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JP2008080649A - 搬送機構及びそれを備えた記録装置 - Google Patents

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JP2008080649A
JP2008080649A JP2006263274A JP2006263274A JP2008080649A JP 2008080649 A JP2008080649 A JP 2008080649A JP 2006263274 A JP2006263274 A JP 2006263274A JP 2006263274 A JP2006263274 A JP 2006263274A JP 2008080649 A JP2008080649 A JP 2008080649A
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Takashi Moriyama
隆司 森山
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Abstract

【課題】搬送機構内で媒体の詰まりが発生したときには、詰まった媒体の除去作業を容易に行うことができ、取り扱い性及び保守性に優れた搬送機構及びそれを備えた記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタ1の搬送機構11は、用紙Pを挟持して供給側からプラテン面91a上に搬送する第1搬送部と、プラテン面91a上を通過した用紙Pを挟持してその下流に搬送する第2搬送部と、プラテン面91aと印刷処理機構43との間のギャップPGを調整する処理ギャップ調整機構51と、搬送途中の用紙Pの詰まりを検出した際に、処理ギャップ調整機構51を作動させてギャップPGを最大限に拡げる制御部101と、第1搬送部の用紙Pに対する挟持状態を開放する第1レリース機構78と、第2搬送部の用紙に対する挟持状態を開放する第2レリース機構97と、を備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、処理用基準面上でシート状の媒体に対して情報処理を行う処理部に対して、媒体を搬送する搬送機構、及びそれを備えた記録装置に関する。
シート状の媒体を所定の搬送経路に沿って搬送するとともに、その搬送経路の途中の処理用基準面上に搬送された媒体に対して、情報処理を実施する装置の一例としては、パソコン等に接続されるプリンタ(記録装置)が挙げられる。
このようなプリンタでは、外郭を形成する装置ケース内に、媒体である用紙を積層収容する給紙部や、該給紙部から用紙を一枚ずつ繰り出して所定の搬送経路に沿って搬送する搬送機構や、前記搬送経路の途中に設定されたプラテン面(処理用基準面)に搬送されてきた用紙の表面に文字や図形等の画像印刷処理を行う印刷ヘッドや、前記印刷ヘッドに所定の移動力を付与するキャリッジ等の各種の動作機器が組み込まれている。
最近のプリンタでは、装置のコンパクト化や省スペース化のために、用紙の給紙部や印刷処理した用紙の排出部をいずれも装置の前面側に配置したフロント給・排紙タイプのものが各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなフロント給・排紙タイプのプリンタでは、給紙用に用紙を積層収容した用紙カセットが装置前面の下部に配置されるとともに、印刷処理後の用紙を排出する排紙トレイが用紙カセットの上方に配置されており、用紙カセットと排紙トレイとの間を結ぶU字状搬送経路が装置ケース内に構築されるとともに、U字状搬送経路を構成する直線状搬送経路の途中にプラテン面が設定されることにより、そのプラテン面の上方に印刷ヘッドが配置されている。
そして、フロント給・排紙タイプのプリンタのU字状搬送経路には、用紙を挟持してその搬送経路上の下流側に設けられたプラテン面に搬送するための紙送りローラ及び従動ローラや、前記搬送経路に送り込まれた用紙を挟持してその搬送経路上の下流側に所定距離だけ離れた前記紙送りローラ及び従動ローラに搬送するための中間ローラ及びアシストローラや、前記プラテン面上に搬送されてきた用紙に対して印刷処理を行う印刷ヘッドや、この印刷ヘッドにより印刷処理された用紙を搬送経路出口の排紙トレイに排出する排紙ローラ及びガイドローラなどが配置される。
また、近年のプリンタの場合は、例えば、普通紙、はがき等の厚紙、CD−Rなどの厚さの異なる各種メディアに対して安定した印刷ができるように、プラテン面と印刷ヘッドとの間のギャップを調整する処理ギャップ調整機構や、搬送経路上の紙送りローラ及び従動ローラにおいて用紙を挟持するローラ間のギャップを調整可能にしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照、特許文献3参照、特許文献4参照)。
ところで、フロント給・排紙タイプのプリンタの場合、一般には搬送経路内での紙ジャムにより詰まった用紙の除去のために、U字状搬送経路を構成する搬送機構の一部を開閉可能とする搬送経路開閉機構が設けられており、紙ジャムの発生時には、該搬送経路開閉機構を開くことで、紙ジャム状態になった用紙の少なくとも一部を外部に露出できるようにしている。
特許第3520469号公報 特開2003−266856号公報 特開2002−356036号公報 特開平5−309909号公報
ところが、プリンタにおける紙ジャム(紙詰まり)対策として、紙ジャム状態になった用紙の少なくとも一部を外部に露出させる搬送経路開閉機構を設けただけでは、詰まった用紙を簡単に除去できない場合が少なくなく、さらに別の問題を生じる可能性もあった。
すなわち、詰まった紙の一部が搬送経路の各ローラ対に挟持された状態にあるために小さな力では抜き取りが困難となったり、無理に詰まっている用紙を引き抜くとローラ対に挟持されている一部がちぎれ、ちぎれた小片が搬送経路内に残って次の搬送処理時に新たな障害を招いたりする虞があった。
また、詰まった用紙の一部が、印刷用基準面と印刷ヘッドとの間にある場合には、詰まった用紙を引き抜く際に、用紙が印刷ヘッドに擦れることによって、印刷ヘッドの破損又は汚損を招く可能性があった。
更に、紙ジャムによって詰まった用紙を引き出す際に、用紙との摩擦力で各ローラ対の駆動ローラが回転させられると、駆動ローラの回転が動力伝達系を逆進して駆動モータに回転力を入力し、駆動モータの発電現象が発生するので、この駆動モータの発電によって回路が破損する可能性もあった。
