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JP2008218387A - 非水系電解液 - Google Patents

非水系電解液 Download PDF

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JP2008218387A
JP2008218387A JP2007238391A JP2007238391A JP2008218387A JP 2008218387 A JP2008218387 A JP 2008218387A JP 2007238391 A JP2007238391 A JP 2007238391A JP 2007238391 A JP2007238391 A JP 2007238391A JP 2008218387 A JP2008218387 A JP 2008218387A
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fluorine
carbon atoms
alkyl group
formula
group
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JP2007238391A
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Meiten Ko
明天 高
Hitomi Nakazawa
瞳 中澤
Hideo Sakata
英郎 坂田
Michiru Tanaka
みちる 田中
Akiyoshi Yamauchi
昭佳 山内
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】低温でも相分離せず、また不燃(難燃)性や耐熱性に優れ、電解質塩の溶解性が高く、電池容量が向上し、レート特性に優れ、充放電サイクル特性に優れた非水系電解液を提供する。
【解決手段】(I)(A)含フッ素エーテル、含フッ素エステルおよび含フッ素カーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系溶媒、(B)非フッ素系環状カーボネート、および(C)非フッ素系鎖状エステルおよび/または非フッ素系鎖状エーテル
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに(II)電解質塩を含有する非水系電解液。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池用に適した電解液に関する。
リチウム二次電池用の非水系電解液に使用する電解質塩溶解用溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどのカーボネート類が汎用されている。しかしこれらの炭化水素系カーボネート類は引火点が低く燃焼性が高いため、特にハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池では、非水系電解液の不燃性の向上が安全確保の上で重要な課題となっている。
非水系電解液としての性能を落とさずに不燃性(難燃性)を高めるために、フッ素系溶媒を添加することも提案されている(特許文献1〜6)。
しかしこれらの特許文献では、電解質塩の溶解能が低く、優れた電解質塩であり汎用されているLiPF6やLiBF4を溶解することができず、また、粘度が高いためレート特性がわるくなるという問題がある。
このように、電解質塩の溶解性が良好で、不燃性(難燃性)でかつ充分な電池特性(充放電サイクル特性、放電容量など)を有する非水系電解液は開発されていないのが現状である。
特開平08−037024号公報 特開平09−097627号公報 特開平11−026015号公報 特開2000−294281号公報 特開2001−052737号公報 特開平11−307123号公報
本発明は、こうした従来の問題点を解決しようとするものであり、電解質塩の溶解性が良好で、不燃性(難燃性)でかつ充分な電池特性(充放電サイクル特性、放電容量など)を有する非水系電解液を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、含フッ素有機溶媒と非フッ素系環状カーボネートとを含む非水系電解液の場合、これに電解液特性に優れるといわれている鎖状カーボネートを加えるよりも、低粘度溶媒として非フッ素系の鎖状エステルまたは非フッ素系の鎖状エーテルを加える方が電池容量およびレート特性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(I)(A)含フッ素エーテル、含フッ素エステルおよび含フッ素カーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系溶媒、
(B)非フッ素系環状カーボネート、および
(C)非フッ素系鎖状エステルおよび/または非フッ素系鎖状エーテル
を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
(II)電解質塩
を含有する非水系電解液に関する。
本発明の非水系電解液において、電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、フッ素系溶媒(A)を20〜80体積%、非フッ素系環状カーボネート(B)を3〜40体積%および非フッ素系鎖状エステルおよび/または非フッ素系鎖状エーテル(C)を10〜77体積%含むことが、放電容量、レート特性、低温特性が良好な点から好ましい。
また、本発明において、(A)成分のフッ素系溶媒が、
式(A1):
Rf1ORf2
(式中、Rf1は炭素数3〜6の含フッ素アルキル基、Rf2は炭素数2〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
式(A2):
Rf3COORf4
(式中、Rf3は炭素数1〜2のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、Rf4は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基であって、Rf3およびRf4の少なくともいずれか一方は含フッ素アルキル基である)で示される含フッ素エステル、
および
式(A3):
Rf5OCOORf6
(式中、Rf5は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基、Rf6は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素カーボネート
よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが、難燃性、レート特性、耐酸化性が良好な点から好ましい。
さらに、本発明において、(B)成分の非フッ素系環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびビニレンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが、放電容量、サイクル特性が良好な点から好ましい。
またさらに、本発明において、(C)成分の非フッ素系鎖状エステルが、式(C1):
1COOR2
(式中、R1は炭素数1〜2のアルキル基;R2は炭素数1〜4のアルキル基)で示される化合物であり、
