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JP2007284712A - 靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法及び靭性に優れた厚手高強度鋼板 - Google Patents

靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法及び靭性に優れた厚手高強度鋼板 Download PDF

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JP2007284712A
JP2007284712A JP2006110602A JP2006110602A JP2007284712A JP 2007284712 A JP2007284712 A JP 2007284712A JP 2006110602 A JP2006110602 A JP 2006110602A JP 2006110602 A JP2006110602 A JP 2006110602A JP 2007284712 A JP2007284712 A JP 2007284712A
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Kazutoshi Ichikawa
和利 市川
Masanori Minagawa
昌紀 皆川
Akihiko Kojima
明彦 児島
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

【課題】高い母材強度、良好な板厚中心部靭性、良好な大入熱溶接HAZ靭性、及び高い圧延能率を高い次元で同時に満足する厚手鋼板を提供する。
【解決手段】C:0.01〜0.07%、Si:0.2%以下、Mn:0.2〜1.8%、P:0.015%以下、S:0.0005〜0.005%、B:0.0003〜0.003%、Nb:0.02%超0.06%以下、Al:0.001〜0.0034%、Ti:0.005〜0.02%、N:0.001〜0.008%、O:0.001〜0.004%を含有し、更にCa:0.0003〜0.004%、Mg:0.003〜0.004%のうち一種以上を含有し、かつ有効B量及びCeqが所定の条件を満たす鋳片を、Ar−200℃以下まで冷却した後に1000〜1250℃に再加熱した後に粗圧延を行い、その後に下式(3)を満たす仕上圧延を800℃〜900℃で行い、その後Ar以上の温度から加速冷却する。
【選択図】なし

Description

本発明は、大入熱溶接の熱影響部(Heat Affected Zone:HAZ)靭性と母材靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法及び厚手高強度鋼板に関する。
厚手鋼板は、一般に大型コンテナ船等の造船、建築、タンク、海洋構造物、ラインパイプなどの溶接構造物に用いられている。近年は、造船等に代表されるように溶接構造物の大型化、破壊に対する高い安全性の要求、建造における溶接の高能率化の要求などにより、溶接構造物に用いられる厚手鋼板には、(1)高い母材強度(例えば降伏強度)、(2)良好な板厚中心部靭性(例えばシャルピー衝撃試験によって得られる破面遷移温度や吸収エネルギー)、(3)良好な大入熱溶接HAZ靭性、(4)高い圧延能率、というニーズが高まっている。
具体的には、大型コンテナ船の建造に用いられる板厚50〜80mmの鋼板に対して、(1)降伏応力:390〜460MPa級、(2)板厚中心部靭性:vTrs≦―60℃、(3)溶接入熱量≧20kJ/mmのHAZ靭性:vE(−40℃)≧47J、(4)高圧延能率を目的として圧延終了温度≧800℃、を同時に満たすことが要求されている。
特許文献1は造船向け厚手高強度鋼板に関する技術の一例である。特許文献1には、板厚50〜70mmを有しつつ,上記(1)、(3)、(4)のニーズを部分的に満足する技術が開示されている。しかし、上記(2)のニーズは満足していない。
また、非特許文献1の図9に示されるように、厚手鋼板では板厚の1/2部、すなわち板厚中心部の靭性が板厚の1/4部に比べて低いのが一般的であるから、厚手鋼板を用いた溶接建造物の安全性を考える場合には、板厚1/2部の靭性を重視する必要がある。例えば船舶の安全性においては、溶接部から発生した脆性破壊が母材部分で停止すること(アレスト性)が重要である。アレスト性は、板厚の厚手化に伴って板厚1/2部の靭性に支配される傾向を強める。従って、大型船舶の安全性向上のためには、厚手鋼板の板厚1/2部の靭性を高めることが必要である。今後の安全性を重視した大型船舶に関しては、上記したように板厚中心部靭性:vTrs≦―60℃を満たすことが望ましいが、特許文献1に記載の技術では、板厚中心部靭性:vTrs≦―40℃を満たすことはできるがvTrs≦―60℃を満たすことはできない。
また、従来から母材の靭性向上には、TMCP(Thermo Mechanical Control Process)を前提として、圧延終了温度を低く制御することにより鋼板の金属組織を微細化することが有効であることが知られている。上記した非特許文献1の図9及び図12には、鋼板表面温度で700〜780℃の範囲において圧延終了温度(圧延仕上温度)を低くするほど板厚1/2部の靭性が高まることが示されている。これにより、―50℃〜―70℃程度のvTrsが達成されている。また非特許文献2の図4に示す例では、圧延終了温度(圧延仕上げ温度)を700℃程度まで低くすることで、−60℃程度のvTrsが達成されている。
このように、従来のTMCP技術では、圧延終了温度を800℃未満の低い温度に制御することで厚手鋼板の板厚1/2部の靭性を高めていた。しかし、このような低温圧延では圧延途中の温度待ち時間が長くなって圧延能率が著しく低下し、生産性の低下によって製造原価が増加してしまう。また、短期間に多量の鋼板供給が求められる場合には、必要は鋼板量を供給できない場合もある。
従って、圧延終了温度を800℃以上に高めて圧延能率を阻害することなく厚手鋼板の板厚1/2部の靭性を確保する技術が望まれている。
