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JP2007224079A - 孔版印刷用o/w型エマルションインキ - Google Patents

孔版印刷用o/w型エマルションインキ Download PDF

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JP2007224079A
JP2007224079A JP2006043644A JP2006043644A JP2007224079A JP 2007224079 A JP2007224079 A JP 2007224079A JP 2006043644 A JP2006043644 A JP 2006043644A JP 2006043644 A JP2006043644 A JP 2006043644A JP 2007224079 A JP2007224079 A JP 2007224079A
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Minoru Koizumi
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】画像形成後の耐水性、孔版印刷機上での安定性、及び印刷機放置後の画像復帰性に優れる、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用O/W型エマルションインキを提供すること。
【解決手段】油相及び水相を含んでなり、該油相中に着色剤を含有することを特徴とする孔版印刷用O/W型エマルションインキである。中でも、該水相中に不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基、キレート剤、保湿剤などを適宜含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像形成後の耐水性、孔版印刷機上での安定性、及び、印刷機放置後の画像復帰性に優れた、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用O/W型(水中油滴型)エマルションインキに関する。
従来の孔版印刷において使用されているインキは、孔版印刷機とのマッチング、画像品質などの観点から、W/O型(油中水滴型)のエマルションが採用されており、更には環境への配慮から、前記W/O型エマルションインキにおける油相中のオイルとして、大豆油などの植物油が使用されてきている。
近年、環境や人体への更なる安全性の観点から、水性のインキが求められる傾向にあるが、水性インキは前記W/O型エマルションインキと比較して、画像形成後の耐水性、孔版印刷機上での安定性、印刷機放置後の画像復帰性などが問題とされている。
水性インキのように着色剤を水中へ分散した系では、画像形成後の耐水性に劣り、水や水性ペンにより、画像が滲んでしまうような不具合が発生することがある。
また水性インキは、孔版印刷機上での安定性に劣り、以下のような不具合が発生することがある。孔版印刷用のインキは、インキローラー上において保形性(降伏値)を維持する必要があるが、水性インキの場合は保形性を維持できずに、インキが印刷中にインキローラー脇側に漏出してしまい、インキローラー脇の回転機構部分を汚濁したり、ドラム版胴脇から染み出て画像の非画像部分の汚れの原因となることがある。また、孔版印刷用のインキは、パック等の容器内にインキを保存した場合においてもある程度の降伏値を維持する必要があるが、水性インキの場合は前記降伏値を維持できずに、インキがパック口から垂れて、床や手に付着して汚してしまうことがある。
また、印刷後には、インキローラー、スクリーン、版胴などの上の水性インキは、水分が蒸発してインキ量が少なくなり、また固形分濃度が高くなって粘度があがり、印刷機放置後の印刷において画像復帰が遅くなったり、スクリーンの目詰まりの原因となってしまうことがある。
前記孔版印刷用水性インキに関する技術としては、例えば、アクリル酸誘導体樹脂等により増粘されたインキ(特許文献1参照);水とβ−チオジグリコールとトリエチレングリコールとを含み、かつ、前記水の含有量が50質量%以上であるインキ(特許文献2参照);不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーとトリエチレングリコールとを含むインキ(特許文献3参照);トリエチレングリコール及びβ−チオジグリコールの少なくともいずれかと、ジエチレングリコールと、不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーとを含むインキ(特許文献4参照);不飽和カルボン酸系水溶性ポリマーの一価金属塩又はアミン塩と、アルカリ可溶性樹脂のアンモニウム塩とを含むインキ(特許文献5参照);平均分子量が190〜500の範囲にあるポリエチレングリコール、平均分子量が200〜800の範囲にあるポリプロピレングリコール、アセチン等から選択される少なくとも1種の水溶性有機溶剤を含むインキ(特許文献6参照);などが提案されている。
しかし、上記提案においても、画像形成後の耐水性、孔版印刷機上での安定性、及び、印刷機放置後の画像復帰性のいずれにも優れる旨は言及されておらず、これらのいずれにも優れ、かつ、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用インキの開発が望まれているのが現状である。
特開2001−302955号公報 特許第3639287号公報 特許第3639288号公報 特許第3639289号公報 特許第3639290号公報 特許第3673822号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、画像形成後の耐水性、孔版印刷機上での安定性、及び、印刷機放置後の画像復帰性に優れる、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用O/W型エマルションインキを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 油相及び水相を含んでなり、該油相中に着色剤を含有することを特徴とする孔版印刷用O/W型エマルションインキである。
