JP2006215536A - 投影表示用光学システム及び該投影表示用光学システムを備えるプロジェクタ - Google Patents

Abstract

【課題】光学系部材が少なく、光の利用効率が高い投影表示用光学システムを提供する。
【解決手段】幅がｄで、それぞれのピッチがＤの複数のビームを提供する照射モジュールと、前記複数の平行ビームを分離して、ｎ個の異なる波長の範囲を有し、幅がｄ＋Ｄのカラービームを形成する少なくとも１つ以上の分光プリズム、及び、ｎ個の異なる厚さの反射エリアを備え、分光レンズが分離したカラービームを交互に反射する反射式カラーホイールを含む分光モジュールと、該分光モジュールのカラービームを調整し、画像パターンを備えるカラービームとして投射する画像形成装置と、前記画像パターンのカラービームを必要なエリアに投射するために使用する投影レンズと、を含んで構成される。
【選択図】図１

Description

この発明は投影表示用光学システムに関し、特に光線利用率の高い投影表示用光学システム及び該投影表示用光学システムを備えるプロジェクタに関する。

プロジェクタは、光学式の投影方法を利用し、大きなサイズのスクリーンに画像を投射する装置であって、核心部である投影画像形成部と、光学エンジンと、電気制御部及びインタフェースの３つの主要部分によって構成される。該核心部である投影画像形成部の違いによって、プロジェクタはＣＲＴプロジェクタ（Ｃａｔｈｏｄｅ Ｒａｙ Ｔｕｂｅ）、ＬＣＤプロジェクタ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）、ＤＬＰプロジェクタ（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｌｉｇｈｔ Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ）、ＬＣｏｓプロジェクタ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ ｏｎ Ｓｉｌｉｃｏｎ）などに分けることができる。このうち、液晶プロジェクタ（ＬＣＤ Ｐｒｏｊｅｃｔｏｒ）は、目下、主流の製品となっている。

液晶プロジェクタは、内部に設けられる液晶パネルの枚数により単板式と３板式の２種類に分けられる。単板式の液晶プロジェクタは、１枚のＬＣＤパネルを使用するため、装置の構造が比較的単純であるが、光の利用効率が低く、投影の品質を保証するためには、光源となるランプのパワーを高める必要がある。したがって、ランプの寿命が短くなるとともにプロジェクタのコストが高くなるといった欠点を有する。

目下の液晶プロジェクタは、そのほとんどが３板式ＬＣＤパネルを採用している。３板式の液晶プロジェクタの原理は、光源が照射した光線が分光レンズを通過してＲ、Ｇ、Ｂの３色のビームを形成する。該Ｒ、Ｇ、Ｂの３色のビームは、それぞれＲ、Ｇ、Ｂの３色の液晶パネルを透過する。別途、制御信号がＡ／Ｄ（アナログ／デジタル）変換を経て調整され、液晶パネルに入力され、液晶パネル上の液晶素子の開閉を制御して、Ｒ、Ｇ、Ｂの３色のビームの経路の遮断もしくは開放を制御する。次いで、３色のビームがカラー合成経路を通過して合成プリズムに集光され、最終的にプリズムと透過レンズを経てスクリーン投射され、カラーの画像を形成する。

上述する３板式の液晶プロジェクタは、単板式の液晶プロジェクタに比して高画質で、高輝度である。しかしながら、３板式の液晶プロジェクタは、３枚のパネルを必要とし、多項にわたる分光、光合成光学システムを結合しなければならない。よって、構造が複雑で、光学的部材が多くなるため、装置全体の体積が増大し、コストが高くなるなどといった欠点を有する。

この発明は、光学的部材が少なく、且つ光の利用効率が高い投影表示用光学システム、及び係る投影表示用光学システムを備えるプロジェクタを提供することを課題とする。

そこで、本発明者は、従来の技術に見られる欠点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、幅がｄで、それぞれのピッチがＤの複数のビームを提供する照射モジュールと、前記複数の平行ビームを分離して、ｎ個の異なる波長の範囲を有し、幅がｄ＋Ｄのカラービームを形成する少なくとも１つ以上の分光プリズム、及び、ｎ個の異なる厚さの反射エリアを備え、分光レンズが分離したカラービームを交互に反射する反射式カラーホイールを含む分光モジュールと、該分光モジュールのカラービームを調整し、画像パターンを備えるカラービームとして投射する画像形成装置と、前記画像パターンのカラービームを必要なエリアに投射するために使用する投影レンズと、を含んでなることを特徴とする投影表示用光学システムによって課題を解決できる点に着眼し、かかる知見に基づいて本発明を完成させた。