ところで、TMCPによって製造される厚手鋼板では、従来からB(ボロン)添加による高強度化が行われていた。Bを添加すると、圧延後の加速冷却過程においてγ粒界にBが偏析し、これにより変態時の焼入性が高められると考えられている。特許文献1では、B及びNbを複合添加することにより高強度化を図っているが、実施例に示されるように圧延終了温度は930〜1000℃と高いので、板厚55〜70mmの鋼板において板厚1/2部の靭性が良好な値(−60℃程度のvTrs)を達成することは難しい。
非特許文献3では、板厚20ミリの薄手鋼板ではあるが、B及びMoを複合添加することにより、焼入れ性が高まり、圧延終了温度が800℃〜880℃において良好な強度と靭性をともに達成できることが示されている。ただしこの場合、板厚が薄いために圧延によるγ微細効果が大きく、かつ800℃から500℃への平均冷却速度も20℃/sと大きい。
更に、非特許文献3では、Moが0.35%と多い。これは、薄手鋼板に大入熱溶接が適用されることはないので、大入熱溶接時の局所脆化相MA(Martensite Austenite constituent)の増加というMoの有害性を気にする必要がないためである。しかしながら本発明が対象としている厚手鋼板では施工効率の向上の観点から大入熱溶接の要求が強く、その場合には0.35%というような高いMoはMAの増加等から添加することは適当ではない。
特許第3599556号公報 製鉄研究第326号(1987),p55-61 R&D神戸製鋼技報,Vol.52、No.1(Apr.2002),p20-24 ISIJ International,Vol.44(2004),No.8,p1431-1440
上記したように、厚手鋼板(例えば板厚が40mm以上)において、高い母材強度、良好な板厚中心部靭性、良好な大入熱溶接HAZ靭性、及び高い圧延能率を高い次元で同時に満足する技術を確立する必要がある。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、高い母材強度、良好な板厚中心部靭性、良好な大入熱溶接HAZ靭性、及び高い圧延能率を高い次元で同時に満足する厚手鋼板の製造方法及び厚手鋼板を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下の通りである。
(A)質量%で、C:0.01〜0.07%、Si:0.2%以下、Mn:0.2〜1.8%、P:0.015%以下、S:0.0005〜0.005%、B:0.0003〜0.003%、Nb:0.02%超0.06%以下、Al:0.001〜0.0034%、Ti:0.005〜0.02%、N:0.001〜0.008%、O:0.001〜0.004%を含有し、更にCa:0.0003〜0.004%、Mg:0.003〜0.004%のうち一種以上を含有し、かつ下式(1)及び(2)を満たし、残部が鉄及び不可避的不純物によって化学成分が構成される鋳片を、鋳造後の冷却過程でAr−200℃以下まで冷却した後に1000〜1250℃に再加熱した後に粗圧延を行い、その後に下式(3)を満たす仕上圧延を800℃〜900℃で行い、その後Ar以上の温度から加速冷却することを特徴とする、靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法。
ただし、有効B量≧0.0003%…(1)
0.10%≦Ceq≦0.40%…(2)
スラブ厚み(mm)/圧延終了時鋼板厚み(mm)≧1.5…(3)
Ar(℃)=910−310C−80Mn−20Cu+55Ni−80Mo…(4)
なお、有効B量とは、変態前のγ(オーステナイト)素地に固溶しているB量の鋼板に対する割合、Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15である。
また有効B量は、以下の式を満たす。
(a)O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al≦0のとき、
(a1)N−0.29Ti>0の場合には、
有効B量=B−0.77(N−0.29Ti)
(a2)N−0.29Ti≦0の場合には、
有効B量=B
(b)O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al>0、かつTi−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)≧0.005のとき、
(b1)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]>0の場合には、
有効B量=B−0.77{N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]}
(b2)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]>0の場合には、
有効B量=B
(B)更に質量%で、Cu:0.01〜1%、Ni:0.01〜3%、Cr:0.01〜0.5%、V:0.001〜0.1%のうち一種以上を含有することを特徴とする、上記(A)に記載の靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法。
(C)更に質量%で、REM:0.0003〜0.02%、Zr:0.0003〜0.02%のうち一種以上を含有し、上式(1)に代えて下式(5)を満たすことを特徴とする、上記(A)又は(B)に記載の靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法。
有効B量(%)≧0.0003%…(5)
ただし、
(c)O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al≦0のとき、
(c1)N−0.29Ti>0の場合には、
有効B量=B−0.77(N−0.29Ti)
(c2)N−0.29Ti≦0の場合には、
有効B量=B
(d)O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al>0、かつTi−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)≧0.005のとき、
(d1)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]>0の場合には、
有効B量=B−0.77{N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]}
