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JP2008039704A - 風速センサ、風量センサ、及び燃料電池システム - Google Patents

風速センサ、風量センサ、及び燃料電池システム Download PDF

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JP2008039704A
JP2008039704A JP2006217464A JP2006217464A JP2008039704A JP 2008039704 A JP2008039704 A JP 2008039704A JP 2006217464 A JP2006217464 A JP 2006217464A JP 2006217464 A JP2006217464 A JP 2006217464A JP 2008039704 A JP2008039704 A JP 2008039704A
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zener diode
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JP2006217464A
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Toshihiko Ichise
俊彦 市瀬
Masahiro Takada
雅弘 高田
Shinsuke Fukuda
真介 福田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】コストを低減しつつ簡素な回路を用いて応答性を向上させることができる風速センサ、このような風速センサを用いた風量センサ、及びこのような風量センサを用いる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】風速を検出しようとする気体中に配置されるダイオードD1,D2と、ダイオードD1,D2に、順方向電流を供給する抵抗R1,R2と、ダイオードD2を加熱するツェナーダイオードZD1と、ダイオードD1で生じる順方向電圧Vd1とダイオードD2で生じる順方向電圧Vd2との差を示す差分信号S1を、風速を示す信号として出力する差動増幅回路531とを備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、流れる気体による放熱現象を利用した熱式の風速センサ、この風速センサを用いて風量を測定する風量センサ、及びこの風量センサを用いる燃料電池システムに関する。
燃料電池の空気極に、酸化剤として空気を供給する場合や、燃焼ボイラーに燃焼補助用に空気を送る場合等において、送風する風量や風速を制御する必要があり、そのため風速や風量を測定する風量風速センサが用いられている。この風量風速センサとしては、発熱体の放熱現象を利用した熱式センサが一般的であり、発熱させた白金線に風をあてると風速に応じて白金線の温度が変化し、白金線の抵抗値が変化することを利用して風速を測定するものが知られている。
しかし、白金線は高価なため、白金線の代わりに安価なダイオードを用いて、ダイオードの温度に応じてダイオードの順方向電圧が変化することを利用して、風速を測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図9は、背景技術に係る、ダイオードを用いた風速センサの構成を示す模式回路図である。図9に示す風速センサ101は、ダイオード102と、定電流回路103,104と、スイッチ105とを備えて構成されている。定電流回路103は、ダイオード102に順方向電圧の検出用の順方向電流を供給する定電流回路で、ダイオード102の自己発熱が問題にならない程度の微小電流を常時供給する。定電流回路104は、ダイオード102を自己発熱させるための大電流を流す定電流回路である。スイッチ105は、定電流回路104からダイオード102へ出力される電流をオン、オフするスイッチである。
また、風速センサ101の外部には、例えばCPU(Central Processing Unit)やADコンバータ等を用いて構成された制御回路106が設けられており、ダイオード102のカソードの電圧、すなわちダイオード102の順方向電圧Vfが、制御回路106によってAD変換されて、風速を示すデータが取得されるようになっている。
そして、風速を測定しようとする気体107が、ダイオード102に当たるようにされている。
図10は、図9に示す風速センサ101の動作を説明するための説明図である。図10(a)は、ダイオード102の順方向電圧Vfを示している。また、図10(b)は、スイッチ105のオン、オフ動作を示している。図10に示すように、まずスイッチ105がオフしている状態で、定電流回路103によってダイオード102に微少電流が常時流されているため、ダイオード102の順方向電圧Vfは、0.6V〜0.7V程度の電圧V1になっている。
次に、例えば制御回路106によって、スイッチ105がオンされる。そうすると、定電流回路104によって、ダイオード102に大電流が流されて順方向電圧Vfが電圧V2まで上昇する。そして、ダイオード102の自己発熱によってダイオード102の温度が徐々に上昇する。そうすると、ダイオード102の順方向電圧Vfには、負の温度特性があるため、ダイオード102の温度が徐々に上昇するに従って、順方向電圧Vfが徐々に低下する。
ここで、気体107の風速が小さいと、ダイオード102の放熱も小さいため、ダイオード102の温度上昇速度が速くなって順方向電圧Vfの低下速度が速くなる一方、気体107の風速が大きいと、ダイオード102の放熱も大きいため、ダイオード102の温度上昇速度が遅くなって順方向電圧Vfの低下速度が遅くなる。そこで、制御回路106によって、スイッチ105がオンされてから一定時間経過後の順方向電圧Vfを測定することにより、気体107の風速が得られるようになっている。
