JP2008133940A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
自動変速機の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008133940A JP2008133940A JP2006322344A JP2006322344A JP2008133940A JP 2008133940 A JP2008133940 A JP 2008133940A JP 2006322344 A JP2006322344 A JP 2006322344A JP 2006322344 A JP2006322344 A JP 2006322344A JP 2008133940 A JP2008133940 A JP 2008133940A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- clutch
- engine
- control
- hydraulic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 title claims abstract description 85
- 239000012530 fluid Substances 0.000 claims abstract description 19
- 239000003921 oil Substances 0.000 claims description 118
- 239000010720 hydraulic oil Substances 0.000 claims description 22
- 230000008859 change Effects 0.000 abstract description 17
- 230000003068 static effect Effects 0.000 abstract 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 18
- 230000001105 regulatory effect Effects 0.000 description 10
- 230000001276 controlling effect Effects 0.000 description 9
- 230000002441 reversible effect Effects 0.000 description 8
- 238000000034 method Methods 0.000 description 7
- 239000002826 coolant Substances 0.000 description 6
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 5
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 5
- 238000004088 simulation Methods 0.000 description 5
- 230000005284 excitation Effects 0.000 description 4
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 4
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 3
- 239000000498 cooling water Substances 0.000 description 3
- 230000007935 neutral effect Effects 0.000 description 3
- 230000001052 transient effect Effects 0.000 description 3
- 230000009471 action Effects 0.000 description 2
- 239000000969 carrier Substances 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 2
- 230000008569 process Effects 0.000 description 2
- 230000008878 coupling Effects 0.000 description 1
- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 1
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 238000005516 engineering process Methods 0.000 description 1
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 1
- 230000003472 neutralizing effect Effects 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
- 230000004043 responsiveness Effects 0.000 description 1
- 230000035939 shock Effects 0.000 description 1
- 238000010408 sweeping Methods 0.000 description 1
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Control Of Fluid Gearings (AREA)
Abstract
【課題】車両停止時に油温が所定値以下である状態において、エンジン回転速度の変動を検知したときは、ロックアップクラッチの解放圧を所定時間高圧に設定することによりかかる場合においても引き摺りを低減することのできるロックアップクラッチの制御装置を提供することにある。
【解決手段】自動変速機の流体伝動装置に用いる車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、(a)作動油温が所定値以下であることを判定する油温判定手段と、(b)エンジンの回転変動を判定する回転変動判定手段と、(c)油温が所定値以下でありエンジン回転変動を検知したときにはロックアップクラッチ解放圧を定常圧より高く設定する設定手段とを備える。
【選択図】図11
【解決手段】自動変速機の流体伝動装置に用いる車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、(a)作動油温が所定値以下であることを判定する油温判定手段と、(b)エンジンの回転変動を判定する回転変動判定手段と、(c)油温が所定値以下でありエンジン回転変動を検知したときにはロックアップクラッチ解放圧を定常圧より高く設定する設定手段とを備える。
【選択図】図11
Description
本発明は、流体伝動装置に備えられた車両用ロックアップクラッチの制御装置に関するものであって、特にロックアップクラッチの解放圧を制御することにより引き摺りを防止する技術に関するものである。
ロックアップクラッチ付流体伝動装置をたとえばエンジンと自動変速機との間に有し、エンジンの出力トルクをそのロックアップクラッチ付流体伝動装置を介して自動変速機の入力軸へ伝達させる形式の車両が知られている。この流体伝動装置は、エンジンに連結されたポンプ翼車と自動変速機の入力軸に連結されたタービン翼車との間の作動油などの流体を介して動力が伝達されるものであり、フルードカップリングやトルクコンバータとして知られている。このようなロックアップクラッチ付流体伝動装置を備えた車両では、ロックアップクラッチのスリップ制御を安定に行うためにロックアップクラッチ制御装置が種々提案されている。
かかるロックアップクラッチについては、車両の停止時には、エンジンと自動変速機との間の動力伝達を遮断する必要があり、そのため、ロックアップクラッチ内の解放側油圧を係合側油圧よりも高めるすなわち係合側油圧と解放側油圧との差圧を負とすることによりロックアップクラッチは解放される。
一方、前記ロックアップクラッチを解放した場合には、ロックアップクラッチの係合先であるフロントカバーの回転速度とロックアップピストンの回転速度との間に回転速度差が生ずることに伴い、その間に存在する作動流体である作動油の摩擦によりよりトルクが発生する現象、いわゆる引き摺りが生ずることがある。かかる引き摺りは、燃費の損失につながるため最小限に抑制されることが望まれる。
かかる引き摺りを抑制するため、ライン圧を高くする技術が提案されている。すなわちロックアップクラッチのロックアップ解放圧はライン圧に依存するいわゆるセカンダリー圧であるため、ライン圧を高くすることによりロックアップ解放圧を高くしようとするものである。その結果前記ロックアップクラッチの係合側油室の油圧と解放側油室の油圧との圧力の差は大きさ高く保たれ、ロックアップクラッチを十分に解放状態とするすなわち前記ロックアップピストンと前記フロントカバーとを十分に離間させることができ、引き摺りが防止されるためである。特に、車両停止時のロックアップクラッチの引き摺りを防止するため、車両停止後に所定時間ロックアップクラッチの解放圧を高圧に設定する技術が特許文献1に提案されている。
