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JP2007148158A - 液晶表示装置 - Google Patents

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JP2007148158A
JP2007148158A JP2005344462A JP2005344462A JP2007148158A JP 2007148158 A JP2007148158 A JP 2007148158A JP 2005344462 A JP2005344462 A JP 2005344462A JP 2005344462 A JP2005344462 A JP 2005344462A JP 2007148158 A JP2007148158 A JP 2007148158A
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JP2005344462A
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Manabu Haraguchi
学 原口
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

【課題】反射による光の損失を最小限に抑え;円偏光分離層の剥離などの劣化が無く、輝度ムラ、の表示品質の低下の無い耐久性に優れた液晶表示装置を提供することにある。
【解決手段】 直線偏光子A(4)、液晶セル、直線偏光子B(3)、正面方向からのレターデーションReが透過光の波長の約1/4で且つ厚み方向からのレターデーションRthが0nm未満である、光学異方性素子C(5)、及び円偏光分離素子(6) をこの順に有し、直線偏光子B(3)と光学異方性素子C(5)とが一体になっており、一体になった直線偏光子B(3)及び光学異方性素子C(5)と、円偏光分離素子(6)との間に空間が形成されるように配置されている、液晶表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、さらに詳しくは反射による光の損失を最小限に抑え、円偏光分離素子の層剥離や反りなどが生じず、輝度ムラやモアレなどの発生による表示品質の低下の無い、耐久性に優れた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置の輝度を高くするために、円偏光分離素子と1/4波長板とRth(={(n+n)/2−n}×d;n、nは面内で直交する主屈折率で、n>nである。nは厚み方向の主屈折率、dは膜厚である。)が負の値を持つ位相差素子とを組み合わせたものを、液晶パネルと光源との間に配置することが知られている。
例えば、特許文献1には、光拡散板を挟むようにその両面にコレステリック液晶層を配置した偏光分離シート(円偏光分離素子)、Rthが−20〜−2000nmである位相差素子、及び1/4波長板を配置した液晶表示装置が開示されている。特許文献2では、上記偏光分離シート、位相差素子、1/4波長板をこの順に積層したものを輝度向上フィルムと称している。
特許文献2には、表面に凹凸形状を賦形したコレステリック相の液晶層を有する光学積層体(円偏光分離素子)、Rthが−20〜−2000nmである位相差素子、及び1/4波長板を配置した液晶表示装置が開示されている。特許文献2では、上記光学積層体、位相差素子、1/4波長板をこの順で直接に又は粘着剤等を介して積層したものを輝度向上フィルムと称している。
液晶表示装置は3〜4の要素で構成されるので、特許文献3の段落番号(0003)に記載されているように、要素の各界面での反射損による光量減衰が生じ、単なる重ね合わせ配置の場合には単純計算で70〜80%の光利用効率に留まる。そこで、特許文献3は、コレステリック液晶層からなる偏光分離フィルム(円偏光分離素子)と1/4波長板とを応力緩和性に優れる粘着層を介して積層すると、反射損が減り、光の利用効率が向上すると教示している。
特開2005−91825号公報 特開2005−37657号公報 特開平9−189811号公報
ところが、本発明者の検討によると、特許文献1〜3に記載のように、円偏光分離素子と1/4波長板又は位相差素子とを積層すると、熱膨張率の相違などによって両者間に応力が生じることは避けられず、液晶層の剥離や輝度向上フィルムの反りという現象を生じたりすることがあることがわかった。これらの現象は、輝度ムラやモアレなどを発生させ、表示品質を著しく損なうことになる。
よって、本発明の目的は、反射による光の損失を最小限に抑え、円偏光分離素子の層剥離や反りなどが生じず、輝度ムラやモアレなどの発生による表示品質の低下の無い、耐久性に優れた液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、液晶セルの光源側に配される直線偏光子Bと、円偏光分離素子との間に、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4で且つ厚み方向のレターデーションRthが0nm未満である、光学異方性素子Cを配し、直線偏光子Bと光学異方性素子Cとを一体にし、一体にした直線偏光子B及び光学異方性素子Cと、円偏光分離素子との間に空間を確保するように配置することによって、反射による光の損失を最小限に抑え且つ円偏光分離素子の性能を十分に発揮させて、光の利用効率を大幅に高め、且つ円偏光分離素子の層剥離や反りが生じず、表示品質の低下が無い、耐久性に優れた液晶表示装置が得られることを見いだした。
さらに、円偏光分離素子と、光学異方性素子とが対向する二つの面のうち、少なくとも一方の面に凹凸形状を備えることによって、又は、円偏光分離素子又は光学異方性素子Cの少なくとも一方に光拡散性を備えることによって、反射による光の損失を最小限に抑え且つ円偏光分離素子の性能を十分に発揮させて、光の利用効率を大幅に高めることができるとともに、円偏光分離素子の層剥離や反りが生じず、輝度ムラ、モアレなどの表示品質の低下が無い、耐久性に優れた液晶表示装置が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして本発明によれば、
(1)直線偏光子A、液晶セル、直線偏光子B、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4で且つ厚み方向のレターデーションRthが0nm未満である、光学異方性素子C、及び円偏光分離素子 をこの順に有し、直線偏光子Bと光学異方性素子Cとが一体になっており、一体になった直線偏光子B及び光学異方性素子Cと、円偏光分離素子との間に空間が形成されるように配置されている、液晶表示装置が提供される。
さらに本発明によれば、好適な態様として、
(2)円偏光分離素子と、光学異方性素子Cと間の、対向する二つの面のうち少なくとも一方の面に凹凸形状が備わっている前記の液晶表示装置、
(3)一体になった直線偏光子B及び光学異方性素子Cと、円偏光分離素子との間にスペーサーが介在されている前記の液晶表示装置。
(4)円偏光分離素子又は光学異方性素子Cの少なくとも一方は光拡散性を有している前記の液晶表示装置、
(5)円偏光分離素子が、支持基材とコレステリック規則性を持った樹脂層とを有するものである前記の液晶表示装置、
(6)円偏光分離素子の総厚みが140〜350μmであり、コレステリック規則性を持った樹脂層の厚みの合計が4〜20μmである前記の液晶表示装置、
(7)円偏光分離素子の支持基材が、透明樹脂と光拡散材とを含む材料を成形してなるものである前記の液晶表示装置、
(8)円偏光分離素子のコレステリック規則性を持った樹脂層が、配向欠陥を有する前記の液晶表示装置、
(9)コレステリック規則性を持った樹脂層が、非液晶性である前記の液晶表示装置、
(10)コレステリック規則性を持った樹脂層が、重合性液晶化合物を重合して得られたものである、前記の液晶表示装置、
(11)円偏光分離素子と、光学異方性素子Cとの間に、両面に凹凸形状を備えた光学素子Dをさらに有する前記の液晶表示装置、
