JP2007265574A - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた電磁変換特性、走行安定性を達成し、高S/N比を保つとともにドロップアウトが少なくエラーレートの低い磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】非磁性支持体の一方の面に非磁性層と磁性層を有し、もう一方の面にバックコート層を有し、バックコート層のTgが65〜95℃であり、バックコート層を構成する結合剤が、下記条件を満たす磁気記録媒体。(1)塩化ビニル系樹脂PVCおよびポリウレタン樹脂PUが主成分。(2)PVCの溶解度パラメータが9〜11、Tgが65〜95℃、Mwが5000〜25000。(3)PVCの割合が、PVCおよびPUの総質量に対し10〜60質量%。(4)PUの溶解度パラメータが9.5〜11.5、Tgが80〜110℃、Mwが20000〜60000。(5)PUの割合が、PVCおよびPUの総質量に対し90〜30質量%。
【選択図】なし
【解決手段】非磁性支持体の一方の面に非磁性層と磁性層を有し、もう一方の面にバックコート層を有し、バックコート層のTgが65〜95℃であり、バックコート層を構成する結合剤が、下記条件を満たす磁気記録媒体。(1)塩化ビニル系樹脂PVCおよびポリウレタン樹脂PUが主成分。(2)PVCの溶解度パラメータが9〜11、Tgが65〜95℃、Mwが5000〜25000。(3)PVCの割合が、PVCおよびPUの総質量に対し10〜60質量%。(4)PUの溶解度パラメータが9.5〜11.5、Tgが80〜110℃、Mwが20000〜60000。(5)PUの割合が、PVCおよびPUの総質量に対し90〜30質量%。
【選択図】なし
Description
本発明は、磁気記録媒体に関するものであり、詳しくは、優れた電磁変換特性、走行安定性を達成し、高S/N比を保つとともにドロップアウトが少なくエラーレートの低い磁気記録媒体に関するものである。
近年、磁気テープの分野では、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等の普及に伴って、外部記憶媒体としてコンピュータデータを記録するための磁気記録媒体の研究が盛んに行われている。このような用途の磁気記録媒体の実用化に際しては、特にコンピュータの小型化、情報処理能力の増大と相俟って、記録装置の大容量化、小型化を満足するために、記録容量の向上が強く要求される。
近年、磁気抵抗(MR)を動作原理とする再生ヘッドが提案され、ハードディスク等で使用され始め、また、特許文献1には磁気テープへの応用が提案されている。MRヘッドは誘導型磁気ヘッドに比較して数倍の再生出力が得られ、かつ誘導コイルを用いないため、インピーダンスノイズ等の機器ノイズが大幅に低下し、磁気記録媒体のノイズを下げることで大きなS/N比を得ることが可能になってきた。換言すれば従来機器ノイズに隠れていた磁気記録媒体ノイズを小さくすれば良好な記録再生が行え、高密度記録特性が飛躍的に向上できることになる。
これまでの磁気記録媒体では、酸化鉄、Co変性酸化鉄、CrO2、強磁性六方晶フェライト粉末を結合剤中に分散した磁性層を非磁性支持体上に塗設したものが広く用いられている。中でも磁性体粉末として強磁性六方晶フェライト粉末、強磁性金属粉末及び強磁性窒化鉄粒子は高密度記録特性に優れていることが知られている。ここで磁気記録媒体ノイズを低減するには強磁性粉末の粒子のサイズを下げることが効果的であり、最近の磁性体では板径50nm以下の強磁性六方晶フェライト微粉末、平均長軸長100nm以下の強磁性金属微粉末および平均粒子径25nm以下の強磁性窒化鉄粒子が使用され効果を上げている。
近年、磁気抵抗(MR)を動作原理とする再生ヘッドが提案され、ハードディスク等で使用され始め、また、特許文献1には磁気テープへの応用が提案されている。MRヘッドは誘導型磁気ヘッドに比較して数倍の再生出力が得られ、かつ誘導コイルを用いないため、インピーダンスノイズ等の機器ノイズが大幅に低下し、磁気記録媒体のノイズを下げることで大きなS/N比を得ることが可能になってきた。換言すれば従来機器ノイズに隠れていた磁気記録媒体ノイズを小さくすれば良好な記録再生が行え、高密度記録特性が飛躍的に向上できることになる。
これまでの磁気記録媒体では、酸化鉄、Co変性酸化鉄、CrO2、強磁性六方晶フェライト粉末を結合剤中に分散した磁性層を非磁性支持体上に塗設したものが広く用いられている。中でも磁性体粉末として強磁性六方晶フェライト粉末、強磁性金属粉末及び強磁性窒化鉄粒子は高密度記録特性に優れていることが知られている。ここで磁気記録媒体ノイズを低減するには強磁性粉末の粒子のサイズを下げることが効果的であり、最近の磁性体では板径50nm以下の強磁性六方晶フェライト微粉末、平均長軸長100nm以下の強磁性金属微粉末および平均粒子径25nm以下の強磁性窒化鉄粒子が使用され効果を上げている。
また、より高い記録密度でかつより大きな記録容量を実現するために、磁気記録媒体の記録・再生時のトラック幅は狭くなる傾向にある。さらに、磁気テープの分野では、高密度記録を可能とするために磁気テープの薄手化が進展しており、総厚さ10μm以下の磁気テープも数多く登場している。しかし、磁気記録媒体の厚さが薄くなると、保管時や走行時の温湿度、テンション変化等の影響を受けやすくなる。
すなわち、リニア記録方式を採用する磁気記録再生システムの記録・再生時には磁気ヘッドが磁気テープの幅方向に移動し、いずれかのトラックを選択しなければならないが、トラック幅が狭くなるに従い、磁気テープとヘッドとの相対位置を制御するために高い精度が必要になる。上述した様なMRヘッドおよび微粒子磁性体を使用しS/N比を向上させ狭トラック化を実現しても、使用される環境の温湿度やドライブ内テンションの変動により磁気記録媒体が変形し、記録されたトラックを再生ヘッドが読み出せなくなる場合が生じるため媒体の寸度安定性もこれまで以上のものが要求される。このような高密度の磁気記録媒体にあっては、安定な記録再生を維持するためには従来の媒体よりもさらに高度な寸度安定性、機械的強度が要求される。
すなわち、リニア記録方式を採用する磁気記録再生システムの記録・再生時には磁気ヘッドが磁気テープの幅方向に移動し、いずれかのトラックを選択しなければならないが、トラック幅が狭くなるに従い、磁気テープとヘッドとの相対位置を制御するために高い精度が必要になる。上述した様なMRヘッドおよび微粒子磁性体を使用しS/N比を向上させ狭トラック化を実現しても、使用される環境の温湿度やドライブ内テンションの変動により磁気記録媒体が変形し、記録されたトラックを再生ヘッドが読み出せなくなる場合が生じるため媒体の寸度安定性もこれまで以上のものが要求される。このような高密度の磁気記録媒体にあっては、安定な記録再生を維持するためには従来の媒体よりもさらに高度な寸度安定性、機械的強度が要求される。
温湿度やドライブ内テンションの影響を受けにくくするには支持体の強度を最適化することや塗布型の磁気記録媒体においては磁性層、非磁性層およびバックコート層等の塗布層のガラス転移温度を上げることが提案されているが(例えば特許文献2参照)、ガラス転移温度を上げすぎるとテープ裁断時に切り口にクラックが入ったり、テープ走行時に塗膜が脱落して磁性層に転写したり、再生装置のヘッド・走行系に付着し信号抜けを起こすなどの問題を生じることがわかった。
また、バックコート層のガラス転移温度を30〜60℃の範囲に設定する磁気記録媒体も提案されているが(特許文献3)、テープとして巻き回したときに、磁性層とバックコート層の間で粘着が生じるという問題点がある。
特開平8−227517号公報
特開2005−18821号公報
特開平10−334453号公報
また、バックコート層のガラス転移温度を30〜60℃の範囲に設定する磁気記録媒体も提案されているが(特許文献3)、テープとして巻き回したときに、磁性層とバックコート層の間で粘着が生じるという問題点がある。
したがって本発明の目的は、温湿度やドライブ内テンションの影響を受けにくく、寸度安定性および機械的強度に優れ、これにより、優れた電磁変換特性、走行安定性を達成し、高S/N比を保つとともにドロップアウトが少なくエラーレートの低い磁気記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者らは、非磁性支持体の一方の面に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と、強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、非磁性支持体のもう一方の面にバックコート層が設けられている磁気記録媒体において、とくにバックコート層の物性について鋭意検討した結果、バックコート層のガラス転移温度と、結合剤の種類および物性とを特定することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
1)非磁性支持体の一方の面に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と、強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、非磁性支持体のもう一方の面にバックコート層が設けられている磁気記録媒体において、前記バックコート層のガラス転移温度が65〜95℃であり、かつ、前記バックコート層を構成する結合剤が、下記の条件(1)〜(5)をすべて満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
(1)塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂を主成分としてなる。
(2)前記塩化ビニル系樹脂の溶解度パラメータが9〜11(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が65〜95℃であり、重量平均分子量5000〜25000である。
(3)前記塩化ビニル系樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し10〜60質量%である。
(4)前記ポリウレタン樹脂の溶解度パラメータが9.5〜11.5(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が80〜110℃であり、重量平均分子量が20000〜60000である。
(5)前記ポリウレタン樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し90〜30質量%である。
1)非磁性支持体の一方の面に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と、強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、非磁性支持体のもう一方の面にバックコート層が設けられている磁気記録媒体において、前記バックコート層のガラス転移温度が65〜95℃であり、かつ、前記バックコート層を構成する結合剤が、下記の条件(1)〜(5)をすべて満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
(1)塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂を主成分としてなる。
(2)前記塩化ビニル系樹脂の溶解度パラメータが9〜11(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が65〜95℃であり、重量平均分子量5000〜25000である。
(3)前記塩化ビニル系樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し10〜60質量%である。
(4)前記ポリウレタン樹脂の溶解度パラメータが9.5〜11.5(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が80〜110℃であり、重量平均分子量が20000〜60000である。
(5)前記ポリウレタン樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し90〜30質量%である。
2)前記強磁性粉末が、平均板径が10〜50nmの強磁性六方晶フェライト粉末、平均粒子径5〜25nmの窒化鉄粒子または平均長軸長10〜100nmの強磁性金属粉末であることを特徴とする上記1)に記載の磁気記録媒体。
本発明によれば、バックコート層のガラス転移温度と、結合剤の種類および物性とを特定したことにより、温湿度やドライブ内テンションの影響を受けにくく、寸度安定性および機械的強度に優れ、これにより、優れた電磁変換特性、走行安定性を達成し、高S/N比を保つとともにドロップアウトが少なくエラーレートの低い磁気記録媒体を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
[非磁性支持体]
本発明に用いられる非磁性支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。ポリエチレンナフタレート、ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが好ましい。また必要に応じ、磁性面と非磁性支持体面の表面粗さを変えるため特開平3−224127号公報に示されるような積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなっても良い。また本発明の支持体としてアルミまたはガラス基板を適用することも可能である。
[非磁性支持体]
本発明に用いられる非磁性支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。ポリエチレンナフタレート、ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが好ましい。また必要に応じ、磁性面と非磁性支持体面の表面粗さを変えるため特開平3−224127号公報に示されるような積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなっても良い。また本発明の支持体としてアルミまたはガラス基板を適用することも可能である。
中でもポリエステル支持体(以下、単にポリエステルという)が好ましい。このようなポリエステルはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどジカルボン酸およびジオールからなるポリエステルである。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/または2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコール及び/または1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。特に好ましくはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルである。
なお、本発明に用いられるポリエステルは、二軸延伸されていてもよいし、2層以上の積層体であってもよい。
主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。
また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/または2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコール及び/または1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
中でも、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。特に好ましくはポリエチレン−2,6−ナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルである。
なお、本発明に用いられるポリエステルは、二軸延伸されていてもよいし、2層以上の積層体であってもよい。
また、ポリエステルは、さらに他の共重合成分が共重合されていても良いし、他のポリエステルが混合されていても良い。これらの例としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジオール成分、またはそれらから成るポリエステルを挙げることができる。
本発明に用いられるポリエステルには、フィルム時におけるデラミネーションを起こし難くするため、スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジオールなどを共重合してもよい。
