JP2007130013A - 新規枯草菌変異株 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る枯草菌変異株は、欠損領域の欄に記載された領域を欠失させたゲノム構造を有するものである。この枯草菌変異株は、分泌型の目的タンパク質をコードする遺伝子が発現可能に導入された際に、当該目的タンパク質の分泌生産性が、野生株に同遺伝子が導入された場合と比較して有意に向上している。
【選択図】なし
Description
また、枯草菌等の胞子形成初期に関わる遺伝子やプロテアーゼ遺伝子、又は細胞壁或いは細胞膜中のテイコ酸へのD-アラニン付加に関わる遺伝子、更にはサーファクチンの生合成或いは分泌に関わる遺伝子を単独に欠失又は不活性化した菌株が構築されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8参照)。しかしながら、それらの菌株によるタンパク質の生産性の向上は十分ではなく、また、現在まで、各種タンパク質の生産性が向上した枯草菌由来の変異株及び当該変異株の網羅的解析に関する有用な知見は得られていない。
<upp遺伝子欠失株(cat-uppカセットを含む)の作製>
図2に示すように、枯草菌168株から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、upp-AFWとupp-ARV、及びupp-BFWとupp-BRVの各プライマーセットを用いて、ゲノム上のupp遺伝子(BG 13408;uracil phosphoribosyl-transferase)の上流に隣接する1.0kb断片(a1)、及び下流に隣接する1.0kb断片(b1)をPCRにより増幅した。また、プラスミドpMutinT3 (Microbiology ,144, 3097 ,1998)を鋳型として、Erm-FWとErm-RVプライマーのセットを用いてエリスロマイシン耐性遺伝子を含む1.2kb断片(c1)を、PCRによって調製した。尚、PCR反応は反応系を20μLとして、LATaqポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用いて添付のプロトコールに従い、(a1)、(b1)については鋳型DNAである枯草菌168株ゲノム50ng、(c1)についてはプラスミドDNA1ng、上記プライマーを各200nM、dATP、dTTP、dCTP、dGTPを各200μM、LATaq0.2U、添付の10×緩衝液を1×となるように混合した。増幅反応には、PCRシステム(アプライドバイオシステム社製GeneAmp9700)を用い、95℃で5分間の熱変性の後、95℃で15秒、次に55℃で30秒、さらに72℃で60秒間恒温し、これを繰り返し25回おこない、最後に30秒間72℃で伸長を完了させた。このようにして得られた上記3つ(a1)、(b1)及び(c1)のPCR増幅断片をセントリコン(ミリポア社製)にて精製後、各0.5μLを混合し、さらに、プライマーupp-AFWとupp-BRVを加えて上記PCR条件の72℃での恒温を3分間に変更し、SOE−PCRをおこなった。このPCRの結果、3断片を(a1)、(c1)及び(b1)の順になる様に結合させた3.2kbのDNA断片(d1)を得た。このDNA断片を用いてコンピテント法(J.Bacteeriol.,81,741,1960)により枯草菌168株の形質転換を行った。すなわち、枯草菌168株をSPI培地(0.20% 硫酸アンモニウム、1.40% リン酸水素二カリウム、0.60% リン酸二水素カリウム、0.10% クエン酸三ナトリウム二水和物、0.50% グルコース、0.02% カザミノ酸 (Difco)、5mM 硫酸マグネシウム、0.25μM 塩化マンガン、50μg/ml トリプトファン)において37℃で、生育度(OD600)の値が1程度になるまで振盪培養した。振盪培養後、培養液の一部を9倍量のSPII培地(0.20% 硫酸アンモニウム、1.40% リン酸水素二カリウム、0.60% リン酸二水素カリウム、0.10% クエン酸三ナトリウム二水和物、0.50% グルコース、0.01% カザミノ酸 (Difco)、5mM 硫酸マグネシウム、0.40μM 塩化マンガン、5μg/ml トリプトファン)に接種し、更に生育度(OD600)の値が0.4程度になるまで振盪培養することで、枯草菌168株のコンピテントセルを調製した。