JP2005292626A - プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】 物流等の振動衝撃後に発生する振動メモリーの問題を解決し、帯状の黒スジあるいは白スジ等の欠陥画像が発生しないプロセスカートリッジ、電子写真装置を提供する。
【構成】 帯電部材が帯電ローラであり、電子写真感光体表面の静止摩擦係数が1.5〜2.3であることを特徴とするプロセスカートリッジあるいは電子写真装置である。また、帯電ローラ表面の静止摩擦係数と電子写真感光体表面の静止摩擦係数の差が0.6以下である。
【選択図】 図4
【構成】 帯電部材が帯電ローラであり、電子写真感光体表面の静止摩擦係数が1.5〜2.3であることを特徴とするプロセスカートリッジあるいは電子写真装置である。また、帯電ローラ表面の静止摩擦係数と電子写真感光体表面の静止摩擦係数の差が0.6以下である。
【選択図】 図4
Description
本発明は、電子写真感光体及び該電子写真感光体を帯電する帯電部材を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、接触方式の帯電部材である帯電ローラを電子写真感光体に接触させて該電子写真感光体を帯電するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関するものである。
電子写真装置において、たとえばセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、有機光導電体などの電子写真感光体(以下適宜「感光体」と称する)に帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングなどの基本的プロセスを行うことにより画像を得る際、帯電プロセスは従来からほとんど金属ワイヤーに高電圧(DC5〜8kV)を印加し、発生するコロナにより帯電を行っている。しかし、この方法ではコロナ発生時にオゾンやNOx等のコロナ生成物が感光体表面を変質させて画像ボケや劣化を促進させたり、ワイヤーの汚れが画像品質に影響し、画像白抜けや黒スジを生じさせる等の問題があった。特に感光層が有機光導電体を主体として構成される電子写真感光体は、他のセレン感光体やアモルファスシリコン感光体に比べて化学的安定性が低く、コロナ生成物にさらされると化学反応、特に酸化反応が起こり劣化しやすい傾向にある。
従って、コロナ帯電下で繰り返し使用した場合には前述の劣化による画像ボケや感度の低下によるコピー濃度薄が起こり耐印刷寿命が短くなる傾向にあった。
また、コロナ帯電では電力的にも感光体に向かう電流が全体の5〜30%にすぎず、ほとんどがシールド板に流れてしまい、帯電部材としては効率の悪いものであった。
このような問題点を補うためには、コロナ放電器を利用しないで、感光体に接触させた帯電部材によって、感光体表面を接触帯電させる方法が有効である。
具体的には、感光体表面に、1〜2kV程度の直流電圧を外部より印加した導電性弾性ローラ等の帯電部材を接触させることにより、感光体表面を所定の電位に帯電させるものである。
しかしながら、上述の接触帯電方式は、帯電の不均一性、直接電圧を印加することによる感光体の放電絶縁破壊の発生等が欠点として挙げられている。帯電の不均一性は、感光体表面の各部に均一な帯電がなされず、被帯電面の移動方向に対して直角な方向に長さ2〜200mm、幅0.5mm以下のスジ状の帯電むらを生じてしまうもので、正現像方式の場合に起こる白スジ(ハーフトーン画像に白い横スジが現われる現象)、または反転現像方式の場合に起こる黒い横スジといった画像欠陥になる。
このような問題点を解決して帯電の均一性を向上させるために、直流電圧に交流電圧を重畳して帯電部材に印加する方法が提案されている(下記、特許文献1参照。)。この帯電方法は、直流電圧(DC成分)に交流電圧(AC成分)を重畳することによって脈流電圧を印加して均一な帯電を行うものである。
この場合、帯電の均一性を保持して、正現像方式における白スジ、反転現像方式における黒スジ、といった画像欠陥を防ぐためには、重畳する交流電圧が、直流電圧の2倍以上のピーク間電位差(Vpp)をもっていることが必要である。
上記のような接触帯電方式で使用される帯電部材としては、例えば、ゴムやウレタンフォーム等の弾性層の表面に、アクリル、ウレタン、ナイロン(登録商標)等の樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液をディッピング法やスプレー法などにより塗布して、表面に塗膜層を形成した帯電ローラが挙げられる。
上記のような接触帯電方式で使用される帯電部材としては、例えば、ゴムやウレタンフォーム等の弾性層の表面に、アクリル、ウレタン、ナイロン(登録商標)等の樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂溶液をディッピング法やスプレー法などにより塗布して、表面に塗膜層を形成した帯電ローラが挙げられる。
一方、電子写真感光体の最表面層には、帯電、現像、転写材への転写、転写残トナーのクリーニングといった機械的外力が直接加えられるため、傷や磨耗に対する耐性が要求される。このような要求に答えるために、最表面層として保護層を設ける場合がある。特に、機械的強度を高めるために、熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂等を含有する硬化型保護層が用いられことがあるが、保護層の構成によっては帯電〜露光の電子写真プロセスの繰り返しにより、電荷の蓄積による残留電位の上昇を招き、画質を低下させることがある。これを解決するため、表面層中に電荷輸送材料を含有させる方法が、下記特許文献2及び特許文献3などに開示されている。これらの公報に開示されている方法は、詳しくは、ヒドロキシアルキル基を有する電荷輸送材料を電子写真感光体の表面層に含有させる方法である。
