JP2004332807A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トラニオン6を構成する支持板部7の長手方向の両端部には、パワーローラ11を収容するポケット部Pを形成するように支持板部の内側面側に折れ曲がる一対の折れ曲がり壁部8,8が形成され、これらの各折れ曲がり壁部の外側面に各枢軸5が互いに同心的に設けられて成るトロイダル型無段変速機において、トラニオンには、一対の折れ曲がり壁部の先端部を連結する連結部材33が設けられ、一対の折れ曲がり壁部の内面63には表面硬化処理が施されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や各種産業機械の変速機として利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用変速機として、例えば、図3および図4に略示するようなトロイダル型無段変速機を使用することが一部で実施されている(例えば、特許文献1参照)。このトロイダル型無段変速機は、入力軸1と同心に第1のディスクである入力側ディスク2を支持し、入力軸1と同心に配置された出力軸3の端部に、第2のディスクである出力側ディスク4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの内側には、入力軸1並びに出力軸3に対し捻れの位置にある枢軸5,5を中心として揺動するトラニオン6,6が設けられている。
【0003】
すなわち、各トラニオン6,6は、図5および後述する図7に示すように、支持板部7の長手方向(図5および図7の左右方向)の両端部に、この支持板部7の内側面側(図5の上側)に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部8,8を有している。そして、この折れ曲がり壁部8,8によって、トラニオン6には、後述するパワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部8,8の外側面(支持板部7と反対側の面)には、各枢軸5,5が互いに同心的に設けられている。
【0004】
支持板部7の中央部には円孔10が形成され、この円孔10には変位軸9の基端部が支持されている。そして、各枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させることにより、これら各トラニオン6,6の中央部に支持された変位軸9の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン6,6の内側面から突出する変位軸9の先端部の周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、入力側および出力側の両ディスク2,4の間に挟持されている。なお、各変位軸9,9の基端部と先端部は、互いに偏心している。
【0005】
入力側および出力側の両ディスク2,4の互いに対向する内側面2a,4aの断面はそれぞれ、枢軸5を中心とする円弧或いはこのような円弧に近い曲線を回転させて得られる凹面を成している。そして、球状の凸面に形成された各パワーローラ11,11の周面11a,11aが各内側面2a,4aに当接されている。
【0006】
入力軸1と入力側ディスク2との間には、ローディングカム式の押圧装置12が設けられている。この押圧装置12は、入力側ディスク2を出力側ディスク4に向けて弾性的に押圧している。また、押圧装置12は、入力軸1と共に回転するカム板13と、保持器14により保持された複数個(例えば4個)のローラ15,15とから構成されている。また、カム板13の片側面(図3および図4の左側面)には、周方向に亙って凹凸面であるカム面16が形成され、入力側ディスク2の外側面(図3および図4の右側面)にも同様のカム面17が形成されている。そして、複数個のローラ15,15は、入力軸1に対して放射方向に延びる軸を中心に回転できるように、支持されている。
【0007】
このような構成のトロイダル型無段変速機においては、入力軸1を回転させると、その回転に伴ってカム板13が回転し、カム面16によって複数個のローラ15,15が、入力側ディスク2の外側面に設けられたカム面17に押圧される。この結果、入力側ディスク2が複数のパワーローラ11,11に押圧されると同時に、1対のカム面16,17と複数個のローラ15,15の転動面との押し付け合いに基づいて、入力側ディスク2が回転する。そして、この入力側ディスク2の回転が、各パワーローラ11,11を介して、出力側ディスク4に伝達され、この出力側ディスク4に固定された出力軸3が回転する。
【0008】
入力軸1と出力軸3との回転速度を変える場合であって、入力軸1と出力軸3との間で減速を行なう場合には、枢軸5,5を中心として各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図3に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの中心寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。