次いで調製したコンピテントセル懸濁液(SPII培地における培養液)100μLに上記DNA断片(d1)を含む溶液(上記SOE−PCRの反応液)5μLを添加し、37℃で1時間振盪培養後、0.5g/mLのエリスロマイシンを含むLB寒天培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl、1.5%寒天)に全量を塗沫した。37℃における静置培養の後、生育したコロニーを形質転換体として分離した。得られた形質転換体のゲノムを抽出し、これを鋳型とするPCRによってupp遺伝子がゲノム上から欠失し、エリスロマイシン耐性遺伝子に置換していることを確認した。以後この株を168Δuppと表記する。尚、後述するコンピテント法による形質転換は、使用するDNAや形質転換体選抜の為の寒天培地を適宜変更する他は、上述の方法と同様にして行った。
図3に示すように、upp遺伝子とクロラムフェニコール耐性遺伝子(cat)の転写が確実に行われる様、枯草菌で転写が確認されているプラスミドpSM5022 (Mol. Microbiol. 6, 309 ,1992) のcat遺伝子の下流にupp遺伝子を結合させた。即ち、cat-Fwとcat-Rvのプライマーセットを用い、pSM5022を鋳型として、PCRによりcatを含む1.3kbのDNA断片を増幅した。また、プライマーupp-Fwとupp-RVを用いて168株ゲノムを鋳型としてPCRを行いupp遺伝子を含む1.1kbのDNA断片を得た。次にこれら2断片を精製後、SOE−PCRにより結合し、cat遺伝子の下流にupp遺伝子が結合した2.4kbのca-uppカセットDNA断片(C)を調製した。更にこの断片をプラスミドpBR322のClaI切断部位に挿入することにより組換えプラスミドpBRcatuppを得た。
図4に示すように、Pro1-AFWとPro1-ARV、Pro1-BFWとPro1-BRVの各プライマーセットを用いて、168株ゲノムを鋳型として、PCRによってPro1領域の上流に隣接する0.6kbの断片(A)及び下流に隣接する0.3kbの断片(B)を調製した。なお、図4において、Pro1領域は「欠失標的領域」と記載した。
図5に示すように、ΔPro1::cat-upp株ゲノムを鋳型とし、Pro1-AFWとPro1-ERV及びPro1-FFWとPro1-BRVのプライマーセットを用いてcat-uppカセット断片(C)の上流に隣接する0.6kbの断片(E)、下流に隣接する0.3kbの断片(F)を増幅し、更に、得られた両DNA断片を鋳型としPro1-AFW及びPro1-BRVプライマーセットによるSOE−PCRによって、両断片が結合した0.9kbの断片(G)を調製した。この断片(G)によって、上述のΔPro1::cat-upp株をコンピテント法により形質転換し、1μg/mL/の5FUを添加したCg + グルコース寒天培地に生育可能な株を取得した。得られた株においてクロラムフェニコール感受性と、ゲノム上のPro1領域及びcat-uppカセットDNA断片が欠失していることを確認し、これをΔPro1株とした。なお、図5において、ΔPro1::cat-upp株及びΔPro1株は、それぞれ「Δ欠失標的領域::cat-upp株」「Δ欠失標的領域株」と記載した。
上述したΔPro1株の作製手順に準じて、図4で説明した方法により、ΔPro2::cat-upp株、ΔPro3::cat-upp株、ΔPro4::cat-upp株、ΔPro5::cat-upp株、ΔPro6::cat-upp株、ΔPro7::cat-upp株、ΔPBSX::cat-upp株、ΔSPβ::cat-upp株、ΔSKIN::cat-upp株、Δpks::cat-upp株及びΔpps::cat-upp株を作製した。また、図5で説明した方法により、ΔPro2株、ΔPro3株、ΔPro4株、ΔPro5株、ΔPro6株、ΔPro7株、ΔPBSX株、ΔSPβ株、ΔSKIN株、Δpks株及びΔpps株を作製した。これら各株を作製する工程における、断片(A)〜断片(G)を増幅する際に使用したプライマーセットを下記の表3に示す。
