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JP4851701B2 - 孔版印刷用エマルションインキ - Google Patents

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JP4851701B2
JP4851701B2 JP2004299684A JP2004299684A JP4851701B2 JP 4851701 B2 JP4851701 B2 JP 4851701B2 JP 2004299684 A JP2004299684 A JP 2004299684A JP 2004299684 A JP2004299684 A JP 2004299684A JP 4851701 B2 JP4851701 B2 JP 4851701B2
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Description

本発明は、定着性に優れ、かつ保存安定性の良好な油中水型(W/O型)の孔版印刷用エマルションインキに関する。
孔版印刷方法は、周知のように穿孔部を有する孔版印刷原紙(孔版)を用い、この孔版の穿孔部を介して孔版の一方の側より他方の側にインキを移動させることにより、紙などの被印刷物面に印刷を行う方法である。この孔版印刷方法には、通常、揮発性溶剤、不揮発性溶剤、樹脂、着色剤、界面活性剤、水、凍結防止剤、電解質、及び防腐剤を含有する油中水型(W/O型)のエマルションインキが用いられている。
前記エマルションインキにおける定着性及び保存安定性を向上させる方法として、例えば、フェノール系又はアルコール系水酸基の少なくとも一方を持つ樹脂及びその樹脂のゲル化剤を含有するエマルションインキが提案されている(特許文献1参照)。また、顔料の分散性を高めるためのアルミニウムキレート類等の高価な分散剤を含有するエマルションインキが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、これら従来技術においては、定着性及び保存安定性が共に未だ十分満足できるものではなく、しかも高価な添加剤を用いているので、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
したがって定着性に優れ、かつ保存安定性が良好であり、安価な油中水型(W/O型)の孔版印刷用エマルションインキは未だ得られておらず、その速やかな提供が望まれているのが現状である。
特許第3008724号公報 特許第2926455号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、定着性に優れ、かつ保存安定性が良好であり、安価な油中水型(W/O型)の孔版印刷用エマルションインキを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者が鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該水相中に2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン(ただし、アルキル部分の炭素数は2以上である)、及び多価アルコールを含有することによって、定着性に優れ、かつ保存安定性の良好な油中水型(W/O型)の孔版印刷用エマルションインキが得られるという知見である。
本発明は、本発明者の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該水相中に下記構造式(1)で表される2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン、及び多価アルコールを含有することを特徴とする孔版印刷用エマルションインキ。
ただし、前記構造式(1)中、Rは、炭素数2以上のアルキル基を表す。
本発明の孔版印刷用エマルションインキにおいては、水相中に上記構造式(1)で表される2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有する。該2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンは、表面張力低下能が大きく、孔版印刷用エマルションインキ中の着色剤の紙への浸透力を高めることができ、これにより、定着性が改善される。また、水相の表面張力を低下させて油相の低い表面張力により近づけ水相エマルションの界面エネルギーを低くするため、より安定なエマルションインキを製造することができる。更に、2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンはイソチアゾロン系の抗菌剤として使用されており、この抗菌作用もエマルションの安定性向上に関与している。そして、前記2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンは、水に難溶であるため、溶解助剤としての多価アルコールを併用することが有効である。
<2> 2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンが、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンである前記<1>に記載の孔版印刷用エマルションインキである。
<3> 2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンの水相における含有量が、0.005〜0.1質量%である前記<1>に記載の孔版印刷用エマルションインキである。
<4> 水相中にポリビニルピロリドンを含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキである。該<4>に記載の孔版印刷用エマルションインキにおいては、水相中にポリビニルピロリドンを添加することで、該ポリビニルピロリドンの造膜性能によって画像を形成するインキ皮膜を強靭にすることができ、定着性の向上に寄与できる。
本発明によれば、従来における諸問題を解決でき、定着性に優れ、かつ保存安定性の良好な油中水型(W/O型)の孔版印刷用エマルションインキを提供できる。
本発明の孔版印刷用エマルションインキは、油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該水相中に2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン(ただし、アルキル部分の炭素数は2以上である)、及び多価アルコールを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
この場合、前記孔版印刷用エマルションインキは、油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含み、油相20〜50質量%及び水相50〜80質量%が好ましい。
前記油相の混合割合が10質量%未満であると、W/Oエマルションとしての形態をとれなくなることがあり、90質量%を超えると、物性的にW/Oエマルションとすることの効果が不足してしまうことがある。
<水相>