(12)光学異方性素子Cが、複数の光学異方性素子の組み合わせからなるものである前記の液晶表示装置、
(13)光学異方性素子Cが、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4の光学異方性素子Cと、正面方向のレターデーションReがほぼ0nmで且つ厚み方向のレターデーションRthが0nm未満の光学異方性素子Cとの組み合わせからなるものである、前記の液晶表示装置、及び/又は
(14)前記液晶セルと直線偏光子Bとの間に光学異方性素子Eをさらに有し、光学異方性素子Eと直線偏光子Bと光学異方性素子Cとがこの順で一体になっている、前記の液晶表示装置が提供される。
本発明の液晶表示装置及び偏光照明装置では、直線偏光子B及び光学異方性素子Cとが一体になっており、一体になった直線偏光子B及び光学異方性素子Cと、円偏光分離素子との間に空間が形成されるように配置されている。このような配置にすることによって、反射による光の損失を最小限に抑えることができる。また、本発明の液晶表示装置では、円偏光分離素子にひずみ等が生じ難くなるので、輝度ムラ、モアレが発生せず、さらに、耐久性が向上する。さらに、正面方向から及び斜め60度の方向から観察した表示画像はともに輝度が高く、色味分布が無く、良質である。
本発明の液晶表示装置は、直線偏光子A、液晶セル、直線偏光子B、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4で且つ厚み方向のレターデーションRthが0nm未満である、光学異方性素子C、及び円偏光分離素子 をこの順に有し、直線偏光子Bと光学異方性素子Cとが一体になっており、一体になった直線偏光子B及び光学異方性素子Cと、円偏光分離素子との間に空間(又は隙間)が形成されるように配置されているものである。
本発明に用いる直線偏光子A及び直線偏光子Bは液晶表示装置等に用いられている公知の直線偏光子である。本発明に用いる直線偏光子は直角に交わる二つの直線偏光の一方を透過するものである。例えば、ポリビニルアルコールフィルムやエチレン酢酸ビニル部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムにヨウ素や二色性染料などの二色性物質を吸着させて一軸延伸させたもの、前記親水性高分子フィルムを一軸延伸して二色性物質を吸着させたもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルムなどが挙げられる。その他に、グリッド偏光子、多層偏光子などの直線偏光を反射光と透過光に分離する機能を有する偏光子が挙げられる。これらのうちポリビニルアルコールを含有する偏光子が好ましい。
本発明に用いる直線偏光子の偏光度は特に限定されないが、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。直線偏光子の平均厚みは好ましくは5〜80μmである。
直線偏光子Aの偏光透過軸と直線偏光子Bの偏光透過軸とは、通常、直角になるように、液晶セルを挟むようにして配置する。直線偏光子は吸湿によって偏光性能が変化することがある。これを防ぐために保護フィルムが直線偏光子AまたはBの片面又は両面に通常貼り合わせてある。
保護フィルムを構成する樹脂としては、ノルボルネン樹脂、ポリエステル樹脂、アセテート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。直線偏光子と保護フィルムとは通常、水系の粘接着剤等を介して密着させる。水系の粘接着剤としては、イソシアネート粘接着剤、ポリビニルアルコール粘接着剤、ゼラチン粘接着剤、ポリウレタン粘接着剤、ポリエステル粘接着剤等を例示できる。保護フィルムは、直線偏光子と貼り合わせない側に、ハードコート層、反射防止層、低反射層、防眩層、防汚層などの層が形成されていてもよい。
液晶セルは、数μmのギャップを隔てて対向する透明電極を設けた2枚のガラス基板の間に液晶物質を充填し、この電極に電圧を掛けて液晶の配向状態を変化させて通過する光の量を制御するものである。
液晶物質の配向状態を変化させる方式(動作モード)などによって、液晶セルは分類され、例えば、TN(Twisted Nematic)型液晶セル、STN(Super Twisted Nematic)型液晶セル、HAN(Hybrid Alignment Nematic)型液晶セル、IPS(In Plane Switching)型液晶セル、VA(Vertical Alignment)型液晶セル、MVA(Multiple Vertical Alignment)型液晶セル、OCB(Optical Compensated Bend)型液晶セルなどのツイスト系若しくは非ツイスト系の液晶セル;強誘電性液晶系の液晶セル;又は内部拡散式等の光拡散型の液晶セルなどが挙げられる。
光学異方性素子Cは、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4で且つ厚み方向のレターデーションRthが0nm未満のものである。なお、ここで透過光は波長550nmの光であり、各レターデーションは波長550nmにおける値である。
レターデーションReは、(n−n)×dの計算式で求められる値である。レターデーションRthは、{(n+n)/2−n}×dの計算式で求められる値である。nは面内の最大屈折率、nは面内の最小屈折率、nは厚み方向の屈折率、dは厚みを表す。なお、この主屈折率は、自動複屈折計[例えば、王子計測器(株)製「KOBRAシリーズ」等]により測定することができる。
レターデーションReは透過光の波長の約1/4、好ましくは透過光の波長の1/4 ±10nmである。
レターデーションRthは、0nm未満、好ましくは−50〜−1000nm、より好ましくは−100〜−500nmである。
光学異方性素子Cは、樹脂からなる層を延伸することによって、ディスコティック液晶などの光学異方性材料を配向させて支持基体に積層することによって、又は複数の光学異方性素子を組み合わせることによって得ることができる。
光学異方性素子Cを延伸によって得るために用いる樹脂としては、負の固有複屈折性を示す樹脂が好適である。負の固有複屈折性(光学弾性係数が負)を示す樹脂を延伸すると、nの値がnよりも大きくなり、前記Rthが負になりやすい。負の固有複屈折性を示す樹脂としては、スチレンポリマー、スチレン含有コポリマー、アクリロニトリル含有コポリマー、メチルメタクリレート含有コポリマー、ポリカーボネート、セルロースエステルポリマー等が挙げられる。
光学異方性素子Cは、負の固有複屈折性を示す樹脂層と正の固有複屈折性(光学弾性係数が正)を示す樹脂層とを積層してなるものを延伸することによって得ることもできる。正の固有複屈折性を示す樹脂としては、鎖状オレフィンポリマー、ポリエステル、ポリアリーレンサルファイド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアリレート、セルロースエステルポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアリルサルホン、ポリ塩化ビニル、後述の脂環式構造含有重合体樹脂等が挙げられる。
本発明に用いる光学異方性素子Cは、複数の光学異方性素子の組み合わせからなるものであってもよい。例えば、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4の光学異方性素子Cと、正面方向のレターデーションReがほぼ0nmで且つ厚み方向のレターデーションRthが0nm未満の光学異方性素子Cとの組み合わせからなるもの;正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4である光学異方性素子C11と、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/2である光学異方性素子C12と、正面方向のレターデーションReがほぼ0nmで且つ厚み方向のレターデーションRthが0nm未満の光学異方性素子Cとの組み合わせからなるものなどが挙げられる。
