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JP2007057831A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2007057831A
JP2007057831A JP2005243226A JP2005243226A JP2007057831A JP 2007057831 A JP2007057831 A JP 2007057831A JP 2005243226 A JP2005243226 A JP 2005243226A JP 2005243226 A JP2005243226 A JP 2005243226A JP 2007057831 A JP2007057831 A JP 2007057831A
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Masataka Kuribayashi
将隆 栗林
Yoshinari Ueno
能成 上野
Takashi Koide
隆史 小出
Taichi Yamada
太一 山田
Naoki Ota
直己 太田
Satoshi Shigezaki
聡 重崎
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

【課題】電子写真方式を用いて形成されたトナー像の転写を受ける中間転写体を備えた、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの画像形成装置に関し、中間転写体からの、トナー粒子の十分な除去と外添剤微粒子の十分な除去とを両立させた小型な画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体10の、中間転写体20にトナー像が転写された後の表面10bに残留した残留物を表面10bから除去するクリーニング手段33と、中間転写体20上に残留した残留物に所定極性の電荷を付与する電荷付与手段81と、周面が中間転写体20に接し、周面に発泡層831を有するクリーニングロール83と、上記所定極性の電荷を有する残留物にその所定極性と同じ極性のバイアスを作用させその残留物を中間転写体20から像担持体表面10bへ移行させるバイアス印加手段40とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式を用いて形成されたトナー像の転写を受ける中間転写体を備えた、複写機、ファクシミリ、プリンターなどの画像形成装置に関する。
近年、電子写真方式を利用したカラープリンタ、カラー複写機の画像形成装置として、中間転写方式を採用するタイプのものが増えつつある。この中間転写方式を採用したカラー画像形成装置は、例えば、所定方向に循環移動する無端状の中間転写ベルトの送りに同期させて、感光体表面にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、および黒(K)の4色それぞれのトナー像を形成し、それらトナー像を感光体表面から中間転写ベルト上に重ね合わせ(1次転写)、中間転写ベルト上に重ね合わせたトナー像を記録媒体に転写(2次転写)し、定着する。
ところで、トナー像を感光体表面から中間転写ベルトに転写する1次転写の際には、感光体表面のトナーが全て中間転写ベルトに転写されるわけではなく、中間転写ベルトに転写を終えた感光体表面には、未転写のトナーをはじめとした様々な残留物が存在する。また、トナー像を中間転写ベルトから記録媒体に転写する際にも、中間転写ベルト上のトナーが全て記録媒体に転写されるわけではなく、記録媒体に転写を終えた中間転写ベルトにも、感光体表面と同じように、未転写のトナーをはじめとした様々な残留物が存在する。そこで、感光体にも中間転写ベルトにもそれぞれ残留物を除去するクリーニング手段が配備される。中間転写ベルトから残留トナーを除去するクリーニング手段としては、帯電制御ロールにより中間転写ベルト上の残留トナーの極性を揃えた後に、残留トナーをクリーニングロールに静電的に吸着させるようにして除去する方式(例えば、特許文献1〜4等参照)が知られている。
ところが、クリーニングロールに残留トナーを吸着させる方式では、吸着させた残留トナーをクリーニングロールから回収しなければ、クリーニングロールに残留トナーが蓄積し、クリーニングロールによる中間転写ベルトからのトナー除去がいずれできなくなることから、クリーニングロールから残留トナーを回収する回収部材が必要になり、装置の大型化につながる。また、トナー粒子には、転写助剤やクリーニング助剤といったトナー粒子よりも小さな外添剤微粒子が添加されており、残留物の中には、これらの外添剤微粒子も含まれている。外添剤微粒子はトナー粒子よりも小さなことから電荷を担持しにくく、残留トナーと同じようにクリーニングロールに静電的に吸着させることが困難であり、外添剤微粒子を十分に除去することができない。
また、クリーニング手段として、ファーブラシを用いる方式も提案されているが(例えば、特許文献5及び6等参照)、トナー粒子を十分に除去するためにはブラシ繊維1本当たりの太さを太くして摺擦力を高め、トナー粒子の掻き取り性を良くする必要があり、反対に、外添剤微粒子を十分に除去するためにはブラシ繊維1本当たりの太さを細くして、外添剤微粒子の捕獲性を良くする必要があり、特許文献5及び6に記載されたファーブラシを用いる方式では、中間転写体からの、トナー粒子の十分な除去と外添剤微粒子の十分な除去とを両立させることが困難である。
特開平1−105980号公報 特開平4−81785号公報 特開平9−44007号公報 特開2000−284606号公報 特開平6−208319号公報 特開平6−314010号公報
本発明は上記事情に鑑み、中間転写体からの、トナー粒子の十分な除去と外添剤微粒子の十分な除去とを両立させた小型な画像形成装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を解決する本発明の画像形成装置は、像担持体の表面にトナー像を形成しそのトナー像を最終的に記録媒体上に転写および定着することによりその記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
トナー像の転写を上記像担持体から受け転写されたトナー像を記録媒体に転写する中間転写体と、
上記像担持体の、上記中間転写体にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物をその表面から除去するクリーニング手段と、
上記中間転写体上に残留した残留物に所定極性の電荷を付与する電荷付与手段と、
周面が上記中間転写体に接し、その周面に発泡層を有するクリーニングロールと、
上記所定極性の電荷を有する残留物にその所定極性と同じ極性のバイアスを作用させその残留物を上記中間転写体から上記像担持体表面へ移行させるバイアス印加手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置によれば、上記中間転写体上に残留した残留トナー粒子は、まず、上記電荷付与手段によって上記所定極性に揃えられる。こうすることで上記中間転写体上の残留トナー粒子は上記バイアスの作用によって上記像担持体表面へ移行する。上記像担持体表面へ移行した残留トナー粒子は、上記クリーニング手段によってその表面から除去される。また、上記中間転写体上に残留した残留外添剤微粒子は、上記クリーニングロールの発泡層に存在する空隙を画定する縁(エッジ)によって機械的に掻き取られ、掻き取られた残留外添剤微粒子は空隙内に入り込んでその空隙内で凝集する。なお、上記中間転写体に対してクリーニングロールが周速差をもったものであると、残留外添剤微粒子をより掻き取りやすく好ましい。残留外添剤微粒子は空隙内である程度凝集すると、自重により自然に空隙から転げ落ちて中間転写体上に戻る。ここで、残留外添剤微粒子にも上記電荷付与手段によって電荷が付与されており、さらに掻き取られる際や凝集する際の摩擦帯電によっても電荷が付与されている。このため、中間転写体上に戻った残留外添剤微粒子の凝集体全体からするとかなりの電荷を担持しており、上記バイアスの作用によって上記像担持体表面へ移行する。こうして上記像担持体表面へ移行した残留外添剤微粒子の凝集体も、上記クリーニング手段によってその表面から除去される。したがって、中間転写体からの、トナー粒子の十分な除去と外添剤微粒子の十分な除去とを両立させることができる。また、中間転写体のクリーニング手段として特に回収機構を設けなくても、上記像担持体のクリーニング手段によって残留物が除去されるため、回収機構を設けなくてもよい分、装置が小さくてすむ。
ここで、上記クリーニング手段の態様はいかなる態様であってもよく、例えば、弾性ブレードやファーブラシ、導電性ロールであってもよい。
また、上記中間転写体が、所定方向に循環移動する無端状の弾性ベルト部材であってもよい。
上記弾性ベルト部材の表面にはかなりの凹凸が存在し、残留外添剤微粒子がその凹部に入り込んで除去しにくいが、上記クリーニングロールを用いることで、残留外添剤微粒子を十分に除去することができる。
また、上記電荷付与手段が、上記中間転写体上に残留した残留物に、所定の帯電極性を有するトナーのその帯電極性とは逆の極性の電荷を付与するものであり、
上記バイアス印加手段が、上記像担持体表面に形成されたトナー像に上記帯電極性とは逆の極性の転写バイアスを作用させそのトナー像を上記中間転写体に転写させる転写手段を兼ねたものであってもよい。
こうすることで、上記バイアスの極性と上記転写バイアスの極性が一致し、上記バイアス印加手段が転写手段を兼ねることで、装置をより小さくすることができる。
さらに、上記電荷付与手段が、上記中間転写体に対して相対的に接離自在であって、その中間転写体と接触した状態で、その中間転写体上に残留した残留物に所定極性の電荷を付与するものであり、
上記クリーニングロールも、上記中間転写体に対して相対的に接離自在なものであり、
上記中間転写体が上記像担持体からトナー像の転写を受け転写されたトナー像を記録媒体に転写し終えるまで上記電荷付与手段および上記クリーニングロールの双方を上記中間転写体から相対的に離間させ、次いで、上記クリーニングロールを上記中間転写体から相対的に離間させたまま上記電荷付与手段を上記中間転写体に対して相対的に接触させ、その後、上記電荷付与手段を上記中間転写体から相対的に離間させる一方で上記クリーニングロールを上記中間転写体に対して相対的に接触させ、さらに上記所定極性の電荷を有する残留物に上記バイアス印加手段によって上記バイアスを作用させる制御部を備えた態様であってもよい。
