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JP2006506441A - 免疫応答を増大させるためのhmgbポリペプチドの使用 - Google Patents

免疫応答を増大させるためのhmgbポリペプチドの使用 Download PDF

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JP2006506441A JP2004553936A JP2004553936A JP2006506441A JP 2006506441 A JP2006506441 A JP 2006506441A JP 2004553936 A JP2004553936 A JP 2004553936A JP 2004553936 A JP2004553936 A JP 2004553936A JP 2006506441 A JP2006506441 A JP 2006506441A
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ノース ショア−ロング アイランド ジュ−イッシュ リサ−チ インスティチュ−ト
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Abstract

本発明は、個体において免疫応答を刺激するか又は増大するために有用なHMGB Bボックス又はその機能的変異体を含むポリペプチドに関する。そのようなポリペプチドは、ワクチン製剤において及び癌治療において使用することができる。

Description

発明の詳細な説明
関連出願
本出願は、2002年11月20日出願の米国特許仮出願第60/427,848号の優先権を主張するものである。前記出願の教示全体が参照してここに組み込まれる。
政府支援
本発明は、全体又は一部が、国立衛生研究所からの助成金RO1 GM 57226によって援助された。政府は本発明に所定の権利を有する。
発明の背景
免疫系は異物を破壊する又は中和するように機能する。免疫応答は、ウイルス、細菌、真菌及び他の寄生生物を含む、微生物による感染から保護する。加えて、免疫系は、異常となった自らの身体の細胞、例えば癌細胞、及び赤血球などの古くてもはや身体に有用でない細胞を破壊するように機能する。
免疫系の操作は、治療的又は防御的免疫応答を誘発することができる1つの方法であり、多くの疾患が免疫系の操作を通して治療できる。免疫学的疾患を治療するための現在の療法は、抗炎症薬、例えばコルチコステロイド、細胞傷害性薬剤、免疫系内のシグナル伝達事象を調節する物質及び抗体を含む。
免疫系の作用が不適切である多くの疾患が存在する。それ故、これらの疾患の治療法が求められている。
発明の要旨
HMGBポリペプチド、並びにHMGB Bボックス又はその機能的変異体(集合的に「HMGB Bボックス」と称する)を含むポリペプチドは、そのようなポリペプチドを投与した細胞からのサイトカイン活性を刺激するために有用である。そこで、HMGBポリペプチド及びHMGB Bボックスを含むポリペプチドは、個体において免疫応答を増大させるため、及び高い免疫応答が望ましい多くの疾患を治療するために使用できる。本明細書で述べる試薬及び方法を用いて治療することができる状態の例は、HIV/AIDSを含む癌及びウイルス感染、アレルギー疾患及び喘息を包含する。本明細書で述べるHMGB Bボックス及び機能的変異体はまた、感染症を予防するか、改善するか又は治療するために免疫応答が望ましい、ワクチンの一部としても使用できる。
従って、1つの局面では、本発明は、HMGBポリペプチド又はその機能的断片又は変異体(集合的に「HMGBポリペプチド」と称する)、あるいはHMGB Bボックス又はその機能的変異体(集合的に「HMGB Bボックス」と称する)を、その医薬組成物を投与した個体における免疫応答の上昇が望ましい疾患又は状態を治療するのに十分な量で含有する、医薬組成物に関する。1つの実施形態では、前記医薬組成物はワクチンをさらに含む。
別の局面では、本発明は、HMGBポリペプチド又はその機能的断片又は変異体、あるいはHMGB Bボックス又はその機能的変異体を含むポリペプチドに結合した抗体に関する。1つの実施形態では、前記抗体は薬学的に許容される担体中に存在する。
別の実施形態では、本発明は、HMGBポリペプチド又はその機能的断片又は変異体、あるいはHMGB Bボックス又はその機能的変異体を含むポリペプチドを個体に投与することを含む、免疫刺激を必要とする個体において免疫応答を刺激するか又は増大させる方法に関する。1つの実施形態では、前記個体は癌のために治療されている。別の実施形態では、前記ポリペプチドは、免疫刺激を必要とする個体内の標的部位に特異的な抗体に結合している。別の実施形態では、前記ポリペプチドをワクチンと同時投与する。別の実施形態では、前記ポリペプチドは薬学的に許容される担体中に存在する。
別の局面では、本発明は、HMGBポリペプチド又はその機能的断片もしくは変異体、あるいはHMGB Bボックス又はその機能的変異体を含むポリペプチドの治療上有効な量を個体に投与することを含む、個体において癌を治療する方法に関する。1つの実施形態では、前記個体は癌のために治療されている。別の実施形態では、前記ポリペプチドは、免疫刺激を必要とする個体内の標的部位に特異的な抗体に結合している。別の実施形態では、前記ポリペプチドをワクチンと同時投与する。別の実施形態では、前記ポリペプチドは薬学的に許容される担体中に存在する。
発明の詳細な説明
本発明は、個体において免疫応答を刺激するか又は増大させるのに有用なHMGBポリペプチド及びHMGB Bボックス又はその機能的変異体を含むポリペプチドに関する。1つの実施形態では、前記ポリペプチドは哺乳動物HMGB Bボックス、例えばヒトHMGB Bボックスを含むか、又はそれから成る。HMGB Bボックスの例は、配列番号5、配列番号20又は配列番号45の配列を有するポリペプチドを含む。
本明細書で使用するとき、「HMGBポリペプチド」又は「HMGBタンパク質」は、炎症を増大させるか、及び/又は細胞からのプロ炎症性サイトカインの放出を増大させる及び/又は炎症性サイトカインカスケードの活性を増大させる、天然でそれに付随する成分から分離されている、単離された、実質的に純粋な又は実質的に純粋で且つ単離されたポリペプチド、又は同じアミノ酸配列を有する組換え生産されたポリペプチドである。1つの実施形態では、HMGBポリペプチドは前記生物活性の1つを有する。別の実施形態では、HMGBポリペプチドは前記生物活性の2つを有する。3番目の実施形態では、HMGBポリペプチドは前記生物活性の3つ全部を有する。
好ましくは、HMGBポリペプチドは哺乳動物HMGBポリペプチド、例えばヒトHMGB1ポリペプチドである。HMGBポリペプチドの例は、配列番号1、配列番号2、配列番号3もしくは配列番号18の配列を含むか、又はそれから成るポリペプチドを含む。好ましくは、HMGBポリペプチドはBボックスDNA結合ドメイン及び/又はAボックスDNA結合ドメイン及び/又は本明細書で述べる酸性カルボキシル末端を含む。HMGBポリペプチドの他の例は、その教示全体が参照してここに組み込まれる、GenBankアクセッション番号AAA64970、AAB08987、P07155、AAA20508、S29857、P09429、NP_002119、CAA31110、S02826、U00431、X67668、NP_005333、NM_016957及びJ04179に述べられている。HMGBポリペプチドのさらなる例は、哺乳動物HMG1((HMGB1)、例えばGenBankアクセッション番号U51677に述べられている)、HMG2((HMGB2)、例えばGenBankアクセッション番号M83665に述べられている)、HMG2−2A((HMGB3、HMG−4)、例えばGenBankアクセッション番号NM_005342及びNP_005333に述べられている)、HMG14(例えばGenBankアクセッション番号P05114に述べられている)、HMG17(例えばGenBankアクセッション番号X13546に述べられている)、HMGI(例えばGenBankアクセッション番号L17131に述べられている)及びHMGY(例えばGenBankアクセッション番号M23618に述べられている);非哺乳動物HMG T1(例えばGenBankアクセッション番号X02666に述べられている)及びHMG T2(例えばGenBankアクセッション番号L32859に述べられている)(ニジマス);HMG−X(例えばGenBankアクセッション番号D30765に述べられている)(ツメガエル);HMGD(例えばGenBankアクセッション番号X71138に述べられている)及びHMGZ(例えばGenBankアクセッション番号X71139に述べられている)(ショウジョウバエ);NHP10タンパク質(HMGタンパク質ホモログNHP1)(例えばGenBankアクセッション番号Z48008に述べられている)(酵母);非ヒストン染色体タンパク質(例えばGenBankアクセッション番号O00479に述べられている)(酵母);HMG1/2様タンパク質(例えばGenBankアクセッション番号Z11540に述べられている)(コムギ、トウモロコシ、ダイズ);上流結合因子(UBF−1)(例えばGenBankアクセッション番号X53390に述べられている);PMS1タンパク質ホモログ1(例えばGenBankアクセッション番号U13695に述べられている);一本鎖認識タンパク質(SSRP、構造特異的認識タンパク質)(例えばGenBankアクセッション番号M86737に述べられている);HMGホモログTDP−1(例えばGenBankアクセッション番号M74017に述べられている);哺乳動物Y染色体性決定領域タンパク質(SRY、精巣決定因子)(例えばGenBankアクセッション番号X53772に述べられている);真菌類タンパク質:mat−1(例えばGenBankアクセッション番号AB009451に述べられている)、ste−11(例えばGenBankアクセッション番号x53431に述べられている)及びMc1;SOX14(例えばGenBankアクセッション番号AF107043に述べられている)並びにSOX1(例えばGenBankアクセッション番号Y13436に述べられている)、SOX2(例えばGenBankアクセッション番号Z31560に述べられている)、SOX3(例えばGenBankアクセッション番号X71135に述べられている)、SOX6(例えばGenBankアクセッション番号AF309034に述べられている)、SOX8(例えばGenBankアクセッション番号AF226675に述べられている)、SOX10(例えばGenBankアクセッション番号AJ001183に述べられている)、SOX12(例えばGenBankアクセッション番号X73039に述べられている)及びSOX21(例えばGenBankアクセッション番号AF107044に述べられている);リンパ系特異的因子(LEF−1)(例えばGenBankアクセッション番号X58636に述べられている);T細胞特異的転写因子(TCF−1)(例えばGenBankアクセッション番号X59869に述べられている);MTT1(例えばGenBankアクセッション番号M62810に述べられている);及びSP100−HMG核内自己抗原(例えばGenBankアクセッション番号U36501に述べられている)を含むが、これらに限定されない。
