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JP2006097083A - 焼結用原料の評価方法および配合設計方法 - Google Patents

焼結用原料の評価方法および配合設計方法 Download PDF

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JP2006097083A JP2004284593A JP2004284593A JP2006097083A JP 2006097083 A JP2006097083 A JP 2006097083A JP 2004284593 A JP2004284593 A JP 2004284593A JP 2004284593 A JP2004284593 A JP 2004284593A JP 2006097083 A JP2006097083 A JP 2006097083A
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正則 中野
Jun Okazaki
潤 岡崎
Tsutomu Okada
務 岡田
Dok-Won Lee
ドクウォン イ
In Guk Seo
イングク ソ
Byonjun Chon
ビョンジュン チョン
Sonwan Kim
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Abstract

【課題】 1種または2種以上の鉄鉱石を含む焼結用原料を造粒し、焼結する際における焼結用原料の焼結生産性を適確に評価し配合設計できる方法を提供する。
【解決手段】 各種鉄鉱石のそれぞれを粗粒と細粒に分け、
(1)各種粗粒鉄鉱石の特性を核特性指数として指数化し、および/または、
(2)各種細粒鉄鉱石の特性を粉特性指数として指数化し、さらに、
(3)配合原料中の結晶水割合を鉱石配合割合から算出し、
(4)粗粒鉄鉱石を核粒子とし細粒鉄鉱石を付着させて造粒した擬似粒子の通気特性を通気特性指数として指数化し、
(5)核特性指数および/または粉特性指数、さらに、配合原料中の結晶水割合と通気特性指数に基づいて、上記焼結用原料の焼結生産性を評価するとともに、この評価結果に基づいて、鉄鉱石の選択、配合量・率の調整を行い焼結用原料の配合設計を行う。
【選択図】 図7

Description

本発明は、高炉原料用の焼結鉱の製造に用いる各種銘柄の鉄鉱石(焼結用原料)の特性を評価する評価方法と、該評価結果に基づいて、成品歩留、生産性、および、品質が優れた焼結鉱を製造するための各種銘柄の鉄鉱石(焼結原料)の配合を設計する配合設計方法に関するものである。
一般に、高炉原料用の焼結鉱は、鉄鉱石粉や篩下粉、副原料(石灰石、蛇紋岩等)、粉コークス、無煙炭、返鉱等を配合し、一次ミキサー、二次ミキサーで混合し、粒径1mm以上の核粒子の周りに粒径1mm未満の微粉が付着(微粉が付着した部分を「付着粉部」という。)した擬似粒子を造粒し、その後、この擬似粒子を焼結機に装入して焼結ベッドを形成し、次いで、焼結ベッド表層の粉コークス等の燃料に点火し、下向きに通風しながら燃焼して焼結原料を焼成することにより、製造されている。
この焼成過程で、焼結原料は、燃料の燃焼熱により加熱され、その温度は、最高1300℃前後にまで上昇するが、通常1200℃前後で、擬似粒子の付着粉部から生石灰(CaO)と粉鉄鉱石からなる低融点物質などの形成により初期融液が生成し始め、この後、さらに、温度が上昇すると、その初期融液が、周辺の微粉鉱石成分を溶かし込んで融液量を増加させる。
その後、融液が核粒子とも反応しながら塊成化が進み、最終的には、残留した未溶融粗粒部同士が結合相で結合された焼結鉱が生成する。
一般に、焼結鉱の品質、歩留、および、生産性は、焼結原料に配合する鉄鉱石(粉)の性質に大きく左右され、その性質のうちで、特に、融液の生成挙動と擬似粒子の通気性は影響が大きい。例えば、焼結原料に配合する鉄鉱石(粉)が生石灰(石灰石が熱分解して生成したCaO)との反応の結果生じる初期融液が流動性に富む場合は塊成化が進みやすく、焼結鉱の強度や歩留が高くなる。
また、焼結原料中の鉄鉱石の微粉部の割合が少ない場合や、擬似粒子の核粒子(粒径1mm以上の粗粒鉄鉱石)への微粉部(粒径1mm未満の微粉鉄鉱石)の付着量が高いと焼結過程での通気性が高くなり、焼結鉱の生産性が高くなる。それ故、各種銘柄の鉄鉱石(粉)の溶融特性とその擬似粒子の通気特性を評価することが、品質、生産性に優れた焼結鉱を製造する上において特に重要である。
これまで、焼結原料に配合する鉄鉱石(粉)の溶融特性を評価する方法が、いくつか提案されている。例えば、擬似粒子中の核鉱石(粒径1mm以上の粗粒鉄鉱石)の溶融挙動を相対的に評価する方法として、粒径3〜5mmの鉄鉱石粒子に粒径10μm以下のCaO粉末(試薬)を付着させた擬似粒子、または、5mm角に切り出した鉄鉱石粒子をCaOタブレットに置いた試料を電気炉で焼成し、鉄鉱石粒子と石灰石の同化反応の態様を評価する方法が、本発明者らにより提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、本発明者らは、より実際に近い焼結過程での融液生成挙動を模擬するため、擬似粒子中の付着粉(粒径1mm未満の微粉鉄鉱石、CaO粉などの副原料)での融液生成挙動を相対的に評価する方法として、成型した微粉鉄鉱石の上に成型した低融点物質を載せ、大気中または低酸素雰囲気下で1000℃以上に昇温して低融点物質を溶融させ、その溶融した融液を鉄鉱石粉中に浸透せしめ、その融液が浸透した距離、断面積および体積の1種または2種以上を測定することにより、鉄鉱石粉への融液浸透性を評価する方法を提案した(例えば、特許文献1参照)。
また、同じ目的での鉄鉱石の評価方法として、2mm以下の粒度の鉄鉱石と石灰石から成るタブレットを高温で焼結した後のタブレットの底面積を融液の流動性指数とする鉱石銘柄評価方法も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
さらに、各銘柄の鉄鉱石粉に20%CaO粉を配合し、円筒形にプレス成形した試料を焼成した後の体積収縮率を測定し、この体積収縮率を各銘柄の鉄鉱石の焼結反応における溶融性の指数とし、この体積収縮率が所定の範囲、具体的には15〜35%となるように各銘柄鉱石の配合を管理する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
以上の鉄鉱石の評価方法は、鉄鉱石の核粒子(粒径1mm以上の粗粒鉄鉱石)、あるいは、鉄鉱石の微粉部(粒径1mm未満の微粉鉄鉱石)について、それぞれ単独の溶融特性を評価する方法である。
しかし、実際の焼結操業において、焼結原料の擬似粒子は、主として粒径1mm以上の粗粒鉄鉱石を核粒子とし、その周囲に粒径1mm未満の微粉鉄鉱石、石灰石粉などの副原料粉、炭材粉からなる微分部が付着した構造であり、焼結過程における鉄鉱石の融液挙動は、核粒子と微粉部とでその融液挙動が異なるとともに、両者の相互作用により全体の融液挙動を大きく影響する。
例えば、豪州産のハマスレイ、マウントニューマンなどの銘柄の鉄鉱石では、粒径1mm以上の粗粒鉄鉱石と、粒径1mm未満の微粉部分とで擬似粒子における融液挙動が大きく異なるため、従来の粒度を一定とした評価試験のみでは、全体の融液挙動を正しく評価されないといった問題があった。
