JP2005057375A - 高周波スイッチモジュールおよび高周波スイッチモジュール用多層基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高周波スイッチモジュール1は、アンテナポート2と、送信信号ポート3,4と、受信信号ポート5,6と、高周波スイッチ20と、LPF30,40と、位相調整用線路16,17とを備えている。高周波スイッチ20は、アンテナポート2に対して、送信信号ポート3,4および受信信号ポート5,6のいずれかを選択的に接続する。高周波スイッチ20は、GaAs化合物半導体による電界効果トランジスタを含んでいる。位相調整用線路16,17は、高周波スイッチ20の位置において、送信信号に基づいて高周波スイッチ20で発生する高調波の進行波と、この進行波がLPF30,40で反射して発生する反射波との合成波の電力が小さくなるように進行波と反射波との位相差を調整する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機等の無線通信装置において、周波数帯域の切り替えや送信信号と受信信号の切り替え等に使用される高周波スイッチモジュール、およびこの高周波スイッチモジュールに用いられる高周波スイッチモジュール用多層基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複数の周波数帯域(マルチバンド)に対応可能な携帯電話機が実用化されている。例えば、GSM(Global System for Mobile Communications)方式用の携帯電話機は、EGSM(Extended GSM)のシングルバンド対応機から始まり、EGSM/DCS(Digital Cellular System)のデュアルバンド対応機、EGSM/DCS/PCS(Personal Communications Service)のトリプルバンド対応機へと変化して、通話チャンネルの拡大のため1つの携帯電話機が使う周波数帯域を増やしている。
【0003】
GSM方式は時分割多重接続方式を用いることから、GSM方式用の携帯電話機では、高周波スイッチを用いて、送信信号と受信信号の切り替えを行なっている。この高周波スイッチでは、スイッチ素子としてPINダイオードが用いられることが多い。トリプルバンド対応機にも、PINダイオードを用いた高周波スイッチが多く使用されている。特許文献1には、PINダイオードを用いた高周波スイッチが記載されている。
【0004】
また、高周波スイッチを備えた携帯電話機としては、高周波スイッチにおけるスイッチ素子として、GaAs化合物半導体による電界効果トランジスタ(以下、GaAs・FETと記す。)を用いたものもある。GaAs・FETを用いた高周波スイッチは、PINダイオードを用いた高周波スイッチに比べて、回路が簡単で、設計が容易で、小型化が可能で、消費電力を低減できるといった利点がある。GSM方式以外で、時分割多重接続方式を用いる方式、例えばPHS(Personal Handyphone System)方式やPDC(Personal Digital Cellular)方式の携帯電話機では、PINダイオードを用いた高周波スイッチは多用されている。特許文献2には、GaAs・FETを用いた高周波スイッチが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−298201号公報
【特許文献2】
特開2002−43911号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
PINダイオードを用いた高周波スイッチでは、切り替える周波数帯域が増えるほど回路が複雑になり、要求される特性を満たす高周波スイッチの設計および試作の時間が増大するという問題点がある。特に、この先、EGSM/AGSM(American GSM)/DCS/PCSの4バンドや、EGSM/AGSM/DCS/PCM/WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)の5バンドに対応する場合には、PINダイオードを用いた高周波スイッチでは益々設計が難しくなると共に、小型化も困難になる。また、切り替える周波数帯域が増えると、PINダイオードを用いた高周波スイッチでは、非導通状態のPINダイオードから発生する高調波が増加するという問題や、PINダイオードを導通状態にするための電流が増加して、携帯電話機の通話可能時間に影響を与えるという問題が生じる。
【0007】
一方、GaAs・FETを用いた高周波スイッチでは、大電力の送信信号を通過させると、GaAs・FETの非線形特性から送信信号に歪みが発生し、この歪みが原因で、送信信号の周波数のn倍(nは2以上の整数)の周波数の高調波が発生するという問題点がある。例えば、GSM方式の規格における送信信号の電力の最大値である35dBmの送信信号を、GaAs・FETを用いた高周波スイッチに与えると、高周波スイッチより高調波が発生する。この高調波の大きさは、GSM方式の規格における許容範囲を超える場合がある。このような高周波スイッチを有する携帯電話機は認定されない。このようなことから、GSM方式用の携帯電話機では、GaAs・FETを用いた高周波スイッチはあまり用いられていない。そのため、GaAs・FETを用いた高周波スイッチは、使用されている数量が少なく、規格を満たす電話機の歩留まりも悪いため、価格が下がらない。そのため、GaAs・FETを用いた高周波スイッチは、PINダイオードを用いた高周波スイッチに比べると市場の占有率が低くなっている。
【0008】
ところで、GSM方式の送信信号の周波数の2倍の周波数は、DCS方式の信号の周波数帯域内に入る。そのため、GSM/DCSのデュアルバンド対応機では、GSM方式の送信信号の周波数の2倍の周波数の高調波をフィルタによって除去することはできない。
【0009】
また、GSMの規格では、アンテナ端における高調波の周波数成分の電力を−32dBm以下にしなければならない。また、GSMの送信規格からアンテナ端における送信信号の最大電力は33〜35dBmにする必要がある。そのため、通常、高周波スイッチの入力端には、34dBm程度の送信信号が印加される。また、高周波スイッチを動作させる電源電圧は、携帯電話機の動作電圧である2.7V程度とする必要がある。このような要求を満足し、且つ安価な、単極四投型程度の多分岐型の高周波スイッチを、GaAs・FETを用いて実現することが求められている。しかしながら、GaAs・FETを用いた高周波スイッチでは、動作電圧を下げると、発生される高調波成分が多くなるため、GaAs・FETを用いた高周波スイッチを歩留まりよく提供することが困難であった。GaAs・FETを用いた高周波スイッチだけで、上述のような特性を満足させるためには、FETのピンチオフ電圧の調整や、高電力入力時の波形の歪の原因となるFETのバイアス点の調整等、FETの製造プロセスの制御を伴う特性の改善が必要となる。そのため、GaAs・FETを用いた高周波スイッチの改善のみで、上述のような特性を満足させることは大変難しい。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、構成が簡単で、設計が容易で、且つ高調波の周波数成分の電力を抑制できるようにした高周波スイッチモジュール、およびこの高周波スイッチモジュールに用いられる高周波スイッチモジュール用多層基板を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1および第2の高周波スイッチモジュールは、
アンテナに接続されるアンテナポートと、
複数の周波数帯域の各々における送信信号を入力する複数の送信信号ポートと、
複数の周波数帯域の各々における受信信号を出力する複数の受信信号ポートと、
半導体スイッチ素子を含み、アンテナポートに対して、複数の送信信号ポートおよび複数の受信信号ポートのいずれかを選択的に接続する高周波スイッチと、
それぞれ高周波スイッチと各送信信号ポートとの間に設けられ、各送信信号ポートに入力される送信信号を通過させ、送信信号に基づく高調波を遮断する複数のローパスフィルタと、
それぞれ高周波スイッチと各ローパスフィルタとを接続する複数の位相調整用線路とを備えている。
【0012】
本発明の第1の高周波スイッチモジュールでは、各位相調整用線路は、高周波スイッチの位置において、送信信号に基づいて高周波スイッチで発生した少なくとも1つの周波数の高調波の進行波と、この進行波がローパスフィルタで反射して発生する反射波との合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整する。