また、このようにダイオード102を自己発熱させた場合には、順方向電圧Vfを生じるダイオードのシリコンチップそのものが発熱するため、ダイオード102の温度が定常状態になるまで上昇してしまうと風速の差異がシリコンチップの温度の差異として現れにくくなる結果、順方向電圧Vfの温度特性を利用して風速を測定することが困難になってしまう。そこで、スイッチ105をオンして発熱を開始してから温度が定常状態になる前の順方向電圧Vfを測定することにより、順方向電圧Vfから気体107の風速を取得するようにされている。
また、風速センサ101を、所定の開口断面積を有する管の中に配置すれば、風速と管を流れる気体の風量とは比例関係にあるから、風速センサ101で測定された風速は管を流れる気体の風量を示すこととなる。従って、風速センサ101を、管を流れる気体の風量を測定する風量センサとして用いることができる。このような風量センサは、例えば燃料電池に供給する空気の量を制御するための、空気の供給量を検出するセンサとして用いられている。
特開2004−309202号公報
しかしながら、上述のように構成された風速センサ101では、スイッチ105をオンさせて一定時間後に順方向電圧Vfを測定するというシーケンス動作が必要となるため、制御回路106が複雑になるという不都合があった。また、このような風速センサ101は、スイッチ105をオンさせて一定時間経過しないと風速を示す順方向電圧Vfが得られないため、応答性が悪いという不都合があった。さらに、風速センサ101では、ダイオード102に順方向電流を流して自己発熱させる必要がある。そして、ダイオード102の発熱量は順方向電流と順方向電圧の積によって得られるが、ダイオードは非線形素子であって順方向電流の増大量に対する順方向電圧の増大量が僅かであるため、ダイオード102を発熱させるために大電流を流さなければならない。そのため、定電流回路104として電流容量の大きな回路を用いる必要があり、コストが増大するという不都合があった。
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、コストを低減しつつ簡素な回路を用いて応答性を向上させることができる風速センサ、このような風速センサを用いた風量センサ、及びこのような風量センサを用いる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明に係る風速センサは、風速を検出しようとする気体中に配置される第1及び第2ダイオードと、前記第1及び第2ダイオードに、予め設定された順方向電流を供給する電流供給部と、前記第2ダイオードを加熱する加熱部と、前記第1ダイオードで生じる順方向電圧と前記第2ダイオードで生じる順方向電圧との差を示す差分信号を、前記風速を示す信号として出力する差分信号出力部とを備える。
この構成によれば、第1及び第2ダイオードが風速を検出しようとする気体中に配置され、加熱部によって第2ダイオードが加熱される。そして、第1ダイオードは加熱されていないから、周囲温度、すなわち気体と同じ温度になっており、流れる気体が第1ダイオードに当たっても、第1ダイオードの温度はほとんど変化しない。一方、第2ダイオードは、加熱部によって加熱されているから、第2ダイオードに当たる風速が速いほど、第2ダイオードの放熱量が増大し、第1ダイオードとの温度差が減少する。このような温度になった第1及び第2ダイオードに、電流供給部から予め設定された同じ順方向電流が流されると、第1ダイオードには気体の温度に応じた順方向電圧が生じ、第2ダイオードには、気体の温度とその風速とに応じた順方向電圧が生じる。そして、差分信号出力部によって、第1ダイオードで生じる順方向電圧と第2ダイオードで生じる順方向電圧との差が差分信号として出力されると、差分信号は、気体の温度に応じて生じた電圧成分が除去されて風速に応じて得られた電圧成分が残る結果、風速を示すこととなる。
この場合、安価なダイオードの順方向電圧の温度特性を利用して風速を測定することができるので、高価な白金を用いる場合よりもコストを低減することができる。また、第2ダイオードを自己発熱させることなく加熱部によって加熱するので、第2ダイオードの温度が定常に達した状態における順方向電圧を利用して風速を測定することができ、ダイオードの自己発熱を開始してから一定時間後に順方向電圧を測定するといったシーケンス動作を必要とせず、回路を簡素化することができる。そして、ダイオードの自己発熱を開始してから順方向電圧を測定するまでに一定時間の経過を待つ必要がないので、風速測定の応答性を向上させることができる。さらに、加熱部を用いて第2ダイオードを加熱するので、第2ダイオードを自己発熱させるために大電流の順方向電流を流す必要がなく、ダイオードの自己発熱用に定格の大きな電流駆動回路を設ける必要がなくなる結果、コストの増大を低減することができる。
また、前記加熱部は、前記第2ダイオードと熱結合されたツェナーダイオードと、前記ツェナーダイオードに逆方向電流を供給するツェナー用電流供給部とを備えることが好ましい。
この構成によれば、ツェナーダイオードの発熱量は、ツェナー用電流供給部から供給される逆方向電流と、ツェナー電圧との積によって得られる。そして、ツェナーダイオードが発熱することにより第2ダイオードが加熱される。一般に、日本国内や欧米等の主要国内で汎用品として市販されているヒータは外形寸法が大きく、このようなヒータを加熱部として用いると、加熱部を小型化することが容易でない。一方、ツェナーダイオードは、小型のパッケージに封止されたものが、日本国内や欧米等の主要国内で汎用品として広く市販されているので、ツェナーダイオードを発熱体として用いることで風速センサを小型化することが容易となる。
