JP2006143766A - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
吸水性樹脂の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006143766A JP2006143766A JP2004331727A JP2004331727A JP2006143766A JP 2006143766 A JP2006143766 A JP 2006143766A JP 2004331727 A JP2004331727 A JP 2004331727A JP 2004331727 A JP2004331727 A JP 2004331727A JP 2006143766 A JP2006143766 A JP 2006143766A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- absorbent resin
- meth
- acrylic acid
- aqueous solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
【課題】 攪拌翼の回転方向・速度の制御のみによって特に血液吸収性に優れる吸水性樹脂の粒子径を広い範囲で制御するとともに、しかも重合槽内への樹脂付着量を大幅に低減し、収率を向上させた製造方法を提供することにある。
【解決手段】 界面活性剤を含む疎水性有機溶媒中で、撹拌翼を回転させながら、(メタ)アクリル酸(a)、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(b)又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)およびラジカル重合開始剤(d)を含む水溶液を逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、前記攪拌翼の回転方向及び/又は回転速度を周期的に変化させることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法に関する。
【選択図】 なし
【解決手段】 界面活性剤を含む疎水性有機溶媒中で、撹拌翼を回転させながら、(メタ)アクリル酸(a)、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(b)又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)およびラジカル重合開始剤(d)を含む水溶液を逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、前記攪拌翼の回転方向及び/又は回転速度を周期的に変化させることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法に関する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、逆相懸濁重合法を用いる吸水性樹脂の製造方法に関し、より詳しくは吸水性樹脂粒子の粒子径をコントロールし、重合槽内への樹脂付着量を大幅に低減することにより収率を向上させ、かつランニングコストが低減される効率の良い吸水性樹脂の製造方法に関する。
近年、吸水性樹脂は、生理用品や紙おむつ等の衛生材料分野をはじめとして農園芸分野や鮮度保持等の食品分野、結露防止や保冷材等の産業分野等、種々の用途に使用されている。特に生理用品や紙おむつなどの衛生用品における需要は年々増大している。
このような吸水性樹脂としては、澱粉とアクリルニトリルのグラフト共重合体の加水分解物、カルボキシメチルセルロース架橋体、ポリアクリル酸(塩)架橋体、アクリル酸(塩)とビニルアルコールの共重合体、ポリエチレンオキサイド架橋体等が知られているが、現在では吸水性能や価格などの面からポリアクリル酸(塩)架橋体が一般的に用いられている。
このような吸水性樹脂としては、澱粉とアクリルニトリルのグラフト共重合体の加水分解物、カルボキシメチルセルロース架橋体、ポリアクリル酸(塩)架橋体、アクリル酸(塩)とビニルアルコールの共重合体、ポリエチレンオキサイド架橋体等が知られているが、現在では吸水性能や価格などの面からポリアクリル酸(塩)架橋体が一般的に用いられている。
原料としてアクリル酸及びそのアクリル金属塩を主成分とするアクリル酸系モノマーを使用してポリアクリル酸(塩)架橋体からなる吸水性樹脂を製造する方法としては、例えば、双椀型ニーダー中で撹拌しながら重合する方法、容器内で注型重合する方法、駆動するベルト上で連続的に静置重合する方法、逆相懸濁重合法等が知られている。
これらの製造方法の中でも、逆相懸濁重合法は界面活性剤を用いることにより疎水性有機溶媒中に水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散させて重合を行い、汎用の槽型反応器を使用することができ、得られる高吸水性樹脂はビーズ状となっているため工業プロセスとしては取扱い易いという利点を有している。
これらの製造方法の中でも、逆相懸濁重合法は界面活性剤を用いることにより疎水性有機溶媒中に水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散させて重合を行い、汎用の槽型反応器を使用することができ、得られる高吸水性樹脂はビーズ状となっているため工業プロセスとしては取扱い易いという利点を有している。
逆相懸濁重合法による吸水性樹脂の製造方法の具体例としては、例えば、比重が1より小さい疎水性有機溶媒と水溶性重合性モノマーを攪拌機を有する重合槽に仕込み、逆相懸濁重合させて高吸水性樹脂を製造するにあたって、翼径/槽径(d/D)=0.7〜0.95、翼幅/槽径(w/D)=0.05〜0.15のアンカー翼を用いることによって、350〜600μm、嵩比重が0.4〜0.7の吸水性の顆粒状粒子を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1によれば、撹拌動力と重合体粒子の平均粒径には負相関が認められ、撹拌動力が大きすぎると粒径が小さくなり、逆に撹拌動力が小さすぎると粗粉が生成し、更に重合体粒子の凝集が起こるとされ、さらに微粉によって作業環境に悪影響をもたらすという理由から350μm以上の顆粒状粒子が得られるような撹拌条件の設定を行うとともに、撹拌時に形成されるボルテックスよりもアンカー翼の垂直部分が液面下に位置するようにして付着を防止して収率の向上を図っている。
上記特許文献1によれば、撹拌動力と重合体粒子の平均粒径には負相関が認められ、撹拌動力が大きすぎると粒径が小さくなり、逆に撹拌動力が小さすぎると粗粉が生成し、更に重合体粒子の凝集が起こるとされ、さらに微粉によって作業環境に悪影響をもたらすという理由から350μm以上の顆粒状粒子が得られるような撹拌条件の設定を行うとともに、撹拌時に形成されるボルテックスよりもアンカー翼の垂直部分が液面下に位置するようにして付着を防止して収率の向上を図っている。
また例えば、縦型円筒状重合槽の中心部に垂直に設置された回転軸に取り付けられ、重合槽底面に近接して設置された放射流型の最下翼と、前記回転軸に取り付けられ、上下に隣接した下の翼に対して回転方向に90度以下位相をずらした1段以上の放射流型の上段翼とからなり、かつ上下に隣接した翼の相対向する翼端部の半径方向の端部分が上下方向に互いにオーバーラップするように配置されてなる撹拌翼を用いて水溶性エチレン性不飽和モノマーの懸濁重合を行うことを特徴とする、吸水性樹脂の製造法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これらの逆相懸濁重合法は、撹拌しながら重合槽の溶媒中に重合性モノマーを滴下して所望の樹脂粒子を得ようとするものであるが、攪拌翼の形状の工夫のみでは充分な攪拌能力を得るのが困難であり、特許文献1もしくは2に示されるように、撹拌動力もしくは吐出力の大小により得られる粒子径が変化し、微小粒径の樹脂粒子を得ようとする場合にはさらに撹拌動力もしくは吐出力を大きくしなければならず、攪拌速度を速めたりバッフルを使用する必要が必要となるため、気泡を巻き込んで安定して所望の製品を得ることができなくなるという問題を生じるばかりでなく、回転軸近傍、重合装置壁面もしくはバッフルへの樹脂付着が避けられなくなり、そのために吸水性樹脂の収率が低下するという問題も生じることとなる。
このため、逆相懸濁重合法について、各種の提案がなされている。
このため、逆相懸濁重合法について、各種の提案がなされている。
その一つとして、攪拌翼を攪拌槽内で一方向に回転させながらその回転を周期的に変化させることを特徴とする攪拌装置の運転方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、攪拌槽内で攪拌翼の回転方向を一定にしておいて時間周期的に正転・逆転を繰り返す操作、若しくは攪拌槽内で攪拌翼の回転方向は一定にしておいて回転速度を時間周期的に変化させる操作、またはそれらの操作を組み合わせる操作などの非定常攪拌をしながら懸濁重合反応をさせることにより所望の平均粒径でしかも粒子径分布のきわめて狭いポリマー粒子群を得ることを特徴とする平均粒子径と粒子径分布を制御する懸濁重合法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、これらの文献においては、逆相懸濁重合法による吸水性樹脂の製造方法やそれらの性能について何ら開示されていない。
特開2001−158802号公報
特開平7−33804号公報
特開平8−215554号公報
特開2002−47303号公報
しかしながら、これらの文献においては、逆相懸濁重合法による吸水性樹脂の製造方法やそれらの性能について何ら開示されていない。