前記水相は、2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン(ただし、アルキル部分の炭素数は2以上である)、多価アルコールを含有してなり、ポリビニルピロリドン、その他の水溶性高分子化合物、水、更に必要に応じて水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤、電解質、O/W樹脂エマルション、防腐・防かび剤、pH調整剤などのその他の成分を含有してなる。
−2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン−
前記2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンは、下記構造式(1)で表される。
前記構造式(1)において、Rは、炭素数2以上、特に炭素数6〜10のアルキル基が好ましい。
前記アルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、などが挙げられ、これらの中でも、オクチル基が以下の効果が高い点で好ましい。
前記2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン(ただし、アルキル部分の炭素数は2以上である)は、表面張力低下能が大きく、孔版印刷用エマルションインキ中の着色剤の紙への浸透力を高めることができる。その結果、定着性が向上する。また、前記2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンは、水相の表面張力を低下させて油相の低い表面張力により近づけ水相エマルションの界面エネルギーを低くするため、より安定なエマルションインキを製造することができる。更に、前記2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンは、イソチアゾロン系の抗菌剤として使用されており、この抗菌作用もエマルションの安定性向上に寄与していると考えられる。
前記2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン(ただし、アルキル部分の炭素数は2以上である)の前記水相における含有量は、0.005〜0.1質量%が好ましく、0.01〜0.07質量%がより好ましい。前記含有量が0.05質量%未満であると、添加効果の持続性が少なくなることがあり、0.1質量%を超えて添加しても、定着性、及びインキ安定性の面においてそれ以上の効果は得られず、却ってコスト高を招いてしまうことがある。
前記2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンは、水に難溶であるため、溶解助剤としての多価アルコール中に溶解させてから水、添加剤等で希釈して使用される。
−多価アルコール−
前記多価アルコールは、上述したように、前記2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン(ただし、アルキル部分の炭素数は2以上である)の水相への溶解助剤として使用される。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリット、マンニット、ソルビット、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールの前記水相における添加量は、0.5〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。前記添加量が0.5質量%未満であると、2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンの溶解助剤として不足してしまうことがあり、20質量%を超えて添加してもそれ以上の溶解助剤としての効果は得られず、却ってコスト高を招いてしまうことがある。
−ポリビニルピロリドン−
前記ポリビニルピロリドン(PVP)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。該ポリビニルピロリドンの持つ造膜性によって定着性の改善に寄与することができる。
前記ポリビニルピロリドン(PVP)としては、例えば、下記構造式(2)で表されるものを好適に用いることができる。
ただし、前記構造式(2)中、nは重合度を表す。
前記ポリビニルピロリドンは、K値が15〜30であることが好ましい。ここで、前記K値とは、ポリビニルピロリドンの平均分子量、重合度、固有粘度の目安となる数値を意味する。前記K値が30を超えると、ポリビニルピロリドンを添加する水相の粘度が高くなりすぎ、インキ粘度が高くなってインキパックからのインキの吸引や印刷時の紙への浸透を阻害してしまうことがある。
前記K値は、ポリビニルピロリドン粘度の測定値から導き出すことができ、下記数式1のFikentscherの公式に基づき算出することができる。
<数式1>
ただし、前記数式1中、cは、g/100ml溶液における濃度を表す。ηrelは、溶媒と比較した溶液の粘度を表す。
前記ポリビニルピロリドンの前記水相における添加量は、固形濃度分で0.5〜6.0質量%が好ましい。前記添加量が0.5質量%未満であると、定着性、及び保存安定性に対する効果が不足することがあり、6.0質量%を超えて添加してもそれ以上の効果は得られず、却ってコスト高になってしまうことがある。
前記水相には、前記ポリビニルピロリドン以外にもその他の水溶性高分子化合物を必要に応じて添加することができる。該その他の水溶性高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然高分子化合物、半合成高分子化合物、合成高分子化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記天然高分子化合物としては、例えば、デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等が挙げられる。
前記半合成高分子化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。
前記合成高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル酸樹脂誘導体;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子化合物等が挙げられる。
前記水としては、清浄であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水道水、イオン交換水、蒸留水等を使用することができる。
前記水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、低級飽和一価アルコール、グリコール、多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記低級飽和一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。前記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。
