JP2005517421A - 電気喫煙システムと方法 - Google Patents

Abstract

シガレット及び電気ライターを含む電気喫煙システムであって、充填されたタバコロッド部分を画成するようにタバコ材料で一部分充填されたチューブ状タバコマットを包囲するラッパーと充填されていないタバコロッド部分を含むシガレット。ラッパーはシガレットの喫煙中に生成されるタバコ煙の気体成分を減少させるのに有効なアンモニウム含有化合物充填剤を含む。前記システムは少なくとも一つのヒーターブレード及び電力サイクルに従ってヒーターブレードの加熱を制御するように適合されたコントローラーを含むライターを含んでなり、前記ライターは前記ヒーターブレードがシガレットの加熱領域を加熱するようにシガレットを少なくとも一部分収容するように配置されている。前記コントローラーはラッパー充填剤として炭素カルシウムのみを有するシガレットを喫煙することと比較して、タバコ煙中の少なくとも一つの気体成分の含有量を減少させながらタバコロッド部分を加熱することによって生成されるタバコ煙の送達を可能にする予め決定された温度範囲にヒーターブレードの加熱を制限するように操作可能である。減少されることができる気体成分は一酸化炭素、１，３−ブタンジエン、イソプレン、アクロレイン、アクリロニトリル、シアン化水素、ｏ−トルイジン、２−ナフチルアミン、酸化窒素、ベンゼン、ＮＮＮ、フェノール、カテコール、ベンゾ（ａ）アントラセン、及びベンゾ（ａ）ピレンを含む。

Description

本発明は電気喫煙システム及び喫煙中の気体成分を減少する方法に関する。

伝統的なシガレット（紙巻きタバコ）は、ラップされたタバコロッドの一方の末端に点火し、次いでそのシガレットのマウスピース末端を吸引して主に該点火末端を通じて空気を吸い込むことによって消費される。伝統的なシガレットは燃焼してタバコ煙を送達し、その燃焼中、タバコの集合体が一回の吸煙中にしばしば８００℃を越える温度で燃焼する。その燃焼熱によって、タバコから各種の気体燃焼生成物と留出物が放出される。これらの気体生成物は、シガレットを通じて吸い込まれると、冷却し凝縮して喫煙に伴う風味と香りを含有するタバコ煙を生成する。伝統的なシガレットは、吸煙（ｐｕｆｆ）間にくすぶっている間副流煙を生成する。シガレットは一旦点火されれば、完全に消費するか又は廃棄するしかない。伝統的なタバコに再点火することは可能であるが、違いの分かる喫煙者にとっては、主観的な理由（フレーバー、風味、香り）で通常魅力のない提案である。

電気喫煙システムでは、より伝統的なシガレットによる喫煙者の経験、例えば即時の反応（吸い込みと同時に起こるタバコ煙の送達）、望ましい送達量（ＦＴＣのタール含量と相関関係がある）及び望ましい吸い込み抵抗（ｒｅｓｉｓｔａｎｃｅ ｔｏ ｄｒａｗ）（ＲＴＤ）及び吸煙毎及びシガレット毎のバラツキがないことに合致する方法でタバコ煙を送達することが望ましい。

本願と譲受人が同じである米国特許第５０６０６７１号、第５１４４９６２号、第５３７２１４８号、第５３８８５９４号、第５４９８８５５号、第５４９９６３６号、第５５０５２１４号、第５５３０２２５号、第５５９１３６８号、第５６６５２６２号、第５６６６９７６号、第５６６６９７８号、第５６９２２９１号、第５６９２５２５号、第５７０８２５８号、第５７５０９６４号、第５９０２５０１号、第５９１５３８７号、第５９３４２８９号、第５９５４９７９号、第５９６７１４８号、第５９８８１７６号、第６０２６８２０号及び第６０４０５６０号は電気喫煙システムとシガレットの製造方法を開示している。なおこれらの特許は本願に援用するものである。

発明の概要
本発明のシガレット及びライターを含む電気喫煙システムを提供する。前記シガレットは充填されたタバコロッド部分を画成するようにタバコ材料で一部分充填されたチューブ状タバコマットを含み、前記充填されたタバコロッド部分はシガレットの自由末端と隣合っている。前記シガレットは充填されたタバコロッド部分を包囲するラッパーを含み、前記ラッパーはセルロース系ウェブ材料及び少なくとも一つの充填剤を含み、前記充填剤は、アンモニウム含有化合物を、タバコロッド部分の燃焼／熱分解により生成されるタバコ煙中の気体成分の含有量を減少させるのに有効な量で含む。前記ライターは少なくとも一つのヒーターブレード及び電力サイクルに従ってヒーターブレードの加熱を制御するように適合されたコントローラーを含み、前記ライターは前記ヒーターブレードがシガレットの加熱領域を加熱するようにシガレットを少なくとも一部分収容するように配置されており、前記コントローラーはタバコ煙中の少なくとも一つの気体成分の含有量を減少させながらタバコ煙を生成させるように５００℃以下の温度に加熱領域の加熱を制限するように操作可能であり、前記少なくとも一つの気体成分は一酸化炭素、１，３−ブタンジエン、イソプレン、アクロレイン、アクロニトリル、シアン化水素、ｏ−トルイジン、２−ナフチルアミン、酸化窒素、ベンゼン、ＮＮＮ，フェノール、カテコール、ベンゾ（ａ）アントラセン、及びベンゾ（ａ）ピレンを含む。

図面の簡単な説明
本発明の様々な特徴は、図面に示されている。図中、同じ番号は類似の要素を示す。
図１は本発明の好ましい実施態様の喫煙システムの斜視図であり、該システムのシガレットが電気作動式ライター内に挿入されている。
図２は図１に示す喫煙システムであって、喫煙が終わってシガレットがライターから取り出された喫煙システムの斜視図である。
図３Ａは波形ヘアピン発熱体と好ましい空気供給システムの部分を含む、図１に示すヒーター取付具の一部分の詳細部分斜視図である。
図３Ｂは図３Ａに示す波形ヘアピン発熱体を含む好ましいヒーター取付具の側断面図である。
図３Ｃは図６に示すヒーター取付具中に挿入された図４に示すシガレットの側面図であり、該取付具は断面図で示してある。
図４は図１に示すシガレットの好ましい実施態様の詳細斜視図であり、シガレットの特定の構成要素は一部分分解して示してある。
図５は図１と図２に示すライターの好ましい制御回路の図式ブロック線図である。
図６はシガレットの自由末端がライター内の止め子と接触している図４に示すシガレットの側断面図である。
図７と図８は本発明による喫煙システムで生成されたタバコ煙の様々な気体成分の減少を示すグラフである。

図１と２を参照すると、本発明の好ましい一実施態様が、好ましくは一部充填されたフィルターシガレット２３と再使用可能なライター２５を有する喫煙システム２１を提供している。シガレット２３は、ライター２５の前部末端部分２９で開口しているシガレット収容器２７に挿入したり該収容器２７から取り出したりするように構成されている。シガレット２３が一旦挿入されると、喫煙システム２１はより伝統的なシガレットと非常によく似た方式であるが、シガレット２３に点火又はくすぶらせることなしに使用される。シガレット２３は一回以上の吸煙のサイクルの後廃棄される。

好ましくは各シガレット２３は、一回の喫煙当たり合計８回の吸煙（吸煙サイクル）以上の吸煙を提供するが、利用可能な吸煙の合計数を調節して増減することは適切な設計上の問題である。好ましい実施態様では、シガレット２３は、その自由末端１５に隣接して位置する通孔１２からなる少なくとも一つの周辺リングと、任意に通孔１４の第二の単一もしくは複数のリングと、任意にシガレット２３の外側ラッパーの下側に複数の通孔１６を備えている。

ライター２５はハウジング３１を備え、そのハウジング３１は前ハウジング部分３３と後ハウジング部分３５を有している。１個以上の電池３５ａが後ハウジング部分３５内に着脱自在に設置されて、複数の電気抵抗発熱体３７（図３Ａ〜３Ｃに示す）を含むヒーター取付具３９にエネルギーを供給する。発熱体３７が、シガレット収容器２７の中間部分にそってシガレット２３を摺動して収容するように、前ハウジング部分３３内に配置されている。ヒーター取付具３９のベース３００に配置された止め子１８３がシガレット受容器２７の末端を画成している。

コントローラーは前ハウジング部分３３に制御回路４１を含み、この制御回路が、各喫煙サイクルを実施中に、電池３５ａと１個以上の発熱体３７の間の電気連通を選択的に行う。本発明の好ましい実施態様は、ライター内の空気の導入やルーチングを行う空気管理システムに関する詳細部分を含み、その側面のより詳細な考察が図３Ｃを参照して始まる。

図１と２を参照すると、好ましくはライターハウジング３１の後部分３５は、電池を取り替えやすくするため、例えばねじ又はスナップ嵌合部材によって容易に開閉するように構成されている。所望により、家庭用電流などを供給する充電器で電池に再充電するため電気ソケット又は電気接点を設けてもよい。好ましくは前ハウジング部分３３は、例えばあり継ぎ又はソケット嵌合で後ハウジング部分３５に着脱自在に接合される。

電池３５ａはヒーター３７が意図する通りに機能するのに充分な電力を提供する大きさであり、そして取替え可能でかつ再充電可能なタイプのもので構成されていることが好ましい。代わりの電源、例えばコンデンサも適切である。好ましい実施態様では、電源が無負荷全電圧が約４．８〜５．６ボルトの範囲内にある直列に接続された４個のニッケル−カドミウム電池で構成されている。しかし、この電源の特性は喫煙システム２１の他の部品の特性、特に発熱体３７の特性を考慮して選択される。本願と譲受人が同じ米国特許第５１４４９６２号には、本発明の喫煙システムに関連して有用ないくつかのタイプの電源、例えば再充電可能な電池源、及び電池とその電池で再充電されるコンデンサを含む電源装置などが記載されている。なおこの特許は本願に援用するものである。