また、従来から各銘柄の鉄鉱石について予め焼結試験を行い、焼結鉱の特性の測定結果を基に配合原料を用いた場合の焼結鉱の特性を評価する方法も提案されている。
例えば、各銘柄の鉄鉱石の配合量を、基本配合量より増減させる際に、各銘柄の鉄鉱石を、焼結鉱の還元粉化指数(RDI)を悪化させるグループと改善させるグループに分類し、配合指数(B.I.=ΣBjWBj[悪化]/ΣAjWAj[改善])に基づいて、焼結鉱の還元粉化(RDI)を推定する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、焼結用原料を構成する鉄鉱石毎に予め焼結して得られた焼結鉱の低温還元粉化指数(RDI)を測定し、鉄鉱石毎に予め測定したRDIと焼結原料配合計画に基づく配合比をもとに焼結鉱のRDIを予測し、該予測RDIをもとに焼結鉱のRDIを設定範囲に収めるべく、各鉄鉱石の配合比を修正制御する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、上記方法のいずれも、各種銘柄の鉄鉱石の配合において、予め各種銘柄の鉄鉱石毎に焼結試験を行った後、その結果基に指数化した還元粉化指数(RDI)のみを用いて評価するものである。このため、還元粉化指数(RDI)以外の冷間強度などの品質、成品歩留、生産性などを精度良く評価し、必ずしも満足できる方法ではない。
そこで、本発明者らは、上記問題点を改善する評価方法として、各種鉄鉱石のそれぞれを粗粒と細粒に分け、(1)各種粗粒鉄鉱石の特性を核特性指数として指数化し、および/または、(2)各種細粒鉄鉱石の特性を粉特性指数として指数化し、(3)核特性指数および/または粉特性指数に基づいて、焼結用原料の焼結特性を評価するとともに、この評価結果に基づいて、鉄鉱石の選択、配合量・率の調整を行い焼結用原料の配合設計を行う方法を提案した(例えば、特許文献4参照)。
この方法は、各種銘柄の鉄鉱石の核粒子および微分粒子のそれぞれの特性を基に、焼結過程における融液挙動の観点から指数化し、焼結過程を経て得られる焼結鉱の特性および歩留を予測するものである。
これにより、鉄鉱石(粉)を擬似粒子とした時に、焼結過程でそれぞれ融液挙動が異なる、核粒子の特性および微粉部の特性、さらに両者の相互作用による特性を適確に評価し、この評価結果に基づき、従来に比べてより実操業に近い条件での焼結鉱の品質、歩留を推定し、各種銘柄の鉄鉱石(粉)の配合・設計をすることが可能となった。
しかし、この方法では、焼結過程において焼結原料の通気性が著しく劣る場合に生じる、不均一焼成(むら焼け)が焼結鉱の強度、歩留および生産性に与える影響を考慮していないため、鉄鉱石の種類により通気性が変動する場合に適正な評価ができず、生産性に優れた配合設計に活用することができなかった。
特開2002−62290号公報 特開昭59−153845号公報 特開昭61−119626号公報 特開平1−176041号公報 特開2003−82417号公報 鉄と鋼、78(1992)、p.1013 鉄と鋼、77(1990)、p.56
本発明は、従来技術の現状に鑑み、1種または2種以上の鉄鉱石(粉)を含む焼結用原料を造粒し、焼結する際における焼結用原料の焼結生産性を適確に評価できる評価方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記焼結生産性の評価結果に基づいて、焼結用原料に配合する1種または2種以上の鉄鉱石(粉)の配合量や配合率を適切に調整し、焼結生産性の優れた焼結用原料を設計する配合設計方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、焼結操業の重要な因子のひとつである、焼結生産性を適正に評価するための方法について、さらに検討を重ねた。その結果、上記の鉄鉱石の核特性指数と粉特性指数に加えて、擬似粒子の通気性指数を用いることで、精度良く焼結生産性が評価できることを見出した。
擬似粒子の通気性指数は、焼結過程における焼結層の進行速度を決定する因子であり、検討の結果、粗粒鉄鉱石を核粒子とし所定の質量比の細粒鉄鉱石を所定の水分にて付着させて造粒した擬似粒子の通気性の測定値、あるいは、擬似粒子を構成する鉄鉱石の平均粒度を指数化することにより、焼結生産性が精度良く評価できることを見出した。
つまり、本発明者は、焼結原料の焼結生産性評価方法の鋭意検討の結果、次の知見を得るに至った。
(a)2種以上の鉄鉱石(粉)を配合して焼結した焼結鉱の生産性は、擬似粒子の核粒子と融液との反応状態を模擬的に代表する特性値に基づく指数A(核特性指数)、付着粉層内での融液生成および反応状態を模擬的に代表する特性値に基づく指数B(粉特性指数)、および、配合原料中の結晶水割合、および、焼結層内通気性状態を模擬的に代表する擬似粒子の通気特性に基づく指数C(通気特性指数)を用いて定義した下記式(1)または(2)の焼結生産性指数SPIと良い相関性をもつ。
SPI=k×A×B×(1−D/100)×C …(1)
SPI=A×B×(1−D/100)±nC …(2)
A:核特性指数、
B:粉特性指数
D:配合原料の結晶水割合(%)
C:通気特性指数
x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
z、w:通気特性の寄与率で、0<z≦1, 0<w≦1
n:通気性の寄与係数で、0<n≦15
k:係数
なお、当然のことながら、指数A、指数B、および、指数Cを、それぞれ単独で管理することも可能である。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、以下のとおりである。
(1) 各種鉄鉱石の1種または2種以上を所定の配合率で含む焼結用原料の特性を評価する評価方法において、各種鉄鉱石のそれぞれを粗粒と細粒に分け、
(1)各種粗粒鉄鉱石の特性を核特性指数として指数化し、および/または、
(2)各種細粒鉄鉱石の特性を粉特性指数として指数化し、さらに、
(3)配合原料中の結晶水割合を鉱石配合割合から算出し、
(4)粗粒鉄鉱石を核粒子とし細粒鉄鉱石を付着させて造粒した擬似粒子の通気特性を通気特性指数として指数化し、
(5)核特性指数および/または粉特性指数、さらに、配合原料中の結晶水割合と通気特性指数に基づいて、上記焼結用原料の焼結生産性を評価する
ことを特徴とする焼結用原料の評価方法。
(2) 前記粗粒鉄鉱石が粒径1mm以上の鉄鉱石であり、前記細粒鉄鉱石が粒径1mm未満の鉄鉱石であることを特徴とする上記(1)に記載の焼結用原料の評価方法。
(3) 前記粗粒鉄鉱石の特性が、粗粒鉄鉱石に石灰石粉を付着させて造粒した擬似粒子の焼成体における気孔率であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の焼結用原料の評価方法。
(4) 前記粗粒鉄鉱石の特性が、粗粒鉄鉱石に石灰石粉、微粉鉄鉱石およびコークス粉からなる混合粉を付着させて造粒した擬似粒子の焼成体における気孔率であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の焼結用原料の評価方法。