これらの中でも、水相の揮発等によるインキの経時劣化を抑える効果及びエマルションの安定化の作用により、アルキド樹脂のコロ跡汚れに対する効果を維持したまま、ドラム内での長期間放置でのインキの変質を小さくさせることが可能となる点でグリセリンが特に好ましい。
前記水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤の前記水相における添加量は、例えば15質量%以下が好ましく、4〜12質量%がより好ましい。
前記電解質は、エマルションの安定性を高めるために添加され、エマルションの安定度向上に有効な離液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するのが好ましい。離液順列が高い陰イオンとしては、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液順列が高い陽イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンである。ここで添加される電解質としては少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記イオンよりなる塩が好ましく、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、等が挙げられる。これらの中でも、2価の陰イオン含有化合物が好ましく、硫酸マグネシウムが特に好適である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電解質の前記水相における添加量は、例えば、0.1〜2質量%が好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましい。
前記水中油型(O/W)樹脂エマルションとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、合成高分子化合物でも天然高分子化合物でもよい。前記合成高分子化合物としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂等が挙げられる。前記天然高分子化合物としては、孔版印刷用エマルションインキに普通に用いられる油相に添加できる高分子化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記水中油型樹脂エマルションの分散方法についても特に制限はなく、分散剤、保護コロイド、界面活性剤を添加していてもよく、またソープフリー乳化重合によって合成したものでもよい。前記水中油型樹脂エマルションの最低造膜温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、40℃以下が好ましい。
前記防腐・防かび剤は、エマルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期間保存する場合に有効である。該防腐・防かび剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、サリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物又はその塩素化合物、ソルビン酸、デヒドロ酢酸等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記防腐・防かび剤の前記水相における添加量は、3質量%以下が好ましく、0.1〜1.2質量%がより好ましい。
前記pH調整剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等が好適に挙げられる。必要に応じてこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範囲からはずれると、水溶性高分子化合物が添加されている場合にその効果が損なわれてしまうことがある。
<油相>
前記油相としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、着色剤、着色剤分散剤、樹脂、酸化防止剤、乳化剤、植物油、鉱物油、体質顔料などのその他の成分を含有してなる。
−着色剤−
前記着色剤は、水相及び油相のいずれにも添加することができる。
前記着色剤としては、各種色調の公知の顔料、分散染料などを用いることができ、これらの中でも、顔料が特に好ましい。前記着色剤としては、例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック類;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉;弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;無金属フタロシアニン顔料、銅フタロシアニン顔料等のフタロシアニン系顔料;アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、イソインドリン系色素、ジオキサンジン系色素、スレン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジゴ系色素、キノフタロン系色素、金属錯体等の縮合多環系顔料;酸性又は塩基性染料のレーキ等の有機顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料;蛍光顔料、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記蛍光顔料としては、合成樹脂を塊状重合する際又は重合した後に様々な色相を発色する蛍光染料を溶解又は染着し、得られた着色塊状樹脂を粉砕して微細化した、所謂合成樹脂固溶体タイプのもので、染料を担持する合成樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、スルホンアミド樹脂、アルキド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、等が挙げられる。
前記着色剤としてのカーボンブラックを油相に添加する場合には、pH5未満の酸性のカーボンブラックが好適である。一方、カーボンブラックを水相に添加する場合には、カーボンブラックのpHは5以上が好ましく、6〜10がより好ましく、7〜9が更に好ましい。前記カーボンブラックとしては、市販品を用いることができ、例えば、MA−100、MA−7、MA−77、MA−11、#40、#44(いずれも三菱化学株式会社製)、Raven1100、Raven1080、Raven1255、Raven760、Raven410(いずれもコロンビヤンカーボン社製)、などが挙げられる。
前記不溶性着色剤の平均粒径は、0.01〜1.0μmが好ましく、0.01〜0.5μmがより好ましい。
前記着色剤の孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常2〜15質量%が好ましい。
−着色剤分散剤−
