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JP2007172969A - 電池 - Google Patents

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JP2007172969A
JP2007172969A JP2005367877A JP2005367877A JP2007172969A JP 2007172969 A JP2007172969 A JP 2007172969A JP 2005367877 A JP2005367877 A JP 2005367877A JP 2005367877 A JP2005367877 A JP 2005367877A JP 2007172969 A JP2007172969 A JP 2007172969A
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terphenyl
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methoxyphenyl
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JP2005367877A
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Masakazu Umehara
将一 梅原
Masanori Machida
昌紀 町田
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

【課題】高温環境下であっても、また、低温環境下であっても、特性を向上させることができる電池を提供する。
【解決手段】電解質層24は、電解液と、この電解液を保持する高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。電解液には、炭酸エチレンと炭酸プロピレンとジフェニルエーテルなどの芳香族化合物とが含まれている。電解液における低誘電率溶媒の含有量は3体積%以下である。高分子化合物は、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ化ビニリデンを成分として含む重合体を含有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、添加剤を含む電解質を用いた電池に関する。
携帯電話あるいは携帯情報端末などの携帯型電子機器の電源として、電池が重要な位置を占めている。これらの電子機器では、更なる小型軽量化が要求され、電池についても軽量化が求められており、また、機器内の収納スペースを効率的に利用できる形状等にすることが求められている。このような要求に応える電池としては、例えば、エネルギー密度あるいは出力密度の大きなリチウムイオン二次電池が最も適格である。
このリチウムイオン二次電池では、過充電状態になると、正極からリチウム(Li)が過剰に引き抜かれ、負極には過剰なリチウムが挿入されてしまい、両極の熱的安定性が低下してしまう。これにより、非水溶媒が分解され、電池温度が上昇してしまい、ショートが生じてしまうという問題があった。このような問題は、特にエネルギー密度が増加するほど重要になる。
そこで、アニソール誘導体、テルフェニル誘導体、ジフェニルカーボネート誘導体、ビフェニル誘導体あるいは芳香族エーテル化合物などの芳香族化合物を電解液に少量添加することが提案されている(例えば、特許文献1〜5参照。)。これらの芳香族化合物は、4.5V程度の電位で酸化分解され、重合して正極に被膜を形成することにより、過充電を消費することができるからである。
米国特許第5709968号明細書 特開2005−135906号公報 特開2005−322610号公報 特開平7−302614号公報 特開平9−50822号公報
しかしながら、高温環境下では、これらの芳香族化合物の酸化重合電位が低下すると共に、正極中の電位が均一ではなく部分的に高い箇所が存在しているので、正極において、芳香族化合物が部分的に酸化重合されて負極方向に成長してしまい、内部ショートを起こして開回路電圧が低下してしまうという問題があった。
また、一般に、低温特性を向上させるためには、誘電率が低い鎖式炭酸エステルなどの低誘電率溶媒が用いられるが、上述した芳香族化合物は極性が低く、電解液における溶解性が低いので、低誘電率溶媒と混合して用いると析出してしまい、逆に低温特性が低下してしまうという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高温環境下であっても、また、低温環境下であっても、特性を向上させることができる電池を提供することにある。
本発明の電池は、正極および負極と共に電解質を備えたものであって、電解質は、電解液と、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体とを含有し、電解液は、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンを含む溶媒と、芳香族化合物とを含有し、溶媒おいて、比誘電率が10以下の低誘電率溶媒の含有量は3体積%以下のものである。
本発明の電池によれば、電解液に炭酸エチレンを含むようにしたので、イオン伝導率を向上させることができる。また、電解液に芳香族化合物を含むようにしたので、過充電時における熱的安定性を向上させることができる。更に、電解質に、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体を含むようにしたので、高温環境下における内部ショートを抑制することができ、開回路電圧の低下を抑制することができる。更にまた、溶媒における低誘電率溶媒の含有量を3体積%以下とすると共に、炭酸プロピレンを用いるようにしたので、低温環境下における芳香族化合物の析出を抑制することができ、低温特性を向上させることができる。よって、高温環境下であっても、また、低温環境下であっても、特性を向上させることができる。