一方、このような不具合の発生を防止するために、新たに紙ジャム対策用の機構を追加する構成にすると、構成の煩雑化によるコストアップが避けられない。
そこで、本発明の目的は、搬送機構内で媒体の詰まりが発生したときには、詰まった媒体の除去作業を容易に行うことができ、取り扱い性及び保守性に優れた搬送機構及びそれを備えた記録装置を提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明に係る搬送機構は、処理用基準面上でシート状の媒体に対して情報処理を行う処理部に対して、前記媒体を搬送する搬送機構であって、前記媒体を挟持して供給側から前記処理用基準面上に搬送する第1搬送部と、前記処理用基準面上を通過した前記媒体を挟持してその下流に搬送する第2搬送部と、前記処理用基準面と前記処理部との間のギャップを調整する処理ギャップ調整機構と、搬送途中の前記媒体の詰まりを検出した際に、前記処理ギャップ調整機構を作動させて前記処理用基準面と前記処理部との間のギャップを所定の間隔に拡げる制御部と、前記第1搬送部の前記媒体に対する挟持状態を開放する第1レリース機構と、前記第2搬送部の前記媒体に対する挟持状態を開放する第2レリース機構と、を備えていることを特徴とする。
このように構成された搬送機構によれば、搬送途中の媒体の詰まりが検出されたときには、制御部が処理ギャップ調整機構を作動させて処理用基準面と処理部との間のギャップが所定の間隔まで拡げられる。そこで、詰まっている媒体を引き出す際には、詰まっていた媒体が処理用基準面と処理部との間に擦れて処理部を汚損する虞がなく、詰まっていた媒体を安全に除去することができる。さらに、第1搬送部の媒体に対する挟持状態を開放する第1レリース機構と、第2搬送部の媒体に対する挟持状態を開放する第2レリース機構とを備えているため、第1レリース機構及び第2レリース機構を作動させることで、詰まった媒体に対する第1搬送部の挟持状態及び第2搬送部の挟持状態を開放して、媒体を除去する際の負荷を減らす(実質的に無くす)ことができる。したがって、詰まった媒体を引き出す際に媒体の一部がちぎれて小片として搬送機構内に残存することを防止することができる。また、詰まっている媒体を小さな力でも容易に引き出すことができ、詰まり発生時における搬送機構の取り扱い性及び保守性を向上させることができる。
また、媒体の詰まり発生時に自動的に動作させる処理ギャップ調整機構は、厚さの異なる媒体の処理を可能にするために備えていたものを媒体の詰まり対策に共用するものであるので、新たに媒体の詰まり対策用の機構を追加して設ける必要がなく、詰まった媒体の除去時における処理部の保護を低コストで実現することができる。
また、本発明の搬送機構において、前記第1レリース機構は、前記処理ギャップ調整機構により前記処理用基準面と前記処理部との間のギャップを所定の間隔に拡げる動作に合わせて作動されることが好ましい。
このように構成された搬送機構によれば、媒体の詰まりが発生した時に処理ギャップ調整機構が処理用基準面と処理部との間のギャップを所定の間隔に拡げる動作を行い、それに合わせて第1レリース機構が作動されて第1搬送部の前記媒体に対する挟持状態が開放されるため、詰まっている媒体を取り出す負荷を同時に低減することができる。
さらに、本発明の搬送機構において、前記第1レリース機構は、前記処理ギャップ調整機構からの動力伝達により、前記処理ギャップ調整機構と連動して作動されることが好ましい。
このように構成された搬送機構によれば、第1レリース機構が処理ギャップ調整機構の動力により作動されるため、第1レリース機構を作動させるための専用の駆動源を設ける必要が無く、装置の低コスト化を図ることができる。
また、本発明の搬送機構において、前記第2レリース機構は、前記処理ギャップ調整機構により前記処理用基準面と前記処理部との間のギャップを所定の間隔に拡げる動作に合わせて作動されることが好ましい。
このように構成された搬送機構によれば、媒体の詰まりが発生した時に処理ギャップ調整機構が処理用基準面と処理部との間のギャップを所定の間隔に拡げる動作を行い、それに合わせて第2レリース機構が作動されて第2搬送部の前記媒体に対する挟持状態が開放されるため、詰まっている媒体を取り出す負荷を同時に低減することができる。
さらに、本発明の搬送機構において、前記第2レリース機構は、前記処理ギャップ調整機構からの動力伝達により、前記処理ギャップ調整機構と連動して作動されることが好ましい。
このように構成された搬送機構によれば、第2レリース機構が処理ギャップ調整機構の動力により作動されるため、第2レリース機構を作動させるための専用の駆動源を設ける必要が無く、装置の低コスト化を図ることができる。
また、上記課題を解決することのできる本発明に係る記録装置は、上記本発明に係る搬送機構を備え、前記処理部が前記媒体に対して印刷処理を行う印刷ヘッドを備えていることを特徴とする。
このように構成された記録装置は、印刷ヘッドで印刷処理を行う際などに搬送機構内で媒体の詰まりが発生しても、詰まった媒体の除去作業を容易に行うことができ、取り扱い性及び保守性に優れている。
以下、本発明に係る搬送機構及びそれを備えた記録装置の実施形態の例について図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、搬送機構を備えた記録装置として、図1に示すインクジェットプリンタ1を例に説明するが、本発明に係る搬送機構は、例えばプリンタの他に、複写機、スキャナ、ファクシミリ、紙幣両替機等にも適用可能である。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの外観斜視図、図2及び図3は図1に示したインクジェットプリンタから排紙トレイ及び上部ケースを取り外した状態の外観斜視図、図4から図6は図1に示したインクジェットプリンタにおける用紙の搬送経路を説明する側断面図、図7から図10は図1に示したインクジェットプリンタにおける用紙の搬送経路の要部側断面図、図11は図1に示したインクジェットプリンタにおける制御ブロック図である。
本実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、フロント給・排紙タイプのプリンタであり、図1に示すように、上部ケース2と下部ケース3とから構成される装置ケース4の前面中央に、シート状の媒体である用紙Pを積層収容した略箱形の用紙カセット5が着脱自在に挿着されている。