図２を詳細に参照すると、好ましくは、喫煙者がシガレット２３を吸い始めるときに生じる圧力の変化又は空気流量の変化に感受性の吸煙で作動するセンサ４５によって、回路４１が作動される。吸煙で作動するセンサ４５は好ましくは、ライター２５の前ハウジング部分３３内に配置され、そしてヒーター取付具３９の側壁部分１８２を通じて延びるポート４５ａによって、シガレット２３に隣接するヒーター取付具３９内側の空間と連通している。喫煙システム２１に使用するのに適切な吸煙で作動するセンサ４５は本願と譲受人が同じ米国特許第５０６０６７１号と同第５３８８５９４号に記載されており、これら特許の開示事項は本願に援用するものである。吸煙センサ４５は好ましくはＦｕｊｉｋｕｒａ Ｌｔｄ． Ｍｏｄｅｌ ＦＳＳ−０２ＰＧである。もう一つの適切なセンサは、米国イリノイ州フリーポート所在のＨｏｎｅｙｗｅｌｌ， Ｉｎｃ．のＭｉｃｒｏＳｗｉｔｃｈ ｄｉｖｉｓｉｏｎが製造しているＭｏｄｅｌ １６３ＰＣ０１Ｄ３５シリコンセンサである。また、流量検知器、例えば熱線風速測定法の原理を利用する検知器は空気流量の変化を検出することにより、発熱体３７の適当な一つを作動させるのに有用であることを示すのに成功している。制御回路系４１は、センサ４５によって作動されると、電流を発熱体３７のうちの適当な一つに電流を導く。

表示器５１がライター２５の外側にそった部位、好ましくは前ハウジング部分３３に設置され、一本のシガレット２３を喫煙する場合に残っている吸煙回数を示す。表示器５１は好ましくは７セグメントの液晶ディスプレイである。好ましい実施態様では、表示器５１はシガレット検出器５７がヒーター取付具３９内にシガレットが存在していることを検出すると、数字「８」に連関する区分された画像を表示する。検出器５７は、好ましくはヒーター取付具３９のシガレット収容器２７に隣接する誘導コイル１１０２、及びそのコイル１１０２を制御回路系４１内の振動性回路と連通する電気リード線１１０４を備えている。シガレット２３が収容器２７内に挿入されるといつでも、検出器５７がシガレットの存在を示す信号を回路系４１に発するように、コイル巻線１１０２のインダクタンスに作用することができるフォイルリングなどが、シガレット２３の内部に保持されている。制御回路系４１が次に表示器５１に信号を送る。表示器５１の数字「８」のディスプレイは、各シガレット２３に対し提供される８回の吸煙を利用できることを示し、すなわち吸煙サイクルは始まっておらず、かつどの発熱体３７も付勢されてシガレット２３を加熱していないことを示している。シガレット２３が完全に喫煙されると、表示器は数字「０」を表示する。シガレット２３をライター２５から取り出すと、シガレット検出器５７はシガレット２３の存在をもはや検出しないので表示器５１が作動しない。

シガレット誘導検出器５７の作動と詳細は、本願と譲受人が同一の米国特許第５９０２５０１号に記載されている。なおこの特許は全体を本願に援用するものである。検出器５７として先に記載したものの代わりに、他の検出器、例えば米国テキサス州７５００６、キャロルトン、ウエストクロスビーロード１２１５に所在のＯＰＴＥＸ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ，Ｉｎｃ．製造のＴｙｐｅ ＯＰＲ５００５光センサなどを利用することができる。

残りの吸煙カウントを表示する代わりに、検出器のディスプレイを、代わりに該システムが稼動しているのか又は稼動していないのか（「オン」か又は「オフ」か）を示すようにしてもよい。

上記シガレット検出器５７の代わりに使用できる代替物の一つとして、機械的スイッチ（図示せず）を設置して、シガレット２３の存在の有無を検出することができ、そしてリセットボタン（図示せず）を設置して、新しいシガレットがライター２５内に挿入されたとき回路系４１をリセットして、例えば表示器５１に数字「８」などをディスプレイさせることができる。本発明の喫煙システム２１に有用な電源、回路系、吸煙作動センサ及び表示器は、本願と譲受人が同じ米国特許第５０６０６７１号、同第５３８８５９４号及び同第５５９１３６８号に記載されており、これらの特許は本願に援用するものである。

ここで図３Ａと３Ｂを参照すると、ライター２５の前ハウジング部分３３はほぼ円筒形のヒーター取付具３９を収容し、その取付具の発熱体３７が摺動してシガレット２３を収容する。ヒーター取付具３９は、挿入されたシガレット２３を発熱体３７に対し固定して支持するように構成されていて、発熱体３７は新しく挿入された各シガレット２３にそったほぼ同じ位置に、シガレット２３にそって配置されている。好ましい実施態様では、ヒーター取付具３９が、シガレット収容器２７の対称軸の周りに同軸で配置された８個の互いに平行の発熱体３７を備えている。各発熱体３７の完全に挿入されたシガレット２３に当たっている部位（又は該シガレット２３と熱連通している部位）は本明細書ではヒーターフットプリント又は炭化領域４２と呼称する。好ましい実施態様では、該炭化領域は、シガレット２３の自由末端１５から約９ｍｍの位置から延び始まって約１４ｍｍの長さになる。勿論、これらの関係は異なるライターやシガレットの設計で変えることができる。例えば他のモデルでは、炭化領域４２はシガレット２３の自由末端から１２ｍｍから２３ｍｍの位置まで延びている。

図３Ｃを参照すると、シガレットからシガレットへと各シガレット２３に対する発熱体３７の安定した配置を保証するため、ヒーター取付具３９はベース部分３００を備えており、そのベース部分３００はシガレット２３がライター２５のシガレット収容器２７中に挿入されている間、シガレット２３の自由末端１５が押し当てられているカップ状止め部材１８３を有している。カップ状形態の止め部材１８３は、シガレット２３が完全に挿入されたときシガレット２３の自由末端１５を閉鎖する（遮断する）ように配置構成され、その結果、空気は自由末端１５から吸い込むことができず、代わりにシガレット２３の側壁にそってのみ吸い込むことができる。

さらに図３Ａと３Ｂを参照すると、発熱体３７は波形ヘアピン発熱体３７と本明細書で呼ばれている設計のものが最も好ましく、その発熱体は各々、末端部分（先端）５４で連結している少なくとも第一と第二の細長い蛇行部材５３ａと５３ｂを備えている。該先端５４はシガレット収容器２７の開口５５に隣合っている。各発熱体３７の反対側の末端５６ａと５６ｂは、電源３５ａの逆の電極に電気的に接続され、これは制御器４１が選択して行う。より具体的に述べると、各発熱体３７を通る電気経路はそれぞれ、ターミナルピン１０４、ピン１０４と一方の蛇行部材５３ａの自由末端部分５６ａとの間の接続部１２１を通り、少なくとも先端５４の部分を通じて他方の蛇行部材５３ｂとその末端部分５６ｂへと確立される。好ましくは一体に形成された共通接続リング１１０が、細長い部材５３ｂの全ての末端部分５６ｂ間の共通電気接続を行う。好ましい実施態様では、リング１１０が、リング１１０とピン１０５の間の接続部１２３を通じて電源３５ａ（又は共通電源）の陽端子に接続されている。ヒーター取付具３９の電気接続の構造と確立のさらなる詳細は、本願と譲受人が同じ米国特許第５０６０６７１号、同第５３８８５９４号及び同第５５９１３６８号に例示説明されており、これらの特許は全て本願に援用するものである。ヒーター部分５３ａ，５３ｂ及び５４は本願でヒーターブレード１２０と呼ばれているものを形成している。

ヒーター取付具３９の他の好ましい設計は、まっすぐなヘアピン発熱体３７（本願と譲受人が同じ米国特許第５５９１３６８号に記載されている）、及び「単一蛇行」発熱体（本願と譲受人が同じ米国特許第５３８８５９４号に記載されている）の形態の発熱体を備えている。なおこれらの特許は全体を本願に援用するものである。

ライター２５の一部として作動可能な追加の発熱体３７としては、譲受人が本願と同じ米国特許第５６６５２６２号と同第５４９８８５５号に開示されている発熱体があり、これら特許は全体を本願に援用するものである。

好ましくは、ヒーター３７は回路系４１による制御下、電源３５ａによって個々に付勢されて、シガレット２３の周縁の間隔を置いた部位を好ましくは８回加熱する。その加熱によって、より伝統的なシガレットの喫煙で一般に達成されるのと同様に、シガレット２３から８回吸煙できるようになる。１回目もしくは２回目以後又は全ての吸煙に対して、二つ以上のヒーターを同時に付勢することが好ましいであろう。

ここで図４を参照すると、シガレット２３は好ましくは譲受人が本願と同じ米国特許第５４９９６３６号に記載されている好ましい実施態様に従って製造される。なおこの特許は、全体を本願に援用するものである。

特に図３Ａ，３Ｂ及び３Ｃを参照すると、吸煙センサ４５は好ましくは、ヒーター取付具３９の内部にポート４５ａを通じて連通されている。好ましくは、ポート４５ａはヒーター取付具３９のベース部分３００に隣合って配置されている。このような配置によって、ポート４５ａ及びヒーター取付具３９の本体を通じて該ポートにいたる隣接経路が破片又はタバコ煙の凝縮物によって詰まることになる危険が最小限になる。