前記<1>に記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキは、油相及び水相を含んでなり、該油相中に着色剤を含有することから、水性インキのように着色剤を水に分散した系における画像形成後の貧耐水性を改善することができる。また、前記O/W型エマルションインキは、エマルションの形態として内相を含有することで、水性インキが有する孔版印刷機上での不安定性を改善することができる。すなわち、インキが降伏値を持つことによりインキローラー上で高い保形性を有し、インキローラー脇側への漏出、インキローラー脇の回転機構部分の汚濁、ドラム版胴脇からの染み出しなどを防止することができる。また、前記O/W型エマルションインキは、油相を含むことから、水性インキにおいて水分が蒸発してインキ塊量が少なくなることに起因する、印刷機放置後の印刷における画像復帰の遅延を改善することができる。また、前記O/W型エマルションインキは、連続相が水系であるために、使用者が触れた場合にも安全であり、W/O型エマルションインキと比較して、環境安全性にも優れる。
<2> 水相中に不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基を含有し、該不飽和カルボン酸系水溶性高分子が、アクリル酸誘導体樹脂の少なくとも1種である前記<1>に記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキである。
前記<2>に記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキは、水相がアクリル酸誘導体樹脂などの不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基を含有することによって増粘されていることで、孔版印刷機上での安定性をより向上させることができる。すなわち、インキがインキローラー上でより高い保形性を有することから、インキローラー脇側への漏出、インキローラー脇の回転機構部分の汚濁、ドラム版胴脇からの染み出しなどをより防止することができる。
<3> 更に、水相中にキレ−ト剤を含有し、該キレート剤が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、及び、アミノトリメチレンホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である前記<2>に記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキである。
前記<3>に記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキは、前記<2>での不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基に加え、更に水相中に特定のキレ−ト剤を含有することから、特に、インキの経時保存後の孔版印刷機上での安定性を向上させることができる。不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基を含む孔版印刷用インキが、パック等の容器内における保存により、経時で低粘度になる要因は以下が考えられる。すなわち、前記<2>における孔版印刷用O/W型エマルションインキの増粘は、塩基との中和により不飽和カルボン酸系水溶性高分子がイオン化し、前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子のポリマー主鎖にそって負電荷を生じて、コイル状に緩んだ状態の分子が負電荷同士の反発により真っ直ぐに伸びた状態となり、増粘状態が得られている。しかし、増粘状態のインキは、放置や保存によって、インキ中の塩類のカチオン成分が樹脂を架橋乃至沈殿させることにより、低粘度となることが考えられる。そこで、前記<2>における孔版印刷用O/W型エマルションインキに、前記<3>において更に前記のようなキレ−ト剤を加えると、インキ中の塩類のカチオン成分を封鎖し、伸直状態の不飽和カルボン酸系水溶性高分子への影響が小さくなることが考えられ、その結果、増粘状態を保持することができると考えられる。
<4> 水相中に保湿剤を含有し、該保湿剤が、グリセリン、キシリトール、d−ソルビトール、乳酸、及び、尿素からなる群より選択される少なくとも1種である前記<1>から<3>のいずれかに記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキである。
前記<4>に記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキでは、水相中に、グリセリン、キシリトール、d−ソルビトール、乳酸、及び尿素からなる群より選択される少なくとも1種の保湿剤を含むため、インキローラー、スクリーン、版胴などの上で前記孔版印刷用O/W型エマルションインキが放置されても、蒸発する水分を抑制することで、インキ量を維持できるため、印刷機放置後の印刷においても、画像復帰枚数の遅延をより防止することができる。
本発明によれば、従来における問題を解決することができ、画像形成後の耐水性、孔版印刷機上での安定性、及び、印刷機放置後の画像復帰性に優れる、環境や人体への安全性の高い孔版印刷用O/W型エマルションインキを提供することができる。
(孔版印刷用O/W型エマルションインキ)
本発明の孔版印刷用O/W型エマルションインキ(以下、「O/W型エマルションインキ」、又は、単に「インキ」と称することがある)は、油相及び水相を含み、前記油相中に着色剤を含有してなり、好ましくは、前記水相中に不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基、キレート剤、保湿剤などを含有し、更に必要に応じて、前記油相又は水相中に、それぞれ適宜その他の成分を含有してなる。
<油相と水相との含有割合>
前記孔版印刷用O/W型エマルションインキにおける油相と水相との含有割合には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記孔版印刷用O/W型エマルションインキは、油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含むことが好ましく、油相20〜80質量%及び水相80〜20質量%を含むことがより好ましい。前記油相の割合が、10質量%未満であると、インキ降伏値が低く、十分なインキ保形性を有さないことがあり、90質量%を超えると、内相の質量割合が多すぎ、乳化がうまくいかないことがある。
<油相>
