JP2008119309A - 食品焼き機 - Google Patents

Abstract

【課題】食品からの液分がバーナにかかることがないようにするカバーに液分が止まることがなく、カバー上で液分が燃え上がるのを防止することができる食品焼き機を提供すること。
【解決手段】バーナ４０は、焼くべき食品１を載せて下火を受ける透孔性食品受け３０に熱線を斜めに指向するように斜めに配置され、食品１からの液分４がバーナ４０に落下するのを防止するカバー５０は、このバーナ４０を覆うように斜めに配置されて内部に冷却水が供給される中空体５２から成っている。冷却水は、カバーの上側で排出口５４Ｄから流出してかバー４０上に落下した液分（油分）を洗い流す。
【選択図】図４

Description

本発明は、魚介類、肉類、野菜等の食品をメッシュ状等の透孔性食品受けに載せてバーナの如き加熱器からの下火で焼く食品焼き機の改良に関するものである。

魚介類、肉類、野菜等の食品をメッシュ状の食品受けに載せて下火で焼く場合に、食品から出る油分、汁分、水分等の液分が加熱器、例えば、バーナにかかると、バーナの機能が低下し、バーナに落下した油分が燃えて燃え上がりを生じたりするので、これらの液分がバーナにかかることがないようにする必要がある。

従来技術の食品焼き機は、液分がバーナにかかることがないように、バーナ全体を耐熱ガラスカバーで覆って食品をこの耐熱ガラスカバーから放射される熱で焼いたり、バーナのノズルから間隔をあけて配置された適宜断面形状のカバーを被せてこのカバーの両側の隙間又はカバーの火炎口から熱線を食品に向けた直火で食品を焼いたりしている（特許文献１参照）。

しかし、これらのカバーを有する食品焼き機は、食品から滴下する液分が高温のカバー上に付着したままでカバーから落下することができないため、時間の経過と共に、カバー上の油分が燃え上がって食品を良好に焼くことができない欠点があった。

特に、食品焼き機がメッシュ状コンベヤ上に食品を連続的に供給して食品を焼く自動食品焼き機である場合には、食品を食品受け上でひっくり返すことができないので、油分の燃え上がりを防止することが重要である。

また、従来技術の食品焼き機は、熱線を食品に向けて食品を焼くので、食品焼き領域の温度等の雰囲気条件は、バーナからの熱に左右されるだけであり、食品焼き領域の雰囲気条件を調整することができない欠点があった。

特開２００４−１０８６８２号公報

本発明が解決しようとする課題は、食品からの液分がバーナの如き加熱器にかかることがないようにするカバーに液分が止まることがなく、カバー上で液分が燃え上がるのを防止することができる食品焼き機を提供することにある。

本発明が解決しようとする他の課題は、食品焼き領域の雰囲気条件を適宜に調整することができる食品焼き機を提供することにある。

本発明の基本的な課題解決手段は、魚介類、肉類等の焼くべき食品を載せて下方から熱線を受ける透孔性食品受けと、この食品受けに熱線を指向する加熱器と食品受けと加熱器との間に配置され食品受け上の食品からの液分が加熱器に落下するのを防止するカバーとの組み合わせから成る下部加熱手段とを備えた食品焼き機において、加熱器は、食品受けに対して斜めに熱線を指向するように配置され、カバーは、加熱器に液分が落下するのを遮るように斜めに配置されて内部に冷却媒体が供給される中空体から成っていることを特徴とする食品焼き機を提供することにある。

本発明の基本的な課題解決手段において、食品受けは、コンベヤから成り、下部加熱手段は、コンベヤの下方にその長手方向に並べて配置されている形態とすることができる。

また、カバーの中空体に冷却媒体を供給する冷却媒体供給源が中空体に接続され、中空体は、その内部に供給された冷却媒体を中空体の上壁面に沿って流下するように排出する媒体排出口を有する形態とすることができ、この場合、媒体排出口は、中空体の上壁面の上端側のオーバーラップ部分によって形成され、冷却媒体は、典型的には、水又は空気とすることができる。

