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JP2005251961A - Iii族窒化物単結晶ウエハおよびそれを用いた半導体装置の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物単結晶ウエハおよびそれを用いた半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP2005251961A JP2004060072A JP2004060072A JP2005251961A JP 2005251961 A JP2005251961 A JP 2005251961A JP 2004060072 A JP2004060072 A JP 2004060072A JP 2004060072 A JP2004060072 A JP 2004060072A JP 2005251961 A JP2005251961 A JP 2005251961A
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Yasuo Kitaoka
康夫 北岡
Takashi Minemoto
尚 峯本
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】 ウエハの裏面を研削して薄化する際に、ウエハにかかるストレスを軽減し、ウエハの損傷の発生を抑制することができるIII族窒化物単結晶ウエハを提供する。
【解決手段】 本発明の第1のIII族窒化物単結晶ウエハは、六方晶系のIII族窒化物単結晶ウエハであって、半導体素子が形成される面を第1の主面とし、前記第1の主面とは反対側の面を第2の主面とするとき、少なくとも前記第2の主面の縁端部が面取りされており、前記第2の主面の縁端部における面取り量が、前記第1の主面の縁端部における面取り量よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、III族窒化物単結晶ウエハ、および、それを用いた半導体装置の製造方法に関する。
窒化ガリウム(GaN)などのIII族窒化物化合物半導体は、青色や紫外光を発光する半導体素子の材料として注目されている。青色レーザダイオード(LD)は、高密度光ディスクやディスプレイに応用され、また青色発光ダイオード(LED)はディスプレイや照明などに応用される。また、紫外線LDは、バイオテクノロジなどへの応用が期待され、紫外線LEDは、蛍光灯の紫外線源として期待されている。
LDやLED用のIII族窒化物半導体(例えば、GaN)の基板は、通常、サファイア基板上に、気相エピタキシャル成長法を用いて、III族窒化物結晶をヘテロエピタキシャル成長させることによって形成されている。気相成長方法としては、有機金属化学気相成長(Metalorganic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法、水素化物気相成長(Hydride Vapor Phase Eptaxy:HVPE)法、分子線エピタキシー(Molecular Beam Epitaxy:MBE)法などがある。
一方、気相エピタキシャル成長ではなく、液相で結晶成長を行う方法も検討されてきた。GaNやAlNなどのIII族窒化物単結晶の融点における窒素の平衡蒸気圧は1万気圧以上であるため、従来、GaNを液相で成長させるためには1200℃で8000気圧の条件が必要とされてきた。これに対し、近年、Naなどのアルカリ金属をフラックスとして用いることで、750℃、50気圧という比較的低温低圧でGaNを合成できることが明らかにされた。
最近では、アンモニアを含む窒素ガス雰囲気下においてGaとNaとの混合物を800℃、50気圧で溶融させ、この融解液を用いて96時間の育成時間で、最大結晶サイズが1.2mm程度の単結晶が得られている(例えば、特許文献1参照)。
また、サファイア基板上に有機金属気相成長(MOCVD)法によってGaN結晶層を成膜したのち、液相成長(Liquid Phase Epitaxy:LPE)法によって単結晶を成長させる方法も報告されている。
このような方法によって、サファイア基板上のMOCVD膜をシードとして、数mm厚みのGaN結晶を液相成長させた場合、サファイア基板を除去することで、GaN自立基板を得ることができる。更に、大型のGaN結晶を成長させ、スライス加工することでもGaN自立基板を得ることができる。
また、GaN単結晶ウエハとしては、GaN自立基板を円形に加工し、表裏面の縁端部を、それぞれ等しく面取りしたものが提案されている(特許文献2参照)。本文献においては、面取り部分で光を乱反射させることにより、透明であるGaN単結晶ウエハの視認性を向上させている。
特開2002−293696号公報 特開2002−356398号公報
一般に、半導体レーザなどの半導体デバイスでは、デバイス温度が信頼性に大きく影響するため、放熱特性が重要な要素となる。そのため、半導体レーザなどでは、基板(ウエハ)を薄化して、放熱特性を向上させるという手段が採用されている。
サファイア基板上に形成されたGaN単結晶を用いる場合、サファイア基板にはへき開面が存在しないので、これを研削や研磨によって、容易に薄化することができる。
しかしながら、GaNなどの六方晶系III族窒化物単結晶の基板(ウエハ)は、上記と同様にして、研削や研磨により薄化しようとした際、その加工ストレスにより、ウエハが鋭角的に欠けやすく、ウエハにチッピングやクラックが発生しやすいとう問題があった。特に、六方晶系III族窒化物単結晶は、へき開面を有しているため、加工時にチッピングが発生すると、その部分からへき開面に沿ってウエハが割れてしまうおそれがあり、半導体装置の作製歩留まりなどを大きく低下させてしまう。