以下、この発明について具体的に説明する。
請求項１に記載する投影表示用光学システムは、幅がｄで、それぞれのピッチがＤの複数のビームを提供する照射モジュールと、前記複数の平行ビームを分離して、ｎ個の異なる波長の範囲を有し、幅がｄ＋Ｄのカラービームを形成する少なくとも１つ以上の分光プリズム、及び、ｎ個の異なる厚さの反射エリアを備え、分光レンズが分離したカラービームを交互に反射する反射式カラーホイールを含む分光モジュールと、該分光モジュールのカラービームを調整し、画像パターンを備えるカラービームとして投射する画像形成装置と、前記画像パターンのカラービームを必要なエリアに投射するために使用する投影レンズと、を含んでなる。

請求項２に記載する投影表示用光学システムは、請求項１における反射式カラーホイールが備えるｎ個の異なる厚さの反射エリアでそれぞれ反射したｎ個の異なるカラービームは、それぞれｎ個の異なる反射経路を備え、前記画像形成装置上に投影する位置がそれぞれ異なるように構成される。

請求項３に記載する投影表示用光学システムは、請求項１における照射モジュールが、平行ビームを提供する光源と、前記平行ビームを幅がｄで、それぞれのピッチがＤである複数の平行ビームに分離する反射レンズと、を含んでなる。

請求項４に記載する投影表示用光学システムは、請求項３における反射レンズが、互いに平行して設けられ、ピッチをＤとする複数の反射面を備え、前記幅がｄで、それぞれのピッチがＤの複数の平行ビームがいずれも前記反射面に反射して形成される。

請求項５に記載する投影表示用光学システムは、請求項４における反射レンズが、階段状を呈し、該反射レンズの階段状に形成される面に反射面が互い違いに配列して形成される。

請求項６に記載する投影表示用光学システムは、請求項１または４における分光プリズムが、高屈折率の材質によってなる。

請求項７に記載する投影表示用光学システムは、請求項６における分光プリズムが、入射面と、該入射面に対して平行するように形成される照射面とを備え、前記平行ビームが所定の入射角度で該入射面に入射する。

請求項８に記載する投影表示用光学システムは、請求項１における画像形成装置が、反射式の表示装置である。

請求項９に記載する投影表示用光学システムは、請求項１における画像形成装置が、透過式の表示装置である。

本発明の投影表示用光学システムは、光学部材が少なく、光線利用効率が高く、良好な映像品質を備え、体積が小さく、軽量であるため、使用上便利で、コストを削減するといった効果を有する。

この発明は、光線利用率の高い投影表示用光学システムを提供するものであって、幅がｄで、それぞれのピッチがＤの複数のビームを提供する照射モジュールと、前記複数の平行ビームを分離して、ｎ個の異なる波長の範囲を有し、幅がｄ＋Ｄのカラービームを形成する少なくとも１つ以上の分光プリズム、及び、ｎ個の異なる厚さの反射エリアを備え、分光レンズが分離したカラービームを交互に反射する反射式カラーホイールを含む分光モジュールと、該分光モジュールのカラービームを調整し、画像パターンを備えるカラービームとして投射する画像形成装置と、前記画像パターンのカラービームを必要なエリアに投射するために使用する投影レンズと、を含んでなり、光学部材が少なく、光線利用効率が高く、良好な映像品質を備え、体積が小さく、軽量であるため、使用上便利で、コストを削減するという目的を、実現した。
係る構成投影表示用光学システムについて、その構造と特徴を詳述するために具体的な実施例を挙げ、以下に説明する。

（実施例）
図１に開示するように、この発明による投影表示用光学システム１は、プロジェクタに応用するものであって、照射モジュールと、分光モジュールと、画像表示モジュールとを含んでなる。該照射モジュールは、平行ビームを提供する光源と、該平行ビームを幅がｄで、ピッチがＤの複数の平行ビームに分裂する分光反射レンズ３０を含んでなる。この発明の実施例において該平行ビームは、照明装置１０から照射され、集光レンズ２０を介して提供される。該照明装置１０は、ランプと反射器を組み合わせて構成する。該ランプは発散する光線を提供し、反射器具は光の利用効率を高めるとともに、全体の光学系の構造サイズを縮小するために発散する光線を集光する。照明装置１０から照射されたビームの照射面積を縮小し、且つ平行ビームにするために、照明装置１０から照射されるビームは集光レンズ２０を通過させなければならない。

図２Ａに開示するように、上述する照射モジュールの分光反射レンズ３０は、表面が階段状を呈するように形成され、その上に複数の互いに平行し、且つピッチをＤとする反射面３１が形成される。これら反射面３１の水平方向の幅はいずれもｄになるように形成され、分光反射レンズ３０の階段状の表面に互い違いになるように設けられる。よって、それぞれの反射面３１がいずれも平行ビームの光の経路に対するように設けられる。したがって、平行ビームは複数のビームに分けられ、その幅がｄとなり、且つピッチがＤとなる。

