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JP2005273076A - 織機のスタート制御装置およびスタート制御方法 - Google Patents

織機のスタート制御装置およびスタート制御方法 Download PDF

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JP2005273076A JP2004088082A JP2004088082A JP2005273076A JP 2005273076 A JP2005273076 A JP 2005273076A JP 2004088082 A JP2004088082 A JP 2004088082A JP 2004088082 A JP2004088082 A JP 2004088082A JP 2005273076 A JP2005273076 A JP 2005273076A
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loom
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Yutaka Uragaki
裕 浦垣
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Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】 複数のスタート方法として、既に織り込まれた緯糸が経糸から開放されるように定められる所定逆転量逆転させ、次いで織機を起動させる一方緯入れを伴わないまま前記逆転量回転させて筬打ちしその後緯入れを開始する空打ちスタートと、通常スタートとを含み、複数のスタート方法のうちいずれかを選択的に遂行可能な織機のスタート制御装置で、伸縮性のある緯糸が織前に位置するときには、逆転を伴わないスタート方法で運転開始させる。
【解決手段】 本発明の織機のスタート制御では、織前に露出される緯糸の伸縮性の有無を、緯糸選択に関連する情報から判断するか、あるいは入力される糸種の伸縮性に関する情報から判定し、運転操作信号の発生時、その判定結果が伸縮性有りのときには、通常スタートを実行する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、緯入れを開始する前に逆転動作と起動後緯入れを伴わない運転した後緯入れを開始するいわゆる空打ちスタートを実行することにより、織機の運転開始時に筬打ち力不足に起因する薄段を防止する技術に関し、より詳しくは、緯糸糸種の特性にかかわらず上記空打ちスタートを実行することにともなう織物欠点を防止する技術に関する。
製織中に織機が停止し、織機の再運転時に織段が発生しやすくなる。この織段の発生原因について、運転信号が発生されてから織機が起動されて筬打ち後緯入れが開始されるいわゆる通常のスタートでは、起動直後の筬打ち力が定常運転中に比べて弱いことに起因する。これに対し、織機の起動時に織機の原動モータを逆方向に所定量回転させ、次いで織機主軸を正転起動して先の逆転量とほぼ同じ量だけ正転方向に回転させつつ緯入れを伴わないつまり筬の空打ち状態で筬打ちし、その後緯入れ運動を開始するいわゆる空打ちスタートと呼ばれる織機の起動方法が、特許文献1に示されている。織機では、織段状況に対応してこれらスタート方法が適宜選択的に設定される。
特開昭61−124651号
上記したように、織機の再起動時における逆転により、織布の端部において緯糸を拘束して織物の耳形成を良好なものとするための耳組み糸を供給する耳組装置も逆転する。このため、再起動時に織前に位置する緯糸には、端部の耳組み糸や経糸による拘束力がなくなってしまう。つまりこのような空打ちスタートによる起動方法が採用される織機では、例えば緯糸として加工糸や撚糸など糸自身に収縮力が存在する緯糸を用いた場合、上記した空打ちスタート時の逆転にともない、織前に位置する緯糸に対して経糸や耳組み糸による拘束力が無くなることから緯糸自身が縮んでしまい、織物欠点が発生するという問題がある。
よって本発明の目的は、織機の運転開始時に、逆転をともなう空打ちスタートと、通常スタートとを含む複数のスタート方法のうちいずれかを選択的に実行可能な織機で、緯糸の特性、具体的には伸縮性のある緯糸を使用する場合には、織機の起動方法として上記逆転を伴わないスタート方法で織機を起動させることにある。
課題を解決するための手段、発明の効果
そこで本発明では、複数のスタート方法のうちいずれかを選択するとともに、運転操作信号の入力にともない、前記選択されたスタート方法に従って織機を運転する制御部と、織機運転中、緯糸選択情報に従って複数種類の緯糸のうちいずれかを選択的に緯入れする緯入れ制御部とを有し、前記複数のスタート方法には、織機主軸を所定量だけ逆転させ、次いで織機を起動する一方緯入れを伴わないまま筬打ちし、その後緯入れを開始する空打ちスタートと、通常スタートとを含み、前記空打ちスタートの逆転量は、織前に位置する緯糸が経糸から開放状態になるように設定される、織機のスタート制御装置を備える。さらに本発明では、運転操作信号発生時には、織前に位置する緯糸の伸縮性の有無を緯糸選択に関する情報に応じて判定し、判定結果が伸縮性有りのときには、通常スタートを実行することを第1の要旨とする。ここで、緯糸選択に関する情報について、より具体的には緯糸選択情報のほか、緯糸選択信号の発生のもとになる緯入れピック番号(カウント値)が考えられる。
なお、緯糸の伸縮性に関する情報には、撚りの方向、単位長当たりの撚数、あるいは伸縮加工の有無などの伸縮性を直接表わす情報のほか、緯糸給糸体の品番などのこれらの情報が間接的に反映される情報を含む。なお緯糸の伸縮性に関する情報は、伸縮性の有無のほか、伸縮性の強弱の度合いを表わす情報を含み、伸縮性に関する判定基準は、その種類に応じて織物欠点が生じない範囲で適宜定めればよい。また、伸縮性に関する情報は、作業者により手動入力される、メモリーカード等の記憶媒体を介して読み取らせるほか、接続される織機管理コンピュータを介して自動的に設定される。