また、本発明の画像形成装置において、上記クリーニングロールは、周面の硬さが、高分子計器株式会社製Asker−FP硬度計を用いて測定したときに40°以上90°以下の硬さのものであることが好ましい。
ここで、一般的な低硬度材料の硬度に関する規格としては、「JIS K6253」のJIS E硬度、アスカーC硬度等が知られているが、アスカーFP硬度は、このJIS E硬度、アスカーC硬度では有意差のある測定値を得がたいような低硬度材料の硬度を測定する際に用いられている規格である。
こうすることで上記発泡層には、50μm以上300μm以下の大きさの空隙が多数存在することになり、残留外添剤微粒子がその多数の空隙を画定する縁(エッジ)によって掻き取られるため、掻き取り性が高まる。また、50μm以上300μm以下の大きさの空隙内で残留外添剤微粒子が凝集するため、凝集性も高まる。
本発明によれば、中間転写体からの、トナー粒子の十分な除去と外添剤微粒子の十分な除去とを両立させた小型な画像形成装置を提供することができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、感光体ドラム10および中間転写ベルト20を備えている。感光体ドラム10は、回転軸10aを中心にして時計回りに回転するものである。
中間転写ベルト20は、無端状のベルト部材であって、複数の支持ロールに張架されて感光体ドラム10の表面10bに接触するように配置されている。図1に示す中間転写ベルト20は、回転する感光体ドラム10に従動して反時計回りに循環移動する。中間転写ベルトとしては、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂又は各種のゴムに、カーボンブラック等の導電剤を適当量含有させた物が用いられ、その体積低効率が106〜1014Ω・cmとなるものが使われている。
図1に示す中間転写ベルト20は、ゴム材料からなる弾性を有するものである。具体的には、導電性弾性層の主基材として、シリコーンゴム、NBR,、H−NBR、クロロプレンゴム、EPDM、ウレタンゴム等が用いられ、導電性保護層の材料は、摩擦抵抗の低減、電気特性の環境に対する安定性、表面粗さ低減による残留物クリーニング性能の向上といった目的を達成できる物であれば、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE),テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、PVdFなどのフッ素樹脂系ポリマーを、アルコール可溶性ナイロン系、シリコーン樹脂系、シランカプラー、ウレタン樹脂系のエマルジョンや有機溶媒に、溶解・分散した塗料を使用することができる。これら保護層は、上記の塗料をディップコート、スプレーコート、静電塗装、ロールコートなどにより設けることができる。さらに、保護層に表面処理または研磨を施すことにより離型性、導電性、表面クリーニング性等を改善することができる。
なお、中間転写ベルト20は、感光体ドラム10の回転を駆動源として従循環移動するものに限られず、感光体ドラム10とは別の駆動系によって循環移動するものであってもよい。また、中間転写ベルトに限らずドラム状の中間転写体を用いてもよい。
また、この画像形成装置1では、中間転写ベルト20を挟んで感光体ドラム10と対向する位置に、1次転写ロール40が配設されている。感光体ドラム10と中間転写ベルト20とが接する部分が1次転写位置である。
感光体ドラム10の周囲には、1次転写位置の上流側に現像ロータリー50が配設されている。現像ロータリー50には、ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各有色トナーを収容した現像器51〜54が配設されている。各有色トナーは負極に帯電する帯電特性を有するものであり、各有色トナーには、潤滑剤や転写助剤やクリーニング助剤といったトナー粒子よりも小さな外添剤微粒子が添加されている。
また、感光体ドラム10の周囲には、帯電器31、露光器32、クリーニング装置33、および除電器34が配設されている。
帯電器31は、感光体ドラム10の表面10bに接触した状態で回転する帯電ロール311と、その帯電ロール311に電力を供給する電源312と、帯電ロール311周面の付着物を除去するクリーニング手段313とを備えている。この電源312は、帯電ロール311に、直流電圧に交流電圧を重畳させた帯電バイアスを印加する。帯電ロール311は、感光体ドラム10に接触して回転する半導電性のものであり、感光体ドラム10との接触部近傍の微小空隙で放電を発生させることにより感光体ドラム10を帯電させる。なお、帯電ロール311に代えてブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材、ブラシ状の帯電部材、磁気ブラシ状の帯電部材などが適用可能である。また、帯電ロール311やブレード状の帯電部材については感光体ドラム10に対し、接触状態に限らずある程度の空隙(100μm以下)を有した近接状態として配置しても構わない。ロール状の帯電部材、ブレード状の帯電部材、ベルト状の帯電部材は、帯電部材として有効な電気抵抗(103Ω〜108Ω)に調整された材料から構成される物であり、単層又は複数の層から構成されていても構わない。材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM、エピクロルヒドリンゴム等の合成ゴムやポリオレフィン、ポリスチレン、塩化ビニル等からなるエラストマーを主材料とし、導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、帯電部材として有効な電気抵抗を発現させ用いることができる。さらにナイロン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン等の樹脂を塗料化し、そこに導電性カーボン、金属酸化物、イオン導電剤等の任意の導電性付与剤を適量配合し、得られた塗料をデイッピング、スプレー、ロールコート等の任意の手法により、積層して用いる事ができる。
クリーニング手段313は、一端側にブラシ繊維3131を有し、他端を回動中心にして回動するものである。このクリーニング手段313は回動することにより、ブラシ繊維3131が帯電ロール311の周面に対して接離自在であり、画像形成時にはブラシ繊維3131を帯電ロール311の周面から離間させておき、画像非形成時の任意のタイミングでブラシ繊維3131を帯電ロール311の周面に接触させて帯電ロール311周面の付着物を除去する。図1に示すクリーニング手段313のブラシ繊維3131はナイロン製のものであり、ブラシ繊維の密度は15000本/6.45cm2以上であることが好ましい。
なお、帯電器31には、コロトロン帯電方式を採用したものを用いても良い。
露光器32は、感光体ドラム10の表面10bに向けて露光光を照射するものであって、発光ダイオードを用いたものであってもよいし、EL(Electro Luminescent)を用いたものであってもよい。
また、中間転写ベルト20の周囲には、1次転写位置の下流側に、2次転写部材としてのバイアスロール60が設けられ、さらに、中間転写ベルト20を挟んでバイアスロール60と対向する位置には、バックアップロール70が設けられている。この画像形成装置1では、バイアスロール60とバックアップロール70とで挟まれた位置が2次転写位置になり、この2次転写位置には、用紙やOHPシート等の記録媒体が送り込まれる。図1には、2次転写位置に用紙Pが送り込まれている様子が示されている。
図1に示すバイアスロール60は、カーボンを分散したウレタンゴムのチューブからなる表面層と、カーボンを分散した発泡ウレタンゴムからなる内部層とを備えており、バイアスロール60の最表面にはフッ素コートが施されている。このバイアスロール60は、その体積低効率が103〜1010Ω・cmに設定され、ロールの直径が例えば28mmとなるように形成され、硬度は例えば、30°(アスカC)に設定される。
図1に示す画像形成装置1には、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの4色の各画像信号が入力される。これらの画像信号が入力されると、この画像形成装置1では、感光体ドラム10の表面10bを、帯電器31により一様に帯電した後、入力された画像情報のうち、シアンの画像信号に応じたレーザ光を露光器32から感光体ドラム10に向けて照射することで感光体ドラム10の表面10bに静電潜像を形成し、感光体ドラム10の表面10bに形成された静電潜像を、現像ロータリー50に備えられたシアントナーを収納した現像器54により現像し、感光体ドラム10の表面10bにシアントナー像を形成する。次いで、1次転写位置において感光体ドラム表面10bのシアントナー像を中間転写ベルト20に1次転写する。1次転写ロール40には、電源41からトナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスが印加されており、感光体ドラム表面10bに形成されたシアントナー像は、1次転写位置において感光体ドラム表面10bから中間転写ベルト20へ移行する。
感光体ドラム10の、1次転写位置を通過した表面10bには、中間転写ベルト20へ移行することができなかった残留トナー粒子や、外添剤微粒子、さらには帯電において生じた放電生成物など、複数種類の残留物が存在する。図1に示すクリーニング装置33は、これらの残留物を除去するための装置であって、1次転写位置よりも感光体ドラム回転方向下流側であって帯電器31よりも感光体ドラム回転方向上流側の位置に配備されたものである。ここで、図2も参照して図1に示すクリーニング装置33の説明を続ける。
図2は、図1に示すクリーニング装置の一部を、感光体ドラムの回転軸の一端側から見たときの図である。
このクリーニング装置33は、ハウジング331、クリーニングブレード332、下部シール333、および塞ぎ止め部材334を有する。クリーニングブレード332は、図2の紙面に対して垂直な方向(感光体ドラム10の回転軸の延在方向)に長尺な矩形状のものであるが、ここでは、短尺方向の一端を先端と称し他端を後端と称することにする。また、下部シール333および塞ぎ止め部材334も、図2の紙面に対して垂直な方向に長尺な矩形状のものであるが、これらの部材333,334についても、短尺方向の一端を先端と称し他端を後端と称することにする。下部シール333および塞ぎ止め部材334は、クリーニングブレード332よりも、図2の紙面に対して垂直な方向に長いものである。
