以下の説明で用いる図面では、特徴部分を分かり易く示すために、複数の構成要素の寸法を実際とは異なった比率で示す場合がある。
図1は本発明に係る液晶装置の一実施形態を示している。図1において、液晶装置1は、電気光学パネルである液晶パネル2と照明装置3とを有する。この液晶装置1に関しては、矢印Aが描かれた側が観察側であり、上記の照明装置3は液晶パネル2に関して観察側と反対側に配置されてバックライトとして機能する。照明装置3は、光源としてのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)4と、透光性の樹脂によって形成された導光体5とを有する。LED4から出射した光は導光体5の光入射面5aから導光体5の内部へ取り込まれ、光出射面5bから面状の光となって液晶パネル2へ供給される。照明装置3は、LED4のような点状光源を用いたものでなく、冷陰極管のような線状光源を用いたものでも良い。
液晶パネル2は、基板法線方向(矢印A方向)から見て長方形又は正方形で環状(すなわち枠状)のシール材7によって互いに貼り合わされた基板8及び基板9を有する。基板8はスイッチング素子が形成される素子基板である。基板9はカラーフィルタが形成されるカラーフィルタ基板である。本実施形態では、観察側にカラーフィルタ基板9が配置され、観察側から見て背面に素子基板8が配置される。シール材7は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性の樹脂、例えばエポキシ系樹脂によって形成されており、例えばスクリーン印刷によって所望の環状に形成されている。
液晶パネル2の内部であってシール材7に囲まれた領域内において、複数の互いに平行な走査線11が行方向X(後述するサブ画素Pの短手方向)へ延びて設けられている。また、走査線11(行方向X)と交差した方向で複数の互いに平行な信号線12が列方向Y(サブ画素Pの長手方向)へ延びて設けられている。複数の走査線11と複数の信号線12とによって囲まれる複数のドット状(すなわち島状)の領域が矢印A方向から見て行列状(いわゆるマトリクス状)に並んでいる。そして、これらの各領域内にサブ画素Pが設けられる。これらのサブ画素Pが行列状に並ぶことによって表示領域Vが形成されている。なお、図1ではサブ画素Pを実際のものよりも拡大して模式的に示している。また、表示が観察されるのは液晶パネル2の最も外側の面であり、表示領域Vはその平面内に形成された領域である。行方向X及び列方向Yは、それぞれ、観察者が液晶パネル2の画像表示を見たときに横方向及び縦方向となる方向である。
サブ画素Pは明表示(白表示)及び暗表示(黒表示)のスイッチングの単位となる領域であり、このサブ画素Pが複数集まって表示の単位となる1画素が形成される。例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各1色に対応してサブ画素Pが形成され、R、G、B3色の個々に対応する3つのサブ画素Pが集まって1画素が形成される。また、R、G、Bの3色に他の1色(例えば、青緑)を加えた4色のサブ画素Pが集まって1画素が形成されることもある。本実施形態では、R,G,Bの3色のサブ画素によって1画素が形成されるものとする。
素子基板8はカラーフィルタ基板9の外側に張り出した張出し部を有しており、その張出し部上に駆動用IC13がACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)を用いたCOG(Chip On Glass)技術によって実装されている。駆動用IC13は外部の制御回路から制御信号を入力し、走査線11へ走査信号を供給し、信号線12へデータ信号を供給する。駆動用IC13はCOG技術によって液晶パネル2に接続されることに限られず、FPC(Flexible Printed Circuit:可撓性配線)基板を介して液晶パネル2へ接続することもできる。
図2は、図1の素子基板8上の1画素近傍の平面構造を液晶層側の基板法線方向(矢印A方向)から見た状態を示している。図3は、図1に示すカラーフィルタ基板9の1画素近傍の平面構造を観察側(すなわち液晶層と反対側)の基板法線方向から見た状態を示している。つまり、図3は図2と同じ側からカラーフィルタ基板9を見た状態を示している。図4は、図2におけるZ−Z線に従った1つのサブ画素Pの行方向Yに沿った断面構造を示している。
図1において、素子基板8とカラーフィルタ基板9との間には所定厚さの間隙、いわゆるセルギャップが形成されている。このセルギャップの厚さは、シール材7の中に含まれているギャップ材と、素子基板8又はカラーフィルタ基板9の表面に置かれたスペーサ10(図2参照)とによって維持される。本実施形態において、スペーサ10はフォトリソグラフィ処理によって基板8又は基板9上に、例えば柱状に形成されている。なお、スペーサは球状部材を基板8又は基板9上に分散して形成しても良い。このようにして形成されるセルギャップが図4において符号Gで示されている。このセルギャップGの中に電気光学物質である液晶が注入されて液晶層14が形成されている。
本実施形態では、液晶として正の誘電率異方性(Δε>0)を持つネマティック液晶(いわゆる、ポジ液晶)を用いるものとする。符号19は液晶内に含まれる液晶分子を模式的に示している。本実施形態では、液晶分子19の初期配向はラビングによりホモジニアス配向、すなわち素子基板8及びカラーフィルタ基板9に対して平行配向に設定されている。なお、ここでいう平行配向とは、液晶分子が基板に対して所定のプレチルト角を持っている場合を含む意味である。液晶層厚は5μmとする。
素子基板8は基板法線方向(矢印A方向)から見て長方形又は正方形の第1基板としての第1の透光性基板15を有する。この第1透光性基板15は、例えば透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成されている。第1透光性基板15の外側表面には第1偏光板16が貼り付けられている。一方、カラーフィルタ基板9は基板法線方向から見て長方形又は正方形の第2基板としての第2の透光性基板17を有する。この第2透光性基板17は、例えば透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成されている。第2透光性基板17の外側表面には第2偏光板18が貼り付けられている。