前記油相は、少なくとも着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種色調の公知の顔料、分散染料などを使用することができる。前記着色剤の具体例としては、例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック類;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉;弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料;不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;無金属フタロシアニン顔料、銅フタロシアニン顔料等のフタロシアニン系顔料;アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、イソインドリン系色素、ジオキサンジン系色素、スレン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジゴ系色素、キノフタロン系色素、金属錯体等の縮合多環系顔料;酸性又は塩基性染料のレーキ等の有機顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料;などが挙げられる。
前記着色剤は、前記油相中に分散された状態で存在する。前記着色剤の平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。前記平均粒径が、0.1μm未満であると、着色剤粒径が関連する画像の定着率やインキ安定性において、所望の効果が得られないことがあり、10μmを超えると、画像の定着率や、インキ安定性に劣ることがある。
前記着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記着色剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対し、2〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、インキの総質量に対して、2質量%未満であると、印刷濃度が不足することがあり、20質量%を超えても、印刷濃度は上がらず、コストの点で不利となることがある。
−その他の成分(油相)−
前記油相中におけるその他の成分としては、特に制限はなく、本発明の効果を損わない範囲内で目的に応じて適宜選択することができ、例えば、油成分、樹脂、着色剤の分散剤、ゲル化剤、酸化防止剤などが挙げられる。
−−油成分−−
前記油成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の植物油、鉱物油などが挙げられる。また、本発明の効果を損わない範囲内で、合成油を使用することもできる。これらの中でも、インキの安全性を重視する観点から、植物油が好ましく、後述するように、エステル化植物油が特に好ましい。
前記植物油としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大豆油、キリ油、アマニ油、ナタネ油、コーン油、ゴマ油、トール油、綿実油、ひまわり油、サフラワー油、ウォルナッツオイル、ポピーオイル、リンシードオイル、などが挙げられる。これらの中でも、大豆油が特に好ましい。
前記植物油のヨウ素価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、110〜150であることが好ましい。前記ヨウ素価が前記好ましい範囲内にあると、脂肪酸の酸化による粘度増加に起因する、スクリーンや版胴の目詰まりを抑制することができる。
また、前記植物油としては、エステル化した植物油を使用することもでき、酸化防止剤の併用が不要なため、安全性やコストの点で好ましい。前記エステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステルなどが挙げられる。
前記エステル化植物油のエステル価は、80〜260であることが好ましい。
また、前記エステル化植物油の融点は、20℃未満であることが好ましい。前記融点が20℃未満であると、低温でのインキ保存後に印刷に供しても、良好な印刷物を得ることができる。
また、前記エステル化植物油のヨウ素価は、130以下であることが好ましい。前記ヨウ素価が130を超えると、インキは乾燥しやすくなってしまう傾向がある。
前記鉱物油としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、石油系溶剤、スピンドル油、流動パラフィン、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑油、モーター油などが挙げられる。前記石油系溶剤としては、例えば、エクソン社のアイソパーや日本石油社の日石ソルベント等の混合溶剤を使用することができる。
前記合成油としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイソブチレン類、水素化ポリデセン類、トリメチロールプロパンエステル類、ネオペンチルエステル類、ペンタエリスリトールエステル類、シロキサン類、シリコーン類、フロロカーボン類、アルキル置換ジフェニルエーテル類、フタル酸エステル類、リン酸エステル類などが挙げられる。
前記油成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記油成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、5〜35質量%が好ましい。
これらの中でも、前記油成分が大豆油であり、該大豆油の含有量が、インキの総質量に対して6質量%以上であることが、米国大豆協会の大豆油インキとしての認定を満たすという点で、特に好ましい。
−−樹脂−−
前記樹脂は、例えば、前記着色剤と被印刷物との固着、前記着色剤の分散、及びインキの経時安定性向上などの目的で使用される。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン;重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂;ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;アルキッド樹脂;ゴム誘導体;重合ひまし油;などが挙げられる。
前記樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、1〜7質量%であることがより好ましい。
−−着色剤の分散剤−−