前記着色剤分散剤としては、エマルションの形成を阻害しないものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する乳化剤用非イオン界面活性剤、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート化合物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、ポリエチレンイミン、アルキロールアミン塩、インキの保存安定性を阻害しない範囲であればイオン性界面活性剤、両性界面活性剤なども使用可能であり、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、顔料の分散効果(アルミニウムキレート化合物の吸着効果とポリグリセリン脂肪酸エステル化合物の立体障害効果の相乗効果)による顔料の浸透性向上によって、更にコロ跡汚れに効果がある点からアルミニウムキレート化合物及びポリグリセリン脂肪酸エステル化合物から選択される少なくともいずれかが好ましい。
前記着色剤分散剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、着色剤の総質量の40質量%以下が好ましく、2〜35質量%がより好ましい。
−樹脂−
前記樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキド樹脂、ロジン;重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンポリエステル樹脂、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂;ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂;マレイン酸樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;環化ゴム等のゴム誘導体樹脂;テルペン樹脂;重合ひまし油、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルキド樹脂が特に好ましい。
前記樹脂の重量平均分子量は、定着性及び印刷適性から3万〜15万が好ましく、5.5万〜15万がより好ましい。これらの樹脂は日石0号ソルベントに対し溶解性を有するトレランスが1g/g以上(1gの樹脂に1g以上の0号ソルベントが相溶可能である)の樹脂が好ましい。また、前記樹脂の前記油相における添加量は、インキのコスト及び印刷適正の点から2〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
前記樹脂の重量平均分子量が低い場合及び添加量が少ない場合には、定着性への効果が小さいことがあり、一方、重量平均分子量が高すぎたり、樹脂の添加量が多い場合にはインキの粘度が高くなり、ドラム後端からインキが漏れるなどの印刷適性の問題が生じることがある。
前記アルキド樹脂は、酸価が15以下であり、10以下がより好ましい。また、ヨウ素価が80以下が好ましく、80〜110がより好ましい。また、前記アルキド樹脂の油長は、前記油脂中の脂肪酸がトリグリセライドで存在したときの樹脂中の質量%で表され、通常60〜90質量%が好ましい。前記アルキド樹脂の重量平均分子量は3万以下が好ましく、1万以下がより好ましい。
ここで、前記アルキド樹脂の酸価は、例えば、JIS K0070により測定することができる。前記アルキド樹脂のヨウ素価は、例えば、JIS K0070により測定することができる。
前記アルキド樹脂としては、上記物性を満たすものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常、油脂、多塩基酸、及び多価アルコールを含有してなる。前記油脂としては、例えば、ヤシ油、パーム油、オリーブ油、ひまし油、米糠油、綿実油、大豆油、アマニ油、キリ油などが挙げられ、これらの中でも、大豆油が特に好ましい。前記多塩基酸としては、飽和多塩基酸及び不飽和多塩基酸のいずれかを用いることができる。前記飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。前記不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリット、マンニット、ソルビットなどが挙げられる。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤は、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)、クエン酸エステル、抽出トコフェロール、トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、亜硫酸塩類、チオ硫酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤の前記油相における添加量は、例えば2質量%以下が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
−乳化剤−
前記乳化剤としては、油中水型のエマルションを形成することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該非イオン系界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳化剤の前記孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.5〜15質量%が好ましく、2〜8質量%がより好ましい。
−植物油−
前記植物油としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、なたね油、サフラワー油、ごま油、ひまし油、脱水ひまし油、つばき油、オリーブ油、やし油、米油、綿実油、パーム油、あまに油、パーム核油、桐油、カメリアオイル、グレープシード油、スイートアルモンド油、ピスタチオナッツ油、ホホバ油、マカデミアンナッツ油、メドウホーム油、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記エステル化植物油としては、前記植物油をエステル化したものが挙げられ、前記エステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル等が挙げられる。該エステル化植物油としては、例えば、エステル化大豆油が特に好ましい。
前記アルキド樹脂として、油脂が大豆油である大豆油脂肪酸アルキド樹脂を用い、エステル化大豆油を使用することにより、大豆油由来成分の合計が6%を超えることで、アメリカ大豆協会のSOYマークの認定を受けることができ、安全性の点でも有利となる。
前記植物油の孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、1〜35質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
−鉱物油−
前記鉱物油としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、石油系溶剤、スピンドル油、流動パラフィン、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑油、モーター油、等が挙げられ、これらの中でも、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、石油系溶剤が特に好ましい。