クリーニングブレード332は、後端がハウジング331に固定されており、先端のエッジ部3321が感光体ドラム10の表面10bに圧接されている。感光体ドラム10が所定方向に回転すると、感光体ドラム10の、中間転写ベルト20にトナー像が転写された後の表面10bに残留した残留物がそのエッジ部3321によって表面10bから掻き落とされる。
クリーニングブレード332の材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等のゴム弾性体を用いることができる。その中で耐摩耗性に優れていることからポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられており、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールや、アジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造されている。硬化剤としては、通常、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。クリーニングブレード332の物性としては、例えば硬度(JISAスケール)が50〜90,ヤング率が(kg/cm2)40〜90,100%モジュラス(kg/cm2)が20〜65,300%モジュラス(kg/cm2)が70〜150,引っ張り強さ(kg/cm2)が240〜500,伸び(%)が290〜500,反発弾性(%)が30〜70,引裂強さ(kg/cm2)が25〜75,永久伸(%)が4.0以下のものが使用可能である。またクリーニングブレード332の圧接力は10〜60(gf/cm)が好ましく、当接セット角度は17〜30(°)が好ましい。ここにいう当接セット角度とは、クリーニングブレード332と、感光体ドラム10の、ブレードが当接した部位(エッジ部3321)から感光体ドラム10の回転方向下流側に延びる感光体ドラム10の接線とで挟まれた角度をいう。
図2に示すように、ハウジング331の底壁3311の、感光体ドラム10に対向する縁には、上方へ向けて立ち上がった立上部3312が設けられている。立上部3312は、感光体ドラム10の表面10bから離間した位置にあるとともに、クリーニングブレード332のエッジ部3321よりも下方の位置にある。下部シール333も塞ぎ止め部材334も、この立上部3312に後端が固着されている。また、ハウジング331には不図示の排出口が設けられており、ハウジング331の内部には搬送用オーガ3313が配備されている。
図2に示す塞ぎ止め部材334は、ポリエチレンテレフタラート(PET)からなるものであり、先端3341の高さ位置は、クリーニングブレード332のエッジ部3321の高さ位置よりも高く、その先端3341は、クリーニングブレード332から離れた位置にある。すなわち、塞ぎ止め部材334とクリーニングブレード332との間には空間を隔ててラップ領域が形成されている。また、立上部3312に固着された塞ぎ止め部材334は、その立上部3312近傍に開口3342を有する。この開口3342は、塞ぎ止め部材334の長尺方向に沿って設けられた矩形状の長孔である。なお、塞ぎ止め部材334には、複数の開口を設けてもよい。
下部シール333は、先端3331が感光体ドラム10の表面10bに接している。すなわち、下部シール333は、クリーニングブレード332のエッジ部3321よりも下方の位置において、感光体ドラム10の表面10bから離間した位置にある立上部3312と感光体ドラム表面10bとを結ぶものであり、この下部シール333の感光体ドラム10の回転軸延在方向の長さ(長尺方向の長さ)は、塞ぎ止め部材334の長尺方向の長さと同じ程度である。下部シール333は、クリーニングブレード332によって掻き落とされた残留物を受け止める。
図2に示すように、クリーニングブレード332のエッジ部3321から、感光体ドラム10の回転方向上流側に広がる空間には、感光体ドラム10の表面10bの一部と、下部シール333と、塞ぎ止め部材334とによって画定された空間Sが含まれており、クリーニングブレード332によって掻き落とされた残留物はこの空間Sに貯留される。上記空間S内に貯留された残留物に含まれていた潤滑剤微粒子や粒径が小さなトナー粒子が、感光体ドラム表面10bとクリーニングブレード332のエッジ部3321との間に入り込んでいき潤滑剤として機能し、エッジ部3321に摩耗やカケが発生することが抑えられる。特に、図1に示す画像形成装置1では、接触帯電方式を採用し、直流電圧に交流電圧を重畳させた帯電バイアスを印加しているため、感光体ドラム表面10bとエッジ部3321との摩擦力が高くなる傾向にあるが、図2に示すクリーニング装置33を配備することで、その摩擦力の上昇を効果的に抑えることができる。
また、帯電ロール311の汚れによる画像不良では、帯電ロール311の汚れの不均一性に起因した帯電レベルの不均一性も重要であり、帯電の絶対値だけの問題ではない。従ってある程度、感光体ドラム10の電位が低下するような汚れが発生していても、その低下レベルが均一ならば実使用上は問題にならない。しかし特に単一画像が出力された場合などは帯電ロール311の汚れもその画像に応じた部分が悪くなりやすく帯電ムラが発生しやすい。上記空間S内に残留物が貯留されることで、非画像部にも帯電ロール311の汚れ成分である小粒径のトナーや外添剤粒子を供給できるため出力画像によらずに帯電ロール311の汚れや付着物の付着の程度をほぼ均一にすることができる。
さらに、トナーに潤滑剤微粒子を添加しておくことで、画像形成と共に感光体ドラム10に潤滑剤を供給し、クリーニングブレード332にて感光体ドラム10に固定化できる。この結果、感光体ドラム10に接触する帯電ロール311へ潤滑剤を微量に供給しつつ潤滑剤の過剰な移行を制御する事が可能であり、また、仮に帯電ロール311に潤滑剤が過剰に付着したとしても、図1に示す帯電ロール311のクリーニング手段313により帯電ロール311に付着した潤滑剤を除去することができるため均一化が可能で、両者により帯電ロール311上の潤滑剤の付着量の制御が可能である。また、帯電ロール311の周面に微量の潤滑剤被膜が形成されることでその周面の異物除去性を向上させることが可能であり、過度の異物付着や固着による帯電性の低下を長期に渡って抑制が可能である。
上記空間Sに貯留された残留物は、塞ぎ止め部材334に設けられた開口3342からハウジング331内に排出され、上記空間S内における残留物の貯留量が制御されるとともに、上記空間S内の残留物は新たに掻き落とされたものに入れ替わる。ハウジング331内に排出された残留物は、搬送用オーガ3313によって不図示の排出口まで搬送される。
クリーニング装置33によってクリーニングされた感光体ドラム10からは、除電器34によって残存電荷が除去される。
続いて今度は、感光体ドラム10の表面10bに、同様にしてマゼンタトナー像を形成し、1次転写位置において、このマゼンタトナー像を、先に1次転写されたシアントナー像と重なるように中間転写ベルト20に1次転写する。
以降、イエロートナー像およびブラックトナー像を順次形成し、1次転写位置において、中間転写ベルト20に先に1次転写されたトナー像と重なるように順次1次転写する。こうすることにより、中間転写ベルト20には、ベルト表面側からシアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの順で1つに重なり合ったトナー像が形成される。
続いて、この1つに重なり合ったトナー像を、バイアスロール60とバックアップロール70とで挟まれた2次転写位置において用紙に2次転写する。バイアスロール60には、電源61から2次転写バイアスが印加されており、1つに重なり合ったトナー像は、2次転写位置において中間転写ベルト20から用紙Pへ移行する。こうして、トナー像が用紙Pに転写され、トナー像が転写された用紙Pは不図示の定着装置に送られる。定着装置では、未定着トナー像を担持した用紙を所定のニップ領域を通過させることでその未定着トナー像に熱を加えるとともに圧力も加え、未定着トナー像を用紙に定着する。こうして、用紙Pに定着トナー像からなる画像が形成される。
また、中間転写ベルト20の、2次転写位置を通過した表面には、用紙Pへ移行することができなかった残留トナー粒子や外添剤微粒子などの残留物が存在する。図1に示す画像形成装置1は、2次転写位置よりも中間転写ベルト循環移動方向下流側であって1次転写位置よりも中間転写ベルト循環移動方向上流側の位置に、ベルトクリーナ装置80を備えている。このベルトクリーナ装置80は、ロールブラシ81と電源82とクリーニングロール83を有する。また、中間転写ベルト20を挟んでロールブラシ81と対向する位置やクリーニングロール83と対向する位置にはそれぞれバックアップロール89が設けられている。ロールブラシ81とクリーニングロール83はいずれも、中間転写ベルト20に対して接離自在なものである。なお、ロールブラシ81やクリーニングロール83の位置は変えずに中間転写ベルト20の循環軌道を変更して、ロールブラシ81やクリーニングロール83を、中間転写ベルト20に対して相対的に接離自在なものとしてもよい。
ロールブラシ81は、無端状の中間転写ベルト20の幅方向に延在した回転軸から放射状に延びた毛(ブラシ繊維)811を有する。この毛811に用いる繊維としては、ナイロン、アクリル、ポリオレフィン、ポリエステル等の樹脂繊維が挙げられ、ベルトロン(カネボウ社製)、SA−7(東レ社製)、UUナイロン(ユニチカ社製)等の市販品を使用することができる。また、この毛811は導電性のものである。この毛811に導電性を付与する方法としては、繊維に導電性粉末やイオン導電材を配合する方法、繊維の内部又は外部に導電層を形成する方法等が挙げられる。ロールブラシ81の毛811には、電源82からトナーの帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。すなわち、正極性のバイアスが印加される。この正極性のバイアスは直流バイアスであっても交流バイアスであってもよいが、ここでは、直流電圧に交流電圧を重畳させたバイアスが用いられる。2次転写位置を通過した中間転写ベルト20の表面には、両極性の残留トナー粒子が存在しているが、中間転写ベルト20の表面に接したロールブラシ81の毛811に正極性のバイアスを印加することで、中間転写ベルト20上の残留トナー粒子には正極の電荷が付与され、残留トナー粒子は正極性に揃えられる。したがって、このロールブラシ81が、本発明にいう電荷付与手段の一例に相当するものである。また、中間転写ベルト20の表面に強固に付着している残留トナー粒子があったとしても、上記正極性のバイアスに含まれる交流電圧によってその残留トナー粒子は中間転写ベルト表面から引きはがされる。
