JP2006259387A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】転写工程における転写電圧に対して幅広くゴーストの発生を抑制し、良好な出力画像を得ることが可能な、電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】少なくとも表面が導電性である基体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810〜839nmに吸収を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、レゾルシナレーン化合物と、を含有することを特徴とする電子写真感光体、及び該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジ。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも表面が導電性である基体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該感光層が、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810〜839nmに吸収を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、レゾルシナレーン化合物と、を含有することを特徴とする電子写真感光体、及び該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジ。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真式画像形成装置は、高速、かつ高印字品質が得られるという利点を有するため、複写機及びレーザビームプリンター等として広く利用されている。これら電子写真式画像形成装置に用いられる電子写真感光体としては、安価で、かつ製造性及び廃棄性において優れた利点を有することから、有機光導電材料を用いた有機感光体が広く用いられている。中でも、露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層と、を積層する機能分離型有機感光体は、感度・帯電性及びその繰り返し安定性等、電子写真特性の点で優れており、種々の提案がなされ、実用化に至っている。更に、電荷発生層に関しては、安価で製造性及び安全性の点で優れた利点を有するフタロシアニン系の顔料が、好適に使用されている。特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を電荷発生物質に使用した電子写真感光体は、その高い電荷発生能力により、従来の電子写真感光体と比較して高い感度を有する。
従来、一般には、電荷発生層は、結着樹脂を有機溶剤に溶解させた溶液に電荷発生物質を分散させた分散液を塗布乾燥することで形成されている。そして、この分散液中での電荷発生物質の状態が、電子写真感光体とした時の電気特性や画像特性に大きな影響を与えることが分かっている。分散液中の電荷発生物質が、電子写真感光体としての特性に影響を及ぼす主な要因としては、分散液中での電荷発生物質の分散状態と、電荷発生物質そのものの結晶状態(分子配列)とが挙げられる。分散性に関しては、分散液の分光吸収スペクトルにおいて、電荷発生材料固有の吸収のない波長における吸光度と、任意のピーク波長の吸光度の比により、分散性を評価する方法が提案され、特定のフタロシアニン顔料に対して、好ましい分散性の値が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、特に電荷発生物質がフタロシアニン系顔料の場合、その結晶状態が電気特性に影響を及ぼすため、結晶状態を所望の状態に制御・保持することが重要である。
一般に、フタロシアニン顔料は、その製造方法又は処理方法の違いにより、幾つかの結晶型に分かれること、及びその結晶型が異なるとフタロシアニン顔料の光電変換特性に大きな影響を及ぼすことが知られている。フタロシアニン顔料の結晶型については、例えば、無金属フタロシアニン顔料について見ると、α型、β型、π型、X型等の結晶型が知られている。更にまた、ガリウムフタロシアニン結晶に関しても、その結晶型と電子写真特性について多くの報告がなされており、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン及びそれを用いた電子写真感光体が、極めて高い感度を示すことが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体は、このように高い電荷発生能力を有する反面、光生成された電荷が感光層に残留しやすく、前サイクルでの露光履歴が次サイクルに現れる、ゴーストという現象が発生しやすいことが問題であった。このゴーストが発生するメカニズムについては明らかではないが、次のように推測することができる。例えば、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層型電子写真感光体を負帯電させた後、反転現像を用いる画像形成方式の場合、像露光により生成した正孔の一部が電荷発生層内に蓄積し、次サイクルの帯電工程の直後に電荷輸送層表面に移動することで、表面電位を低下させてしまう。その結果、前サイクルの画像が濃く浮き出る、いわゆるポジゴーストと呼ばれる現象が発生する。また、一方で、像露光により生成した正孔の一部が、電荷発生層と電荷輸送層の界面近傍に蓄積し、次サイクルにおいても開放されずに残留する場合、電荷発生層内の実効電界強度が低下し、像露光により生成される電荷数が減少することにより、前サイクルの画像が薄く浮き出る、いわゆるネガゴーストと呼ばれる現象が発生する。
上記のようなポジゴースト及びネガゴーストに関しては、感光層にレゾルシナレーン化合物を含有させることで、その発生度合いを軽減する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)が、十分な改善効果は得られない。
特開平10−97088号公報
特開2002−229228号公報
Journal of Imaging Science and Technology,Vol.40,No.3,May/June,249(1996)
上記のようなポジゴースト及びネガゴーストに関しては、感光層にレゾルシナレーン化合物を含有させることで、その発生度合いを軽減する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)が、十分な改善効果は得られない。
また、電子写真式画像形成装置においては、電子写真感光体上に形成されたトナー像を、紙などの画像出力媒体や中間転写体などの被転写媒体へ転写する、転写工程を有する。この転写工程においては、電子写真感光体上から被転写媒体上にトナーを転写する場合、被転写媒体にトナー粒子の帯電極性と逆極性の電位を印加する必要がある。更には、反転現像を用いる電子写真式画像形成装置の場合、電子写真感光体表面の帯電極性とは逆極性の電位が、被転写媒体により電子写真感光体表面に印加され、それに伴い電子写真感光体に電荷が流入する。この時、電子写真感光体表面においては、トナー像が形成されている領域と比較して、トナー像が形成されていない領域には、より多くの電荷が流入することとなる。このように、転写工程において電子写真感光体表面より流入する電荷が、感光層内部にまで移動後残留し、次サイクルにおいて感光層内部の実効電界強度を変化させてしまうことで、前サイクルの画像がゴーストとして現われる現象が発生する。例えば、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とからなる積層型電子写真感光体を負帯電させた後、反転現像を用いる画像形成方式の場合、転写工程において、電子写真感光体表面より正孔が注入された後、電荷発生層と電荷輸送層の界面近傍に蓄積され、次サイクルにおいて、電荷発生層内の実効電界強度を上昇させることにより、熱励起電荷の発生数が増加し、電子写真感光体の表面電位を低下させてしまうことにより、前サイクルの画像が薄く浮き出る、いわゆるネガゴーストと呼ばれる現象が発生する。このような、転写工程における外部からの電荷流入ストレスにより発生するゴーストに関しては、従来、十分な改善効果が得られる技術は見出されていない。特に、このようなゴーストの発生は、転写電圧に大きく影響を受ける。そのため、様々な転写電圧に対応しうるゴースト改善技術が望まれている。
以上のことから、本発明は、上記従来の技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、ゴーストの発生を抑制し、良好な出力画像を得ることが可能な、電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
また、本発明は、転写工程における転写電圧に対して幅広くゴーストの発生を抑制し、良好な出力画像を得ることが可能な、電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを他の目的とする。
即ち、本発明は、ゴーストの発生を抑制し、良好な出力画像を得ることが可能な、電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
また、本発明は、転写工程における転写電圧に対して幅広くゴーストの発生を抑制し、良好な出力画像を得ることが可能な、電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを他の目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体において発生するゴースト現象が、電子写真感光体の感光層に含有されるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の結晶構造、更には、その顔料の粗大粒子や粒子形状の不均一性による分散性の低下に起因することを見出した。そして、かかる知見に基づき、更に検討を重ねた結果、所定の微粒化状態と粒子均一性を有し、かつ、分光吸収スペクトルが特定の波長に吸収極大を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を電荷発生材料として感光層に含有させて、更に、レゾルシナレーン化合物を併用することで、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の電子写真感光体は、少なくとも表面が導電性である基体上に感光層を有する電子写真感光体であって、
該感光層が、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810〜839nmに吸収を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、下記一般式(1)で表されるレゾルシナレーン化合物と、を含有することを特徴とする。
該感光層が、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810〜839nmに吸収を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、下記一般式(1)で表されるレゾルシナレーン化合物と、を含有することを特徴とする。
(式中、R1は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示し、R2は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を示す。なお、R2は、複数の芳香族炭化水素基が結合したもの、又は複数の複素環基が結合したものであってもよい。)
また、本発明の電子写真式画像形成装置は、上記本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、現像されたトナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明のプロセスカートリッジは、上記本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置、該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、及び前記電子写真感光体をクリーニングするクリーニング装置から選ばれる少なくとも1つの装置と、を備え、電子写真式画像形成装置本体に脱着自在であることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体、電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、それぞれ、以下(1)〜(7)の態様を少なくとも1つ適用することができる。
(1)前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料における0.3μm以上の粒径の粒子が、透過型電子顕微鏡観察画像上30μm2当たり1個以下である態様。
(2)前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、粒径が0.3μm以上の粒子を含有しない態様。
(3)前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、少なくともCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°及び28.3°に回折ピークを有すること態様。
(1)前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料における0.3μm以上の粒径の粒子が、透過型電子顕微鏡観察画像上30μm2当たり1個以下である態様。
(2)前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、粒径が0.3μm以上の粒子を含有しない態様。
(3)前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、少なくともCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°及び28.3°に回折ピークを有すること態様。
(4)前記感光層は、分光吸収スペクトルの600〜700nmの範囲における最大ピークの大きさが、810〜839nmの範囲における最大ピークよりも大きい態様。
(5)前記基体と前記感光層との間に下引き層を有する態様。
(6)前記(5)の下引き層が金属酸化物微粒子を含有する態様。
(7)前記感光層は、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該電荷発生層に、前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、前記レゾルシナレーン化合物と、を含有する態様。
(5)前記基体と前記感光層との間に下引き層を有する態様。
(6)前記(5)の下引き層が金属酸化物微粒子を含有する態様。
(7)前記感光層は、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有し、該電荷発生層に、前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、前記レゾルシナレーン化合物と、を含有する態様。
通常、フタロシアニン顔料は、結晶中の分子配列によってフタロシアニン分子間の相互作用が変化し、結果として分子配列の状態が分光吸収スペクトルに現れる。従来、V型ヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、840〜870nmに吸収極大を有し、強い分子間相互作用の存在が示唆される。これは、結晶中に電荷が残留し得る場所(サイト)が多数存在することを意味する。結晶中に存在するサイトは、像露光により生成した電荷を容易に捕獲(トラップ)する。したがって、このようなサイトが多数存在するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、電子写真感光体の感光層に含有する場合、次サイクルでのゴーストが発生しやすくなるものと推察される。
これに対し、本発明の電子写真感光体に用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における吸収極大が810〜839nmに存在しており、従来のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と比較して、分子間相互作用が小さいことが示唆される。そのため、結晶中に存在するサイトの数も少なくなるため、前サイクルにおいて像露光により生成した電荷が残留しにくくなり、結果、次サイクルでのゴーストの発生が抑制されるものと推察される。
加えて、本発明では、感光層内に、上記のようなヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を電荷発生材料として使用し、そこに、前記一般式(1)で表されるレゾルシナレーン化合物を添加することを特徴とする。このような構成にすることにより、上記のようなヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の結晶中に存在するサイトが少なくなり、また、そのサイトに、レゾルシナレーン化合物から発生する電荷が選択的に捕獲されることから、感光層は、像露光される前に、予め、サイトに電荷がトラップされた状態を形成することができる。
ドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、840〜870nmに吸収極大を有し、強い分子間相互作用の存在が示唆される。これは、結晶中に電荷が残留し得る場所(サイト)が多数存在することを意味する。結晶中に存在するサイトは、像露光により生成した電荷を容易に捕獲(トラップ)する。したがって、このようなサイトが多数存在するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、電子写真感光体の感光層に含有する場合、次サイクルでのゴーストが発生しやすくなるものと推察される。
これに対し、本発明の電子写真感光体に用いられるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における吸収極大が810〜839nmに存在しており、従来のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と比較して、分子間相互作用が小さいことが示唆される。そのため、結晶中に存在するサイトの数も少なくなるため、前サイクルにおいて像露光により生成した電荷が残留しにくくなり、結果、次サイクルでのゴーストの発生が抑制されるものと推察される。
加えて、本発明では、感光層内に、上記のようなヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を電荷発生材料として使用し、そこに、前記一般式(1)で表されるレゾルシナレーン化合物を添加することを特徴とする。このような構成にすることにより、上記のようなヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の結晶中に存在するサイトが少なくなり、また、そのサイトに、レゾルシナレーン化合物から発生する電荷が選択的に捕獲されることから、感光層は、像露光される前に、予め、サイトに電荷がトラップされた状態を形成することができる。
したがって、本発明の電子写真感光体は、感光層に、上記のようなヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とレゾルシナレーン化合物とを共に含有することから、像露光により生成した電荷の一部が感光層内部に残留することで発生するゴーストのみならず、転写工程における外部からの電荷流入ストレスにより発生するゴーストも抑制することが可能となり、高品質な出力画像を、安定的に得ることが可能となる。
また、本発明の電子写真感光体は、感光層の構成上、転写工程における外部からの電荷流入ストレスに大きな影響を受けにくいことから、転写電圧に対して幅広くゴーストを抑制することが可能となる。
また、本発明の電子写真感光体は、感光層の構成上、転写工程における外部からの電荷流入ストレスに大きな影響を受けにくいことから、転写電圧に対して幅広くゴーストを抑制することが可能となる。
以上説明した通り、本発明によれば、ゴーストの発生を抑制し、良好な出力画像を得ることが可能な、電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
また、本発明によれば、転写工程における転写電圧に対して幅広くゴーストの発生を抑制し、良好な出力画像を得ることが可能な、電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
また、本発明によれば、転写工程における転写電圧に対して幅広くゴーストの発生を抑制し、良好な出力画像を得ることが可能な、電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
以下、本発明の電子写真感光体、電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジについて詳細に説明する。
<電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、少なくとも表面が導電性である基体上に感光層を有する電子写真感光体であって、