また、背景技術に係る風速センサのように、ダイオードに順方向電流を流して自己発熱させた場合の発熱量は、ダイオードに流す電流とダイオードで生じる順方向電圧との積となる。このような場合、ダイオードの順方向電圧は、ツェナーダイオードのツェナー電圧のように自由に設定することができず、小さな電圧値になるため必要な発熱量を確保するためにダイオードの順方向電流を増大させる必要が生じる。一方、本発明に係る風速センサによれば、ツェナーダイオードに逆方向電流を流して発熱させるので、ツェナー電圧を適宜大きな値に設定することができる結果、必要な発熱量を確保しつつツェナー用電流供給部から供給される逆方向電流を低減することができる。そうすると、ツェナー用電流供給部を電流容量の小さな回路で構成することが可能となり、コストを低減することが容易となる。
また、前記第2ダイオードと前記ツェナーダイオードとは、同一のプリント配線基板に隣接して配設されると共に、当該プリント配線基板に形成された、熱を伝導するための同一の銅箔パターンに接続されることによって熱結合されていることが好ましい。
この構成によれば、熱伝導率の高い銅箔パターンによって、ツェナーダイオードで生じた熱を第2ダイオードへ伝導させることができるので、第2ダイオードとツェナーダイオードとを効率よく熱結合させることができる。また、銅箔パターンは、プリント配線基板の製造工程で形成することができるので、別途熱伝導させるための部材を必要とせず、コストの増大を抑制することができる。
また、前記銅箔パターンは、前記第2ダイオードに前記順方向電流を供給すると共に、前記ツェナーダイオードに前記逆方向電流を供給するための配線パターンであることが好ましい。
この構成によれば、銅箔パターンは、第2ダイオードとツェナーダイオードとに電気的に接続される配線パターンであるから、第2ダイオードにおける熱伝導性の高い部分である電極部分と銅箔パターンとの間、及びツェナーダイオードにおける熱伝導性の高い部分である電極部分と銅箔パターンとの間がそれぞれ電気的接続のためにハンダ付けされるので、第2ダイオードと銅箔パターンとの間、及びツェナーダイオードと銅箔パターンとの間における熱抵抗を低減して、第2ダイオードとツェナーダイオードとを密に熱結合させることが容易となる。
また、前記第1ダイオードは、前記配線パターンに接続され、前記電流供給部は、前記配線パターンを介して前記第1ダイオードへ前記順方向電流を供給し、前記配線パターンは、前記ツェナーダイオードと前記第2ダイオードとの間で熱が伝導する箇所において、熱が伝導する方向に対して垂直方向の幅が、前記電流供給部から前記第1ダイオードへ供給される前記順方向電流が流れる箇所の幅よりも太くされていることが好ましい。
この構成によれば、第1ダイオードは、第2ダイオード及びツェナーダイオードと銅箔パターンを介して接続される。そして、ツェナーダイオードから第1ダイオードに至る銅箔パターンの熱が伝導する方向に対して垂直方向の幅よりも、電流供給部から第1ダイオードへ供給される順方向電流が流れる箇所の銅箔パターンの方が狭くされているので、ツェナーダイオードで生じた熱が銅箔パターンを介して第1ダイオードに伝導することが低減される。
また、前記ツェナーダイオードと前記第1ダイオードとの間の距離が、前記ツェナーダイオードと前記第2ダイオードとの間の距離よりも長いことが好ましい。
この構成によれば、ツェナーダイオードで生じた熱が、プリント配線基板の熱伝導により第1ダイオードに伝わる場合の経路長や、ツェナーダイオードの輻射熱が第1ダイオードに伝わるまでの距離が、ツェナーダイオードと第2ダイオードとの間の距離よりも長くなり、ツェナーダイオードによって第1ダイオードが加熱されることが低減される。
また、前記第1ダイオードと前記第2ダイオード及び前記ツェナーダイオードとの間を横切るように、前記プリント配線基板を貫通する孔が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、プリント配線基板を貫通する孔によって、ツェナーダイオードで生じた熱が、プリント配線基板の熱伝導により第1ダイオードに伝わることが低減される。
また、前記第1ダイオード、前記第2ダイオード、及び前記ツェナーダイオードは、風上からこの順に略一列に配設されることが好ましい。
この構成によれば、第1ダイオード、第2ダイオード、及びツェナーダイオードは、風上からこの順に、空気の流れに沿って略一列に配設されるので、空気の流れが乱されることが低減される結果、風速の測定精度が向上する。また、発熱体であるツェナーダイオードが、第1及び第2ダイオードより風下側に配設されるので、ツェナーダイオードで暖められた空気によって第1及び第2ダイオードの温度が変化することがなく、風速の測定誤差が生じることが抑制される。
また、本発明に係る風量センサは、上述の風速センサと、所定の開口断面積を有すると共に前記気体を導く管とを備え、前記風速センサは、前記管の内部に配設され、前記差分信号出力部は、前記差分信号を、前記管を流れる風量を示す信号として出力することを特徴としている。
この構成によれば、差分信号は、所定の開口断面積を有する管を流れる気体の風速、すなわち当該管を流れる風量を示すので、簡素な回路を用いてコストを低減しつつ応答性を向上させることができる風速センサを用いて、管を流れる風量を測定することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムは、上述の風量センサと、燃料電池と、前記燃料電池へ、前記風量センサにおける管を介して空気を供給する送風装置と、前記送風装置によって前記燃料電池へ供給させる空気の量を、前記差分信号に応じて調節する制御部とを備えることを特徴としている。
この構成によれば、送風装置によって燃料電池へ供給される空気の量が、風量センサによって検出されて差分信号として出力される。そして、制御部によって、風量センサから出力された差分信号に応じて送風装置によって燃料電池へ供給させる空気の量が調節されるので、実際に燃料電池に供給される空気の量に基づきフィードバック制御によって送風装置から燃料電池への空気の供給量を調節することができる結果、簡素な回路を用いてコストを低減しつつ応答性を向上させることができる風速センサを用いて、送風装置から燃料電池への空気供給量の調節精度を向上させることができる。