なお、ロールブラシ81に代えてロール体を用いてもよい。ここにいうロール体は、無端状の中間転写ベルト20の幅方向に延在した回転軸の周りに導電性円筒体を設けたものである。回転軸は、鉄、ニッケルめっき処理鉄、銅合金、ステンレスなどの導電性材料からなるものである。また、導電性円筒体としては、弾性体層と表面層とからなる2層構造のものがあげられる。弾性体層は、エピクロロヒドリンゴム、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、クロロプレンゴム、NBR、EPDMブレンドNBRゴム、SBRゴム、ブチルゴム等にアルカリ金属、4級アンモニウム塩構造を有する各種アルキルアンモニウム塩を0.01から10%混合させたものであり、表面層は、その弾性体層の周面を覆い、導電性円筒体の最表面を構成する層である。この表面層に使用されるバインダー樹脂としてはポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、メラミン樹脂、PMMAまたはPMBAのようなアクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリ尿素、ポロ酢酸ビニル等をあげることができる。このロール体の抵抗値は、体積抵抗で105〜1011Ω・cmが望ましいが、これに限定されるものではない。また、金属ロールのような硬質のロール体を用いてもよい。ロール体の、中間転写ベルト20への食い込み量は、中間転写ベルト20の循環移動等に問題を生じさせない程度の負荷荷重の範囲で適宜設定すればよく、例えば、0.2mm〜0.8mmに設定すればよい。
クリーニングロール83は、弾性材料を発泡させた発泡層831を周面に有するものであり、その周面のゴム硬度が、高分子計器株式会社製Asker−FP硬度計を用いて測定したときに40°以上90°以下であるものが好ましく、例えば、シリコーンゴムやウレタンゴムを発泡させて形成することができる。クリーニングロール83は、中間転写ベルト20に対して周速差をもって回転するものであり、このクリーニングロール83の周面を中間転写ベルト20の表面に接触させた状態でクリーニングロール83を回転させると、中間転写ベルト20に残留した残留外添剤微粒子は、クリーニングロール83の発泡層831に存在する空隙を画定する縁(エッジ)によって機械的に掻き取られ、掻き取られた残留外添剤微粒子は空隙内に入り込んでその空隙内で凝集する。クリーニングロール83の周面のゴム硬度を上記範囲にすることで、クリーニングロール83の発泡層831には、50μm以上300μm以下の大きさの空隙が多数存在することになり、残留外添剤微粒子がその多数の空隙を画定する縁によって掻き取られるため、掻き取り性が高まる。また、50μm以上300μm以下の大きさの空隙内で残留外添剤微粒子が凝集するため、凝集性も高まる。残留外添剤微粒子は空隙内である程度凝集すると、自重により自然に空隙から転げ落ちて中間転写ベルト20上に戻る。なお、このクリーニングロールの、中間転写ベルト20への食い込み量も、中間転写ベルト20の循環移動等に問題を生じさせない程度の負荷荷重の範囲で適宜設定すればよく、例えば、0.2mm〜0.8mmに設定すればよい。
さらに、図1に示す画像形成装置1は制御部90も備えている。この制御部90は、この画像形成装置1全体の制御を司るものであるが、ここでは、中間転写ベルト20の残留物をクリーニングする制御について説明する。図1に示す制御部90は、中間転写ベルト20に存在する残留物のクリーニングを制御するにあたり、ベルトクリーナ装置80や1次転写ロール40の電源41を制御する。すなわち、まず、制御部90は、中間転写ベルト20が感光体ドラム10からトナー像の転写を受け転写されたトナー像を用紙Pに転写し終えるまでロールブラシ81とクリーニングロール83との双方を中間転写ベルトから離間させておく。用紙Pへの転写が終了すると、制御部90は、クリーニングロール83を中間転写ベルト20から離間させたままロールブラシ81を中間転写ベルト20に接触させ、電源82から正極性のバイアスをロールブラシ81の毛811に印加させる。次いで、ロールブラシ81を中間転写ベルト20から離間させる一方で、今度はクリーニングロール83を中間転写ベルト20に接触させ、クリーニングロール83を回転させる。また、中間転写ベルト20上で正極性の電荷を有する残留物がその中間転写ベルト20から感光体ドラム表面10bへ移行する正極性のバイアスを、1次転写ロール40の電源41から1次転写ロール40へ印加させる。この正極性のバイアスは、1次転写バイアスで兼用することができる。中間転写ベルト20上の残留トナー粒子は、ロールブラシ81によって正極性に揃えられており、正極性に揃えられた残留トナー粒子は1次転写ロール40に印加された正極性のバイアスの作用によって感光体ドラム表面10bへ移行し、感光体ドラム表面10bへ移行した残留トナー粒子は、クリーニングブレード332によってその表面10bから掻き取られ除去される。また、中間転写ベルト20上の残留外添剤微粒子は、上述の如くクリーニングロール83によって掻き取られ、凝集体になって中間転写ベルト20上に戻る。ここで、残留外添剤微粒子にもロールブラシ81によって正極性の電荷が付与され、さらに掻き取られる際や凝集する際の摩擦帯電によっても電荷が付与されている。このため、中間転写ベルト20上に戻った残留外添剤微粒子の凝集体全体からするとかなりの電荷を担持しており、残留外添剤微粒子の凝集体も1次転写ロール40に印加された正極性のバイアスの作用によって感光体ドラム表面10bへ移行し、最終的には、残留トナー粒子と同じくクリーニングブレード332によって感光体ドラム表面10bから掻き取られ除去される。したがって、中間転写ベルト20からの、トナー粒子の十分な除去と外添剤微粒子の十分な除去とを両立させることができる。また、中間転写ベルト20のクリーニング手段であるベルトクリーナ装置80に回収機構が設けられていない分、図1に示す画像形成装置1では装置の小型化が実現されている。なお、仮に、正極性のバイアスの作用によって感光体ドラム表面10bへ移行しない凝集体があったとしても、中間転写ベルト20からは剥がされたものであるため中間転写ベルト20から落下し、画質欠陥を生じさせることはない。
続いて、図1に示す各現像器51〜54について詳述する。これらの現像器51〜54は、上述の如く外添剤微粒子が添加された有色トナーを収容したものである。これらの現像器51〜54に収容されたトナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、例えば結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等により得られるものが使用できる。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。
トナー粒子は結着樹脂と着色剤、離型剤等とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。体積平均粒径は2〜12μmの範囲が好ましく3〜9μmの範囲がより好ましい。また、トナーの平均球状係数(ML2/A:MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す)が115以上140以下の範囲のものを用いることにより、高い現像、転写性、及び高画質の画像を得ることができる。
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減との点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。トナーは、磁性材料を内包する磁性トナー、および磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
さらに、図1に示す各現像器51〜54に収容されたトナーは、潤滑剤微粒子が外添剤微粒子の一種として添加されたものである。潤滑剤としてはグラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類微粒子;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス;及びそれらの変性物が使用でき、これらを単独で使用するか、あるいは併用しても良い。特に、劈開性を有することにより摩擦低減効果の高い脂肪酸金属塩、具体的にはステアリン酸亜鉛を使用することが好ましい。ステアリン酸亜鉛の添加量は0.01〜2.0%重量部が好ましく、更に0.05〜0.5%重量部がより好ましい。0.01%より少ない場合は十分な潤滑効果を発揮できず、2.0%よりも多い場合は感光体ドラム10への付着量があまりにも過剰となり、高温高湿下で像流れが発生し易くなる上、トナーその物の帯電特性に悪影響を与えてしまう。
ここで、帯電ロール311と接触する感光体ドラム表面10bのステアリン酸亜鉛の量をXPS分析によるZnの被覆率で表すと、0.05%以上30%以下の範囲が好ましく、1%以上15%以下の範囲がより好ましい。なおここでは、XPS分析は極表面の分析であるため塗布量に対して分析値が飽和するため、飽和した量を100%としてZn被覆率を算出した。上記被覆率が0.01%よりも少ない場合には、帯電ロール311へのステアリン酸亜鉛の供給が不十分となり、クリーニング手段313によってトナーやシリカ等の異物を十分に除去することができず、また付着物の固着が生じやすくなり、長期走行での帯電不良が発生し易くなる。反対に上記被覆率が70%よりも多い場合には、帯電ロール周面でのステアリン酸亜鉛の付着量が過剰となり帯電不良や帯電ムラを発生しやすくなる。