なお、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4である光学異方性素子C11と、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/2である光学異方性素子C12とを、遅相軸の交差角が約60度になるように組み合わせると、可視光線の広い波長領域において、約1/4波長の位相差を与える光学異方性素子C(このような素子を広帯域1/4波長板ということがある。)を得ることができる。
本発明に用いる円偏光分離素子は、入射光の内、特定波長域の右回り又は左回りの円偏光を反射し、他の円偏光を透過する性質(このような性質を、円偏光分離機能ということがある。)を有するものである。円偏光を反射する特定波長域は、赤外光領域を広く含む380nm以上であることが好ましく、可視光領域である波長380〜780nmであることがより好ましい。具体的には、青色(波長410〜470nm)、緑色(波長520〜580nm)、赤色(波長600〜660nm)のいずれの波長域の光についても円偏光分離機能を有することが好ましい。
本発明に用いる円偏光分離素子は、反射率が30%以上となる入射角0度の円偏光の最大波長が好ましくは700nm以上、より好ましくは730nm以上である。また、反射率が30%以上となる入射角60度の円偏光の最大波長が好ましくは570nm以上、より好ましくは600nm以上である。これら最大波長が前記範囲になっていることによって、斜めから観察したときの着色を無くすことができる。
円偏光分離素子としては、支持基材とコレステリック規則性を持った樹脂(以下、コレステリック樹脂ということがある)層とを有するものが挙げられる。
コレステリック規則性とは、該樹脂層平面の法線方向に進むに従って、該樹脂の分子軸の角度が次々にずれて(ねじれて)いく構造を示すことである。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造はヘリカルな構造と呼ばれる。該樹脂層平面の法線(ヘリカル軸)は、コレステリック樹脂層の厚み方向に略平行になっていることが好ましい。
円偏光分離素子は、その総厚みが、通常、140〜350μm、好ましくは200〜300μmである
また、コレステリック樹脂層の厚みの合計は、通常4〜20μm、好ましく4〜10μm、より好ましくは4〜7μmである。コレステリック樹脂層の厚みの合計が小さくなることによって波長による位相変化量の相違が小さくなる傾向になる。
円偏光分離機能を発揮する波長は、コレステリック樹脂におけるヘリカル構造のピッチ(=コレステリック規則性の周期)に依存する。ヘリカル構造のピッチとは、ヘリカル構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度がずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでのヘリカル軸方向の距離のことである。このヘリカル構造のピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。
可視光の全波長領域にわたって円偏光分離機能を発揮するコレステリック樹脂層としては、例えば、(i)ヘリカル構造のピッチの大きさを段階的に変化させたコレステリック樹脂層、(ii)ヘリカル構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層等が挙げられる。
(i)ヘリカル構造のピッチを段階的に変化させたコレステリック樹脂層は、例えば、2以上の樹脂層を積層することによって得られる。具体的には、青色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するヘリカル構造のピッチを有するコレステリック樹脂層、緑色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するヘリカル構造のピッチを有するコレステリック樹脂層及び赤色の波長域の光で円偏光分離機能を発揮するヘリカル構造のピッチを有するコレステリック樹脂層を積層することによって得ることができる。また、反射される円偏光の中心波長が470nm、550nm、640nm、及び770nmであるコレステリック樹脂層をそれぞれ作製し、これらのコレステリック樹脂層を任意に選択し、反射光の中心波長の順序で3〜7層積層することによって得ることができる。ヘリカル構造のピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層を積層する場合には、各コレステリック樹脂層で反射する円偏光の回転方向が同じであることが好ましい。また、ヘリカル構造のピッチの大きさが異なるコレステリック樹脂層の積層順序は、ヘリカル構造のピッチの大きさで、昇順又は降順になるようにするのが、視野角の広い液晶表示装置を得るために好ましい。これらコレステリック樹脂層の積層は、単に重ね置いただけでもよいし、粘着剤や接着剤を介して一体化させてもよい。
(ii)ヘリカル構造のピッチの大きさを連続的に変化させたコレステリック樹脂層は、その製法によって特に制限されない。例えば、コレステリック樹脂層を形成するための重合性液晶化合物と、カイラル剤と、重合開始剤とを含有してなる層を形成し、この層に紫外線を照射して加熱することによって得ることができる。ここで重合性液晶化合物とカイラル剤は紫外線照射における重合反応性が異なる化合物であることが好ましい。なお、カイラル剤とは、分子の配列にヘリカルな構造を付与できる化合物のことである。
紫外線照射でピッチの大きさを連続的に変化させる機構は詳細に判っていないが、つぎのような機構でピッチに傾斜が生じると言われている。前記重合性液晶化合物と、カイラル剤と、重合開始剤とを含有してなる層に照射された紫外線の受光強度は、層の表面(紫外線照射面)側では強い。層の中では紫外線は紫外線吸収剤によって吸収されるので層の深さが増すほどに紫外線受光強度が弱くなる。したがって、層の表面(紫外線照射面)から層の深さが増すにつれて重合度の差が生じる。重合性液晶化合物とカイラル剤のうち重合度の高い化合物の濃度が層表面側で高くなり、未反応成分として残った重合性液晶化合物とカイラル剤のうち重合度の低い化合物が拡散して層の反対側へと移動する。最終的に、重合性液晶化合物あるいはカイラル剤の濃度が層の深さ方向で連続的に変化した濃度勾配が形成される。カイラル剤の量はヘリカル構造のピッチの大きさに影響を与える。このようにして、深さ方向に対して連続的にヘリカル構造のピッチが変化したコレステリック樹脂層を得ることができる。
このようなタイプのコレステリック樹脂層としては、例えば、SID ’95,Asia Display.,p735(1995年);液晶、第2巻、第2号、p32−39(1998年);特表平11−514757号公報、米国公開特許20010001509号公報、米国特許6638449号公報、米国特許5948831号公報などに記載されたものがある。
コレステリック樹脂層を形成する材料としては、液晶ポリマーや重合性液晶化合物が挙げられる。中でも、重合性液晶化合物が好ましい。
この液晶ポリマーや重合性液晶化合物を膜状に塗布することによってコレステリック樹脂層を形成することができる。
コレステリック樹脂層を形成する材料に用いられる前記液晶ポリマーは、液晶性を有するポリマーである。この液晶ポリマーとしては、メソゲン構造を有するポリマーがある。メソゲンは、液晶配向性を付与する共役性の直線状原子団である。
メソゲン構造を有するポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミド等のポリマー主鎖に、直接に又は屈曲性を付与するスペーサー部を介して、パラ置換環状化合物等からなるメソゲン基を結合した構造を有するもの;ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサン、ポリマロネート等をポリマー主鎖に、直接に又は共役性の原子団からなるスペーサー部を介して、パラ置換環状化合物等からなる低分子結晶化合物(メソゲン部)を結合した構造を有するものが挙げられる。