このような構成の風速センサは、安価なダイオードの順方向電圧の温度特性を利用して風速を測定することができるので、高価な白金を用いる場合よりもコストを低減することができる。また、第2ダイオードを自己発熱させることなく加熱部によって加熱するので、第2ダイオードの温度が定常に達した状態における順方向電圧を利用して風速を測定することができ、ダイオードの自己発熱を開始してから一定時間後に順方向電圧を測定するといったシーケンス動作を必要とせず、回路を簡素化することができる。そして、ダイオードの自己発熱を開始してから順方向電圧を測定するまでに一定時間の経過を待つ必要がないので、風速測定の応答性を向上させることができる。さらに、加熱部を用いて第2ダイオードを加熱するので、第2ダイオードを自己発熱させるために大電流の順方向電流を流す必要がなく、ダイオードの自己発熱用に定格の大きな電流駆動回路を設ける必要がなくなる結果、コストの増大を低減することができる。
また、このような構成の風量センサは、簡素な回路を用いてコストを低減しつつ、応答性を向上させることができる風速センサを用いて、管を流れる風量を測定することができる。
そして、このような構成の燃料電池システムは、風量センサから出力された差分信号に応じて送風装置によって燃料電池へ供給させる空気の量が調節されるので、実際に燃料電池に供給される空気の量に基づきフィードバック制御によって送風装置から燃料電池への空気の供給量を調節することができる結果、簡素な回路を用いてコストを低減しつつ応答性を向上させることができる風速センサを用いて、送風装置から燃料電池への空気供給量の調節精度を向上させることができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る風量センサを用いた燃料電池システムの構成の一例を示す概略構成図である。図1に示す燃料電池システム1は、例えば、燃料電池が積層された燃料電池スタック2と、燃料電池スタック2へ空気を供給するファン3(送風装置)と、ファン3から送風された空気を燃料電池スタック2へ導くダクト4(管)と、ダクト4の内部に配設された風速センサ5と、ファン3によって燃料電池スタック2へ供給させる空気の量を、風速センサ5の出力信号に応じて制御する制御部6とを備えている。
燃料電池スタック2は、図略のカソードと図略のアノードとを備えており、アノードに燃料が供給され、カソードに空気が供給されることにより、発電を行う。ファン3は、ダクト4を介して燃料電池スタック2のカソードへ空気を供給する。風速センサ5は、ダクト4を流れる空気の風速を測定し、その風速を示す信号S1を制御部6へ出力する。この場合、ダクト4の開口断面積は既知であるから、信号S1は、ダクト4を流れる空気の風速を示すと同時に、ダクト4を流れる空気の風量を示していることとなる。すなわち、風速センサ5がダクト4の内部に配設されることにより、風量センサ7として機能する。
制御部6は、例えば所定の演算処理を実行するCPUと、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、信号S1をデジタル信号に変換するADコンバータと、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。そして、制御部6は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、信号S1に応じてファン3の回転数を制御することで、ファン3から燃料電池スタック2へ供給される空気の量を適宜調節するようになっている。
ここで、燃料電池スタック2で発電が行われると、発電に伴い生成された水がカソードの空気流路に付着する。そうすると、空気流路が狭くなって通気抵抗が増大し、空気が流れにくくなるために、ファン3の回転数を一定にしていたのでは、燃料電池スタック2の発電に伴いファン3から燃料電池スタック2へ供給される空気量が減少してしまう結果、カソードで空気が不足して発電電力が低下してしまう。
一方、ファン3から燃料電池スタック2へ供給される空気の量が多すぎると、カソード電極が乾いてしまうために発電電力が低下する。また、燃料電池の中には、カソードで生成された水を回収して再利用するものがあるが、ファン3から燃料電池スタック2へ供給される空気の量が多すぎるためにカソードで生成された水が蒸発して外部に放出されてしまうと、再利用するための水の回収量が不足してしまう。
従って、ファン3から燃料電池スタック2へ供給される空気の量を適切に調節する必要があるが、上述のように、ファン3の回転数を一定にしても、カソードの空気流路における通気抵抗の変動によって空気の供給量が変化してしまう。そこで、燃料電池システム1では、制御部6を用いて、風量センサ7によって検出された空気の供給量に基づきファン3の回転数を制御することで、ファン3から燃料電池スタック2へ適切な量の空気を供給するようになっている。
図2は、風量センサ7の構成の一例を示す説明図である。図2に示す風量センサ7は、ダクト4と風速センサ5とから構成されている。風速センサ5は、ダクト4の内部に配設されるセンサ素子部51と、センサ素子部51からダクト4の外部に信号を引き出す配線部52と、配線部52によって引き出された信号に基づき風速を示す信号S1を生成し、制御部6へ出力する検出回路53とを備えている。なお、検出回路53は、ダクト4の内部に配設されるようにしてもよい。
ダクト4の開口断面は、例えば1辺が1cm程度の略正方形にされている。また、ダイオードD1,D2、及びツェナーダイオードZD1は、例えば一辺が1mm程度の略立方形状のパッケージに封止されている。