また、図1に示す各現像器51〜54に収容されたトナーには、感光体ドラム10の表面10bの付着物、劣化物除去の目的等で、無機微粒子、有機微粒子、該有機微粒子に無機微粒子を付着させた複合微粒子などを加えることができるが、研磨性に優れる無機微粒子が特に好ましい。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。また、上記無機微粒子にテトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどのチタンカップリング剤、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤などで処理を行っても良い。また、シリコーンオイル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩による疎水化処理も好ましく行うことができる。
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等を挙げることができる。これらの粒子径としては、小さすぎると研磨能力に欠け、また、大きすぎると感光体ドラム表面に傷を発生しやすくなるため、平均粒子径で5〜1000nmの範囲、好ましくは5〜800nmの範囲、より好ましくは5〜700nmの範囲のものが使用される。また、前記潤滑剤の添加量との和が、0.6質量%以上であることが好ましい。
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては、粉体流動性、帯電制御等のため、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を、更に付着力低減や帯電制御のため、それより大径の無機酸化物を挙げることができる。これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用することができるが、精密な帯電制御を行うためには、シリカと酸化チタンとを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性を向上させる効果が大きくなる。
図1に示す各現像器51〜54に収容されたトナーは、前記トナー粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサー、あるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
また、図1に示す各現像器51〜54に収容されたトナーは、キャリアと混合されている。キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。また、キャリアとトナーとの混合割合は、適宜設定することができる。
次に、図1に示す感光体ドラム10として用いることができる感光体ドラムについて詳述する。この感光体ドラムとしては、円筒上の導電性基材の表面上に、電荷発生層と電荷輸送層を含む感光層等を積層してなるものを用いることができる。導電性基材としては、アルミニウム・銅・鉄・ステンレス・亜鉛・ニッケルなどの金属ドラムとしてもよいし、シート・紙・プラスチック又はガラス上にアルミニウム・銅・金・銀・白金・パラジウム・チタン・ニッケルークロム・ステンレス鋼・銅・インジウム等の金属を蒸着したり酸化インジウム・酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着したものとしてもよいし、金属箔をラミネートしたり、或いは、カーボンブラック・酸化インジウム・酸化錫・酸化アンチモン粉・金属粉・沃化銅等を結着樹脂に分散し、塗布することによって導電処理したもの等が用いられる。また、導電性基材の形状はドラム状に限られず、シート状、プレート状としてもよい。尚、導電性基材を金属パイプとした場合、表面は素管のままであってもよいし、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニングなどの処理が行われていてもよい。
導電性基材の表面上には、所望に応じて下引き層が形成されてもよい。この下引き層に用いられる材料としてはジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。さらに、従来より下引き層に用いられるポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
電荷発生層に含有される電荷発生材料としては、公知の電荷発生物質なら何でも使用できる。赤外光用ではフタロシアニン顔料、スクアリリウム、ビスアゾ、トリスアゾ、ペリレン、ジチオケトピロロピロール、可視光用としては縮合多環顔料、ビスアゾ、ペリレン、トリゴナルセレン、色素増感した金属酸化物微粒子等を用いる。これらの中で、特に優れた性能が得られ、好ましく使用される電荷発生物質として、フタロシアニン系顔料が用いられる。これを用いることにより、特に高感度で、繰り返し安定性の優れる電子写真感光体が得られることができる。また、フタロシアニン顔料は一般に数種の結晶型を有しており、目的にあった感度が得られる結晶型であるならば、これらのいずれの結晶型でも用いることができる。特に好ましく用いられる電荷発生物質としては、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン、オキシチタニルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン等が挙げられる。
フタロシアニン顔料結晶は公知の方法で製造されるフタロシアニン顔料を、自動乳鉢、遊星ミル、振動ミル、CFミル、ローラーミル、サンドミル、ニーダー等で機械的に乾式粉砕するか、乾式粉砕後、溶剤と共にボールミル、乳鉢、サンドミル、ニーダー等を用いて湿式粉砕処理を行うことによって製造することができる。上記の処理において使用される溶剤は、芳香族類(トルエン、クロロベンゼン等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、脂肪族アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、脂肪族多価アルコール類(エチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等)、芳香族アルコール類(ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等)、エステル類(酢酸エステル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルスルホキシド、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、さらには数種の混合系、水とこれら有機溶剤の混合系があげられる。使用される溶剤は、顔料結晶に対して、1〜200部、好ましくは10〜100部の範囲で用いる。処理温度は、−20℃〜溶剤の沸点以下、好ましくは−10〜60℃の範囲で行う。また、粉砕の際に食塩、ぼう硝等の磨砕助剤を用いることもできる。磨砕助剤は顔料に対し0.5〜20倍、好ましくは1〜10倍用いればよい。また、公知の方法で製造されるフタロシアニン顔料結晶を、アシッドペースティングあるいはアシッドペースティングと前述したような乾式粉砕あるいは湿式粉砕を組み合わせることにより、結晶制御することもできる。アシッドペースティングに用いる酸としては、硫酸が好ましく、濃度70〜100%、好ましくは95〜100%のものが使用され、溶解温度は、−20〜100℃好ましくは−10〜60℃の範囲に設定される。濃硫酸の量は、フタロシアニン顔料結晶の重量に対して、1〜100倍、好ましくは3〜50倍の範囲に設定される。析出させる溶剤としては、水、あるいは水と有機溶剤の混合溶剤が任意の量で用いられる。析出させる温度については特に制限はないが、発熱を防ぐために、氷等で冷却することが好ましい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。これらの中で特にポリビニルアセタール樹脂が好ましく用いられる。
また、電荷発生物質と結着樹脂との配合比(重量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましい。塗布液を調整するための溶媒としては公知の有機溶剤、例えばアルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等から任意で選択することができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を用いることができる。また、これらの分散に用いる溶剤は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。混合する際、使用される溶剤としては、混合溶剤としてバインダー樹脂を溶かす事ができる溶剤であれば、いかなるものでも使用することが可能である。
分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法を用いることができる。さらにこの電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることは高感度・高安定性に対して有効である。
さらに、電荷発生材料は電気特性の安定性向上、画質欠陥防止などのために表面処理を施すことができる。表面処理剤としてはカップリング剤などを用いることができるがこれに限定されるものではない。表面処理に用いるカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。これらのなかでも特に好ましく用いられるシランカップリング剤としてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が上げられる。
また、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどの有機ジルコニウム化合物も用いることができる。また、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどの有機チタン化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテート、アルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などの有機アルミニウム化合物も用いることができる。