中でもポリエステルの重合反応性やフィルムの透明性の点で、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)やアンモニウム塩、ホスホニウム塩などで置換した化合物またはそのエステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体およびこれらの両端のヒドロキシ基を酸化するなどしてカルボキシル基とした化合物などが好ましい。この目的で共重合される割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、0.1〜10モル%が好ましい。
また、耐熱性を向上する目的では、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環またはシクロヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。これらの共重合割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、1〜20モル%が好ましい。
本発明に用いられるポリエステルには、フィルム時におけるデラミネーションを起こし難くするため、スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、ポリオキシアルキレン基を有するジオールなどを共重合してもよい。
中でもポリエステルの重合反応性やフィルムの透明性の点で、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸およびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)やアンモニウム塩、ホスホニウム塩などで置換した化合物またはそのエステル形成性誘導体、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体およびこれらの両端のヒドロキシ基を酸化するなどしてカルボキシル基とした化合物などが好ましい。この目的で共重合される割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、0.1〜10モル%が好ましい。
また、耐熱性を向上する目的では、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環またはシクロヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。これらの共重合割合としては、ポリエステルを構成するジカルボン酸を基準として、1〜20モル%が好ましい。
本発明において、ポリエステルの合成方法は、特に限定があるわけではなく、従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いることができる。この際、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重合反応触媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加することができる。
また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料、反応停止剤などの各種添加剤の1種又は2種以上を添加させてもよい。
また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料、反応停止剤などの各種添加剤の1種又は2種以上を添加させてもよい。
また、ポリエステルにはフィラーが添加されてもよい。フィラーの種類としては、球形シリカ、コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ等の無機粉体、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂等の有機フィラー等が挙げられる。
また、支持体を高剛性化するために、これらの材料を高延伸したり、表面に金属や半金属または、これらの酸化物の層を設けることもできる。
また、支持体を高剛性化するために、これらの材料を高延伸したり、表面に金属や半金属または、これらの酸化物の層を設けることもできる。
本発明において、非磁性支持体であるポリエステルの厚みは、好ましくは3〜80μm、より好ましくは3〜50μm、とくに好ましくは3〜10μmである。また支持体表面の中心面平均粗さ(Ra)は、6nm以下、より好ましくは4nm以下である。このRaは、WYKO社製HD2000で測定した。
また、非磁性支持体の長手方向及び幅方向のヤング率は、6.0GPa以上が好ましく、7.0GPa以上がさらに好ましい。
また、非磁性支持体の長手方向及び幅方向のヤング率は、6.0GPa以上が好ましく、7.0GPa以上がさらに好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、前記の非磁性支持体の少なくとも一方の面に強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設けたものであり、非磁性支持体と磁性層との間に実質的に非磁性である非磁性層(下層)を設けたものが好ましい。
[磁性層]
磁性層に含まれる強磁性粉末として、その体積が1000〜20000nm3であることが好ましく、2000〜8000nm3であることが更に好ましい。この範囲とすることにより、熱揺らぎにより磁気特性の低下を有効に抑えることができると共に低ノイズを維持したまま良好なC/N(S/N)を得ることができる。強磁性粉末としては、特に制限はないが、強磁性金属粉末、六方晶フェライト粉末または窒化鉄系粉末が好ましい。
針状粉末の体積は、形状を円柱と想定して長軸長、短軸長から求める。
板状粉末の場合は、形状を角柱(六方晶系フェライト粉末の場合は6角柱)と想定して板径、軸長(板厚)から体積を求める。
窒化鉄系粉末の場合は、形状を球と想定して体積を求める。
磁性体のサイズは、磁性層を適当量剥ぎ取る。剥ぎ取った磁性層30〜70mgにn−ブチルアミンを加え、ガラス管中に封かんし熱分解装置にセットして140℃で約1日加熱する。冷却後にガラス管から内容物を取り出し、遠心分離し、液と固形分を分離する。分離した固形分をアセトンで洗浄し、TEM用の粉末試料を得る。この試料を日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いて粒子を撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粒子写真を得る。粒子写真から目的の磁性体を選びデジタイザ−で粉体の輪郭をトレースしカ−ルツァイス製画像解析ソフトKS−400で粒子のサイズを測定する。500個の粒子のサイズを測定し、測定値を平均して平均サイズとする。
磁性層に含まれる強磁性粉末として、その体積が1000〜20000nm3であることが好ましく、2000〜8000nm3であることが更に好ましい。この範囲とすることにより、熱揺らぎにより磁気特性の低下を有効に抑えることができると共に低ノイズを維持したまま良好なC/N(S/N)を得ることができる。強磁性粉末としては、特に制限はないが、強磁性金属粉末、六方晶フェライト粉末または窒化鉄系粉末が好ましい。
針状粉末の体積は、形状を円柱と想定して長軸長、短軸長から求める。
板状粉末の場合は、形状を角柱(六方晶系フェライト粉末の場合は6角柱)と想定して板径、軸長(板厚)から体積を求める。
窒化鉄系粉末の場合は、形状を球と想定して体積を求める。
磁性体のサイズは、磁性層を適当量剥ぎ取る。剥ぎ取った磁性層30〜70mgにn−ブチルアミンを加え、ガラス管中に封かんし熱分解装置にセットして140℃で約1日加熱する。冷却後にガラス管から内容物を取り出し、遠心分離し、液と固形分を分離する。分離した固形分をアセトンで洗浄し、TEM用の粉末試料を得る。この試料を日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を用いて粒子を撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントして粒子写真を得る。粒子写真から目的の磁性体を選びデジタイザ−で粉体の輪郭をトレースしカ−ルツァイス製画像解析ソフトKS−400で粒子のサイズを測定する。500個の粒子のサイズを測定し、測定値を平均して平均サイズとする。
<強磁性金属粉末>
本発明の磁気記録媒体における磁性層に用いられる強磁性金属粉末としては、Feを主成分とするもの(合金も含む)であれば、特に限定されないが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つがα−Fe以外に含まれるものが好ましく、特に、Co,Al,Yが含まれるのが好ましい。さらに具体的には、CoがFeに対して10〜40原子%、Alが2〜20原子%、Yが1〜15原子%含まれるのが好ましい。
本発明の磁気記録媒体における磁性層に用いられる強磁性金属粉末としては、Feを主成分とするもの(合金も含む)であれば、特に限定されないが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つがα−Fe以外に含まれるものが好ましく、特に、Co,Al,Yが含まれるのが好ましい。さらに具体的には、CoがFeに対して10〜40原子%、Alが2〜20原子%、Yが1〜15原子%含まれるのが好ましい。
上記強磁性金属粉末には後述する分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。また、強磁性金属粉末は、少量の水、水酸化物又は酸化物を含むものであってもよい。強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性金属粉末の含水率は最適化するのが好ましい。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は通常、6〜12であるが、好ましくは7〜11である。また強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Sr、NH4、SO4、Cl、NO2、NO3などの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましい。各イオンの総和が300ppm以下程度であれば、特性には影響しない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は空孔が少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
強磁性金属粉末の平均長軸長は、10〜100nmが好ましく、20〜70nmが更に好ましく、30〜60nmがとくに好ましい。
また強磁性金属粉末の結晶子サイズは70〜180Åであり、好ましくは80〜140Å、更に好ましくは90〜130Åである。
この結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製RINT2000シリーズ)を使用し、線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値である。
また強磁性金属粉末の結晶子サイズは70〜180Åであり、好ましくは80〜140Å、更に好ましくは90〜130Åである。
この結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製RINT2000シリーズ)を使用し、線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値である。
強磁性金属粉末のBET法による比表面積(SBET)は、45〜120m2/g以上が好ましく、50〜100m2/gであることがさらに好ましい。
45m2/g未満ではノイズが高くなり、120m2/gを超えると表面性が得にくく好ましくない。この範囲であれば良好な表面性と低いノイズの両立が可能となる。強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。
結合剤の種類によって強磁性粉末の含水率は最適化するのが好ましい。強磁性粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12であるが、好ましくは6〜10である。
強磁性粉末は必要に応じ、表面処理を行いAl、Si、Pまたはこれらの酸化物などの形になっていてもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。
強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが200ppm以下であれば特に特性に影響を与える事は少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は、空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
45m2/g未満ではノイズが高くなり、120m2/gを超えると表面性が得にくく好ましくない。この範囲であれば良好な表面性と低いノイズの両立が可能となる。強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。
結合剤の種類によって強磁性粉末の含水率は最適化するのが好ましい。強磁性粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12であるが、好ましくは6〜10である。
強磁性粉末は必要に応じ、表面処理を行いAl、Si、Pまたはこれらの酸化物などの形になっていてもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。
強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが200ppm以下であれば特に特性に影響を与える事は少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は、空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
また強磁性金属粉末の形状については、先に示した粒子体積を満足すれば針状、粒状、米粒状又は板状いずれでもかまわないが、特に針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。針状強磁性金属粉末の場合、針状比は4〜12が好ましく、さらに好ましくは5〜8である。強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は、好ましくは159.2〜278.5kA/m(2000〜3500Oe)であり、さらに好ましくは167.1〜238.7kA/m(2100〜3000Oe)である。また、飽和磁束密度は、好ましくは150〜300mT(1500〜3000G)であり、さらに好ましくは160〜290mTである。また飽和磁化(σs)は、好ましくは90〜140A・m2/kg(90〜140emu/g)であり、さらに好ましくは100〜120A・m2/kgである。磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.6以下であることが好ましい。SFDが0.6以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散αFe2O3を使用する、粒子間の焼結を防止するなどの方法がある。
強磁性金属粉末は、公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。焼結防止処理を行った含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFe又はFe−Co粒子などを得る方法、複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理が施される。含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し、酸素含有ガスと不活性ガスの分圧、温度、時間を制御して表面に酸化皮膜を形成する方法が、減磁量が少なく好ましい。
<強磁性六方晶フェライト粉末>
強磁性六方晶フェライト粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、それらのCo等の置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。好ましいその他の原子およびその含有率は、前記の強磁性金属粉末の場合と同様である。
強磁性六方晶フェライト粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、それらのCo等の置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。好ましいその他の原子およびその含有率は、前記の強磁性金属粉末の場合と同様である。