また、炭酸エチレンと、炭酸プロピレンとの体積比(炭酸エチレン:炭酸プロピレン)を30:70から50:50とするようにすれば、初回充電時におけるガスの発生を抑制しつつ、低温特性をより向上させることができる。
更に、電解質における重合体の含有量を5質量%以上15質量%以下とするようにすれば、低温特性の低下を抑制しつつ、高温環境下における内部ショートを抑制することができ、開回路電圧の低下を抑制することができる。
更にまた、電解液における芳香族化合物の含有量を0.5質量%以上4質量%以下とするようにすれば、過充電時における熱的安定性をより向上させることができると共に、低温特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る二次電池の一構成例を分解して表すものである。この二次電池は、正極リード11および負極リード12が取り付けられた巻回電極体20をフィルム状の外装部材31の内部に収納した構成を有している。
正極リード11および負極リード12は、それぞれ例えば短冊状であり、外装部材31の内部から外部に向かい例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極リード11は、例えばアルミニウム(Al)などの金属材料により構成されており、負極リード12は、例えばニッケル(Ni)などの金属材料により構成されている。
外装部材31は、例えば、ナイロンフィルム,アルミニウム箔およびポリプロピレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材31は、例えば、ポリプロピレンフィルム側と巻回電極体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。
外装部材31と正極リード11および負極リード12との間には、正極リード11および負極リード12と、外装部材31の内側との密着性を向上させ、外気の侵入を防止するための密着フィルム32が挿入されている。密着フィルム32は、正極リード11および負極リード12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば、正極リード11および負極リード12が上述した金属材料により構成される場合には、ポリエチレン,ポリプロピレン,変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
図2は、図1に示した巻回電極体20のII−II線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体20は、正極21と負極22とをセパレータ23および電解質層24を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
正極21は、例えば、正極集電体21Aと、この正極集電体21Aの両面あるいは片面に設けられた正極活物質層21Bとを有している。正極集電体21Aには、例えば長手方向における一方の端部に正極活物質層21Bが設けらず露出している部分があり、この露出部分に正極リード11が取り付けられている。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウムなどの金属材料により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料の1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてグラファイトなどの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどの結着材を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物,リチウムリン酸化物,リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、2種以上を混合して用いてもよい。特に、エネルギー密度を高くするには、一般式Lix MIO2 で表されるリチウム複合酸化物あるいはLiy MIIPO4 で表されるリチウムリン酸化物が好ましい。なお、式中、MIおよびMIIは1種類以上の遷移金属を含んでおり、例えば、コバルト(Co),ニッケル,マンガン(Mn),鉄(Fe),アルミニウム,バナジウム(V)およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10の範囲内の値である。Lix MIO2 で表されるリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO2 ,LiNiO2 ,LiMnO2 ,LiCoa Ni(1-a) 2 (0<a<1),LiCob Fe(1-b) 2 (0<b<1),LiCod (1-d) 2 (0<d<1),LiCof Mn(1-f) 2 (0<f<1),LiMn2 4 ,LiMn(2-g) Cog 2 (0<g<2),LiMn(2-h) Nih 4 (0<h<2),LiMn(2-j) j 4 (0<j<2)あるいはLiMn(2-k) Fek 4 (0<k<2)などがあり、中でも、LiCoO2 ,LiNiO2 ,LiMn2 4 あるいはLiCoa Ni(1-a) 2 が好ましい。よりエネルギー密度を高くすることができるからである。また、Liy MIIPO4 で表されるリチウムリン酸化物の具体例としては、LiFePO4 ,LiFe0.5 Mn0.5 PO4 などが挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、また、MnO2 ,MoO3 ,V2 5 ,V6 13,Fe2 3 ,Fe3 4 ,TiS2 ,TiS3 ,MoS3 ,FeS2 ,CuF2 あるいはNiF2 などのリチウムを含有しない化合物も挙げられる。