(d2)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]≦0の場合には
有効B量=B
(D)質量%で、C:0.01〜0.07%、Si:0.2%以下、Mn:0.2〜1.8%、P:0.015%以下、S:0.0005〜0.005%、B:0.0003〜0.003%、Nb:0.02%超0.06%以下、Al:0.001〜0.0034%、Ti:0.005〜0.02%、N:0.001〜0.008%、O:0.001〜0.004%を含有し、更にCa:0.0003〜0.004%、Mg:0.003〜0.004%のうち一種以上を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物によって化学成分が構成され、
板厚:50〜80mm、降伏強度:390〜500MPa、板厚中心部の靭性:vTrs≦―60℃、溶接入熱量≧20kJ/mmにおけるHAZ靭性:vE(−40℃)≧47Jを満たす、靭性に優れた厚手高強度鋼板。
ただし、有効B量≧0.0003%…(1)
0.10%≦Ceq≦0.40%…(2)
ただし有効B量とは、変態前のγ(オーステナイト)素地に固溶しているB量の鋼板に対する割合であり、Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15である。
また有効B量は、以下の式を満たす。
(a)O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al≦0のとき、
(a1)N−0.29Ti>0の場合には、
有効B量=B−0.77(N−0.29Ti)
(a2)N−0.29Ti≦0の場合には、
有効B量=B
(b)O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al>0、かつTi−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)≧0.005のとき、
(b1)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]>0の場合には、
有効B量=B−0.77{N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]}
(b2)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]>0の場合には、
有効B量=B
(E)更に質量%で、
REM:0.0003〜0.02%、Zr:0.0003〜0.02%のうち一種以上を含有し、上式(1)に代えて下式(5)を満たすことを特徴とする、上記(D)に記載の靭性に優れた厚手高強度鋼板。
有効B量(%)≧0.0003%…(5)
ただし、
(c)O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al≦0のとき、
(c1)N−0.29Ti>0の場合には、
有効B量=B−0.77(N−0.29Ti)
(c2)N−0.29Ti≦0の場合には、
有効B量=B
(d)O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al>0、かつTi−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)≧0.005のとき、
(d1)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]>0の場合には、
有効B量=B−0.77{N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]}
(d2)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]≦0の場合には
有効B量=B
(F)旧オーステナイトの公称粒径が40μm以下である上記(D)又は(E)に記載の靭性に優れた厚手高強度鋼板。
本発明によれば、板厚が50〜80mmの厚手鋼板においても、(1)高い母材強度、(2)良好な板厚中心部靭性、(3)良好な大入熱溶接HAZ靭性、(4)高い圧延能率というニーズを同時に満足することができる。従って、本発明にかかる厚手鋼板を造船等の溶接構造物に使用することで、溶接構造物の大型化、建造における溶接の高能率化、溶接構造物の破壊に対する高い安全性、鋼材の安定供給と経済性が同時に満たされる。
本発明は、厚手鋼板において、母材強度、母材靭性、大入熱溶接HAZ靭性、及び圧延能率を高い次元でバランスさせる技術である。これら複数の特性を高い次元でバランスさせるために発明者が鋭意検討した結果、B及び極少量のNbの組み合わせによる未再結晶温度の向上効果が見出された。この効果は緩冷条件で特に顕著になる。本発明はこの知見に基づいた技術であり、緩冷条件となる厚手母材と大入熱溶接HAZの両方で生成する上部ベイナイトの靭性を高め、さらにNbを適正量添加することにより、未再結晶温度を上昇させて圧延温度を高温化させて高い圧延能率を実現させるものである。
以下、本発明の経緯について、詳細に説明する。まず第一に、母材強度と大入熱HAZ靭性が相反することの解決を目指した。板厚50〜80mmでの加速冷却時の冷却温度は、現有設備による通常の冷却条件における平均冷却速度は3〜10℃/sと小さく、板厚の中心部である板厚1/2部ではさらに緩冷になる。このような緩冷条件の下で十分な焼入性を確保して390〜500MPaの降伏強度を達成するためには、単純には合金元素を多量に添加すればよいが、これを行うと大入熱溶接HAZの焼入性も高まってHAZが硬化して脆化する。そこで、HAZ硬さの目安である炭素当量(Ceq)をできるだけ低減しつつ、母材強度を確保する技術としてBとMoの複合添加に着眼し、TMCP型厚手鋼板を前提に、母材強度、大入熱溶接HAZ靭性、母材靭性、圧延能率を同時に満足する最適な鋼の化学成分と鋼板製造条件を検討した。
まず、母材でB添加による焼入性を引き出すためにMoに着眼したが、Moは非常に高価であり、また大入熱溶接HAZでMA生成(マルテンサイト−オーステナイト混合相生成:Martensite−Austenite constituert) を助長する有害性があることから、従来技術に対してMoの添加量を可能な限り抑制しつつ、その効果を有効に引き出す工夫が不可欠である。そこで、Bに複合させる微量Moの効果と、その効果が発揮さる条件を定量的に明確化することが肝心であると考えた。その上で圧延温度の向上を指向して、NbとBの複合添加による未再結晶温度の効果が発現される条件の定量的検討を行った。