この発明の実施例において、照射モジュールが提供するビームは、分光反射レンズ３０の３つの反射面３１に水平方向から入射し、３つの反射面３１から同時に垂直に反射されて３本の等しい幅のビームを形成する。３本のビームの間のピッチは、ビームの幅の２倍となる。この発明を実際に実施する場合、反射面の数は、照射するビームの照射面積の大小によって決定し、これによって光の利用率を高め、もしくは照射するビームの照射面積のサイズを直接調整して、それぞれの光学部材のサイズが大きくなりすぎることを防ぎ、且つコストの増加を抑制することができる。

この発明の投影表示用光学システム１の分光モジュールは、屈折を利用して照射するビームを、異なる波長の範囲を備え、且つ異なる光の経路を進む複数のカラービームに分離して、画像形成装置６０に照射する。該分光モジュールは、分光レンズ４０と、反射式カラーホイール５０とを含んでなる。該分光レンズ４０は、透過性の材質によってなり、分光反射レンズ３０が提供する複数の平行ビームの経路に対して傾斜して設けられる。該平行ビームは、所定の入射角度で分光レンズ４０の入射面４１に入射し、照射面４２から照射される。また、該平行ビームは、分光レンズ４０の屈折の作用によって、いずれもｎ個の異なる波長の範囲を有し、且つ幅がｄ＋Ｄのカラービームに分離される。この発明の実施例において、分光反射レンズ３０が提供する３本の平行ビームは、いずれも赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）の３色の光線に分けられ、図３に開示するように赤（Ｒ）、緑（Ｇ）、青（Ｂ）が交錯して排列される９本のカラービームを形成する。

上述する反射式カラーホイール５０は、ｎ個の異なる厚さの反射レンズを含んでなり、分光レンズ４０によって分離されたｎ個の異なる波長の範囲のカラービームを反射し、これらカラービームを画像形成装置６０に反射する。実施例において、反射式カラーホイール５０は円盤状を呈し、円心の位置に回転軸を設ける。図２Ｂに開示するように、該反射式カラーホイール５０は、異なる厚さの３つの反射鏡を含み構成される、該反射鏡は平坦な底面５４と、該底面５４上に形成され、且つ厚さがそれぞれ異なる第１、第２、第３の反射エリアを備えてなり、それぞれの反射エリアは、底面に至る厚さの違いにより、薄い反射エリアから第１反射エリア５１、第２反射エリア５２、第３反射エリア５３に分けられる。

また、反射式カラーホイール５０を光学システムに設ける場合、該第１反射エリア５１、第２反射エリア５２、第３反射エリア５３はそれぞれ光学軸より距離が異なる位置に設けられる。このため同一のカラービームが異なる反射面に反射した後、画像形成装置６０の光帯の位置にやや差が発生する。例えば、Ｒ、Ｇ、Ｂが交錯して排列したカラービームは、反射式カラーホイールの第１反射エリア５１に反射した後、図４Ａに開示するように、画像形成装置６０上にカラーの光帯を形成する。反射型カラーホイール５０の回転に伴い、カラービームは反射型カラーホイール５０の第２反射エリア５２に反射される。この場合、図４Ｂに開示するように、画像形成装置６０上にカラーの光帯が形成される。反射式カラーホイール５０は引き続き回転し、カラービームが反射式カラーホイール５０の第３反射エリア５３に反射して、図４Ｃに開示するように、画像形成装置６０上にカラーの光帯を形成する。図４Ａから図４Ｃに開示する画像形成装置６０上のカラーの光帯は、容易に見付けることができ、３つの光帯におけるカラーの光帯の位置が変化する。よって、Ｒ、Ｇ、Ｂの３色の光線が入れ替わり、画像形成装置６０上に照射される。

この発明のプロジェクタの光学系１の画像表示モジュールは、画像形成装置６０上の画像図案をスクリーンに投影するために使用する。この実施例では、ＬＣＤ画像形成装置６０と、投影レンズ７０とを含んでなり、該ＬＣＤ画像形成装置６０は、液晶の電子光学効果により電気回路を用いて液晶素子の投射率と反射率を調整し、必要な画像・図案を生み出す。投影レンズ７０は、画像図案を拡大するために使用し、表示スクリーン（図示しない）に投影して必要な画像を得る。