負極22は、例えば、正極21と同様に、負極集電体22Aと、この負極集電体22Aの両面あるいは片面に設けられた負極活物質層22Bとを有している。負極集電体22Aには、例えば長手方向における一方の端部に負極活物質層22Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に負極リード12が取り付けられている。負極集電体22Aは、例えば、銅(Cu)などの金属材料により構成されている。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて正極活物質層21Bと同様の結着材を含んで構成されている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、炭素材料,金属酸化物あるいは高分子材料などが挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素,易黒鉛化炭素,黒鉛類,熱分解炭素類,コークス類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,活性炭およびカーボンブラックなどの炭素材料のいずれか1種または2種以上を用いることができる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子化合物を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化スズなどが挙げられ、高分子材料としては、ポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
リチウムなどを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成可能なマグネシウム(Mg),ホウ素(B),アルミニウム,ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn),鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモン(Sb),およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。
電解質層24は、例えば、電解液と、この電解液を保持する高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。
電解液は、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンを含む溶媒と、電解質塩と、添加剤として芳香族化合物とを含有しており、溶媒における比誘電率が10以下の低誘電率溶媒の含有量は3体積%以下である。炭酸エチレンを含むことにより、イオン伝導率を高くすることができるからである。また、芳香族化合物を含むことにより、過充電時における熱的安定性を向上させることができるからである。更に、溶媒における低誘電率溶媒の含有量を3体積%以下とすると共に、誘電率が高い炭酸プロピレンを用いるようにすることにより、低温環境下における芳香族化合物の析出を抑制することができ、低温特性を向上させることができるからである。なお、低誘電率溶媒の含有量は、溶媒において3体積%以下であればよく、低誘電率溶媒は含まれていなくてもよい。低誘電率溶媒としては、例えば、炭酸ジエチル,炭酸ジメチルあるいは炭酸エチルメチルなどの鎖式炭酸エステルが挙げられる。
溶媒としては、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンに加えて、他の溶媒を混合して用いてもよい。他の溶媒としては、例えば、炭酸ブチレン,炭酸ビニレン,γ−ブチロラクトンあるいはγ−バレロラクトンが挙げられる。他の溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
炭酸エチレンと、炭酸プロピレンとの体積比(炭酸エチレン:炭酸プロピレン)は、30:70から50:50であることが好ましい。炭酸プロピレンの割合が少ないと、低温特性を向上させる効果が十分ではなく、炭酸プロピレンの割合が多いと、初回充電時に分解してガス化してしまうからである。
芳香族化合物としては、例えば、ビフェニル、ビフェニル誘導体、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン誘導体、テルフェニル、テルフェニル誘導体、エーテルあるいはカーボネートが挙げられる。