図3は、風速センサ5の構成の一例を示す回路図である。図3に示す風速センサ5は、ダイオードD1(第1ダイオード),ダイオードD2(第2ダイオード)、ツェナーダイオードZD1、抵抗R1,R2,R3、及び差動増幅回路531を備えて構成されている。そして、センサ素子部51には、ダイオードD1,D2、ツェナーダイオードZD1が、この順に略一列に取り付けられている。さらに、センサ素子部51は、ダイオードD1がファン3側、すなわち風上側になる向きに、ダクト4の内部に配設されている。
検出回路53には、抵抗R1,R2,R3、及び差動増幅回路531が取り付けられており、配線部52によって、センサ素子部51と検出回路53との間が接続されている。そして、電源電圧が、抵抗R1を介してダイオードD1のアノードに印加され、ダイオードD1のカソードが配線511,513を介してグラウンドに接続されている。また、電源電圧が、抵抗R2を介してダイオードD2のアノードに印加され、ダイオードD2のカソードが配線512,513を介してグラウンドに接続されている。そして、電源電圧が、抵抗R3を介してツェナーダイオードZD1のカソードに印加され、ツェナーダイオードZD1のアノードが配線512,513を介してグラウンドに接続されている。
抵抗R1,R2は、ダイオードD1,D2の温度に応じた順方向電圧Vd1,Vd2を生じさせるための予め設定された順方向電流、例えば1mAを流す電流供給部である。例えば、電源電圧が10Vであれば、抵抗R1,R2は、10kΩに設定される。
ツェナーダイオードZD1は、発熱体として用いられ、ツェナー電圧が例えば4V〜6V程度に設定されている。また、抵抗R3は、ツェナーダイオードZD1を発熱させるための電流、例えば20mAをツェナーダイオードZD1のカソードからアノードへ逆方向に流すためのもので、例えばツェナーダイオードZD1のツェナー電圧が5Vであれば、250Ωの抵抗が用いられる。この場合、抵抗R3とツェナーダイオードZD1とが、加熱部の一例に相当し、抵抗R3がツェナー用電流供給部の一例に相当している。
ここで、風速センサ5に電源電圧が印加されると、抵抗R1,R2によって、ダイオードD1,D2に、それぞれ約1mAの順方向電流が流れる。このような微少電流によっては、ダイオードD1,D2はほとんど自己発熱しない。
また、ツェナーダイオードZD1に電源電圧、例えば10Vが印加されると、ツェナーダイオードZD1がオンオフ動作を繰り返すことにより、ツェナーダイオードZD1の両端電圧がツェナー電圧、例えば6Vにされると共に、抵抗R3によって20mAに制限された電流がツェナーダイオードZD1を逆方向に流れる。この場合、ツェナーダイオードZD1の発熱量は、ツェナー電圧と電流との積として得られるので、6V×20mA=120mWとなる。
一方、例えば図9に示す背景技術に係る風速センサ101のように、ダイオードを自己発熱させる場合には、発熱量は、ダイオードの順方向電圧と電流との積として得られる。ダイオードの順方向電圧は0.6V〜0.7V程度なので、120mWの発熱量を得るためには、120mW÷0.6V=200mAの電流が必要となり、風速センサ5の場合より10倍電流を流す必要があるので、定電流回路104として電流容量が10倍大きな回路を用いる必要がある。
すなわち、風速センサ5は、ツェナーダイオードZD1によって、背景技術に係る風速センサ101よりも少ない電流で十分な発熱量が得られるので、風速センサ101に用いられる定電流回路104よりも、ツェナーダイオードZD1に電流を流すツェナー用電流供給部、例えば抵抗R3の電流(電力)定格を小さくすることができる結果、コストを低減することができる。
なお、加熱部として、電熱線やサーミスタ等の抵抗体を用いたヒータを用いてもよいが、一般に日本国内や欧米等の主要国内で汎用品として市販されているヒータは外形寸法が大きく、燃料電池システム1で使用されるダクト4のように開口断面が1cm×1cm程度の大きさしかない場合、ダクト4の中に空気の流れを妨げることなく配設できる汎用品のヒータを入手することは困難である。従って、電熱線やサーミスタ等の抵抗体を用いたヒータを発熱体として用いた場合には、ダクト4の中に空気の流れを妨げないで配設できる大きさのヒータを専用品として作る必要があるために、コストの上昇を招くこととなる。
一方、ツェナーダイオードZD1としては、例えば一辺が1mm程度の略立方形状のパッケージに封止されたチップ部品が、日本国内や欧米等の主要国内で汎用品として安価で広く市販されているので、ツェナーダイオードZD1を発熱体として用いることで風量センサ7のコストを低減することができる。
また、ダイオードD1のアノードの電圧すなわちダイオードD1で生じる順方向電圧Vd1と、ダイオードD2のアノードの電圧すなわちダイオードD2で生じる順方向電圧Vd2との差分が、差動増幅回路531によって増幅されてダクト4内の風速すなわちダクト4を流れる風量を示す信号S1として、制御部6へ出力される。
風速センサ5は、例えばフレキシブル基板を用いて構成されており、フレキシブル基板上に形成された銅箔パターンによって、配線されるようになっている。なお、風速センサ5は、フレキシブル基板によって構成される例に限られず、例えばセンサ素子部51と検出回路53とをそれぞれガラスエポキシ基板等で構成し、配線部52として電線を用いるようにしてもよい。
図4は、差動増幅回路531の詳細な構成の一例を示す回路図である。図4に示す差動増幅回路531は、例えばオペアンプ532,533,534と、抵抗R4,R5,R6,R7とを備えている。そして、オペアンプ532の非反転入力端子には、ダイオードD2のアノードが接続されて順方向電圧Vd2が印加され、オペアンプ532の、出力端子と反転入力端子とが接続されている。オペアンプ532の出力端子は、抵抗R4を介してオペアンプ534の反転入力端子に接続されている。