【0013】
本発明の第1の高周波スイッチモジュールでは、位相調整用線路によって、高調波の進行波と反射波との位相差が調整されることにより、高周波スイッチからアンテナポートに向かう高調波の周波数成分の電力が抑制される。
【0014】
本発明の第1の高周波スイッチモジュールにおいて、位相調整用線路は、第2高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、第3高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて3dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整してもよい。
【0015】
また、本発明の第1の高周波スイッチモジュールにおいて、位相調整用線路は、第2高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて15dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、第3高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて5dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整してもよい。
【0016】
本発明の第2の高周波スイッチモジュールでは、各位相調整用線路は、高周波スイッチの位置において、送信信号に基づいて高周波スイッチで発生した少なくとも1つの周波数の高調波の進行波と、この進行波がローパスフィルタで反射して発生する反射波との位相差が160°〜200°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整する。
【0017】
本発明の第2の高周波スイッチモジュールでは、位相調整用線路によって、高調波の進行波と反射波との位相差が調整されることにより、高周波スイッチからアンテナポートに向かう高調波の周波数成分の電力が抑制される。
【0018】
本発明の第2の高周波スイッチモジュールにおいて、位相調整用線路は、第2高調波に関して、進行波と反射波との位相差が160°〜200°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、第3高調波に関して、進行波と反射波との位相差が150°〜210°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整してもよい。
【0019】
また、本発明の第2の高周波スイッチモジュールにおいて、位相調整用線路は、第2高調波に関して、進行波と反射波との位相差が170°〜190°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、第3高調波に関して、進行波と反射波との位相差が165°〜195°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整してもよい。
【0020】
また、本発明の第1または第2の高周波スイッチモジュールにおいて、位相調整用線路は、分布定数線路を含んでいてもよい。
【0021】
また、本発明の第1または第2の高周波スイッチモジュールにおいて、高周波スイッチは、半導体スイッチ素子としてトランジスタを含んでいてもよい。この場合、トランジスタは、GaAs化合物半導体による電界効果トランジスタであってもよい。
【0022】
本発明の高周波スイッチモジュール用多層基板は、本発明の第1または第2の高周波スイッチモジュールに用いられる多層基板であって、アンテナポート、送信信号ポート、受信信号ポート、ローパスフィルタおよび位相調整用線路を含み、高周波スイッチが実装されることによって高周波スイッチモジュールを完成させるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る高周波スイッチモジュールの回路構成の一例について説明する。ここでは、一例として、GSM方式の送信信号および受信信号と、DCS方式の送信信号および受信信号とを処理する高周波スイッチモジュール1について説明する。
【0024】
GSM方式の送信信号の周波数帯域は880MHz〜915MHzである。GSM方式の受信信号の周波数帯域は925MHz〜960MHzである。DCS方式の送信信号の周波数帯域は1710MHz〜1785MHzである。DCS方式の受信信号の周波数帯域は1805MHz〜1880MHzである。
【0025】
高周波スイッチモジュール1は、図示しないアンテナに接続されるアンテナポート2と、送信信号ポート3,4と、受信信号ポート5,6と、高周波スイッチ20と、2つのローパスフィルタ(以下、LPFと記す。)30,40とを備えている。高周波スイッチモジュール1は、更に、キャパシタ11〜15と、位相調整用線路16,17と、インダクタ18とを備えている。
【0026】
送信信号ポート3,4は、それぞれ、GSM方式の送信信号、DCS方式の送信信号を入力する。受信信号ポート5,6は、それぞれ、GSM方式の受信信号、DCS方式の受信信号を出力する。高周波スイッチ20は、アンテナポート2に対して、送信信号ポート3,4および受信信号ポート5,6のいずれかを選択的に接続する。
【0027】
高周波スイッチ20は、1つの電子的切替接点21と、4つの接点22a,22b,22c,22dと、4つの制御端子23a,23b,23c,23dとを有している。制御端子23a〜23dには、それぞれ制御信号Vc1〜Vc4が印加されるようになっている。制御信号Vc1がハイレベルで、他の制御信号Vc2〜Vc4がローレベルのときには、電子的切替接点21は接点22aに接続される。制御信号Vc2がハイレベルで、他の制御信号Vc1,Vc3,Vc4がローレベルのときには、電子的切替接点21は接点22bに接続される。制御信号Vc3がハイレベルで、他の制御信号Vc1,Vc2,Vc4がローレベルのときには、電子的切替接点21は接点22cに接続される。制御信号Vc4がハイレベルで、他の制御信号Vc1〜Vc3がローレベルのときには、電子的切替接点21は接点22dに接続される。
【0028】
電子的切替接点21は、キャパシタ11を介してアンテナポート2に接続されている。アンテナポート2にはインダクタ18の一端が接続され、インダクタ18の他端は接地されている。接点22aにはキャパシタ12の一端が接続されている。キャパシタ12の他端には位相調整用線路16の一端が接続されている。位相調整用線路16の他端は、LPF30の出力端に接続されている。LPF30の入力端は送信信号ポート3に接続されている。接点22bにはキャパシタ13の一端が接続されている。キャパシタ13の他端には位相調整用線路17の一端が接続されている。位相調整用線路17の他端は、LPF40の出力端に接続されている。LPF40の入力端は送信信号ポート4に接続されている。接点22cにはキャパシタ14の一端が接続されている。キャパシタ14の他端は受信信号ポート5に接続されている。接点22dにはキャパシタ15の一端が接続されている。キャパシタ15の他端は受信信号ポート6に接続されている。
【0029】
LPF30は、一端が出力端に接続されたインダクタ31と、一端がインダクタ31の他端に接続され、他端が入力端に接続されたインダクタ32と、一端がインダクタ31の他端に接続され、他端が入力端に接続されたキャパシタ33と、一端がインダクタ31の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ34と、一端が入力端に接続され、他端が接地されたキャパシタ35とを有している。LPF30は、送信信号ポート3に入力される送信信号を通過させ、この送信信号に基づく高調波を遮断する。
【0030】
また、LPF40は、一端が出力端に接続されたインダクタ41と、一端がインダクタ41の他端に接続され、他端が入力端に接続されたインダクタ42と、一端がインダクタ41の他端に接続され、他端が入力端に接続されたキャパシタ43と、一端がインダクタ41の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ44と、一端が入力端に接続され、他端が接地されたキャパシタ45とを有している。LPF40は、送信信号ポート4に入力される送信信号を通過させ、この送信信号に基づく高調波を遮断する。
【0031】
位相調整用線路16,17は、分布定数線路を含んでいてもよい。位相調整用線路16,17については、後で詳しく説明する。
【0032】