該感光層が、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810〜839nmに吸収を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(以下、適宜、「特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料」と称する。)と、前記一般式(1)で表されるレゾルシナレーン化合物(以下、適宜、「特定レゾルシナレーン化合物」と称する。)と、を含有することを特徴とする。
このように、本発明の電子写真感光体は、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と特定レゾルシナレーン化合物とを含む感光層を有することを特徴とする。この感光層は、像露光される前に、予め、サイトに電荷がトラップされた状態を形成することができることから、像露光により生成した電荷の一部が感光層内部に残留することで発生するゴーストのみならず、転写工程における外部からの電荷流入ストレスにより発生するゴーストも抑制することができる。その結果、高品質な出力画像を、安定的に得ることが可能となる。また、このような感光層の構成上、転写工程における外部からの電荷流入ストレスに大きな影響を受けにくいことから、転写電圧に対して幅広くゴーストを抑制することが可能となる。
まず、本発明の電子写真感光体における記録層の構成成分である、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物について説明する。
本発明の電子写真感光体は、少なくとも表面が導電性である基体上に感光層を有する電子写真感光体であって、
該感光層が、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810〜839nmに吸収を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(以下、適宜、「特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料」と称する。)と、前記一般式(1)で表されるレゾルシナレーン化合物(以下、適宜、「特定レゾルシナレーン化合物」と称する。)と、を含有することを特徴とする。
このように、本発明の電子写真感光体は、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と特定レゾルシナレーン化合物とを含む感光層を有することを特徴とする。この感光層は、像露光される前に、予め、サイトに電荷がトラップされた状態を形成することができることから、像露光により生成した電荷の一部が感光層内部に残留することで発生するゴーストのみならず、転写工程における外部からの電荷流入ストレスにより発生するゴーストも抑制することができる。その結果、高品質な出力画像を、安定的に得ることが可能となる。また、このような感光層の構成上、転写工程における外部からの電荷流入ストレスに大きな影響を受けにくいことから、転写電圧に対して幅広くゴーストを抑制することが可能となる。
まず、本発明の電子写真感光体における記録層の構成成分である、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物について説明する。
[特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料]
本発明における特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810〜839nmに吸収を有することを要し、最大ピークが810〜830nmに吸収を有することが好ましい。
このような特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、従来のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と比較して、分子間相互作用が小さいことが示唆される。そのため、結晶中に存在するサイトの数も少なくなるため、前サイクルにおいて像露光により生成した電荷が残留しにくくなり、結果、次サイクルでのゴーストの発生が抑制されるものと推察される。ここで、図9に、本発明における特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の分光吸収スペクトルを例示する。
なお、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810nmより小さい範囲に吸収を有するものは、製造が困難であり、また、最大ピークが839nmより大きい範囲に吸収を有するものは、分子間相互作用を充分に小さくすることができない。
本発明における特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810〜839nmに吸収を有することを要し、最大ピークが810〜830nmに吸収を有することが好ましい。
このような特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、従来のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と比較して、分子間相互作用が小さいことが示唆される。そのため、結晶中に存在するサイトの数も少なくなるため、前サイクルにおいて像露光により生成した電荷が残留しにくくなり、結果、次サイクルでのゴーストの発生が抑制されるものと推察される。ここで、図9に、本発明における特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の分光吸収スペクトルを例示する。
なお、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810nmより小さい範囲に吸収を有するものは、製造が困難であり、また、最大ピークが839nmより大きい範囲に吸収を有するものは、分子間相互作用を充分に小さくすることができない。
また、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、ゴーストの発生の抑制効果をより向上させる観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料における0.3μm以上の粒径を有する粒子が透過型電子顕微鏡観察画像上30μm2当たり1個以下であることが好ましく、0.2μm以上の粒径を有する粒子が透過型電子顕微鏡観察画像上30μm2当たり1個以下であることがより好ましい。特に、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、粒径が0.3μm以上の粒子を含有しないことが好ましい。
更に、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の表面積は、BET比表面積にて、45〜90m2/gの範囲であることが好ましく、50〜80m2/gの範囲であることがより好ましく、55〜80m2/gの範囲であることが更に好ましい。
粒径や表面積がこのような範囲にあることで、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、特定レゾルシナレーン化合物と、の接触箇所が多くなり、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の結晶中に存在するサイトに、レゾルシナレーン化合物から発生する電荷が捕獲される状態をより効果的に形成することができる。
粒径や表面積がこのような範囲にあることで、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、特定レゾルシナレーン化合物と、の接触箇所が多くなり、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の結晶中に存在するサイトに、レゾルシナレーン化合物から発生する電荷が捕獲される状態をより効果的に形成することができる。
加えて、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、少なくともCuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°及び28.3°に回折ピークを有することが好ましい。図10に、本発明における特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のCuKα特性X線におけるブラッグ角度(2θ±0.2°)に対する回折ピークを例示する。
特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料における上記分光吸収スペクトル及びCuKα特性X線に対するブラッグ角度は、結晶構造(状態)、大きさ、粒子サイズ分布、分散状態等、様々な要因によって決定される値である。各因子について上記範囲の値となる特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の調製方法について下記に一例を述べるが、当該方法に限定されるものではない。
まず、o−フタロジニトリル又は1,3−ジイミノイソインドリンと三塩化ガリウムとを所定の溶媒中で反応させる方法(I型クロロガリウムフタロシアニン法)、o−フタロジニトリル、アルコキシガリウム及びエチレングリコールを所定の溶媒中で加熱し反応させてフタロシアニン二量体(フタロシアニン・ダイマー)を合成する方法(フタロシアニン・ダイマー法)、等により粗ガリウムフタロシアニンを製造する。
上記の反応における溶媒としては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジメチルアミノエタノール、ジフェニルエタン、エチレングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミドなどの不活性且つ高沸点の溶剤を用いることが好ましい。
上記の反応における溶媒としては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレン、ジメチルアミノエタノール、ジフェニルエタン、エチレングリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミドなどの不活性且つ高沸点の溶剤を用いることが好ましい。
次に、上記の工程で得られた粗ガリウムフタロシアニンについてアシッドペースティング処理を行うことによって、粗ガリウムフタロシアニンを微粒子化すると共に、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニンに変換する。ここで、アシッドペースティング処理とは、具体的には、粗ガリウムフタロシアニンを硫酸などの酸に溶解させたもの、或いは硫酸塩などの酸塩としたものを、アルカリ水溶液、水又は氷水中に注ぎ、再結晶させることをいう。前記アシッドペースティング処理に用いる酸としては硫酸が好ましく、中でも、濃度70〜100%(特に好ましくは95〜100%)の硫酸がより好ましい。
その後、上記のアシッドペースティング処理によって得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニンを溶剤と共に湿式粉砕処理することによって、結晶変換しながら微細化する。
ここで、上記湿式粉砕処理は、外径0.1〜3.0mmの球形状メディアを使用した粉砕装置を用いて行われるが、好ましくは外径0.2〜2.5mmの球形状メディアを用いて行われる。メディアの外形が3.0mmより大きい場合、粉砕効率が低下するため粒子径が小さくならずに凝集体が生成し易い傾向にある。また、メディアの外径が0.1mmより小さい場合、メディアとヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とを分離し難くなる傾向にある。更に、メディアが球形状でなく、円柱状や不定形状等の他の形状を有する場合、粉砕効率が低下すると共に、粉砕によってメディアが磨耗し易く、磨耗粉が不純物となりヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の特性を劣化させ易くなる傾向がある。
上記メディアの材質は特に制限されないが、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料中に混入した場合にも画質欠陥を発生し難いものが好ましく、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノー等が好ましい。
ここで、上記湿式粉砕処理は、外径0.1〜3.0mmの球形状メディアを使用した粉砕装置を用いて行われるが、好ましくは外径0.2〜2.5mmの球形状メディアを用いて行われる。メディアの外形が3.0mmより大きい場合、粉砕効率が低下するため粒子径が小さくならずに凝集体が生成し易い傾向にある。また、メディアの外径が0.1mmより小さい場合、メディアとヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とを分離し難くなる傾向にある。更に、メディアが球形状でなく、円柱状や不定形状等の他の形状を有する場合、粉砕効率が低下すると共に、粉砕によってメディアが磨耗し易く、磨耗粉が不純物となりヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の特性を劣化させ易くなる傾向がある。
上記メディアの材質は特に制限されないが、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料中に混入した場合にも画質欠陥を発生し難いものが好ましく、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノー等が好ましい。
また、上記湿式粉砕処理を行う容器の材質についても特に制限されないが、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料中に混入した場合にも画質欠陥を発生し難いものが好ましく、ガラス、ジルコニア、アルミナ、メノー、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンサルファイド等が好ましい。また、鉄、ステンレスなどの金属容器の内面に、ガラス、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリフェニレンサルファイド等をライニングしたものであってもよい。
上記メディアの使用量は、使用する装置によっても異なるが、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に対して50質量部以上であり、好ましくは55〜100質量部である。また、メディアの外径が小さくなると、同じ質量(使用量)でも装置内に占めるメディア密度が高まり、混合溶液の粘度が上昇して粉砕効率が変化するため、メディア外径を小さくするに従い、適宜メディア使用量と溶剤使用量とをコントロールすることによって最適な混合比で湿式処理を行うことが望ましい。
上記メディアの使用量は、使用する装置によっても異なるが、I型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に対して50質量部以上であり、好ましくは55〜100質量部である。また、メディアの外径が小さくなると、同じ質量(使用量)でも装置内に占めるメディア密度が高まり、混合溶液の粘度が上昇して粉砕効率が変化するため、メディア外径を小さくするに従い、適宜メディア使用量と溶剤使用量とをコントロールすることによって最適な混合比で湿式処理を行うことが望ましい。
湿式粉砕処理に使用される溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−アミルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルiso−ブチルケトンなどのケトン類の他に、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶剤の使用量は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料1質量部に対して通常1〜200質量部であり、好ましくは1〜100質量部である。
また、湿式粉砕処理の温度は、好ましくは0〜100℃であり、より好ましくは5〜80℃であり、特に好ましくは10〜50℃である。温度が低い場合には、結晶転移の速度が遅くなる傾向にあり、また、温度が高すぎる場合には、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の溶解性が高くなり結晶成長しやすく微粒化が困難となる傾向にある。
湿式粉砕処理に用いられる装置としては、振動ミル、自動乳鉢、サンドミル、ダイノーミル、コボールミル、アトライター、遊星ボールミル、ボールミルなどのメデイアを分散媒体として使用する装置を用いることができる。
湿式粉砕過程におけるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の微粒化及び結晶変換の進行速度は、湿式粉砕のスケール、攪拌スピード、メディア材質などによって大きく影響されるが、上記の製造方法においては、以下に述べるような方法により湿式粉砕時間を決定することが好ましい。
湿式粉砕処理後の特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が、600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおいて810〜839nmの範囲に最大ピーク波長を有するように、結晶変換状態を湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターしながら湿式粉砕処理時間を決定し、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に結晶変換されるまで継続することが好ましい。ここで、結晶変換状態を湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターする手法として、例えば、湿式粉砕処理装置より、結晶変換処理中の顔料溶液を少量サンプリングし、アセトン、酢酸エチルなどの溶剤で希釈した溶液を分光光度計を用いて液セル法により測定する方法や、顔料を洗浄・乾燥してBET比表面積を測定する方法が挙げられる。
このようにして決定される湿式粉砕処理時間は、通常5〜500時間の範囲、好ましくは7〜300時間の範囲である。処理時間が5時間未満であると、結晶変換が完結せず、電子写真特性の低下、特に感度不足が生じやすくなる傾向にある。また、処理時間が500時間を超えると、粉砕ストレスの影響による感度低下、生産性低下、メディアの摩滅粉の混入などが生じやすくなる傾向にある。
湿式粉砕処理時間を上記のように決定することにより、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料粒子が均一に微粒子化した状態で湿式粉砕処理を完了することが可能となり、更に、複数ロットの繰り返し湿式粉砕処理を実施した場合には、ロット間の品質のばらつきを抑制することが可能となる。
湿式粉砕処理時間を上記のように決定することにより、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料粒子が均一に微粒子化した状態で湿式粉砕処理を完了することが可能となり、更に、複数ロットの繰り返し湿式粉砕処理を実施した場合には、ロット間の品質のばらつきを抑制することが可能となる。
また、本発明における特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、それを分散させて分散液として用いられることが好ましい。そのため、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、前記吸収ピークの位置が所定の範囲に維持される限りにおいては、分散性を向上させるため、表面処理を施すことができる。
表面処理剤としてはカップリング剤などを用いることができるが、これに限定されるものではない。カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランが好ましい。
表面処理剤としてはカップリング剤などを用いることができるが、これに限定されるものではない。カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、カップリング剤の他に、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどの有機ジルコニウム化合物を配合してもよい。また、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどの有機チタン化合物、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などの有機アルミニウム化合物も用いることができる。
このような、本発明における特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の含有量は、電荷発生機能の発現性や、感光層中における特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料粒子の分散安定性の観点から、感光層の全固形文中、1〜80質量%の範囲であることが好ましく、20〜80質量%の範囲であることがより好ましく、30〜75質量%の範囲であることが更に好ましい。
[特定レゾルシナレーン化合物]
本発明における特定レゾルシナレーン化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
本発明における特定レゾルシナレーン化合物は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