特開昭63−149668号公報
特開平10−228126号公報
特開平10−228127号公報
接触帯電方式のプロセスカートリッジあるいは電子写真装置では、帯電部材と電子写真感光体とが常に接触している。そのため、非接触状態で電子写真感光体を帯電させる従来のコロナ放電方式では問題となりにくかった振動メモリーという問題が発生している。
振動メモリーとは、プロセスカートリッジあるいは電子写真装置を梱包した状態で物流を行う際に、物流時の振動衝撃により、接触帯電部材が電子写真感光体に押しつけられた状態で両者が擦れ合うために電子写真感光体表面の帯電部材との接触部分に電荷が偏在蓄積され、画像形成時に電圧を印加しても電子写真感光体表面の帯電部材との接触部分が所望の帯電電位にならず、該接触部分に対応した画像領域に黒スジあるいは白スジの画像不良が発生してしまう現象である。
この詳細原因は、以下のように考えられる。
電子写真感光体表面と帯電部材とが擦れ合うことによって生じる電荷は、両者をそれぞれ形成する材料の帯電系列により決定される。例えば、電子写真用プロセスカートリッジあるいは電子写真装置に用いる感光体としてはコストなどの面から有機光導電体を用いた感光体である場合が多く、また感光体表面を形成する一般的な材料としてポリカーボネート樹脂が挙げられる。一方、接触帯電部材にはゴム系の弾性体、特にはウレタンゴムが多く用いられている。この場合、感光体はウレタンゴムと擦れ合うことにより正に帯電され易い。また、これらの有機感光体は一般的に負電荷の搬送能力を持たないために、表面が正に帯電された時、対向電荷としての負電荷が感光体中に蓄積されやすい傾向にある。
このような感光体を、上記のプロセスカートリッジあるいは電子写真装置に用いた場合、感光体表面が接触帯電部材に押しつけられた状態(スラストされた状態)で擦れ合うことにより正に帯電すると、蓄積された負電荷によるメモリーが生じ、画像には接触帯電部材と電子写真感光体とが互いに擦れ合ったスラスト部分に対応して黒スジあるいは白スジとして現われるものと考えられる。黒スジ、白スジのどちらの欠陥画像が得られるかは、正帯電や負帯電といった帯電方式や、正現像や反転現像といった現像方式により異なる。また、前述したように、電子写真感光体及び帯電部材に使用した材料の帯電系列によっても異なってくる。
実際の物流ではクッションの役割を果たす緩衝材等を介して梱包することで、振動による影響を抑えるのが一般的であるが、近年の省資源、低コスト化の流れの中で、梱包材の低コスト化を図り、梱包を簡素化する動きがあり、物流手段によっては接触帯電部材と電子写真感光体が振動を受けやすくなる。従って、物流時に簡素化された梱包材を使用した場合、上記の振動メモリーが発生しやすくなることから、上記帯電部材と電子写真感光体を有するプロセスカートリッジあるいは電子写真装置における改善が必要となってくる。
電子写真感光体の最表面層として保護層を設けた場合も、上記のように安価な梱包材を使用した物流では、感光体表面が物流時の振動で接触帯電部材と擦れ合うことによりいずれかの極性に帯電すると、蓄積された対向電荷による振動メモリーが生じるが、保護層の影響でこの対向電荷が一層抜けにくくなり、同様の黒スジあるいは白スジといった画像欠陥が発生する可能性が高い。
従って、本発明の目的は、上記の振動メモリーの問題を解決し、物流時の振動後においても欠陥のない優れた画像の得られるプロセスカートリッジあるいは電子写真装置を提供することにある。
特に、電子写真感光体の最表面層が硬化型樹脂を含有する保護層であっても上記の振動メモリーの問題を解決し、物流時の振動後においても欠陥のない優れた画像の得られるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電するための帯電部材として該電子写真感光体に接触可能な帯電部材を少なくとも有する、電子写真装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光体表面の静止摩擦係数が1.5〜2.3であることを特徴とするプロセスカートリッジあるいは電子写真装置である。
また、本発明は、帯電部材が帯電ローラであり、該帯電ローラ表面の静止摩擦係数と該電子写真感光体表面の静止摩擦係数の差が0.6以下である上記のプロセスカートリッジあるいは電子写真装置である。
本発明によれば、物流等の振動において、電子写真感光体と接触帯電部材が押しつけられた状態で互いに擦れ合うことがなくなり、両者がほとんど動かない状態を維持できるようになるため、欠陥画像の原因である振動メモリーの発生を効果的に低減させることができる。
また、本発明によれば、特に電子写真感光体の表面に保護層を設ける場合においても、同様に振動メモリーの発生を抑え、欠陥のない画像を得ることができる。
以上説明したように、本発明によれば、物流等の振動衝撃において、特に電子写真感光体の表面に保護層を設けた場合に、電子写真感光体と接触帯電部材が押しつけられた状態で互いに擦れ合うことがなくなり、両者がほとんど動かない状態を維持できるようになるため、振動メモリーの発生を効果的に低減させ、黒スジあるいは白スジといった欠陥画像が発生しないように改善を施したプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明において、静止摩擦係数は、22〜27℃、52〜58%RHの環境下で以下のようにして測定される。