上記第1の要旨によれば、緯入れピック番号に対応される緯糸選択情報に従って複数種類の緯糸が選択的に緯入れされる多色緯入れ織機であっても、運転操作信号発生時には、織前に位置する緯糸の伸縮性の有無を、緯糸選択に関連する情報である緯糸選択信号や緯入れピック番号から判定することができる。従って、織機の運転操作信号の発生時には、上記判定結果に基づき、緯糸の伸縮性があるとき逆転を伴う空打ちスタートに代えて逆転を伴わない通常スタートを実行することができ、また逆に、緯糸の伸縮性がないとき逆転を伴う空打ちスタートや通常スタートのうちいずれかを実行することができる。このようにすることで、空打ちスタートの実行により、運転開始時の織機主軸の逆転にともなって伸縮性のある緯糸が経糸から開放されて縮むことによる織物欠点の発生を阻止できる。
なお、第1の要旨では、空打ちスタートの代わりに実行する通常スタートによる運転は、手動で行う、すなわち作業者が判定結果を見て、スタート方法に対応される複数の運転ボタンのうち対応する運転ボタンを押下することにより織機を運転するようにしてもよい。また作業者の運転ボタンの押下により、空打ちスタートの適否を自動的に判定し、判定結果に対応するスタート方法で織機を運転するようにしてもよい。後者をより具体的に実現する手段として、前記制御部は、運転操作信号入力時、織前に位置する緯糸の伸縮性の有無を緯糸選択に関する情報に応じて判定し、判定結果が伸縮性有りのとき通常スタートを実行する。なお、上記判定結果が、緯糸の伸縮性なしのときのスタート方法には、空打ちスタートあるいは通常スタートのいずれも考えられるため、織物仕様に対応して適宜選択的に設定すればよい。
また、本発明では、複数のスタート方法のうちいずれかを選択する選択情報ならびに緯糸の伸縮性に関する情報が入力される設定部と、運転操作信号の入力にともない前記選択されたスタート方法に従って織機を運転する制御部とを有し、前記複数のスタート方法には、織機主軸を所定量だけ逆転させ、次いで織機を起動する一方緯入れを伴わないまま筬打ちし、その後緯入れを開始する空打ちスタートと、通常スタートとを含み、前記空打ちスタートの逆転量は、織前に位置する緯糸が経糸から開放状態になるように設定される、織機のスタート制御装置を備える。さらに本発明では、前記設定部または制御部のうちいずれかは、前記入力される緯糸の伸縮性に関する情報に基づき前記空打ちスタートの選択可否を判定することを第2の要旨とする。第2の要旨によれば、設定部に入力される緯糸の伸縮性に関する情報に基づき、空打ちスタートの選択の可否を自動的に判定することができる。従って、伸縮性のある緯糸が使用される場合には、その判定結果に対応して空打ちスタート以外のスタート方法である通常スタートを実行することが可能になり、前記第1の要旨と同様、従来発生していた空打ちスタートの実行(すなわち織機主軸の逆転)にともなう緯糸の縮みによる上記織物欠点の発生を阻止できる。
また、第1あるいは第2の要旨で得られた上記判定結果情報を、設定部を介して視認可能な形で表示させることも可能である。例えば、第1の要旨について、織前に位置する緯糸に伸縮性がある旨、あるいは空打ちスタートの選択が不適である旨の表示により、作業者は、スタート方法の誤りを認識してスタート方法の設定を修正したり、空打ち以外のスタート方法で手動運転操作を行うことが可能になる。従って判定結果情報を確認することにより、織物品質の管理面で好適である。
上記設定される通常スタートについて、例えば(1)現在の運転操作位置より織機を起動させて最初に筬打ちした後に緯入れを開始する第1のスタート、(2)現在の運転操作位置より織機を起動させて最初に緯入れを開始した後に筬打ちする第2のスタートのうち少なくともいずれかを含み、具体的には、上記列記した(1)から(2)のいずれか1つ、または全てとすることができる。例えば後者の場合で、2以上から1つを選び出すに手段として、予め指定したものを選ぶ、あるいは設定される製織条件を基に所定のアルゴリズムに従って適したものを選び出すなどの手法が考えられる。
(1)第1の実施例
以下、本発明を実施するための具体的な形態を図面を用いて説明する。図1には、緯入れピック数に対応して2種類の緯糸を選択的に緯入れする2色緯入れエアージェット織機10を示している。
織機10には、緯糸11a、11bを供給する給糸体12a,12b、緯糸測長装置13a,13b、これに付設される係止ピン14a,14bを有し、さらには緯糸11a,11bを空気噴射により緯入れするメインノズル15a,15b、および緯糸飛走路途中の経糸開口21内に配置され、飛走する緯糸11a,11bを空気噴射により加勢する複数のサブノズル16、16…とを備えている。メインノズル15a,15bは、それぞれ、対応して設けられる電磁開閉弁17、17、図示しないエアータンクを経由して例えば電空比例弁などで構成される調圧装置18、18に接続される。また、緯糸飛走路内の各サブノズル16、16…は、緯入れ方向に沿って複数グループに分けられており、その各グループ毎に電磁開閉弁17、17…、図示しないエアータンクを経由して対応する調圧装置18にそれぞれ接続される。各調圧装置18、18…は、圧縮空気を供給すべく共通に設けられる流体供給源19に接続される。なお、織機10の主軸20には、図示しない経糸開口装置、筬22、給糸カッタ26などの織機各装置が図示しない運動変換機構を介して連結されており、反緯入れ側の織端近傍には、緯糸を検知する緯糸フィーラ25が緯糸飛走路に対向して配置されている。