上記一般式(1)において、R1は、水素原子、又は置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示す。なお、分子中の4つのR1は、同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の、炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。
また、前記アリール基としては、フェニル、又はナフチルなどの基が挙げられる。
これらのアルキル基やアリール基に導入しうる置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素などのハロゲン原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;シアノ基;メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基;フェニル、ビフェニル、ナフチルなどのアリール基;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノなどのアリールアミノ基;トリフルオロメチルなどのハロメチル基;等が挙げられる。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の、炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。
また、前記アリール基としては、フェニル、又はナフチルなどの基が挙げられる。
これらのアルキル基やアリール基に導入しうる置換基としては、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素などのハロゲン原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;シアノ基;メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基;フェニル、ビフェニル、ナフチルなどのアリール基;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノなどのアリールアミノ基;トリフルオロメチルなどのハロメチル基;等が挙げられる。
また、上記一般式(1)において、R2は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を示す。なお、R2は、複数の芳香族炭化水素基が結合したもの、又は複数の複素環基が結合したものであってもよい。また、分子中の4つのR2は、同じであってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
前記芳香族炭化水素環基を構成する芳香族炭化水素環としては、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナンスレン、アンスラセン、フルオランテン、又はピレンなどが挙げられる。
前記複素環基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピリジン、インドール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、アクリドン、ジベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール、オキサチアゾール、チアゾール、フェナジン、シンノリン及びベンゾシンノリンなどが挙げられる。
また、複数の芳香族炭化水素基が結合したもの、又は複数の複素環基を結合したもの例としては、トリフェニルアミン、ジフェニルアミン、N−メチルジフェニルアミン、ビフェニル、ターフェニル、ビナフチル、フルオレノン、フェナンスレンキノン、アンスラキノン、ベンズアントロン、ジフェニルオキサゾール、フェニルベンズオキサゾール、ジフェニルメタン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、スチルベン、ジスチリルベンゼン、テトラフェニル−p−フェニレンジアミン、テトラフェニルベンジジンなどが挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基や複素環基に導入しうる置換基としては、上記アルキル基やアリール基に導入しうる置換基として列記されたものを用いることができる。
前記芳香族炭化水素環基を構成する芳香族炭化水素環としては、ベンゼン、ナフタレン、フルオレン、フェナンスレン、アンスラセン、フルオランテン、又はピレンなどが挙げられる。
前記複素環基を構成する複素環としては、フラン、チオフェン、ピリジン、インドール、ベンゾチアゾール、カルバゾール、ベンゾカルバゾール、アクリドン、ジベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール、オキサチアゾール、チアゾール、フェナジン、シンノリン及びベンゾシンノリンなどが挙げられる。
また、複数の芳香族炭化水素基が結合したもの、又は複数の複素環基を結合したもの例としては、トリフェニルアミン、ジフェニルアミン、N−メチルジフェニルアミン、ビフェニル、ターフェニル、ビナフチル、フルオレノン、フェナンスレンキノン、アンスラキノン、ベンズアントロン、ジフェニルオキサゾール、フェニルベンズオキサゾール、ジフェニルメタン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、スチルベン、ジスチリルベンゼン、テトラフェニル−p−フェニレンジアミン、テトラフェニルベンジジンなどが挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基や複素環基に導入しうる置換基としては、上記アルキル基やアリール基に導入しうる置換基として列記されたものを用いることができる。
以下、本発明における特定レゾルシナレーン化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
このような特定レゾルシナレーン化合物は、公知の方法で合成することができる。例えば、まず、J.Am.Chem.Soc.,Vol.111,No.14,1989、p5397−5404に記載の方法を用い、レゾルシノール誘導体と各種アルデヒド化合物を硫酸及び塩酸などの酸を用いて脱水縮合することにより、R2が水素のレゾルシナレーン化合物を合成する。その後、得られたR2が水素のレゾルシナレーン化合物とジアゾ化合物誘導体とのアゾ化カップリング反応により、特定レゾルシナレーン化合物が合成される。このような、R2にアゾ基を導入する方法は、例えば、CHEMISTRY LETTERS,pp.1219−1222,1990に記載されている。
このような特定レゾルシナレーン化合物の含有量は、ゴースト改善効果の発現性、感光層形成用液中への溶解性、及び均一な感光層の製造性の観点から、電荷発生材料である特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に対して、0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましく、更に0.2〜5質量%であることがより好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体の好適な実施形態について、図面を参照して、詳細に説明する。
図1〜4はそれぞれ本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図であり、電子写真感光体1a〜1dを、導電性基体2及び感光層3の積層方向に対して垂直な平面で切断したものである。
図1〜4に示した電子写真感光体1a〜1dはいずれも機能分離型感光体であり、各感光体が備える感光層3には、電荷発生層5と電荷輸送層6とが別個に設けられている。
図1〜4はそれぞれ本発明の電子写真感光体の好適な一実施形態を示す模式断面図であり、電子写真感光体1a〜1dを、導電性基体2及び感光層3の積層方向に対して垂直な平面で切断したものである。
図1〜4に示した電子写真感光体1a〜1dはいずれも機能分離型感光体であり、各感光体が備える感光層3には、電荷発生層5と電荷輸送層6とが別個に設けられている。
電子写真感光体1a〜1dの構成についてより詳しく説明する。
図1に示した電子写真感光体1aは、導電性基体2上に、電荷発生層5及び電荷輸送層6をこの順で積層してなる感光層3を有する構成である。
図2に示した電子写真感光体1bは、導電性基体2上に下引き層4を有し、その上に、電荷発生層5及び電荷輸送層6をこの順で積層してなる感光層3を有する構成である。
図3に示した電子写真感光体1cは、導電性基体2上に下引き層4を有し、その上に、電荷発生層5及び電荷輸送層6をこの順で積層してなる感光層3を有し、更に、その上に表面保護層7を有する構成である。
図4に示した電子写真感光体1dは、導電性基体2に下引き層4と中間層8とをこの順に有し、その上に、電荷発生層5及び電荷輸送層6をこの順で積層してなる感光層3を有する構成である。
図1に示した電子写真感光体1aは、導電性基体2上に、電荷発生層5及び電荷輸送層6をこの順で積層してなる感光層3を有する構成である。
図2に示した電子写真感光体1bは、導電性基体2上に下引き層4を有し、その上に、電荷発生層5及び電荷輸送層6をこの順で積層してなる感光層3を有する構成である。
図3に示した電子写真感光体1cは、導電性基体2上に下引き層4を有し、その上に、電荷発生層5及び電荷輸送層6をこの順で積層してなる感光層3を有し、更に、その上に表面保護層7を有する構成である。
図4に示した電子写真感光体1dは、導電性基体2に下引き層4と中間層8とをこの順に有し、その上に、電荷発生層5及び電荷輸送層6をこの順で積層してなる感光層3を有する構成である。
本発明の電子写真感光体は、図示しないが、感光層が機能分離型感光体でない場合、すなわち感光層が単層であってもよい。感光層が単層の場合にも、上述の機能分離型感光体と同様に、下引き層、中間層、及び表面保護層を、適宜、設けることも可能である。
例えば、本発明の電子写真感光体としては、導電性基体上に、下引き層及び単層からなる感光層がこの順で積層される構成、導電性基体上に、下引き層、単層からなる感光層、及び表面保護層がこの順で積層される構成、導電性基体上に、下引き層、中間層、及び単層からなる感光層がこの順で積層される構成等であってもよい。
以下、本発明の電子写真感光体の各構成要素について詳述する。
例えば、本発明の電子写真感光体としては、導電性基体上に、下引き層及び単層からなる感光層がこの順で積層される構成、導電性基体上に、下引き層、単層からなる感光層、及び表面保護層がこの順で積層される構成、導電性基体上に、下引き層、中間層、及び単層からなる感光層がこの順で積層される構成等であってもよい。
以下、本発明の電子写真感光体の各構成要素について詳述する。
[導電性基体]
導電性基体としては、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属製;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基体上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基体に蒸着したもの;金属箔を上記基体にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基体に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。また、導電性基体の形状は、ドラム状、シート状、プレート状のいずれであってもよい。
導電性基体としては、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル等の金属製;シート、紙、プラスチック、ガラス等の基体上にアルミニウム、銅、金、銀、白金、パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼、銅−インジウム等の金属を蒸着したもの;酸化インジウム、酸化スズ等の導電性金属化合物を上記基体に蒸着したもの;金属箔を上記基体にラミネートしたもの;カーボンブラック、酸化インジウム、酸化スズ−酸化アンチモン粉、金属粉、ヨウ化銅等を結着樹脂に分散し、上記基体に塗布することによって導電処理したもの等が挙げられる。また、導電性基体の形状は、ドラム状、シート状、プレート状のいずれであってもよい。
また、導電性基体として金属製パイプ基体を用いる場合、当該パイプ基体の表面は素管のままのものであってもよいが、予め表面処理により基体表面を粗面化しておくことも可能である。かかる粗面化により、露光光源としてレーザービーム等の可干渉光源を用いた場合に、感光体内部で発生し得る干渉光による木目状の濃度斑を防止することができる。表面処理としては、鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホーニング等が挙げられる。
[下引き層]
下引き層に用いられる材料としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤等の有機ジルコニウム化合物;チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤等の有機チタン化合物;アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物;アンチモンアルコキシド化合物;ゲルマニウムアルコキシド化合物;インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物等の有機インジウム化合物;マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物等の有機マンガン化合物;スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物等の有機スズ化合物;アルミニウムシリコンアルコキシド化合物;アルミニウムチタンアルコキシド化合物;アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物;などの有機金属化合物が挙げられる。これらの中でも、有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は、残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
下引き層に用いられる材料としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤等の有機ジルコニウム化合物;チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤等の有機チタン化合物;アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物;アンチモンアルコキシド化合物;ゲルマニウムアルコキシド化合物;インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物等の有機インジウム化合物;マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物等の有機マンガン化合物;スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物等の有機スズ化合物;アルミニウムシリコンアルコキシド化合物;アルミニウムチタンアルコキシド化合物;アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物;などの有機金属化合物が挙げられる。これらの中でも、有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は、残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
また、下引き層には、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。
更に、下引き層には、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
また、本発明においては、下引き層に金属酸化物微粒子を含有することが好ましい。この金属酸化物微粒子としては、所望の電子写真感光体特性が得られるものであれば、公知の金属酸化物より任意に選択できるが、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる1種以上の金属酸化物微粒子が好ましく用いられる。また、これらの金属酸化物微粒子は、少なくとも1種以上のカップリング剤で被覆されていることがより好ましく、カップリング剤としてはシランカップリング剤がより好ましい。
また、下引き層中には、電子輸送性顔料を混合/分散して使用することもできる。電子輸送性顔料としては、ペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子求引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が上げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料が、電子移動性が高いので好ましく使用される。電子輸送性顔料は多すぎると下引き層の強度が低下し、塗膜欠陥を生じるため、下引き層の全固形分に対し、95質量%以下、好ましくは90質量%以下の範囲で使用される。
下引き層は、上記材料を所定の有機溶剤に混合/分散した塗布液(下引き層用塗布液)を、導電性基体上に塗布し、乾燥により有機溶剤を除去することにより形成される。
下引き層用塗布液を調製する際の混合/分散方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等が挙げられる。
また、有機溶剤としては、有機金属化合物や結着樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散した時に、ゲル化や凝集を起こさないものであればいかなるものも使用できる。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
下引き層用塗布液を調製する際の混合/分散方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等が挙げられる。
また、有機溶剤としては、有機金属化合物や結着樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散した時に、ゲル化や凝集を起こさないものであればいかなるものも使用できる。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
下引き層用塗布液の乾燥は、有機溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。
このようにして得られる下引き層の厚みは、金属酸化物微粒子を含有しない場合は、0.1〜10μmであることが好ましく、更に、0.5〜5.0μmであることがより好ましい。また、金属酸化物微粒子を含有する場合には、15μmを超えることが好ましく、15〜50μmであることがより好ましい。
下引き層の膜厚が上記条件を満たすと、電子写真感光体における局所的な絶縁破壊(感光体リーク)をより確実に防止することができる。また、長期連続使用においても、安定した特性を得ることができる。
このようにして得られる下引き層の厚みは、金属酸化物微粒子を含有しない場合は、0.1〜10μmであることが好ましく、更に、0.5〜5.0μmであることがより好ましい。また、金属酸化物微粒子を含有する場合には、15μmを超えることが好ましく、15〜50μmであることがより好ましい。
下引き層の膜厚が上記条件を満たすと、電子写真感光体における局所的な絶縁破壊(感光体リーク)をより確実に防止することができる。また、長期連続使用においても、安定した特性を得ることができる。
[中間層]
中間層に用いられる材料としては、前記下引き層に用いられる材料と同様に、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤等の有機ジルコニウム化合物;チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤等の有機チタン化合物;アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物;アンチモンアルコキシド化合物;ゲルマニウムアルコキシド化合物;インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物等の有機インジウム化合物;マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物等の有機マンガン化合物;スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物等の有機スズ化合物;アルミニウムシリコンアルコキシド化合物;アルミニウムチタンアルコキシド化合物;アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物が挙げられる。これらの中でも、有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は、残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