ビフェニル誘導体としては、例えば、4−メチルビフェニル、4−エチルビフェニル、4−プロピルビフェニル、4−iso−プロピルビフェニル、4−ブチルビフェニル、4−iso−ブチルビフェニル、4−tert−ブチルビフェニル、4−ペンチルビフェニル、4−tert−ペンチルビフェニル、あるいは4−(1−エチル−1−メチルプロピル)ビフェニルが挙げられる。シクロヘキシルベンゼン誘導体としては、例えば、1−シクロヘキシル−4−メチルベンゼン、1−シクロヘキシル−4−メトキシベンゼン、(4−メチルシクロヘキシル)ベンゼン、1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼン、1−シクロヘキシル−3−フルオロベンゼン、1−シクロヘキシル−4−フルオロベンゼン、1−(4−メチルシクロヘキシル)−2−フルオロベンゼン、1−(4−メチルシクロヘキシル)−3−フルオロベンゼン、あるいは1−(4−メチルシクロヘキシル)−4−フルオロベンゼンが挙げられる。テルフェニルとしては、例えば、o−テルフェニル、m−テルフェニル、あるいはp−テルフェニルが挙げられる。テルフェニル誘導体としては、例えば、2−メチル−o−テルフェニル、あるいは2,2’−ジメチル−o−テルフェニルが挙げられる。エーテルとしては、例えば、ジフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフェニルエーテル、4−フルオロジフェニルエーテル、あるいはシクロヘキシルジフェニルエーテルが挙げられる。カーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、ビス(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(2−フルオロ−3−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(3−フルオロ−5−メトキシフェニル)カーボネート、あるいはビス(3−フルオロ−6−メトキシフェニル)カーボネートが挙げられる。芳香族化合物は、いずれか1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
芳香族化合物の含有量は、電解液において、0.5質量%以上4質量%以下であることが好ましい。含有量が少ないと、過充電時における熱的安定性を向上させる効果が十分ではなく、含有量が多くても、低温特性が低下してしまうからである。
電解質塩としては、例えば、LiPF6 ,LiAsF6 ,LiClO4 ,LiBF4 ,LiCF3 SO3 ,LiN(CF3 SO2 2 ,あるいはLiC4 9 SO3 などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩は、いずれか1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
電解質塩の濃度は、電解液において、0.05mol/l以上5.0mol/l以下であることが好ましい。この範囲内で高いイオン伝導性を得ることができるからである。
高分子化合物は、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体を含有している。高温環境下において、芳香族化合物が部分的に酸化重合して成長する方向を電極に平行な方向とすることができ、内部ショートの発生による開回路電圧の低下することができるからである。
フッ化ビニリデンを成分として含む重合体としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンを成分とする共重合体が挙げられる。共重合体の具体例としては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体,フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、あるいはこれらに更に他の不飽和モノマーを共重合したものなどが挙げられる。フッ化ビニリデンを成分として含む重合体は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
電解質層24における重合体の含有量は、5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。重合体の含有量が少ないと、内部ショートによる開回路電圧の低下を抑制する効果が十分ではなく、重合体の含有量が多いと、リチウムイオンの移動が阻害され、内部抵抗の上昇により低温特性が低下してしまうからである。
高分子化合物としては、これらの重合体に加えて、他の高分子化合物を含んでいてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極活物質と結着材と導電材とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることにより正極合剤スラリーを作製する。次いで、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aの両面あるいは片面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し正極21を作製する。続いて、例えば、正極集電体21Aに正極リード11を、例えば超音波溶接あるいはスポット溶接により接合する。そののち、電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を用意し、正極活物質層21Bの上、すなわち正極21の両面あるいは片面に塗布し、混合溶剤を揮発させて、電解質層24を形成する。
また、例えば、負極活物質と結着材とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることにより負極合剤スラリーを作製する。次いで、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aの両面あるいは片面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。続いて、負極集電体22Aに負極リード12を、例えば超音波溶接あるいはスポット溶接により接合すると共に、負極活物質層22Bの上、すなわち負極22の両面あるいは片面に、正極21と同様にして電解質層24を形成する。