なお、前記スペーサー部としては、ポリメチレン鎖やポリオキシメチレン鎖等が挙げられる。スペーサー部を形成する構造単位に含まれる炭素原子数は、メソゲン部の化学構造等により適宜に決定され、一般にはポリメチレン鎖の場合には、炭素原子数が1〜20、好ましくは2〜12であり、ポリオキシメチレン鎖の場合には、炭素原子数が1〜10、好ましくは1〜3である。
また、前記液晶ポリマーの他の例としては、低分子カイラル剤含有のネマチック液晶ポリマー;カイラル成分導入の液晶ポリマー;ネマチック液晶ポリマーとコレステリック液晶ポリマーの混合物等が挙げられる。カイラル成分導入の液晶ポリマーとは、それ自体がカイラル剤の機能を果たす液晶ポリマーである。ネマチック液晶ポリマーとコレステリック液晶ポリマーの混合物は、それらの混合比率を変えることによって、ネマチック液晶ポリマーのヘリカル構造のピッチを調整することができるものである。
さらに、アゾメチン形、アゾ形、アゾキシ形、エステル形、ビフェニル形、フェニルシクロヘキサン形、ビシクロヘキサン形のようなパラ置換芳香族単位やパラ置換シクロヘキシル単位等からなるネマチック配向性を付与するパラ置換環状化合物を有するものに、不斉炭素を有する化合物等からなる適宜なカイラル成分や低分子カイラル剤等を導入する方法等により、コレステリック規則性を付与したもの(特開昭55−21479号公報、米国特許第5332522号公報等を参照)も挙げることができる。なお、パラ置換環状化合物におけるパラ位の末端置換基としては、シアノ基やアルキル基、アルコキシル基等が挙げられる。
液晶ポリマーはその製法によって制限されない。液晶ポリマーは、例えば、メソゲン構造を有するモノマーをラジカル重合、カチオン重合又はアニオン重合することによって得られる。メソゲン構造を有するモノマーは、例えば、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルのようなビニル系モノマーに、直接に又はスペーサー部を介してメソゲン基を公知の方法で導入することによって得ることができる。また、液晶ポリマーは、ポリオキシメチルシリレンのSi−H結合を介し白金系触媒の存在下にビニル置換メソゲンモノマーを付加反応させることによって;主鎖ポリマーに付与した官能基を介して相間移動触媒を用いたエステル化反応によりメソゲン基を導入することによって;マロン酸の一部に必要に応じスペーサー基を介してメソゲン基を導入したモノマーとジオールとを重縮合反応させることによって得ることができる。
液晶ポリマーに導入または含有させるカイラル剤としては、例えば、特開平6−281814号公報、特開平8−209127号公報等に記載された、従来公知のものを使用することができる。
またカイラル剤としては、カイラル剤の添加によって意図しない相転移温度の変化を避けるために、カイラル剤自身が液晶性を示すものが好ましい。さらに、経済性の観点からは、液晶ポリマーを捩じる効率を表す指標であるHTP(=1/P・cで定義される値)が大きいものが好ましい。ここで、Pはヘリカル構造のピッチ長を表し、cはカイラル剤の濃度を表す。
コレステリック樹脂層を形成する材料に好適に用いられる前記重合性液晶化合物は、重合性基を有する液晶化合物である。この重合性液晶化合物としては、棒状液晶化合物が挙げられる。
棒状液晶化合物としては、式(1)で表される化合物を挙げることができる。
R1−B1−A1−B3−M−B4−A2−B2−R2 式(1)
なお、式(1)中のA1及びA2は、後述するようにスペーサー基であるが、このスペーサー基を省いて、B1とB3又はB4とB2が直接に結合していてもよい。
式(1)中、R1及びR2は重合性基を表す。重合性基であるR1、R2の具体例としては、化1に示す(r−1)〜(r−15)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007148158
B1、B2、B3及びB4は、それぞれ独立して単結合又は二価の連結基を表す。また、B3及びB4の少なくとも一方は、−O−CO−O−であるのが好ましい。
A1及びA2は炭素原子数1〜20のスペーサー基を表す。スペーサー基としては、例えば、ポリメチレン基やポリオキシメチレン基等が挙げられる。スペーサー基を形成する構造単位に含まれる炭素数は、メソゲン基の化学構造等により適宜に決定され、一般にはポリメチレン基の場合には、炭素原子数が1〜20、好ましくは2〜12であり、ポリオキシメチレン基の場合には、炭素原子数が1〜10、好ましくは1〜3である。
Mはメソゲン基を表す。メソゲン基Mの形成材料としては特に制限されないが、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
コレステリック樹脂層を形成するために用いられるより好適な材料として、前記重合性液晶化合物を含有する重合性組成物、好ましくは前記重合性液晶化合物、重合開始剤、及びカイラル剤を含有する重合性組成物が挙げられる。この材料を用いてコレステリック樹脂層を形成する方法の例としては、重合性液晶化合物、重合開始剤及びカイラル剤、さらに必要に応じて界面活性剤、配向調整剤等を溶剤に溶解させた塗布液を得、これを支持基材に膜状に塗布し、乾燥させ、乾燥させた膜中の重合性液晶化合物を重合させる方法がある。
本発明に用いるコレステリック樹脂層は非液晶性の樹脂層であることが好ましい。非液晶性のものであると、周囲の温度や電界などによってコレステリック規則性が変化しないからである。非液晶性のコレステリック樹脂層は、前記重合性組成物として、重合性基を2以上有する重合性液晶化合物を含有したものを選択し、それを重合することによって得ることができる。重合性基を2以上有する重合性液晶化合物によって、コレステリック樹脂に比較的剛直な架橋構造が導入され、液晶性を生じない樹脂が得られるのである。
前記重合開始剤には、熱重合開始剤と光重合開始剤とがあるが、重合反応が速いことから光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、多核キノン化合物(米国特許3046127号公報、米国特許2951758号公報)、オキサジアゾール化合物(米国特許4212970号公報)、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号公報、米国特許2367670号公報)、アシロインエーテル(米国特許2448828号公報)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号公報)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号公報)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号公報)などが挙げられる。
重合開始剤の量は、重合性液晶化合物100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがさらに好ましい。光重合開始剤を用いたときには、照射光として、紫外線を用いることが好ましく、中でも、波長320〜390nmの紫外線(以下、UV−Aということがある)を用いることが好ましい。UV−Aの照射エネルギーは、0.1mJ/cm〜50J/cmであることが好ましく、0.1〜800mJ/cmであることがさらに好ましい。
紫外線の照射方法は、特に制限されないが、反射帯域を広くするために、先ず、重合性液晶化合物に重合転化率が100%にならない程度の照射エネルギーの紫外線を照射し、次いで、ヘリカル構造のピッチを変化させ、そして、重合転化率が100%になるまで紫外線を照射する方法が好ましい。重合性液晶化合物の重合転化率が100%にならない程度の照射エネルギーは、重合性液晶化合物の種類によって適宜選択される。重合転化率が100%にならない程度のUV−A照射エネルギーは、通常、0.1〜250mJ/cmである。