また、半導体装置の製造においては、デバイスの性能を最大限に生かすため、基板材料であるウエハの最適な結晶方位を基準として、各製造工程を実施する必要がある。そのため、ウエハには、結晶方位を識別するためのオリエンテーションフラットが設けられる。このオリエンテーションフラットは、通常、研削加工によって、ウエハの周囲の一部に、特定の結晶方位に沿った直線状の部分を設けることによって形成される。しかしながら、従来のウエハ製造においては、この研削加工によって形成されたオリエンテーションフラットと、実際の結晶方位とを正確に対応させるには困難であり、様々な工夫と労力が必要であった。
そこで、本発明は、薄化加工時にウエハにかかるストレスを軽減し、ウエハの損傷の発生を抑制することができるIII族窒化物単結晶ウエハを提供することを第1の目的とする。更に、本発明は、結晶方位に正確に対応したオリエンテーションフラットを有するIII族窒化物単結晶ウエハを提供することを第2の目的とする。
上記第1の目的を達成するために、本発明の第1のIII族窒化物単結晶ウエハは、六方晶系のIII族窒化物単結晶ウエハであって、半導体素子が形成される面を「第1の主面」とし、前記第1の主面とは反対側の面を「第2の主面」とするとき、少なくとも前記第2の主面の縁端部が面取りされており、前記第2の主面の縁端部における面取り量が、前記第1の主面の縁端部における面取り量よりも大きいことを特徴とする。
なお、上記III族窒化物単結晶ウエハにおいては、前記第1の主面の縁端部は、面取りされていても、面取りされていなくてもよい。すなわち、前記第1の主面の縁端部における面取り量は、「0」であってもよい。なお、面取り量とは、面取りされた部分の厚みを意味するものとする。
また、上記第2の目的を達成するため、本発明の第2のIII族窒化物単結晶ウエハは、六方晶系のIII族窒化物単結晶ウエハであって、その側周面にオリエンテーションフラットが設けられており、前記オリエンテーションフラットの少なくとも一部が、III族窒化物単結晶を成長させる過程で形成された自然結晶面で構成されていることを特徴とする。
なお、自然結晶面とは、単結晶の外形を構成する面であって、単結晶の成長過程で形成された状態のままで残存する面を意味する。
上記第1のIII族窒化物単結晶ウエハにおいては、少なくとも、半導体素子が形成される面とは反対側の面、すなわち第2の主面の縁端部が面取りされている。前述したように、半導体装置を製造する際には、放熱特性改善などの目的で、ウエハ裏面(すなわち、第2の主面)に対する研削や研磨などの除去加工によって、ウエハを薄化する工程が実施される。本発明のウエハにおいては、ウエハ裏面(第2の主面)側の縁端部が面取りされているため、上記除去加工時に、ウエハの側周面を、加工器具に対して傾斜した状態に維持することができる。その結果、加工時にウエハにかかるストレスを軽減することができ、ウエハの損傷を抑制することができる。
特に、本発明のウエハにおいては、第2の主面側の面取り量が、第1の主面側の面取り量よりも大きく調整されている。このように、上記のような除去加工が施される第2の主面側の面取り量を大きく調整することによって、ウエハの薄化程度が大きい場合であっても、確実に、上記効果を実現することが可能である。
また、上記第2のIII族窒化物単結晶ウエハにおいては、オリエンテーションフラットの少なくとも一部を自然結晶面で構成しているため、結晶方位に正確に対応したオリエンテーションフラットとすることができる。よって、例えば、このウエハを用いて半導体装置を製造する際に、最適な結晶方位を基準にして作製することが容易となる。
(実施の形態1)
図1A〜Cは、本発明の実施形態に係るIII族窒化物単結晶ウエハの一例を示す断面図である。なお、図中左側に示した矢印は、結晶のC軸方向を示すものである。
このウエハ10は、六方晶系のIII族窒化物単結晶で構成されている。このIII族窒化物としては、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)などが挙げられるが、特に、GaNであることが好ましい。また、ウエハ10の形状は、円形であることが好ましい。なお、ウエハ10の厚みは、特に限定するものではないが、例えば200〜1000μm、好ましくは300〜500μmである。
このウエハ10は、特に限定するものではないが、例えば、{0001}面方位の基板、すなわちC面(C軸に垂直な面)を主面とする基板である。また、A面({11−20}面)、M面({1−100}面)を主面とする基板であってもよい。ウエハの一方の主面11は、半導体素子(例えば、半導体レーザ、発光ダイオード、高周波デバイスなど)が形成される面であり、鏡面に加工されている。以下、半導体素子が形成される主面11を「第1の主面」とし、他方の主面、すなわち、第1の主面に対して反対側の面12を「第2の主面」とする。
上記ウエハ10においては、図1Aに示すように、少なくとも第2の主面12の縁端部が面取りされている。面取りの一形態としては、図1Aに示すように、ウエハ縁端部の、第2の主面12に対して垂直な断面形状が、円弧状となるような形態が挙げられる。
図1Aに示すように、第2の主面12側の縁端部の面取りは、ウエハ10の側面全体の断面形状が、円弧状となるように実施することができる。すなわち、面取り量(T1)が、ウエハ10の厚みと同等となるように実施することができる。この場合、円弧部分の半径(R)は、ウエハ10の厚みと同等か、またはそれ以上に設定され、例えばウエハ厚み500μmに対して、500〜2000μm、好ましくは500〜1000μmに設定される。