非フッ素系鎖状エーテルが、式(C2):
3OR4
またはR3−O−R4−O−R5
(式中、R3、R4およびR5は同じかまたは異なり、炭素数3〜6のアルキル基)で示される化合物であることが、レート特性、低温特性が良好な点から好ましい。
本発明において、電解質塩(II)が、LiPF6、LiN(SO2CF32およびLiN(SO2252よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが、サイクル特性が良好な点から好ましい。
また本発明において、電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して界面活性剤(D)を5質量%以下含有することが、レート特性、放電容量が良好な点から好ましい。
界面活性剤としては、式(D1a):
RfaCOO-+
(式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
式(D2a):
RfaSO3 -+
(式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩、さらには
式(D1b):
RfbCOO-+
(式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
式(D2b):
RfbSO3 -+
(式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩
であることが、サイクル特性が良好な点から好ましい。
本発明の非水系電解液は、リチウム二次電池用の非水系電解液として好適である。
また、本発明は、正極、負極、セパレータおよび本発明の非水系電解液を備え、該正極に使用する正極活物質が、コバルト系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物、マンガン系複合酸化物、鉄系複合酸化物およびバナジウム系複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であるリチウム二次電池に関する。
正極活物質と負極活物質との組合せとしては、正極活物質がコバルト酸リチウムで負極活物質が黒鉛の組合せ、正極活物質がニッケル系複合酸化物で負極活物質が黒鉛の組合せが容量が増大する点から好ましい。
本発明によれば、低温でも相分離せず、また不燃(難燃)性や耐熱性に優れ、電解質塩の溶解性が高く、電池容量が向上し、レート特性に優れ、充放電サイクル特性に優れた非水系電解液を提供することができる。
本発明の非水系電解液は、特定の成分を含む電解質塩溶解用溶媒(I)と電解質塩(II)とを含有する。
電解質塩溶解用溶媒(I)は、
(A)含フッ素エーテル、含フッ素エステルおよび含フッ素カーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系溶媒、
(B)非フッ素系環状カーボネート、および
(C)非フッ素系鎖状エステルおよび/または非フッ素系鎖状エーテル
を含む。
以下、各溶媒成分(A)〜(C)について説明する。
(A)含フッ素エーテル、含フッ素エステルおよび含フッ素カーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系溶媒:
フッ素系溶媒を含有させることにより、電解液を難燃化する作用や、低温特性を改善する作用、さらにはレート特性の向上、耐酸化性の向上といった効果が得られる。
含フッ素エーテルとしては、たとえば特開平08−037024号公報、特開平09−097627号公報、特開平11−026015号公報、特開2000−294281号公報、特開2001−052737号公報、特開平11−307123号公報などに記載された化合物が例示できる。
なかでも、式(A1):
Rf1ORf2
(式中、Rf1は炭素数3〜6の含フッ素アルキル基、Rf2は炭素数2〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテルが、他溶媒との相溶性が良好で適切な沸点を有する点から好ましい。
特にRf1としては、たとえばHCF2CF2CH2−、HCF2CF2CF2CH2−、HCF2CF2CF2CF2CH2−、CF3CF2CH2−、CF3CFHCF2CH2−、HCF2CF(CF3)CH2−、CF3CF2CH2CH2−、CF3CH2CH2−O−などの炭素数3〜6の含フッ素アルキル基が例示でき、また、Rf2としてはたとえば−CF2CF2H、−CF2CFHCF3、−CF2CF2CF2H、−CH2CH2CF3、−CH2CFHCF3、−CH2CH2CF2CF3などの炭素数2〜6の含フッ素アルキル基が例示できる。なかでもRf1は炭素数3〜4のエーテルであり、Rf2は炭素数2〜3の含フッ素アルキル基であることが、イオン伝導性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素エーテル(A1)の具体例としては、たとえばHCF2CF2CH2OCF2CF2H、CF3CF2CH2OCF2CF2H、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、CF3CF2CH2OCF2CFHCF3、HCF2CF2CH2OCH2CFHCF3、CF3CF2CH2OCH2CFHCF3などの1種または2種以上が例示でき、なかでもHCF2CF2CH2OCF2CF2H、CF3CF2CH2OCF2CF2H、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3、CF3CF2CH2OCF2CFHCF3が、他溶媒との相溶性が良好でレート特性も良好な点から特に好ましい。
含フッ素エステルとしては、式(A2):
Rf3COORf4
(式中、Rf3は炭素数1〜2のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、Rf4は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基であって、Rf3およびRf4の少なくともいずれか一方は含フッ素アルキル基である)で示される含フッ素エステルが、難燃性が高く、かつ他溶媒との相溶性が良好な点から好ましい。
Rf3としては、たとえばHCF2−、CF3−、CF3CF2−、HCF2CF2−、HCF2−、CH3CF2−、CF3CH2−、CH3−、CH3CH2−、などが例示でき、なかでもCF3−、HCF2−、CF3−が、レート特性が良好な点から特に好ましい。
Rf4としては、たとえば−CF3、−CF2CF3、−CH2CF3、−CH2CH2CF3、−CH(CF32、−CH2CF2CFHCF3、−CH225、−CH2CF2CF2H、−CH2CH225、−CH2CF2CF3、−CH2CF2CF2H、−CH2CF2CF2CF3などの含フッ素アルキル基、−CH3、−C25、−C37、−CH(CH3)CH3などの非フッ素アルキル基が例示でき、なかでも−CH2CF3、−CH225、−CH(CF32、−CH2CF2CF2H、−CH3、−C25が、他溶媒との相溶性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素エステル(A2)の具体例としては、
1.両方が含フッ素アルキル基であるもの:
CF3C(=O)OCH2CF3、CF3C(=O)OCH2CF2CF3、CF3C(=O)OCH2CF2CF2H、HCF2C(=O)OCH2CF3、HCF2C(=O)OCH2CF2CF3、HCF2C(=O)OCF2CF2
