JP3803786B2 - 孔版印刷用油中水滴型エマルションインク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は孔版印刷用エマルションインクに関するものであり、より詳細には、職場環境の汚濁を防ぎ、また被印刷物への定着性に優れるとともに裏移りがなく、良質の印刷物が得られる孔版印刷用油中水滴型エマルションインクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
孔版印刷用エマルションインクを油相あるいは水相中の着色剤の分散工程から製造することは、コスト及びインク処方への迅速な対応が可能になるなどメリットが多い。しかし、着色剤としてカーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックを扱う職場はカーボン飛散による環境汚染が重要な問題となる。
【0003】
カーボンブラックの飛散による環境汚染を防ぐために、カーボンブラックをフレコンバックに詰めたものを納入し、フレコンバックからプレミキシング釜へのカーボンブラックの移送を完全密閉とし、カーボンブラックを減圧にてプレミキシング釜に吸引したりするなどの努力が成されてきた。
ところが、この方法ではフレコンバック開封時にカーボンブラックが飛散するなど、職場環境の汚濁防止は満足のいくものとはなっていない。
更にはフレコンバックコスト、完全密閉型カーボン移送〜プレミキシング設備が高価でありコスト面で不利となる。またカーボンブラック量の計測は、フレコンバッグよりプレミキシング釜へ減圧によって移送する際の移送量によるもので、カーボンブラック計量のバラツキが大きい。このため、インク中に占めるカーボンブラック量が変動してインキの品質にも影響する可能性がある。
【0004】
一方、孔版印刷用エマルションインクに求められる画像品質として定着性と裏移りがある。孔版印刷は他の印刷方法と比較して紙へのインク付着量が多く、また乾燥はインクの紙への浸透乾燥のみであるので、特に定着性と裏移りが課題となる。
定着性が低くなると印刷物を整理したり移動させたりする際に、紙同士やあるいは指での摩擦により画像からインクが剥離してしまい、画像品質が劣化する。あるいは画像上のインクが印刷機より排紙された次の画像裏面を汚してしまう、いわゆる裏移りが発生する場合がある。
【0005】
上記の定着性、裏移りの問題はともに孔版印刷用エマルションインクの油相あるいは水相中カーボンの分散性が悪く、印刷後の紙上に粗大カーボン粒子が多く残ってしまうことが主要因であると考えられている。また、油相あるいは水相中における着色剤の分散性は、孔版印刷用油中水滴型エマルションインクの安定性にも影響しており、着色剤の分散が悪いと油分離等の不具合を引き起こすことが知られている。
【0006】
そうしたことから、インクに分散剤を添加して紙などの被印刷物への着色剤の浸透性を高めることが試みられている〔高分子学会編、印刷適正 P.234 印刷学会出版部発行(1970);その他〕。また、特公平5−62628号公報には、水相重量の5重量%以上の高沸点非水溶性溶剤を含む孔版印刷用エマルションインクが提案され、特開平6−172691号公報には0.5〜5重量%のワックスを含む孔版印刷用エマルションインクが提案されている。さらに、特開平5−117564号公報や特開平4−372671号公報等には、定着性を高める等の目的でゲル化剤を含む孔版印刷用エマルションインクが提案されている。しかし、これらの従来技術によって充分に裏移りを防止し、良好な定着性を得るのは困難であり、より優れた裏移り防止技術の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、職場環境を良好に保持し、且つ定着性にすぐれ、裏移り減少を生じないで、安定性が良好な孔版印刷用油中水滴型エマルションインクを提供することをその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は着色用カーボンブラックの物性によってカーボンブラックの取り扱い作業環境が良くも悪くもなり、また印刷後のインクの乾燥性や定着性が大きく変動すると考え、改めてカーボンブラックについて検討を行なった。
カーボンブラックのみかけ比重の値が低いものは、見かけ粒度が小さくかさ高く、空中に飛散し易いため、カーボンブラック取り扱い作業環境を著しく悪化させる。また、カーボンブラックのみかけ比重の値が高いと見かけ粒度は大きく、空中への飛散は著しく改善される。しかし、見かけ比重が高いと一般にカーボンブラック粒は硬くなるので、孔版印刷用油中水滴型エマルションインクの油相、あるいは水相中での分散を見かけ比重の値が低いカーボンブラックと同等にまで分散することは困難となる。
【0009】
そこで孔版印刷用油中水滴型エマルションインクの系で鋭意、研究の結果、カーボンブラックの見かけ比重(測定 ASTM;D1513)が400g/l〜500g/lで作業環境、画像品質、及び安定性が良好な孔版印刷用油中水滴型エマルションを得ることができた。さらにカーボンブラックのpH価を5以下(測定ASTM;D1512)にすることで更なる改善を達成することを見出した。カーボンのpH価が低いとカーボン表面の官能基が(−COOH、−OH基)が豊富であり、バインダーとの相性が良く、分散がさらに良好になるものと思われる。
【0010】
従って、本発明によれば、油相約10〜90重量%と水相90〜10重量%によって構成される油中水滴型エマルションインクにおいて、着色剤として添加されるカーボンブラックの少なくとも一部が、みかけ比重(測定 ASTM;D1513)が400g/l〜500g/l及びpH価(ASTM;D1512)が5以下の物性値を備えていることを特徴とする孔版印刷用油中水滴型エマルションインクが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