【0009】
反対に、増速を行なう場合には、各トラニオン6,6を揺動させ、各パワーローラ11,11の周面11a,11aが、図4に示すように、入力側ディスク2の内側面2aの外周寄り部分と出力側ディスク4の内側面4aの中心寄り部分とにそれぞれ当接するように、各変位軸9,9を傾斜させる。各変位軸9,9の傾斜角度を図3と図4との中間にすれば、入力軸1と出力軸3との間で、中間の変速比が得られる。
【0010】
更に、図6および図7は、具体化されたトロイダル型無段変速機を示している(例えば、特許文献2参照)。入力側ディスク2および出力側ディスク4はそれぞれ、円管状の入力軸18の周囲に、ニードル軸受19,19を介して、回転自在および軸方向に変位自在に支持されている。また、ローディングカム式の押圧装置12を構成するためのカム板13は、入力軸18の端部(図6の左端部)の外周面にスプライン係合され、鍔部20によって入力側ディスク2から離れる方向への移動が阻止されている。また、出力側ディスク4には出力歯車21がキー22,22により結合されており、これら出力側ディスク4と出力歯車21とが同期して回転するようになっている。
【0011】
前述の図5に示されるような構成を成す一対のトラニオン6,6の両端部はそれぞれ、一対の支持板23,23に対して揺動自在および軸方向(図6の表裏方向、図7の左右方向)に変位自在に支持されている。そして、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の中央部に形成された円孔10には、基端部9aと先端部9bとが互いに平行で且つ偏心した変位軸9の基端部9aが、回転自在に支持されている。また、各支持板部7の内側面から突出する各変位軸9の先端部9bの周囲には、パワーローラ11が回転自在に支持されている。
【0012】
なお、一対のトラニオン6,6毎に設けられた一対の変位軸9,9は、入力軸18に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸9,9の先端部9bが基端部9aに対して偏心している方向は、入力側および出力側の両ディスク2,4の回転方向に対して同方向(図7で左右逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸18の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸18の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸18の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
【0013】
また、各パワーローラ11,11の大端面と各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面との間には、パワーローラ11の大端面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉26,26と、これら各玉26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の大端面に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
【0014】
また、スラストニードル軸受25は、各トラニオン6,6を構成する支持板部7の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、各パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11および外輪28が各変位軸9の基端部9aを中心として揺動変位することを許容する。更に、各トラニオン6,6の一端部(図7の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド29が結合されており、各駆動ロッド29の中間部外周面に駆動ピストン30が固設されている。そして、これら各駆動ピストン30はそれぞれ、駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。
【0015】
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸18の回転は、押圧装置12を介して、入力側ディスク2に伝えられる。そして、この入力側ディスク2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して出力側ディスク4に伝えられ、更にこの出力側ディスク4の回転が、出力歯車21より取り出される。
【0016】