緯糸測長装置13a,13bについて、例えばヤーンガイドを回転させてそのドラム周面上に緯糸11a,11bを巻き付けて貯留し、またドラム周面に対して進退可能にされる係止ピン14a,14bにより係止する形式の装置を示している。緯糸11aが選択されるとき、経糸開口時には、後述する緯入れ制御部28により、選択緯糸に対応する側の係止ピン14aを退避状態として先に巻付けられた緯糸11aを解舒可能な状態にする一方、各電磁開閉弁17,17…を開閉駆動して緯糸に対応されるメインノズル15aならびに各サブノズル16、16…などの緯入れノズルから圧縮空気をリレー噴射する。この結果、選択された緯糸11aは緯糸測長装置13aから解舒されて図示のように緯入れされる。そして緯糸11aが緯糸測長装置13aから所定巻数解舒されると、緯入れ制御部28により、係止ピン14aは進出状態とされて、緯糸11aはそれに係止される。やがて緯入れされた緯糸11aは、筬22により筬打ちされ、給糸カッタ26により切断されて織布23になる。このようにして、緯糸11a、11bは選択的に緯入れされ順に織り込まれていく。なお、上記したエアージェット織機10は、織機1回転毎に予め設定された緯入れパターンにしたがって緯糸11a,11bが選択的に緯入れされる2色緯入れ織機の例であるが、3色以上あるいは1色緯入れ用の織機として構成することも可能である。
上記した電磁開閉弁17,17…、緯糸測長装置13a,13bおよび係止ピン14a,14bは、緯入れ制御部28の出力部に接続される。一方、織機主軸20には、例えばロータリエンコーダで構成される角度検出器27が連結されており、主軸20のクランク角度を電気信号の形で出力する。そして緯入れ制御部28の入力部には、上記角度信号θが入力される一方、緯入れ条件等の情報を設定する設定部50が接続される。
図2には、本発明である織機のスタート制御装置を構成する、織機の制御装置30の内部ブロック図を示している。織機の制御装置30は、大まかに言えば、織機の角度信号θが入力される制御部32と、上記した緯入れ装置の各アクチュエータを制御する緯入れ制御部28と、これらに設定値を送り込む設定部50とを有しており、また制御部32には、織機の全体的な動作を制御する主制御装置34と、緯糸選択信号S1を出力するほか空打ちスタートの選択の可否を判定する判定部40とを含む。
判定部40は、大まかに言えば、織機主軸角度θが所定の角度を通過するたびに主軸の回転方向により正転歩進信号Sf,あるいは逆転歩進信号Srを発生する歩進信号発生器41と、入力される歩進信号Sf、歩進信号Srをカウントし、緯糸ピック番号としてのカウント値に基づく信号を出力する信号発生器42とを備えている。歩進信号発生器41には、角度信号θが入力されており、織機が1回転して所定の角度(例えば0°)を通過する毎に、回転方向に対応する正転歩進信号Sfあるいは逆転歩進信号Srを1パルス出力する。一方、信号発生器42には、詳細は後述するが、設定部50を介して設定される緯糸選択パターンを記憶されており、また信号発生器42は、2つの歩進信号Sf,Srの入力パルス数をカウント可能にされている。このため、信号発生器42は、所定角度を通過して正転歩進信号Sfあるいは逆転歩進信号Srが入力される度に緯入れピックカウント値を+1あるいは−1するとともに、前記記憶される選択パターンに基づき、ピックカウント値に対応する緯糸選択信号S1を出力することができる。このような判定部40は、いわば緯糸選択信号発生器として機能するほか、空打ちスタート阻止信号S3を発生する判定回路として機能するが、この点について詳細は後述する。なお、信号発生器42が行うピックカウントについて、例えばカウント値が上限値「5」に達した状態で歩進信号Sfがさらに入力されると、信号発生器42は、そのピックカウント値を1に戻し、逆にカウント値が下限値「1」の状態で歩進信号Srがさらに入力されると、そのカウント値を「5」に戻すようにされている。
主制御装置34は、例えば以下いずれも図示しない、マイクロコンピュータ(MPU)、織機の制御プログラムなどのソフトウエアを記録するメモリ、MPUに対して信号を入出力するためのポートを備えている。主制御装置34は、その入力として、運転ボタン35a,逆転ボタン35bや図示しない停止ボタンなどの織機の操作ボタンや、角度検出器27からの主軸角度信号θ、さらには緯糸フィーラ25ならびに図示しない経糸切れセンサなどからの異常信号を図示しないポートに受ける。また主制御装置34は、例えば起動信号S6,逆転信号S7や制動指令信号S8を、図示しないポートを介して、原動モータ38および織機ブレーキ39に対する電流を出力するための電流発生器36,37に出力するほか、運転信号S4、空織り指令信号S5、起動準備信号S9等の信号を、緯入れ制御部28、後述される経糸制御部44ならびに緯糸フィーラ25が接続される緯糸検知部45に出力する。
一方、設定部50は、例えば表示機能を兼ね備えたタッチパネル式の設定表示器51を含み、上記した緯入れ制御部28、主制御装置34,および判定部40に対して必要な情報を設定可能にかつこれらの装置と設定部50との間で情報を送受可能に接続されている。設定部50に設定される情報について、より具体的には、判定部40に対し、緯入れピック番号毎に設定される緯糸選択情報や緯糸伸縮性に関する情報、また緯入れ制御部28に対し、選択緯糸糸種毎に設定されるメインノズル、各サブノズルの噴射タイミング、これらノズルへの供給する圧縮空気の圧力値、緯入れ1ピック当たりの緯糸測長装置のフライヤーの回転量すなわち緯糸巻付ターン数、さらには緯糸を解舒する緯糸係止ピンの解舒タイミング等の緯入れに関する各設定データ、また主制御装置34に対し、選択的に設定されるスタート方法や各設定されたスタートの設定条件などの各設定データ、さらには経糸制御部44に対し、経糸張力、経糸ビームの巻径、緯糸密度などの経糸張力制御や緯糸密度制御に関する各設定データが、それぞれ含まれる。なおこれらの情報は、作業者により設定表示器51から手動入力される、図示しないメモリーカード等の記憶媒体を介して読み取らせるほか、接続される図示しない織機管理コンピュータを介して自動的に設定される。