上記のように、本発明のインクに添加されているカーボンブラックは、みかけ比重(測定ASTM;D1513)が400g/l〜500g/lであり、好ましくは450g/lから480g/lである。またpH価が5以下(ASTM;D1512)であり、好ましくは3.5以下である。
このカーボンブラックの粒子径は15〜45nm、好ましくは20〜30nmであるのが有利である。(ASTM;D3849)
【0013】
本発明のインクに添加されるカーボンブラックは、前記物性値を備えていれば単一品でも2種以上混合物であっても良い。また、着色剤には前記物性値を持つカーボンブラックと別の着色剤とを混ぜて使うこともできるが、この場合は前記物性値のカーボンブラックを着色剤全重量の70%重量以上、好ましくは85重量%以上とするのが望ましい。そして、インク内への着色剤添加量は1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%とするのが良い。
【0014】
本発明のインクに前記物性値のカーボンブラックと共に添加することのできる着色剤を例示すると、前記とは物性値の異なるカーボンブラック;アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料及び天然染料系顔料等の顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料;等が挙げられる。これらの染顔料類は、単独でも2種以上混合して添加しても良い。
【0015】
本発明の孔版印刷用油中水滴型エマルションインクは、油相約10〜90重量%と水相約90〜10重量%によって構成されるエマルションインクであり、インク内には上記カーボンブラックのほか、少なくとも油、水及び乳化剤を含有させることが必要である。
【0016】
そして、ここで使われる水は清浄であれば良く、具体的には水道水、イオン交換水、蒸留水等を使えば良い。
【0017】
インク製造用の油は公知の鉱物油や植物油等であり、具体的には石油系溶剤、スピンドル油、流動パラフィン、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑油、モーター油等の鉱物油;あまに油、トール油、大豆油、とうもろこし油、オリーブ油、なたね油、ひまし油、脱水ひまし油等の植物油;等が例示される。また、ポリイソブチレン類、水素化ポリデセン類、トリメチロールプロパンエステル類、ネオペンチルエステル類、ペンタエリスリトールエステル類、シロキサン類、シリコーン類、フロロカーボン類、アルキル置換ジフェニルエーテル類、フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の合成油も使用可能である。なお、石油系溶剤としてはエクソン社のアイソパーや日本石油社の日石ソルベント等の混合溶剤を使っても良い。そして、これらの油は単独でも2種以上混合して使っても良い。
【0018】
乳化剤には非イオン界面活性剤を使うのが望ましく、具体的にはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物等が例示される。
これらは単独又は2種以上混合してインクに添加すれば良く、添加量はインク重量の1〜8重量%、好ましくは2〜5.5重量%とすれば良い。
【0019】
以上のほか、油相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で樹脂、着色剤の分散剤、ゲル化剤及び酸化防止剤等を添加することができる。なお、前記した着色剤や乳化剤も油相に含まれる。また、水相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で水溶性高分子、防腐・防かび剤、水の蒸発抑制剤、凍結防止剤、pH調整剤、電解質を添加することができる。
【0020】
油相に添加される樹脂は、着色剤と被印刷物との固着、着色剤の分散及びインクの経時安定性向上等のために従来から添加されているバインダー樹脂である。従って、従来から添加されている樹脂を添加すれば良く、具体的にはロジン;重合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル等のロジン形樹脂;ロジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂;フェニール樹脂;石油樹脂;アルキッド樹脂;ゴム誘導体;重合ひまし油;等を1種又は2種以上混合して添加すれば良い。また、添加量はインク重量の10重量%以下、好ましくは1〜7重量%とすれば良い。
【0021】
カーボンブラック等の着色剤用分散剤には、前記の乳化剤用非イオン界面活性剤を使うことができる。このほか、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合物、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩等も使用可能である。
これらの分散剤は単独又は2種以上混合して添加すれば良く、その添加量は着色剤重量の40重量%以下、好ましくは2〜35重量%とすれば良い。
【0022】
ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化してインクの保存安定性、定着性、流動性等を向上させる役割を持ち、本発明のインクに添加されるゲル化剤としては油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。
このような化合物を例示すると、Li、Na、K、Al、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。
これらのゲル化剤は、1種又は2種以上を油相に添加すれば良く、その添加量は油相中の樹脂の15重量%以下、好ましくは5〜10重量%である。
【0023】