測定機は、図1に示されるように、新東科学(株)製 ヘイドン表面性測定機TYPE−14を電子写真感光体や帯電部材である帯電ローラ等の円筒状検体2が測定できるように改造した。測定時に検体2に当接させるブレード材料3としては、ウレタンゴムを用いる。ウレタンゴムブレード3は、ゴム硬度65±3°であり、寸法は図2に示されるように幅5mm、長さ10mm、厚さ2mmである。図3はウレタンゴムブレード3と検体2の接触部分を拡大した図である。ウレタンゴムブレード3は、上部ホルダー12と下部ホルダー13との間にはさみ、上部ホルダー12と下部ホルダー13に接触していない部分の長さである自由長が8mmとなるように設定した。円筒状検体2の表面に対するウレタンゴムブレード3の角度は、22.5°とした。ウレタンゴムブレード3を円筒状検体2に押しつける荷重として分銅6を使用し、円筒状検体2をウレタンゴムブレード3と順方向で、母線方向に50mm/minの速度で動かす。ここで、円筒状検体2が動き始める直前の最大トルクをバランサー8を介して荷重変換器9の機構により摩擦力に変換して読み取る。次に、ウレタンゴムブレード3に対する荷重として分銅6の質量を10gから40gまで10g単位で増やして上記摩擦力をそれぞれ測定し、荷重と摩擦力の相関式(摩擦力=a×荷重)を求め、この係数aを静止摩擦係数とする。なお、静止摩擦係数は、測定条件のバラツキをキャンセルすると同時に、円筒状検体2の直径の影響を受けないように、標準物質の静止摩擦係数との相対値として表記する。すなわち、本発明の静止摩擦係数は、下記式で求められる。
本発明の静止摩擦係数 = 検体の静止摩擦係数/標準物質の静止摩擦係数
標準物質の静止摩擦係数として、25μのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、円筒状検体2と同じ直径の円筒状支持体(シリンダー等)に巻き付けて、同様の条件で摩擦力を測定することで算出することができる。
標準物質の静止摩擦係数として、25μのポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、円筒状検体2と同じ直径の円筒状支持体(シリンダー等)に巻き付けて、同様の条件で摩擦力を測定することで算出することができる。
本発明で許容される条件の範囲は、以下の通りである。
・円筒状検体の直径:8〜50mm。
・ウレタンゴムブレード:厚み1〜5mm。バンドー化学、東海ゴム等のウレタンゴムが使用可能。
・ポリエチレンテレフタレートフィルム:厚み10〜50μ。東レ(ルミラー)、帝人、デュポン(マイラー)等のフィルムが使用可能。
・円筒状検体の直径:8〜50mm。
・ウレタンゴムブレード:厚み1〜5mm。バンドー化学、東海ゴム等のウレタンゴムが使用可能。
・ポリエチレンテレフタレートフィルム:厚み10〜50μ。東レ(ルミラー)、帝人、デュポン(マイラー)等のフィルムが使用可能。
本発明では電子写真感光体表面の静止摩擦係数は、従来の電子写真感光体表面の値に比べるとむしろ高いが、静止摩擦係数が1.5〜2.3を示す電子写真感光体においても課題の振動メモリーによる画像欠陥を抑えられることが確認できた。本発明の電子写真感光体表面の静止摩擦係数は、1.5〜2.3であるが、好ましくは1.8〜2.3である。電子写真感光体表面の静止摩擦係数が1.8〜2.3であるほうが物流等の振動時に電子写真感光体表面と帯電部材とがより擦れ合いにくくなるため、振動メモリーが発生しにくくなる。電子写真感光体表面の静止摩擦係数が1.5に達していないと、物流等の振動時に電子写真感光体表面と帯電部材とが擦れ合う場合があり、このとき振動メモリーが発生しやすく、前述の欠陥画像が得られてしまう。一方、電子写真感光体表面の静止摩擦係数が2.3を超えていると、感光体表面の静止摩擦係数が大き過ぎるために、帯電部材や転写部材等の当接部にて回転ムラが生じ、帯電ムラの原因となるだけでなく、クリーニングブレードめくれ等のクリーニング不良が発生しやすくなり、濃度ムラやスジムラ等の欠陥画像が得られることになる。
また、帯電部材表面の静止摩擦係数と電子写真感光体表面の静止摩擦係数との差は、0.6以下であることが好ましい。電子写真感光体表面の静止摩擦係数が1.5〜2.3であれば、課題である振動メモリーの発生を改善できるのであるが、電子写真感光体表面の静止摩擦係数が下限値に近い場合、両者の差を0.6以下にすることで、より一層の改善効果を発揮させることができる。
次に、図4に本発明のプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成を示す。
図4において、21はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸22を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
電子写真感光体21は、回転過程において、帯電部材23により、その周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光24を受ける。こうして電子写真感光体21の表面(周面)に、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段25によりトナー現像され、不図示の給紙部から電子写真感光体21と転写手段26との間に電子写真感光体21の回転と同期して取り出されて給紙された転写材27に、電子写真感光体21の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段26により順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材27は、電子写真感光体21面から分離されて定着手段28へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の電子写真感光体21の表面は、クリーニング手段29によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(不図示)からの前露光光30により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
