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JP2008163492A - スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント - Google Patents

スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント Download PDF

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Hiroyoshi Kawamata
寛佳 川俣
Gen Hayashi
玄 林
Toshiharu Ayabe
俊治 綾部
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Abstract

【課題】 優れたスカム抑制効果、寸法安定性を兼ね備え、また耐久性に富んだハイメッシュスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントの提供。
【解決手段】 芯鞘型複合のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントであって、芯部・鞘部を構成するポリマーが共にポリエチレンテレフタレートであり、破断強度が6.0cN/dtex以上、芯部・鞘部を構成するポリエチレンテレフタレートの何れか一方もしくは両方が、0.003〜0.1wt%のゲルマニウムを含有し、且つ160℃雰囲気下にて15分間の処理を施した場合の強度保持率が95%以上であることを特徴とするスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントである。
【選択図】なし

Description

本発明は精密スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント及びハイメッシュスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントに関するものであり、詳しくはプラズマディスプレイを構成する前面電極基盤や背面電極基盤への電極ペースト塗布などに使用するスクリーン紗、及びコンパクトディスク印刷やグラフィック印刷などに使用する織り密度が355メッシュ以上、即ちタテ糸・ヨコ糸本数が共に2.54cm当たり355本以上で構成するスクリーン紗に用いられるポリエステルモノフィラメントに関するものである。
印刷スクリーン用織物としては、従来はシルクなどの天然繊維やステンレスなどの無機繊維からなるメッシュ織物が広く使用されてきたが、近年は、柔軟性や耐久性、コストパフォーマンスに優れる合繊メッシュが好んで使用され、中でもポリエステルモノフィラメントは寸法安定性に優れるなどスクリーン用適性が高く、広く普及している。
近年、家電業界における家庭用プラズマディスプレイテレビの普及などに伴い、プラズマディスプレイ(以下、PDPと略す)を構成する前面電極基盤や背面電極基盤への電極ペーストの塗布や、電子回路印刷など、またコンパクトディスク(以下、CDと略す)、DVDの普及や、コンピュータグラフィックによるデザイン物の印刷・刊行物が主流となる中で、感熱孔版印刷などに合繊メッシュを用いる試みがなされており、メッシュがより細かく線径が均一であり、紗張り時の伸びが少なく寸法安定性に優れたスクリーン紗が要求される。
またスクリーン紗の製織をする際、加熱し紗の形状をセットする工程(以下、熱セットと称す)があるが、一般にポリマーは熱や酸化により劣化し脆くなるものであり、仮に耐熱性に乏しいポリマーをスクリーン紗に用いた場合、熱セット工程においても劣化が進行し、その結果、高密度高速製織が特徴的なスクリーン紗製造工程ではヒゲ状あるいは粉末状のスカムが発生し易くなる他、紗としての耐久性も低下しコスト面での欠点にも繋がることとなる。
すなわち、前記用途における要求品質を満足するために、細繊度且つ高強度、高モジュラス化し、また耐熱性、耐酸化性に優れ、スカム発生が無く耐久性にも富んだスクリーン紗用原糸を提供することが重要な課題であり、実際に、高強度化、スカム抑制、寸法安定性を目的とした多くの改善技術が提案されている。しかしながらこれまでの改善技術はフィラメントに注目したものであり、ポリマーからの改善及び改質は成されていなかった。