インダクタ18は、サージ抑制素子として用いられている。高周波スイッチモジュール1内には、アンテナから、例えば静電気放電によるサージが侵入する。インダクタ18は、サージに基づく電流をアースに流して、サージを抑制する。これにより、高周波スイッチ20が破損されることを防止することができる。
【0033】
次に、図2を参照して、本実施の形態における高周波スイッチ20の構成の一例について説明する。図2に示した高周波スイッチ20は、1つの電子的切替接点21と、4つの接点22a,22b,22c,22dと、4つの制御端子23a,23b,23c,23dと、2つのスイッチ部50,60とを備えている。スイッチ部50,60は、いずれも、半導体スイッチ素子として4つのトランジスタを含み、単極双投型のスイッチを構成している。そのため、高周波スイッチ20全体としては、単極四投型のスイッチになっている。
【0034】
スイッチ部50は、トランジスタとして4つのGaAs・FET51〜54を含んでいる。FET51のドレインは端子22aに接続され、ソースは接地され、ゲートは抵抗器55を介して制御端子23bに接続されている。FET52のドレインは端子22aに接続され、ソースは電子的切替接点21に接続され、ゲートは抵抗器56を介して制御端子23aに接続されている。FET53のドレインは端子22bに接続され、ソースは電子的切替接点21に接続され、ゲートは抵抗器57を介して制御端子23bに接続されている。FET54のドレインは端子22bに接続され、ソースは接地され、ゲートは抵抗器58を介して制御端子23aに接続されている。
【0035】
スイッチ部60は、トランジスタとして4つのGaAs・FET61〜64を含んでいる。FET61のドレインは端子22cに接続され、ソースは接地され、ゲートは抵抗器65を介して制御端子23dに接続されている。FET62のドレインは電子的切替接点21に接続され、ソースは端子22cに接続され、ゲートは抵抗器66を介して制御端子23cに接続されている。FET63のドレインは電子的切替接点21に接続され、ソースは端子22dに接続され、ゲートは抵抗器67を介して制御端子23dに接続されている。FET64のドレインは端子22dに接続され、ソースは接地され、ゲートは抵抗器68を介して制御端子23cに接続されている。
【0036】
次に、高周波スイッチ20および高周波スイッチモジュール1の動作について説明する。高周波スイッチ20の制御端子23a〜23dには、それぞれ制御信号Vc1〜Vc4が印加されるようになっている。制御信号Vc1がハイレベルで、他の制御信号Vc2〜Vc4がローレベルのときには、FET52,54が導通状態となり、他のFETは非導通状態となる。その結果、電子的切替接点21は接点22aに接続される。この状態では、アンテナポート2に対して、送信信号ポート3が接続される。送信信号ポート3に入力されたGSM方式の送信信号は、LPF30、位相調整用線路16、キャパシタ12、高周波スイッチ20およびキャパシタ11を経て、アンテナポート2に送出される。
【0037】
制御信号Vc2がハイレベルで、他の制御信号Vc1,Vc3,Vc4がローレベルのときには、FET51,53が導通状態となり、他のFETは非導通状態となる。その結果、電子的切替接点21は接点22bに接続される。この状態では、アンテナポート2に対して、送信信号ポート4が接続される。送信信号ポート4に入力されたDCS方式の送信信号は、LPF40、位相調整用線路17、キャパシタ13、高周波スイッチ20およびキャパシタ11を経て、アンテナポート2に送出される。
【0038】
制御信号Vc3がハイレベルで、他の制御信号Vc1,Vc2,Vc4がローレベルのときには、FET62,64が導通状態となり、他のFETは非導通状態となる。その結果、電子的切替接点21は接点22cに接続される。この状態では、アンテナポート2に対して、受信信号ポート5が接続される。アンテナポート2に入力されたGSM方式の受信信号は、キャパシタ11、高周波スイッチ20およびキャパシタ14を経て、受信信号ポート5に送出される。
【0039】
制御信号Vc4がハイレベルで、他の制御信号Vc1〜Vc3がローレベルのときには、FET61,63が導通状態となり、他のFETは非導通状態となる。その結果、電子的切替接点21は接点22dに接続される。この状態では、アンテナポート2に対して、受信信号ポート6が接続される。アンテナポート2に入力されたDCS方式の受信信号は、キャパシタ11、高周波スイッチ20およびキャパシタ15を経て、受信信号ポート6に送出される。
【0040】
次に、位相調整用線路16について説明する。高周波スイッチ20において電子的切替接点21が接点22aに接続されているときには、送信信号ポート3に入力されたGSM方式の送信信号が高周波スイッチ20を通過する。その際、高周波スイッチ20の非線形特性から、送信信号に歪みが発生し、この歪みが原因で、送信信号の周波数のn倍(nは2以上の整数)の周波数の高調波が発生する。この高調波は、進行波となってアンテナポート2およびLPF30に向かう。LPF30は、送信信号を通過させ、高調波を遮断するために、送信信号の周波数よりも高い周波数、特に送信信号の周波数の2倍および3倍の周波数においてインピーダンスが大きくなるように設計されている。そのため、高周波スイッチ20で発生した高調波の進行波は、LPF30においてほぼ全反射して、反射波として高周波スイッチ20に戻る。その結果、高周波スイッチ20において、高調波の進行波と反射波との合成波が生成され、この合成波がアンテナポート2に向かう。ここで、高周波スイッチ20の位置において、進行波と反射波との位相差がゼロであると、合成波の電力は最も大きくなる。
【0041】
位相調整用線路16は、高周波スイッチ20の位置において、GSM方式の送信信号に基づいて高周波スイッチ20で発生した少なくとも1つの周波数の高調波の進行波と、この進行波がLPF30で反射して発生する反射波との合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整する。これにより、アンテナポート2に向かう合成波の電力を、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくすることができる。
【0042】
位相調整用線路16は、GSM方式の送信信号の周波数の2倍の周波数の第2高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、GSM方式の送信信号の周波数の3倍の周波数の第3高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて3dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整することが好ましい。
【0043】
また、位相調整用線路16は、GSM方式の送信信号の周波数の2倍の周波数の第2高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて15dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、GSM方式の送信信号の周波数の3倍の周波数の第3高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて5dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整することがより好ましい。
【0044】
また、位相調整用線路16は、高周波スイッチ20の位置において、GSM方式の送信信号に基づいて高周波スイッチ20で発生した少なくとも1つの周波数の高調波の進行波と、この進行波がLPF30で反射して発生する反射波との位相差が160°〜200°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整してもよい。
【0045】
位相調整用線路16は、GSM方式の送信信号の周波数の2倍の周波数の第2高調波に関して、進行波と反射波との位相差が160°〜200°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、GSM方式の送信信号の周波数の3倍の周波数の第3高調波に関して、進行波と反射波との位相差が150°〜210°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整することが好ましい。
【0046】