六方晶フェライト粉末の粒子サイズは、上述の体積を満足するサイズであることが好ましいが、平均板径は、10〜50nmであり、15〜40nmが好ましく、20〜30nmがさらに好ましい。
平均板状比{(板径/板厚)の平均}は1〜15であり、さらに1〜7であることが好ましい。平均板状比が1〜15であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによるノイズ増大を抑えることができる。また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積(SBET)は、40m2/g以上が好ましく、40〜200m2/gであることがさらに好ましく、60〜100m2/gであることが最も好ましい。
平均板状比{(板径/板厚)の平均}は1〜15であり、さらに1〜7であることが好ましい。平均板状比が1〜15であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによるノイズ増大を抑えることができる。また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積(SBET)は、40m2/g以上が好ましく、40〜200m2/gであることがさらに好ましく、60〜100m2/gであることが最も好ましい。
六方晶フェライト粉末の粒子板径・板厚の分布は、通常狭いほど好ましい。粒子板径・板厚を数値化することは、粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定することで比較できる。粒子板径・板厚の分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すと、σ/平均サイズ=0.1〜1.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには、粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
六方晶フェライト粉末の抗磁力(Hc)は、143.3〜318.5kA/m(1800〜4000Oe)の範囲とすることができるが、好ましくは159.2〜238.9kA/m(2000〜3000Oe)である。さらに好ましくは191.0〜214.9kA/m(2200〜2800Oe)である。
抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
六方晶フェライト粉末の飽和磁化(σs)は30〜80A・m2/kg(emu/g)である。飽和磁化(σs)は高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)の改良のため、マグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合することや、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理剤としては、無機化合物及び有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は磁性体の質量に対して0.1〜10質量%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
六方晶フェライト粉末の製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。六方晶フェライト粉末は、必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
<窒化鉄磁性粒子>
窒化鉄磁性粒子におけるFe16N2相の平均粒径とは、Fe16N2粒子の表面に層が形成されている場合は、当該層を含まないFe16N2粒子そのものをいう。
窒化鉄磁性粒子はFe16N2相を少なくとも含むが、他の窒化鉄の相を含まないことが好ましい。これは、窒化鉄(Fe4NやFe3N相)の結晶磁気異方性は1×105erg/cc程度であるのに対し、Fe16N2相は2〜7×106erg/ccの高い結晶磁気異方性を有するからである。これにより、微粒子化した際にも高い保磁力を維持する事ができる。この高い結晶磁気異方性は、Fe16N2相の結晶構造に起因する。結晶構造は、N原子がFeの八面体格子間位置に規則的に入った体心正方晶であり、N原子が格子に入る際の歪が、高い結晶磁気異方性の発生原因と考えられる。Fe16N2相の磁化容易軸は窒化により伸びたC軸である。
窒化鉄磁性粒子におけるFe16N2相の平均粒径とは、Fe16N2粒子の表面に層が形成されている場合は、当該層を含まないFe16N2粒子そのものをいう。
窒化鉄磁性粒子はFe16N2相を少なくとも含むが、他の窒化鉄の相を含まないことが好ましい。これは、窒化鉄(Fe4NやFe3N相)の結晶磁気異方性は1×105erg/cc程度であるのに対し、Fe16N2相は2〜7×106erg/ccの高い結晶磁気異方性を有するからである。これにより、微粒子化した際にも高い保磁力を維持する事ができる。この高い結晶磁気異方性は、Fe16N2相の結晶構造に起因する。結晶構造は、N原子がFeの八面体格子間位置に規則的に入った体心正方晶であり、N原子が格子に入る際の歪が、高い結晶磁気異方性の発生原因と考えられる。Fe16N2相の磁化容易軸は窒化により伸びたC軸である。
Fe16N2相を含む粒子の形状は粒状ないし楕円状であることが好ましい。さらに好ましくは球状である。これは、立方晶であるα−Feの等価な3方向のうち一方向が窒化により選ばれc軸(磁化容易軸)となるため、粒子形状が針状であれば、磁化容易軸が短軸方向、長軸方向にある粒子が混在することになり好ましくないからである。従って、長軸長/短軸長の軸比の平均値は好ましくは、2以下(例えば、1〜2)であり、より好ましくは1.5以下(例えば、1〜1.5)である。
粒径は窒化する前の鉄粒子の粒径で決まり、単分散であることが好ましい。これは一般的には、単分散の方が、媒体ノイズが下がるためである。そして、Fe16N2を主相とする窒化鉄系磁性粉末の粒径は、鉄粒子の粒径で決まり、鉄粒子の粒径分布は単分散であることが好ましい。これは粒子サイズの大きい粒子と小さい粒子で窒化の度合いが異なり、磁気特性が異なるためである。この意味からも窒化鉄系磁性粉末の粒径分布は単分散であることが好ましい。
磁性体であるFe16N2相の粒径としては9〜11nmである。これは、粒径が小さくなると熱揺らぎの影響が大きくなり、超常磁性化し、磁気記録媒体に適さなくなるからである。また、磁気粘性のためヘッドで高速記録する際の保磁力が高くなり、記録しづらくなるからである。一方、粒径が大きいと、飽和磁化を小さくすることが出来ないため、記録時の保磁力が高くなりすぎ、記録をすることが困難となるからである。また、粒子サイズが大きいと、磁気記録媒体としたときの粒子性のノイズが高くなるからである。粒径分布は、単分散であることが好ましい。これは一般的には、単分散の方が、媒体ノイズが下がるためである。粒径の変動係数は15%以下(好ましくは2〜15%)であり、さらに好ましくは、10%以下(好ましくは2〜10%)である。
Fe16N2を主相とする窒化鉄系磁性粉末は、その表面が酸化皮膜で覆われていることが好ましい。これは、微粒子Fe16N2は酸化しやすく、窒素雰囲気でハンドリングを要するからである。
酸化皮膜は、希土類元素及び/またはシリコン、アルミニウムから選ばれる元素を含んでいることが好ましい。これにより、従来の鉄、Coを主成分とするいわゆるメタル粒子と同様の粒子表面を有することとなり、メタル粒子を取り扱っていた工程との親和性が高くなるからである。希土類元素は、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Gdが好ましく用いられ、特にYが分散性の観点から好ましく用いられる。
酸化皮膜は、希土類元素及び/またはシリコン、アルミニウムから選ばれる元素を含んでいることが好ましい。これにより、従来の鉄、Coを主成分とするいわゆるメタル粒子と同様の粒子表面を有することとなり、メタル粒子を取り扱っていた工程との親和性が高くなるからである。希土類元素は、Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Gdが好ましく用いられ、特にYが分散性の観点から好ましく用いられる。
また、シリコンおよびアルミニウム以外に、必要に応じて、ホウ素やリンを含ませるようにしてもよい。さらに、炭素、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、バリウム、ストロンチウムなども有効な元素として含ませてもよい。これらの他の元素と希土類元素および/またはシリコン、アルミニウムとを併用することにより、より高い形状維持性と分散性能を得ることができる。
表面化合物層の組成は、鉄に対する希土類元素あるいはホウ素、シリコン、アルミニウム、リンの総含有量は、0.1〜40.0原子%が好ましく、さらに好ましくは1.0〜30.0原子%、より好ましくは3.0〜25.0原子%であるのがよい。これらの元素が少なすぎると、表面化合物層の形成が困難となり、磁性粉末の磁気異方性が減少するだけでなく、酸化安定性に劣る。またこれらの元素が多すぎると、飽和磁化の過度な低下が起こりやすい。
酸化皮膜の厚みは1〜5nmが好ましく、2〜3nmがより好ましい。この範囲より薄いと酸化安定性が低くなりやすく、厚いと実質的に粒子サイズが小さくなりにくくなることがあることによる。
酸化皮膜の厚みは1〜5nmが好ましく、2〜3nmがより好ましい。この範囲より薄いと酸化安定性が低くなりやすく、厚いと実質的に粒子サイズが小さくなりにくくなることがあることによる。
Fe16N2を主相とする窒化鉄系の磁性粒子の磁気特性としては、その保磁力(Hc)が、79.6〜318.4kA/m(1,000〜4,000Oe)であることが好ましく、159.2〜278.6kA/m(2000〜3500Oe)であることがより好ましい。さらに好ましくは、197.5〜237kA/m(2500〜3000Oe)である。これは、Hcが低いと、例えば面内記録の場合、隣の記録ビットの影響を受けやすくなり、高記録密度に適さなくなることがあるからであり、高すぎると記録されづらくなることがあるからである。
飽和磁化は80〜160Am2/kg(80〜160emu/g)が好ましく、80〜120Am2/kg(80〜120emu/g)がより好ましい。これは低すぎると、信号が弱くなることがあり、高すぎると例えば面内記録の場合、隣の記録ビットに影響を及ぼしやすくなり、高記録密度に適さなくなるためである。角型比としては、0.6〜0.9が好ましい。
また、この磁性粉末は、BET比表面積が40〜100m2/gであることが好ましい。これは、BET比表面積が小さすぎると、粒子サイズが大きくなり、磁気記録媒体に適用すると粒子性ノイズが高くなり、また磁性層の表面平滑性が低下して、再生出力が低下しやすい。また、BET比表面積が大きすぎると、Fe16N2相を含む粒子が凝集しやすくなり均一な分散物を得ることが難しく、平滑な表面を得ることが難しくなるからである。
また、この磁性粉末は、BET比表面積が40〜100m2/gであることが好ましい。これは、BET比表面積が小さすぎると、粒子サイズが大きくなり、磁気記録媒体に適用すると粒子性ノイズが高くなり、また磁性層の表面平滑性が低下して、再生出力が低下しやすい。また、BET比表面積が大きすぎると、Fe16N2相を含む粒子が凝集しやすくなり均一な分散物を得ることが難しく、平滑な表面を得ることが難しくなるからである。
窒化鉄系粉末の平均粒径は、前述のように30nm以下であり、好ましくは5〜25nmであり、更に好ましくは10〜20nmである。
窒化鉄磁性粒子の製造方法については、公知技術を適用でき、例えばWO2003/079332記載の方法を参考にできる。
窒化鉄磁性粒子の製造方法については、公知技術を適用でき、例えばWO2003/079332記載の方法を参考にできる。
上記の製造方法により製造される磁性粒子は、磁気記録媒体の磁性層に好適に使用することができる。当該磁気記録媒体としては、ビデオテープ、コンピュータテープ等の磁気テープ;フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等の磁気ディスク;等が挙げられる。
[結合剤]
本発明の磁気記録媒体の磁性層および非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層、非磁性層の公知技術が適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層および非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層、非磁性層の公知技術が適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
本発明に使用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000、重合度が約50〜1000程度のものである。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものがあげられる。
ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエ−テルポリエステルポリウレタン、ポリカ−ボネ−トポリウレタン、ポリエステルポリカ−ボネ−トポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COOM,−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2 、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR2 、−N+R3(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
本発明に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としてはダウケミカル社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD,VROH,VYES,VYNC,VMCC,XYHL,XYSG,PKHH,PKHJ,PKHC,PKFE,日信化学工業社製、MPR−TA、MPR−TA5,MPR−TAL,MPR−TSN,MPR−TMF,MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80,DX81,DX82,DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バ−ノックD−400、D−210−80、クリスボン6109,7209,東洋紡社製バイロンUR8200,UR8300、UR−8700、RV530,RV280、大日精化社製、ダイフェラミン4020,5020,5100,5300,9020,9022、7020,三菱化学社製、MX5004,三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310,F210などが挙げられる。
本発明の非磁性層、磁性層に用いられる結合剤は非磁性粉末または磁性粉末に対し、5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネ−トは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10kg/mm2(0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10kg/mm2(0.49〜98MPa)が好ましい。
本発明に用いるポリイソシアネ−トとしては、トリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメタントリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、これらのイソシアネ−ト類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネ−ト等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネ−トHL,コロネ−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−トMR,ミリオネ−トMTL、武田薬品社製、タケネ−トD−102,タケネ−トD−110N、タケネ−トD−200、タケネ−トD−202、住友バイエル社製、デスモジュ−ルL,デスモジュ−ルIL、デスモジュ−ルN,デスモジュ−ルHL,等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで各層とも用いることができる。