従来技術として例えば、芯部をIV=0.70〜1.30のポリエチレンテレフタレートとし、鞘部をIV=0.45〜0.68のポリエチレンテレフタレートとした芯鞘型複合モノフィラメントであり、0.50μm以下0.35〜0.60重量%の無機粒子を含有した、破断強度6.0cN/dtex以上、破断伸度15〜25%のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントである(特許文献1参照)。この技術は高IVポリマーと低IVポリマーを芯鞘型複合とすることで強さと柔らかさを両立させ、高強度化、スカム抑制効果、寸法安定性を同時に発揮できるものであるが、耐久性に対する改善効果は無いため、スクリーン紗用モノフィラメントとして必要な原糸物性を長期間保持することが困難である。
また他の技術として、芯部をIV=0.60〜0.90のポリエチレンテレフタレートとし、鞘部をIV=0.60〜0.80でイソフタル酸8〜20モル%、ネオペンチルグリコール5〜14モル%共重合したビカット軟化温度67〜78℃のポリエチレンテレフタレートとするスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントである(特許文献2参照)。この技術では鞘部を共重合ポリエステルとして軟化温度を低下させることによりポリマーのソフト性を向上させた場合には、スカム発生を軽減する効果を有するものの完全防止には至らず、更には高精密印刷用スクリーン紗に必要な高密度化や寸法安定性の向上を実現するためのスクリーン紗用モノフィラメントに要求される原糸物性を得ることが非常に困難である。
またポリマーの改善技術として、固有粘度0.50dl/g、密度1.37g/ad以上であるポリエチレンテレフタレートを、1〜150℃の水に1分〜1年間の期間接触させることにより、環状三量体やオリゴマー類発生量を抑制するポリエチレンテレフタレートの処理方法がある(特許文献3参照)。
特開2005−240266号公報(特許請求の範囲) 特開平11−241227号公報(特許請求の範囲) 特開平03−174441号公報(発明の詳細な説明)
本発明は、上記問題を解決し、PDPの電極ペースト塗布やその他高精密印刷に用いた際に、塗布欠点の発生が無く耐久性に優れた精密スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントや、CD印刷、グラフィック印刷に用いた際に、塗布欠点の発生が無く耐久性に優れたスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントを提供することにある。
本発明は上述した従来技術では解決できなかった課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、
(1)芯鞘型複合のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントであって、芯部・鞘部を構成するポリマーがポリエチレンテレフタレートであり、破断強度が6.0cN/dtex以上、ゲルマニウムを0.003〜0.1wt%含有し、且つ160℃雰囲気下にて15分間の処理を施した場合の強度保持率が95%以上であることを特徴とするスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントであり、また
(2)長手方向に同心円芯鞘断面形状を有する芯鞘型複合のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントであって、芯部と鞘部の複合断面積比(芯:鞘)が70:30〜90:10であり、芯部のポリエチレンテレフタレートの極限粘度が0.70〜1.30、鞘部のポリエチレンテレフタレートの極限粘度が0.45〜0.68であることを特徴とする請求項1記載のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントであり、更には
(3)破断伸度が15〜25%であることを特徴とする請求項1または2記載のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントである。
本発明により、従来成し得なかった、PDPの電極ペースト塗布やその他高精密印刷に用いた際に、塗布欠点の発生が無く耐久性に優れた精密スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントや、CD印刷、グラフィック印刷に用いた際に、塗布欠点の発生が無く耐久性に優れたスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントを提供できる。