また、位相調整用線路16は、GSM方式の送信信号の周波数の2倍の周波数の第2高調波に関して、進行波と反射波との位相差が170°〜190°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、GSM方式の送信信号の周波数の3倍の周波数の第3高調波に関して、進行波と反射波との位相差が165°〜195°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整することがより好ましい。
【0047】
次に、位相調整用線路17について説明する。高周波スイッチ20において電子的切替接点21が接点22bに接続されているときには、送信信号ポート4に入力されたDCS方式の送信信号が高周波スイッチ20を通過する。その際、送信信号の周波数のn倍(nは2以上の整数)の周波数の高調波が発生する。この高調波は、進行波となってアンテナポート2およびLPF40に向かう。LPF40は、送信信号を通過させ、高調波を遮断するために、送信信号の周波数よりも高い周波数、特に送信信号の周波数の2倍および3倍の周波数においてインピーダンスが大きくなるように設計されている。そのため、高周波スイッチ20で発生した高調波の進行波は、LPF40においてほぼ全反射して、反射波として高周波スイッチ20に戻る。その結果、高周波スイッチ20において、高調波の進行波と反射波との合成波が生成され、この合成波がアンテナポート2に向かう。ここで、高周波スイッチ20の位置において、進行波と反射波との位相差がゼロであると、合成波の電力は最も大きくなる。
【0048】
位相調整用線路17は、高周波スイッチ20の位置において、DCS方式の送信信号に基づいて高周波スイッチ20で発生した少なくとも1つの周波数の高調波の進行波と、この進行波がLPF40で反射して発生する反射波との合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整する。これにより、アンテナポート2に向かう合成波の電力を、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくすることができる。
【0049】
位相調整用線路17は、DCS方式の送信信号の周波数の2倍の周波数の第2高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、DCS方式の送信信号の周波数の3倍の周波数の第3高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて3dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整することが好ましい。
【0050】
また、位相調整用線路17は、DCS方式の送信信号の周波数の2倍の周波数の第2高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて15dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、DCS方式の送信信号の周波数の3倍の周波数の第3高調波に関して、合成波の電力が、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて5dB以上小さくなるように、進行波と反射波との位相差を調整することがより好ましい。
【0051】
また、位相調整用線路16は、高周波スイッチ20の位置において、DCS方式の送信信号に基づいて高周波スイッチ20で発生した少なくとも1つの周波数の高調波の進行波と、この進行波がLPF40で反射して発生する反射波との位相差が160°〜200°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整してもよい。
【0052】
位相調整用線路17は、DCS方式の送信信号の周波数の2倍の周波数の第2高調波に関して、進行波と反射波との位相差が160°〜200°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、DCS方式の送信信号の周波数の3倍の周波数の第3高調波に関して、進行波と反射波との位相差が150°〜210°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整することが好ましい。
【0053】
また、位相調整用線路17は、DCS方式の送信信号の周波数の2倍の周波数の第2高調波に関して、進行波と反射波との位相差が170°〜190°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、DCS方式の送信信号の周波数の3倍の周波数の第3高調波に関して、進行波と反射波との位相差が165°〜195°の範囲内となるように、進行波と反射波との位相差を調整することがより好ましい。
【0054】
次に、図3および図4を参照して、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール用多層基板について説明する。図3は、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1の外観を示す斜視図である。本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール用多層基板10は、誘電体層と、パターン化された導体層とが交互に積層された構造になっている。高周波スイッチモジュール1の構成要素のうち、高周波スイッチ20以外は、多層基板10の内部または表面上の導体層を用いて構成されている。高周波スイッチ20は、1つのIC(集積回路)とされて、多層基板10に実装されている。なお、高周波スイッチ20以外の高周波スイッチモジュール1の構成要素の一部も、多層基板10に実装されるようにしてもよい。
【0055】
多層基板10は、例えば低温焼成セラミック多層基板になっている。この場合、多層基板10は、例えば以下のようにして製造される。すなわち、まず、予めスルーホール用の孔が形成されたセラミックグリーンシート上に、例えば銀を主成分とする導電性ペーストを用いて、所定のパターンの導体層を形成する。次に、このように導体層が形成された複数のセラミックグリーンシートを積層し、これらを同時に焼成する。これにより、スルーホールも同時に形成される。次に、図示しない端子電極を形成して、多層基板10を完成させる。
【0056】
図4は、多層基板10の内部の導体層の一部の一例を示している。この例では、図1におけるキャパシタ12、位相調整用線路16およびインダクタ31を示している。この例では、対向するように配置された2つの導体層12a,12bによってキャパシタ12が形成されている。導体層12aは、スルーホール9aを介して、多層基板10の表面上の導体層19に接続されている。この導体層19には、高周波スイッチ20の接点22aに接続された端子が接続されるようになっている。導体層12bには、位相調整用線路16を介して、インダクタ31が接続されている。インダクタ31は、スルーホール9b,9cによって直列に接続された3層の導体層31a〜31cによって形成されている。この例では、位相調整用線路16の長さを調整することによって、前述の進行波と反射波との位相差が調整される。
【0057】
次に、位相調整用線路16,17の長さを調整することによって高調波の周波数成分の電力を抑制することができることを確認するために行った第1および第2の実験について説明する。図5は、第1および第2の実験で使用した測定システムの構成を示すブロック図である。この測定システム80は、送信信号に相当する高周波信号を発生させる信号発生器81と、この信号発生器81の後段に順に接続された高周波電力増幅器82、アイソレータ83、LPF84、ラインストレッチャ85、カプラ86、高周波スイッチ87、カプラ88、減衰器89、ノッチフィルタ90およびスペクトラムアナライザ91を備えている。測定システム80は、更に、カプラ86に接続されたパワーセンサ92と、カプラ88に接続されたパワーセンサ93とを備えている。
【0058】