また、ウエハ10の側面において、第2の主面12側の部分は面取りによって円弧状に加工されているが、第1の主面11側の部分には、主面に略垂直な部分が残存するように実施することも可能である。このような形態のウエハの一例を、図1Bに示す。この場合、主面に対して略垂直な部分の厚み(T3)は、最終的な素子厚みよりも小さく設定され、例えば50〜200μm、好ましくは75〜125μmに設定される。また、第2の主面12側の面取り量(T1)は、特に限定するものではないが、例えば100〜500μm、好ましくは200〜400μmに設定される。また、面取り部分の半径(R)については、特に限定するものではないが、例えばウエハ厚み500μmに対して、例えば300〜2000μm、好ましくは450〜1000μmに設定される。
図1AおよびBに示した例においては、第2の主面12側の縁端部は面取りされているが、第1の主面11側の縁端部については、面取りされておらず、稜線が残存している。しかしながら、本実施形態に係るウエハにおいては、第2の主面12側だけでなく、第1の主面11側の縁端部が面取りされていてもよい。第1の主面11側をも面取りすることにより、ウエハの運搬中などにおいて、外部からの衝撃などによってウエハが損傷することを抑制することができる。
図1Cは、このような形態の一例を示す断面図である。図1Cに示すように、第1の主面11側を面取りする場合、その面取り量(T2)は、第2の主面12側の面取り量(T1)よりも小さくなるように調整される。更に、第1の主面11側の面取り量(T2)は、最終的な素子厚みよりも小さく設定され、例えば50〜200μm、好ましくは75〜100μmに設定される。なお、第2の主面12側の面取り量(T1)については、図1Bの形態と同様に設定される。
なお、第1の主面11側の面取りの形態については、特に限定するものではなく、第2の主面12側と同様に、ウエハ10の縁端部の断面形状が円弧状となるように加工された形態とすることができる。そのほか、ウエハ10の縁端部を、第1の主面に対して傾斜した傾斜面で削り取った形態などが挙げられる。
また、図1Cにおいては、第1の主面11側の面取り部分と、第2の主面12側の面取り部分は、互いに独立している、すなわち、面取り部分同士の間に、これらの主面に略垂直な部分が存在している。しかしながら、これらの面取り部分が互いに連続している、すなわち、面取り部分同士の間に、主面に略垂直な部分が存在しないような形態であってもよい。
上記ウエハ10においては、側周面にオリエンテーションフラットが設けられていることが好ましい。更に、このオリエンテーションフラットの少なくとも一部が、III族窒化物単結晶を成長させる過程で形成された自然結晶面で構成されていることが好ましい。このようなオリエンテーションフラットについては、実施の形態4において詳説する。
次に、上記ウエハの製造方法の一例について説明する。
まず、III族窒化物単結晶の基板を作製する。III族窒化物単結晶の作製は、例えば、液相成長法(LPE:Liquid Phase Epitaxy)によって実施することができる。特に、窒素を含む雰囲気下において、III族元素(好ましくは、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群より選ばれる。)と、アルカリ金属とを含む融液で成長させることによって作製されることが好ましい。なお、成長過程においては、融液中に窒素が含まれることはいうまでもない。
このような結晶成長に使用される装置は、育成炉を備えており、この炉内に坩堝が配置されている。結晶成長工程においては、この坩堝内に、融液およびシード基板が配置される。また、育成炉には、原料ガスを供給するための配管が接続されている。更に、育成炉内には、炉内を加熱するためのヒータが配置されている。
III族窒化物単結晶の作製方法について、前記装置を用いて実施する場合を例に挙げて説明する。
まず、シード基板を作製する。シード基板は、基板表面に、III族窒化物結晶からなる種結晶層を備えるものである。基板としては、例えば、サファイア基板、SiC基板、GaAs基板、Si基板などを使用することができる。種結晶層の形成方法としては、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、ハイドライド気相成長法(HVPE法)などを採用することができる。また、気相成長や液相成長により作製されたIII族窒化物結晶からなる種結晶をシード基板として用いることもできる。この場合、シード基板との線膨張係数の差がないので、より好ましい。
続いて、III族元素と、フラックスであるアルカリ金属とを坩堝に投入し、この坩堝を窒素を含む加圧下で加熱することによって溶融させ、融液を形成する。III族元素は、結晶成長させる半導体に応じて選択され、ガリウム、アルミニウムまたはインジウムである。これらは、単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。窒化ガリウムの結晶を形成する場合には、ガリウムのみが用いられる。アルカリ金属には、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)若しくはカリウム(K)が、単独で、または二種類以上を組み合わせて使用される。これらのなかでも、Naが好ましい。また、アルカリ金属は、精製したものを使用することが好ましい。精製方法としては、特に限定するものではないが、例えば、不活性ガス(例えば、He、N、Ar、Ne、Xeなど)で置換されたグローブボックス内でアルカリ金属を加熱して融解し、その表面層に現れる酸化物などを除去する方法を採用することができる。また、ゾーンリファイニング法を採用することも可能である。ゾーンリファイニング法では、チューブ内でアルカリ金属の融解と固化とを繰り返すことによって、不純物を析出させ、それを除去することにより、精製が実施される。
なお、フラックスであるアルカリ金属の添加量については、特に限定するものではないが、融液中において、例えばモル比率(III族金属/(III族金属+アルカリ金属))が、7〜47%、好ましくは15〜35%である。