なお、帯電部材23が帯電ローラなどを用いた接触帯電部材である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体21、帯電部材23、現像手段25およびクリーニング手段29などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジ31として一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジ31を複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電部材23、現像手段25およびクリーニング手段29の少なくとも1つを電子写真感光体21と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレールなどの案内手段32を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
また、露光光24は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動または液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の電子写真感光体は、電子写真複写機やレーザービームプリンターの他にも、CRTプリンター・LEDプリンター・液晶プリンター・ファクシミリ・レーザー製版などの電子写真応用技術にも広く用いることができる。
本発明で使われる帯電部材23の形状は、図4に示すようなローラである。この帯電部材23の材質としては、アルミニウム、鉄、銅等の金属、ポリアセチレン、ポリピロール等の導電性高分子材、カーボン、金属等を分散させて導電性処理したゴム、またはポリカーボネート、ポリビニル、ポリエステル等の絶縁性物質の表面を金属や他の導電性物質によってコートしたものなどを用いることができる。帯電部材23の体積抵抗値としては、1〜1012Ω・cm、特には102〜1010Ω・cmの範囲が好ましい。
本発明の電子写真感光体21は、単層または積層構造を有する。積層構造の場合、光キャリアを生成する電荷発生層と、キャリアが移動する電荷輸送層とが積層される。表面層を形成するのは電荷発生層または電荷輸送層どちらの場合もある。
単層感光層は5〜100μmの厚さが可能であり、より好ましくは10〜60μmである。電荷発生材料や電荷輸送材料は20〜80重量%含有し、より好ましくは30〜70重量%である。積層感光体においては、電荷発生層の膜厚は0.001〜6μm、より好ましくは0.01〜2μmである。電荷発生材料の量は10〜100重量%、より好ましくは40〜100重量%である。電荷輸送層の膜厚は5〜100μm、より好ましくは10〜60μmである。電荷輸送材料の量は20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%である。
本発明に用いられる電荷発生材料としては、フタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム塩染料、スクアリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、硫化カドミウム等が挙げられる。
本発明に用いられる電荷輸送材料としては、ピレン化合物、カルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物等が挙げられる。
一般的に、電荷発生材料や電荷輸送材料は、適当な結着樹脂と組み合わせて塗布液とし、成膜を行う。電荷発生層や電荷輸送層の結着樹脂としては、例えば、ポリビニールアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル樹脂またはセルロース系樹脂などが挙げられる。
本発明の電子写真感光体は、感光層の上に保護層を積層してもよい。保護層の膜厚は0.01〜20μmが可能であり、より好ましくは0.1〜10μmである。保護層には前述した電荷発生材料または電荷輸送材料や、金属及びその酸化物、窒化物、塩、合金、更にはカーボン等の導電材料等を含有してもよい。感光層の表面に保護層を設けた場合のほうが、保護層を設けない場合よりも感光体の静止摩擦係数を1.5〜2.3に設定しやすくなる場合が多い。
保護層に用いる結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ナイロン(登録商標)樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。特に、機械的強度を高め、静止摩擦係数を高めるには、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が好ましく、フェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が該当し、なかでもフェノール樹脂が硬度の観点から好ましい。フェノール樹脂は、下記式(1)で示されるビスフェノール化合物から合成されるフェノール樹脂であることが好ましい。
(式(1)中、X11は、単結合、カルボニル基、エーテル基、チオエーテル基、又はCRsRt基(該式中Rs及びRtは同じか又は異なっておりかつ水素原子、置換又は無置換アルキル基を表し、該アルキル基は相互に結合して環を形成しても良い)で表される2価の結合基を示す。R11〜R14はそれぞれ独立に、ヒドロキシメチル基、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。ただし、R11〜R14の少なくとも2個はヒドロキシメチル基である)。