前記着色剤の分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳化剤用非イオン界面活性剤、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩などが挙げられる。
前記着色剤の分散剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の分散剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記着色剤の質量に対して、40質量%以下が好ましく、2〜35質量%がより好ましい。
−−ゲル化剤−−
前記ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化して、インキの保存安定性、定着性、流動性などを向上させる目的で使用される。
前記ゲル化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、前記油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマーなどが挙げられる。より具体的には、オクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物などが挙げられる。
前記ゲル化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゲル化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記油相中の樹脂の質量に対して、15質量%以下が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
−−酸化防止剤−−
前記酸化防止剤は、前記油相中の樹脂などの酸化を防ぎ、これによってインキ粘度の上昇などを防止する目的で使用される。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
前記酸化防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記油相中の油成分の質量に対して、2質量%以下が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
<水相>
前記水相は、特に制限はなく、目的に応じて適宜その組成を選択することができるが、好ましくは、不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基、キレート剤、保湿剤などを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基−
前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基は、前記水相を増粘させ、主に前記孔版印刷用O/W型エマルションインキの孔版印刷機上での安定性を向上させる目的で使用される。
前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子は、アクリル酸誘導体樹脂の少なくとも1種である。前記アクリル酸誘導体樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミンなどが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子の含有量は、特に制限はなく、前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子の種類や分子量に応じ、インキ粘度が印刷機とのマッチングに最適になるように適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。前記含有量が、0.05質量%未満であると、所望のインキ粘度を得られないことがあり、10質量%を超えても、インキにそれ以上の増粘は見られず、コスト的に不利となることがある。
なお、前記水相のpHは、インキの増粘の観点から、pH5〜10に調整されていることが好ましく、pHを維持するために緩衝作用を持つ物質を添加してもよい。
前記塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等の無機塩基、低分子量アミン、アルカノールアミン、トリエタノールアミン、低濃度アンモニアなどが挙げられる。
前記塩基の含有量も、特に制限はなく、インキ粘度が印刷機とのマッチングに最適になるように適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.1〜1.5質量%がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、所望のインキ粘度を得られないことがあり、3.0質量%を超えても、インキに一定以上の増粘は見られず、コスト的に不利となることがある。
また、前記したように、水相のpHは、インキの増粘の観点から、pH5〜10に調整されていることが好ましく、前記pH調整は、前記塩基を使用して行うことができる。
−キレート剤−
前記キレート剤は、主に前記水相の増粘を経時的に維持させる目的で使用される。
前記キレ−ト剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸などが挙げられる。
前記キレート剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記キレート剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、0.001〜0.01質量%が好ましい。前記含有量が、0.001質量%未満であると、インキを保存した際のインキ粘度保持に対して所望の効果が得られないことがあり、また0.01質量%を超えても、一定以上のインキ粘度保持の効果はなく、コスト的に不利となることがある。
−保湿剤−
前記保湿剤は、主に印刷後に印刷機を放置した際のインキの水分蒸発を抑制する目的で使用される。
前記保湿剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン(グリセロール)、キシリトール(キシリット)、d−ソルビトール(ソルビット)、乳酸、尿素などが挙げられる。
前記保湿剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記保湿剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、3〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。前記含有量が、3質量%未満であると、保湿剤の所望の効果を得られないことがあり、30質量%を超えても、一定以上の効果はなく、コスト的に不利となることがある。