2.Rf3が含フッ素アルキル基であるもの:
CF3C(=O)OCH3、CF3C(=O)OCH2CH3、HCF2C(=O)OCH3、HCF2C(=O)OCH2CH3、CH3CF2C(=O)OCH3、CH3CF2C(=O)OCH2CH3、CF3CF2C(=O)OCH3、CF3CF2C(=O)OCH2CH3
3.Rf4が含フッ素アルキル基であるもの:
CH3C(=O)OCH2CF3、CH3C(=O)OCH2CF2CF3、CH3C(=O)OCH2CF2CF2H、CH3CH2C(=O)OCH2CF3、CH3CH2C(=O)OCH2CF2CF3、CH3CH2C(=O)OCH2CF2CF2
などの1種または2種以上が例示でき、なかでも、前記2.Rf3が含フッ素アルキル基であるもの、および3.Rf4が含フッ素アルキル基であるものが好ましく、なかでも、CF3C(=O)OCH3、CF3C(=O)OCH2CH3、HCF2C(=O)OCH3、HCF2C(=O)OCH2CH3、CH3C(=O)OCH2CF3、CH3C(=O)OCH2CF2CF3が、他溶媒との相溶性およびレート特性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素カーボネートとしては、たとえば式(A3):
Rf5OCOORf6
(式中、Rf5は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基、Rf6は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素カーボネートが、難燃性が高く、かつレート特性が良好な点から好ましい。
Rf5としては、たとえばCF3−、C25−、(CF32CH−、CF3CH2−、C25CH2−、HCF2CF2CH2−、CF2CFHCF2CH2−などが例示でき、Rf6としては、たとえばCF3−、C25−、(CF32CH−、CF3CH2−、C25CH2−、HCF2CF2CH2−、CF2CFHCF2CH2−などの含フッ素アルキル基、−CH3、−C25、−C37、−CH(CH3)CH3などの非フッ素アルキル基が例示できる。なかでもRf5としてはCF3CH2−、C25CH2−が、Rf6としてはCF3CH2−、C25CH2−、−CH3、−C25が、粘性が適切で、他溶媒との相溶性およびレート特性が良好な点から特に好ましい。
含フッ素カーボネート(A3)の具体例としては、たとえばCF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH2CF2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH2CH3などの含フッ素鎖状カーボネートの1種または2種以上が例示でき、なかでもCF3CH2OCOOCH2CF3、CF3CF2CH2OCOOCH2CF2CF3、CF3CH2OCOOCH3、CF3CH2OCOOCH2CH3が、粘性が適切で、難燃性、他溶媒との相溶性およびレート特性が良好な点から特に好ましい。また、たとえば特開平06−21992号公報、特開2000−327634号公報、特開2001−256983号公報などに記載された化合物も例示できる。
フッ素系溶媒(A)のうち、粘性が適切で、電解質塩の溶解性、レート特性が良好な点から含フッ素エーテル(A1)および含フッ素エステル(A2)が好ましい。
含フッ素エーテル(A1)、含フッ素エステル(A2)および含フッ素カーボネート(A3)は単独でも、併用してもよい。併用する場合、(A1)と(A2)の組合せ、(A1)と(A3)の組合せが、低粘性、他溶媒との相溶性が良好な点から好ましい。
(B)非フッ素系環状カーボネート:
非フッ素系環状カーボネート(B)は、本発明において必須の成分である。非フッ素系環状カーボネート(B)を含有させることにより、電解質塩(II)の溶解性の向上、イオン解離性の向上、サイクル特性の向上といった効果が得られる。
非フッ素系環状カーボネート(B)としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびビニレンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種が、イオン解離性、低粘性、誘電率が良好な点から好ましい。また、これらのうち、ビニレンカーボネートは負極の炭素表面の被膜形成材料として添加され、その添加量は5容量%以下であることが好ましい。
たとえばジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどの非フッ素系の鎖状カーボネートも電解質塩溶解用溶媒として知られているが、本発明においては、粘性を下げる効果はあるが誘電率が低いという点から必須成分としては使用しない。
(C)非フッ素系鎖状エステルおよび/または非フッ素系鎖状エーテル:
成分(C)を含有させることにより、電解質塩(II)の電池容量の向上、レート特性の向上、低粘性化、低温特性の向上といった効果が得られる。
非フッ素系鎖状エステル(C1)としては、式(C1):
1COOR2
(式中、R1は炭素数1〜2のアルキル基;R2は炭素数1〜4のアルキル基)で示される化合物が、低粘性で誘電率が高く、表面張力が低い点から好ましい。
具体例としては、たとえば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどがあげられ、なかでも酢酸メチル、酢酸エチルが、粘性が低く、表面張力が低く、サイクル特性を向上させる点から好ましい。
なおγ−ブチロラクトン、バレロラクトンなどの非フッ素系環状エステルは、本発明においては、粘性が高いことや表面張力が高いことから必須成分としては使用しない。
非フッ素系鎖状エーテル(C2)としては、式(C2):
3OR4
またはR3−O−R4−O−R5
(式中、R3、R4およびR5は同じかまたは異なり、炭素数3〜6のアルキル基)で示される化合物が、粘性が低く耐酸化性が良好な点から好ましい。
具体例としては、たとえばジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどがあげられ、なかでも1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンが、サイクル特性が良好な点から好ましい。
なおテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどの非フッ素系環状エーテルは、本発明においては、耐還元性が低くサイクル特性がよくないという点から必須成分としては使用しない。
本発明の非水系電解液において、フッ素系溶媒(A)は、電解質塩溶解用溶媒(I)全体に対して、20〜80体積%含まれることが好ましい。フッ素系溶媒(A)の量が少なくなると不燃性、レート特性などが低下する傾向にあり、多くなると相分離したり電池容量が低下したりする傾向にある。難燃性やレート特性が良好な点から、さらには25〜75体積%、特に30〜55体積%含まれることが好ましい。含フッ素系溶媒(A)の含有量は、(A1)〜(A3)の合計量である。
本発明の非水系電解液において、非フッ素系環状カーボネート(B)は、電解質塩溶解用溶媒(I)全体に対して、3〜40体積%含まれることが好ましい。非フッ素系環状カーボネート(B)の量が少なくなると放電容量などが低下する傾向にあり、多くなると相分離が生ずる傾向にある。放電容量、レート特性が良好な点から、さらには5〜35体積%、特に8〜30体積%含まれることが好ましい。