フェノール樹脂は、上記のようなフェノール水酸基を有するフェノール化合物から公知の方法で合成することができる。例えば、レゾール型フェノール樹脂では、フェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド類とをアルカリ触媒下で付加・縮合反応させるときに生成するヒドロキシメチル基が反応性架橋基となり、この架橋基を介してフェノール樹脂が形成される。すなわち、ヒドロキシメチル基を有するフェノール化合物が保護層の結着樹脂のプレポリマー成分となる。
式(1)で示されるビスフェノール化合物の具体例を以下に示すが、これらの具体例に限定されるものではない。
一方、保護層膜の形成を有利にし、機械的強度を高めるには、フェノール樹脂の中でもエポキシ変性フェール樹脂が好ましい。エポキシ変性フェノール樹脂は、フェノール樹脂のフェノール性水酸基にエポキシ基を付加させて得られたものである。例えば、レゾール型フェノール樹脂のエポキシ変成化は、アルカリ条件下でのフェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド類とのレゾール化反応時に、反応系内にエポキシ環を有する化合物を混合させ、フェノール性水酸基にエポキシ環を付加反応させるという方法によって行うことができる。エポキシ変性フェール樹脂を得るのに使用されるエポキシ化合物としては、例えば下記構造式[化4]〜[化10]等の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのエポキシ化合物をフェノール樹脂のフェノール性水酸基へ付加させる割合は、プレポリマーであるフェノール樹脂のフェノール性水酸基に対し、3〜70%、好ましくは7〜25%である。
また、保護層に電荷輸送能力を付与するために電荷輸送材料を含有させてもよい。電荷輸送材料は、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルコキシ基、または、置換または無置換のヒドロキシフェニル基の少なくとも1つの基を有するヒドロキシ基含有化合物であることが好ましい。該電荷輸送材料の具体例を以下に示すが、これらの具体例に限定されるものではない。
保護層の塗工液を作製する溶剤としては、上記ポリヒドロキシメチルビスフェノール化合物や上記電荷輸送材料を十分に溶解し、さらに、表面層の塗工液と接触する下層の感光層(電荷輸送層または電荷発生層)などに悪影響を与えない溶剤が好ましい。
従って、溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン系炭化水素類などが好ましいが、特にはメタノール、エタノール、2−プロパノールなどのアルコール類がより好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる導電性支持体は、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、スズ、アンチモン、インジウム、鉛、亜鉛、金、銀等の金属や合金、あるいはそれらの酸化物やカーボン、導電性樹脂等が使用可能である。形状は円筒形、ベルト状やシート状のものがある。また、前記導電性材料は、成型加工される場合もあるが、塗料として塗布したり、蒸着してもよい。
導電性支持体と感光層との間に、下引層を設けてもよい。下引層は主に結着樹脂からなるが、前記導電性材料やアクセプターを含有してもよい。下引層を形成する結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。
本発明の電子写真感光体の製造法は、蒸着、塗布等の方法が用いられる。塗布にはバーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、アトライター、スプレー、浸漬塗布、静電塗布、粉体塗布等が用いられる。
また、電荷発生層、電荷輸送層あるいは保護層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤など種々の添加剤を含有させることができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明をより一層詳細に説明する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003:アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引層を形成した。
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003:アルミニウム合金)を支持体として、この上にポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)の5質量%メタノール溶液を浸漬法で塗布し、膜厚が0.5μmの下引層を形成した。
次に、電荷発生物質としてCuKαのX線回折における回折角2θ±0.2の28.1°に最も強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶3部と、ポリビニルブチラール2部を、シクロヘキサノン100部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで1時間分散し、これにメチルエチルケトン100部を加えて希釈して電荷発生層用塗料を調製し、上記導電層上に、この電荷発生層用塗布液を浸漬塗布し、90℃で10分間乾燥して、膜厚0.15μmの電荷発生層を形成した。