入力軸18と出力歯車21との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン30,30を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン30,30の変位に伴って、一対のトラニオン6,6が互いに逆方向に変位する。例えば、図7の下側のパワーローラ11が同図の右側に、同図の上側のパワーローラ11が同図の左側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと入力側ディスク2及び出力側ディスク4の内側面2a,4aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン6,6が、支持板23,23に枢支された枢軸5,5を中心として、互いに逆方向に揺動する。
【0017】
その結果、前述の図3および図4に示したように、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,4aとの当接位置が変化し、入力軸18と出力歯車21との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸18と出力歯車21との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11及びこれら各パワーローラ11に付属の外輪28が、各変位軸9の基端部9aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28の外側面と各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面との間には、各スラストニードル軸受25が存在するため、前記回動は円滑に行なれる。したがって、前述のように各変位軸9,9の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
【0018】
前述のようなトロイダル型無段変速機の運転時において、各トラニオン6,6の内側面側(ポケット部P側)に回転自在に支持されたパワーローラ11には、入力側および出力側の両ディスク2,4の内側面2a,4aからスラスト荷重が加わる。そして、このスラスト荷重は、スラスト玉軸受24及びスラストニードル軸受25を介して、各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面に伝達される。したがって、トロイダル型無段変速機の運転時に各トラニオン6,6は、図5に誇張して示すように、パワーローラ11が位置する内側面側が凹面となる方向に、僅かとは言え弾性変形する。
【0019】
そして、この弾性変形量が大きくなると、スラスト玉軸受24を構成する転動体である玉26,26及びスラストニードル軸受25を構成するニードルに加わるスラスト荷重が不均一になる。すなわち、各トラニオン6の弾性変形の結果、これら各トラニオン6を構成する支持板部7の内側面と各パワーローラ11の大端面との距離が不均一になる。そして、これら両面同士の距離が大きくなった部分に存在する転動体に加わるスラスト荷重が小さくなる代わりに、この距離が小さくなった部分に存在する転動体に加わるスラスト荷重が大きくなる。この結果、一部の転動体に過大なスラスト荷重が加わり、この一部の転動体と当該転動体の転動面が当接している軌道面との当接圧が過大となって、これら転動面及び軌道面の疲れ寿命が著しく短くなる。
【0020】
また、トラニオン6の両端部に設けられた傾転軸受の転動面である各枢軸5,5と、パワーローラ11を支持するための支持板部7との結合部位A(図8参照)には応力が集中し易く、過大なトルクが入力されて前述のようにトラニオン6が弾性変形した場合には、前記結合部位Aに亀裂等の損傷が発生し易くなる。そのため、従来は、トラニオン6の肉厚を大きくして、このような損傷の発生を防止しているが、大型化して重量が増加するとともに、コストも増大するため、好ましくない。また、枢軸5と支持板部7とを必要以上に大きな半径で結合する必要があり、加工上においても問題が生じていた。
【0021】
また、トラニオン6が図5に示すように弾性変形すると、変位軸9がトラニオン6に対し傾斜する。その場合、変位軸9の基端部9aとトラニオン6との係合部B(図8参照)に応力が集中して、この部分に亀裂等の損傷が発生し易くなる。また、変位軸9がトラニオン6に対し傾斜すると、変位軸9の先端部9bに支持されたパワーローラ11の位置がずれるため、パワーローラ11の周面11aと各ディスク2,4の内側面2a,4aとの接触点が所定位置からずれ、変速動作が不安定になる。
【0022】
このような問題に対処するため、例えば、図9に示すように、パワーローラ11が位置するトラニオン6の内側面側に、一対の折れ曲がり壁部8,8の先端部同士を連結する連結部材33を設け、この連結部材33によって、トラニオン6の内側面側が凹面となる方向に弾性変形することを規制する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。このような補強されたトラニオン6においては、支持板部7における応力は低下し、上述した部位における亀裂等の問題は軽減される。