HMGBタンパク質の他の例は、GenBankアクセッション番号NG_000897(HMG1L5(以前のHMG1L10))(特に、図7A及び7Bに示す、NG_000897のヌクレオチド150−797);AF076674(HMG1L1)(特に、図7C及び7Dに示す、AF076674のヌクレオチド1−633);AF076676(HMG1L4)(特に、図7E及び7Fに示す、AF076676のヌクレオチド1−564);AC010149(BACクローンRP11‐395A23からのHMG配列)(特に、図7G及び7Hに示す、AC010149のヌクレオチド75503−76117);AF165168(HMG1L9)(特に、図7I及び7Jに示す、AF165168のヌクレオチド729−968);XM_063129(LOC122441)(特に、図7K及び7Lに示す、XM_063129のヌクレオチド319−558);XM_066789(LOC139603)(特に、図7M及び7Nに示す、XM_066789のヌクレオチド1−258);及びAF165167(HMG1L8)(特に、図7O及び7Pに示す、AF165167のヌクレオチド456−666)を有するHMGB核酸配列によってコードされるポリペプチドである。
本発明のHMGBポリペプチドはまた、配列変異体を包含する。変異体は、生物内の同じ遺伝子座によってコードされる実質的に相同なポリペプチド、すなわち対立遺伝子変異体、並びに他の変異体を包含する。変異体はまた、生物内の他の遺伝子座に由来するが、HMGB核酸分子によってコードされるポリペプチド及びその相補物及び一部に実質的な相同性を有するか、又はHMGB核酸分子のヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるポリペプチドに実質的な相同性を有するポリペプチドを包含する。HMGB核酸分子の例は当技術分野において公知であり、本明細書で述べるHMGBポリペプチドから誘導することができる。変異体はまた、これらのポリペプチドに実質的に相同又は同一であるが、別の生物に由来するポリペプチド、すなわちオーソログを包含する。変異体はまた、化学合成によって生産される、これらのポリペプチドに実質的に相同又は同一であるポリペプチドを包含する。変異体はまた、組換え法によって生産される、これらのポリペプチドに実質的に相同又は同一であるポリペプチドを包含する。好ましくは、HMGBポリペプチドは、本明細書で述べるBLASTプログラム及びパラメータ及びHMGBポリペプチドの1つ以上の生物活性を使用して判定するとき、配列番号1、配列番号2、配列番号3又は配列番号18から選択される配列に少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%、75%、80%、85%又は90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する(機能的変異体)。
他の実施形態では、本発明は、HMGB生物活性を有するHMGBポリペプチド断片(機能的断片)を対象とする。「HMGB生物活性を有するHMGBポリペプチド断片」又は「生物活性HMGB断片」とは、HMGBポリペプチドの活性を有するHMGBポリペプチドの断片を意味する。そのようなHMGBポリペプチド断片の一例は、本明細書で述べるHMGB Bボックスである。生物活性HMGB断片は、標準的な分子生物学手法を使用して、及びその断片が、細胞に投与したとき、例えば本明細書で述べる方法を用いて、適切な対照と比較して細胞からのプロ炎症性サイトカインの放出を増大させるかどうかを判定することによって断片の機能を検定して、作製することができる。
本明細書で使用するとき、「Bボックス」とも称される「HMGB Bボックス」は、天然でそれに付随する成分から分離されている実質的に純粋な又は実質的に純粋で且つ単離されたポリペプチドであり、完全長HMGBポリペプチド未満のアミノ酸配列から成り、及び以下の生物活性:炎症を増大させる、細胞からのプロ炎症性サイトカインの放出を増大させる及び/又は炎症性サイトカインカスケードの活性を増大させる、の1つ以上を有する。1つの実施形態では、HMGB Bボックスポリペプチドは前記生物活性の1つを有する。別の実施形態では、HMGB Bボックスポリペプチドは前記生物活性の2つを有する。3番目の実施形態では、HMGB Bボックスポリペプチドは前記生物活性の3つ全部を有する。好ましくは、HMGB Bボックスは完全長HMGの生物活性の少なくとも25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%を有する。別の実施形態では、HMGB BボックスはHMGB Aボックスを含まない。別の実施形態では、HMGB BボックスはHMGBポリペプチドの断片(すなわち完全長HMG1ポリペプチドの長さの約90%、80%、70%、60%、50%、40%、35%、30%、25%又は20%であるポリペプチド)である。別の実施形態では、HMGB Bボックスは、配列番号5、配列番号20、配列番号45の配列、又は哺乳動物におけるHMGBタンパク質の対応する領域内のアミノ酸配列を含むか、又はそれから成るが、それでもなお完全長HMGBポリペプチド未満である。HMGB Bボックスポリペプチドはまた、前述したHMGB Bボックスポリペプチドと同じアミノ酸配列を有する組換え生産されたポリペプチドである。好ましくは、HMGB Bボックスは哺乳動物HMGB Bボックス、例えばヒトHMGB1 Bボックスである。HMGB Bボックスはしばしば約85アミノ酸以下及び約4アミノ酸以上を有する。
その中にBボックス配列を有するポリペプチドの例は、本明細書で述べるHMGBポリペプチドを含むが、これらに限定されない。そのようなポリペプチド内のBボックス配列は、本明細書で述べる方法を用いて、例えば本明細書で述べるBボックスとの配列比較及びBボックス生物活性に関する試験によって、判定し、単離することができる。特に好ましい実施形態では、前記Bボックスは、ヒトHMGB1 Bボックスの配列(3つの異なる長さ)である配列番号5、配列番号20又は配列番号45を含むか、又はBボックス生物活性を有するHMGB Bボックスの断片である。例えば配列番号20内に含まれる20アミノ酸配列は、Bボックスの機能に寄与する。この20アミノ酸Bボックス断片は以下のアミノ酸配列:fkdpnapkrl psafflfcse(配列番号23)を有する。HMGB Bボックスの生物活性断片の別の例は、配列番号5のアミノ酸1−20(napkrppsaf flfcseyrpk;配列番号16)から成る。
HMGB Bボックスポリペプチド配列の例は、以下の配列:
FKDPNAPKRP PSAFFLFCSE YRPKIKGEHP GLSIGDVAKK LGEMWNNTAA DDKQPYEKKA AKLKEKYEKD IAAY(ヒトHMGB1;配列番号17);KKDPNAPKRP PSAFFLFCSE HRPKIKSEHP GLSIGDTAKK LGEMWSEQSA KDKQPYEQKA AKLKEKYEKD IAAY(ヒトHMGB2;配列番号40);
FKDPNAPKRL PSAFFLFCSE YRPKIKGEHP GLSIGDVAKK LGEMWNNTAA DDKQPYEKKA AKLKEKYEKD IAAY(HMGB1L5(以前のHMGB1L10);配列番号41);FKDPNAPKRP PSAFFLFCSE YHPKIKGEHP GLSIGDVAKKLGEMWNNTAA DDKQPGEKKA AKLKEKYEKD IAAY(HMGB1L1;配列番号42);FKDSNAPKRP PSAFLLFCSE YCPKIKGEHP GLPISDVAKK LVEMWNNTFA DDKQLCEKKA AKLKEKYKKD TATY(HMGB1L4;配列番号43);FKDPNAPKRP PSAFFLFCSE YRPKIKGEHP GLSIGDVVKK LAGMWNNTAA ADKQFYEKKA AKLKEKYKKD IAAY(BACクローンRP11‐395A23からのHMG配列;配列番号44);及びFKDPNAPKRP PSAFFLFCSE YRPKIKGEHP GLSIGDVAKK LGEMWNNTAA DDKQPYEKKA AKLKEKYEKD IAAYRAKGKP DAAKKGVVKA EK(ヒトHMGB1ボックス;配列番号45)を含む。
本発明のHMGB Bボックスポリペプチドはまた、機能的変異体である配列変異体を包含し、天然に生じるか、又は非天然に生じうる。機能的変異体は、生物内の同じ遺伝子座によってコードされる実質的に相同なポリペプチド、すなわち対立遺伝子変異体、並びに他の変異体を包含する。機能的変異体はまた、生物内の他の遺伝子座に由来するが、HMGB核酸分子によってコードされるポリペプチド及びその相補物及び一部に実質的な相同性を有するか、又はHMGB Bボックス核酸分子のヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされるポリペプチドに実質的な相同性を有するポリペプチドを包含する。HMGB Bボックス核酸分子の例は当技術分野において公知であり、本明細書で述べるHMGB Bボックスポリペプチドから誘導することができる。機能的変異体はまた、これらのポリペプチドに実質的に相同又は同一であるが、別の生物に由来するポリペプチド、すなわちオーソログを包含する。機能的変異体はまた、化学合成によって生産される、これらのポリペプチドに実質的に相同又は同一であるポリペプチドを包含する。機能的変異体はまた、組換え法によって生産される、これらのポリペプチドに実質的に相同又は同一であるポリペプチドを包含する。
好ましくは、HMGB Bボックスポリペプチド変異体は、本明細書で述べるBLASTプログラム及びパラメータを使用して判定するとき、本明細書で述べるHMGB Bボックスの配列、例えば配列番号5、配列番号20又は配列番号45の配列に少なくとも70%、75%、80%、85%又は90%、最も好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有する。好ましくは、HMGB Bボックスは、配列番号5、配列番号20もしくは配列番号45の配列、又は哺乳動物におけるHMGBタンパク質の対応する領域内のアミノ酸配列から成り、本明細書で述べる方法又は当技術分野で公知の他の方法を用いて判定される、HMGB Bボックスの1つ以上の生物活性を有する。