(5) 前記細粒鉄鉱石の特性が、成型した細粒鉄鉱石の上に成型した低融点物質を置いて焼成した時、低融点物質の融液が上記細粒鉄鉱石の内部に浸透する距離、断面積および体積の1または2以上を測定して確認する融液浸透性であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の焼結用原料の評価方法。
(6) 前記細粒鉄鉱石の特性が、円柱状に成型した微粉鉄鉱石と石灰石粉からなる混合粉を焼成した後、底面積を測定して確認する融液流動性であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の焼結用原料の評価方法。
(7) 前記鉄鉱石の通気特性が、粗粒鉄鉱石を核粒子とし所定の質量比の細粒鉄鉱石を所定の水分にて付着させて造粒した擬似粒子の通気特性であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の焼結用原料の評価方法。
(8) 前記鉄鉱石の通気特性が、前記擬似粒子中の鉄鉱石の平均粒度であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の焼結用原料の評価方法。
(9) 前記核特性指数および/または粉特性指数、さらに、結晶水割合と通気特性指数に基づいて、下記式(1)で定義する焼結生産性指数SPIを算出し、該焼結生産性指数SPIに基づいて、前記焼結用原料の焼結生産性を評価することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の焼結用原料の評価方法。
SPI=k×A×B×(1−D/100)×C …(1)
A:核特性指数
B:粉特性指数
D:配合原料の結晶水割合(%)
C:通気特性指数
x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
z:通気特性の寄与率で、0<z≦1
k:係数
(10) 前記核特性指数および/または粉特性指数、さらに、結晶水割合と通気特性指数に基づいて、下記式(2)で定義する焼結生産性指数SPIを算出し、該焼結特性指数SPIに基づいて、前記焼結用原料の焼結生産性を評価することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の焼結用原料の評価方法。
SPI=A×B×(1−D/100)±nC …(2)
A:核特性指数
B:粉特性指数
D:配合原料の結晶水割合(%)
C:通気特性指数
x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
n:通気特性の寄与係数で、0<n≦15
w:通気特性の寄与率で、0<z≦1
(11) 前記核特性指数Aが、下記式(1a)で定義されるものであることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の焼結用原料の評価方法。
A=Σ(a×p)/Σ(p) …(1a)
:鉄鉱石iの核特性指数
:粒径1mm以上の鉄鉱石iの配合率(%)
(12) 前記粉特性指数Bが、下記式(1b)で定義されるものであることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の焼結用原料の評価方法。
B=Σ(b×q)/Σ(q) …(1b)
:鉄鉱石iの粉特性指数
:粒径1mm未満の鉄鉱石iの配合率(%)
(13) 前記通気特性指数Cが、下記式(1c)で定義されるものであることを特徴とする上記(9)または(10)に記載の焼結用原料の評価方法。
C=Σ(c×r)/Σ(r) …(1c)
:鉄鉱石iの通気特性指数
:鉄鉱石iの配合率(%)
(14) 各種鉄鉱石の1種または2種以上を所定の配合率で含む焼結用原料を設計する配合設計方法において、各種鉄鉱石のそれぞれを粗粒と細粒に分け、
(1)各種粗粒鉄鉱石の特性を核特性指数として指数化し、および/または、
(2)各種細粒鉄鉱石の特性を粉特性指数として指数化し、さらに、
(3)配合原料中の結晶水割合を鉱石配合割合から算出し、
(4)粗粒鉄鉱石を核粒子とし細粒鉄鉱石を付着させて造粒した擬似粒子の通気特性を通気特性指数として指数化し、
(5)核特性指数および/または粉特性指数、さらに、配合原料中の結晶水割合と通気特性指数に基づいて、下記式(1)で定義する焼結生産性指数SPIを算出し、
(6)上記焼結生産性指数SPIに基づいて、上記焼結用原料の焼結生産性を評価し、
(7)評価結果に基づいて、上記焼結用原料に配合する鉄鉱石の配合率を調整する
ことを特徴とする焼結用原料の配合設計方法。
SPI=k×A×B×(1−D/100)×C …(1)
A:核特性指数、
B:粉特性指数
D:配合原料の結晶水割合(%)
C:通気特性指数
x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
z:通気特性の寄与率で、0<z≦1
k:係数
(15) 各種鉄鉱石の1種または2種以上を所定の配合率で含む焼結用原料を設計する配合設計方法において、各種鉄鉱石のそれぞれを粗粒と細粒に分け、
(1)各種粗粒鉄鉱石の特性を核特性指数として指数化し、および/または、
(2)各種細粒鉄鉱石の特性を粉特性指数として指数化し、さらに、
(3)配合原料中の結晶水割合を鉱石配合割合から算出し、
(4)粗粒鉄鉱石を核粒子とし細粒鉄鉱石を付着させて造粒した擬似粒子の通気特性を通気特性指数として指数化し、
(5)核特性指数および/または粉特性指数、さらに、配合原料中の結晶水割合と通気特性指数に基づいて、下記式(2)で定義する焼結生産性指数SPIを算出し、
(6)上記焼結生産性指数SPIに基づいて、上記焼結用原料の焼結生産性を評価し、
(7)評価結果に基づいて、上記焼結用原料に配合する鉄鉱石の配合率を調整する
ことを特徴とする焼結用原料の配合設計方法。
SPI=A×B×(1−D/100)±nC …(2)
A:核特性指数
B:粉特性指数
D:配合原料の結晶水割合(%)
C:通気特性指数
x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
n:通気特性の寄与係数で、0<n≦15
w:通気特性の寄与率で、0<z≦1
(16) 前記(5)の焼結生産性指数SPIの算出、前記(6)の焼結生産性の評価、および、前記(7)の配合率の調整を、焼結生産性指数が所定の値に達するまで繰り返し行うことを特徴とする上記(14)または(15)に記載の焼結用原料の配合設計方法。
(17) 前記粗粒鉄鉱石が粒径1mm以上の鉄鉱石であり、前記細粒鉄鉱石が粒径1mm未満の鉄鉱石であることを特徴とする上記(14)〜(16)のいずれかに記載の焼結用原料の配合設計方法。
(18) 前記粗粒鉄鉱石の特性が、粗粒鉄鉱石に石灰石粉を付着させて造粒した擬似粒子の焼成体における気孔率であることを特徴とする上記(14)〜(17)のいずれかに記載の焼結用原料の配合設計方法。
(19) 前記粗粒鉄鉱石の特性が、粗粒鉄鉱石に石灰石粉、微粉鉄鉱石およびコークス粉からなる混合粉を付着させて造粒した擬似粒子の焼成体における気孔率であることを特徴とする上記(14)〜(17)のいずれかに記載の焼結用原料の評価方法。
(20) 前記細粒鉄鉱石の特性が、成型した細粒鉄鉱石の上に成型した低融点物質を置いて焼成した時、低融点物質の融液が上記細粒鉄鉱石の内部に浸透する距離、断面積および体積の1または2以上を測定して確認する融液浸透性であることを特徴とする上記(14)〜(17)のいずれかに記載の焼結用原料の配合設計方法。