本発明の非水系電解液において、(C)成分である非フッ素系鎖状エステルおよび/または非フッ素系鎖状エーテルは、電解質塩溶解用溶媒(I)全体に対して、10〜77体積%含まれることが好ましい。成分(C)の量が少なくなると放電容量、レート特性、低温特性などが低下する傾向にあり、多くなるとサイクル特性が低下する傾向にある。放電容量やレート特性が良好な点から、さらには20〜70体積%、特に30〜60体積%含まれることが好ましい。
本発明において、必要に応じて有機溶媒として、過充電防止作用を有するヘキサフルオロベンゼン、フルオロベンゼン、トルエン、シクロヘキシルベンゼンなども使用できるが、その場合、上記フッ素系溶媒(A)・非フッ素系環状カーボネート(B)・非フッ素系鎖状カーボネート(C)各成分によってもたらされる利点および改善を排除しない量であることが好ましい。その量は電解液全体に対して0.5〜10重量%の範囲で使用できる。また、サイクル特性向上作用を有するモノフルオロエチレンカーボネートを本発明の効果を阻害しない量、たとえば電解液全体に対して0.1〜0.10重量%の範囲で使用してもよいし、難燃性向上作用を有するリン酸エステル類を本発明の効果を阻害しない量、たとえば電解液全体に対して0.1〜0.10重量%の範囲で使用してもよい。
つぎに電解質塩(II)について説明する。
本発明の非水系電解液に使用する電解質塩(II)としては、たとえばLiClO4、LiAsF6、LiBF4、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252などがあげられ、サイクル特性が良好な点から特にLiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252またはこれらの組合せが好ましい。
電解質塩(II)の濃度は、要求される電池特性を達成するためには、0.8モル/リットル以上、さらには1.0モル/リットル以上が必要である。上限は電解質塩溶解用有機溶媒(I)にもよるが、通常1.5モル/リットルである。
さらに電池の高容量化を図るために、界面活性剤(D)を配合する。界面活性剤(D)の配合量は、充放電サイクル特性を低下させずに電解液の表面張力を低下させるという点から、溶媒(I)全体に対して5質量%以下であり、さらには3質量%以下、特に0.05〜2質量%が好ましい。
界面活性剤(D)としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれでもよいが、含フッ素界面活性剤が、サイクル特性、レート特性が良好な点から好ましい。
たとえば、式(D1):
RfaCOO-+
(式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
式(D2a):
RfaSO3 -+
(式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩、さらには
式(D1b):
RfbCOO-+
(式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
式(D2b):
RfbSO3 -+
(式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩
の1種または2種以上が好ましく例示できる。
Rfaとしては炭素数4〜20の含フッ素アルキル基が、Rfbとしては炭素数4〜20の含フッ素エーテル基が、電解液の表面張力を低下させる度合いが良好な点から好ましく、特に炭素数4〜8の含フッ素アルキル基が溶解性に優れる点から好ましい。
+のアルカリ金属としては、Li、Na、Kが好ましく、M+としては特にNH4 +が好ましい。
含フッ素カルボン酸塩(D1a)の具体例としては、たとえばC49COO-NH4 +、C511COO-NH4 +、C613COO-NH4 +、C715COO-NH4 +、C817COO-NH4 +、C919COO-NH4 +
49COO-NH(CH33 +、C511COO-NH(CH33 +、C613COO-NH(CH33 +、C715COO-NH(CH33 +、C817COO-NH(CH33 +、C919COO-NH(CH33 +、C49COO-Li+、C511COO-Li+、C613COO-Li+、C715COO-Li+、C817COO-Li+、C919COO-Li+などがあげられ、なかでも電解液への溶解性、表面張力の低下効果が良好な点から、C511COO-NH4 +、C715COO-NH4 +、C511COO-Li+、C613COO-Li+が好ましい。
含フッ素カルボン酸塩(D1b)の具体例としては、C37OCF(CF3)COO-NH4 +、C37OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-NH4 +、C37OCF(CF3)COO-NH(CH33 +、C37OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-NH(CH33 +、C37OCF(CF3)COO-Li+、C37OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-Li+などがあげられ、なかでも電解液への溶解性、表面張力の低下効果が良好な点から、C37OC(CF3)FCOO-NH4 +、C37OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-NH4 +、C37OCF(CF3)COO-Li+、C37OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COO-Li+が好ましい。
含フッ素スルホン酸塩(D2a)の具体例としては、たとえばC49SO3 -NH4 +、C511SO3 -NH4 +、C613SO3 -NH4 +、C715SO3 -NH4 +、C817SO3 -NH4 +、C919SO3 -NH4 +、C49SO3 -NH(CH33 +、C511SO3 -NH(CH33 +、C613SO3 -NH(CH33 +、C715SO3 -NH(CH33 +、C817SO3 -NH(CH33 +、C919SO3 -NH(CH33 +、C49SO3 -Li+、C511SO3 -Li+、C613SO3 -Li+、C715SO3 -Li+、C817SO3 -Li+、C919SO3 -Li+などがあげられ、なかでも電解液への溶解性、表面張力の低下効果が良好な点から、C49SO3 -NH4 +、C613SO3 -NH4 +、C817SO3 -NH4 +、C49SO3 -Li+、C613SO3 -Li+、C817SO3 -Li+が好ましい。