本発明の課題解決手段において、カバーは、取り外し自在に機体に取り付けられているのが好ましい。

本発明によれば、上記のように、バーナの如き加熱器が熱線を食品受けに斜めに指向するように配置され、食品からの液分が加熱器にかかることがないようにカバーが斜めに配置され、且つその内部に冷却媒体が供給されるので、食品からの液分がカバーの傾斜に沿って流下し易い上に、カバーの温度が内部の冷却媒体によって上昇するのが抑制され、従って液分がカバー上に付着したままとなることがなく、油分の燃え上がりを有効に防止することができる。

また、カバー内の冷却媒体がカバーの媒体排出口から排出すると、カバー上に落下した液分を洗い流してカバー上に液分が残留するのを一層良好に防止する上に、冷却媒体が液体である場合は蒸気の形態で食品焼き領域内の温度等の雰囲気条件を調整して食品の良好な焼き上がりを得ることができる。

本発明の好ましい実施の形態による食品焼き機１０を以下に図面を参照して述べると、図１乃至図３は、本発明の１つの形態による食品焼き機１０を示し、この食品焼き機１０は、後に詳細に述べるように、コンベヤで食品を連続的に供給して多数の食品を自動的に焼く自動食品焼き機の形態であるが、コンベヤを用いることなく、コンロ形式の食品焼き機であってもよい。

食品焼き機１０は、キャスター２２を有する機体２０を有し、この機体２０は、上下左右前後に延びる主フレーム２４と主フレーム２４の中段で左右前後に延びる中間フレーム２６とから成っている。

また、食品焼き機１０は、焼くべき食品１を載せる透孔性食品受け３０と、この食品受け３０上の食品Ｆに下側から熱線（火）を向ける加熱器、例えばバーナ４０とこのバーナ４０Ｇに食品１からの滴下液分４（図４参照）がかからないように受け止めるカバー５０との組合せである複数の下部加熱手段６０とを備えている。なお、図示していないが、食品受け３０の上方から上火をあてるように上部加熱手段を設けてもよいことはもちろんである。

透孔性食品受け３０は、図示の形態では、中間フレーム２６付近に設けられたコンベヤ３２から成っている。コンベヤ３２は、左右前後のプーリー３４Ｆ、３４Ｒとこれらのプーリー３４Ｆと３４Ｒとの間に掛け渡された左右のベルト３６Ｒ、３６Ｌ間に支持されたメッシュ状又はネット状の食品受け部材３８とから成っている。スプロケット３４Ｆ、３４Ｒは、主フレーム２４の前後左右に取り付けられたブラケット２６ＦＢ、２４ＲＢ間に支持された回転軸３４ＦＳ、３４ＲＳに支持されている。回転軸３４ＦＳ、３４ＲＳのいずれか一方は、図示しない回転駆動源に接続されている。なお、食品受け部材３８は、メッシュ、ネット以外に透孔性であれば、他の任意の形態とすることができる。

複数の下部加熱手段６０は、図２から解るように、コンベヤ３２の下方にその長手方向に同じ向きで平行に並べて配置されている。図示の例では、５組の下部加熱手段６０が配置されているが、その数は、コンベヤ３２の長さに応じて適宜設定される。なお、図３に示すように、この下部加熱手段６０のバーナ４０及びカバー５０は、コンベヤ３２の幅とほぼ同じ幅を有するのが好ましい。

各下部加熱手段６０のガスバーナ４０は、食品受け３０であるコンベヤ３２に対して斜めに熱線２（図４参照）を指向するようにカバー５０の下方にコンベヤ３２の進行方向と反対方向に斜め上向きに配置されている。このバーナ４０は、典型的には、ガスバーナであるが、石油バーナその他の適宜のバーナとすることができる。バーナ４０は、取り付けねじ４２によって１対の取り付けフレーム２６ＡＦに取り付けられている。