特開2005−121121号公報
ところで、低温時においては、ロックアップクラッチの作動流体である作動油の粘度が高くなるため、前記ロックアップクラッチの係合側油室からの作動油の流出が少なくなる。その結果、前記ロックアップクラッチの係合側油室の油圧は高くなりため係合側油室の油圧と解放側油室の油圧との圧力の差が小さくなり、ロックアップクラッチが十分な解放状態とならずロックアップクラッチによる引き摺りを生ずることがある。
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術は、車両停止後に所定時間ロックアップクラッチの解放圧を高圧に設定するものであるから、このような低温時における引き摺りの発生に対し、前記特許文献1に記載の技術によっては好適に対応することができない。
また、前記引き摺りを抑制するためにライン圧を高くすることを低温時に定常的に行うと、ストレーナからの吸い込み油量が増えオイルパン内のオイルレベルが下がる結果エアを吸い込みやすくなり、異音が発生したりライン圧の低下が発生する可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、車両停止時に油温が所定値以下である状態において、エンジン回転速度の変動を検知したときは、ロックアップクラッチの解放圧を所定時間高圧に設定するロックアップクラッチの制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するために請求項1にかかる発明は、エンジンの出力を自動変速機へ伝達するための流体伝動装置に備えられた車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、(a)作動油温が所定値以下であることを判定する油温判定手段と、(b)前記エンジンの回転変動を判定する回転変動判定手段と、(c)油温が前記所定値以下の低油温でありエンジン回転変動を検知したときには前記ロックアップクラッチを解放させるためのロックアップクラッチ解放圧を定常圧より高く設定する設定手段とを備えることを特徴とする。
このようにすれば、前記油温判定手段によって作動油温が所定値以下であることを判定され、前記回転変動判定手段によってエンジンの回転変動が判定された場合において、前記設定手段によって前記ロックアップクラッチを解放させるためのロックアップクラッチ解放圧が定常圧すなわち作動油温が前記所定値よりも高い場合に設定されるロックアップクラッチの解放圧の値よりも高く設定されるので、作動油温が所定値以下であって前記ロックアップクラッチの引き摺りに伴って変動するエンジン回転速度の変動を検知した場合に、前記ロックアップクラッチの解放圧を制御され、前記ロックアップクラッチの引き摺りを好適に防ぐことができる。
好適には、前記設定手段は、所定の終了条件が成立すると前記ロックアップクラッチの解放圧を定常圧に戻すことを特徴とする。このようにすれば、前記終了条件が成立した場合には前記ロックアップクラッチの解放圧は定常圧に戻されるので、低油温時に定常的に解放圧を高く設定する場合に比べ、ストレーナからの吸い込み油量が増加することによるエア吸いを抑制することができる。
また、好適には、前記終了条件とは、(d)車両に設けられたエンジンがアイドル状態でないこと、(e)前記流体伝動装置のタービンの回転速度が所定値以上であること、(f)前記エンジンの回転速度が所定値以上であること、(g)前記設定手段の作動開始から所定時間が経過したこと、(h)前記自動変速機がNレンジであること、のいずれかが成立していることである。このようにすれば、前記終了条件のいずれかが成立した場合には、前記設定手段により前記ロックアップクラッチの解放圧が定常圧に戻されるので、低油温時に定常的に解放圧を高く設定する場合に比べ、ストレーナからの吸い込み油量が増加することによるエア吸いを抑制することができる。
なお、この明細書においては、「油圧を供給する」という場合は、「油圧を作用させ」或いは「その油圧に制御された作動油を供給する」ことを意味する。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用自動変速機(以下、自動変速機という)10の構成を説明する骨子図である。また、図2は、自動変速機10の複数のギヤ段(変速段)を成立させる際の係合装置(係合要素)の作動の組み合わせを説明する作動図表(係合作動表)である。この自動変速機10は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース32内において、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置12を主体として構成されている第1変速部14と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置16およびダブルピニオン型の第3遊星歯車装置18を主体として構成されている第2変速部20とを共通の軸心C上に備え、入力軸22の回転を変速して出力軸24から出力する。入力軸22は入力回転部材に相当するものであり、本実施例では走行用の動力源であるエンジン26と第1変速部14との間で自動変速機10に備えられる流体式伝動装置としてのトルクコンバータ28のタービン軸である。出力軸24は出力回転部材に相当するものであり、例えば図示しない差動歯車装置(終減速機)や一対の車軸等を順次介して左右の駆動輪を回転駆動する。トルクコンバータ28は、エンジン26によって回転駆動されてそのエンジン26の動力を流体を介して入力軸22に伝達すると共に、エンジン26の動力を流体を介することなく入力軸22に直接伝達するロックアップ機構としてのロックアップクラッチ30を備えている。なお、この自動変速機10は中心線(軸心)Cに対して略対称的に構成されており、図1の骨子図においてはその軸心Cの下半分が省略されている。
第1遊星歯車装置12は、サンギヤS1、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP1、そのピニオンギヤP1を自転および公転可能に支持するキャリヤCA1、ピニオンギヤP1を介してサンギヤS1と噛み合うリングギヤR1を備え、サンギヤS1、キャリアCA1、およびリングギヤR1によって3つの回転要素が構成されている。キャリヤCA1は入力軸22に連結されて回転駆動され、サンギヤS1は回転不能にトランスミッションケース32に一体的に固定されている。リングギヤR1は中間出力部材として機能し、入力軸22に対して減速回転させられて、回転を第2変速部20へ伝達する。本実施例では、入力軸22の回転をそのままの速度で第2変速部20へ伝達する経路が、予め定められた一定の変速比(=1.0)で回転を伝達する第1中間出力経路PA1であり、第1中間出力経路PA1には、入力軸22から第1遊星歯車装置12を経ることなく第2変速部20へ回転を伝達する第1経路PA1aと、入力軸22から第1遊星歯車装置12のキャリヤCA1を経て第2変速部20へ回転を伝達する第2経路PA1bとがある。また、入力軸22からキャリヤCA1、そのキャリヤCA1に配設されたピニオンギヤP1、およびリングギヤR1を経て第2変速部20へ伝達する経路が、第1中間出力経路PA1よりも大きい変速比(>1.0)で入力軸22の回転を変速(減速)して伝達する第2中間出力経路PA2である。
第2遊星歯車装置16は、サンギヤS2、ピニオンギヤP2、そのピニオンギヤP2を自転および公転可能に支持するキャリヤCA2、ピニオンギヤP2を介してサンギヤS2と噛み合うリングギヤR2を備えている。また、第3遊星歯車装置18は、サンギヤS3、互いに噛み合う複数対のピニオンギヤP2およびP3、そのピニオンギヤP2およびP3を自転および公転可能に支持するキャリヤCA3、ピニオンギヤP2およびP3を介してサンギヤS3と噛み合うリングギヤR3を備えている。
第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18では、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM1〜RM4が構成されている。具体的には、第2遊星歯車装置16のサンギヤS2によって第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置16のキャリヤCA2および第3遊星歯車装置のキャリヤCA3が互いに一体的に連結されて第2回転要素RM2が構成され、第2遊星歯車装置16のリングギヤR2および第3遊星歯車装置18のリングギヤR3が互いに一体的に連結されて第3回転要素RM3が構成され、第3遊星歯車装置18のサンギヤS3によって第4回転要素RM4が構成されている。この第2遊星歯車装置16および第3遊星歯車装置18は、キャリアCA2およびCA3が共通の部材にて構成されているとともに、リングギヤR2およびR3が共通の部材にて構成されており、且つ第2遊星歯車装置16のピニオンギヤP2が第3遊星歯車装置18の第2ピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