そののち、電解質層24が形成された正極21と負極22とをセパレータ23を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体20を形成する。最後に、例えば、外装部材31に巻回電極体20を挟み込み、外装部材31の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード11および負極リード12と外装部材31との間には密着フィルム32を挿入する。これにより、図1および図2に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、正極21からリチウムイオンが放出され、電解質層24を介して、負極22に吸蔵される。次いで、放電を行うと、負極22からリチウムイオンが放出され、電解質層24を介して正極21に吸蔵される。その際、電解質層24には、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体が含まれているので、高温環境下において、電極に平行な方向に芳香族化合物が成長し、内部ショートの発生が抑制される。また、溶媒における低誘電率溶媒の含有量が3体積%以下であると共に、炭酸プロピレンが含まれているので、低温環境下において、芳香族化合物の析出が抑制される。
このように、本実施の形態では、電解液に炭酸エチレンを含むようにしたので、イオン伝導率を向上させることができる。また、電解液に芳香族化合物を含むようにしたので、過充電時における熱的安定性を向上させることができる。更に、電解質層24に、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体を含むようにしたので、高温環境下における内部ショートを抑制することができ、開回路電圧の低下を抑制することができる。更にまた、溶媒における低誘電率溶媒の含有量を3体積%以下とすると共に、炭酸プロピレンを用いるようにしたので、低温環境下における芳香族化合物の析出を抑制することができ、低温特性を向上させることができる。よって、高温環境下であっても、また、低温環境下であっても、特性を向上させることができる。
また、炭酸エチレンと、炭酸プロピレンとの体積比(炭酸エチレン:炭酸プロピレン)を30:70から50:50とするようにすれば、初回充電時におけるガスの発生を抑制しつつ、低温特性をより向上させることができる。
更に、電解質層24における重合体の含有量を5質量%以上15質量%以下とするようにすれば、低温特性の低下を抑制しつつ、高温環境下における内部ショートを抑制することができ、開回路電圧の低下を抑制することができる。
更にまた、電解液における芳香族化合物の含有量を0.5質量%以上4質量%以下とするようにすれば、過充電時における熱的安定性をより向上させることができると共に、低温特性を向上させることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−3)
まず、正極活物質としてLiCoO2 と、導電材として黒鉛と、結着材としてポリフッ化ビニリデンとを混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとしたのち、この正極合剤スラリーをアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aに均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。そののち、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード11を取り付けた。
また、負極活物質として人造黒鉛と、結着材としてポリフッ化ビニリデンとを混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとしたのち、銅箔よりなる負極集電体22Aに均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。そののち、負極集電体21Aの一端にニッケル製の負極リード12を取り付けた。
続いて、溶媒として炭酸エチレンと炭酸プロピレンと、必要に応じて低誘電率溶媒としての炭酸ジエチルとを混合した混合溶媒に、芳香族化合物としてジフェニルエーテルを添加し、更に電解質塩としてLiPF6 を溶解して電解液を作製した。その際、炭酸ジエチルの割合を3体積%以下の範囲で変化させた。具体的には、炭酸エチレンと炭酸プロピレンと炭酸ジエチルとの体積比(炭酸エチレン:炭酸プロピレン:炭酸ジエチル)を、実施例1−1では50:50:0とし、実施例1−2では50:49:1とし、実施例1−3では50:47:3とした。また、電解液におけるジフェニルエーテルの含有量は2質量%とした。更に、電解液におけるLiPF6 の濃度は、0.7mol/kgとした。
この電解液と、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体と、混合溶剤として炭酸ジメチルとを混合し、溶解させゾル状の前駆溶液を作製した。重合体は、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体とし、共重合体におけるヘキサフルオロプロピレンの割合は、6.9質量%とした。また、電解液と、共重合体との質量比による混合割合は、電解液:共重合体=90:10とした。
得られた前駆溶液を正極21および負極22のそれぞれにバーコーターを用いて塗布し、混合溶剤を揮発させてゲル状の電解質層24を形成した。
そののち、電解質層24をそれぞれ形成した正極21と負極22とを、ポリエチレンフィルムからなるセパレータ23を介して積層し、巻回して巻回電極体20を作製した。