本明細書で使用するとき、2個のポリペプチド(又はポリペプチドの領域)は、それらのアミノ酸配列が少なくとも約60%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%又はそれ以上相同又は同一であるとき、実質的に相同又は同一である。2個のアミノ酸配列(又は2個の核酸配列)のパーセント同一性は、それらの配列を最適比較のために整列することによって(例えば第一配列の配列内にギャップを導入することができる)判定できる。次に、対応する位置のアミノ酸又はヌクレオチドを比較する。2つの配列間のパーセント同一性は、それらの配列によって共有される同一位置の数の関数である(すなわち%同一性=同一位置の数/総位置数×100)。特定の実施形態では、比較のために整列するHMGBポリペプチド又はHMGB Bボックスポリペプチドの長さは、標準配列、例えば本明細書で提供する配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも60%、さらに一層好ましくは少なくとも70%、80%、90%又は100%である。2つの配列の実際の比較は、周知の方法によって、例えば数学的アルゴリズムを用いて、実施することができる。そのような数学的アルゴリズムの好ましい非制限的例は、Karlinら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:5873−5877,1973)に述べられている。そのようなアルゴリズムを、Schafferら(Nucleic Acids Res., 29:2994−3005,2001)に述べられているようにBLASTN及びBLASTXプログラム(バージョン2.2)に組み込む。BLAST及びGapped BLASTプログラムを利用するときは、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータ(例えばBLASTN)が使用できる。1つの実施形態では、検索するデータベースは非冗長(NR)データベースであり、及び配列比較のためのパラメータは:フィルターなし;期待値10;ワードサイズ3;行列はBLOSUM62;及びギャップコストはExistence 11及びExtension 1を有する、に設定することができる。
配列の比較のために利用される数学的アルゴリズムの別の非制限的例は、MyersとMillerのアルゴリズム、CABIOS(1989)である。そのようなアルゴリズムは、GCG(Accelrys, San Diego, CA)配列アラインメントソフトウエアパッケージの一部である、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれる。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用するときは、PAM120 ウェイト残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティー12、及びギャップペナルティー4が使用できる。配列分析のためのさらなるアルゴリズムは当技術分野において公知であり、TorellisとRobotti, Comput.Appl.Biosci.,10:3−5,1994に述べられているADVANCE及びADAM;及びPearsonとLipman, Proc.Natl.Acad.Sci USA,85:2444−2448,1988に述べられているFASTAを含む。
別の実施形態では、2個のアミノ酸配列の間のパーセント同一性は、Blossom 63行列又はPAM250行列のいずれか及びギャップウェイト12、10、8、6又は4及び長さウェイト2、3又は4を使用して、GCGソフトウエアパッケージ(Accelerys)中のGAPプログラムを用いて判定できる。さらに別の実施形態では、2個の核酸の間のパーセント同一性が、ギャップウェイト50及び長さウェイト3を使用して、GCGソフトウエアパッケージ(Accelerys)中のGAPプログラムを用いて判定できる。
HMGBポリペプチド又はその機能的断片もしくは変異体(集合的に「HMGBポリペプチド」と称する)、あるいはHMGB Bボックス又はその機能的変異体(集合的に「HMGB Bボックス」と称する)を含むポリペプチドは、免疫応答を刺激するか、または増大させるための医薬組成物において使用できる。本明細書で使用するとき、「免疫応答」とは、免疫系の細胞及び分子による、体内への異物の侵入に対する集合的且つ統合された応答を意味する。サイトカインは免疫応答を媒介する上で重要な役割を果たす。それ故、サイトカイン活性を刺激する分子は免疫応答を発現するか、及び/又は媒介するために有用である。
1つの実施形態では、前記医薬組成物は、HMGB Bボックス及びワクチンを含む。ワクチンは、免疫応答を刺激するために、免疫刺激を必要とする個人(すなわち抗原、腫瘍細胞又は腫瘍に対する免疫応答を誘発するか、または増大させることによって恩恵を受ける個人)に投与することができる。ワクチンの例は、B型肝炎、ジフテリア、破傷風、百日咳、B型インフルエンザ菌、不活性化ポリオ、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、肺炎球菌、A型肝炎、インフルエンザ、日本脳炎、ロタウイルス、黄熱、クルーズトリパノソーマ及び狂犬病ワクチンを含む。所望する場合は、前記医薬組成物はアジュバントをさらに含みうる。本明細書で使用するとき、「アジュバント」は、抗原応答を増大させる免疫学的試薬である。医薬品における使用のためのアジュバントの例は、例えばO'Haganら(Biomol.Eng.18:69−85,2001)によって述べられているような、免疫刺激性オリゴヌクレオチド、イミダゾキノリン(例えばイミキモド)、モノホスホリル脂質A及び無毒化リポ多糖類(LPS)を含む。免疫刺激性オリゴヌクレオチドの一例は、非メチル化CpG配列を有するオリゴヌクレオチドである。
別の実施形態では、前記医薬組成物は、抗体に結合したHMGBポリペプチド又はその機能的断片もしくは変異体あるいはHMGB Bボックスポリペプチド又はその機能的変異体を含有する。前記抗体は、その抗体が結合する部位で免疫応答を刺激するか、または増大させるように、HMGB Bボックスポリペプチドを標的部位に送達するための、ポリペプチド、好ましくはエピトープまたは標的部位(例えば特異的抗体−抗原結合を検定するための当技術分野において周知の手法である、免疫測定法によって決定されるような)に特異的に結合する。本発明の抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、多重特異的、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体、一本鎖抗体、Fab断片、F(ab’)断片、Fab発現ライブラリーによって生産される断片、抗イディオタイプ(抗−Id)抗体(例えば本発明の抗体に対する抗−Id抗体を含む)、及び前記のいずれかのエピトープ結合断片を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分を指し、特に、抗原に特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を指す。本発明の免疫グロブリン分子は、いかなるタイプ(例えばIgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)及びいかなるクラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2)またはサブクラスの免疫グロブリン分子でもありうる。
1つの実施形態では、前記抗体は抗原結合抗体断片であり、限定を伴わずに、Fab、Fab’及びF(ab’)、Fd、一本鎖Fvs(scFv)、一本鎖抗体、ジスルフィド結合Fvs(sdFv)及びV又はVHドメインのいずれかを含む断片を包含する。一本鎖抗体を含む、抗原結合抗体断片は、単独で又はヒンジ領域、CH1、CH2及びCH3ドメインの1つ以上の全体もしくは一部と共に、可変領域を含みうる。ヒンジ領域、CH1、CH2及び/又はCH3ドメインと可変領域の何らかの組合せを含む抗原結合断片も、本発明に包含される。
本発明の抗体は、鳥類及び哺乳動物を含むいかなる動物起源からであってもよい。好ましくは、前記抗体は、ヒト、マウス、ロバ、ヒツジ、ウサギ、ヤギ、モルモット、ハムスター、ウマ又はニワトリである。
本明細書で使用するとき、「ヒト」抗体は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体を含み、及びヒトB細胞によって産生される抗体、あるいはヒト血清から、ヒト免疫グロブリンライブラリーから又は、例えばKucherlapatiらによって米国特許第5,939,598号に述べられているような、1以上のヒト免疫グロブリンに関してトランスジェニックであり、内因性免疫グロブリンを発現しない動物から単離された抗体を含む。
本発明の抗体は、単一特異的、二重特異的、三重特異的又はそれ以上の多重特異的でありうる。多重特異的抗体は、本発明のポリペプチドの種々のエピトープに特異的でありうるか又は本発明のポリペプチド並びに異種ポリペプチド又は固形担体物質などの異種エピトープの両方に特異的でありうる。「エピトープ」という用語は、本明細書で使用するとき、抗体又はT細胞受容体の抗原結合部位に接触するポリペプチドの部分を指す。
本明細書で使用するとき「標的部位」という用語は、抗体によって認識され、及びその抗体が結合するポリペプチドを指す。標的部位は、好ましくはHMGB Bボックスポリペプチド又はその機能的変異体の送達又は局在化を所望する部位である。標的部位はインビボ又は半ビボでありうる。標的部位は、例えばHMGB Bボックスの送達を所望する細胞の表面又は細胞の近くに(例えば細胞に隣接して)局在するポリペプチドでありうる。1つの実施形態では、前記標的部位は、癌細胞又は腫瘍へのHMGBポリペプチドの送達が起こるように、癌標的部位、例えば癌細胞又は腫瘍に近い部位である。そのような場合、抗体は腫瘍関連抗体(すなわち癌細胞又は腫瘍によって選択的又は排他的に結合される抗体)でありうる。