ヒーター取付具３９は空気入口ポート１２００を備え、そのポート１２００は通孔が形成された環体１２０４と該収容器２７の本体によって少なくとも一部分が画成されているマニホルド１２０２と連通している。その環体１２０４は、空気が空気入口ポート１２００とマニホルド１２０２を通じてライター内に吸い込まれるときに圧力降下が最低になるように、好ましくは直径が約０．０２９インチの通孔１２０６を４個備えている。通孔１２０６の大きさと数は変えることができるが、これら通孔は挿入されたシガレット２３に対して吸い込み動作を行ったとき、圧力降下がライターに入る空気に対して誘発され、その結果吸煙センサ４５が作動して吸煙が開始されたことを認識するよう充分に圧力が降下するように配置構成されている。好ましい実施態様では、環体１２０４の通孔１２０６は約２５ｍｍ±５ｍｍ水柱のＲＴＤを誘発する。環体１２０４で誘発される圧力降下の範囲は、圧力センサ４５が検出可能な圧力降下の範囲内であるが、その要求に対しては最小限にして、所望のＲＴＤ（吸い込み抵抗）の残りの部分はシガレット２３が主としてもたらすように選択しなければならない。好ましい実施態様では、ＲＴＤの総合計は４〜５インチ水柱（１００〜１３０ｍｍ水柱）が望ましく、環体１２０４で起こるＲＴＤは約２５ｍｍ水柱である。従ってシガレット２３のＲＴＤは、好ましくはライター２５内に挿入されたとき約７５〜１０５ｍｍ水柱のＲＴＤの範囲内にあり、そしてライター２５のもたらす圧力降下は約２５ｍｍ水柱である。本発明によるシガレットのＲＴＤの調節は、シガレット２３の充填部分８８に通孔１２（及び任意に通孔１４）を設けてその数と程度を調節することによって行う。

収容器２７に隣合って配置されている環体１２０４の通孔１２０６は、さもないと通孔１２０６を詰まらせかねない破片と凝縮物の発生源から離して配置することが有利である。

吸煙開始時にライターに吸い込まれた空気は、シガレットにそってヒーター取付具３９のベース部分３００の方に向いた実質的に縦方向（軸線方向）の速度成分で入る。ベース部分３００に隣合っている流れデフレクターすなわち環状空気スウープ（ａｎｎｕｌａｒ ａｉｒ−ｓｗｏｏｐ）１２１０が入ってくる空気流の少なくとも一部分を、挿入されたシガレット２３の方へ戻して導くことによって、システム２１のタバコ煙出力（送達量）を高めることが発見された。理論に縛られたくないが、空気スウープ１２１０は空気流を、通孔１２を有するシガレット２３の領域の方に導こうとすると考えられる。環状空気スウープ１２１０は、好ましくは完全に挿入されたシガレット２３に対して、空気スウープ１２１０が通孔１２を有するシガレット２３にそった全部位を取り囲むように配置される。

空気スウープ１２１０が金属で製造されるか又は代わりに、ヒーター取付具３９の全本体部分がステンレス鋼などの金属で製造されるか、又はヒーター取付具３９の少なくとも一部分が挿入されたシガレット２３に隣合って配置されると、空気スウープ１２１０の機能が改善されることが発見されたのである。このようにすることによって送達量を１ｍｇＴＰＭ（ＦＴＣ）増加することができる。

シガレット２３はタバコロッド６０とフィルターチッピング６２を有し、これらはチッピングペーパー６４によって連結されている。シガレット２３のタバコロッド６０は、好ましくはタバコウェブすなわち「マット」６６を有し、このマット６６はその一方の末端がフリーフローフィルター７４の周りにそして他方の末端がタバコプラグ８０の周りにチューブ状（円筒）形態に折り曲げられている。あるいは酢酸セルロース製のプラグをタバコプラグ８０の代わりに使用してもよい。タバコプラグ８０の縦方向（軸線方向）の大きさが、一部充填されたシガレット２３のタバコ充填部分８８を画成する。

オーバーラップ７１が、タバコウェブ６６の周りを充分に包み、より伝統的なシガレットを製造する際に一般的であるように、縦方向のシームにそって保持されている。オーバーラップ７１は、フリーフローフィルター７４とタバコプラグ８０の周りを包む状態でタバコウェブ６６を保持している。

タバコウェブ６６は、それ自体好ましくはベースウェブ６８及びベースウェブ６８の内面にそって配置されたタバコ材料の層７０で構成されている。タバコロッド６０のチップされた末端において、タバコウェブ６６はオーバーラップ７１とともにチューブ状フリーフローフィルタープラグ７４の周りを包んでいる。好ましくはタバコプラグ８０はタバコウェブ６６とは別個に製造されて、好ましくはプラグラップ８４内に包まれて保持されたカットフィラータバコ（ｃｕｔ ｆｉｌｌｅｒ ｔｏｂａｃｃｏ）の比較的短いカラムで構成されている。

全体問題としてタバコプラグ８０の長さは、好ましくは空洞９０がタバコロッド６０にそってフリーフローフィルター７４とタバコプラグ８０の間に作られるように、タバコロッド６０の全長に対して設定される。空洞９０はタバコロッド６０の充填されていない部分に相当し、タバコロッド６０のフリーフローフィルター７４を通じてチッピング６２と直接流体連通している。

チッピング６２は、好ましくはタバコロッド６０に隣合って配置されたフリーフローフィルター９２及びチッピング６２のタバコロッド６０に対する遠位末端に位置するマウスピースフィルター９４で構成されている。フリーフローフィルター９２は好ましくはチューブ状であって、空気を極めて小さい圧力降下で送る。しかし、標準配置構成の他の低効率フィルターを代わりに使用できる。フリーフローフィルター９２の内径は好ましくは２〜６ｍｍであり、そして好ましくはタバコロッド６０のフリーフローフィルター７４の内径より大きい。

マウスピースフィルタープラグ９４が、外観のためにチッピング６２の自由末端を閉鎖し、そして所望により、いくらか濾過を行うためマウスピースフィルタープラグ９４は好ましくは約１５〜２５％の効率を有する低効率フィルターで構成されていることが好ましい。

さらに図４を参照すると、一部充填シガレット２３は好ましくはシガレット２３のタバコロッド部分の自由末端１５に隣合った部位に少なくとも一列の通孔１２を有している。好ましくは通孔１２の列は１２個の通孔を有しているが、Ｈａｕｎｉ Ｍｏｄｅｌ ５００−１オンラインレーザーパーホレーターシステムを４００マイクロ秒のパルス幅で設定した場合のスリット１７（パーフホール（ｐｅｒｆ−ｈｏｌｅ））として作ってもよい。通孔１２の列の各パーフホール１７は、好ましくは外部ラッパー７１を貫通し、タバコマット６６及びプラグラップ８４を貫通して延びている。

ここで図２を参照すると、好ましくは通孔１２の列は、炭化領域４２の末端部分４２ａに又はその末端部分４２ａに隣合って配置されている。このような配置は、加熱された空気がタバコプラグ８０中に入るのを促進し、そして吸煙サイクル中の熱分解に対し他の追加の有利な作用を作り出して、送達量（ＴＰＭ−ＦＴＣ）が高まると考えられる。

送達量をさらに改善するため、先に述べたようなパーフホール１７を有する追加の単一又は複数の通孔１４の列を、好ましくはタバコロッド６０の充填部分８８にそった部位で、炭化領域すなわちフットプリント４２が重なっているかまた少なくとも一部分が重なっている位置に及び／又は代わりにシガレット２３の自由末端１５に隣り合わせて設けてもよい。上記後者の代わりの実施態様では、通孔１４の第二の列がシガレット２３の自由末端１５から約４ｍｍの位置に設けられている。通孔１２又は１４の列のいずれか又は両者が、一列又はニ列のパーフホール１７で構成されていてもよい。

パーフホール１７の数と大きさは、二つの対抗する考慮すべき事項に従って決定される。上記のような通孔１２と１４の列を追加すると、シガレット２３の送達量を高めるのに寄与する。しかし通孔１２と１４の列を各々追加すると、ＲＴＤがシガレット２３の側壁にそって低下する。好ましくは電気喫煙システム２１の総合計ＲＴＤは、伝統的シガレットによる経験とほぼ同じ吸い込み抵抗、約４〜５インチ水柱（約１００〜１３０ｍｍ水柱）程度、８０〜１３０ｍｍ水柱を喫煙者に提供しなければならない。

発熱体３７への合計２３．８ジュールのエネルギー入力で、シガレットの自由末端１５から１２ｍｍの部位に、通孔１２の二重列を有するシガレット２３は（各列１２個ずつの通孔を有する二重列）、３ｍｇＴＰＭ（ＦＴＣ）よりかなり大きい送達量を生成できることが分かった。通孔１４の第二の単一又は複数の列を追加することによって、それ以上の送達量を得ることができる。

しかし、パーフホール１７の追加の列は各々ＲＴＤを低下させるが、ＲＴＤは好ましくは全システム２１に対して水１００ｍｍ水柱以上にとどめるべきである。与えられたシガレット２３に対して追加の送達量が望ましく、しかもＲＴＤのレベルがその最低限に近いことが分かったならば、追加の送達量は、マット６６自体に円周方向に間隔を置いて配置した複数の通孔１６を設けることによって達成することができる。好ましくはマット材料６６の必要とする引張り強さが維持されてかつ機械生産に耐えることができるように、マット通孔１６は各々直径が約１ｍｍでかつ好ましくは数が６個である。好ましくはこれらの通孔は、図７に示すようなオポージングパンチ−アンドダイローラーアセンブリー（ｏｐｐｏｓｉｎｇ ｐｕｎｃｈ−ａｎｄ−ｄｉｅ ｒｏｌｌｅｒ ａｓｓｅｍｂｌｙ）２４０で作られ、このアセンブリーは米国特許第５６６６９７６号に記載されているように、シガレット製造操作においてマットの送り経路にそって配置されている。なおこの特許は本願に援用するものである。