含フッ素スルホン酸塩(D2b)の具体例としては、たとえばC37OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH4 +、C37OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH4 +、HCF2CF2OCF2CF2SO3 -NH4 +、CF3CFHCF2OCF2CF2SO3 -NH4 +、C37OC(CF3)FSO3 -NH4 +、C37OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH(CH33 +、C37OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH(CH33 +、HCF2CF2OCF2CF2SO3 -NH(CH33 +、CF3CFHCF2OCF2CF2SO3 -NH(CH33 +、C37OC(CF3)FSO3 -NH(CH33 +、C37OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -Li+、C37OC(CF3)FCF2OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -Li+、HCF2CF2OCF2CF2SO3 -Li+、CF3CFHCF2OCF2CF2SO3 -Li+、C37OC(CF3)FSO3 -Li+などがあげられ、なかでも電解液への溶解性、表面張力の低下効果が良好な点から、C37OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -NH4 +、C37OC(CF3)FCF2OC(CF3)FSO3 -Li+、C37OC(CF3)FSO3 -NH4 +、C37OC(CF3)FSO3 -Li+が好ましい。
本発明の電解液は、以上のような構成を備えることから、不燃性(難燃性)でかつ電池特性(充放電サイクル特性、放電容量)に優れる。さらに本発明の電解液によれば、低温でも相分離し難いこと、耐熱性に優れること、電解質塩の溶解性が高いこと、電池容量が向上し、レート特性に優れることを期待することもできる。
本発明の電解液は、容量やレート特性を向上させる点から、リチウム二次電池用として好適であり、具体的には、正極、負極、セパレータと本発明の電解液を備えるリチウム二次電池において、正極に使用する正極活物質が、コバルト系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物、マンガン系複合酸化物、鉄系複合酸化物およびバナジウム系複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることがエネルギー密度の高く、高出力な二次電池となることから好ましい。
そして、本発明は正極、負極、セパレータおよび以上説明した非水系電解液を備え、該正極に使用する正極活物質が、コバルト系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物、マンガン系複合酸化物、鉄系複合酸化物およびバナジウム系複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であるリチウム二次電池にも関する。
コバルト系複合酸化物としては、LiCoO2が例示され、ニッケル系複合酸化物としては、LiNiO2が例示され、マンガン系複合酸化物としては、LiMnO2が例示される。また、LiCoxNi1-x2(0<x<1)やLiCoxMn1-x2(0<x<1)、LiNixMn1-x2(0<x<1)、LiNixMn2-x4(0<x<2)、LiNi1-x-yCoxMny2(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)で表されるCoNi、CoMn、NiMn、NiCoMnの複合酸化物でも良い。これらのリチウム含有複合酸化物は、Co、Ni、Mnなどの金属元素の一部が、Mg、Al、Zr、Ti、Crなどの1種以上の金属元素で置換されたものであってもよい。
また、鉄系複合酸化物としては、たとえばLiFeO2、LiFePO4が例示され、バナジウム系複合酸化物としては、たとえばV25が例示される。
正極活物質として、上記の複合酸化物のなかでも、容量を高くすることができる点から、ニッケル系複合酸化物またはコバルト系複合酸化物が好ましい。特に小型リチウム二次電池では、コバルト系複合酸化物を用いることはエネルギー密度が高い点と安全性の面から望ましい。本発明において特にハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池に使用される場合は、高出力が要求されるため、正極活物質の粒子は二次粒子が主体となり、その二次粒子の平均粒子径が40μm以下で平均一次粒子径1μm以下の微粒子を0.5〜7.0体積%含有することが好ましい。
平均一次粒子径が1μm以下の微粒子を含有させることにより電解液との接触面積が大きくなり電極と電解液の間でのリチウムイオンの拡散をより早くすることができ出力性能を向上させることができる。
本発明で負極に使用する負極活物質は炭素材料があげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物や金属窒化物などもあげられる。炭素材料としては天然黒鉛、人造黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、メソカーボンマイクロビーズ、炭素ファイバー、活性炭、ピッチ被覆黒鉛などがあげられ、リチウムイオンを挿入可能な金属酸化物としては、スズやケイ素を含む金属化合物、例えば酸化スズ、酸化ケイ素等があげられ金属窒化物としては、Li2.6Co0.4N等が挙げられる。
正極活物質と負極活物質との組合せとしては、正極活物質がコバルト酸リチウムで負極活物質が黒鉛の組合せ、正極活物質がニッケル系複合酸化物で負極活物質が黒鉛の組合せが容量が増大する点から好ましい。
本発明に使用できるセパレータは特に制限はなく、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン2層フィルム、微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン3層フィルムなどがあげられる。
また、本発明の電解液は、不燃性であることから、上記のハイブリッド自動車用や分散電源用の大型リチウム二次電池用の電解液として特に有用であるが、そのほか小型のリチウムイオン電池、アルミニウム電解コンデンサ用電解液、電気二重層キャパシタ用電解液などの非水系電解液としても有用である。
そのほか、本発明の電解液は、たとえば電解コンデンサ、エレクトロルミネッセンスなどの固体表示素子、電流センサーなどのセンサーなどに使用することができる。
つぎに本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
なお、本発明で採用した測定法は以下のとおりである。
(1)NMR:BRUKER社製のAC−300を使用。
19F−NMR:
測定条件:282MHz(トリクロロフルオロメタン=0ppm)
1H−NMR:
測定条件:300MHz(テトラメチルシラン=0ppm)
(2)IR分析:Perkin Elmer社製フーリエ変換赤外分光光度計1760Xで室温にて測定する。
(3)フッ素含有率
酸素フラスコ燃焼法により試料10mgを燃焼し、分解ガスを脱イオン水20mlに吸収させ、吸収液中のフッ素イオン濃度をフッ素選択電極法(フッ素イオンメーター、オリオン社製 901型)で測定することにより求める(質量%)。
合成例1
窒素雰囲気下、2リットル四つ口フラスコに無水トリフルオロ酢酸(1a):
(CF3CO)2
を500g(2.38mol)入れ、40℃にて2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(2a):
HCF2CF2CH2OH
394g(2.86mol)を滴下ロートを用いて還流下に、少しずつ加えていった。2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(2a)の添加量が1.2当量になった時点で、80℃で0.5時間反応させた。反応終了後室温に戻し、水洗を繰り返し、蒸留生成を行い、含フッ素エステル(A2a):
