JP2004333907A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間転写体と、転写電圧の印加された転写ローラとの間の転写ニップ部に、記録媒体を通過させ、このとき中間転写体の表面に形成されたトナー像を転写電界によって記録媒体に転写する画像形成装置において、転写ニップ部よりも上流側の領域で発生する転写チリと、下流側の領域で発生するベタチリを共に抑制する。
【解決手段】転写ニップ部Nよりも、中間転写体4の移動方向上流側の領域に電極26を設け、この電極26に電圧を印加して、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pへ移行することを禁止する電界を形成すると共に、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pが先ず転写ローラ23に接触し、次いで中間転写体4の表面に接触するように構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】転写ニップ部Nよりも、中間転写体4の移動方向上流側の領域に電極26を設け、この電極26に電圧を印加して、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pへ移行することを禁止する電界を形成すると共に、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pが先ず転写ローラ23に接触し、次いで中間転写体4の表面に接触するように構成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面にトナー像が形成される像担持体と、該像担持体の表面に対向配置された対向部材とを具備し、前記像担持体と対向部材との間の転写ニップ部に記録媒体を通過させ、このとき像担持体と対向部材との間に形成された転写電界の作用により、像担持体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は従来より周知である。像担持体は、トナー像が形成される感光体として構成され、或いは感光体に形成されたトナー像が転写される中間転写体として構成される。かかる像担持体の表面に形成されたトナー像が最終転写材としての記録媒体に静電的に転写される。
【0003】
上記形式の画像形成装置においては、転写ニップ部よりも記録媒体搬送方向上流側の領域において、所謂プレ転写が発生し、これによって記録媒体上に転写された正規のトナー像のまわりにトナーが散った状態で付着する転写チリが発生し、トナー像の画質が劣化するという問題があった。転写ニップ部よりも記録媒体搬送方向上流側の領域にも、像担持体上のトナーが記録媒体に移行する向きの電界が形成されているので、この領域においても、わずかなトナーが記録媒体に静電的に移行するプレ転写が発生し、このとき像担持体と記録媒体との間に大きな空隙が存在すると、像担持体上のトナーが記録媒体に向けて飛翔し、これにより転写チリが発生するのである。
【0004】
上記欠点を除去するため、転写ニップ部よりも上流側の領域において、記録媒体と像担持体との間に空隙ができないように、記録媒体を像担持体の表面に当接させ、これによって、プレ転写が発生しても、トナーが散った状態で記録媒体に移行することを防止した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図11は、上述した従来の提案に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。ここに示した画像形成装置の像担持体は、時計方向に回転する支持ローラ14に巻き掛けられて矢印A方向に回転する無端ベルト状の中間転写体4により構成されている。この中間転写体4の表面には、図示していない感光体から静電的に転写されたトナー像Tが形成されており、かかるトナー像Tを構成するトナーは、所定の極性、この例ではマイナス極性に帯電している。かかる中間転写体4の表面には、転写ローラ23として構成された対向部材が対向配置され、中間転写体4はこの転写ローラ23と支持ローラ14との間に位置し、その中間転写体4と転写ローラ23が接触して転写ニップ部Nが形成されている。
【0006】
転写紙又は樹脂シートなどから成る記録媒体Pは、矢印CAで示すように、中間転写体4と転写ローラ23の間の転写ニップ部Nに送り込まれ、そのニップ部Nを通過する。このとき、転写ローラ23には、記録媒体P上のトナー像Tのトナー帯電極性と逆極性(図の例ではプラス極性)の転写電圧が印加されており、支持ローラ14はアースされているので、中間転写体4と転写ローラ23との間に転写電界が形成され、その転写電界の作用により、中間転写体4の表面に形成されたトナー像Tが、転写ニップ部Nを通過する記録媒体Pの表面P1に転写される。
【0007】
ここで、上記転写ニップ部Nよりも記録媒体搬送方向上流側の領域を転写入口部aとし、その下流側の領域を転写出口部bとすることにすると、転写入口部a、特にその転写ニップ部Nに近い部分にも、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pに移行する向きの電界が形成され、これにより前述のプレ転写が発生する。ところが、記録媒体Pは、転写入口部aにおいて、中間転写体4の表面に接触した状態で転写ニップ部Nに進入するように構成されているので、転写ニップ部Nの近傍領域においては、その転写ニップ部Nへ進入する記録媒体Pと中間転写体4との間に大きな空隙が形成されることはなく、空隙中を飛翔するプレ転写は生じ難い。このため、プレ転写が発生しても、中間転写体4上のトナーは、記録媒体P上の本来、移行すべき部分に移行し、従って転写ニップ部Nを通過した記録媒体P上に転写された正規のトナー像のまわりにトナーが散った状態で付着する転写チリの発生を防止することができる。
【0008】
上述のように従来の提案に係る画像形成装置によっても転写チリの発生を抑えることが可能である。
【0009】
ところが、この種の画像形成装置においては、上述した転写チリのほかに、転写出口bにおいて記録媒体P上のトナーが散る「にじみ」と称せられる現象が発生し、これによってもトナー像の画質が劣化する。かかるにじみ現象の発生は、図11に示した従来の画像形成装置によって阻止することはできない。このにじみ現象は、記録媒体P上に転写されたトナー像のトナー量が多いとき、特に記録媒体上に色の異なる複数のトナー像を転写したときに、そのベタ部で生じることが多いことから、ベタチリとも称せられている。
【0010】
上述したベタチリが発生する原因は次のように考えられる。
【0011】
記録媒体Pが転写ニップ部Nに進入するとき、その記録媒体Pが転写入口部aに形成された電界の作用により帯電し、このときトナー像Tが転写される記録媒体の表面P1の側の帯電量と、その反対の裏面P2の側の帯電量にアンバランスが生じる。図11に示したように、転写入口部aに位置する記録媒体Pと、転写ローラ23との間に大きな空隙があると、これらの間に放電が生じ、これによって記録媒体Pの裏面P2の帯電量が、記録媒体Pの表面P1の帯電量よりも大きくなるのである。
【0012】
図12は、転写ニップ部を通過した後の記録媒体Pと、その表面P1に転写されたトナー像Tを模式的に示す説明図である。記録媒体の裏面P2は、トナー像Tのトナー帯電極性と逆極性(図の例ではプラス)に帯電しており、その電荷量は表面P1の電荷量よりも多くなっている。このため、記録媒体Pの表面P1の地肌部近くに位置するトナーが、図12に矢印Xで示すように、トナー像Tの周辺の地肌部へ向けて静電的に引かれ、一部のトナーが地肌部に付着する。これがにじみ又はベタチリと称せられている現象である。
【0013】
図11に符号40を付して示すように、転写出口部bに除電針を設け、この除電針40によって、転写ニップ部Nを出た記録媒体Pの裏面P2を除電することにより、ベタチリの発生を防止することも考えられる。ところが、ベタチリは、転写ニップ部Nの近傍で発生するので、そのベタチリが発生する前に記録媒体Pの裏面P2を除電するように、除電針40を配置することは難しく、除電針40だけでベタチリの発生を阻止することは困難である。
【0014】
上述のように、従来の提案に係る画像形成装置は、転写入口部aの側での転写チリの発生を抑え、ないしは阻止することは可能であるが、転写出口部bの側でのベタチリの発生を阻止し、ないしは抑制することはできなかった。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−356538号公報(第8−9頁、図1、図2)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、転写チリとベタチリの発生を共に抑制することのできる冒頭に記載した形式の画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、前記転写ニップ部よりも像担持体表面移動方向上流側の領域に、該像担持体表面のトナーが記録媒体の側へ向けて静電的に移行することを禁止する向きの電界を形成する逆電界形成手段を設けると共に、転写ニップ部へ進入してくる記録媒体が先ず前記対向部材に接触し、次いで像担持体の表面に接触するように構成したことを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0018】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記逆電界形成手段は、記録媒体に接触しない像担持体の裏面の側に配置された電極を有し、該電極に、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の電圧が印加されるように構成することが有利である(請求項2)。
【0019】