マット６６の通孔１６は好ましくは外側ラッパー７１で覆われる。通孔１２，１４の列はいずれも好ましくはマット通孔１６の列の位置から離して配置されているので、これらの列はオーバーラップしない。好ましい実施態様では、マット通孔１６はシガレット２３の自由末端１５から約７ｍｍ離れた位置に配置され、そして通孔１２の二重列はシガレット２３の末端１５から約１２ｍｍ離れた位置に配置されている。このように配置されると、そのシガレットは６ｍｇＴＰＭ（ＦＴＣ）以上を達成する。マット通孔１６は、パーフホール１７の列を各々追加することによって経験されるのと同程度にＲＴＤを減らすことなく、シガレット２３に追加の送達量を与えることができて有利である。従って、通孔１２，１４の列を利用してシガレット２３に対する所望の送達量レベルに近づけることができ、マット通孔１６はＲＴＤに対する影響をより少なくして送達量を調節する又は増やすために利用される。

より伝統的なシガレットは、約８０ｍｍ〜１３０ｍｍ水柱の吸い込み抵抗（ＲＴＤ）を示す。本発明の電気喫煙システムのライターは、シガレットなしで試験すると約２０〜３０ｍｍ水柱のＲＴＤを示す。本明細書で教示するようなレーザーによる通孔とマット通孔を有する本発明のシガレットは、それ自体で（電気喫煙システムのライターの外側で）吸うと、約２０〜３０ｍｍ水柱のＲＴＤを示すが、挿入すると電気喫煙システム（ライターと完全に挿入されたシガレット）は約５０〜７５ｍｍ水柱のＲＴＤを生じる。

ここで図２及び５を参照すると、ライター２５の電気制御回路系４１は論理回路１９５を備え、この回路は好ましくはマイクロコントローラー又は特定用途向け集積回路（すなわち「ＡＳＩＣ」）を備えている。またその制御回路系は、ライター２５のシガレット収容器２７へのシガレット２３の挿入を検出するシガレットセンサ５７、挿入されたシガレット２３に対する吸い込みを検出する吸煙センサ４５、シガレットに残っている吸煙の回数を示すＬＣＤインディケーター５１、電源３５ａ及びタイミングネットワーク１９７を備えている。

論理回路１９５は、本明細書で考察される機能を実行できるどんな通常の回路を有していてもよい。利用者書き込み可能ゲイトアレイ（例えば、米国カリフォルニア州サニーベール所在のＡｃｔｅｌ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手できるタイプＡＣＴＥＬ Ａ１２８０Ａ ＦＰＧＡ ＰＱＦＰ １６０）又はマイクロコントローラーをプログラムして、ディジタル論理機能を他の構成要素によって実施されるアナログ機能とともに実施できる。ＡＳＩＣ又はマイクロコントローラーはアナログ機能とディジタル機能の両方を一つの構成要素で実施できる。本発明の制御回路４１と論理回路１９５に類似の制御回路系と論理回路系の特徴は、例えば譲受人が本願と同じ米国特許第５３８８５９４号、同第５５０５２１４号、同第５５９１３６８号及び同第５４９９６３６号に開示されている。なおこれら特許は全体を本願に援用するものである。またそれ以上の詳細事項は、譲受人が本願と同じでかつ同時係属中の米国特許第６０４０５６０号に提供されている。なおこの特許は全体を本願に援用するものである。

好ましい実施態様では、８個の個々の発熱体３７が電源３５ａの陽端子に、及び対応する電界効果トラジスター（ＦＥＴ）のヒータースイッチ２０１〜２０８を通じて大地に接続されている。ヒータースイッチ２０１〜２０８の個々の（又は選択された）スイッチはそれぞれ論理回路１９５によって電力サイクルを実行中、論理回路１９５の制御下、端子２１１〜２１８を通じてターンオンする。論理回路１９５はヒータースイッチ２０１〜２０８のうちの特定のスイッチを付勢及び消勢する信号を発して、ヒーター取付具３９の対応する発熱体３７を付勢及び消勢する。

論理回路１９５は、タイミング回路１９７と協働して予め定められた全サイクルピリオド（「Ｔ_{ｔｏｔａｌ}」）に従って各発熱体３７の付勢と消勢を正確に実施し、そして各全サイクルピリオドを予め定められた数の相に正確に分割する。なお各相はそれ自体予め定められた時間のピリオド（「ｔ_{ｐｈａｓｅ}」）を有している。好ましい実施態様では、全サイクルピリオドＴ_{ｔｏｔａｌ}は１．６秒になるように選択され（喫煙者のシガレットに対する吸い込みに通常関連する２秒間より短くなるように余裕を見て）、そして全サイクルピリオドＴ_{ｔｏｔａｌ}は好ましくは二つの相に分割されて、第一相は予め定められたタイムピリオド（「ｔ_{ｐｈａｓｅ１}」）が１．０秒であり、そして第二相は予め定められたタイムピリオド（「ｔ_{ｐｈａｓｅ２}」）が０．６秒である。全サイクルピリオドＴ_{ｔｏｔａｌ}、相の合計数、及びそれぞれの相のピリオドは、とりわけそれぞれの発熱体３７とシガレット２３の隣接している部分との間の好ましい熱相互作用（「熱プロフィル（ｔｈｅｒｍａｌ ｐｒｏｆｉｌｅ）」又は「熱ヒストグラム（ｔｈｅｒｍｏ ｈｉｓｔｏｇｒａｍ）」を正確に反復実施する処理能力を制御回路４１内に確立するため、下記の教示に従って決定されるパラメータである。その上に、好ましい熱ヒストグラムが一旦確立されると、特定のパラメータ（好ましくは各相内のデューティサイクル）は、上記電池放電サイクルに含まれている電圧Ｖｉｎの範囲全体にわたって電力サイクル毎に予め定められた熱ヒストグラムを正確に反復実施するように、制御回路４１によって動的に調節される。

吸煙作動センサ４５は、喫煙者の活動（すなわち充分な持続時間にわたる圧力又は空気流量の連続的降下）を示す信号を論理回路１９５に送る。論理回路１９５は、シガレットに対する小さい空気圧変動とより長時間維持された吸い込みとを識別する非バウンド化ルーチンを有し、吸煙作動センサ４５からの誤信号に反応した発熱体の不測の作動を回避する。吸煙作動センサ４５は、演算増幅器を駆動するのに使用されるピエゾ抵抗圧（ｐｉｅｚｏｒｅｓｉｓｔｉｖｅ ｐｒｅｓｓｕｒｅ）センサ又はオプティカルフラップセンサを備えているとよい。なお該演算増幅器の出力は、次に論理信号を論理回路１９５に供給するのに使用される。喫煙システムに接続して使用するのに適切な吸煙作動センサとしては、米国イリノイ州フリーポート所在のＨｏｎｅｙｗｅｌｌ，Ｉｎｃ．のＭｉｃｒｏＳｗｉｔｃｈ ｄｉｖｉｓｉｏｎが生産しているＭｏｄｅｌ １６３ＰＣ０１Ｄ３５シリコンセンサ、又は米国カリフォルニア州フレモント所在のＬｕｃａｓ−Ｎｏｖａから入手できるタイプＮＰＨ−５−０２．５ＧＮＯＶＡセンサ、又は米国カリフォルニア州サニーベール所在のＳｅｎＳｙｍ Ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｅｄから入手できるタイプＳＬＰ００４Ｄセンサがある。

シガレットセンサ５７はシガレット収容器２７に配置されて、シガレット２３がライター２５内に挿入されたことを示す信号を論理回路１９５に送る。シガレットが収容器２７に完全に挿入されたかどうかを確認するため、任意に第二センサを止め子１８３の隣に配置してもよい。

エネルギーを一定に保つため、吸煙作動センサ４５とシガレットセンサ５７を低いデューティサイクル（例えば約２〜１０％のデューティサイクル）でオン−オフサイクルさせることが好ましい。例えば、吸煙作動センサ４５は１０ミリ秒毎に１ミリ秒間ターンオンさせることが好ましい。例えば、吸煙作動センサ４５は四つの連続パルス（すなわち４０ミリ秒のピリオドにわたる）中のシガレットに対する吸煙を示す圧力降下又は空気流量の検出をすると、端子２２１を通じて論理回路１９５に信号を送る。論理回路１９５は次に、端子２１１〜２１８のうちの適当な一つの端子を通じて信号を送って、ＦＥＴヒータースイッチ２０１〜２０８のうちの適当な一つのスイッチをターンオンする。

同様に、シガレットセンサ５７は１０ミリ秒毎に１ミリ秒間ターンオンすることが好ましい。例えばシガレットセンサ５７が、シガレット２３がライター２５内に存在していることを示す四つの連続反射パルスを検出したならば、光センサが信号を端子２２３を通じて論理回路１９５に送る。論理回路１９５は次に、信号を端子２２５を通じて吸煙作動センサ４５に送って吸煙作動センサをターンオンする。また論理回路１９５は、信号を端子２２７を通じてインディケーター５１に送ってそれをターンオンする。上記変調法は、吸煙作動センサ４５とシガレットセンサ５７が必要とする時間平均電流を減らして電源３７の寿命を延長する。

論理回路１９５はＰＲＯＭ（プログラム可能読取専用メモリ）３０１を含み、ＰＲＯＭ３０１は好ましくは少なくとも二つのデータベースすなわち「参照表」３０２と３０４を有し、そして任意に第三のデータ−ベース（参照表）３０６と場合によっては第四の参照表３０７を有している。参照表３０２，３０４（及び任意に３０６，３０７）は各々、電池の電圧Ｖ_ｉｎを示す信号と即時電力サイクルのそれぞれの相を実行するのに使用すべきデューティサイクル（第一相に対する「ｄｃ_１」及び第二相に対する「ｄｃ_２」）を示す信号に変換する。第三と第四の参照表３０６と３０７は同様に機能する。