まず、B添加を前提にしたMo低減を系統的に検討した。
図1は10ppmのBを含む鋼材(ベース組成:0.05%C−0.1%Si−1.5%Mn−0.01%Al−0.01%Ti−0.003%N−0.002%O−0.001%Ca)にMoを添加した場合の変態点(Ar)の低下代と冷却速度の関係を示す。
図1に示す結果から、Bに加えてわずか0.08%のMoを鋼材に添加することにより、10℃/s以下(例えば0.5〜10℃/s)の緩冷条件において鋼材の焼入性が効果的に上昇することを見出した。この効果は、冷却速度が小さくなるほど増大していた。
つまり、加速冷却される板厚50〜80mmの鋼板(平均冷却速度3〜10℃/s)において、Bに加えて極微量のMoを複合添加することにより、焼入性の向上効果が得られることが見出された。さらには厚手になるほど、かつ板厚の中心部に近づくほど冷却速度は遅くなるため、この効果は増大することが見出された。
次に、大入熱溶接のHAZ靭性において、Mo、Nb添加の有害性を抑えること、すなわちMAの増加や硬さの過度の増加を抑えることを目指した。単純にB及び微量Mo、Nbの複合添加することのみでは、大入熱溶接HAZにおける変態温度が低下し、MAを含む上部ベイナイトが多く生成して靭性が不安定になる。そこでB及び微量Mo、Nbの複合添加を前提として大入熱溶接HAZにおける変態温度を高め、冷却中のMA分解を促進することを検討した。
その結果、CとSiを適正な量に制御(低減)することにより、MAを極少量しか含まない、又はMAを全く含まない上部ベイナイトが高温で生成することが見出された。そして、B及び微量Moに低C及び低Siを組み合わせることにより、脆化相であるMAが減少し、かつ脆化相であるセメンタイトが少量になるとともに微細に分散し、硬さも低下することが判明した。なお、MA減少には、必要に応じて水冷停止温度の高温化や650℃以下の焼き戻し処理を適用することが有効であるが、母材強度が低下するため、必要な母材強度が得られる範囲で適用する必要はある。
上記のような成分最適化により、大入熱溶接HAZの上部ベイナイトにおいてMA減少、セメンタイト少量微細化、及び硬さ低減といった3つの効果が重畳し、B及び微量Mo成分でも良好な大入熱HAZ靭性を達成できる見込みが得られた。
さらに、HAZ靭性を安定化させるために、CaやMgの適正添加によって微細な酸化物や硫化物を鋼材中に多数分散させる、γ(オーステナイト)粒成長抑制技術(ピン止め技術)を組み合わせることを検討した。HAZ靭性が上部ベイナイトによって制御される場合、脆性破壊における破面単位は旧γ粒径(旧γの公称粒径)に略一致する。このような場合、破面単位の微細化を通じて靭性を向上させる手段はγ細粒化しかないと考えられる。これに対して従来鋼のHAZはフェライトとベイナイトが混在し、かつ粒内変態を利用できる余地がある。このため、本発明のように母材組織は上部ベイナイトが主体の場合は、ピン止めによるγ粒成長抑制が従来鋼と比較して寄与が大きいと考えられる。
このような理由から、本発明の大入熱溶接HAZではピン止め効果を積極的に利用する。このときCeqを0.10%〜0.40%に制御する必要がある。これは、Ceqが0.10%を下回ると母材の強度が低下するためであり、また0.40%を超えると、たとえ低C−低Si−微量Mo−Bという成分系においても、上部ベイナイトにおけるMA増加と硬さ上昇を回避することが難しく、γ細粒化を図っても良好なHAZ靭性を得ることが難しくなるためである。
次いで、母材靭性と圧延能率が相反することを解決する技術を検討した。すなわち圧延終了温度を800℃以上に高め、かつ板厚中心部(板厚1/2部)の靭性を高めることが課題である。本発明の母材組織は上部ベイナイトが主体であるため、まずは、上部ベイナイトの脆性破壊における金属学的要因を、本成分系のもとで具体的に検討した。
その結果、γ粒微細化、MA低減、並びにセメンタイトの少量化及び微細化が、板厚1/2部の靭性向上にとっても極めて重要であるとの結論に達した。すなわち上記したHAZ靭性への対策が有効であるとの結論に達した。
なお、MA低減には、必要に応じて水冷停止温度の高温化や650℃以下の焼戻し処理を適用することが有効であるが、これらによって母材強度が低下するので、母材強度が所望する値より低くならないように注意する必要がある。
また、以下の手法により、γ粒微細化が図られる。すなわちスラブ再加熱時のγ粒を微細化することができるが、このためには、鋳造後(例えば連続鋳造後)のスラブをAr−200℃以下にしてγ→α変態させ、その後に1250℃以下に再加熱することでα→γ変態させる必要がある。スラブをAr−200℃以上の温度から再加熱を始めると、スラブ内部でγ→α変態が未完了のうちに再加熱が始まって鋳造時の粗大γが残留する。特に本成分系では鋳造時のγが従来鋼より粗大化する傾向があるため、確実にγ→α→γ変態を生じさせる必要がある。
本発明では、スラブ冷却時や圧延後加速冷却までの空冷時を対象に、以下の式を用いてArを計算する。上記した空冷時の場合、冷却速度が窮めて小さいため、Bの焼入性は実質的に無視できるほど小さいため、以下の式を適用することができる。
Ar(℃)=910−310C−80Mn−20Cu+55Ni−80Mo…(i)
また、再加熱温度が1250℃を超えるとγ粒成長が著しくなり粗大γが生成する。更に、圧延終了温度が800〜900℃のもとでは圧延再結晶が繰り返される。このため、スラブ厚み/圧延終了時鋼板厚みが1.5以上という十分な累積圧下量を確保する必要がある。累積圧下量がこれより小さいと、圧延再結晶によるγが十分に微細化しない。また圧延終了温度が900℃を超えると、圧延途中や圧延終了後に再結晶γが成長して粗大化する。これは、Bと微量Mo、Nbの複合添加による再結晶γ粒の成長抑制効果が900℃を超えるとほとんど効かなくなるためである。
なお、鋼板が厚手になると、スラブをAr−200℃以上の温度に冷却した場合においても、板厚1/2部が再結晶温度以上になる可能性が出てくる。このような場合、板厚1/2部でγ粒の粗大化が進む。これを抑制するためには、Nbを適正量添加することにより、γ粒の未再結晶温度を上昇させることが有効である。これにより、圧延終了温度を800℃以上にしても母材の厚さ中心部でγ粒の再結晶が生じることを抑制でき、その結果、圧延能率を高くできる。