1つの態様では、HMGB Bボックス又はその機能的変異体に結合した、本発明の抗体は、癌標的部位で腫瘍関連ポリペプチド、マーカー又は抗原に結合する腫瘍関連抗体である。腫瘍関連ポリペプチド又はマーカーは、腫瘍胎児性抗原、胎盤抗原、腫瘍形成性又は腫瘍ウイルス関連抗原、組織関連抗原、器官関連抗原、異所性ホルモン及び正常抗原又はその変異体を含むが、これらに限定されない。腫瘍関連マーカーのサブユニットも、非腫瘍物質に対して大きく低下した交叉反応性を有する抗体の産生を刺激する、より高い腫瘍特異性を有する抗体、例えばヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)のβ−サブユニットを惹起するために使用できる。本発明において有用な、特異的抗体を惹起するか、及び/又は得ることができるそのような適切なマーカー物質は、α−フェトプロテイン(AFP)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)及び/又はそのβ−サブユニット(HCG−β)、結腸特異性抗原−p(CSAp)、前立腺酸性ホスファターゼ、膵腫瘍胎児性抗原、胎盤アルカリホスファターゼ、妊娠型β1−グロブリン、パラトルモン、カルシトニン、組織ポリペプチド抗原、T抗原、β−ミクログロブリン、乳癌関連糖タンパク質(MTGP)、ガラクチオシルトランスフェラーゼ−II(GT−II)、gp−52ウイルス関連抗原、卵巣嚢胞腺癌関連抗原(OCAA)、卵巣腫瘍特異性抗原(OCA)、子宮頸癌抗原(CA−58、CCA、TA−4)、塩基性フェトプロテイン(BFP)、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)、細胞質性黒色腫関連抗原、ヒト星状細胞腫関連抗原(HAAA)、普通神経膠腫抗原(CGA)、グリア胚抗原(glioembryonic antigen)(GEA)、グリア線維酸性タンパク質(GFA)、普通髄膜腫抗原(CMA)、フェリチン及び腫瘍血管新生因子(TAF)を含むが、これらに限定されない。
本発明の抗体はまた、それらの交叉反応性の見地から説明又は規定されうる。本発明において使用する抗体は、本発明のポリペプチドのいかなる他の類似体、オーソログ又はホモログにも結合しないように、有意の交叉反応性を示さない。あるいは、本発明の抗体は標的部位のポリペプチドに少なくとも約95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%又は50%の同一性(当技術分野で公知の方法を用いて算定される)を有するポリペプチドに結合することができる。
本発明の抗体はまた、標的部位のポリペプチドに対するそれらの結合親和性の見地から説明又は規定されうる。好ましい結合親和性は、5×10−6M、10−6M、5×10−7M、10−7M、5×10−8M、10−8M、5×10−9M、10−9M、5×10−10M、10−10M、5×10−11M、10−11M、5×10−12M、10−12M、5×10−13M、10−13M、5×10−14M、10−13M、5×10−15M及び10−15M未満の解離定数又はKdを有するものを含む。
本発明において使用する抗体は、標的部位のポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストとして働くことができる。例えば、本発明は、標的部位におけるポリペプチドとの相互作用を部分的又は完全に破壊する抗体を包含する。本発明はまた、ポリペプチドの結合は妨げないが、活性化又は活性を妨げる抗体を包含する。活性化又は活性(例えばシグナル伝達)は当技術分野において周知の手法によって判定しうる。また、標的部位におけるポリペプチドの結合と活性の両方を妨げる抗体も包含される。同様に中和抗体も包含される。
本発明において使用する抗体は、抗体がそのエピトープを認識することを妨げない誘導体を包含する。例えば、限定ではなく、抗体誘導体は、例えばグリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、公知の保護基による誘導体化、又はタンパク質分解によって修飾された抗体を包含する。
本発明において使用する抗体は、当技術分野で公知の何らかの適切な方法によって作製することができる。対象抗原に対するポリクローナル抗体は、当技術分野で周知の様々な手法によって生産できる。例えば、本発明のポリペプチドを、前記抗原に特異的なポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導するために、ウサギ、マウス、ラット等を含むがこれらに限定されない様々な宿主動物に投与することができる。様々なアジュバントが、宿主の種に依存して、免疫応答を増大させるために使用でき、フロイントアジュバント(完全及び不完全)、水酸化アルミニウムなどの無機質ゲル、リソレシチンなどの表面活性物質、プルロニックポリオル、ポリアニオン、ペプチド、油性乳剤、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノール、及びBCG(カルメット‐ゲラン杆菌)及びcorynebacterium parvumなどの潜在的に有用なヒトアジュバントを含むが、これらに限定されない。このようなアジュバントは当技術分野で公知である。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ細胞培養、組換え及びファージディスプレイテクノロジー又はそれらの組合せを含む、やはり当技術分野で公知の様々な手法を用いて作製できる。例えばモノクローナル抗体は、当技術分野で公知であり、例えばHarlowら、Antibodies: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,第2版、1988)において教示されているようなハイブリドーマ手法を用いて生産することができる。本明細書で使用するとき「モノクローナル抗体」という用語は、必ずしもハイブリドーマテクノロジーを通して生産される抗体に限定されないが、真核生物、原核生物又はファージクローンを含む、単一クローンから誘導される抗体も意味する。
ヒト抗体はヒト患者の治療処置のために望ましい。これらの抗体は、ヒト免疫グロブリン配列から誘導される抗体ライブラリーを用いたファージディスプレイ法を含む、当技術分野で公知の様々な方法によって作製できる。ヒト抗体はまた、機能的内因性免疫グロブリンを発現することができないが、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現することができるトランスジェニックマウスを用いて生産することができる。前記トランスジェニックマウスを選択抗原、例えば本発明のポリペプチドの全部又は一部で免疫する。免疫したトランスジェニックマウスから、従来のハイブリドーマテクノロジーを用いて前記抗原に対するモノクローナル抗体を得ることができる。トランスジェニックマウスによって保有されるヒト免疫グロブリン導入遺伝子は、B細胞分化の間に再編成し、その後クラススイッチ及び体細胞変異を受ける。それ故、そのような手法を使用して、治療上有用なIgG、IgA、IgM及びIgE抗体を生産することが可能である。ヒト抗体及びヒトモノクローナル抗体を生産するためのこのテクノロジーの詳細な考察及びそのような抗体を生産するためのプロトコールについては、例えばPCT国際公開広報第WO98/24893号;同第WO96/34096号;同第WO96/33735号;及び米国特許第5,413,923号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,569,825号;同第5,661,016号;同第5,545,806号;同第5,814,318号;及び同第5,939,598号参照。
HMGBポリペプチド又はHMGB Bボックスポリペプチドは、当業者に既知の方法を用いて抗体に結合、共役又は複合することができる。1つの実施形態では、前記ポリペプチドを抗体に共有結合する。別の実施形態では、組換え法を用いて前記ポリペプチド−抗体コンジュゲートを生産し、前記ポリペプチドと抗体又は抗体の抗原結合断片を含む融合タンパク質として生成する。あるいは、前記ポリペプチドを抗体に化学的に架橋することができる。所望する場合は、ポリペプチドをリンカーに結合するためにスペーサー又はリンカー(例えばPierce Chemical Companyから入手可能なもの)を使用してもよい。ポリペプチドを抗体に結合するための方法は、例えばJeansonら(J.Immunol Methods 111:261−270,1988);及びZarlingら(Int.J.Immunopharmacol. 13 補遺1:63−68−1991)によって述べられている。カップリング剤によって標的することができる反応基は、第一級アミン、スルフヒドリル及びカルボニルを含む。
本発明の組成物は、単独で又は他の治療薬と組み合わせて投与することができる。本発明の組成物と組み合わせて投与できる治療薬は、化学療法剤、抗生物質、ステロイド系及び非ステロイド系抗炎症薬、従来の免疫治療薬、サイトカイン及び/又は増殖因子を含むが、これらに限定されない。組合せは、例えば混合物として同時に、別々であるが同時に又は一緒に、又は連続的に、投与しうる。
別の実施形態では、本発明の組成物は化学療法剤と組み合わせて投与される。本発明の組成物と共に投与しうる化学療法剤は、抗生物質誘導体(例えばドキソルビシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン及びダクチノマイシン);抗エストロゲン(例えばタモキシフェン);代謝拮抗物質(例えばフルオロウラシル、5−FU、メトトレキサート、フロキシウリジン、インターフェロンα−2b、グルタミン酸、プリカマイシン、メルカプトプリン及び6−チオグアニン);細胞傷害性物質(例えばカルムスチン、BCNU、ロムスチン、CCNU、シトシンアラビノシド、シクロホスファミド、エストラムスチン、ヒドロキシ尿素、プロカルバジン、ミトマイシン、ブスルファン、シスプラチン及び硫酸ビンクリスチン);ホルモン(例えばメドロキシプロゲステロン、エストラムスチンリン酸ナトリウム、エチニルエストラジオール、エストラジオール、酢酸メゲストロール、メチルテストステロン、ジエチルスチルベストロールニリン酸、クロロトリアニセン及びテストラクトン);ナイトロジェンマスタード誘導体(例えばメファレン、クロラムブシル、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)及びチオテパ);ステロイド及び配合剤(例えばベタメタゾンリン酸ナトリウム);及びその他(例えばジカルバジン、アスパラギナーゼ、ミトタン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、タキソール及びエトポシド)を含むが、これらに限定されない。
さらなる実施形態では、本発明の組成物はサイトカインと組み合わせて投与しうる。本発明の組成物と共に投与しうるサイトカインは、IL2、IL3、IL4、IL5、IL6、IL7、IL10、IL12、IL13、IL15、抗CD40、CD40L、IFN−γ及びTNF−αを含むが、これらに限定されない。
さらなる実施形態では、本発明の組成物は、例えば放射線療法などの、他の治療又は予防レジメンと組み合わせて投与される。