電力サイクルが始まると、論理回路は電池電圧Ｖ_ｉｎを示す信号を受信し、次に即時読取Ｖ_ｉｎを第一参照表３０２に参照して、電力サイクルの第一相を開始するためのデューティサイクルｄｃ_１を確立する。第一相は、タイミングネットワーク１９７が第一相の予め定められたタイムピリオド（ｔ_{ｐｈａｓｅ１}）が経過したことを示す信号を提供するまで続き、その結果論理回路１９５はＶ_ｉｎと第二参照表３０４を参照して、第二相開始のためのデューティサイクルｄｃ_２を確立する。第二相は、タイミングネットワーク１９７が第二相の予め定められたタイムピリオド（ｔ_{ｐｈａｓｅ２}）が経過したことを示す信号を提供するまで続き、その結果タイミングネットワーク１９７は、端子２２９で論理回路１９５にシャットオフ信号を提供する。任意に論理回路１９５は第三相を開始し第三デューティサイクルｄｃ_３を確立することができ、そしてそのシャットオフ信号は第三相（ｔ_{ｐｈａｓｅ３}）の予め定められたピリオドが経過してしまうまで生成しないであろう。類似の方式が第四相（ｔ_{ｐｈａｓｅ４}）によって任意に確立できる。本発明は追加の相でも同様に実施できる。

本発明は前記参照表の参照を各相の初期部分に限定して、各相の実質的な全体にわたって適用すべきデューティサイクルを確立することによって実行できるが、洗練（ｒｅｆｉｎｅｍｅｎｔ）と好ましいプラクチスは、デューティサイクルとして設定された数値を制御回路が各相を通って進行するとき、電池電圧の揺らぎに反応して動的に調節するためにＶｉｎをそれぞれの参照表３０２，３０３，３０６及び３０７とともに連続的に参照するように配置構成された論理回路１９５をもつことである。このような装置は所望の熱ヒストグラムをより正確に繰り返す。

他のタイミングネットワーク回路配置構成と論理回路、例えば譲受人が本願と同じ米国特許第５３８８５９４号、同第５５０５２１４号、同第５５９１３６８号、同第５４９９６３６号及び同第５３７２１４８号に記載のものも使用できる。これらの特許は全て全体を本願に援用するものである。

操作中、シガレット２３がライター２５に挿入され、次いでシガレットの存在がシガレットセンサ５７によって検出される。そのシガレットセンサ５７は、信号を端子２２３を通じて論理回路１９５に送る。論理回路１９５は電源３５ａが充電されているかどうか、又は即時電圧が許容可能な最小Ｖ_{ｉｎ ｍｉｎ}より低いかどうかを確かめる。シガレット２３をライター２５中に挿入した後、論理回路１９５が電源３５ａの電圧が低すぎＶ_{ｉｎ ｍｉｎ}より小さいことを検出すると、インディケーター５１が明滅し、次いで電源３５ａが再充電されるか又は取り替えられるまでライターのそれ以上の作動が阻止される。また電源３５ａの電圧は発熱体３７が発熱中監視され、そして電圧が予め定められた値より低く降下すると、発熱体３７の発熱は中断される。

電源３５ａが充電されて電圧が充分なレベルになると、論理回路１９５は信号を端子２２５を通じて吸煙センサ４５に送って、喫煙者がシガレット２３を吸っているのかどうかを確認する。同時に論理回路１９５は信号を端子２２７を通じてインディケーター５１に送り、その結果ＬＣＤが数字「８」を表示し、８回の吸煙を利用できることを示す。

論理回路１９５は持続した圧力降下又は空気流量が検出されたという信号を、吸煙作動センサ４５から端子２２１を通じて受信すると、信号を端子２３１を通じてタイマーネットワーク１９７に送ってタイマーネットワークを付勢し、次にそのタイマーネットワークが先に述べた方式で相単位で機能し始める。また論理回路１９５はダウンカウントルーチンによって前記８個の発熱体のうちのどの発熱体が加熱されることになっているかを確認して、信号を適当な端子２１１〜２１８を通じて送り、ＦＥＴヒータースイッチ２０１〜２０８のうちの適当な一つをターンオンする。その適当なヒーターはタイマーが作動中そのままの状態である。

タイミングネットワーク１９７がタイマーが作動を停止したことを示す信号を端子２２９を通じて論理回路１９５に送ると、特定のターンオン状態のＦＥＴヒータースイッチ２１１〜２１８がターンオフされて、電力を特定の発熱体３７から除く。また論理回路１９５はダウンカウントし、信号をインディケーター５１に端子２２７を通じて送り、その結果インディケーターは一回少ない吸煙が残っていること（例えば第一吸煙の後の「７」）を表示する。喫煙者がシガレット２３に対し次の吸煙を行うと、論理回路１９５はＦＥＴヒータースイッチ２１１〜２１８のうちの別の予め定められた一つをターンオンして、これら発熱体のうちの別の予め定められた一つに電力を送る。このプロセスはインディケーター５１がシガレット２３に吸煙できる余地がもはや残っていないことを意味する「０」を表示するまで繰り返される。シガレット２３をライター２５から取り出すと、シガレットセンサ５７はシガレットが存在しないことを示し、次いで論理回路１９５はリセットされる。

例えば米国特許第５５０５２１４号、同第５３８８５９４号及び同第５３７２１４８号に記載されている他の特徴は、前記特徴の代わりに又は前記特徴に加えて制御回路系４１に組み込むことができる。なおこれらの特許は本願に援用するものである。例えば、所望により各種の動作不能化の特徴を提供してもよい。その動作不能化の特徴の一つのタイプとしては、連続する吸煙があまりに接近して行われるのを防止して、電源３５ａに回復する時間があるようにするタイミング回路系（図示せず）がある。他の動作不能化の特徴としては、許可されていない製品がヒーター取付具３９内に挿入された場合、発熱体３７を動作不能にする手段がある。例えば、シガレット２３は発熱体３７が付勢される前にライター２５が認識しなければならない識別特性を備えていてもよい。

ここで図６を参照すると、本発明の好ましい実施態様によって製造されたシガレット２３がタバコロッド６０とフィルターチッピング６２を備え、これらはチッピングペーパー６４によって連結されている。このシガレットを製造中、通孔２６３をタバコロッド６０の外表面の一以上の部位に作ることができる。

一部分充填されたフィラーシガレット２３は、好ましくはその長さにそって直径がほぼ一定であり、かつより伝統的なシガレットのように好ましくは直径が約７．５ｍｍ〜８．５ｍｍであるので、喫煙システム２１は喫煙者によく知られた「唇触感」を提供する。好ましい実施態様では、シガレット２３は全長が約６２ｍｍなので、シガレット２３を包装するのに従来の包装機械を使用しやすい。マウスピースフィルター９４とフリーフローフィルター９２を結合した長さは好ましくは３０ｍｍである。チッピングペーパーは好ましくはタバコロッド６０の上に重なって約６ｍｍ延びている。タバコロッド６０の全長は好ましくは３２ｍｍである。長さと直径のその外の寸法は、好ましい実施態様として先に引用した寸法の代わりに選択することができる。

シガレット２３のタバコロッド６０は、好ましくはチューブ形（円筒形）に折り曲げたタバコウェブすなわちタバコマット６６を有している。

オーバーラップ７１が密着してタバコウェブ６６を包み、より伝統的なシガレットを作る際に一般的なように縦方向のシームにそって結合されている。オーバーラップ７１は、フリーフローフィルター７４とタバコプラグ８０の周りを包む状態でタバコウェブ６６を保持している。

シガレットオーバーラップペーパー７１は、好ましくはタバコウェブ６６の周りを密着して包んで外観と触感をより伝統的なシガレットのようにする。オーバーラップペーパー７１が、標準タイプのシガレットペーパーの好ましくは亜麻紙（ｆｌａｘ ｐａｐｅｒ）であり、ＣＯＲＥＳＴＡが約２０〜５０で好ましくは約３０〜４５であり、坪量が約２３〜３５グラム／平方メートル（ｇ／ｍ^２）でより好ましくは約２３〜３０ｇ／ｍ^２であり、そして充填剤（好ましくは炭酸カルシウム）量が約２３〜３５重量％でより好ましくは２８〜３３重量％であると、より良好な風味のタバコ煙が得られることが分かった。なおＣＯＲＥＳＴＡは１ｃｍ^２の材料、例えばペーパーシートを１分間に１．０キロパスカルの圧力降下で通過する空気の量を立方センチメートルの単位で測定した値と定義されている。オーバーラップペーパー７１は、好ましくはクエン酸塩などの燃焼改質剤をほとんど含有しないか全く含有しないが、クエン酸塩の好ましい含量は、オーバーラップペーパー７１の０〜約２．６重量％の範囲内であり、より好ましくは１重量％未満である。

タバコウェブ６６自体は、好ましくはベースウェブ６８、及びベースウェブ６８の内表面にそって配置されたタバコ材料の層７０で構成されている。タバコロッド６０のチップされた末端７２において、タバコウェブ６６がオーバーラップ７１とともにチューブ状フリーフローフィルタープラグ７４の周りにラップされている。そのフリーフローフィルター７４（当該技術分野では「ホイッスル−スルー（ｗｈｉｓｔｌｅ−ｔｈｒｏｕｇｈ）」プラグとして知られている）は、構造を画成しかつタバコロッド６０のチップされた末端７２を保持し、そしてエーロゾルを最小の圧力降下でタバコロッド６０の内部から抜き取ることができる。またこのフリーフローフィルター７４は、タバコロッド６０のチップされた末端７２において流れ狭窄部として作動し、これはシガレット２３を吸煙中にエーロゾルが生成するのを促進するのに役立つと考えられる。フリーフローフィルターは、機械操作が容易になるように長さが好ましくは少なくとも７ｍｍであり、かつ好ましくは環状であるが円筒形フィルタープラグを含む他の形態やタイプの低効率フィルターが適している。