次に、本発明における鋼の化学成分の限定理由をまとめて説明する。
Cは厚手母材で高い強度を確保するために、0.01%以上必要である。ただし、B、微量Mo、及びNbを添加した状態で良好な大入熱溶接HAZ靭性と良好な板厚1/2部靭性を確保するためには、Cを0.07%以下に抑える必要がある。
Siは脱酸作用を有するが、B及び微量Mo成分のもとで良好な大入熱溶接HAZ靭性と良好な板厚1/2部靭性を確保するためには、0.2%以下に抑える必要がある。
Mnは脱酸作用を有すると同時に、厚手母材が高い強度を経済的に得るために必要である。その下限値は1.2%であるが、Mnが2.0%を超えるとスラブの中心偏析による有害性、すなわち板厚1/2部靭性及び大入熱HAZ靭性が劣化するために、これが上限になる。
Pは不純物元素であり、B及び微量Mo成分のもとで良好な大入熱溶接HAZ靭性と良好な板厚1/2部靭性を確保するためには、0.015%以下に抑える必要がある。
Sは必要な元素であり、後述する大入熱HAZでのピン止め効果のために0.005%以上添加する。ただし、Sが0.005%を超えると硫化物が粗大化してピン止め効果が低下すると同時に、破壊起点になってHAZ靭性を低下させるという有害性も顕著になるため、これが上限である。
B及びMoは、上記したように本発明にとって重要な元素である。これらを上記した低C及び低Siの鋼材に添加することにより、母材強度、大入熱溶接HAZ靭性、及び母材靭性を高い次元で同時に得ることができる。具体的には、Bを0.0003%以上、かつMoを0.01%以上添加する必要がある。このような極微量のMoであっても、上記したように、小さな冷却速度のもとではBの焼入性を効果的に高める作用を有することが明らかになった。ただし、Bの添加量が0.003%を超えると鋼材の焼入性が低下し、かつB系の粗大析出物が生成して厚手母材の靭性及び大入熱溶接HAZの靭性双方が低下するため、これを上限とする。また、Moの添加量が0.2%を超えると大入熱溶接HAZ及び厚手母材の双方においてMAが増加して靭性が低下する。その上、Moは非常に高価であるため、0.3%以上の多量添加は経済性を著しく損なう。以上のことから、Moの添加量は0.2%を上限とする。ただし、大入熱溶接HAZ靭性と経済性の双方を考慮すると、Moの添加量を0.15%以下にするのが好ましい。
Alは脱酸のために必要である。Al以外のSI、Mn、Ti、Ca、Mgなども脱酸作用を有するが、たとえこれらの元素が添加される場合であっても、0.001%以上のAlがないと安定的にOを0.004%以下に抑えることは難しい。ただし、Alが0.0034%を超えると、アルミナ系の粗大酸化物がクラスター化する傾向を強め、破壊起点となってしまうため、これが上限である。
TiはNと結合してTiNを形成することにより、固溶しているNを低減する。その結果、BがBNとなることを抑制し、γ中の固溶Bすなわち有効B(詳細は後述)を確保してBの焼入性向上効果を確保できる。また、TiNはスラブ再加熱時と大入熱溶接HAZでピン止め効果を発揮してγ細粒化に寄与する。このような2つの効果を発揮するためには、Tiを0.005〜0.02%、Nを0.001〜0.008%、有効B量を0.0003%以上にする必要がある。すなわちTi及びNがそれぞれ0.005%未満及び0.001%未満の場合、TiNによるピン止め効果が十分に発揮されず、厚手母材と大入熱溶接HAZ靭性が劣化する。またTi及びNがそれぞれ0.02%超及び0.008%超になると、TiCの析出及び固溶Nの増加によって厚手母材の靭性及び大入熱溶接HAZの靭性双方が低下する。さらに、Ti及びNそれぞれが適正範囲にあっても有効B量が0.0003%未満の場合はγ中の固溶Bが不足して焼入性を確保できず、強度及び靭性を確保できなくなる。
Oは0.004%以下に抑える必要がある。Oが0.004%を超えると酸化物の一部が粗大化して破壊起点になり、厚手母材の靭性及び大入熱溶接HAZ靭性が劣化する。一方で、Oは0.001%以上確保する必要がある。その理由は、大入熱溶接HAzの溶融線近傍においてHAZ靭性を安定化させるためには、上記したようにCaやMgの適正添加によって微細な酸化物を多数分散させ、ピン止め効果によってγ細粒化をはかる必要があるためである。
Ca及びMgは、溶鋼への添加順序を考慮しつつ、一方又は双方を0.0003%以上添加する。これにより、CaやMgを含有する直径10〜500nmの酸化物や硫化物を1000個/mm以上確保することができ、ピン止め効果によってγ細粒化が図られる。しかし、添加量が0.004%を超えると酸化物や硫化物が粗大化するため、ピン止め粒子の個数が不足し、かつ破壊起点となって大入熱溶接HAZ靭性が劣化する。このため、Ca及びMgの添加量の上限は0.004%である。
Nbは本発明において特に重要である。上記したようにγ粒の未再結晶温度を上昇させて圧延終了温度を800℃以上でもγ粒の再結晶が生じないようにするためには、Nbを0.02超添加する必要がある。一方、Nbを過剰に添加するとNbCの析出により大入熱溶接HAZ靭性が低下するため、0.06%を上限とする。
また、Cu、Ni、Cr、及びVは厚手母材の強度と靭性を確保するために有効であるが、いずれの元素も大入熱溶接HAZのMA生成を助長するため、各元素の添加量は利害得失を伸張に判断して決める必要がある。これらの元素が厚手母材の材質改善に効果を発揮するための添加量の下限値はCu、Ni、及びCrにおいては0.01%、Vにおいては0.001%である。一方、添加量の上限値は、Cu、Ni、Cr、及びVそれぞれにおいて、1%、3%、0.5%、及び0.1%である。
REM(希土類元素:例えばLa、Ceなどのランタノイド系元素)及びZrは脱酸及び脱硫に寄与し、また板厚1/2部において粗大な延伸MnSが生成することを抑制して硫化物を球状無害化する。これにより、厚手母材の靭性及び大入熱HAZ靭性が改善される。このような効果を発揮するために必要なREM及びZrの添加量の下限値は、それぞれ0.0003%である。また、添加量を増加させた場合に上記した効果は飽和するため、経済性の観点から上限値を0.02%とする。
次に、有効B量について説明する。
