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JP2006241285A - 潜熱蓄熱剤組成物 - Google Patents

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JP2006241285A
JP2006241285A JP2005058226A JP2005058226A JP2006241285A JP 2006241285 A JP2006241285 A JP 2006241285A JP 2005058226 A JP2005058226 A JP 2005058226A JP 2005058226 A JP2005058226 A JP 2005058226A JP 2006241285 A JP2006241285 A JP 2006241285A
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Toshiichi Nabeshima
敏一 鍋島
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DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

【課題】冷蔵・冷凍等の0〜−50℃という低温領域でも使用可能な熱搬送媒体であり、エマルションの長期安定性が保たれ、流動性も向上した潜熱蓄熱剤組成物を提供する。
【解決手段】炭素数10〜20のノルマルパラフィン100重量部に対し、水20〜200重量部、アルキレングリコール20〜150重量部、平均HLBが8〜12の高級アルコール系非イオン性界面活性剤0.1〜20重量部、及び平均分子量が1000〜10000の特定の構造を有する高分子型高級アルコール系非イオン性界面活性剤0.1〜20重量部が配合されてなるものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ノルマルパラフィンの相変化に伴って発生する融解潜熱を利用する潜熱蓄熱剤組成物に関する。さらに詳しくは、特定の界面活性剤を用い、ノルマルパラフィンと水を水中油滴型エマルション化した冷熱搬送媒体として蓄熱を行うことのできる潜熱蓄熱剤組成物に関するものである。
一般に、物質の相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱を行う方法は、相変化を伴わない顕熱のみを利用した方法に比べ、融点を含む狭い温度範囲に大量の熱エネルギーを高密度に貯蔵できるため、蓄熱剤容量の縮小化が可能であり、蓄熱量が大きい割には大きな温度差が生じないため、熱損失を少量に抑えられるなどの利点がある。
このような潜熱蓄熱剤として、パラフィンやワックスなどの炭化水素化合物や、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硝酸ニッケルなどの多量の結晶水を含む無機物などの相変化(融解、凝固)に伴う、吸熱、発熱現象を利用した蓄熱剤が、現在、多方面で広く用いられている。
上記炭化水素化合物などの潜熱蓄熱剤では、熱交換率を高めるため、蓄熱剤を微小カプセルに封入し、熱伝導性の良い液体中に入れて用いる方法(例えば、特許文献1,2)や、乳化剤を用い、炭化水素化合物蓄熱剤と水のエマルションを調製して使用する方法(例えば、特許文献3)が提案されている。このようにすると、炭化水素化合物蓄熱剤の固化時においても、熱搬送媒体となる蓄熱剤分散液の流動性を保持させて、蓄熱剤の潜熱を負荷側に効率よく供給することができる。
しかしながら、上記のように炭化水素化合物をマイクロカプセル化する方法は、製造工程が複雑でコストの大幅な増大を免れない。また、マイクロカプセルを構成する材料としてメラミン重合体やアクリル重合体などの有機化合物が用いられるために、良好な熱伝導が行われないという問題が生じる。
一方、エマルション化する方法は、炭化水素化合物の分散相と水の連続相が直接接触しているため熱伝導効率がよいものの、長期間の使用において分散相が凝集し、相分離を起こすという問題がある。
これに対し、本発明者らは、特定のノルマルパラフィンと界面活性剤を用い、エマルションの長期安定性が保たれる熱搬送媒体となる潜熱蓄熱剤組成物を提案している(特許文献4,特願2004−124447)。
しかし、これらの潜熱蓄熱剤組成物は、主に空調システム用の冷熱搬送媒体に用いることを目的として設計されたものであって、冷蔵・冷凍等の0〜−50℃という低温領域での使用を想定したものではなかった。