本発明における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステル及びそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸及びこれらの金属塩、又はステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸と、炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良い1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良いアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル又は多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオン社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清オイリオ社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
また、本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。磁性層で使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#50、#35、三菱化学社製#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN150、50、40、15、RAVEN−MT−P、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用したりしてもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独又は組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層及び非磁性層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。本発明の磁性層で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
[研磨剤]
本発明に用いられる研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモ−ス硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmが好ましく、特に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/gが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、板状のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−20、HIT−30、HIT−55、HIT−60、HIT−70、HIT−80、HIT−100、レイノルズ社製、ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製、WA10000、上村工業社製、UB20、日本化学工業社製、G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製、TF100、TF140、イビデン社製、ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製、B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することもできる。非磁性層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
本発明に用いられる研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモ−ス硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmが好ましく、特に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/gが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、板状のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−20、HIT−30、HIT−55、HIT−60、HIT−70、HIT−80、HIT−100、レイノルズ社製、ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製、WA10000、上村工業社製、UB20、日本化学工業社製、G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製、TF100、TF140、イビデン社製、ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製、B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することもできる。非磁性層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
本発明で用いられる有機溶剤は公知のものが使用できる。本発明で用いられる有機溶媒は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明で使用されるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は、磁性層、さらに後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じて使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着又は結合する性質を有しており、磁性層では主に強磁性金属粉末の表面に、また非磁性層では主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着又は結合し、例えば、一度吸着した有機リン化合物は、金属又は金属化合物等の表面から脱着し難いと推察される。したがって、本発明の強磁性金属粉末表面又は非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、該強磁性金属粉末又は非磁性粉末の結合剤成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性金属粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い、表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、磁性層又は非磁性層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
[非磁性層]
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有することができる。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有することができる。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr2O3、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタンなどが単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜500nmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜500nmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜500nmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜500nmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
非磁性粉末の比表面積は、1〜150m2/gであり、好ましくは20〜120m2/gであり、さらに好ましくは50〜100m2/gである。比表面積が1〜150m2/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましいが、pHは6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下又は脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることはない。非磁性粉末の含水率は、0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。含水量が0.1〜5質量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。強熱減量は、20質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉体である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉末のステアリン酸吸着量は、1〜20μmol/m2であり、さらに好ましくは2〜15μmol/m2である。非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、200〜600erg/cm2(200〜600mJ/m2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面には表面処理が施されることによりAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb2O3、ZnOが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2であるが、さらに好ましいのはAl2O3、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明の非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HDなどが挙げられる。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。非磁性層のマイクロビッカース硬度は、通常25〜60kg/mm2(245〜588MPa)、好ましくはヘッド当りを調整するために、30〜50kg/mm2(294〜490MPa)であり、薄膜硬度計(日本電気製HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。詳細は「薄膜の力学的特性評価技術」リアライズ社を参考にできる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
本発明の非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は5〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明の非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化学社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
また、本発明の磁気記録媒体は、下塗り層を設けてもよい。下塗り層を設けることによって支持体と磁性層又は非磁性層との接着力を向上させることができる。下塗り層としては、溶剤への可溶性のポリエステル樹脂が使用される。
[層構成]
本発明で用いられる磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体の厚みが前述のように3〜80μm、より好ましくは3〜50μm、とくに好ましくは3〜10μmである。また、非磁性支持体と非磁性層又は磁性層の間に下塗り層を設けた場合、下塗り層の厚みは、0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。
本発明で用いられる磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体の厚みが前述のように3〜80μm、より好ましくは3〜50μm、とくに好ましくは3〜10μmである。また、非磁性支持体と非磁性層又は磁性層の間に下塗り層を設けた場合、下塗り層の厚みは、0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には10〜150nmであり、好ましくは20〜120nmであり、さらに好ましくは30〜100nmであり、とくに好ましくは30〜80nmである。また、磁性層の厚み変動率は±50%以内が好ましく、さらに好ましくは±30%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
本発明の非磁性層の厚みは、0.1〜3.0μmであり、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることが更に好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT以下又は抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
[バック層]
本発明の磁気記録媒体には、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を設ける。バックコート層は、ガラス転移温度が65〜95℃であり、かつ、前記バックコート層を構成する結合剤が、下記の条件(1)〜(5)をすべて満たすことが必要である。
(1)塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂を主成分としてなる。
(2)前記塩化ビニル系樹脂の溶解度パラメータが9〜11(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が65〜95℃であり、重量平均分子量5000〜25000である。
(3)前記塩化ビニル系樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し10〜60質量%である。
(4)前記ポリウレタン樹脂の溶解度パラメータが9.5〜11.5(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が80〜110℃であり、重量平均分子量が20000〜60000である。
(5)前記ポリウレタン樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し90〜30質量%である。
本発明の磁気記録媒体には、非磁性支持体の他方の面にバックコート層を設ける。バックコート層は、ガラス転移温度が65〜95℃であり、かつ、前記バックコート層を構成する結合剤が、下記の条件(1)〜(5)をすべて満たすことが必要である。
(1)塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂を主成分としてなる。
(2)前記塩化ビニル系樹脂の溶解度パラメータが9〜11(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が65〜95℃であり、重量平均分子量5000〜25000である。
(3)前記塩化ビニル系樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し10〜60質量%である。
(4)前記ポリウレタン樹脂の溶解度パラメータが9.5〜11.5(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が80〜110℃であり、重量平均分子量が20000〜60000である。
(5)前記ポリウレタン樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し90〜30質量%である。
本発明のにおけるバックコート層は、下記で説明する結合剤以外に、カーボンブラックや無機粉末が含有されていることが好ましい。またその他に添加される各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方が適用される。バックコート層の厚みは、0.1〜1.0μmが好ましく、0.2〜0.8μmが更に好ましい。