化学成分として添加されたTiは、溶鋼中の脱酸で消費される場合があり(特に低Alの場合に生じやすい)、脱酸後に残ったTiが凝固後のγ中でTiNを形成する。このときTiに対してNが過剰であると、TiNを形成した後に残ったNが一部のBと結合してBNを形成する。そして、BNを形成した後に残ったBが固溶Bとして焼入性に寄与する。この焼入性に寄与する固溶Bの鋼板に対する割合を本発明では有効B量として扱う。
各元素の添加量、熱力学的な反応順序、及び生成物質の化学量論組成に基づいた有効B量の計算方法を以下に説明する。最初にTiよりも脱酸力が強いCa、Mg、REM、Zr、及びAlがOと結合すると仮定する。このときの反応生成物がCaO、MgO、REM、ZrO、及びAlであると仮定して、脱酸されるO量を計算する。
これらの元素によって脱酸が完了しない為には、下式を満たす必要がある。
O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al>0…(ii)
式(ii)を満たす場合、残ったOとTiが結合する。上記したように脱酸後に残るTi(すなわち鋼材中のTi)は0.005%以上必要である。反応生成物がTiであると仮定した場合、脱酸後に残るTiを0.005%以上にするためには、下式を満たす必要がある。
Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al)≧0.005…(iii)
また、脱酸で残ったTiがTiNを形成した後にNが残る場合は下式が正の値を示し、Nが残らない場合は下式が0以下の値を示す。
N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]>0…(vi):Nが残る場合
N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]≦0…(v):Nが残らない場合
TiN形成後にNが残る場合、Bの一部がBNとして消費されるから、下式によって有効B量が計算される。
有効B量=B−0.77{N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]}}…(vi)
またTiN形成後にNが残らない場合、有効B量は下式のようになる。
有効B量=B…(vii)
なお、上記した各式における係数は、各元素の原子量に基づいて計算されている。例えばCaとOが結合してCaOが形成される場合、Caの原子量は40でありOの原子量は16であるため、脱酸量を算出する式におけるCaの係数は16/40=0.4になる。同様にして各係数も算出される。またAlとOが結合してAlが形成される場合、Alの原子量が27であるため、Alの質量%に対して(16×3)/(27×2)=0.89がAlの係数になる。他の元素の係数も同様にして産出される。
また、有効B量の式の導出概念を遡って示すと、下記のようになる。なお、以下において、「AasAC」とは、「C」と結合している「A」の後半に対する割合(重量%)を示す。例えば「BasBN」とは、Nと結合しているBの鋼板に対する割合(重量%)を示す。
有効B量=成分B量―BasBN
→NasTiN=0.29(Ti−TiasTi
→TiasTi=2(O−OasCaO−OasMgO−OasREM−OasZrO−OasAl
→OasCaO=0.4Ca
OasMgO=0.66Mg
OasREM=0.17Mg
OasZrO=0.35Zr
OasAl=0.89Al
次に、有効B量の導出概念を、プロセスにおける反応順すなわち製鋼での精錬→凝固工程に沿って説明する。
1) 液相(溶鋼中)における脱酸反応(1600℃付近)
Oとの化学的親和力が強い順に各元素が酸素と結合するため、CaO→MgO→REM→ZrO→Alの順に生成する。これにより溶鋼中の溶存Oが減少する。この段階で脱酸が完了する場合には、上記式(ii)を満たさない。
また脱酸が完了しない場合は、上記式(ii)を満たした上で、Alより弱脱酸元素であるTiが脱酸に寄与してTiが生成する。そして反応後の残存Tiが0.005%以上になる。
2)固相(凝固γ中)における脱窒反応(1300℃付近〜800℃付近)
Nとの化学的親和力が強い順に各元素が窒素と結合するため、TiN→BN→AlNの順に生成する。これにより固相γ中の固溶Nが減少していく。詳細には、まず脱酸後に残っているTiが脱窒反応を生じてTiNが形成される。これで脱窒が完了する場合には下式(viii)及び上記式(v)を満たし、γ中に固溶Nが存在しない。このためBはBNを形成せずにすべてが固溶Bすなわち有効Bとして存在することになり、上記式(vii)を満たす。
N−0.29Ti≦0…(viii)
また脱窒が完了しない場合には下記式(ix)及び上記式(vi)を満たし、Bの一部がBNとなるため、残りのBが固溶Bとなる。この場合の固溶B量すなわち有効B量は上記式(5)により計算される。
N−0.29Ti>0…(ix)
なお、上記式(viii)及び(ix)における0.29Tiは、NasTiNを意味する。係数の0.29は(Nの原子量)/(Tiの原子量)=14/48により算出される。
なお、母材靭性が必要な値を有するためには、母材の旧オーステナイトの公称粒径が40μm以下であるのが好ましい。ただし、公称粒径dはASTM Designation E112-82で規定され、例えば梅本実により「ふぇらむVol.2(1997)No.10」で解説されているように試料面上での粒1個の平均面積a(mm2)によって以下の数1で計算されるものである。
Figure 2007284712
次に、本発明に係る厚手高強度鋼板の製造方法について説明する。製鋼工程において溶鋼の化学成分調整を行った後、連続鋳造によって鋳片を造る。その後、Ar−200℃以下まで冷却した後に鋼片を再加熱する。再加熱温度は1000〜1250℃である。ここでスラブ再加熱温度が1000℃未満だとB炭化物が溶解しないため、有効B量が十分でも実質的にγに固溶しているBが不足してBの焼入性効果が不足する。また、スラブ再加熱温度が1250℃を超えるとTiNが溶解して固溶Nが増加して、圧延中又は圧延後にBNが析出するため、有効B量が十分でも実質的にγに固溶しているBが不足してBの焼入性効果が不足する。また、いずれの場合においてもピン止め効果が低減したγ粒の粗大化が生じる。