第1回転要素RM1(サンギヤS2)は、第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース32に選択的に連結されて回転停止され、第3クラッチC3を介して中間出力部材である第1遊星歯車装置12のリングギヤR1(すなわち第2中間出力経路PA2)に選択的に連結され、さらに第4クラッチC4を介して第1遊星歯車装置12のキャリヤCA1(すなわち第1中間出力経路PA1の第2経路PA1b)に選択的に連結されている。第2回転要素RM2(キャリヤCA2およびCA3)は、第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース32に選択的に連結されて回転停止させられるとともに、第2クラッチC2を介して入力軸22(すなわち第1中間出力経路PA1の第1経路PA1a)に選択的に連結されている。第3回転要素RM3(リングギヤR2およびR3)は、出力軸24に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。第4回転要素RM4(サンギヤS3)は、第1クラッチC1を介してリングギヤR1に連結されている。なお、第2回転要素RM2とトランスミッションケース32との間には、第2回転要素RM2の正回転(入力軸22と同じ回転方向)を許容しつつ逆回転を阻止する一方向クラッチF1が第2ブレーキB2と並列に設けられている。
図2の係合作動表は、自動変速機10の各ギヤ段を成立させる際のクラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2の作動状態を説明する図表であり、「○」は係合状態を、「(○)」はエンジンブレーキ時のみ係合状態を、空欄は解放状態をそれぞれ表している。このように、自動変速機10においては、3組の遊星歯車装置12、16、18を備え、クラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2を選択的に係合することにより変速比が異なる複数のギヤ段例えば前進8段の多段変速が達成される。特に、第2ブレーキB2と並列に一方向クラッチF1が設けられていることから、第1ギヤ段(1st )を成立させる際に、第2ブレーキB2はエンジンブレーキ時には係合させられる一方、駆動時には解放させられる。
また、各ギヤ段毎に異なる変速比は、第1遊星歯車装置12、第2遊星歯車装置16、および第3遊星歯車装置18の各ギヤ比ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。また、クラッチC1〜C4、およびブレーキB1、B2(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBと表す)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置(以下、係合装置という)である。
図3は、クラッチCおよびブレーキBの各油圧アクチュエータやロックアップクラッチ30の作動を制御するリニアソレノイドバルブSL1〜SL5、SLUに関する回路図であって、油圧制御装置の一部を構成する油圧制御回路50を示す図である。
図3において、クラッチC1、C2、およびブレーキB1の各油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)34、36、42には、油圧供給装置46から出力されたDレンジ圧(前進レンジ圧、前進油圧)PDがそれぞれリニアソレノイドバルブSL1、SL2、SL5により調圧されて直接的に供給され、クラッチC3およびC4の各油圧アクチュエータ38、40には、油圧供給装置46から出力されたライン油圧PL1がそれぞれリニアソレノイドバルブSL3、SL4により調圧されて直接的に供給されるようになっている。
また、第2ブレーキB2の油圧アクチュエータ44には、油圧供給装置46から出力されたDレンジ圧PD或いはリバース圧(後進油圧)PRが第2ブレーキ制御回路90を介して供給されるようになっている。この第2ブレーキ制御回路90には、油圧供給装置46から出力されたモジュレータ油圧PMを元圧とするリニアソレノイドバルブSLUの出力油圧である制御圧PSLUが切換回路100を介して供給されるようになっている。また、切換回路100を介して第2ブレーキ制御回路90に供給される制御圧PSLUが第2ブレーキB2の係合トルクを発生させるための所定圧以上となった場合に所定の信号例えばON信号SWONを電子制御装置160(図5参照)に出力する油圧スイッチ48が第2ブレーキ制御回路90の入力側に設けられている。
油圧供給装置46は、エンジン26によって回転駆動される機械式のオイルポンプ52(図1参照)から発生する油圧を元圧としてライン油圧PL1(第1ライン油圧PL1)を調圧するプライマリレギュレータバルブ(第1調圧弁)82、レギュレータバルブ82によるライン油圧PL1の調圧のためにレギュレータバルブ82から排出される油圧を元圧としてライン油圧PL2(第2ライン油圧PL2、セカンダリ圧PL2)を調圧するセカンダリレギュレータバルブ(第2調圧弁)84、エンジン負荷等に応じたライン油圧PL1、PL2に調圧されるために第1調圧弁82および第2調圧弁84へ信号圧PSLTを供給するリニアソレノイドバルブSLT、ライン油圧PL1を元圧としてモジュレータ油圧PMを一定値に調圧するモジュレータバルブ86、およびケーブルやリンクなどを介して機械的に連結されるシフトレバー72の操作に伴い機械的に作動させられて油路が切り換えられることにより入力されたライン油圧PL1をシフトレバー72が「D」ポジション或いは「S」ポジションへ操作されたときにはDレンジ圧PDとして出力し或いは「R」ポジションへ操作されたときにはリバース圧PRとして出力するマニュアルバルブ88等を備えており、ライン油圧PL1、PL2、モジュレータ油圧PM、Dレンジ圧PD、およびリバース圧PRを供給する。
リニアソレノイドバルブSL1〜SL5、SLUは、基本的には何れも同じ構成で、電子制御装置160により独立に励磁、非励磁され、各油圧アクチュエータ34〜44の油圧が独立に調圧制御されてクラッチC1〜C4、ブレーキB1、B2の係合圧が制御される。そして、自動変速機10は、例えば図2の係合作動表に示すように予め定められた係合装置が係合されることによって各変速段が成立させられる。また、自動変速機10の変速制御においては、例えば変速に関与するクラッチCやブレーキBの解放と係合とが同時に制御される所謂クラッチ・ツウ・クラッチ変速が実行される。例えば、図2の係合作動表に示すように5速→4速のダウンシフトでは、クラッチC2が解放されると共にクラッチC4が係合され、変速ショックを抑制するようにクラッチC2の解放過渡油圧とクラッチC4の係合過渡油圧とが適切に制御される。このように、自動変速機10の係合装置(クラッチC、ブレーキB)がリニアソレノイドバルブSL1〜SL5、SLUにより各々制御されるので、係合装置の作動の応答性が向上される。或いはまた、その係合装置の係合/解放作動の為の油圧回路が簡素化される。
また、リニアソレノイドバルブSLUは、切換回路100による油路の切換えによって、クラッチCおよびブレーキBのうち所定の油圧式摩擦係合装置としての第2ブレーキB2の係合圧とロックアップクラッチ30のトルク容量とを択一的に制御する単一(兼用)のソレノイドバルブである。第2ブレーキB2はエンジンブレーキ時にのみ係合される油圧式摩擦係合装置であり、例えばエンジンブレーキ時(特に低速走行中のエンジンブレーキ時)にはエンジンストールが生じないようにロックアップクラッチ30はロックアップオンさせないことから、第2ブレーキB2の係合圧とロックアップクラッチ30の係合状態および解放状態の切換えとを同時に制御する必要がないので、それらの制御に単一(兼用)のソレノイドバルブが用いられ得るのである。
図4は、切換回路100の概略図を含み、その切換回路100によって切り換えられるリニアソレノイドバルブSLUによるロックアップクラッチ30の係合状態および解放状態の切換えを説明する為の図である。
図4において、ロックアップクラッチ30は、良く知られているように、係合油路102を介して供給される係合側油室104内の油圧PONと解放油路106を介して供給される解放側油室108内の油圧POFFとの差圧ΔP(=PON−POFF)によりフロントカバー110に摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチである。そして、トルクコンバータ28の運転条件としては、例えば差圧ΔPが負とされてロックアップクラッチ30が解放される所謂ロックアップオフ、差圧ΔPが零以上とされてロックアップクラッチ30が半係合される所謂スリップ状態、および差圧ΔPが最大値とされてロックアップクラッチ30が完全係合される所謂ロックアップオンの3条件に大別される。また、ロックアップクラッチ30のスリップ状態においては、差圧ΔPが零とされることによりロックアップクラッチ30のトルク分担がなくなって、トルクコンバータ28は、ロックアップオフと同等の運転条件とされる。