本発明が解決しようとする課題は、攪拌翼の回転方向・速度の制御のみによって特に血液吸収性に優れる吸水性樹脂の粒子径を広い範囲で制御するとともに、しかも重合槽内への樹脂付着量を大幅に低減し、収率を向上させた製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、撹拌機を有する重合槽において、該撹拌機により撹拌翼を回転させながらその回転方向・速度を周期的に変化させて、逆相懸濁重合させると、広範囲で吸水性樹脂の粒子径を制御できるとともに、装置への樹脂付着量を大幅に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、界面活性剤を含む疎水性有機溶媒中で、撹拌翼を回転させながら、(メタ)アクリル酸(a)、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(b)又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)およびラジカル重合開始剤(d)を含む水溶液を逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、前記攪拌翼の回転方向及び/又は回転速度を周期的に変化させることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法を提供するものである。
本発明による吸水性樹脂の製造方法によれば、撹拌翼を回転させながらその回転方向・速度を周期的に変化させることにより、重合により生成する樹脂粒子の粒子径を広い範囲で制御することができ、特に血液吸収に優れる吸水性樹脂を高収率で得ることができる。
以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で用いる逆相懸濁重合は、攪拌機を有する重合槽内で行われる。かかる重合槽としては、従来の公知の反応装置や撹拌槽等を使用することができる。その形状に特に制限はなく、また加熱装置、凝縮器等の付加装置は適宜使用することができる。
本発明で用いる逆相懸濁重合は、攪拌機を有する重合槽内で行われる。かかる重合槽としては、従来の公知の反応装置や撹拌槽等を使用することができる。その形状に特に制限はなく、また加熱装置、凝縮器等の付加装置は適宜使用することができる。
攪拌機の攪拌翼については、従来公知の攪拌翼を用いることができる。かかる公知の攪拌翼としては、1軸攪拌翼として、プロペラ翼、アンカー翼、リボン翼、パドル翼、フルゾーン翼(商品名)(株式会社神鋼環境ソリューション製)、マックスブレンド翼(商品名)(住友重機械工業株式会社製)、タービン翼、ファウドラー翼、湾曲翼、ブルマージン翼、ウオールウエッター翼(商品名)(関西化学機械製作株式会社製)等を例示することができる。また、これら一般に知られる攪拌翼の改良翼を用いることもできる。これらの攪拌翼の中で、生成した重合体粒子をできる限り均一に攪拌することができ、重合槽内もしくは攪拌翼への樹脂付着量を抑制するという観点からは、大型であって翼面積の比較的小さい攪拌翼が好ましい。かかる攪拌翼としては、アンカー翼、パドル翼、マックスブレンド翼等が挙げられる。
また、低速撹拌翼と高速撹拌翼を併せ持ったような多軸攪拌翼であっても良い。この場合低速攪拌翼としてはパドル翼、アンカー翼、高速攪拌翼としてはタービン翼、ディスパー翼が例示される。多軸攪拌翼にあっては、低速攪拌翼あるいは高速攪拌翼のいずれか一方、または両方の攪拌翼を回転させながらその回転速度を周期的に変化させることができる。
本発明に係る吸水性樹脂の製造方法は、撹拌翼を回転させながらその回転方向・速度を周期的に変化させるものである。回転方向・速度を周期的に変化させることにより、攪拌翼と被攪拌物の相対速度が変化して共回り減少の影響を低減させるとともに、この乱れによる新たな渦の発生や流れの変化を発生させて混合効率を向上させることができる。また、回転方向・速度を周期的に変化させることにより層内に形成されるボルテックスが周期的に変化することから撹拌軸近傍や内壁面への樹脂の付着を低減することができる。さらに前記攪拌翼の回転方向及び/又は回転速度を周期的に変化させることにより、優れた血液特性を有し、広い範囲で粒子径が制御された吸水性樹脂を高収率で得ることができる。
回転の変化の形態としては、1)1方向に回転させながら回転速度を周期的に変化させる方法、2)周期的に正転と逆転を繰り返す方法が挙げられる。
方法1)の1方向に回転させながら回転速度を周期的に変化させる方法としては、図1に示すように、(A)ある一定速度Vaを中心に波的に波動変化させる方法、あるいは(B)パルス波的にスキップ回転を行わせる方法、などがある。混合効率を向上させることができることから、一定速度の攪拌時と比較して中心速度Vaを下げることが可能になる。そのためランニングコストを低減することができる。
回転の変化の形態としては、1)1方向に回転させながら回転速度を周期的に変化させる方法、2)周期的に正転と逆転を繰り返す方法が挙げられる。
方法1)の1方向に回転させながら回転速度を周期的に変化させる方法としては、図1に示すように、(A)ある一定速度Vaを中心に波的に波動変化させる方法、あるいは(B)パルス波的にスキップ回転を行わせる方法、などがある。混合効率を向上させることができることから、一定速度の攪拌時と比較して中心速度Vaを下げることが可能になる。そのためランニングコストを低減することができる。
このような方法1)による攪拌操作は、既設の攪拌層にインバーターを付加することにより制御することができる。さらに攪拌翼に非円形状のカムを複数枚組み合わせることにより、回転速度を波的に変化させることができる。そのような攪拌操作が可能な攪拌機としては、不等速攪拌機S−MIX(有限会社アルカム製)を例示することができる。本攪拌機を用いることにより、一回転中である一定速度Vaを中心にnVaの高速運転と1/nの低速運転を繰り返すことができる。この場合nは1以上の数値で、最大値は機械的にカムの組み合わせで実現できる10以下の数値である。nは実質的に5以下の数値である。
図1において、Vaは、用いる撹拌翼の種類、重合反応槽のスケールによってその絶対値が異なってくるので一義的には示すことが出来ないが、攪拌速度が高吸収性樹脂の平均粒子径に影響すること、本発明の目的を達成するための好ましい100μm〜1000μmの範囲の平均粒子径に樹脂粒子の大きさを調整する必要があることから、通常30〜1000rpmの範囲の撹拌回転数であることが好ましく、40〜800rpmの範囲であることがより好ましい。
一方、周期的に正転と逆転を繰り返す前記方法2)としては、回転速度は一定で正転と逆転とを繰り返すものであっても、正転と逆転とで回転速度が異なるものでも良い。このような周期的な正転と逆転も既設の攪拌層にインバーターを付加することにより制御することができる。周期的な正転と逆転においても、具体的な攪拌速度は用いる撹拌翼の種類、重合反応槽のスケールによってその絶対値は異なってくるので一義的には示すことが出来ないが、攪拌速度は、高吸収性樹脂の平均粒子径に影響すること、本発明の目的を達成するための好ましい前記範囲の平均粒子径に樹脂粒子の大きさを調整する必要があることから、前記のとおりの撹拌回転数であることが好ましい。
本発明は、撹拌機を有する重合槽において、該撹拌機により撹拌しながら、界面活性剤を含む疎水性有機溶媒中で、(メタ)アクリル酸(a)、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(b)又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)およびラジカル重合開始剤(d)を含む水溶液を逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法に関するものである。
本発明で使用する(メタ)アクリル酸(a)は、単独でもよく、あるいは必要によりこれに(メタ)アクリル酸以外の親水性基を有するビニル系単量体を併用することもできる。併用する場合、吸液性に優れた高吸液性樹脂を製造する上で、(メタ)アクリル酸を50重量%以上用いることが好ましい。かかる(メタ)アクリル酸は、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩を含むものである。また親水性基を有するビニル系単量体としては、例えばイオン性単量体、非イオン性単量体が挙げられる。イオン性単量体としては、例えばアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、4−スルホブチルメタクリレートソーダ塩等が挙げられる。非イオン性単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらの単量体のうち、(メタ)アクリルアミドを(メタ)アクリル酸と併用することが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸(a)は、それらの有するカルボキシル基を塩基性化合物で中和したものが好ましい。このとき、前記カルボキシル基の20〜100モル%を中和することが好ましく、30〜60モル%中和することがより好ましい。これにより、得られる高吸水性樹脂の吸液性を更に向上させることができる。塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム等が挙げられ、なかでも水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使用することが好ましい。