Figure 2008218387
488g(2.19mol)を得た(収率92%)。
この生成物を19F−NMR、1H−NMR分析、IR分析により分析したところ、上記の構造の含フッ素エステル(A2a)であることが確認された。
19F−NMR:(neat):−76.63(3F)、−125.23〜−125.280ppm(2F)、−138.74〜138.99ppm(2F)
1H−NMR:(neat):3.29〜3.48ppm(2H)、4.38〜4.81ppm(1H)
IR:(KBr):1805cm-1
この含フッ素エステル(A2a)のフッ素含有率は58.31質量%であった。
合成例2
窒素雰囲気下、2リットル四つ口フラスコに無水トリフルオロ酢酸(1a):
(CF3CO)2
を500g(2.38mol)入れ、40℃にて、ペンタフルオロプロパノール(2b):
CF3CF2CH2OH
428g(2.86mol)を滴下ロートを用いて還流下、少しずつ加えていった。ペンタフルオロプロパノール(2b)の添加量が1.2当量になった時点から、80℃で0.5時間反応させた。反応終了後室温に戻し、水洗を繰り返し、蒸留生成を行い、含フッ素エステル(A2b):
Figure 2008218387
509g(2.07mol)を得た(収率87%)。
この生成物を19F−NMR、1H−NMR分析、IR分析により分析したところ、含フッ素エステル(A2b)であることが確認された。
19F−NMR:(neat):−69.57〜−70.68ppm(3F)、−78.79〜−79.7ppm(3F)、−118.3〜−121.34ppm(2F)
1H−NMR:(neat):4.207〜4.298ppm(2H)
IR:(KBr):1809cm-1
この含フッ素エステル(A2b)のフッ素含有率は61.7質量%であった。
合成例3
窒素雰囲気下、2リットル四つ口フラスコに2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(2a):
HCF2CF2CH2OH
140g(1.00mol)を入れ、続いて、ピリジン119g(1.5当量:1.5mol)、および溶媒としてテトラグライム300mlを加え、氷浴下で撹拌した。続いて、滴下ロートからトリホスゲン:
Figure 2008218387
50g(0.17mol)のテトラグライム溶液を、滴下ロートを用いて少しずつ、2時間かけて加えた。反応温度は10℃を保つようにした。反応終了後室温に戻し、1N塩酸で3回分液し、下層の蒸留生成を行い、含フッ素カーボネート(A3c):
Figure 2008218387
150g(0.52mol)を得た(収率34%)。このものの沸点は105℃(100mmHg)であった。
この生成物を19F−NMR、1H−NMR分析、IR分析により分析したところ、含フッ素カーボネート(A3c)であることが確認された。
19F−NMR:(neat):−124.61〜−124.710ppm(2F)、−137.74〜138.69ppm(2F)
1H−NMR:(neat):3.26〜3.36ppm(2H)、4.45〜4.89ppm(1H)
IR:(KBr):1787cm-1
この含フッ素カーボネート(A3c)のフッ素含有率は52.89質量%であった。
合成例4
窒素雰囲気下、2リットル四つ口フラスコにペンタフルオロプロパノール(2b):
CF3CF2CH2OH
150g(1.00mol)を入れ、続いて、ピリジン119g(1.5当量:1.5mol)、および溶媒としてテトラグライム200mlを加え、氷浴下で撹拌した。続いて、滴下ロートからトリホスゲン:
Figure 2008218387
50g(0.17mol)のテトラグライム溶液を、滴下ロートを用いて少しずつ、1.5時間かけて加えた。反応温度は10℃を保つようにした。反応終了後室温に戻し、1N塩酸で3回分液し、下層の蒸留生成を行い含フッ素カーボネート(A3b):
Figure 2008218387
100g(2.19mol)を得た(収率30%)。このものの沸点は65℃(200mmHg)であった。
この生成物を19F−NMR、1H−NMR分析、IR分析により分析したところ、含フッ素カーボネート(A3b)であることが確認された。
19F−NMR:(neat):−84.27〜−85.39(3F)、−124.36〜−125.36ppm(2F)
1H−NMR:(neat):3.67〜4.24ppm(2H)
IR:(KBr):1784cm-1
この含フッ素カーボネート(A3b)のフッ素含有率は58.26質量%であった。
合成例5
窒素雰囲気下、3リットル四つ口フラスコにトリフルオロエタノール(2c):
CF3CH2OH
300g(3.00mol)を入れ、続いて、ピリジン355g(1.5当量:3.0mol)、および溶媒としてテトラグライム600mlを加え、氷浴下で撹拌した。続いて、滴下ロートからトリホスゲン:
Figure 2008218387
150g(0.57mol)のテトラグライム溶液を滴下ロートを用いて少しずつ、4時間かけて加えた。反応温度は10℃を保つようにした。反応終了後室温に戻し、1N塩酸で3回分液し、下層の蒸留生成を行い、含フッ素カーボネート(A3a):
Figure 2008218387
270g(2.19mol)を得た(収率40%)。このものの沸点は103℃(760mmHg)であった。
この生成物を19F−NMR、1H−NMR分析、IR分析により分析したところ、含フッ素カーボネート(A3a)であることが確認された。
19F−NMR:(neat):−82.3(3F)
1H−NMR:(neat):3.91〜3.98ppm(2H)
IR:(KBr):1784cm‐1
この含フッ素カーボネート(A3a)のフッ素含有率は50.42質量%であった。
つぎに非水系電解液二次電池の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例で使用した各化合物は以下のとおりである。
成分(A)
(A1a):HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3
(A1b):CF3CF2CH2OCF2CFHCF3
(A2a):CF3COOCH2CF2CF2H (合成例1)
(A2b):CF3COOCH2CF2CF3 (合成例2)
(A3a):CF3CH2OCOOCH2CF3 (合成例5)
(A3b):CF3CF2CH2OCOOCH2CF2CF3 (合成例4)
(A3c):HCF2CF2CH2OCOOCH2CF2CF2H (合成例3)
成分(B)
(B1):エチレンカーボネート
(B2):プロピレンカーボネート
(B3):ビニレンカーボネート
成分(C)
(C1a):酢酸エチル
(C1b):酢酸メチル
(C2a):1,2−ジメトキシエタン
(C2b):1,2−ジエトキシエタン
成分(D)
(D1):パーフルオロオクタン酸アンモニウム
(D2):パーフルオロへキサン酸アンモニウム
(D3):パーフルオロオクタンスルホン酸アンモニウム
成分(E)(非フッ素系の鎖状カーボネート)
(E1):ジメチルカーボネート
(E2):ジエチルカーボネート
(E3):エチルメチルカーボネート
実施例1