本明細書で述べるように、HMGBポリペプチド又はその機能的断片又は変異体あるいはHMGB Bボックスポリペプチド又はその機能的変異体を含有する組成物は、それ故、薬学的に許容される担体中に製剤することができる。これらの組成物中に前記ポリペプチドと共に含まれる薬学的に許容される担体は、治療適用における組成物の予想投与経路に基づいて選択される。前記組成物の投与経路は治療する状態に依存する。例えば静脈内注射は、白血病又はリンパ腫などの全身疾患の治療のために好ましいと考えられ、経口投与は、消化器系の癌などの消化器系疾患又は口腔癌を治療するための好ましいと考えられる。投与経路及び投与する組成物の用量は、標準的な用量−反応試験に関して過度の実験を必要とせずに当業者によって決定されうる。それらの決定を行うときに考慮すべき関連状況は、治療する状態、投与する組成物の選択、個々の患者の年齢、体重及び応答、及び患者の症状の重症度を含む。それ故、状態によって、組成物を経口的、非経口的、鼻内、膣、直腸、舌、舌下、頬側、口腔内経路及び経皮的に患者に投与することができる。
従って、経口、舌、舌下、頬側及び口腔内投与用に設計された組成物は、例えば不活性希釈剤又は食用担体と共に、当技術分野で周知の手段によって過度の実験を必要とせずに作製できる。前記組成物は、ゼラチンカプセルに入れるか又は圧縮して錠剤にすることができる。経口治療投与のために、本発明の医薬組成物は、賦形剤と共に組み込まれて、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラート、チューインガム等の形態で使用されうる。
錠剤、丸剤、カプセル、トローチ等はまた、結合剤、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味料及び香味料を含有しうる。結合剤の一部の例は、微結晶セルロース、トラガカントゴム又はゼラチンを含む。賦形剤の例は、デンプン又はラクトースを含む。崩壊剤の一部の例は、アルギン酸、トウモロコシデンプン等を含む。潤滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カリウムを含む。流動促進剤の一例はコロイド状ニ酸化ケイ素である。甘味料の一部の例は、スクロース、サッカリン等を含む。香味料の例は、ペパーミント、サリチル酸メチル、オレンジフレーバー等を含む。これらの様々な組成物を調製するときに使用される材料は、薬学的に純粋であり、使用される量で非毒性でなければならない。
本発明の組成物は、例えば静脈内、筋肉内、髄腔内又は皮下注射などによって非経口的に投与することができる。非経口投与は、本発明の抗体組成物を溶液又は懸濁液に組み込むことによって実施できる。そのような溶液又は懸濁液はまた、注射用蒸留水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒などの無菌希釈剤を含みうる。非経口製剤はまた、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗菌剤、例えばアスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤及びEDTAなどのキレート化剤も含みうる。酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩などの緩衝剤及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの張度の調整のための物質も添加しうる。非経口製剤は、ガラス製又はプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器又は多回用量バイアルに収納することができる。
直腸投与は、医薬組成物を直腸又は大腸に投与することを含む。これは、坐薬又は浣腸を用いて実施できる。坐薬製剤は、当技術分野で公知の方法によって容易に製造できる。例えば坐薬製剤は、グリセリンを約120℃に加熱し、抗体組成物を前記グリセリンに溶解して、加熱したグリセリンを混合した後、精製水を添加し、高温混合物を坐薬の型に注入することによって製造できる。
経皮投与は、皮膚を通しての組成物の経皮吸収を含む。経皮製剤は、パッチ、軟膏、クリーム、ゲル、軟膏剤等を含む。
本発明は、本発明の治療上有効な量を哺乳動物に経鼻投与することを含む。本明細書で使用するとき、経鼻投与又は鼻投与は、組成物を患者の鼻道又は鼻腔の粘膜に投与することを含む。本明細書で使用するとき、その鼻投与用の医薬組成物は、例えば鼻スプレー、点鼻薬、懸濁液、ゲル、軟膏、クリーム又は粉末として投与するための、周知の方法によって製造されたアゴニストの治療上有効な量を含む。組成物の投与はまた、鼻タンポン又は鼻スポンジを用いて実施しうる。
本発明の医薬組成物は、疾患、例えばウイルス性疾患又は細菌性疾患の治療又は予防のために免疫応答を誘導するため(例えばワクチン接種を通してあるいは抗菌薬又は抗ウイルス薬治療を通して)、又は癌細胞の増殖を緩慢化するため又は癌細胞を完全に死滅させるために十分な量で、動物、例えばヒトに投与することができ、そのような医薬組成物を投与するための最適スケジュールが被験者、被験者の身長及び体重及び疾患の重症度に基づいて異なりうることは当業者には明白である。最終的に、本発明の医薬組成物の使用及び投与スケジュールは治療する医師によって決定され、用量範囲及びスケジュールを決定するためのプロトコールは標準的である。
実施例1:試験材料及び方法
HMGB1のクローニング及びHMGB1 Bボックス変異株の生産
以下の方法を使用してヒトHMGB1のクローン及び変異株を作製した。組換え完全長ヒトHMGB1(651塩基対;GenBankアクセッション番号U51677)を、以下のプライマー;正プライマー:5’GATGGGCAAAGGAGATCCTAAG3’(配列番号6)及び逆プライマー:5’GCGGCCGCTTATTCATCATCATCATCTTC3’(配列番号7)を使用してヒト脳Quick−Clone cDNA試料(Clontech, Palo Alto, CA)からPCR増幅によってクローニングした。ヒトHMGB1変異株を以下のようにクローニングして、精製した。トランケート形態のヒトHMGB1を、ヒト脳Quick−Clone cDNA試料(Clontech, Palo Alto, CA)からPCR増幅によってクローニングした。使用したプライマー(それぞれ正及び逆)は:
カルボキシ末端変異株(557bp):5’ GATGGGCAAAGGAGATCCTAAG 3’(配列番号8)及び5’ GCGGCCGC TCACTTGCTTTTTTCAGCCTTGAC 3’(配列番号9);
アミノ末端+Bボックス変異株(486bp):5’ GAGCATAAGAAGAAGCACCCA 3’(配列番号10)及び5’ GCGGCCGC TCACTTGCTTTTTTCAGCCTTGAC 3’(配列番号11);
Bボックス変異株(233bp):5’ AAGTTCAAGGATCCCAATGCAAAG 3’(配列番号12)及び5’ GCGGCCGCTCAATATGCAGCTATATCCTTTTC 3’(配列番号13);及び
アミノ末端+Aボックス変異株(261bp):5’ GATGGGCAAAGGAGATCCTAAG 3’(配列番号13)及び5’TCACTTTTTTGTCTCCCCTTTGGG 3’(配列番号14)であった。
タンパク質サイズの正確さを確実にするために各々の変異株に終結コドンを付加した。TAクローニング法を製造者の指示に従って(Invitrogen, Carlsbad, CA)使用して、PCR産物をpCRII−TOPOベクターEcoRI部位にサブクローニングした。増幅後、前記PCR産物をEcoRIで消化し、GSTタグpGEX(Pharmacia)を有する発現ベクターにサブクローニングした;正しい方向と陽性クローンを、両方の鎖に関するDNA塩基配列決定によって確認した。組換えプラスミドをプロテアーゼ欠損大腸菌株BL21又はBL21(DE3)plysS(Novagen, Madison, WI)に形質転換し、イソプロピル−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)によって融合タンパク質発現を誘導した。グルタチオンセファロース樹脂カラム(Pharmacia)でのアフィニティー精製を用いて組換えタンパク質を得た。
前述したように生成したHMGB変異株は以下のアミノ酸配列:
野生型HMGB1:
MGKGDPKKPTGKMSSYAFFVQTCREEHKKKHPDASVNFSEF SKKCSERWKTMSAKEKGKFEDMAKADKARYEREMKTYIPPKGETKKKFKD PNAPKRLPSAFFLFCSEYRPKIKGEHPGLSIGDVAKKLGEMWNNTAADDKQP YEKKAAKLKEKYEKDIAAYRAKGKPDAAKKGVVKAEKSKKKKEEEEDEED
EEDEEEEEDEEDEEDEEEDDDDE(配列番号18);
カルボキシ末端変異株:
MGKGDPKKPTGKMSSYAFFVQTCREEHKKKHPDAS VNFSEFSKKCSERWKTMSAKEKGKFEDMAKADKARYEREMKTYIPPKGET KKKFKDPNAPKRLPSAFFLFCSEYRPKIKGEHPGLSIGDVAKKLGEMWNNTA ADDKQPYEKKAAKLKEKYEKDIAAYRAKGKPDAAKKGVVKAEKSK(配列番号19);
Bボックス変異株:
FKDPNAPKRLPSAFFLFCSEYRPKIKGEHPGLSIGDVAKKLGEM
WNNTAADDKQPYEKKAAKLKEKYEKDIAAY(配列番号20);及び
アミノ末端+Aボックス変異株:MGKGDPKKPTGKMSSYAFFVQTCREEHKKK
HPDASVNFSEFSKKCSERWKTMSAKEKGKFEDMAKADKARYEREMKTYIP
PKGET(配列番号21)[配列式中、Aボックスは、配列:PTGKMSSYAFF VQTCREEHKKKHPDASVNFSEFSKKCSERWKTMSAKEKGKFEDMAKADK
ARYEREMKTYIPPKGET(配列番号22)から成る]を有する。
HMGB1タンパク質を欠くGSTベクターから生成したポリペプチドを対照(GSTタグだけを含む)として含めた。野生型HMGB1及び変異株の一部(カルボキシ末端+Bボックス)に結合した細菌DNAを不活性化するために、カルボキシ末端及びBボックス変異株についてはDNアーゼI(Life Technologies)、又は野生型HMGB1についてはベンゾナーゼヌクレアーゼ(Novagen, Madison, WI)を約20単位/ml細菌溶解産物で添加した。処理の前後に、HMGB1タンパク質を含むアガロースゲルの臭化エチジウム染色によってDNAの分解を確認した。タンパク質溶出液をポリミキシンBカラム(Pierce, Rockford, IL)に通して混入LPSを除去し、リン酸緩衝食塩水に広く透析して過剰の還元グルタチオンを除去した。次に試料を凍結乾燥し、使用前に滅菌水に再溶解した。カブトガニアメーバ様細胞溶解産物試験(Bio Whittaker Inc., Walkersville, MD)によって測定したとき、LPSレベルは全ての変異株について60pg/μgタンパク質未満であり、野生型HMG1については300pg/μgであった。タンパク質の完全性をSDS−PAGEによって確認した。組換えラットHMGB1(Wangら、Science 285:248−251,1999)は、精製ヒトHMGB1で認められるような分解断片を有さないので、一部の実験において使用した。