(21) 前記細粒鉄鉱石の特性が、円柱状に成型した微粉鉄鉱石と石灰石粉からなる混合粉を焼成した後、底面積を測定して確認する融液流動性であることを特徴とする上記(14)〜(17)のいずれかに記載の焼結用原料の配合設計方法。
(22) 前記鉄鉱石の通気特性が、粗粒鉄鉱石を核粒子とし所定の質量比の細粒鉄鉱石を付着させて所定の水分にて造粒した擬似粒子の通気特性であることを特徴とする上記(14)〜(17)のいずれかに記載の焼結用原料の配合設計方法。
(23) 前記鉄鉱石の通気特性が、前記擬似粒子中の鉄鉱石の平均粒度であることを特徴とする上記(14)〜(17)のいずれかに記載の焼結用原料の配合設計方法。
(24) 前記核特性指数Aが、下記式(1a)で定義されるものであることを特徴とする上記(14)または(15)に記載の焼結用原料の配合設計方法。
A=Σ(a×p)/Σ(p) …(1a)
:鉄鉱石iの核特性指数
:粒径1mm以上の鉄鉱石iの配合率(%)
(25) 前記粉特性指数Bが、下記式(1b)で定義されるものであることを特徴とする上記(14)または(15)に記載の焼結用原料の配合設計方法。
B=Σ(b×q)/Σ(q) …(1b)
:鉄鉱石iの粉特性指数
:粒径1mm未満の鉄鉱石iの配合率(%)
(26) 前記通気性特指数Cが、下記式(1c)で定義されるものであることを特徴とする上記(14)または(15)に記載の焼結用原料の配合設計方法。
C=Σ(c×r)/Σ(r) …(1c)
:鉄鉱石iの通気特性指数
:鉄鉱石iの配合率(%)
(27) 前記焼結用原料中の粒径0.25mm以下の割合が25%以下であることを特徴とする上記(14)または(15)に記載の焼結用原料の配合設計方法。
本発明によれば、1種または2種以上の鉄鉱石を含む焼結用原料の焼結特性を、原料配合段階で適正に評価できるので、より焼結特性の良好な焼結用原料を設計することができる。
また、本発明によれば、安価な鉄鉱石や、これまで用いられていなかった鉄鉱石を焼結用原料として用いたり、または、配合変更を頻繁に行っても、品質および成品歩留の良好な焼結鉱を安定して製造することができるので、高炉操業を安定化し、生産性の向上や、燃料比の低下に寄与する。
以下、本発明について詳細に説明する。図1に、焼結用原料を造粒した擬似粒子の構造を示す。
擬似粒子は、通常、粒径が1mm以上の粗粒鉄鉱石(核粒子)1の周囲に、細粒鉄鉱石(通常、粒径が1mm未満)2、石灰石粉3、および、コークス粉4が付着した(付着粉部)ものであるが、焼結過程において、コークスの燃焼熱により、先ず、低融点のカルシウムフェライト系の融液(以下「融液」という。)が生成し、この融液が付着粉部に侵入して付着粉の構成粒子を溶融または粒子同士を結合させ、また、核粒子の内部にも侵入し、核粒子の内部状態を変化させる。
図2に、焼結反応で擬似粒子が結合した焼結鉱の構造を示す。図2に示すように、焼結鉱は、基本的には、核粒子を主体とする元鉱部5、および、融液が侵入し同化反応が進行した核粒子表層部と付着粉部同士が融合し空隙7や気孔10を内包する融合部を含む基質部6からなり、基質部の性状、さらには、元鉱部の性状が、焼結鉱の品質(強度等)および成品歩留に大きく影響する。
それ故、上記基質部の性状、さらには、元鉱部の性状を何らかの指標で評価することができれば、鉄鉱石を選択し配合する際の指針となり、焼結鉱の品質、成品歩留を所要の値に制御できる。
そこで、本発明者は、特許文献1で「鉄鉱石粉の評価方法」を提案した。この方法は、鉄鉱石粉への融液浸透性を評価するもので、この融液浸透性は、焼結鉱の品質(強度等)および歩留に大きく影響する付着粉部同士の融合の程度・態様を表す指標となるものである。
また、非特許文献2に開示されている、微粉鉄鉱石と石灰石粉から成る混合粉を円柱状に成形したタブレットを高温で焼結した後、タブレットの底面積を測定して融液流動性を評価する方法を用いて評価しても、同様に、付着粉部分の融液生成挙動を正確に表すことができ、焼結鉱の品質(強度等)および歩留に大きく影響する付着粉部同士の融合の程度・態様を表す指標となる。
そこで、本発明においては、上記いずれかの方法で測定した微粉鉱石の銘柄特性を粉特性指数として指数化し、この指数を、焼結用原料の焼結特性を評価し、調整するための“指標”とすることを特徴とする。
また、本発明においては、微粉鉱石の銘柄特性を指数化することに加え、融液が侵入し同化反応が進行した核粒子表層部の性状を表す特性値を、核特性指数として指数化することを特徴とする。
さらに、本発明においては、上記2つの指数化に加え、配合原料中の結晶水割合、さらに、擬似粒子の構造や粒度分布に起因して焼結過程における焼結層の通気性が著しく劣った場合に、不均一焼成によって焼結鉱の強度や歩留が低下する現象を考慮し、粗粒鉄鉱石を核粒子とし細粒鉄鉱石を付着させて造粒した擬似粒子の通気特性を通気特性指数として指数化することを特徴とする。
そして、本発明においては、核特性指数、および/または、粉特性指数、さらに、配合原料中の結晶水割合および通気特性指数に基づいて、1種または2種以上の鉄鉱石を含む焼結用原料の焼結特性を評価するとともに、該評価結果に基づいて、焼結用原料に配合する鉄鉱石の種類を選択し、さらに、配合量または配合率を調整して、焼結特性の優れた焼結用原料を設計することを特徴とする。
1)まず、指数化について説明する。
(a)核特性指数
従来から、粒径1mm以上の粗粒鉄鉱石を核粒子として、その周囲に石灰石粉のみ、あるいは石灰石粉、微粉鉄鉱石および粉コークスからなる混合粉を付着させて造粒した擬似粒子について焼成(同化)試験を行い、粗粒鉄鉱石が生成した溶融と同化反応する際の同化率や同化性(通気性や生産性に影響する)により鉄鉱石の焼結特性を評価していた。
しかし、上記の同化率や同化性で、核粒子となる粗粒鉄鉱石の焼結特性を評価できても、同化率と焼結鉱の強度・歩留の関係が明確でなく、また、核粒子の同化性と、焼結鉱の同化後の組織が異なったりして、従来の同化試験による結果では、焼結鉱の品質、歩留と密接に相関する核粒子の焼結特性を適切に評価できていないのが実情である。
そこで、本発明では、核粒子となる粗粒鉄鉱石の同化後の焼成体における“焼成体気孔率”を、各種粗粒鉄鉱石の焼結特性を表す“指標”として採用する。
この“焼成体気孔率”(以下「気孔率」という。)は、核粒子(粗粒鉄鉱石)の周囲に生成した融液が、どれだけ核粒子の周囲において広がりかつ浸透し、核粒子の充填堆積層を緻密にするか、即ち、隣接する核粒子同士が強固に結合し塊成化できるかを表す“指標”である。
核粒子となる粗粒鉄鉱石の焼結特性を、“気孔率”(指標)で評価することについて、さらに説明する。
図1に、擬似粒子の構造を示し、図2に、焼結反応により擬似粒子が結合した焼結鉱の構造を示したが、図3〜5に、焼結反応により、図2に示す焼結鉱の構造に至る過程を示す。
図3に、図1に示す擬似粒子の付着粉部の構造を、一部(図1中、○印の部分)拡大して示す。空隙8を有する粗粒鉄鉱石1の周囲に、細粒鉄鉱石2と石灰石粉3が空隙7を残して付着している(なお、コークス粉は表示されていない。)。
図3に示す付着粉部において、コークス粉が燃焼し、擬似粒子が1200℃前後に加熱されると、図4に示すように、石灰石粉3と細粒鉄鉱石2との同化反応により、低融点の融液9(CaO・Fe:カルシュウムフェライト)が生成し始める。