タバコロッド６０の自由末端７８において、タバコウェブ６６がオーバーラップ７１とともに円筒形タバコプラグ８０の周りにラップされている。好ましくはタバコプラグ８０はタバコウェブ６６とは別個に製造されて、プラグラップ８４内にラップされてプラグラップ８４によって保持されているカットフィラータバコの比較的短いカラムで構成されている。

好ましくはタバコプラグ８０は従来のシガレットロッド製造機械によって製造され、その機械によってカットフィラー（好ましくはブレンドしたもの）を、移動ベルト上で空気成形して（ａｉｒ ｆｏｒｍ）連続タバコロッドを作り、次にプラグラップ８４の連続リボンで包み込み、次いでその縦方向のシームにそって接着し次に熱シールする。本発明の好ましい実施態様によれば、プラグラップ８４は、好ましくは充填剤、サイズ剤又は燃焼添加剤をほとんど又は全く含有していない（各々、０．５重量％未満の含量）セルロース系ウェブで製造され、そしてサイズ剤はほとんど又は全く含有していない方が好ましい。タバコプラグラップ８４は、好ましくは１５ｇ／ｍ^２未満という低坪量であり、より好ましくは約１３ｇ／ｍ^２の坪量である。タバコプラグラップ８４は、好ましくは透過度が約２００００〜３５０００ ＣＯＲＥＳＴＡの範囲内にある高透過度であり、より好ましくは約２５０００〜３５０００ ＣＯＲＥＳＴＡの範囲内であり、好ましくは軟材繊維パルプ、アバカタイプのセルロースなどの長繊維パルプで製造される。このようなペーパーはドイツ、ゲルンスバック、Ｄ−７６５８４、Ｐｏｓｔｆａｃｈ １１５５に所在のＰａｐｉｅｒｆａｂｒｉｋ Ｓｃｈｏｅｌｌｅｒ ａｎｄ Ｈｏｅｓｃｈｔ ＧＭＢＨから入手できるが、プラグラップ８４として使用するのに適切なもう一つのペーパーは、カルボキシメチルセルロースを２．５重量％の含量で添加した、ＤｅＭａｕｄｕｉｔ ｏｆ Ｅｕｉｍｐｅｒｌｅ ＦＲＡＮＣＥから入手できるペーパーＴＷ２０００である。

タバコロッド製造機械はタバコロッドの密度が約０．１７〜０．３０グラム／立方センチメートル（ｇ／ｃｃ）になるように操作されるが、その密度はより好ましくは少なくとも０．２０〜０．３０ｇ／ｃｃの範囲内にあり、最も好ましくは約０．２４〜０．２８ｇ／ｃｃである。タバコロッド６０の自由末端７８が弛んだ末端にならないようにするためには高い密度が好ましい。しかしロッドの密度が低いと、タバコカラム８２はタバコ煙により多くのエーロゾルと風味を付与することができる。従って、エーロゾルの送達量（タバコカラム８２の密度の低い方が好都合である）と弛んだ末端の回避（ロッドの密度の範囲を上げた方が好都合である）との間にバランスをとらなければならない。

タバコカラム８２は、好ましくはブライトタバコ、バーレー種のタバコ及びオリエンタルタバコを、任意に再構成タバコ（ｒｅｃｏｎｓｔｉｔｕｔｅｄ ｔｏｂａｃｃｏ）及び伝統的なシガレットフレーバーを含む他のブレンド成分とともに含むブレンド物を含んでなる当該産業の典型的なタバコブレンドのカットフィラーで構成されている。しかし好ましい実施態様では、タバコカラム８２のカットフィラーは、アメリカの市場に対しては再構成タバコ又はアフターカットフレーバリング（ａｆｔｅｒ ｃｕｔ ｆｌａｖｏｒｉｎｇ）を含有することなく、約４５：３０：２５の比率のブライトタバコ、バーレー種タバコ及びオリエンタルタバコのブレンド物で構成されている。膨張タバコ成分（ｅｘｐａｎｄｅｄ ｔｏｂａｃｃｏ ｃｏｍｐｏｎｅｎｔ）が、任意にロッドの密度を調節するため前記ブレンド物に含まれていてもよく、そしてフレーバーを添加してもよい。

上記のようにして製造された連続タバコロッドは、タバコプラグ８０に対して予め定められたプラグ長で切断される。この長さは機械処理がしやすいように好ましくは少なくとも７ｍｍである。しかしその長さは、シガレット設計の選好に応じて約７ｍｍ〜２５ｍｍ又はそれ以上に変えることができる。このことは図７を特に参照して以下に述べる説明によって明らかになる。

一般問題としてタバコプラグ８０の長さは、タバコロッド６０の全長に対して空洞９１がタバコロッド６０にそってフリーフローフィルター７４とタバコプラグ８０の間に画成されるように設定することが好ましい。空洞９１はタバコロッド６０の充填されていない部分に相当し、タバコロッド６０のフリーフローフィルター７４を通じてチッピング６２と直接流体連通している。

特に図６を参照すると、タバコプラグ８０の長さとそのタバコロッド６０にそった相対的位置も、発熱体３７の特徴に関連して選択される。シガレットがライター２５内に止め子１８２に対して適性に配置されると、各発熱体３７の一部分９３がタバコロッド６０の領域にそってタバコロッド６０に接触する。この接触領域はヒーターフットプリント９５と呼称される。そのヒーターフットプリント９５（図２に二重矢印で示す）は、シガレット構造自体の一部ではなく、代わりに発熱体３７がシガレット２３の喫煙中に作動加熱温度に到達すると期待できるタバコロッド６０の領域を示す。発熱体３７はヒーター取付具の止め子１８２から固定距離９６の位置にあるので、ヒーターフットプリント９５は、ライター２５中に完全に挿入されるどのシガレット２３にもタバコロッド６０の自由末端７８から予め定められた同じ距離９６の位置にタバコロッド６０にそって常に位置している。

タバコプラグ８０の長さ、ヒーターフットプリント９５の長さ、及びヒーターフットプリント９５と止め子１８２の距離は、好ましくはヒーターフットプリント９５がタバコプラグ８０を越えて延びて、空洞９１の一部分に距離９８だけ重なるように選択される。またヒーターフットプリント９５が空洞９１（タバコロッド６０の充填されていない部分）と重なる距離９８は、「ヒーター−空洞オーバーラップ」９８と呼称される。ヒーターフットプリント９５の残りの部分がタバコプラグ８０と重なる距離は「ヒーター−フィラーオーバーラップ」９９と呼称される。

チッピング６２は、好ましくはタバコロッド６０に隣合って配置されたフリーフローフィルター９２と、チッピング６２のタバコロッド６０からみて遠位の末端に位置するマウスピースフィルタープラグ９４とを含んでいる。そのフリーフローフィルター９２は、好ましくはチューブ状であり、非常に小さい圧力降下によって空気を透過する。しかし、標準配置構成の他の低効率フィルターを代わりに使用できる。フリーフローフィルター９２の内径は好ましくは２〜６ｍｍであり、好ましくはタバコロッド６０のフリーフローフィルター７４の内径より大きい。

マウスピースフィルタープラグ９４は、外観のためチッピング６２の自由末端を閉鎖するが所望により、いくらか濾過を行うため、マウスピースフィルタープラグ９４は好ましくは約１５〜２５％の効率の低効率フィルターで構成されていることが好ましい。

フリーフローフィルター９２とマウスピースフィルタープラグ９４は、好ましくは結合プラグとして、プラグラップ１０１によって連結される。プラグラップ１０１は、シガレット製造の当業技術者が従来入手可能である多孔質で低重量のプラグラップが好ましい。上記結合プラグは、シガレット産業全体で標準の従来利用されている仕様のチッピングペーパー６４によって、タバコロッド６０に取り付けられる。そのチッピングペーパー６４は、装飾的な選好が提案される場合、コルク色、白色又は他のいずれの色であってもよい。

好ましい実施態様によって製造されたシガレット２３は、好ましくは全長が約６２ｍｍであり、全長のうち３０ｍｍがチッピング６２の結合プラグで構成されている。したがって、タバコロッド６０は長さが３２ｍｍである。タバコロッド６０のフリーフローフィルター７４は好ましくは長さが少なくとも７ｍｍであり、そしてフリーフローフィルター７４とタバコプラグ８０の間の空洞９１は好ましくは長さが少なくとも７ｍｍである。好ましい実施態様では、ヒーターフットプリント９５は長さが約１２ｍｍであり、そしてヒーター−空洞のオーバーラップ９８を３ｍｍにしてタバコプラグ８０に重なるヒーターフットプリント９５を９ｍｍ残すように配置される。

空洞９１の長さ、タバコプラグ８０の長さ及び通孔２６３の分布を調節して、製造を容易にすることができそしてより重要なことであるが、シガレット２３の喫煙特性をその風味、吸い込み及び送達量を含めて調節することができる。通孔２６３のパターン、空洞９１の長さ及びヒーター−フィラーオーバーラップ（及びヒーター−空洞オーバーラップ）の大きさも操作して、反応の即時性を調節し、送達量安定性（吸煙毎をベースにした及びシガレット間の）を促進し、そしてヒーターやヒーター周りのエーロゾルの凝縮を制御することができる。

好ましい実施態様では、空洞９１（タバコロッド６０のフィラーなしの部分）は、約７ｍｍ延びて、ヒーターフットプリント９５とフリーフローフィルター７４の間に充分な空隙を保証する。このようにして、ヒーターフットプリント９５が喫煙中、フリーフローフィルター７４を加熱しないように余白が設けられる。例えば製作公差が許せば他の長さも適切であり、空洞９１は、約４ｍｍ以下と短く配置構成することができ、又は他の極端な場合、タバコロッド６０にそって細長いフィラーなし部分を確立するため７ｍｍを充分超えて延ばすことができる。フィラーなし部分（空洞９１）の長さの好ましい範囲は、約４ｍｍ〜１８ｍｍであり、より好ましくは５〜１２ｍｍである。