特開昭63−217196号公報 特開平5−163486号公報 特開平6−9950号公報 特開2004−143229号公報 「PCM蓄熱・熱輸送技術の開発」 石川島播磨技報 2000 Vol.40 No.3 第98〜101頁
本発明は上記に鑑みて、冷蔵・冷凍等の0〜−50℃という低温領域でも使用可能な熱搬送媒体となる潜熱蓄熱剤組成物であって、エマルションの長期安定性が優れた潜熱蓄熱剤組成物を提供することを目的とする。
本発明の潜熱蓄熱剤組成物は、上記の課題を解決するために、炭素数10〜20のノルマルパラフィン100重量部に対し、水20〜200重量部、アルキレングリコール20〜150重量部、下記一般式(1)で表され、平均HLBが8〜12の高級アルコール系非イオン性界面活性剤0.1〜20重量部、及び下記一般式(2)で表され、数平均分子量が1000〜10000の高分子型高級アルコール系非イオン性界面活性剤0.1〜20重量部が配合されてなるものとする(請求項1)。
R−O−(PO)k−(EO)l−H (1)
(式(1)中、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を示し、POはプロピレンオサイド、EOはエチレンオキサイドを示し、k、lは平均付加モル数であり、kは0≦k≦5の範囲の数であり、lは0<l≦20の範囲の数である。−(PO)k−(EO)l−は、ブロック及びランダムのいずれでもよく、POとEOのいずれがR−O−に結合していてもよい。)
R−O−(PO)m−(EO)n−H (2)
(式(2)中、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を示し、POはプロピレンオサイド、EOはエチレンオキサイドを示し、m、nは平均付加モル数であり、mは0≦m≦50の範囲の数であり、nは20≦n≦220の範囲の数である。−(PO)m−(EO)n−は、ブロック及びランダムのいずれでもよく、POとEOのいずれがR−O−に結合していてもよい。)
本発明の潜熱蓄熱剤組成物は、融点50〜100℃のパラフィンワックスがさらに配合され、その配合量が前記ノルマルパラフィン100重量部に対して0.1〜20重量部であるものとすることができる(請求項2)。
これら本発明の潜熱蓄熱剤組成物は、エマルション化し、冷熱搬送媒体に用いることができるものである(請求項3)。
本発明によれば、エマルションの連続相を不凍液化することにより0〜−50℃という低温領域でも使用可能な熱搬送媒体となる潜熱蓄熱剤組成物を提供でき、エマルションの乳化安定性を向上させたことで、蓄熱剤としての使用寿命を延ばすことが可能となる。
本発明に用いられる炭素数10〜20のノルマルパラフィンとは、ノルマルデカン、ノルマルウンデカン、ノルマルドデカン、ノルマルトリデカン、ノルマルテトラデカン、ノルマルペンタデカン、ノルマルヘキサデカン、ノルマルヘプタデカン、ノルマルオクタデカン、ノルマルノナデカン、ノルマルエイコサンである。この中で、−50〜0℃域で融点を有するものとしては、ノルマルデカン、ノルマルウンデカン、ノルマルドデカンが挙げられる。これらのノルマルパラフィンは、単独で使用してもよいが、2種以上併用してもよく、2種以上併用することにより容易に融点の調整ができる。従って、−50〜0℃域以外に融点を有するノルマルパラフィンも他と組み合わせることによって使用可能である。また、一般的に、エマルション化したノルマルパラフィン系潜熱蓄熱剤組成物では過冷却現象が生じるが、これを防止するためには、核発生剤として相変化温度よりも高い融点を有するノルマルパラフィンを併用することが有効である。
本発明で用いられる、一般式(1)の高級アルコール系非イオン性界面活性剤は、炭素数8〜22の高級アルコールに、エチレンオキサイド又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加したものである。本発明では、特にエチレンオキサイドの平均付加モル数lが0<l≦20の範囲のものを使用し、好ましくは、3≦l≦15の範囲のものを使用する。lが20を超えると親水性が増し、ノルマルパラフィンへの溶解性が低下する。また、プロピレンオキサイドの平均付加モル数kは0≦k≦5の範囲が好ましく、kが5を超えても乳化性の低下は少ないが、経済的に不利である。一般式(1)の界面活性剤が特定の平均HLBを有する場合には、kが0でもよい。
また、一般式(1)のRは、炭素数8〜22の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基であるが、好ましくは、炭素数16〜22の直鎖または分岐のアルキル基である。Rの炭素数が8より小さい場合や、22より大きい場合は、ノルマルパラフィンの乳化が困難であり、エマルションの乳化安定性がない。また、Rの炭素数が16より小さい場合は、エマルションの凝固点が降下するので、融点の高いノルマルパラフィンを使用したり、Rの炭素数の高い活性剤と併用するなどの工夫が必要である。