また、融液は、ドーピング物質として、Ca、Mg、Be、Sr、Baなどのアルカリ土類金属の少なくとも一つを含んでいてもよい。ドーピング物質を添加することにより、より低圧での結晶育成が可能となる。この場合、ドーピング物質の添加量は、融液中において、例えば0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%の範囲である。
次に、育成炉内に窒素を含む原料ガスを導入し、III族元素と窒素とを反応させて、種結晶層上にIII族窒化物結晶を成長させる。原料ガスとしては、窒素ガスのほか、窒素とアンモニア(NH)との混合ガスを使用することができる。混合ガスを使用する場合、混合ガス中におけるNHガスの比率を、例えば50体積%以下、好ましくは20体積%以下とすることができる。
なお、材料の溶融および結晶成長の条件は、フラックスの成分、雰囲気ガス成分およびその圧力によって変化するが、例えば、温度700〜1100℃、圧力1〜100気圧であり、好ましくは、温度700〜900℃、圧力1〜50気圧である。
また、結晶成長時間は、III族窒化物単結晶が所望の厚みとなるまでとすることができ、例えば25〜200時間である。III族窒化物単結晶の厚みは、特に限定するものではないが、例えば0.5〜2.0mmである。しかしながら、さらに長時間育成をしても問題はない。この場合は、得られたIII族窒化物単結晶をスライス加工して、所望の厚みに調整する。
上記方法により得られたIII族窒化物単結晶から、シード基板中のIII族窒化物結晶以外の部分(サファイア基板などの基板部分)を除去することにより、III族窒化物単結晶の自立基板が得られる。基板の除去は、例えば、研削加工やダイヤモンドを用いた研磨によって実施することができる。
作製されたIII族窒化物単結晶の自立基板の周面を研削し、円筒形に加工する。その後、基板の上面(第1の主面)および下面(第2の主面)を研磨(ラッピング)し、基板の厚みを調整する。そして、基板の少なくとも第1の主面を研磨(ポリシング)し、鏡面に加工する。これらの研磨工程は、例えば、研磨剤としてダイヤモンドスラリを用いて実施することができる。更に、鏡面加工の後、例えば塩素系ガスを用いて、加工面に対するエッチングを実施することが好ましい。ポリシングによる表面変質層を除去することができるからである。
続いて、ウエハの第2の主面側の縁端部を面取りする。図6Aは、面取り工程の一例を説明するための模式図である。面取りは、回転する研削工具(砥石)61によって、ウエハ10の縁端部を研削することにより実施できる。図示のように、研削工具61は、被研削物(ウエハ)との当接面(研削面)が、断面形状が円弧状となるような凹面である砥石が使用される。この研削工具61を回転させ、研削工具61の研削面を、ウエハ10の第2の主面側縁端部の稜線に当接させる。これによって、この縁端部を円弧状に面取りすることができる。以上の工程によって、本実施形態に係るIII族窒化物単結晶ウエハを作製することができる。
(実施の形態2)
上記実施の形態1においては、第2の主面側の縁端部を曲面で面取りした形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第2の主面側の縁端部は、傾斜面によって面取りすることも可能である。
図2Aは、このような形態のウエハの一例を示す断面図である。このウエハ20においては、前述したように、第2の主面22側の縁端部が、平坦な傾斜面によって面取りされている。この傾斜面は、第2の主面22および第1の主面21に対して傾斜した平面であり、その傾斜角(θ)は、例えば、0°を超え、且つ、60°以下の範囲、好ましくは10〜45°に設定される。
図2Aに示すように、第2の主面22側の面取りは、ウエハ20の側面全体が、第2の主面に対して傾斜した傾斜面で構成されるように実施することができる。また、ウエハ20の側面において、第2の主面22側の部分は傾斜面で構成されているが、第1の主面21側の部分には、第1の主面21に略垂直な平面で構成された部分が残存するように実施することも可能である。このような形態のウエハの一例を、図2Bに示す。この場合、第1の主面21に略垂直な平面で構成された部分の厚み(T3)は、最終的な素子厚みよりも小さく設定され、例えば50〜200μm、好ましくは75〜125μmに設定される。また、第2の主面22側の面取り量(T1)は、例えば100〜500μm、好ましくは200〜400μmに設定される。
また、本実施形態においては、図2Cに示すように、第2の主面22側だけでなく、第1の主面21側の縁端部が面取りされていてもよい。この場合、第1の主面21側の面取り量(T2)は、第2の主面22側の面取り量(T1)よりも小さくなるように調整される。この第1の主面21側の面取りについては、実施の形態1と実質的に同様であるため、その説明を省略する。
本実施形態に係るウエハは、面取り工程において使用する研削工具(砥石)の形状が異なること以外は、実施の形態1と同様の方法によって製造することができる。図6Bは、本実施形態における面取り工程の一例を説明するための模式図である。図示のように、本実施形態においては、研削工具62として、被研削物(ウエハ)の研削面の断面形状が、直線状である砥石が使用される。このような研削工具62としては、例えば、円筒形、円錐台形のものが挙げられる。この研削工具62を回転させ、その研削面を、ウエハ20の第2の主面側縁端部の稜線に、ウエハ20の第1および第2の主面に対して所望の角度で傾斜させた状態で当接させる。これによって、第2の主面側の縁端部を傾斜面で面取りすることができる。
なお、本実施の形態に係るウエハおよびその製造方法は、第2の主面側の面取りの形態が異なること以外は、実施の形態1と同様である。
(実施の形態3)
次に、本発明に係るIII族窒化物単結晶ウエハを用いて、半導体装置を作製する方法の一例について説明する。