また、用紙カセット5の上面開放部を覆うように、印刷が終了した用紙を受ける排紙トレイ6が設けられている。
更に、装置ケース4の前面左右には、インジケータ等の表示部7や電源スイッチ等の操作部8が配設されている。また、装置ケース4の前面左右に配設された黒インクカートリッジ装着部及びカラーインクカートリッジ装着部は、それぞれ開閉自在な黒インクカバー9及びカラーインクカバー10によって覆われている。
装置ケース4の内部には、図2及び図3に示すように、後述する給紙ユニット22のピックアップローラ(給紙ローラ)21によって用紙カセット5から一枚ずつ繰り出される用紙PをU字状搬送経路(搬送経路)に沿って搬送する搬送機構11と、この搬送機構11によるU字状搬送経路の途中に用紙Pの搬送方向と直交する方向へ往復移動自在に設けられたキャリッジ13と、このキャリッジ13に搭載されて用紙Pに記録用インクの微少滴を吐出して印刷処理(情報処理)を行う印刷ヘッド44と、その印刷ヘッド44に供給する記録用インクを貯留したインクタンク15,16と、搬送機構11による用紙Pの搬送速度やキャリッジ13の移動速度や印刷ヘッド44のインク吐出動作等を制御する制御部(図11参照)とが設けられている。
キャリッジ13は、図2及び図3に示すように、用紙幅方向に延在する一対のキャリッジ軸53,53により用紙幅方向に移動自在に支持されるとともに、キャリッジモータ14によって駆動されるタイミングベルト54に固定されて、タイミングベルト54の走行に応じて用紙幅方向に往復移動させられる。
このインクジェットプリンタ1は、用紙Pの搬送方向を副走査方向、キャリッジ13の移動方向を主走査方向として、キャリッジ13に搭載された印刷ヘッド44からのインク吐出動作を制御することで、用紙Pに文字や図形等の画像記録(印刷処理)を行う。
本実施形態のインクジェットプリンタ1の場合、搬送機構11によって用紙Pが搬送されるU字状搬送経路は、図4に示すように、用紙カセット5から繰り出された用紙Pを搬送する円弧状搬送経路Aと、この円弧状搬送経路Aから排紙トレイ6へ繋がる直線状搬送経路Bとから構成されている。
また、U字状搬送経路の円弧状搬送経路Aを構成する機構の一部であるガイド部34が、図3に示す後部開閉カバー17に組み付けられており、円弧状搬送経路Aを構成するガイド部34を開閉可能にした該後部開閉カバー17は、紙ジャムにより円弧状搬送経路Aに詰まった用紙Pの一部を外部に露出させる搬送経路開閉機構を構成している。
搬送機構11は、さらにオートシートフィーダ(ASF)部と第1搬送部と第2搬送部とを有している。
オートシートフィーダ部は、用紙カセット5に積層収容されている複数枚の用紙Pを一枚ずつ装置後方の円弧状搬送経路Aの入口に繰り出す給紙ユニット22と、円弧状搬送経路Aに設けられて給紙ユニット22が繰り出した用紙Pを下流側に所定距離だけ離れた紙送りローラ41及び従動ローラ42に挟持して搬送するための中間ローラ31及びアシストローラ33と、中間ローラ31の外周に沿って送られる用紙Pの搬送方向を円弧状搬送経路Aの出口に至る円弧状に規制するガイド部34と、から構成されている。
駆動ローラとしての中間ローラ31は、従動ローラとしてのアシストローラ33との間に用紙Pを挟むことで、用紙Pを挟持して搬送する。アシストローラ33の上流側には、リタードローラ32が設けられており、複数枚の用紙Pが円弧状搬送経路Aに繰り出されるのを防止している。
第1搬送部は、直線状搬送経路B上に設けられた紙送りローラ41及び従動ローラ42により、用紙Pの供給側(円弧状搬送経路A)から搬送されてきた用紙Pをその下流に配置されたプラテン面(処理用基準面)91aを備えたプラテン91上に搬送する紙送り部である(図7参照)。
本実施形態の第1搬送部は、用紙Pの下面に接触する駆動ローラとしての紙送りローラ41に、従動ローラ42が用紙Pの上面を押圧付勢することにより、該用紙Pを挟持して搬送する。
また、装置ケース4の内部には、プラテン91のプラテン面91a上に搬送されてきた用紙Pに対して文字や図形等の画像を印刷する印刷ヘッド44を備えた印刷処理機構(処理部)43が組み込まれている。該印刷処理機構43によって印刷処理が済んだ用紙Pは、第2搬送部を構成する駆動ローラである排紙ローラ48aと従動ローラであるガイドローラ48bとによって挟持されつつ搬送され、U字状搬送経路出口の排紙トレイ6に排出される。
給紙ユニット22は、図4に示すように、先端に繰り出し用のピックアップローラ21を備えた給紙レバー25の後端が支持ピン24によって図中上下方向に回動可能に構成されている。この給紙ユニット22は、給紙レバー25の下方向への揺動により、用紙カセット5内の最上部の用紙Pに対してピックアップローラ21を接触させることが可能である。
給紙ユニット22は、当該インクジェットプリンタ1の休止時には図4に示すように給紙レバー25が略水平に維持されて、ピックアップローラ21が用紙カセット5上の用紙Pから離れた状態に保たれる。
そして給紙時には、支持ピン24を中心とする給紙レバー25の下方への回動によって、図5に示すように、ピックアップローラ21が用紙カセット5内の最上部の用紙Pに押し付けられ、ピックアップローラ21の回転によって用紙カセット5内の用紙Pが傾斜した摩擦パッド23に当接し、その摩擦力と用紙Pの腰の強さによって分離されながら、一枚ずつ円弧状搬送経路Aに繰り出される。
この際、リタードローラ32は、用紙Pに用紙カセット5へ押し戻す方向の力を付与しつつ、中間ローラ31との間に挟むことで、用紙Pを1枚ずつ分離して下流の円弧状搬送経路Aに分離搬送する
給紙が済んで、印刷処理機構43によって印刷が開始される時には、図6に示すように、給紙レバー25は元の水平状態に戻される。
ガイド部34の上方側には、搬送されてきた用紙Pを直線状搬送経路B側に向けて送るアシストローラ33とともに補助ガイド部材35が設けられている。
この補助ガイド部材35は、ガイド部34に対して後端側が回動可能に支持され、先端側が揺動自在とされている。
そして、図6に示すように、この補助ガイド部材35は、円弧状搬送経路Aから直線状搬送経路Bへ搬送される用紙Pを上方側から自重により押さえ、該用紙Pを直線状搬送経路Bに沿ってインクジェットプリンタ1の前方側に案内する。