油相に添加される酸化防止剤は、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール等であり、これらの添加によって油相中のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインク粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインク中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量%である。なお、酸化防止剤は単独でも2種以上を混合して使っても良い。
【0024】
エマルションインクの水相に添加される水溶性高分子は、補湿や増粘のために添加されるものであり、具体的には下記の天然又は合成高分子が添加される。
デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合成高分子;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル酸樹脂誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子、その他。
これらの水溶性高分子は単独でも2種以上混合して添加しても良く、インクに含まれる水の25重量%以下、好ましくは0.5〜15重量%添加される。
【0025】
水相に添加される防腐・防かび剤は、エマルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加され、エマルションを長期間保存する場合は防腐・防かび剤の添加が普通である。防腐・防かび剤としてはサリチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物及びその塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢酸等が使用され、これらは単独でも2種以上混合して使っても良い。
また、その添加量は、インク中に含まれる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重量%とするのが良い。
【0026】
水の蒸発抑制剤と凍結防止剤は兼用可能であり、これらの目的で添加される薬品はエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アルコール;グリセリンやソルビトール等の多価アルコール;等である。これらの薬品は1種又は2種以上を添加すれば良く、その添加量はインク中の水重量の15重量%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0027】
水相に添加されるpH調整剤は、トリエタノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等であり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相のpHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されている場合にその効果が損なわれるなどの問題がある。
【0028】
水相に添加される電解質は、エマルションの安定性を高めるために添加されるものである。従って、該電解質にはエマルションの安定度向上に有効な離液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するのが良い。離液順列が高い陰イオンは、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液順列が高い陽イオンはアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンであるから、ここで添加される電解質としては少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記イオンよりなる塩が好ましい。
従って、ここで添加される電解質としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等が好ましく、その添加量は水相の0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%である。
【0029】
上記のほか、本発明の孔版印刷用油中水滴型エマルションインクには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上がり防止等のために油相にワックスを添加することができる。また、水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナトリウム等を添加して、水溶性高分子添加による高粘度化を更に増進させることができる。さらに、水相に防錆剤や消泡剤を添加して印刷の際に印刷機がインクによって錆びたり、インクが泡立つことを防止することができる。
これらの添加剤は、孔版印刷用インクに添加されている公知品を必要に反して添加すれば良く、その添加量は従来品の場合と同程度で良い。
【0030】
本発明のエマルションインクは、油相及び水相液を調製し、この両者の公知の乳化機内で乳化させてインクとすれば良い。すなわち、着色剤、乳化剤及び必要に応じて添加される樹脂等の添加物を良く分散させた油を常法で調製し、これに防腐・防かび剤や水溶性高分子等が必要に応じて添加されている水溶液を徐々に添加して乳化させれば良い。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるものではない。なお、以下に記す部は重量部である。
【0032】
実施例1
【0033】
【0034】
油相液は、150℃で油に樹脂を溶解させ、この液にカーボンブラックと界面活性剤と酸化防止剤、油とを混合し、高速ディゾルバにて周速7m/sec.で30min.攪拌した。(Max.0.5mm程度の粗大カーボンあり(目視))
その後、ビーズミル(LMZ2、アシザワ社製)にて下記条件にて分散処理を行い油相を得た。
ジルコニア製ビーズ系;1.5mm
周速;10mm/s
流速;0.7L/min