切換回路100は、ロックアップクラッチ30を解放側状態すなわちロックアップオフと係合側状態すなわち解放状態を含むスリップ状態乃至ロックアップオンとで切り換える為のロックアップリレー弁112と、このロックアップリレー弁112によりロックアップクラッチ30が係合側状態とされているときに差圧ΔPを調整してロックアップクラッチ30の作動状態を解放状態を含むスリップ状態乃至ロックアップオンの範囲で切り換えるロックアップコントロール弁114とを備えている。
ロックアップリレー弁112は、スプール弁子116と、そのスプール弁子116の一方の軸端側に設けられスプール弁子116を解放(OFF)側位置へ向かう推力を付与するスプリング118と、スプール弁子116をOFF側の位置へ付勢するためにリバース圧PRを受け入れる油室120と、そのスプール弁子116の他方の軸端側に設けられスプール弁子116を係合(ON)側の位置へ付勢するためにモジュレータ油圧PMを元圧とするON−OFFソレノイドバルブSLの出力油圧である制御圧PSLを受け入れる油室122とを備えている。このON−OFFソレノイドバルブSLは、電子制御装置160により励磁、非励磁され、ロックアップクラッチ30の係合、解放状態を切り換える制御圧発生弁として機能するものである。
ロックアップコントロール弁114は、スプール弁子124と、そのスプール弁子124をスリップ(SLIP)側位置へ向かう推力F126を付与するスプリング126と、そのスプール弁子124をSLIP側位置へ向かって付勢するためにトルクコンバータ28の係合側油室104内の油圧PONを受け入れる油室128と、そのスプール弁子124を完全係合(ON)側位置へ向かって付勢するためにトルクコンバータ28の解放側油室108内の油圧POFFを受け入れる油室130と、スプール弁子124をON側位置へ向かって付勢するために制御圧PSLUを受け入れる油室132とを備えている。
このように構成された切換回路100により、係合側油室104および解放側油室108への作動油圧の供給状態が切り換えられてロックアップクラッチ30の作動状態が切り換えられる。
まず、ロックアップクラッチ30がロックアップオフとされる場合を説明する。ロックアップリレー弁112において、制御圧PSLが油室122へ供給されずスプリング118の推力によってスプール弁子116が解放(OFF)側位置へ付勢されると、入力ポート134に供給されたライン圧PL2が解放側ポート136から解放油路106を通り解放側油室108へ供給される。そして、係合側油室104を経て係合油路102を通り係合側ポート138に排出された作動油が排出ポート140からオイルクーラ(COOLER)やクーラバイパス(COOLER BY-PASS)へ排出される。これにより、ロックアップクラッチ30がロックアップオフとされる。このとき、解放側油室108の油圧が係合側油室104の油圧よりも高くなるため、差圧ΔPは負となる。
次に、ロックアップクラッチ30が解放状態を含むスリップ状態乃至ロックアップオンとされる場合を説明する。ロックアップリレー弁112において、制御圧PSLが油室122へ供給されてスプール弁子116が係合(ON)側位置へ付勢されると、入力ポート134に供給されたライン圧PL2が係合側ポート138から係合油路102を通り係合側油室104へ供給される。この係合側油室104へ供給されるライン圧PL2が油圧PONとなる。同時に、解放側油室108は、解放油路106を通り解放側ポート136から迂回ポート146を経てロックアップコントロール弁114の制御ポート148に連通させられる。そして、解放側油室108内の油圧POFFがロックアップコントロール弁114により調整されて、つまりロックアップコントロール弁114により差圧ΔPが調整されて、ロックアップクラッチ30の作動状態がスリップ状態乃至ロックアップオンの範囲で切り換えられる。
具体的には、ロックアップリレー弁112のスプール弁子116が係合側位置へ付勢されているときに、すなわちロックアップクラッチ30が係合側状態に切り換えられたときに、ロックアップコントロール弁114において、スプール弁子124が完全係合(ON)側位置へ付勢されるための制御圧PSLUが油室132へ供給されずスプリング126の推力F126によってそのスプール弁子124がスリップ(SLIP)側位置とされると、入力ポート150に供給されたライン圧PL2が制御ポート148から迂回ポート146を経て解放側ポート136から解放油路106を通り解放側油室108へ供給される。この状態において、差圧ΔPが制御圧PSLUによって制御されてロックアップクラッチ30のスリップ状態(解放状態を含む)が制御される。
また、ロックアップリレー弁112のスプール弁子116が係合側位置へ付勢されているときに、ロックアップコントロール弁114において、スプール弁子124が完全係合(ON)側位置へ付勢されるための制御圧PSLUが油室132へ供給されると、入力ポート150から解放側油室108へはライン圧PL2が供給されず、解放側油室108からの作動油の排出が制御ポート148にて遮断される。これにより、油圧POFFが零とされることから差圧ΔPが最大とされてロックアップクラッチ30が完全係合状態とされる。
このように、ロックアップリレー弁112は、リニアソレノイドバルブSLUの出力油圧である制御圧PSLUに応じてロックアップクラッチ30を解放状態にするための第1の油路(以下、第1油路という)すなわち解放側位置と、制御圧PSLUに応じてロックアップクラッチ30の係合状態または半係合状態にすることによりトルク容量を制御するための第2の油路(以下、第2油路という)すなわち係合側位置とを切り換えるリレーバルブである。
図5は、図1の自動変速機10などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。電子制御装置160は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン26の出力制御や自動変速機10の変速制御やロックアップクラッチ30のトルク容量制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や自動変速機10およびロックアップクラッチ30の油圧制御用等に分けて構成される。
図5において、アクセルペダル54の操作量Accを検出するためのアクセル操作量センサ56、エンジン26の回転速度NEを検出するためのエンジン回転速度センサ58、エンジン26の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ60、吸入空気の温度TAを検出するための吸入空気温度センサ62、電子スロットル弁の開度θTHを検出するためのスロットル弁開度センサ64、車速V(出力軸24の回転速度NOUTに対応)を検出するための車速センサ66、エンジン26の冷却水温TWを検出するための冷却水温センサ68、常用ブレーキであるフットブレーキの操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ70、シフトレバー72がどのレバーポジション(操作位置)PSHに位置しているかを検出するためのレバーポジションセンサ74、タービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度NIN)を検出するためのタービン回転速度センサ76、油圧制御回路50内の作動油の温度であるAT油温TOILを検出するためのAT油温センサ78、車両の加速度(減速度)Gを検出するための加速度センサ80などが設けられており、それらのセンサやスイッチなどから、アクセル操作量Acc、エンジン回転速度NE、吸入空気量Q、吸入空気温度TA、スロットル弁開度θTH、車速V、出力軸回転速度NOUT、エンジン冷却水温TW、ブレーキ操作の有無、シフトレバー72のレバーポジションPSH、タービン回転速度NT(=入力軸回転速度NIN)、AT油温TOIL、車両の加速度(減速度)G、油圧スイッチ48からのON信号SWONなどを表す信号が電子制御装置160に供給される。
なお、図においては省略されているが、エンジン26に吸気を行う吸気管には、アイドル回転速度制御(Idle Speed Control;ISC)弁190が電子スロットル弁と並列に設けられている。ISC弁190は、電子スロットル弁56が全閉状態において、エンジン26の回転速度NEが、電子制御装置160において設定されたアイドルエンジン回転速度となるように、前記ISC弁190により吸気量を調節する。また、ISC弁190にはISC弁190の開度θISCを検出するためのISC弁開度センサ192が設けられており、ISC弁190の開度θISCはISC弁開度センサ192から電子制御装置160に供給されるようになっている。