高周波電力増幅器82は、信号発生器81から出力された信号を増幅する。アイソレータ83は、高周波電力増幅器82の出力信号をLPF84に伝送し、LPF84から高周波電力増幅器82への信号の伝送を阻止する。LPF84は、図1におけるLPF30,40に対応し、信号発生器81から出力された信号を通過させ、その高調波を遮断する。ラインストレッチャ85は、長さを変えることのできる同軸線路である。ラインストレッチャ85は、図1における位相調整用線路16,17に対応する。カプラ86は、ラインストレッチャ85に対して、高周波スイッチ87とパワーセンサ92とを結合させる。高周波スイッチ87は、GaAs・FETを含み、導通状態と非導通状態とを選択できるようになっている。高周波スイッチ87は、図1における高周波スイッチ20に対応する。カプラ88は、高周波スイッチ87に対して、減衰器89とパワーセンサ93とを結合させる。減衰器89は、通過する信号の電力を20dB減衰させる。ノッチフィルタ90は、入力された信号のうち、送信信号の周波数成分を遮断する。スペクトラムアナライザ91は、ノッチフィルタ90を通過した信号のスペクトラムを検出する。パワーセンサ92は、高周波スイッチ87に入力される信号の電力を検出する。パワーセンサ93は、高周波スイッチ87から出力される信号の電力を検出する。
【0059】
次に、図5に示した測定システムを用いた第1および第2の実験の内容について説明する。始めに、第1の実験について説明する。第1の実験は、位相調整用線路16の長さを調整することによって、GSM方式の送信信号に基づく高調波を低減することができることを確認するために行った実験である。この第1の実験では、信号発生器81によって、GSM方式の送信信号を想定した周波数900MHzの信号を発生させる。LPF84は、信号発生器81から出力された周波数900MHzの信号を通過させ、その高調波を遮断するものとする。信号発生器81から出力された信号は、高周波電力増幅器82、アイソレータ83、LPF84、ラインストレッチャ85、カプラ86を経て、高周波スイッチ87に入力される。高周波スイッチ87に入力される信号の電力は34dBmとする。
【0060】
高周波スイッチ87では、周波数900MHzのn倍(nは2以上の整数)の周波数の高調波が発生する。この高調波の進行波は、カプラ86側とカプラ88側とに進行する。カプラ86側に進行した進行波は、カプラ86およびラインストレッチャ85を経てLPF84に達し、このLPF84においてほぼ全反射して反射波となる。この反射波は、再度、ラインストレッチャ85およびカプラ86を経て、高周波スイッチ87に戻る。その結果、高周波スイッチ87において、高調波の進行波と反射波との合成波が生成され、この合成波がカプラ88に向かう。この合成波は、減衰器89およびノッチフィルタ90を経て、スペクトラムアナライザ91によって検出される。
【0061】
第1の実験では、ラインストレッチャ85の長さを変えることによって、高周波スイッチ87の位置における高調波の進行波と反射波との位相差を変えながら、第2高調波についての合成波の電力と第3高調波についての合成波の電力とを測定した。ラインストレッチャ85の長さを変えることは、位相調整用線路16の長さを変えることに相当する。第1の実験による測定結果を図6に示す。図6における縦軸は、合成波の電力を表している。また、図6における横軸は、ラインストレッチャ85の長さを所定の初期値としたときの合成波の位相とラインストレッチャ85の長さを任意の値にしたときの合成波の位相との位相差、すなわち位相角を表している。なお、図6における横軸の数値は、周波数900MHzの信号における位相の値で示している。従って、第2高調波についての合成波の位相角は図6における横軸の数値の2倍の値となり、第3高調波についての合成波の位相角は図6における横軸の数値の3倍の値となる。
【0062】
図6において、第2高調波についての合成波の電力が極大値をとるとき、高周波スイッチ87の位置における第2高調波の進行波と反射波との位相差はゼロになっていると考えられる。また、第2高調波についての合成波の電力が極小値をとるとき、高周波スイッチ87の位置における第2高調波の進行波と反射波との位相差は180°になっていると考えられる。また、第3高調波についての合成波の電力が極大値をとるとき、高周波スイッチ87の位置における第3高調波の進行波と反射波との位相差はゼロになっていると考えられる。また、第3高調波についての合成波の電力が極小値をとるとき、高周波スイッチ87の位置における第3高調波の進行波と反射波との位相差は180°になっていると考えられる。
【0063】
図6から、ラインストレッチャ85の長さを変えることによって、第2高調波と第3高調波の各々に関して、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて、合成波の電力を小さくすることが可能であることが分かる。また、第2高調波についての合成波の電力と第3高調波についての合成波の電力が共にほぼ極小値となるようにラインストレッチャ85の長さを選択することにより、第2高調波についての合成波の電力と第3高調波についての合成波の電力を共に抑制することができる。図6に示した測定結果では、位相角が約100°のときに、第2高調波についての合成波の電力と第3高調波についての合成波の電力が共にほぼ極小値となる。このとき、高周波スイッチ87の位置における第2高調波の進行波と反射波との位相差はほぼ180°になり、且つ高周波スイッチ87の位置における第3高調波の進行波と反射波との位相差もほぼ180°になっていると考えられる。このとき、第2高調波に関しては、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて合成波の電力を約20dB低減することができ、第3高調波に関しては、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて合成波の電力を約8dB低減することができる。
【0064】
また、図6から分かるように、第2高調波についての合成波の電力と第3高調波についての合成波の電力が共にほぼ極小値となるときの位相角の±10°の範囲内では、第2高調波に関して、合成波の電力を、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくすることができ、且つ、第3高調波に関して、合成波の電力を、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて3dB以上小さくすることができる。なお、第2高調波についての合成波の電力と第3高調波についての合成波の電力が共にほぼ極小値となるときの位相角の±10°の範囲とは、第2高調波に関しては、進行波と反射波との位相差がおよそ160°〜200°となる範囲であり、第3高調波に関して、進行波と反射波との位相差がおよそ150°〜210°となる範囲である。
【0065】
また、図6から分かるように、第2高調波についての合成波の電力と第3高調波についての合成波の電力が共にほぼ極小値となるときの位相角の±5°の範囲内では、第2高調波に関して、合成波の電力を、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて15dB以上小さくすることができ、且つ、第3高調波に関して、合成波の電力を、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて5dB以上小さくすることができる。なお、第2高調波についての合成波の電力と第3高調波についての合成波の電力が共にほぼ極小値となるときの位相角の±5°の範囲とは、第2高調波に関しては、進行波と反射波との位相差がおよそ170°〜190°となる範囲であり、第3高調波に関して、進行波と反射波との位相差がおよそ165°〜195°となる範囲である。
【0066】
以上の実験結果から、図1に示した高周波スイッチモジュール1によれば、位相調整用線路16の長さを調整することによって、GSM方式の送信信号に基づく高調波の周波数成分の電力を抑制できることが分かる。上述の進行波と反射波との位相差と、合成波の電力との関係は、そのまま図1に示した高周波スイッチモジュール1に当てはまる。
【0067】
次に、第2の実験について説明する。第2の実験は、位相調整用線路17の長さを調整することによって、DCS方式の送信信号に基づく高調波を低減することができることを確認するために行った実験である。この第2の実験では、信号発生器81によって、DCS方式の送信信号を想定した周波数1750MHzの信号を発生させる。LPF84は、信号発生器81から出力された周波数1750MHzの信号を通過させ、その高調波を遮断するものとする。信号発生器81から出力された信号は、高周波電力増幅器82、アイソレータ83、LPF84、ラインストレッチャ85、カプラ86を経て、高周波スイッチ87に入力される。高周波スイッチ87に入力される信号の電力は32dBmとする。
【0068】