ペプチド合成
ユタ州立大学バイオテクノロジーセンターにおいて(Logan, Utah)においてペプチドを合成し、90%の純度でHPLC精製した。カブトガニ試験によって測定したとき合成ペプチド試料において内毒素は検出されなかった。
細胞培養
マウスマクロファージ様RAW 264.7細胞(American Type Culture Collection, Rockville, MD)を、10%ウシ胎仔血清(Gemini, Catabasas, CA)、ペニシリン及びストレプトマイシン(Life Technologies)を添加したRPMI 1640培地(Life Technologies, Grand Island, NY)で培養し、無血清Opti−MEM I培地(Life Technologies, Grand Island, NY)において90%の集密度で使用した。先に述べたように混入LPSの作用を中和するためにポリミキシンB(Sigma, St.Louis, MO)を100−1,000単位/mlで常に添加した;ポリミキシンB単独では、トリパンブルーで評価した細胞生存率に影響を及ぼさなかった(Wangら、前出)。合成ペプチド試験の実験ではポリミキシンBを使用しなかった。
細胞からのTNF放出の測定
標準マウス線維芽細胞L929(ATCC, American Type Culture Collection, Rockville, MD)細胞傷害性バイオアッセイ(Bianchiら、Journal of Experimental Medicine 183:927−936, 1996)により、最小検出可能濃度30pg/mlでTNF放出を測定した。組換えマウスTNFをR & D System Inc.(Minneapolis, MN)より入手した。マウス線維芽細胞L929(ATCC)を、5%COの加湿インキュベーターにおいてウシ胎仔血清(Gemini, Catabasas, CA)、ペニシリン(50単位/ml)及びストレプトマイシン(50μg/ml)(Life Technologies)を添加したDMEM(Life Technologies, Grand Island, NY)中で培養した。
抗体生産
HMGB1 Bボックスに対するポリクローナル抗体をウサギ(Cocalico Biologicals, Inc., Reamstown, PA)において惹起し、免疫ブロット法によって力価を測定した。製造者の指示に従って(Pierce, Rockford, IL)プロテインAアガロースを使用して抗HMGB1抗血清からIgGを精製した。臭化シアン活性化セファロースビーズ(Cocalico Biologicals, Inc.)を使用することによって抗HMGB1 Bボックス抗体をアフィニティー精製した。非免疫ウサギIgGをSigma(St. Louis, MO)から購入した。抗体は免疫測定法において完全長HMGB1 Bボックスを検出したが、TNF、IL−1及びIL−6とは交叉反応しなかった。
動物実験
TNFノックアウトマウスをAmgen(Thousand Oaks, CA)より入手し、B6x129バックグラウンドにおいた。年齢適合野生型B6x129マウスを試験の対照として使用した。マウスをフロリダ大学無病原体トランスジェニックマウス施設(Gainesville, FL)でインハウス交配し、6−8週齢で使用した。
6−8週齢のBalb/c及びC3H/HeJマウスをHarlen Sprague−Dawley(Indianapolis, IN)より購入し、実験で使用する前に7日間馴化させた。すべての動物を、標準温度及び明暗周期下でNorth Shore University Hospital Animal Facilityに収容した。
D−ガラクトサミン感作マウス
D−ガラクトサミン感作モデルはこれまでに記述されている(Galanosら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76:5939−5943, 1979;及びLehmannら、J. Exp. Med. 165:657−663, 1997)。マウスに、塩酸 D−ガラクトサミン(Sigma)20mg/マウス(PBS 200μl中)及びHMGB1 Bボックス又はベクタータンパク質0.1又は1mg(PBS 200μl中)を腹腔内注射した。注射後72時間まで毎日、死亡率を記録した;生存動物を2週間追跡し、その後のBボックス毒性による死亡を認めなかった。
統計分析
データは、特に異なる記載がない限り平均±SEMで示している。群間の差は、両側ステューデントt検定、一方向ANOVA、次いで最小有意差検定又は両側フィッシャー正確確率検定によって決定した。
実施例2:サイトカイン活性の促進のためのHMGB1ドメイン地図作製
HMGB1は、2つの折りたたみDNA結合ドメイン(A及びBボックス)及び負に荷電した酸性カルボキシル尾部を有するHMGB1サイトカイン活性の構造的基礎を解明するため及び炎症性タンパク質ドメインを位置決定するために、完全長及びトランケート形態のHMGB1を変異誘発によって発現させ、前記精製タンパク質を単球培養における活性の刺激に関してスクリーニングした(図1)。完全長HMGB1、カルボキシ末端が欠失した変異株、Bボックスだけを含む変異株及びAボックスだけを含む変異株を生成した。ヒトHMGB1のこれらの変異株を、本明細書で述べる特異的プライマーを使用したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって作製し、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)遺伝子融合系(Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)を製造者の指示に従って使用して、変異型タンパク質を発現させた。簡単に述べると、PCR法によって作製したDNA断片をGST融合ベクターに融合し、大腸菌において増幅した。次に、GSTアフィニティーカラムを使用して、発現されたHMGB1タンパク質及びHMGB1変異株を単離した。
マウスマクロファージ様RAW 264.7細胞(ATCC)からのTNF放出への変異株の作用を以下のようにして検討した。RAW 264.7細胞を、10%ウシ胎仔血清(Gemini, Catabasas, CA)、ペニシリン及びストレプトマイシン(Life Technologies)を添加したRPMI 1640培地(Life Technologies, Grand Island, NY)において培養した。混入LPSの活性を抑制するためにポリミキシン(Sigma, St.Louis, MO)を100単位/mlで添加した。細胞をOpti−MEM I培地において1μg/mlの完全長(野生型)HMGB1及び各々のHMGB1変異型タンパク質と共にインキュベートし、馴化上清(細胞から既に放出されていたTNFを含有する)を収集して、細胞から放出されたTNFを標準マウス線維芽細胞L929(ATCC)細胞傷害性バイオアッセイ(Bianchiら、前出)によって最小検出可能濃度30pg/mlで測定した。組換えマウスTNFをR & D System Inc.(Minneapolis, MN)より入手し、これらの実験における対照として使用した。この試験の結果を図1に示す。図1のデータは、特に異なる記載がない限りすべて平均+SEMで示している(N=6−10)。
図1に示すように、野生型HMGB1及びカルボキシル末端切断HMGB1は単球培養(マウスマクロファージ様RAW 264.7細胞)によるTNF放出を有意に刺激した。Bボックスは単球TNF放出の強力な活性化因子であった。AボックスはTNF放出を弱く活性化しただけであったので、Bボックスのこの刺激作用は特異的であった。
実施例3:HMGB1 Bボックスタンパク質はサイトカイン活性を用量依存的に促進する
サイトカイン産生へのHMGB1 Bボックスの作用をさらに検討するために、様々な量のHMGB1 Bボックスを、マウスマクロファージ様RAW 264.7細胞におけるTNF、IL−1β及びIL−6産生への作用に関して評価した。図2A −2Cに示すように、RAW 264.7細胞を0−10μg/mlのBボックスタンパク質で8時間刺激した。順化培地を採集し、TNF、IL−1β及びIL−6レベルを測定した。TNFレベルは本明細書で述べたように測定し、IL−1β及びIL−6レベルはマウスIL−1β及びIL−6酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)キット(R & D System Inc., Minneapolis, MN)を用いて測定し、すべての実験についてN>5であった。試験の結果を図2A −2Cに示す。
図2Aに示すように、細胞に投与するBボックスの量が増加すると共にRAW 264.7細胞からのTNF放出も上昇した。図2Bに示すように、1μg/ml又は10μg/mlのBボックスの添加はRAW 264.7細胞からのIL−1βの放出上昇をもたらした。加えて、図2Cに示すように、RAW 264.7細胞からのIL−6放出も、細胞に投与するBボックスの量が増加すると共に上昇した。
Bボックスが誘導するTNF放出の動態も検討した。TNF放出及びTNF mRNA発現を、Bボックスポリペプチド又は対照として使用したGSTタグポリペプチドだけ(ベクター)(10μg/ml)によって0−48時間誘導したRAW 264.7細胞において測定した。上清を、本明細書で述べたようなL929細胞傷害性試験(N=3−5)によってTNFタンパク質レベルに関して分析した。mRNA測定のために、図2Dに示すように、細胞を100mm平板に塗布し、Bボックスポリペプチド又はベクター単独を含有するOpit−MEM I培地において0、4、8又は24時間処理した。ベクター単独試料を4時間目の時点で検定した。細胞を平板から削り取り、全RNAを製造者の指示に従って(Tel−Test“B”, Inc., Friendswood, TX)RNAzol B法によって単離した。TNF(287bp)をRNアーゼプロテクションアッセイ(Ambion, Austin, TX)によって測定した。アガロース−ホルムアルデヒドゲル上でのRNA試料の臭化エチジウム染色によってRNAの等しい負荷と完全性を確認した。RNアーゼプロテクションアッセイの結果を図2Dに示す。TNF mRNAはBボックスタンパク質に接触させた単球において有意に増加したので(図2B)、図2Dに示すように、単球のBボックス活性化は遺伝子転写のレベルで起こった。TNF mRNA発現は4時間で最大となり、8時間と24時間で減少した。ベクター単独対照(GSTタグ)はTNF mRNA発現への作用を示さなかった。本明細書で述べたL929細胞傷害性試験を用いて、Bボックス又はベクター単独(GSTタグ)の投与の0、4、8、24、32又は48時間後にRAW 264.7細胞から放出されたTNFを測定して同様の試験を実施した。対照(媒体単独)と比較して、Bボックス処理はTNFタンパク質発現を刺激し(図2F)、ベクター単独(図2E)は刺激しなかった。データは3つの別々の実験を代表する。これらのデータを合わせると、HMGB1 Bボックスドメインはサイトカイン活性を有し、完全長HMGB1のサイトカイン刺激作用の責任を担うことを示している。