また、クラッチCやブレーキBの係合/解放状態の切換えおよび係合/解放時の過渡油圧などを制御する為のリニアソレノイドバルブSL1〜SL5、SLUの励磁/非励磁や電流制御信号、ロックアップリレー弁112の油路を切り換える為のON−OFFソレノイドバルブSLの励磁/非励磁信号、ロックアップクラッチ30のトルク容量例えば差圧ΔPを制御する為のリニアソレノイドバルブSLUの電流制御信号などが電子制御装置160から供給される。
シフトレバー72は例えば運転席の近傍に配設され、図6に示すように、5つのレバーポジション「P」、「R」、「N」、「D」、または「S」へ手動操作されるようになっている。
「P」ポジション(レンジ)は自動変速機10内の動力伝達経路を解放しすなわち自動変速機10内の動力伝達が遮断されるニュートラル状態(中立状態)とし且つメカニカルパーキング機構によって機械的に出力軸24の回転を阻止(ロック)するための駐車ポジション(位置)であり、「R」ポジションは自動変速機10の出力軸24の回転方向を逆回転とするための後進走行ポジション(位置)であり、「N」ポジションは自動変速機10内の動力伝達が遮断されるニュートラル状態とするための中立ポジション(位置)であり、「D」ポジションは自動変速機10の第1速乃至第8速の変速を許容する変速範囲(Dレンジ)で自動変速モードを成立させて第1ギヤ段「1st」〜第8ギヤ段「8th」の総ての前進ギヤ段を用いて自動変速制御を実行させる前進走行ポジション(位置)であり、「S」ポジションは変速可能な高速側のギヤ段が異なる複数の変速レンジ或いは異なる複数のギヤ段を切り換えることにより手動変速が可能な前進走行ポジション(位置)である。
この「S」ポジションにおいては、シフトレバー72の操作毎に変速範囲或いはギヤ段をアップ側にシフトさせるための「+」ポジション、シフトレバー72の操作毎に変速範囲或いはギヤ段をダウン側にシフトさせるための「−」ポジションが備えられている。例えば、「S」ポジションにおいては、「D」レンジ、「7」レンジ、・・・・、「2」レンジ、「L」レンジの何れかがシフトレバー72の「+」ポジション或いは「−」ポジションへの操作に応じて変更される。また、「S」ポジションにおける「L」レンジは第1ギヤ段「1st」にて第2ブレーキB2を係合させて一層エンジンブレーキ効果が得られるためのエンジンブレーキレンジでもある。
上記「P」乃至「S」ポジションに示す各シフトポジションにおいて、「P」ポジションおよび「N」ポジションは、自動変速機10内の動力伝達経路が遮断された車両を駆動不能とする動力伝達遮断ポジション(位置)であって、車両を走行させないときに選択される非走行ポジション(位置)である。また、「R」ポジション、「D」ポジションおよび「S」ポジションは、自動変速機10内の動力伝達経路が連結された車両を駆動可能とする動力伝達可能ポジション(位置)であって、車両を走行させるときに選択される走行ポジションである。
このように、シフトレバー72は、自動変速機10を動力伝達可能状態へ切り換えるための走行ポジションと、自動変速機10を動力伝達遮断状態へ切り換えるための非走行ポジションとに切り換えられる操作装置である。
図7は、電子制御装置160による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図7において、変速制御手段162は、例えば図8に示すような車速Vおよびアクセル操作量Accをパラメータとして予め記憶された関係(マップ、変速線図)から実際の車速Vおよびアクセル操作量Accに基づいて変速判断を行い、自動変速機10の変速を実行すべきか否かを判断し、例えば自動変速機10の変速すべき変速段を判断し、その判断した変速段が得られるように自動変速機10の自動変速制御を実行する。このとき、変速制御手段162は、例えば図2に示す係合表に従って変速段が達成されるように、自動変速機10の変速に関与する油圧式摩擦係合装置を係合および/または解放させる指令(変速出力指令、油圧指令)を油圧制御回路50へ出力する。
油圧制御回路50は、その指令に従って、自動変速機10の変速が実行されるように油圧制御回路50内のリニアソレノイドバルブSL1〜SL5、SLUを作動させて、その変速に関与する油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを作動させる。
図8の変速線図において、実線はアップシフトが判断されるための変速線(アップシフト線)であり、破線はダウンシフトが判断されるための変速線(ダウンシフト線)である。また、この図8の変速線図における変速線は、実際のアクセル操作量Acc(%)を示す横線上において実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点車速)VSを越えたか否かを判断するためのものであり、この値VSすなわち変速点車速の連なりとして予め記憶されていることにもなる。なお、図8の変速線図は自動変速機10で変速が実行される第1ギヤ段乃至第8ギヤ段のうちで第1ギヤ段乃至第6ギヤ段における変速線が例示されている。
例えば、変速制御手段162は、実際の車速Vが7速→8速アップシフトを実行すべき7速→8速アップシフト線を横切ったと判断した場合には、すなわち変速点車速V7−8を越えたと判断した場合には、クラッチC3を解放させると共にブレーキB1を係合させる指令を油圧制御回路50に出力する、すなわち非励磁によってクラッチC3の係合油圧を排油(ドレン)させる指令をリニアソレノイドバルブSL3に出力すると共に、励磁によってブレーキB1の係合油圧を供給させる指令をリニアソレノイドバルブSL5に出力する。
このように、変速制御手段162は、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5、SLUの励磁、非励磁をそれぞれ制御することにより、リニアソレノイドバルブSL1〜SL5、SLUにそれぞれ対応するクラッチC1〜C4、およびブレーキB1、B2の係合、解放状態を切り換えて第1ギヤ段「1st」〜第8ギヤ段「8th」の何れかの前進ギヤ段を成立させる係合容量制御手段164を機能的に備えている。
また、「L」レンジにてエンジンブレーキ作用を得るために係合容量制御手段164がリニアソレノイドバルブSLUにより第2ブレーキB2の係合圧を制御させる場合には、ロックアップリレー弁112が第1油路に切り換えられる必要がある。そこで、変速制御手段162は、エンジンブレーキが必要なときに制御圧PSLUが第2ブレーキB2へ供給されるように、ON−OFFソレノイドバルブSLにより制御圧PSLを出力させずロックアップリレー弁112を第1油路側へ切り換えるリレーバルブ制御手段166を機能的に備えている。
また、ロックアップクラッチ30のトルク容量が制御され得るために電子制御装置160が制御圧PSLUにより差圧ΔPを制御させる場合には、ロックアップリレー弁112が第2油路に切り換えられる必要がある。そこで、リレーバルブ制御手段166は、リニアソレノイドバルブSLUにより差圧ΔPが制御されるように、ON−OFFソレノイドバルブSLにより制御圧PSLを出力させてロックアップリレー弁112を第2油路側へ切り換える。
電子制御装置160は、例えば図9に示すようなスロットル弁開度θTHおよび車速Vをパラメータとする二次元座標において解放(ロックアップオフ)領域、スリップ制御領域、係合(ロックアップオン)領域を有する予め記憶された関係(マップ、ロックアップ領域線図)から実際の車両走行状態例えばスロットル弁開度θTHおよび車速Vとに基づいてロックアップクラッチ30の作動状態の切換えを制御するロックアップクラッチ制御手段を機能的に備えている。
例えば、電子制御装置160は、ロックアップクラッチ30のロックアップオフへの切換え或いはスリップ乃至ロックアップオンへの切換えの為にON−OFFソレノイドバルブSLの制御指令を油圧制御回路50へ出力したり、差圧ΔPの制御の為にリニアソレノイドバルブSLUの制御指令を油圧制御回路50へ出力する。
前述のように、本実施例のリニアソレノイドバルブSLUは、ロックアップリレー弁112による油路の切換えによって、エンジンブレーキが必要なときには第2ブレーキB2の係合圧を制御し、ロックアップクラッチ30の作動状態をスリップ状態乃至ロックアップオンの範囲で切り換えるときにはそのロックアップクラッチ30のトルク容量(差圧ΔP)を制御する単一のソレノイドバルブである。