前記パラフィン系オイルとしては、市販品を用いることができ、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックシリーズ、新日本石油株式会社製の日石スーパーオイルシリーズ、出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイル、ダイアナフレシアシリーズ等が挙げられる。
前記ナフテン系オイルとしては、環分析によるナフテン成分の炭素含有量(CN)が30%以上であり、芳香族成分の炭素の含有量(CA)が20%以下であり、かつパラフィン成分の炭素含有量(CP)が55%以下であるものが好適であり、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックオイル155及び300ID、ガーゴオイルアークティックオイルライト、ガーゴオイルアークティックオイルCヘビー;出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイル、ダイアナフレシアシリーズ;日本サン石油株式会社製のサンセンオイルシリーズなどが挙げられる。
前記石油系溶剤としては、市販品を用いることができ、例えば、エクソン化学社製のアイソパーシリーズ(C、E、G、H、L、M等)及びエクソール(D30、D40、D80、D110、D130等);新日本石油株式会社製のAFソルベントシリーズ(4号、5号、6号、7号等)、などが挙げられる。
これらの鉱物油は、インキの安定性等を考慮した場合、3環以上の縮合芳香族環を含む芳香族炭化水素である多環芳香族成分が3質量%未満のものを使用することが好ましい。また、変異原性指数(MI)が1.0未満、アロマ分(%C)が20〜55%、アニリン点が100℃以下であって、かつオイル全質量基準でベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、ジベンゾ[a,j]アクリジン等の多環芳香族の含有量がそれぞれ10ppm以下であり、かつ合計含有量が50ppm以下である。
なお、必要に応じて安全性の高いアロマ系オイル(例えば、特開平11−80640号公報)を使用することもできる。
前記鉱物油の前記孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜35質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
−ゲル化剤−
前記ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインキの保存安定性、定着性、及び流動性等を向上させる役割を有し、油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。該ゲル化剤としては、例えば、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等が挙げられる。具体的には、オクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゲル化剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、油相中の樹脂の総量に対し15質量%以下が好ましく、5〜10質量%がより好ましい。
−体質顔料−
前記体質顔料は、インキ中には滲み防止、粘度調整のために油相、水相、又は両相に添加することができ、無機微粒子及び有機微粒子のいずれかが好ましい。前記無機微粒子としては、例えば、白土、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、ケイソウ土、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。前記有機微粒子としては、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリシロキサン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、又はこれらの共重合体、などが挙げられる。
前記体質顔料の前記孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜50質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
なお、本発明の孔版印刷用エマルションインキには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラムとの分離をよくするため、或いは印刷用紙の巻き上がり防止等のために油相にワックスを添加することができる。また、水相には、トリエタノールアミンや水酸化ナトリウム等を添加して、水溶性高分子化合物を添加することにより高粘度化を更に増進させることができる。さらに、水相に防錆剤や消泡剤を添加して印刷の際に印刷機がインキによって錆びたり、インキが泡立つことを防止することができる。これらの添加剤は、孔版印刷用エマルションインキに添加されている公知品を必要に応じて添加すればよく、その添加量は従来品の場合と同程度でよい。
本発明の孔版印刷用エマルションインキの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法の中から適宜選択することができるが、例えば、常法により油相及び水相液を予め別々に調製し、前記油相中に水相を添加して、ディスパーミキサー、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等の公知の乳化機内で乳化させることにより製造することができる。
具体的には、着色剤、溶剤、及び乳化剤を混合し、高速ディゾルバーにて攪拌した。その後、ビーズミルを用いて分散処理を行って油相を調製する。一方、多価アルコール、及び2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン(ただし、アルキル部分の炭素数が2以上である)を混合し、この混合液を水に良く溶解させて水相を調製する。次いで、乳化機を使用し、前記油相液を仕込んで液を撹拌しながら、徐々に前記水相液を添加して乳化させることにより、孔版印刷用エマルションインキを製造することができる。
本発明の孔版印刷用エマルションインキは、ずり速度20sec−1の時の粘度が3〜40Pa・sが好ましく、10〜30Pa・sがより好ましい。
以上説明したように、本発明の孔版印刷用エマルションインキは、定着性に優れ、かつ保存安定性が良好であり、輪転孔版印刷機による孔版印刷に好適に用いられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
参考例1)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
油相液は、下記組成の着色剤、溶剤、及び乳化剤を混合し、高速ディゾルバーにて攪拌
した。その後、ビーズミル(LMZ2、アシザワ・ファインテック株式会社製)を用いて
分散処理を行って調製した。
水相液は、多価アルコール、及び2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを
混合し、この混合液を水に良く溶解させて調製した。