本発明におけるバックコート層は、ガラス転移温度が65〜95℃であり、好ましくは70〜90℃であり、さらに好ましくは75〜85℃である。ここでガラス転移温度とは、110Hzの振動数にて動的粘弾性の温度依存性を昇温速度3℃/分で測定し、得られたE”温度依存性曲線のピークをガラス転移温度(Tg)と定義する。
バックコート層のガラス転移温度が65℃未満であると、結合剤樹脂の架橋や非磁性支持体のエンタルピー緩和を進めるなどの目的で行われる熱処理工程で磁性層とバックコート層間で粘着が生じやすくなり、95℃を超えると架橋反応が起こりにくく脆弱な塗膜となり、テープ裁断時に切り口にクラックが入ったり、テープ走行時に塗膜が脱落して磁性層に転写しドロップアウトを起こすといった弊害が生じ好ましくない。
バックコート層のガラス転移温度が65℃未満であると、結合剤樹脂の架橋や非磁性支持体のエンタルピー緩和を進めるなどの目的で行われる熱処理工程で磁性層とバックコート層間で粘着が生じやすくなり、95℃を超えると架橋反応が起こりにくく脆弱な塗膜となり、テープ裁断時に切り口にクラックが入ったり、テープ走行時に塗膜が脱落して磁性層に転写しドロップアウトを起こすといった弊害が生じ好ましくない。
<結合剤>
本発明でいうSP値とは、ソルビリティ・パラメータ(Solubility Parameter)の略であり、溶解度パラメータとも言われ、化合物の極性を数値化したものである。このため結合剤のSP値から結合剤が親水性か疎水性であるのかがわかる。即ち、SP値の高い結合剤はより親水性であり、逆に、SP値の低い結合剤はより疎水性といえる。
本発明はSP値に基づいて磁気記録媒体のバックコート層に使用するに適切な親水性を有する結合剤の組み合わせを選択している。なお、結合剤のSP値の求め方に関しては、SP値が既知の溶剤に対する結合剤の溶解性、膨潤性、極限粘度から実測する方法およびSmallの計算式やFlorry-Hugginsのパラメータから算出する方法が日本化学会編化学便覧改訂2版831頁に記載されており、本発明においても、これらに基づいて結合剤の組み合わせを選択する。
本発明でいうSP値とは、ソルビリティ・パラメータ(Solubility Parameter)の略であり、溶解度パラメータとも言われ、化合物の極性を数値化したものである。このため結合剤のSP値から結合剤が親水性か疎水性であるのかがわかる。即ち、SP値の高い結合剤はより親水性であり、逆に、SP値の低い結合剤はより疎水性といえる。
本発明はSP値に基づいて磁気記録媒体のバックコート層に使用するに適切な親水性を有する結合剤の組み合わせを選択している。なお、結合剤のSP値の求め方に関しては、SP値が既知の溶剤に対する結合剤の溶解性、膨潤性、極限粘度から実測する方法およびSmallの計算式やFlorry-Hugginsのパラメータから算出する方法が日本化学会編化学便覧改訂2版831頁に記載されており、本発明においても、これらに基づいて結合剤の組み合わせを選択する。
本発明のバックコート層で使用する結合剤としては塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂を主成分として含む。ここでいう主成分とは、バックコート層で使用する結合剤全体に対し、60質量%以上であることを意味する。
本発明で使用される塩化ビニル系樹脂の割合は、塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し10〜60質量%である。10質量%より少ないとカーボンブラック等非磁性粉体の分散性が低下する。60質量%を超えると塗膜に柔軟性が無くなり、テープ裁断時に切り口にクラックが入ったり、テープ走行時に塗膜が脱落して磁性層に転写しドロップアウトを起こすといった弊害が生じる。
本発明で使用される塩化ビニル系樹脂のSP値は9〜11(cal・cm−3)1/2の範囲にすることが好ましく、さらに好ましくは9.5〜10.5(cal・cm−3)1/2の範囲することが適当である。SP値が9(cal・cm−3)1/2より低いと磁性体・非磁性粉体の分散性が低下するとともに非磁性支持体への密着性が低下し、11(cal・cm−3)1/2より大きいと親水性が高くなり溶剤溶解性が低下するとともに磁気テープにしたときの吸湿性が大きくなることにより高湿下での寸度安定性が低下する。
本発明で使用される塩化ビニル系樹脂のガラス転移温度は65〜95℃が好ましく、さらには70〜90℃の範囲が好ましい。ガラス転移温度が65℃より低いと結合剤の架橋や非磁性支持体のエンタルピー緩和を進めるなどの目的で行われる熱処理工程で磁性層とバックコート層間で粘着が生じやすくなる。また、ガラス転移温度が95℃より高いと架橋反応が起こりにくく脆弱な塗膜となり、テープ裁断時に切り口にクラックが入ったり、テープ走行時に塗膜が脱落して磁性層に転写しドロップアウトを起こすといった弊害が生じる。
本発明で使用される塩化ビニル系樹脂の重量平均分子量は5000〜25000が好ましく、さらには10000〜20000の範囲が好ましい。重量平均分子量が5000より低いと結合剤の架橋や非磁性支持体のエンタルピー緩和を進めるなどの目的で行われる熱処理工程で磁性層とバックコート層間で粘着が生じやすくなる。また、重量平均分子量が25000を超えると架橋反応が起こりにくく脆弱な塗膜となり、テープ裁断時に切り口にクラックが入ったり、テープ走行時に塗膜が脱落して磁性層に転写し信号の欠落を起こすといった弊害が生じる。
本発明で使用されるポリウレタン樹脂の割合は、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し90〜30質量%である。90質量%より多いとカーボンブラック等非磁性粉体の分散性が低下する。30質量%未満では塗膜に柔軟性が無くなり、テープ裁断時に切り口にクラックが入ったり、テープ走行時に塗膜が脱落して磁性層に転写しドロップアウトを起こすといった弊害が生じる。
本発明で使用されるポリウレタン樹脂のSP値は9.5〜11.5(cal・cm−3)1/2の範囲であり、さらに好ましくは10.0〜11.0(cal・cm−3)1/2の範囲にすることが適当である。SP値が9.5(cal・cm−3)1/2より低いと無機粉末の分散性が低下するとともに非磁性支持体への密着性が低下し、11.5(cal・cm−3)1/2より大きいと親水性が高くなり溶剤溶解性が低下するとともに磁気テープにしたときの吸湿性が大きくなることにより高湿下での寸度安定性が低下する。
本発明で使用されるポリウレタン樹脂のガラス転移温度は80〜110℃の範囲であり、80〜95℃の範囲が好ましい。
ガラス転移温度が80℃より低いと結合剤の架橋や非磁性支持体のエンタルピー緩和を進めるなどの目的で行われる熱処理工程で磁性層とバックコート層間で粘着が生じやすくなる。また、ガラス転移温度が110℃より高いと架橋反応が起こりにくく脆弱な塗膜となり、テープ裁断時に切り口にクラックが入ったり、テープ走行時に塗膜が脱落して磁性層に転写し信号の欠落を起こすといった弊害が生じる。
ガラス転移温度が80℃より低いと結合剤の架橋や非磁性支持体のエンタルピー緩和を進めるなどの目的で行われる熱処理工程で磁性層とバックコート層間で粘着が生じやすくなる。また、ガラス転移温度が110℃より高いと架橋反応が起こりにくく脆弱な塗膜となり、テープ裁断時に切り口にクラックが入ったり、テープ走行時に塗膜が脱落して磁性層に転写し信号の欠落を起こすといった弊害が生じる。
本発明のバックコート層に用いられる結合剤は、−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、及び−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム塩を表す。)から選ばれる少なくとも一種の極性基を2〜7eq/ton、並びに/又は、−CONR1R2、−NR1R2、及び−NR1R2R3 +(R1、R2、及びR3は独立に水素原子又はアルキル基を表す)から選ばれる少なくとも一種の極性基を5〜50eq/ton含有することができる。ここで、「アルキル基」とは、炭素数1〜18の飽和炭化水素基であり、直鎖構造であっても分岐構造であっても構わない。−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、及び−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム塩を表す。)から選ばれる少なくとも一種の極性基の含有量は2〜7eq/tonであり、好ましくは2.5〜6eq/ton、更に好ましくは3〜5eq/tonである。また、−CONR1R2、−NR1R2、及び−NR1R2R3 +(R1、R2、及びR3は独立に水素原子又はアルキル基を表す)から選ばれる少なくとも一種の極性基の含有量は、5〜50eq/tonであり、好ましくは10〜40eq/ton、更に好ましくは15〜35eq/tonである。磁性体または非磁性粉体を良好に分散させることができる。
前述のように、本発明におけるバックコート層は、塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂を主成分としてなるものであるが、その他の樹脂を併用しても良い。併用できるその他の樹脂としては特に制限はなく、前述の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂及びこれらの混合物を使用することができる。
[ポリウレタン樹脂]
本発明のバックコート層に用いられる結合剤として特に好ましいポリウレタン樹脂としては、例えば、
(1)以下の環状構造及びアルキレンオキサイド鎖を有する分子量500〜5000のポリオールと鎖延長剤として環状構造を有する分子量200〜500のポリオールと有機ジイソシアネートを反応させて得られたポリウレタン樹脂。
上記環状構造及びアルキレンオキサイド鎖を有するポリオールとしては、環状構造を有するジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したものを用いることができる。具体的には、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素化ビスフェノールS、ビスフェノールP、水素化ビスフェノールP、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、5,5’−(1−メチルエチリデン)ビス−(1,1’−ビシクロヘキシル)2−オール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−2メチルシクロヘキサノール、5,5’−(1,1’−シクロヘキシリデン)ビス−(1,1’ビシクロヘキシル)2−オール、5,5’−(1,1’−シクロヘキルメチレン)ビス−(1,1’ビシクロヘキシル)2−オール、水添テルペンジフェノール、ジフェニルビスフェノールA、ジフェニルビスフェノールS、ジフェニルビスフェノールP、9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’−(3−メチルエチリデン)ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)、4,4’−(3−メチルエチリデン(ビス(2−フェニル−5メチルシクロヘキサノール)、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビス(2−フェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−メチルフェノール)、テルペンジフェノール等のジオールを用いることができる。中でも、水素化ビスフェノールA及び水素化ビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物が好ましい。上記ポリオールの分子量は、500〜5000であることが好ましい。500以上であるとウレタン基濃度が低いため溶剤溶解性が高く、5000以下であると塗膜強度が良好で耐久性が高く好ましい。
本発明のバックコート層に用いられる結合剤として特に好ましいポリウレタン樹脂としては、例えば、
(1)以下の環状構造及びアルキレンオキサイド鎖を有する分子量500〜5000のポリオールと鎖延長剤として環状構造を有する分子量200〜500のポリオールと有機ジイソシアネートを反応させて得られたポリウレタン樹脂。
上記環状構造及びアルキレンオキサイド鎖を有するポリオールとしては、環状構造を有するジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したものを用いることができる。具体的には、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素化ビスフェノールS、ビスフェノールP、水素化ビスフェノールP、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、5,5’−(1−メチルエチリデン)ビス−(1,1’−ビシクロヘキシル)2−オール、4,4’−(1−メチルエチリデン)ビス−2メチルシクロヘキサノール、5,5’−(1,1’−シクロヘキシリデン)ビス−(1,1’ビシクロヘキシル)2−オール、5,5’−(1,1’−シクロヘキルメチレン)ビス−(1,1’ビシクロヘキシル)2−オール、水添テルペンジフェノール、ジフェニルビスフェノールA、ジフェニルビスフェノールS、ジフェニルビスフェノールP、9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’−(3−メチルエチリデン)ビス(2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール)、4,4’−(3−メチルエチリデン(ビス(2−フェニル−5メチルシクロヘキサノール)、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビス(2−フェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−メチルフェノール)、テルペンジフェノール等のジオールを用いることができる。中でも、水素化ビスフェノールA及び水素化ビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物が好ましい。上記ポリオールの分子量は、500〜5000であることが好ましい。500以上であるとウレタン基濃度が低いため溶剤溶解性が高く、5000以下であると塗膜強度が良好で耐久性が高く好ましい。
鎖延長剤として用いる環状構造を有するポリオールとしては、上記の環状構造を有するジオール及び分子量200〜500の範囲でエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したものを用いることができる。好ましくは水素化ビスフェノールA及び水素化ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
(2)以下の脂肪族二塩基酸とアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなるポリエステルポリオールと鎖延長剤として炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖をもつ脂肪族ジオールと有機ジイソシアネート化合物を反応させ得られたポリウレタン樹脂
上記脂肪族二塩基酸とアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなるポリエステルポリオールは、脂肪族二塩基酸とアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなる。脂肪族二塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸等の脂肪族二塩基酸を使用することができる。中でも好ましいものはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸である。ポリエステルポリオールの全二塩基酸成分のうち、脂肪族二塩基酸の含量が70モル%以上であることが好ましい。70モル%以上であると、実質的に環状構造を有する二塩基酸濃度が低いため溶剤溶解性が高く、良好な分散性向上効果を得ることができる。