ヘリカル構造のピッチを変化させる方法としては、例えば、液晶相を示す温度範囲内で加熱する方法、光重合した樹脂層にさらに重合性液晶化合物を含む組成物を塗布する方法、光重合した樹脂層に非液晶化合物を塗布する方法が挙げられる。これらのうち液晶相を示す温度範囲内で加熱する方法が好ましい。加熱温度は、液晶化合物の種類によって適宜選択でき、通常65〜115℃である。加熱時間は通常0.001〜20分間、好ましくは0.001〜10分間、より好ましくは0.001〜5分間である。
重合転化率が100%になるまでの紫外線照射エネルギーは、重合性液晶化合物の種類によって適宜選択される。重合転化率が100%になるまでのUV−A照射エネルギーは、最初のUV−A照射エネルギーとの積算で、通常、200〜1500mJ/cmである。
前記カイラル剤としては、特開2003−66214号公報、特開2003−313187号公報、米国特許第6468444号公報、国際公開WO98/00428号公報等に掲載されるものを適宜使用することが出来るが、液晶化合物を捩じる効率を表す指標であるHTPの大きなものが経済性の観点から好ましい。また、カイラル剤の添加による意図しない相転移温度の変化を避けるために、カイラル剤自身が液晶性を示すものを用いることが好ましい。
前記塗布液及び支持基材に塗布した塗膜の、表面張力を調整するために界面活性剤を使用することができる。界面活性剤は、ノニオン系の界面活性剤であることが特に好ましい。また分子量が数千程度のオリゴマーであることが好ましい。このような界面活性剤としては、セイミケミカル社製KH−40等が挙げられる。
前記配向調整剤は、支持基材上に形成されたコレステリック樹脂層の空気側表面の配向状態を制御するためのものである。配向調整剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、あるいはこれらの変性物などが挙げられる。
塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の具体例としては、ケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、エーテル類が挙げられる。特に環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
塗布液を膜状に塗布するには、公知の方法、例えば押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法等を実施する。
塗布液を塗布するために用いる支持基材は、光学的に透明な基材であれば特に限定されないが、偏光が変化することを避けるために光学的に等方性のものが好ましい。かかる支持基材としては、透明樹脂フィルム、ガラス基板等が挙げられ、長尺の透明樹脂フィルムがより好ましい。透明樹脂フィルムは、単層のフィルムであっても、複層フィルムであってもよいが、1mm厚で全光線透過率が80%以上のものが好ましい。
透明樹脂フィルムの樹脂材料としては、脂環式構造含有重合体樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等の鎖状オレフィン系重合体、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、エポキシ系樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性等の観点から、脂環式構造含有重合体樹脂が好ましい。
脂環式構造含有重合体樹脂は、重合体樹脂の繰り返し単位中に脂環式構造を有するものであり、主鎖中に脂環式構造を有する重合体樹脂及び側鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂のいずれも用いることができる。脂環式構造としては、例えば、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造等が挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素数に特に制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは6〜15個である。
脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は使用目的に応じて適宜選択されるが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位が過度に少ないと、フィルムの耐熱性が低下するおそれがある。
脂環式構造含有重合体樹脂は、具体的には、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、透明性や成形性の観点から、ノルボルネン系重合体がより好ましい。
ノルボルネン系重合体としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、及びそれらの水素添加物;ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーと付加共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、透明性の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物が最も好ましい。上記の脂環式構造を有する重合体は、例えば特開2002−321302号公報等に開示されている公知の重合体から選ばれる。
本発明に好適な透明樹脂フィルムの樹脂材料は、そのガラス転移温度が、好ましくは80℃以上、より好ましくは100〜250℃の範囲である。ガラス転移温度がこのような範囲にある樹脂材料からなる透明樹脂フィルムは、高温下での使用における変形や応力が生じることがなく耐久性に優れる。
本発明に好適な透明樹脂フィルムの樹脂材料の分子量は、溶媒としてシクロヘキサン(樹脂材料が溶解しない場合にはトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)で測定したポリイソプレン換算(溶媒がトルエンのときは、ポリスチレン換算)の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜100,000、好ましくは25,000〜80,000、より好ましくは25,000〜50,000である。重量平均分子量がこのような範囲にあるときに、フィルムの機械的強度及び成形加工性が高度にバランスされ好適である。
本発明に好適な透明樹脂フィルムの樹脂材料の分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))は特に制限されないが、通常1.0〜10.0、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.2〜3.5の範囲である。
本発明に好適な透明樹脂フィルムの樹脂材料は、その分子量2,000以下の樹脂成分(すなわち、オリゴマー成分)の含有量が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。オリゴマ一成分の量が前記範囲内にあると、表面に微細な凸部が発生しづらくなり、厚みむらが小さくなり面精度が向上する。オリゴマー成分の量を低減するためには、重合触媒や水素化触媒の選択、重合、水素化等の反応条件、樹脂を成形用材料としてペレット化する工程における温度条件、等を最適化すればよい。オリゴマーの成分量は、前述のGPCによって測定することができる
本発明に用いる支持基材は表面処理されているものが好ましい。表面処理を施すことにより、支持基材と後述する配向膜との密着性を高めることができる。表面処理の手段としては、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処理等が挙げられる。また、支持基材の上に、接着層(下塗り層)を設けることも、支持基材と配向膜との密着性を高める上で好ましい。