本発明では、架橋剤として2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体(b)、又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)を使用する。これらは、前記(メタ)アクリル酸(a)及びその他の親水性基を有するビニル系単量体等が重合した重合体同士、及び、この重合体と後述するビニル重合体(f)とを架橋させるものである。前記単量体等が重合した重合体同士は、前記架橋剤を使用せずとも自己架橋する場合があるが、吸液性、特に吸血性に優れた高吸水性樹脂を製造する上で、前記架橋剤を使用する必要がある。
2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体(b)としては、例えばジ(メタ)アクリル酸エステル、トリ(メタ)アクリル酸エステル、ビスアクリルアミド、多価アリル化合物などが挙げられる。ジ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステルなどが挙げられる。トリ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ビスアクリルアミドとしては、例えばN,N'−メチレンビスアクリルアミド、N,N'−エチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。多価アリル化合物としては、例えば、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。前記2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体のなかでも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドを使用することが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸(a)の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)としては、例えばエポキシ基を2個以上有する化合物、イソシアネート基を2個以上有する化合物等が挙げられ、なかでもジグリシジルエーテル化合物を使用することが好ましい。
エポキシ基を2個以上有する化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられ、なかでもエチレングリコールジグリシジルエーテルを使用することが好ましい。イソシアネート基を2個以上有する化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。前記2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体(b)及び前記(メタ)アクリル酸(a)の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)は、前記(メタ)アクリル酸(a)及びその他の親水性基を有するビニル系単量体100重量部に対して0.01〜1重量部の範囲内で使用する必要がある。このうち0.01〜0.5重量部の範囲内であることが好ましい。0.01重量部より少ない場合は充分な架橋構造が得られず、また0.5重量部より多い場合は吸液性能が低下する。
エポキシ基を2個以上有する化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられ、なかでもエチレングリコールジグリシジルエーテルを使用することが好ましい。イソシアネート基を2個以上有する化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。前記2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体(b)及び前記(メタ)アクリル酸(a)の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)は、前記(メタ)アクリル酸(a)及びその他の親水性基を有するビニル系単量体100重量部に対して0.01〜1重量部の範囲内で使用する必要がある。このうち0.01〜0.5重量部の範囲内であることが好ましい。0.01重量部より少ない場合は充分な架橋構造が得られず、また0.5重量部より多い場合は吸液性能が低下する。
次に本発明で使用するラジカル重合開始剤について説明する。かかるラジカル重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物や、2,2'−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス−(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物が挙げられ、これらを単独又は2種以上併用することができる。このとき、前記過酸化物に亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を併用しレドックス系の開始剤としても使用できる。ラジカル重合開始剤は、前記(メタ)アクリル酸(a)及びその他の親水性基を有するビニル系単量体100重量部に対して0.1〜1重量部使用する必要がある。
本発明は、後記する疎水性有機溶媒中に、前記(メタ)アクリル酸(a)、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(b)又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)およびラジカル重合開始剤(d)を含む水溶液を逐次供給しながら逆相懸濁重合させることが好ましい。
逐次供給の具体的な方法としては、例えば前記水溶液の一部、通常は1〜25重量%を先ず疎水性有機溶媒中に供給して重合を開始させ、この水溶液内の(メタ)アクリル酸等の重合がある程度進行してから残りの(メタ)アクリル酸等の水溶液を逐次供給する。またこれ以外の方法としては、予め重合条件下に維持した疎水性有機溶媒中に最初から(メタ)アクリル酸等の水溶液を逐次供給しながら、同時に重合を進行させるようにしてもよい。これらの方法を実施するに際し、(メタ)アクリル酸水溶液として、(メタ)アクリル酸水溶液と疎水性有機溶媒の一部との混合物を用い、この混合物を残りの疎水性有機溶媒中に供給するようにしてもよい。(メタ)アクリル酸水溶液の供給は、通常は全重合時間の20%以上の時間、好ましくは40%以上の時間に亘って行う。(メタ)アクリル酸水溶液の供給は、通常、定速度で行うが、所望ならば途中で供給速度を変化させてもよく、更に途中で供給を一時的に中断することもできる。
逐次供給の具体的な方法としては、例えば前記水溶液の一部、通常は1〜25重量%を先ず疎水性有機溶媒中に供給して重合を開始させ、この水溶液内の(メタ)アクリル酸等の重合がある程度進行してから残りの(メタ)アクリル酸等の水溶液を逐次供給する。またこれ以外の方法としては、予め重合条件下に維持した疎水性有機溶媒中に最初から(メタ)アクリル酸等の水溶液を逐次供給しながら、同時に重合を進行させるようにしてもよい。これらの方法を実施するに際し、(メタ)アクリル酸水溶液として、(メタ)アクリル酸水溶液と疎水性有機溶媒の一部との混合物を用い、この混合物を残りの疎水性有機溶媒中に供給するようにしてもよい。(メタ)アクリル酸水溶液の供給は、通常は全重合時間の20%以上の時間、好ましくは40%以上の時間に亘って行う。(メタ)アクリル酸水溶液の供給は、通常、定速度で行うが、所望ならば途中で供給速度を変化させてもよく、更に途中で供給を一時的に中断することもできる。
本発明で使用する疎水性有機溶媒としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。なかでも沸点が水よりも低く、水との共沸混合物を形成できるn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンを使用することが好ましい。前記疎水性有機溶媒は、前記(メタ)アクリル酸(a)に対して、0.5〜10倍使用することが好ましく、0.8〜3倍使用することがより好ましい。これにより、得られる吸水性樹脂の粒子が凝集するのを抑制できる。
前記疎水性有機溶媒中の界面活性剤としては、逆相懸濁重合法による吸水性樹脂の製造方法で公知の非イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれの界面活性剤、非イオン性共重合体、アニオン性共重合体、カチオン性共重合体等の共重合体、およびその他無機塩等が挙げられる。これらのうち、疎水性有機溶媒中における前記水溶液の分散性に優れる点で非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、リグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、リン酸トリエステル等が挙げられる。ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、好ましくは下記定義式により求められるHLBが9〜11の、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等が挙げられ、これらを単独又は2種以上併用できる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが4〜9のソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート等が挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが4〜13のショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリル酸エステル等が挙げられる。ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが10.5のポリオキシエチレンソルビトールテトラオレート等が挙げられる。ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが9〜10のポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノオレート等が挙げられる。ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが7〜13のポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリル酸エステル等が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えばHLBが5〜13のポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。リン酸トリエステルとしては、例えばHLBが7〜14のポリオキシエチレン鎖長の異なる、トリポリオキシエチレン(2)(C12-C15)アルキルエーテルリン酸、トリポリオキシエチレン(6)(C12-C15)アルキルエーテルリン酸、トリポリオキシエチレン(8)(C12-C15)アルキルエーテルリン酸、トリポリオキシエチレン(10)(C12-C15)アルキルエーテルリン酸等が挙げられる。