【0023】
【特許文献1】
実開昭62−71465号公報
【特許文献2】
実願昭63−69293号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
【特許文献3】
特開2001−304366号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のトラニオン6は、パワーローラ11からのスラスト荷重により、図9に誇張して示すように、一対の折れ曲がり壁部8,8が、その先端部よりやや下側で内側に曲がるように変形する。この結果、折れ曲がり壁部8,8の内側面の表層部分Cに大きな引張応力が負荷され、疲労による寿命の低下が促される。これに対処するために、折れ曲がり壁部8,8の肉厚を大きくすることも考えられるが、大型化して重量が増加するとともに、コストも増大するため、好ましくない。
【0025】
この発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、連結部材を設けることによって応力が高くなるトラニオンの折れ曲がり壁部の内側面の疲労強度を向上させて、トラニオンの寿命を向上させることができるとともに、折れ曲がり壁部の肉厚を薄肉化するができ、トラニオンを小型化することができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された第1および第2のディスクと、これら第1および第2のディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するトラニオンと、このトラニオンを構成する支持板部の中央部に、この支持板部の内側面から突出する状態で支持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記第1および第2の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラの大端面に添設して設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容する軸受とを備え、前記支持板部の長手方向の両端部には、前記パワーローラを収容するポケット部を形成するように前記支持板部の内側面側に折れ曲がる一対の折れ曲がり壁部が形成され、これらの各折れ曲がり壁部の外側面に前記各枢軸が互いに同心的に設けられて成るトロイダル型無段変速機において、前記トラニオンには、前記一対の折れ曲がり壁部の先端部を連結する連結部材が設けられ、前記一対の折れ曲がり壁部の内側面には表面硬化処理が施されていることを特徴とする。
【0027】
この請求項1に記載された発明においては、トラニオンの一対の折れ曲がり壁部の先端部同士を連結する連結部材が設けられていることにより、折れ曲がり壁部の内側面に大きな応力が作用しても、この内側面に表面硬化処理を施すことによって、この部分の疲労強度を向上させ、トラニオンの寿命を向上させて長期に安定な動作を行わせることができる。さらに、疲労強度を向上させたことにより、折れ曲がり壁部の肉厚を薄肉化することできて、トラニオン自体を小型化することができ、これによりトロイダル型無段変速機全体の小型化が可能となる。
【0028】
また、請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載の発明において、前記表面硬化処理は、高周波焼き入れ法または浸炭法による処理であることを特徴とする。
【0029】
この請求項2に記載された発明においては、汎用の方法で表面硬化処理することができる。
【0030】
また、請求項3に記載のトロイダル型無段変速機は、互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された第1および第2のディスクと、これら第1および第2のディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するトラニオンと、このトラニオンを構成する支持板部の中央部に、この支持板部の内側面から突出する状態で支持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記第1および第2の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラの大端面に添設して設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容する軸受とを備え、前記支持板部の長手方向の両端部には、前記パワーローラを収容するポケット部を形成するように前記支持板部の内側面側に折れ曲がる一対の折れ曲がり壁部が形成され、これらの各折れ曲がり壁部の外側面に前記各枢軸が互いに同心的に設けられて成るトロイダル型無段変速機において、前記トラニオンには、前記一対の折れ曲がり壁部の先端部を連結する連結部材が設けられ、前記一対の折れ曲がり壁部は内側面の表面粗さが前記支持板部の外側面の表面粗さよりも小さくされていることを特徴とする。