第1透光性基板15の内側表面(すなわち液晶側表面)に、ゲート線20及び共通線21が設けられている。ゲート線20は、図2に示すように、複数本が互いに平行に行方向Xに延びて形成されている。共通線21は、複数本がゲート線20と平行に行方向Xに延びて形成されている。ゲート線20は、図1の走査線11として機能する。
図4において、ゲート線20及び共通線21の上に、これらを被覆する面状の樹脂膜であるゲート絶縁膜23が形成され、その上にソース線24が列方向Yに延びて形成されている。ソース線24は、図1の信号線12として機能する。図2において、ゲート線20とソース線24とによって囲まれる長方形状の領域がサブ画素Pの領域である。本実施形態ではR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色によってカラー表示を行うものとしており、サブ画素Pは個々の色に対応した単位画素であり、行方向に並ぶそれら3つの色に対応する3つのサブ画素Pの集まりによって表示の単位である1画素Pxが構成される。符号(R)、(G)、(B)はそれぞれ赤色のサブ画素P(R)、緑色のサブ画素P(G)、青色のサブ画素P(B)が列方向に一列に並べられることを示している。
ゲート線20とソース線24との交差部分の近傍に、スイッチング素子として機能するアクティブ素子であるTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)素子25が設けられている。TFT素子25は、ボトムゲート構造及びシングルゲート構造のチャネルエッチ型のポリシリコンTFTとして形成されている。このTFT素子25は、図4において、ゲート線20の一部分であるゲート電極20aと、ゲート絶縁膜23と、ポリシリコンを用いて形成された半導体膜26と、ソース電極27と、そしてドレイン電極28とを有する。ソース電極27及びドレイン電極28は、スイッチング素子であるTFT素子25の電極端子である。ソース電極27は、図2に示すように、ソース線24から分岐して形成されている。本実施形態のTFT素子25はボトムゲート構造であるが、これをトップゲート構造とすることもできる。
図4において、TFT素子25及びソース線24を被覆するための面状の樹脂膜であるパッシベーション膜(保護膜)29がゲート絶縁膜23の上に設けられている。パッシベーション膜29の上にはオーバーレイヤ30が設けられ、その上に光反射膜36が設けられ、その上に第1電極としての共通電極22が設けられている。共通線21の上部領域においてゲート絶縁膜23、パッシベーション膜29及びオーバーレイヤ30を貫通するスルーホール33aが形成され、このスルーホール33aを介して共通電極22と共通線21とが導電接続されている。
共通電極22の上には絶縁層34が設けられ、その上に第2電極としての画素電極31が設けられている。本実施形態において、絶縁層34は、共通電極22と画素電極31との間に介在する絶縁層としての機能と、視野角等といった表示の特性を補償する位相差層としての機能とを兼ね備えている。この絶縁層34に関しては後に詳しく説明する。
画素電極31及び絶縁層34の上には素子基板8の面内全域にわたって第1配向膜32が設けられている。第1配向膜32の表面には配向処理、例えばラビングが施される。図2では第1配向膜32の図示を省略している。図4において、TFT素子25のドレイン電極28の上部領域においてパッシベーション膜29、オーバーレイヤ30及び絶縁層34を貫通するスルーホール33bが形成され、このスルーホール33bを介して画素電極31とドレイン電極28とが導電接続されている。
本実施形態では、図2においてソース線24が信号線であってその信号線からTFT素子25のソース電極27が延びており、TFT素子25のドレイン電極28が画素電極31に接続される構成となっている。これに代えて、信号線24につながる電極がドレイン電極28であり、画素電極31につながる電極がソース電極29であるとすることもできる。
オーバーレイヤ30は、図4に示すように、光反射膜36が設けられる部分の膜厚が他の部分に比べて薄く形成されている。このように膜厚が薄い部分は、例えばオーバーレイヤ30の表面をフォトリソグラフィ処理によってパターニングすることにより形成される。膜厚が厚い部分と膜厚が薄い部分の境界には段差面が形成されている。
また、オーバーレイヤ30の膜厚が薄い部分の表面には、複数の凹部又は凸部から成る凹凸形状パターン37が形成されている。この凹凸形状パターン37は、例えば、オーバーレイヤ30の表面をフォトリソグラフィ処理によってパターニングすることにより形成される。このパターニングは、上記のオーバーレイヤ30の膜厚を薄くする際のパターニングと同時に行うことができる。
光反射膜36は、例えばAl(アルミニウム)等をフォトエッチング処理することによって形成されている。この光反射膜36は、図2に示すように、個々のサブ画素P内に島状に形成されている。図4において、光反射膜36は、オーバーレイヤ30に形成された凹凸形状パターン37上に形成される。これにより、光反射膜36の表面にも凹凸形状パターンが形成される。このように光反射膜36の表面に凹凸形状パターン37を形成することにより、光反射膜36において反射する光を散乱させることができる。
共通電極22及び画素電極31は、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム・スズ酸化物)等といった透光性の金属酸化物をフォトエッチング処理することによって形成されている。ゲート絶縁膜23、パッシベーション膜29、オーバーレイヤ30は、例えば、アクリル系樹脂、SiN(窒化シリコン)、又はSiO(酸化シリコン)等によって形成されている。第1配向膜32は、例えばポリイミドによって形成されている。この第1配向膜32の液晶層側の表面には、オーバーレイヤ30の段差面に従った段差面が形成されている。本実施形態において、オーバーレイヤ30の膜厚が薄い部分は、行方向Xに延びる帯状に形成されており、複数のサブ画素Pにわたって連続して設けられている。なお、オーバーレイヤ30の膜厚が薄い部分は、素子基板8の光反射膜36に対応した領域に部分的に設けることもできる。