第1搬送部を構成する紙送りローラ41及び従動ローラ42は、円弧状搬送経路Aの出口端(ガイド部34の下流側端部)から装置前面側に所定距離離れて設けられており、図6に示すように、円弧状搬送経路Aから直線状搬送経路Bに送り出されてきた用紙Pを挟持して印刷位置である印刷処理機構43の下に搬送する。そして、紙送りローラ41の回転駆動量を制御することにより、用紙Pを印刷処理機構43に対して位置決め(頭出し動作など)することが可能である。
印刷処理機構43の印刷ヘッド44は、図4に示すように、用紙Pに向かってインク滴を吐出させる吐出ノズル46を有しており、この吐出ノズル46に対するインクジェットプリンタ1の後方側には、用紙Pを検出するとともにその幅を検出するPWセンサ47が設けられている。
このPWセンサ47は、用紙Pに向かって照射した光の反射光を検出することにより、用紙Pの有無を検出し、キャリッジ13の移動により用紙Pの幅を検出する。
なお、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、用紙Pの有無を検出する用紙検出センサが、搬送経路の適宜複数箇所に設置されている。例えば、本実施形態では、円弧状搬送経路Aから直線状搬送経路Bへ搬送されてきた用紙Pを検出可能な位置に設けられた用紙検出センサ45が設けられている。なお、用紙検出センサは透過型のセンサでも構わない。
さらに、本実施形態の搬送機構11は、厚さの異なる用紙Pへの印刷処理やCD−R表面への直接印刷処理のために、プラテン面91aと印刷ヘッド44との間のギャップを調整する処理ギャップ調整機構(APG:Auto Platen Gap機構)51を備えている。
この処理ギャップ調整機構51は、図7から図10に示すように、キャリッジ13を用紙Pの幅方向に移動自在に支持する一対のキャリッジ軸53,53の各端部に回転自在に設けられた伝達ギヤ55と、円筒部57aの外周の一部に隆起したカム面57bを備えて伝達ギヤ55に一体形成されたカム57と、カム57の外周面が当接するように装置ケース4側の筐体に支持されたリング状のカム受け59と、伝達ギヤ55に回転力を入力するギャップ調整用輪列61(図2参照)と、このギャップ調整用輪列61を回転駆動するギャップ調整用モータ63とを備えている。
上記構成の処理ギャップ調整機構51は、ギャップ調整用モータ63の出力する回転駆動力がギャップ調整用輪列61を介して伝達ギヤ55に入力され、伝達ギヤ55が図7の矢印X方向へ所定角度回転すると、図8に示すように、カム57のカム面57bがカム受け59に乗り上げることで、各キャリッジ軸53を上方に移動させる。キャリッジ軸53の上方への移動により、キャリッジ13と一体に印刷処理機構43の印刷ヘッド44が上昇して、プラテン91のプラテン面91aとの間のギャップPGが拡がる。
カム57の円筒部57aは、カム受け59との接触によりプラテン91と印刷ヘッド44との間のギャップPGを最小限に調整するもので、印刷対象となっている用紙種類の中で厚さが一番薄い用紙Pを印刷する時に使用される。
カム57のカム面57bは、図9にも示したように、回転中心からの突出量が徐々に変化する傾斜部58aと、この傾斜部58aの最大突出量を維持した円弧部58bとを備えており、傾斜部58aははがき等の異なる厚みの用紙PやCD−ROMに印刷する場合のギャップ調整に使用され、円弧部58bは紙ジャムの発生時等にプラテン91と印刷ヘッド44との間のギャップPGを最大限(所定の間隔)に調整する場合に使用される。
また、本実施形態のインクジェットプリンタ1において、紙送りローラ41は、図3に示したように、紙送り軸71の回転により回転伝達を行う輪列(ギヤ列)がその軸端に連結されており、該紙送り軸71の回転により駆動される。
紙送り軸71の外周には大径のベルト車72が固着されている。また、インクジェットプリンタ1の左側面側の下部に設けられた紙送りモータ(PFモータ)73の出力軸には、小径のベルト車74が設けられており、このベルト車74と大径のベルト車72との間にタイミングベルト75が巻き掛けられている。すなわち、紙送りローラ41は、紙送りモータ73により回転駆動されるようになっている。
一方、紙送りローラ41と対を成す従動ローラ42は、図7に示すように、支持軸76により揺動自在に支持された揺動アーム77の先端(揺動端)に回転自在に設けられており、通常は従動ローラ42が紙送りローラ41に押圧接触した状態を維持するように、揺動アーム77の寸法及び配置が設定されている。
そして、本実施形態の場合は、図8に示すように、ギャップ調整用モータ63の駆動によって印刷ヘッド44とプラテン91とのギャップ調整が成されるとき、連動して揺動アーム77の先端を上方に揺動変位させて、従動ローラ42を紙送りローラ41から離脱する方向に退避させる第1レリース機構78が設けられている。
第1レリース機構78は、ギャップ調整用モータ63の回転が伝達されて図7の矢印Y1方向に回転する回転軸81の外周に、回転軸81の回転量が所定角度に達した時に揺動アーム77の後端を押し下げて揺動アーム77の先端を上方に揺動させるレリース突起82を突設した構成である。
そこで、回転軸81の回転によりレリース突起82が揺動アーム77の後端を押し下げると、図9の矢印Zに示すように、揺動アーム77の先端が上方に揺動変位して、従動ローラ42が紙送りローラ41から離反(レリース)される。
第1レリース機構78の回転軸81は、処理ギャップ調整機構51の伝達ギヤ55と図示略の歯車により動力伝達が図られており、伝達ギヤ55が図7の矢印X方向へ所定角度回転してカム57のカム面57bがカム受け59に乗り上げる際に、回転軸81が所定角度回転してレリース突起82が揺動アーム77の後端を押し下げるように設定されている。このように、第1レリース機構78は、処理ギャップ調整機構51がギャップPGを最大限に拡げる動作と連動して作動されるようになっている。
また、本実施形態のインクジェットプリンタ1において、第2搬送部の搬送方向に沿って2列設けられた排紙ローラ48aは、一方の列が回転軸90(図3参照)に設けられ、他方の列は回転軸90の回転により回転伝達される輪列を介して回転軸90と同方向に回転する軸に設けられている。回転軸90は、図3に示すように紙送り軸71の回転を伝達する歯車79,80によって回転駆動される。すなわち、排紙ローラ48aは、第1搬送部の紙送りローラ41と同様に、紙送りモータ73により回転駆動されるようになっている。