次いで、下記式で示される構造を有する電荷輸送材料8部、
および、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:Z−400、三菱ガス化学(株)製)10部を、モノクロロベンゼン60部/ジクロロメタン20部に溶解して電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が12μmの電荷輸送層を形成した。
さらに、保護層の結着樹脂として、B−9で示されるフェノール化合物のフェノール性水酸基のオルト位水素原子が全てヒドロキシメチル基で置換されたプレポリマー成分15部、および、CT−4で示される構造を有する電荷輸送材料6部を、溶剤としてのエチルアルコール40部に溶解させて塗布液を作製し、上記電荷輸送層の上に浸漬塗布し、150℃で1時間熱風乾燥し、膜厚が3μmの保護層を設けた。得られた感光体の静止摩擦係数は、1.5であった。
評価装置としては、レーザーを露光光源とするヒューレットパッカード社製Laser Jet 4100を用意し、以下のように改造した。
帯電部材としては、導電性カーボンを含有させたウレタンゴムの上に、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アクリル樹脂の混樹樹脂に導電性カーボンを添加した表面層を設け、静止摩擦係数が0.9である帯電ローラを用いた。帯電ローラの形状は、φ6mm、長さ258mmのステンレス芯を中心軸としてφ12mm×232mmに成型した。
また、露光設定としては、波長780nmのレーザー光を照射して−625Vの電位が−200Vまで下がるように光量を設定した。
本実施例の振動メモリーの試験方法として、物流時の状態を想定した梱包形態での振動試験を行った。具体的には、作製した感光体の両端に駆動ギア及び軸受けを装着した後、該感光体、帯電部材及び現像手段のみを上記評価装置用プロセスカートリッジに組み込み、直方体の厚紙製の箱に梱包した。内部の緩衝材としては、エアキャップ製の緩衝材を用いた。さらに、この状態で低温低湿(温度10℃/湿度10%)の環境下で振動試験を行った。振動試験の条件は以下に示す。
[振動試験]
正弦波:1.4G
振動数:150Hz
振動方向:3次元方向(X,Y,Z)
振動時間:1往復10分間(各方向に10往復)
振動試験から2日後に、両端に駆動ギア及び軸受けを装着した感光体のみを試験後のプロセスカートリッジから取り出し、未使用のプロセスカートリッジに装着し、上記評価装置にて画像評価を行った。画像評価は、振動試験と同様に、低温低湿(温度10℃/湿度10%)の環境下で行った。振動メモリーによる画像欠陥は初期耐久画像から確認できるので、100枚の連続画像で帯状の黒スジあるいは白スジの有無を確認した。評価画像は、ハーフトーンとした。
正弦波:1.4G
振動数:150Hz
振動方向:3次元方向(X,Y,Z)
振動時間:1往復10分間(各方向に10往復)
振動試験から2日後に、両端に駆動ギア及び軸受けを装着した感光体のみを試験後のプロセスカートリッジから取り出し、未使用のプロセスカートリッジに装着し、上記評価装置にて画像評価を行った。画像評価は、振動試験と同様に、低温低湿(温度10℃/湿度10%)の環境下で行った。振動メモリーによる画像欠陥は初期耐久画像から確認できるので、100枚の連続画像で帯状の黒スジあるいは白スジの有無を確認した。評価画像は、ハーフトーンとした。
画像評価結果は、以下のように分類した。
A:黒スジあるいは白スジが耐久を通して発生しなかった。
B:1枚目で黒スジあるいは白スジがかすかに見られたが、2枚目以降は見られかった。
C:耐久を通して部分的に黒スジあるいは白スジがかすかに見られたが、実用上問題ない程度であった。
D:耐久を通して全画像で感光体周期の黒スジあるいは白スジが発生していた。
A:黒スジあるいは白スジが耐久を通して発生しなかった。
B:1枚目で黒スジあるいは白スジがかすかに見られたが、2枚目以降は見られかった。
C:耐久を通して部分的に黒スジあるいは白スジがかすかに見られたが、実用上問題ない程度であった。
D:耐久を通して全画像で感光体周期の黒スジあるいは白スジが発生していた。
上記A、B、C、Dのうち、Dのみは本発明の効果が得られていないと判断した。評価結果を表1に示す。
(実施例2〜4)
実施例1において、帯電部材である帯電ローラの静止摩擦係数がそれぞれ1.9、1.5、0.8となるように、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アクリル樹脂の混合比を変えた表面層を帯電ローラに設けた以外は、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、帯電部材である帯電ローラの静止摩擦係数がそれぞれ1.9、1.5、0.8となるように、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アクリル樹脂の混合比を変えた表面層を帯電ローラに設けた以外は、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例2において、保護層の結着樹脂プレポリマー成分をB−16で示されるフェノール化合物のフェノール性水酸基のオルト位水素原子が全てヒドロキシメチル基で置換された化合物15部に変更し、電荷輸送材料(CT−4)を5部に変更して電子写真感光体を作製した以外は、実施例2と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、1.7であった。評価結果を表1に示す。