本実施形態において、光反射膜36に対応する領域が反射表示領域Rであり、反射表示領域R以外で共通電極22と画素電極31とが平面視で重なり合う領域が透過表示領域Tである。図4において基板の法線方向(矢印A方向)から入射した外部光Lは反射表示領域Rにおいて光反射膜36で反射する。一方、図1の照明装置3から出射した図4の光Lは、透過表示領域Tを透過する。
画素電極31は、図2に示すように、サブ画素Pに対応して長方形状の平面形状に形成されており、その内部に複数の間隙であるスリット35を有している。スリット35は画素電極31を貫通する溝状の開口であり、当該スリット35を通して画素電極31の下層である絶縁層34を見ることができる。また、複数のスリット35は、サブ画素Pの短手方向(行方向X)に平行に延在し、長手方向(列方向Y)に沿って互いに間隔を空けて設けられている。これらのスリット35の間に帯状の電極線状部31aが形成されている。なお、本明細書の図面に示すスリット35及び電極線状部31aは模式的に描かれており、それらの実際の数は図示のものと異なることもある。
本実施形態ではスリット35の両短辺が閉じた状態となっているが、スリット35の両短辺の一方は開放状態とすることができる。この開放状態の場合には、複数の電極線状部31aのそれぞれは片持ち梁の状態となり、全体的には櫛歯形状となる。また、スリット35の両短辺を開放状態とすることもできる。以上のように本実施形態では、サブ画素Pにおいて1つの基板である素子基板8上に一対の電極である共通電極22及び画素電極31の両電極が設けられており、両電極間に所定の電圧を印加することにより素子基板8の表面に略平行な電界、いわゆる横電界が形成され、この横電界によって液晶層14内の液晶分子19の配向が基板8と略平行な面内で制御される。
図4において第2透光性基板17の内側表面(すなわち液晶側表面)には、カラーフィルタを構成する着色膜41が形成され、その周囲に遮光膜42が形成されている。個々の着色膜41は基板17の法線方向から見て図3に示すように、サブ画素Pに対応する長方形又は正方形のドット状(すなわち島状)に形成されている。また、着色膜41は複数個が行方向X及び列方向Yにマトリクス状に配列されている。遮光膜42はそれらの着色膜41を囲む格子状に形成されている。
着色膜41の個々はR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の1つを通過させる光学的特性に設定され、それらR,G,Bの着色膜41がストライプ配列で並べられている。着色膜41は、例えば、感光性樹脂材料に顔料や染料を混合することによって形成されている。本明細書において符号41に添えられた(R)、(G)、(B)の符号は、それぞれ、着色膜の色が赤色、緑色、青色であることを示している。ストライプ配列は、列方向YにR,G,Bの同色が並び、行方向XにR,G,Bが1色ずつ順々に交互に並ぶ配列である。ストライプ配列に代えてその他の配列、例えばモザイク配列、デルタ配列で各色の着色膜41を並べることもできる。なお、着色膜41の光学的特性は、R,G,Bの3色に限られず、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色とすることもでき、あるいは、その他の4色以上とすることもできる。遮光膜42は、遮光性を有した樹脂、例えばカーボン等を含んだ黒色の樹脂によって形成されている。なお、遮光膜42は異なる色の着色膜41を2色又は3色重ねることによって樹脂膜として形成することもできる。また、遮光膜42はCr(クロム)等といった金属膜によって形成することもできる。
なお、R,G,Bの着色領域は、波長に応じて色相が変化する可視光領域(380〜780nm)のうち、赤系の色相の着色領域、緑系の色相の着色領域、青系の色相の着色領域から成る領域である。例えば、「B」は波長のピークが415〜500nm、「G」は波長のピークが485〜535nm、「R」は波長のピークが600nm以上、のそれぞれの領域にある着色領域である。もちろん、本発明は着色領域を限定するものではないので、必要に応じて、その他の任意の波長領域を選定できる。
図4において、着色膜41及び遮光膜42の上にオーバーコート層43が形成され、その上に層厚調整膜45が形成され、その上に第2配向膜44が形成されている。オーバーコート層43は、着色膜41及び遮光膜42を覆って面状(ベタ状)に設けられる層である。オーバーコート層43は、例えばアクリル系樹脂によって形成されている。このオーバーコート層43は、カラーフィルタの構成材料が液晶に混入することを防止する保護膜及びカラーフィルタの表面を平坦化する平坦化膜として機能する。また、配向膜44はポリイミドによって形成されてその表面に配向処理、例えばラビングが施される。
層厚調整膜45は、例えば、アクリル系樹脂、SiN(窒化シリコン)、又はSiO(酸化シリコン)等を用いて、フォトリソグラフィ法に基づいたパターニング手法によって反射表示領域Rに対応して形成される。層厚調整膜45の両端にはフォトリソグラフィ法に基づいたパターニング処理の際に段差面が形成される。
層厚調整膜45は、図4に示すように、オーバーコート層43上であって、素子基板8上の光反射膜36に対向した位置に設けられている。また、層厚調整膜45は、図3に示すように、行方向Xに延びる帯状に形成されており、複数のサブ画素Pにわたって連続して設けられている。なお、層厚調整膜45は、素子基板8の光反射膜36に対応した領域に島状に設けることもできる。図2では段差面と光反射膜36の端辺とがわずかにずれて描かれているが、実際には、段差面と光反射膜36の端辺は略重なっている。
本実施形態において、図4の層厚調整膜45は、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで液晶層14の層厚を異ならせる構造、いわゆるマルチギャップ構造を形成するための膜である。このマルチギャップ構造では、層厚調整膜45を用いて液晶層厚を調整することによって反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異なる最適リタデーション値を実現することができる。
具体的には、図4において、層厚調整膜45は反射表示領域Rに対応して設けられており、透過表示領域Tに対応する領域には設けられていない。このため、反射表示領域R内の液晶層14の層厚dは、透過表示領域T内の液晶層14の層厚dよりも薄くなっている。このように液晶層14の層厚の調整をすることにより、反射表示領域R内で光Lが液晶層14を2回通過する反射表示の場合と、透過表示領域T内で光Lが液晶層14を1回しか通過しない透過表示の場合とで、各々を最適なリタデーション(Δnd)にすることができる。但し、“Δn”は屈折率異方性、“d”は液晶層厚を示している。