定常運転中には、主制御装置34からの起動信号S6の出力にともない電流発生器36は電流を供給する結果、原動モータ38の駆動により織機の主軸20は回転駆動されており、主軸20の回転に対応する角度信号θが歩進信号発生器41、緯入れ制御部28および主制御装置34に入力される。歩進信号発生器41は、1回転毎に角度信号θが0°を通過する毎に歩進信号Sfを出力するため、信号発生器42は、緯入れピック番号のカウント値を+1増加させ、予め記憶される緯糸選択パターンに基づき、増加されたピック番号に対応して、緯入れ装置に対応する選択信号CL1あるいは信号CL2を、緯糸選択信号S1として緯入れ制御部28に出力し、緯入れ制御部28では、緯糸選択信号S1に対応する緯糸を緯入れすべく、予め各糸種に対応して設定された条件(噴射開始角度、噴射終了角度、圧力)で各電磁開閉弁17や調圧装置18に駆動信号を出力する一方、係止ピン14ならびに緯糸測長装置13を駆動する。なお、経糸制御部44は、織機運転中、所定角度で経糸張力を検出し目標経糸張力を維持するように図示しない経糸ビームを回転駆動するほか、織機の回転数ならびに予め定められる緯糸密度になるように図示しない織布の巻取ロールを回転駆動する公知の装置である。
ここで、定常運転状態にある織機10で、停台原因が発生してから運転されるまでの一連の工程を図3を用いて詳説する。
なお織機10には、トータルステップ数が「5」とされる緯糸選択情報、より具体的には、伸縮性のない緯糸aを「4」ピック緯入れした後、伸縮性のある緯糸bを「1」ピック緯入れする工程を繰り返し実行するように、上記緯糸選択情報としての緯糸選択パターンが設定される場合を想定する。このため、設定部50は、判定部40を構成する信号発生器42に対して、緯入れピック番号毎に、緯糸がセットされる緯入れ装置(メインノズル、ならびに緯糸測長装置)の選択情報を記号の形で予め設定されており、このような緯糸選択情報(緯糸選択パターン)を信号発生器42に送り込まれて、例えば図4に示されるように記憶される。このような状態で織機10は稼働運転されている。
定常運転中、例えば緯入れピック番号が「1」の状態すなわち緯糸aを緯入れ中に、停台原因として緯入れミスが発生して緯止まり信号が発生されると、主制御装置34は、運転信号S4をオフ出力して電流発生器36を介して原動モータ38を非駆動状態にするとともに、制動指令信号S8を出力して、電流発生器37を介してブレーキ39を作動させ、織機主軸の回転を直ちに停止させる。次いで主制御装置34は、経糸開口が閉口状態に待機させるべく、主軸20を所定角度(300°)まで逆転させる。到着した作業者は、逆転ボタン35bを操作して、主軸20を180°まで逆転させて織前24に露出される緯入れミス糸aを取り除き、次いで再び逆転ボタン35bを押下して、主軸20を運転操作位置である所定角度(300°)まで逆転させる。次いで作業者は、織機10を再運転させるために、運転ボタン35aを押下する。
ところで設定部50は、設定表示器51に表示される図示しない設定表示画面と作業者との対話的な入力により、織機の製織条件入力設定するほか、後述される空打ちスタートや通常スタートからなる複数のスタート方法を選択的に設定可能にされており、また製織運転に先立ち、設定部50には、選択的に設定される優先的なスタート方法として空打ちスタートを選択し、また空打ちスタートの選択が不適であると判定されたときの代替的なスタート方法として300°スタートを選択する旨の情報が、作業者により予め設定され記憶されている。
なお本実施例では、上記優先的なスタート方法として設定される空打ちスタートの詳細設定について、まず現在の運転操作位置である主軸角度300°より約1回転半逆転させて角度120°で停止させ、その後織機を(正転)起動するとともに緯入れを伴わない空織りを前記1回転半行って筬打ちし、その後緯入れを開始するように設定されたものを一例として示す。また本実施例は、設定部50で設定された優先的なスタート方法が空打ちスタートであったとしても、運転操作信号の入力時に、織前に位置する緯糸の伸縮性の有無を判定し、仮に伸縮性のある緯糸時には、空打ちスタートに代えて、代替的なスタート方法としての通常スタートである300°スタートを実行して織機の運転を開始させ、また伸縮性のない緯糸時にはスタート方法の設定に従って空打ちスタートを実行して織機の運転を開始する例である。
そこで作業者が運転ボタン35aを押下すると、主制御装置34は、判定部40に対し判定指令信号S2を出力し、判定部40は、この入力信号により所定の判定を行ってその判定結果に対応する空打ちスタート阻止信号S3を出力する。主制御装置34は、判定指令信号S2を出力してから所定時間経過後に空打ちスタート阻止信号S3に対応してスタート方法を選択的に実行し織機10の運転開始させる。
図5には、主制御装置34に運転操作信号S0が入力されてから織機が運転されるまでの間、主制御装置34が行う処理フローを示す。先ず、運転ボタン35aが押下されて主制御装置34に運転操作信号S0が入力されると、主制御装置34は判定指令信号S2を判定部40に向けて出力し(Step1)、設定部50で既に設定されているスタート方法およびそのスタートの詳細な設定条件を読み出す(Step2)。この設定条件には、空打ちスタートに対する逆転量(逆転させるピック数および逆転を停止させる主軸クランク角度)が含まれており、このような設定条件は、予め設定部50に予め設定されている。次いで、主制御装置34は、読み出した優先的なスタート方法としての設定スタート方法が空打ちスタートであるか否かをチェックする(Step3)。ここで読み出した設定スタート方法として空打ちスタートが設定されているとき(すなわちyesのとき)、判定部40からの空打ちスタート阻止信号S3が出力されているか否かをチェックする(Step4)。
このStep4にて、判定部40からの空打ちスタート阻止信号S3が出力オフのとき(すなわちnoのとき)、次の工程であるStep5に進んで、優先的なスタート方法として設定されている空打ちスタートを実行し、一連のスタート方法の選択処理を終了する。また、Step3において設定スタート方法が空打ちスタート以外のスタート方法であるとき、あるいはStep4にて判定部40からの空打ちスタート阻止信号S3が出力オンのとき(すなわちyesのとき)、Step6に進み、代替的なスタート方法として予め設定されている空打ちスタート以外のスタート方法である通常スタート(後述される300°スタート)を実行し、一連の運転開始処理を終了する。