また、第2搬送部の従動ローラを構成するガイドローラ48bは、プラテン91と印刷ヘッド44との間を通過した用紙Pの上面を所定の高さの搬送基準位置に押さえるためのローラであり、支持部材92により所定の位置に支持されている。ガイドローラ48bは、その周方向に一定間隔で突起を備えた所謂ギザローラで、搬送方向に沿ってそれぞれ所定の間隔を開けて3列に配列され、支持部材92に回転自在に支持されている。また、ガイドローラ48bはコイルばね状の軸によって支持されており、用紙Pの押圧時に回転軸と直交する方向に適宜弾性変位して、用紙Pに対する位置及び接触圧が適切に調節されるようになっている。3列のガイドローラ48bのうち2列は、2列に配置された排紙ローラ48aに対応して配置されていて、これらの排紙ローラ48aとの協働で、用紙Pを挟持して搬送する。
そして、本実施形態の場合は、図8に示すように、ギャップ調整用モータ63の駆動によって印刷ヘッド44とプラテン91とのギャップ調整が成されるとき、連動して支持部材92を上方に変位させて、ガイドローラ48bを排紙ローラ48aから離脱する方向に退避させる第2レリース機構97が設けられている。
第2レリース機構97は、ギャップ調整用モータ63の回転が伝達されて図7の矢印Y2方向に回転する回転軸95の外周に、回転軸95の回転量が所定角度に達した時に支持部材92を上方に押し上げるレリースアーム96を延設した構成である。また、支持部材92における搬送方向と直交する方向の両端部には、スライド用ボス93が2箇所ずつ突設されており、これらは上記の各回転軸等を支持するインクジェットプリンタ1のフレームに設けられた上下方向のガイドスリット94にそれぞれ係合されている。
回転軸95の回転によりレリースアーム96が支持部材92を上方に押し上げると、図8及び図9に示すように、スライド用ボス93がガイドスリット94に沿って上方へ案内されつつ、支持部材92が上方に平行移動する。それにより、ガイドローラ48bが排紙ローラ48aからレリースされる。
第2レリース機構97の回転軸95は、処理ギャップ調整機構51の伝達ギヤ55と図示略の歯車により動力伝達が図られており、伝達ギヤ55が図7の矢印X方向へ所定角度回転してカム57のカム面57bがカム受け59に乗り上げる際に、回転軸95が所定角度回転してレリースアーム96が支持部材92を押し上げるように設定されている。このように、第2レリース機構97は、処理ギャップ調整機構51がギャップPGを最大限に拡げる動作と連動して作動されるようになっている。
また、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、紙送りローラ41の駆動源を兼用する紙送りモータ73からベルト車74、タイミングベルト75及び大径のベルト車72を介して紙送り軸71に入力された回転駆動力が、該紙送り軸71に接続された不図示の輪列を介して中間ローラ31及び排紙ローラ48aに伝達されるようになっている。
但し、中間ローラ31の場合は、紙送り軸71に接続された輪列との間に、紙送りモータ73の正回転時にのみ動力伝達を可能とする一方向クラッチ機構84が介在している。
本実施形態の一方向クラッチ機構84は、図7及び図8に示すように、枢軸83に回転自在に支持されて紙送りローラ41の回転力が伝達される中継歯車85と、この中継歯車85と中間ローラ31との間に配置された枢軸86により中間部が回転自在に支持されたフレーム87と、このフレーム87の一端側にトルクリミッタを介して回転自在に支持され、中間ローラ31に固設された歯車31aに噛合可能な遊星歯車88と、枢軸86上に中心軸が一致するように配置されて中継歯車85から受ける回転力の向きに応じて、噛合した遊星歯車88を中間ローラ31の歯車31aと係脱する方向に揺動させるとともに回転力を伝達可能な伝達ギヤ89と、を備えている。
用紙Pが正常に搬送される方向に紙送りローラ41が回転駆動される時(すなわち、紙送りモータ73の正回転時)、伝達ギヤ89は、遊星歯車88を中間ローラ31の歯車31aに噛合させる方向(図10に示す矢印Dとは逆方向)に揺動付勢して噛合状態を維持しながら、該遊星歯車88を介して中間ローラ31の歯車31aに回転力を伝達する。
一方、紙送りモータ73の逆転駆動により、図7及び図10の矢印Eに示すように紙送りローラ41が逆転駆動される時には、伝達ギヤ89が、遊星歯車88を中間ローラ31の歯車31aから離脱させる方向(図10に示す矢印D方向)に揺動付勢して噛合状態を解除するので、遊星歯車88は空転するだけで中間ローラ31と歯車31aに回転力を伝達することができない。これにより、一方向クラッチ機構84を介した中間ローラ31への動力伝達は遮断される。
そして、一方向クラッチ機構84を中間ローラ31へ動力伝達可能な元の状態に戻すには、紙送りモータ73を正回転させ、伝達ギヤ89を介して遊星歯車88を中間ローラ31の歯車31aに噛合する方向に揺動付勢すれば良い。
尚、遊星歯車88の揺動範囲は、フレーム87の他端側に設けた係合部が枢軸83に係止されて規定される。
次に、図11を参照しながら、本実施形態のインクジェットプリンタ1の制御について説明する。本実施形態のインクジェットプリンタ1は、印刷処理機構43による印刷処理実行状態において、紙ジャム発生時に紙ジャム除去を行うための紙ジャム対策動作を行うように構成されている。以下、この紙ジャム発生時における紙ジャム対策動作に焦点を当てながら、インクジェットプリンタ1の制御について説明する。
図11は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の制御を行う制御機構を示すブロック図である。
本実施形態のインクジェットプリンタ1は、制御部101を中心として構成されている。制御部101は、物理的にはCPU等のプロセッサ、RAM等の書き換え可能記憶領域を有する揮発性メモリ、フラッシュROM等の書き換え可能な不揮発性メモリ等から構成され、フラッシュROM内に記憶されたファームウェアを実行することにより、インクジェットプリンタ1の各部を制御し、外部に設置されたホストコンピュータ200と通信インタフェース121を介して通信を行いつつ印刷処理を実行する。
インクジェットプリンタ1は、駆動部品の駆動制御を行うドライバ回路として、例えば、キャリッジモータ14を駆動してキャリッジの位置を制御するキャリッジモータ駆動部102と、ギャップ調整用モータ63を駆動して、プラテン91と印刷ヘッド44との間のギャップPGを調整するギャップ調整用モータ駆動部103と、紙送りモータ73を駆動して、各種紙送りローラを回転駆動し用紙Pを搬送させる紙送りモータ駆動部104と、印刷ヘッド44からのインク滴の吐出を制御する印刷ヘッド駆動部105と、を備えている。