次に、図4において、素子基板8側の第1配向膜32及びカラーフィルタ基板9側の第2配向膜44に施されるラビングの方向は、行方向Xに平行な逆平行(すなわちアンチパラレル)方向である。また、素子基板8側(観察背面側)の第1偏光板16及びカラーフィルタ基板9側(観察側)の第2偏光板18の各透過軸は互いに直角であり、観察側の第2偏光板18の透過軸は、配向膜44,32のラビング方向と平行であり、観察背面側の第1偏光板16の透過軸はラビング方向と直交している。本実施形態では、正の誘電率異方性を有する液晶を用いているので、配向膜32,44のラビング方向は、電極線状部31aの延在方向(行方向)Xに略平行な方向であって、平面的に見て所定角度、例えば15°程度の角度の方向である。従って、図2に示すように、液晶分子19は電極線状部31aに対して所定角度傾いた方向に配向されている。
以上のように構成された液晶装置1によれば、図1の液晶装置1が明るい室外や明るい室内に置かれる場合は、太陽光や室内光等といった外部光を用いて反射型の表示が行われる。一方、液晶装置1が暗い室外や暗い室内に置かれる場合は、照明装置3をバックライトとして用いて透過型の表示が行われる。
上記反射型表示を行う場合、図4において、観察側である矢印Aの方向からカラーフィルタ基板9を通して液晶パネル2内へ入射した外部光Lは、液晶層14を通過して素子基板8へ入った後、反射表示領域Rにおいて光反射膜36で反射して再び液晶層14へ供給される。他方、上記の透過型表示を行う場合、図1の照明装置3のLED4が点灯し、それからの光が導光体5の光入射面5aから導光体5へ導入され、さらに、光出射面5bから面状の光として出射する。この出射光は、図4の符号Lで示すように、透過表示領域Tにおいて光反射膜36が存在しない領域を通って液晶層14へ供給される。
図4において、画素電極31と面状の共通電極22とが絶縁層34を挟んで積層されている。共通電極22の形状は面状であるので、共通電極22と画素電極31の電極線状部31aとの間の基板面に沿った(すなわち、列方向Yに沿った)距離はゼロである。この状態で両電極間に所定の電圧が印加されると、間隙35の近傍で両電極間に横斜め電界Eが発生する。この横斜め電界Eは、液晶層14の厚さ方向と横方向(すなわち、列方向Y)の両方向にわたって斜めに進む電界、換言すれば放物線状の電界である。この横斜め電界Eによって、液晶層14内の液晶分子19の配向が基板水平面内で制御される。
この結果、液晶層14内に供給された光L又はLが液晶分子19の水平面内での配向に従ってサブ画素Pごとに変調される。この変調された光が、カラーフィルタ基板9の第2偏光板18を通過するとき、その第2偏光板18の偏光特性によりサブ画素Pごとに通過を規制され、カラーフィルタ基板9の表面に文字、数字、図形等といった像が表示され、これが矢印A方向から視認される。この場合、液晶分子の配向の制御は縦方向(基板に対して直角方向)の面内で行われるのではなく、横方向(基板に対して平行方向)の面内で行われるので、観察者が液晶パネル2の表示面を見る角度が斜めに傾いても、液晶分子を見る角度に変化はない。このため、本実施形態のFFSモードは広い視角特性を達成できる。
以下、図4に示す素子基板8に設けられた絶縁層34について詳しく説明する。図5は、図4における反射表示領域Rと透過表示領域Tの境界近傍を拡大して示している。
絶縁層34は、図4に示すように、共通電極22と画素電極31との間に、当該共通電極22の全体を覆うように形成されている。従って、絶縁層34は、サブ画素P内に、反射表示領域Rと透過表示領域Tにわたって連続して設けられている。
本実施形態の絶縁層34は、共通電極22と画素電極31とを電気的に絶縁する機能と、当該絶縁層34を通過する光に位相差を生じさせる位相差層としての機能とを有している。この絶縁層34の構成は以下の通りである。図5において、絶縁層34は、高分子液晶から成る膜34aと、当該高分子液晶膜34aと共通電極22との間に設けられた第3配向膜34bとを有している。高分子液晶膜34aは、液晶高分子を液晶状態で配向させ、その後、相変化、化学反応、溶媒除去等により液晶の配向状態を固定化した膜である。第3配向膜34bは、高分子液晶を所定方向に配向させるための膜である。
第3配向膜34bは、例えばポリイミド等といった有機膜を塗布、焼成することにより成膜される。第3配向膜34bの表面には配向処理が施される。この第3配向膜34bに対する配向処理には、例えばラビング法や光配向法等といった既知の手法を用いることができる。ラビング法とは、ラビング布を巻き付けた円筒状のローラを回転させながらそのローラを配向膜面の面内の所定方向へ移動させることにより、ローラに巻き付けたラビング布を配向膜の表面に擦りつけることによって配向処理を施す方法である。一方、光配向法とは、例えば直線偏光の紫外線を配向膜に照射してその配向膜の表面に異方性を生成することによって配向処理を施す方法である。
高分子液晶膜34aは、液晶高分子を厚さ2〜3μmで一様に形成した後にフォトリソグラフィ法に基づいたパターニング手法によって所定の形状にパターニングされる。本実施形態では、ドレイン電極28と画素電極31とを導電接続するためのスルーホール33bを除いて、反射表示領域Rと透過表示領域T(サブ画素Pの全域)にわたって形成される。この高分子液晶膜34aは、例えば以下の方法により形成できる。まず、分子の末端に光反応性のアクリル基を有する液晶と反応開始剤とを有機溶媒中に含む溶液を第3配向膜34b上に塗布し、その後加熱して有機溶媒を除去する。この時点で、光反応性液晶は第3配向膜34bに施された配向処理の方向を向いて配向している。次に、紫外線を照射してアクリル基を光重合して成膜化する。以上により、液晶高分子が所定方向に配向された高分子液晶膜34aが形成される。
本実施形態において、高分子液晶膜34aと第3配向膜34bから成る位相差層としての絶縁層34は、そのリタデーション(Δnd)が2分の1波長に設定されている。また、反射表示領域Rの液晶層14のリタデーション(Δnd)は4分の1波長に設定されている。このことにより反射表示領域R内の絶縁層34と液晶層14により、反射表示領域Rのリタデーション(Δnd)を反射表示に最適な広帯域の4分の1波長とすることができる。なお、絶縁層34のリタデーションは、高分子液晶膜34aを形成する際に塗布する溶液の濃度及び塗布条件を適宜調整して、高分子液晶膜34aの膜厚を調整することによって設定できる。