得られた巻回電極体20をラミネートフィルムよりなる外装部材31に挟み込み、減圧封入することにより図1および図2に示した二次電池を作製した。
実施例1−1〜1−3に対する比較例1−1〜1−5として、溶媒における低誘電率溶媒の割合を3体積%超としたことを除き、他は実施例1−1〜1−3と同様にして二次電池を作製した。具体的には、炭酸エチレンと炭酸プロピレンと炭酸ジエチルとの体積比(炭酸エチレン:炭酸プロピレン:炭酸ジエチル)を、比較例1−1では50:45:5とし、比較例1−2では50:30:20とし、比較例1−3では50:25:25とし、比較例1−4では50:20:30とし、比較例1−5では50:0:50とした。
実施例1−1〜1−3および比較例1−1〜1−5の二次電池について次のようにして低温特性を調べた。まず、23℃で1Cの定電流充電を上限4.2Vまで行ったのち、4.2Vで2.5時間にわたり定電圧充電を行い、続いて、23℃で0.5Cの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、このときの放電容量(23℃における放電容量)を求めた。また、23℃で1Cの定電流充電を上限4.2Vまで行ったのち、4.2Vで2.5時間にわたり定電圧充電を行い、続いて、−20℃で0.5Cの定電流放電を終止電圧2.5Vまで行い、このときの放電容量(−20℃における放電容量)を求めた。低温特性は、23℃における放電容量に対する−20℃における放電容量の割合、すなわち、(−20℃における放電容量/23℃における放電容量)×100(%)から求めた。結果を表1に示す。なお、1C,0.5Cは、理論容量を、それぞれ1時間,2時間で放出しきる電流値を表す。
Figure 2007172969
表1に示したように、溶媒における炭酸ジエチルの割合が少なくなるに伴い、低温特性は上昇し、特に、溶媒における炭酸ジエチルの含有量を3体積%以下とした実施例1−1〜1−3において、高い値が得られた。
すなわち、芳香族化合物を用い、溶媒における低誘電率溶媒の含有量を3体積%以下とするようにすれば、低温特性を向上させることができることが分かった。
(実施例2−1〜2−6)
電解液におけるジフェニルエーテルの含有量を6質量%,5質量%,4質量%,1質量%,0.5質量%,0.4質量%としたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。
実施例2−1〜2−6に対する比較例2−1として、ジフェニルエーテルを用いなかったことを除き、他は実施例2−1〜2−6と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例2−1〜2−6および比較例2−1の二次電池について、実施例1−1〜1−3と同様にして低温特性を調べた。結果を表2に示す。
また、実施例1−1,2−1〜2−6および比較例2−1の二次電池について、1Cの定電流充電を3.6Vから12Vまで2.5時間行うことにより過充電状態とし、電池表面における最高温度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2007172969
表2に示したように、電解液におけるジフェニルエーテルの割合が多くなるに伴い、過充電時における電池の最高温度は低くなり、低温特性は低下する傾向が観られた。
すなわち、電解液に芳香族化合物を含むようにすれば、過充電時における熱的安定性を向上させることができ、電解液における芳香族化合物の含有量を0.5質量%以上4質量%以下とするようにすれば、熱的安定性をより向上させることができると共に、低温特性をより向上させることができることが分かった。
(実施例3−1〜3−5)
フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体の混合割合を変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。具体的には、電解液と共重合体との質量比による混合割合(電解液:共重合体)を、実施例3−1では60:40とし、実施例3−2では70:30とし、実施例3−3では80:20とし、実施例3−4では85:15とし、実施例3−5では95:5とした。
実施例3−1〜3−5に対する比較例3−1として、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を用いなかったことを除き、他は実施例3−1〜3−5と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例3−1〜3−5および比較例3−1の二次電池について、実施例1−1〜1−3と同様にして低温特性を調べた。結果を表3に示す。
また、実施例1−1,3−1〜3−5および比較例3−1の二次電池について、次のようにして高温保存特性を調べた。まず、23℃で1Cの定電流充電を上限4.2Vまで行ったのち、4.2Vで2.5時間にわたり定電圧充電を行った。続いて、80℃で1週間保存し、開回路電圧を測定した。高温保存特性は、このときの開回路電圧が4.05V以上のものを内部ショートなしとし、開回路電圧が4.05V未満のものを内部ショートありとした。結果を表3に示す。
Figure 2007172969
表3に示したように、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体の割合が少なくなるに伴い、低温特性は向上し、特に、15質量%以下とした実施例1−1,3−4,3−5において、高い値が得られた。また、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を用いていない比較例3−1では、高温保存時に内部ショートが生じた。