ところで、図2に示す信号発生器42には、緯糸選択信号の出力機能のほかに、既に織り込まれて織前に位置する緯糸について伸縮性のあるものか否か、換言すれば、空打ちスタートにおける逆転動作において緯糸に縮みが発生するか否かを事前に判定し、この判定結果としての空打ちスタート阻止信号S3を出力する機能を有している。より詳しくは、設定部50は、信号発生器42に対して、緯糸の伸縮性に関連する情報である伸縮性の有無の情報が、緯糸をセットする緯入れ装置(メインノズル、緯糸測長装置)の記号として送り込まれている。従って信号発生器42は、記号「a」の緯入れ装置であるメインノズル15a、緯糸測長装置13aには、伸縮性のない緯糸aがセットされ、記号「b」の緯入れ装置であるメインノズル15b、緯糸測長装置13bには、伸縮性のある緯糸bがセットされたことが認識可能にされている。
さて、先のStep1にて主制御装置34から判定指令信号S2が入力されると、信号発生器42は、緯糸選択情報に基づき現在の緯糸ピック番号における選択緯糸の関係から、例えば所定のソフトウエアアルゴリズムに従って空打ちスタートの選択の可否を判定して空打ちスタート阻止信号S3を出力する。信号発生器42のピックカウント値(緯糸ピック番号)は、上記したように、制御装置30に通電されている間の(織機主軸の正転あるいは逆転等の)織機主軸の回転に同期している。他方織機10は、緯入れピック番号が「5」の状態の角度300°で停止している。この状態における緯糸選択信号は、既に織り込まれて織前に位置する緯糸の糸種に対応している。そこで信号発生器42は、織機が緯入れピック番号が「5」の状態にあり、伸縮性のある緯糸bが選択されていることからそのまま逆転をしたとき緯糸の縮みが発生するものとして、図4に示すように、空打ちスタート阻止信号S3をオン状態に出力することできる。
この場合、緯糸a、緯糸bの2種類の緯糸のうち、緯糸bのみが伸縮性のある緯糸であるため、図4から明らかなように、空打ちスタート阻止信号S3の出力が緯糸選択信号CL2と実質的に同じであることから、空打ちスタート阻止信号S3を出力する代わりに選択信号CL2の出力で代用させることも可能である。しかし、緯糸糸種について、3種類以上となる織物もあり、また伸縮性のある緯糸も必ずしも1つとは限らないことから、その都度代用信号を選び出すようなことは得策でない。従って空打ちスタートの選択の可否を判定のためのアルゴリズムは、これらの事情を考慮して、例えば緯糸糸種がいずれの番号の緯入れ装置にセットされたとしても、これに対応して適切に出力可能にしておくことが望ましい。
そこで、上記実施例では、主制御装置34は、Step2の工程にて、優先的なスタート方法としての空打ちスタートが選択されていることを読出し、Step4に進んで空打ちスタート阻止信号S3が出力オンされることにより、Step6に進んで代替的なスタート方法としての通常のスタート方法である300°スタートを実行することになる。
この通常のスタート方法である300°スタートが選択されると、図3にて実線で図示するように、現在の運転操作位置である300°より起動され、1回筬打ちした後に緯入れピック番号が「1」に対応される緯糸aを緯入れするようにして織機10の運転が開始される。
参考までに、上記した空打ちスタートの実行態様について、図3にて点線で図示する。空打ちスタートは、先ず現在の運転操作位置300°より約1回転半逆転させ(1ピック前すなわち緯入れピック番号が「4」となる、角度120°まで逆転させ)、その後織機を正転起動させつつ空織り指令信号S5を出力オン状態にしてその1回転半の区間では緯入れをしない状態である空織りを行って2回筬打ちし、その後空織り指令信号S5が出力オフ状態にされて、緯入れピック番号が「1」に対応される緯糸aの緯入れを再開させて、織機の運転が開始される。このような場合には、先の逆転工程において、織機の主軸20が現在の運転操作位置300°より空打ちスタートのための逆転されて最初の経糸開口状態になった時点で伸縮性のある緯糸bが経糸や耳組糸から開放されて縮んでしまい、織物欠点が発生するという問題が生じるのである。このような緯糸の縮みが発生する主軸角度について、例えば経糸開口装置における開口曲線のドエルや経糸開口量やクロスタイミング等の開口設定条件、耳組装置の設定条件、さらには経糸や緯糸の物性などの要因により左右されるが、ある織機の例としては、例えば経糸開口装置のクロスタイミングが300°の場合、実際には主軸角度が260°付近がその限界とされる。
本発明によれば、設定部50を介して設定される優先的なスタート方法について、作業者が緯糸の伸縮性を考慮しないまま誤って空打ちスタートを選択的に設定したとしても、緯糸伸縮性に関する情報に基づきその入力情報が伸縮性有りのとき、逆転を伴う空打ちスタートに代えて代替的なスタート方法としての通常スタートを自動的に選択して織機を運転する。従って、従来のような緯糸の伸縮性の有無を考慮することなく逆転を伴う空打ちスタートを実行する結果、既に織り込まれた伸縮性のある緯糸bが織前に露出されて緯糸自身が縮んでしまい織物欠点が生じるという不都合を防止できる。
上記した実施例について、緯糸選択パターン、選択スタートに関する詳細設定(例えば空打ちスタートにおける逆転量などの織機スタートに関する設定)等の設定態様について、上記した設定例に限らず、織物仕様に合わせて自在に設定できる。
上記実施例について、以下変形例が考えられる。運転操作時における緯糸の伸縮性の判定のもとになる情報について、上記例では緯糸選択情報(緯糸選択パターン)としたが、これに限らない。例えば、緯入れノズルの噴射終了から筬打ちされるまでの間に伸縮性の強い緯糸では幾分縮む。このような緯糸の縮みを緯糸フィーラ25からの糸信号を利用して緯糸の縮みの有無を直接検出して各緯入れピック毎に記憶し、これを上記実施例の緯糸選択情報の代わりに用いてもよい。緯糸の縮み検出方法については具体的に問わない。