また、インクジェットプリンタ1は、プリンタの状態を検出する複数のセンサを備えている。例えば、インクジェットプリンタ1には、印刷ヘッド44より上流側の搬送経路における用紙Pの有無を検出する用紙検出センサ45、印刷ヘッド44の直下における用紙Pの有無を検出するPWセンサ47、黒インクカバー9の開閉を検出する黒インクカバーセンサ112、カラーインクカバー10の開閉を検出するカラーインクカバーセンサ113、用紙カセット5が装着されているかどうかを検出する用紙カセット着脱センサ114等が設けられている。
制御部101は、給紙動作時及び印刷処理時に、印刷ヘッド44に設けられたPWセンサ47や、搬送経路に設けられた用紙検出センサ45の信号を監視している。また、キャリッジモータ駆動部102によるキャリッジモータ14の駆動負荷や紙送りモータ駆動部104による紙送りモータ73の駆動負荷を電圧の変化等により監視している。
そして、制御部101は、これらの検出信号や電圧の変化に基づいて搬送経路における用紙Pの有無を検出するとともに、キャリッジ13や搬送機構11の駆動負荷の増加を検出するようになっており、これらの情報から紙ジャムが発生したと判断すると、ギャップ調整用モータ駆動部103によりギャップ調整用モータ63を駆動して、プラテン91と印刷ヘッド44との間のギャップPGを所定の間隔(本実施形態では最大限)まで拡げる。
通常の印刷処理時において制御部101が紙ジャムの発生を判断する条件としては、下記の条件を例示できる。
・用紙検出センサ45の検出無し(用紙検出センサ45より上流側で紙ジャム発生)
・用紙検出センサ45の検出有り、かつPWセンサ47の検出無し(用紙Pの前端が用紙検出センサ45を通過後PWセンサ47の手前で紙ジャム発生)
・用紙検出センサ45及びPWセンサ47の検出有り、かつ用紙検出センサ45による用紙Pの後端検出無し(用紙Pの前端が用紙検出センサ45及びPWセンサ47を通過後、紙ジャム発生)
・キャリッジモータ14の駆動負荷異常増加(キャリッジ13と用紙Pが干渉して紙ジャム発生)
・紙送りモータ73の駆動負荷異常増加(何れかの駆動ローラに用紙Pが干渉して紙ジャム発生)
これらの条件のうち少なくとも1つに該当した場合、制御部101は紙ジャムが発生したものと判定し、図12に示すフローチャートに沿った動作処理をする。
制御部101は、通常の印刷処理実行中に、上記の条件の何れかが該当したか否かの判定処理をし(ステップS01)、紙ジャムの発生が検出されない場合には、印刷処理が正常に終了したものと見なして、排紙動作を行う。
ステップS01で、紙ジャムの発生が検出された場合には、ステップS02の処理に進む。ステップS02では、処理ギャップ調整機構(APG)51を作動させて、図8に示したように、カム57のカム面57bをカム受け59に乗り上げさせ、プラテン91のプラテン面91aと印刷処理機構43の印刷ヘッド44との間のギャップPGを最大位置にする。
なお、第1レリース機構78及び第2レリース機構97は、処理ギャップ調整機構51に連動して作動するので、このステップS02では、処理ギャップ調整機構51によるギャップ調整だけでなく、第1レリース機構78及び第2レリース機構97の作動によって、第1搬送部において従動ローラ42が紙送りローラ41から離脱する方向に退避され、なおかつ、第2搬送部においてガイドローラ48bが排紙ローラ48aから離脱する方向に退避される。
次のステップS03では、紙送りモータ(PFモータ)73を逆回転させることにより、図10に示した一方向クラッチ機構84の遊星歯車88を中間ローラ31の歯車31aから離脱させる矢印D方向に揺動させて噛合状態を解除するので、紙送りローラ41と中間ローラ31との間の動力伝達は遮断される。
次いで、紙ジャムエラーの発生をユーザに知らせるインジケータ点灯等の表示処理を実施して、プリンタを動作停止にする(ステップS04)。
すなわち、装置内で紙ジャムが発生した時には、自動的に処理ギャップ調整機構51を作動させるとともに、処理ギャップ調整機構51と連動して第1レリース機構78及び第2レリース機構97を作動させ、さらに、紙送りモータ73の逆転駆動により紙送りモータ73と中間ローラ31との間の動力伝達を遮断し、その後、紙ジャムエラーの発生を通知する。
上述したように、本実施形態のインクジェットプリンタ1によれば、装置内で紙ジャムが発生したときには、自動的に処理ギャップ調整機構51が作動して、プラテン面91aと印刷ヘッド44との間のギャップGPが最大限に拡げられる。
そこで、搬送経路開閉機構である後部開閉カバー17を開いて、詰まっている用紙Pを引き出す際には、詰まっていた用紙Pが印刷処理機構43の印刷ヘッド44に擦れて、該印刷ヘッド44を汚損する虞がなく、詰まっていた用紙Pを安全に除去することができる。
また、本実施形態のインクジェットプリンタ1において、紙ジャムの発生時に制御部が自動的に動作させる処理ギャップ調整機構51は、例えば厚さの異なる用紙Pの処理を可能にする目的などで設けられていたものを紙ジャム対策に共用するものであり、新たな紙ジャム対策用機構を追加して設ける必要がないため構成が煩雑化することもなく、紙ジャムにより詰まった用紙Pの除去作業をコストを掛けずに容易にすることができる。
また、詰まっている用紙Pを引き出す際には、処理ギャップ調整機構51に連動して作動された第1レリース機構78によって、従動ローラ42が詰まった用紙Pから離脱して用紙Pに対する挟持を開放しているとともに、処理ギャップ調整機構51に連動して作動された第2レリース機構97によって、ガイドローラ48bが詰まった用紙Pから離脱して用紙Pに対する挟持を開放しているので、詰まっている用紙Pを小さな操作力でも容易に引き出すことができ、さらに、詰まった用紙Pの一部が引き出す際にちぎれて、小片として装置内に残存してしまうこともなくなる。
したがって、紙ジャムにより詰まった用紙Pの除去作業を容易にでき、紙ジャム発生時におけるインクジェットプリンタ1の取り扱い性、保守性を向上させることができる。
また、第1レリース機構78及び第2レリース機構97は処理ギャップ調整機構51からの動力伝達により連動して作動されるため、第1レリース機構78及び第2レリース機構97を作動させるための専用の駆動源をそれぞれ設ける必要が無く、装置の低コスト化を図ることができる。