すなわち、電解質層24に、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体を含有するようにすれば、高温環境下における内部ショートを抑制することができ、電解質層24における重合体の含有量を5質量%以上15質量%以下とするようにすれば、低温特性をより向上させることができると共に、高温環境下における内部ショートを抑制することができることが分かった。
(実施例4−1〜4−6,5−1〜5−6,6−1〜6−6,7−1〜7−6)
ジフェニルエーテルに代えて、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、o−テルフェニル、またはジフェニルカーボネートを用いたことを除き、他は実施例3−1〜3−4,1−1,3−5とそれぞれ同様にして二次電池を作製した。
実施例4−1〜4−6,実施例5−1〜5−6,実施例6−1〜6−6,実施例7−1〜7−6に対する比較例4−1,5−1,6−1,7−1として、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を用いなかったことを除き、他は実施例4−1〜4−6,5−1〜5−6,6−1〜6−6,7−1〜7−6と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例および比較例の二次電池について、実施例1−1〜1−3と同様にして低温特性を調べた。また、実施例3−1〜3−5と同様にして高温保存特性を調べた。結果を表4〜表7に示す。
Figure 2007172969
Figure 2007172969
Figure 2007172969
Figure 2007172969
表4〜表7に示したように、実施例1−1,3−1〜3−5と同様の結果が得られた。すなわち、他の芳香族化合物を用いても、電解質層24に、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体を含有するようにすれば、高温環境下における内部ショートを抑制することができ、電解質層24における重合体の含有量を5質量%以上15質量%以下とするようにすれば、低温特性をより向上させることができると共に、高温環境下における内部ショートを抑制することができることが分かった。
(実施例8−1〜8−6)
炭酸エチレンと、炭酸プロピレンとの混合割合を変化させたことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。具体的には、炭酸エチレンと炭酸プロピレンとの体積比による混合割合(炭酸エチレン:炭酸プロピレン)を、実施例8−1では70:30とし、実施例8−2では60:40とし、実施例8−3では40:60とし、実施例8−4では30:70とし、実施例8−5では20:80とし、実施例8−6では10:90とした。
実施例8−1〜8−6の二次電池について、実施例1−1〜1−3と同様にして低温特性を調べた。結果を表8に示す。
また、実施例1−1,8−1〜8−6の二次電池について、23℃で0.2Cの定電流充電を上限4.2Vまで行ったのち、4.2Vで5時間にわたり定電圧充電を行い、ガスの発生による電池の膨れを調べた。組立後の厚みから10%以上厚くなったセルを膨れありとし、10%未満を膨れなしとした。結果を表8に示す。なお、0.2Cは、理論容量を5時間で放出しきる電流値を表す。
Figure 2007172969
表8に示したように、炭酸エチレンと、炭酸プロピレンとの体積比を30:70から50:50とした実施例1−1,8−3,8−4において、良好な低温特性を示すと共に、膨れの発生が抑制された。
すなわち、炭酸エチレンと、炭酸プロピレンとの体積比(炭酸エチレン:炭酸プロピレン)を30:70から50:50とするようにすれば、初回充電時におけるガスの発生を抑制しつつ、低温特性をより向上させることができることが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、フィルム状の外装部材を用いた巻回構造を有する二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、円筒型,コイン型,シート型,ボタン型あるいは角型などの他の形状を有する二次電池、または正極および負極を折り畳んだり、あるいは正極および負極を積層した他の積層構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。更に、二次電池に限らず一次電池にも適用することができる。
また、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの長周期型周期表における他の1族の元素、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などの長周期型周期表における2族の元素、またはアルミニウムなどの他の軽金属、またはリチウムあるいはこれらの合金を用いる場合についても、本発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。その際、電極反応物質を吸蔵および放出することが可能な正極活物質あるいは溶媒などは、その電極反応物質に応じて選択される。
更に、上記実施の形態および実施例では、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状の電解質を用いる場合について説明したが、これらの電解質に加えて、他の電解質を混合するようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性を有する固体電解質が挙げられる。