まず、前述したような、本発明に係るIII族窒化物単結晶ウエハの第1の主面上に、半導体素子を形成する。半導体素子としては、特に限定するものではないが、例えば、半導体レーザ、発光ダイオードおよび電界効果トランジスタなどが挙げられる。なお、半導体素子の構造については、特に限定するものではない。また、その形成方法についても、特に限定するものではなく、公知の方法を採用することができる。
半導体素子を形成した後、ウエハの第2の主面に対して除去加工を施し、ウエハを薄化する。このウエハの薄化によって、放熱特性が向上し、デバイスの信頼性を向上させることができる。除去加工としては、例えば、研削、研磨などの方法を採用することができる。このとき、除去加工により薄化された面と、面取りされた縁端部とがなす角を、90°を超え、且つ、150°以下に保持しながら除去加工を行うことが好ましい。
このとき、例えば、研削盤を用いて第2の主面の除去加工を実施する場合、ウエハ裏面(第2の主面)側の縁端部が面取りされているため、ウエハの側周面を、研削盤(砥石の研削面)に対して傾斜した状態に維持することができる。その結果、加工時にウエハ縁端部にかかるストレスを軽減することができ、ウエハに、チッピングやヒビ(クラック)などの損傷が発生することを抑制することができ、半導体装置製造の歩留まりを向上させることができる。
特に、液相成長によって作製されたIII族窒化物単結晶は、結晶性が緻密であり、これをウエハ状に切り出し、面取り加工を施すことによって、加工に対する耐性がより向上したウエハとすることができる。
(実施の形態4)
図3は、本発明の実施形態に係るIII族窒化物単結晶ウエハの一例を示す平面図である。
このウエハ30は、実施の形態1と同様に、六方晶系のIII族窒化物単結晶で構成されており、好ましくは円形の基板である。このウエハ30は、特に限定するものではないが、例えば、{0001}面方位の基板、すなわちC面(C軸に垂直な面)を主面とする基板である。また、A面({11−20}面)、M面({1−100}面)を主面とする基板であってもよい。ウエハ30の一方の主面は、半導体素子が形成される面であり、鏡面に加工されている。なお、ウエハ30の厚みについても、実施の形態1と同様である。
上記ウエハ30においては、図3に示すように、その側周面の一部に、主面に対して垂直な平面(図中の31)が存在している。換言すれば、ウエハ30の主面に対して平行な断面において、周縁部の一部に直線状の部分が存在している。この部分は、結晶方位を示すための、オリエンテーションフラットとして機能する。
オリエンテーションフラット31は、ウエハの結晶方位を示すものである。このオリエンテーションフラットの存在により、デバイス作製プロセスにおいて、デバイス作製方向を容易に判断することができる。
上記オリエンテーションフラット31は、単結晶の自然結晶面で構成されている。自然成長面は、単結晶の成長過程で形成された状態のままで残存する面である。この自然結晶面は、一般的には研磨、研削などの加工が施されていない未加工面であるが、この未加工面に対して平行性を維持しながら、研磨、研削などの加工が施されていてもよい。
未加工の単結晶において、その外形は、結晶形態に応じた結晶面で構成されている。六方晶系の場合、単結晶の外形は、主に、C軸に垂直な2種の結晶面と、C軸に平行な6種の結晶面で構成される。本実施形態においては、これらの結晶面のいずれかを、未加工のまま、ウエハの側周面の一部を構成するものとして残存させる。
例えば、{0001}面方位のウエハの場合、主面はC面(すなわち、C軸に垂直な結晶面)で構成される。そして、上記オリエンテーションフラット31を構成する自然結晶面としては、C軸に平行な結晶面が用いられ、好ましくは、M面({1−100}面)が用いられる。
このようなウエハ30においては、オリエンテーションフラット31の少なくとも一部を自然結晶面で構成しているため、結晶方位に正確に対応したオリエンテーションフラットとすることができる。よって、例えば、このウエハを用いて半導体装置を製造する際に、最適な結晶方位を基準にして作製することが容易となる。
上記ウエハの製造方法の一例について、{0001}面方位のウエハを製造する場合を例に挙げて説明する。まず、実施の形態1と同様にして、III族窒化物単結晶を成長させ、シード基板の基板(例えば、サファイア基板)を除去し、自立基板を得る。この自立基板の側周面には、C軸に平行な結晶面が存在する。続いて、自立基板の側周面を研削して、円筒形に加工する。このとき、側周面の一部において、研削加工を施さず、結晶面の一部を残存させる。これにより、自然結晶面によって構成されたオリエンテーションフラットが形成される。その後、実施の形態1と同様に、基板の上下面(C面)を研磨(ラッピング)し、更に、その上下面の少なくとも一方を研磨(ポリシング)して鏡面に加工することにより、本実施形態に係るウエハが作製される。
また、本実施の形態に係るウエハにおいては、主面縁端部の面取りは、必ずしも必要ではない。しかしながら、本実施の形態においても、実施の形態1および2と同様に、少なくとも第2の主面(素子形成面とは反対側の面)側の縁端部を面取りすれば、半導体装置の製造時におけるウエハの破損を低減することができる。なお、面取りを実施する場合、オリエンテーションフラット部分については、少なくとも素子形成面(第1の主面)の縁端部においては、自然結晶面が残存するように、面取りが実施される。
以下、実施可能な具体例を用いて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例では、GaN単結晶ウエハを例に用いて説明する。
本実施例では、図2Bに示すような形状のGaN単結晶ウエハの製造方法の一例について説明する。なお、本実施例では、C面を主面とする基板({0001}面基板)を製造する場合を例に挙げて、説明する。