次に、ΔPro7株(MGB01株とも称する)を用いて、複数の領域が欠失した株(多重欠失株)を構築した。まず、Pro7領域及びPro6領域の二重欠失株を以下のように構築した。すなわち、Pro6領域がcat-uppカセット断片で置換されたΔPro6::cat-upp株のゲノムDNAを用いてΔPro7株をコンピテント法により形質転換し、10ppmのクロラムフェニコールを含むLB寒天培地に生育したコロニーを形質転換体として分離した。次に、得られたクロラムフェニコール耐性の形質転換体を、ΔPro6株のゲノムDNAを用いてコンピテンと法により形質転換し、1μg/mLの5FUを添加したCg + グルコース寒天培地に生育可能な株を取得した。得られた株においてクロラムフェニコール感受性を確認し、Pro6領域とPro7領域の両方が欠失し、更に、cat-uppカセット断片を含まない二重欠失株を分離した。この株をMGB02株と命名した。
上述した<単独領域欠失株の作製1>とは異なる方法で、SPβ領域、pks領域、SKIN領域、pps領域、Pro2領域、Pro5領域、NED0302領域(ydcL-ydhU領域)、NED0803領域(yisB-yitD領域)、NED3200領域(yunA-yurT領域)、NED1902領域(cgeE-ypmQ領域)、NED0501領域(yeeK-yesX領域)、NED0400領域(ydiM-yebA領域)、NED1100領域(ykuS-ykqB領域)、NED4002領域(pdp-rocR領域)、NED02021領域(ycxB-sipU領域)、SKIN-Pro7領域(spoIVCB-yraK領域)、NED3701領域(sbo-ywhH領域)、NED0600領域(cspB-yhcT領域)、NED4100領域(yybP-yyaJ領域)、NED2702領域(ytxK-braB領域)及びNED1602領域(yncM-fosB領域)を単独で欠失した株を構築した。
同様にして上述した各領域を単独で欠失した株を作製した。作製した株は、ΔSPβ::tet株と同様に「Δ欠失標的領域::tet株」と呼称する。
上記で作製したΔSPβ::tet株のゲノムDNAを用いてΔPro7株を形質転換し、テトラサイクリン耐性株MGB07ΔSPβ::tet株を取得した。一方、次の様にしてテトラサイクリン耐性遺伝子断片のゲノム上からの除去を行った。
上記で作製したMGB08株からのpks領域の欠失を、上述した方法(図7)に準じ、Δpks::tet株を用いて行った。MGB08株からpks領域を欠失させた株をMGB09株と命名した。取得したMGB09株のゲノムDNAをPCRにて確認したところ、pks領域は欠失していたが、pks領域とゲノム上で近い位置に存在するPro5領域内部の配列の存在が認められ、Pro5領域が復帰していることが分かった。これはΔpks::tet株のゲノムDNAを用いてMGB08株を形質転換した際に、pks領域の欠失に伴うテトラサイクリン耐性遺伝子の導入と同時に、Δpks::tet株ゲノム上のpks領域の上流領域とPro5領域下流の領域が、MGB08株ゲノム上の相当する領域との間で相同組換えが起こったことによるものと考えられた。
上記で作製したMGB09株からのSKIN領域の欠失を、上述した方法(図7)に準じ、ΔSKIN::tet株を用いて行った。MGB09株からSKIN領域を欠失させた株をMGB10株と命名した。取得したMGB10株のゲノムDNAをPCRにて確認したところ、SKIN領域は欠失していたが、SKIN領域とゲノム上で近い位置に存在するPro7領域内部の配列の存在が認められ、Pro7領域が復帰していることが分かった。これはΔSKIN::tet株のゲノムDNAを用いてMGB09株を形質転換した際に、SKIN領域の欠失に伴うテトラサイクリン耐性遺伝子の導入と同時に、ΔSKIN::tet株ゲノム上のSKIN領域の上流領域とPro7領域下流の領域が、MGB09株ゲノム上の相当する領域との間で相同組換えが起こったことによるものと考えられた。