さらに、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記逆電界形成手段は、前記像担持体と記録媒体との間に位置する電極を有し、該電極に、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と同極性の電圧が印加されるように構成することが有利である(請求項3)。
【0020】
また、上記請求項3に記載の画像形成装置において、前記電極に対し、該電極と像担持体との間に放電を発生させない電圧を印加するように構成することが有利である(請求項4)。
【0021】
さらに、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記逆電界形成手段は、前記像担持体に接触しない記録媒体の裏面の側に位置する電極を有し、該電極に、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と同極性の電圧が印加されるように構成することが有利である(請求項5)。
【0022】
また、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、転写ニップ部へ進入してくる記録媒体が先ず前記対向部材に接触し、次いで像担持体の表面に接触するように記録媒体を案内する案内手段を具備し、該案内手段は、前記対向部材の近傍に配置されたガイド部材を有し、該ガイド部材は、前記像担持体の表面に接触する側の記録媒体表面に当接して該記録媒体を案内するガイド部を有していると有利である(請求項6)。
【0023】
さらに、上記請求項6に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材のガイド部は、前記転写ニップ部に引いた接線よりも対向部材の側に位置していると有利である(請求項7)。
【0024】
また、上記請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材は、前記対向部材と電位差を有していないように構成されていると有利である(請求項8)。
【0025】
さらに、上記請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材は、電気的にフロート状態に配置されていると有利である(請求項9)。
【0026】
また、上記請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材は、絶縁性の部材により構成されていると有利である(請求項10)。
【0027】
さらに、上記請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材には、前記対向部材と同電位の電圧が印加されると有利である(請求項11)。
【0028】
また、上記請求項2乃至11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記電極に印加する電圧の値を、前記転写電界の形成のために前記対向部材に印加する転写電圧に従って決定するように構成することが有利である(請求項12)。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0030】
図1は、画像形成装置の一例を示す概略断面図であり、ここに示した画像形成装置は、その画像形成装置本体1内に配置された第1乃至第4の4つの感光体3Y,3M,3C,3BKを有し、その各感光体上にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。ここでは、各感光体がドラム状に構成されているが、無端ベルトより成る感光体を用いることもできる。
【0031】
第1乃至第4の感光体3Y乃至3BKに対向して、像担持体の一例である中間転写体4が配置されている。ここに示した中間転写体4は、複数の支持ローラ12,13,14に巻き掛けられて矢印A方向に走行駆動される無端ベルトにより構成されている。
【0032】
第1乃至第4の各感光体3Y,3M,3C,3BK上にトナー像を形成する構成と、その作用は実質的に全て同一であるため、第1の感光体3Yにトナー像を形成する構成だけを説明する。図2は、この感光体3Yと、そのまわりに配置されたプロセス機器の拡大図であり、該感光体3Yは図1及び図2における反時計方向に回転駆動される。このとき帯電装置7によって感光体表面が所定の極性に均一に帯電される。ここに示した帯電装置7は、感光体3Yに対向配置されて回転する帯電ローラ15と、この帯電ローラ15を支持するケース16とを有している。
【0033】
上述のように帯電装置7により帯電された感光体3Yの帯電面には、図1に示した露光装置8から出射する書き込み光(この例ではレーザビーム)Lが照射される。これによって感光体3Yに静電潜像が形成され、その静電潜像が現像装置9によってイエロートナー像として可視像化される。ここに示した現像装置9は、現像ケース17と、その現像ケース17に支持されて回転駆動される現像ローラ18を有し、その現像ローラ18に担持された乾式現像剤によって静電潜像がトナー像として可視像化される。トナーは所定の極性、この例ではマイナス極性に帯電され、かかるトナーが感光体3Yの表面に静電的に移行して、感光体上にトナー像が形成される。
【0034】
無端ベルトより成る中間転写体4を挟んで、第1の感光体3Yにほぼ対向した位置には、転写ローラにより構成された転写装置10が配置され、その転写装置10の作用によって、感光体3Y上のイエロートナー像が中間転写体4上に転写される。中間転写体4に転写されず、第1の感光体3Y上に残された転写残トナーは、クリーニング装置11によって除去される。ここに示したクリーニング装置はクリーニングケース19と、このケースに支持されたクリーニングブレード21とを有し、このブレード21は感光体3Yの表面に当接して感光体3Y上の転写残トナーを除去する。クリーニング装置11を通過した感光体3Yの表面には除電装置22からの光が照射されてその表面電位が初期化される。
【0035】
全く同様にして、図1に示した第2乃至第4の感光体3M,3C,3BK上にマゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像が、イエロートナー像の転写された中間転写体4上に順次重ねて転写される。このようにして、中間転写体4より成る像担持体の表面にトナー像が形成される。
【0036】
一方、図1及び図3に示すように、無端ベルトより成る中間転写体4を挟んで、支持ローラ14に対向して、対向部材の一例である転写ローラ23が配置されている。転写ローラ23として構成された対向部材が、中間転写体4より成る像担持体の表面に対向配置されているのである。この転写ローラ23は、反時計方向に回転しながら中間転写体4の表面に接触し、該転写ローラ23と中間転写体4との間に転写ニップ部Nが形成される。
【0037】
また、図1に示すように画像形成装置本体1の下部には給紙装置5が配置され、この給紙装置5から、例えば転写紙又は樹脂フィルムなどから成る最終転写材としての記録媒体Pが矢印Bで示す方向に給送される。給送された記録媒体Pは、レジストローラ対34の回転によって、所定のタイミングで転写ローラ23と中間転写体4との間の転写ニップ部Nに、図3に矢印Cで示す如く送り込まれる。次いで、その記録媒体Pは、転写ニップ部Nを通過し、該記録媒体Pの表面P1が中間転写体4の表面に接触する。このとき、転写ローラ23には、電源24によって中間転写体4上のトナー像Tのトナー帯電極性と逆極性、図の例ではプラス極性の転写電圧が印加され、一方、支持ローラ14はアースされているので、中間転写体4より成る像担持体と転写ローラ23より成る対向部材との間に転写電界が形成され、この転写電界の作用によって、中間転写体4より成る像担持体の表面に形成されたトナー像Tが記録媒体Pの表面P1に静電的に転写される。
【0038】
支持ローラ14に、中間転写体4上のトナー像Tのトナー帯電極性と同極性の電圧を印加し、転写ローラ23をアースすることによっても、中間転写体4上のトナー像Tを記録媒体Pの表面P1に転写させることができる。
【0039】
上述のようにして転写されたトナー像を担持した記録媒体Pは、図1に示すように、搬送ベルト27によって定着装置2に送り込まれ、該定着装置2を通過する。このときそのトナー像が熱と圧力の作用によって記録媒体P上に定着され、記録媒体P上にフルカラー画像が形成される。定着装置2を通過した記録媒体は、矢印Dで示すように排紙部6上に排出される。また、トナー像転写後の中間転写体上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置20によって除去される。
【0040】
図3は、図1及び図2に示した画像形成装置の転写ニップ部Nに記録媒体Pが進入してくるときの様子を示しているが、この図3から明らかなように、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pは、先ず転写ローラ23より成る対向部材に接触し、次いで中間転写体4より成る像担持体の表面に接触するように構成されている。ここでも、転写ニップ部Nよりも記録媒体Pないしは中間転写体4の移動方向上流側を転写入口部aと称し、下流側を転写出口部bと称することにすると、図1に示すように転写入口部aの側に位置するガイド板25より成る記録媒体案内手段が、転写ニップ部Nに向けて移動する記録媒体Pを上述のように案内するのである。
【0041】
上記構成により、転写ニップ部Nに進入する記録媒体Pが、転写ニップ部Nに至る前に転写ローラ23の表面に接触するので、これらの間に放電は発生せず、転写ローラ23と記録媒体Pの間に全く、或いはほとんど電位差が生じない。このため、転写ニップ部Nに向けて搬送される記録媒体Pの裏面P2の帯電電荷量は非常に少なくなり、図11及び図12を参照して先に説明したにじみ現象ないしはベタチリが全く発生しないか、又はその発生が効果的に抑制される。