次いで、厚板圧延によって所定の厚みの鋼板を造る。このとき、スラブ厚み/圧延終了時鋼板厚みを1.5以上にする。圧延後にAr以上の温度から加速冷却(例えば水冷)を行う。厚板圧延において、仕上げ圧延の開始温度は800℃〜900℃であり、スラブ厚み(mm)/圧延終了時鋼板厚み(mm)≧1.5である。また加速冷却の平均冷却速度は、3〜10℃/sであるが、このような冷却速度は、例えば水量密度を0.3m/m/minで行うことにより達成できる。これにより、鋼板は十分に焼入れが行われ、高い降伏応力が得られる。また、確実にγ→α→γ変態が生じ、母材靭性も向上する。なお、圧延後の加速冷却をAr未満の温度で行うと鋼材中のフェライトの割合が増加して降伏強度が大きく低下する。また加速冷却の平均冷却速度が3℃/s未満だと焼入性が不足して降伏強度が低下する。
製鋼工程で溶鋼の化学成分を制御して連続鋳造によってスラブ(厚さ200mm)を作製し、これを再加熱して圧延することで板厚40〜70mmの鋼板を作成し、加速冷却を行った。全ての鋼板において、再加熱開始温度はAr−200℃以下であり、再加熱温度は1050℃又は1150℃であり、仕上げ圧延の開始温度は800〜900℃であり、圧延終了温度は800℃以上であり、かつスラブ厚み(mm)/圧延終了時鋼板厚み(mm)≧1.5である。また加速冷却の開始温度は全ての鋼材でAr以上である。さらにオフラインでの焼戻処理を行った。焼戻処理は530℃で20分又は30分ほど行った。
表1に鋼板の化学成分(単位は重量%)を示す。表2に鋼板製造条件を示す。表3に鋼板の機械的性質を示す。なお、表1における式A〜Dそれぞれは、以下の通りである。
式A=O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al
式B=N−0.29Ti
式C=Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al)
式D=N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]
Figure 2007284712
Figure 2007284712
Figure 2007284712
鋼1〜5は本発明鋼である。すなわち鋼成分を適正化し、かつ圧延時の条件を適正化することにより、圧延能率を重視して圧延終了温度を800℃以上としても、厚手鋼板の板厚1/2部のL方向において390〜470MPaという高い降伏強度と、vTrs<−60℃という良好な母材靭性が得られ、かつ入熱量が40kJ/minにおける−40℃での溶接HAZ靭性すなわちvE(−40℃)が120J以上と良好な値を示した。
一方、比較例である鋼6は、C濃度が本発明の範囲を超えたため、溶接HAZ靭性を示すvE(−40℃)が21Jと低い値を示した。また、比較例である鋼7は、Nb濃度が本発明の範囲を超えたため、溶接HAZ靭性を示すvE(−40℃)が18Jと低い値を示した。また、比較例である鋼8は、Nb濃度が本発明の範囲を下回ったため、母材のγ粒が粗大化してvTrsが−35℃と悪い値を示した。また比較例9は有効B量が本発明の範囲を下回ったため、vTrs及びvE(−40℃)それぞれが−30℃及び30Jと悪い値を示した。
以上の結果から、上記実施形態で説明したように鋼成分し、かつ圧延時の熱処理条件を適正化することにより、高い母材強度(例えば降伏応力及びシャルピー試験値)、良好な板厚中心部靭性、良好な大入熱溶接HAZ靭性、及び高い圧延能率を高い次元で同時に満足する厚手鋼板を製造することができることが示された。
尚、本発明は上述した実施形態又は実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
10ppmのBを含む鋼材に0.08%のMoを添加した場合としない場合の変態点(Ar)の差(ΔAr)と冷却速度の関係を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.07%、Si:0.2%以下、Mn:0.2〜1.8%、P:0.015%以下、S:0.0005〜0.005%、B:0.0003〜0.003%、Mo:0.01〜0.2%、Nb:0.02%超0.06%以下、Al:0.001〜0.0034%、Ti:0.005〜0.02%、N:0.001〜0.008%、O:0.001〜0.004%を含有し、更にCa:0.0003〜0.004%、Mg:0.0003〜0.004%のうち一種以上を含有し、かつ下式(1)及び(2)を満たし、残部が鉄及び不可避的不純物によって化学成分が構成される鋳片を、鋳造後の冷却過程でAr−200℃以下まで冷却した後に、1000〜1250℃に再加熱してから粗圧延を行い、その後に下式(3)を満たす仕上圧延を800℃〜900℃で行い、その後Ar以上の温度から加速冷却することを特徴とする、靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法。
    ただし、有効B量≧0.0003%…(1)
    0.10%≦Ceq≦0.40%…(2)
    スラブ厚み(mm)/圧延終了時鋼板厚み(mm)≧1.5…(3)
    Ar(℃)=910−310C−80Mn−20Cu+55Ni−80Mo…(4)
    なお、有効B量とは、変態前のγ(オーステナイト)素地に固溶しているB量の鋼板に対する割合、Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15である。
    また有効B量は、以下の式を満たす。
    (a)O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al≦0のとき、
    (a1)N−0.29Ti>0の場合には、
    有効B量=B−0.77(N−0.29Ti)
    (a2)N−0.29Ti≦0の場合には、
    有効B量=B
    (b)O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al>0、かつTi−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)≧0.005のとき、
    (b1)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]>0の場合には、
    有効B量=B−0.77{N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]}