要するに、HMGB1 Bボックスは、完全長HMGB1の炎症作用と一致して(Anderssonら、J. Exp. Med. 192:565−570, 2000)、単球培養からのTNF、IL−1β及びIL−6の放出を用量依存的に刺激した(図2A−2C)。加えて、これらの試験は、最大TNF放出が8時間以内に起こることを示す(図2F)。TNF放出のこの遅延型パターンはHMGB1自体によって誘導されるTNF放出と同様であり、LPSによって誘導されるTNFの動態よりも有意に遅い(Anderssonら、前出)。
実施例4:HMGB1 Bボックスの最初の20アミノ酸はTNF活性を刺激する
HMGB1 BボックスのTNF刺激活性をさらに位置決定した。この試験は以下のように実施した。本明細書で述べたように、合成ペプチド保護手法を用いてBボックスの断片を作製した。図3に示すように、HMGB1 Bボックスのアミノ酸1−20、16−25、30−49、45−64又は60−74を含む、5つのHMGB1 Bボックス断片(配列番号20から)を作製した。図3に示すように、RAW 264.7細胞をBボックス(1μg/ml)又はBボックスの合成ペプチド断片(10μg/ml)で10時間処理し、上清中のTNF放出を本明細書で述べたように測定した。示しているデータは平均±SEMである(n=3の実験、各々2回実施し、3つの別々のロットの合成ペプチドを用いて確認した)。図3に示すように、TNF刺激活性は、配列番号20のHMGB1 Bボックスのアミノ酸1−20に対応する合成ペプチド(fkdpnapkrlpsafflfcse;配列番号23)によって保持された。1−20量体のTNF刺激活性は、完全長合成Bボックス(1−74量体)又は完全長HMGB1のいずれよりも弱かったが、HMGB1 Bボックスの16−25、30−49、45−64又は60−74を含むアミノ酸断片についての合成20量体はTNF放出を誘導しなかったので、前記刺激作用は特異的であった。これらの結果は、Bボックスのマクロファージ刺激活性が配列番号20のHMGB Bボックスドメインの最初の20アミノ酸に特異的に位置づけられることの直接の証拠である。このBボックス断片は、例えばプロ炎症性サイトカインの放出を刺激するため又は炎症性サイトカインカスケードの活性化によって特徴付けられる患者の状態を治療するために、完全長Bボックスポリペプチドをコードするポリペプチドと同じように使用することができる。
実施例5:HMGB1 Bボックスタンパク質はD−ガラクトサミン感作Balb/cマウスに毒性である
HMGB1 Bボックスがインビボでサイトカイン活性を有するかどうかを調べるために、 サイトカイン毒性を調べるために広く使用されるモデルである(Galanosら、前出)、D−ガラクトサミン(D−gal)で感作した非麻酔Balb/cマウスにHMGB1 Bボックスタンパク質を投与した。簡単に述べると、表1に示すように、マウス(20−25g、雄性、Harlan Sprague−Dawley, Indianapolis, IN)にD−gal(20mg)(Sigma)及びBボックス(0.1mg/ml/マウス又は1mg/ml/マウス)又はGSTタグ(ベクター;0.1mg/ml/マウス又は1mg/ml/マウス)を腹腔内注射した。マウスの生存率を7日目まで監視し、その後の死亡が起こらなかったことを確認した。この試験の結果を表1に示す。
Figure 2006506441
この試験の結果は、HMGB1 BボックスがD−ガラクトサミン感作マウスに対して用量依存的に致死性であることを示した。死亡が起こった全ての症例において、死亡は12時間以内に起こった。Bボックスを含まない精製GSTベクタータンパク質の同等試料で処置したマウスでは死亡を認めなかった。
実施例6:HMGB1 Bボックスタンパク質を投与したD−ガラクトサミン感作Balb/cマウス又はC3H/HeJマウスの組織学
HMGB1 Bボックスタンパク質のインビボでの死亡率をさらに評価するために、HMGB1 Bボックスを再びD−ガラクトサミン感作Balb/cマウスに投与した。マウス(群当り3匹)にD−gal(20mg/マウス)プラスBボックス又はベクター(1mg/マウス)を7時間腹腔内投与し、その後断頭によって供犠した。血液を採集し、及び器官(肝臓、心臓、腎臓及び肺)を採取して10%ホルムアミドに固定した。組織学的評価のためにヘマトキシリン‐エオシン染色で組織切片を調製した(Criterion Inc., Vancouver, Canada)。これらの試験の結果を図4A−4Jに示しており、これらは、未処置マウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色した腎切片(図4A)、心筋切片(図4C)、肺切片(図4E)及び肝切片(図4G及び4I)、及びHMGB1 Bボックスで処置したマウスから得た腎切片(図4B)、心筋切片(図4D)、肺切片(図4F)及び肝切片(図4H及び4J)の走査画像である。対照マウスと比較して、Bボックス処置は腎(図4A及び4B)及び肺(図4E及び4F)に異常を生じさせなかった。マウスは、心臓の心筋線維に多少の虚血性変化及び横紋の喪失を有していた(図4C及び4D、図4Dの矢印で示されている)。肝は、活動性肝炎によって示されるようにBボックスによる損傷の大部分を示した(図4G−4J)。図4Jでは、蓄積した多形核白血球によって取り巻かれた肝細胞脱落が見られる。図4Jの矢印は多形核蓄積(点線)又はアポトーシス肝細胞(実線)の部位を示す。インビボでのHMGB1 Bボックスの投与はまた、IL−6(315+93対20+7pg/ml、Bボックス対対照、p<0.05)及びIL−1β(15+3対4+1pg/ml、Bボックス対対照、p<0.05)の血清レベル上昇を有意に刺激した。
C3H/HeJマウス(内毒素に応答しない)へのBボックスタンパク質の投与も致死的であり、HMGB1 BボックスがLPSシグナル伝達不在下で致死的であることを示唆した。Bボックスの投与後8時間目に採集した肺及び腎のヘマトキシリン‐エオシン染色切片は異常な形態学的変化を示さなかった。心臓からの切片の検査は、しかしながら、心筋線維における無定形桃色細胞質に関連した横紋喪失を伴う虚血の証拠を明らかにした。肝からの切片は、一部の肝細胞脱落及びアポトーシスを伴う軽度の急性炎症応答、及びところどころに多形核白血球を示した。これらの特異的病理変化は完全長HMGB1の投与後に認められるものに匹敵し、Bボックス単独でインビボでのHMGB1に対する致死的病理応答を再現しうることを確認している。
HMGB1のTNF刺激活性がBボックスによる死亡の媒介に寄与するかどうかを調べるため、D−ガラクトサミン(20mg/マウス)で感作し、Bボックス(1mg/マウス、腹腔内注入)に接触させたTNFノックアウトマウス(TNF−KO, Nowakら、Am. J. Physiol. Regul. Integr. Comp. Physiol. 278:R1202−R1209, 2000)及び野生型対照(B6x129系統)において死亡率を測定した。Bボックスは野生型マウスに対して高度に致死的であった(接触した9匹のうち6匹が死亡)が、Bボックスで処置したTNF−KOマウスでは死亡を認めなかった(接触した9匹のうち死亡0、p<0.05対野生型)。本明細書で述べたRAW264.7マクロファージ培養からのデータとあわせると、これらのデータは今や、HMGB1のBボックスが特異的TNF刺激性サイトカイン活性を付与することを示唆する。
本発明を、その好ましい実施形態を参照しながら詳細に示し、説明したが、付属の特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく形態及び詳細の様々な変更を行いうることは当業者に了解される。
図1は、HMG1変異株及びそれらのTNF放出の活性(pg/ml)の図式的表示である。 図2Aは、RAW 264.7細胞におけるTNF放出(pg/ml)への0μg/ml、0.01μg/ml、0.1μg/ml、1μg/ml又は10μg/mlのBボックスの作用を示すヒストグラムである。図2Bは、RAW 264.7細胞におけるIL−1β放出(pg/ml)への0μg/ml、0.01μg/ml、0.1μg/ml、1μg/ml又は10μg/mlのBボックスの作用を示すヒストグラムである。図2Cは、RAW 264.7細胞におけるIL−6放出(pg/ml)への0μg/ml、0.01μg/ml、0.1μg/ml、1μg/ml又は10μg/mlのBボックスの作用を示すヒストグラムである。図2Dは、RAW 264.7細胞におけるTNF mRNA発現へのBボックス(投与後0時間目、4時間目、8時間目又は24時間目)又はベクター単独(投与後4時間目)の作用を示す、RNAアーゼプロテクションアッセイのブロットの走査画像である。図2Eは、投与後0時間目、4時間目、8時間目、24時間目、32時間目又は48時間目のRAW 264.7細胞からのTNF タンパク質放出(pg/ml)へのHMG1 Bボックスの作用のヒストグラムである。図2Fは、投与後0時間目、4時間目、8時間目、24時間目、32時間目又は48時間目のRAW 264.7細胞からのTNF タンパク質放出(pg/ml)へのベクターの作用のヒストグラムである。 図3は、HMG1 Bボックス変異株及びそれらのTNF 放出の活性(pg/ml)の図式的表示である。 図4Aは、未処置マウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色腎切片の走査画像である。図4Bは、HMG1 Bボックスを投与したマウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色腎切片の走査画像である。図4Cは、未処置マウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色心筋切片の走査画像である。