【0042】
ところが、上述した構成だけであると、転写入口部aにおいて、記録媒体Pと中間転写体4との間に大きな空隙が形成されるので、転写チリが発生するおそれがある。
【0043】
そこで、本例の画像形成装置においては、転写ニップ部Nよりも、中間転写体4より成る像担持体の表面移動方向上流側の領域に、その像担持体表面のトナーが記録媒体の側へ向けて静電的に移行することを禁止する向きの電界を形成する逆電界形成手段が設けられている。
【0044】
図3に示した画像形成装置においては、転写入口部aの側に電極26が設けられ、この電極26は、記録媒体Pに接触することのない中間転写体4の裏面の側に配置されている。かかる電極26に、中間転写体4上のトナー像Tのトナー帯電極性と逆極性、すなわちプラス極性の電圧が印加されている。電極26は中間転写体4の裏面に接していてもよいし、離間していてもよい。
【0045】
上述した構成により、中間転写体4上のトナーがその中間転写体4の表面に静電的に引き付けられる向きの電界が形成される。すなわち、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pの側へ向けて静電的に移行することを禁止する向きの電界が形成されるのである。これにより、転写ニップ部Nに至る前の中間転写体4上のトナーが記録媒体Pの表面P1に静電的に移行するプレ転写の発生が抑えられ、転写チリの発生が阻止され、ないしは効果的に抑制される。
【0046】
上述のように、図1及び図3に示した画像形成装置の逆電界形成手段は、記録媒体Pに接触しない像担持体(図の例では中間転写体4)の裏面の側に配置された電極26を有し、該電極26に、像担持体の表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の電圧が印加されるように構成されている。
【0047】
上述した構成によって、転写入口部aにおける転写チリの発生を抑え、かつ転写出口部bにおけるベタチリ(にじみ現象)の発生を抑え、高品質な画像を得ることができる。また、図3に示した構成によると、電極26が中間転写体4のトナー像形成面と反対の裏面の側に配置されているので、電極26が記録媒体Pの搬送を邪魔することがなく、転写入口部aの側に配置される要素の配設自由度を高めることができる。
【0048】
図3に示した電極26と支持ローラ14との間には電位差があるので、電極26が中間転写体4に接触している場合には、その電極26から中間転写体4を通して支持ローラ14に電流が流れる可能性がある。そこで、電極26が接触する側の中間転写体4の裏面の抵抗値を高く設定して、支持ローラ14に電流が流れることを阻止することが好ましい。具体的には、中間転写体4の裏面の表面抵抗率を109Ω/□以上に設定することが望ましい。
【0049】
また、図4に示すように、中間転写体4の表面に対向配置された対向部材として、無端状の転写ベルト29を用いることもできる。転写ベルト29は、駆動ローラ30と従動ローラ31とに巻き掛けられ、駆動ローラ30が図示していない駆動モータにより回転駆動されることにより、転写ベルト29が矢印E方向に駆動される。従動ローラ31は、転写ベルト29と、像担持体の一例である中間転写体4とを介して支持ローラ14に当接し、これによって中間転写体4と転写ベルト29とが接触した転写ニップ部Nが形成される。図1に示した画像形成装置の場合と同じく給紙装置5から送り出された記録媒体Pは、中間転写体4より成る像担持体と、転写ベルト29より成る対向部材との間の転写ニップ部Nを通過し、このとき従動ローラ31に、中間転写体4上のトナー像のトナー帯電極性と逆極性、すなわちプラス極性の転写電圧が印加される。一方、支持ローラ14はアースされている。このようにして、中間転写体4と転写ベルト29との間に形成された転写電界の作用により、中間転写体4の表面に形成されたトナー像が記録媒体に転写される。他の構成は、図1乃至図3に示した画像形成装置と変りはない。中間転写体4の裏面の側に配置された電極26に、少なくとも前述の転写電界が形成されている間、中間転写体4上のトナー像のトナー帯電極性と逆極性の電圧が印加され、しかも転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体が先ず転写ベルト29より成る対向部材に接触し、次いで中間転写体4より成る像担持体の表面に接触することも、図1乃至図3に示した画像形成装置と同様である。これにより、転写チリとベタチリの発生が共に抑制され、ないしは阻止される。
【0050】
ここで、図4に示した画像形成装置を用い、中間転写体4上のトナー像を記録媒体Pに転写するときの条件を変えて、記録媒体P上に転写された画像を観察評価した実験の結果を説明する。条件としては、転写ニップ部Nに進入する紙より成る記録媒体Pが、図11に示したように、先ず中間転写体4に接触し、次いで転写ベルト29に接触する場合を紙進入方向1とし、同じく転写ニップ部Nに進入する紙より成る記録媒体Pが先ず転写ベルト29に接触し、次いで中間転写体4に接触する場合を紙進入方向2とした。画像の評価は、転写入口部aで発生するプレ転写に基づく転写チリと、転写出口部bで発生するベタチリをランク評価したものである。別途に主観評価により求めた許容限界をランク4としてランクを設定した。ランクは値が大きくなる程、良好であることを示す。
【0051】
条件と結果を表1に示す。ベタチリの発生は、比較的記録媒体Pの抵抗値が高い時に発生しやすいため、本実験は、記録媒体Pとして普通紙を用い、低湿度の環境下で行ったが、常湿においても、傾向は同様であった。
【0052】
【表1】
【0053】
表1における実験4が本発明に従った条件であり、この実験4において、ベタチリと転写チリが共に良好な画像が得られた。
【0054】
次に、図5に示す画像形成装置の逆電界形成手段は、転写入口部aの側に位置する電極26を有していて、この電極26は、中間転写体4より成る像担持体と記録媒体Pとの間に位置し、支持部材28に支持されている。かかる電極26に、中間転写体4より成る像担持体表面に形成されたトナー像Tのトナー帯電極性と同極性、すなわちマイナス極性の電圧が印加される。図5に示した画像形成装置の他の構成は、図1乃至図3に示した画像形成装置と変りはない。
【0055】
図5に示した逆電界形成手段によっても、転写入口部aにおいて、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pの表面P1に静電的に移行することを阻止でき、転写チリの発生を防止することができる。しかも、この構成によると、電極26が中間転写体4から離れているので、中間転写体4(又は感光体)から成る像担持体の裏面側の抵抗値が低くとも電極26から支持ローラ14へと電流が流れるおそれはない。中間転写体4の裏面の表面抵抗率が109Ω/□よりも小さい場合には、図5に示した構成を採用することが望ましい。図5に示した構成は、像担持体のトナー像が形成される側の面の抵抗値がいかなる場合にも適用できるものである。
【0056】
以上説明した画像形成装置においては、記録媒体Pに転写されるトナー像を担持した像担持体が中間転写体4として構成されているが、その像担持体が感光体より成るときも、前述の各構成をそれぞれ採用することができる。
【0057】
図6は、時計方向に回転するドラム状の感光体3を示し、この感光体3には、図2に示した感光体3Yと同様にして静電潜像が形成され、その静電潜像が図6には示していない現像装置によって、トナー像として可視像化される。この例でも、感光体3の表面に形成されたトナー像Tのトナー帯電極性はマイナスであるとする。感光体3は、導電性のベース32と、そのベース32の表面に積層された感光層33を有し、ベース32がアースされている。
【0058】
感光体3より成る像担持体の表面には、対向部材の一例である転写ローラ23が対向配置され、この転写ローラ23は反時計方向に回転しながら感光体3に当接し、これらの間に転写ニップ部Nが形成されている。記録媒体Pは、矢印Cで示すように、感光体3と転写ローラ23との間の転写ニップ部Nを通過する。このとき、転写ローラ23には、トナー像Tのトナー帯電極性と反対極性、すなわちプラス極性の転写電圧が印加され、これによって感光体3と転写ローラ23との間に形成された転写電界の作用によって、感光体表面に形成されたトナー像Tが記録媒体Pに転写される。そして、この場合も、転写入口部aの側に電極26が配置され、図6に示した例では、図5の場合と同じく電極26が感光体3と記録媒体Pとの間に位置している。かかる電極26には、感光体3上のトナー像Tのトナー帯電極性と同極性の電圧が印加され、これによって転写チリの発生を防止できる。また、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pは先ず転写ローラ23に接触し、次いで感光体3の表面に接触するので、ベタチリの発生を防止することができる。転写ニップ部Nを通過した記録媒体Pは、図6には示していない定着装置を通り、このとき記録媒体Pに転写されたトナー像が定着される。
【0059】
図6に示した転写ローラ23に+800Vの転写電圧を印加し、同じく図6に示した電極26に−400Vの電圧を印加したところ、ベタチリと転写チリが共に発生しない良好な画像を記録媒体P上に転写することができた。
【0060】
図5及び図6に示した画像形成装置の場合には、その電極26に過剰な電圧を印加すると、中間転写体4又は感光体3より成る像担持体と電極26との間で放電が生じ、これによってトナー像が乱されたり、像担持体が劣化する欠点を免れない。従って、図5及び図6に示した画像形成装置の場合には、電極26に対し、該電極26と像担持体(中間転写体4又は感光体3)との間に放電を発生させない電圧を印加することが好ましい。
【0061】