本発明で使用する(メタ)アクリル酸(a)、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(b)又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)およびラジカル重合開始剤(d)を含む水溶液には、さらにアニオン性界面活性剤(e)を含むことが好ましい。アニオン性界面活性剤を含むことにより、前記非イオン性界面活性剤との相乗効果により多数の微小な粒子同士が結着した表面多孔質な粒子が形成される。
かかるアニオン性界面活性剤(e)としては、例えばN−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルマリン重縮合物、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル塩、硫酸化油等が挙げられる。
この中で、一般式(I)で表されるα−オレフィンスルホン酸塩を使用することが釜壁や攪拌羽根への重合物の付着を低減できる上で好ましい。
一般式(I)中のR’は、炭素原子数8〜30のアルケニル基又は炭素原子数8〜24のヒドロキシアルキル基を示す。Mは、アルカリ金属、第4級アンモニウム又は第4級アミンを示すものである。
炭素原子数8〜30のアルケニル基としては、例えばヘキサデセニル基、テトラデセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、デセニル基、オクテニル基等が挙げられる。また、炭素原子数8〜24のヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシラウリル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
一般式(I)中におけるMは、入手のし易さの観点から、アルカリ金属であるものが好ましい。
前記炭素原子数8〜30のアルケニル基を有するα−オレフィンスルホン酸塩としてはアルケン(C8〜C30)モノスルホン酸塩が好ましく、例えばオクタデセンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデセンスルホン酸ナチリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデセンスルホン酸ナトリウム、デセンスルホン酸ナトリウム、オクテンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
炭素原子数8〜30のアルケニル基としては、例えばヘキサデセニル基、テトラデセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、デセニル基、オクテニル基等が挙げられる。また、炭素原子数8〜24のヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシラウリル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
一般式(I)中におけるMは、入手のし易さの観点から、アルカリ金属であるものが好ましい。
前記炭素原子数8〜30のアルケニル基を有するα−オレフィンスルホン酸塩としてはアルケン(C8〜C30)モノスルホン酸塩が好ましく、例えばオクタデセンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデセンスルホン酸ナチリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデセンスルホン酸ナトリウム、デセンスルホン酸ナトリウム、オクテンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記炭素原子数8〜24のヒドロキシアルキル基を有するα−オレフィンスルホン酸塩としてはヒドロキシアルカン(C8〜C24)スルホン酸塩が好ましく、例えばヒドロキシラウリルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシオクチルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシテトラデシルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシオクタデシルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシデシルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらα−オレフィンスルホン酸塩は、工業的にはα−オレフィンのスルホン化によって得られるので、通常入手できるのは前記アルケン(C8〜C30)モノスルホン酸塩とヒドロキシアルカン(C8〜C24)スルホン酸塩の混合物であり、本発明にこれら通常入手可能な混合物も好適に使用することができる。
これらα−オレフィンスルホン酸塩は、工業的にはα−オレフィンのスルホン化によって得られるので、通常入手できるのは前記アルケン(C8〜C30)モノスルホン酸塩とヒドロキシアルカン(C8〜C24)スルホン酸塩の混合物であり、本発明にこれら通常入手可能な混合物も好適に使用することができる。
本発明は、前記(メタ)アクリル酸(a)、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(b)又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)およびラジカル重合開始剤(d)を含む水溶液の逐次供給が終了した後、さらに前記撹拌翼の回転方向及び/又は回転速度を周期的に変化させながら、ビニル重合体水溶液を供給することが好ましい。このビニル重合体を使用することにより、特に吸血性に優れた吸水性樹脂を製造することができる。
かかるビニル重合体は、分子中にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有し、300〜5,000の数平均分子量を有するものである。
かかるビニル重合体は、分子中にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有し、300〜5,000の数平均分子量を有するものである。
またかかるビニル重合体は、前記(メタ)アクリル酸(a)及びその他の親水性基を有するビニル系単量体を重合して得られる重合体と、前記2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体(b)、又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)と反応させるものである。ビニル重合体を反応させることにより、特に吸血性に優れた吸水性樹脂を製造することができる。
またビニル重合体がカルボキシル基を有することにより、水に溶解し易くするだけでなく、得られる高吸水性樹脂の血液の保持安定性の向上や、血液を繰り返し吸収させた場合の吸血性の低下を抑制することができる。ビニル重合体を構成するビニル単量体のうちカルボキシル基を有する単量体をモル比で5%以上使用することが好ましい。
またビニル重合体がカルボキシル基を有することにより、水に溶解し易くするだけでなく、得られる高吸水性樹脂の血液の保持安定性の向上や、血液を繰り返し吸収させた場合の吸血性の低下を抑制することができる。ビニル重合体を構成するビニル単量体のうちカルボキシル基を有する単量体をモル比で5%以上使用することが好ましい。
また、ビニル重合体は、エチレン性不飽和結合を有することにより前記(メタ)アクリル酸(a)及びその他の親水性基を有するビニル系単量体を重合して得られる重合体と反応することができる。エチレン性不飽和結合はビニル重合体1分子に対し平均1個〜3個有するものが好ましい。平均3個を超えたエチレン性不飽和結合を導入しても効果に変化はなく、また3個を越えて導入すると、後述するビニル重合体の有するカルボキシル基の一部とエポキシ基との反応においてゲル化の要因にもなる。