緯糸の伸縮性について、伸縮性の有無のほか、その伸縮性の度合い(単位長さ当たりの縮みの大きさ)を尺度としてもよい。伸縮性の度合いを尺度とするとき、緯糸の縮みにより織物欠点が発生するか否かにより、その判定基準を適宜定めてもよい。
上記実施例では、緯糸選択情報と緯糸の伸縮性の有無に関する情報とにより空打ちスタート阻止信号を発生させる例だが、例えば、2色緯入れ織機の場合2種類の緯糸を交互緯入れである2色1越(すなわち1×1)、2色2越(2×2)等、比較的に短いステップ数とされ、また伸縮性のある緯糸がセットされる緯入れ装置がいずれか一方に固定される場合には、空打ちスタート阻止信号S3をその固定側に対応される緯糸選択信号S1(CL1、CL2…のうちいずれか)により代用できる。また、緯糸選択信号S1を利用する代わりに、緯糸選択信号のもとになる情報、例えば緯入れピック番号が偶数であるか奇数であるか等の規則性により空打ちスタート阻止信号S3を出力するように構成してもよい。換言すれば、緯糸の伸縮性の有無に関する情報によることなく、単に緯糸選択情報のみよって空打ちスタートの選択の可否を判定することも可能である。
逆に、入力される緯糸の伸縮性に関する情報のみによって空打ちスタート阻止信号S3を発生させることも可能である。すなわち、判定部40の信号発生器42は、設定部50から緯糸の伸縮性の情報を受け、複数種類の緯糸のうち少なくとも1つの緯糸について伸縮性のありと判定したことにより、空打ちスタート阻止信号S3を出力することができ、設定部50で選択的に設定された優先的なスタート方法の設定の如何に関わらず、代替的なスタート方法としての通常スタートを実行して織機を運転させることができる。
さて上記した第1の実施例について、以下変形例が考えられる。上記実施例では、運転操作信号の発生時における織前に位置する緯糸が伸縮性無しのとき、いわゆる優先的なスタート方法として空打ちスタートを設定する例を示しているが、通常スタートを実行するように設定してもよく、伸縮性のない緯糸に対応するスタート方法は、実際の織段の状態などを考慮して空打ちスタートあるいはこれ以外のスタート法である通常スタートのいずれかを選択して実行すればよい。
上記第1の実施例は、予め設定部50に設定される1つの優先的なスタート方法に対し、織前に位置する緯糸の伸縮性に関する判定結果により、優先的なスタート方法に代えて予め設定される代替的なスタート方法を実行する例である。しかし、このようなスタート方法の選択的な実行の具体的な方法について、これ以外の実施形態も考えられる。その一つの形態として、例えば、運転操作信号発生時に実行するスタート方法を、織前に位置する緯糸の伸縮性を考慮して緯入れピック番号毎に設定部50に予め設定しておき、運転操作信号の発生時には、制御部32は、緯入れピック番号を特定し、特定したピック番号に対応するスタート方法で織機の運転を開始することが考えられる。緯入れピック番号は、前記したように織機の運転や逆転等の主軸回転に同期して更新されるものである。従って、運転操作信号の発生時には、そのときの緯糸ピック番号を用いることも、本件発明の第1の要旨である、運転操作信号発生時に織前に位置する緯糸の伸縮性の有無を緯糸選択に関する情報に応じて判定することに含まれる。
また、上記実施例では、織前に位置する緯糸の伸縮性の有無の判定を、運転操作信号S0の発生時に行うようにしている。しかし、停台原因の種類により、織機の運転操作位置(緯入れミス等の修復作業のための織機主軸の逆転量などの操作)が一義的に定まる場合もあり、運転操作信号の発生時期よりも前(より具体的には、停台原因信号が発生時から運転操作信号が発生されるまでの間)に、停台原因信号の種類を基に運転操作される位置(主軸角度)を推定し、前記実施例と同様に緯糸選択情報との関係から判定することも可能であり、伸縮性の有無の判定時期はいずれでも良い。なお、停台原因の種別について、例えば、緯入れミス等の緯糸トラブルによるものと、経糸切れや停止ボタン等の緯糸トラブル以外のものとに分類することができる。なぜなら、停台原因が緯糸トラブルによるときと、緯糸トラブル以外のときとで、その後の修復作業のために行われる織機主軸の回転量(逆転量)が異なるからであり、より具体的には、緯糸トラブル発生時には、織機停止時の待機角度(300°)から緯入れミス糸除去のために1回転以上の手動逆転が行われた後運転操作されるのに対し、緯糸トラブル以外の停台原因発生時には、織機停止時の待機角度(300°)からそのまま運転操作されるのである。
上記した実施例では、緯糸選択情報や緯糸糸種などの判定結果により、空打ちスタートに代えて通常スタートを自動的に選択する例であるが、そのような自動的な処理を行う代わりに、緯糸縮みによる織物欠点が発生する危険性がある旨の警報出力することもできる。例えばそのような警報として、専用の警告ランプを点灯させる、あるいは設定部50の設定表示器51上に「空打ちスタートに伴う逆転により織物欠点が発生する危険がある」旨の警報メッセージを表示させ、作業者に注意喚起することも可能である。これを見た作業者は、逆転をともなう空打ちスタートに代えて、通常スタート専用の運転操作ボタンを操作して通常スタートで運転したり、選択的な設定スタート方法の設定を通常スタートに設定し直すことも可能になる。
(2)第2の実施例
以下、本発明を実施するための別の具体的な実施形態について説明する。上記第1の実施例では、織機を制御する制御部32側の働きにより優先的なスタート方法から代替的なスタート方法としての通常スタートの実行を実現したが、以下第2の実施例では、設定部50側の働きにより実現するものである。より具体的には、作業者が織機の製織条件を設定するに際し、緯糸の伸縮性に関する情報を先に入力して設定部50側で緯糸の伸縮性の有無を判定させるとともに、伸縮性があると判定されたときには、逆転を伴う上記空打ちスタートを、設定スタート方法のリストから除外することにより、通常スタートのみを設定可能とする例である。本件発明を実現する回路構成について、図2に対し空打ちスタート阻止信号S3の出力が省かれる点を除けばほぼ同一であることから、回路に関する説明を省略する。