他の実施態様では、シガレット２３は、全長が約６８ｍｍであり、全長のうち３６ｍｍがチッピング６２の結合プラグで構成されている。したがって、タバコロッド６０は長さが３２ｍｍである。タバコロッド６０のフリーフローフィルター７４は好ましくは長さが少なくとも１３ｍｍであり、そしてフリーフローフィルター７４とタバコプラグ８０の間の空洞９１は好ましくは長さが少なくとも７ｍｍである。

シガレットの長さにかかわらず、シガレットはフィルター材料を含むことができ、例えば空洞空間は活性炭、香料を付けられた活性炭(ｆｌａｖｏｒｅｄ ｃａｒｂｏｎ)、シリカゲル、又は他のフィルター材料を含むことができる。また、コントローラーはシガレットがＥＨＣＳＳに挿入されるとシガレットを温めるようにヒーター取付具を操作するようにプログラムされることができる。例えば、制御回路はヒーターブレードへのエネルギー（例えば約５〜６ジュールのエネルギー）の送出を引き起こして、これによりシガレットを温めて湿気がラッパーからシガレットの中心部分へと移動するように操作されることができる。

シガレットの喫煙中、コントローラーはヒーターブレードの一つを活性化してシガレットの外周に沿って加熱領域に熱を付与することが好ましい。例えば、加熱領域は本願と譲渡人が同じである米国特許第５７５０９６４号（ここに参照として組入れる）で言及されているように３〜２５ｍｍ^２の寸法であることができる。アンモニウム含有化合物充填剤を含むラッパーを有するシガレットのための好ましい加熱領域は１０〜２０ｍｍの長さを有し、１０〜２０ｍｍ^２の面積を被覆し、プログラムされた電力サイクルに従ってヒーターブレードに付与される熱の量は１５〜４０ジュールであることが好ましく、２０〜３５ジュールであることがさらに好ましい。かかる加熱により、加熱領域は５００℃までの温度に加熱されることができ、タバコマットは約２００〜３５０℃、好ましくは２２０〜３２０℃の温度に加熱されることができる。ヒーターブレードの抵抗加熱のため、ブレードの温度はその各々の縦方向末端ではいくらか低く、例えばブレードの温度はブレードがその最大温度に到達したときブレードの中央部分で２５〜５０℃高いかもしれない。

ヒーターブレードの制御された加熱をアンモニウム含有化合物充填剤を有するシガレットラッパーの使用と組合せると、タバコ煙の様々な構成成分が減少することが見出された。好ましいアンモニウム含有化合物充填剤はリン酸アンモニウムマグネシウム（ＡＭＰ）であり、ヒーターブレードはコントローラーによって活性化されたとき、上述のプログラムされた電力サイクルに従って２０〜３５ジュールのエネルギーを供給されることが好ましい。ヒーターブレードの加熱中の加熱領域に沿ったタバコマットの温度は２００〜４００℃であることが好ましく、２２０〜３２０℃であることがさらに好ましい。また、上述の通り、シガレットがレーザー通孔及び／又はマット通孔を含むことが好ましい。さらに、上述の通り、ＥＨＣＳＳが自由末端中への周囲空気の流れを最小化するためにシガレットの自由末端を閉塞すること、及びレーザー通孔及び／又はマット通孔に向かって周囲空気を指向するための空気スウープ（ｓｗｏｏｐ）を含むことが好ましい。

本発明によれば、ＥＨＣＳＳは次のようなシガレットを喫煙するために用いられる：シガレットラッパーがリン酸アンモニウムマグネシウム（ＡＭＰ）、好ましくは一水和物形態のＡＭＰの如きアンモニウム含有化合物充填剤を、シガレットの燃焼／熱分解により生成される煙中の複数の気体成分の含有量を減少させるのに有効な量で含むシガレット。炭酸カルシウムが単独の充填剤であるシガレットペーパーと比較すると、アンモニウム含有化合物充填剤が使用された場合、喫煙システムの主流煙中の気体構成成分の量を減少させることができる。かかる構成成分はアルデヒド（例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド）、一酸化炭素、１，３−ブタンジエン、イソプレン、アクロレイン、アクリロニトリル、シアン化水素、ｏ−トルイジン、２−ナフチルアミン、酸化窒素、ベンゼン、ＮＮＮ、フェノール、カテコール、ベンゾ（ａ）アントラセン、及びベンゾ（ａ）ピレンなどを含む。

図７〜８はＣａＣＯ_３充填剤と比較したアンモニウム含有化合物充填剤（即ち、一水和物形態のＡＭＰ）を有するシガレットを使用するＥＨＣＳＳで生成されたタバコ煙構成成分の相対的測定値の結果を示す。示される通り、ＴＰＭ、タール及び水の如き煙構成成分の一般レベルは両方のシガレットで実質的に同一であるが、ニコチン及びアクロレインレベルはアンモニウム含有化合物充填剤についていくらか減少し、残りの構成成分はアンモニウム含有化合物充填剤について劇的に減少する。このテストで減少しなかった一つの構成成分は２−ニトロプロパンである。また、図７〜８に示されていないが、タバコ煙中のアンモニアレベルはアンモニウム含有化合物充填剤について上昇する。

従来の軽い標準の参照シガレット（１Ｒ４Ｆ）と比較すると、リン酸アンモニウムマグネシウム（ＡＭＰ）がペーパーラッパーに組み込まれた本発明による電気的に加熱されるシガレットは、従来の軽い標準の参照シガレット（１Ｒ４Ｆ）と比較してｍｇＴＰＭあたりに基づいて約９０％の低濃度の一酸化炭素、１，３−ブタジエン、アクリロニトリル、ベンゼン、及びベンゾ（ａ）ピレンを生ずる。アルデヒドは４０％低かった（一つの例外はホルムアルデヒドであり、これは７５％低かった）。

本発明によるラッパーは従来の抄紙工程によって製造されることができ、そこでは煙中の気体成分の含有量を減少させるのに有効な低溶解度の充填剤が単独では又は他の充填剤材料との混合物としてセルロース系材料を含む水性スラリーに添加される。

一水和物の形態のＡＭＰ（ＭｇＮＨ_４ＰＯ_４・ｘＨ_２Ｏ、式中ｘは１である）は水に対する低溶解度を有するので、例えば充填剤が亜麻の如き紙の成分を含む水性分散液に実質的に不溶である従来の抄紙工程と適合することができる。つまり、アンモニウム含有化合物充填剤は充填剤として無傷で最終紙製品中に生き残ることができるほど十分抄紙工程中で安定である。これは抄紙工程中の乾燥ステップで生き残るのに十分な熱安定性を含む。アンモニウム含有化合物充填剤は喫煙工程中にアンモニウムを放出し、一方、煙中の低分子量アルデヒドの如き気体構成成分の含有量を減少させる。一水和物形態のＡＭＰ（モノ−ＡＭＰ）はジットマライト（ｄｉｔｔｍａｒｉｔｅ）としても知られており、原成分から由来されることができるか、又はストルバイト（ｓｔｒｕｖｉｔｅ）として知られる六価形態から一価形態へと変換されることができる。モノ−ＡＭＰは様々な表面積、様々な粒度（大部分はミクロン範囲の）を与えられることができ、適切な不透明度を有することでき、水への低い溶解度（抄紙のために要求される）を有することができ、シガレットペーパー用の充填剤で望ましいと考えられる他の特性を有することができる。シガレットペーパー用の充填剤の目的のためには、モノ−ＡＭＰは２５μｍ以下の粒度を有することが好ましく、１０μｍ以下の粒度を有することが一層好ましい。

ＥＨＣＳＳのシガレット用のラッパーの製造用の充填剤として用いられる場合、アンモニウム含有化合物充填剤の量は好ましくは最終ラッパー重量の約１０〜約６０重量％であり、より好ましくは約２０〜約５０重量％である。この百分率は充填剤使用量（ｆｉｌｌｅｒ ｌｏａｄｉｎｇ）と称される。アンモニウム含有化合物充填剤は単独の充填剤であることが好ましいが、それはペーパー中の一以上の他の充填剤と混合されることができる。混合物の場合、充填剤使用量の一部（例えば６０重量％まで）は一以上の無機炭酸塩、無機水酸化物、無機酸化物、又は無機リン酸塩を含むことができる。かかる充填剤の例は炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び二酸化チタン、並びに当該技術分野で公知の他の充填剤を含む。

アンモニウム含有化合物充填剤を含むラッパーは１平方メートルあたり約１５〜約７５グラムの坪量を有することができ、コレスタ（ＣＯＲＥＳＴＡ）法によって測定される通り１平方センチメートルあたり１分間あたり約２〜約２００立方センチメートル（コレスタ単位）の多孔度を有することができる。好ましい坪量は１平方メートルあたり約２０〜約５０グラムであり、好ましい多孔度は約１０〜約１１０コレスタ単位である。より好ましい坪量は１平方メートルあたり約２５〜約３０グラムであり、より好ましい多孔度は約２５〜約５０コレスタ単位である。

カルボン酸又はリン酸のアルカリ金属塩の如き燃焼添加剤は生ずる喫煙物品の燃焼速度を調整又は制御するためにラッパーに付与されることができる。例えば、燃焼添加剤はラッパーの重量の約２〜約１５重量％の範囲の量で付与されることができる。燃焼添加剤の例はフマル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、コハク酸カリウム、リン酸一水素カリウム、及びリン酸二水素カリウムを含む。