さらに、本実施形態におけるインクジェットプリンタ1の場合は、詰まっている用紙Pに中間ローラ31が接触している場合でも、紙ジャムの発生を判定した後、紙送りモータ73の逆転作動を行い、一方向クラッチ機構84により紙送りモータ73と中間ローラ31との間の動力伝達が遮断されるため、詰まっている用紙Pを引き出す際に紙送りモータ73側の負荷がかからず、用紙Pの引き出し操作が小さな操作力で済む。
また、一方向クラッチ機構84により動力伝達が遮断された状態では、引き出す用紙Pとの摩擦力で中間ローラ31に作用する回転力が逆に紙送りモータ73に伝達されることがなくなり、紙送り紙送りモータ73の発電による装置内の回路破損を招くという不都合を回避でき、インクジェットプリンタ1の信頼性、耐久性を向上させることができる。
なお、上記の実施形態では、処理ギャップ調整機構51に連動して第2レリース機構97が作動されるように構成されているが、第2レリース機構97を独立して作動させるようにしても良い。その場合、第2レリース機構97を作動させるための駆動モータを設ける必要があるが、制御部101による紙ジャムの検出状況に応じて適切な紙ジャム対策用の動作を実行することが可能となる。次に、図12に示すフローチャートを参照して、その制御動作例を説明する。
制御部101は、通常の印刷処理実行(ステップS11)中に、用紙検出センサ45による用紙検出の有無を判定し(ステップS12)、然るべきタイミングに用紙Pが検出されない場合(ステップS12:無)には、用紙検出センサ45より上流側(すなわち円弧状搬送経路A)で紙ジャムが発生したと判断し、処理ギャップ調整機構51は作動させず、エラーの発生を通知する(ステップS13)。その場合、ユーザは搬送経路開閉機構である後部開閉カバー17を開いて、円弧状搬送経路Aから詰まっている用紙Pを引き出す。
ステップS12で用紙検出センサ45により用紙Pが検出されたら(ステップS12:有)、PWセンサ47による用紙検出の有無を判定する(ステップS14)。然るべきタイミングに用紙Pが検出されない場合(ステップS14:無)には、用紙Pの前端が用紙検出センサ45を通過後PWセンサ47の手前で紙ジャムが発生したと判断し、処理ギャップ調整機構51を作動させて、エラーの発生を通知する(ステップS15)。ここで、処理ギャップ調整機構51を作動させると、プラテン面91aと印刷ヘッド44との間のギャップPGが最大限とされるとともに、第1レリース機構78が連動して作動され、第1搬送部において従動ローラ42が紙送りローラ41から離脱する方向に退避される。
ステップS14でPWセンサ47により用紙Pが検出されたら(ステップS14:有)、用紙検出センサ45による用紙後端検出の有無を判定する(ステップS16)。然るべきタイミングに用紙Pの後端が用紙検出センサ45を通過しない場合(ステップS16:無)には、用紙先端が第2搬送部の排紙ローラ48aに到達しているか否かを判定する(ステップS17)。なお、用紙先端の位置は、PWセンサ47による用紙Pの先端検出及び印刷ヘッド44に対する頭出し動作を基準にして、紙送りモータ73の回転量をカウントすることにより算出できる。
ステップS17で用紙先端が排紙ローラ48aに到達していないと判断された場合(ステップS17:No)には、排紙ローラ48aの手前で紙ジャムが発生したと判断し、処理ギャップ調整機構51を作動させて、エラーの発生を通知する(ステップS15)。ステップS15の後、ユーザは後部開閉カバー17を開いて、詰まっている用紙Pを引き出す。
ステップS17で用紙先端が排紙ローラ48aに到達していると判断された場合(ステップS17:Yes)には、第2搬送部で紙ジャムが発生したと判断し、処理ギャップ調整機構51を作動させるとともに、第2レリース機構97を作動させて、エラーの発生を通知する(ステップS18)。ここで、処理ギャップ調整機構51を作動させると、プラテン面91aと印刷ヘッド44との間のギャップPGが最大限とされるとともに、第1レリース機構78が連動して作動され、第1搬送部において従動ローラ42が紙送りローラ41から離脱する方向に退避される。また、第2レリース機構97を作動させると、第2搬送部においてガイドローラ48bが排紙ローラ48aから離脱する方向に退避される。ステップS18の後、ユーザは後部開閉カバー17を開いて、詰まっている用紙Pを引き出す。
ステップS16で用紙Pの後端が用紙検出センサ45を通過したことが検出されたら(ステップS16:有)、キャリッジモータ14の駆動負荷が通常より増加しているか否かを判定する(ステップS19)。キャリッジモータ14の駆動負荷が通常より増加していると判定された場合(ステップS19:Yes)には、用紙Pの後端が用紙検出センサ45を通過した状態でキャリッジ13と用紙Pが干渉して紙ジャムが発生したと判断し、第2レリース機構97を作動させて、エラーの発生を通知する(ステップS21)。
ステップS19でキャリッジモータ14の駆動負荷が異常無しと判断されたら(ステップS19:No)、紙送りモータ73の駆動負荷が通常より増加しているか否かを判定する(ステップS20)。紙送りモータ73の駆動負荷が通常より増加していると判定された場合(ステップS19:Yes)には、第2搬送部で排紙ローラ48aに用紙Pが干渉して紙ジャムが発生したと判断し、第2レリース機構97を作動させて、エラーの発生を通知する(ステップS21)。なお、ステップS21において、処理ギャップ調整機構51も同時に作動させるようにしてもよい。ステップS21の後、ユーザはプリンタ1の前方側から詰まっている用紙Pを引き出す。
ステップS20で紙送りモータ73の駆動負荷が異常無しと判断されたら(ステップS20:No)、通常の排紙動作を行い(ステップS22)、一連の印刷処理動作が終了する。
このように、第2レリース機構97を独立して作動させる場合には、図13に示したように、紙ジャム発生の状況に応じて処理ギャップ調整機構51及び第1レリース機構78を作動させたり、第2レリース機構97のみを作動させたり、処理ギャップ調整機構51,第1レリース機構78及び第2レリース機構97を全て作動させたりして、適切な紙ジャム対策動作を行うことができる。
なお、メーカのサービスエンジニアがプリンタ1の保守点検を実施する際などに、装置内の各駆動部を紙ジャム対策動作を実行させるための隠れコマンドを設定しておくと良い。上記のようにユーザが通常使用する状態では、満たされにくいセンサ状態の組み合わせを予め紙ジャム対策動作を実行するトリガーとして設定しておくことにより、サービスエンジニアが紙ジャムの除去を安全に執り行うことができる。