成分(A)としてHCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(A1a)を、成分(B)としてエチレンカーボネート(B1)を成分(C)として酢酸エチル(C1a)を(A)/(B)/(C)が40/10/50体積%比となるように混合し、電解質塩溶解用溶媒を調製した。
この電解質塩溶解用溶媒について、表面張力(試験1)を調べた。結果を表1に示す。
試験1(表面張力測定)
電解質塩溶解用有機溶媒の表面張力測定をウィルヘルミー法で調べる。
(試験方法)
ウィルヘルミー法の測定条件
液量:10ml
測定温度:25℃
測定回数:3回(採用した値は3回の平均値)
装置名:協和界面科学(株)製の「CBVP−A3」
実施例2〜18
実施例1と同様にして、成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)として表1に記載した各化合物を表1に示す量で混合し、電解質塩溶解用溶媒を調製した。
これらの電解質塩溶解用溶媒について、実施例1と同様にして表面張力(試験1)を調べた。結果を表1に示す。
比較例1
成分(C)の代わりに非フッ素系の鎖状カーボネート(E)を用い、HCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(A1a)/エチレンカーボネート(B1)/ジメチルカーボネート(E1)を40/10/50体積%比で混合し、比較用の電解質塩溶解用溶媒を調製した。
この電解質塩溶解用溶媒について、実施例1と同様にして表面張力(試験1)を調べた。結果を表2に示す。
比較例2〜10
比較例1と同様にして、成分(A)、成分(B)、成分(E)として表2に記載した各化合物を表2に示す量で混合し、比較用の電解質塩溶解用溶媒を調製した。
これらの電解質塩溶解用溶媒について、実施例1と同様にして表面張力(試験1)を調べた。結果を表2に示す。
Figure 2008218387
Figure 2008218387
実施例19
成分(A)としてHCF2CF2CH2OCF2CFHCF3(A1a)を、成分(B)としてエチレンカーボネート(B1)を、成分(C)として酢酸エチル(C1a)を(A)/(B)/(C)が40/10/50体積%比となるように混合し、この電解質塩溶解用有機溶媒にさらに電解質塩としてLiN(SO2252を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、本発明の電解液を調製した。
この電解液について、充放電試験(放電容量、レート特性、サイクル特性:試験4)、電解質塩の溶解性(試験2)および低温特性(試験3)を調べた。結果を表3に示す。
実施例20〜34
実施例19と同様にして、表3に示す成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および電解質塩を混合し、本発明の電解液を調製した。
これらの電解液について、充放電試験(放電容量、レート特性、サイクル特性:試験4)、電解質塩の溶解性(試験2)および低温特性(試験3)を調べた。結果を表3に示す。
比較例11〜14
実施例19と同様にして、表4または5に示す成分(A)、成分(B)、成分(E)および電解質塩を混合し、比較用の電解液を調製した。
これらの電解液について、充放電試験(放電容量、レート特性、サイクル特性:試験4)、電解質塩の溶解性(試験2)および低温特性(試験3)を調べた。結果を表4に示す。
試験2(電解質塩の溶解性)
実施例19〜34および比較例11〜13でそれぞれ製造した電解液6mlを9ml容のサンプル瓶に取り出し、25℃にて8時間静置して液の状態を目視で観察した。
(評価基準)
○:均一溶液である。
×:電解質塩が溶解せず。
試験3(低温安定性)
実施例19〜34および比較例11〜13でそれぞれ製造した電解液6mlを9ml容のサンプル瓶に取り出し、−20℃の冷凍庫内に8時間静置した後の状態を目視で観察した。
(評価基準)
○:均一溶液である。
×:液が固化する。
試験4(充放電特性)
表面張力が下がった効果を確認するために実際にコイン電池を作成し電池特性を評価した。
(正極の作製)
LiCoO2とカーボンブラックとポリフッ化ビニリデン(呉羽化学(株)製。商品名KF−1000)を85/7/8(質量%比)で混合した正極活物質をN−メチル−2−ピロリドンに分散してスラリー状としたものを正極集電体(厚さ15μmのアルミニウム箔)上に均一に塗布し、乾燥後、直径13.0mmの円盤に打ち抜いて正極を作製した。
(負極の作製)
人造黒鉛粉末(テイムカル社製。商品名KS−44)に、蒸留水で分散させたスチレン−ブタジエンゴムを固形分で6質量%となるように加え、ディスパーザーで混合してスラリー状としたものを負極集電体(厚さ10μmの銅箔)上に均一に塗布し、乾燥後、直径13.0mmの円盤に打ち抜いて負極を作製した。
(コイン型リチウム二次電池の作製)
正極集電体を兼ねるステンレススチール製の缶体に上記正極を収容し、その上に直径17mmのポリエチレン製のセパレータ(セルガード(株)製。商品名セルガード3501)を重ねさらに上記負極を載置し、表3の実施例および表4の比較例で製造した電解液を含浸させる。この缶体と負極集電体を兼ねる封口板とを絶縁用ガスケットを介してかしめて密封し、コイン型リチウム二次電池を作製した。
(放電容量)
充放電電流をCで表示した場合、3.5mAを1Cとして下記の充放電測定条件で測定を行った。評価は、比較例11の放電容量の結果を100とした指数で行う。
充放電条件
充電:0.5C、4.2Vにて充電電流が1/10Cになるまでを保持(CC・CV充電)
放電:1C 2.5Vcut(CC放電)
(レート特性)
充電については上記の条件で0.5C・4.2Vで充電電流が1/10Cになるまで充電し0.3C相当の電流で2.5Vまで放電し、放電容量を求めた。引き続き、0.5C・4.2Vで充電電流が1/10Cになるまで充電し、5C相当の電流で2.5Vになるまで放電し、放電容量を求めた。この5Cでの放電容量と、上記の0.3Cでの放電容量との比から、レート特性を評価した。レート特性は下記の計算式で求められた値をレート特性として記載する。
レート特性(%)=5C放電容量(mAh)/0.3C放電容量(mAh)×100
(サイクル特性)
サイクル特性については上記の充放電条件で充放電試験を行い50サイクルの放電容量を測定した。サイクル特性については下記の計算式で求められた値をサイクル維持率として記載する。
サイクル維持率(%)=50サイクル放電容量(mAh)/1サイクル放電容量(mAh)×100
Figure 2008218387
Figure 2008218387
表3〜4より、フッ素系溶媒(A)を20〜80体積%、非フッ素系環状カーボネート(B)を3〜40体積%、非フッ素系鎖状エステルおよび/または非フッ素系鎖状エーテル(C)を10〜77体積%含み電解質塩としてLiPF6、LiN(SO2CF32およびLiN(SO2252を使用した場合、均一な溶液を形成していることがわかる。
表3〜4の結果より、表面張力の下がった電解液を使用した場合、放電容量、レート特性およびサイクル特性が向上することがわかる。
さらに、表5に示す電解液について、難燃性(試験5)および着火性(試験6)を調べた。結果を表5に示す。
試験5(難燃性試験)
(サンプルの調製)
試験4と同様にして作製した正極および負極をそれぞれ50mm×100mmの長方形に切り取り、これらでポリエチレン製のセパレータ(セルガード(株)製。商品名セルガード3501)を挟んで積層体とする。正極および負極に幅5mm長さ150mmのアルミニウム箔をリード線として溶接したのち、この積層体を電解液に浸漬し、ついでラミネータで密封してラミネートセルを作製する。