図4Dは、HMG1 Bボックスを投与したマウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色心筋切片の走査画像である。図4Eは、未処置マウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色肺切片の走査画像である。図4Fは、HMG1 Bボックスを投与したマウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色肺切片の走査画像である。図4Gは、未処置マウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色肝切片の走査画像である。図4Hは、HMG1 Bボックスを投与したマウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色肝切片の走査画像である。図4Iは、未処置マウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色肝切片の走査画像(高倍率)である。図4Jは、HMG1 Bボックスを投与したマウスから得たヘマトキシリン‐エオシン染色肝切片の走査画像(高倍率)である。 図5Aは、ヒトHMG1ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号1)である。図5Bは、ラット及びマウスHMG1のアミノ酸配列(配列番号2)である。図5Cは、ヒトHMG2のアミノ酸配列(配列番号3)である。図5Dは、ヒト、マウス及びラットHMG1 Aボックスポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号4)である。図5Eは、ヒト、マウス及びラットHMG1 Bボックスポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号5)である。図5Fは、ヒトHMG1についての正プライマーの核酸配列(配列番号6)である。図5Gは、ヒトHMG1についての逆プライマーの核酸配列(配列番号7)である。図5Hは、ヒトHMG1のカルボキシ末端変異株についての正プライマーの核酸配列(配列番号8)である。図5Iは、ヒトHMG1のカルボキシ末端変異株についての逆プライマーの核酸配列(配列番号9)である。図5Jは、ヒトHMG1のアミノ末端プラスBボックス変異株についての正プライマーの核酸配列(配列番号10)である。図5Kは、ヒトHMG1のアミノ末端プラスBボックス変異株についての逆プライマーの核酸配列(配列番号11)である。図5Lは、ヒトHMG1のBボックス変異株についての正プライマーの核酸配列(配列番号12)である。図5Mは、ヒトHMG1のBボックス変異株についての逆プライマーの核酸配列(配列番号13)である。図5Nは、ヒトHMG1のアミノ末端プラスAボックス変異株についての正プライマーの核酸配列(配列番号14)である。図5Oは、ヒトHMG1のアミノ末端プラスAボックス変異株についての逆プライマーの核酸配列(配列番号15)である。 図6は、ラット(配列番号2)、マウス(配列番号2)及びヒト(配列番号18)からのHMG1ポリペプチド配列の配列アラインメントである。 図7Aは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L5(以前のHMG1L10)の核酸配列(配列番号32)である。図7Bは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L5(以前のHMG1L10)のポリペプチド配列(配列番号24)である。図7Cは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L1の核酸配列(配列番号33)である。図7Dは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L1のポリペプチド配列(配列番号25)である。図7Eは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L4の核酸配列(配列番号34)である。図7Fは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L4のポリペプチド配列(配列番号26)である。図7Gは、BACクローンRP11‐395A23のHMGポリペプチド配列の核酸配列(配列番号35)である。図7Hは、HMGBポリペプチドをコードするBACクローンRP11‐395A23のHMGポリペプチド配列のポリペプチド配列(配列番号27)である。図7Iは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L9の核酸配列(配列番号36)である。図7Jは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L9のポリペプチド配列(配列番号28)である。図7Kは、HMGBポリペプチドをコードするLOC122441の核酸配列(配列番号37)である。図7Lは、HMGBポリペプチドをコードするLOC122441のポリペプチド配列(配列番号29)である。図7Mは、HMGBポリペプチドをコードするLOC139603の核酸配列(配列番号38)である。図7Nは、HMGBポリペプチドをコードするLOC139603のポリペプチド配列(配列番号30)である。図7Oは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L8の核酸配列(配列番号39)である。図7Pは、HMGBポリペプチドをコードするHMG1L8のポリペプチド配列(配列番号31)である。
【配列表】
Figure 2006506441
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Claims (45)

  1. 投与された個体における免疫応答を増大することにより疾患または状態を処置するのに十分な量のHMGB Bボックスまたはその機能的変異体を含有するポリペプチドを含有してなる医薬組成物。
  2. 前記HMGB Bボックスが哺乳動物である請求項1記載の医薬組成物。
  3. 前記HMGB Bボックスがヒトである請求項2記載の医薬組成物。
  4. 前記ポリペプチドがHMGB1 Bボックスポリペプチドを含有してなる請求項3記載の医薬組成物。
  5. 前記ポリペプチドがHMGB1 Bボックスポリペプチドからなる請求項4記載の医薬組成物。
  6. ワクチンをさらに含有してなる請求項1記載の医薬組成物。
  7. アジュバントをさらに含有してなる請求項6記載の医薬組成物。
  8. 前記アジュバントが、1つ以上の免疫刺激性オリゴヌクレオチド、イミダゾキノリン、モノホスホリル脂質A、および無毒化リポポリサッカリドからなる群より選ばれる請求項7記載の医薬組成物。
  9. 前記免疫刺激性オリゴヌクレオチドが非メチル化CpG配列を含有してなる請求項8記載の医薬組成物。
  10. HMGM Bボックスまたはその機能的変異体を含有するポリペプチドに結合した抗体。
  11. 前記HMGB Bボックスが哺乳動物である請求項10記載の抗体。
  12. 前記HMGB Bボックスがヒトである請求項11記載の抗体。
  13. 前記ポリペプチドがHMGB1 Bボックスポリペプチドを含有してなる請求項12記載の抗体。
  14. 前記ポリペプチドがHMGB1 Bボックスポリペプチドからなる請求項13記載の抗体。
  15. 前記抗体が腫瘍関連ポリペプチドに結合する請求項10記載の抗体。
  16. 前記抗体が薬学的に許容されうる担体中に存在する請求項10記載の抗体。
  17. 免疫応答を刺激または増大させるのに十分な量のHMGB Bボックスまたはその機能的変異体を含有するポリペプチドを個体に投与することを含む、免疫刺激を必要とする個体における免疫応答を刺激または増大させる方法。
  18. 前記個体が癌について処置される請求項17記載の方法。
  19. 前記HMGB Bボックスが哺乳動物である請求項17記載の方法。
  20. 前記HMGB Bボックスがヒトである請求項19記載の方法。
  21. 前記ポリペプチドがHMGB1 Bボックスを含有してなる請求項20記載の方法。
  22. 前記ポリペプチドがHMGB1 Bボックスからなる請求項21記載の方法。
  23. 前記ポリペプチドがワクチンと同時投与される請求項17記載の方法。
  24. 前記ポリペプチドがさらなるアジュバントと同時投与される請求項23記載の方法。
  25. 前記アジュバントが1つ以上の免疫刺激性オリゴヌクレオチド、イミダゾキノリン、モノホスホリル脂質A、および無毒化リポポリサッカリドからなる群より選ばれる請求項24記載の方法。
  26. 前記免疫刺激性オリゴヌクレオチドが非メチル化CpG配列を含有してなる請求項25記載の方法。
  27. 前記投与が全身性である請求項17記載の方法。
  28. 前記投与が標的部位に局在化される請求項17記載の方法。
  29. 前記ポリペプチドが、免疫刺激を必要とする個体において標的部位に特異的である抗体に結合する請求項17記載の方法。
  30. 前記ポリペプチドが薬学的に許容されうる担体中に存在する請求項17記載の方法。
  31. HMGB Bボックスまたはその機能的変異体を含有するペプチドの治療有効量を個体に投与することを含む個体における癌の処置方法。
  32. 前記HMGB Bボックスが哺乳動物である請求項31記載の方法。
  33. 前記HMGB Bボックスがヒトである請求項32記載の方法。
  34. 前記ポリペプチドがHMGB1 Bボックスポリペプチドを含有する請求項33記載の方法。
  35. 前記ポリペプチドがHMGB1 Bボックスポリペプチドからなる請求項31記載の方法。
  36. 前記ポリペプチドがワクチンと同時投与される請求項31記載の方法。
  37. 前記ポリペプチドがさらなるアジュバントと同時投与される請求項36記載の方法。
  38. 前記アジュバントが、1つ以上の免疫刺激性オリゴヌクレオチド、イミダゾキノリン、モノホスホリル脂質A、および無毒化リポポリサッカリドからなる群より選ばれる請求項37記載の方法。
  39. 前記免疫刺激性オリゴヌクレオチドが非メチル化CpG配列を含有する請求項38記載の方法。
  40. 前記投与が全身性である請求項31記載の方法。
  41. 前記投与が標的部位に局在化される請求項31記載の方法。
  42. 前記標的部位が腫瘍である請求項41記載の方法。
  43. 前記ポリペプチドが抗体に結合する請求項31記載の方法。
  44. 前記抗体が腫瘍関連ポリペプチドに結合する請求項43記載の方法。
  45. 前記ポリペプチドが薬学的に許容されうる担体中に存在する請求項31記載の方法。

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