ポリエステルポリオールに用いることのできるアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ポリオールとしては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1、5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、3−オクチル−1、5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1、5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1、5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナンジオール等の分岐脂肪族ジオールを使用することができる。中でも、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが好ましい。ポリエステルポリオールに用いるポリオール中の分岐側鎖を有するポリオールの含量は、50〜100mol%が好ましく、更に好ましくは70〜100mol%であることが適当である。上記範囲内であれば、溶剤溶解性が高く、良好な分散性を得ることができる。
鎖延長剤として炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖を持つ脂肪族ジオールを用いることができる。炭素数が3以上であり、かつ分岐アルキル側鎖を有することで、溶剤溶解性が向上し、良好な分散性を得ることができる。炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖を持つ脂肪族ジオールとしては、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1−,5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナンジオール等を使用することができる。中でも2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが好ましい。ポリウレタン樹脂中の含有量は5〜30質量%が好ましく、更に好ましくは10〜20質量%であることが適当である。上記範囲内であると、溶剤溶解性が高く、良好な分散性を得ることができる。
上記脂肪族二塩基酸とアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなるポリエステルポリオールは、脂肪族二塩基酸とアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールからなる。脂肪族二塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸等の脂肪族二塩基酸を使用することができる。中でも好ましいものはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸である。ポリエステルポリオールの全二塩基酸成分のうち、脂肪族二塩基酸の含量が70モル%以上であることが好ましい。70モル%以上であると、実質的に環状構造を有する二塩基酸濃度が低いため溶剤溶解性が高く、良好な分散性向上効果を得ることができる。
ポリエステルポリオールに用いることのできるアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ポリオールとしては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1、5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、3−オクチル−1、5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1、5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1、5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナンジオール等の分岐脂肪族ジオールを使用することができる。中でも、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが好ましい。ポリエステルポリオールに用いるポリオール中の分岐側鎖を有するポリオールの含量は、50〜100mol%が好ましく、更に好ましくは70〜100mol%であることが適当である。上記範囲内であれば、溶剤溶解性が高く、良好な分散性を得ることができる。
鎖延長剤として炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖を持つ脂肪族ジオールを用いることができる。炭素数が3以上であり、かつ分岐アルキル側鎖を有することで、溶剤溶解性が向上し、良好な分散性を得ることができる。炭素数が3以上の分岐アルキル側鎖を持つ脂肪族ジオールとしては、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1−,5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナンジオール等を使用することができる。中でも2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが好ましい。ポリウレタン樹脂中の含有量は5〜30質量%が好ましく、更に好ましくは10〜20質量%であることが適当である。上記範囲内であると、溶剤溶解性が高く、良好な分散性を得ることができる。
(3)以下の環状構造及び炭素数2以上のアルキル鎖を有するポリオール化合物と有機ジイソシアネートを反応させ得られたポリウレタン樹脂
上記環状構造及び炭素数2以上のアルキル鎖を有するポリオール化合物としては、分子量500〜1000のジオールであることが好ましい。ジオールであると、ポリウレタン重合時の架橋によるゲル化が発生せず、好ましい。また、上記ジオールが有するアルキル鎖の炭素数が2以上であると、溶剤溶解性が高く、分散性が良好である。分子量が500以上であると、ウレタン基濃度が低いため溶剤溶解性が高く、1000以下であると塗膜強度が良好である。環状構造及び炭素数2以上のアルキル鎖を有するポリオールとしては、ダイマー酸を水添、還元することで得られるダイマージオールが好ましい。
環状構造及び炭素数2以上のアルキル鎖を有するジオールは、ポリウレタン樹脂中に5〜60質量%含まれることが好ましく、更に好ましくは10〜40質量%含まれることが適当である。環状構造及び炭素数2以上のアルキル鎖を有するジオールの含有量が上記範囲内であれば、溶剤溶解性が高く分散性が良好であり、かつ耐久性が高く好ましい。
上記環状構造及び炭素数2以上のアルキル鎖を有するポリオール化合物としては、分子量500〜1000のジオールであることが好ましい。ジオールであると、ポリウレタン重合時の架橋によるゲル化が発生せず、好ましい。また、上記ジオールが有するアルキル鎖の炭素数が2以上であると、溶剤溶解性が高く、分散性が良好である。分子量が500以上であると、ウレタン基濃度が低いため溶剤溶解性が高く、1000以下であると塗膜強度が良好である。環状構造及び炭素数2以上のアルキル鎖を有するポリオールとしては、ダイマー酸を水添、還元することで得られるダイマージオールが好ましい。
環状構造及び炭素数2以上のアルキル鎖を有するジオールは、ポリウレタン樹脂中に5〜60質量%含まれることが好ましく、更に好ましくは10〜40質量%含まれることが適当である。環状構造及び炭素数2以上のアルキル鎖を有するジオールの含有量が上記範囲内であれば、溶剤溶解性が高く分散性が良好であり、かつ耐久性が高く好ましい。
本発明において、上記ポリオールと反応させてポリウレタン樹脂を形成するために用いられる有機ジイソシアネートは、特に制限はなく、通常使用されているものを用いることができる。具体的には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネートシクロヘキサンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチルフェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。
前述した極性基を有するポリウレタン樹脂を製造するには−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、及び−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム塩を表す。)から選ばれる少なくとも一種の極性基、並びに/又は、−CONR1R2、−NR1R2、及び−NR1R2R3 +(R1、R2、及びR3は独立に水素原子又はアルキル基を表す)から選ばれる少なくとも一種の極性基を導入した原料モノマーからポリウレタン樹脂を製造することにより得ることができる。例えば、(1)極性基を有するポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等の極性基含有ポリオールと、極性基を持たないポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールとジイソシアネートとから製造する、(2)二価アルコール又は二塩基酸の一部を極性基含有ジオール又は極性基含有二塩基酸に変えて製造する等の方法を用いることができる。
また本発明で使用される極性基含有ポリウレタン樹脂は、OH基を有することが、硬化性、耐久性の面から好ましい。OH基は1分子当たり2個〜40個が好ましく、更に好ましくは1分子当たり3個〜20個である。
本発明では、上記ポリウレタン樹脂以外のポリウレタン樹脂を併用することもできる。併用するポリウレタン樹脂は、上記ポリウレタン樹脂と同様の極性基を有することが好ましい。
また本発明で使用される極性基含有ポリウレタン樹脂は、OH基を有することが、硬化性、耐久性の面から好ましい。OH基は1分子当たり2個〜40個が好ましく、更に好ましくは1分子当たり3個〜20個である。
本発明では、上記ポリウレタン樹脂以外のポリウレタン樹脂を併用することもできる。併用するポリウレタン樹脂は、上記ポリウレタン樹脂と同様の極性基を有することが好ましい。
[塩化ビニル系樹脂]
本発明のバックコート層に用いられる結合剤として特に好ましい塩ビ系樹脂としては、塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合したものが用いられる。共重合モノマーとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテル等のアルキルアリルエーテル類 その他スチレン、αメチルスチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アクリルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メタ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレート、p−スチレンスルホン酸、及びこれらのNa塩、K塩等が用いられる。
塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマーの組成は、75〜95重量%であれば、力学強度が高く、かつ溶剤溶解性が良好で無機粉末分散性が高く好ましい。
本発明のバックコート層に用いられる結合剤として特に好ましい塩ビ系樹脂としては、塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合したものが用いられる。共重合モノマーとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテル等のアルキルアリルエーテル類 その他スチレン、αメチルスチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アクリルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メタ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレート、p−スチレンスルホン酸、及びこれらのNa塩、K塩等が用いられる。
塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマーの組成は、75〜95重量%であれば、力学強度が高く、かつ溶剤溶解性が良好で無機粉末分散性が高く好ましい。
前述した極性基を有する塩化ビニル系樹脂を製造するには−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、及び−COOM(Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウム塩を表す。)から選ばれる少なくとも一種の極性基、並びに/又は、−CONR1R2、−NR1R2、及び−NR1R2R3 +(R1、R2、及びR3は独立に水素原子又はアルキル基を表す)から選ばれる少なくとも一種の極性基を含む共重合可能な極性基含有化合物を塩化ビニル単量体、その他共重合可能な化合物と共に共重合することで得られる。
例えば、−SO3Mを導入するための共重合可能な化合物としては2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの塩、(メタ)アクリル酸スルホエチルエステル、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル等の(メタ)アクリル酸のスルホアルキルエステル類及びこれらの塩等を挙げることができる。前記親水性極性基は1種類のみ用いても2種類以上を併用してもよく、−SO3Mの他に−NR2 の導入が必要な場合には−NR2を含む共重合可能な化合物、具体的にはN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等を使用することができる。
例えば、−SO3Mを導入するための共重合可能な化合物としては2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの塩、(メタ)アクリル酸スルホエチルエステル、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステル等の(メタ)アクリル酸のスルホアルキルエステル類及びこれらの塩等を挙げることができる。前記親水性極性基は1種類のみ用いても2種類以上を併用してもよく、−SO3Mの他に−NR2 の導入が必要な場合には−NR2を含む共重合可能な化合物、具体的にはN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等を使用することができる。
極性基を導入するためには、共重合体の製造に際して、極性基含有ラジカル重合開始剤を用いて単量体混合物を共重合させる方法、片末端に極性基を有する連鎖移動剤の存在下に単量体混合物を共重合させる方法を使用しても良い。極性基含有ラジカル重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらのラジカル重合開始剤の使用量は単量体の合計量に対し、1〜10質量%とすればよく、好ましくは1〜5質量%である。片末端に上記極性基を有する連鎖移動剤としては重合反応において連鎖移動が可能で且つ片末端に極性基を有するものであれば特に制限はなく、片末端に極性基を有するハロゲン化化合物、メルカプト化合物やジフェニルピクリルヒドラジン等が挙げられる。ハロゲン化化合物の具体例としては、2−クロロエタンスルホン酸、2−クロロエタンスルホン酸ナトリウム、4−クロロフェニルスルホキシド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、p−クロロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−ブロモエタンスルホン酸ナトリウム、4−(ブロモメチル)ベンゼンスルホン酸ナトリウム等が例示され、2−クロロエタンスルホン酸ナトリウム、p−クロロベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。メルカプト化合物としては、好ましくは2−メルカプトエタンスルホン酸(塩)、3−メルカプト−1,2プロパンジオール、メルカプト酢酸(塩)、2−メルカプト−5−ベンゾイミダゾールスルホン酸(塩)、3−メルカプト−2−ブタノール、2−メルカプトブタノール、3−メルカプト−2−プロパノール、N(2−メルカプトプロピル)グリシン、チオグルコール酸アンモニウム又はβ−メルカプトエチルアミン塩酸塩を用いることができる。これらの片末端に極性基を有する連鎖移動剤は一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましい片末端に極性基を有する連鎖移動剤は、極性の強い2−メルカプトエタンスルホン酸(塩)である。これらの連鎖移動剤の使用量は単量体の合計量に対し、0.1〜10質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.2〜5質量%であることが適当である。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂には水酸基を持たせることも好ましい。水酸基を含む共重合可能な水酸基含有化合物を塩化ビニル単量体、その他共重合可能な化合物と共に共重合することで得られる。共重合可能な水酸基含有単位の例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、ヒドロキシエチルモノ(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシプロピルモノ(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシブチルモノ(メタ)アリルエーテル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、グリセリンモノ(メタ)アリルエーテル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル等の(メタ)アリルエーテル類、(メタ)アリルアルコール等が挙げられる。また、酢酸ビニルを共重合し、溶媒中で苛性アルカリによってケン化反応することによっても導入できる。水酸基を有する単量体の量は全単量体中の5〜25質量%とすることが好ましい。