また、各加熱手段６０のカバー５０は、図２、図４及び図５に示すように、バーナ４０に液分４が落下するのを遮るように食品受け３０であるコンベヤ３２の受け面に対して進行方向に下向き斜めに配置されて内部に冷却媒体が供給される中空体５２から成っている。図示の例では、カバー５０は、バーナ４０の熱線２の指向方向に平行に配置されている。

中空体５２は、図示の例では、熱伝導性がよい鉄板等の金属製箱５２Ｍから成っており、この金属製箱５２Ｍは、図４及び図５に示すように、上下壁面５２Ｕ、５２Ｌ、前後壁面５２Ｆ、５２Ｒ及び左右両側壁面５２ＳＬ、５２ＳＲを有するが、上壁面５２Ｕは、後壁面５２Ｒから垂下する後端部分５２ＵＵと前壁面５２Ｆから延び上がっている本体部分５２ＵＭとが後端部分付近（上側部分）で後端部分５２ＵＵが上方となるようにオーバーラップしてオーバーラップ部分５２ＯＶを形成しており、このオーバーラップ部分５２ＯＶの隙間に後に述べる媒体排出口を形成している。なお、この実施の形態において、「前」とか「後」という概念は、コンベヤ３２の進行方向の「前方」、「後方」をそれぞれ意味する。

カバー５０の中空体５２に冷却媒体を供給する冷却媒体供給源５４が中空体５２の下方の前壁面５２Ｆに設けられた媒体供給口５４Ｈに接続されている。図示の例では、冷却媒体は、水であり、従って冷却媒体供給源５４は、給水管５４Ｃから成っている。給水管５４Ｃは、図２に示すように、各組の下部加熱手段６０のカバー５０の中空体５２の媒体供給口５４Ｈにそれぞれ接続されている。

既に述べたように、中空体５２は、上壁面５２Ｕの上方付近のオーバーラップ部分５２ＯＶの隙間に媒体排出口５４Ｄを有しており、この媒体排出口５４Ｄは、冷却媒体供給源５４から中空体５２の内部に供給された冷却媒体を中空体５２の上壁面５２Ｕに沿って流下するように排出する機能を有する。冷却媒体は、水以外に空気またはその他の適宜の流体とすることができる。

このカバー５０は、図５に示すように、機体２０の中間フレーム２６の両側に取り付けられた１対の取付けフレーム２６ＡＦにねじ５６Ｓによって着脱自在に取り付けられる取付け片５６Ｐを有する。従って、カバー５０は、使用後に、定期的に又は随時に、機体２０から取り外して表面を容易に清掃することができる。

次に、本発明の上記実施の形態による食品焼き機１０の使用状態を述べると、焼くべき食品１、例えば、魚介類１Ｆをコンベヤ３２の入口（図１、図２の左側）から順次供給し、コンベヤ３２を適宜の速度で移送し、一方、予め、下部加熱手段６０のバーナ４０を着火し、カバー５０の中空体５２内に冷却媒体供給源５４である給水管５４Ｃから冷却媒体供給口５４Ｈをへて水を供給する。

このようにして、食品焼き機１０内に魚介類１Ｆを順次搬送すると、魚介類１Ｆは、下部加熱手段６０によって熱線２を受けて焼かれるが（図４参照）、カバー５０とバーナ４０とは、上下の関係を保って魚介類１Ｆの搬送方向（コンベヤ３２の長手方向）に対して斜め下向きに配置されているので、バーナ４０からの熱線２は、図示のように、垂直に上昇するのではなく、カバー５０の傾斜に沿って斜めに上昇して魚介類１Ｆを加熱して焼き、また熱線２で加熱された空気３は、垂直に上昇し、カバー５０の下壁面５０Ｌに当たると、この下壁面５０Ｌに沿って斜めに上昇し、カバー５０が切れた後側（後壁面を有する側）で再び垂直に上昇して魚介類１Ｆを加熱する。このようにして、魚介類１Ｆは、熱線２と加熱空気３とによって加熱して焼かれる。