また、本発明に用いる支持基材には、形成されるコレステリック樹脂層のヘリカル構造の配向方向を調整するために配向膜を支持基材表面に有することが好ましい。
本発明に用いる配向膜は、コレステリック樹脂層の配向方向を調整できるものであれば、特に制限されない。
配向膜は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどの樹脂を主成分とする塗布液を支持基材に膜状に積層し、乾燥させ、次いで一方向にラビングすることによって得られる。膜状に積層した塗布層を一方向にラビングすることで、コレステリック規則性を持つ樹脂層を一方向に配向規制することが可能な配向膜になる。
ラビングの方法は、特に制限されないが、例えばナイロンなどの合成繊維、木綿などの天然繊維からなる布やフェルトを巻き付けたロールで一定方向に配向膜を擦る方法が挙げられる。ラビングした時に発生する微粉末(異物)を除去して配向膜の表面を清浄な状態とするために、形成された配向膜をイソプロピルアルコールなどによって洗浄することが好ましい。配向膜にコレステリック規則性を持つ樹脂層を面内で一方向に配向規制する機能を持たせるために、ラビングする以外に、配向膜の表面に偏光紫外線を照射する方法が挙げられる。
配向膜の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。
本発明に用いる円偏光分離素子は、端部に切り欠きや、孔が設けられていることが好ましい。中でも、孔が設けられていることが特に好ましい。
例えば、図8に示すような、円形、長円形、楕円形等の孔や、長円形、円形、楕円形、長方形、正方形、ひし形等の切り欠きを設けたものが挙げられる。これらの切り欠きや孔は、液晶表示装置の筐体側の形状に合わせて設けられ、円偏光分離素子を取り付けたときに、衝撃等によってずれが生じないようにするためのものである。もし、円偏光分離素子の端部に切り欠きや、孔が設けられていないと、特に液晶表示装置が大型化した場合に、円偏光分離素子自体の重みにより、円偏光分離素子に撓みが生じてしまう結果、液晶表示装置の円偏光分離素子が、取り付け位置からずれやすくなるおそれがある。
本発明の液晶表示装置は、直線偏光子Bと光学異方性素子Cとが一体になっている。一体になることで直線偏光子Bと光学異方性素子Cとの間に空間が無くなる。一体にする方法は、特に制限されない。例えば、接着剤や粘着剤を用いてこれらを貼りあわせる方法、これらの表面にプラズマを接触させ次いでこれらを圧着する方法などが挙げられる。接着剤や粘着剤は、可視光に対して透明であることが好ましく、また無用な位相差を発生させないものであることが好ましい。直線偏光子Bと光学異方性素子Cとを一体にした場合には、光学異方性素子Cは直線偏光子Bの保護フィルムとしても機能するので、直線偏光子Bの、光学異方性素子Cに近い側の保護フィルムを省略することができる。
本発明の液晶表示装置では、光学異方性素子Eをさらに有する。光学異方性素子Eは、液晶セルの表示方式等により適宜最適なものを選択することができる。光学異方性素子Eとして、例えば、TN型液晶セルにおいては「WVフィルム」(富士写真フィルム社製)が挙げられ、IPS型液晶セルにおいては、n=n>nの関係を有する位相補償フィルムが挙げられる。光学異方性素子Eは、光学異方性素子Cと同様に、樹脂からなる層を延伸することによって、ディスコティック液晶などの光学異方性材料を配向させて支持基体に積層することによって、又は複数の光学異方性素子を組み合わせることによって得ることができる。
本発明においては、光学異方性素子Eと直線偏光子Bと光学異方性素子Cとがこの順で一体になっていることが好ましい。一体にする方法は、特に制限されない。例えば、接着剤や粘着剤を用いてこれらを貼りあわせる方法、これらの表面にプラズマを接触させ次いでこれらを圧着する方法などが挙げられる。接着剤や粘着剤は、可視光に対して透明であることが好ましく、また無用な位相差を発生させないものであることが好ましい。光学異方性素子Eと直線偏光子Bと光学異方性素子Cとを一体にした場合には、光学異方性素子E及び光学異方性素子Cは直線偏光子Bの保護フィルムとしても機能するので、直線偏光子Bの、両面の保護フィルムを省略することができる。
本発明の液晶表示装置は、一体になった直線偏光子B及び光学異方性素子C又は一体になった光学異方性素子Eと直線偏光子Bと光学異方性素子Cと、円偏光分離素子との間に空間又は隙間が形成されるように配置されている。空間又は隙間を設けることによって、輝度ムラを低減することができる。
空間又は隙間を形成するための方法としては、光学異方性素子Cと円偏光分離素子との間にスペーサーを介在させる方法、光学異方性素子C又は円偏光分離素子の向かい合う面の少なくとも一方の面に凹凸形状を備えさせる方法などが挙げられる。
介在させるスペーサーは、特に制限されず、例えば、少なくとも一方の面に凹凸形状を備えた透明フィルム(光学素子D)、透明な粒子、透明な格子などが挙げられる。凹凸形状を備えた透明フィルム(光学素子D)としては、例えば、樹脂フィルムの表面をエンボス加工して凹凸形状を腑形したもの、樹脂フィルム表面に微粒子を含有する液を塗布し乾燥することによって凹凸形状を腑形したものなどが挙げられる。この微粒子の粒径は、0.5μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。
光学素子Dは光拡散性を有するものであることが好ましい。光拡散性を付与する方法としては、光拡散材を分散させる方法、表面に光拡散性を示す凹凸形状を腑形する方法などが挙げられる。光拡散材としては、シリコーンビーズ、ポリスチレンビーズ、アクリル樹脂ビーズなどの透明微粒子が挙げられる。この透明微粒子の粒径は、0.5μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。また、この光拡散材は、光学素子Dを構成する材料と、屈折率が異なっていることが好ましい。
光学異方性素子C又は円偏光分離素子の向かい合う面の少なくとも一方の面に備えさせる凹凸形状は、光学異方性素子Cと円偏光分離素子との密着を防ぎ、かつ表示性能を悪化させないような形状であれば、特に制限されない。そのような凹凸形状としては、直径0.5μm〜500μmのドットパターン形状;幅が0.5μm〜500μmのラインパターン形状;またはこれに準じる形状等が挙げられる。前記ドットパターン形状及びラインパターン形状は規則的であっても、不規則的であってもよい。凹凸形状を腑形する方法としては、腑形しようとする面にエンボス加工を施す方法、腑形しようとする面に微粒子を含有する液を塗布し乾燥する方法、などが挙げられる。この微粒子の粒径は、0.5μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。円偏光分離素子の場合には、支持基材又はコレステリック樹脂層のいずれかに凹凸形状を腑形することができる。
本発明においては、円偏光分離素子又は光学異方性素子Cの少なくとも一方が、光拡散性を有していることが好ましい。光拡散性を有することによって、色度変化、モアレ発生などを抑制することができる。光拡散性の指標としてヘイズを用いることができる。ヘイズがある範囲の値を持つ場合には光拡散性が高くなる。具体的にはヘイズが、好ましくは5%以上、より好ましくは5〜70%である。
光拡散性を発現させる方法としては、例えば、前記凹凸形状の腑形において光拡散性を示す凹凸形状を選択する方法、円偏光分離素子の支持基材を透明樹脂と光拡散材とを含む材料で成形する方法、円偏光分離素子のコレステリック樹脂層のヘリカル構造を乱して配向欠陥を生じさせ光拡散性を示すようにする方法、光学異方性素子Cを構成する樹脂に光拡散材を分散させる方法などが挙げられる。なお、光拡散材としては、シリコーンビーズ、ポリスチレンビーズ、アクリル樹脂ビーズなどの透明微粒子が挙げられる。この光拡散材は、光学異方性素子Cを構成する樹脂と、屈折率が異なっていることが好ましい。また、この透明微粒子の粒径は、0.5μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。また、配向欠陥を生じさせる方法としては、配向膜に添加剤等を加えて配向規制の度合いを弱める方法;ラビングの方向を乱して配向方向が部分的に乱れるようにする方法などが挙げられる。