本発明の芯鞘型複合のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントは、芯部及び鞘部を構成するポリエチレンテレフタレートは90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリエチレンテレフタレートである。ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)とはテレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、10モル%以下の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。共重合可能な化合物として、たとえばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、一方、グリコール成分として、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができる。また、艶消剤として、二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤として、ヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加することができる。
スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントは一般に、高強度を得るために繊維を形成するポリマーの分子配向が低配向状態となるように紡糸し、一旦未延伸糸を巻き取った後に、高倍率延伸して高配向化される。高配向化した延伸糸は、高強度を発現する反面、曲げや剪断、削れに対して脆くなり、高密度スクリーン製織時の筬により磨耗される度合が大きくなる。このため、高密度スクリーン紗の製織においては、フィラメント強度の保持と、スカム発生防止を両立することが、高品位なスクリーン紗を得るためには必要不可欠となる。
本発明において、ポリエステルモノフィラメントは、その横断面において芯部が鞘部により覆われ、芯部が繊維表面に露出しないように配置された芯鞘型複合モノフィラメントである。芯鞘型複合とすることで、高密度スクリーン紗を製織する際に必要な強度とスカム発生防止を両立させるものであり、単一成分のみでこれを達成し得ないことは同業者の間では従来公知である。なお、ここで芯鞘型とは芯部が鞘部により完全に覆われていれば良いが、溶融紡糸の際の吐出安定性や紗張り後のスクリーンの寸法安定性を保持しやすくするため、同心円状に配置することが好ましい。
また、断面形状については、丸型、偏平型三角型、四角型など幾つもの形状があるが、安定した製糸性やスクリーン製織性を得やすいという点や、製織後乳剤を塗布して感光させる際にハーレーションの発生を抑えるため、スクリーン紗の目開き、すなわちタテ糸とヨコ糸の交差により形成される格子状空間の形状の安定性などより、丸断面とすることが好ましい。
本発明のポリエステルモノフィラメントは、破断強度が6.0cN/dtex以上である。スクリーン紗の紗張り工程においては、紗の寸法安定上、一定値以上の張力が必要であり、張力は強度(cN/dtex)×メッシュにより定まる。破断強度が6.0cN/dtexに満たない場合はその紗張り工程の張力に耐えられず、破れ等が発生するため好ましくない。破断強度として好ましくは6.5cN/dtex以上である。しかし、逆に破断強度が高過ぎるとフィラメントのソフト性が低下し、スカム発生を促進に繋がることから、破断強度として更に好ましくは12.0cN/dtex以下である。
また本発明のポリエステルモノフィラメントは、ゲルマニウムを含有している。金属元素はポリマーを得る際の重縮合反応工程において触媒としても働くことは公知の通りである。ゲルマニウムは他の金属元素に比べ高い活性を有しているが、その反面、活性を失いやすいという特徴もある。モノフィラメント中に含まれるゲルマニウムの量は0.003〜0.1wt%である。含有量が0.003wt%に満たない場合は、モノフィラメントに必要な極限粘度を有するポリマーを確保することが困難となるため好ましくない。ゲルマニウムの含有量として好ましくは0.01wt%以上である。また含有量が0.1wt%を上回る場合は、活性が高くなり、更には残存してしまうことから、逆に熱分解や酸化分解の促進に繋がるため、強度の低下はもとより強度保持率の低下とそれに伴うスクリーンの耐久性低下を招いてしまう。ゲルマニウムの含有量として好ましくは0.06wt%以下である。
本発明のポリエステルモノフィラメントは、160℃雰囲気下にて15分間の処理を施した場合の強度保持率が95%以上である。強度保持率が95%に満たないモノフィラメントは耐久性にも乏しく、スカムの発生やスクリーン紗の破れが発生するため好ましくない。強度保持率として好ましくは97%以上である。