オペアンプ533の非反転入力端子には、ダイオードD1のアノードが接続されて順方向電圧Vd1が印加され、オペアンプ533の、出力端子と反転入力端子とが接続されている。オペアンプ533の出力端子は、抵抗R5を介してオペアンプ534の非反転入力端子に接続されている。
オペアンプ534の出力端子は、抵抗R6を介して反転入力端子に接続され、オペアンプ534の非反転入力端子は抵抗R7を介してグラウンドに接続されている。オペアンプ534の出力信号は、信号S1として制御部6へ出力される。そして、例えば、抵抗R4,R5は10kΩ、抵抗R6,R7は1MΩに設定されている。これにより、差動増幅回路531は、順方向電圧Vd1と順方向電圧Vd2との差を、100倍に増幅して出力する差分信号出力部として動作する。また、オペアンプ532,533によって、差動増幅回路531の入力インピーダンスが増大することにより、順方向電圧Vd1,Vd2の検出精度が向上する。
図5は、センサ素子部51の詳細を説明するための外観図である。図5に示すセンサ素子部51は、例えばフレキシブル基板515(プリント配線基板)の表面に、ダイオードD1,D2、及びツェナーダイオードZD1が風上からこの順に略一列に配設されて構成されている。
そして、ツェナーダイオードZD1とダイオードD2とは近接して配設され、ツェナーダイオードZD1とダイオードD1との間の距離L1が、ツェナーダイオードZD1とダイオードD2との間の距離L2よりも長くされている。これにより、ツェナーダイオードZD1で生じた熱が、フレキシブル基板515の熱伝導によりダイオードD1に伝わる場合の経路長や、ツェナーダイオードZD1の輻射熱がダイオードD1に伝わるまでの距離が、ツェナーダイオードZD1とダイオードD2との間の距離よりも長くなり、ツェナーダイオードZD1によってダイオードD1が加熱されることが低減される。
また、ダイオードD2のカソードと、ツェナーダイオードZD1のアノードとは、幅広の熱伝導率が高い銅箔パターンにより構成された配線512に接続されることによって、熱結合されている。なお、ダイオードD2とツェナーダイオードZD1とは、必ずしも配線512によって熱結合されるものに限られず、例えば配線とは別の電気的に絶縁された銅箔パターンをダイオードD2とツェナーダイオードZD1との下部に形成して密着させたり、熱伝導性の高い部材でダイオードD2とツェナーダイオードZD1とを連結するなどして熱結合するようにしてもよい。しかし、配線512は、ダイオードD2に順方向電流を供給すると共に、ツェナーダイオードZD1に逆方向電流を供給するための配線パターンであり、ダイオードD2のカソード電極及びツェナーダイオードZD1のアノード電極とハンダ付けされるので、電気的な配線接続のためのハンダ付けによって、ダイオードD2及びツェナーダイオードZD1における熱伝導性の高い部分である電極部分と配線512とを密に熱結合することができる結果、ダイオードD2とツェナーダイオードZD1とを密に熱結合させることが容易となる。
また、ダイオードD1のカソードは、ダイオードD2のカソードやツェナーダイオードZD1のアノードと同様にグラウンドに接続されるので、ダイオードD1のカソードに接続された配線511は、ツェナーダイオードZD1のアノードに接続された配線512と電気的に接続されることとなる。そうすると、ツェナーダイオードZD1から、銅箔パターンである配線512と配線511とを介してダイオードD1に至る熱伝導経路が形成されることとなるが、配線511の幅W1は、配線512の幅W2より狭くされているので、ツェナーダイオードZD1で生じた熱が配線511を介してダイオードD1に伝導することが低減される。
そして、ダイオードD1とダイオードD2との間に、フレキシブル基板515を貫通するスリット516(孔)が設けられている。これにより、ツェナーダイオードZD1で生じた熱が、フレキシブル基板515の熱伝導によりダイオードD1に伝わることが低減される。
なお、ダイオードD2とツェナーダイオードZD1とは、フレキシブル基板515等の基板の一方面に配設される例に限られず、例えば基板の表裏に配設されてもよい。この場合、基板の一方面においてダイオードD2に接続される銅箔パターンと、基板の他方面においてツェナーダイオードZD1に接続される銅箔パターンとを、内壁に銅箔パターンが形成されたスルーホールで接続することによって、銅箔パターンの熱伝導によりダイオードD2とツェナーダイオードZD1とを熱結合させるようにしてもよい。
次に、上述のように構成された風量センサ7を用いた燃料電池システム1の動作について説明する。まず、図3を参照して、風速センサ5に電源電圧が印加されると、抵抗R1,R2によって、ダイオードD1,D2に、それぞれ約1mAの順方向電流が流れる。この場合、ダイオードD1,D2には同じ量の順方向電流が流れており、温度が同じであれば、順方向電圧Vd1と、順方向電圧Vd2とは等しくなる。そうすると、順方向電圧Vd1,Vd2は、例えば125mVとなる。
そして、例えば、ツェナーダイオードZD1の端子電圧が4.7V、流れる電流が21mAとなる。そうすると、ツェナーダイオードZD1によって、4.7V×21mA=100mWの電力が消費され、発熱する。
なお、ツェナー用電流供給部は、ツェナーダイオードZD1に安定して電流を供給することができればよく、抵抗R3のような固定抵抗に限られず、定電流回路等、種々の回路を用いることができる。
また、抵抗R3によって、ツェナーダイオードZD1に流れる電流を制限する場合、抵抗R3によって電力が消費されるので、例えば抵抗R3及びツェナーダイオードZD1への電源電圧の供給を、スイッチング素子を用いてパルス状にオン、オフすることにより、消費電力を低減するようにしてもよい。
ツェナーダイオードZD1の放熱係数は、例えば400℃/Wであり、100mWの発熱によって40度、温度が上昇する。今、周囲温度が25度であれば、ツェナーダイオードZD1は65℃になる。