上記重合可能な化合物類、連鎖移動剤を含む重合反応系を重合させるには、公知の重合方法、例えば、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等を用いることができる。これらの重合方法のうち、得られた塩化ビニル系樹脂を保存安定性の高い固形状体で容易に保存できる点から、乾燥作業性のよい懸濁重合や乳化重合を用いることが好ましく、特に乳化重合を用いることが好ましい。重合条件は、用いる重合可能な化合物類や重合開始剤、連鎖移動剤の種類等により異なるが、一般にオートクレーブ中にて、温度は50〜80℃程度、ゲージ圧力は4.0〜1.0MPa程度、時間は5〜30時間程度であることが好ましい。重合は、反応に不活性な気体の雰囲気下で行うことが反応制御のしやすさの点で好ましい。そのような気体としては、例えば、窒素、アルゴン等が挙げられ、好ましくは経済性の点から窒素が用いられる。重合に際しては、上記重合反応系に上述の成分以外に他の成分を添加してもよい。そのような成分としては、例えば乳化剤、電解質、高分子保護コロイド等が挙げられる。
また、本発明ではバックコート層に架橋構造を導入し、耐久性を向上させる目的で、従来公知のポリイソシアネート化合物を併用することができる。併用可能なポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を挙げることができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMRミリオネートMTL、武田薬品社製タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住化バイエル社製デスモジュールL,デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL等があり、これらを単独又は硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組み合せで各層とも用いることができる。
上記結合剤は、無機粉末100質量部に対して5〜50質量部の範囲内の含有量で用いることができる。特に、その含有量を7〜45質量部の範囲内に設定することにより無機粉末の分散状態が良好となる。含有量が5質量部よりも少ないと、無機粉末が結合されず粉落ち等が発生し、また50質量部よりも多く配合しても無機粉末の分散状態がそれ以上向上しない。
[製造方法]
本発明で用いられる磁性層用塗料、非磁性層用塗料またはバックコート層用塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用塗料、非磁性層用塗料またはバックコート層用塗料を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明で用いられる磁性層用塗料、非磁性層用塗料またはバックコート層用塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用塗料、非磁性層用塗料またはバックコート層用塗料を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法では、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層用塗料を所定の膜厚となるようにして磁性層を塗布して形成する。ここで複数の磁性層用塗料を逐次又は同時に重層塗布してもよく、非磁性層用塗料と磁性層用塗料とを逐次又は同時に重層塗布してもよい。上記磁性層用塗料又は非磁性層用塗料を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
磁性層用塗料の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層用塗料の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて磁場配向処理してもかまわない。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向することもできる。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
このようにして得られた塗布原反は、一旦巻き取りロールにより巻き取られ、しかる後、この巻き取りロールから巻き出され、カレンダー処理に施される。
カレンダー処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。カレンダー処理によって、表面平滑性が向上するとともに、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理する工程は、塗布原反の表面の平滑性に応じて、カレンダー処理条件を変化させながら行うことが好ましい。
カレンダー処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。カレンダー処理によって、表面平滑性が向上するとともに、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理する工程は、塗布原反の表面の平滑性に応じて、カレンダー処理条件を変化させながら行うことが好ましい。
塗布原反は、概ね、巻き取りロールの芯側から外側に向かって光沢値が低下し、長手方向において品質にばらつきがあることがある。なお光沢値は、表面粗さRaと相関(比例関係)があることが知られている。したがって、カレンダー処理工程で、カレンダー処理条件、例えばカレンダーロール圧力を変化させず一定に保持すると、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違について何ら対策が講じられていないことになり、最終製品も長手方向に品質のばらつきが生じる。
したがって、カレンダー処理工程で、カレンダー処理条件、例えばカレンダーロール圧力を変化させ、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違を相殺するのが好ましい。具体的には、巻き取りロールから巻き出された塗布原反の芯側から外側に向かってカレンダーロールの圧力を低下させていくのが好ましい。本発明者らの検討によれば、カレンダーロールの圧力を下げると光沢値は低下する(平滑性が低下する)ことが見出されている。これにより、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違が相殺され、長手方向において品質にばらつきのない最終製品が得られる。
したがって、カレンダー処理工程で、カレンダー処理条件、例えばカレンダーロール圧力を変化させ、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違を相殺するのが好ましい。具体的には、巻き取りロールから巻き出された塗布原反の芯側から外側に向かってカレンダーロールの圧力を低下させていくのが好ましい。本発明者らの検討によれば、カレンダーロールの圧力を下げると光沢値は低下する(平滑性が低下する)ことが見出されている。これにより、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違が相殺され、長手方向において品質にばらつきのない最終製品が得られる。
なお、前記ではカレンダーロールの圧力を変化させる例について説明したが、これ以外にも、カレンダーロール温度、カレンダーロール速度、カレンダーロールテンションを制御することによって行うことができる。塗布型媒体の特性を考慮すると、カレンダーロール圧力、カレンダーロール温度を制御するのが好ましい。カレンダーロール圧力を低くする、あるいはカレンダーロール温度を低くすることにより、最終製品の表面平滑性は低下する。逆に、カレンダーロール圧力を高くする、あるいはカレンダーロール温度を高くすることにより、最終製品の表面平滑性は高まる。
これとは別に、カレンダー処理工程後に得られた磁気記録媒体を、サーモ処理して熱硬化を進行させることもできる。このようなサーモ処理は、磁性層用塗料の配合処方により適宜決定すればよいが、例えば35〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。またサーモ処理時間は、12〜72時間、好ましくは24〜48時間である。
カレンダーロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心面平均粗さが、(カットオフ値0.25mm)において0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。そのために採用されるカレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cm(98〜490kN/m)の範囲であり、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)の範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)の範囲の条件が好ましい。
得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。裁断機としては、特に制限はないが、回転する上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の組が複数設けられたものが好ましく、適宜、スリット速度、噛み合い深さ、上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の周速比(上刃周速/下刃周速)、スリット刃の連続使用時間等が選定される。
[物理特性]
本発明に用いられる磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は100〜400mTが好ましい。また磁性層の抗磁力(Hc)は、143.2〜318.3kA/m(1800〜4000Oe)が好ましく、159.2〜278.5kA/m(2000〜3500Oe)が更に好ましい。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.3以下である。
本発明に用いられる磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は100〜400mTが好ましい。また磁性層の抗磁力(Hc)は、143.2〜318.3kA/m(1800〜4000Oe)が好ましく、159.2〜278.5kA/m(2000〜3500Oe)が更に好ましい。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.3以下である。
本発明で用いられる磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において0.50以下であり、好ましくは0.3以下である。また、表面固有抵抗は、好ましくは磁性面104〜108Ω/sq、帯電位は−500V〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2000kg/mm2)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm2)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1500kg/mm2)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×107〜8×108Pa(1×108〜8×109dyne/cm2)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
磁性層の表面平均粗さRaは、3nm以下、十点平均粗さRzは30nm以下が好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールやカレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができる。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当たりを良くすることができる。
[磁気記録再生方法]
本発明の磁気記録媒体における再生方法としては、最大線記録密度200KFCI以上で磁気記録された信号をMRヘッドにより再生するのが好ましい。
本発明の磁気記録媒体における再生方法としては、最大線記録密度200KFCI以上で磁気記録された信号をMRヘッドにより再生するのが好ましい。
MRヘッドは、薄膜磁気ヘッドへの磁束の大きさに応答する磁気抵抗効果を利用するものであり、誘導型ヘッドでは得られない高い再生出力が得られるという利点を有する。これは主として、MRヘッドの再生出力が、磁気抵抗の変化に基づくものであるため、ディスクとヘッドとの相対速度に依存せず、また誘導型磁気ヘッドと比較して、高出力が得られるためである。このようなMRヘッドを再生ヘッドとして用いることで、高周波領域で再生特性に優れる。
本発明の磁気記録媒体がテープ状磁気記録媒体の場合、再生ヘッドとしてMRヘッドを用いることで、従来に比べ高周波領域で記録した信号であっても高いC/Nでの再生が可能である。従って、本発明の磁気記録媒体は、より高密度記録用のコンピュータデータ記録用の磁気テープやディスク状の磁気記録媒体として最適である。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲で変更し得るものであり、下記の実施例に制限されるべきものではない。また、実施例中の「部」特に示さない限り質量部を示す。
(実施例1−1)
1.磁性層用塗料液の調製
強磁性板状六方晶フェライト粉末 100部
組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/0.8
平均板径:30nm、平均板状比:3、BET比表面積:50m2/g
抗磁力(Hc):191kA/m
飽和磁化(σs):60A・m2/kg
ポリウレタン樹脂 11部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/
ジフェニルメタンジイソシアネート系、
親水性極性基:−SO3Na=70eq/ton含有
塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン製MR104) 7部
フェニルホスホン酸 3部
α−Al2O3(平均粒子サイズ0.15μm) 2部
カーボンブラック(平均粒子サイズ20nm) 2部
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
1.磁性層用塗料液の調製
強磁性板状六方晶フェライト粉末 100部
組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/0.8
平均板径:30nm、平均板状比:3、BET比表面積:50m2/g
抗磁力(Hc):191kA/m
飽和磁化(σs):60A・m2/kg
ポリウレタン樹脂 11部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/
ジフェニルメタンジイソシアネート系、
親水性極性基:−SO3Na=70eq/ton含有
塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン製MR104) 7部
フェニルホスホン酸 3部
α−Al2O3(平均粒子サイズ0.15μm) 2部
カーボンブラック(平均粒子サイズ20nm) 2部
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
2.非磁性層およびバックコート層用塗料液の調製