また、図7に示した画像形成装置の基本構成は、図4に示した画像形成装置と同様であるが、対向部材の一例である転写ベルト29と、像担持体の一例である中間転写体4を挟んで、支持ローラ14に対向して、バイアスローラ123が配置され、このバイアスローラ123に、中間転写体4の表面に形成されたトナー像Tのトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。従動ローラ31に転写電圧は印加されない。これらの点で、図4に示した画像形成装置と相違している。また、逆電界形成手段を構成する電極26が、中間転写体4より成る像担持体に接触しない記録媒体Pの裏面P2の側、より具体的には転写ベルト29の内側に位置し、かかる電極26にトナー帯電極性と同極性、すなわちマイナス極性の電圧が印加される点も、図4に示した画像形成装置と相違している。逆電界形成手段は、像担持体に接触しない記録媒体の裏面の側に位置する電極26を有し、該電極26に、像担持体表面に形成されたトナー像Tのトナー帯電極性と同極性の電圧が印加されるように構成されているのである。これにより、転写入口部aの側において、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pに静電的に移行することが防止され、転写チリの発生が阻止される。他の構成は、図4に示した画像形成装置と変りはなく、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pが先ず対向部材の一例である転写ベルト29に接触し、次いで像担持体の一例である中間転写体4の表面に接触し、これによってベタチリの発生が防止されることも図4に示した画像形成装置と変りはない。図7に示した構成も、中間転写体4又は感光体より成る像担持体の記録媒体と接触しない側の表面抵抗率が109Ω/□よりも低い場合でも支障なく採用することができる。
【0062】
図7に示した画像形成装置において、バイアスローラ123に印加する転写電圧の値を+1200Vに固定し、電極26に印加する電圧を変化させ、記録媒体P上に約90μmの直径のドッド画像を転写し、そのチリ量を比較した。その結果を図8に示す。図8中のチリ量3のラインが主観的な許容値である。図8からは、電極26に絶対値で500V以上の電圧を印加することにより、転写チリとベタチリの発生を効果的に抑制できることが判る。
【0063】
以上説明した画像形成装置には、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pが先ず対向部材に接触し、次いで像担持体の表面に接触するように記録媒体Pを案内する案内手段が設けられていることが望ましい。図9は、好ましい案内手段を有する画像形成装置を示している。ここに示した画像形成装置の案内手段以外の基本構成は、図3に示したところと変りはなく、図3と同一の部分についての説明は省略する。
【0064】
図9において、転写入口部aの側には、転写ローラ23より成る対向部材の近傍に配置され、その転写ローラ23に対して平行に延びる棒状のガイド部材35と、そのガイド部材35の近傍に位置する案内板36とが配設されている。記録媒体Pは、レジストローラ対34の回転によって転写ニップ部Nに向けて送り出されるが、このとき記録媒体Pは先ず下方に撓み、案内板36に沿って搬送される。引き続き、記録媒体Pは、中間転写体4より成る像担持体の表面に接触する側の表面P1がガイド部材35に当接しながら案内され、記録媒体Pの先端が転写ローラ23の表面に接触し、次いで転写ローラ23の回転に伴って中間転写体4の表面に接触し、転写ニップ部Nに挿入され、ここを通過する。記録媒体Pが接触するガイド部材35の部分が、記録媒体Pを案内するガイド部であるが、そのガイド部は、図9から判るように、転写ニップ部Nに引いた接線TLよりも、対向部材の一例である転写ローラ23の側に位置している。このように、記録媒体用の案内手段は、対向部材の一例である転写ローラ23の近傍に配置されたガイド部材35を有し、該ガイド部材35は、像担持体の一例である中間転写体4の表面に接触する側の記録媒体表面に当接して該記録媒体を案内するガイド部を有している。記録媒体Pの紙種、厚み、腰の強さ、環境などによって、記録媒体Pの搬送時の挙動は多少異なるが、上述した案内手段を設けることにより、いずれの記録媒体Pも、確実に、先ず転写ローラ23に接触させ、次いで中間転写体4の表面に接触させることが可能となる。
【0065】
ところで、ガイド部材35は転写ローラ23の近傍に配置されているので、両者の間で放電が生じたり、記録媒体Pの抵抗値が低い場合に、その記録媒体Pを介して、転写電圧の印加された転写ローラ23からガイド部材35に電流が流れて、トナー像の転写効率が低下するおそれがある。
【0066】
かかる不具合の発生を阻止するため、ガイド部材35が、対向部材の一例である転写ローラ23と電位差を有していないように構成することが好ましい。このようにすれば、転写ローラ23とガイド部材35との間の放電の発生と電流の漏洩を確実に防ぐことができる。
【0067】
ガイド部材35と転写ローラ23との間に電位差を発生させない具体的な方法としては、ガイド部材35を、電気的にフロート状態に配置し、かつ金属などの抵抗値の低い物質で構成すればよい。例えばガイド部材35をステンレス鋼により構成する。このように構成すれば、ガイド部材35の電位は周囲の電界によって決定されるので、転写ローラ23の近傍に設けられたガイド部材35の電位は、その転写ローラ23の電位と同電位となる。案内板36は、例えば低抵抗化した樹脂により構成することができる。
【0068】
またガイド部材35を絶縁性の部材により構成しても、上述したところと同じ効果が得られる。この構成によると、ガイド部材を他の部材と一体に構成しても、他の部材に電気的な影響を与えることがない。
【0069】
ガイド部材35と転写ローラ23を最も確実に同電位にするには、ガイド部材35に、対向部材の一例である転写ローラ23と同電位の電圧を印加すればよい。この構成は、上述した各構成よりもコストがかかるが、最も確実な方法である。
【0070】
以上説明した各構成において、電極26に印加する電圧をVcとし、例えば転写ローラ23より成る対向部材に印加する転写電圧をVtとしたとき、中間転写体4上の電荷qを有するトナーに対して作用する力は、電圧Vcにより生じる電界Ecと、転写電圧Vtにより生じる電界Etにより決まり、転写ローラ23に向かう力がより大きくなった場合に、中間転写体4から転写ローラ23にトナーが飛翔するプレ転写が発生する。電界Ec,Etの強さは、中間転写体4や記録媒体Pなどの誘電率や厚みなどにも影響される値である。
【0071】
上述したところから判るように、転写入口部aにおいて、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pに飛翔するプレ転写を発生させない電圧Vcの限界値は、転写電圧Vtによって相違する。従って、電極26に印加する電圧の値を、転写電界の形成のために対向部材に印加する転写電圧に従って決定することが好ましい。経時変化や、環境の変化に応じて、転写電圧の値を変化させる画像形成装置においては、その変化に連動させて、電極26に印加する電圧の値も変化させることが好ましく、これによって経時変化や環境の変化があっても、常に良好な画像を得ることができる。
【0072】
図9に示した画像形成装置を用い、転写ローラ23に印加する転写電圧Vtに対応させて、電極26に印加する電圧Vcを変化させ、プレ転写が生じる様子を、ドット画像のチリによって評価した。その結果を図10に示す。図10においては、プレ転写が生じていると判断された場合を「×」、生じていないと判断された場合を「○」で示した。この実験に基づいて、プレ転写の生じない条件下で、実際に画像形成動作を行ったところ、プレ転写の生じない画像が得られた。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、転写チリの発生とベタチリの発生を共に抑えた画像形成装置を供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す図である。
【図3】図1に示した中間転写体上のトナー像を記録媒体に転写するときの様子を示す図である。
【図4】図1とは異なる画像形成装置の概略断面図である。
【図5】電極の位置を変えた例を示す、図3と同様な図である。
【図6】像担持体が感光体より成る画像形成装置を示す、図3と同様な図である。
【図7】対向部材が転写ベルトより成る画像形成装置を示す、図3と同様な図である。
【図8】電極に印加する電圧とチリ量の相関関係を示す図である。
【図9】好ましい案内手段を有する画像形成装置を示す、図3と同様な図である。
【図10】転写ローラに印加する転写電圧と電極に印加する電圧の相関関係の一例を示す図である。
【図11】従来の画像形成装置の一例を示す図である。
【図12】ベタチリの発生状態を説明する図である。
【符号の説明】
26 電極
35 ガイド部材
N 転写ニップ部
P 記録媒体
T トナー像
TL 接線
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面にトナー像が形成される像担持体と、該像担持体の表面に対向配置された対向部材とを具備し、前記像担持体と対向部材との間の転写ニップ部に記録媒体を通過させ、このとき像担持体と対向部材との間に形成された転写電界の作用により、像担持体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、或いはこれらの複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は従来より周知である。像担持体は、トナー像が形成される感光体として構成され、或いは感光体に形成されたトナー像が転写される中間転写体として構成される。かかる像担持体の表面に形成されたトナー像が最終転写材としての記録媒体に静電的に転写される。
【0003】