融液9は、生成と同時に、付着粉部内の空隙7内に浸透していくが、重要なことは、図5に示すように、融液9が、迅速に、付着粉部内の空隙7内に広く浸透するとともに、粗粒鉄鉱石(核粒子)5の表層部に存在する空隙8にも浸透し、気孔10や空隙8の少ない緻密な核粒子の充填堆積層(結合相)を形成することである。
それ故、本発明では、同化反応後結合相中に残る気孔と元鉱部に残る空隙を“気孔”として捉え、その存在割合の“気孔率”を、鉄鉱石の焼結特性を表す“指標”とする。
上記充填堆積層の緻密度は、焼結鉱の品質(強度)・歩留と密接に相関し、気孔率が小さいほど、上記充填堆積層の緻密度は大きいから、核粒子(粗粒鉄鉱石)の特性は、(1−気孔率)に基づいて指数化する。
図6に、核特性指数(A)の技術的意味を模式的に示す。核特性指数(A)は、擬似粒子構造(a)の焼結用原料を焼結した時、元鉱部5と基質部6からなる焼結鉱の焼結組織が、緻密な組織(b)となるか、または、空疎な組織(c)となるかを、粗粒鉄鉱石1の特性に着目して判断する基準となるものである。
表1に、各種鉄鉱石につき測定した気孔率と、該気孔率に基づいて、各種粗粒鉄鉱石の特性を、核特性指数として指数化した例を示す。
表1に示す測定方法1の気孔率は、3〜5mmの各種粗粒鉄鉱石の周囲に、粒径−0.125mmの石灰石(CaCO)粉を、CaO/鉄鉱石=0.1となるように10g程度付着せしめ、これを、φ21mm×高さ15mmのNi坩堝に充填し(充填時の空隙率は、各種粗粒鉄鉱石につき一定とする。)、電気炉内で、室温から最高1273℃まで5分で加熱して、焼成し、その後、1275〜1100℃を4分で冷却し、1100℃からは空冷した焼成体において、底面から5mmの焼結体断面における50μm以上の空隙(焼成で生成した気孔を含む。)を測定して求めたものである。
測定方法2の気孔率は、3〜5mmの各種粗粒鉄鉱石の周囲に、付着粉として粒径−0.125mmの石灰石(CaCO)粉、微粉鉄鉱石粉およびコークス粉からなる混合粉を付着したものを用い、上記と同様の条件で焼成し、気孔率を測定した結果である。なお、混合粉の配合割合は、実機の擬似粒子中の付着粉層の組成に近くなるように調節した。
表1に示す測定方法1と測定方法2の気孔率には、測定条件の違いから多少の差が認められるが、核特性指数として評価する場合はその差による影響は僅かであることがわかる。すなわち、測定方法1と測定方法2のいずれの測定方法も用いても、鉱石銘柄の核鉱石としての特性を基づく評価が可能である。
また、気孔率の測定方法は、上記の測定法に限定されるものではない。本発明においては、測定値を核特性指数として指数化することが重要であるから、各種銘柄の鉄鉱石につき、一定の条件下で測定した測定値が得られればよい。
表1には、気孔率の測定値を基に(1−気孔率)を指数化した核特性指数を示したが、気孔率に替え、残留元鉱率を測定し、これを核特性指数として指数化してもよい。
残留元鉱率は、(R/s)×100(R:残留元鉱面積[残留元鉱:マクロ的に融液が浸透していない部分]、s:焼成体面積)で表され、(1−気孔率)に対応する指標である。
また、気孔率に替え、焼成体落下強度を測定し、これを核特性指数として指数化してもよい。焼成体落下強度は、直接、充填堆積層の緻密度に依存する指標であるから、核粒子特性を表す指標として好ましい。
本発明においては、核特性指数として指数化できる指標であれば、上記以外の指標を用いてもよいことは当然である。
Figure 2006097083
(b)粉特性指数
前述したように、本発明者は、特許文献1で、粒径1mm未満の細粒鉄鉱石の評価方法を提案した。この方法は、1mm未満の細粒鉄鉱石を成型した所定気孔率の成型体の上に、成型した低融点物質を載せ、大気中または低酸素雰囲気下で1000℃以上に昇温して低融点物質を溶融させ、その溶融した融液を上記成形体中に浸透せしめ、その融液が浸透した距離、断面積および体積の1種または2種以上を測定し、該測定値(融液浸透距離、断面積、体積)をもって、各種鉄鉱石の融液浸透性を評価する方法である。
この融液浸透距離(または断面積、体積)は、焼成時に擬似粒子の付着粉部において、初期に生成する低融点のカルシウムフェライト系融液と、鉱石微粉部の同化により生成する融液が流動する流動の程度を示すものであるから、各種銘柄の鉄鉱石の微粉粒子間における融液浸透性の差違を明確にし、焼結鉱の品質(強度等)および歩留に大きく影響する付着粉部同士の融合の程度・態様を表す指標となる。
融液浸透距離が大きいほど、生成した初期融液を付着粉部で広げることができ、より結合強度を増すことで、焼結鉱の品質(強度)、歩留を高めることができるから、融液浸透距離を、粉特性指数として指数化する。
また、非特許文献2には、円柱状に成型した微粉鉄鉱石と石灰石粉から成る混合粉のタブレットを高温で焼結した後、タブレットの底面積を測定して融液流動性を評価する方法が開示されている。
本発明者らは、この融液流動性の評価方法も、焼結の初期に微粉鉱石と石灰石粉との反応によって生成した低融点の初期融液が、その周辺の鉱石を溶かし込んで流動する挙動を、タブレットの変形具合で評価するものであり、特許文献1の評価方法における融液浸透距離と良い相関がある指標であることを確認している。
すなわち、配合設計に用いる微粉鉱石の特性を表す粉特性指数として、上記融液浸透距離の他に、上記タブレット焼成後の底面積の測定値が使用できる。
図6に、粉特性指数(B)の技術的意味を模式的に示す。粉特性指数(B)は、擬似粒子構造(a)の焼結用原料を焼結した時、元鉱部5と基質部6からなる焼結鉱の焼結組織が、緻密な組織(b)となるか、または、空疎な組織(c)となるかを、細粒鉄鉱石2の特性に着目して判断する基準となるものである。
表2に、各種鉄鉱石につき融液浸透距離、または、タブレット焼成後の底面積を測定し、該測定値に基づいて、各種細粒鉄鉱石の特性を、粉特性指数として指数化した例を示す。
なお、本発明において、表1に示した融液浸透距離に替えて、融液浸透断面積、または、融液浸透体積の測定値を用いて指数化することができ、細粒鉄鉱石の融液浸透性をより適切に評価できる。
Figure 2006097083
(c)通気特性指数
焼結鉱の歩留および強度については、上記の核特性指標と粉特性指標を用いて各種鉄鉱石の融液生成挙動により評価することが可能である。しかし、各種鉄鉱石の焼結生産性を適正に評価するためには、焼結鉱の歩留とともに焼結過程での焼結層の通気特性に大きく影響する擬似粒子の通気特性を評価指標に加える必要がある。
焼結過程における焼結層の通気性は、配合原料の擬似粒子の構造およびそれを構成する粒径分布によって大きく左右される。なお、各種鉄鉱石の擬似粒子の構造は、擬似粒子を構成する粗粒鉄鉱石(核粒子)の特性と付着部となる微粉鉄鉱石の特性に依存すると考えられるが、各種鉄鉱石の擬似粒子の構造を指数化するのは困難である。
このため、本発明では、粗粒鉄鉱石を核粒子とし所定の質量比の細粒鉄鉱石を所定の水分にて付着させて造粒した擬似粒子の通気性を測定し、通気性の測定値を指数化することにより、各種鉄鉱石の焼結生産性を精度よく評価する。
擬似粒子の通気性は、例えば、下記(3)式で定義されるJPUを用いてもよいが、本発明においては、通気性指数として指数化できる指標であれば、それ以外の指標を用いてもよいことは当然である。