非磁性無機質粉体 85部
α−酸化鉄、表面処理層:Al2O3,SiO2
平均長軸径:0.10μm、針状比:6、
BET比表面積:50m2/g
DBP吸油量:33ml/100g、pH8
カーボンブラック 20部
BET比表面積:250m2/g、DBP吸油量:120ml/100g
pH:8、揮発分:1.5%
ポリウレタン樹脂 18部
ポリエーテルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
親水性極性基:−SO3Na=70eq/ton含有
塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン製MR104) 2部
フェニルホスホン酸 3部
α−Al2O3(平均粒径0.2μm) 1部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
非磁性無機質粉体 85部
α−酸化鉄、表面処理層:Al2O3,SiO2
平均長軸径:0.10μm、針状比:6、
BET比表面積:50m2/g
DBP吸油量:33ml/100g、pH8
カーボンブラック 20部
BET比表面積:250m2/g、DBP吸油量:120ml/100g
pH:8、揮発分:1.5%
ポリウレタン樹脂 18部
ポリエーテルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
親水性極性基:−SO3Na=70eq/ton含有
塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン製MR104) 2部
フェニルホスホン酸 3部
α−Al2O3(平均粒径0.2μm) 1部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
上記塗料液のそれぞれについて、各成分をオープンニーダで60分間混練した後、サンドミルで120分間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層、非磁性層およびバックコート層用塗料液を調製した。
支持体として、中心線平均表面粗さRa1.0nm、厚さ5.0μmのポリエチレンナフタレート(PEN)製支持体を用い、上記非磁性層用塗料液を乾燥後の厚さが1.4μmになるように塗布し、さらにその直後に磁性層用塗料液を乾燥後の厚さが0.15μmになるように重層塗布した。このとき、両層がまだ湿潤状態にあるうちに300mTの磁石で磁場配向を行い乾燥した。次に、この非磁性支持体の非磁性層および磁性層の形成面とは反対面側に、上記のバックコート層形成用塗料液を、乾燥およびカレンダ処理後のバックコート層の厚さが0.6μmとなるように塗布し、乾燥した。その後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで温度90℃、速度100m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)で処理を行い、70℃で48時間加熱処理を行い、1/2インチ幅にスリットし、磁気テープを作成した。
支持体として、中心線平均表面粗さRa1.0nm、厚さ5.0μmのポリエチレンナフタレート(PEN)製支持体を用い、上記非磁性層用塗料液を乾燥後の厚さが1.4μmになるように塗布し、さらにその直後に磁性層用塗料液を乾燥後の厚さが0.15μmになるように重層塗布した。このとき、両層がまだ湿潤状態にあるうちに300mTの磁石で磁場配向を行い乾燥した。次に、この非磁性支持体の非磁性層および磁性層の形成面とは反対面側に、上記のバックコート層形成用塗料液を、乾燥およびカレンダ処理後のバックコート層の厚さが0.6μmとなるように塗布し、乾燥した。その後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで温度90℃、速度100m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)で処理を行い、70℃で48時間加熱処理を行い、1/2インチ幅にスリットし、磁気テープを作成した。
(実施例1−2)
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更した以外は実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更した以外は実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
(実施例1−3)
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更した以外は実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更した以外は実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
(実施例2−1)
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更し、なおかつ磁性層で使用する磁性粉末を平均長軸長45nmの下記強磁性針状金属粉末(Fe合金)に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更し、なおかつ磁性層で使用する磁性粉末を平均長軸長45nmの下記強磁性針状金属粉末(Fe合金)に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
組成:Fe/Co/Al/Y=67/20/8/5
表面処理剤:Al2O3,Y2O3
抗磁力(Hc):185kA/m
結晶子サイズ:12nm
長軸径:45nm 、針状比:5.8
BET比表面積(SBET):46m2/g
飽和磁化(σs):140A・m2/kg(140emu/g)
表面処理剤:Al2O3,Y2O3
抗磁力(Hc):185kA/m
結晶子サイズ:12nm
長軸径:45nm 、針状比:5.8
BET比表面積(SBET):46m2/g
飽和磁化(σs):140A・m2/kg(140emu/g)
(実施例3−1)
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更し、なおかつ磁性層で使用する磁性粉末を平均粒径10nmの強磁性窒化鉄系粉末に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更し、なおかつ磁性層で使用する磁性粉末を平均粒径10nmの強磁性窒化鉄系粉末に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
(比較例1−1)
バックコート層形成用塗料液における塩化ビニル系樹脂の分子量およびガラス転移温度を表1のように変更し、ポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
バックコート層形成用塗料液における塩化ビニル系樹脂の分子量およびガラス転移温度を表1のように変更し、ポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
(比較例1−2)
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
バックコート層形成用塗料液におけるポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
(比較例1−3)
バックコート層形成用塗料液の組成を以下に示した通り変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。なお、バックコート層形成用塗料液は、下記の成分を、サンドミルで滞留時間45分で分散した後、ポリイソシアネート8.5部を加え、撹拌ろ過して、調製したものである。
バックコート層形成用塗料液の組成を以下に示した通り変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。なお、バックコート層形成用塗料液は、下記の成分を、サンドミルで滞留時間45分で分散した後、ポリイソシアネート8.5部を加え、撹拌ろ過して、調製したものである。
バックコート層形成用塗料液
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 40.5部
硫酸バリウム 4.05部
ニトロセルロース 40部
塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン製MR104) 10部
シクロヘキサノン 100部
トルエン 100部
メチルエチルケトン 100部
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 40.5部
硫酸バリウム 4.05部
ニトロセルロース 40部
塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン製MR104) 10部
シクロヘキサノン 100部
トルエン 100部
メチルエチルケトン 100部
(比較例2−1)
バックコート層形成用塗料液における塩化ビニル系樹脂の分子量およびガラス転移温度を表1のように変更し、ポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更し、なおかつ磁性層で使用する磁性粉末を平均長軸長45nmの強磁性針状金属粉末に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
バックコート層形成用塗料液における塩化ビニル系樹脂の分子量およびガラス転移温度を表1のように変更し、ポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更し、なおかつ磁性層で使用する磁性粉末を平均長軸長45nmの強磁性針状金属粉末に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
(比較例3−1)
バックコート層形成用塗料液における塩化ビニル系樹脂の分子量およびガラス転移温度を表1のように変更し、ポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更し、なおかつ磁性層で使用する磁性粉末を平均粒径10nmの強磁性窒化鉄系粉末に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
バックコート層形成用塗料液における塩化ビニル系樹脂の分子量およびガラス転移温度を表1のように変更し、ポリウレタン樹脂のSP値およびガラス転移温度を表1のように変更し、さらに塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の配合比率と、バックコート層のガラス転移温度を表1に示すように変更し、なおかつ磁性層で使用する磁性粉末を平均粒径10nmの強磁性窒化鉄系粉末に変更したこと以外は、実施例1−1と同様の方法で磁気テープを作成した。
上記磁気テープに対する各種測定方法は以下のとおりである。
1.SP値の測定
結合剤のSP値はSP値が既知の溶剤を単独あるいは混合して使用し、最も溶解性が高くなる値を結合剤のSP値とした。
1.SP値の測定
結合剤のSP値はSP値が既知の溶剤を単独あるいは混合して使用し、最も溶解性が高くなる値を結合剤のSP値とした。
2.ガラス転移温度(Tg)の測定
東洋ボールドウイン製レオバイブロンを用いて110Hzの振動数にて動的粘弾性の温度依存性を昇温速度3℃/分で測定した。得られたE”温度依存性曲線のピークをTgと定義した。
東洋ボールドウイン製レオバイブロンを用いて110Hzの振動数にて動的粘弾性の温度依存性を昇温速度3℃/分で測定した。得られたE”温度依存性曲線のピークをTgと定義した。
3.重量平均分子量の測定
東ソー製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーHLC−8020を使用してテトラヒドロフランを溶離液として使用し、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線からポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。
東ソー製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーHLC−8020を使用してテトラヒドロフランを溶離液として使用し、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線からポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。
4.エラーレート(初期、高湿高温下)の測定
記録信号を23℃,50%RHにおいて8−10変換PR1等化方式で記録し、23℃50%RH(初期)、50℃80%RHの各環境下1週間保存し保存後、各々測定した。
結果を表1に示す。
記録信号を23℃,50%RHにおいて8−10変換PR1等化方式で記録し、23℃50%RH(初期)、50℃80%RHの各環境下1週間保存し保存後、各々測定した。
結果を表1に示す。
表1中、各記号は以下のとおりである。
NC:ニトロセルロース
SP値:溶解度パラメータ(Solbility Parameter)
Tg:ガラス転移温度
Mw:重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)
PVc/PU比率:塩化ビニル系樹脂/ポリウレタン樹脂比率(塩化ビニル系樹脂+ポリウレタン樹脂=100)
粒径:Baフェライトは平均板径、Fe合金は平均長軸長、窒化鉄は平均粒子径
*1のTgは、バックコート層のTgである。
NC:ニトロセルロース
SP値:溶解度パラメータ(Solbility Parameter)
Tg:ガラス転移温度
Mw:重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)
PVc/PU比率:塩化ビニル系樹脂/ポリウレタン樹脂比率(塩化ビニル系樹脂+ポリウレタン樹脂=100)
粒径:Baフェライトは平均板径、Fe合金は平均長軸長、窒化鉄は平均粒子径
*1のTgは、バックコート層のTgである。
表1から、バックコート層のガラス転移温度が65〜95℃であり、かつ、バックコート層を構成する結合剤が本発明の条件(1)〜(5)をすべて満たす磁気記録媒体が、改善されたエラーレートを提供することができる。したがって、 本発明によれば、バックコート層のガラス転移温度と、結合剤の種類および物性とを特定したことにより、温湿度やドライブ内テンションの影響を受けにくく、寸度安定性および機械的強度に優れ、これにより、優れた電磁変換特性、走行安定性を達成し、高S/N比を保つとともにドロップアウトが少なくエラーレートの低い磁気記録媒体を提供することができる。
Claims (2)
- 非磁性支持体の一方の面に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層と、強磁性粉末および結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、非磁性支持体のもう一方の面にバックコート層が設けられている磁気記録媒体において、前記バックコート層のガラス転移温度が65〜95℃であり、かつ、前記バックコート層を構成する結合剤が、下記の条件(1)〜(5)をすべて満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
(1)塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂を主成分としてなる。
(2)前記塩化ビニル系樹脂の溶解度パラメータが9〜11(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が65〜95℃であり、重量平均分子量5000〜25000である。
(3)前記塩化ビニル系樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し10〜60質量%である。
(4)前記ポリウレタン樹脂の溶解度パラメータが9.5〜11.5(cal・cm−3)1/2であり、ガラス転移温度が80〜110℃であり、重量平均分子量が20000〜60000である。
(5)前記ポリウレタン樹脂の割合が、前記塩化ビニル系樹脂およびポリウレタン樹脂の総質量に対し90〜30質量%である。 - 前記強磁性粉末が、平均板径が10〜50nmの強磁性六方晶フェライト粉末、平均粒子径5〜25nmの窒化鉄粒子または平均長軸長10〜100nmの強磁性金属粉末であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
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