本発明の液晶表示装置は、透過型、半透過型などの液晶表示装置に適用することができる。透過型液晶表示装置では照明装置が備えられている。図1は透過型液晶表示装置の一例を示すものである。図1中の、1は液晶セル、2は照明装置、3は直線偏光子B、4は直線偏光子A、5は光学異方性素子C、6は円偏光分離素子である。
透過型液晶表示装置に用いられる照明装置としては、直下型バックライト照明装置、サイドライト型照明装置などが挙げられる。
直下型バックライト照明装置は、光源が発光面の背面(視認側から遠い側)に配置された照明装置であり、通常、光源と光拡散板とを有するものである。光源は白色光を発するものであればよく、例えば、冷陰極管、熱陰極管、エレクトロルミネセンス(EL)、発光ダイオード(LED)などが挙げられる。光拡散板は輝度の面内分布のムラをなくすために光を散乱し拡散光を生じさせるものである。具体的にはシリコーンビーズなどの光拡散材を分散させた樹脂で成形したものが挙げられる。光拡散板の正面には、光を集めるためのプリズム条列や、装置の厚みを小さくするために光源を収納できる窪みが形成されていてもよい。さらに直下型バックライト照明装置には、反射板を光源の背後に設けることができる。反射板は、光を反射することができるものであれば特に制限されず、具体的には、反射性金属膜や白色膜を備えた板が挙げられる。また、光拡散板の正面側に、正面に出射される光の拡散をさらに増やすために、樹脂フィルム表面に光拡散材を塗布したもの(光拡散シートと称することもある)を備えることができる。さらに、光の進行方向を正面に集めるためにプリズムシートを備えることができる。
サイドライト型照明装置は、光源が発光面の側部に配置された照明装置であり、通常、光源と導光板とを有するものである。光源は前記したものと同様のものが用いられる。導光板は、通常、側面に設けられた光源からの光を、正面に向けるための機能を有するものである。導光板としては、例えば、透明な平板又は楔形板の背面に光を反射するための突起や窪みなどを設けたもの、透明な平板又は楔形板に光拡散材を分散させたもの、などが挙げられる。導光板はその正面に光を集めるためのプリズム条列が形成されていてもよい。サイドライト型照明装置には、さらに、光源の背後及び/又は導光板の背面側に反射板を設けることができる。また、光が出射される導光板の正面側に、光拡散シート、プリズムシートなどを設けることができる。
図1は、本発明の液晶表示装置の一例を示す図である。
4は直線偏光子A、3は直線偏光子B、5は光学異方性素子Cである。図1の液晶表示装置では、液晶セル1を挟んで、その両側に直線偏光子A及び直線偏光子Bが配置されている。直線偏光子Bは光学異方性素子Cと両面粘着シートによって貼り合わせられ一体になっている。そして、光学異方性素子Cと円偏光分離素子6との間には隙間ができるように配置されている。
図2は、本発明の液晶表示装置の別の一例を示す図である。
7は光学異方性素子Eである。図2の液晶表示装置では、直線偏光子Bは、その両面に光学異方性素子Eと光学異方性素子Cとが、両面粘着シートによって貼り合わせられ、一体になっている。そして、光学異方性素子Cと円偏光分離素子6との間には隙間ができるように配置されている。
本発明を、実施例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
(円偏光分離素子)
(1)支持基材(ノルボルネン系重合体製のフィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF14」、厚み100μm))の両面をプラズマ処理した。この支持基材の片面にポリビニルアルコール10部及び水371部からなる溶液を塗布、乾燥し、次いでラビング処理して、厚さ1μmの配向膜を形成した。
ネマチック液晶化合物(BASF社製、商品名「LC242」)94.13部、カイラル剤(BASF社製、商品名「LC756」)5.87部、光吸収剤(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「Irgacure907」)3.1部、及び界面活性剤(セイミケミカル社製、商品名「KH−40」)0.1部を、メチルエチルケトン155部に溶解して、溶液を得た。この溶液を孔径2μmのポリフルオロエチレン製CD/Xシリンジフィルターを用いて濾過して液晶塗工液を調製した。
前記の配向膜の上に、液晶塗工液を乾燥膜厚4μmになるように塗布した。紫外線照射装置[HOYA SCHOTT社製、装置名「EXECURE 3000−W」]及び313nmのバンドパスフィルターを用いて、前記塗膜に、0.2mW/cmの紫外線(UV−A)を1秒間照射した。100℃のオーブンに2分間放置した。そして、紫外線照射装置[HOYA SCHOTT社製、装置名「EXECURE 3000−W」]を用いて、150mJ/cmの紫外線を照射した。以上の工程により、支持基材の上に反射帯域の中心波長450nmのコレステリック樹脂層Aを形成した。
(2)ネマチック液晶化合物の量を95.19部、カイラル剤の量を4.81部に変えた他は、前記(1)同様にして別の支持基材の上に反射帯域の中心波長550nmのコレステリック樹脂層Bを得た。
(3)ネマチック液晶化合物の量を95.93部、カイラル剤の量を4.07部に変えた他は、前記(1)同様にして別の支持基材の上に反射帯域の中心波長650nmのコレステリック樹脂層Cを形成した。
(4)上記(1)〜(3)で得られた、コレステリック樹脂層A/支持基材、コレステリック樹脂層B/支持基材及びコレステリック樹脂層C/支持基材を、順に光学用の粘着剤を用いて貼り合わせて、円偏光分離素子を得た。コレステリック樹脂層の厚みの合計は12μm、円偏光分離素子の総厚みは315μmであった。また、可視光全域の光について円偏光分離機能を有していた。
(光学異方性素子C
スチレン−無水マレイン酸共重合体[ノバケミカル社製、商品名「ダイラークD332」、Tg=131℃、負の固有複屈折性を示す樹脂]、ノルボルネン系樹脂[日本ゼオン社製、商品名「ゼオノア1020」、Tg=105℃、正の固有複屈折性を示す樹脂]を共押出成形して、ノルボルネン系樹脂層(厚さ50μm)/スチレン−無水マレイン酸共重合体層(厚さ200μm)/ノルボルネン系樹脂層(厚さ50μm)の3層構造を有する積層フィルムを得た。
この積層フィルムを延伸して、波長550nmにおけるレターデーションReが135nm、レターデーションRthが−250nmの光学異方性素子Cを得た。
(光学異方性素子C
ノルボルネン系重合体製のフィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF14」、厚み100μm)を一軸延伸して波長550nmにおけるレターデーションReが135nm、レターデーションRthが70nmの光学異方性素子Cb1を得た。
ノルボルネン系樹脂層(厚さ50μm)/スチレン−無水マレイン酸共重合体層(厚さ200μm)/ノルボルネン系樹脂層(厚さ50μm)の3層構造を有する積層フィルムを同時二軸延伸して、波長550nmにおけるレターデーションReが5nm、レターデーションRthが−350nmの光学異方性素子Cb2を得た。
光学異方性素子Cb1と光学異方性素子Cb2とを粘着剤(3M社製、商品名「8142」、厚み50μm)を用いて貼り合わせ、レターデーションReが137nm、レターデーションRthが−230nmの光学異方性素子Cを得た。
(光学異方性素子F)
ノルボルネン系重合体製のフィルム(日本ゼオン社製、商品名「ゼオノアフィルムZF14」、厚み50μm)を一軸延伸して波長550nmにおけるレターデーションReが135nm、レターデーションRthが70nmの光学異方性素子Fを得た。
(実施例1)