芯部と鞘部の複合断面積比(芯:鞘)は70:30〜90:10であることが好ましい。複合断面積比が70:30以上であると、高密度スクリーン紗を製織する際に必要な破断強度を容易に得ることができるため好ましい。より好ましくは75:25以上である。また、複合断面積比が90:10以下であると、モノフィラメント表面のソフト性が保持でき、スカム発生の抑制に効果があるため好ましい。より好ましくは85:15以下である。
芯部PETの極限粘度は0.70〜1.30であることが好ましい。芯部PETの極限粘度が0.70以上であると、高密度スクリーン紗を製織する際に必要な破断強度を容易に得ることができるため好ましい。より好ましくは1.00以上である。また、芯部PETの極限粘度が1.30以下であると、モノフィラメント表面のソフト性が保持でき、スカム発生の抑制に効果がある他、延伸工程での斑の発生も無いため好ましい。より好ましくは1.20以下である。
鞘部PETの極限粘度は0.45〜0.68であることが好ましい。鞘部PETの極限粘度が0.45以上であると、高密度スクリーン紗を製織する際に必要な破断強度を容易に得ることができるため好ましい。より好ましくは0.50以上である。また、鞘部PETの極限粘度が0.68以下であると、モノフィラメント表面のソフト性が保持でき、スカム発生の抑制に効果があるため好ましい。より好ましくは0.65以下である。
破断伸度は15〜25%であることが好ましい。破断伸度が15%以上であると、モノフィラメント表面のソフト性が保持でき、スカム発生の抑制に効果があるため好ましい。より好ましくは17%以上である。また、破断伸度が25%以下であると寸法安定性がより向上するため好ましい。より好ましくは22%以下である。
本発明のポリエステルモノフィラメントにおいては、繊度をD(dtex)としたとき、節糸の線径をX(μm)が、1837×{D/(10000×π)}0.5〜2100×{D/(10000×π)}0.5の範囲の節糸が1個/100万m以下であることが適当であり、また、例えば塗布厚み10μm以下で行うような高分解能および高精密な水準の印刷を目的とした355〜500メッシュ(本/2.54cm)のスクリーンを得るため、単糸繊度は5〜13dtexの範囲であることが適当である。また、鞘部ポリマーに含有量の60%以上が粒径0.50μm以下である無機粒子を0.35〜0.60重量%の範囲で含有していることが適当である。
本発明のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントに用いるPETの製造条件については、ゲルマニウムを含有するPETについては、重縮合反応完了後もゲルマニウムの活性が失われにくく、熱や酸化による劣化が進行し易い状態にある可能性がある。そのため活性を失わせる(以下、失活と称す)作業を実施することが好ましい。この失活の方法は、60〜100℃の温水もしくは沸水に1〜8時間接触させることが好ましい。
本発明のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントの製造条件については、押し出し機種については、一般的にポリマーの排出性が高くデッドスペースでのポリマー残存時間が短い、エクストルダー押し出し機を用いることが好ましい。また、紡糸温度や溶融温度については、目的とする物性が得られ、安定紡糸可能な範囲で低温化することが好ましく、ポリマー熱劣化を抑制するためであり、好ましい紡糸温度は290〜300℃である。口金から吐出した糸条については、芯部ポリマーの極限粘度が1.00以上のものを用いる場合、冷却固化の直前に内壁温度300〜340℃の加熱帯を通過させることが好ましく、糸条との距離が4.5cm、長さ10cmの加熱帯を用いることが口金のワイピング作業などの作業性やウースター斑などの品位面で好ましく、目的の強伸度を得やすくするためのものである。
本発明の延伸方法については、用いる芯部ポリマーの極限粘度や、得ようとする強伸度によって、第1ホットローラーと第2ホットローラー間で延伸熱処理し、第2ホットローラーと冷却ローラー間でリラックス付与したのちに巻き取る方法、第1ホットローラーと第2ホットローラー間で1段目の延伸、第2ホットローラーと第3ホットローラー間で2段目の延伸熱処理したのち、第3ホットローラーと冷却ローラー間でリラックス付与したのちに巻き取る方法、などから好適に選択することができる。未延伸糸を一旦巻き取ることなく直接延伸する直接紡糸延伸法については、延伸斑が発生しやすく好ましくない。
以下、実施例を挙げて具体的に説明する。なお、実施例の主な測定値は以下の方法で測定した。
(1)極限粘度
極限粘度[η]は、次の定義式に基づいて求められる値である。