JPU=通風量(Nm3/min)/通風面積(m2
×[層厚(mm)/吸引圧力(mmHO)]0.6 …(3)
また、本発明では、各種鉄鉱石の擬似粒子を構成する鉄鉱石の粒径分布に依存する平均粒径を通気性指数として用い、各種鉄鉱石の焼結生産性を評価することも可能である。
表3に擬似粒子の通気性測定値JPU、または、平均粒度を用いて指数化した通気性指数の一例を示す。
Figure 2006097083
2)次に、核特性指数、および/または、粉特性指数、および、通気性指数を用いて、各種鉄鉱石の焼結生産性指数を算出し、該指数に基づいて焼結用原料の焼結生産性を評価することについて説明する。
焼結鉱の強度、歩留は、本発明者らが特許文献5で提案した評価方法における鉄鉱石の核特性指数および/または粉特性指数により評価することができる。
なお、この場合、核特性指数および粉特性指数のどちらか一方で焼結特性を評価しても、大きな評価の間違いはないが、焼結用原料は粗粒鉄鉱石と細粒鉄鉱石を含むことから、その焼結特性は、粗粒鉄鉱石の焼結特性と細粒鉄鉱石の焼結特性が相乗したものとなることが予想される(図6、参照)。
しかし、鉄鉱石の生産性を適正に評価するためには、特許文献5で提案した評価方法では十分ではなく、上記核特性指数と粉特性指数に加えて、さらに、通気性指数を基に評価する必要がある。
それ故、本発明では、焼結用原料の焼結生産性を、総括的に適正に評価するため、下記式(1)、または、(2)に従って評価する。
SPI=k×A×B×(1−D/100)×C …(1)
SPI=A×B×(1−D/100)±nC …(2)
A:核特性指数、
B:粉特性指数
D:配合原料の結晶水割合(%)
C:通気特性指数
x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
z、w:通気性の寄与率で、0<z≦1、0<w≦1
n:通気性の寄与係数で、0<n≦15
k:係数
焼結用原料の通気特性は、鉱石の組合せ効果も考えられるので、本発明においては、通気特性指数が、核特性指数および粉特性指数に相乗的に寄与する場合と、相加的に寄与する場合とを想定し、上記の2式を定めた。
また、上記式(2)において、Dは、配合原料の鉄鉱石中の結晶水割合であり、配合原料中の結晶水が多い場合には、焼結過程で鉄鉱石中の結晶水が脱水するために、焼成歩留の低下とともに生産性が低下するため、焼結生産性評価の影響因子として考慮する。
なお、本発明では、核特性指数A、および/または、粉特性指数B、さらに、通気性指数Cで焼結生産性指数SPIを表示する関係式は、上記式(1)および(2)に限られるものではない。焼結生産性指数SPIが、焼結鉱の生産性と極めてよい相関関係を示す限りにおいて、どのような関数形式の式でもよい。
例えば、p・A×q・B/r・C、(p・A±r・C)・(q・B±r・C)でもよいし、また、p・A+q・B+r・C(p、q、r:係数、0<x、y、z)、でもよい。
焼結用原料が2種以上の鉄鉱石(粉)を含む場合には、上記2式において、核特性指数A、粉特性指数B、および、通気性指数Cは、それぞれ、下記式(1a)、式(1b)および式(1c)のとおりである。
A=Σ(a×p)/Σ(p) …(1a)
:鉄鉱石iの核特性指数
:粒径1mm以上の鉄鉱石iの配合率(%)
B=Σ(b×q)/Σ(q) …(1b)
:鉄鉱石iの粉特性指数
:粒径1mm未満の鉄鉱石iの配合率(%)
C=Σ(c×r)/Σ(r) …(1c)
:鉄鉱石iの通気特性指数
:鉄鉱石iの配合率(%)
本発明者の研究調査によれば、上記式(1)および(2)におけるxおよびyは、それぞれ、0.1以上0.5以下、および、0.5以上1以下が好ましく、さらに、それぞれ、0.3、および、1がより好ましい。
また、zは、0.2以上1.5以下が好ましく、さらに、0.5または1がより好ましい。
また、nは、0.5以上11以下が好ましく、さらに、1、1.5、2または10がより好ましい。
wは、0.2以上0.7以下が好ましく、さらに、0.5がより好ましい。
なお、係数kは、SPIの計算値の大きさを調整するものであり、利便性によって任意の値を与えてもかまわない。
ここで、2種以上の鉄鉱石を配合した焼結原料につき、表1および表2にそれぞれ示す各種鉄鉱石の核特性指数および粉特性指数と、表3に示す通気性特性指数を用い、表4に示す配合量(配合1〜8)のもとで、x=0.3、y=1、z=1、k=0.0125とした上記式(1)に従って焼結生産性指数SPIを計算した結果を、併せて表4に示す。
Figure 2006097083
そして、表4に示す焼結生産性指数SPIを有する焼結用原料を焼結(50kg鍋試験)して得た焼結鉱の生産率と、焼結生産性指数SPIの関係を図7に示す。
これらの図から、焼結鉱の生産率と上記式(1)から求めた焼結生産性指数は、極めてよい相関関係にあることが分かる。
また、上記式(2)において、x=0.3、y=1、w=1、n=1 とした焼結生産性指数SPIと、焼結鉱の生産率との関係を図8に示す。
これらの図から、焼結鉱の生産率と上記式(2)で求めた焼結生産性指数は、極めてよい相関関係にあることが分かる。
3)次に、各種鉄鉱石の焼結生産性指数SPIに基づいて、焼結用原料の配合設計する方法について説明する。
前述したように、本発明の各式で定義する焼結生産性指数SPIは、焼結鉱の生産率と極めてよい相関関係を示すので、1種または2種以上の鉄鉱石を含む焼結用原料の焼結生産性指数SPIに基づいて、該焼結用原料を焼結して得られる焼結鉱の生産率を精度よく推定することができる。
鉄鉱石は、成分組成が似ていても鉱床(産地)の相違で、鉱石の性状・形態が全く異なるから、このような鉄鉱石を2種以上配合した焼結用原料から強度および成品歩留、生産率の優れる焼結鉱を製造しようとする場合には、従来、試行錯誤により、鉄鉱石の配合量または配合率を決めざるを得なかった。
しかし、本発明によれば、事前に焼結用原料の生産性指数を知ることにより、焼結鉱の生産率を精度よく推定できる。即ち、本発明に従い焼結用原料の焼結生産性を評価することにより、焼結用原料の特性の適否を判断することができ、この評価結果に基づいて、焼結用原料に配合する鉄鉱石の種類、配合量および配合率を選択、調整することができる。
本発明においては、焼結特性指数を算出するのに、核特性指数、粉特性指数、および、通気特性指数を用いたが、さらに、焼結に影響を与える原料生産性、例えば、造粒性、鉄鉱石の付着力、最適含水量などを指数化して、焼結生産性指数の算出に加えてもよい。
(実施例1)
表5に示す配合例のように、焼結用原料を所定の割合に配合し、石灰石や蛇紋岩、珪石等のその他副原料の割合を調整して、焼結鉱のSiO、CaO/SiO、MgOの割合を大きく変化させないようにした。このように調整した配合原料を焼結鍋試験で焼結して冷間強度、成品歩留、生産率を測定した。
表1、表2、および、表3にそれぞれ示す核特性指数、粉特性指数、および、通気特性指数を用い、式(1)(x=0.3、y=1、Z=1、k=0.0125)で算出した焼結生産性指数SPI、実測した生産率を表5中に示す。なお、表5には、参考に実測した焼結鉱の冷間強度と成品歩留も示した。
その結果、配合1に比べて、配合2の方が、焼結生産性指数SPIは高く、焼結鉱の高生産性が達成できる鉱石配合であると評価できた。実測した焼結鉱の生産性も配合2の方が優れていることから、本発明の評価方法により、焼結鉱の生産性を適正に評価できることがわかる。