中間層に用いられる材料としては、前記下引き層に用いられる材料と同様に、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤等の有機ジルコニウム化合物;チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤等の有機チタン化合物;アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物;アンチモンアルコキシド化合物;ゲルマニウムアルコキシド化合物;インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物等の有機インジウム化合物;マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物等の有機マンガン化合物;スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物等の有機スズ化合物;アルミニウムシリコンアルコキシド化合物;アルミニウムチタンアルコキシド化合物;アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物が挙げられる。これらの中でも、有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は、残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
また、中間層には、前記下引き層と同様に、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−2−メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。更に、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
また、中間層中には、前記下引き層と同様に、電子輸送性顔料を混合/分散して使用することもできる。電子輸送性顔料としては、ペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子求引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が上げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料が、電子移動性が高いので好ましく使用される。電子輸送性顔料は多すぎると下引き層の強度が低下し、塗膜欠陥を生じるため、中間層の全固形分に対し、95質量%以下、好ましくは90質量%以下の範囲で使用される。
中間層は、前記下引き層と同様に、上記材料を所定の有機溶剤に混合/分散した塗布液(中間層用塗布液)を、導電性基体上に塗布し、乾燥により溶剤を除去することにより形成される。
中間層用塗布液を調製する際の混合/分散方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等が挙げられる。
また、有機溶剤としては、有機金属化合物や結着樹脂を溶解し、電子輸送性顔料を混合/分散した時に、ゲル化や凝集を起こさないものであればいかなるものも使用できる。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
中間層用塗布液を調製する際の混合/分散方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等が挙げられる。
また、有機溶剤としては、有機金属化合物や結着樹脂を溶解し、電子輸送性顔料を混合/分散した時に、ゲル化や凝集を起こさないものであればいかなるものも使用できる。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
中間層用塗布液の乾燥は、有機溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。
このようにして得られる中間層の厚みは、0.1〜10μmであることが好ましく、更に、0.5〜5μmであることがより好ましい。
中間層の膜厚が上記条件を満たすと、電子写真感光体を、長期連続使用した場合においても、安定した特性を得ることができる。
このようにして得られる中間層の厚みは、0.1〜10μmであることが好ましく、更に、0.5〜5μmであることがより好ましい。
中間層の膜厚が上記条件を満たすと、電子写真感光体を、長期連続使用した場合においても、安定した特性を得ることができる。
[感光層]
本発明の電子写真感光体は、感光層中に、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物を含有することを要する。なお、本発明の好適な実施態様のように、本発明の電子写真感光体が、電荷発生層と電荷輸送層とが別個に設けられる感光層を有する機能分離型感光体である場合、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物は、電荷発生層に含有される。
本発明の電子写真感光体は、感光層中に、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物を含有することを要する。なお、本発明の好適な実施態様のように、本発明の電子写真感光体が、電荷発生層と電荷輸送層とが別個に設けられる感光層を有する機能分離型感光体である場合、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物は、電荷発生層に含有される。
また、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物をを含有する感光層は、分光吸収スペクトルの600〜700nmの範囲における最大ピークの大きさが、810〜839nmの範囲における最大ピークよりも大きいことが好ましい。本発明における特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、通常、通常用いられる方法を適用した分散処理工程を経ることで、顔料粒子が均一に分散された、感光層用塗布液となる。この分散処理工程において、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料は、その粒度分布が均一化される。その結果、本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する感光層においては、600〜700nmの範囲における最大吸収ピークの方が、810〜839nmにおける最大吸収ピークよりも大きくなると推察される。
分散処理の方法は、上記感光層において、600〜700nmの範囲における最大吸収ピークと810〜839nmにおける最大吸収ピークの関係を維持しうるものであれば、いかなる公知の方法も用いることが可能である。
分散処理の方法は、上記感光層において、600〜700nmの範囲における最大吸収ピークと810〜839nmにおける最大吸収ピークの関係を維持しうるものであれば、いかなる公知の方法も用いることが可能である。
感光層の分光吸収スペクトルにおいて、810〜839nmにおける最大吸収ピークの吸光度に対する、600〜700nmの範囲における最大吸収ピークの吸光度の比率((600〜700nmの範囲における最大吸収ピークの吸光度)/(810〜839nmの範囲における最大吸収ピークの吸光度))は、1.01〜1.40が好ましく、1.10〜1.35がより好ましい。
なお、本発明の電子写真感光体が機能分離型感光体である場合、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物は電荷発生層に含有されるため、この電荷発生層の分光吸収スペクトルが上記のような関係の最大吸収ピークを有することが好ましい。
なお、本発明の電子写真感光体が機能分離型感光体である場合、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物は電荷発生層に含有されるため、この電荷発生層の分光吸収スペクトルが上記のような関係の最大吸収ピークを有することが好ましい。
(電荷発生層)
本発明の電子写真感光体が、電荷発生層と電荷輸送層とが別個に設けられる感光層を有する機能分離型感光体である場合、電荷発生層は、結着樹脂(バインダー樹脂)と、電荷発生物質としての特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、特定レゾルシナレーン化合物と、を含有する。なお、本発明の効果を損なわない範囲において、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料以外の電荷発生物質を併用してもよい。
この電荷発生層は、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物が、所定の結着樹脂中に分散保持される構成を有する。
本発明の電子写真感光体が、電荷発生層と電荷輸送層とが別個に設けられる感光層を有する機能分離型感光体である場合、電荷発生層は、結着樹脂(バインダー樹脂)と、電荷発生物質としての特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、特定レゾルシナレーン化合物と、を含有する。なお、本発明の効果を損なわない範囲において、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料以外の電荷発生物質を併用してもよい。
この電荷発生層は、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物が、所定の結着樹脂中に分散保持される構成を有する。
かかる結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシラン等の有機光導電性ポリマーが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアセタール樹脂、及び塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が好ましく用いられる。これらの結着樹脂は1種を単独或いは2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生物質(特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましく、更には、8:2〜3:7の範囲がより好ましい。
電荷発生物質(特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)と結着樹脂との配合比(質量比)は、10:1〜1:10の範囲が好ましく、更には、8:2〜3:7の範囲がより好ましい。
電荷発生層を形成する際には、結着樹脂を所定の有機溶剤に溶解した溶液に、上記特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物を分散させた塗布液が用いられる。
電荷発生層用塗布液の有機溶剤としては、結着樹脂を溶解可能なもの、例えば、アルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等の溶剤が使用可能である。より具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物を結着樹脂液中に分散する方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等が挙げられる。
電荷発生層用塗布液の有機溶剤としては、結着樹脂を溶解可能なもの、例えば、アルコール系、芳香族系、ハロゲン化炭化水素系、ケトン系、ケトンアルコール系、エーテル系、エステル系等の溶剤が使用可能である。より具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物を結着樹脂液中に分散する方法としては、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等が挙げられる。
電荷発生層には、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の吸収極大の位置及び最大粒径、並びに層としての分光吸収スペクトルが所定の範囲に維持される限りにおいては、上記電気特性向上、画質向上などのために種々の添加剤を添加することもできる。
添加物としては、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等を用いることができる。
添加物としては、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送性物質、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等を用いることができる。
シランカップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ジルコニウムキレート化合物の例としては、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシド等が挙げられる。
チタニウムキレート化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
アルミニウムキレート化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を含んで構成される。かかる電荷輸送物質としては、具体的には、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニルピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニルN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル]−(1−ナフチル)−フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリルキナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等の正孔輸送物質が挙げられる。また、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送物質も使用可能である。
更に、上記化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体を用いることもできる。これらの電荷輸送物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及び結着樹脂を含んで構成される。かかる電荷輸送物質としては、具体的には、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体、1,3,5−トリフェニルピラゾリン、1−[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ(p−メチル)フェニルアミン、N,N’−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベンジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N’−ジ(p−トリル)フルオレノン−2−アミン等の芳香族第3級アミノ化合物、N,N’−ジフェニルN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合物、3−(4’−ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ−(4’−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジン等の1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェニル]−(1−ナフチル)−フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリルキナゾリンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−ジ(p−メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−N,N’−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体等の正孔輸送物質が挙げられる。また、クロラニル、ブロモアニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、チオフェン化合物、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物等の電子輸送物質も使用可能である。
更に、上記化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体を用いることもできる。これらの電荷輸送物質は、1種を単独で又は2種以上を組み合せて用いることができる。
また、電荷輸送層の結着樹脂としては、電気絶縁性のフィルム形成可能な樹脂が好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリマーワックス、ポリウレタン等が挙げられる。これらの中でも、電荷輸送材との相溶性、溶剤への溶解性、強度の点で、下記構造式(A)に示すポリカーボネート樹脂、及び下記構造式(B)に示すポリアリレート樹脂が優れ好ましく用いられる。
上記構造式(A)中、R1〜R8は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルキル基、アラルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、又はハロゲン原子を表し、また、Xは、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のシクロアルキレン基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を表す。nは整数を表す。
上記構造式(B)中、R1〜R8は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルキル基、アラルキル基、置換若しくは未置換のアリール基、又はハロゲン原子を表し、また、Xは、置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは未置換のシクロアルキレン基、又は置換若しくは未置換のアリーレン基を表し、Yは、置換若しくは未置換のベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、脂肪族炭化水素基又は環状炭化水素基を表す。nは整数を表す。
これらの結着樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。結着樹脂と電荷輸送物質との配合比(質量比)はいずれの場合も任意に設定することができるが、電気特性低下、膜強度低下に注意しなくてはならない。
電荷輸送層は、上記材料を含む電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に塗布し、乾燥させることにより形成される。
塗布液に用いる溶剤としては、所望の電子写真感光体特性が得られるものであれば、公知の有機溶剤より任意に選択できるが、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が好適に使用される。また、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
塗布液に用いる溶剤としては、所望の電子写真感光体特性が得られるものであれば、公知の有機溶剤より任意に選択できるが、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等が好適に使用される。また、これらは1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送層の厚みは、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜40μmである。
電荷輸送層には、画像形成装置中で発生するオゾンや酸化性ガス、或いは光・熱による電子写真感光体の劣化を防止する目的で、酸化防止剤・光安定剤などの添加剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’,−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイミル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,3,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等が挙げられる。
有機イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられる。
有機燐系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィート等が挙げられる。
有機硫黄系及び有機燐系酸化防止剤は、2次酸化防止剤と呼ばれ、フェノール系又はアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
有機燐系酸化防止剤としては、トリスノニルフェニルフォスフィート、トリフェニルフォスフィート、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−フォスフィート等が挙げられる。
有機硫黄系及び有機燐系酸化防止剤は、2次酸化防止剤と呼ばれ、フェノール系又はアミン系などの1次酸化防止剤と併用することにより相乗効果を得ることができる。