さらに前記ビニル重合体は、500〜10000の数平均分子量を有する。数平均分子量がこの範囲であれば、繰り返し血液吸液特性に優れたものとなる。数平均分子量が10000を越える場合は前記効果が得られないばかりか、ビニル重合体の粘度が高くなるために添加時に反応系が不安定になり粒子同士が凝集を起こし、時には樹脂全体が凝集を起こす危険性がある。かかる数平均分子量は、1000〜5000の範囲内であることが特に好ましく、2000〜4000の範囲内であることが最も好ましい。またビニル重合体は、1種のビニル単量体を重合して得られるホモビニル重合体であっても、2種以上のビニル単量体を重合して得られるブロック共重合体又はランダム共重合体であっても良い。
さらに前記ビニル重合体は、500〜10000の数平均分子量を有する。数平均分子量がこの範囲であれば、繰り返し血液吸液特性に優れたものとなる。数平均分子量が10000を越える場合は前記効果が得られないばかりか、ビニル重合体の粘度が高くなるために添加時に反応系が不安定になり粒子同士が凝集を起こし、時には樹脂全体が凝集を起こす危険性がある。かかる数平均分子量は、1000〜5000の範囲内であることが特に好ましく、2000〜4000の範囲内であることが最も好ましい。またビニル重合体は、1種のビニル単量体を重合して得られるホモビニル重合体であっても、2種以上のビニル単量体を重合して得られるブロック共重合体又はランダム共重合体であっても良い。
本発明に使用するビニル重合体は、例えばカルボキシル基を有するビニル重合体と、かかるカルボキシル基と反応するエポキシ基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物とを混合し、前記ビニル重合体の有するカルボキシル基の一部と前記化合物の有するエポキシ基とを反応させることにより製造することができる。この反応は、40℃〜90℃範囲内で行うことが好ましい。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
カルボキシル基を有するビニル単量体に、その他のビニル単量体を併用することができる。その他のビニル単量体としては、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
カルボキシル基を有するビニル単量体に、その他のビニル単量体を併用することができる。その他のビニル単量体としては、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記カルボキシル基を有するビニル重合体と反応できるエポキシ基及び不飽和結合を有する化合物としては、例えばアリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、なかでもグリシジルメタクリレートを使用することが好ましい。このグリシジルメタクリレートを用いることにより、カルボキシル基を有するビニル重合体とエポキシ基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物との反応を水系で行うことができるので、エポキシ基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物が水中で安定性を有し、導入した二重結合の反応性が良好である。エポキシ基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物は、前記カルボキシル基を有するビニル重合体1モルに対して0.3〜10モル反応させることが好ましく、0.5〜5モル反応させることがより好ましい。これにより得られるビニル重合体水溶液の安定性を向上させることができ、更には得られる高吸水性樹脂の吸血性を向上させることができる。
ビニル重合体は、そのカルボキシル基が塩基性化合物で中和されていても良い。かかる塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム等が挙げられ、なかでも水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが好ましい。
カルボキシル基を中和することによりビニル重合体水溶液のpHが調整され、この水溶液に化合物を添加するときに系のpHが極端に変化することを抑制することができる。
前記ビニル重合体は、前記(メタ)アクリル酸等の単量体100重量部に対して1〜20重量部の範囲内で使用することが好ましく、3〜15重量部の範囲内で使用することがより好ましい。これにより、吸血性に優れた高吸水性樹脂を製造することができる。
ビニル重合体は、そのカルボキシル基が塩基性化合物で中和されていても良い。かかる塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム等が挙げられ、なかでも水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが好ましい。
カルボキシル基を中和することによりビニル重合体水溶液のpHが調整され、この水溶液に化合物を添加するときに系のpHが極端に変化することを抑制することができる。
前記ビニル重合体は、前記(メタ)アクリル酸等の単量体100重量部に対して1〜20重量部の範囲内で使用することが好ましく、3〜15重量部の範囲内で使用することがより好ましい。これにより、吸血性に優れた高吸水性樹脂を製造することができる。
次に本発明の吸水性樹脂の製造方法のさらに具体的な実施態様について説明する。
まず界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒を、適度な重合反応温度である40〜150℃の範囲、好ましくは60〜90℃の範囲内に調整する。次いで、かかる疎水性有機溶媒中に、(メタ)アクリル酸、必要によりこれにその他の親水性基を有するビニル系単量体を併せて100重量部に対して2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物、ラジカル重合開始剤、必要に応じさらにアニオン性界面活性剤を含有する水溶液(以下「単量体水溶液」と省略する。)を逐次供給しながら撹拌する。これにより前記単量体を疎水性有機溶媒中に微分散することができ、油中水滴型の逆相懸濁重合する。
まず界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒を、適度な重合反応温度である40〜150℃の範囲、好ましくは60〜90℃の範囲内に調整する。次いで、かかる疎水性有機溶媒中に、(メタ)アクリル酸、必要によりこれにその他の親水性基を有するビニル系単量体を併せて100重量部に対して2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物、ラジカル重合開始剤、必要に応じさらにアニオン性界面活性剤を含有する水溶液(以下「単量体水溶液」と省略する。)を逐次供給しながら撹拌する。これにより前記単量体を疎水性有機溶媒中に微分散することができ、油中水滴型の逆相懸濁重合する。
疎水性有機溶媒中に単量体水溶液を逐次供給した後、カルボキシル基と不飽和結合とを有し、500〜10000の重量平均分子量を有するビニル重合体(以下「ビニル重合体と省略する。)を疎水性有機溶媒中に供給する。このときの供給方法は、一括添加でも、逐次供給であってもよい。
ビニル重合体の水溶液は、単量体水溶液を逐次供給し終えた直後から2時間以内に供給することが好ましい。これにより単量体が重合して得られる重合体の粒子表面が安定化し、粒子同士が融着することを防止できる。
ビニル重合体の水溶液を供給した後、60℃〜80℃で10分〜3時間攪拌を継続することで、膨潤したビーズ状の吸水性樹脂、疎水性有機溶媒及び界面活性剤を含有するスラリー状の混合物を得ることができる。前記スラリー状混合物から例えば共沸脱水法、加熱乾燥法等で吸水性樹脂を分離することができる。
共沸脱水法としては、例えば前記スラリー状混合物とシクロヘキサン等の有機溶媒を混合し、水と有機溶媒の共沸温度に保ちながら、樹脂固形分に対する含水率が25〜5重量%になるまで脱水する方法が挙げられる。共沸脱水後、例えばデカンテーション法や濾過法で吸水性樹脂とシクロヘキサンとを分離し、次いで、乾燥することで粉末状の高吸水性樹脂を製造することができる。
加熱乾燥法としては、例えば、真空乾燥機、熱風乾燥機、気流乾燥機、流動層乾燥機、ドラムドライヤー等を用いる方法が挙げられる。乾燥温度は50℃以上であることが好ましく、60〜200℃の範囲内であることがより好ましく、70℃〜180℃の範囲内であることがさらに好ましい。かかる温度範囲内で乾燥させることで、熱による高吸水性樹脂の分解を防止し、その結果、吸液性の低下を防止できる。
ビニル重合体の水溶液は、単量体水溶液を逐次供給し終えた直後から2時間以内に供給することが好ましい。これにより単量体が重合して得られる重合体の粒子表面が安定化し、粒子同士が融着することを防止できる。
ビニル重合体の水溶液を供給した後、60℃〜80℃で10分〜3時間攪拌を継続することで、膨潤したビーズ状の吸水性樹脂、疎水性有機溶媒及び界面活性剤を含有するスラリー状の混合物を得ることができる。前記スラリー状混合物から例えば共沸脱水法、加熱乾燥法等で吸水性樹脂を分離することができる。
共沸脱水法としては、例えば前記スラリー状混合物とシクロヘキサン等の有機溶媒を混合し、水と有機溶媒の共沸温度に保ちながら、樹脂固形分に対する含水率が25〜5重量%になるまで脱水する方法が挙げられる。共沸脱水後、例えばデカンテーション法や濾過法で吸水性樹脂とシクロヘキサンとを分離し、次いで、乾燥することで粉末状の高吸水性樹脂を製造することができる。
加熱乾燥法としては、例えば、真空乾燥機、熱風乾燥機、気流乾燥機、流動層乾燥機、ドラムドライヤー等を用いる方法が挙げられる。乾燥温度は50℃以上であることが好ましく、60〜200℃の範囲内であることがより好ましく、70℃〜180℃の範囲内であることがさらに好ましい。かかる温度範囲内で乾燥させることで、熱による高吸水性樹脂の分解を防止し、その結果、吸液性の低下を防止できる。