【0031】
この請求項3に記載された発明においては、トラニオンの一対の折れ曲がり壁部の先端部同士を連結する連結部材が設けられていることにより、折れ曲がり壁部の内側面に大きな応力が作用しても、この内側面の表面粗さを支持板部の外側面の表面粗さよりも小さくなるようにすることによって、この部分の疲労強度を向上させ、トラニオンの寿命を向上させて長期に安定な動作を行わせることができる。さらに、疲労強度を向上させたことにより、折れ曲がり壁部の肉厚を薄肉化することできて、トラニオン自体を小型化することができ、これによりトロイダル型無段変速機全体の小型化が可能となる。なお、請求項1または請求項2に記載されたような表面硬化処理と、表面粗さの微細化処理の双方を併用してもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図3〜図8を参照して説明した従来の技術と同一の箇所は、同一の符号を付してその詳細な説明を省略することにする。
【0033】
図1は本発明の実施形態を示している。図示のように、本実施形態のトロイダル型無段変速機を構成するトラニオン6は、前述した従来構造の場合と同様に、支持板部7の長手方向(図1の左右方向)の両端部に、支持板部7の内側面側(図1の上側)に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部8,8を有している。そして、各折れ曲がり壁部8,8の外側面には、枢軸5,5が互いに同心的に設けられている。
【0034】
また、本実施形態では、従来構成における変位軸9の基端部9aと外輪28とが一体に形成されるとともに、変位軸9の先端部9bとパワーローラ11とが一体に形成されている。また、変位軸9の基端部9aを支持する支持板部7の中央部の円孔10は、貫通しておらず、外側面側(ポケット部Pと反対の側)が閉塞された袋状に形成されている。もちろん、この発明は、図9に示すような、支持板部7の中央部の円孔10が外側面側に貫通しているようなものでも同様に適用可能である。
【0035】
また、本実施形態のトラニオン6においては、パワーローラ11が位置するトラニオン6の内側面側(ポケット部P側)に、トラニオン6の内側面側が凹面となる方向に弾性変形することを規制する連結部材33が設けられている。この連結部材33は、一対の折れ曲がり壁部8,8の先端部間に延びており、両側の受圧端面33bを折れ曲がり壁部8,8の内側面に当接させ、ボルト等によって接合されている。なお、連結部材33は、例えば、鋼材等の十分な剛性を有する材料に、鍛造加工の如き、大きな剛性を得られる加工を施すことにより橋状に成形される。
【0036】
このような連結部材33は、このトラニオン6に、変位軸9、パワーローラ11、スラスト玉軸受24、スラストニードル軸受25を組み付けた後、トラニオン6に対し結合固定する。この連結部材33をトラニオン6に結合固定した状態で、パワーローラ11は、連結部材33とトラニオン6の支持板部7との間に配置された状態となる。ただし、パワーローラ11のうちで、入力側および出力側の両ディスク2,4の内側面2a,4a(図3,図4,図6参照)と当接する部分は、連結部材33の側縁(ポケット部Pの側口)から露出している。パワーローラ11の周面11aの一部で、このように連結部材33の側縁から露出した部分が、各内側面2a,4aに当接自在とするため、トラニオン6の揺動に拘らず、各ディスク2,4と干渉しないように、連結部材33の形状及び大きさを設定する。
【0037】
この実施の形態では、トラニオン6を炭素含有率0.3〜0.6%の鉄鋼材料で形成すると共に、トラニオン6の傾転を支持するラジアルニ−ドル軸受の転送表面部61と、傾転ストッパの当たり部62と、バックアップ軸受が飛び出さないようにするための軸受が当たる当接部分(図示略)、及び折れ曲がり壁部8,8の先端近傍の応力負荷部63(連結部材33の取付位置と枢軸5の取付位置の中間の部分)の内側面とを高周波焼き入れ処理をして、HRC55以上としている。そして、その他の部分は、調質熱処理によりHRC45以下としている。すぶ焼きにして芯部まで硬くしてしまうと靭性がなくなって脆く、疲労破壊強度がなくなり、トラニオン6が折れてしまう。そのため、芯部はある程度の靭性が必要であり、また、加工が容易な高周波熱処理を利用するためにトラニオン6の材質を炭素含有率0.4%以上の鉄鋼材料としており、硬さが必要な表面部分を高周波熱処理して、必要な硬さであるHRC50以上を得ている。硬さが必要な表面部分(転送表面部61,当たり部62,応力負荷部63等)は、高周波焼き入れ処理の他に、浸炭処理を行うことによっても、HRC55以上の硬さが得られる。浸炭処理の場合には、トラニオン6は炭素含有率0.25%以下の鉄鋼材料により形成されることが望ましい。