一般式(1)の界面活性剤のHLBは、アルキレンオキサイドの付加モル数と一般式(1)のRの炭素数で決定されるが、好ましくはHLB8〜12の範囲であり、より好ましくはHLB9〜11の範囲である。HLBが8より低い場合は、エマルションの長期安定性が悪くなり、HLBが12より高い場合は、親水性が増し、ノルマルパラフィンへの溶解性が低下する。なお、2種類以上の一般式(1)の界面活性剤を用い、平均HLBを8〜12に調整し、使用することも可能である。
一般式(1)の界面活性剤として、Rが炭素数16〜22の直鎖または分岐のアルキル基であり、kは0であり、lは3≦l≦15の範囲の数であり、且つ、平均HLBが9〜11の高級アルコール系非イオン界面活性剤を用いた場合、エマルションの乳化性に優れ、エマルションの凝固点降下が起こり難い。
次に一般式(2)の高分子型高級アルコール系非イオン性界面活性剤は、炭素数8〜22の高級アルコールに、エチレンオキサイド又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加させたものであり、エチレンオキサイドの平均付加モル数nは20≦n≦220の範囲内とし、好ましくは、30≦n≦130の範囲内とする。nが220を超えるとノルマルパラフィンの乳化性が低下する。また、プロピレンオキサイドの平均付加モル数mは0≦m≦50の範囲が好ましく、0でもよい。数平均分子量は、上記のように1000〜10000の範囲内であるが、好ましくは2000〜7000の範囲内とする。数平均分子量が1000未満であるとエマルションの長期安定性向上効果が乏しく、一方、10000を超えるとノルマルパラフィンの乳化性に悪影響を与える。ここで、数平均分子量は一般式(2)の界面活性剤の水酸基価より算出されるものであり、水酸基価はJIS K 0070−1992に準拠して測定される。
また、一般式(2)のRは、一般式(1)のRと同様、炭素数8〜22の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基であり、好ましくは、炭素数16〜22の直鎖または分岐のアルキル基である。
一般式(2)の界面活性剤として、Rが炭素数16〜22の直鎖または分岐のアルキル基であり、mは0であり、nは30≦n≦130の範囲の数であるものを用いた場合、エマルションの長期乳化安定性に優れ、エマルションの凝固点降下が起こり難い。
上記一般式(1)及び一般式(2)の界面活性剤の原料となる炭素数8〜20の高級アルコールの例としては、動植物性油脂やロウからつくられる天然アルコール類である、オクタノール(オクチルアルコール)、ノナン−2−オール、デカノール、ウンデカン−2−オール、ドデカノール(ラウリルアルコール)、テトラデカノール(ミリスチルアルコール)、ヘキサデカノール(セチルアルコール)、14−メチルヘキサデカン−1−オール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、16−メチルオクタデカノール、イコサノール、ドコサノール等の飽和高級アルコールや、ドデセノール、5−テトラドデセノール(フィセテリルアルコール)、9−ヘキサドデセノール(ゾーマリルアルコール)、9−オクタドデセノール(オレイルアルコール)、9−イコセノール(ガドレイルアルコール)、11−イコセノール、11−ドコセノール、13−ドコセノール等の不飽和高級アルコールや、石油からつくられる合成アルコール類であるイソオクタデカノール(イソステアリルアルコール)、イソペンタデカノール、イソデカノール(イソデシルアルコール)、セカンダリードデカノール(セカンダリーラウリルアルコール)等の分岐型の第1級、第2級アルコールが挙げられる。
一般式(1)の界面活性剤及び一般式(2)の界面活性剤は、上記各種高級アルコール若しくはその混合物にエチレンオキサイド又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド(以下、アルキレンオキサイドと総称する場合もある)を公知の触媒を用いて付加させることにより得られるが、そのより具体的な製造方法について以下に述べる。
高級アルコールにアルキレンオキサイドを付加させる際の触媒としては、公知の塩基触媒及び酸触媒が適宜使用できるが、反応速度、製造コスト、副生物生成量等の観点からは塩基触媒を用いることが好ましく、中でも、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。塩基触媒の使用量は、反応組成物(全仕込量)当たり、好ましくは0.005〜0.5重量%、より好ましくは0.03〜0.3重量%(共に固形分換算)の範囲である。