また、参考に実測した焼結鉱の冷間強度と成品歩留も、同様に、本発明の評価法により適正に評価できることがわかる。
Figure 2006097083
(実施例2)
次に、焼結面積480mで焼結パレット幅4mの実機焼結機において、本発明法を適用する操業を実施した。本発明法では、ベース条件での式(1)(X=0.3、y=1、z=1、k=0.0125)で算出した焼結生産性指数SPIは155であった。焼結鉱の生産率が低下傾向の時には、焼結生産性指数SPIを向上させるように、焼結用原料の配合を調節した。
1週間に2〜3回の頻度で焼結原料の配合変更を行いながら、本発明法適用前後の焼結鉱の冷間強度、成品歩留、および、焼結鉱の生産率の変動を調べた。
図9に、2ヶ月間の実機焼結機の操業における本発明法適用前後の焼結鉱の生産率、成品歩留、および、冷間強度の実測値と、焼結生産指数SPIの推移を示す。本発明法適用後は、焼結原料の配合変更を頻繁に行っても、焼結生産性指数SPIを155の一定に維持したので、焼結鉱品質および成品歩留を確保しつつ、焼結鉱の生産率を高位に安定させて推移させることができた。焼結鉱の生産率が安定するとともに、焼結鉱品質のバラツキが低減したので、高炉操業が極めて安定する結果を得た。
焼結用原料を造粒した擬似粒子の構造を模式的に示す図である。 焼結反応により擬似粒子が結合した焼結鉱の構造を模式的に示す図である。 図1に示す擬似粒子の構造を一部拡大して示す図である。 付着粉部において、焼結反応の初期に生成した融液の態様を示す図である。 同化反応が進行し、融液が付着粉部内の空隙と粗粒鉱石(核粒子)表層部の空隙に浸透した態様を示す図である。 核特性指数および粉特性指数の技術的意味を示す図である。(a)は、擬似粒子の構造を示す図である。(b)は、緻密な焼結組織を示す図であり、(c)は、空疎な焼結組織を示す図である。 式(1)の焼結生産性指数SPIと焼結鉱の生産率の関係を示す図である。 式(2)の焼結生産性指数SPIと焼結鉱の生産率の関係を示す図である。 2ヶ月間の実機焼結機の操業における本発明法適用前後の成品歩留、冷間強度の推移を示す図である。
符号の説明
1 粗粒鉄鉱石(+1mm以上)
2 細粒鉄鉱石(−1mm未満)
3 石灰石粉
4 コークス粉
5 元鉱部
6 基質部
7、8 空隙
9 融液
10 気孔
A 核特性指数
B 粉特性指数

Claims (27)

  1. 各種鉄鉱石の1種または2種以上を所定の配合率で含む焼結用原料の特性を評価する評価方法において、各種鉄鉱石のそれぞれを粗粒と細粒に分け、
    (1)各種粗粒鉄鉱石の特性を核特性指数として指数化し、および/または、
    (2)各種細粒鉄鉱石の特性を粉特性指数として指数化し、さらに、
    (3)配合原料中の結晶水割合を鉱石配合割合から算出し、
    (4)粗粒鉄鉱石を核粒子とし細粒鉄鉱石を付着させて造粒した擬似粒子の通気特性を通気特性指数として指数化し、
    (5)核特性指数および/または粉特性指数、さらに、配合原料中の結晶水割合と通気特性指数に基づいて、上記焼結用原料の焼結生産性を評価する
    ことを特徴とする焼結用原料の評価方法。
  2. 前記粗粒鉄鉱石が粒径1mm以上の鉄鉱石であり、前記細粒鉄鉱石が粒径1mm未満の鉄鉱石であることを特徴とする請求項1に記載の焼結用原料の評価方法。
  3. 前記粗粒鉄鉱石の特性が、粗粒鉄鉱石に石灰石粉を付着させて造粒した擬似粒子の焼成体における気孔率であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結用原料の評価方法。
  4. 前記粗粒鉄鉱石の特性が、粗粒鉄鉱石に石灰石粉、微粉鉄鉱石およびコークス粉からなる混合粉を付着させて造粒した擬似粒子の焼成体における気孔率であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結用原料の評価方法。
  5. 前記細粒鉄鉱石の特性が、成型した細粒鉄鉱石の上に成型した低融点物質を置いて焼成した時、低融点物質の融液が上記細粒鉄鉱石の内部に浸透する距離、断面積および体積の1または2以上を測定して確認する融液浸透性であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結用原料の評価方法。
  6. 前記細粒鉄鉱石の特性が、円柱状に成型した微粉鉄鉱石と石灰石粉からなる混合粉を焼成した後、底面積を測定して確認する融液流動性であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結用原料の評価方法。
  7. 前記鉄鉱石の通気特性が、粗粒鉄鉱石を核粒子とし所定の質量比の細粒鉄鉱石を所定の水分にて付着させて造粒した擬似粒子の通気特性であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結用原料の評価方法。
  8. 前記鉄鉱石の通気特性が、前記擬似粒子中の鉄鉱石の平均粒度であることを特徴とする請求項1または2に記載の焼結用原料の評価方法。
  9. 前記核特性指数および/または粉特性指数、さらに、結晶水割合と通気特性指数に基づいて、下記式(1)で定義する焼結生産性指数SPIを算出し、該焼結生産性指数SPIに基づいて、前記焼結用原料の焼結生産性を評価することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の焼結用原料の評価方法。
    SPI=k×A×B×(1−D/100)×C …(1)
    A:核特性指数
    B:粉特性指数
    D:配合原料の結晶水割合(%)
    C:通気特性指数
    x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
    y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
    z:通気特性の寄与率で、0<z≦1
    k:係数
  10. 前記核特性指数および/または粉特性指数、さらに、結晶水割合と通気特性指数に基づいて、下記式(2)で定義する焼結生産性指数SPIを算出し、該焼結特性指数SPIに基づいて、前記焼結用原料の焼結生産性を評価することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の焼結用原料の評価方法。
    SPI=A×B×(1−D/100)±nC …(2)
    A:核特性指数
    B:粉特性指数
    D:配合原料の結晶水割合(%)
    C:通気特性指数
    x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
    y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
    n:通気特性の寄与係数で、0<n≦15
    w:通気特性の寄与率で、0<z≦1
  11. 前記核特性指数Aが、下記式(1a)で定義されるものであることを特徴とする請求項9または10に記載の焼結用原料の評価方法。
    A=Σ(a×p)/Σ(p) …(1a)