高周波スイッチ87では、周波数1750MHzのn倍(nは2以上の整数)の周波数の高調波が発生する。この高調波の進行波は、カプラ86側とカプラ88側とに進行する。カプラ86側に進行した進行波は、カプラ86およびラインストレッチャ85を経てLPF84に達し、このLPF84においてほぼ全反射して反射波となる。この反射波は、再度、ラインストレッチャ85およびカプラ86を経て、高周波スイッチ87に戻る。その結果、高周波スイッチ87において、高調波の進行波と反射波との合成波が生成され、この合成波がカプラ88に向かう。この合成波は、減衰器89およびノッチフィルタ90を経て、スペクトラムアナライザ91によって検出される。
【0069】
第2の実験では、ラインストレッチャ85の長さを変えることによって、高周波スイッチ87の位置における高調波の進行波と反射波との位相差を変えながら、第2高調波についての合成波の電力と第3高調波についての合成波の電力とを測定した。ラインストレッチャ85の長さを変えることは、位相調整用線路17の長さを変えることに相当する。第2の実験による測定結果を図7に示す。図7における縦軸は、合成波の電力を表している。また、図7における横軸は、ラインストレッチャ85の長さを所定の初期値としたときの合成波の位相とラインストレッチャ85の長さを任意の値にしたときの合成波の位相との位相差、すなわち位相角を表している。なお、図7における横軸の数値は、周波数1750MHzの信号における位相の値で示している。従って、第2高調波についての合成波の位相角は図7における横軸の数値の2倍の値となり、第3高調波についての合成波の位相角は図7における横軸の数値の3倍の値となる。
【0070】
図6に示した測定結果に関する前述の説明は、図7に示した測定結果にも当てはまる。従って、図7に示した測定結果から、図1に示した高周波スイッチモジュール1によれば、位相調整用線路17の長さを調整することによって、DCSM方式の送信信号に基づく高調波の周波数成分の電力を抑制できることが分かる。
【0071】
次に、図8を参照して、高周波スイッチ20単体の特性を調べた第3の実験について説明する。図8は、第3の実験で使用した測定システムの構成を示すブロック図である。この測定システム100は、送信信号に相当する高周波信号を発生させる信号発生器101と、この信号発生器101の後段に順に接続された高周波電力増幅器102、アイソレータ103、LPF104、カプラ105、デュプレクサ106、高周波スイッチ107、カプラ108、減衰器109およびスペクトラムアナライザ110を備えている。測定システム100は、更に、カプラ105に接続されたパワーセンサ111と、デュプレクサ106に接続された50Ωの終端抵抗112と、カプラ108に接続されたパワーセンサ113とを備えている。
【0072】
高周波電力増幅器102は、信号発生器101から出力された信号を増幅する。アイソレータ103は、高周波電力増幅器102の出力信号をLPF104に伝送し、LPF104から高周波電力増幅器102への信号の伝送を阻止する。LPF104は、図1におけるLPF30,40に対応し、信号発生器101から出力された信号を通過させ、その高調波を遮断する。カプラ105は、LPF104に対して、デュプレクサ106とパワーセンサ111とを結合させる。デュプレクサ106は、LPF106Lと、ハイパスフィルタ(以下、HPFと記す。)106Hとを有している。LPF106Lの一端はカプラ105に接続され、他端は高周波スイッチ107の一端に接続されている。HPF106Hの一端は終端抵抗112に接続され、他端は高周波スイッチ107の一端に接続されている。高周波スイッチ107は、GaAs・FETを含み、導通状態と非導通状態とを選択できるようになっている。高周波スイッチ107は、図1における高周波スイッチ20に対応する。カプラ108は、高周波スイッチ107に対して、減衰器109とパワーセンサ113とを結合させる。減衰器109は、通過する信号の電力を10dB減衰させる。スペクトラムアナライザ110は、減衰器109を通過した信号のスペクトラムを検出する。パワーセンサ111は、高周波スイッチ107に入力される信号の電力を検出する。パワーセンサ113は、高周波スイッチ107から出力される信号の電力を検出する。
【0073】
図9は、デュプレクサ106におけるLPF106LとHPF106Hの特性を簡略化して表している。LPF106Lは、周波数900MHzにおいて挿入損失が0.5dB以下、周波数900MHzの信号の第2高調波の周波数である1.8GHzにおいて減衰量が50dB以上、周波数900MHzの信号の第3高調波の周波数である2.7GHzにおいて減衰量が50dB以上となる特性を有している。HPF106Hは、周波数900MHzにおいて減衰量が50dB以上、周波数1.8GHzにおいて挿入損失が0.5dB以下、周波数2.7GHzにおいて挿入損失が0.5dB以下となる特性を有している。
【0074】
次に、図8に示した測定システムを用いた第3の実験の内容について説明する。第3の実験では、信号発生器101によって、GSM方式の送信信号を想定した周波数900MHzの信号を発生させる。信号発生器101から出力された信号は、高周波電力増幅器102、アイソレータ103、LPF104、カプラ105、デュプレクサ106におけるLPF106Lを経て、高周波スイッチ107に入力される。高周波スイッチ107に入力される信号の電力は34dBmとする。
【0075】
高周波スイッチ107では、周波数900MHzのn倍(nは2以上の整数)の周波数の高調波が発生する。この高調波の進行波は、デュプレクサ106側とカプラ108側とに進行する。デュプレクサ106側に進行した進行波は、デュプレクサ106のHPF106を通過するが、終端抵抗112において反射せず、HPF106には戻らない。カプラ108側に進行した進行波は、カプラ108および減衰器109を経て、スペクトラムアナライザ110によって検出される。
【0076】
このように、第3の実験では、高周波スイッチ107によって発生された高調波の反射波の影響を排除して、高調波の進行波のみを検出する。第3の実験では、多数の高周波スイッチ107について、高調波のレベルを測定し、高調波のレベルと頻度(高周波スイッチ107の個数)との関係を求めた。その結果を図10に示す。図10において、横軸は、高調波のレベルをキャリア対スプリアス比(dBc)で表している。ここで、キャリアは周波数900MHzの信号であり、スプリアスは周波数900MHzの信号の第2高調波である。キャリア対スプリアス比が大きいほど、高調波のレベルは小さい。図10において、縦軸は頻度を表している。
【0077】
ここで、図10に示した実験結果から、高周波スイッチ107の歩留まりについて考察する。GSMの規格から、アンテナ端における高調波の周波数成分の電力の上限値を−32dBmとする。この場合、高周波スイッチ107に入力される信号の電力を34dBmとすると、キャリア対スプリアス比の下限は66dBcとなる。通常、マージンが3dB程度必要であることから、このマージンを加えると、キャリア対スプリアス比の下限は69dBcとなる。図10に示した実験結果では、キャリア対スプリアス比が69dBc以上となる高周波スイッチ107の割合、すなわち歩留まりは約50%である。
【0078】
図6に示した実験結果から、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1によれば、周波数900MHzの信号の第2高調波に関して、進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて合成波の電力を約20dB低減することが可能である。このことから、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1によれば、図10に示した実験結果のように反射波の影響を排除した場合に比べて、アンテナより出力される高調波の周波数成分の電力を約10dB低減することが可能である。このようにアンテナより出力される高調波の周波数成分の電力が約10dB低減されるとすると、図10においてキャリア対スプリアス比が59dBc以上となる高周波スイッチ107が使用可能となり、歩留まりはほぼ100%となる。
【0079】
次に、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1と、PINダイオードを用いた比較例の高周波スイッチモジュールとについて、回路の規模、大きさ、設計の難易度について比較する。
【0080】