まず、GaN単結晶を成長させた。図4は、本実施例において用いられる装置を示す模式図である。この装置は、ステンレス製の育成炉401を備え、50気圧に耐えられるようになっている。育成炉401には、加熱用のヒータ402および熱電対403が配置されている。育成炉401内には、坩堝固定台404と、これを回転軸405を中心として回転(揺動)させるための揺動機構(図示せず。)が配置されている。坩堝固定台404内には、アルミナ(Al)からなる坩堝406が固定されている。坩堝406内には、融液407およびシード基板408が配置される。坩堝固定台404が揺動することにより、坩堝406内の融液407が左右に移動し、これにより、融液407を攪拌することができる。炉内の圧力は、流量調整器409によって調整される。原料ガスである窒素ガス、またはアンモニアガス(NHガス)と窒素ガスとの混合ガスは、原料ガスタンク(図示ゼ図。)から供給され、ガス精製部(図示せず。)によって不純物が除去されたのちに、配管410を通って、育成炉401内に送られる。
本実施例においては、この育成装置を用いて、次のような工程によりGaN単結晶を成長させた。
(1) まず、GaとフラックスであるNaとを、所定の量だけ秤量し、坩堝406内にセットした。本実施例では、Gaを5gとNaを4.4g(モル比(Ga/(Ga+Na))=27%)を秤量した。Gaには、純度が99.9999%(シックスナイン)のものを用いた。また、Naは、精製したNaが用いられる。精製方法については、前述した通りである。また、坩堝406内にシード基板408をセットする。シード基板408には、サファイア基板上に、MOCVD法により厚み10μmのGaN結晶層を形成したものを用いた。
(2) 次に、育成炉401を密閉し、炉内雰囲気中の酸素や水分を除去するため、真空引きと窒素置換を複数回行った。窒素を充填し、坩堝406内の原材料を加圧下で加熱することによって溶融させた。加熱温度は800℃とした。この段階では、図示するように、シード基板408は融液407中には存在させない。GaおよびNaをかき混ぜるため、シード基板408上に融液407が付着しない程度に、坩堝406を揺動させた。
(3) 回転軸405を中心に坩堝406を揺動させ、シード基板408を融液407中に入れ、結晶育成を開始した。
(4) 結晶育成中は、融液407を攪拌させるため、1分間に1周期のスピードで坩堝406を揺動させた。ただし、育成中は、シード基板408は、融液407中に存在させた。坩堝406内を、温度800℃、圧力40気圧を保持し、100時間、LPE成長を行った。
(5) 育成終了後、図示のように坩堝406を回転させ、融液407中から基板を取り出し、融液温度を降下させた。
上記方法でGaN単結晶を成長させたところ、シード基板のGaN結晶層から結晶成長が開始され、厚み1mmのGaN単結晶が得られた。
続いて、得られたGaN単結晶からサファイア基板を除去し、GaN自立基板を得た。このGaN自立基板は、C面を主面とする{0001}面方位の基板である。このGaN自立基板から、図5に示すような加工フローにより、ウエハを作製した。
(1) まず、GaN自立基板の側周面を研削し、円筒形に加工した。
(2) 次に、GaN自立基板の主面をラッピングして、厚みを500μmに調整した。
(3) GaN自立基板の一方の主面(第1の主面)に対してポリッシングを施し、鏡面に加工する。加工後、塩素系ガスを用いて、加工面をエッチングした。
(4) ウエハの他方の主面(第2の主面;サファイア基板側の主面である。)側の縁端部を面取りした。この工程においては、図6Bに示すような装置を用い、第2の主面側の縁端部を、傾斜角(θ)が60°の傾斜面で、面取り量(T1)を425μmとして面取りした。また、ウエハの第1の主面側には、面取りされていない、主面に対して垂直な面を残存させた。この部分の厚み(T3)は75μmとした。
なお、本実施例では、液相成長により作製されたGaN結晶から、GaNウエハを作製する方法について説明した。HVPE法などの気相成長により作製したGaN基板より作製したGaNウエハにおいても、本実施例のような面取りを行うことにより、デバイス加工時のチッピングや自然へき開面での基板の割れを低減できる。
HVPE法を用いたウエハの製造方法について説明する。まず、サファイア基板上に、MOCVD法によりGaN層を形成する。次に、金属Tiを成膜して、NHの熱処理により熱処理すると、ボイドのあるTiN膜が形成される。このTiN膜上に、HVPE法によりGaN結晶を600μm形成する。HVPE法では、GaポートにGa融液を入れ、このGaポートに、水素と塩化水素ガスとを吹き付けると、GaClが生成される。そして、サファイア基板が置かれたサセプタ近くに、水素とNHガスを吹き付けると、GaN結晶が基板上で成長する。その後、GaN結晶をサファイア基板から剥離させると、GaN自立基板が得られる。その後、上記と同様の加工工程を実施することによって、GaN単結晶ウエハを作製することができる。
本実施例では、実施例1で得られたウエハを用いて半導体レーザを作製する一例について説明する。図7は、この半導体レーザの構造を示す断面図である。
まず、実施例1で得られたウエハ71の第1の主面上に、キャリア密度が5×1018以下になるようにSiをドープした、n形GaNからなるコンタクト層72を形成した。次に、コンタクト層72上に、n形Al0.07Ga0.93Nからなるクラッド層73と、n形GaNからなる光ガイド層74とを形成した。次に、Ga0.8In0.2Nからなる井戸層(厚さ約3nm)と、GaNからなるバリア層(厚さ6nm)とによって構成された、多重量子井戸(MQW)を活性層75として形成した。次に、p形GaNからなる光ガイド層76と、p形Al0.07Ga0.93Nからなるクラッド層77と、p形GaNからなるコンタクト層78とを形成した。なお、各層の形成は、公知の方法で形成できる。