図6には、作業者が製織条件を設定するに際し、設定部50が行う処理フローの一部を示す。先ず作業者は、設定部50を操作して、緯糸糸種情報を入力する(Step1)。この際に入力される緯糸糸種情報として、例えば緯糸の種類、伸縮加工の有無、撚数等の伸縮性の有無に関する情報が含まれる。セットされる複数の緯糸に関する糸種情報設定が終わると、設定部50は、次工程に進んで、所定のアルゴリズムに従って、伸縮性の有無を判定し、伸縮性があるときには対応する伸縮性フラグをオン状態にし、そうでないときは、伸縮性フラグをオフ状態にする(Step2)。次いで設定部50は、伸縮性フラグがオンであるか否かを判定し(Step3)、伸縮性フラグがオフ状態のとき(すなわちnoのとき)、織機のスタート方法の選択画面表示に進み、選択可能なスタート方法の選択メニューとして空打ちスタートと通常スタートの双方を表示させる(Step4)。そこで作業者は、表示される2つのスタート方法のうちいずれか選択する入力を行うと(Step5)、設定部50は、設定されたスタート方法に対応する詳細条件の入力画面を表示するため、作業者は必要な情報を入力し(Step6)、この入力が終了されると、緯入れ条件等他の製織条件を入力するための処理に進み(Step7)、スタート方法の選択的な設定に係わる一連の処理を終了する。
これに対し、先のStep3において、伸縮性のフラグがオン状態のとき(すなわちyesのとき)、空打ちスタートの選択が不可であると判定し、選択スタート方法として、通常スタートである300°スタートに確定する(Step8)。次いで設定部50は、通常スタートに対応する詳細条件の入力画面を表示するため、作業者は必要な情報を入力する(Step6)。この入力が終了されると、緯入れ条件等他の製織条件を入力するための処理に進み(Step7)、スタート方法の選択的な設定に係わる一連の処理を終了する。
このようにして、先に緯糸伸縮性に関する情報が入力され、設定部50はその入力情報に基づきその入力情報が伸縮性有りのとき、選択可能なスタート方法のうち逆転を伴う空打ちスタートを選択できないように、選択リストから外すことにより、織機のスタート方法として、通常のスタート方法が選択されて確定される。従って、作業者は緯糸の伸縮性の有無を考慮しなくても誤って空打ちスタートを選択的に設定するようなことがなく、第1の実施例と同様、従来のような逆転を伴う空打ちスタートを実行する結果、既に織り込まれた伸縮性のある緯糸bが織前に露出されて緯糸自身が縮んでしまい織物欠点になるという不都合を防止できる。従って、作業者や検反担当者が、スタート方法の誤設定による織物欠点に気づくまでの長い期間にわたり織物品質を低下させてしまうという問題も防止できる。
上記した、第1および第2の実施例に対し、以下変形例が考えられる。
上記実施例では、代替的なスタート方法としての通常スタートとして300°スタートとしたが、このスタート方法は、現在の運転操作位置(角度300°)より織機を起動させて筬打ちタイミング(角度0°)を通過させた後に緯入れを開始するスタート方法である。しかし、運転操作位置(待機角度)は、300°に限らず、例えば、運転操作位置は必ずしも筬打ちタイミングよりも前である必要がないことから、これ以降にする定めることもできる。例えば、図7に示すように、織機停止時の織工待機する角度を60゜として運転操作位置を角度60゜とし、現在の運転操作位置より織機を起動させて緯入れを開始した後に筬打ちするスタート方法とすることもできる。なぜなら、織物組織2/1,3/1等の綾組織時には、角度300°では、いずれかの綜絖枠が最大開口状態におかれる結果、織前位置が上・下方向に移動することにともなって発生する織段(綾枕)があり、このような織段対策としては、織前位置が上下方向に移動されないように経糸開口が開口運動方向にいくらか開口状態になる主軸角度でスタートさせたほうが好ましく、経糸開口がそのような状態になるのが主軸角度60゜近傍であることから導き出される。本件詳細説明では、前者である300°スタートは、第1のスタートの一例であり、後者である60゜スタートは第2のスタートの一例である。なお、前者および後者の運転操作位置(角度)は、それぞれ角度値300°、60゜あるいはその近傍の角度値のみならず、その趣旨を逸脱しない範囲で自在に設定することができる。
また、上記した第1および第2の実施例では、空打ちスタートに代えて選択する代替的なスタート方法としての通常スタートについて、300°スタートのみが設定されているが、300°スタートの代わりに60゜スタートを設定してもよく、さらには、上記2つを含む複数のスタート方法の中から選択可能にしてもよい。その選択の仕方として、作業者は、過去の経験等に基づき選択するスタート方法を予め設定したり、あるいは、緯糸や経糸の糸種情報や打込密度や織物組織などの設定部50に入力された設定データを所定アルゴリズムにしたがって分析し、適切な代替的なスタート方法を自動的に選択してスタート方法の選択情報として制御部に送り込むことも考えられる。
上記した実施例に対し、より好ましくは他の織段防止技術を併用させる。他の織段防止技術として、より具体的には、織機の運転操作時に起動準備信号S9を発生させ、巻取ロールや経糸ビームを所定量回転させて織前位置を補正する技術などが考えられる。このような技術を、例えば、上記したように空打ちスタートに代えて通常スタートを選択した際に併用させる。あるいは、スタート方法の如何に関わらず併用させることができ、より好ましくは、織前位置補正のための回転量を、空打ちスタート時と通常スタート時とで異なる設定値に設定することも考えられる。
また、図2に示した制御部32では、織機のスタートを制御する主制御装置34と、緯糸選択情報や緯糸の伸縮性に関する情報から上記空打ちスタートの可否を判定する判定部40とを、それぞれ独立した回路構成としたが、一体化した回路により実現してもよい。また、制御部32を構成する主制御装置34に、経糸制御部、フィーラなど織機上の各処理機能を持たせて、一体化した回路にて処理するように構成してもよく、マイコンと予め組み込まれるソフトウエアによりこれら全ての処理を行うように構成してもよい。