電荷発生層用塗布液には電気特性向上、画質向上などのために種々の添加剤を添加することもできる。添加物としては、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができる。シランカップリング剤の例としてはビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどである。ジルコニウムキレート化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としてはテトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
これらの化合物は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合物として用いることができる。
さらにこの電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層に含有される電荷輸送物質としては、公知のものならいかなるものでも使用可能であるが、下記に示すものを例示することができる。2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(P−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミンなどの芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジンなどの1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体などの正孔輸送物質。クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電子輸送物質、あるいは上記化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体などがあげられる。これらの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合せて使用できる。
電荷輸送層に用いる結着樹脂は公知のものであればいかなるものでも使用することが出来るが、電機絶縁性のフィルム形成可能な樹脂が好ましい。例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、塩化ビニリデンーアクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノールーホルムアルデヒド樹脂、スチレンーアルキッド樹脂、ポリーN―カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシーメチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等があげられるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は、単独又は2種類以上混合して用いられるが、特にポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂が電荷輸送材との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で優れ好ましく用いられる。結着樹脂と電荷輸送物質との配合比(重量比)はいずれの場合も任意に設定することができるが、電気特性低下、膜強度低下に注意しなくてはならない。電荷輸送層の厚みは5〜50μm、好ましくは10〜40μmが適当である。さらにこの電荷輸送層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。塗布に用いる溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
さらに、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光・熱による感光体ドラムの劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤・光安定剤などの添加剤を添加する事ができる。
たとえば、酸化防止剤としてはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
酸化防止剤の具体的な化合物例として、フェノール系酸化防止剤では2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル 4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチル フェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチル−フェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル 6−t−ブチル フェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチル ベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート]−メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル フェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチル エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。ヒンダードアミン系化合物ではビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物などが挙げられる。有機イオウ系酸化防止剤としてジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプト ベンズイミダゾールなどが挙げられる。有機燐系酸化防止剤としてトリスノニルフェニル フォスフィート、トリフェニル フォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチル フェニル)−フォスフィートなどが挙げられる。
有機硫黄系および有機燐系酸化防止剤は2次酸化防止剤と言われフェノール系あるいはアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤として2−ヒドロキシ−4−メトキシ ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシ ベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシ ベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系系光安定剤として2−(−2’−ヒドロキシ−5’メチル フェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(−2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル 5’−メチルフェニル−)−5−クロロ ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル 5’−メチルフェニル−)−5−クロロ ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル−)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチル フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ 3’,5’−ジ−t−アミル フェニル−)−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。その他の化合物として2,4,ジ−t−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケル ジブチル−ジチオカルバメートなどがある。
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有せしめることができる。感光体ドラムに使用可能な電子受容性物質としては、例えば無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸などをあげる事ができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
また、電荷輸送層にはシリカやフッ素系樹脂のような微粒子を含有させることもできる。フッ素系樹脂の電荷輸送層中含量は、電荷輸送層全量に対し、0.1〜40wt%が適当であり、特に1〜30wt%が好ましい。含量が1wt%未満ではフッ素系樹脂粒子の分散による改質効果が十分でなく、一方、40wt%を越えると光通過性が低下し、かつ、繰返し使用による残留電位の上昇が生じてくる。
ここで用いるフッ素系樹脂粒子としては、4フッ化エチレン樹脂、3フッ化塩化エチレン樹脂、6フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、2フッ化2塩化エチレン樹脂およびそれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが望ましいが、特に、4フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
また、塗布液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
また、表面層の磨耗、傷などに対する耐性を持たせるため、高強度表面層を設けることもできる。この高強度表面層としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂からなるものが好ましく、このうち特に、下記の一般式(I)で示される構造のものが強度、安定性に優れ好ましい。
G−D−F:一般式(I)
ただし、G:無機ガラス質ネットワークサブグループ,D:可とう性有機サブユニット,F:電荷輸送性サブユニットである。
上記一般式(I)におけるFは、光キャリア輸送特性を有する構造として、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合や、およびキノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物などが挙げられる。