実施例2において、保護層の結着樹脂プレポリマー成分をB−16で示されるフェノール化合物のフェノール性水酸基のオルト位水素原子が全てヒドロキシメチル基で置換された化合物15部に変更し、電荷輸送材料(CT−4)を5部に変更して電子写真感光体を作製した以外は、実施例2と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、1.7であった。評価結果を表1に示す。
(実施例6〜7)
実施例5において、帯電部材である帯電ローラの静止摩擦係数がそれぞれ1.5、0.8となるように、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アクリル樹脂の混合比を変えた表面層を帯電ローラに設けた以外は、実施例5と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
実施例5において、帯電部材である帯電ローラの静止摩擦係数がそれぞれ1.5、0.8となるように、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アクリル樹脂の混合比を変えた表面層を帯電ローラに設けた以外は、実施例5と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例5において、保護層の電荷輸送材料をCT−22に変更し、保護層の結着樹脂プレポリマー成分として、フェノール・アルデヒドレゾール型フェノール樹脂のフェノール性水酸基数のうち20%に対し、下記構造のエポキシ化合物を付加させて得られたエポキシ変成フェノール樹脂16部
実施例5において、保護層の電荷輸送材料をCT−22に変更し、保護層の結着樹脂プレポリマー成分として、フェノール・アルデヒドレゾール型フェノール樹脂のフェノール性水酸基数のうち20%に対し、下記構造のエポキシ化合物を付加させて得られたエポキシ変成フェノール樹脂16部
及びB−14で示されるフェノール化合物のフェノール性水酸基のオルト位水素原子が全てヒドロキシメチル基で置換された化合物3部の混合物を用いて電子写真感光体を作製した以外は、実施例5と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、1.8であった。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例8において、保護層の電荷輸送材料をCT−25に変更し、保護層の結着樹脂をエポキシ変性フェノール樹脂19部のみとし、さらに保護層の電荷輸送材料と結着樹脂の質量部をそれぞれ7部、12部に変更して電子写真感光体を作製した以外は、実施例8と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、2.3であった。評価結果を表1に示す。
実施例8において、保護層の電荷輸送材料をCT−25に変更し、保護層の結着樹脂をエポキシ変性フェノール樹脂19部のみとし、さらに保護層の電荷輸送材料と結着樹脂の質量部をそれぞれ7部、12部に変更して電子写真感光体を作製した以外は、実施例8と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、2.3であった。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、保護層の結着樹脂をメラミン樹脂(商品名:サイメルC−370、三井サイテック製)18部に変更し、保護層の乾燥温度を165℃に変更し、さらに保護層に電荷輸送材料を使用しないで電子写真感光体を作製した以外は、実施例1と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、2.5であった。評価結果を表1に示す。
実施例1において、保護層の結着樹脂をメラミン樹脂(商品名:サイメルC−370、三井サイテック製)18部に変更し、保護層の乾燥温度を165℃に変更し、さらに保護層に電荷輸送材料を使用しないで電子写真感光体を作製した以外は、実施例1と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、2.5であった。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、保護層の結着樹脂をメラミン樹脂(商品名:サイメルC−370、三井サイテック製)18部に変更し、保護層の結着樹脂と電荷輸送材料のほかにシリコーンオイル DC11PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.004部を添加して電子写真感光体を作製し、帯電部材である帯電ローラの静止摩擦係数が0.05となるように、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アクリル樹脂の混合比を変えた表面層を帯電ローラに設けた以外は、実施例1と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、1.3であった。評価結果を表1に示す。
実施例1において、保護層の結着樹脂をメラミン樹脂(商品名:サイメルC−370、三井サイテック製)18部に変更し、保護層の結着樹脂と電荷輸送材料のほかにシリコーンオイル DC11PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.004部を添加して電子写真感光体を作製し、帯電部材である帯電ローラの静止摩擦係数が0.05となるように、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、アクリル樹脂の混合比を変えた表面層を帯電ローラに設けた以外は、実施例1と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、1.3であった。評価結果を表1に示す。