上記形式の画像形成装置においては、転写ニップ部よりも記録媒体搬送方向上流側の領域において、所謂プレ転写が発生し、これによって記録媒体上に転写された正規のトナー像のまわりにトナーが散った状態で付着する転写チリが発生し、トナー像の画質が劣化するという問題があった。転写ニップ部よりも記録媒体搬送方向上流側の領域にも、像担持体上のトナーが記録媒体に移行する向きの電界が形成されているので、この領域においても、わずかなトナーが記録媒体に静電的に移行するプレ転写が発生し、このとき像担持体と記録媒体との間に大きな空隙が存在すると、像担持体上のトナーが記録媒体に向けて飛翔し、これにより転写チリが発生するのである。
【0004】
上記欠点を除去するため、転写ニップ部よりも上流側の領域において、記録媒体と像担持体との間に空隙ができないように、記録媒体を像担持体の表面に当接させ、これによって、プレ転写が発生しても、トナーが散った状態で記録媒体に移行することを防止した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図11は、上述した従来の提案に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。ここに示した画像形成装置の像担持体は、時計方向に回転する支持ローラ14に巻き掛けられて矢印A方向に回転する無端ベルト状の中間転写体4により構成されている。この中間転写体4の表面には、図示していない感光体から静電的に転写されたトナー像Tが形成されており、かかるトナー像Tを構成するトナーは、所定の極性、この例ではマイナス極性に帯電している。かかる中間転写体4の表面には、転写ローラ23として構成された対向部材が対向配置され、中間転写体4はこの転写ローラ23と支持ローラ14との間に位置し、その中間転写体4と転写ローラ23が接触して転写ニップ部Nが形成されている。
【0006】
転写紙又は樹脂シートなどから成る記録媒体Pは、矢印CAで示すように、中間転写体4と転写ローラ23の間の転写ニップ部Nに送り込まれ、そのニップ部Nを通過する。このとき、転写ローラ23には、記録媒体P上のトナー像Tのトナー帯電極性と逆極性(図の例ではプラス極性)の転写電圧が印加されており、支持ローラ14はアースされているので、中間転写体4と転写ローラ23との間に転写電界が形成され、その転写電界の作用により、中間転写体4の表面に形成されたトナー像Tが、転写ニップ部Nを通過する記録媒体Pの表面P1に転写される。
【0007】
ここで、上記転写ニップ部Nよりも記録媒体搬送方向上流側の領域を転写入口部aとし、その下流側の領域を転写出口部bとすることにすると、転写入口部a、特にその転写ニップ部Nに近い部分にも、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pに移行する向きの電界が形成され、これにより前述のプレ転写が発生する。ところが、記録媒体Pは、転写入口部aにおいて、中間転写体4の表面に接触した状態で転写ニップ部Nに進入するように構成されているので、転写ニップ部Nの近傍領域においては、その転写ニップ部Nへ進入する記録媒体Pと中間転写体4との間に大きな空隙が形成されることはなく、空隙中を飛翔するプレ転写は生じ難い。このため、プレ転写が発生しても、中間転写体4上のトナーは、記録媒体P上の本来、移行すべき部分に移行し、従って転写ニップ部Nを通過した記録媒体P上に転写された正規のトナー像のまわりにトナーが散った状態で付着する転写チリの発生を防止することができる。
【0008】
上述のように従来の提案に係る画像形成装置によっても転写チリの発生を抑えることが可能である。
【0009】
ところが、この種の画像形成装置においては、上述した転写チリのほかに、転写出口bにおいて記録媒体P上のトナーが散る「にじみ」と称せられる現象が発生し、これによってもトナー像の画質が劣化する。かかるにじみ現象の発生は、図11に示した従来の画像形成装置によって阻止することはできない。このにじみ現象は、記録媒体P上に転写されたトナー像のトナー量が多いとき、特に記録媒体上に色の異なる複数のトナー像を転写したときに、そのベタ部で生じることが多いことから、ベタチリとも称せられている。
【0010】
上述したベタチリが発生する原因は次のように考えられる。
【0011】
記録媒体Pが転写ニップ部Nに進入するとき、その記録媒体Pが転写入口部aに形成された電界の作用により帯電し、このときトナー像Tが転写される記録媒体の表面P1の側の帯電量と、その反対の裏面P2の側の帯電量にアンバランスが生じる。図11に示したように、転写入口部aに位置する記録媒体Pと、転写ローラ23との間に大きな空隙があると、これらの間に放電が生じ、これによって記録媒体Pの裏面P2の帯電量が、記録媒体Pの表面P1の帯電量よりも大きくなるのである。
【0012】
図12は、転写ニップ部を通過した後の記録媒体Pと、その表面P1に転写されたトナー像Tを模式的に示す説明図である。記録媒体の裏面P2は、トナー像Tのトナー帯電極性と逆極性(図の例ではプラス)に帯電しており、その電荷量は表面P1の電荷量よりも多くなっている。このため、記録媒体Pの表面P1の地肌部近くに位置するトナーが、図12に矢印Xで示すように、トナー像Tの周辺の地肌部へ向けて静電的に引かれ、一部のトナーが地肌部に付着する。これがにじみ又はベタチリと称せられている現象である。
【0013】
図11に符号40を付して示すように、転写出口部bに除電針を設け、この除電針40によって、転写ニップ部Nを出た記録媒体Pの裏面P2を除電することにより、ベタチリの発生を防止することも考えられる。ところが、ベタチリは、転写ニップ部Nの近傍で発生するので、そのベタチリが発生する前に記録媒体Pの裏面P2を除電するように、除電針40を配置することは難しく、除電針40だけでベタチリの発生を阻止することは困難である。
【0014】
上述のように、従来の提案に係る画像形成装置は、転写入口部aの側での転写チリの発生を抑え、ないしは阻止することは可能であるが、転写出口部bの側でのベタチリの発生を阻止し、ないしは抑制することはできなかった。
【0015】
【特許文献1】
特開2001−356538号公報(第8−9頁、図1、図2)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、転写チリとベタチリの発生を共に抑制することのできる冒頭に記載した形式の画像形成装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、前記転写ニップ部よりも像担持体表面移動方向上流側の領域に、該像担持体表面のトナーが記録媒体の側へ向けて静電的に移行することを禁止する向きの電界を形成する逆電界形成手段を設けると共に、転写ニップ部へ進入してくる記録媒体が先ず前記対向部材に接触し、次いで像担持体の表面に接触するように構成したことを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0018】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記逆電界形成手段は、記録媒体に接触しない像担持体の裏面の側に配置された電極を有し、該電極に、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の電圧が印加されるように構成することが有利である(請求項2)。
【0019】
さらに、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記逆電界形成手段は、前記像担持体と記録媒体との間に位置する電極を有し、該電極に、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と同極性の電圧が印加されるように構成することが有利である(請求項3)。
【0020】
また、上記請求項3に記載の画像形成装置において、前記電極に対し、該電極と像担持体との間に放電を発生させない電圧を印加するように構成することが有利である(請求項4)。
【0021】
さらに、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記逆電界形成手段は、前記像担持体に接触しない記録媒体の裏面の側に位置する電極を有し、該電極に、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と同極性の電圧が印加されるように構成することが有利である(請求項5)。
【0022】
また、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、転写ニップ部へ進入してくる記録媒体が先ず前記対向部材に接触し、次いで像担持体の表面に接触するように記録媒体を案内する案内手段を具備し、該案内手段は、前記対向部材の近傍に配置されたガイド部材を有し、該ガイド部材は、前記像担持体の表面に接触する側の記録媒体表面に当接して該記録媒体を案内するガイド部を有していると有利である(請求項6)。
【0023】
さらに、上記請求項6に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材のガイド部は、前記転写ニップ部に引いた接線よりも対向部材の側に位置していると有利である(請求項7)。
【0024】
また、上記請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材は、前記対向部材と電位差を有していないように構成されていると有利である(請求項8)。
【0025】
さらに、上記請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材は、電気的にフロート状態に配置されていると有利である(請求項9)。
【0026】
また、上記請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材は、絶縁性の部材により構成されていると有利である(請求項10)。
【0027】