Figure 2008163492
定義式のηrは、純度98%以上のO−クロロフェノールで溶解したPETの希釈溶液の25℃での粘度を、同一温度で測定した上記溶剤自体の粘度で割った値であり、相対粘度と定義されているものである。また、cは上記溶液100ml中のグラム単位による溶質重量値である。
(2)ゲルマニウム含有率
ポリマー6gを溶融し板状に成形し、蛍光X線分析(理学電気社製蛍光X線分析装置3270型)により強度を測定して、既知含有量のサンプルで予め作成した検量線を用いて、金属(ゲルマニウム)含有量に換算した。
(3)破断強伸度
JIS L1013(1999)に従い測定した。
(4)強度保持率
強度保持率(%)=(S2/S1)×100
S1:未処理時の破断強度
S2:原糸を無荷重の状態で160℃のオーブン内にて15分間の乾熱処理を施した後の破断強度
(5)スカム抑制効果
スルーザー型製織機を使用し、タテ・ヨコ密度355メッシュ(355本/2.54cm)、回転数350rpmで織幅2.54m、長さ30mのスクリーン織物を15反連続で製織し、筬羽根部のスカム発生による汚れが進行して正常な製織を維持出来ず、停機せざるを得なくなった時点までの製織長を求め、200mを超えるものを○○、150〜200mを○、150m未満を×とし、○○および○を合格とした。
(6)スクリーンの耐久性
印刷パターンの歪み、破れを観察し、歪み、破れ発生までの印刷累計枚数にて、1500枚を超えるものを○○、1200〜1500枚を○、1200枚未満を×とし、○○および○を合格とした。
実施例1
日本製綱所製スクリュー外径φ25mmのエクストルダー押し出し機からなる複合紡糸機を用いて、芯部ポリマーに極限粘度=1.00のゲルマニウム0.026wt%含有したPET、鞘部ポリマーに含有量の70%以上が0.50μm以下である酸化チタン粒子を0.50重量%含有した極限粘度=0.51のPETを用いて、芯成分の押し出し機から口金吐出までに要する滞留時間が10分となる様なポリマー配管を用いて、複合断面積比80:20となるようにポリマー吐出量を調整して、紡糸温度298℃にて口金から糸条を吐出した後、内壁温度300℃で糸条との距離が4.5cm、長さ10cmの加熱帯を通過させた後に、冷却風にて冷却固化した芯鞘型複合モノフィラメント糸条を、油剤付与後に紡糸速度850m/分で未延伸糸を一旦巻き取った。
この未延伸糸を、表面温度90℃の第1ホットローラーと表面温度100℃の第2ホットローラー間で4.39倍、第2ホットローラーと表面温度200℃の第3ホットローラー間で1.07倍、第3ホットローラーと表面温度が室温の冷却ローラー間で4.29%のリラックスを付与して延伸熱セットし、繊度が12.0デシテックスの複合モノフィラメント1.0kg巻きボビンパッケージを得た。得られたモノフィラメントの破断強度は7.1cN/dtex、破断伸度は19.4%であり、強度保持率は99%と乾熱処理での強度低下はほぼ見られなかった。その他製織工程及びスクリーン紗の評価結果は表1の通りであり、スカム抑制効果及びスクリーン耐久性に優れたものであり、良好なモノフィラメントが得られた。
実施例2
芯部ポリマーのゲルマニウム含有量を0.06wt%とした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、ボビンパッケージを得た。得られたモノフィラメントの破断強度は7.1cN/dtex、破断伸度は19.3%、強度保持率は97%であった。強度保持率については実施例1にはやや劣るものの十分満足できるものであり、またその他製織工程及びスクリーン紗の評価結果は表1の通り、スカム抑制効果及びスクリーン耐久性に優れたものであり、良好なモノフィラメントが得られた。
実施例3
芯部ポリマーのゲルマニウム含有量を0.005wt%とし、これにより得られた極限粘度が0.73のポリマーを芯部に用いた以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、ボビンパッケージを得た。得られたモノフィラメントの破断強度は6.5cN/dtex、破断伸度は23.8%、強度保持率は99%であった。芯部に極限粘度の低いポリマーを用いたため、強度が低め、伸度が高めとなったが、製織工程及びスクリーン紗の評価結果は表1の通りであり、実施例1にはやや劣るものの、スカム抑制効果及びスクリーン耐久性に優れたものであり、良好なモノフィラメントが得られた。
実施例4