(試験方法)
ラミネートセルについて、つぎの3種類の難燃性試験を行う。
[釘刺し試験]
4.3Vまでラミネートセルを充電したのち、直径3mmの釘をラミネートセルに貫通させて、ラミネートセルの発火・破裂の有無を調べる。
[加熱試験]
4.25Vまでラミネートセルを充電したのち、5℃/分で室温から150℃まで上げその後、150℃で放置させラミネートセルの発火・破裂の有無を調べる。
[短絡試験]
4.3Vまでラミネートセルを充電した後、正極と負極を銅線で短絡させ、ラミネートセルの発火の有無を調べる。
評価は、いずれの試験においても、発火(破裂)がない場合を○、発火(破裂)した場合を×とする。
試験6(着火試験)
電解液の不燃性(着火しない性質)をつぎの方法で調べる。
(サンプルの調製)
セルロース紙(幅15mm、長さ320mm、厚さ0.04mm)の短冊を上記実施例または比較例で製造した電解液に充分に浸漬したのち取り出し、サンプルとする。
(試験方法)
サンプルを金属製の台に固定し、サンプルの一端にライターの火を近づけ1秒間保持し、着火の有無を調べる。
評価は、着火しない場合(不燃性)の場合は○、着火してもすぐに火が消える(自己消火性)の場合は△、着火し燃焼し続ける場合は×とする。
比較例14
成分(B)としてエチレンカーボネート(B1)を用い、成分(C)としてジメチルカーボネート(E1)を用いて、(B)/(C)が50/50体積%比となるように混合し、この電解質塩溶解用有機溶媒にさらに電解質塩としてLiN(SO2252を1.0モル/リットルの濃度となるように加え、25℃にて充分に撹拌し、比較用の電解液を調製した。この比較用の電解液について前記と同様にして難燃性および着火性を調べた。結果を表5に示す。
Figure 2008218387
表5に示すように、比較例14の電池は釘刺し試験、加熱試験、短絡試験のいずれの試験でも発火したが、実施例の電池についてはすべて発火しなかったことがわかる。
また、比較例14のように本発明の範囲外のものに対しては簡単に引火し燃焼し続けることがわかった。しかし、本発明の範囲内のものに対しては自己消火性あるいは不燃性の効果が見られた。

Claims (13)

  1. (I)(A)含フッ素エーテル、含フッ素エステルおよび含フッ素カーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系溶媒、
    (B)非フッ素系環状カーボネート、および
    (C)非フッ素系鎖状エステルおよび/または非フッ素系鎖状エーテル
    を含む電解質塩溶解用溶媒、ならびに
    (II)電解質塩
    を含有する非水系電解液。
  2. 電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して、フッ素系溶媒(A)を20〜80体積%、非フッ素系環状カーボネート(B)を3〜40体積%および非フッ素系鎖状エステルおよび/または非フッ素系鎖状エーテル(C)を10〜77体積%含む請求項1記載の非水系電解液。
  3. (A)成分のフッ素系溶媒が、
    式(A1):
    Rf1ORf2
    (式中、Rf1は炭素数3〜6の含フッ素アルキル基、Rf2は炭素数2〜6の含フッ素アルキル基)で示される含フッ素エーテル、
    式(A2):
    Rf3COORf4
    (式中、Rf3は炭素数1〜2のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基、Rf4は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基であって、Rf3およびRf4の少なくともいずれか一方は含フッ素アルキル基である)で示される含フッ素エステル、
    および
    式(A3):
    Rf5OCOORf6
    (式中、Rf5は炭素数1〜4の含フッ素アルキル基、Rf6は炭素数1〜4のフッ素原子を含んでいてもよいアルキル基)で示される含フッ素カーボネート
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の非水系電解液。
  4. (B)成分の非フッ素系環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートおよびビニレンカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電解液。
  5. (C)成分の非フッ素系鎖状エステルが、式(C1):
    1COOR2
    (式中、R1は炭素数1〜2のアルキル基;R2は炭素数1〜4のアルキル基)で示される化合物であり、
    非フッ素系鎖状エーテルが、式(C2):
    3OR4
    またはR3−O−R4−O−R5
    (式中、R3、R4およびR5は同じかまたは異なり、炭素数3〜6のアルキル基)で示される化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の非水系電解液。
  6. 電解質塩(II)が、LiPF6、LiN(SO2CF32およびLiN(SO2252よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載の非水系電解液。
  7. 電解質塩溶解用溶媒(I)が、溶媒(I)全体に対して界面活性剤(D)を5質量%以下含有する請求項1〜6のいずれかに記載の非水系電解液。
  8. 界面活性剤(D)が、式(D1a):
    RfaCOO-+
    (式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
    式(D2a):
    RfaSO3 -+
    (式中、Rfaは炭素数4〜20の含フッ素アルキル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩である請求項7記載の非水系電解液。
  9. 界面活性剤(D)が、式(D1b):
    RfbCOO-+
    (式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素カルボン酸塩、および/または
    式(D2b):
    RfbSO3 -+
    (式中、Rfbは炭素数4〜20の含フッ素エーテル基、M+はアルカリ金属カチオンまたはNHR'3 +(R'は同じかまたは異なり、いずれもHまたは炭素数が1〜3のアルキル基))で示される含フッ素スルホン酸塩である請求項7記載の非水系電解液。
  10. リチウム二次電池用である請求項1〜9のいずれかに記載の非水系電解液。
  11. 正極、負極、セパレータおよび請求項1〜10のいずれかに記載の非水系電解液を備え、
    該正極に使用する正極活物質が、コバルト系複合酸化物、ニッケル系複合酸化物、マンガン系複合酸化物、鉄系複合酸化物およびバナジウム系複合酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であるリチウム二次電池。
  12. 正極活物質がコバルト酸リチウムであり、負極活物質が黒鉛である請求項11記載のリチウム二次電池。
  13. 正極活物質がニッケル系複合酸化物であり、負極活物質が黒鉛である請求項11記載のリチウム二次電池。
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