次に、乳化機(日光ケミカルズ株式会社製、乳化試験機ET−3A型)を使用し、前記
油相液を仕込んで液を撹拌しながら、徐々に前記水相液を添加した。以上により、参考
1の孔版印刷用エマルションインクを作製した。
<油相の組成>
・着色剤(チャンネルブラック)・・・6.00質量部
・溶剤(#30モーターオイル)・・・19.00質量部
・乳化剤1(ソルビタンセスキオレエート)・・・4.00質量部
・乳化剤2(ソルビタンモノオレエート)・・・2.00質量部
<水相の組成>
・水(イオン交換水)・・・64.95質量部
・多価アルコール(グリセリン)・・・4.00質量部
・2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン・・・0.05質量部
(実施例2)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例1において、油相及び水相の組成を以下に示すように変えた以外は、参考例1と
同様にして、実施例2の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
<油相の組成>
・着色剤(チャンネルブラック)・・・6.00質量部
・溶剤(#30モーターオイル)・・・19.00質量部
・乳化剤1(ソルビタンセスキオレエート)・・・4.00質量部
・乳化剤2(ソルビタンモノオレエート)・・・2.00質量部
<水相の組成>
・水(イオン交換水)・・・59.95質量部
・多価アルコール(グリセリン)・・・4.00質量部
・2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン・・・0.05質量部
・30質量%ポリビニルピロリドン水溶液・・・5.00質量部(水相中固形分2.2質量%)
(比較例1)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例1において、油相及び水相の組成を以下に示すように変えた以外は、参考例1と
同様にして、比較例1の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
<油相の組成>
・着色剤(チャンネルブラック)・・・6.00質量部
・溶剤(#30モーターオイル)・・・19.00質量部
・乳化剤1(ソルビタンセスキオレエート)・・・4.00質量部
・乳化剤2(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)・・・2.00質量部
<水相の組成>
・水(イオン交換水)・・・64.95質量部
・多価アルコール(グリセリン)・・・4.00質量部
・2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(防腐剤)・・・0.05質量部
(比較例2)
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
参考例1において、油相及び水相の組成を以下に示すように変えた以外は、参考例1と
同様にして、比較例2の孔版印刷用エマルションインキを調製した。
<油相の組成>
・着色剤(チャンネルブラック)・・・6.00質量部
・溶剤(#30モーターオイル)・・・19.00部
・乳化剤1(ソルビタンセスキオレエート)・・・4.00質量部
・乳化剤2(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)・・・2.00質量部
<水相の組成>
・水(イオン交換水)・・・65.00質量部
・多価アルコール(グリセリン)・・・4.00部
次に、得られた孔版印刷用エマルションインキについて、以下のようにして、定着性及び保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
<定着性の評価>
得られた各孔版印刷用エマルションインキについて、サテリオA400(株式会社リコ−製)を用い、ベタ面積100cmを有する原稿で製版し、上質紙55K、30枚を印刷した。その時、印刷画像の30枚目のベタ部を反射式光学濃度計(マクベス社製、RD914)で、ベタ部9点のIDを測定し、その平均値を擦り前の画像濃度とした。
また、画像濃度計測後、ID測定した画像面を消しゴムを取り付けたクロックメーターで10往復擦り、擦った後に同様にベタ部9点のIDを測定し、その平均値を擦り後の画像濃度とした。
得られた擦り前後の画像濃度の結果から、下記数式1により定着率を算出した。
<数式1>
定着率(%)=(擦り後の画像濃度/擦り前の画像濃度)×100
<保存安定性の評価>
各孔版印刷用エマルションインキを密閉容器に入れ、50℃の恒温槽内に1ヶ月間放置して、放置によるインク成分の分離や変質を目視観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
○:インクの分離や変質が認められない。
△:インクから油又は水が滲み出ている。
×:インク成分が完全に分離している。
表1の結果から、比較例1は、水相中に2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−
オンの代わりにアルキル部分の炭素数が1つである2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン含有するため、定着率が低く、保存安定性がやや劣るものである。比較例2は、2
−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有しないため、定着率が低く、保存
安定性が劣るものである。
これに対し、水相中に2−N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、及び多価ア
ルコールを含有する参考例1及び実施例2は、比較例1及び2に比べて定着率が高く、保存安定性が良好であることが確認できた。更に、水相中にポリビニルピロリドンを添加した実施例2はより定着性が向上することが認められる。
本発明の孔版印刷用エマルションインキは、定着性に優れ、かつ保存安定性が良好であるため、輪転孔版印刷機による孔版印刷に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該水相中に下記構造式
    (1)で表される2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オン、及び多価アルコールを
    含有し、かつ該水相中にポリビニルピロリドンを含有することを特徴とする孔版印刷用エマルションインキ。

    ただし、前記構造式(1)中、Rは、炭素数2以上のアルキル基を表す。
  2. 2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンが、2−N−オクチル−4−イソチアゾ
    リン−3−オンである請求項1に記載の孔版印刷用エマルションインキ。
  3. 2−アルキル−4−イソチアゾリン−3−オンの水相における含有量が、0.005〜
    0.1質量%である請求項1から2のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキ。
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