光安定剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テトラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系光安定剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5’,6”−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’,−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’,−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光安定剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系光安定剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5’,6”−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’,−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’,−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
その他の化合物として、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ニッケル ジブチル−ジチオカルバメート等が挙げられる。
また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電子受容性物質を含有せしめることができる。
電子受容性物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニルキノン、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらの中でも、フルオレノン系、キノン系や、Cl−、CN−、NO2−等の電子求引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
電子受容性物質としては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニルキノン、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等が挙げられる。これらの中でも、フルオレノン系、キノン系や、Cl−、CN−、NO2−等の電子求引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
また、電荷輸送層には、磨耗を低減する目的で、固形潤滑剤や金属酸化物を分散させることができる。固形潤滑剤としては、フッ素含有樹脂粒子(四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン及びそれらの共重合等)、ケイ素含有樹脂粒子等を挙げることができる。また、金属酸化物としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズ等を挙げることができる。固形潤滑剤を分散すると、電荷輸送層表面の摩擦係数が減少するため、摩耗を抑制することができる。また、金属酸化物を分散すると、電荷輸送層の機械的硬度が上昇するため、摩耗を抑制することができる。また、フッ素含有樹脂粒子は難分散粒子のためフッ素含有高分子系分散助剤を用いると分散性が向上される。
上記固形潤滑剤や金属酸化物を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー、ホモジナイザー、高圧処理式ホモジナイザー等の方法を用いることができる。この分散の際、分散粒子を1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下にすることが有効である。
また、塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
上記固形潤滑剤や金属酸化物を分散させる方法としては、ロールミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サンドミル、コロイドミル、ペイントシェーカー、ホモジナイザー、高圧処理式ホモジナイザー等の方法を用いることができる。この分散の際、分散粒子を1.0μm以下、好ましくは0.5μm以下にすることが有効である。
また、塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシリコーンオイルを微量添加することもできる。
[表面保護層]
本発明の電子写真感光体には、必要に応じて、表面保護層を形成することができる。表面保護層としては、下記一般式(I)で表される化合物を含んで形成される硬化膜が好ましい。
本発明の電子写真感光体には、必要に応じて、表面保護層を形成することができる。表面保護層としては、下記一般式(I)で表される化合物を含んで形成される硬化膜が好ましい。
F−[D−A]b 一般式(I)
上記一般式(I)中、Fは光機能性化合物から誘導される有機基を表し、Dは2価の基を表し、Aは−SiR1 3-a(OR2)aで表される加水分解性基を有する置換ケイ素基を表し、bは1〜4の整数を表す。ここで、R1は、水素原子、アルキル基、又は置換若しくは未置換のアリール基を表し、R2は、水素原子、アルキル基、又はトリアルキルシリル基を表す。aは1〜3の整数を表す。
一般式(I)中のA、すなわち−SiR1 3-a(OR2)aで表される加水分解性基を有する置換ケイ素基は、架橋反応による3次元的なSi−O−Si結合(無機ガラス質ネットワーク)を形成する役割を担っている。
また、一般式(I)中、Fは、光電特性、より具体的には光キャリア輸送特性を有する有機基であり、従来、電荷輸送物質として知られている光機能性化合物の構造をそのまま用いることができる。Fで表される有機基としては、具体的には、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物、などの正孔輸送性を有する化合物骨格、及びキノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物、などの電子輸送性を有する化合物骨格等が挙げられる。
Fで表される有機基の好ましい例としては、下記一般式(II)で表される基が挙げられる。Fが、下記一般式(II)で表される基であると、特に優れた光電特性と機械特性を示す。
上記一般式(II)中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に、置換或いは未置換のアリール基を表す。Ar5は、置換或いは未置換のアリール基、又はアリーレン基を表す。Ar1〜Ar4のうちb個は、−D−SiR1 3-a(OR2)aで表される基に結合する。kは0又は1を表す。
上記一般式(II)中のAr1〜Ar4としては、下記式(II−1)〜(I−7)のうちのいずれかであることが好ましい。
上記一般式(II)中のAr1〜Ar4としては、下記式(II−1)〜(I−7)のうちのいずれかであることが好ましい。
−Ar−Z’s−Ar−Xm (II−7)
上記式中、R6は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、又は炭素数7〜10のアラルキル基を表し、R7〜R9は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、又はハロゲン原子を表し、Arは、置換又は未置換のアリーレン基を表し、Xは、一般式(I)中の−D−SiR1 3-a(OR2)aを表し、m及びsはそれぞれ0又は1を表し、tはそれぞれ1〜3の整数を表す。
ここで、式(II−7)中のArとしては、下記式(II−8)又は(II−9)で表されるものが好ましい。
ここで、式(II−7)中のArとしては、下記式(II−8)又は(II−9)で表されるものが好ましい。
上記式中、R10及びR11はそれぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、又はハロゲン原子を表し、tは1〜3の整数を表す。
また、上記式(II−7)中のZ’としては、下記式(II−10)〜(II−17)のうちのいずれかで表されるものが好ましい。
−(CH2)q− (II−10)
−(CH2CH2O)r− (II−11)
上記式中、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、未置換のフェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基、又はハロゲン原子を表し、Wは2価の基を表し、q及びrは各々独立に1〜10の整数を表し、tはそれぞれ1〜3の整数を表す。
上記式(II−16)、(II−17)中のWとしては、下記(II−18)〜(II−26)で表される2価の基のうちのいずれかであることが好ましい。
−CH2− (II−18)
−C(CH3)2− (II−19)
−O− (II−20)
−S− (II−21)
−C(CF3)2− (II−22)
−Si(CH3)2− (II−23)
−CH2− (II−18)
−C(CH3)2− (II−19)
−O− (II−20)
−S− (II−21)
−C(CF3)2− (II−22)
−Si(CH3)2− (II−23)
上記式中、uは0〜3の整数を表す。
また、前記一般式(II)中、Ar5は、kが0の時は、Ar1〜Ar4の説明で例示されたアリール基であり、kが1の時は、かかるアリール基から所定の水素原子を除いたアリーレン基である。
一般式(I)中、Dで表される2価の基は、光電特性を付与するFと3次元的な無機ガラス質ネットワークに直接結合するAとを結びつける働きを担い、且つ、堅さの反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜としての強靱さを向上させるという働きを担うものである。Dで表される2価の基としては、具体的には、−CnH2n−、−CnH2n-2−、−CnH2n-4−で表わされる2価の炭化水素基(nは1〜15の整数を表す)、−COO−、−S−、−O−、−CH2−C6H4−、−N=CH−、−C6H4−C6H4−、及びこれらを組み合わせたものや置換基を導入したもの等が挙げられる。
一般式(I)中、bは2以上であることが好ましい。bが2以上であると、一般式(I)で表される光機能性有機ケイ素化合物がSi原子を2個以上有することになり、無機ガラス質ネットワークの形成が容易となり、機械的強度が向上する傾向にある。
一般式(I)で表される化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
一般式(I)で表される化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、一般式(I)で表される化合物と共に、硬化膜の機械的強度を更に向上させる目的で、下記一般式(III)で表される化合物を併用してもよい。
B−An 一般式(III)
一般式(III)中、Aは−SiR1 3-a(OR2)aで表される加水分解性基を有する置換ケイ素基を表す。ここで、R1、R2、aは一般式(I)中のR1、R2、aと同様である。Bは、枝分かれを含んでもよい2価以上の炭化水素基、2価以上のフェニル基及び−NH−から選ばれる基の少なくとも1つ、或いはこれらの組み合わせから構成される。nは2以上の整数を表す。
一般式(III)で表される化合物は、A、すなわち−SiR1 3-a(OR2)aで表される加水分解性基を有する置換ケイ素基を有している化合物である。この一般式(III)で表される化合物は、一般式(I)で表される化合物との反応、又は一般式(III)で表される化合物同士の反応により、Si−O−Si結合を形成して3次元的な架橋硬化膜を与える。一般式(III)で表される化合物と一般式(I)で表される化合物とを併用すると、硬化膜の架橋構造が3次元的になり易く、また、硬化膜に適度な可とう性が付与されるため、より強い機械強度が得られる。一般式(III)で表される化合物の好ましい例を表1に示す。
一般式(I)で表される化合物と共に、更に、架橋反応可能な他の化合物を併用してもよい。このような化合物として、各種シランカップリング剤、及び市販のシリコーン系ハードコート剤を用いることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、CR−39、X−12−2208、X−40−9740、X−41−1007、KNS−5300、X−40−2239(以上、信越化学工業社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
市販のハードコート剤としては、KP−85、CR−39、X−12−2208、X−40−9740、X−41−1007、KNS−5300、X−40−2239(以上、信越化学工業社製)、AY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
また、表面保護層には、表面潤滑性を付与する目的でフッ素含有化合物を添加できる。表面潤滑性を向上させることによりクリーニング部材との摩擦係数が低下し、耐摩耗性を向上させることができる。また、感光体表面に対する放電生成物、現像剤及び紙粉などの付着を防止する効果も有し、感光体の寿命向上に役立つ。
フッ素含有化合物としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有ポリマーをそのまま添加するか、或いはそれらポリマーの微粒子を添加することができる。また、表面保護層が、一般式(I)で表される化合物により形成される硬化膜の場合、フッ素含有化合物としては、アルコキシシランと反応できるものを添加し、架橋膜の一部として構成するのが望ましい。そのようなフッ素含有化合物の例として、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有化合物の含有量は、表面保護層全量を基準として、20質量%以下とすることが好ましい。フッ素含有化合物の含有量が20質量%を超えると、架橋硬化膜の成膜性に問題が生じる場合がある。
フッ素含有化合物としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有ポリマーをそのまま添加するか、或いはそれらポリマーの微粒子を添加することができる。また、表面保護層が、一般式(I)で表される化合物により形成される硬化膜の場合、フッ素含有化合物としては、アルコキシシランと反応できるものを添加し、架橋膜の一部として構成するのが望ましい。そのようなフッ素含有化合物の例として、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有化合物の含有量は、表面保護層全量を基準として、20質量%以下とすることが好ましい。フッ素含有化合物の含有量が20質量%を超えると、架橋硬化膜の成膜性に問題が生じる場合がある。
上記化合物を含む表面保護層は十分な耐酸化性を有しているが、更に強い耐酸化性を付与する目的で、酸化防止剤を添加してもよい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の含有量としては、表面保護層全量を基準として、15質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の含有量としては、表面保護層全量を基準として、15質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が挙げられる。
また、表面保護層には公知の塗膜形成に用いられるその他の添加剤を添加することも可能であり、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、界面活性剤、など公知のものを用いることができる。
表面保護層は、上記化合物を含有する塗布液を電荷輸送層や感光層上に塗布し、加熱処理することで形成される。これにより、一般式(I)で表される化合物等が3次元的に架橋硬化反応を起こし、強固な硬化膜が形成される。加熱処理の温度は、下層に影響しなければ特に制限はないが、好ましくは室温〜200℃、より好ましくは100〜160℃である。
架橋硬化反応は、無触媒で行なってもよく、また、適切な触媒を用いてもよい。触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、等の酸触媒、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、オクエ酸第一スズ等の有機スズ化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、アルミニウムキレート化合物等が挙げられる。
架橋硬化反応は、無触媒で行なってもよく、また、適切な触媒を用いてもよい。触媒としては、塩酸、硫酸、燐酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、等の酸触媒、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、オクエ酸第一スズ等の有機スズ化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、アルミニウムキレート化合物等が挙げられる。
また、表面保護層用塗布液の塗布を容易にするため、必要に応じて溶剤を添加して用いることができる。具体的には、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルエーテル、ジブチルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。
また、塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。
このようにして形成される表面保護層の膜厚は、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは2〜10μmである。
また、塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられる。
このようにして形成される表面保護層の膜厚は、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは2〜10μmである。
<電子写真式画像形成装置>
本発明の電子写真式画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」と称する場合がある。)は、上記本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、現像されたトナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、を備えることを特徴とする。
以下、本発明の画像形成装置について、図面を参照して説明する。
ここで、図5及び図6は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
本発明の電子写真式画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」と称する場合がある。)は、上記本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、現像されたトナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、を備えることを特徴とする。
以下、本発明の画像形成装置について、図面を参照して説明する。
ここで、図5及び図6は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
図5に示す画像形成装置200aは、本発明の電子写真感光体207と、電子写真感光体207を帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光して静電潜像を形成する露光装置210と、露光装置210により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により形成されたトナー像を被転写媒体500に転写する転写装置212と、クリーニング装置213と、除電器214と、定着装置215と、を備える。なお、本発明は、除電器214が設けられていない画像形成装置であってもよい。
図6に示す画像形成装置200bは、本発明の電子写真感光体207と、電子写真感光体207を帯電させる帯電装置208と、帯電装置208に接続された電源209と、帯電装置208により帯電される電子写真感光体207を露光して静電潜像を形成する露光装置210と、露光装置210により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置211と、現像装置211により電子写真感光体207に形成されたトナー像を、1次転写部材212aに転写した後、1次転写部材212aと2次転写部材212bとの間に供給される被転写媒体500に転写する中間転写方式の転写装置と、クリーニング装置213と、定着装置215と、を備える。ここで、1次転写の際には、1次転写部材212aから電子写真感光体207に向けて所定の電流密度の電流が供給可能となっている。
なお、図6中には示していないが、画像形成装置200bは、図5に示した画像形成装置200aと同様に除電器を更に備えていてもよい。
以下、本発明の画像形成装置200a及び200bの構成要素について説明する。
なお、図6中には示していないが、画像形成装置200bは、図5に示した画像形成装置200aと同様に除電器を更に備えていてもよい。
以下、本発明の画像形成装置200a及び200bの構成要素について説明する。
電子写真感光体207は、上述の本発明の電子写真感光体であり、感光層が、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及び特定レゾルシナレーン化合物を含有していれば、如何なる構成のものを使用することができる。つまり、電子写真感光体207は、単層の感光層を有していてもよいし、また、図1〜図4の示すよな機能分離型感光体であってもよい。