本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂は、特に血液吸収に優れることから、例えば、生理用ナプキン、タンポン、医療用血液吸収シート、ドリップ吸収剤、創傷保護材、創傷治癒材、手術用廃液処理剤等々の血液吸収特性が要求される用途に好適に用いられる。また、血液と同様にタンパク質を含む水、例えば、牛乳、母乳、おりもの等に対しても優れた吸収特性を示すため、その適用分野は広範囲である。
以下、本発明を実施例及び比較例により、さらに詳細に説明する。
なお、樹脂の平均粒子径の測定方法は、目開き63、75、90、106、150、250、500μmの直径20mmの標準ふるいを用いて行った。各目開きのふるいを通過した試料の重量を測定し、累積重量分率で50%を示す値を樹脂の平均粒子径とした。
なお、樹脂の平均粒子径の測定方法は、目開き63、75、90、106、150、250、500μmの直径20mmの標準ふるいを用いて行った。各目開きのふるいを通過した試料の重量を測定し、累積重量分率で50%を示す値を樹脂の平均粒子径とした。
(参考例1)
攪拌器、滴下装置、還流装置、および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イオン交換水の187.7部を仕込み、窒素雰囲気下、93℃まで昇温した。
次いで、同温度で、アクリル酸の124.3部と、過硫酸ナトリウムの9.8部とイオン交換水の61.29部とからなる溶液とを、各々2時間に亘って滴下した。
滴下終了後も、同温度に、6時間のあいだ保持した後、25℃まで降温した。
ここに、水酸化ナトリウムの30%水溶液を加えて、樹脂固形分(以下、N.V.と略記する。)が35%で、ガードナー粘度(以下、VIS.と略記する。)がC−Dで、pHが2.61の、ポリアクリル酸樹脂を得た。
次いで、攪拌器、滴下装置、還流装置、および空気導入管を備えた別の反応容器に、上で得られたポリアクリル酸樹脂100部を仕込み、空気雰囲気下、70℃まで昇温した。同温度で、メタクリル酸グリシジル(以下、GMAと略記する。)の2.4部を加えて、同温度に1時間の間保持した。その後、水酸化ナトリウムの30%水溶液の24.4部を加えて、pHが5.07の、カルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有するビニル重合体の水溶液を得た。このビニル重合体をビニル重合体(A)という。ビニル重合体(A)について、分子量を東ソー株式会社製液体クロマトグラフCCPMにTSKGELカラムG5000PSXとG3000PSXの2本連結カラムを装着しリン酸緩衝液(pH=7.0)を媒体とし測定を行ったところ、数平均分子量約3,000であった。
攪拌器、滴下装置、還流装置、および窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イオン交換水の187.7部を仕込み、窒素雰囲気下、93℃まで昇温した。
次いで、同温度で、アクリル酸の124.3部と、過硫酸ナトリウムの9.8部とイオン交換水の61.29部とからなる溶液とを、各々2時間に亘って滴下した。
滴下終了後も、同温度に、6時間のあいだ保持した後、25℃まで降温した。
ここに、水酸化ナトリウムの30%水溶液を加えて、樹脂固形分(以下、N.V.と略記する。)が35%で、ガードナー粘度(以下、VIS.と略記する。)がC−Dで、pHが2.61の、ポリアクリル酸樹脂を得た。
次いで、攪拌器、滴下装置、還流装置、および空気導入管を備えた別の反応容器に、上で得られたポリアクリル酸樹脂100部を仕込み、空気雰囲気下、70℃まで昇温した。同温度で、メタクリル酸グリシジル(以下、GMAと略記する。)の2.4部を加えて、同温度に1時間の間保持した。その後、水酸化ナトリウムの30%水溶液の24.4部を加えて、pHが5.07の、カルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを有するビニル重合体の水溶液を得た。このビニル重合体をビニル重合体(A)という。ビニル重合体(A)について、分子量を東ソー株式会社製液体クロマトグラフCCPMにTSKGELカラムG5000PSXとG3000PSXの2本連結カラムを装着しリン酸緩衝液(pH=7.0)を媒体とし測定を行ったところ、数平均分子量約3,000であった。
(実施例1)
図2に示すような幅105mmのアンカー翼を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽にシクロヘキサン820g、アデカノールNK−4(ポリオキシエチレングリセリンエステル、旭電化工業株式会社製)6.0g、ニッコールTDP−8(トリポリオキシエチレン(8)(C12−C15)アルキルエーテルリン酸、日光ケミカルズ株式会社製)0.3gを仕込んだ後、アルカム社製1軸不等速攪拌機S−MIXにセットした。還流冷却脱水管、滴下ロートを備え付けた後、表示攪拌速度250rpmで攪拌を開始した。この場合攪拌翼の回転は、200rpmを中心に1回転の間に最高400rpm、最低100rpmの不等速攪拌を繰り返した。窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出し、70℃まで昇温した。一方、別の2Lのセパラブルフラスコにアクリル酸150gを加え、外部より冷却しつつ水酸化ナトリウム33.3gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液400gを滴下してアクリル酸の40モル%を中和した。
この液にN,N'−メチレンビスアクリルアミド0.5g、過硫酸アンモニウム0.6g、リポランPJ−400(アルカンスルホン酸ナトリウム ライオン株式会社製)6.6gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液を上述のシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下後先に得られたカルボキシル基と不飽和結合とを有するビニル重合体(A)40gを一括添加した。滴下終了後、1時間保持した。
次に共沸脱水によって、360gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Aという。吸水性樹脂の平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Aは高収率で得られ、平均粒径350μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
図2に示すような幅105mmのアンカー翼を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽にシクロヘキサン820g、アデカノールNK−4(ポリオキシエチレングリセリンエステル、旭電化工業株式会社製)6.0g、ニッコールTDP−8(トリポリオキシエチレン(8)(C12−C15)アルキルエーテルリン酸、日光ケミカルズ株式会社製)0.3gを仕込んだ後、アルカム社製1軸不等速攪拌機S−MIXにセットした。還流冷却脱水管、滴下ロートを備え付けた後、表示攪拌速度250rpmで攪拌を開始した。この場合攪拌翼の回転は、200rpmを中心に1回転の間に最高400rpm、最低100rpmの不等速攪拌を繰り返した。窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出し、70℃まで昇温した。一方、別の2Lのセパラブルフラスコにアクリル酸150gを加え、外部より冷却しつつ水酸化ナトリウム33.3gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液400gを滴下してアクリル酸の40モル%を中和した。
この液にN,N'−メチレンビスアクリルアミド0.5g、過硫酸アンモニウム0.6g、リポランPJ−400(アルカンスルホン酸ナトリウム ライオン株式会社製)6.6gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液を上述のシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下後先に得られたカルボキシル基と不飽和結合とを有するビニル重合体(A)40gを一括添加した。滴下終了後、1時間保持した。
次に共沸脱水によって、360gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Aという。吸水性樹脂の平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Aは高収率で得られ、平均粒径350μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例2)
表示攪拌速度を200rpmで攪拌を行った以外は、200rpmを中心に1回転の間に最高400rpm、最低100rpmの不等速攪拌を繰り返し、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Bという。吸水性樹脂Bの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Bは高収率で得られ、平均粒径500μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例3)
表示攪拌速度を180rpmで攪拌を行った以外は、180rpmを中心に1回転の間に最高360rpm、最低90rpmの不等速攪拌を繰り返し、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Cという。吸水性樹脂Cの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Cは高収率で得られ、平均粒径650μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例4)