(参考例1)
実施例1において、保護層の結着樹脂をメラミン樹脂(商品名:サイメルC−370、三井サイテック製)18部に変更し、保護層の結着樹脂と電荷輸送材料のほかにシリコーンオイル DC11PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.01部を添加して電子写真感光体を作製した以外は、実施例1と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、0.8であった。評価結果を表1に示す。
実施例1において、保護層の結着樹脂をメラミン樹脂(商品名:サイメルC−370、三井サイテック製)18部に変更し、保護層の結着樹脂と電荷輸送材料のほかにシリコーンオイル DC11PA(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)0.01部を添加して電子写真感光体を作製した以外は、実施例1と同様にして評価した。得られた感光体の静止摩擦係数は、0.8であった。評価結果を表1に示す。
比較例1では、画像評価開始後20枚目よりブレードめくれが発生したため、画像評価を中止した。
比較例2では、画像評価開始1枚目より黒スジが発生した。
参考例1では、課題の振動メモリーに起因した黒スジあるいは白スジが発生しなかった。
1 検体置き台
2 検体
3 ブレード
4 支柱
5 受け皿
6 分銅
7 支持点
8 バランサー
9 荷重変換器
10 モーター
11 ホルダー支持アーム
12 上部ホルダー
13 下部ホルダー
14 固定ビス
21 電子写真感光体(感光体)
22 軸
23 帯電部材(帯電ローラ)
24 露光光
25 現像手段
26 転写手段
27 転写材
28 定着手段
29 クリーニング手段
30 前露光光
31 プロセスカートリッジ
32 案内手段
2 検体
3 ブレード
4 支柱
5 受け皿
6 分銅
7 支持点
8 バランサー
9 荷重変換器
10 モーター
11 ホルダー支持アーム
12 上部ホルダー
13 下部ホルダー
14 固定ビス
21 電子写真感光体(感光体)
22 軸
23 帯電部材(帯電ローラ)
24 露光光
25 現像手段
26 転写手段
27 転写材
28 定着手段
29 クリーニング手段
30 前露光光
31 プロセスカートリッジ
32 案内手段
Claims (5)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電するための帯電部材として該電子写真感光体に接触可能な帯電部材を少なくとも有する、電子写真装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光体表面の静止摩擦係数が1.5〜2.3であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 該帯電部材が帯電ローラであり、該帯電ローラ表面の静止摩擦係数と該電子写真感光体表面の静止摩擦係数の差が0.6以下である請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
- 該電子写真感光体の最表面層が硬化型樹脂を含有する保護層である請求項1または2に記載のプロセスカートリッジ。
- 該硬化型樹脂がフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びシロキサン樹脂の少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜4のプロセスカートリッジに記載の電子写真感光体、帯電部材のほかに、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004109937A JP2005292626A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004109937A JP2005292626A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005292626A true JP2005292626A (ja) | 2005-10-20 |
Family
ID=35325588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004109937A Withdrawn JP2005292626A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005292626A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008257072A (ja) * | 2007-04-06 | 2008-10-23 | Fuji Xerox Co Ltd | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び皮膜形成用塗布液 |
JP2010002695A (ja) * | 2008-06-20 | 2010-01-07 | Canon Inc | プロセスカートリッジ及び電子写真装置 |
-
2004
- 2004-04-02 JP JP2004109937A patent/JP2005292626A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Legal Events
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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