    (b2)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]≦0の場合には、
    有効B量=B
  2. 更に質量%で、Cu:0.01〜1%、Ni:0.01〜3%、Cr:0.01〜0.5%、V:0.001〜0.1%のうち一種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法。
  3. 更に質量%で、
    REM:0.0003〜0.02%、Zr:0.0003〜0.02%のうち一種以上を含有し、上式(1)に代えて下式(5)を満たすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の靭性に優れた厚手高強度鋼板の製造方法。
    有効B量(%)≧0.0003%…(5)
    ただし、
    (c)O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al≦0のとき、
    (c1)N−0.29Ti>0の場合には、
    有効B量=B−0.77(N−0.29Ti)
    (c2)N−0.29Ti≦0の場合には、
    有効B量=B
    (d)O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al>0、かつTi−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)≧0.005のとき、
    (d1)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]>0の場合には、
    有効B量=B−0.77{N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]}
    (d2)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]≦0の場合には
    有効B量=B
  4. 質量%で、C:0.01〜0.07%、Si:0.2%以下、Mn:0.2〜1.8%、P:0.015%以下、S:0.0005〜0.005%、B:0.0003〜0.003%、Mo:0.01〜0.2%、Nb:0.02%超0.06%以下、Al:0.001〜0.0034%、Ti:0.005〜0.02%、N:0.001〜0.008%、O:0.001〜0.004%を含有し、更にCa:0.0003〜0.004%、Mg:0.0003〜0.004%のうち一種以上を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物によって化学成分が構成され、
    板厚:50〜80mm、降伏強度:390〜500MPa、板厚中心部の靭性:vTrs≦―60℃、溶接入熱量≧20kJ/mmにおけるHAZ靭性:vE(−40℃)≧47Jを満たす、靭性に優れた厚手高強度鋼板。
    ただし、有効B量≧0.0003%…(1)
    0.10%≦Ceq≦0.40%…(2)
    ただし有効B量とは、変態前のγ(オーステナイト)素地に固溶しているB量の鋼板に対する割合であり、Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Ni+Cu)/15である。
    また有効B量は、以下の式を満たす。
    (a)O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al≦0のとき、
    (a1)N−0.29Ti>0の場合には、
    有効B量=B−0.77(N−0.29Ti)
    (a2)N−0.29Ti≦0の場合には、
    有効B量=B
    (b)O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al>0、かつTi−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)≧0.005のとき、
    (b1)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]>0の場合には、
    有効B量=B−0.77{N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]}
    (b2)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg−0.89Al)]≦0の場合には、
    有効B量=B
  5. 更に質量%で、
    REM:0.0003〜0.02%、Zr:0.0003〜0.02%のうち一種以上を含有し、上式(1)に代えて下式(5)を満たすことを特徴とする、請求項4に記載の靭性に優れた厚手高強度鋼板。
    有効B量(%)≧0.0003%…(5)
    ただし、
    (c)O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al≦0のとき、
    (c1)N−0.29Ti>0の場合には、
    有効B量=B−0.77(N−0.29Ti)
    (c2)N−0.29Ti≦0の場合には、
    有効B量=B
    (d)O−0.4Ca−0.66Mg−0.17REM−0.35Zr−0.89Al>0、かつTi−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)≧0.005のとき、
    (d1)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]>0の場合には、
    有効B量=B−0.77{N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]}
    (d2)N−0.29[Ti−2(O−0.4Ca−0.66Mg―0.17REM−0.35Zr−0.89Al)]≦0の場合には
    有効B量=B
  6. 母材の旧オーステナイトの公称粒径が40μm以下である請求項4又は5に記載の靭性に優れた厚手高強度鋼板。
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