アンカー翼を径90mm、厚み6mmの3段ピッチドパドル翼に変更し、表示攪拌速度350rpmで攪拌を開始した。攪拌を行った他は実施例1と同様の操作により吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Dという。吸水性樹脂Dの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Dは高収率で得られ、平均粒径650μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
表示攪拌速度を200rpmで攪拌を行った以外は、200rpmを中心に1回転の間に最高400rpm、最低100rpmの不等速攪拌を繰り返し、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Bという。吸水性樹脂Bの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Bは高収率で得られ、平均粒径500μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例3)
表示攪拌速度を180rpmで攪拌を行った以外は、180rpmを中心に1回転の間に最高360rpm、最低90rpmの不等速攪拌を繰り返し、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Cという。吸水性樹脂Cの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Cは高収率で得られ、平均粒径650μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例4)
アンカー翼を径90mm、厚み6mmの3段ピッチドパドル翼に変更し、表示攪拌速度350rpmで攪拌を開始した。攪拌を行った他は実施例1と同様の操作により吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Dという。吸水性樹脂Dの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Dは高収率で得られ、平均粒径650μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例5)
攪拌機をアルカム社製1軸不等速攪拌機S−MIXより新東科学株式会社製スリーワンモーターBLh600Rに変えた。リモートコントロールにより2秒間350rpm、2秒間250rpmでパルス状に繰り返し攪拌速度を制御し重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液をシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下終了後は300rpmで攪拌を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Eという。吸水性樹脂Eの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Eは高収率で得られ、平均粒径600μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例6)
リモートコントロールにより3秒間300rpm、1秒間250rpm、3秒間300rpm、1秒間350rpmでパルス状に繰り返し、攪拌速度を制御し、重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液をシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下終了後は300rpmで攪拌を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Eという。吸水性樹脂Fの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Fは高収率で得られ、平均粒径430μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例7)
リモートコントロールにより5秒間300rpmで正転回転、5秒間300rpmで逆転回転し、パルス状に繰り返し攪拌速度を制御し、重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液をシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下終了後は300rpmで攪拌を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Gという。吸水性樹脂Gの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Gは高収率で得られ、平均粒径500μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
攪拌機をアルカム社製1軸不等速攪拌機S−MIXより新東科学株式会社製スリーワンモーターBLh600Rに変えた。リモートコントロールにより2秒間350rpm、2秒間250rpmでパルス状に繰り返し攪拌速度を制御し重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液をシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下終了後は300rpmで攪拌を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Eという。吸水性樹脂Eの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Eは高収率で得られ、平均粒径600μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例6)
リモートコントロールにより3秒間300rpm、1秒間250rpm、3秒間300rpm、1秒間350rpmでパルス状に繰り返し、攪拌速度を制御し、重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液をシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下終了後は300rpmで攪拌を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Eという。吸水性樹脂Fの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Fは高収率で得られ、平均粒径430μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例7)
リモートコントロールにより5秒間300rpmで正転回転、5秒間300rpmで逆転回転し、パルス状に繰り返し攪拌速度を制御し、重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液をシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下終了後は300rpmで攪拌を行った以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Gという。吸水性樹脂Gの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。吸水性樹脂Gは高収率で得られ、平均粒径500μmであり、血液吸収性に優れることがわかった。
(比較例1)
アンカー翼を備え付けた、2Lセパラブルフラスコの重合槽にシクロヘキサン820g、アデカノールNK−4、6.0g、ニッコールTDP−8、0.3gを仕込んだ。還流冷却脱水管、滴下ロートを備え付けた後、表示攪拌速度200rpmの一定速度で攪拌を開始した。窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出し、70℃まで昇温した。一方、別の2Lのセパラブルフラスコにアクリル酸150gを加え、外部より冷却しつつ水酸化ナトリウム33.3gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液400gを滴下してアクリル酸の40モル%を中和した。
この液にN,N'−メチレンビスアクリルアミド0.5g、過硫酸アンモニウム0.6g、リポランPJ−400、6.6gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液を上述のシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下終了後1時間保持した。
次に共沸脱水によって、360gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Hという。吸水性樹脂Hの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。
(比較例2)
ピッチドパドル翼で350rpmの一定の攪拌速度で攪拌を行った以外は、比較例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Iという。吸水性樹脂Iの平均粒径、収率、血液吸収量を表−1にまとめた。