付加触媒として水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウムを使用して、一般式(1)の界面活性剤及び一般式(2)の界面活性剤を製造する場合の製造方法及び条件を以下に示すが、製造方法及び条件はこれに限定されるものではない。
加熱・冷却操作、減圧・加圧操作が可能で、原料仕込口、製品取出口、アルキレンオキサイド及び窒素の導入管、撹拌装置、温度計、圧力計を備えた反応器に、本発明に使用可能な高級アルコールの所定量を仕込み、次いで、固形状の水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウム、もしくはそれらの水溶液を仕込んだ後、窒素置換し、常温〜110℃の温度範囲で減圧脱水する。次いで、80〜180℃で所定量のアルキレンオキサイドを導入し、付加させる。アルキレンオキサイドがエチレンオキサイド単独の場合、導入温度、すなわち反応温度は100〜180℃がより好ましい。また、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドとを共存させて反応させる場合の反応温度は100〜140℃がより好ましい。なお、アルキレンオキサイドの付加反応操作においては、所定量のアルキレンオキサイドを導入後、圧力が低下して一定になるまで反応を継続する操作(熟成操作)を行うことが好ましい。得られた反応粗製物に対して公知の酸を適当量添加して触媒を中和し、目的物である一般式(1)又は一般式(2)の界面活性剤を得ることができる。なお、中和反応に代えて、公知のアルカリ吸着剤を使用して、触媒を除去することもできる。
次に本発明で用いるアルキレングリコールは、−50〜0℃という低温でも蓄熱剤組成物の良好な流動性を保つために用いられ、炭素数は2〜6のものが好ましく、中でもエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが好適に用いられる。
本発明の潜熱蓄熱剤組成物は、上記ノルマルパラフィン100重量部に対し、水20〜200重量部、アルキレングリコール20〜150重量部、上記一般式(1)の界面活性剤0.1〜20重量部及び一般式(2)の界面活性剤0.1〜20重量部を配合することにより構成される。
水が20重量部より少ない場合は、ノルマルパラフィンの凝固点以下で流動性がなくなり、冷熱搬送媒体として使用することができない。また、水が200重量部より多い場合は、蓄熱量が小さくなり、蓄熱効率が悪くなる。
アルキレングリコールが20重量部より少ない場合は、連続相が水の凝固点で固化し、流動性が悪くなり、また150重量部より多い場合は水中油型エマルションが形成されない。
一般式(1)と一般式(2)の各界面活性剤はそれぞれ数種類を併用してもよいが、両者のトータル配合量で0.2重量部よりも少ない場合は、安定なエマルションが得られない。一方、40重量部より多い場合は、凝固点や蓄熱効率に支障をきたす場合があり、経済的にも不利である。
一般式(1)の界面活性剤と一般式(2)の界面活性剤の配合比率は、重量比で90/10〜10/90の範囲が好ましい。一般式(1)の界面活性剤の配合比がこれより多い場合は、ノルマルパラフィンの乳化は低添加量で容易にできるが、エマルションの長期安定性が劣り、一般式(2)の界面活性剤の配合比率がこれより多い場合は、ノルマルパラフィンの乳化が困難となる。
本発明の潜熱蓄熱剤組成物には、界面活性剤による過冷却対策やエマルションの融点・凝固点の調整のために、融点50〜100℃のパラフィンワックスをさらに配合することができる。使用可能なパラフィンワックスの例としては、日本精蝋(株)製のパラフィンワックス120(融点50℃)、同125(融点53℃)、同130(融点55℃)、同135(融点58℃)、同140(融点61℃)、同150(融点66℃)、同155(融点69℃)、合成ワックスFNP−0080(融点81℃)、同FNP−0085(融点86℃)、FNP−0090(融点90℃)及びこれらと同等の他社から販売されている市販品が挙げられる。
パラフィンワックスの配合量はノルマルパラフィン100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好ましい。配合量が20重量部を超えると、凝固点や蓄熱効果に支障をきたす場合があり、経済的にも不利である。