ところで、従来の液晶装置では、基板を構成する複数の要素(基板要素)の上に、別途、専用の膜として位相差層を形成している。そのため位相差層を形成する工程が必要になり、製造工程が増えることになる。その結果、液晶装置の製造コストが増えることが考えられる。
これに対し、本実施形態では、図5に示すように、共通電極22と画素電極31の間に設けられた絶縁層34を位相差層として形成することにした。すなわち、共通電極22と画素電極31の間に絶縁層としての機能と位相差層としての機能を兼ねた層34を設けることにした。こうすれば、絶縁層34以外に位相差層を別途形成する必要がないので、位相差層を形成する工程を増やすことなく液晶装置1を形成できる。その結果、液晶装置1の製造コストを増やすことなく位相差層を設けることができる。
(液晶装置の第2実施形態)
次に、本発明に係る液晶装置の第2の実施形態を説明する。本実施形態に係る液晶装置の全体的な構成は図1に示した第1実施形態の場合と同じである。また、液晶装置を構成する液晶パネルの平面構造も、図2及び図3に示す平面図と同じである。また、図2及び図3におけるZ−Z線に従った1つのサブ画素Pの列方向Yに沿った断面構造も、第1実施形態において図4及び図5に示した断面構造と同じである。本実施形態においても先の第1実施形態と同じく図1〜図5の各図を用いて説明する。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は次の点である。第1実施形態では、図4の絶縁層34として位相差層を反射表示領域Rと透過表示領域Tにわたって形成し、その位相差特性を反射表示領域Rと透過表示領域Tとで同じ特性に設定している。これに対して本実施形態では、図4の絶縁層54の位相差層としての光学特性(位相差特性)を反射表示領域R内と透過表示領域T内とで異ならせている。以下、本実施形態の液晶装置について詳しく説明する。
本実施形態において、反射表示領域R内における絶縁層54の光学特性は、第1実施形態の絶縁層34と同じである。すなわち、反射表示領域R内において、絶縁膜54は位相差層としての機能を有し、そのリタデーション(Δnd)が2分の1波長に設定されている。反射表示領域Rの液晶層14のリタデーション(Δnd)は、カラーフィルタ基板9の層厚調整膜45によって、4分の1波長に設定されている。従って、反射表示領域R内の絶縁層54と液晶層14により、反射表示領域Rのリタデーション(Δnd)は反射表示に最適な広帯域の4分の1波長に設定されている。
一方、透過表示領域T内における絶縁層54の光学特性は、絶縁層54を透過する光に位相差を発生させないように設定されている。その結果、透過表示領域Tにおける液晶層14のリタデーション(Δnd)は透過表示に最適な値、例えば2分の1波長に設定される。すなわち、透過表示領域Tと反射表示領域Rとのリタデーションの差が4分の1波長に設定される。
上記のように、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで絶縁層54の光学特性を異ならせるには、絶縁層54を構成する高分子液晶膜54aの配向状態を、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異ならせることにより実現できる。すなわち、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで第3配向膜54bの配向処理を変えることで実現できる。
具体的には、まず、反射表示領域R内の第3配向膜54aに対しては、第1実施形態と同様に、所定方向に配向処理が施される。これにより、高分子液晶膜54aの液晶高分子が所定の方向に配向され絶縁層54に光学的異方性が付与される。すなわち、絶縁層54に位相差層としての機能が付与される。一方、透過表示領域T内の第3配向膜54bに対しては、ランダムな方向(一定でない方向、又は無作為な方向)に配向処理が施される。これにより、高分子液晶層54aの液晶高分子がランダムな方向に配向され、絶縁層54に光学的異方性が付与されなくなる。すなわち、絶縁層54において位相差が生じなくなる。
以上により、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで絶縁層54の光学特性を異ならせることができる。こうすれば、反射表示領域Rのリタデーションと、透過表示領域Tのリタデーションとを個々に最適に設定することができる。具体的には、反射表示領域Rでは、絶縁層54のリタデーション(Δnd)を2分の1波長とし、液晶層14のリタデーションを4分の1波長とすることにより、反射表示領域Rのリタデーション(Δnd)を反射表示に最適な広帯域の4分の1波長とすることができる。一方、透過表示領域Tでは絶縁層54に光学的異方性を付与しないことにより、絶縁層54において視角方向に余分な位相差が発生することがなくなるので、透過型表示の視角特性が低下することを防止できる。
なお、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで絶縁層54の光学特性を異ならせることは、第3配向膜54bの配向処理を反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異ならせることにより容易に行うことができる。また、絶縁層54以外の要素を別途設ける必要がないので、製造工程を増やすことなく、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異なる光学特性に設定できる。
(液晶装置の第3実施形態)
次に、本発明に係る液晶装置の第3の実施形態を説明する。本実施形態に係る液晶装置の全体的な構成は図1に示した第1実施形態の場合と同じである。また、液晶装置を構成する液晶パネルの平面構造も、図2及び図3に示す平面図と同じである。図6及び図7は本第3実施形態を示している。図6は、図2及び図3におけるZ−Z線に従った1つのサブ画素Pの列方向Yに沿った断面構造を示している。図7は、図6の反射表示領域Rと透過表示領域Tの境界近傍を拡大して示している。