上記一般式(I)におけるG、特に好ましくは反応性を有するSi基は、互いに架橋反応を起こして3次元的な Si−O−Si結合、すなわち無機ガラス質ネットワークを形成するためのものである。
上記一般式 (I)におけるDとは、電荷輸送性を付与するためのFを、3次元的な無機ガラス質ネットワークに直接結合で結びつけるためのものである。また、堅さの反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜としての強度を向上させるという働きもある。
上記一般式(I)で表される化合物と結合可能な基とは、一般式(I)で表される化合物を加水分解した際に生じるシラノール基と結合可能な基を意味し、具体的には、−Si (R1(3-a)aで示される基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲンなどを意味する。これらのうち、−Si (R1(3-a)aで示される基、エポキシ基、イソシアネート基が有する化合物がより強い機械強度を有するため好ましい。さらに、これらの基を分子内に2つ以上持つものが硬化膜の架橋構造が3次元的になり、より強い機械強度を有するため好ましい。
膜の成膜性、可とう性を調整するなどの目的から、他のカップリング剤、フッ素化合物と混合して用いても良い。このような化合物として、各種シランカップリング剤、および市販のシリコン系ハードコート剤を用いることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、等を用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239 (以上、信越シリコーン社製)、およびAY42−440、AY42−441、AY49−208 (以上、東レダウコーニング社製)、などを用いることができる。また、撥水性などの付与のために、(トリデカフルオロ −1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン、などの含フッ素化合物を加えても良い。シランカップリング剤は任意の量で使用できるが、含フッ素化合物の量は、フッ素を含まない化合物に対して重量で0.25以下とすることが望ましい。これを越えると、架橋膜の成膜性に問題が生じる場合がある。また、膜の強度を向上させるために、−Si (R1(3-a)aで示される加水分解性基を有する置換ケイ素基を2個以上有している化合物を同時に用いることがより好ましい。
これらのコーティング液の調整は、無溶媒で行うか、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が使用できるが、好ましくは沸点が100℃以下のものであり、任意に混合しての使用もできる。溶剤量は任意に設定できるが、少なすぎると一般式(I)で示される化合物が析出しやすくなるため、一般式(I)で示される化合物1部に対し0.5〜30部、好ましくは、1〜20部で使用される。反応温度および時間は原料の種類によっても異なるが、通常、0〜100℃、好ましくは10〜70℃、特に好ましくは、150〜50℃の温度で行うことが好ましい。反応時間に特に制限はないが、反応時間が長くなるとゲル化を生じ易くなるため、10分から100時間の範囲で行うことが好ましい。
さらに、硬化触媒としては、以下の様なものをあげることができる。
塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などのプロトン酸、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、オクエ酸第一錫等の有機錫化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムトリアセチルアセトナートなどの有機アルミニウム化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩等が挙げられるが、保存安定性の点で金属化合物が好ましく、さらに、金属のアセチルアセトナート、あるいは、アセチルアセテートが好ましく、特にアルミニウムトリアセチルアセトナートが好ましい。硬化触媒の使用量は任意に設定できるが、保存安定性、特性、強度などの点で加水分解性ケイ素置換基を含有する材料の合計量に対して0.1〜20wt%が好ましく、0.3〜10wt%がより好ましい。硬化温度は、任意に設定できるが、所望の強度を得るためには60℃以上、より好ましくは80℃以上に設定される。硬化時間は、必要に応じて任意に設定できるが、10分〜5時間が好ましい。また、硬化反応を行ったのち、高湿度状態に保ち、特性の安定化を図ることも有効である。さらに、用途によっては、ヘキサメチルジシラザンや、トリメチルクロロシランなどを用いて表面処理を行い、疎水化することもできる。
感光体ドラムの表面架橋硬化膜には、帯電器で発生するオゾン等の酸化性ガスによる劣化を防止する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましい。感光体ドラム表面の機械的強度を高め、感光体ドラムが長寿命になると、感光体ドラムが酸化性ガスに長い時間接触することになるため、従来より強い酸化耐性が要求される。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量としては20重量%以下が望ましく、10重量%以下がさらに望ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、などが挙げられる。
また、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、ポットライフの延長などの目的でアルコールに溶解する樹脂を加えることもできる。アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。上記樹脂の分子量は2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。分子量は2000より小さいと所望の効果が得られなくなり、100000より大きいと溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に製膜不良の原因になったりする。添加量は1〜40%が好ましく、さらに好ましくは1〜30%であり、5〜20%が最も好ましい。1%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなり、40%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる。
更に、感光体ドラム表面の耐汚染物付着性、潤滑性を改善するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、併用してもよい。微粒子の一例として、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカおよびシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径1〜100nm、好ましくは10〜30の酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。最表面層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、製膜性、電気特性、強度の面から最表面層の全固形分中の0.1〜50重量%の範囲、好ましくは0.1〜30重量%の範囲で用いられる。
ケイ素含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径1〜500nm、好ましくは10〜100nmの、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、感光体ドラムの表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、感光体ドラム表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。感光体ドラムにおける最表面層中のシリコーン微粒子の含有量は、最表面層の全固形分中の0.1〜30重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や“第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89”に示される様な、前記フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al23、SnO2−Sb23、In23−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al23、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In23、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物をあげることができる。また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコンオイル、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチル−1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。
電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、優れた機械強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま積層型感光体の電荷輸送層として用いることもできる。その場合、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なっても良いし、複数回重ね塗布した後でも良い。