さらに、上記請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記ガイド部材には、前記対向部材と同電位の電圧が印加されると有利である(請求項11)。
【0028】
また、上記請求項2乃至11のいずれかに記載の画像形成装置において、前記電極に印加する電圧の値を、前記転写電界の形成のために前記対向部材に印加する転写電圧に従って決定するように構成することが有利である(請求項12)。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0030】
図1は、画像形成装置の一例を示す概略断面図であり、ここに示した画像形成装置は、その画像形成装置本体1内に配置された第1乃至第4の4つの感光体3Y,3M,3C,3BKを有し、その各感光体上にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。ここでは、各感光体がドラム状に構成されているが、無端ベルトより成る感光体を用いることもできる。
【0031】
第1乃至第4の感光体3Y乃至3BKに対向して、像担持体の一例である中間転写体4が配置されている。ここに示した中間転写体4は、複数の支持ローラ12,13,14に巻き掛けられて矢印A方向に走行駆動される無端ベルトにより構成されている。
【0032】
第1乃至第4の各感光体3Y,3M,3C,3BK上にトナー像を形成する構成と、その作用は実質的に全て同一であるため、第1の感光体3Yにトナー像を形成する構成だけを説明する。図2は、この感光体3Yと、そのまわりに配置されたプロセス機器の拡大図であり、該感光体3Yは図1及び図2における反時計方向に回転駆動される。このとき帯電装置7によって感光体表面が所定の極性に均一に帯電される。ここに示した帯電装置7は、感光体3Yに対向配置されて回転する帯電ローラ15と、この帯電ローラ15を支持するケース16とを有している。
【0033】
上述のように帯電装置7により帯電された感光体3Yの帯電面には、図1に示した露光装置8から出射する書き込み光(この例ではレーザビーム)Lが照射される。これによって感光体3Yに静電潜像が形成され、その静電潜像が現像装置9によってイエロートナー像として可視像化される。ここに示した現像装置9は、現像ケース17と、その現像ケース17に支持されて回転駆動される現像ローラ18を有し、その現像ローラ18に担持された乾式現像剤によって静電潜像がトナー像として可視像化される。トナーは所定の極性、この例ではマイナス極性に帯電され、かかるトナーが感光体3Yの表面に静電的に移行して、感光体上にトナー像が形成される。
【0034】
無端ベルトより成る中間転写体4を挟んで、第1の感光体3Yにほぼ対向した位置には、転写ローラにより構成された転写装置10が配置され、その転写装置10の作用によって、感光体3Y上のイエロートナー像が中間転写体4上に転写される。中間転写体4に転写されず、第1の感光体3Y上に残された転写残トナーは、クリーニング装置11によって除去される。ここに示したクリーニング装置はクリーニングケース19と、このケースに支持されたクリーニングブレード21とを有し、このブレード21は感光体3Yの表面に当接して感光体3Y上の転写残トナーを除去する。クリーニング装置11を通過した感光体3Yの表面には除電装置22からの光が照射されてその表面電位が初期化される。
【0035】
全く同様にして、図1に示した第2乃至第4の感光体3M,3C,3BK上にマゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像が、イエロートナー像の転写された中間転写体4上に順次重ねて転写される。このようにして、中間転写体4より成る像担持体の表面にトナー像が形成される。
【0036】
一方、図1及び図3に示すように、無端ベルトより成る中間転写体4を挟んで、支持ローラ14に対向して、対向部材の一例である転写ローラ23が配置されている。転写ローラ23として構成された対向部材が、中間転写体4より成る像担持体の表面に対向配置されているのである。この転写ローラ23は、反時計方向に回転しながら中間転写体4の表面に接触し、該転写ローラ23と中間転写体4との間に転写ニップ部Nが形成される。
【0037】
また、図1に示すように画像形成装置本体1の下部には給紙装置5が配置され、この給紙装置5から、例えば転写紙又は樹脂フィルムなどから成る最終転写材としての記録媒体Pが矢印Bで示す方向に給送される。給送された記録媒体Pは、レジストローラ対34の回転によって、所定のタイミングで転写ローラ23と中間転写体4との間の転写ニップ部Nに、図3に矢印Cで示す如く送り込まれる。次いで、その記録媒体Pは、転写ニップ部Nを通過し、該記録媒体Pの表面P1が中間転写体4の表面に接触する。このとき、転写ローラ23には、電源24によって中間転写体4上のトナー像Tのトナー帯電極性と逆極性、図の例ではプラス極性の転写電圧が印加され、一方、支持ローラ14はアースされているので、中間転写体4より成る像担持体と転写ローラ23より成る対向部材との間に転写電界が形成され、この転写電界の作用によって、中間転写体4より成る像担持体の表面に形成されたトナー像Tが記録媒体Pの表面P1に静電的に転写される。
【0038】
支持ローラ14に、中間転写体4上のトナー像Tのトナー帯電極性と同極性の電圧を印加し、転写ローラ23をアースすることによっても、中間転写体4上のトナー像Tを記録媒体Pの表面P1に転写させることができる。
【0039】
上述のようにして転写されたトナー像を担持した記録媒体Pは、図1に示すように、搬送ベルト27によって定着装置2に送り込まれ、該定着装置2を通過する。このときそのトナー像が熱と圧力の作用によって記録媒体P上に定着され、記録媒体P上にフルカラー画像が形成される。定着装置2を通過した記録媒体は、矢印Dで示すように排紙部6上に排出される。また、トナー像転写後の中間転写体上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置20によって除去される。
【0040】
図3は、図1及び図2に示した画像形成装置の転写ニップ部Nに記録媒体Pが進入してくるときの様子を示しているが、この図3から明らかなように、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pは、先ず転写ローラ23より成る対向部材に接触し、次いで中間転写体4より成る像担持体の表面に接触するように構成されている。ここでも、転写ニップ部Nよりも記録媒体Pないしは中間転写体4の移動方向上流側を転写入口部aと称し、下流側を転写出口部bと称することにすると、図1に示すように転写入口部aの側に位置するガイド板25より成る記録媒体案内手段が、転写ニップ部Nに向けて移動する記録媒体Pを上述のように案内するのである。
【0041】
上記構成により、転写ニップ部Nに進入する記録媒体Pが、転写ニップ部Nに至る前に転写ローラ23の表面に接触するので、これらの間に放電は発生せず、転写ローラ23と記録媒体Pの間に全く、或いはほとんど電位差が生じない。このため、転写ニップ部Nに向けて搬送される記録媒体Pの裏面P2の帯電電荷量は非常に少なくなり、図11及び図12を参照して先に説明したにじみ現象ないしはベタチリが全く発生しないか、又はその発生が効果的に抑制される。
【0042】
ところが、上述した構成だけであると、転写入口部aにおいて、記録媒体Pと中間転写体4との間に大きな空隙が形成されるので、転写チリが発生するおそれがある。
【0043】
そこで、本例の画像形成装置においては、転写ニップ部Nよりも、中間転写体4より成る像担持体の表面移動方向上流側の領域に、その像担持体表面のトナーが記録媒体の側へ向けて静電的に移行することを禁止する向きの電界を形成する逆電界形成手段が設けられている。
【0044】
図3に示した画像形成装置においては、転写入口部aの側に電極26が設けられ、この電極26は、記録媒体Pに接触することのない中間転写体4の裏面の側に配置されている。かかる電極26に、中間転写体4上のトナー像Tのトナー帯電極性と逆極性、すなわちプラス極性の電圧が印加されている。電極26は中間転写体4の裏面に接していてもよいし、離間していてもよい。
【0045】
上述した構成により、中間転写体4上のトナーがその中間転写体4の表面に静電的に引き付けられる向きの電界が形成される。すなわち、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pの側へ向けて静電的に移行することを禁止する向きの電界が形成されるのである。これにより、転写ニップ部Nに至る前の中間転写体4上のトナーが記録媒体Pの表面P1に静電的に移行するプレ転写の発生が抑えられ、転写チリの発生が阻止され、ないしは効果的に抑制される。
【0046】
上述のように、図1及び図3に示した画像形成装置の逆電界形成手段は、記録媒体Pに接触しない像担持体(図の例では中間転写体4)の裏面の側に配置された電極26を有し、該電極26に、像担持体の表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の電圧が印加されるように構成されている。
【0047】
上述した構成によって、転写入口部aにおける転写チリの発生を抑え、かつ転写出口部bにおけるベタチリ(にじみ現象)の発生を抑え、高品質な画像を得ることができる。また、図3に示した構成によると、電極26が中間転写体4のトナー像形成面と反対の裏面の側に配置されているので、電極26が記録媒体Pの搬送を邪魔することがなく、転写入口部aの側に配置される要素の配設自由度を高めることができる。
【0048】
図3に示した電極26と支持ローラ14との間には電位差があるので、電極26が中間転写体4に接触している場合には、その電極26から中間転写体4を通して支持ローラ14に電流が流れる可能性がある。そこで、電極26が接触する側の中間転写体4の裏面の抵抗値を高く設定して、支持ローラ14に電流が流れることを阻止することが好ましい。具体的には、中間転写体4の裏面の表面抵抗率を109Ω/□以上に設定することが望ましい。