本実施形態が第1実施形態と異なる点は次の点である。第1実施形態では、図4の絶縁層34を反射表示領域Rと透過表示領域Tにわたって形成している。これに対して本実施形態では、絶縁層の構成に改変を加えている。以下、本実施形態の液晶装置について詳しく説明する。なお、図4又は図5に示す要素と図6又は図7に示す要素とが同じものである場合はそれらを同じ符号によって示すものとする。
図6において、共通電極22と画素電極31の間には、絶縁層63が設けられている。この絶縁層63は、反射表示領域Rと透過表示領域Tとでそれぞれ異なる膜要素によって構成されている。反射表示領域R内の絶縁層63は、位相差層64によって形成されている。一方、透過表示領域T内の絶縁層63は、樹脂膜65によって構成されており、この透過表示領域T内に位相差層64は設けられていない。なお、反射表示領域R及び透過表示領域T以外の領域、例えば互いに隣接するサブ画素P同士の間の領域(すなわち、遮光膜42に平面的に重なる領域)では、樹脂膜65によって絶縁層64が構成されている。樹脂膜65は、例えばアクリル等といった感光性樹脂を、例えばスパッタ処理によって成膜し、フォトリソグラフィ処理によって所定のパターンに形成できる。
位相差層64は、光反射膜36に平面視で重なる位置に形成される。なお、位相差層64は、複数のサブ画素Pにわたって行方向X(紙面垂直方向)に帯状に形成することもできるし、個々のサブ画素P内に光反射膜36に対応して島状に形成することもできる。位相差層64を島状に形成する場合には、行方向X(すなわち、図2におけるサブ画素Pの短手方向)において互いに隣接する位相差層64同士の間には、樹脂膜65が設けられることになる。
位相差層64は、図5に示す絶縁層34と同じ構造とすることができる。すなわち、図7に示すように、高分子液晶から成る膜64aと、当該高分子液晶膜64aと共通電極22との間に設けられた第3配向膜64bとを有している。第3配向膜64bは所定の方向に配向処理が施され、その配向の方向に従って、高分子液晶膜64aの液晶高分子が所定方向に配向されている。
本実施形態において、高分子液晶膜64aと第3配向膜64bから成る位相差膜64は、そのリタデーション(Δnd)が2分の1波長に設定されている。また、反射表示領域Rの液晶層14のリタデーション(Δnd)は4分の1波長に設定されている。このことにより反射表示領域R内の位相差膜64と液晶層14により、反射表示領域Rのリタデーション(Δnd)を反射表示に最適な広帯域の4分の1波長とすることができる。一方、透過表示領域Tに絶縁層として設けられた樹脂膜65は、その樹脂膜65を透過する光に位相差を発生させないので、透過表示領域Tにおいて視角方向に余分な位相差が発生することがなく、透過型表示の視角特性が低下することを防止できる。
(液晶装置の第4実施形態)
次に、本発明に係る液晶装置の第4の実施形態を説明する。本実施形態に係る液晶装置の全体的な構成は図1に示した第1実施形態の場合と同じである。図8は、本実施形態における液晶装置の1つのサブ画素P近傍の断面構造を示している。また、図9は、図8の反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界近傍を拡大して示している。
本実施形態が上記の各実施形態と異なる点は次の点である。上記の各実施形態では、図4又は図6に示すように、カラーフィルタ基板9に設けられた層厚調整膜45によってマルチギャップ構造を形成している。これに対し本実施形態では、図8に示すように、絶縁層73を構成する位相差層74を用いてマルチギャップ構造を形成する。すなわち、共通電極と画素電極の間の絶縁層が位相差層と層厚調整膜とに兼用される。以下、本実施形態の液晶装置について詳しく説明する。なお、図4又は図5に示す要素と図8又は図9に示す要素とが同じものである場合はそれらを同じ符号によって示すものとする。
図8において、カラーフィルタ基板9は、第2透光性基板17の内側表面に、着色膜41と、その着色膜41の周囲に格子状に形成された遮光膜42と、着色膜41及び遮光膜42を覆うオーバーコート層43と、オーバーコート層43上に設けられた第2配向膜44とを有する。この基板9は、図4に示す第1実施形態のカラーフィルタ基板9において層厚調整膜45を除いた構成であり、その他の基板要素の構成は図4のカラーフィルタ基板9と同じである。
図8において、素子基板8は、絶縁層73の構成を除いて、図6に示す第3実施形態の素子基板8と同じ構成である。すなわち、図8において、共通電極22と画素電極31の間には、反射表示領域R内に位相差層74が設けられ、透過表示領域Tに樹脂膜65が設けられている。なお、反射表示領域R及び透過表示領域T以外の領域、例えば互いに隣接するサブ画素P同士の間の領域(すなわち、遮光膜42に平面的に重なる領域)には樹脂膜65が設けられている。
位相差層74は樹脂膜65に比べて基板垂直方向に厚く形成されている。これにより、位相差層74の液晶層側の表面は樹脂膜65の液晶層側の表面に比べて高く形成され、反射表示領域Rと透過表示領域Tとの境界に段差が形成されている。従って、液晶層14の層厚が反射表示領域Rと透過表示領域Tとで異なっている。すなわちマルチギャップ構造が形成されている。
具体的には、反射表示領域R内の液晶層14の層厚dは、透過表示領域T内の液晶層14の層厚dよりも薄くなっている。このように液晶層14の層厚の調整をすることにより、反射表示領域R内で光Lが液晶層14を2回通過する反射表示の場合と、透過表示領域T内で光Lが液晶層14を1回しか通過しない透過表示の場合とで、各々を最適なリタデーション(Δnd)にすることができる。本実施形態では、反射表示領域R内における液晶層14のリタデーション(Δnd)を4分の1波長に設定している。
位相差層74は、上記の各実施形態と同様に、図9に示すように、高分子液晶膜74aと第3配向膜74bによって構成されている。第3配向膜74bは所定の方向に配向処理が施され、その配向の方向に従って、高分子液晶膜74aの液晶高分子が所定方向に配向されている。この位相差層74のリタデーションは2分の1波長に設定されている。
位相差層74と樹脂膜65の構成を上記の関係に設定することにより、素子基板8の基板要素の構成は、反射表示領域Rと透過表示領域Tとで以下の通りに設定される。