ところで、ロックアップクラッチ30の作動油の油温TOILが例えば−20℃などの低温である場合において車両の停止時にロックアップクラッチ30を解放しようとする場合には、ロックアップクラッチ30を十分に解放された状態すなわちロックアップクラッチピストンとフロントカバー110とが十分に離間された状態とはならない場合がある。これは、次のような理由によるものである。ロックアップクラッチ30をロックアップオフの状態にする場合には上述のようにロックアップリリーフ弁112のスプール弁116が解放側位置とされる結果、ロックアップクラッチ解放圧POFFは第2ライン圧PL2と導通させられる。一方、第2ライン圧PL2および第1ライン圧PL1はエンジン負荷やスロットル開度等に比例するように調圧されるようにされているため、車両の停車時のようなアイドル状態すなわちエンジン負荷が少ないあるいはスロットル開度が非常に小さい状態においては、前記第2ライン圧PL2の値も走行時などのエンジン負荷が高い場合等に比べて低い値とされ、その結果、ロックアップクラッチ解放圧POFFも走行時などに比べて低い値とされることになる。このような場合において、作動油の油温TOILが低温である場合にはその粘性が高くなるため、作動油が常温である場合を想定して定められたロックアップクラッチ解放圧POFFによっては、係合側油室104から係合油路102への作動油の流出が十分に行われず係合側油室104の油圧が上昇し、差圧ΔPの大きさが通常の油温の場合に比べて低下することによるものである。なお、本明細書においては、ロックアップクラッチの解放を考える場合には、差圧ΔPは負の値となるが、差圧ΔPの絶対値を差圧ΔPの大きさとよぶものとする。そして、このようなロックアップクラッチ30が十分に解放された状態でない場合には、ロックアップクラッチ30による引き摺りが生ずることとなる。
そこで、設定手段164は、前記差圧ΔPの大きさが通常の油温の場合を想定して定められた差圧よりも高くなるよう、ライン圧PLを通常時よりも高くなるように設定する。本実施例においては、前述の通りロックアップオフ時にはロックアップクラッチ解放圧POFFは第2ライン圧PL2と導通させられることから、少なくとも第2ライン圧PL2を上昇させるようにすればよい。すなわち、第2ライン圧PL2を調圧するセカンダリレギュレータバルブ84が操作されればよい。一方、第2ライン圧PL2は、第1ライン圧PL1の調圧のためのレギュレータバルブ82から排出される油圧を元圧としていることから、第1ライン圧PL1を上昇させることによっても第2ライン圧PL2を上昇させることができるようになっており、前記セカンダリレギュレータバルブ84による第2ライン圧PL2の調圧に加えてあるいはそれに替えて、第1ライン圧PL1を上昇させることも同時に行われてもよい。設定手段164は、制御開始判定手段166、制御実行手段168、制御終了判定手段170からなる。このうち、制御開始判定手段166は、所定の制御開始条件が満たされているか否かを判断する。前記制御開始条件とは、具体的には、(1)後述するエンジン回転速度変動検出手段174によるエンジン回転速度の変動が検出されたこと、(2)シフトレバー72のシフトポジションPSHが「D」レンジであること、(3)トルクコンバータ28のタービン回転速度NTが零となってから例えば1[秒]などの所定時間が経過していること、(4)後述する油温判定手段176によりトルクコンバータ28の作動油温TOILが所定値TOILs以下であると判定されたこと、(5)エンジン26の冷却水の水温TWが所定値TWs以下であること、(6)後述するアイドル判定手段172により車両がアイドル状態であると判定されたこと、の全てが満たされることをいう。このうち、前記(1)の条件はロックアップクラッチ30による引き摺りが生じたことを検出するものであり、前記(2)および(3)の条件は、自動変速機10が走行レンジであって動力を伝達する状態において、ロックアップクラッチ30が解放される状況である車両が停止していることを意味するものであり、引き摺りが生じ得る状況を意味するものである。なお、前記所定時間とは、たとえタービン回転速度NTが0となった場合であっても、その直後はトルクコンバータ28の負荷を原因とするトルクコンバータ28内の作動油の流れなどが安定しておらず、これが安定するために要する時間である。(4)の条件は、上述の通り作動油の粘度が増加し、係合側油室102からの排出量が低減し、差圧ΔPの大きさが小さくなる状況を意味している。また(5)の条件における所定値TWsは、作動油の温度低下によって差圧ΔPの大きさの低下を生じ得る温度であり、予め実験的あるいはシミュレーションにより算出される値であって、例えば40[℃]である。また、冷却水温TWは冷却水温センサ68により、シフトポジションPSHはシフトポジションセンサ74により、タービン回転速度NTはタービン回転速度センサ76によりそれぞれ検出される。(6)の条件は、上述の通り、エンジン負荷等によって定まるライン圧PL2が小さくなり、その結果ロックアップ解放圧POFFが小さくなることを意味するものである。
アイドル判定手段172は、アクセル54の開度Accに基づいて車両がアイドル状態であるか否かを判定する。具体的には例えば、アクセル開度センサ56によって検出されたアクセル開度Accが零である場合には車両がアイドル状態であると判定し、そうでない場合にはアイドル状態でないと判定する。
エンジン回転速度変動検出手段174は、所定のエンジン回転速度変動検出条件が成立するか否かの判定に基づいてエンジン回転速度が変動したか否かを検出する。かかるエンジン回転速度の変動はロックアップクラッチ30の引き摺りによるものであるためである。前記所定のエンジン回転速度変動検出条件とは、具体的には、(1)ISCバルブ190の開度θISCのエンジン回転速度変動検出手段174の実行開始時点から現時点までにおける変化幅ΔθISC、すなわち最大値と最小値の差が所定値ΔθISCc以内であること、(2)エンジン26の回転速度NEが所定の回転速度領域であること、(3)エンジン回転速度変動検出手段174の実行開始時点から現時点までにおいて、第1の所定時間tc1によって区切られる各時間区間毎のエンジン回転速度NEの変化幅、すなわち前記各所定時間区間におけるエンジン回転速度NEの最大値と最小値の差ΔNE1が所定値ΔNE1cを上回った回数が所定回数以上であったこと、(4)現在から第2の所定時間tc2だけ前の時刻から現在までの間におけるエンジン回転速度NEの変化量ΔNE2が所定値ΔNE2cよりも大きいこと、の全てが成立することである。このうち、(1)の条件は、エンジン回転速度の変動のうち、ロックアップクラッチ30の引き摺りの影響によるエンジン回転速度の変動に限定するものであって、エンジンの運転状況が略一定であることを条件とするものである。(2)の条件は、エンジン回転速度の変動のうち、ロックアップクラッチ30の引き摺りの影響によるエンジン回転速度の変動に限定するためのものであって、例えば、実験的にロックアップクラッチ30の引き摺りがエンジン回転速度NEが800[rpm]付近で多く発生する一方、600[rpm]以下や1000[rpm]以上ではほとんど発生しない場合においては、エンジン回転速度NEが、700≦NE[rpm]≦900を満たすように定められる。また、(3)および(4)の条件は、それぞれ比較的広い時間幅および瞬間的なエンジン回転速度の変化が生じているかを同時に検出することによって、好適にエンジン回転速度の変化を検出しようとするものである。なお、所定値ΔθISCc、所定のエンジン回転速度領域、所定時間tc1、tc2、ΔNE1c、ΔNE2cは予め実験的にあるいはシミュレーションにより求められるものであって、例えばtc1=32[ms]、tc2=160[ms]である。
油温判定手段176は、トルクコンバータ28の作動油温TOILが所定値TOILs以下であるか否かを判定する。ここで、トルクコンバータ28の作動油温TOILはAT油温センサ78によって検出され、また、前記所定値TOILsは、作動油の温度低下によって差圧ΔPの大きさの低下を生じ得る温度であって、予め実験的あるいはシミュレーションにより算出される値であって、例えば−20[℃]である。
制御実行手段168は、前記制御開始判定手段166によって制御開始条件が満たされていると判定された場合に、ライン圧PL1およびPL2を通常時よりも高い値に設定する。これにより、ロックアップクラッチ30の解放側油室108の油圧が高くさせられ、その結果ロックアップクラッチ30の解放側油室108の油圧と係合側油室104の油圧の差圧ΔPの大きさが大きくなる。このとき、ライン圧はステップ状に上昇させられ、例えば2[sec]などの所定時間tuだけ上昇された値が保持された後、例えば2[sec]などの所定時間tdかけてスイープダウンさせられ、元の値とされる。なお、前記所定時間tuの経過前であっても、後述する制御終了判定手段170によって制御終了条件が満たされていると判定された場合には、ライン圧の上昇は中止される。なお、ここで、ライン圧PL1およびPL2が上昇させられる具体的な度合いとしては、前記差圧ΔPの大きさがロックアップクラッチ30の引き摺りを生じなくなる程度に確保できるように上昇させられればよく、具体的な値については実験的或いはシミュレーションにより事前に算出される。