本発明の潜熱蓄熱剤組成物には、さらに、必要に応じて各種の添加補助剤を配合することもできる。そのような添加補助剤の例としては、アニオン性界面活性剤(例えばアルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、脂肪酸石鹸、α−スルホン化脂肪酸塩、イセチオン酸脂肪酸エステル塩、ジ−Na−モノポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホサクシネート、アシロイルメチルタウレート、N−メチル−N−アシルアミドプロピオン酸塩、モノアルキルビフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルマリン縮合物、脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩、アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、フッ素系アニオン性界面活性剤、スルホコハク酸モノエステル塩、スルホコハク酸ジアルキル塩、アルキルリン酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩など)、水溶性高分子(例えばポリビニルアルコール、ポリメチルビニルエーテル、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルビニルエーテル−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ジイソブチレン−マレイン酸共重合体、アルキルビニルエーテル−マレイン酸ジエチル共重合体、マレイン化ポリブテン、マレイン化ポリブタジエン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム、デキストラン、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、キサンタンガム、アルギン酸、キトサンなど)、防錆剤(例えばノナン酸、p−t−ブチル安息香酸、ドデカン二酸などカルボン酸系化合物およびその塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン系化合物)、非鉄金属用防食剤(例えばベンゾトリアゾール系化合物など)、防腐剤、防黴剤(例えば有機臭素化合物、有機ロダン系化合物、有機窒素系化合物、有機硫黄系化合物、チアゾール系化合物、イソチアゾール系化合物、有機ヨウ素系化合物、第4級アンモニウム塩系化合物、フェノール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、デヒドロ酢酸およびその塩など)等が挙げられる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれによって限定されるものではない。
[実施例1〜12、および比較例1〜22]
ノルマルパラフィン、高級アルコール系非イオン性界面活性剤、高分子型高級アルコール系非イオン性界面活性剤、アルキレングリコール、ワックス(日本精蝋(株)製パラフィンワックス155(融点69℃)、FNP−0085(融点86℃))及び水を表1及び表2に記載の割合で配合し、下記の方法により蓄熱剤組成物を得た。なお、界面活性剤は以下の方法で製造した。また、表中、*を付したHLB値は、疎水基を同一とする界面活性剤の曇点から推定した値を示す。
(合成例1:ポリオキシエチレン(EO6モル)ステアリルエーテルの製造)
5Lのオートクレーブにステアリルアルコール[分子量270](新日本理化(株)製コノール30S、ステアリルアルコール含有率約98%)1000g(3.7モル)と水酸化カリウム2.6gを仕込んだ後、オートクレーブ内を窒素置換してから、撹拌しつつ、70℃で減圧脱水を行った。この際、反応器内の内圧が2.7KPaに到達した後、引き続き30分間減圧脱水を継続した。
次いで130℃まで昇温した後、130±5℃、反応圧0.25MPaでエチレンオキサイド977g(22.2モル)を導入した。導入が完了した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。その後、70℃まで冷却した後、85%乳酸5.4gで中和して、目的物を得た。
(合成例2:ポリオキシエチレン(EO80モル)ステアリルエーテルの製造)
エチレンオキサイドの仕込量を高級アルコール1モルに対して80モルとした以外は、上記合成例1と同様にして目的物を得た。
(その他の界面活性剤の合成)
高級アルコールとして、オクチルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、及びトリコシルアルコールのうちのいずれかを用い、アルキレンオキサイドの仕込量をそれぞれ高級アルコール1モルに対して表中に示したモル数とした以外は上記合成例1と同様にして、表1,2に示した各種の高級アルコール系非イオン性界面活性剤及び高分子型高級アルコール系非イオン性界面活性剤を得た。