図9において、反射表示領域R内における第1透光性基板15の表面から共通電極22の液晶層側の表面までの高さH1は、透過表示領域T内における第1透光性基板15の表面から共通電極22の液晶層側の表面までの高さH2よりも低くなっている(H1<H2)。また、反射表示領域R内における第1透光性基板15の表面から画素電極31の液晶層側の表面までの高さH3は、透過表示領域T内における第1透光性基板15の表面から画素電極31の液晶層側の表面までの高さH4よりも高くなっている(H4<H3)。
上記のように反射表示領域Rと透過表示領域Tとで基板要素の高さH1,H2,H3,H4が異なる構造は、第1透光性基板15上の反射表示領域Rと透過表示領域Tの境界部分に段差を設けることにより形成される。この段差は、オーバーレイヤ30の反射表示領域Rに対応する領域を、例えばフォトリソグラフィ処理等によりパターニングすることにより形成できる。なお、反射表示領域R内の光反射膜36には凹凸パターン37が形成されるのであるが、その凹凸パターン37はオーバーレイヤ30の表面に凹凸パターンをパターニングし、その上に光反射膜36を形成することにより形成される。この凹凸パターン37をパターニングする際にオーバーレイヤ30の段差を同時に形成することもできる。
本実施形態において、高分子液晶膜74aと第3配向膜74bから成る位相差膜74は、そのリタデーション(Δnd)が2分の1波長に設定され、反射表示領域R内の液晶層14のリタデーション(Δnd)は4分の1波長に設定されている。このことにより反射表示領域R内の位相差膜74と液晶層14により、反射表示領域Rのリタデーション(Δnd)を反射表示に最適な広帯域の4分の1波長とすることができる。一方、透過表示領域Tに設けられた樹脂膜65は、その樹脂膜65を透過する光に位相差を発生させないので、透過表示領域Tにおいて視角方向に余分な位相差が発生することがなく、透過型表示の視角特性が低下することを防止できる。
また、図9に示すように、位相差層74の厚みを厚く形成することにより、反射表示領域R内の液晶層厚dを透過表示領域T内の液晶層厚dより薄くして、いわゆるマルチギャップ構造を形成している。つまり、位相差層74が層厚調整膜の機能を兼ねている。これにより、層厚調整膜を別途形成する必要がないので、液晶パネルの内側に位相差層を有する液晶装置において、製造工程を増やすことなくマルチギャップ構造を形成することができる。
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、以上の各実施形態では、位相差層を1層で形成していた。これに代えて、位相差層を2層以上の多層に形成することもできる。この場合、位相差層は、リタデーションが2分の1波長のものと4分の1波長のものとが組み合わせて形成される。
また、上記の各実施形態では、液晶パネルの動作モードとしてFFSモードを例示したが、IPSモードを動作モードとすることもできる。IPSモードは共通電極の電極線状部と画素電極の電極線状部とが基板表面に沿って比較的広い間隔(例えば液晶層の層厚よりも広い間隔)で設けられていて、画素電極の直上領域には電界が形成され難い電極構造を有するモードである。これに対し、FFSモードは、画素電極の電極線状部が共通電極と平面視で重なり合うことにより、画素電極の直上領域にも電界が形成される電極構造を有するモードである。
(電子機器の第1実施形態)
以下、本発明に係る電子機器の一実施形態を説明する。なお、この実施形態は本発明の一例を示すものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。図10は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、液晶装置101と、これを制御する制御回路102とを有する。液晶装置101は液晶パネル103及び駆動回路104を有する。また、制御回路102は、表示情報出力源105、表示情報処理回路106、電源回路107及びタイミングジェネレータ108によって構成される。
表示情報出力源105は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種ディスク等といったストレージユニットや、ディジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ108により生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路106に供給する。
表示情報処理回路106は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路104へ供給する。ここで、駆動回路104は、走査線駆動回路やデータ線駆動回路と共に、検査回路等を総称したものである。また、電源回路107は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
液晶装置101は、例えば、図1に示した液晶装置1を用いて構成できる。図1の液晶装置1では、図4に示すように共通電極22と画素電極31の間に設けられた絶縁層を位相差層34を用いて形成することにより、液晶装置を形成する工程を削減することができる。従って、この液晶装置を用いて形成される電子機器においても、その製造工程を削減できる。
(電子機器の第2実施形態)
図11は、本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機110は、本体部111と、この本体部111に対して開閉可能に設けられた表示体部112とを有する。表示体部112には表示装置113及び受話部114が設けられる。電話通信に関する各種表示は、表示装置113の表示画面115に表示される。表示装置113の動作を制御するための制御部は、携帯電話機の全体の制御を司る制御部の一部として、又はその制御部とは別に、本体部111又は表示体部112の内部に格納される。本体部111には操作ボタン116及び送話部117が設けられる。
表示装置113は、例えば、図1に示した液晶装置1を用いて構成できる。図1の液晶装置1では、図4に示すように共通電極22と画素電極31の間に設けられた絶縁層を位相差層34を用いて形成することにより、液晶装置を形成する工程を削減することができる。従って、この液晶装置を用いて形成される電子機器においても、その製造工程を削減できる。