制御終了判定手段170は、所定の制御終了条件が満たされているか否かを判断する。前記制御終了条件とは、(1)後述するアイドル判定手段172により車両がアイドル状態でないと判定されたこと、(2)トルクコンバータ28のタービン回転速度NTの値が所定値NTf以上であること、(3)シフトレバー72のシフトポジションPSHが「N」レンジであること、(4)エンジン26の回転速度NEが所定値NEf以上であること、(5)前記制御実行手段168による制御の開始から所定時間tf[sec]以上が経過していること、のいずれかが成立することをいう。ここで、所定値NTfおよびNEfは、予め実験的あるいはシミュレーションにより算出される値である。また、所定時間tfは、例えば前記制御実行手段168によってライン圧が上昇させられている時間であるtuおよびスイープダウンさせられる時間であるtdの合計よりもやや長い時間、たとえば5[sec]である。これらの条件のうち、(1)および(2)の条件は、車両がアイドル状態でなくなったり、トルクコンバータのタービン回転速度が所定値NTf以上となれば、エンジン負荷などやスロットル開度に基づいてライン圧PL2が上昇させられる結果、ロックアップクラッチ解放圧POFFも上昇するため、十分な解放状態となって引き摺りが解消されるためである。また(3)の条件は、自動変速機が「N」レンジとなれば自動変速機10によって動力が伝達されない状態となり、引き摺りが実効的になくなるためである。また、(4)の条件はロックアップクラッチ30の引き摺りが発生する際のエンジン回転速度NEは実験的に把握されており、これに該当しないエンジン回転速度NEである場合には引き摺りが生じないとして制御を終了するものである。(5)の条件は、前記制御実行手段168によるライン圧の上昇は所定時間tuの間だけ行われその後所定時間tdだけかけてスイープダウンされることとされているが、何らかの障害により終了されなかった場合にこれを強制的に終了させるためのものである。
図10は、電子制御装置160の制御作動の要部すなわちロックアップクラッチ30による引き摺り防止のためのライン圧の上昇を実行する制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
まず、前記設定手段164のうち、制御開始判定手段166に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1〜S6において、制御開始条件が満たされているかが順次判定される。すなわち、S1においては、シフトレバー72のシフトポジションPSHが「D」レンジであるか否かが判断される。S2においては、エンジン回転速度NEの変動が検出されたか否かが判断される。S3においては、タービン回転速度NTが0になってから所定時間が経過したか否かが判断される。S4においては、自動変速機10の作動油温TOILが所定値TOILs以下であるか否かが判定される。S5においては、エンジンの冷却水温TWが所定値TWs以下であるか否かが判定される。S6においては、車両がアイドル状態であるかが判断される。
これらのうち、特にS2は、エンジン回転速度変動検出手段174に対応するものであって、ISCバルブ190の開度θISCのエンジン回転速度変動検出手段174の実行開始時点から現時点までにおける変化幅ΔθISC、すなわち最大値と最小値の差が所定値ΔθISCc以内であること、エンジン26の回転速度NEが所定の回転速度領域であること、エンジン回転速度変動検出手段174の実行開始時点から現時点までにおいて、第1の所定時間tc1によって区切られる各時間区間毎のエンジン回転速度NEの変化幅、すなわち前記各所定時間区間におけるエンジン回転速度NEの最大値と最小値の差ΔNE1が所定値ΔNE1cを上回った回数が所定回数以上であったこと、現在から第2の所定時間tc2だけ前の時刻から現在までの間におけるエンジン回転速度NEの変化量ΔNE2が所定値ΔNE2cよりも大きいこと、の全てが成立するか否かが判断される。
また、S4は、油温判定手段176に対応し、AT油温センサ78によって検出されたAT油温TOILが所定値TOILs以下となっているか否かが判断される。S6はアイドル判定手段172に対応し、アクセル開度センサ56によって検出されたアクセル開度Accに基づいて車両がアイドル状態であるか否かが判定される。
上記S1乃至S6において、いずれかのステップの判断においてその判断が否定された場合には本フローチャートは一旦終了させられる。一方、全てのステップの判断が肯定された場合には、続いてS7が実行させられる。
続くS7およびS8は前記制御実行手段168に対応する。まず、S7においては、ライン圧PL1およびPL2が通常時の圧力、すなわち、通常の「D」レンジにおけるアイドル状態でのライン圧よりもそれぞれ高い値とさせられる。
さらにS8においては、S7においてライン圧PL1およびPL2が上昇させられてから、所定時間tuだけ経過したかが判定される。そして、本ステップの判断が肯定された場合には、ライン圧の上昇は終了させられるとして、S10が実行される。一方、本ステップの判断が否定された場合には、所定時間tuが経過するまでライン圧の上昇を継続するものとして、本ステップが反復される。
制御終了判定手段170に対応するS9においては、制御終了条件が満たされているか否かが判定される。すなわち、後述するアイドル判定手段172により車両がアイドル状態でないと判定されたこと、トルクコンバータ28のタービン回転速度NTの値が所定値NTf以上であること、シフトレバー72のシフトポジションPSHが「N」レンジであること、エンジン26の回転速度NEが所定値NEf以上であること、前記制御実行手段168による制御の開始から所定時間tf[sec]以上が経過していること、のいずれかが成立していれば、制御終了条件が満たされているとして、本ステップの判断は肯定される。そして、本ステップの判断が肯定された場合には、S8において所定時間tuが経過しておらず、ライン圧の上昇を継続すると判断された場合であっても、ライン圧の上昇が中止されるべく、S10が実行される。一方、本ステップの判断が否定された場合には、引き続き所定時間tuが経過するまでライン圧の上昇が継続されるべく、S8に戻る。
制御実行手段168に対応するS10においては、S7において上昇させられたライン圧PL1およびPL2が上昇前の圧力まで下降させられる。このとき下降は、所定時間tdの間にスイープダウン、すなわち連続的に減少させられる。
図11は、前記電子制御装置160による制御作動の様子を表すタイムチャートであって、エンジン回転速度NE、ライン圧PL1、ロックアップクラッチ30の係合側油室104の油圧(ロックアップ係合圧)PON、ロックアップクラッチ30の解放側油室108の油圧(ロックアップ解放圧)POFFのそれぞれについて、その時間変化の様子を共通の時間軸上に表したものである。なお、本図においては、ライン圧PL2については省略されているが、本実施例においてはライン圧PL2はPL1のセカンダリ圧となっており(図3参照)、PL1を上昇あるいは下降させることに伴ってPL2も変化するようになっている。
まず、図11の時刻t1において、エンジン回転速度変動検出手段174により検出されるエンジン回転速度の変動をはじめとする制御開始条件が成立したことが制御開始判定手段166により判定される(S1〜S6)。その結果、制御実行手段168によって、時刻t2において、ライン圧PL1およびPL2の上昇が指示され、時刻t2において、ライン圧PL1およびPL2が上昇させられる(S7)。そして、時刻t3において、ロックアップクラッチ30の解放側油室102に加えられるロックアップ解放圧POFFが上昇する。この結果ロックアップ解放圧POFFとロックアップ係合圧PONとの差圧ΔPの大きさを大きくすることができ、ロックアップクラッチ30の引き摺りを低減することができる。そして、制御実行手段168によるライン圧の上昇の指示がされた時刻t2から所定時間tuの経過後である時刻t4において、ライン圧の上昇が終了し(S8の判断が肯定され)、時刻t4から時刻t5までの所定時間tdだけかけて、上昇させられていたライン圧はそれ以前の圧力までスイープダウンさせられる。
なお、図11のエンジン回転速度NEにおいて、本制御を実行しない場合のエンジン回転速度NEの時間変化の様子が破線で表されている。この破線で表されているように、本制御を実行しない場合には、ロックアップクラッチ30の引き摺りによって、エンジン回転速度NEが変動を繰り返していることがわかる一方、実線で表された本制御が実行された場合のエンジン回転速度NEの時間変化においてはこのような変動が生じておらず、本制御によってこれが解消されている。
上述のように、本実施例によれば、油温判定手段によって作動油温TOILが所定値以下であることを判定され、エンジン回転速度変動検出手段174によってエンジン26の回転変動が判定された場合において、設定手段164によってライン圧PL1およびPL2が通常時よりも高く設定されることによりロックアップクラッチ解放圧が定常圧より高く設定されるので、作動油温TOILが所定値以下であってロックアップクラッチ30の引き摺りに伴って変動するエンジン回転速度NEの変動を検知した場合に、ロックアップクラッチ30の解放圧を制御され、前記ロックアップクラッチの引き摺りを好適に防ぐことができる。
また、本実施例によれば、制御終了条件が成立した場合にはロックアップクラッチ30の解放圧は定常圧に戻されるので、低油温時に定常的に解放圧を高く設定する場合に比べ、ストレーナからの吸い込み油量が増加することによるエア吸いを抑制することができる。