アンモニウム含有化合物充填剤を含むラッパーを製造するためには、従来のシガレットペーパー抄紙法は、炭酸カルシウムの如き従来のシガレットペーパー充填剤の代わりにまたはこれと組合せたアンモニウム含有化合物充填剤の含有と共に用いられることができる。ペーパーラッパーは亜麻、木材パルプ又は他の植物繊維から作られることができる。加えて、ペーパーラッパーは従来の一ラッパー構造、多ラッパー構造、又は多層単一ラッパー構造であることができる。

もしアンモニウム含有化合物充填剤が一水和物形態のリン酸アンモニウムマグネシウムを含むのなら、それはシガレットペーパーに以下のようにして組入れられることができる。例えば、一水和物形態のリン酸アンモニウムマグネシウムのスラリーは抄紙機の供給原料と混合されることができるか又はスラリーは粒子形態（例えば粉末）に乾燥され、かかる粉末が抄紙供給原料に組入れられることができる。一水和物形態のリン酸アンモニウムマグネシウムが六水和物形態に変換されることを防止するため、スラリーが抄紙機の供給原料（好ましくは６０℃以上に加熱されている）中に直接組入れられるまで又はスラリーがフラッシュ乾燥（これは上昇された温度条件下でスラリーから水を除去する）などによって粒子形態へと乾燥されるまでスラリーを５５℃以上の温度に維持することが望ましい。一旦乾燥されると、一水和物形態のリン酸アンモニウムマグネシウムは安定に留まる。リン酸アンモニウムマグネシウムは約２μｍ〜８μｍの範囲の粒度を有することが好ましく、２μｍ〜４μｍの範囲の粒度を有することがさらに好ましい。

本発明は、その精神又は必須の特性から逸脱することなく他の特定の形態及び方法で具体化できると解すべきである。したがって、本発明を好ましい実施態様によって例示し説明したが、本願の特許請求の範囲に記載されている本発明から逸脱することなく、変形及び変更を行うことができることが分かる。

本発明の好ましい実施態様の喫煙システムの斜視図である。 図１に示す喫煙システムであって、喫煙が終わってシガレットがライターから取り出された喫煙システムの斜視図である。 波形ヘアピン発熱体と好ましい空気供給システムの部分を含む、図１に示すヒーター取り付け具の一部分の詳細部分斜視図である。 図３Ａに示す波形ヘアピン発熱体を含む好ましいヒーター取付具の側断面図である。 図６に示すヒーター取付具中に挿入された図４に示すシガレットの側面図であり、該取付具は断面図で示してある。 図１に示すシガレットの好ましい実施態様の詳細斜視図であり、シガレットの特定の構成要素は一部分分解して示してある。 図１と図２に示すライターの好ましい制御回路の図式ブロック線図である。 シガレットの自由末端がライター内の止め子と接触している図４に示すシガレットの側断面図である。 本発明による喫煙システムで生成されたタバコ煙の様々な気体成分の減少を示すグラフである。 本発明による喫煙システムで生成されたタバコ煙の様々な気体成分の減少を示すグラフである。

Claims (31)

1. 充填されたタバコロッド部分を画成するようにタバコ材料で一部分充填されたチューブ状タバコマットを含むシガレットであって、前記充填されたタバコロッド部分が前記シガレットの自由末端と隣合っており、前記シガレットが、充填されたタバコロッド部分を包囲するラッパーを含み、前記ラッパーがセルロース系ウェブ材料及び少なくとも一つの充填剤を含み、前記充填剤が、アンモニウム含有化合物を、タバコロッド部分の燃焼／熱分解により生成されるタバコ煙中の気体成分の含有量を減少させるのに有効な量で含むシガレット、ならびに、
   少なくとも一つのヒーターブレード及び電力サイクルに従ってヒーターブレードの加熱を制御するように適合されたコントローラーを含むライターを含んでなり、
   前記ライターは前記ヒーターブレードがシガレットの加熱領域を加熱するようにシガレットを少なくとも一部分収容するように配置されており、前記コントローラーはタバコ煙中の少なくとも一つの気体成分の含有量を減少させながらタバコ煙を生成させるように５００℃以下の温度に加熱領域の加熱を制限するように操作可能であり、前記少なくとも一つの気体成分は一酸化炭素、１，３−ブタンジエン、イソプレン、アクロレイン、アクリロニトリル、シアン化水素、ｏ−トルイジン、２−ナフチルアミン、酸化窒素、ベンゼン、ＮＮＮ、フェノール、カテコール、ベンゾ（ａ）アントラセン、及びベンゾ（ａ）ピレンを含む、
   電気喫煙システム。
2. 前記コントローラーは加熱領域の加熱を４５０℃以下の温度に制限する請求項１に記載の電気喫煙システム。
3. 前記加熱領域が１０〜２０ｍｍ^２の面積を被覆し、前記コントローラーが、１５〜４０ジュール、好ましくは２０〜３５ジュールのエネルギーをヒーターブレードに供給することにより、加熱領域と隣り合うタバコマットを２００〜３５０℃の温度範囲に加熱するようにヒーターブレードの加熱を制限する請求項１に記載の電気喫煙システム。
4. 前記ライターが複数のヒーターブレード及びソケットを有するヒーター取付具を含み、前記ソケットがタバコロッド部分の軸方向末端を閉塞する請求項１に記載の電気喫煙システム。
5. 請求項１に記載の電気喫煙システムで使用するためのシガレットであって、シガレットがタバコロッド部分の自由末端から距離を置いて位置している通孔領域を含むシガレット。
6. シガレットがフィルター材料を含む請求項５に記載のシガレット。
7. 前記チューブ状タバコマットに、円周方向に間隔を置いて位置する複数の通孔をさらに含んでなり、前記ラッパーが前記通孔を覆っている請求項５に記載のシガレット。
8. 前記チューブ状タバコマットが、チューブ状ベースウェブ及び前記チューブ状ベースウェブの内側にそって配置されたタバコ材料の層を含み、
   前記通孔が前記ベースウェブと前記タバコ材料の層を貫通している、
   請求項７に記載のシガレット。
9. 前記マットの通孔が直径約１ｍｍで数が６個で一列に配列され、そして前記通孔領域は一列又は二列のパーフ通孔を有し、各列は１２個のパーフ通孔を有している請求項７に記載のシガレット。
10. 前記充填剤がリン酸アンモニウムマグネシウム充填剤のみを含む請求項５に記載のシガレット。
11. 前記リン酸アンモニウムマグネシウム充填剤が一水和物形態のリン酸アンモニウムマグネシウムから本質的になる請求項１０に記載のシガレット。
12. 以下のことを含む請求項１に記載の電気喫煙システムの使用方法：電力サイクルに従って電池から電流をヒーターブレードに供給し、前記電力サイクルはタバコ煙中の少なくとも一つの気体成分の含有量を減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域をヒーターブレードが加熱するような態様でコントローラーによって実行され、前記少なくとも一つの気体成分は一酸化炭素、１，３−ブタンジエン、イソプレン、アクロレイン、アクリロニトリル、シアン化水素、ｏ−トルイジン、２−ナフチルアミン、酸化窒素、ベンゼン、ＮＮＮ、フェノール、カテコール、ベンゾ（ａ）アントラセン、及びベンゾ（ａ）ピレンを含む。
13. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、一酸化炭素の含有量を少なくとも約４０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
14. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、１，３−ブタジエンの含有量を少なくとも約４０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
15. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、イソプレンの含有量を少なくとも約３０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
16. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、アクロレインの含有量を少なくとも約１０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
17. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、ホルムアルデヒドの含有量を少なくとも約７０％減少させながら、アセトアルデヒドの含有量を少なくとも約３０％減少させながら、及びプロピオンアルデヒドの含有量を少なくとも４０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
18. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、アクリロニトリルの含有量を少なくとも約４０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
19. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、シアン化水素の含有量を少なくとも約２０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
20. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、ｏ−トルイジンの含有量を少なくとも約３０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
21. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、２−ナフチルアミンの含有量を少なくとも約１５％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
22. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、酸化窒素の含有量を少なくとも約３０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
23. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、ベンゼンの含有量を少なくとも約４０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
24. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、トルエンの含有量を少なくとも約４０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
25. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、ＮＮＮの含有量を少なくとも約２５％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
26. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、フェノールの含有量を少なくとも約３０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
27. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、カテコールの含有量を少なくとも約２５％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
28. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、ベンゾ(ａ)アントラセンの含有量を少なくとも約６０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
29. 前記ヒーターブレードは、ラッパー中の充填剤として炭酸カルシウムのみを有する同一種類のシガレットを喫煙するために電気喫煙システムを使用することと比較して、ベンゾ（ａ）ピレンの含有量を少なくとも約５０％減少させながらタバコ煙を生成させるようにシガレットの加熱領域を加熱する請求項１２に記載の方法。
30. 前記充填剤がラッパーの全重量に基づいて約１０重量％〜約６０重量％の範囲であり、前記ラッパーが少なくとも一つの円周列の通孔を含む単一層ラッパーであり、前記ラッパーが約１５ｇ／ｍ^２〜約７５ｇ／ｍ^２の坪量及び約２コレスタ単位〜約２００コレスタ単位の多孔度を有し、及び／又は前記ラッパーはフマル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、コハク酸カリウム、リン酸一水素カリウム、及びリン酸二水素カリウムからなる群から選択される少なくとも一つの酸のアルカリ金属塩を含む燃焼添加剤を約２重量％〜約１５重量％含む請求項１２に記載の方法。
31. 前記ラッパーが約２５ｇ／ｍ^２〜約３５ｇ／ｍ^２の坪量及び約２５コレスタ単位〜約４５コレスタ単位の多孔度を有し、前記充填剤の量が前記ラッパーの全重量に基づいて約２０重量％〜約４０重量％の範囲であり、及び／又は前記充填剤が５μｍ未満の平均粒度を有する請求項１２に記載の方法。
    

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