芯部ポリマーのゲルマニウム含有量を0.1wt%とした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、ボビンパッケージを得た。得られたモノフィラメントの破断強度は7.0cN/dtex、破断伸度は19.5%、強度保持率は95%であった。強度保持率については、ゲルマニウム含有量に伴い実施例1に対しやや劣る結果であったものの、十分満足できるものであり、またその他製織工程及びスクリーン紗の評価結果は表1の通り、スカム抑制効果及びスクリーン耐久性に優れたものであり、良好なモノフィラメントが得られた。
実施例5
芯部ポリマーの極限粘度を1.25とし、鞘部ポリマーの極限粘度を0.65とした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、ボビンパッケージを得た。得られたモノフィラメントの破断強度は11.4cN/dtex、破断伸度は15.6%、強度保持率は99%であった。芯部、鞘部共に極限粘度の高いポリマーを用いたため、強度が高め、伸度が低めとなったが、製織工程及びスクリーン紗の評価結果は表1の通り、実施例1にはやや劣るものの、スカム抑制効果及びスクリーン耐久性に優れたものであり、良好なモノフィラメントが得られた。
比較例1
芯部ポリマーのゲルマニウム含有量を0.2wt%とした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、ボビンパッケージを得た。得られたモノフィラメントの破断強度は7.1cN/dtex、破断伸度は19.4%、強度保持率は90%であった。強度保持率については、ゲルマニウム含有量が多いため、ゲルマニウムが有する活性が残存し、それに伴い加熱時にポリマーの劣化が進行したことにより、満足できる結果には至らなかった。またその他製織工程及びスクリーン紗の評価結果は表1の通りであり、スクリーン耐久性においては満足できる結果ではなかった。
比較例2
芯部ポリマーのゲルマニウム含有量を0.001wt%とし、これにより得られた極限粘度が0.55のポリマーを芯部に用いた以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、ボビンパッケージを得た。得られたモノフィラメントの破断強度は5.5cN/dtex、破断伸度は26.1%、強度保持率は99%であった。芯部に極限粘度の低いポリマーを用いたため、低強度、高伸度のフィラメントとなった。製織工程及びスクリーン紗の評価結果は表1の通りであり、強度が低いために、スクリーンの耐久性においては満足できる結果は得られなかった。
比較例3
芯部ポリマーのゲルマニウム含有量を0.2wt%とし、芯部ポリマーの極限粘度を1.25、鞘部ポリマーの極限粘度を0.80とした以外は、実施例1と同様の条件にて製糸し、ボビンパッケージを得た。得られたモノフィラメントの破断強度は12.5cN/dtex、破断伸度は13.0%、強度保持率は90%であった。ゲルマニウム含有量が多いために活性が残存し、それに伴い加熱時にポリマーの劣化が進行し、強度保持率が低下したことに加え、芯部、鞘部共に極限粘度の高いポリマーを用いたため、高強度、低伸度のフィラメントとなった。製織工程及びスクリーン紗の評価結果は表1の通りであり、スカム抑制効果及びスクリーン耐久性においては何れも満足できる結果ではなかった。
Figure 2008163492

Claims (3)

  1. 芯鞘型複合のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントであって、芯部・鞘部を構成するポリマーがポリエチレンテレフタレートであり、破断強度が6.0cN/dtex以上、ゲルマニウムを0.003〜0.1wt%含有し、且つ160℃雰囲気下にて15分間の処理を施した場合の強度保持率が95%以上であることを特徴とするスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント。
  2. 長手方向に同心円芯鞘断面形状を有する芯鞘型複合のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントであって、芯部と鞘部の複合断面積比(芯:鞘)が70:30〜90:10であり、芯部のポリエチレンテレフタレートの極限粘度が0.70〜1.30、鞘部のポリエチレンテレフタレートの極限粘度が0.45〜0.68であることを特徴とする請求項1記載のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント。
  3. 破断伸度が15〜25%であることを特徴とする請求項1または2記載のスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント。
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