また、本実施例によれば、前記終了条件とは、車両に設けられたエンジン26がアイドル状態でないこと、前記流体伝動装置としてのトルクコンバータ28のタービンの回転速度NTが所定値以上であること、前記エンジン26の回転速度NEが所定値以上であること、前記設定手段164の作動開始から所定時間が経過したこと、前記自動変速機10がNレンジであること、のいずれかが成立していることであり、これらのいずれかが成立した場合には、前記設定手段により前記ロックアップクラッチの解放圧が定常圧に戻されるので、低油温時に定常的に解放圧を高く設定する場合に比べ、ストレーナからの吸い込み油量が増加することによるエア吸いを抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
本実施例においては、第1ライン圧PL1のセカンダリ圧として第2ライン圧PL2が設けられたが、これに限られず、第1ライン圧と第2ライン圧がそれぞれ独立した油圧系統として設けられても良い。あるいは第2ライン圧は設けられず第1ライン圧のみが設けられても良い。そして、これらの実施態様において、制御実行手段168はロックアップクラッチ30の解放圧POFFを上昇させるようにライン圧を上昇させればよい。
また、本実施例においては、制御実行手段168によるライン圧PL1およびPL2の上昇は予め定められた値だけなされるとされたが、これに限られず、例えば差圧ΔPの大きさが十分となるように、あるいはエンジン回転速度の変動がなくなるようにフィードバック制御によりライン圧PL1およびPL2の上昇が行われても良い。
なお、本実施例においては、制御開始条件は、エンジン回転速度変動検出手段174によりエンジン回転速度の変動が検出されたこと、シフトレバー72のシフトポジションPSHが「D」レンジであること、トルクコンバータ28のタービン回転速度NTが零となってから例えば1[秒]などの所定時間が経過していること、油温判定手段176によりトルクコンバータ28の作動油温TOILが所定値TOILs以下であると判定されたこと、エンジン26の冷却水の水温TWが所定値TWs以下であること、アイドル判定手段172により車両がアイドル状態であると判定されたこと、の全てが満たされることとされたが、少なくともこれらのうち、AT油温TOILが所定値TOILs以下であること、エンジン回転速度変動検出手段174によりエンジン回転速度の変動が検出されたことの2点を条件としても一定の効果を生ずるものである。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用自動変速機
26:エンジン
28:トルクコンバータ(流体式伝動装置)
30:ロックアップクラッチ
72:シフトレバー(操作装置)
160:電子制御装置(油圧制御装置)
164:設定手段
174:エンジン回転速度変動検出手段(回転変動判定手段)
176:油温判定手段
POFF:ロックアップクラッチ解放圧
26:エンジン
28:トルクコンバータ(流体式伝動装置)
30:ロックアップクラッチ
72:シフトレバー(操作装置)
160:電子制御装置(油圧制御装置)
164:設定手段
174:エンジン回転速度変動検出手段(回転変動判定手段)
176:油温判定手段
POFF:ロックアップクラッチ解放圧
Claims (3)
- エンジンの出力を自動変速機へ伝達するための流体伝動装置に備えられた車両用ロックアップクラッチの制御装置であって、
作動油温が所定値以下であることを判定する油温判定手段と、
前記エンジンの回転変動を判定する回転変動判定手段と、
油温が前記所定値以下の低油温でありエンジン回転変動を検知したときには前記ロックアップクラッチを解放させるためのロックアップクラッチ解放圧を定常圧より高く設定する設定手段と
を備えることを特徴とする車両用ロックアップクラッチの制御装置。 - 前記設定手段は、所定の終了条件が成立するとロックアップクラッチの解放圧を定常圧に戻すことを特徴とする請求項1に記載の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
- 前記終了条件とは、前記エンジンがアイドル状態でないこと、前記流体伝動装置のタービンの回転速度が所定値以上であること、前記エンジンの回転速度が所定値以上であること、前記設定手段の作動開始から所定時間が経過したこと、前記自動変速機がNレンジであることのいずれかが成立していることである請求項1または2に記載の車両用ロックアップクラッチの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006322344A JP2008133940A (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | 自動変速機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006322344A JP2008133940A (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | 自動変速機の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008133940A true JP2008133940A (ja) | 2008-06-12 |
Family
ID=39558917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006322344A Pending JP2008133940A (ja) | 2006-11-29 | 2006-11-29 | 自動変速機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008133940A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017172693A (ja) * | 2016-03-23 | 2017-09-28 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用動力伝達装置の制御装置 |
-
2006
- 2006-11-29 JP JP2006322344A patent/JP2008133940A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017172693A (ja) * | 2016-03-23 | 2017-09-28 | トヨタ自動車株式会社 | 車両用動力伝達装置の制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN100494743C (zh) | 用于自动变速器的液压控制装置和液压控制方法 | |
JP5338982B2 (ja) | 車両用自動変速機の制御装置 | |
JP4353148B2 (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
JP4655434B2 (ja) | 車両用ロックアップクラッチの制御装置 | |
JP4158792B2 (ja) | 車両用自動変速機の油圧制御装置 | |
JP2005003193A (ja) | 車両用ロックアップクラッチの制御装置 | |
JP4779938B2 (ja) | 車両用油圧制御装置 | |
JP4206852B2 (ja) | 車両用自動変速機の油圧制御回路 | |
JP5035376B2 (ja) | 車両用ロックアップクラッチの制御装置 | |
JP4162024B2 (ja) | 車両用自動変速機の制御装置 | |
JP2017044324A (ja) | 車両用自動変速機の制御装置 | |
JP4446821B2 (ja) | 車両用自動変速機の油圧制御装置 | |
JP4569513B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2007139124A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP4654872B2 (ja) | 車両用自動変速機の油圧制御装置 | |
JP2008133940A (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
JP5299310B2 (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
JP5494827B2 (ja) | 車両用自動変速機の制御装置 | |
JP4798173B2 (ja) | 車両用自動変速機の変速制御装置 | |
JP2011106506A (ja) | 車両用ロックアップクラッチの制御装置 | |
JP5035221B2 (ja) | 自動変速機の変速制御装置 | |
JP4983230B2 (ja) | 車両用自動変速機の油圧制御装置 | |
JP2010175062A (ja) | 車両用動力伝達装置の制御装置 | |
JP4687376B2 (ja) | 車両用自動変速機の油圧制御装置 | |
JP4696875B2 (ja) | 車両用自動変速機の油圧制御装置 |