一方、このようにして焼かれた魚介類１Ｆから滴下する油滴、水滴等の液分４は、図４に示すように、垂直に滴下するが、カバー５０の上に滴下した液分４は、カバー５０の上壁面５０Ｕの傾斜に沿って流下してカバー５０から更に落下する。カバー５０内には冷却媒体が供給されているので、カバー５０の温度が上昇することがなく、従ってカバー５０上に滴下した液分１が上壁面５２Ｕに付着したり燃焼したりすることがなく、カバー５０の上壁面５２Ｕの傾斜に沿って流下することができる。なお、既に述べたように、媒体排出口５４Ｄは、オーバーラップ部分５４ＯＶに設けられていてこのオーバーラップ部分５４ＯＶの後端部分５２ＵＵによってカバーされているので、魚介類１Ｆから滴下する液分４がこの媒体排出口５４Ｄから中空体５２内に入り込むことがない。

また、両隣のカバー５０の間では液分４は、そのまま垂直に滴下するが、この場合、バーナ４０は、カバー５０の下方に位置しているので、カバー５０の間で滴下する液分４がバーナ４０に付着することはない。

下部加熱手段６０の下方には図示しない液分４を受け入れる受け皿が配置されており、カバー５０から流下したりカバーの間を滴下したりした液分４は、この受け皿に貯められて廃棄することができる。

カバー５０の中空体５２内に供給された冷却媒体（水）は、カバー５０の上壁面５２Ｕの上方（後方）の媒体排出口５４Ｄから排出されてカバー５０の上壁面５２Ｕに沿って下向きに流れるので、カバー５０上に滴下した液分４を洗い流し、また一部は、図５に示すように、蒸気５となって魚介類１Ｆの焼き領域に上昇するので、焼き領域の温度を適度に調節し、魚介類１Ｆをまろやかに焼くことができる。

食品焼き領域の温度等の雰囲気条件は、冷却媒体の供給量や供給速度を調節することによって容易に調整することができるが、媒体排出口５４Ｄの開度を図示しない手段によって調節することによっても調整することができる。

図示の形態では、冷却媒体は、カバー５０の中空体５２に入って媒体排出口５４Ｄからカバー５０の上壁面５４Ｕに垂れ流すようにしたが、中空体５２から排出管を介して回収することによって閉じられた媒体流路（ループ）を形成してもよい。それに代えて、中空体５２の上側にある後壁面５２Ｒから冷却媒体を供給して中空体５２の下側の前壁面から排水管を経て又は垂れ流しで排出してもよい。

上記実施の形態では、バーナ４０及びカバー５０は、コンベヤ３２の進行方向に下向きに傾斜していたが、コンベヤ３２の進行方向の上向きに傾斜していてもよい。この場合には、中空体の前端が上方となるので、中空体５２の媒体排出口５４Ｄは、この前端側の上壁面に設けられる。また、上記実施の形態では、バーナ４０とカバー５０とは、平行になるように同じ傾斜角度で配置されているが、これらの傾斜角度は必ずしも同一である必要はなく、これらは、異なる角度で傾斜していてもよい。特に、カバー５０の傾斜角度は、バーナ４０の熱線２が食品品受け３０に到達するのを妨げることがない限り、床面に対して大きくして傾斜を大きくして液分４の落下を促進するようにするのが好ましい。

なお、上記の使用状態の説明では、魚介類１Ｆを焼く場合を例に掲げたが、魚介類以外に、肉類、野菜類、その他適宜の食品を単独又は組合せで焼くのに使用することができることはもちろんである。また、加熱器は、バーナ以外の形態、例えば、電気加熱器であってもよい。

上記のように、加熱器を覆うカバーが斜めに配置されているので、食品からの液分がカバーの傾斜に沿って流下し易く、またカバーの温度が中空体の内部に供給される冷却媒体によって上昇するのが抑制されるので、液分がカバー上に付着したままとなったり、油分が燃え上がったりするのを有効に防止することができる。