単層型感光層の場合は、前記の電荷発生物質と結着樹脂を含有して形成される。結着樹脂としては、前記電荷発生層および電荷輸送層に用いられる結着樹脂と同様のものを用いることができる。単層型感光層中の電荷発生物質の含有量は、10〜85重量%程度、好ましくは20〜50重量%とする。単層型感光層には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5〜50重量%とすることが好ましい。また、上記一般式(I)で示される化合物を加えてもよい。塗布に用いる溶剤や塗布方法は、上記と同様のものを用いることができる。膜厚は5〜50μm程度が好ましく、10〜40μmとするのがさらに好ましい。
さらに、感光体ドラムの表面層をフッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液を塗布、あるいは浸漬処理こともできる。この場合、さらなるトルク低減が図れるとともに転写効率の向上も図れるため好ましい。
感光体ドラムの表面層を処理するフッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液について説明する。
フッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレンのホモポリマーまたはテトラフルオロエチレンとオレフィン、含フッ素オレフィン、パーフルオロオレフィン、フルオロアルキルビニルエーテルなどとのコポリマー、フッ化ビニリデンのホモポリマーまたはフッ化ビニリデンとオレフィン、含フッ素オレフィン、パーフルオロオレフィン、フルオロアルキルビニルエーテルなどとのコポリマー、クロロトリフルオロエチレンのホモポリマーまたはクロロトリフルオロエチレンとオレフィン、含フッ素オレフィン、パーフルオロオレフィン、フルオロアルキルビニルエーテルなどとのコポリマーなどが挙げられ、特に、テトラフルオロエチレンのホモポリマーまたはコポリマーが好ましく、また、テトラフルオロエチレンのホモポリマーと各種コポリマーを重量比で95:5〜10:90で混合して用いることも好ましい。
フッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂は、水性分散液として用いられるが、この水性分散液にはさらにワックス及び/またはシリコーンを含有させることもできる。ワックス及び/またはシリコーンを含有させることにより、フッ素系樹脂がクリーニングブレードの内部に浸透することを促進するため好ましい。ここで、ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペロトラタムなど、シリコーンとしては、シリコーンオイル、シリコーングリス、オイルコンパウンド、シリコーンワニスなどが挙げられる。
フッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液には、必要によって、フッ素系あるいはその他ノニオン系、カチオン系、アニオン系または両性界面活性剤、pH調整剤、溶剤、多価アルコール、柔軟剤、粘度調整剤、光安定剤、酸化防止剤などを混合することもできる。
浸透層の形成は、フッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液中に浸漬することにより行うことができるが、フッ素系樹脂の浸透を促進するために、減圧下で行うこともできる。この際の圧力としては、0.9気圧以下、好ましくは、0.8気圧以下、より好ましくは0.7気圧以下にて処理する。また、水性分散液を40℃以上、好ましくは50℃以上に加熱することが浸透の促進に効果的である。さらに、0.1気圧以上、好ましくは、0.2気圧以上、より好ましくは0.3気圧以上にて処理することも効果的であり、減圧、加圧、加熱処理を組み合わせることも効果的である。 また、スプレーや、塗布法により付着させたのち、40℃以上、好ましくは50℃以上に加熱し、浸透層を形成することもできる。フッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液を付着させた後、加熱乾燥を行う前、あるいは行った後にふき取り、あるいは洗浄を行うこともできる。
(実施例)
以下、本発明の実施の形態についてより具体的に実施例を用いて詳述する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
実験機として、ベルトクリーナ装置のロールブラシをロール体(以下、電荷付与ロール体と称する)に代えた以外は図1に示す画像形成装置の構成と同じ構成の画像形成装置を用いた。詳しくは、以下に示す通りである。
感光体ドラム 材質:OPC感材(直径84mm)
プロセス速度 160mm/sec
1次転写ロール 金属ロールにウレタン発泡し、直径が12mmであって、体積抵抗率 が1013Ω・cmである。
バイアスロール 発泡性ウレタンゴムにイオン導電体を配合したもので、直径が18m mであって、体積低効率が108Ω・cmである。
潜像電位 −200V
背景部電位 −700V
中間転写ベルト
駆動方式:感光体ドラム駆動によるベルト従動駆動
基材:クロロプレンゴムとEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)をブレンド したもの
保護層:水性塗料エムラロン345(日本アチソン社製)
体積抵抗:109Ω・cm
ベルトクリーナ装置
電荷付与ロール体 SUS製の直径12mmのロール体
印加バイアス 2.5kvの直流電圧にピーク トゥ ピークが1.5kvの交流電圧 を重畳させたもの
クリーニングローラ ウレタン発泡層を有する直径10mmのローラであり、周面の硬 さが、高分子計器株式会社製Asker−FP硬度計を用いて測 定すると60°の硬さである。
上記のような構成の画像形成装置を用いて画像形成を行い形成画像の画質確認を行ったところ、画質欠陥の発生は確認されなかった。
(実施例2)
ベルトクリーナ装置に配備されたクリーニングローラを、周面の硬さが、高分子計器株式会社製Asker−FP硬度計を用いて測定すると40°の硬さであるものに代えた以外は実施例1と同じ構成の画像形成装置を用いて画像形成を行い、形成画像の画質確認を行ったところ、画質欠陥の発生は確認されなかった。
(実施例3)
ベルトクリーナ装置に配備されたクリーニングローラを、周面の硬さが、高分子計器株式会社製Asker−FP硬度計を用いて測定すると90°の硬さであるものに代えた以外は実施例1と同じ構成の画像形成装置を用いて画像形成を行い形成画像の画質確認を行ったところ、画質欠陥の発生は確認されなかった。
(実施例4)
ベルトクリーナ装置に配備されたクリーニングローラを、周面の硬さが、高分子計器株式会社製Asker−FP硬度計を用いて測定すると91°の硬さであるものに代えた以外は実施例1と同じ構成の画像形成装置を用いて画像形成を行い形成画像の画質確認を行ったところ、画質上に若干のフィルミングに起因する筋が発生していたが、許容レベルの画質であった。
(実施例5)
ベルトクリーナ装置に配備されたクリーニングローラを、周面の硬さが、高分子計器株式会社製Asker−FP硬度計を用いて測定すると39°の硬さであるものに代えた以外は実施例1と同じ構成の画像形成装置を用いて画像形成を行い形成画像の画質確認を行ったところ、画質上に若干のフィルミングに起因する筋が発生していたが、許容レベルの画質であった。
(比較例1)
ベルトクリーナ装置に配備されたクリーニングローラを、SUS製の金属ローラに代えた以外は実施例1と同じ構成の画像形成装置を用いて画像形成を行った。ここでのクリーニングローラは周面に発泡層が存在せず、周面の硬さも硬すぎて、高分子計器株式会社製Asker−FP硬度計を用いた測定では計測不能であった。形成画像の画質確認を行ったところ、外添剤微粒子のフィルミングの影響と思われる転写不良やスジ状の欠陥が確認された。
(比較例2)
ベルトクリーナ装置に配備されたクリーニングローラを、シリコンゴム製のローラに代えた以外は実施例1と同じ構成の画像形成装置を用いて画像形成を行った。ここでのクリーニングローラも周面に発泡層が存在せず、周面の硬さも硬すぎて、高分子計器株式会社製Asker−FP硬度計を用いた測定では計測不能であった。なお、クリーニングローラの周面の硬さは、高分子計器株式会社製Asker−C硬度計を用いた測定では、55°であった。形成画像の画質確認を行ったところ、外添剤微粒子のフィルミングの影響と思われる転写不良やスジ状の欠陥が確認された。
このように実施例1〜3に示したクリーニングロールを用いることで、画像欠陥の発生が確認されなかったことから、トナー粒子も外添剤も十分に除去されたと考える。また、実施例4〜5に示したクリーニングロールにおいては、許容レベルであるが、若干の画像欠陥が確認されたことから、トナー及び外添剤の除去が十分ではなかったと考える。一方、比較例では、クリーニングロールを発泡層が存在しないものに代えたことにより外添剤微粒子の除去が不十分になったと考える。
本発明の画像形成装置の一実施形態に相当するフルカラー画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示すクリーニング装置の一部を、感光体ドラムの回転軸の一端側から見たときの図である。
符号の説明
1 画像形成装置
10 感光体ドラム
10b 表面
20 中間転写ベルト
31 帯電器
32 露光器
33 クリーニング装置
34 除電器
40 1次転写ロール
50 現像ロータリー
60 バイアスロール
80 ベルトクリーナ装置
81 ロールブラシ
82 電源
83 クリーニングロール
831 発泡層
90 制御部

Claims (1)

  1. 像担持体の表面にトナー像を形成し該トナー像を記録媒体上に転写および定着することにより該記録媒体上に定着トナー像からなる画像を形成する画像形成装置において、
    トナー像の転写を前記像担持体から受け転写されたトナー像を記録媒体に転写する中間転写体と、
    前記像担持体の、前記中間転写体にトナー像が転写された後の表面に残留した残留物を該表面から除去するクリーニング手段と、
    前記中間転写体上に残留した残留物に所定極性の電荷を付与する電荷付与手段と、
    周面が前記中間転写体に接し、該周面に発泡層を有するクリーニングロールと、
    前記所定極性の電荷を有する残留物に該所定極性と同じ極性のバイアスを作用させ該残留物を前記中間転写体から前記像担持体表面へ移行させるバイアス印加手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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