−その他の成分(水相)−
前記水相中におけるその他の成分としては、特に制限はなく、本発明の効果を損わない範囲内で目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、界面活性剤、前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子、O/W型樹脂エマルション、防腐剤及び防かび剤、凍結防止剤、消泡剤、有機溶剤などが挙げられる。
−−水−−
前記水としては、清浄であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水などが挙げられる。
−−界面活性剤−−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中でも、非イオン界面活性剤が好ましい。前記非イオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物などが挙げられる。
また、前記界面活性剤としては、安全性の点で、植物油由来のものが特に好ましい。
前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、1〜10質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。
−−不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子−−
前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子は、例えば、保湿や増粘補助の目的で使用される。
前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然高分子、半合成高分子、合成高分子などが挙げられる。
前記天然高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、でん粉、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、ブルラン、デキストラン、キサンタンガム、にかわ、ゼラチン、コラーゲン、カゼインなどが挙げられる。
前記半合成高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルでん粉、カルボキシメチルでん粉、ジアルデヒドでん粉などが挙げられる。
前記合成高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリN−アクリロイルピロリジンやポリN−イソプロピルアクリルアミド等のポリN−アルキル置換アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。また、ポリエチレンとポリプロピレン又はポリブチレンのブロックコポリマーを用いることもできる。
これらの中でも、前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子としては、孔版印刷機上での安定性向上の点で、ポリビニルピロリドンが特に好ましい。
前記ポリビニルピロリドンのK値は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30以下が好ましい。ここで、前記K値とは、ポリビニルピロリドンの分子量の目安となる数値であり、例えば、粘度測定値からFikentscherの式により求めることができる。前記K値が30を超えると、ポリビニルピロリドンを添加するインキ粘度が高くなりすぎ、インキパックからのインキの吸引や印刷時の紙への浸透を阻害することがある。
前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水相中の水の質量に対して、25質量%以下であることが好ましく、0.2〜15質量%であることがより好ましい。
−−O/W型樹脂エマルション−−
前記O/W型樹脂エマルションは、例えば、保湿や増粘補助の目的で使用される。
前記O/W型樹脂エマルションとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、合成高分子化合物であってもよいし、天然高分子化合物であってもよい。
前記合成高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタンなどが挙げられる。
前記O/W型樹脂エマルションの最低造膜温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃以下であることが好ましい。
前記O/W型樹脂エマルションは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記O/W型樹脂エマルションの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水相中の水の質量に対して、30質量%以下が好ましく、0.2〜15質量%がより好ましい。
−−防腐剤及び防かび剤−−
前記防腐剤及び防かび剤は、本発明の前記O/W型エマルションインキ内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐ目的で使用される。前記O/W型エマルションインキを長期保存する場合は、前記防腐剤及び防かび剤を使用することが好ましい。
前記防腐剤及び防かび剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物、それらの塩素化合物、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、リン酸チタニア、クロロブタノ−ル、キトサン誘導体などが挙げられる。
前記防腐剤及び防かび剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記防腐剤及び防かび剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水相中の水の質量に対して、3質量%以下が好ましく、0.05〜1.0質量%以下がより好ましい。
−−凍結防止剤−−
前記凍結防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール等のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール;などが挙げられる。