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明の電子機器を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。例えば、本発明は、携帯電話機に限られず、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話装置、POS端末、デジタルスチルカメラ、電子ブック、等といった各種の電子機器に適用できる。
本発明に係る液晶装置の一実施形態を示す斜視図である。 図1の液晶装置を構成する1つの基板上の1画素近傍を示す平面図である。 図1の液晶装置を構成する他の基板上の1画素近傍を示す平面図である。 図2及び図3のZD−ZD線に従った断面図である。 図4の反射表示領域と透過表示領域の境界近傍を拡大して示す断面図である。 本発明に係る液晶装置の他の実施形態の主要部を示す断面図である。 図6の反射表示領域と透過表示領域の境界近傍を拡大して示す断面図である。 本発明に係る液晶装置のさらに他の実施形態の主要部を示す断面図である。 図8の反射表示領域と透過表示領域の境界近傍を拡大して示す断面図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示す斜視図である。
符号の説明
1.液晶装置、 2.液晶パネル、 3.照明装置、 4.LED、 5.導光体、
5a.光入射面、 5b.光出射面、 7.シール材、 8.素子基板、
9.カラーフィルタ基板、 10.スペーサ、 11.走査線、 12.信号線、
14.液晶層、 15.第1透光性基板(第1基板)、 16.第1偏光板、
17.第2透光性基板(第2基板)、 18.第2偏光板、 19.液晶分子、
20.ゲート線、 21.共通線、 22.共通電極、 22a.電極線状部、
23.ゲート絶縁膜、 24.ソース線、 25.TFT素子、 26.半導体膜、
27.ソース電極、 28.ドレイン電極、 29.パッシベーション膜、
30.オーバーレイヤ、 31.画素電極、 31a.電極線状部、
32.第1配向膜、 33a,33b.スルーホール、
34,54,64,74.位相差層(絶縁層)、
34a,54a,64a,74a.高分子液晶膜、
34b,54b,64b,74b.第3配向膜、 35.間隙、 36.光反射膜、
37.凹凸パターン、 41.着色膜、 42.遮光膜、 43.オーバーコート層、
44.第2配向膜、 45.層厚調整膜、 63,73.絶縁層、 65.樹脂膜、
101.液晶装置、 102.制御回路、 103.液晶パネル、 104.駆動回路、
110.携帯電話機(電子機器)、 G.セルギャップ、
H1,H3.反射表示領域内の膜要素の高さ、
H2,H4.透過表示領域内の膜要素の高さ、 R.反射表示領域、
T.透過表示領域、 P.サブ画素、 V.表示領域

Claims (10)

  1. 互いに対向する第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、
    前記第1基板の液晶層側に設けられた第1電極と、
    前記第1電極を覆って前記第1基板上に設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層上に設けられ、間隙を有して平行に配列された複数の電極線状部を備え、前記第1電極との間で電界を生じさせる第2電極と、を有し、
    前記絶縁層の平面内の一部又は全部は位相差層である
    ことを特徴とする液晶装置。
  2. 請求項1記載の液晶装置において、前記液晶層を挟持した前記第1基板と前記第2基板の平面領域内に配列された複数のサブ画素をさらに有し、該サブ画素内には、光反射膜が設けられた反射表示領域と光反射膜が設けられていない透過表示領域が設けられ、前記位相差層は前記反射表示領域に設けられることを特徴とする液晶装置。
  3. 請求項2記載の液晶装置において、前記位相差層は前記透過表示領域には設けられないことを特徴とする液晶装置。
  4. 請求項1記載の液晶装置において、前記液晶層を挟持した前記第1基板と前記第2基板の平面領域内に配列された複数のサブ画素をさらに有し、前記サブ画素内には、光反射膜が設けられた反射表示領域と光反射膜が設けられていない透過表示領域が設けられ、前記位相差層は前記反射表示領域と前記透過表示領域にわたって連続して設けられることを特徴とする液晶装置。
  5. 請求項4記載の液晶装置において、前記反射表示領域内の位相差層と前記透過表示領域内の前記位相差層とは、互いに異なる光学特性を有することを特徴とする液晶装置。
  6. 請求項5記載の液晶装置において、前記位相差層は、前記第1電極上に設けられた配向膜と、該配向膜上に設けられた高分子液晶膜と、を有し、前記反射表示領域内の前記配向膜は所定の方向に配向処理され、前記透過表示領域内の前記配向膜はランダムな方向に配向処理されることを特徴とする液晶装置。
  7. 請求項2から請求項6のいずれか1つに記載の液晶装置において、前記液晶層は、前記反射表示領域と前記透過表示領域とで異なる層厚に形成され、前記反射表示領域における前記液晶層の層厚は前記位相差層の厚さを変えることにより調整されることを特徴とする液晶装置。
  8. 請求項7記載の液晶装置において、
    前記反射表示領域内の前記液晶層の層厚は前記透過表示領域内の液晶層より薄く、
    前記反射表示領域内における前記第1基板の表面から前記第1電極の液晶層側の表面までの高さは、前記透過表示領域内における前記基板の表面から前記第1電極の液晶層側の表面までの高さよりも低く、
    前記反射表示領域内における前記第1基板の表面から前記第2電極の液晶層側の表面までの高さは、前記透過表示領域内における前記第1基板の表面から前記第2電極の液晶層側の表面までの高さよりも高い
    ことを特徴とする液晶装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の液晶装置において、前記反射表示領域内における前記位相差層のリタデーション(Δnd)は2分の1波長であることを特徴とする液晶装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1つに記載の液晶装置を有することを特徴とする電子機器。
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