上記半導体レーザは、ダブルへテロ接合型の半導体レーザであり、MQW活性層におけるインジウムを含む井戸層のエネルギーギャップが、アルミニウムを含むn形およびp形クラッド層のエネルギーギャップよりも小さい。一方、光の屈折率は、活性層の井戸層が最も大きく、以下、光ガイド層、クラッド層の順に小さくなる。
更に、コンタクト層78の上部に、幅が2μm程度の電流注入領域を構成する絶縁膜79を形成する。p形のクラッド層77の上部およびp形のコンタクト層78には、電流狭窄部となるリッジ部が形成される。
上記半導体レーザをウエハ上に形成した後、ウエハの第2の主面を研磨し、ウエハの厚みを100μmに調整した。研磨は、次のような方法で実施した。まず、研削加工機で150μmまで薄化し、その後6μmのダイヤモンドスラリを用いて荒研磨を行い、厚み100μmに調整した。さらに、0.5μmのダイヤモンドスラリを用いて鏡面加工した。この薄化工程において、ウエハに、チッピングやヒビ、およびチッピングを起点としたクラック発生などの損傷の発生は認められなかった。
図9は、デバイス作成後の薄化工程を示す図である。Aは、本発明のウエハ40にデバイス41を作製した後、ウエハの−C面を薄化した状態を示している。本発明のように、ウエハの−C面を面取りすることにより、薄化工程において、除去加工により薄化された面と、面取りした縁端部のなす角(δ)が、90°を超え、且つ、150°以下に保持されながら除去加工が行われるため、A点でのチッピングが大幅に低減できた。一方、Bは、従来のウエハにデバイスを作製した場合を示していて、この図に示すように、薄化工程において、ウエハ40の除去加工により薄化された面と、面取りした縁端部のなす角(δ)が90°以下となるとB点でチッピングが生じる。
上記ウエハにおいて、p形のコンタクト層78の上側には、これとオーミック接触するp側電極80を形成した。このp側電極80は、ニッケル(Ni)と金(Au)との積層体で構成した。また、n形のコンタクト層72の上側には、これとオーミック接触するn側電極81を形成した。このn側電極81は、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)との積層体で構成した。以上の工程により、半導体レーザが製造された。
なお、本実施例では、GaN基板について説明したが、六方晶系であるAlNやAlGaNにおいても、チッピングなどによるウエハの破損が容易に発生するため、本実施例のように、面取りを行ったウエハを作製することにより、半導体装置の作製歩留まりを向上させることができる。
また、本実施例では、半導体レーザの製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、発光ダイオード、高周波デバイス、高速スイッチングデバイスなどにおいても、ウエハを薄化することにより放熱特性が向上でき、且つ、薄化する際のウエハ破損を低減でき、同様の効果が得られる。
なお、上記実施例の方法では、主面がC面であるAlxGa1-xN(ただし0≦x≦1)基板について説明したが、他の面方位のAlxGa1-xN(ただし0≦x≦1)基板においても同様の効果が得られる。例えば、主面がA面、M面などの面方位をもつ基板においても、ウエハの周辺部を本実施例のように面取りを行うことで、加工時の損傷の発生を抑制できる。A面GaN基板上に発光ダイオードを形成すると、この方位ではピエゾ効果がないので、正孔と電子とを効率よく再結合させることができ、発光効率の向上が期待できる。
本実施例では、図3に示すような形状のGaN単結晶ウエハの製造方法の一例について説明する。なお、本実施例では、C面を主面とする基板({0001}面基板)を製造する場合を例に挙げて、説明する。
まず、実施例1と同様の方法によって、GaN単結晶を成長させた。図8Aは、得られたGaN単結晶の外形を示す写真である。このように、上記方法によれば、得られたGaN単結晶の側周面に、自然結晶面を容易に形成することができた。
上記自然結晶面の一部(図8Aの32)がオリエンテーションフラットとなるように、図8Bに示すような形状で、ウエハを切り出した。なお、本実施例においては、上記オリエンテーションフラットを構成する自然結晶面としては、M面を用いた。切り出されたウエハを、実施例1と同様に、図5に示すような加工フローに従って加工し、GaN単結晶ウエハを作製した。なお、ウエハの各加工工程は、上記自然結晶面(M面)に対しては、研削、研磨などの加工が施されず、結晶面の一部を残存させるように実施した。これにより、本発明に係るGaN単結晶ウエハが作製された。
なお、本実施例では、GaN基板について説明したが、六方晶系であるAlNやAlGaN基板においても、GaNと同様、液相成長では容易に自然結晶面を形成できるため、自然結晶面をオリエンーションフラットとして用いることができる。
本発明のIII族窒化物単結晶ウエハは、例えば、半導体レーザ、発光ダイオード、電界効果トランジスタなどの電子デバイスの基板として利用可能である。
本発明に係るIII族窒化物単結晶ウエハの一例を示す断面図である。 本発明に係るIII族窒化物単結晶ウエハの別の一例を示す断面図である。 本発明に係るIII族窒化物単結晶ウエハの更に別の一例を示す平面図である。 III族窒化物単結晶の製造に用いられる製造装置の一例を示す模式図である。 本発明に係るIII族窒化物単結晶ウエハの製造方法を説明するためのフロー図である。 本発明に係るIII族窒化物単結晶ウエハの面取り方法を説明するための模式図である。 本発明のIII族窒化物単結晶ウエハに形成された半導体装置の一例を示す断面図である。 実施例で作製されたIII族窒化物単結晶の外観を示す写真(図8A)と、この単結晶から作製したウエハの形状を示す平面図(図8B)である。 本発明に係るウエハにおけるデバイス作成後の薄化工程を示す図(図9A)と、従来のウエハにおけるデバイス作成後の薄化工程を示す図(図9B)である。