前記凍結防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記凍結防止剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水相中の水の質量に対して、30質量%以下が好ましく、6〜25質量%がより好ましい。
−−消泡剤−−
前記消泡剤は、前記水溶性高分子などを水中に攪拌するときの起泡防止の目的で使用される。
前記消泡剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高級脂肪酸アミド、ポリエチレングリコール、脂肪酸低級アルコールエステル、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。
前記消泡剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記消泡剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インキの総質量に対して、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.4〜1.0質量%がより好ましい。
また、前記消泡剤のキャリアーとして、エチレングリコール、低級アルコールなどを使用することもできる。
−−有機溶剤−−
前記有機溶剤は、前記水溶性高分子などの水への溶解や分散を容易にする目的で使用される。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ブチルセロソルブ等のアルコール類、エステル類などが挙げられる。
前記有機溶剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水相中の水の質量に対して、0.1〜5.0質量%が好ましく、0.5〜3.0質量%がより好ましい。
<製造方法>
前記孔版印刷用O/W型エマルションインキの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記油相及び水相をそれぞれ調製し、次いで、前記油相及び水相の両者を、公知の乳化機内などで乳化させることにより、製造することができる。
すなわち、必要に応じて、前記水、前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子、前記塩基、前記キレ−ト剤、前記保湿剤、前記界面活性剤、前記防腐剤及び防かび剤、前記不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子などを含有する水相を、常法で調製し、次いで、前記水相に、前記着色剤、及び、必要に応じて、前記油成分、前記着色剤分散剤、前記樹脂などを含有させて調製した油相を徐々に添加し、乳化させることにより、前記孔版印刷用O/W型エマルションインキを製造することができる。
また、前記塩基による水相の増粘は、水相調製中又は水相調製後に行われてもよいし、乳化後に行われてもよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1:孔版印刷用O/W型エマルションインキの調製)
下記の組成に従い、油相液及び水相液を調製した。該組成を表1にも示す。
<油相液組成>
着色剤:カーボンブラック(キャボット社製:商品名モ−ガルL)...5.0質量部
着色剤の分散剤:アルミニウムキレート(味の素ファインテクノ社製:商品名プレーンアクトALM)...0.5質量部
油成分:大豆油ブチルエステル...24.4質量部
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン...0.1質量部
<水相液組成>
水:イオン交換水...59.9質量部
防腐剤及び防かび剤:パラオキシ安息香酸メチル...0.1質量部
界面活性剤:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(花王社製:商品名レオド−ルTW−O120)...5.0質量部
不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子:30%ポリビニルピロリドン水溶液...5.0質量部
大豆油ブチルエステルに、カ−ボンブラック、アルミニウムキレート、及びジブチルヒドロキシトルエンを添加して混合し、得られた混合液を、高速ディゾルバ−を用いて、周速10m/secで30分間、攪拌した。次いで、ビ−ズミルLMZ2(アシザワ社製)を用いて、下記条件にて分散処理を行い、油相液を調製した。
<<分散処理条件>>
ジルコニア製ビ−ズ径:1.5mm
周速:10m/s
流速:0.5L/min
また、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、パラオキシ安息香酸メチル、及び30%ポリビニルピロリドン水溶液を、水に添加し、十分に溶解させて、水相液を調製した。
次いで、乳化機として日光ケミカルズ社製の乳化試験機ET−3A型を使用し、該試験機中に水相液を仕込んだ。400r.p.mの速度で水相液を撹拌しながら、徐々に油相液を添加して乳化させて、実施例1の孔版印刷用O/W型エマルションインキを得た。
(実施例2〜7:孔版印刷用O/W型エマルションインキの調製)
油相液及び水相液の組成を、下記の表1〜2に示す組成にそれぞれ変えた以外は、実施例1と同様にして、各例の孔版印刷用O/W型エマルションインキを調製した。
なお、表1〜2に示されている、不飽和カルボン酸系水溶性高分子としてのポリアクリル酸樹脂(BF Goodrich社製:商品名カーボポール940)、キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸、及び、保湿剤としてのグリセリンは、前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどと同様に、水相液の調製の際に、水に添加して、混合した。また、塩基としてのトリエタノールアミンは、水相液に油相液を添加し乳化を終了させた後に、得られたO/W型エマルションを攪拌しながら、添加した。
(比較例1:孔版印刷用O/W型エマルションインキの調製)
下記の組成に従い、油相液及び水相液を調製した。該組成を表2にも示す。なお、比較例1において、着色剤は、水相液に含有させた。
<油相液組成>
アルミニウムキレート(味の素ファインテクノ社製:商品名プレーンアクトALM)...0.5質量部
油成分:大豆油ブチルエステル...29.4質量部
酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン...0.1質量部
<水相液組成>
着色剤:カーボンブラック(キャボット社製:商品名モ−ガルL)...5.0質量部
水:イオン交換水...54.9質量部
防腐剤及び防かび剤:パラオキシ安息香酸メチル...0.1質量部
界面活性剤:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(花王社製:商品名レオド−ルTW−O120)...5.0質量部
不飽和カルボン酸系水溶性高分子以外の水溶性高分子:30%ポリビニルピロリドン水溶液...5.0質量部
大豆ブチルエステルに、アルミニウムキレート及びジブチルヒドロキシトルエンを添加し、十分に溶解させて、油相液を調製した。
また、イオン交換水に、カーボンブラック、30%ポリビニルピロリドン水溶液、パラオキシ安息香酸メチル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを添加して混合し、得られた混合液を、高速ディゾルバーを用いて、周速10m/secで30分間、攪拌した。次いで、ビ−ズミルLMZ2(アシザワ社製)を用いて、下記条件にて分散処理を行い、水相液を調製した。
<分散処理条件>
ジルコニア製ビ−ズ径:1.5mm
周速:10m/s
流速:0.5L/min
次いで、乳化機として日光ケミカルズ社製の乳化試験機ET−3A型を使用し、該試験機中に水相液を仕込んで、400r.p.mの速度で水相液を撹拌しながら、徐々に油相液を添加して乳化させ、比較例1の孔版印刷用O/W型エマルションインキを得た。
Figure 2007224079
Figure 2007224079
〔評価〕
実施例1〜7及び比較例1の孔版印刷用O/W型エマルションインキを用いて、下記の内容により、画像形成後の耐水性、孔版印刷機上での安定性(インキローラー脇への垂れ及び60℃1ヶ月保存後のインキローラー脇への垂れ)、及び、印刷機放置後の画像復帰の評価を行った。各評価結果を、表3〜4に示す。
<耐水性の評価>
実施例1〜7及び比較例1のインキを用いて、製版を行った後、印刷20枚目の画像上を、印刷から1時間後に水性ラインマ−カ−でなぞり、画像の滲み具合を下記の4段階の評価基準に基づき目視により評価した。
なお、印刷にはリコー社製印刷機JP5500を使用した。また、前記ラインマーカーには、OPTEX CARE(ZEBRA社製)を使用し、筆圧は約200gで、筆跡下の画像が目視で観察できるように薄い色のものを選択した。
−評価基準−
1・・・太字部、及び細字にも滲みが目立ち、使用不可の状態
2・・・太字部に滲みが目立つが使用可能の状態
3・・・太字部にかすかに滲みが見られる状態
4・・・滲みの全くない状態
<孔版印刷機上での安定性の評価(インキローラー脇への垂れ)>
実施例1〜7及び比較例1のインキを用いて、リコー社製印刷機JP5500を使用し、30℃下において、印刷速度5速で10,000枚印刷して、インキローラー脇への垂れを観察し、下記の4段階の評価基準に基づき目視により評価した。
−評価基準−
1・・・インキがインキローラー脇へ漏れ、版胴隙間から漏れ出し印刷画像を汚濁している状態
2・・・印刷画像には影響ないがインキローラー脇に漏れ、ローラー脇のギア他を汚損している状態
3・・・インキローラー脇まで漏れているがローラー脇のギアなどには達していない状態
4・・・インキローラー脇への漏れが全くない状態
<孔版印刷機上での安定性の評価(60℃1ヶ月保存後のインキローラー脇への垂れ)>
実施例1〜7及び比較例1のインキを、インキパックに充填した状態で、60℃の恒温槽にて1ヶ月間保存し、その後30℃に慣らした後に、前記と同様に、リコー社製印刷機JP5500を使用し、30℃下において、印刷速度5速で10,000枚印刷して、インキローラー脇への垂れを観察し、前記同様の4段階の評価基準に基づき評価した。
<印刷機放置後の画像復帰性の評価>
実施例1〜7及び比較例1のインキを使用し、リコー社製の孔版印刷機JP5500を使用して印刷を行った後、ドラムを前記孔版印刷機にて3日間放置(常温常湿)した後に、印刷を実施し、画像が完全に復帰するまでの枚数を評価した。
Figure 2007224079
Figure 2007224079
表1〜4から、油相中に着色剤を含有する実施例1〜7の孔版印刷用O/W型エマルションインキは、比較例1の孔版印刷用O/W型エマルションインキに比して、画像形成後の耐水性、孔版印刷機上の安定性、及び印刷機放置後の画像復帰性のいずれにも優れていることが判った。特に、水相中に不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基を含む実施例5〜7は、孔版印刷機上での安定性に、更にキレート剤を含む実施例6及び7は経時保存後の孔版印刷機上での安定性に、また、保湿剤を含む実施例4及び7は印刷機放置後の画像復帰性に、それぞれ極めて優れていることが判った。
本発明の孔版印刷用O/W型エマルションインキは、画像形成後の耐水性、孔版印刷機上の安定性、及び印刷機放置後の画像復帰性のいずれにも優れ、また、環境や人体への安全性も高いため、例えば、輪転孔版印刷機による孔版印刷などに使用するインキとして非常に有用である。

Claims (4)

  1. 油相及び水相を含んでなり、該油相中に着色剤を含有することを特徴とする孔版印刷用O/W型エマルションインキ。
  2. 水相中に不飽和カルボン酸系水溶性高分子及び塩基を含有し、該不飽和カルボン酸系水溶性高分子が、アクリル酸誘導体樹脂の少なくとも1種である請求項1に記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキ。
  3. 更に、水相中にキレ−ト剤を含有し、該キレート剤が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、及び、アミノトリメチレンホスホン酸からなる群より選択される少なくとも1種である請求項2に記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキ。
  4. 水相中に保湿剤を含有し、該保湿剤が、グリセリン、キシリトール、d−ソルビトール、乳酸、及び、尿素からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1から3のいずれかに記載の孔版印刷用O/W型エマルションインキ。
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