上記で作製したMGB10株からのpps領域の欠失を、上述した方法(図7)に準じ、Δpps::tet株を用いて行った。MGB10株からpps領域を欠失させた株をMGB11株と命名した。取得したMGB11株のゲノムDNAをPCRにて確認したところ、他の領域が復帰することなくpps領域が欠失していた。
上記で作製したMGB11株からのPro2領域の欠失を、上述した方法(図7)に準じ、ΔPro2::tet株を用いて行った。MGB11株からPro2領域を欠失させた株をMGB12株と命名した。取得したMGB12株のゲノムDNAをPCRにて確認したところ、他の領域が復帰することなくPro2領域が欠失していた。
MGB09株を作製する際に復帰したPro5領域を再び欠失させるため、上記で作製したMGB12株からのPro5領域の欠失を、上述した方法(図7)に準じ、ΔPro5::tet株を用いて行った。MGB12株からPro5領域を欠失させた株をMGB11d株と命名した。取得したMGB11d株のゲノムDNAをPCRにて確認したところ、他の領域が復帰することなくPro5領域が欠失していた。
本発明に係る枯草菌変異株は、上述したように作製したMGB11d株から以下のように作製した(図8参照)。すなわち、上述した方法(図7)に準じ、MGB11d株からのNED0302領域の欠失を、ΔNED0302::tet株を用いて行った。MGB11d株からNED0302領域を欠失させた株をMGB533株と命名した。取得したMGB533株は、MGB11d株における欠失領域の他にNED0302領域が欠失したゲノム構造を有することとなる。
本例では、枯草菌168株における特定の領域を、cat-uppカセットで置換或いはクロラムフェニコール耐性遺伝子で置換することによって、当該領域を単独で欠失した変異株を作製した。
cat-uppカセットで置換する対象の領域を下記表5にまとめた。
クロラムフェニコール耐性遺伝子での領域置換は、まずテトラサイクリン耐性遺伝子で対象となる領域を置換した後、テトラサイクリン耐性遺伝子の中央部をクロラムフェニコール耐性遺伝子で置換することにより行った。クロラムフェニコール耐性遺伝子で置換する対象の領域を下記表7にまとめた。
実施例3では、実施例1及び2で作製した本発明に係る枯草菌変異株における、分泌生産能を評価した。本例では、枯草菌変異株に導入する目的タンパク質として、アルカリセルラーゼ、アルカリプロテアーゼ及びアルカリアミラーゼを使用した。
アルカリセルラーゼ分泌生産性評価は以下の様に行った。即ち、バチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM-S237株(FERM BP-7875)由来のアルカリセルラーゼ遺伝子(特開2000-210081号公報)断片(3.1 kb)がシャトルベクターpHY300PLKのBamHI制限酵素切断点に挿入された組換えプラスミドpHY-S237を、プロトプラスト形質転換法によって各菌株に導入した。これによって得られた組換え菌株を10 mLのLB培地で一夜37℃で振盪培養を行い、更にこの培養液0.05 mLを50 mLの2×L−マルトース培地(2% トリプトン、1% 酵母エキス、1% NaCl、7.5% マルトース、7.5 ppm硫酸マンガン4-5水和物、15 ppmテトラサイクリン)に接種し、30℃にて3日間振盪培養を行った。遠心分離によって菌体を除いた培養液上清のアルカリセルラーゼ活性を測定し、培養によって菌体外に分泌生産されたアルカリセルラーゼの量を求めた。
アルカリプロテアーゼの分泌生産性評価は以下の様に行った。即ち、バチルス クラウジ(Bacillus clausii)KSM-K16株(FERM BP-3376)より抽出したゲノムDNAを鋳型として、S237pKAPpp-FとKAPter-R(BglII)のプライマーセットを用いてPCRを行い、アミノ酸配列を有するアルカリプロテアーゼ(Appl. Microbiol. Biotechnol., 43, 473, (1995))をコードする1.3kbのDNA断片を増幅した。またバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM-S237株(FERM BP-7875)より抽出したゲノムDNAを鋳型として、S237ppp-F2(BamHI)とS237pKAPpp-Rのプライマーセットを用いてPCRを行い、アルカリセルラーゼ遺伝子(特開2000-210081号公報)のプロモーター領域を含む0.6kbのDNA断片を増幅した。次いで、得られた2断片を混合して鋳型とし、S237ppp-F2(BamHI)とKAPter-R(BglII)のプライマーセットを用いたSOE-PCRを行うことによって、アルカリセルラーゼ遺伝子のプロモーター領域の下流にアルカリプロテアーゼ遺伝子が連結した1.8 kbのDNA断片を得た。得られた1.8 kbのDNA断片をシャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト)のBamHI-BglII制限酵素切断点に挿入し、アルカリプロテアーゼ生産性評価用プラスミドpHYKAP(S237p)を構築した。
アルカリアミラーゼの分泌生産性評価は以下の様に行った。即ち、バチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM-K38株(FERM BP-6946)より抽出したゲノムDNAを鋳型として、K38matu-F2(ALAA)とSP64K38-R(XbaI)のプライマーセットを用いてPCRを行い、アルカリアミラーゼ(Appl. Environ. Microbiol., 67, 1744, (2001))をコードする1.5kbのDNA断片を増幅した。またバチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM-S237株(FERM BP-7875)より抽出したゲノムDNAを鋳型として、S237ppp-F2(BamHI)とS237ppp-R2(ALAA)のプライマーセットを用いてPCRを行い、アルカリセルラーゼ遺伝子(特開2000-210081号公報)のプロモーター領域と分泌シグナル配列をコードする領域を含む0.6kbのDNA断片を増幅した。次いで、得られた2断片を混合して鋳型とし、S237ppp-F2(BamHI)とSP64K38-R(XbaI)のプライマーセットを用いたSOE-PCRを行うことによって、アルカリセルラーゼ遺伝子のプロモーター領域と分泌シグナル配列をコードする領域の下流にアルカリアミラーゼ遺伝子が連結した2.1kbのDNA断片を得た。得られた2.1kbのDNA断片をシャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト)のBamHI-XbaI制限酵素切断点に挿入し、アルカリアミラーゼ生産性評価用プラスミドpHYK38(S237ps)を構築した。
アルカリセルラーゼ、アルカリプロテアーゼ及びアルカリアミラーゼの各酵素について、分泌生産能を表9にまとめた。なお、表9において、各種酵素の分泌生産能は、各遺伝子を同様に導入した枯草菌168株における酵素生産量を100としたときの相対値で示している。
Claims (7)
- 目的タンパク質をコードする遺伝子が発現可能に導入された際に、当該目的タンパク質の分泌生産性が、野生株に同遺伝子が導入された場合と比較して有意に向上していることを特徴とする請求項1記載の枯草菌変異株。
- 目的タンパク質をコードする遺伝子が発現可能に導入されたことを特徴とする請求項1又は2記載の枯草菌変異株。
- 上記目的タンパク質をコードする遺伝子が、分泌シグナルに相当する領域をコードする塩基配列を含むか、或いは、その上流において分泌シグナルに相当する領域をコードする塩基配列を含むDNAと適切に連結していることを特徴とする請求項2又は3記載の枯草菌変異株。
- 上記目的タンパク質がセルラーゼ、プロテアーゼ及びアミラーゼからなる群から選ばれる少なくとも1つの酵素であることを特徴とする請求項2乃至4いずれか一項記載の枯草菌変異株。
- 枯草菌168株を野生株とすることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項記載の枯草菌変異株。
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