また、カバー内の冷却媒体がバーの媒体排出口から排出すると、カバー上に落下した液分を洗い流してカバー上に液分が残留するのを一層良好に防止する上に、冷却媒体が液体である場合は蒸気の形態で食品焼き領域内の温度を調整して食品の良好な焼き上がりを得ることができる。

本発明によれば、食品から滴下する液分が加熱器を覆うカバーに付着したままとなったり、燃え上がったりすることがなく、また食品焼き領域の雰囲気を適宜調節して食品を良好に焼くことができ、高い産業上の利用性を有する。

本発明の１つの実施の形態による食品焼き機の上面図である。 図１の食品焼き機の側面図である。 図１の食品焼き機の正面図である。 図１の食品焼き機の下部加熱手段の一部の部分垂直断面拡大側面図である。 １つの下部加熱手段の更に拡大した垂直断面図である。

符号の説明

１ 食品
１Ｆ 魚介類
２ 熱線
３ 空気
４ 液分
５ 蒸気
１０ 食品焼き機
２０ 機体
２２ キャスター
２４ 主フレーム
２６ 中間フレーム
２６ＦＢ、２６ＲＢ ブラケット
２６ＡＦ １対の取付けフレーム
３０ 透孔性食品受け
３２ メッシュ状又はネット状のコンベヤ
３４Ｆ、３４Ｒ 左右前後のプーリー
３４ＦＳ、３４ＲＳ 回転軸
３６Ｒ、３６Ｌ 左右のベルト
３８ 食品受け部材
４０ バーナ
５０ カバー
５２ 中空体
５２Ｃ 金属製箱
５２Ｕ、５２Ｌ 上下壁面
５２ＵＵ 後端部分
５２ＵＭ 本体部分
５２ＯＶ オーバーラップ部分
５２Ｄ 媒体排出口
５２Ｆ、５２Ｒ 前後壁面
５２ＳＬ、５２ＳＲ 左右両側壁面
５４ 冷却媒体供給源
５４Ｃ 給水管
５４Ｈ 媒体供給口
５４Ｄ 媒体排出口
５６Ｓ ねじ
５６Ｐ 取付け片
６０ 下部加熱手段

Claims (7)

1. 魚介類、肉類、野菜類等の焼くべき食品を載せて下方から熱線を受ける透孔性食品受けと、前記食品受けに熱線を指向する加熱器と前記食品受けと前記加熱器との間に配置され前記食品受け上の食品からの液分が前記加熱器に落下するのを防止するカバーとの組み合わせから成る下部加熱手段とを備えた食品焼き機において、前記加熱器は、前記食品受けに対して斜めに熱線を指向するように配置され、前記カバーは、前記加熱器に前記液分が落下するのを遮るように斜めに配置されて内部に冷却媒体が供給される中空体から成っていることを特徴とする食品焼き機。
2. 請求項１に記載の食品焼き機であって、前記透孔性食品受けは、コンベヤから成り、複数の下部加熱手段が前記コンベヤの下方に並べて配置されていることを特徴とする食品焼き機。
3. 請求項１又は２に記載の食品焼き機であって、前記カバーの中空体に前記冷却媒体を供給する冷却媒体供給源が前記中空体に接続されていることを特徴とする食品焼き機。
4. 請求項３に記載の食品焼き機であって、前記中空体は、その内部に供給された冷却媒体を前記中空体の上壁面に沿って流下するように排出する媒体排出口を有することを特徴とする食品焼き機。
5. 請求項４に記載の食品焼ききであって、前記媒体排出口は、前記中空体の上壁面の上端側のオーバーラップ部分によって形成されていることを特徴とする食品焼き機。
6. 請求項１乃至５のいずれかに記載の食品焼き機であって、前記冷却媒体は、水又は空気であることを特徴とする食品焼き機。
7. 請求項１乃至６のいずれかに記載の食品焼き機であって、前記カバーは、取り外し自在に機体に取り付けられていることを特徴とする食品焼き機。

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