図11は、比較例の高周波スイッチモジュール201の構成を示す回路図である。この高周波スイッチモジュール201は、図示しないアンテナに接続されるアンテナポート202と、送信信号ポート203,204と、受信信号ポート205,206と、ダイプレクサ210と、2つのLPF220,230と、2つのスイッチ部240,250とを備えている。送信信号ポート203,204は、それぞれ、GSM方式の送信信号、DCS方式の送信信号を入力する。受信信号ポート205,206は、それぞれ、GSM方式の受信信号、DCS方式の受信信号を出力する。スイッチ部240は、1つの電子的切替接点を有し、この電子的切替接点に対して、送信信号ポート203と受信信号ポート205の一方を選択的に接続する。スイッチ部250は、1つの電子的切替接点を有し、この電子的切替接点に対して、送信信号ポート204と受信信号ポート206の一方を選択的に接続する。
【0081】
ダイプレクサ210は、アンテナポート202に接続される第1のポートと、GSM方式の送信信号および受信信号を入出力する第2のポートと、DCS方式の送信信号、受信信号を入出力する第3のポートとを有している。ダイプレクサ210は、更に、一端が第1のポートに接続され、他端が第2のポートに接続されたインダクタ211と、一端が第1のポートに接続され、他端が第2のポートに接続されたキャパシタ212と、一端が第2のポートに接続され、他端が接地されたキャパシタ213とを有している。これらは、GSM方式の信号を通過させ、DCS方式の信号を遮断するLPFを構成している。ダイプレクサ210は、更に、一端が第1のポートに接続されたキャパシタ214と、一端がキャパシタ214の他端に接続され、他端が第3のポートに接続されたキャパシタ215と、一端がキャパシタ214の他端に接続されたインダクタ216と、一端がインダクタ216の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ217とを有している。これらは、DCS方式の信号を通過させ、GSM方式の信号を遮断するHPFを構成している。
【0082】
LPF220は、一端がダイプレクサ210の第2のポートに接続され、他端がスイッチ部240の電子的切替接点に接続されたインダクタ221と、一端がダイプレクサ210の第2のポートに接続され、他端がスイッチ部240の電子的切替接点に接続されたキャパシタ222と、一端がスイッチ部240の電子的切替接点に接続され、他端が接地されたキャパシタ223とを有している。
【0083】
スイッチ部240は、カソードが電子的切替接点に接続され、アノードが送信信号ポート203に接続されたPINダイオード241と、一端が電子的切替接点に接続されたキャパシタ242と、一端がキャパシタ242の他端に接続され、他端が送信信号ポート203に接続されたインダクタ243と、一端が送信信号ポート203に接続されたインダクタ244と、一端がインダクタ244の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ245と、インダクタ244とキャパシタ245との接続点に接続された制御端子207とを有している。スイッチ部240は、更に、一端が電子的切替接点に接続され、他端が受信信号ポート205に接続されたインダクタ246と、アノードが受信信号ポート205に接続されたPINダイオード247と、一端がPINダイオード247のカソードに接続され、他端が接地されたキャパシタ248と、一端がPINダイオード247のカソードに接続され、他端が接地された抵抗器249とを有している。
【0084】
LPF230は、一端がダイプレクサ210の第3のポートに接続され、他端がスイッチ部250の電子的切替接点に接続されたインダクタ231と、一端がダイプレクサ210の第3のポートに接続され、他端がスイッチ部250の電子的切替接点に接続されたキャパシタ232と、一端がスイッチ部250の電子的切替接点に接続され、他端が接地されたキャパシタ233とを有している。
【0085】
スイッチ部250は、カソードが電子的切替接点に接続され、アノードが送信信号ポート204に接続されたPINダイオード251と、一端が電子的切替接点に接続されたキャパシタ252と、一端がキャパシタ252の他端に接続され、他端が送信信号ポート204に接続されたインダクタ253と、一端が送信信号ポート204に接続されたインダクタ254と、一端がインダクタ254の他端に接続され、他端が接地されたキャパシタ255と、インダクタ254とキャパシタ255との接続点に接続された制御端子208とを有している。スイッチ部250は、更に、一端が電子的切替接点に接続され、他端が受信信号ポート206に接続されたインダクタ256と、アノードが受信信号ポート206に接続されたPINダイオード257と、一端がPINダイオード257のカソードに接続され、他端が接地されたキャパシタ258と、一端がPINダイオード257のカソードに接続され、他端が接地された抵抗器259とを有している。
【0086】
高周波スイッチモジュール201では、制御端子207に印加される制御信号がハイレベルのときには、ダイオード241,247が導通状態となり、送信信号ポート203が、LPF220およびダイプレクサ210を介してアンテナポート202に接続される。また、制御端子207に印加される制御信号がローレベルのときには、ダイオード241,247が非導通状態となり、受信信号ポート205が、LPF220およびダイプレクサ210を介してアンテナポート202に接続される。また、制御端子208に印加される制御信号がハイレベルのときには、ダイオード251,257が導通状態となり、送信信号ポート204が、LPF230およびダイプレクサ210を介してアンテナポート202に接続される。また、制御端子208に印加される制御信号がローレベルのときには、ダイオード251,257が非導通状態となり、受信信号ポート206が、LPF230およびダイプレクサ210を介してアンテナポート202に接続される。
【0087】
比較例の高周波スイッチモジュール201では、31個の素子が使用されている。このうち、例えば23個程度の素子が多層基板内に形成される。これに対し、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1では、17個の素子が使用されている。このうち、例えば11個程度の素子が多層基板内に形成される。このように、比較例の高周波スイッチモジュール201では、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1に比べて、回路が複雑であり、そのため、設計が難しくなると共に、小型化が難しくなる。特に、比較例の高周波スイッチモジュール201では、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1に比べて、インダクタやキャパシタが多い。そのため、比較例の高周波スイッチモジュール201では、インダクタ同士の結合や浮遊容量が発生しやすく、目標とする特性を得るまでの試作の回数が多くなる。また、これにより、開発コストの増加や製品の市場投入の遅れ等の問題が生じる。これに対し、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1では、構成が簡単で、設計も容易である。これにより、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1によれば、比較例の高周波スイッチモジュール201に比べて、開発に要する時間を例えば半分程度に短縮することが可能になる。
【0088】
また、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1では、IC化された高周波スイッチ20の入力インピーダンスおよび出力インピーダンスが広帯域で50Ωとなるように整合されている点からも、設計が容易になる。
【0089】
また、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1では、素子数が少なく、また、GaAs・FETを用いた高周波スイッチ20のチップサイズは縦1mm、横1mm程度である。そのため、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1は、容易に小型化することができる。
【0090】
また、PINダイオードを用いたスイッチの消費電流は10mA程度であるのに対し、GaAs・FETを用いたスイッチの消費電流は10μA以下で済む。従って、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1によれば、比較例の高周波スイッチモジュール201に比べて、消費電力を低減することができる。
【0091】