一例として、紙ジャム対策動作の実行を指示する旨の条件は、例えば、黒インクカバーセンサ112と、カラーインクカバーセンサ113と、用紙カセット着脱センサ114の出力の状態に応じて決められる。その場合、制御部101は、用紙カセット5の装着の有無、黒インク装着部のカバーの開閉状態、カラーインク装着部のカバーの開閉状態を装置に予め設けられた各センサ112〜114からの検出信号により検知し、(1)用紙カセット5が挿着されていない、(2)黒インク装着部のカバーが開かれている、(3)カラーインク装着部のカバーが閉じられている、の3つの条件の全てが満たされる場合には、紙ジャム対策動作の実行を指示しているものと判定して、処理ギャップ調整機構51,第1レリース機構78及び第2レリース機構97を作動させる。
また、本発明に係る搬送機構を備えた装置は、上記実施形態に例示したインクジェットプリンタに限らない。例えば、サーマルプリンタ、コピー機、ファックス、スキャナ、磁気情報読取装置、磁気情報記録装置、紙幣両替機などの媒体を搬送する同様の搬送経路を持つ各種の機器に適用可能である。磁気情報読取装置のように、処理機構の処理部である磁気ヘッドが媒体である媒体と接触して処理している場合も、ジャムが検出されたなら磁気ヘッド若しくは磁気ヘッドに媒体を付勢している付勢部材が搬送経路から退避する方向に移動して、ギャップを設けることは、詰まっている媒体を引き出し易くする上述の実施形態と同様の効果がある。
なお、上記実施形態では、紙ジャムが発生したときに、処理ギャップ調整機構51がプラテン面91aと印刷ヘッド44との間のギャップGPを最大限に拡げることとしたが、最大限より小さい所定の間隔としても構わない。
また、処理用基準面として平板状のプラテン91を例に説明したが、ローラプラテンであっても構わない。
また、上記実施形態では、シート状の媒体として、用紙を例にとって説明したが、本発明は、樹脂製のフィルム等からなる媒体も適用可能である。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの外観斜視図である。 図1に示したインクジェットプリンタから排紙トレイ及び上部ケースを取り外した状態の外観斜視図である。 図2に示したインクジェットプリンタをその後面側上方から見た外観斜視図である。 図1に示したインクジェットプリンタにおける用紙の搬送経路を示す側断面図である。 図1に示したインクジェットプリンタの給紙状態を示す側断面図である。 図1に示したインクジェットプリンタの用紙搬送状態を示す側断面図である。 図1に示したインクジェットプリンタにおける処理ギャップ調整機構を示す部分側断面図である。 図7に示した処理ギャップ調整機構を作動させた状態を示す部分側断面図である。 図7に示した処理ギャップ調整機構を作動させた状態を示す部分側断面図である。 図9に示した搬送経路における駆動モータと中間ローラとの間の動力伝達を遮断した状態を説明する側断面図である。 図1に示したインクジェットプリンタの制御を行う制御機構を示すブロック図である。 図1に示したインクジェットプリンタにおける紙ジャム発生時の動作の例を示すフローチャートである。 図1に示したインクジェットプリンタにおける紙ジャム発生時の動作の他の例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…インクジェットプリンタ(記録装置)、2…上部ケース、3…下部ケース、4…装置ケース、5…用紙カセット、6…排紙トレイ、11…搬送機構、13…キャリッジ、14…キャリッジモータ、17…後部開閉カバー、31…中間ローラ、32…リタードローラ(従動ローラ)、41…紙送りローラ(駆動ローラ)、42…従動ローラ、43…印刷処理機構(処理部)、44…印刷ヘッド、48a…排紙ローラ、48b…従動ローラ、51…処理ギャップ調整機構、53…キャリッジ軸、55…伝達ギヤ、57…カム、59…カム受け、63…ギャップ調整用モータ、73…紙送りモータ、78…第1レリース機構、84…一方向クラッチ機構、91…プラテン、91a…プラテン面(処理用基準面)、97…第2レリース機構、A…円弧状搬送経路、B…直線状搬送経路、P…用紙(媒体)

Claims (6)

  1. 処理用基準面上でシート状の媒体に対して情報処理を行う処理部に対して、前記媒体を搬送する搬送機構であって、
    前記媒体を挟持して供給側から前記処理用基準面上に搬送する第1搬送部と、
    前記処理用基準面上を通過した前記媒体を挟持してその下流に搬送する第2搬送部と、
    前記処理用基準面と前記処理部との間のギャップを調整する処理ギャップ調整機構と、
    搬送途中の前記媒体の詰まりを検出した際に、前記処理ギャップ調整機構を作動させて前記処理用基準面と前記処理部との間のギャップを所定の間隔に拡げる制御部と、
    前記第1搬送部の前記媒体に対する挟持状態を開放する第1レリース機構と、
    前記第2搬送部の前記媒体に対する挟持状態を開放する第2レリース機構と、を備えていることを特徴とする搬送機構。
  2. 請求項1に記載の搬送機構であって、
    前記第1レリース機構は、前記処理ギャップ調整機構により前記処理用基準面と前記処理部との間のギャップを所定の間隔に拡げる動作に合わせて作動されることを特徴とする搬送機構。
  3. 請求項2に記載の搬送機構であって、
    前記第1レリース機構は、前記処理ギャップ調整機構からの動力伝達により、前記処理ギャップ調整機構と連動して作動されることを特徴とする搬送機構。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の搬送機構であって、
    前記第2レリース機構は、前記処理ギャップ調整機構により前記処理用基準面と前記処理部との間のギャップを所定の間隔に拡げる動作に合わせて作動されることを特徴とする搬送機構。
  5. 請求項4に記載の搬送機構であって、
    前記第2レリース機構は、前記処理ギャップ調整機構からの動力伝達により、前記処理ギャップ調整機構と連動して作動されることを特徴とする搬送機構。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の搬送機構を備え、
    前記処理部が前記媒体に対して印刷処理を行う印刷ヘッドを備えていることを特徴とする記録装置。
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