【0038】
本発明のようなトラニオンを製作する方法として、コストや生産性を考えると、図2に示すように焼入れ→焼戻しでトラニオン全体を調質した後、硬さの必要な部位に900℃程度の高周波熱処理を行なうことが望ましい。材料としてはC濃度が0.3%以上から0.6%以下程度のものが望ましい。C濃度が0.6%以上では芯部に硬さが入り易くなり、目標でありHRC45以下を保持するには、調質時の焼戻し温度をかなり高温にせざるを得ないため熱処理変形が大きくなったり、熱処理コストが嵩むなどの不具合を生じる。また、表面硬さHRC55以上を得るためのC濃度は最低0.2%であるが(例えば「鉄鋼材料便覧」3.1節,P85)、焼き入れ時の質量効果等を考えると、余裕をみて0.3%以上としておくことが望ましい。このような硬さが必要な表面部分(転送表面部61,当たり部62,応力負荷部63等)の表面硬化処理は、一度の処理によって同時に行なうことができるので、熱処理コストが大きく嵩むなどの不具合はない。
【0039】
高周波焼入れ部の有効硬化層深さとしては、軸受の転動体(ころ)接触によって材料内部に生じるせん断応力が最大となる深さの2倍程度があれば良い。しかし、この部位はせん断応力が最大となる深さは比較的浅く、それほど深い硬化層深さは必要ないが、高周波焼入れでは硬化層深さを浅めに制御することはコストアップになるため、トロイダル型無段変速機のトラニオンでは硬化層深さを0.5〜2.0mm程度にすることが望ましい。
【0040】
この実施の形態のトロイダル型無段変速機にあっては、トラニオン6のポケット部Pがパワーローラ11からのスラスト荷重を受けて変形したときに、引張応力を受ける折れ曲がり壁部8,8の先端近傍の部分63(連結部材33の取付位置と枢軸5の取付位置の中間の部分)の内側面が、表面硬化処理によってHRC55以上となっているので、当該部分の引張変形が軽減し、その結果疲労強度が向上する。したがって、トラニオン6の寿命を向上させることができるとともに、折れ曲がり壁部8,8の肉厚を薄肉化するができ、トラニオン6を小型化することができる。さらに、トラニオン6の材質を炭素含有率0.3〜0.6%の鉄鋼材料としているので、トラニオン6そのものに靭性があり、疲労破壊に対する強度を高くすることができる。加えて、トラニオン6の傾転を支持するラジアルニ−ドル軸受の転送表面部61と、傾転ストッパの当たり部62と、バックアップ軸受が飛び出さないようにするための軸受が当たる当接部分とを同じく表面硬化させているので、無段変速機の部品であるトラニオン6として要求される耐摩耗性や耐久性を確保することができる。このように、自動車等の部品として要求される寿命を向上させて、長期に安定な動作を行わせることができる。
【0041】
また、この実施形態のトロイダル型無段変速機においては、トラニオン6の長手方向の両端部に設けた一対の折れ曲がり壁部8,8同士が連結部材33によって連結されているため、トラニオン6の曲げ剛性が向上する。そのため、トロイダル型無段変速機の運転に伴って、このトラニオン6を構成する支持板部7の内側面に、図1で上向きのスラスト荷重が加わった場合でも、トラニオン6が弾性変形しにくい。また、このように、トラニオン6の弾性変形を効果的に防止できれば、過大なトルクが入力された場合でも、各枢軸5,5と支持板部7との結合部位Aに応力が集中することがなく(応力の低下を図れ)、トラニオン6の肉厚を特に大きくしなくても、各枢軸5,5の基端部分に亀裂等の損傷が発生しにくくできる。このため、重量やコストの低減を図れるとともに、トラニオンを小型化することもできる。また、トラニオン6の変形に基づく変位軸9の傾斜を防止し、この変位軸9の先端部9bに支持したパワーローラ11の位置がずれるのを抑えることができるので、変速動作を安定させることができる。
なお、本実施形態では、変位軸9の基端部9aを支持する支持板部7の中央部の円孔10が貫通しておらず、一端側が閉塞された袋状に形成されているため、仮に変位軸9がトラニオン6に対し傾斜するようなことがあっても、変位軸9の基端部9aとトラニオン6との係合部Bに応力が集中してこの部分に亀裂等の損傷が発生するといった事態を回避できる。
【0042】
本発明は、図1に示すような一対の折れ曲がり壁部8,8の先端が枢軸取付位置から突出する長さが大きい場合に特に有効であるが、その突出長さに拘わらず、本発明の効果を奏することができる限り採用することができることは言うまでもない。
【0043】