上記図1に示した実施例は、2色緯入れ織機の例であるが、1色緯入れ織機、3色以上の緯入れ織機に適用してもよい。また上記実施例では、エアージェット織機を一例として示したが、ウオータジェット織機やレピア織機など他の無杼織機においても適用可能である。さらには、緯入れミスや糸切れなどの停台要因を自動的に修復して再運転する自動修復装置を備えた織機にも適用可能である。
本発明が適用されるエアージェット織機の全体構成図である。 本発明の織機の制御装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明の空打ちスタートの選択可否を判定を行う織機のスタート制御で、通常スタートとして300°スタートが選択されるときの停止原因発生時から織機運転が開始されるまでの一連の流れを示す説明図である。 本発明で、空打ちスタートの選択可否の判定のもとになる緯糸選択情報の設定例を示す図である。 本発明の織機のスタート制御で、制御部が空打ちスタートの選択可否を判定する際の処理を示すフロー図である。 本発明で、設定段階で空打ちスタートの選択の可否を設定部が判定する際の処理を示すフロー図である。 本発明の織機のスタート制御で、通常スタートとして60°スタートが選択されるときの停止原因発生時から織機運転が開始されるまでの一連の流れを示す説明図である。
符号の説明
10 織機
11a,11b 緯糸
12a,12b 給糸体
13a,13b 緯糸測長装置
14a,14b 係止ピン
15a,15b メインノズル
16 サブノズル
17 電磁開閉弁
18 調圧装置
19 流体供給源
20 主軸
20 織機主軸
21 経糸開口
22 筬
23 織布
24 織前
25 緯糸フィーラ
26 給糸カッタ
27 角度検出器
28 緯入れ制御部
30 制御装置
32 制御部
34 主制御装置
35a 運転ボタン
35b 逆転ボタン
36,37 電流発生器
38 原動モータ
39 織機ブレーキ
40 判定部
41 歩進信号発生器
42 信号発生器
44 経糸制御部
45 緯糸検知部
51 設定表示器
a,b 緯糸
S0 運転操作信号
S1,(CL1、CL2) 緯糸選択信号
S2 判定指令信号
S3 空打ちスタート阻止信号
S4 運転信号
S5 空織り指令信号
S6 起動信号
S7 逆転信号
S8 制動指令信号
S9 起動準備信号
Sf 正転歩進信号
Sr 逆転歩進信号

Claims (5)

  1. 複数のスタート方法のうちいずれかを選択するとともに、運転操作信号の入力にともない、前記選択されたスタート方法に従って織機を運転する制御部と、
    織機運転中、緯糸選択情報に従って複数種類の緯糸のうちいずれかを選択的に緯入れする緯入れ制御部とを有し、
    前記複数のスタート方法には、織機主軸を所定量だけ逆転させ、次いで織機を起動する一方緯入れを伴わないまま筬打ちし、その後緯入れを開始する空打ちスタートと、通常スタートとを含み、前記空打ちスタートの逆転量は、織前に位置する緯糸が経糸から開放状態になるように設定される、織機のスタート制御装置において、
    運転操作信号発生時には、織前に位置する緯糸の伸縮性の有無を緯糸選択に関する情報に応じて判定し、判定結果が伸縮性有りのときには、通常スタートを実行することを特徴とする、織機のスタート制御方法。
  2. 複数のスタート方法のうちいずれかを選択する選択情報ならびに緯糸の伸縮性に関する情報が入力される設定部と、
    運転操作信号の入力にともない前記選択されたスタート方法に従って織機を運転する制御部と、
    織機運転中、緯糸選択情報に従って複数種類の緯糸のうちいずれかを選択的に緯入れする緯入れ制御部とを有し、
    前記複数のスタート方法には、織機主軸を所定量だけ逆転させ、次いで織機を起動する一方緯入れを伴わないまま筬打ちし、その後緯入れを開始する空打ちスタートと、通常スタートとを含み、前記空打ちスタートの逆転量は、織前に位置する緯糸が経糸から開放状態になるように設定される、織機のスタート制御装置において、
    前記制御部は、運転操作信号入力時、織前に位置する緯糸の伸縮性の有無を緯糸選択に関する情報に応じて判定し、判定結果が伸縮性有りのときには、通常スタートを実行することを特徴とする、織機のスタート制御装置。
  3. 複数のスタート方法のうちいずれかを選択する選択情報ならびに緯糸の伸縮性に関する情報が入力される設定部と、
    運転操作信号の入力にともない前記選択されたスタート方法に従って織機を運転する制御部とを有し、
    前記複数のスタート方法には、織機主軸を所定量だけ逆転させ、次いで織機を起動する一方緯入れを伴わないまま筬打ちし、その後緯入れを開始する空打ちスタートと、通常スタートとを含み、前記空打ちスタートの逆転量は、織前に位置する緯糸が経糸から開放状態になるように設定される、織機のスタート制御装置において、
    前記設定部または制御部のうちいずれかは、前記入力される緯糸の伸縮性に関する情報に基づき前記空打ちスタートの選択可否を判定することを特徴とする、織機のスタート制御装置。
  4. 前記設定部は、前記判定情報を視認可能な形で表示することを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の織機のスタート制御方法または織機のスタート制御装置。
  5. 前記通常のスタート方法として、少なくとも以下いずれかを含むことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の織機のスタート制御方法または織機のスタート制御装置。
    (1)現在の運転操作位置より織機を起動させて最初に筬打ちした後に緯入れを開始する第1のスタート;
    (2)現在の運転操作位置より織機を起動させて最初に緯入れを開始した後に筬打ちする第2のスタート;
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