固体電解質には、例えば、イオン伝導性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させた高分子固体電解質、またはイオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などよりなる無機固体電解質を用いることができる。このとき、高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートあるいはポリアクリレートなどのエステル系高分子化合物を単独あるいは混合して、または分子中に共重合させて用いることができる。また、無機固体電解質としては、窒化リチウムあるいはヨウ化リチウムなどを用いることができる。
本発明一実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図1に示した巻回電極体のII−II線に沿った構成を表す断面図である。
符号の説明
11…正極リード、12…負極リード、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…電解質層、25…保護テープ、31…外装部材、32…密着フィルム

Claims (10)

  1. 正極および負極と共に電解質を備えた電池であって、
    前記電解質は、電解液と、フッ化ビニリデンを成分として含む重合体とを含有し、
    前記電解液は、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンを含む溶媒と、芳香族化合物とを含有し、
    溶媒おいて、比誘電率が10以下の低誘電率溶媒の含有量は3体積%以下である
    ことを特徴とする電池。
  2. 炭酸エチレンと、炭酸プロピレンとの体積比(炭酸エチレン:炭酸プロピレン)は、30:70から50:50であることを特徴とする請求項1記載の電池。
  3. 前記電解質における前記重合体の含有量は5質量%以上15質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の電池。
  4. 前記電解液における前記芳香族化合物の含有量は、0.5質量%以上4質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の電池。
  5. 前記芳香族化合物は、ビフェニル、ビフェニル誘導体、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン誘導体、テルフェニル、テルフェニル誘導体、エーテルおよびカーボネートからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1記載の電池。
  6. 前記ビフェニル誘導体は、4−メチルビフェニル、4−エチルビフェニル、4−プロピルビフェニル、4−iso−プロピルビフェニル、4−ブチルビフェニル、4−iso−ブチルビフェニル、4−tert−ブチルビフェニル、4−ペンチルビフェニル、4−tert−ペンチルビフェニル、および4−(1−エチル−1−メチルプロピル)ビフェニルからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5記載の電池。
  7. 前記シクロヘキシルベンゼン誘導体は、1−シクロヘキシル−4−メチルベンゼン、1−シクロヘキシル−4−メトキシベンゼン、(4−メチルシクロヘキシル)ベンゼン、1−シクロヘキシル−2−フルオロベンゼン、1−シクロヘキシル−3−フルオロベンゼン、1−シクロヘキシル−4−フルオロベンゼン、1−(4−メチルシクロヘキシル)−2−フルオロベンゼン、1−(4−メチルシクロヘキシル)−3−フルオロベンゼン、および1−(4−メチルシクロヘキシル)−4−フルオロベンゼンからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5記載の電池。
  8. 前記テルフェニルまたは前記テルフェニル誘導体は、o−テルフェニル、m−テルフェニル、p−テルフェニル、2−メチル−o−テルフェニル、および2,2’−ジメチル−o−テルフェニルからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5記載の電池。
  9. 前記エーテルは、ジフェニルエーテル、4−ブロモジフェニルエーテル、4,4−ジブロモジフェニルエーテル、4−フルオロジフェニルエーテル、およびシクロヘキシルジフェニルエーテルからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5記載の電池。
  10. 前記カーボネートは、ジフェニルカーボネート、ビス(2−フルオロ−6−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(2−フルオロ−4−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(2−フルオロ−3−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(4−フルオロ−2−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)カーボネート、ビス(3−フルオロ−5−メトキシフェニル)カーボネート、およびビス(3−フルオロ−6−メトキシフェニル)カーボネートからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項5記載の電池。
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