本発明の電子写真感光体207は、電子写真感光体上に形成されたトナー像を、一旦中間転写部材に転写した後、画像出力媒体に転写する、中間転写方式において、特に好ましく使用される。また、中間転写部材から電子写真感光体上に印加される転写電圧を一定に調整・制御して画像形成を行う方式において、更に好ましく使用される。
本発明の電子写真感光体207は、電子写真感光体上に形成されたトナー像を、一旦中間転写部材に転写した後、画像出力媒体に転写する、中間転写方式において、特に好ましく使用される。また、中間転写部材から電子写真感光体上に印加される転写電圧を一定に調整・制御して画像形成を行う方式において、更に好ましく使用される。
本発明の画像形成装置において、帯電装置に適用される帯電方式には特に制限はない。しかし、近年は、オゾンの発生量が少なく、環境負荷性の小さい接触帯電方式が好ましく用いられる傾向にある。一般に、接触帯電方式は、スコロトロンやコロトロンなどの非接触式帯電方式と比較して帯電能力が弱く、特に、高速応答が必要な画像形成装置においては問題となりやすい。帯電能力が弱い場合、電子写真感光体の感光層中に残留している電荷が、カブリなどの画質欠陥を引き起こす原因となる。しかし、本発明にかかる電子写真感光体によれば、電荷発生層中に存在する、電荷を残留させる要因となる結晶型の崩れたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料粒子が少ないため、前記のような画質欠陥が生じにくく、接触式帯電方式との組み合わせで、好適に使用することができる。
接触型帯電部材としては、芯材の外周面に、弾性層、抵抗層、保護層等を設けたものが好適に用いられる。導電部材の形状は、ブラシ状、ブレード状、ピン電極状、或いはローラー状等何れでもよく、画像形成装置の仕様や形態に合わせて、任意に選択することができる。
芯材の材質としては、導電性を有するもの、例えば、鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が用いられる。また、導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることができる。
弾性層の材質としては、導電性或いは半導電性を有するもの、例えば、ゴム材に導電性粒子或いは半導電性粒子を分散したものが使用可能である。ゴム材としてはEPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、エポキシゴム等が用いられる。導電性粒子或いは半導電性粒子としては、カーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al2O3、SnO2−Sb2O3、In2O3−SnO2、ZnO−TiO2、MgO−Al2O3、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、Sb2O3、In2O3、ZnO、MgO等の金属酸化物が用いることができる。これらの材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
芯材の材質としては、導電性を有するもの、例えば、鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が用いられる。また、導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることができる。
弾性層の材質としては、導電性或いは半導電性を有するもの、例えば、ゴム材に導電性粒子或いは半導電性粒子を分散したものが使用可能である。ゴム材としてはEPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、エポキシゴム等が用いられる。導電性粒子或いは半導電性粒子としては、カーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al2O3、SnO2−Sb2O3、In2O3−SnO2、ZnO−TiO2、MgO−Al2O3、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、Sb2O3、In2O3、ZnO、MgO等の金属酸化物が用いることができる。これらの材料は1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
抵抗層及び保護層としては、結着樹脂に導電性粒子或いは半導電性粒子を分散し、その抵抗を制御したものが好ましい。結着樹脂としては、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂等が用いられる。導電性粒子或いは半導電性粒子としては、弾性層と同様の、カーボンブラック、金属、金属酸化物が用いられる。また、必要に応じて、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤や、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。
これらの層を形成する手段としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、溶融成形法、注入成形法等を用いることができる。
これらの層を形成する手段としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法、溶融成形法、注入成形法等を用いることができる。
これらの導電部材を用いて電子写真感光体を帯電させる際には、導電部材に電圧が印加されるが、かかる印加電圧は、直流電圧、直流電圧に交流電圧を重畳したもののいずれでもよい。
露光装置210としては、電子写真感光体207の表面に、半導体レーザー、LED(light emitting diode)、液晶シャッター等の光源を所望の像様に露光できる光学系装置等を用いることができる。
現像装置211としては、一成分系、ニ成分系等の正規又は反転現像剤を用いた従来より公知の現像装置等を用いることができる。
現像装置211に使用されるトナーの形状については、特に制限はなく、不定形、球形或いは他の特定の形状のものであっても、使用することができる。しかし、高画質化、エコロジーの観点から球形トナーが好ましく用いられる。球形トナーとは、高転写効率を達成するために、平均形状係数(ML2/A)100〜145、好ましくは100〜140の範囲で表される球形状を有するトナーである。この平均形状係数(ML2/A)が145より大きくなると転写効率が低下してしまい、プリントサンプルの画質の低下が目視で確認できてしまう。このような球形トナーは、好ましくは体積平均粒子径で2〜12μmの粒子、より好ましくは3〜9μmの粒子を用いることができる。
かかる球形トナーを含む本発明に適用されるトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含んで構成される。
現像装置211に使用されるトナーの形状については、特に制限はなく、不定形、球形或いは他の特定の形状のものであっても、使用することができる。しかし、高画質化、エコロジーの観点から球形トナーが好ましく用いられる。球形トナーとは、高転写効率を達成するために、平均形状係数(ML2/A)100〜145、好ましくは100〜140の範囲で表される球形状を有するトナーである。この平均形状係数(ML2/A)が145より大きくなると転写効率が低下してしまい、プリントサンプルの画質の低下が目視で確認できてしまう。このような球形トナーは、好ましくは体積平均粒子径で2〜12μmの粒子、より好ましくは3〜9μmの粒子を用いることができる。
かかる球形トナーを含む本発明に適用されるトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含んで構成される。
結着樹脂としては、スチレン類、モノオレフィン類、ビニルエステル類、α―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類等の単独重合体及び共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。
着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして挙げられる。
トナーには、帯電制御剤、離型剤、他の無機微粒子等の公知の添加剤を内添加処理や外添加処理してもよい。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプ等の帯電制御剤を用いることができる。
他の無機微粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒径が40nm以下の小径無機微粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機或いは有機微粒子を併用してもよい。他の無機微粒子としては公知のものを使用できる。
また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
離型剤としては低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして挙げられる。
帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプ等の帯電制御剤を用いることができる。
他の無機微粒子としては、粉体流動性、帯電制御等の目的で、平均1次粒径が40nm以下の小径無機微粒子を用い、更に必要に応じて、付着力低減の為、それより大径の無機或いは有機微粒子を併用してもよい。他の無機微粒子としては公知のものを使用できる。
また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
トナーは、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法により得ることができる。特に、トナーの製造方法としては、具体的には、例えば、混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法等が挙げられる。また、上記方法で得られた球形トナーをコアにして、更に凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。外添剤を添加する場合、球形トナー及び外添剤をヘンシェルミキサー或いはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、球形トナーを湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
転写装置212、1次転写部材212a、及び2次転写部材212bとしては、ローラー状の接触帯電部材の他、ベルト、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、或いはコロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等、が挙げられる。
クリーニング装置213は、転写工程後の電子写真感光体の表面に付着する残存トナーを除去するためのもので、これにより清浄面化された電子写真感光体は上記の画像形成プロセスに繰り返し供される。クリーニング装置としては、クリーニングブレードの他、ブラシクリーニング、ロールクリーニング等を用いることができるが、これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
また、本発明の画像形成装置は、図5に示したように、除電器214を備えていてもよい。この除電器214としては、イレース光照射装置が用いられる。これにより、電子写真感光体207が繰り返し使用される場合に、電子写真感光体の残留電位が次のサイクルに持ち込まれる現象が防止されるので、画像品質化をより高めることができる。
なお、本発明でいう被転写媒体500は、電子写真感光体207の表面に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。
図7は本発明の画像形成装置の他の実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図7に示す画像形成装置200cは中間転写方式の画像形成装置であり、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401d(例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成可能である)が中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
ここで、画像形成装置200cに搭載されている電子写真感光体401a〜401dは、それぞれ本発明の電子写真感光体である。
ここで、画像形成装置200cに搭載されている電子写真感光体401a〜401dは、それぞれ本発明の電子写真感光体である。
電子写真感光体401a〜401dのそれぞれは所定の方向(紙面上は反時計回り)に回転可能であり、その回転方向に沿って帯電ロール402a〜402d、現像装置404a〜404d、1次転写ロール410a〜410d、クリーニングブレード415a〜415dが配置されている。現像装置404a〜404dのそれぞれにはトナーカートリッジ405a〜405dに収容されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーが供給可能であり、また、1次転写ロール410a〜410dはそれぞれ中間転写ベルト409を介して電子写真感光体401a〜401dに当接している。
更に、ハウジング400内の所定の位置にはレーザー光源(露光装置)403が配置されており、レーザー光源403から出射されたレーザー光を帯電後の電子写真感光体401a〜401dの表面に照射することが可能となっている。これにより、電子写真感光体401a〜401dの回転工程において帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの各工程が順次行われ、各色のトナー像が中間転写ベルト409上に重ねて転写される。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば、駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
また、ハウジング400内の所定の位置にはトレイ(被転写媒体トレイ)411が設けられており、トレイ411内の紙などの被転写媒体500が移送ロール412により中間転写ベルト409と2次転写ロール413との間、更には相互に当接する2個の定着ロール414の間に順次移送された後、ハウジング400の外部に排紙される。
なお、上述の説明においては中間転写体として中間転写ベルト409を使用する場合について説明したが、中間転写体は、上記中間転写ベルト409のようにベルト状であってもよく、ドラム状であってもよい。ベルト状とする場合中間転写体の基体として用いる樹脂材料としては、従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。更に、樹脂材料と弾性材料をブレンドして用いることができる。
弾性材料としては、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等を1種類、又は2種類以上をブレンドしてなる材料を用いることができる。これらの基体に用いる樹脂材料及び弾性材料に、必要に応じて、電子伝導性を付与する導電剤やイオン伝導性を有する導電剤を1種類又は2種類以上を組み合わせて添加する。この中でも、機械強度に優れる点で、導電剤を分散させたポリイミド樹脂を用いることが好ましい。上記の導電剤としては、カーボンブラック、金属酸化物、ポリアニリン等の導電性ポリマーを用いることができる。
中間転写体として中間転写ベルト409のようなベルトの形状の構成を採用する場合、一般にベルトの厚さは50〜500μmが好ましく、60〜150μmがより好ましいが、材料の硬度に応じて適宜選択することができる。
例えば、導電剤を分散させたポリイミド樹脂からなるベルトは、特開昭63−311263号公報に記載されているように、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液中に導電剤として5〜20質量%のカーボンブラックを分散させ、分散液を金属ドラム上に流延して乾燥した後、ドラムから剥離したフィルムを高温下に延伸してポリイミドフィルムを形成し、更に適当な大きさに切り出してエンドレスベルトとすることにより製造することができる。
例えば、導電剤を分散させたポリイミド樹脂からなるベルトは、特開昭63−311263号公報に記載されているように、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液中に導電剤として5〜20質量%のカーボンブラックを分散させ、分散液を金属ドラム上に流延して乾燥した後、ドラムから剥離したフィルムを高温下に延伸してポリイミドフィルムを形成し、更に適当な大きさに切り出してエンドレスベルトとすることにより製造することができる。
上記フィルム成形は、一般には、導電剤を分散したポリアミド酸溶液の成膜用原液を円筒金型に注入して、例えば、100〜200℃に加熱しつつ500〜2000rpmの回転数で円筒金型を回転させながら、遠心成形法によりフィルム状に成膜し、次いで、得られたフィルムを半硬化した状態で脱型して鉄芯に被せ、300℃以上の高温でポリイミド化反応(ポリアミド酸の閉環反応)を進行させて本硬化させることにより行うことができる。また、成膜原液を金属シート上に均一な厚みに流延して、上記と同様に100〜200℃に加熱して溶媒の大半を除去し、その後300℃以上の高温に段階的に昇温してポリイミドフィルムを形成する方法もある。また、中間転写体は表面層を有していてもよい。
また、中間転写体としてドラム形状を有する構成を採用する場合、基体としては、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)、銅等で形成された円筒状基体を用いることが好ましい。この円筒状基体上に、必要に応じて弾性層を被覆し、該弾性層上に表面層を形成することができる。
なお、本特許に記載する被転写媒体とは、電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体から直接、紙等の被転写媒体に転写する場合は、被転写媒体を指し、また、中間転写体を用いる場合には、中間転写体を指す。
なお、本特許に記載する被転写媒体とは、電子写真感光体上に形成されたトナー像を転写する媒体であれば特に制限はない。例えば、電子写真感光体から直接、紙等の被転写媒体に転写する場合は、被転写媒体を指し、また、中間転写体を用いる場合には、中間転写体を指す。
<プロセスカートリッジ>
本発明のプロセスカートリッジは、上記本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置、該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、及び前記電子写真感光体をクリーニングするクリーニング装置から選ばれる少なくとも1つの装置と、を備え、電子写真式画像形成装置本体に脱着自在であることを特徴とする。
以下、本発明のプロセスカートリッジについて、図面を参照して説明する。
ここで、図8は、本発明の電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
本発明のプロセスカートリッジは、上記本発明の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置、該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、及び前記電子写真感光体をクリーニングするクリーニング装置から選ばれる少なくとも1つの装置と、を備え、電子写真式画像形成装置本体に脱着自在であることを特徴とする。
以下、本発明のプロセスカートリッジについて、図面を参照して説明する。
ここで、図8は、本発明の電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジの好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。
図8に示すように、プロセスカートリッジ300は、電子写真感光体207と共に、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び除電露光のための開口部217を、取り付けレール216を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体と共に画像形成装置を構成するものである。
そして、このプロセスカートリッジ300は、転写装置212と、定着装置215と、図示しない他の構成部分とからなる画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体と共に画像形成装置を構成するものである。
図8で示すプロセスカートリッジでは、本発明の電子写真感光体207、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び除電露光のための開口部217を備えているが、これら装置は、適宜、選択的に組み合わせることが可能である。
例えば、本発明のプロセルカートリッジでは、電子写真感光体207の他に、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び除電露光のための開口部217からなる群から選択される少なくとも1種を備えていればよい。