上述の画像形成装置６０は、透過式のＬＣＤ表示器の他に、反射型液晶素子（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ ｏｎ Ｓｉｌｉｃｏｎ、ＬＣｏＳ）、もしくはデジタルマイクロミラーデバイス（Ｄｉｇｉｔａｌ Ｍｉｒｏｍｉｒｒｏｒ Ｄｅｖｉｃｅ、ＤＭＤ）のような反射型表示器を利用することもできる。使用する場合、それぞれの特性に基づいて光学装置の光の通路を調整すればよい。例えばＬＣｏＳ画像形成装置８０を使用する場合、図５に開示するように、光の通路に偏光変換素子８１及び偏光ビームスプリッタ８２を設ける必要がある。

また、この発明ではその他分光、合成が必要な装置に応用することができ、必要な投影面積及び効果に基づいて各光学部材の形状及びサイズを調整すればよい。

以上はこの発明の好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれも本発明の特許登録請求の範囲に属するものとする。

この発明の投影表示用光学システムの光学部材及び光の経路の説明図である。 図１に開示する投影表示用光学システムの反射鏡の説明図である。 図１に開示する投影表示用光学システムの反射式カラーホイールの説明図である。 照射されたビームが分光レンズから照射された後、形成するカラーの光帯の説明図である。 カラービームが反射式カラーホイールの第１反射エリアに反射して画像形成装置上に投射された時に形成されるカラーの光帯の説明図である。 カラービームが反射式カラーホイールの第２反射エリアに反射して画像形成装置上に投射された時に形成されるカラーの光帯の説明図である。 カラービームが反射式カラーホイールの第３反射エリアに反射して画像形成装置上に投射された時に形成されるカラーの光帯の説明図である。 図１に開示するプロジェクタにＬＣｏＳの画像形成装置を使用する場合の光の経路の説明図である。

符号の説明

１ 投影表示用光学システム
１０ 照明装置
２０ 集光レンズ
３０ 分光反射レンズ
３１ 反射面
４０ 分光レンズ
４１ 入射面
４２ 照射面
５０ 反射式カラーホイール
５１ 第１反射エリア
５２ 第２反射エリア
５３ 第３反射エリア
５４ 底面
６０ 画像形成装置
７０ 投影レンズ
８０ ＬＣｏＳ画像形成装置
８１ 偏光変換素子
８２ 偏光ビームスプリッタ

Claims (9)

1. 幅がｄで、それぞれのピッチがＤの複数のビームを提供する照射モジュールと、
   前記複数の平行ビームを分離して、ｎ個の異なる波長の範囲を有し、幅がｄ＋Ｄのカラービームを形成する少なくとも１つ以上の分光プリズム、及び、ｎ個の異なる厚さの反射エリアを備え、分光プリズムが分離したカラービームを交互に反射する反射式カラーホイールを含む分光モジュールと、
   該分光モジュールのカラービームを調整し、画像パターンを備えるカラービームとして照射する画像形成装置と、
   前記画像パターンのカラービームを必要なエリアに投射するために使用する投影レンズと、を含んでなることを特徴とする投影表示用光学システム。
2. 前記反射式カラーホイールが備えるｎ個の異なる厚さの反射エリアでそれぞれ反射したｎ個の異なるカラービームは、それぞれｎ個の異なる反射経路を備え、前記画像形成装置上に投影する位置がそれぞれ異なるように構成されることを特徴とする請求項１に記載の投影表示用光学システム。
3. 前記照射モジュールが、平行ビームを提供する光源と、前記平行ビームを幅がｄで、それぞれのピッチがＤである複数の平行ビームに分離する反射レンズと、を含んでなることを特徴とする請求項１に記載の投影表示用光学システム。
4. 前記反射レンズが、互いに平行して設けられ、ピッチをＤとする複数の反射面を備え、前記幅がｄで、それぞれのピッチがＤの複数の平行ビームがいずれも前記反射面に反射して形成されることを特徴とする請求項３に記載の投影表示用光学システム。
5. 前記反射レンズが、階段状を呈し、該反射レンズの階段状に形成される面に反射面が互い違いに配列して形成されることを特徴とする請求項４に記載の投影表示用光学システム。
6. 前記分光プリズムが、高屈折率の材質によってなることを特徴とする請求項１または４に記載の投影表示用光学システム。
7. 前記分光プリズムが、入射面と、該入射面に対して平行するように形成される照射面とを備え、前記平行ビームが所定の入射角度で前記入射面に入射することを特徴とする請求項６に記載の投影表示用光学システム。
8. 前記画像形成装置が、反射式の表示装置であることを特徴とする請求項１に記載の投影表示用光学システム。
9. 前記画像形成装置が、透過式の表示装置であることを特徴とする請求項１に記載の投影表示用光学システム。

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