符号の説明
10、20、30、40、50 III族窒化物単結晶ウエハ
41、51 デバイス
401 育成炉
402 ヒータ
403 熱電対
404 坩堝固定台
405 回転軸
406 坩堝
407 融液
408 シード基板
409 流量調整器
410 配管
61,62 研削工具
71 ウエハ
72 コンタクト層
73 クラッド層
74 ガイド層
75 活性層
76 ガイド層
77 クラッド層
78 コンタクト層
79 絶縁層
80,81 電極

Claims (19)

  1. 六方晶系のIII族窒化物単結晶ウエハであって、半導体素子が形成される面を第1の主面とし、前記第1の主面とは反対側の面を第2の主面とするとき、少なくとも前記第2の主面の縁端部が面取りされており、前記第2の主面の縁端部における面取り量が、前記第1の主面の縁端部における面取り量よりも大きいことを特徴とするIII族窒化物単結晶ウエハ。
  2. ウエハの形状が円形である、請求項1に記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  3. 前記第2の主面の縁端部が、前記第1の主面に対して垂直な断面形状が円弧状となるように、面取りされている請求項1または2に記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  4. 前記円弧状部分の半径が、ウエハの厚みと同等か、またはそれよりも大きい請求項3に記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  5. 前記第2の主面の縁端部が、前記第1の主面に対して傾斜した傾斜面で、面取りされている請求項1または2に記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  6. 前記傾斜面の、前記第1の主面に対する傾斜角が、0°を超え、且つ、60°以下である請求項5に記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  7. ウエハの側周面にオリエンテーションフラットが設けられており、前記オリエンテーションフラットの少なくとも一部が、III族窒化物単結晶を成長させる過程で形成された自然結晶面で構成されている請求項1〜6のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  8. 前記第1および第2の主面が、{0001}面である請求項1〜7のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  9. 前記III族窒化物単結晶ウエハが、窒素を含む雰囲気下において、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群より選ばれる少なくとも1つのIII族元素と、アルカリ金属とを含む融液で成長させたIII族窒化物単結晶から切り出されたものである請求項1〜8のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  10. 前記III族窒化物単結晶ウエハが、窒化ガリウム(GaN)である請求項1〜9のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶ウエハを用いた半導体装置の製造方法であって、前記ウエハの前記第1の主面上に半導体素子を形成する第1の工程と、前記ウエハの前記第2の主面に除去加工を施し、前記ウエハを薄化する第2の工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 前記第2の工程において、除去加工により薄化された面と、面取りされた縁端部とがなす角が、90°を超え、且つ、150°以下に保持されながら除去加工が行われることを特徴とする請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記半導体素子が、レーザダイオード、発光ダイオードおよび電界効果トランジスタから選択される請求項11または12に記載の半導体装置の製造方法。
  14. 六方晶系のIII族窒化物単結晶ウエハであって、その側周面にオリエンテーションフラットが設けられており、前記オリエンテーションフラットの少なくとも一部が、III族窒化物単結晶を成長させる過程で形成された自然結晶面で構成されていることを特徴とするIII族窒化物単結晶ウエハ。
  15. ウエハの主面が、{0001}面である請求項13に記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  16. 前記自然結晶面が、M面である請求項15に記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  17. ウエハの形状が円形である、請求項14〜16のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  18. 前記III族窒化物単結晶ウエハが、窒素を含む雰囲気下において、ガリウム、アルミニウムおよびインジウムからなる群より選ばれる少なくとも1つのIII族元素と、アルカリ金属とを含む融液で成長させたIII族窒化物単結晶から切り出されたものである請求項14〜17のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
  19. 前記III族窒化物単結晶ウエハが、窒化ガリウム(GaN)である請求項14〜18のいずれかに記載のIII族窒化物単結晶ウエハ。
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