そして、ツェナーダイオードZD1で生じた熱は、配線512による熱伝導や、熱輻射によってダイオードD2に伝わってダイオードD2が加熱され、例えばダイオードD2の温度が30度上昇し、55度となる。ダイオードD1,D2の順方向電圧Vd1,Vd2は、−2mV/℃の温度特性を有するため、順方向電圧Vd2は、30度の温度上昇に伴い、−2mV/℃×30℃=−60mVだけ変化し、125mV−60mV=65mVとなる。
一方、ダイオードD1は、ツェナーダイオードZD1からの距離がダイオードD2より長く、またフレキシブル基板515によるツェナーダイオードZD1からダイオードD1への熱伝導が、スリット516によって遮断されており、かつ配線511の幅が狭くされて配線511による熱伝導が低減されているので、ツェナーダイオードZD1によりダイオードD1が加熱されることが低減される。従って、ダイオードD1の温度は、周囲温度と同じ25度に維持される結果、順方向電圧Vd1は、125mVのまま維持される。
次に、差動増幅回路531によって、順方向電圧Vd1と順方向電圧Vd2との差が100倍に増幅されて、ダクト4内の風速すなわちダクト4を流れる風量を示す信号S1として制御部6へ出力される。この場合、信号S1は、風速風量ゼロを示し、S1=(Vd1−Vd2)×100=(125mV−65mV)×100=6Vとなる。
次に、制御部6からの制御信号に応じて、ファン3が駆動され、空気がダクト4を介して燃料電池スタック2へ供給される。そうすると、ダクト4を流れる空気によって、ダイオードD2が冷却されて順方向電圧Vd2が上昇する。一方、ダイオードD1は周囲温度、すなわち空気の温度と同じ温度であるから、空気がダクト4を流れてもダイオードD1の温度は変化しない。
そうすると、順方向電圧Vd1と順方向電圧Vd2との差が縮小し、信号S1の信号レベルが低下する。すなわち、信号S1は、ダクト4を流れる空気の風速、風量が増大するほど低下し、当該風速、風量が減少するほど上昇する。
また、差動増幅回路531によって、順方向電圧Vd1と順方向電圧Vd2との差(Vd1−Vd2)に基づき信号S1が生成されるので、信号S1において、周囲温度に依存する電圧成分がキャンセルされて、ダクト4を流れる空気の風速、風量を示す信号成分に基づき信号S1が生成される結果、風速、風量の測定精度が向上する。
この場合、例えばダイオードD1,D2、及びツェナーダイオードZD1といった部品が、空気の流れを横切る方向に配列されていると、部品の間や風下側等にカルマン渦が生じて空気の流れが乱され、正しく風速、風量を測定することができなくなる。しかし、風量センサ7では、ダイオードD1,D2、及びツェナーダイオードZD1は、風上からこの順に空気の流れに沿って略一列に配設されているので、空気の流れが乱されることが低減される結果、風速、風量の測定精度が向上する。
また、発熱体であるツェナーダイオードZD1が、ダイオードD1,D2より風下側に配設されているので、ツェナーダイオードZD1で暖められた空気によってダイオードD1,D2の温度が変化することがなく、風速、風量の測定誤差が生じることが抑制される。
図6は、風量センサ7を用いて、ダクト4を流れる空気の流量(L/min)と、順方向電圧Vd1,Vd2、及び順方向電圧Vd1と順方向電圧Vd2との差(Vd1−Vd2)との関係を、実験的に求めたデータを示すグラフである。順方向電圧Vd1,Vd2はそれぞれ2回づつ測定しており、それに対応して(Vd1−Vd2)も2回分、グラフに記載している。
図6に示すように、順方向電圧Vd1は、空気流量が増加してもほとんど変化しない。一方、順方向電圧Vd2は、空気流量が増加するに従って増大する。従って、順方向電圧Vd1と順方向電圧Vd2との差(Vd1−Vd2)は、空気流量が増加するに従って減少する。
次に、制御部6によって、信号S1、すなわち実際にダクト4を流れて燃料電池スタック2に供給される風量の測定値に応じてファン3の回転数が制御されることで、ファン3から燃料電池スタック2へ適切な量の空気が供給される。これにより、燃料電池スタック2のカソードにおける空気流路の通気抵抗の変化に関わらず、所定量の空気をファン3から燃料電池スタック2へ供給することができるので、空気の供給量が不適切であるために発電電力が低下してしまったり、空気の供給量が過剰であるためにカソードで生成された水が蒸発して外部に放出されてしまい、再利用するための水の回収量が不足してしまったりすることが低減される。
ところで、風量センサ7は、ダイオードD1,D2の温度に応じて得られる順方向電圧Vd1,Vd2に基づいて、風速風量を測定するものであるが、順方向電圧Vd1,Vd2は、ダイオードD1,D2をそれぞれ流れる電流I1,I2に応じて変化するため、電流I1,I2の変動はそのまま順方向電圧Vd1,Vd2の変動、すなわち信号S1の変動として現れ、風速風量の測定誤差となる。ここで、抵抗R1,R2を用いてダイオードD1,D2に電流I1,I2を供給する場合、電源電圧の変動が、そのまま風速風量の測定誤差として現れることとなる。
そこで、ダイオードD1,D2に一定の順方向電流を流す電流供給部として、抵抗R1,R2を用いる代わりに、例えば、図7に示すように、定電流回路を用いてダイオードD1,D2に一定の順電流を流す電流供給部を構成するようにしてもよい。
図7に示す電流供給部は、ダイオードD1とダイオードD2とに同じ電流を供給するカレントミラー回路CS1と、ツェナーダイオードZD1によって得られる定電圧によって、カレントミラー回路CS1からダイオードD1,D2へ供給される電流値を設定するカレントミラー回路CS2とを備えて構成されている。この場合、ダイオードD1,D2に供給される電流値は、電源電圧の変動に関わらずツェナーダイオードZD1によって得られる定電圧値に応じて設定される。従って、電源電圧の変動に関わらず、ダイオードD1,D2に供給される電流I1,I2は一定の値に維持されるので、電源電圧変動による測定誤差を低減することができる。