    :鉄鉱石iの核特性指数
    :粒径1mm以上の鉄鉱石iの配合率(%)
  12. 前記粉特性指数Bが、下記式(1b)で定義されるものであることを特徴とする請求項9または10に記載の焼結用原料の評価方法。
    B=Σ(b×q)/Σ(q) …(1b)
    :鉄鉱石iの粉特性指数
    :粒径1mm未満の鉄鉱石iの配合率(%)
  13. 前記通気特性指数Cが、下記式(1c)で定義されるものであることを特徴とする請求項9または10に記載の焼結用原料の評価方法。
    C=Σ(c×r)/Σ(r) …(1c)
    :鉄鉱石iの通気特性指数
    :鉄鉱石iの配合率(%)
  14. 各種鉄鉱石の1種または2種以上を所定の配合率で含む焼結用原料を設計する配合設計方法において、各種鉄鉱石のそれぞれを粗粒と細粒に分け、
    (1)各種粗粒鉄鉱石の特性を核特性指数として指数化し、および/または、
    (2)各種細粒鉄鉱石の特性を粉特性指数として指数化し、さらに、
    (3)配合原料中の結晶水割合を鉱石配合割合から算出し、
    (4)粗粒鉄鉱石を核粒子とし細粒鉄鉱石を付着させて造粒した擬似粒子の通気特性を通気特性指数として指数化し、
    (5)核特性指数および/または粉特性指数、さらに、配合原料中の結晶水割合と通気特性指数に基づいて、下記式(1)で定義する焼結生産性指数SPIを算出し、
    (6)上記焼結生産性指数SPIに基づいて、上記焼結用原料の焼結生産性を評価し、
    (7)評価結果に基づいて、上記焼結用原料に配合する鉄鉱石の配合率を調整する
    ことを特徴とする焼結用原料の配合設計方法。
    SPI=k×A×B×(1−D/100)×C …(1)
    A:核特性指数、
    B:粉特性指数
    D:配合原料の結晶水割合(%)
    C:通気特性指数
    x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
    y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
    z:通気特性の寄与率で、0<z≦1
    k:係数
  15. 各種鉄鉱石の1種または2種以上を所定の配合率で含む焼結用原料を設計する配合設計方法において、各種鉄鉱石のそれぞれを粗粒と細粒に分け、
    (1)各種粗粒鉄鉱石の特性を核特性指数として指数化し、および/または、
    (2)各種細粒鉄鉱石の特性を粉特性指数として指数化し、さらに、
    (3)配合原料中の結晶水割合を鉱石配合割合から算出し、
    (4)粗粒鉄鉱石を核粒子とし細粒鉄鉱石を付着させて造粒した擬似粒子の通気特性を通気特性指数として指数化し、
    (5)核特性指数および/または粉特性指数、さらに、配合原料中の結晶水割合と通気特性指数に基づいて、下記式(2)で定義する焼結生産性指数SPIを算出し、
    (6)上記焼結生産性指数SPIに基づいて、上記焼結用原料の焼結生産性を評価し、
    (7)評価結果に基づいて、上記焼結用原料に配合する鉄鉱石の配合率を調整する
    ことを特徴とする焼結用原料の配合設計方法。
    SPI=A×B×(1−D/100)±nC …(2)
    A:核特性指数
    B:粉特性指数
    D:配合原料の結晶水割合(%)
    C:通気特性指数
    x:核特性の寄与率で、0≦x≦1(ただし、y=0のときx≠0)
    y:粉特性の寄与率で、0≦y≦1(ただし、x=0のときy≠0)
    n:通気特性の寄与係数で、0<n≦15
    w:通気特性の寄与率で、0<z≦1
  16. 前記(5)の焼結生産性指数SPIの算出、前記(6)の焼結生産性の評価、および、前記(7)の配合率の調整を、焼結生産性指数が所定の値に達するまで繰り返し行うことを特徴とする請求項14または15に記載の焼結用原料の配合設計方法。
  17. 前記粗粒鉄鉱石が粒径1mm以上の鉄鉱石であり、前記細粒鉄鉱石が粒径1mm未満の鉄鉱石であることを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の焼結用原料の配合設計方法。
  18. 前記粗粒鉄鉱石の特性が、粗粒鉄鉱石に石灰石粉を付着させて造粒した擬似粒子の焼成体における気孔率であることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の焼結用原料の配合設計方法。
  19. 前記粗粒鉄鉱石の特性が、粗粒鉄鉱石に石灰石粉、微粉鉄鉱石およびコークス粉からなる混合粉を付着させて造粒した擬似粒子の焼成体における気孔率であることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の焼結用原料の評価方法。
  20. 前記細粒鉄鉱石の特性が、成型した細粒鉄鉱石の上に成型した低融点物質を置いて焼成した時、低融点物質の融液が上記細粒鉄鉱石の内部に浸透する距離、断面積および体積の1または2以上を測定して確認する融液浸透性であることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の焼結用原料の配合設計方法。
  21. 前記細粒鉄鉱石の特性が、円柱状に成型した微粉鉄鉱石と石灰石粉からなる混合粉を焼成した後、底面積を測定して確認する融液流動性であることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の焼結用原料の配合設計方法。
  22. 前記鉄鉱石の通気特性が、粗粒鉄鉱石を核粒子とし所定の質量比の細粒鉄鉱石を付着させて所定の水分にて造粒した擬似粒子の通気特性であることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の焼結用原料の配合設計方法。
  23. 前記鉄鉱石の通気特性が、前記擬似粒子中の鉄鉱石の平均粒度であることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の焼結用原料の配合設計方法。
  24. 前記核特性指数Aが、下記式(1a)で定義されるものであることを特徴とする請求項14または15に記載の焼結用原料の配合設計方法。
    A=Σ(a×p)/Σ(p) …(1a)
    :鉄鉱石iの核特性指数
    :粒径1mm以上の鉄鉱石iの配合率(%)
  25. 前記粉特性指数Bが、下記式(1b)で定義されるものであることを特徴とする請求項14または15に記載の焼結用原料の配合設計方法。
    B=Σ(b×q)/Σ(q) …(1b)
    :鉄鉱石iの粉特性指数
    :粒径1mm未満の鉄鉱石iの配合率(%)
  26. 前記通気性特指数Cが、下記式(1c)で定義されるものであることを特徴とする請求項14または15に記載の焼結用原料の配合設計方法。
    C=Σ(c×r)/Σ(r) …(1c)
    :鉄鉱石iの通気特性指数
    :鉄鉱石iの配合率(%)
  27. 前記焼結用原料中の粒径0.25mm以下の割合が25%以下であることを特徴とする請求項14または15に記載の焼結用原料の配合設計方法。
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