水相液は、防腐・防かび剤を水に良く溶解させて調製した。そして、乳化機として日光ケミカルズ社製の乳化試験機ET−3A型を使用し、この中に油相液を仕込んで400r.p.mの速度で液を攪拌しながら、徐々に水相液を添加してエマルションインクを製造した。なお、エマルションインク300gを製造する場合に水相液の添加には15分を要した。
【0035】
比較例1
油相液及び水相液の組成を変えた以外は実施例1と同様にしてエマルションインクを製造した。
(油相液組成)
着色剤 カーボンブラック(ラーベン780、コロンビアン・
カーボン社製、みかけ比重465g/l、pH7.4)
3.0部
油 スピンドル油 15部
樹脂 ロジン変性フェノール樹脂
(ハリマ化成社製:商品名P−140) 5.0部
界面活性剤 (1)ソルビタンセスキオレエート
(花王社製:商品名レオドールAO−15) 3.7部
(2)ソルビタンモノオレエート
(花王社製:商品名レオドールAO−10) 2.3部
酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0036】
【0037】
比較例2
油相液及び水相液の組成を変えた以外は実施例1と同様にしてエマルションインクを製造した。
(油相液組成)
着色剤 カーボンブラックBLACK PEARLS−L
(キャボット社製、みかけ比重505g/l、pH2.5)
3.0部
油 スピンドル油 15部
樹脂 ロジン変性フェノール樹脂
(ハリマ化成社製:商品名P−140) 5.0部
界面活性剤 (1)ソルビタンセスキオレエート
(花王社製:商品名レオドールAO−15) 3.7部
(2)ソルビタンモノオレエート
(花王社製:商品名レオドールAO−10) 2.3部
酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0038】
【0039】
比較例3
油相液及び水相液の組成を変えた以外は実施例1と同様にしてエマルションインクを製造した。
(油相液組成)
着色剤 カーボンブラック(ラーベン460、コロンビアン・
カーボン社製、みかけ比重510g/l、pH 8.0)
3.0部
油 スピンドル油 15部
樹脂 ロジン変性フェノール樹脂
(ハリマ化成社製:商品名P−140) 5.0部
界面活性剤 (1)ソルビタンセスキオレート
(花王社製:商品名レオドールAO−15) 3.7部
ソルビタンモノオレエート
(花王社製:商品名レオドールAO−10) 2.3部
酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0040】
【0041】
比較例4
油相液及び水相液の組成を変えた以外は実施例1と同様にしてエマルションインクを製造した。
(油相液組成)
着色剤 カーボンブラック(ラーベン1255、コロンビアン・
カーボン社製、みかけ比重 255g/l、pH2.5)
3.0部
油 スピンドル油 15部
樹脂 ロジン変性フェノール
(ハリマ化成社製:商品名P−140) 5.0部
界面活性剤 (1)ソルビタンセスキオレエート
(花王社製:商品名レオドールAO−15) 3.7部
(2)ソルビタンモノオレエート
(花王社製:商品名レオドールAO−10) 2.3部
酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0042】
【0043】
(作業環境性の評価)
実施例1、比較例1〜4でのインク作成中の作業環境性を下記表1(カーボン取り扱い時の作業環境性)の基準にて評価した。評価結果を表3に示す。
【表1】
【0044】
(エマルションインクの評価)
実施例1及び比較例1〜4のエマルションインクを使用し、リコー社製の画像評価用印刷用紙に孔版印刷する方法によって、印刷時に起こる裏移りの発生状況及び印刷画像の定着性について評価した。また、実施例1及び比較例1〜4のエマルションインクの保存安定について評価した。これらの評価方法は以下の通りである。なお、評価用の印刷にはリコー社製印刷機JP5500を使用した。評価結果を表3に示す。
【0045】
(1)裏移りの発生状況
気温20℃、相対湿度65%の環境下に種の印刷速度で30枚づつ印刷し、30枚の印刷時に発生する裏移りの状況を調べた。また、裏移りの発生状況は目視で調べ、下記表2に示す評価基準に従って用紙1枚毎に点数を付け、30枚の平均点数を算出した。なお、印刷速度は80枚/分で行った。
【0046】
【表2】
【0047】
(2)画像の定着性
東洋精機社製クロックメーターで印刷画像を10回こすり、こする前後の画像濃度をマクベス濃度計RD915で測定して定着性を百分率で表した。すなわち、定着性(%)=〔(こすってから測定した画像濃度)/(こする前に測定した画像濃度)〕×100で表される。
【0048】
(3)インクの保存安定性
密閉容器に入れたインクを50℃の恒温槽内に1ヶ月間放置し、放置によるインク成分の分離や変質を目視で調べ、インクの分離や変質が認められない場合を○、インクから油又は水が滲み出ている場合を△、インク成分が完全に分離している場合を×で表した。
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】
実施例1及び比較例1〜4の結果から明らかなように、孔版印刷用油中水滴型エマルションインクに着色剤として添加されるカーボンブラックの見かけ比重(測定ASTM:D1513)が400〜500g/lの範囲にあれば、カーボンブラックの取り扱い時の作業環境がよくなるだけでなく、印刷画像の定着性や裏移りの点でも良好な結果が得られる。
Claims (1)
- 油相約10〜90重量%と水相90〜10重量%によって構成される油中水滴型エマルションインクにおいて、着色剤として添加されるカーボンブラックの少なくとも一部が、みかけ比重(測定 ASTM;D1513)が400g/l〜500g/l及びpH価(ASTM;D1512)が5以下の物性値を備えていることを特徴とする孔版印刷用油中水滴型エマルションインク。
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