なお、上述の実施の形態では、トラニオンの折れ曲がり壁部の内側面に表面硬化処理を施したが、これに代えてまたはこれに加えて、折れ曲がり壁部の内側面の表面粗さを支持板部の外側面の表面粗さよりも小さくすることにより、折れ曲がり壁部の内側面の疲労強度を向上させることができて、トラニオンの寿命を向上させることができるとともに、折れ曲がり壁部の肉厚を薄肉化することできる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、連結部材を設けることによって応力が高くなるトラニオンの折れ曲がり壁部の内側面に、表面硬化処理や表面粗さの微細化処理を施すことによって、当該部分の疲労強度を向上させて、寿命を延長させることができるとともに、折れ曲がり壁部の肉厚を薄肉化するができ、トラニオンを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るトロイダル型無段変速機から図7の上側に配置したトラニオンに相当するトラニオンを取り出して示す拡大断面図である。
【図2】調質および高周波加熱のタイミング例を示すタイムチャートである。
【図3】従来から知られているの基本的構成を最大減速時の状態で示す側面図である。
【図4】従来から知られているトロイダル型無段変速機の基本的構成を最大増速時の状態で示す側面図である。
【図5】トラニオンの具体的形状をスラスト荷重により弾性変形した状態で示す断面図である。
【図6】従来のトロイダル型無段変速機の具体的構造の一例を示す断面図である。
【図7】図6のX−X線に沿う断面図である。
【図8】トラニオンおよびパワーローラの従来構造を示す拡大断面図である。
【図9】従来のトラニオンを一部を切り欠いて示す側面図である。
【符号の説明】
1 入力軸
2 入力側ディスク
2a 内側面
3 出力軸
4 出力側ディスク
4a 内側面
5 枢軸
6 トラニオン
7 支持板部
8 折れ曲がり壁部
9 変位軸
11 パワーローラ
24 スラスト玉軸受(軸受)
33 連結部材
63 応力負荷部
P ポケット部
Claims (3)
- 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された第1および第2のディスクと、これら第1および第2のディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するトラニオンと、このトラニオンを構成する支持板部の中央部に、この支持板部の内側面から突出する状態で支持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記第1および第2の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラの大端面に添設して設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容する軸受とを備え、前記支持板部の長手方向の両端部には、前記パワーローラを収容するポケット部を形成するように前記支持板部の内側面側に折れ曲がる一対の折れ曲がり壁部が形成され、これらの各折れ曲がり壁部の外側面に前記各枢軸が互いに同心的に設けられて成るトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンには、前記一対の折れ曲がり壁部の先端部を連結する連結部材が設けられ、前記一対の折れ曲がり壁部の内側面には表面硬化処理が施されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 - 前記表面硬化処理は、高周波焼き入れ法または浸炭法による処理であることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
- 互いの内側面同士を対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された第1および第2のディスクと、これら第1および第2のディスクの中心軸に対して捻れの位置にある枢軸を中心に揺動するトラニオンと、このトラニオンを構成する支持板部の中央部に、この支持板部の内側面から突出する状態で支持された変位軸と、この変位軸の周囲に回転自在に支持された状態で前記第1および第2の両ディスクの間に挟持されたパワーローラと、このパワーローラの大端面に添設して設けられ、このパワーローラに加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、このパワーローラの回転を許容する軸受とを備え、前記支持板部の長手方向の両端部には、前記パワーローラを収容するポケット部を形成するように前記支持板部の内側面側に折れ曲がる一対の折れ曲がり壁部が形成され、これらの各折れ曲がり壁部の外側面に前記各枢軸が互いに同心的に設けられて成るトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンには、前記一対の折れ曲がり壁部の先端部を連結する連結部材が設けられ、前記一対の折れ曲がり壁部は内側面の表面粗さが前記支持板部の外側面の表面粗さよりも小さくされていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。
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