【0049】
また、図4に示すように、中間転写体4の表面に対向配置された対向部材として、無端状の転写ベルト29を用いることもできる。転写ベルト29は、駆動ローラ30と従動ローラ31とに巻き掛けられ、駆動ローラ30が図示していない駆動モータにより回転駆動されることにより、転写ベルト29が矢印E方向に駆動される。従動ローラ31は、転写ベルト29と、像担持体の一例である中間転写体4とを介して支持ローラ14に当接し、これによって中間転写体4と転写ベルト29とが接触した転写ニップ部Nが形成される。図1に示した画像形成装置の場合と同じく給紙装置5から送り出された記録媒体Pは、中間転写体4より成る像担持体と、転写ベルト29より成る対向部材との間の転写ニップ部Nを通過し、このとき従動ローラ31に、中間転写体4上のトナー像のトナー帯電極性と逆極性、すなわちプラス極性の転写電圧が印加される。一方、支持ローラ14はアースされている。このようにして、中間転写体4と転写ベルト29との間に形成された転写電界の作用により、中間転写体4の表面に形成されたトナー像が記録媒体に転写される。他の構成は、図1乃至図3に示した画像形成装置と変りはない。中間転写体4の裏面の側に配置された電極26に、少なくとも前述の転写電界が形成されている間、中間転写体4上のトナー像のトナー帯電極性と逆極性の電圧が印加され、しかも転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体が先ず転写ベルト29より成る対向部材に接触し、次いで中間転写体4より成る像担持体の表面に接触することも、図1乃至図3に示した画像形成装置と同様である。これにより、転写チリとベタチリの発生が共に抑制され、ないしは阻止される。
【0050】
ここで、図4に示した画像形成装置を用い、中間転写体4上のトナー像を記録媒体Pに転写するときの条件を変えて、記録媒体P上に転写された画像を観察評価した実験の結果を説明する。条件としては、転写ニップ部Nに進入する紙より成る記録媒体Pが、図11に示したように、先ず中間転写体4に接触し、次いで転写ベルト29に接触する場合を紙進入方向1とし、同じく転写ニップ部Nに進入する紙より成る記録媒体Pが先ず転写ベルト29に接触し、次いで中間転写体4に接触する場合を紙進入方向2とした。画像の評価は、転写入口部aで発生するプレ転写に基づく転写チリと、転写出口部bで発生するベタチリをランク評価したものである。別途に主観評価により求めた許容限界をランク4としてランクを設定した。ランクは値が大きくなる程、良好であることを示す。
【0051】
条件と結果を表1に示す。ベタチリの発生は、比較的記録媒体Pの抵抗値が高い時に発生しやすいため、本実験は、記録媒体Pとして普通紙を用い、低湿度の環境下で行ったが、常湿においても、傾向は同様であった。
【0052】
【表1】
【0053】
表1における実験4が本発明に従った条件であり、この実験4において、ベタチリと転写チリが共に良好な画像が得られた。
【0054】
次に、図5に示す画像形成装置の逆電界形成手段は、転写入口部aの側に位置する電極26を有していて、この電極26は、中間転写体4より成る像担持体と記録媒体Pとの間に位置し、支持部材28に支持されている。かかる電極26に、中間転写体4より成る像担持体表面に形成されたトナー像Tのトナー帯電極性と同極性、すなわちマイナス極性の電圧が印加される。図5に示した画像形成装置の他の構成は、図1乃至図3に示した画像形成装置と変りはない。
【0055】
図5に示した逆電界形成手段によっても、転写入口部aにおいて、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pの表面P1に静電的に移行することを阻止でき、転写チリの発生を防止することができる。しかも、この構成によると、電極26が中間転写体4から離れているので、中間転写体4(又は感光体)から成る像担持体の裏面側の抵抗値が低くとも電極26から支持ローラ14へと電流が流れるおそれはない。中間転写体4の裏面の表面抵抗率が109Ω/□よりも小さい場合には、図5に示した構成を採用することが望ましい。図5に示した構成は、像担持体のトナー像が形成される側の面の抵抗値がいかなる場合にも適用できるものである。
【0056】
以上説明した画像形成装置においては、記録媒体Pに転写されるトナー像を担持した像担持体が中間転写体4として構成されているが、その像担持体が感光体より成るときも、前述の各構成をそれぞれ採用することができる。
【0057】
図6は、時計方向に回転するドラム状の感光体3を示し、この感光体3には、図2に示した感光体3Yと同様にして静電潜像が形成され、その静電潜像が図6には示していない現像装置によって、トナー像として可視像化される。この例でも、感光体3の表面に形成されたトナー像Tのトナー帯電極性はマイナスであるとする。感光体3は、導電性のベース32と、そのベース32の表面に積層された感光層33を有し、ベース32がアースされている。
【0058】
感光体3より成る像担持体の表面には、対向部材の一例である転写ローラ23が対向配置され、この転写ローラ23は反時計方向に回転しながら感光体3に当接し、これらの間に転写ニップ部Nが形成されている。記録媒体Pは、矢印Cで示すように、感光体3と転写ローラ23との間の転写ニップ部Nを通過する。このとき、転写ローラ23には、トナー像Tのトナー帯電極性と反対極性、すなわちプラス極性の転写電圧が印加され、これによって感光体3と転写ローラ23との間に形成された転写電界の作用によって、感光体表面に形成されたトナー像Tが記録媒体Pに転写される。そして、この場合も、転写入口部aの側に電極26が配置され、図6に示した例では、図5の場合と同じく電極26が感光体3と記録媒体Pとの間に位置している。かかる電極26には、感光体3上のトナー像Tのトナー帯電極性と同極性の電圧が印加され、これによって転写チリの発生を防止できる。また、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pは先ず転写ローラ23に接触し、次いで感光体3の表面に接触するので、ベタチリの発生を防止することができる。転写ニップ部Nを通過した記録媒体Pは、図6には示していない定着装置を通り、このとき記録媒体Pに転写されたトナー像が定着される。
【0059】
図6に示した転写ローラ23に+800Vの転写電圧を印加し、同じく図6に示した電極26に−400Vの電圧を印加したところ、ベタチリと転写チリが共に発生しない良好な画像を記録媒体P上に転写することができた。
【0060】
図5及び図6に示した画像形成装置の場合には、その電極26に過剰な電圧を印加すると、中間転写体4又は感光体3より成る像担持体と電極26との間で放電が生じ、これによってトナー像が乱されたり、像担持体が劣化する欠点を免れない。従って、図5及び図6に示した画像形成装置の場合には、電極26に対し、該電極26と像担持体(中間転写体4又は感光体3)との間に放電を発生させない電圧を印加することが好ましい。
【0061】
また、図7に示した画像形成装置の基本構成は、図4に示した画像形成装置と同様であるが、対向部材の一例である転写ベルト29と、像担持体の一例である中間転写体4を挟んで、支持ローラ14に対向して、バイアスローラ123が配置され、このバイアスローラ123に、中間転写体4の表面に形成されたトナー像Tのトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加される。従動ローラ31に転写電圧は印加されない。これらの点で、図4に示した画像形成装置と相違している。また、逆電界形成手段を構成する電極26が、中間転写体4より成る像担持体に接触しない記録媒体Pの裏面P2の側、より具体的には転写ベルト29の内側に位置し、かかる電極26にトナー帯電極性と同極性、すなわちマイナス極性の電圧が印加される点も、図4に示した画像形成装置と相違している。逆電界形成手段は、像担持体に接触しない記録媒体の裏面の側に位置する電極26を有し、該電極26に、像担持体表面に形成されたトナー像Tのトナー帯電極性と同極性の電圧が印加されるように構成されているのである。これにより、転写入口部aの側において、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pに静電的に移行することが防止され、転写チリの発生が阻止される。他の構成は、図4に示した画像形成装置と変りはなく、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pが先ず対向部材の一例である転写ベルト29に接触し、次いで像担持体の一例である中間転写体4の表面に接触し、これによってベタチリの発生が防止されることも図4に示した画像形成装置と変りはない。図7に示した構成も、中間転写体4又は感光体より成る像担持体の記録媒体と接触しない側の表面抵抗率が109Ω/□よりも低い場合でも支障なく採用することができる。
【0062】
図7に示した画像形成装置において、バイアスローラ123に印加する転写電圧の値を+1200Vに固定し、電極26に印加する電圧を変化させ、記録媒体P上に約90μmの直径のドッド画像を転写し、そのチリ量を比較した。その結果を図8に示す。図8中のチリ量3のラインが主観的な許容値である。図8からは、電極26に絶対値で500V以上の電圧を印加することにより、転写チリとベタチリの発生を効果的に抑制できることが判る。
【0063】
以上説明した画像形成装置には、転写ニップ部Nへ進入してくる記録媒体Pが先ず対向部材に接触し、次いで像担持体の表面に接触するように記録媒体Pを案内する案内手段が設けられていることが望ましい。図9は、好ましい案内手段を有する画像形成装置を示している。ここに示した画像形成装置の案内手段以外の基本構成は、図3に示したところと変りはなく、図3と同一の部分についての説明は省略する。