(エマルションの調製)
ノルマルパラフィン100gに対し、表1及び表2に記載した割合の界面活性剤とワックスを配合し、50℃の加温状態にてホモミキサー(ディスパー羽根)回転速度1000rpmで攪拌しながら、表に記載した割合のアルキレングリコール及び水を配合し、一次乳化物を得た。
次いで、この乳化物をゴーリンホモジナイザー(150kg/cm圧)にて二次乳化を行ない、エマルションを得た。
上記により得られたエマルションの乳化安定性を下記の方法で調べ、その結果を表1及び表2に示した。
(乳化安定性)
エマルションを室温(25℃)で静置し、乳化状態を観察し、以下のような基準で判断した。
◎ ・・6ヶ月以上安定な乳化状態を示した
○ ・・安定な乳化状態が3〜6ヶ月間持続した
△ ・・3ヶ月以内で油層と水層に分離した
× ・・1ヶ月以内で油層と水層に分離した
××・・乳化できなかった
上記により得られたエマルションのうち、ノルマルパラフィンの凝固点を−15℃に調整した実施例9〜12及び比較例22のエマルションについて、以下の通り、凝固点・潜熱量、エマルション流動性、及び凝固−融解の繰り返し試験における乳化安定性を調べた。
(凝固点・潜熱量)
示差走査熱量計(DSC)を用いて凝固点と潜熱量を測定した。測定条件は窒素雰囲気下で、室温から速度5℃/分で−60℃まで降温し、発熱ピークの立ち上がり温度である凝固開始温度を凝固点とし、発熱ピーク面積の熱容量を蓄熱量とした。
(エマルション流動性)
エマルションを25℃および−30℃に調温し、BM型粘度計にて粘度を測定した。粘度の低い方が流動性は良く、1000mPa・sを超えると、搬送用ポンプの負荷が大きくなる。また、温度による粘度差がない方が、一定の流動性が得られ、搬送媒体として優れる。
(蓄熱剤安定性・凝固−融解の繰り返し試験)
エマルションを25℃で24時間静置後、続いて−30℃で24時間静置する。この操作を毎日繰り返し、ノルマルパラフィンの凝固・融解する中での乳化安定性を確認し、均一な乳化状態を保持した日数で表現した。日数が長い程、乳化安定性に優れていることを示す。
Figure 2006241285
Figure 2006241285
本発明の潜熱蓄熱剤組成物は、例えばLPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)製造時の気化熱の有効利用に好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 炭素数10〜20のノルマルパラフィン100重量部に対し、水20〜200重量部、アルキレングリコール20〜150重量部、下記一般式(1)で表され、平均HLBが8〜12の高級アルコール系非イオン性界面活性剤0.1〜20重量部、及び下記一般式(2)で表され、数平均分子量が1000〜10000の高分子型高級アルコール系非イオン性界面活性剤0.1〜20重量部が配合されてなる潜熱蓄熱剤組成物。
    R−O−(PO)k−(EO)l−H (1)
    (式(1)中、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を示し、POはプロピレンオサイド、EOはエチレンオキサイドを示し、k、lは平均付加モル数であり、kは0≦k≦5の範囲の数であり、lは0<l≦20の範囲の数である。−(PO)k−(EO)l−は、ブロック及びランダムのいずれでもよく、POとEOのいずれがR−O−に結合していてもよい。)
    R−O−(PO)m−(EO)n−H (2)
    (式(2)中、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐のアルキル基またはアルケニル基を示し、POはプロピレンオサイド、EOはエチレンオキサイドを示し、m、nは平均付加モル数であり、mは0≦m≦50の範囲の数であり、nは20≦n≦220の範囲の数である。−(PO)m−(EO)n−は、ブロック及びランダムのいずれでもよく、POとEOのいずれがR−O−に結合していてもよい。)
  2. 融点50〜100℃のパラフィンワックスがさらに配合され、その配合量が前記ノルマルパラフィン100重量部に対して0.1〜20重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の潜熱蓄熱剤組成物。
  3. エマルション化され、冷熱搬送媒体に用いられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の潜熱蓄熱剤組成物
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