例えば、本発明のプロセルカートリッジでは、電子写真感光体207の他に、帯電装置208、現像装置211、クリーニング装置(クリーニング手段)213、露光のための開口部218、及び除電露光のための開口部217からなる群から選択される少なくとも1種を備えていればよい。
上述の画像形成装置及びプロセスカートリッジにおいては、本発明の電子写真感光体を備えることから、ゴーストの発生が抑制され、長期使用においても高水準の画像品質を、安定的に得ることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定されるものではない。
<物性値の測定>
[ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の分光吸収スペクトルの測定]
下記実施例及び比較例で用いられたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の分光吸収スペクトルの測定は、以下のようにして行った。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の少量を、室温下で、n−酢酸ブチル8mLに超音波にて分散し、測定液を調整した。得られた測定液の分光吸収スペクトルを、分光光度計(日立製作所社製:U−2000)を用いて測定した。
[ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の分光吸収スペクトルの測定]
下記実施例及び比較例で用いられたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の分光吸収スペクトルの測定は、以下のようにして行った。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の少量を、室温下で、n−酢酸ブチル8mLに超音波にて分散し、測定液を調整した。得られた測定液の分光吸収スペクトルを、分光光度計(日立製作所社製:U−2000)を用いて測定した。
[ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する層(電荷発生層)の分光吸収スペクトルの測定]
下記実施例及び比較例で用いられたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する層の分光吸収スペクトルの測定は、以下のようにして行った。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する層用塗布液(下記実施例や比較例において調製された電荷発生層塗布液)を、ガラスプレート上に浸漬塗布し、塗膜の分光吸収スペクトル測定用の試料を作製した。塗布液の固形分比は4.0〜5.0質量%とし、引き上げ速度を50〜200mm/minの範囲で適宜調整した。得られた試料について、分光光度計(日立製作所社製:U−2000)を用いて、分光吸収スペクトルを測定した。
ここで、下記表2及び表3に示す値は、810〜839nmの範囲における最大ピークにおける吸光度に対する600〜700nmの範囲における最大ピークの吸光度の比率((600〜700nmの範囲における最大吸収ピークの吸光度)/(810〜839nmの範囲における最大吸収ピークの吸光度))である。
下記実施例及び比較例で用いられたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する層の分光吸収スペクトルの測定は、以下のようにして行った。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する層用塗布液(下記実施例や比較例において調製された電荷発生層塗布液)を、ガラスプレート上に浸漬塗布し、塗膜の分光吸収スペクトル測定用の試料を作製した。塗布液の固形分比は4.0〜5.0質量%とし、引き上げ速度を50〜200mm/minの範囲で適宜調整した。得られた試料について、分光光度計(日立製作所社製:U−2000)を用いて、分光吸収スペクトルを測定した。
ここで、下記表2及び表3に示す値は、810〜839nmの範囲における最大ピークにおける吸光度に対する600〜700nmの範囲における最大ピークの吸光度の比率((600〜700nmの範囲における最大吸収ピークの吸光度)/(810〜839nmの範囲における最大吸収ピークの吸光度))である。
なお、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する層の分光吸収スペクトルについては、電子写真感光体上であっても、種々の方法により測定可能である。例えば、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する層より表面に形成される層が、600〜900nmの範囲に吸収を示さない場合は、電子写真感光体の反射光スペクトルを測定すればよい。また、或いは、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する層より表面に形成される層が、600〜900nmの範囲に吸収を示す場合であっても、これらの層を溶出させ、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有する層からの反射光スペクトルを測定すればよい。
[ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルの測定]
下記実施例及び比較例におけるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルの測定は、粉末法によりCuKα特性X線を用いて、以下の条件で行った。
使用測定器:理学電機社製X線回折装置Miniflex
X線管球:Cu
管電流:15mA
スキャン速度:5.0deg./min
サンプリング間隔:0.02deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):35deg.
ステップ角度(2θ):0.02deg.
下記実施例及び比較例におけるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルの測定は、粉末法によりCuKα特性X線を用いて、以下の条件で行った。
使用測定器:理学電機社製X線回折装置Miniflex
X線管球:Cu
管電流:15mA
スキャン速度:5.0deg./min
サンプリング間隔:0.02deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):35deg.
ステップ角度(2θ):0.02deg.
[粒径が0.3μm以上の粒子の有無の確認]
下記実施例及び比較例におけるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、透過型電子顕微鏡で観察して、30μm2の領域当たりの、粒径が0.3μm以上の粒子の数を調べた。
下記実施例及び比較例におけるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、透過型電子顕微鏡で観察して、30μm2の領域当たりの、粒径が0.3μm以上の粒子の数を調べた。
[実施例1]
シランカップリング剤(KBM603:信越化学工業社製)で表面処理を行った酸化亜鉛(テイカ社製試作品:比表面積値16m2/g、平均粒径70nm)60質量部、硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部、及び、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部を添加し、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を、浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基体上に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い厚さ20μmの下引き層を得た。
シランカップリング剤(KBM603:信越化学工業社製)で表面処理を行った酸化亜鉛(テイカ社製試作品:比表面積値16m2/g、平均粒径70nm)60質量部、硬化剤(ブロック化イソシアネート、スミジュール3175、住友バイエルンウレタン社製)15質量部、及び、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)15質量部をメチルエチルケトン85質量部に溶解した溶液38質量部と、メチルエチルケトン25質量部と、を混合し、1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて2時間の分散を行い分散液を得た。得られた分散液に、触媒としてジオクチルスズジラウレート0.005質量部を添加し、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を、浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ340mm、肉厚1mmのアルミニウム基体上に塗布し、160℃、100分の乾燥硬化を行い厚さ20μmの下引き層を得た。
次に、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピーク波長(λmax)が827nmに存在する特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1を下記のようにして作製した。
(特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1の作製)
1,3−ジイミノイソインドリン30質量部及び三塩化ガリウム9.1質量部をジメチルスルホキシド230質量部に加え、160℃で6時間攪拌しながら反応させて赤紫色結晶を得た。得られた結晶をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥してI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶28質量部を得た。
次に、得られたI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶10質量部を60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300部に十分に溶解させた溶液を、25%アンモニア水600質量部とイオン交換水200質量部との混合溶液中に滴下してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を析出させた。この結晶を濾過により採取し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥してI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料8質量部を得た。
得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料6質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド90質量部及び外径0.9mmのガラス製球形状メディア350質量部と共に、ガラス製ボールミルを使用して25℃で48時間湿式粉砕処理した。このとき、結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターし、湿式粉砕処理後のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が827nmであることを確認した。その結果を図10に示す。
1,3−ジイミノイソインドリン30質量部及び三塩化ガリウム9.1質量部をジメチルスルホキシド230質量部に加え、160℃で6時間攪拌しながら反応させて赤紫色結晶を得た。得られた結晶をジメチルスルホキシドで洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥してI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶28質量部を得た。
次に、得られたI型クロロガリウムフタロシアニンの粗結晶10質量部を60℃に加熱した硫酸(濃度97%)300部に十分に溶解させた溶液を、25%アンモニア水600質量部とイオン交換水200質量部との混合溶液中に滴下してヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を析出させた。この結晶を濾過により採取し、イオン交換水で洗浄した後、乾燥してI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料8質量部を得た。
得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料6質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド90質量部及び外径0.9mmのガラス製球形状メディア350質量部と共に、ガラス製ボールミルを使用して25℃で48時間湿式粉砕処理した。このとき、結晶変換の進行度合いを湿式粉砕処理液の吸収波長測定によりモニターし、湿式粉砕処理後のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の600〜900nmの波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長(λMAX)が827nmであることを確認した。その結果を図10に示す。
この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1について、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを示した。その結果を図9に示す。
更に、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1を、透過型電子顕微鏡写真を用いて観察したところ、粒径が0.3μm以上の粒子が存在しないことが確認された。この際の透過型電子顕微鏡写真を図11に示す。
加えて、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1のBET比表面積を、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定したところ、68.3m2/gであった。
更に、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1を、透過型電子顕微鏡写真を用いて観察したところ、粒径が0.3μm以上の粒子が存在しないことが確認された。この際の透過型電子顕微鏡写真を図11に示す。
加えて、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1のBET比表面積を、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定したところ、68.3m2/gであった。
このようにして作製された特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1を15質量部、特定レゾルシナレーン化合物(前記化合物例−13)0.3質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn−酢酸ブチル300質量部からなる混合物を、1mmφのガラスビーズを用いて、横型サンドミル100分間分散を行い電荷発生層用塗布液を得た。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
得られた電荷発生層の分光吸収スペクトルを測定したところ、吸収ピーク比(分光吸収スペクトルの600〜700nmの範囲における最大ピーク/810〜839nmの範囲における最大ピーク)は、1.14であった。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
得られた電荷発生層の分光吸収スペクトルを測定したところ、吸収ピーク比(分光吸収スペクトルの600〜700nmの範囲における最大ピーク/810〜839nmの範囲における最大ピーク)は、1.14であった。
更に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部と、結着樹脂として下記構造式(A1)で示される繰り返し構造単位を有する、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量4万)6質量部とを、テトラヒドロフラン60質量部に加えて溶解した電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に形成し、130℃、40分の乾燥を行うことにより膜厚21μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
得られた電子写真感光体を、接触帯電装置及び中間転写装置を有する、フルカラープリンター(Xerox社製:Phaser6250)を改造した画質試験装置に搭載し、出力画像の画質を評価した。ここで、電子写真感光体に当接する1次転写部材から印加される転写電圧(VIDT)を300〜600Vの間で変化させた場合の、出力画像のゴーストグレードを評価した。ゴースト評価用の画像は、15mm角の四角パターンを電子写真感光体1周分任意の数だけ印字した後、次のサイクルで全面ハーフトーン画像を印字し、ハーフトーン画像上に浮き出たゴースト画像を評価した。印字にはマゼンタを使用した。ハーフトーン画像は1ドットON−3ドットOFFのパターンにて作成した。画像の印字は温度20℃、湿度40%にて行った。ゴーストは目視にて以下のように、グレード付けを行い測定値とした。結果を表2に示す。
グレード0:ゴーストが全く見えない
グレード1:ゴーストが極薄く見える
グレード2:ゴーストが薄く見える
グレード3:ゴーストがはっきり見える
グレード4:ゴーストが濃く見える
グレード5:ゴーストが極めて濃く見える
これらのグレードのうち、グレード2以下であれば、画質上特に問題はないレベル(許容レベル)である。結果を表2に示す。なお、表2において、ゴーストグレード欄中「+」はポジゴーストを「−」はネガゴーストを示し、小数点第1位の数字は、その前後のグレードの中間グレードであることを示す。
グレード1:ゴーストが極薄く見える
グレード2:ゴーストが薄く見える
グレード3:ゴーストがはっきり見える
グレード4:ゴーストが濃く見える
グレード5:ゴーストが極めて濃く見える
これらのグレードのうち、グレード2以下であれば、画質上特に問題はないレベル(許容レベル)である。結果を表2に示す。なお、表2において、ゴーストグレード欄中「+」はポジゴーストを「−」はネガゴーストを示し、小数点第1位の数字は、その前後のグレードの中間グレードであることを示す。
[実施例2]
実施例1と同様にして、アルミニウム基材上に厚さ20μmの下引き層を得た。
次に、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピーク波長(λmax)が819nmに存在する特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を下記のようにして作製した。
実施例1と同様にして、アルミニウム基材上に厚さ20μmの下引き層を得た。
次に、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピーク波長(λmax)が819nmに存在する特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を下記のようにして作製した。
(特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2の作製)
実施例1において用いた特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1の作製において、湿式粉砕処理時間を48時間から192時間に代えた以外は同様にして、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2を作製した。
得られた特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピーク波長(λmax)が、819nmであった。
また、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2について、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを示した。
更に、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2を、透過型電子顕微鏡写真を用いて観察したところ、粒径が0.3μm以上の粒子が存在しないことが確認された。
加えて、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2のBET比表面積を、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定したところ、78.6m2/gであった。
実施例1において用いた特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1の作製において、湿式粉砕処理時間を48時間から192時間に代えた以外は同様にして、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2を作製した。
得られた特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピーク波長(λmax)が、819nmであった。