GaAs・FETは、大電力の送信信号の通過時に高調波を発生する。しかし、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1によれば、既に詳しく説明したように、アンテナから送出される高調波の周波数成分の電力を抑制することができる。
【0092】
また、本実施の形態に係る高周波スイッチモジュール1では、サージ抑制素子としてのインダクタ18を設けているので、サージによって高周波スイッチ20が破損されることを防止することができる。なお、サージ抑制素子としては、バリスタ、ツェナーダイオード、トランジェント電圧サプレッサ等の他の素子を用いてもよい。
【0093】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、高周波スイッチは、半導体スイッチ素子としてGaAs・FETを含むものに限らず、他の種類の半導体スイッチ素子を含むものであってもよい。
【0094】
また、各実施の形態で挙げた周波数帯域の組み合わせは一例であり、本発明は、他の周波数帯域の組み合わせに対しても適用することができる。
【0095】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高周波スイッチモジュールおよび高周波スイッチモジュール用多層基板によれば、構成が簡単で、設計が容易で、且つ高調波の周波数成分の電力を抑制できるようにした高周波スイッチモジュールを実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る高周波スイッチモジュールの回路構成の一例を示す回路図である。
【図2】図1における高周波スイッチの構成の一例を示す回路図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る高周波スイッチモジュールの外観を示す斜視図である。
【図4】図3に示した多層基板の内部の導体層の一部の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る高周波スイッチモジュールの効果を確認するための第1および第2の実験で使用した測定システムの構成を示すブロック図である。
【図6】第1の実験による測定結果を示す特性図である。
【図7】第2の実験による測定結果を示す特性図である。
【図8】高周波スイッチ単体の特性を調べる第3の実験で使用した測定システムの構成を示すブロック図である。
【図9】図8におけるデュプレクサにおけるLPFとHPFの特性を簡略化して表す説明図である。
【図10】第3の実験の結果を示す特性図である。
【図11】比較例の高周波スイッチモジュールの構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1…高周波スイッチモジュール、2…アンテナポート、3,4…送信信号ポート、5,6…受信信号ポート、16,17…位相調整用線路、20…高周波スイッチ、30,40…LPF、51〜54…GaAs・FET。
Claims (10)
- アンテナに接続されるアンテナポートと、
複数の周波数帯域の各々における送信信号を入力する複数の送信信号ポートと、
複数の周波数帯域の各々における受信信号を出力する複数の受信信号ポートと、
半導体スイッチ素子を含み、前記アンテナポートに対して、前記複数の送信信号ポートおよび複数の受信信号ポートのいずれかを選択的に接続する高周波スイッチと、
それぞれ前記高周波スイッチと各送信信号ポートとの間に設けられ、各送信信号ポートに入力される送信信号を通過させ、前記送信信号に基づく高調波を遮断する複数のローパスフィルタと、
それぞれ前記高周波スイッチと各ローパスフィルタとを接続する複数の位相調整用線路とを備え、
前記各位相調整用線路は、前記高周波スイッチの位置において、前記送信信号に基づいて前記高周波スイッチで発生した少なくとも1つの周波数の高調波の進行波と、この進行波が前記ローパスフィルタで反射して発生する反射波との合成波の電力が、前記進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくなるように、前記進行波と反射波との位相差を調整するものであることを特徴とする高周波スイッチモジュール。 - 前記位相調整用線路は、第2高調波に関して、前記合成波の電力が、前記進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて10dB以上小さくなるように、前記進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、第3高調波に関して、前記合成波の電力が、前記進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて3dB以上小さくなるように、前記進行波と反射波との位相差を調整することを特徴とする請求項1記載の高周波スイッチモジュール。
- 前記位相調整用線路は、第2高調波に関して、前記合成波の電力が、前記進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて15dB以上小さくなるように、前記進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、第3高調波に関して、前記合成波の電力が、前記進行波と反射波との位相差がゼロである場合に比べて5dB以上小さくなるように、前記進行波と反射波との位相差を調整することを特徴とする請求項1記載の高周波スイッチモジュール。
- アンテナに接続されるアンテナポートと、
複数の周波数帯域の各々における送信信号を入力する複数の送信信号ポートと、
複数の周波数帯域の各々における受信信号を出力する複数の受信信号ポートと、
半導体スイッチ素子を含み、前記アンテナポートに対して、前記複数の送信信号ポートおよび複数の受信信号ポートのいずれかを選択的に接続する高周波スイッチと、
それぞれ前記高周波スイッチと各送信信号ポートとの間に設けられ、各送信信号ポートに入力される送信信号を通過させ、前記送信信号に基づく高調波を遮断する複数のローパスフィルタと、
それぞれ前記高周波スイッチと各ローパスフィルタとを接続する複数の位相調整用線路とを備え、
前記各位相調整用線路は、前記高周波スイッチの位置において、前記送信信号に基づいて前記高周波スイッチで発生した少なくとも1つの周波数の高調波の進行波と、この進行波が前記ローパスフィルタで反射して発生する反射波との位相差が160°〜200°の範囲内となるように、前記進行波と反射波との位相差を調整するものであることを特徴とする高周波スイッチモジュール。 - 前記位相調整用線路は、第2高調波に関して、前記進行波と反射波との位相差が160°〜200°の範囲内となるように、前記進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、第3高調波に関して、前記進行波と反射波との位相差が150°〜210°の範囲内となるように、前記進行波と反射波との位相差を調整することを特徴とする請求項4記載の高周波スイッチモジュール。
- 前記位相調整用線路は、第2高調波に関して、前記進行波と反射波との位相差が170°〜190°の範囲内となるように、前記進行波と反射波との位相差を調整し、且つ、第3高調波に関して、前記進行波と反射波との位相差が165°〜195°の範囲内となるように、前記進行波と反射波との位相差を調整することを特徴とする請求項4記載の高周波スイッチモジュール。
- 前記位相調整用線路は、分布定数線路を含んでいることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の高周波スイッチモジュール。
- 前記高周波スイッチは、前記半導体スイッチ素子としてトランジスタを含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の高周波スイッチモジュール。
- 前記トランジスタは、GaAs化合物半導体による電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項8記載の高周波スイッチモジュール。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載の高周波スイッチモジュールに用いられる多層基板であって、
前記アンテナポート、送信信号ポート、受信信号ポート、ローパスフィルタおよび位相調整用線路を含み、前記高周波スイッチが実装されることによって高周波スイッチモジュールを完成させることを特徴とする高周波スイッチモジュール用多層基板。
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