光学異方性素子Cと偏光板(直線偏光子の両面に保護フィルムが張り合わせられている)とガラス板とを、この順で、粘着剤(住友3M社製、「8142」、厚み50μm)で貼り合わせ、一体にした。
図3に示すように、バックライト照明装置2の上に、円偏光分離素子6、及び上記の光学異方性素子Cと偏光板3とガラス板9との貼合体を順次重ね載せて、偏光照明装置を得た。円偏光分離素子と光学異方性素子Cとの間は密着しないように浮かせて配置した。
(実施例2)
光学異方性素子Cを光学異方性素子Cに置き換えた他は実施例1と同様にして偏光照明装置を得た。
(実施例3)
図4に示すように、梨地表面(光拡散性を有する凹凸形状)を片面に有するフィルム10と、光学異方性素子Cとを、平滑面同士を合わせて両面粘着シートで貼り合わせ、円偏光分離素子側に梨地面が向くようにして、円偏光分離素子と光学異方性素子Cとの間に梨地面によって隙間ができるように配置した他は、実施例1と同様にして偏光照明装置を得た。
(実施例4)
図5に示すように、梨地表面(光拡散性を有する凹凸形状)を両面に有するフィルム11を、円偏光分離素子と光学異方性素子Cとの間に配置し、隙間ができるようにした他は、実施例1と同様にして偏光照明装置を得た。
(実施例5)
梨地表面(光拡散性を有する凹凸形状)を片面に有するフィルムを、シリコーンビーズ(光拡散材)を分散させた樹脂からなり且つ梨地表面(光拡散性を有する凹凸形状)を片面に有するフィルムに置き換えた他は実施例3と同様にして偏光照明装置を得た。
(実施例6)
梨地表面(光拡散性を有する凹凸形状)を両面に有するフィルムを、シリコーンビーズを分散させた樹脂からなり且つ梨地表面(光拡散性を有する凹凸形状)を両面に有するフィルムに置き換えた他は実施例4と同様にして偏光照明装置を得た。
(比較例1)
図6に示すようにガラス板と偏光板とを両面粘着シートで貼り合わせた。バックライト照明装置の上に、上記の偏光板とガラス板との貼合体を載せて、偏光照明装置を得た。
(比較例2)
光学異方性素子Cを光学異方性素子Fに置き換えた他は実施例1と同様にして偏光照明装置を得た。
(比較例3)
図7に示すように、円偏光分離素子と、光学異方性素子Cと、偏光板(直線偏光子の両面に保護フィルムが張り合わせられている)と、ガラス板とを、この順で、両面粘着シート(住友3M社製、「9483」)で貼り合わせ、一体にした。バックライト照明装置の上に、上記の円偏光分離素子と光学異方性素子Cと偏光板とガラス板との貼合体を載せて、偏光照明装置を得た。
Figure 2007148158
(評価1)輝度
照明装置を点灯させ、正面方向の輝度と正面方向に対して60度の方向(斜め方向)の輝度を輝度計(TOPCON社製、製品名「BM−7」)を用いて測定した。結果を表1に示す。
なお、表1中の、正面方向の輝度は比較例1の輝度を1としたときの相対値であり、斜め方向の輝度は比較例2の輝度を1としたときの相対値である。
(評価2)剥がれ
照明装置を8時間点灯し、16時間消灯するという繰り返しを20日間行った。そして、コレステリック樹脂層と支持基材との界面を観察し、剥がれの有無を調べた。評価結果を表1に示す。
(評価3)輝度ムラ、モアレ
評価2を実施した後、以下の操作を行った。
照明装置を点灯させ、正面から目視観察し、輝度ムラやモアレの有無を調べた。評価結果を表1に示す。
輝度ムラA:輝度が低下している部分が、全面に渡って斑状に見られた。
輝度ムラB:輝度が低下している部分が、端部に一様に見られた。
(正面方向のレターデーショRe及び厚み方向のレターデーションRthの測定方法)
KOBRA(王子計測機器株式会社)を用いて求める。
表1の結果から、以下のことがわかる。
本発明によれば、実施例1〜6に示すように、正面方向及び斜め方向の輝度も良好で、円偏光分離素子を構成するコレステリック樹脂層に剥がれが生じなかった。実施例の中でも、凹凸形状を有するフィルムを配置しているもの(実施例3〜6)は、輝度ムラ及びモアレなどの表示不良がなかった。
一方、光学異方性素子CとしてRthが70nmであるものを用いた比較例2や、光学異方性素子Cと円偏光分離素子とを両面粘着シートで貼り合わせ隙間が無いようにした比較例3は、コレステリック液晶層に剥がれが生じ、輝度ムラやモアレが発生した。
本発明の液晶表示装置の1例の構成を示す断面図である。 本発明の液晶表示装置の他の1例の構成を示す断面図である。 実施例1〜2で作製した偏光照明装置の構成を表す断面図である。 実施例3及び実施例5で作製した偏光照明装置の構成を表す断面図である。 実施例4及び実施例6で作製した偏光照明装置の構成を表す断面図である。 比較例1で作製した偏光照明装置の構成を表す断面図である。 比較例3で作製した偏光照明装置の構成を表す断面図である。 円偏光素子の形状例を示す図である。
符号の説明
1:液晶セル、2:照明装置、3:直線偏光子B、4:直線偏光子A、5:光学異方性素子C、6:円偏光分離素子、7:光学異方性素子E、9:ガラス板、10:梨地面を片面に有するフィルム、11:梨地面を両面に有するフィルム、A:両面粘着シート

Claims (14)

  1. 直線偏光子A;液晶セル;直線偏光子B;正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4で且つ厚み方向のレターデーションRthが0nm未満である、光学異方性素子C;及び円偏光分離素子をこの順に有し、直線偏光子Bと光学異方性素子Cとが一体になっており、光学異方性素子Cと、円偏光分離素子との間に空間が形成されるように配置されている、液晶表示装置。
  2. 円偏光分離素子と、光学異方性素子Cと間の、対向する二つの面のうち少なくとも一方の面に凹凸形状が備わっている請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 一体になった直線偏光子B及び光学異方性素子Cと、円偏光分離素子との間にスペーサーが介在している請求項1〜2のいずれかに記載の液晶表示装置。
  4. 円偏光分離素子又は光学異方性素子Cの少なくとも一方は光拡散性を有している請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 円偏光分離素子が、支持基材とコレステリック規則性を持った樹脂層とを有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 円偏光分離素子の総厚みが140〜350μmであり、コレステリック規則性を持った樹脂層の厚みの合計が4〜20μmである請求項5記載の液晶表示装置。
  7. 円偏光分離素子の支持基材が、透明樹脂と光拡散材とを含む材料を成形してなるものである請求項5〜6のいずれかに記載の液晶表示装置。
  8. 円偏光分離素子のコレステリック規則性を持った樹脂層が、配向欠陥を有する請求項5〜7のいずれかに記載の液晶表示装置。
  9. コレステリック規則性を持った樹脂層が、非液晶性である請求項5〜8のいずれかに記載の液晶表示装置。
  10. コレステリック規則性を持った樹脂層が、重合性液晶化合物を重合して得られたものである、請求項5〜9のいずれかに記載の液晶表示装置。
  11. 円偏光分離素子と、光学異方性素子Cとの間に、両面に凹凸形状を備えた光学素子Dをさらに有する請求項1〜10のいずれかに記載の液晶表示装置。
  12. 光学異方性素子Cが、複数の光学異方性素子の組み合わせからなるものである、請求項1〜11のいずれかに記載の液晶表示装置。
  13. 光学異方性素子Cが、正面方向のレターデーションReが透過光の波長の約1/4の光学異方性素子Cと、正面方向のレターデーションReがほぼ0nmで且つ厚み方向のレターデーションRthが0nm未満の光学異方性素子Cとの組み合わせからなるものである、請求項1〜12のいずれかに記載の液晶表示装置。
  14. 前記液晶セルと直線偏光子Bとの間に光学異方性素子Eをさらに有し、光学異方性素子Eと直線偏光子Bと光学異方性素子Cとがこの順で一体になっている、請求項1〜13のいずれかに記載の液晶表示装置。
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