【0064】
図9において、転写入口部aの側には、転写ローラ23より成る対向部材の近傍に配置され、その転写ローラ23に対して平行に延びる棒状のガイド部材35と、そのガイド部材35の近傍に位置する案内板36とが配設されている。記録媒体Pは、レジストローラ対34の回転によって転写ニップ部Nに向けて送り出されるが、このとき記録媒体Pは先ず下方に撓み、案内板36に沿って搬送される。引き続き、記録媒体Pは、中間転写体4より成る像担持体の表面に接触する側の表面P1がガイド部材35に当接しながら案内され、記録媒体Pの先端が転写ローラ23の表面に接触し、次いで転写ローラ23の回転に伴って中間転写体4の表面に接触し、転写ニップ部Nに挿入され、ここを通過する。記録媒体Pが接触するガイド部材35の部分が、記録媒体Pを案内するガイド部であるが、そのガイド部は、図9から判るように、転写ニップ部Nに引いた接線TLよりも、対向部材の一例である転写ローラ23の側に位置している。このように、記録媒体用の案内手段は、対向部材の一例である転写ローラ23の近傍に配置されたガイド部材35を有し、該ガイド部材35は、像担持体の一例である中間転写体4の表面に接触する側の記録媒体表面に当接して該記録媒体を案内するガイド部を有している。記録媒体Pの紙種、厚み、腰の強さ、環境などによって、記録媒体Pの搬送時の挙動は多少異なるが、上述した案内手段を設けることにより、いずれの記録媒体Pも、確実に、先ず転写ローラ23に接触させ、次いで中間転写体4の表面に接触させることが可能となる。
【0065】
ところで、ガイド部材35は転写ローラ23の近傍に配置されているので、両者の間で放電が生じたり、記録媒体Pの抵抗値が低い場合に、その記録媒体Pを介して、転写電圧の印加された転写ローラ23からガイド部材35に電流が流れて、トナー像の転写効率が低下するおそれがある。
【0066】
かかる不具合の発生を阻止するため、ガイド部材35が、対向部材の一例である転写ローラ23と電位差を有していないように構成することが好ましい。このようにすれば、転写ローラ23とガイド部材35との間の放電の発生と電流の漏洩を確実に防ぐことができる。
【0067】
ガイド部材35と転写ローラ23との間に電位差を発生させない具体的な方法としては、ガイド部材35を、電気的にフロート状態に配置し、かつ金属などの抵抗値の低い物質で構成すればよい。例えばガイド部材35をステンレス鋼により構成する。このように構成すれば、ガイド部材35の電位は周囲の電界によって決定されるので、転写ローラ23の近傍に設けられたガイド部材35の電位は、その転写ローラ23の電位と同電位となる。案内板36は、例えば低抵抗化した樹脂により構成することができる。
【0068】
またガイド部材35を絶縁性の部材により構成しても、上述したところと同じ効果が得られる。この構成によると、ガイド部材を他の部材と一体に構成しても、他の部材に電気的な影響を与えることがない。
【0069】
ガイド部材35と転写ローラ23を最も確実に同電位にするには、ガイド部材35に、対向部材の一例である転写ローラ23と同電位の電圧を印加すればよい。この構成は、上述した各構成よりもコストがかかるが、最も確実な方法である。
【0070】
以上説明した各構成において、電極26に印加する電圧をVcとし、例えば転写ローラ23より成る対向部材に印加する転写電圧をVtとしたとき、中間転写体4上の電荷qを有するトナーに対して作用する力は、電圧Vcにより生じる電界Ecと、転写電圧Vtにより生じる電界Etにより決まり、転写ローラ23に向かう力がより大きくなった場合に、中間転写体4から転写ローラ23にトナーが飛翔するプレ転写が発生する。電界Ec,Etの強さは、中間転写体4や記録媒体Pなどの誘電率や厚みなどにも影響される値である。
【0071】
上述したところから判るように、転写入口部aにおいて、中間転写体4上のトナーが記録媒体Pに飛翔するプレ転写を発生させない電圧Vcの限界値は、転写電圧Vtによって相違する。従って、電極26に印加する電圧の値を、転写電界の形成のために対向部材に印加する転写電圧に従って決定することが好ましい。経時変化や、環境の変化に応じて、転写電圧の値を変化させる画像形成装置においては、その変化に連動させて、電極26に印加する電圧の値も変化させることが好ましく、これによって経時変化や環境の変化があっても、常に良好な画像を得ることができる。
【0072】
図9に示した画像形成装置を用い、転写ローラ23に印加する転写電圧Vtに対応させて、電極26に印加する電圧Vcを変化させ、プレ転写が生じる様子を、ドット画像のチリによって評価した。その結果を図10に示す。図10においては、プレ転写が生じていると判断された場合を「×」、生じていないと判断された場合を「○」で示した。この実験に基づいて、プレ転写の生じない条件下で、実際に画像形成動作を行ったところ、プレ転写の生じない画像が得られた。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、転写チリの発生とベタチリの発生を共に抑えた画像形成装置を供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す図である。
【図3】図1に示した中間転写体上のトナー像を記録媒体に転写するときの様子を示す図である。
【図4】図1とは異なる画像形成装置の概略断面図である。
【図5】電極の位置を変えた例を示す、図3と同様な図である。
【図6】像担持体が感光体より成る画像形成装置を示す、図3と同様な図である。
【図7】対向部材が転写ベルトより成る画像形成装置を示す、図3と同様な図である。
【図8】電極に印加する電圧とチリ量の相関関係を示す図である。
【図9】好ましい案内手段を有する画像形成装置を示す、図3と同様な図である。
【図10】転写ローラに印加する転写電圧と電極に印加する電圧の相関関係の一例を示す図である。
【図11】従来の画像形成装置の一例を示す図である。
【図12】ベタチリの発生状態を説明する図である。
【符号の説明】
26 電極
35 ガイド部材
N 転写ニップ部
P 記録媒体
T トナー像
TL 接線
Claims (12)
- 表面にトナー像が形成される像担持体と、該像担持体の表面に対向配置された対向部材とを具備し、前記像担持体と対向部材との間の転写ニップ部に記録媒体を通過させ、このとき像担持体と対向部材との間に形成された転写電界の作用により、像担持体表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する画像形成装置において、
前記転写ニップ部よりも像担持体表面移動方向上流側の領域に、該像担持体表面のトナーが記録媒体の側へ向けて静電的に移行することを禁止する向きの電界を形成する逆電界形成手段を設けると共に、転写ニップ部へ進入してくる記録媒体が先ず前記対向部材に接触し、次いで像担持体の表面に接触するように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記逆電界形成手段は、記録媒体に接触しない像担持体の裏面の側に配置された電極を有し、該電極に、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性の電圧が印加される請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記逆電界形成手段は、前記像担持体と記録媒体との間に位置する電極を有し、該電極に、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と同極性の電圧が印加される請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記電極に対し、該電極と像担持体との間に放電を発生させない電圧を印加する請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記逆電界形成手段は、前記像担持体に接触しない記録媒体の裏面の側に位置する電極を有し、該電極に、像担持体表面に形成されたトナー像のトナー帯電極性と同極性の電圧が印加される請求項1に記載の画像形成装置。
- 転写ニップ部へ進入してくる記録媒体が先ず前記対向部材に接触し、次いで像担持体の表面に接触するように記録媒体を案内する案内手段を具備し、該案内手段は、前記対向部材の近傍に配置されたガイド部材を有し、該ガイド部材は、前記像担持体の表面に接触する側の記録媒体表面に当接して該記録媒体を案内するガイド部を有している請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材のガイド部は、前記転写ニップ部に引いた接線よりも対向部材の側に位置している請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材は、前記対向部材と電位差を有していないように構成されている請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材は、電気的にフロート状態に配置されている請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材は、絶縁性の部材により構成されている請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記ガイド部材には、前記対向部材と同電位の電圧が印加される請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記電極に印加する電圧の値を、前記転写電界の形成のために前記対向部材に印加する転写電圧に従って決定する請求項2乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
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