アンカー翼を備え付けた、2Lセパラブルフラスコの重合槽にシクロヘキサン820g、アデカノールNK−4、6.0g、ニッコールTDP−8、0.3gを仕込んだ。還流冷却脱水管、滴下ロートを備え付けた後、表示攪拌速度200rpmの一定速度で攪拌を開始した。窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出し、70℃まで昇温した。一方、別の2Lのセパラブルフラスコにアクリル酸150gを加え、外部より冷却しつつ水酸化ナトリウム33.3gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液400gを滴下してアクリル酸の40モル%を中和した。
この液にN,N'−メチレンビスアクリルアミド0.5g、過硫酸アンモニウム0.6g、リポランPJ−400、6.6gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液を上述のシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、滴下終了後1時間保持した。
次に共沸脱水によって、360gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で乾燥させ、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Hという。吸水性樹脂Hの平均粒径、収率、血液吸収量を表1にまとめた。
(比較例2)
ピッチドパドル翼で350rpmの一定の攪拌速度で攪拌を行った以外は、比較例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Iという。吸水性樹脂Iの平均粒径、収率、血液吸収量を表−1にまとめた。
Claims (4)
- 界面活性剤を含む疎水性有機溶媒中で、撹拌翼を回転させながら、(メタ)アクリル酸(a)、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(b)又は前記(メタ)アクリル酸(a)の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)およびラジカル重合開始剤(d)を含む水溶液を逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、前記攪拌翼の回転方向及び/又は回転速度を周期的に変化させることを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
- 前記水溶液を逐次供給しながら逆相懸濁重合させる請求項2記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 前記疎水性有機溶媒中の界面活性剤が非イオン性界面活性剤であり、前記水溶液がさらにアニオン性界面活性剤(e)を含む請求項2又は3記載の吸水性樹脂の製造方法。
- 前記水溶液の逐次供給が終了した後、さらに前記撹拌翼の回転方向及び/又は回転速度を周期的に変化させながら、分子中にイオン性基とエチレン性不飽和結合とを有し、300〜5,000の数平均分子量を有するビニル重合体水溶液を供給する請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004331727A JP2006143766A (ja) | 2004-11-16 | 2004-11-16 | 吸水性樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004331727A JP2006143766A (ja) | 2004-11-16 | 2004-11-16 | 吸水性樹脂の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006143766A true JP2006143766A (ja) | 2006-06-08 |
Family
ID=36623838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004331727A Pending JP2006143766A (ja) | 2004-11-16 | 2004-11-16 | 吸水性樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006143766A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008214372A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Nippon Shokubai Co Ltd | 水溶性重合体製造装置および水溶性重合体の連続的製造方法 |
US9273156B2 (en) | 2010-11-15 | 2016-03-01 | Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. | Method for producing water-absorbent resin |
JP2016115455A (ja) * | 2014-12-12 | 2016-06-23 | トヨタ自動車株式会社 | 触媒インクの製造方法 |
WO2017150108A1 (ja) * | 2016-03-02 | 2017-09-08 | 住友精化株式会社 | 吸水性樹脂粒子の製造方法 |
CN115385389A (zh) * | 2022-04-22 | 2022-11-25 | 厦门厦钨新能源材料股份有限公司 | 一种电池正极材料前驱体及其制备方法 |
-
2004
- 2004-11-16 JP JP2004331727A patent/JP2006143766A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008214372A (ja) * | 2007-02-28 | 2008-09-18 | Nippon Shokubai Co Ltd | 水溶性重合体製造装置および水溶性重合体の連続的製造方法 |
US9273156B2 (en) | 2010-11-15 | 2016-03-01 | Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. | Method for producing water-absorbent resin |
JP2016115455A (ja) * | 2014-12-12 | 2016-06-23 | トヨタ自動車株式会社 | 触媒インクの製造方法 |
WO2017150108A1 (ja) * | 2016-03-02 | 2017-09-08 | 住友精化株式会社 | 吸水性樹脂粒子の製造方法 |
JPWO2017150108A1 (ja) * | 2016-03-02 | 2018-12-27 | 住友精化株式会社 | 吸水性樹脂粒子の製造方法 |
US10835887B2 (en) | 2016-03-02 | 2020-11-17 | Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd | Process for producing water-absorbing resin particles |
CN115385389A (zh) * | 2022-04-22 | 2022-11-25 | 厦门厦钨新能源材料股份有限公司 | 一种电池正极材料前驱体及其制备方法 |
CN115385389B (zh) * | 2022-04-22 | 2023-12-22 | 厦门厦钨新能源材料股份有限公司 | 一种电池正极材料前驱体及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102560352B1 (ko) | 흡수성 수지 분말의 제조 방법 및 그의 제조 장치 | |
US9878304B2 (en) | Method of manufacturing water-absorbent resin composition | |
CN1134471C (zh) | 吸水性树脂的制造方法 | |
JP5132927B2 (ja) | 吸水性樹脂の製造方法 | |
CN1146997A (zh) | 吸水树脂的制备方法 | |
JP4364020B2 (ja) | 吸水性樹脂粉末の表面架橋処理方法 | |
WO2019221235A1 (ja) | 吸水性樹脂の製造方法 | |
JPH07242709A (ja) | 吸水性樹脂の製造方法 | |
WO2020067311A1 (ja) | 吸水性樹脂の製造方法および吸水性樹脂 | |
JP3016879B2 (ja) | 高吸水性樹脂の製造方法 | |
JPH08157531A (ja) | 高吸水性樹脂の製造法 | |
JP2011518929A (ja) | 吸水性ポリマー粒子の製造方法 | |
JP2006143766A (ja) | 吸水性樹脂の製造方法 | |
JP4515073B2 (ja) | 吸水性樹脂の製造方法 | |
JPH03195709A (ja) | 高吸水性ポリマーの製造法 | |
JP4704559B2 (ja) | 塩基性吸水性樹脂の製法、吸水剤の製法、ならびにその使用 | |
JP4878116B2 (ja) | 吸水性樹脂製造方法 | |
JP6722507B2 (ja) | 吸水性樹脂の製造方法 | |
WO2021049451A1 (ja) | 吸水性樹脂粒子の製造方法 | |
JP3963550B2 (ja) | 吸水剤の製造方法 | |
JP2018030991A (ja) | 吸収性樹脂粒子の製造方法 | |
JP4711122B2 (ja) | 吸水材 | |
JPH11188725A (ja) | 吸水性樹脂の製造方法 | |
JP2005054050A (ja) | 吸水性樹脂の製造方法 | |
JP3059236B2 (ja) | 高吸水性ポリマーの造粒法 |