また、図8に示すように、ファン3の代わりに空気ポンプ8を用いてもよい。例えば、携帯型パーソナルコンピュータに用いられる10W程度の小型の燃料電池システムでは、送風装置として空気ポンプ8を好適に用いることができる。
なお、風速センサ5を用いて構成された風量センサ7を、燃料電池システム1における空気の供給量の測定に用いる例を示したが、風速センサ5及び風量センサ7の用途は燃料電池システムに限られず、気体の風速や風量を測定する種々の用途に用いることができる。また、風速センサ5は、ダクト4の中に配設される例に限られず、開放された空間において風速を測定するために用いられてもよい。また、気体は空気でなくてもよい。
本発明に係る風速センサ、及び風量センサは、簡素な構成で気体の風速や風量を測定することができるので、例えば燃料電池システムにおいて、燃料電池の空気極に供給する空気量を制御するためのセンサとして有用である。
本発明の一実施形態に係る風量センサを用いた燃料電池システムの構成の一例を示す概略構成図である。 図1に示す風量センサの構成の一例を示す説明図である。 図2に示す風速センサの構成の一例を示す回路図である。 図3に示す差動増幅回路の詳細な構成の一例を示す回路図である。 図2に示すセンサ素子部の詳細を説明するための外観図である。 図2に示す風量センサを用いて、ダクトを流れる空気の流量と、順方向電圧Vd1,Vd2、及び順方向電圧Vd1と順方向電圧Vd2との差(Vd1−Vd2)との関係を、実験的に求めたデータを示すグラフである。 電流供給部として用いられる定電流回路の一例を示す回路図である。 燃料電池システムの他の一例を示す概略構成図である。 背景技術に係る風速センサの構成を示す模式回路図である。 図9に示す風速センサの動作を説明するための説明図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 燃料電池スタック
3 ファン
4 ダクト
5 風速センサ
6 制御部
7 風量センサ
8 空気ポンプ
511,512 配線
515 フレキシブル基板
516 スリット
531 差動増幅回路
D1,D2 ダイオード
ZD1 ツェナーダイオード
R1〜R7 抵抗
S1 信号
Vd1,Vd2 順方向電圧

Claims (10)

  1. 風速を検出しようとする気体中に配置される第1及び第2ダイオードと、
    前記第1及び第2ダイオードに、予め設定された順方向電流を供給する電流供給部と、
    前記第2ダイオードを加熱する加熱部と、
    前記第1ダイオードで生じる順方向電圧と前記第2ダイオードで生じる順方向電圧との差を示す差分信号を、前記風速を示す信号として出力する差分信号出力部と
    を備えることを特徴とする風速センサ。
  2. 前記加熱部は、
    前記第2ダイオードと熱結合されたツェナーダイオードと、
    前記ツェナーダイオードに逆方向電流を供給するツェナー用電流供給部と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の風速センサ。
  3. 前記第2ダイオードと前記ツェナーダイオードとは、同一のプリント配線基板に隣接して配設されると共に、当該プリント配線基板に形成された、熱を伝導するための同一の銅箔パターンに接続されることによって熱結合されていること
    を特徴とする請求項2記載の風速センサ。
  4. 前記銅箔パターンは、前記第2ダイオードに前記順方向電流を供給すると共に、前記ツェナーダイオードに前記逆方向電流を供給するための配線パターンであること
    を特徴とする請求項3記載の風速センサ。
  5. 前記第1ダイオードは、前記配線パターンに接続され、
    前記電流供給部は、前記配線パターンを介して前記第1ダイオードへ前記順方向電流を供給し、
    前記配線パターンは、前記ツェナーダイオードと前記第2ダイオードとの間で熱が伝導する箇所において、熱が伝導する方向に対して垂直方向の幅が、前記電流供給部から前記第1ダイオードへ供給される前記順方向電流が流れる箇所の幅よりも太くされていること
    を特徴とする請求項4記載の風速センサ。
  6. 前記ツェナーダイオードと前記第1ダイオードとの間の距離が、前記ツェナーダイオードと前記第2ダイオードとの間の距離よりも長いこと
    を特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の風速センサ。
  7. 前記第1ダイオードと前記第2ダイオード及び前記ツェナーダイオードとの間を横切るように、前記プリント配線基板を貫通する孔が設けられていること
    を特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の風速センサ。
  8. 前記第1ダイオード、前記第2ダイオード、及び前記ツェナーダイオードは、風上からこの順に略一列に配設されること
    を特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の風速センサ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の風速センサと、
    所定の開口断面積を有すると共に前記気体を導く管とを備え、
    前記風速センサは、前記管の内部に配設され、
    前記差分信号出力部は、前記差分信号を、前記管を流れる風量を示す信号として出力すること
    を特徴とする風量センサ。
  10. 請求項9に記載の風量センサと、
    燃料電池と、
    前記燃料電池へ、前記風量センサにおける管を介して空気を供給する送風装置と、
    前記送風装置によって前記燃料電池へ供給させる空気の量を、前記差分信号に応じて調節する制御部と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
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