また、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2について、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを示した。
更に、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2を、透過型電子顕微鏡写真を用いて観察したところ、粒径が0.3μm以上の粒子が存在しないことが確認された。
加えて、この特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2のBET比表面積を、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定したところ、78.6m2/gであった。
このようにして作製された特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−2を15質量部、特定レゾルシナレーン化合物(前記化合物例−13)0.3質量部、結着樹脂としての塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(VMCH、日本ユニカー社製)10質量部、及びn−酢酸ブチル300質量部からなる混合物を、1mmφのガラスビーズを用いて、横型サンドミル100分間分散を行い電荷発生層用塗布液を得た。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
得られた電荷発生層の分光吸収スペクトルを測定したところ、吸収ピーク比(分光吸収スペクトルの600〜700nmの範囲における最大ピーク/810〜839nmの範囲における最大ピーク)は、1.21であった。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
得られた電荷発生層の分光吸収スペクトルを測定したところ、吸収ピーク比(分光吸収スペクトルの600〜700nmの範囲における最大ピーク/810〜839nmの範囲における最大ピーク)は、1.21であった。
更に、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン4質量部と、結着樹脂として下記構造式(B1)で示される繰り返し構造単位を有する、ビスフェノールCポリアクリレート樹脂(分子量4万:PAR)6質量部とを、テトラヒドロフラン60質量部に加えて溶解した電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に形成し、130℃、40分の乾燥を行うことにより膜厚15μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
得られた電子写真感光体を、接触帯電装置及び中間転写装置を有する、フルカラープリンター(Xerox社製:Phaser6250)を改造した画質試験装置に搭載し、実施例1と同様にして、出力画像の画質を評価した。結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例1において、特定ヒドロキシルガリウムフタロシアニン顔料−1を、実施例2で用いた特定ヒドロキシルガリウムフタロシアニン顔料−2に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、特定ヒドロキシルガリウムフタロシアニン顔料−1を、実施例2で用いた特定ヒドロキシルガリウムフタロシアニン顔料−2に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例3において、特定レゾルシナレーン化合物として、前記化合物例−13の代わりに前記化合物例−15を用いた以外は、実施例3と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3において、特定レゾルシナレーン化合物として、前記化合物例−13の代わりに前記化合物例−15を用いた以外は、実施例3と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1において、特定レゾルシナレーン化合物としての前記化合物例−13を添加しなかった以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1において、特定レゾルシナレーン化合物としての前記化合物例−13を添加しなかった以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例2]
実施例3において、特定レゾルシナレーン化合物としての前記化合物例−13を添加しなかった以外は、実施例3と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例3において、特定レゾルシナレーン化合物としての前記化合物例−13を添加しなかった以外は、実施例3と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
[比較例3]
実施例1において、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1を、下記に示すヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1において、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1を、下記に示すヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3の作製)
実施例1の(特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1の作製)で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料5質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド80質量部と共に、撹拌装置を有するガラス製撹拌槽を使用して25℃で48時間撹拌して結晶を得た。次いで、得られた結晶を、アセトンを用いて洗浄し、光を遮断した乾燥機を用いて80℃で24時間加熱乾燥して、5.5質量部のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3を得た。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピーク波長(λmax)が、854nmであった。
また、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3について、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを示した。
更に、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3を、透過型電子顕微鏡写真を用いて観察したところ、粒径が0.3μm以上の粒子が存在することが確認された。
加えて、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3のBET比表面積を、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定したところ、41.4m2/gであった。
実施例1の(特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1の作製)で得られたI型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料5質量部を、N,N−ジメチルホルムアミド80質量部と共に、撹拌装置を有するガラス製撹拌槽を使用して25℃で48時間撹拌して結晶を得た。次いで、得られた結晶を、アセトンを用いて洗浄し、光を遮断した乾燥機を用いて80℃で24時間加熱乾燥して、5.5質量部のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3を得た。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピーク波長(λmax)が、854nmであった。
また、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3について、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを示した。
更に、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3を、透過型電子顕微鏡写真を用いて観察したところ、粒径が0.3μm以上の粒子が存在することが確認された。
加えて、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3のBET比表面積を、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定したところ、41.4m2/gであった。
[比較例4]
実施例1において、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1を、下記に示すヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
実施例1において、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1を、下記に示すヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4に代えた以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、評価を行った。結果を表3に示す。
(ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4の作製)
実施例1の(特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1の作製)において、外径0.9mmのガラス製球形状メディア350質量部に代えて外径5.0mmのガラス製球形状メディア350質量部を用いた以外は、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4を調製した。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピーク波長(λmax)が、845nmであった。
また、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4について、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを示した。
更に、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4を、透過型電子顕微鏡写真を用いて観察したところ、粒径が0.3μm以上の粒子が存在することが確認された。この際の透過型電子顕微鏡写真を図12に示す。
加えて、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4のBET比表面積を、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定したところ、43.8m2/gであった。
実施例1の(特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1の作製)において、外径0.9mmのガラス製球形状メディア350質量部に代えて外径5.0mmのガラス製球形状メディア350質量部を用いた以外は、特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1と同様にして、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4を調製した。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4は、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピーク波長(λmax)が、845nmであった。
また、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4について、CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルを測定したところ、ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、及び28.3°に回折ピークを示した。
更に、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4を、透過型電子顕微鏡写真を用いて観察したところ、粒径が0.3μm以上の粒子が存在することが確認された。この際の透過型電子顕微鏡写真を図12に示す。
加えて、このヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−4のBET比表面積を、BET式比表面積測定器(島津製作所製:フローソープII2300)を用い窒素置換法にて測定したところ、43.8m2/gであった。
表2及び表3中、顔料の種類として表記されているものは、上記の特定ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−1、−2、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料−3、−4のいずれかである。
表2及び表3に明らかなように、実施例1〜実施例4では、ポジ及びネガゴーストが低く抑えられ、良好な出力画像が得られることがわかった。これに対して、比較例1〜4においては、強いポジ及びネガゴーストが現われた。より詳しくは、比較例1〜4においては、高いVIDT領域において、転写部材により印加された転写電圧による影響と見られる、強いネガゴーストが見られるのに対して、実施例1〜4においては、高いVIDT領域においても、ネガゴーストの発生が抑制され、良好な出力画像が得られている。例えば、VIDTが550Vである場合、実施例1〜4ではいずれもゴーストが許容の範囲であるのに対し、比較例1〜4ではいずれも許容のレベルを外れ、ゴーストの発生が顕著であることが分かる。
また、更には、実施例1〜4においては、ゴーストグレードが2以下となる(ポジ、ネガ共)VIDT域が広く、安定して良好な出力画像が得られているのに対して、比較例1〜4においては、ゴーストグレードが2以下となるVIDT域が狭く、良好な出力画像が安定的に得られていないことが分かる。
表2及び表3に明らかなように、実施例1〜実施例4では、ポジ及びネガゴーストが低く抑えられ、良好な出力画像が得られることがわかった。これに対して、比較例1〜4においては、強いポジ及びネガゴーストが現われた。より詳しくは、比較例1〜4においては、高いVIDT領域において、転写部材により印加された転写電圧による影響と見られる、強いネガゴーストが見られるのに対して、実施例1〜4においては、高いVIDT領域においても、ネガゴーストの発生が抑制され、良好な出力画像が得られている。例えば、VIDTが550Vである場合、実施例1〜4ではいずれもゴーストが許容の範囲であるのに対し、比較例1〜4ではいずれも許容のレベルを外れ、ゴーストの発生が顕著であることが分かる。
また、更には、実施例1〜4においては、ゴーストグレードが2以下となる(ポジ、ネガ共)VIDT域が広く、安定して良好な出力画像が得られているのに対して、比較例1〜4においては、ゴーストグレードが2以下となるVIDT域が狭く、良好な出力画像が安定的に得られていないことが分かる。
1a、1b、1c、1d … 電子写真感光体
2 … 導電性基体
3 … 感光層
4 … 下引き層
5 … 電荷発生層
6 … 電荷輸送層
7 … 保護層
8 … 中間層
200a、200b、200c … 画像形成装置
207 … 電子写真感光体
208 … 帯電装置
209 … 電源
210 … 露光装置
211 … 現像装置
212 … 転写装置
212a … 1次転写部材
212b … 2次転写部材
213 … クリーニング装置
214 … 除電器
215 … 定着装置
216 … 取り付けレール
217 … 除電露光のための開口部
218 … 露光のための開口部
300 … プロセスカートリッジ
400 … ハウジング
402a〜402d … 帯電ロール
401a〜401d … 電子写真感光体
402a〜402d … 帯電ロール
403 … レーザー光源(露光装置)
404a〜404d … 現像装置
405a〜405d … トナーカートリッジ
406 … 駆動ロール
407 … テンションロール
408 … バックアップロール
409 … 中間転写ベルト
410a〜410d … 1次転写ロール
411 … トレイ(被転写媒体トレイ)
412 … 移送ロール
413 … 2次転写ロール
414 … 定着ロール
415a〜415d … クリーニングブレード
416 … クリーニングブレード
500 … 被転写媒体
2 … 導電性基体
3 … 感光層
4 … 下引き層
5 … 電荷発生層
6 … 電荷輸送層
7 … 保護層
8 … 中間層
200a、200b、200c … 画像形成装置
207 … 電子写真感光体
208 … 帯電装置
209 … 電源
210 … 露光装置
211 … 現像装置
212 … 転写装置
212a … 1次転写部材
212b … 2次転写部材
213 … クリーニング装置
214 … 除電器
215 … 定着装置
216 … 取り付けレール
217 … 除電露光のための開口部
218 … 露光のための開口部
300 … プロセスカートリッジ
400 … ハウジング
402a〜402d … 帯電ロール
401a〜401d … 電子写真感光体
402a〜402d … 帯電ロール
403 … レーザー光源(露光装置)
404a〜404d … 現像装置
405a〜405d … トナーカートリッジ
406 … 駆動ロール
407 … テンションロール
408 … バックアップロール
409 … 中間転写ベルト
410a〜410d … 1次転写ロール
411 … トレイ(被転写媒体トレイ)
412 … 移送ロール
413 … 2次転写ロール
414 … 定着ロール
415a〜415d … クリーニングブレード
416 … クリーニングブレード
500 … 被転写媒体
Claims (3)
- 少なくとも表面が導電性である基体上に感光層を有する電子写真感光体であって、
該感光層が、分光吸収スペクトルの600〜900nmの範囲における最大ピークが810〜839nmに吸収を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と、下記一般式(1)で表されるレゾルシナレーン化合物と、を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項1に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置と、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置と、該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、現像されたトナー像を被転写媒体に転写する転写装置と、を備えることを特徴とする電子写真式画像形成装置。
- 請求項1に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電装置、帯電した前記電子写真感光体を露光して静電潜像を形成させる露光装置、該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置、及び前記電子写真感光体をクリーニングするクリーニング装置から選ばれる少なくとも1つの装置と、を備え、電子写真式画像形成装置本体に脱着自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005078138A JP2006259387A (ja) | 2005-03-17 | 2005-03-17 | 電子写真感光体、該電子写真感光体を備える電子写真式画像形成装置、及びプロセスカートリッジ |
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Publications (1)
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---|---|
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ID=37098714
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015069089A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-04-13 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 |
US9500965B2 (en) | 2012-12-14 | 2016-11-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus, and gallium phthalocyanine crystal |
-
2005
- 2005-03-17 JP JP2005078138A patent/JP2006259387A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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